JP2009282134A - 連続乳化装置及び該装置を用いたトナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定した体積平均粒径、シャープな粒度分布を有する組成均一なトナーを容易に製造し、その結果高画質のフルカラー画像を再現できるトナー及び製造方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも2種類以上の異なる分子量の樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナー原材料組成物を有機溶剤に溶解または分散し、溶解物または分散物を、固体の樹脂微粒子分散剤の存在する水系媒体中で連続的に乳化する連続的乳化段階を含むトナーの製造方法であって、連続的乳化段階は、開始時の最適工程条件を決定し、かつ、乳化粒子の粒径を測定する測定工程、粒径変動率を算出する算出工程、粒径変動率情報と予め入力されている粒径変動率と工程条件との関係から自動制御する制御工程を含み、且つ規格内の乳化粒子の場合は、自動にて製品捕集ラインを確保し、規格外の場合においては製品捕集ラインを自動で切り離すシステムを有することを特徴とするトナーの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真や静電記録などにおいて、静電荷像を顕像化する画像形成用ケミカルトナーの製造に用いられる連続乳化方法及び連続乳化装置、これらにより製造されたトナー及び静電荷像現像剤に関する。
電子写真、静電記録、静電印刷等において使用される現像剤は、その現像工程において、例えば、静電荷像が形成されている感光体等の像担持体に一旦付着され、次に転写工程において感光体から転写紙等の転写媒体に転写された後、定着工程において紙面に定着される。その際、潜像保持面上に形成される静電荷像を現像するための現像剤として、キャリアとトナーから成る二成分系現像剤、及びキャリアを必要としない一成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。従来、電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられる乾式トナーとしては、スチレン系樹脂、ポリエステルなどのトナーバインダーを着色剤などと共に溶融混練し、微粉砕したものが用いられている。
高品位、高画質の画像を得るためには、トナーの粒子径を小さくすることにより改良が図られているが、通常の混練、粉砕法による製造方法ではその粒子形状が不定形であり、機械内部では現像部内でのキャリアとの攪拌や、一成分系現像剤として用いる場合は現像ローラとトナー供給ローラ、層厚規制ブレードや摩擦帯電ブレードなどとによる接触ストレスによりさらにトナーが粉砕され、極微粒子が発生したり、流動化剤がトナー表面に埋め込まれるために画像品質が低下するという現象が発生している。また、その形状ゆえに粉体としての流動性が悪く、多量の流動化剤を必要としたり、トナーボトル内への充填率が低く、コンパクト化への阻害要因となっている。そのため小粒径化したメリットが生かされていないのが現状である。また粉砕法では粒子径の限界が存在し、さらなる小粒径化には対応できない。
このような不定形の形状効果の欠点を補うために種々の球状のトナー製造法が考案されている。一般的に用いられている方法にポリマー懸濁法がある。この方法においては樹脂、顔料等の着色剤、ワックス等のトナー組成物を有機溶剤に溶解、分散した油相を水相中に機械的乳化手段によってトナーサイズの液滴まで乳化する工程が含まれる。このとき水相中に固体の有機微粒子分散剤を乳化液滴の安定剤に用いると比較的粒度分布(Dv/Dn)の狭い微細な液滴を作ることができる。
本発明で用いられるトナーは球状トナーで体積平均径(Dv)3〜10μm且つトナーの体積平均粒径(Dv)を個数平均粒径(Dn)で除した値が1.05〜1.25と限定しているため高品位、高画質を得ることが可能となり上記問題も改善されるようになる。
上記、乳化液滴を得るための達成手段としては、生産開始時の工程条件を使用原材料の物性値から推測し適合させる必要がある。また、生産中においては、測定粒径に応じて瞬時に工程条件を調整し狙い粒径に合わせ込んでいく必要がある。従来までは製造担当者が一定の条件下で乳化分散を行ない、その乳化分散液をサンプリングして別の場所で粒径測定を行なっていた。そして、狙い粒径から外れている場合に工程条件を都度調整していた。このような製造プロセスを採用した場合、粒径調整までに時間が掛かったり人為的なミスも生じてしまう可能性があった。しかし、本システムのように生産開始時の工程条件を原材料物性から予測し、且つコンピュータに予め入力されたデータに基づき乳化分散液の粒径調整を自動で行なうことで、安定した品質を高収率で得ることが可能となる。
このような問題を解決するために、以下のような案が提案されている。
特許文献1(特開2000−117095号公報)には、感圧複写紙や医薬品、農薬、接着剤、液晶、色素カプセル等の用途に用いられるマイクロカプセルの製造において、乳化分散の程度(乳化分散される油滴の粒径)は、乳化分散の際に加えられる有効ズリ応力に依存し、したがって液温度に依存する液粘度に依存し、また流量に依存するので、乳化分散した疎水性液体の粒子径を自動的に測定し、コンピュータに予め入力された乳化温度または流量と平均粒子径との関係データに基づいて、乳化分散した疎水性液体の平均粒子径が目標粒径になるように乳化温度または流量を自動調整するマイクロカプセルの製造方法が記載されている。
この公報においては、瞬時粒径を調整できるように乳化温度、流量を調整できるようになっている。しかしながら、本公報においては瞬時の粒径調整だけではなく、これらの粒径データに基づき製品捕集ラインの確保有無等、粒径測定から粒径調整、更には製品捕集までを全自動で行なうことが可能であり製造担当者の作業負担が軽減するだけでなく、製造現場における無人化も可能である旨も記載されている。
