JP2007108630A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機溶媒中に、少なくとも、活性水素基を有する化合物と、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体、着色剤、離型剤を含むトナー用組成物を溶解又は分散させてなる有機液相、又は、これら活性水素基を有する化合物、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体、着色剤、離型剤のうち少なくとも1部を含有するトナー用組成物を溶解又は分散させてなる有機液相を、水系媒体中で分散させ、該活性水素基を有する化合物と、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体とを反応させた後、もしくは反応させながら、該有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥して得たトナーであって、該トナー用組成物に分子量1000以下の多官能イソシアネート化合物を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【選択図】なし
Description
こうした低温定着化に対応すべく、従来多用されてきたスチレン−アクリル系樹脂に代えて、低温定着性に優れ、耐熱保存性も比較的良いポリエステル樹脂の使用が試みられている(特許文献4:特開昭60−90344号公報、特許文献5:特開昭64−15755号公報、特許文献6:特開平2−82267号公報、特許文献7:特開平3−229264号公報、特許文献8:特開平3−41470号公報、特許文献9:特開平11−305486号公報)。
また、低温定着性の改善を目的に、バインダー中に特定の非オレフィン系結晶性重合体を添加する試み(特許文献10:特開昭62−63940号公報)、結晶性ポリエステルを用いる試み(特許文献11:特許第2931899号公報)があるが、分子構造、分子量について最適化されているとはいえない。
また、これら従来公知の技術を適用してもDSM(Demand-side Management)プログラムの仕様を達成することは不可能であり、従来の技術領域よりさらに進んだ低温定着技術の確立が必要である。
粉砕法では、上記記載の熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤などを溶融混合して均一に分散させ、得られた組成物を粉砕、分級することによりトナーを製造している。粉砕法によれば、ある程度優れた特性を有するトナーを製造することができるが、トナー用材料の選択に制限がある。例えば、溶融混合により得られる組成物は、経済的に使用可能な装置により粉砕し、分級できるものでなければならない。この要請から、溶融混合した組成物は、充分に脆くせざるを得ない。このため、実際に上記組成物を粉砕して粒子にする際に、高範囲の粒径分布が形成され易く、良好な解像度と階調性のある複写画像を得ようとすると、例えば、トナー重量平均粒径を小さくせざるを得ず、粒径4μm以下の微粉と15μm以上の粗粉を分級により除去しなければならず、トナー収率が非常に低くなるという欠点がある。また、粉砕法では、着色剤や帯電制御剤などを熱可塑性樹脂中に均一に分散することが困難である。このような分散は、トナーの流動性、現像性、耐久性、画像品質などに悪影響を及ぼす。
近年、これらの粉砕法における問題点を克服するために、懸濁重合法によるトナーの製造方法が提案され、実施されている。静電潜像現像用のトナーを重合法によって製造する技術は公知であり、例えば、懸濁重合法や乳化重合凝集法(特許文献12:特許第2537503号公報)によってトナー粒子を得ることが行なわれている。
すなわち、本発明によれば、上記課題は以下の(1)〜(11)によって解決される。
(1)「少なくとも、活性水素基を有する化合物と、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体、着色剤、離型剤を含むトナー用組成物を溶解又は分散させてなる有機液相、又は、これら活性水素基を有する化合物、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体、着色剤、離型剤のうち少なくとも1部を含有するトナー用組成物を溶解又は分散させてなる有機液相を、水系媒体中で分散させ、該活性水素基を有する化合物と、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体とを反応させた後、もしくは反応させながら、該有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥して得たトナーであって、該トナー用組成物に分子量1000以下の多官能イソシアネート化合物を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー」
(2)「前記重合体に対する前記多官能イソシアネート化合物の重量比が2〜10%であることを特徴とする前記第(1)項に記載の静電荷像現像用トナー」
(3)「前記多官能イソシアネート化合物のイソシアネート官能基数が2〜4であることを特徴とする前記第(1)項に記載の静電荷像現像用トナー」
(4)「前記トナー粒子のガラス転移点が40〜70℃であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」
(5)「前記トナー粒子のBET比表面積が1.0〜6.0m2/gであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」
(6)「前記トナー粒子の体積平均粒径が3〜8μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」
(7)「前記トナー粒子の体積平均粒径(Dv)に対する個数平均粒径(Dn)の比(Dv)/(Dn)が1.25以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」
(8)「前記トナー粒子の平均円形度が1.00〜0.90であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」
(9)「前記トナー粒子の酸価が0.5〜40mgKOHであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の静電荷現像用トナー」
(10)「前記トナー結着樹脂のガラス転移点が30〜65℃であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」
