JP4489670B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真や静電記録などにおいて、感光体等の潜像担持体表面に形成された静電荷像を可視像化する静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
近年、市場では画像の高品質化のための小粒径化や、省エネルギーのための低温定着が要求され、特に、省エネルギーのために、画像形成装置を使用可能な状態にしてから画像形成が可能となるまでの待機時間(装置のウォームアップタイム)に要する電力量を可能な限り小さくするために、待機時間の短縮が強く要望されている。しかしながら、通常の混練粉砕法により得られるトナーは、小粒径化が困難であり、その形状は不定形で、粒径分布はブロードとなり、定着エネルギーが高いなど様々な問題点があった。特に定着においては粉砕法で作製された混練粉砕型のトナーは粉砕が離型剤(ワックス)の界面で割れるため表面に多く存在するので離型効果がでやすくなる一方キャリアや感光体、さらにブレードへの付着が起こりやすく、性能としては不満足のものであった。
一方、混練粉砕法による前述の問題点を克服するために、重合法によるトナーの製造方法が活発に提案されている。この方法は、トナーの小粒径化が容易であり、粒度分布も、粉砕法によるトナーの粒度分布に比べてシャープな分布である上、ワックスの内包化も可能である。例えば特許文献1や特許文献2において乳化重合凝集法が提案されており、さらに、上記乳化凝集法の抱える界面活性剤の使用における問題点を改良した技術が特許文献3や特許文献4に記載されている。しかしながら上述した、乳化凝集法によるトナーの製造方法は、凝集体からトナー粒子を形成させる上で、長時間、結着樹脂のガラス転移点以上に加熱溶融する必要があり、多大なエネルギーを要するという問題がある。
また、特許文献5によれば、トナーの流動性改良、低温定着性改良、ホットオフセット性改良を目的に、トナーバインダーとしてウレタン変性されたポリエステルの伸長反応物からなる実用球形度が0.90〜1.00の乾式トナーが提案されている。また、小粒径トナーとした場合の粉体流動性、転写性に優れるとともに、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れた乾式トナーが特許文献6、特許文献7等に記載されている。これらの公報に記載されたトナーの製造方法は、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーを有機溶媒及び水系媒体中でアミンと重付加反応させる高分子量化工程を含むものである。しかしながら、前述のような工法では、乳化粒子を得る際に発生する微粉の制御が困難なことや、剪断力による乳化粒子の経時粗大化などの問題があり、安定して粒度分布がシャープな小粒径トナーを得ることが出来ないという課題がある。
更には、特許文献8には、樹脂中に着色剤が分散されてなる樹脂粒子組成物の製法において、全アミン価が1〜100である高分子型分散剤を使用する技術が開示されている。この公報によればアミン価を有する分散剤を使用することにより、優れた分散安定性が得られるというものであるが、微粉の少ないシャープな粒度分布を得ることや、剪断力などの工程条件の変更による粒子径の微調整を行なうには、未だ不十分な技術である。
特開昭63−282752号公報 特開平6−250439号公報 特開2000−275907号公報 特開2001−305797号公報 特開平11−133665号公報 特開2002−287400号公報 特開2002−351143号公報 特開2002−194234号公報
本発明は、上記の様な現状の問題点に鑑み、常に安定した体積平均粒径、シャープな粒度分布を有するトナーを容易、かつ、無駄なく製造し、その結果、省エネルギー化を達成できる定着装置に適し、長期的に現像性が良好で高画質な画像を形成することが可能なトナーの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、少なくとも有機溶媒中に結着樹脂と着色剤とを含有する有機溶媒組成物を、水系媒体中に混合し、該混合液に剪断力を与えて、乳化液を得る工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、トナー粒子の粒径分布が狭分布であることが、飛散やカブリがなく、長期的に現像性が良好で高画質な画像を形成するためには不可欠であるであるという結論に至った。そこで、本発明者等は、粗粉/微紛の分級に代表される収率ロス、乳化凝集法に代表されるエネルギー負荷増加など、生産性やコスト増加を伴う微粒子の削減とは異なった手法により、トナー粒子の粒径狭分布化を実現するための工程条件を模索した。
その結果、該混合液中の有機溶媒組成物と水系媒体の重量比が60:40〜20:80の範囲内で可変させた時に得られる乳化液中に存在するトナー粒子の体積平均粒子径を測定し、一定の剪断力条件下での全混合液に対する有機溶媒組成物の重量比[%]と体積平均粒径との関係が−6.0〜+6.0(μm/%)となる範囲内で、乳化分散工程を行なうことにより、安定して粗粉/微粉の少ないシャープな粒度分布を有するトナーを容易、かつ、無駄なく製造できるという知見を得た。
即ち、本発明は以下のことを特徴とする。
(1)少なくとも有機溶媒中に結着樹脂と着色剤とを含有する有機溶媒組成物を、水系媒体中に混合し、該混合液に剪断力を与えて、乳化液を得る工程を有するトナーの製造方法であって、前記乳化分散工程が、有機溶媒組成物と水系媒体を連続的に分散機、又は乳化機に供給しながら剪断力を与えて、乳化液を得る工程であり、該混合液中の有機溶媒組成物と水系媒体の重量比が60:40〜20:80の範囲内で可変させた時に得られる乳化液中に存在するトナー粒子の体積平均粒子径を測定し、一定の剪断力条件下での全混合液に対する有機溶媒組成物の重量比[%]と体積平均粒径との関係が−6.0〜+6.0(μm/%)となる有機溶媒組成物の重量比[%]の範囲内で、乳化分散工程を行なうことを特徴とする、静電荷像現像用トナーの製造方法。