我々の提案に係る特許文献2(特開2006−299219号公報)には、水相と油相を乳化させ、3〜10μmの粒径を有する乳化粒子を製造する乳化粒子の製造方法であって、前記乳化粒子の製造方法は、乳化粒子の粒径を測定する測定工程と、前記測定工程により得られた粒径測定値の変動状態を表す値を算出する算出工程と、前記算出工程により得られた算出値に基づき、乳化器の攪拌条件を制御する制御工程と、を有する乳化粒子の製造方法において、前記算出工程は、少なくとも、乳化粒径Dv、乳化粒径Dvの変化量ΔDv、乳化粒径の予測収束値Dv∞のいずれかを算出し、前記制御工程は、少なくとも乳化器の攪拌回転数を変動させ、乳化粒径の制御を行なうことを特徴とする乳化粒子の製造方法が記載されている。
この公報においては生産中の乳化粒子の制御は行なうが、生産開始時の工程条件の設定、又乳化粒径に応じた製品捕集等まで対応していないため、乳化粒子製造の設備としては不十分であることを否めない。
特開2000−117095号公報 特開2006−299219号公報
本発明は、前記引用文献2記載の技術を更に改善するものであり、特に、生産開始〜生産終了までを自動化できる設備である点等で秀でている。
すなわち、本発明の課題は、安定した体積平均粒径、シャープな粒度分布を有する組成均一なトナーを容易に製造し、その結果潜像に忠実に現像して高画質のフルカラー画像を再現できるトナー及び製造方法を提供することである。
本発明者は、乳化分散液の体積平均粒径を自動で測定して、コンピュータに予め入力されている体積平均粒径と制御因子の関係に基づき瞬時に自動で粒径制御し、また、体積平均粒径に応じて製品捕集ラインを確保することで、乳化工程で組成均一な狙いの体積平均粒径、シャープな粒度分布のトナーを迅速かつ的確に作り出すことが可能であることを見出した。
すなわち上記課題は、以下の本発明によって解決される。
(1)「少なくとも2種類以上の異なる分子量の樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナー原材料組成物を有機溶剤に溶解または分散し、該溶解物または分散物(以下、油相)を、固体の樹脂微粒子分散剤の存在する水系媒体中(以下、水相)で連続的に乳化する連続的乳化段階を含むトナーの製造方法であって、該連続的乳化段階は、樹脂物性を初めとする前記原材料の物性に基いて開始時の最適工程条件を決定し、かつ、生産中の乳化粒子の粒径を自動で測定する測定工程、該測定工程からモニタされる乳化粒子の粒径から粒径変動率を算出する算出工程、該算出工程から算出された粒径変動率情報とコンピュータに予め入力されている粒径変動率と工程条件との関係から工程制御指示を出し設備を自動制御する制御工程を含み、且つ規格内の体積平均粒径を有している乳化粒子の場合は、自動にて製品捕集ラインを確保し、規格外の場合においては該製品捕集ラインを自動で切り離すシステムを有することを特徴とするトナーの製造方法」、
(2)「前記樹脂の物性として、ガラス転移温度、分子量、酸価、1/2流出温度を利用することを特徴とする前記第(1)項に記載のトナーの製造方法」、
(3)「前記工程条件が、乳化分散機の周速、油相/水相比率(以下、O/W比率)、及び/又は油相と水相の総量(以下、フィード量)であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載のトナーの製造方法」、
(4)「前記製品捕集ライン確保時に、製品捕集量、製品捕集時の算術体積平均粒径を算出することを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のトナーの製造方法」、
(5)「少なくとも2種類以上の異なる分子量の樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナー原材料組成物を有機溶剤に溶解または分散してなる溶解物または分散物(以下、油相)を、固体の樹脂微粒子を含む水系媒体中(以下、水相)で連続的に乳化する連続的乳化設備を有するトナーの製造装置であって、該連続的乳化設備は、樹脂物性を含む前記原材料の物性に基づき、設備の運転開始時の最適乳化条件をセットするための手段を有し、かつ、生産中の乳化粒子の粒径を自動で測定する測定手段、該測定手段でモニタされる乳化粒子の粒径から粒径変動率を算出する算出手段、該算出手段で算出された粒径変動率情報と、コンピュータに予め入力されている粒径変動率と工程条件との関係情報とから計算された工程制御指示信号を受信して設備を自動制御する制御手段を有し、且つ規格内の体積平均粒径を有している乳化粒子の場合は、自動にて製品捕集ラインを確保し、規格外の場合においては該製品捕集ラインを自動で切り離すシステムを有することを特徴とするトナーの製造装置。」、
(6)「前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の製造方法により得られ、トナー粒子の体積平均粒径(Dv)が3〜10μmであることを特徴とするトナー」、
(7)「前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の製造方法により得られたトナーであって、体積平均粒径(Dv)を個数平均粒径(Dn)で除した値が1.05〜1.25であることを特徴とする前記第(6)項に記載のトナー」、
(8)「前記第(6)項又は第(7)項に記載のトナーを用いたことを特徴とする画像形成方法」、
(9)「前記第(6)項又は第(7)項に記載のトナーを用いたことを特徴とする画像形成装置」。
本発明の製造方法によれば、工程安定化が高まることで製品歩留まり/品質が向上する。また、工数削減が可能となりコスト安にも繋がる。その結果、潜像に忠実して現像する高画質のフルカラー画像を、低コストで再現できるトナー及び製造方法を提供することができた。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1に本発明の連続乳化プロセスの一例を示す。図1に示す例において、Y1、Y2は、実施例1における油相Aを含むO/W液、油相Bを含むO/W液の輸送ライン、つまり、本発明における異なる分子量の樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナー原材料組成物を有機溶剤に溶解または分散してなる溶解物または分散物(以下、油相)の輸送ラインの例である。また、図1中のインライン粒度分布計PC、乳化専用モニタを有する(2ndPC)は、本発明における、樹脂物性を初めとする前記原材料の物性に基いて開始時の最適工程条件を決定、粒径変動率を算出する粒径変動率算出、工程制御指示を出し設備を自動制御する制御、製品捕集ラインを確保し、或いは自動で切り離すことを実行するために、相互に、共同して機能する。