JP4090043B2 - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等に於ける静電荷像を現像する為の現像剤に使用されるトナー及びその製造方法に関する。更に詳しくは直接または間接電子写真現像方式を用いた複写機、レーザープリンター及び、普通紙ファックス等に使用される電子写真用トナー及びその製造方法に関する。更に直接または間接電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター及び、フルカラー普通紙ファックス等に使用される電子写真トナー、その製造方法、画像形成方法及び該トナーを備えたプロセスカ−トリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真、静電記録、静電印刷等に於いて使用される現像剤は、その現像工程において、例えば、静電荷像が形成されている感光体等の像担持体に一旦付着され、次に転写工程において感光体から転写紙等の転写媒体に転写された後、定着工程において紙面に定着される。その際、潜像保持面上に形成される静電荷像を現像する為の現像剤として、キャリアとトナーとから成る二成分系現像剤及び、キャリアを必要としない一成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。
【0003】
従来、電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられる乾式トナーとしては、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂などのトナーバインダーを着色剤などと共に溶融混練し、微粉砕したものが用いられている。
そして、高品位、高画質の画像を得るために、トナーの粒子径を小さくするという改良が図られているが、通常の混練、粉砕法による製造方法ではその粒子形状が不定形であり、機械内部では現像部内でのキャリアとの攪拌や、一成分系現像剤として用いる場合は現像ローラとトナー供給ローラ、層厚規制ブレードや摩擦帯電ブレードなどとの接触による接触ストレスのためにさらにトナーが粉砕され、極微粒子が発生したり、流動化剤がトナー表面に埋め込まれるために画像品質が低下するという現象が発生している。またその形状ゆえに粉体としての流動性が悪く、多量の流動化剤を必要としたり、トナーボトル内への充填率が低く、コンパクト化への阻害要因となっている。そのため小粒径化したメリットが生かされていないのが現状である。また粉砕法では得られる粒子の粒子径に限界があり、さらなる小粒径化には対応できない。
【0004】
さらにフルカラー画像を作成するために多色トナーにより形成された画像の感光体から転写媒体や紙への転写プロセスも複雑になってきており、粉砕トナーのような不定形の形状による転写性の悪さから、転写された画像のぬけやそれを補うためにトナー消費量が多くなるなどの問題が発生している。
【0005】
従って、さらなる転写効率の向上によりトナーの消費量を減少させて画像のぬけの無い高品位の画像を得たり、ランニングコストを低減させたいという要求も高まっている。転写効率が非常に良いならば、感光体や転写媒体から未転写トナーを取り除くためのクリーニングユニットが必要なくなり、機器の小型化、低コスト化が図れ、廃棄トナーも無くなるというメリットも同時に有しているからである。このような不定形の形状効果の欠点を補うために種々の球状トナーの製造法が考案されている。
【0006】
これらの問題点を解決する方法として懸濁重合法、乳化重合凝集法によるトナー製造法が検討されている。また特許文献1では、ポリマー溶解懸濁法と呼ばれる体積収縮を伴う工法が検討されている。この方法はトナー材料を低沸点有機溶媒などの揮発性溶剤に分散、溶解させ、これを分散剤の存在する水系媒体中で乳化、液滴化した後に揮発性溶剤を除去するものである。この方法は懸濁重合法、乳化重合凝集法と異なり、用いることのできる樹脂の選択の幅が広く、特に透明性や定着後の画像部の平滑性が要求されるフルカラープロセスに有用なポリエステル樹脂を用いることができる点で優れている。しかし用いた分散剤が強くトナー粒子表面に吸着し、後の洗浄操作によっても除去が困難であり、それに伴ってトナーの帯電性が用いた分散剤によって大きく支配されてしまうという弊害があった。従って得られるトナーの平均帯電レベルは低く、帯電速度も緩慢で、また湿度の影響を強く受けてしまうものであった。
【0007】
また特許文献2では、ポリマー溶解懸濁法で用いる樹脂を低分子量のものとして分散相の粘度を下げ、乳化を容易にし、しかも粒子内で重合反応をさせて定着性を改善しているが、粒子内で重合反応に用いる官能基の影響が無視できず、特にイソシアネート化合物を用いた場合には、先に述べた分散剤の影響のみならず、得られるウレタン、ウレア基の帯電性に強く支配されてしまうものであった。
またこのようにして得られた粒子に対し、乾式で表面に帯電制御剤を付着、固定化させようとする試みも見られたが、定着を阻害する場合が多く、帯電付与と低い定着温度発現の二律背反現象を解決できなかった。
【0008】