(2)一定の剪断力条件下での全混合液に対する有機溶媒組成物の重量比[%]と体積平均粒径との関係が−1.5〜+3.0(μm/%)であることを特徴とする、前記(1)に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(3)前記製造方法において、少なくとも有機溶媒組成物中の結着樹脂がポリエステル樹脂を含有することを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
)前記製造方法において、有機溶媒組成物の酸価が2〜30KOHmg/gであることを特徴とする、前記(1)〜()のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
)前記製造方法において、有機溶媒組成物が、少なくとも有機溶媒中に活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、着色剤を溶解または分散させたものであり、該有機溶媒組成物を水系媒体中で機械的剪断力により分散させた後、又は分散させながら該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体を反応させる工程を有することを特徴とする前記(1)〜()のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
)前記製造方法において、得られる乳化液中に存在するトナー粒子の体積平均粒子径が3〜8μmであることを特徴とする前記(1)〜()のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
)前記製造方法において、トナー乳化分散工程の後に、有機溶媒除去工程を有し、得られた有機溶媒除去工程後のトナー粒子分散液中に存在する該トナー粒子の体積平均粒子径と数平均粒子径の比(Dv/Dn)が1.20以下であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれ一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
)前記製造方法において、得られる乳化液中に存在する該トナー粒子の平均円形度が0.92〜1.00であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
本発明によれば、常に安定した体積平均粒径、シャープな粒度分布を有するトナーを容易、かつ、無駄なく製造でき、その結果、省エネルギー化を達成できる定着装置に適し、長期的に現像性が良好で高画質な画像を形成することが可能なトナーの製造方法を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の検討によれば、有機溶媒組成物と水系媒体の重量比が60:40〜20:80である。混合液中の有機溶媒組成物の重量比が60%を超えると、乳化が不安定になり、また有機溶媒組成物の中に水系媒体の粒子が生ずる(W/O)状態になる可能性がある。混合液中の有機溶媒組成物の重量比が20%未満になると、有機溶媒組成物によっては乳化が不安定になる場合があり、また収率が低くなることから生産上問題である。
トナーに用いる天然由来の原材料(ワックスなど)のロット間組成変化や、設備の連続運転による設備条件の変化などにより、同種の原材料を用いて製造しても、乳化ロット間で得られるトナー粒子の粒径が微妙に異なる場合がある。その際、有機溶媒組成物と水系媒体の処方を調整することなく、求められる粒径のトナー粒子を得る方法として、混合液中の有機溶媒組成物と水系媒体の重量比を変化させることが有効であることを見出した。
有機溶媒組成物と水系媒体の混合/分散による造粒においては、混合液中の有機溶媒組成物と水系媒体の重量比によって粒子径が変化する。一定の剪断力条件下での全混合液に対する有機溶媒組成物の重量比[%]と体積平均粒径との関係は図1のような関係になっている。任意の粒径を得られる有機溶媒組成物の重量比は2水準存在し、収率の点から考えて有機溶媒組成物の重量比が大きい部分で制御するのが好ましい。このとき、一定の剪断力条件下での全混合液に対する有機溶媒組成物の重量比[%]と体積平均粒径との関係が−6.0〜+6.0(μm/%)となっている範囲であることが必要である。この範囲を外れると、有機溶媒組成物と水系媒体の計量ブレ(連続して分散がされる場合は流量の振れ)により、粒径の変化が大きくなってしまう。好ましくは、−1.5〜+3.0(μm/%)の範囲である。−1.5〜+3.0(μm/%)であると有機溶媒組成物の重量比に対する体積平均粒径の変化が緩やかで、粒径の制御が行いやすく、シャープな粒度分布を有する所望の粒径のトナーを得ることができる。また、有機溶媒組成物と水系媒体とを連続的に分散機、又は乳化機に供給しながら剪断力を与えることで乳化液をつくる方法では、製造スケールに拠らず大量に乳化液を製造することが出来るだけでなく、もし初期の乳化液が望む粒径で無かった場合に、有機溶媒組成物と水系媒体の乳化機に送る流量を調整することで、乳化装置を停止させることなくシャープな粒度分布を有する所望の粒径を有する粒子を含む乳化液を製造することが出来る。
本発明の乳化液中に存在するトナー粒子の平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II型を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研社製)と、PC9801パーソナルコンピューター(NEC製)とを接続し測定した。