また、シーケンサは、開始時の最適工程条件を決定後、測定値と該最適工程条件との差(偏差値)をなくするための「ネガティブフィードバック制御」への切り替えのためのものであり、切り替えのタイミングとしては、例えばPIDデジタル制御アルゴリズム「ΔM=K{Δen+(τ/T1)Σen+(TD/τ)Δen、(ΔMは出力値、KはPゲイン(=100/P)、T1は積分制御部分、TDは微分制御部分、enは制御偏差値(目標値−測定値)})」におけるサンプリング周期τの値範囲による。以下の具体例では、インライン粒度分布計の粒径測定値に基づき、粒径変動率を2ndPCで計算する。また、前記粒径測定値に基づき、製品捕集ラインの自動確保を行なう。工程制御指示は2ndPCで計算し、2ndPCのモニタに表示される。設備へのリンクはシーケンサを介して行なわれる。さらに、連続生産において、例えば具体的には20ロット遡ったデータを使用する(算出はT法/MT法になる)。制御工程おいては、乳化機のタービン翼の制御、油相A/油相B、水相のポンプ周波数にフィードバックしたことになる。
この例のプロセスにおいては、少なくとも2種類以上の異なる分子量の樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナー組成物を有機溶剤に溶解または分散した液体に伸長剤を混ぜたもの(以下、A油相と呼ぶ)と水系媒体中で固体の樹脂微粒子分散剤の存在する水系媒体(以下、水相と呼ぶ)とイソシアンネート結合を有するプレポリマー(以下、B油相と呼ぶ)を、ある一定量で連続的に送液し、A油相とB油相を、水相と混合する前にスタティクミキサー(以下STM)でプレ攪拌を行なう(プレ攪拌後の液体を油相と呼ぶ)。STMで混合された油相と水相が混じり合い、乳化機構部分滞留容積内のパイプラインホモミキサー(以下PLHM)によりせん断を受け乳化が行なわれる(乳化液を得る)。ここで、以下に諸条件限定の根拠を述べていく。
前記(1)、(3)に記載のように、樹脂物性を初めとする原材料物性から生産開始時の工程条件を決定付けることで、狙い粒径の到達時間が早まり製品捕集率(歩留まり)が高まる。また、乳化分散液の体積平均粒径を自動で測定してコンピュータに予め入力されている体積平均粒径と乳化機周速、O/W比率、フィード量の関係データに基づいて狙いの体積平均粒径になるように、該粒径制御因子を瞬時に自動調整するシステムを採用することで内乱・外乱に影響されず安定した粒径推移を確保しシャープな乳化粒子を獲得し、結果画像品質の良好なトナーが得られる。
前記(2)に記載のように、乳化粒子の成分の大半は樹脂であるために、樹脂成分が乳化液滴形成(凝集度合い)の際に影響を与える。そのため、樹脂の主要特性であるガラス転移温度、分子量、酸価、1/2流出温度に基づいて生産開始時の工程条件を決定付ける必要がある。
前記(4)に記載のように、(1)、(3)に加え、製品捕集ライン確保時において製品捕集量、製品捕集時の算術体積平均粒径を算出する機能をシステムに取り入れることで、「次ロットの生産」もしくは「次工程への流れ」がスムーズに行なわれ、結果工程サイクルタイム内で確実に生産サイクルが回り、人件費の削減にも繋がる。
トナー粒径については、前記(5)に記載のように、トナー体積平均粒径(Dv)が3〜10μm、また、前記(6)に記載のように、トナー体積平均粒径(Dv)を個数平均粒径(Dn)で除した値がポリエステル系樹脂を少なくともトナーバインダーとして含有する乾式トナーにおいて、該トナーのDvが3〜10μmであり、Dv/Dnが1.05〜1.25である乾式トナーにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の光沢性に優れ、更に二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行なわれても、現像剤中のトナーの粒子径の変動が少なくなり、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。また、一成分現像剤として用いた場合においても、トナーの収支が行なわれても、トナーの粒子径の変動が少なくなると共に、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(攪拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られた。
一般的には、トナーの粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得るために有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の範囲よりも体積平均粒子径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。
また、これらの現象は微粉の含有率が本発明の範囲より多いトナーにおいても同様である。
逆に、トナーの粒子径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行なわれた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。また、Dv/Dnが1.25よりも大きい場合も同様であることが明らかとなった。
また、Dv/Dnが1.05より小さい場合には、トナーの挙動の安定化、帯電量の均一化の面から好ましい面もあるが、トナーを十分に帯電できなかったり、クリーニング性を悪化させる場合があることが明らかとなっている。
(粒度分布測定法)
トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターマルチサイザーIII(コールター社製)を用い、パーソナルコンピューター(IBM社製)を接続し専用解析ソフト(コールター社製)を用いてデータ解析した。Kd値は10μmの標準粒子を用いて設定し、アパーチャカレントはオートマティックの設定で行なった。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。その他に、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、100μmアパーチャーチューブを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を5万カウント測定して体積分布(Dv)と個数分布(Dn)とを算出した。それから、本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の体積平均粒径及び個数分布から求めた個数基準の個数平均粒径を求めた。Dv/Dnが1.0に近いほど粒度分布がシャープである。