(11)「前記トナー結着樹脂の酸価が1〜50mgKOHであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー」
有機溶媒中に、少なくとも、活性水素基を有する化合物と、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体、着色剤、離型剤を含むトナー用組成物を溶解又は分散させてなる有機液相、又は、これら活性水素基を有する化合物、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体、着色剤、離型剤のうち少なくとも1部を含有するトナー用組成物を溶解又は分散させてなる有機液相を、水系媒体中で分散させ、該活性水素基を有する化合物と、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体とを反応させた後、もしくは反応させながら、該有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥して得たトナーであって、該活性水素基と反応可能な部位を有する重合体中に分子量1000以下の多官能イソシアネート化合物を含有することにより、低温定着性を満足し、耐オフセット性が良好であり、且つトナーの保存性が良好であることを見出した。
本発明で用いられるプレポリマー(活性水素基と反応可能な部位を有する重合体)は、イソシアネート基を含有するポリエステル系プレポリマー(A)が好ましく、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(PIC)と反応させることによって得ることができる。
この場合、ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
活性水素基を有する化合物として最も好ましい化合物はアミノ基を有する化合物である。前記アミン(B)としては、ポリアミン及び/又は活性水素含有基を有するアミン類が用いられる。この場合の活性水素含有基には、水酸基やメルカプト基が包含される。このようなアミンには、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、および(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B1)〜(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
これらアミン(B)のうち好ましいものは、(B1)および(B1)と少量の(B2)の混合物である。
アミン(B)とイソシアネート基を有するプレポリマーAとの比率は、イソシアネート基を有するプレポリマーA中のイソシアネート基[NCO]と、アミン(B)中のアミノ基[NHx](xは1〜2の数を示す)の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、更に好ましくは1.2/1〜1/1.2である。
本発明において、有機液相のための有機溶媒としてトナー組成物を溶解、及び/又は分散可能な溶媒で有れば特に限定するものではない。好ましいものとしては、該溶剤の沸点が150℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチルなどの非水溶性又は水不混和性有機溶媒の他に、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフランなどの水溶性又は水混和性有機溶媒を単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。トナー組成物100部に対する溶剤の使用量は、通常40〜300部、好ましくは60〜140部、さらに好ましくは80〜120部である。
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラセンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、バルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ビリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先に挙げた変性、未変性ポリエステル樹脂の他に、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
また、トナーバインダー、着色剤とともにワックスを含有させることもできる。本発明のワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
本発明のワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜1000cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明において荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、もちろん有機溶剤、あるいは有機液相に直接溶解、分散する際に加えても良いし、トナー表面にトナー粒子作成後固定化させてもよい。
本発明で得られた着色粒子(トナー母体)の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5μm〜2μmであることが好ましく、特に5μm〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に00.01〜2.0重量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
このような流動化剤は表面処理を行なって疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
本発明におけるトナーは特定の形状と形状の分布を有すことが重要であり、平均円形度が0.90未満で、球形からあまりに離れた不定形の形状のトナーでは、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られない。なお形状の計測方法としては粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度が1.00〜0.90のトナーが適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに有効であることが判明した。この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測した。具体的な測定方法は後述する。