以上のことを考慮することで、安定して粗粉/微粉の少ないシャープな粒度分布を有するトナーを容易、かつ、無駄なく製造することが可能となる。
更に、本発明の有機溶媒組成物中の結着樹脂にはポリエステル樹脂が含まれることが好ましい。ポリエステル樹脂は、スチレンアクリル樹脂に比べて、低分子量化が容易であり、低温定着性に優れており、省エネルギー化に対して好ましい材料である。
さらに、該有機溶媒組成物の全アミン価が1.0〜10.0(KOHmg/g)であり、該有機溶媒組成物の全アミン価を0.20〜0.40(KOHmg/g)毎の範囲内で可変させた時に得られる乳化液中に存在するトナー粒子の体積平均粒子径を測定し、全アミン価と体積平均粒子径との関係を線形近似したときの最小二乗法で得た相関係数(R2)が0.9以上であって、その近似式の傾きが−0.2〜−8となる範囲内で、乳化分散工程を行なうことが望ましい。全アミン価付与は、乳化時の系内安定性と乳化粒子径を制御する上で必要であり、1KOHmg/g未満の場合は非常に系内が不安定となりやすくなり、安定な乳化が困難となる。また、10KOHmg/gを超える場合は系内が安定すぎるため、近似式の傾きがフラットになり易く、狙い粒子径への制御が困難となり易い。また、相関係数(R2)が0.9未満の場合、または、近似式の傾きが−8未満の場合は、有機溶媒組成物を調製する際のわずかの触れにより、トナー粒子径が大きく変動してしまい、安定して均一な乳化分散液が得られない。また、近似式の傾きが−0.2よりフラットな場合は、均一な乳化分散液を得ることは可能であるが、系内が安定すぎるため、発生した微粉の合着除去が難しく、また、剪断力などの工程条件の変更による狙い粒径への微調整が困難を極める。本発明のアミン価および酸価の測定方法は、JIS K0070に準拠した方法による。但しサンプルが溶解しない場合は、溶媒にジオキサン又はTHF等の溶媒を用いる。
また、本発明の有機溶媒組成物中の酸価は2〜30(KOHmg/g)の範囲であることが好ましい。酸価付与については、トナーの紙への接着性向上のために有利であり、2KOHmg/g以上の酸価が必要である。しかしながら30KOHmg/gを超える酸価付与については乳化時の系内安定性が増してしまい、微粒子の合着が進まなくなるため、シャープな粒度分布のトナーが得難くなる。
また、反応が完結した高分子成分の有機溶媒中への溶解、または分散は困難なことから、本発明においては、耐オフセット性を発現させるために必要な高分子成分を、粒子内に均一に導入するために、有機溶媒組成物は、少なくとも有機溶媒中に活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、着色剤を溶解または分散させたものであり、上記有機溶媒組成物を水系媒体中で剪断力により分散させた後、又は分散させながら該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体を反応させる工程を有することが好ましい。
本発明の製造方法によって得られる、乳化液中に存在するトナー粒子の体積平均粒径は3〜8μmであることが好ましく、また、有機溶媒除去後のトナー粒子分散液中に存在するトナー粒子の体積平均粒子径と個数平均粒子径との比(Dv/Dn)は1.20以下であることが好ましい。Dv/Dnをこのように規定することにより、高解像度、高画質のトナーを得ることが可能となる。また、より高品質の画像を得るには、トナーの体積平均粒径を3〜7μmにし、個数平均粒径との比(Dv/Dn)をDv/Dnを1.17以下にし、且つ4μm以下の粒子を個数%で1〜10個数%にするのがよく、より好ましくは、体積平均粒径を4〜7μmにし、Dv/Dnを1.15以下にするのがよい。このようなトナーは、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に、飛散やカブリがなく、長期的に現像性が良好で高画質な画像を形成することが可能である。
本発明の製造方法によって得られる、乳化液中に存在するトナー粒子は特定の形状と形状の分布を有すことが好ましく、平均円形度が0.92未満では、微粒子の合着が不十分なため、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られ難い。なお形状の計測方法としては粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度が0.92〜1.00のトナーが適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに好ましい。本発明の乳化液中に存在するトナー粒子の平均円形度はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製)により計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
本発明のトナーに用いられる材料について詳細に説明する。
(結着樹脂)
本発明で使用することのできる結着樹脂は、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できるが、ポリエステル樹脂が好ましい。
本発明で使用することのできるポリエステル樹脂は、アルコールとカルボン酸との縮重合によって通常得られるものである。該アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、1.4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、及びビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノール類、その他二価のアルコール単量体、三価以上の多価アルコール単量体を挙げることができる。また、カルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマール酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、マロン酸等の二価の有機酸単量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の三価以上の多価カルボン酸単量体を挙げることができる。