また本発明者らは先にトナーの材料である組成物を水系媒体中で界面活性剤の存在する水系媒体中で乳化分散して得られるトナーにおいて、該界面活性剤と逆極性の界面活性剤を乳化分散工程後に添加することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法を提案しているが、乳化分散時に用いた界面活性剤はその後の洗浄等の操作で除去されてしまい、逆極性の界面活性剤を乳化分散工程後に添加してもうまく吸着できずに所望の帯電性を発揮できなかった。また大量の逆極性の界面活性剤が帯電制御に必要であり、これが定着性阻害の原因となっていた。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−152202号公報
【特許文献2】
特開平11−149179号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上の従来技術の難点をもとに本発明が解決しようとする課題は以下のように列記できる。
1)懸濁重合法、乳化重合凝集法ならびにポリマー懸濁法などの水系媒体中でのトナー製造における分散剤や重付加反応に用いる化合物によるトナーに与える帯電性への影響を低減し、かつ必要な帯電特性を得ること
2)具体的には、平均帯電レベルが高く、帯電速度も俊敏で、また湿度や温度の影響を受けないトナー及びその製造方法を提供すること
3)シャープな粒度分布、球形形状を有し、さらに定着性に余裕のある高分子量成分の存在する溶融粘度の高いトナーを提供すること
4)潜像を忠実に現像して高画質のフルカラー画像を再現すること
5)転写効率が高く高画質のフルカラー画像を再現すること
6)該トナーを備えたプロセスカ−トリッジを提供すること
【0011】
【課題を解決するための手段】
水系媒体中で重合性単量体や有機溶剤を用いて油相を乳化、懸濁または凝集させてトナーを生成するトナー製造方法においては、水系媒体中に存在させた界面活性剤が重合性単量体や有機溶剤と親和性が高い場合にはこの界面活性剤が粒子表面に残存し易い。また乳化重合凝集法においては凝集後融着させる際に内部に界面活性剤が残存し易い。
【0012】
本発明者等は、用いた界面活性剤と逆極性の界面活性剤を粒子形成後に作用させて優先的に吸着させることによってその影響を排除できることを見出して本発明に到達した。
特にポリマー懸濁法においては、用いる樹脂を低分子量のものとして分散相(油相)の粘度を下げ、乳化を容易にし、しかも乳化後、粒子内で重付加反応させることにより高分子量体の樹脂の含まれる粒子を作成できる。しかし重付加反応によって得られたポリマーがトナーの帯電性に重大な影響を及ぼす。しかしながら、本発明者等は、その時に用いた界面活性剤と逆極性の界面活性剤を粒子形成後に作用させ、優先的に吸着させることによって重付加反応によって得られたポリマーの帯電性に与える影響を遮蔽できることを見出し本発明に到達した。その結果、定着可能な温度が低く、しかも定着ローラ、ベルトに付着しにくく、定着性が良好で粒度分布が狭く、表面が滑らかな球形粒子を得ることができた。
【0013】
本発明者等は、逆極性の界面活性剤としてフッ素系の界面活性剤を選択することによって、これを少量使用することにより、得られたトナーの初期の帯電速度を著しく上昇でき、高温高湿度下での帯電安定性を維持できること及びその中でも特定のカチオン活性剤が有効であることを見出した。
【0014】
本発明者等は、逆極性の界面活性剤を粒子形成後に作用させる際に帯電制御剤を同時に表面に付着させることによりさらに帯電レベルを上げ、維持できることを見出すと共に、その方法として、トナーのサイズよりもずっと小さな(1μm以下が好ましい)帯電制御剤の水性媒体分散体を作成し、逆極性の界面活性剤を粒子形成後に作用させることによって逆極性の界面活性剤及び帯電制御剤の微粒子をトナー表面に均一に吸着又は付着させることができることも見出した。この時の帯電制御剤の水性媒体分散体の水中での荷電は乳化後の粒子と同一荷電であることが均一に付着させるためには望ましいことも見出した。
【0015】
また本発明者等は、帯電制御剤としては樹脂微粒子を使用することも好ましいこと、特に乳化重合体であれば細かく安定に分散しているためにそのまま使用できること、及び、特にフッ素化合物が配合、共重合されていたり、モノマーとしてスチレンとメタクリル酸を用いたものが特に帯電性に対し優れていることを見いだした。
【0016】
以上のようにして製造されたトナーは、単一の感光体を用いて多数回現像、転写を繰り返す方式や色ごとに感光体、現像部を備えた、いわゆるタンデム方式の現像、転写方式のフルカラー画像の作成プロセスにおいて高画質画像を与えうることが判明した。
また中間転写方式は色ずれが抑えられるなどの優れた点があるが、多数回の転写における画像劣化や転写残トナーの増大を本トナーによって改良できることも判明した。
【0017】
また、本発明は、本発明の電子写真用トナーまたは該トナーの現像剤を用いた、電子写真用トナーまたは該トナーの現像剤の収納手段、帯電手段、潜像保持手段(感光体)、現像手段、クリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジから構成される。
【0018】
上記の知見に基づいて完成された本願発明は次の通りである。
(1) 水系媒体中で油相を乳化させてトナーを生成するトナー製造方法において、水系媒体中に極性基を有する樹脂微粒子を分散含有させて該樹脂微粒子が表面に付着したトナーを生成すること及び乳化分散工程後に、該トナー表面の極性基と異なる極性の界面活性剤を添加することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