該トナーの体積平均粒径(Dv)が3〜8μmであり、個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.25以下、好ましくは1.10〜1.25である乾式トナーにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の光沢性に優れ、更に二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行なわれても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なくなり、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。また、一成分現像剤として用いた場合においても、トナーの収支が行なわれても、トナーの粒子径の変動が少なくなると共に、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(攪拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られた。
また、これらの現象は微粉の含有率が本発明の範囲より多いトナーにおいても同様である。
逆に、トナーの粒子径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行なわれた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。また、体積平均粒子径/個数平均粒子径が1.25よりも大きい場合も同様であることが明らかとなった。
また、体積平均粒子径/個数平均粒子径が1.05より小さい場合には、トナーの挙動の安定化、帯電量の均一化の面から好ましい面もあるが、トナーの帯電が不十分になる場合が見られ、また、クリーニング性を悪化させる場合があることが明らかとなった。
本発明のトナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II型を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研社製)と、PC9801パーソナルコンピューター(NEC製)とを接続し測定した。
ポリエステル樹脂の酸価を1.0〜50.0(KOHmg/g)にすることにより、低温定着性、耐高温オフセット性、耐熱保存性、帯電安定性などのトナー特性をより高品位にすることが可能である。つまり、酸価が50.0(KOHmg/g)を超えると変性ポリエステルの伸長または架橋反応が不十分となり、耐高温オフセット性に影響が見られ、また、1.0(KOHmg/g)未満では、変性ポリエステルの伸長または架橋反応が進みやすく、製造安定性に問題が生じるためである。
本発明の酸価の測定方法は、JIS K0070に準拠した方法による。但しサンプルが溶解しない場合は、溶媒にジオキサン又はTHF等の溶媒を用いる。
本発明のさらなる検討によれば、トナー酸価は低温定着性、耐高温オフセット性に対して、ポリエステル樹脂の酸価より重要である。本発明のトナー酸価は、定着特性(定着下限温度、ホットオフセット発生温度など)を制御するために、酸価を0.5〜40.0(KOHmg/g)にすることが好ましい。つまり、トナー酸価が40.0(KOHmg/g)を超えると、変性ポリエステルの伸長または架橋反応が不十分となり、耐高温オフセット性に影響が見られ、また、0.5(KOHmg/g)未満では、変性ポリエステルの伸長または架橋反応が進みやすく、製造安定性に問題が生じるためである。
本発明においては、ポリエステル樹脂の耐熱保存性能は、変性前のポリエステルのガラス転移点に依存するため、ポリエステル樹脂のガラス転移点を30℃〜65℃に設計することが好ましい。つまり、30℃未満では、耐熱保存性が不足し、65℃を超えると低温定着に悪影響を及ぼす。
本発明のガラス転移点の測定は、理学電機社製のRigaku THRMOFLEX TG8110により、昇温速度10℃/minの条件にて測定される。
本発明のトナーのガラス転移点は低温定着性、耐熱保存性、高耐久性を得るために40〜70℃が好ましい。つまり、ガラス転移点が40℃未満では現像機内でのブロッキングや感光体へのフィルミングが発生し易くなり、また、70℃を超えた場合には低温定着性が悪化しやすくなる。
本発明のトナーは、BET比表面積が1.0〜6.0(m2/g)であることが好ましく、BET比表面積が1.0(m2/g)未満では粗大粒子の存在や添加剤の内包により、また、6.0(m2/g)を超えた場合は微細粒子の存在、添加剤の浮出し、表面の凹凸により画質に影響が現れやすい。
本発明のトナーのBET比表面積は島津製作所製Tristar3000などJIS規格(Z8830及びR1626)に対応可能な機器を用いて測定することによって得られる。
樹脂等の平均分子量はGPC(gel permeation chromatography)によって以下の条件で測定した。
装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム:KF801〜807(ショウデックス社製)
温度:40℃
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0ml/分
試料:濃度0.05〜0.6%の試料を0.1ml注入
以上の条件で測定したトナー樹脂の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用してトナーの平均個数分子量Mnを算出した。
NCO%の測定方法は、JIS K1603に規定の方法による。
本発明の乾式トナーは以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
本発明に用いる水性相には、予め樹脂微粒子を添加することにより使用する。水性相に用いる水は、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
トナー粒子は、活性水素基を有する化合物(A)と有機溶媒に溶解又は分散させた活性水素基と反応可能な部位を有する重合体(B)を有機溶媒に溶解又は分散させて得た有機液相(油性相)を水性相中で分散させてなる分散体中の活性水素基を有する化合物(A)と有機溶媒に溶解又は分散させた活性水素基と反応可能な部位を有する重合体(B)とを反応させて形成することにより得られる。