(プレポリマーを用いた高分子量化)
また、有機溶媒組成物が、少なくとも有機溶媒中に活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、着色剤を溶解または分散させたものであり、該有機溶媒組成物を水系媒体中で機械的剪断力により分散させた後、又は分散させながら該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体を反応させる工程を有することが好ましい。活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体としては、イソシアネート基含有ポリエステル系プレポリマー(A)が好ましい。また活性水素基を有する化合物と反応な部位を有する重合体と反応させる活性水素基を有する化合物としては、アミン(B)が好ましい。
本発明で使用することできるプレポリマーは、イソシアネート基を含有するポリエステル系プレポリマー(A)が好ましく、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(PIC)と反応させることによって得ることができる。この場合、ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
前記ポリオール(PO)としては、ジオール(DIO)および3価以上のポリオール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、又は(DIO)と少量の(TO)の混合物が好ましい。ジオール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、ジカルボン酸(DIC)および3価以上のポリカルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(PO)と反応させてもよい。
ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
前記ポリイソシアネート(PIC)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
イソシアネート基を有するポリエステル系プレポリマーを得る場合、ポリイソシアネート(PIC)と活性水素を有するポリエステル系樹脂(PE)との比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]との当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。末端にイソシアネート基を有するプレポリマーA中のポリイソシアネート(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。
前記アミン(B)としては、ポリアミン及び/又は活性水素含有基を有するアミン類が用いられる。この場合の活性水素含有基には、水酸基やメルカプト基が包含される。このようなアミンには、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミンBのうち好ましいものは、(B1)および(B1)と少量の(B2)の混合物である。
さらに、プレポリマー(A)とアミン(B)とを反応させる場合、必要により伸長停止剤を用いてポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、活性水素含有基を有しないモノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。その添加量は、生成するウレア変性ポリエステルに所望する分子量との関係で適宜選定される。
アミン(B)とイソシアネート基を有するプレポリマー(A)との比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン(B)中のアミノ基[NHx](xは1〜2の数を示す)の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。
(着色剤)
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜12重量%である。
本発明で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練される結着樹脂としては、前述したポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高剪断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高剪断分散装置が好ましく用いられる。
(帯電制御剤)
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明において荷電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させる事もできるし、もちろん有機溶剤に直接溶解、分散する際に加えても良いし、トナー表面にトナー粒子作成後固定化させてもよい。
(外添剤)
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
以下に、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法を例示するが、勿論これらに限定されることはない。
(ポリエステル樹脂の作製)