前記のように、本発明は、前記引用文献2記載の技術を更に改善したものに相当しているので、本発明の実施に際しては、例えば、引用文献2記載の技術の一部を応用することができる。本発明の理解のために参考になる該引用文献2記載の技術をここに紹介しておく。
すなわち、引用文献2には、乳化粒径の予測収束値Dv(X)∞は、粒径測定工程で得られる各粒径測定点について算出されるが、その算出手順としては、各粒測定点について、予測収束値Dv(X)∞を算出するための近似曲線(例えば、「w=b・ln(u)+a」の式で表される対数曲線、a,bは定数)を決定する工程と、粒径値が略収束するときのuの値としての収束値uinfを算出し、これを先の近似曲線に代入して、乳化粒径の予測値Dv(X)∞に大別され、具体的には、過去の粒径測定結果を蓄積したデータベースのうち、攪拌回転数、油水比率、温度等の乳化条件について、現乳化条件と同一条件下で行なわれた乳化処理のデータより、使用する近似式の種類(二次式、対数式、log式等)を選択し、各粒径測定点において、その近似式に基づき、乳化粒径の予測収束値Dv(X)∞を算出することが記載されている。
また例えば、(1)現在の条件(攪拌回転数、O/W比、温度等の条件)と、同一条件で行なわれた過去の粒径測定結果のデータベースから近似式(例えば、前記「w=b・ln(u)+a」の近似式)を決定し、(2)該近似式の定数a, bについて、過去の粒径測定結果を表わす近似曲線のa、bがa1、b1なる式「w=b1・ln(u)+a1」を用いて、uinfとなるuを算出(このuinfは、近似式「w=b1・ln(u)+a1」のグラフの傾きdw/duが極めて緩やかになったときのuの最小値)し、このuinfを、この生産条件で計算する場合には用い(新たな生産条件を設定した場合は、同様のプロセスが必要)、(3)現時点XでのDv()と、前時点Dv(X−1),前々時点Dv(X−2)の3点を、(u,w)=(3,Dv(X), (u,w)=(2,Dv(X-1), (u,w)=(1,Dv(X-2)としてプロットして、近似曲線を求め、そして、(1)で選択した近似式(「w=b・ln(u)+a」)が、このプロットによる近似曲線と最も近くなるよう名a,bの値(a2,b2)を定めることで、近似曲線「w=b2*ln(u)+a2」を求め、(4)求められた近似曲線「w=b2*ln(u)+a2」の(u)に、(2)で算出したuinfを代入してw即ちDv(X)∞を求め、(5)求められたDv(X)∞が、規定範囲内にないときは、条件を変更し、(6)条件を変更しなかって場合は、(3)からのフローを再度行い、条件変更を行なった場合は、(1)に戻って、予測収束値Dv(X)∞の算出を行なうこと、が記載されている。
そして、前記(1)の現在の条件(攪拌回転数、O/W比、温度等の条件)と、同一条件で行なわれた過去の粒径測定結果のデータベースから近似式(例えば、前記「w=b・ln(u)+a」の近似式)を決定する手法と類似の手法を、本発明における「樹脂物性を初めとする前記原材料の物性に基いて開始時の最適条件を決定する」際にも応用することができる。また、特許文献2には、乳化装置の攪拌程度と乳化粒子の体積平均粒径との相関状態例を示すグラフが図5に、乳化装置の油水相比と乳化粒子の体積平均粒径との相関状態例を示すグラフが図6に、乳化装置の乳化開始時間と乳化粒子の体積平均粒径との相関状態例を示すグラフが図7,8に、それぞれ記載されているが、このような各例も、本発明を実施する際に参考にすることができる。
本発明に用いられる樹脂としてはスチレンアクリル樹脂、ポリオール樹脂、ポリエステル樹脂など通常のトナー用に用いられる樹脂であればどのようなものでも適用可能である。特に定着性の観点からフルカラー画像の再現にはポリエステル樹脂が好適である。
(変性ポリエステル樹脂)
ポリエステル樹脂中に酸、アルコールのモノマーユニットに含まれる官能基とエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。例えば、ポリエステル末端をエステル結合以外のもので反応させたもの。具体的には末端に酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、活性水素化合物とさらに反応させ末端を変性したり伸長反応させたものも含まれる。
さらに活性水素基が複数存在する化合物であればポリエステル末端同士を結合させたものも含まれる(ウレア変性ポリエステル、ウレタン変性ポリエステルなど)。
また、ポリエステル主鎖中に二重結合などの反応性基を導入し、そこからラジカル重合を起こして側鎖に炭素−炭素結合のグラフト成分を導入したり二重結合同士を橋かけしたものも含まれる(スチレン変性、アクリル変性ポリエステルなど)。
また、ポリエステルの主鎖中に構成の異なる樹脂成分を共重合させたり末端のカルボキシル基や水酸基と反応させたもの、例えば末端がカルボキシル基、水酸基、エポキシ基、メルカプト基によって変性されたシリコーン樹脂と共重合させたものも含まれる(シリコーン変性ポリエステルなど)。以下、具体的に説明する。
(ウレア変性ポリエステル樹脂)
ウレア結合で変性されたポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応物などが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)および3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、および(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、および(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B1)〜(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、(B1)および(B1)と少量の(B2)の混合物である。