重合体(B)を含む有機液相(油性相)を水性相に分散処理してなる分散体([有機液相]/[水性相]型等の分散体)を安定して形成させる方法としては、有機溶媒に溶解、又は分散させた重合体(B)を含むトナー用の原料組成物液(トナー用組成物の有機液相)を水性相に加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。有機溶媒に溶解、又は分散させた重合体(B)と他のトナー用組成物成分である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤、結着樹脂などは、有機液相/水性相の分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合後、有機溶媒に溶解、又は分散させた後、その混合物(有機液相)を水性相に加えて分散させた方がより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも水性相で粒子を形成させるときに混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。例えば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能なものを用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
伸長および/または架橋反応時間は、重合体(B)の有する活性水素基と反応可能な部位の構造と活性水素基を有する化合物(A)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行なわれた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行なっても良いが、液体中で行なうことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行なうのが好ましい。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
本発明のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、ポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
<実施例及び比較例>
〜有機微粒子エマルションの合成〜
製造例1
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、105nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、重量平均分子量は15万であった。
製造例2
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7):三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
製造例3
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25mgKOHであった。
製造例4
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、更に10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。次に冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応、冷却後、更にイソホロンジイソシアネート15部を加え30分間攪拌し[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]のイソシアネート重量%は2.07%であった。
製造例5
水1200部、カーボンブラック(Printex35 デクサ製)540部〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
製造例6
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバWAX110部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〔実施例1〕
[顔料・WAX分散液1]749部、[プレポリマー1]を115部、イソホロンジアミン4.5部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行ない、[分散スラリー1]を得た。[分散スラリー1]は、体積平均粒径5.13μm、個数平均粒径4.51μm(マルチサイザーIIで測定)であった。
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(i):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(ii):(i)の濾過ケーキに蒸留水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(iii):(ii)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(iv):(iii)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行ない[濾過ケーキ1]を得た。[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い[トナー1]を得た。
製造例5での後添加のイソホロンジイソシアネート;15部を25部とした以外は製造例5と同様にして[プレポリマー2]を得た。[プレポリマー2]のイソシアネート重量%は、2.41%であった。
製造例5での後添加のイソホロンジイソシアネート;15部を35部とした以外は製造例5と同様にして[プレポリマー3]を得た。[プレポリマー3]のイソシアネート重量%は、2.41%であった。
製造例5での後添加のイソホロンジイソシアネート;15部をヘキサメチレンジイソシアネート;25部とした以外は製造例5と同様にして[プレポリマー4]を得た。[プレポリマー4]のイソシアネート重量%は、2.71%であった。
製造例5での後添加のIPDI;15部をTDIアダクト体(日本ポリウレタン製 コロネートL等);25部とした以外は製造例5と同様にして[プレポリマー5]を得た。[プレポリマー5]のイソシアネート重量%は、1.81%であった。
実施例1での[プレポリマー1]の代わりに[プレポリマー2]を、イソホロンジアミン4.5部を5.3部とした以外は実施例1と同様にして[トナー2]を得た。
実施例1での[プレポリマー1]の代わりに[プレポリマー3]を、イソホロンジアミン4.5部を6.0部とした以外は実施例1と同様にして[トナー3]を得た。
実施例1での[プレポリマー1]の代わりに[プレポリマー4]を、イソホロンジアミン4.5部を5.9部とした以外は実施例1と同様にして[トナー4]を得た。
実施例1での[プレポリマー1]の代わりに[プレポリマー5]を、イソホロンジアミン4.5部を3.9部とした以外は実施例1と同様にして[トナー5]を得た。