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧しながら生成する水を溜去して、ポリエステル樹脂を得る。
(プレポリマーの作製)
上記ポリエステル樹脂と同様の方法で得られた水酸基を有するポリエステルに、40〜140℃にて、多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。多価イソシアネート(PIC)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、イソシアネート化合物に対して不活性である、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などが挙げられる。
(変性ポリエステル樹脂の作製)
ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応は、他のトナー構成材料と混合させて行わせるものであっても良いし、予め作製しておくものでもよい。予め作製する場合は、ポリエステルプレポリマー(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステル樹脂を得る。ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)を反応させる場合にも、プレポリマー(A)の場合と同様に、必要に応じて溶剤を用いることができる。使用可能な溶剤は、先に挙げた通りである。
(水系媒体中でのトナー製造法)
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。トナー粒子は、水系媒体中でイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)からなる分散体を、アミン類(B)と反応させて形成しても良いし、予め作製した変性ポリエステル樹脂を用いても良い。水系媒体中でポリエステル樹脂やポリエステルプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にポリエステル樹脂やポリエステルプレポリマー(A)からなるトナー構成材料を加えて、機械的剪断力により分散させるが、他のトナー構成材料であるワックス、帯電制御剤などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、予めこれらトナー構成材料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、ワックス、帯電制御剤などのトナー構成材料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。
(固体微粒子分散剤)
また、水系媒体中に予め固体の微粒子分散剤を添加しておくことで、水相中での油滴の分散が均一化する。これは、分散時に油滴の表面に固体微粒子分散剤が配置するようになり、油滴の分散が均一化するものであり、それと共に油滴同士の合一が防止され、粒度分布のシャープなトナーが得られるようになる。固体微粒子分散剤は、水系媒体中で水に難溶の固体状で存在するものであり、平均粒径が0.01〜1μmの無機微粒子が好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。更に好ましくはリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、コロイド状酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いることが出来る。特に水中でリン酸ナトリウムと塩化カルシウムを塩基性条件下で反応させて合成したヒドロキシアパタイトが好ましい。
トナー組成物が分散された油相を水系媒体中に乳化、分散するための分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及びその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(ダイキン工業社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは3級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業者社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物質を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩等を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩等を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン(B)との伸長および/または架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
伸長および/または架橋反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合わせて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどにより短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
得られた乾燥後のトナーの粉体と帯電制御剤、流動化剤、着色剤などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
更に、本発明のトナーは磁性体を含有した磁性トナーとして用いることができ、トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。特にマグネタイトが磁気特性の点で好ましい。これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約15〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し20〜100重量部である。