さらに、必要により伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。本発明においては、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明のウレア変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。ウレア変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
(未変性ポリエステル樹脂)
本発明においては、前記ウレア結合で変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)をトナーバインダー成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、30000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
本発明において、トナーバインダーのガラス転移点(Tg)は通常50〜70℃、好ましくは55〜65℃である。50℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステル樹脂の共存により、本発明の乾式トナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
トナーバインダーの貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて10000dyne/cmとなる温度(TG’)が、通常100℃以上、好ましくは110〜200℃である。100℃未満では耐ホットオフセット性が悪化する。
トナーバインダーの粘性としては、測定周波数20Hzにおいて1000ポイズとなる温度(Tη)が、通常180℃以下、好ましくは90〜160℃である。180℃を超えると低温定着性が悪化する。すなわち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、TG’はTηより高いことが好ましい。言い換えるとTG’とTηの差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましい。さらに好ましくは10℃以上であり、特に好ましくは20℃以上である。差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃が好ましい。さらに好ましくは10〜90℃であり、特に好ましくは20〜80℃である。
(着色剤)
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
本発明で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先に挙げた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得ることができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
(離型剤)
また、トナーバインダー、着色剤とともにワックスを含有させることもできる。本発明のワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。本発明のワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
(帯電制御剤)
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明において荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤、離型剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
(水系媒体中でのトナー製造法)
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
トナーバインダーは以下の方法などで製造することができる。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらに(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。(3)を反応させる際および(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。
使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(3)に対して不活性なものが挙げられる。ウレア結合で変性されていないポリエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを前記(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
トナー組成物の油相の粘度を低くし、乳化可能とするために、変性ポリエステル(i)や(A)が可溶の揮発性溶剤を使用する。該溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。その他アルコール、水等の水性媒体に溶解可能な溶剤を併用することによりトナー形状をさらに調節したりすることもできる。トナー組成物100部に対する溶剤の使用量は、通常10〜900部である。