製造例5での後添加のイソホロンジイソシアネート;15部を0部とした以外は製造例5と同様にして[プレポリマー6]を得た。[プレポリマー6]のイソシアネート重量%は1.53%であった。
製造例5での後添加のイソホロンジイソシアネート;15部を125部とした以外は製造例5と同様にして[プレポリマー7]を得た。[プレポリマー7]のイソシアネート重量%は5.56%であった。
実施例1での[プレポリマー1]の代わりに[プレポリマー6]を、イソホロンジアミン4.5部を3.2部とした以外は実施例1と同様にして[トナー6]を得た。
実施例1での[プレポリマー1]の代わりに[プレポリマー7]を、イソホロンジアミン4.5部を12.1部とした以外は実施例1と同様にして[トナー7]を得た。
外添剤処理を施したトナー重量%とシリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95重量%からなる現像剤を調製し、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できるリコー製imagio Neo 450を用いて、連続印刷して下記の基準で評価し、表1に示した。
(a)粒径
トナーの粒径は、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」を用い、アパーチャー径100μmで測定した。体積平均粒径および個数平均粒径は上記粒度測定器により求めた。
(b)円形度
フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
(c)Tg測定法
Tgの測定方法について概説する。Tgを測定する装置として、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。
まず、試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置、室温まで試料を冷却して10分放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/minで加熱してDSC測定を行なった。Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
(A)耐熱保存性
トナーを50℃×8時間保管後、42メッシュのふるいにて2分間ふるい、金網上の残存率をもって耐熱保存性とした。耐熱保存性の良好なトナーほど残存率は小さい。以下の4段階で評価した。
×:30%以上
△:20〜30%
○:10〜20%
◎:10%未満
(B) 定着性
リコー製imagio Neo 450を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(リコー製 タイプ6200及びNBSリコー製複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、1.0±0.1mg/cm2のトナーが現像される様に調整を行ない、定着ベルトの温度が可変となる様に調整を行なって、普通紙でオフセットの発生しない温度を、厚紙で定着下限温度を測定した。定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
(C)帯電特性
1)15秒攪拌Q/M
シリコン樹脂コートフェライトキャリア(平均粒径50μm) 100部
試験トナー 4部
を内容積の3割までステンレス製ポットに入れ、100rpmの攪拌速度で15秒攪拌し、ブローオフ法により求めた。
2)10分攪拌Q/M
1)と同様に10分攪拌した時の帯電量
Claims (11)
- 有機溶媒中に、少なくとも、活性水素基を有する化合物と、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体、着色剤、離型剤を含むトナー用組成物を溶解又は分散させてなる有機液相、又は、これら活性水素基を有する化合物、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体、着色剤、離型剤のうち少なくとも1部を含有するトナー用組成物を溶解又は分散させてなる有機液相を、水系媒体中で分散させ、該活性水素基を有する化合物と、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体とを反応させた後、もしくは反応させながら、該有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥して得たトナーであって、該トナー用組成物に分子量1000以下の多官能イソシアネート化合物を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 前記重合体に対する前記多官能イソシアネート化合物の重量比が2〜10%であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記多官能イソシアネート化合物のイソシアネート官能基数が2〜4であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナー粒子のガラス転移点が40〜70℃であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナー粒子のBET比表面積が1.0〜6.0m2/gであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナー粒子の体積平均粒径が3〜8μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナー粒子の体積平均粒径(Dv)に対する個数平均粒径(Dn)の比(Dv)/(Dn)が1.25以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナー粒子の平均円形度が1.00〜0.90であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナー粒子の酸価が0.5〜40mgKOHであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の静電荷現像用トナー。
- 前記トナー結着樹脂のガラス転移点が30〜65℃であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナー結着樹脂の酸価が1〜50mgKOHであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
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