以上のようにして得られる本発明のトナーは、常に安定した体積平均粒径、シャープな粒度分布を有するので、省エネルギー化を達成できる定着装置に適し、本発明のトナーを用いた画像形成装置は、長期的に現像性が良好で、高画質な画像を形成することが可能な画像形成装置となる。
また、図2に本発明の静電荷像現像用トナーを有するプロセスカートリッジの概略構成を示す。
該プロセスカートリッジは潜像担持体1、帯電手段2、現像手段4、クリーニング手段5が一体として組み込まれている。このうち現像手段には、本発明のトナーが組み込まれている。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
製造例1
(ポリエステルの製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物690部、テレフタル酸335部を投入し、常圧窒素気流下のもと、210℃で10時間縮合反応した。次いで10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、ポリエステル(1)を得た。得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量6,000、酸価10KOHmg/g、ガラス転移点48℃であった。
製造例2
(プレポリマーの製造例)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物795部、イソフタル酸200部、テレフタル酸65部、及びジブチルチンオキサイドを2部を投入し、常圧窒素気流下のもと、210℃で8時間縮合反応した。次いで10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行い、プレポリマーを得た。得られたプレポリマーの重量平均分子量は5,000であった。さらに、酢酸エチルにより、前述したプレポリマー溶液を50%の濃度となるように調整した。
製造例3−1
(水系分散媒体の製造例)
タンク内に水945部、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル共重合体の20%水性分散液40部、50%ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)160部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、水系分散媒体を得た。
製造例4−1
(有機溶媒組成物の製造例)
タンク内に、35%カルナバワックス酢酸エチル分散液170部、ポリエステル(1)120部、イソホロンジアミン3部、ピグメントイエロー(PY155、クラリアント製)20部、酢酸エチル70部を投入し、2時間、攪拌して溶解混合した。続いて、高能率分散機エバラマイルダー(荏原製作所製)を用いて、1時間、循環混合した。
有機溶媒組成物の重量比(%)と体積平均粒径
続いて、50%のプレポリマーと有機溶媒組成物を混合し、水系分散媒体に投入した液をTK式ホモミキサーを用いて11000rpmに攪拌して乳化液を得る工程を、表1の50%のプレポリマー、有機溶媒組成物、水系分散媒体の比率で行い、この各混合液をTK式ホモミキサーを用いて11000rpmに攪拌して、其々の乳化液中のトナー粒子径を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004489670
Figure 0004489670
実施例1(トナーの製造例)
50%プレポリマーを440g/分、有機溶媒組成物を3560g/分、をスタティックミキサ−((株)ノリタケエンジニアリング製)にて混合した後、水系分散媒体を6000g/分のスピードで、パイプラインホモミキサー(特殊機化工業製)に供給し、乳化分散液を得た。パイプラインホモミキサーの吐出係数は0.15、回転数は2960回転、翼径は0.11mであった。
さらに、得られた乳化液を以下のように処理することでトナーを得た。まず、脱溶剤工程は次の方法で行った。45℃まで昇温して、攪拌翼外周端周速10.5m/秒、大気圧下(101.3kPa)で溶剤を除去した。脱溶剤時間は5時間を要した。その後、濾別、洗浄、乾燥した後にトナー母体を得た。次に、得られた母体粒子100部及び帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロン E−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合した。更に、疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合し、目開き37μmのスクリーンにて粗大粒子を除去して、イエロートナー(1)を得た。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は5.3μm、個数平均粒径は4.7μmとなり、平均円形度は0.96であった。
実施例2(トナーの製造例)
実施例1において、50%プレポリマーを420g/分、有機溶媒組成物を3380g/分、水系分散媒体(1)を6200g/分に変更した以外は、実施例1と同様にして、イエロートナー(2)を得た。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は6.4μm、個数平均粒径は5.6μmとなり、平均円形度は0.96であった。
実施例3(トナーの製造例)