【0019】
(2)上記水系媒体中で油相を乳化させてトナーを生成するトナー製造方法が、少なくとも樹脂、着色剤からなるトナー組成物を有機溶剤に溶解または分散し、該溶解物または分散物を水系媒体中で乳化分散し、得られた乳化分散液の有機溶剤を除去してトナーを製造方法する方法であって、該トナー表面の極性基と異なる極性の界面活性剤を乳化分散工程後に添加することを特徴とする上記(1)記載の電子写真用トナーの製造方法。
(3)上記水系媒体中で油相を乳化させてトナーを生成するトナー製造方法が少なくとも樹脂、着色剤からなるトナー組成物を有機溶剤に溶解または分散し、該溶解物または分散物を水系媒体中で乳化分散し、該溶解物または分散物を重付加反応させ、得られた乳化分散液の有機溶剤を除去してトナーを製造する方法であって、該トナー表面の極性基と異なる極性の界面活性剤を乳化分散工程後に添加することを特徴とする上記(1)記載の電子写真用トナーの製造方法。
【0020】
(4)重付加反応がイソシアネート基を末端に有する化合物を用いて行われることを特徴とする上記(3)記載の電子写真用トナーの製造方法。
(5)トナー表面の極性基がカルボキシル基であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
)前記界面活性剤がフッ素系の界面活性剤であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
)前記界面活性剤がパーフルオロアルキル基を有するカチオン活性剤であることを特徴とする上記()に記載の電子写真用トナーの製造方法。
【0024】
)上記(1)〜()のいずれかに記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする電子写真用トナー。
)現像ロールおよび該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の現像装置によって、単一の感光体上に形成された各色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により現像する画像形成方法において、該現像剤が上記()記載の電子写真用トナーを用いた現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
10)前記画像形成方法が中間転写体に電界によって画像を転写する工程を含むことを特徴とする上記()記載の画像形成方法。
【0025】
11)現像ロールおよび該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の現像装置によって、現像装置に対応した複数の感光体上に形成された各色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により現像する画像形成方法において、該現像剤が、上記()記載の電子写真用トナーを用いた現像剤であることを特徴とする画像形成方法
12)前記画像形成方法が中間転写体に電界によって画像を転写する工程を含むことを特徴とする上記(11)記載の画像形成方法。
13)上記()に記載の電子写真用トナーまたは該電子写真用トナーを含む現像剤を用いたプロセスカートリッジにおいて、該電子写真用トナーまたは該電子写真用トナーを含む現像剤の収納手段、帯電手段、潜像保持手段(感光体)、現像手段、クリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ
【0026】
(懸濁重合法)
油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤等を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で後に述べる乳化法によって乳化分散する。その後重合反応を行ない粒子化した後に本発明における帯電制御剤処理を行なえば良い。
【0027】
(乳化重合凝集法)
水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途着色剤、離型剤等を水系媒体中に分散した分散体を用意し、混合した後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。その後に本発明における帯電制御剤処理を行なえば良い。
【0028】
(ポリマー懸濁法)
水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
トナー組成物の油相には、樹脂、プレポリマー、顔料等の着色剤、離型剤、帯電制御剤等を揮発性溶剤に分散する。
【0029】
油相の粘度を低くし、乳化可能とするために、ポリエステル樹脂やプレポリマーが可溶の揮発性溶剤を使用する。該溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。その他アルコール、水等の水性媒体に溶解可能な溶剤を併用することによりトナー形状をさらに調節することもできる。トナー組成物100部に対する溶剤の使用量は、通常10〜900部である。
【0030】