トナー粒子は、水系媒体中で例えばイソシアネート基を有するプレポリマー(A)とその他のトナー組成物からなる揮発性有機溶剤中の分散体を、(B)と反応させて形成しても良いし、あらかじめ製造した変性ポリエステル(i)を用いても良い。水系媒体中で変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)とトナー組成物からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。分散には通常の攪拌による混合機、より好ましくは高速回転体とステータを有すホモジナイザー、高圧ホモジナイザーの他ボールミル、ビーズミル、サンドミルといったメディアを用いた分散機などが用いられる。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させるときに混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。回転羽根を有する乳化機としては、特に限定されるものではなく、乳化機、分散機として一般に市販されているものであれば使用することができる。例えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(特殊機化工業(株)製)、エバラマイルダー(荏原製作所(株)製)、TKパイプラインホモミクサー、TKホモミックラインフロー(特殊機化工業(株)製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機(株)製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工(株)製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製)、フィルミックス(特殊機化工業(株)製)等のバッチまたは連続両用乳化機等が挙げられる。
高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは10〜98℃である。高温なほうが、変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)を含むトナー組成物100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
水系媒体には固体微粒子が分散しておくが、先に示したように固体分散剤の液滴への吸着性を調整するためにその他の分散剤を併用することができる。その他の分散剤はトナー組成物を乳化する前や乳化後揮発成分を除去するときなどに添加できる。
(固体微粒子分散剤)
固体微粒子分散剤は水系媒体中で水に難溶の固体状で存在するものであり、平均粒径が0.01から1μmの微粒子のものが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
さらに好ましくはリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、コロイド状酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いることができる。特に水中でリン酸ナトリウムと塩化カルシウムを塩基性下反応させて合成したヒドロキシアパタイトが好ましい。
有機物の固体微粒子分散剤としては低分子有機化合物の微結晶や高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるメタクリル酸等のカルボキシル基を有すモモノマーと共重合されたポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
固体微粒子分散剤を水中で調整後、リン酸三カルシウム塩などの酸に溶解可能な無機物質はあらかじめ塩酸等を必要量加え、部分的に溶解しておく。酸の添加量は無機物質を完全に溶解できる量の0.01%から10%が好ましく、より好ましくは0.1%から5%である。
カルボキシル基を有す(メタ)アクリル酸と共重合された高分子微粒子などのアルカリに溶解可能な物を用いた場合は、水酸化ナトリウム等の塩基を必要量加え、部分的に溶解しておく。アルカリの添加量は無機物質を完全に溶解できる量の0.01%から10%が好ましく、より好ましくは0.1%から5%である。
(その他、乳化時併用もしくは後で加える分散剤)
アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
またフルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガーフルオロアルキル(C6〜C11)オキシ〕−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(ダイキン工業社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
高分子系保護コロイドにより分散液滴の安定化を調節しても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3ークロロー2一ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、Nーメチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ピニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長および/または架橋反応後、残りの固体微粒子分散剤を溶解洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
伸長および/または架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行なわれた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行なっても良いが、液体中で行なうことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行なうのが好ましい。
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
(乾式トナー製造方法)
乾式トナーは以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
また、現像剤を調製する際には、現像剤の流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造された現像剤にさらに先に挙げた疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中または漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。
使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