実施例1において、50%プレポリマーを450g/分、有機溶媒組成物を3650g/分、水系分散媒体を6200g/分に変更した以外は、実施例1と同様にして、イエロートナー(3)を得た。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は6.4μm、個数平均粒径は5.6μmとなり、平均円形度は0.96であった。
比較例1(トナーの製造例)
実施例1において、50%プレポリマーを460g/分、有機溶媒組成物を3740g/分、水系分散媒体を5800g/分に変更した以外は、実施例1と同様にして、乳化液を得ようとした。得られた乳化液中のトナー粒子の体積平均粒子径は10.0μm、個数平均粒径は6.7μmとなった。更に粒径の小さいトナー粒子を得るため、パイプラインホモミキサーの回転数を3040回転まで上げたが、粒径は大きくなりやがて油水が分離してしまった。パイプラインホモミキサーの回転数を2780回転まで下げて、乳化液を得た。得られた乳化液中のトナー粒子の体積平均粒子径は6.4μm、個数平均粒径は4.3μm、平均円形度0.91となった。これを実施例1と同様にして、イエロートナー(4)を得た。
上記のイエロートナー(1)〜(3)を用いて画質について評価した。また、比較のために上記のイエロートナー(4)を用いて、同様にして、評価を行った。トナーの評価項目及び評価方法は以下の通りである。
<画質>
地汚れ、トナー飛散について評価を行い、各評価項目において良好な結果が得られた場合に画質良好と判定した。各項目の評価方法は以下の通りである。
(地汚れ)
転写紙上地肌部のトナー汚れ度合を目視にて評価した。
(トナー飛散)
複写機内のトナー汚染状態を目視にて評価した。
なお、地汚れ、トナー飛散については、Ricoh 製IPSIO color 8000改造機にて、各トナーを用いて画像面積率5%チャート連続50000枚出力耐久試験実施後に評価した。
実施例1〜3及び比較例1に関するトナー粒子の平均粒子径、粒度分布、平均円形度及び各トナーの評価結果を表3に示す。
Figure 0004489670
表3を見て分かる通り、本発明に係る実施例1〜3を用いて作られたイエロートナー(1)〜(3)は、シャープな粒度分布のトナーが得られており、画質評価においても優れた結果が得られた。一方、比較例1を用いて作られたイエロートナー(4)は、非常に微粉が多くブロードな粒度分布のトナーが得られており、画質評価においても、地汚れ、飛散がともに発生し、画質に劣る結果が得られた。
一定の剪弾力条件下での前混合液に対する有機溶媒組成物の重量比(%)と体積平均粒径の関係を表すグラフである。 本発明のプロセスカートリッジを説明するための概略図である。
符号の説明
1 潜像担持体
2 帯電手段
4 現像手段
5 クリーニング手段

Claims (8)

  1. 少なくとも有機溶媒中に結着樹脂と着色剤とを含有する有機溶媒組成物を、水系媒体中に混合し、該混合液に剪断力を与えて、乳化液を得る工程を有するトナーの製造方法であって、前記乳化分散工程が、有機溶媒組成物と水系媒体を連続的に分散機、又は乳化機に供給しながら剪断力を与えて、乳化液を得る工程であり、該混合液中の有機溶媒組成物と水系媒体の重量比が60:40〜20:80の範囲内で可変させた時に得られる乳化液中に存在するトナー粒子の体積平均粒子径を測定し、一定の剪断力条件下での全混合液に対する有機溶媒組成物の重量比[%]と体積平均粒径との関係が−6.0〜+6.0(μm/%)となる有機溶媒組成物の重量比[%]の範囲内で、乳化分散工程を行なうことを特徴とする、静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 一定の剪断力条件下での全混合液に対する有機溶媒組成物の重量比[%]と体積平均粒径との関係が−1.5〜+3.0(μm/%)であることを特徴とする、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 前記製造方法において、少なくとも有機溶媒組成物中の結着樹脂がポリエステル樹脂を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 前記製造方法において、有機溶媒組成物の酸価が2〜30KOHmg/gであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. 前記製造方法において、有機溶媒組成物が、少なくとも有機溶媒中に活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、着色剤を溶解または分散させたものであり、該有機溶媒組成物を水系媒体中で機械的剪断力により分散させた後、又は分散させながら該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体を反応させる工程を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  6. 前記製造方法において、得られる乳化液中に存在するトナー粒子の体積平均粒子径が3〜8μmであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  7. 前記製造方法において、トナー乳化分散工程の後に、有機溶媒除去工程を有し、得られた有機溶媒除去工程後のトナー粒子分散液中に存在する該トナー粒子の体積平均粒子径と数平均粒子径の比(Dv/Dn)が1.20以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれ一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  8. 前記製造方法において、得られる乳化液中に存在する該トナー粒子の平均円形度が0.92〜1.00であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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