これらいずれのトナー製造法にも共通して、トナー粒子に官能基を導入するには、懸濁重合に用いた官能基を有する単量体との共重合体やポリエステル樹脂の場合には酸成分の単量体として酸基の官能基が3以上有するものを用いたり、得られたポリエステル樹脂の末端の水酸基をさらに複数の酸基を有する化合物によりエステル化すればよい。また後に述べる水系媒体中での分散安定剤として酸基を有する樹脂微粒子を用いることによりトナー粒子表面に残存させ酸基を導入することができる。これらの酸基としてはカルボキシル基、スルホン基、スルホン酸基、りん酸基などがあげられる。
【0031】
トナー粒子は、水系媒体中で例えばイソシアネート基を有するプレポリマーとその他のトナー組成物からなる揮発性有機溶剤中の分散体を、アミン類と反応させて形成しても良い。水系媒体中でプレポリマーとトナー組成物からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にプレポリマーからなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマーと他のトナー組成物である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、帯電制御剤、ポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合して油相を作成した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。
【0032】
分散には通常の攪拌による混合機、より好ましくは高速回転体とステータを有するホモジナイザー、高圧ホモジナイザーの他ボールミル、ビーズミル、サンドミルといったメディアを用いた分散機などが用いられる。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後に添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
【0033】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。回転羽根を有する乳化機としては、特に限定されるものではなく、乳化機、分散機として一般に市販されているものであれば使用することができる。例えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(特殊機化工業(株)製)、エバラマイルダー(荏原製作所(株)製)、TKパイプラインホモミクサー、TKホモミックラインフロー(特殊機化工業(株)製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機(株)製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工(株)製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製) 、フィルミックス(特殊機化工業(株)製)等のバッチまたは連続両用乳化機等が挙げられる。
【0034】
高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に制限されないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定されないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度は、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは10〜98℃である。高温の方が、プレポリマーからなる分散体の粘度が低くなり分散が容易な点で好ましい。
プレポリマーを含むトナー組成物100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的ではない。
【0035】
水系媒体には乳化分散安定剤として界面活性剤のほか固体微粒子を分散剤として分散しておいても良い。また高分子系保護コロイドにより分散液滴の安定化を調節しても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β一ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロー2一ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0036】
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長および/または架橋反応後、残りの固体微粒子分散剤を溶解洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
【0037】
伸長および/または架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0038】
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、あわせて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
【0039】
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際、微粒子または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
【0040】
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
【0041】
(表面処理方法)