得られたトナーの形状をさらに調節するにはトナーバインダー、着色剤からなるトナー材料を溶融混練後、微粉砕したものをハイブリタイザー、メカノフュージョンなどを用いて機械的に形状を調節する方法や、いわゆるスプレードライ法と呼ばれるトナー材料をトナーバインダーが可溶な溶剤に溶解分散後、スプレードライ装置を用いて脱溶剤して球形トナーを得る方法。また、水系媒体中で加熱することにより球形化する方法などが挙げられるがこれに限定されるものではない。
(外添剤)
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他、高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行なって、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
(二成分用キャリア)
本発明のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
<実施例1>
A油相の生成について
先ずA油相の成分である、低分子ポリエステル、MB、ケチミン、の合成について以下に示す。
〜低分子ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700,Tg43℃、酸価25であった。
〜MBの合成〜
水1200部、カーボンブラック(Printex35 デクサ製)540部〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。また、カーボンブラックの代わりにPY155(クラリアント製)を用いて同様の工程を経て[マスターバッチ2]を得た。
〜ケチミン(伸長剤)の合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行ない、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
次にA油相作成例について示す。
・ブラックについて
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバWAX110部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行なった。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た([顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった)。[顔料・WAX分散液1]749部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、ホモディスパー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合したらブラックの完成である。
B油相の生成について
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
水相の調整
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、105nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、重量平均分子量は15万であった。この[微粒子分散液1]83部、水990部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7):三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
乳化工程について
上記に示すA油相60.4部、B油相7.4部、水相101.6部を用いて乳化を行なっていった。乳化条件はそれぞれ以下の通り。
(1)生産開始時の工程条件
低分子ポリエステルのガラス転移温度、分子量、酸価、1/2流出温度の物性値から生産開始時の工程条件を以下とした。予測式としては、過去20ロット分のデータをMTシステム(Mahalanobis−Taguchi System)を用いて解析した。
乳化機周速:16.4m/s
O/W比率:36/64
フィード量:13kg/min
(2)工程制御指示
制御工程による設備自動運転を実施。
自動で乳化粒子の粒径を測定する測定工程とコンピュータによる粒径制御を行なう制御工程を有する設備を使用。制御工程にあたっては、原材料送液ラインに流量計を組み入れ、インバータ等によるPID制御を取り入れた。また、乳化機にも同様にPID制御を取り入れ回転数を制御することとした。
(3)製品捕集機能
体積平均粒径の規格内外に応じた、製品捕集機能設備を使用。
上記(1)〜(3)を実施することで、生産工程時間1000minにおいて、生産初期捨て長し量(以下、ハナキリ時間)が10minであり、990min間の製品捕集が可能であった。製品歩留まりは、以下の式より99%となった。また、工程作業は1人での対応が可能であった。
製品歩留まり(%)=製品捕集時間(min)/生産工程時間(min)
上記条件で得られた各乳化分散液を以下のように処理することでトナーを得た。
脱溶剤工程は次の方法で行なった。45℃まで昇温して、攪拌翼外周端周速10.5m/s、大気圧下(101.3kPa)で溶剤を除去した。脱溶剤時間は20時間を要した。その後、濾別、洗浄、乾燥した後、実施例1のトナーを得た。次に、得られた母体粒子100部及び帯電制御剤(オリエント化学社製、ボントロンE−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定し、2分間運転、1分間休止を5サイクル行ない、合計の処理時間を10分間した。さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル行なった。更に、疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合し、目開き37μmのスクリーンにて粗大粒子を除去して、ブラックトナー、イエロートナーを得た。
<実施例2>
(1)生産開始時の工程条件
低分子ポリエステルの水酸化基、ガラス転移温度の物性値から生産開始時の工程条件を以下とした。
乳化機周速:17.4m/s
O/W比率:37/64
フィード量:15kg/min
(2)工程制御指示
制御工程による設備自動運転を実施。
(3)製品捕集機能
体積平均粒径の規格内外に応じた、製品捕集機能設備を使用。
上記(1)〜(3)を実施することで、生産工程時間1000minにおいて、生産初期捨て長し量(以下、ハナキリ時間)が30minであり、970min間の製品捕集が可能であった。製品歩留まりは97%となった。また、工程作業は2人を要した。
実施例3
(1)生産開始時の工程条件
低分子ポリエステルのガラス転移温度、高分子ポリエステルのNCO基の物性値から生産開始時の工程条件を以下とした。
乳化機周速:16.4m/s
O/W比率:36/64
フィード量:13kg/min
(2)工程制御指示
制御工程による設備自動運転を実施。
(3)製品捕集機能
体積平均粒径の規格内外に応じた、製品捕集機能設備を使用。
上記(1)〜(3)を実施することで、生産工程時間1000minにおいて、生産初期捨て長し量(以下、ハナキリ時間)が30minであり、970min間の製品捕集が可能であった。製品歩留まりは97%となった。また、工程作業は2人を要した。
<比較例1>
(1)生産開始時の工程条件
前生産ロットの生産終了時の工程条件をトレースして以下のように設定した。
乳化機周速:16.4m/s
O/W比率:35/64
フィード量:18kg/min
(2)工程制御指示
製造OPによる粒径制御。
(3)製品捕集機能
製造OPによる製品捕集を実施。
上記(1)〜(3)を実施することで、生産工程時間1000minにおいて、生産初期捨て長し量(以下、ハナキリ時間)が50minであり、950min間の製品捕集が可能であった。製品歩留まりは95%となった。また、工程作業は3人を要した。
(細線再現性の評価方法について)
細線再現性はこの現像剤を中間転写方式の市販カラー複写機(イマジオカラー5000;リコー社製)の定着オイル部分を除去した改造機に入れ、画像占有率7%の印字率でリコー社製6000ペーパーを用いてランニングを実施した。その時の初期10枚目の画像と3万枚目の画像の細線部を原稿と比較し、光学顕微鏡で100倍で拡大観察し、ラインの抜けの状態を段階見本と比較しながら5段階で評価した。3.5以上を合格とする。
(帯電量に関して)
上記フェライトキャリア60gとトナー3gとを混合して現像剤を作製し、その現像剤6gを計量し、密閉できる金属円柱に仕込みブローして帯電量を求める。トナー濃度は4.5〜5.5重量%に調整する。最適範囲としては−35±4μC/gである。
Figure 2009282134
本発明の連続乳化プロセスの一例を示す図である。

Claims (9)

  1. 少なくとも2種類以上の異なる分子量の樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナー原材料組成物を有機溶剤に溶解または分散し、該溶解物または分散物(以下、油相)を、固体の樹脂微粒子分散剤の存在する水系媒体中(以下、水相)で連続的に乳化する連続的乳化段階を含むトナーの製造方法であって、該連続的乳化段階は、樹脂物性を初めとする前記原材料の物性に基いて開始時の最適工程条件を決定し、かつ、生産中の乳化粒子の粒径を自動で測定する測定工程、該測定工程からモニタされる乳化粒子の粒径から粒径変動率を算出する算出工程、該算出工程から算出された粒径変動率情報とコンピュータに予め入力されている粒径変動率と工程条件との関係から工程制御指示を出し設備を自動制御する制御工程を含み、且つ規格内の体積平均粒径を有している乳化粒子の場合は、自動にて製品捕集ラインを確保し、規格外の場合においては該製品捕集ラインを自動で切り離すシステムを有することを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 前記樹脂の物性として、ガラス転移温度、分子量、酸価、1/2流出温度を利用することを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記工程条件が、乳化分散機の周速、油相/水相比率(以下、O/W比率)、及び/又は油相と水相の総量(以下、フィード量)であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
  4. 前記製品捕集ライン確保時に、製品捕集量、製品捕集時の算術体積平均粒径を算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  5. 少なくとも2種類以上の異なる分子量の樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナー原材料組成物を有機溶剤に溶解または分散してなる溶解物または分散物(以下、油相)を、固体の樹脂微粒子を含む水系媒体中(以下、水相)で連続的に乳化する連続的乳化設備を有するトナーの製造装置であって、該連続的乳化設備は、樹脂物性を含む前記原材料の物性に基づき、設備の運転開始時の最適乳化条件をセットするための手段を有し、かつ、生産中の乳化粒子の粒径を自動で測定する測定手段、該測定手段でモニタされる乳化粒子の粒径から粒径変動率を算出する算出手段、該算出手段で算出された粒径変動率情報と、コンピュータに予め入力されている粒径変動率と工程条件との関係情報とから計算された工程制御指示信号を受信して設備を自動制御する制御手段を有し、且つ規格内の体積平均粒径を有している乳化粒子の場合は、自動にて製品捕集ラインを確保し、規格外の場合においては該製品捕集ラインを自動で切り離すシステムを有することを特徴とするトナーの製造装置。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法により得られ、トナー粒子の体積平均粒径(Dv)が3〜10μmであることを特徴とするトナー。
  7. 請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法により得られたトナーであって、体積平均粒径(Dv)を個数平均粒径(Dn)で除した値が1.05〜1.25であることを特徴とする請求項6に記載のトナー。
  8. 請求項6又は7に記載のトナーを用いたことを特徴とする画像形成方法。
  9. 請求項6又は7に記載のトナーを用いたことを特徴とする画像形成装置。
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