これらいずれのトナー製造法にも共通して、液中で帯電制御付与の表面処理を施すことができる。トナー粒子が水中で形成され、用いた界面活性剤等を洗浄によって除去した後に、本工程を行なうのが好ましい。水中に存在している余剰の界面活性剤をろ過、遠心分離などの固液分離操作をして除去し、得られたケーキ、スラリーを水系媒体中に再分散する。その後、逆極性の界面活性剤水溶液を攪拌下で徐々に添加する。逆極性の界面活性剤はトナー粒子固形分に対し0.01〜1重量%使用することができる。
【0042】
またさらに帯電性を補強する目的で、再分散したスラリー中に帯電制御剤微粒子分散体を存在させておくこともできる。帯電制御剤は通常粉体の形態であるが、水系媒体中で粒子を製造した時に用いた界面活性剤や帯電付与の目的で添加する逆極性の界面活性剤を用いて別途水系媒体中で分散することによって微粒子分散体を得ることができる。逆極性の界面活性剤の添加によって帯電制御剤微粒子分散体の水中での荷電が中和され、トナー粒子表面に凝集付着させることができる。
帯電制御剤は0.01〜1μmの粒子径の分散体であることが好ましく、トナー粒子固形分に対し0.01〜5重量%使用することができる。
【0043】
またさらに帯電性を補強する目的で再分散したスラリー中に樹脂微粒子分散体を存在させておくこともできる。樹脂微粒子分散体は乳化重合によって得られたものが好ましい。
逆極性の界面活性剤の添加によって樹脂微粒子分散体の水中での荷電が中和され、トナー粒子表面に凝集付着させることができる。この樹脂微粒子はトナー粒子固形分に対し0.01〜5重量%使用することができる。
【0044】
これらトナー表面に付着させた帯電制御剤微粒子や樹脂微粒子は、その後スラリーを加熱することによりトナー表面に固定化し、脱離を防止することができる。その際トナーを構成する樹脂のTgよりも高い温度にて加熱することが望ましい。乾燥後加熱処理を行なっても良い。
【0045】
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
【0046】
(帯電制御性樹脂微粒子)
帯電制御性樹脂微粒子としては、公知のものが使用できるが、高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られる樹脂微粒子分散体が好ましい。特に好ましいものとしては、メタクリル酸等のカルボキシル基を有するモノマーと共重合されたポリスチレン、フッ素系メタクリル酸エステルやフッ素系アクリル酸エステルを乳化重合、分散重合の際共重合体させたものやシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体微粒子が挙げられる。
【0047】
(界面活性剤)
アニオン性の界面活性剤としてはアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としてはアルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型などが挙げられる。
またこれらと併用して、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやNーアルキルーN,Nージメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤を使用しても良い。
これら界面活性剤の使用量は水相全体に対し0.1〜10重量%が好ましい。
【0048】
(フッ素系界面活性剤)
本発明においては逆極性の界面活性剤としてフッ素系界面活性剤を用いることによりさらに帯電性能、特に帯電立ち上り性を改良することができる。
好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガーフルオロアルキル(C6〜C11)オキシ〕−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガーフルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及ぴ金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及ぴその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
【0049】
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(タイキン工莱社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0050】
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF一300(ネオス社製)などが挙げられる。
また特に、前記一般式(1)にて示される含フッ素4級アンモニウム塩化合物を用いることにより、環境変動時における帯電量変化が少なく安定した現像剤を得ることができる。
具体的には例えば、1)から54)の構造式で示される化合物に相当する。
【0051】
【化3】
Figure 0004090043
【0052】
【化4】
Figure 0004090043
【0053】
【化5】
Figure 0004090043
【0054】
【化6】
Figure 0004090043
【0055】
【化7】
Figure 0004090043
【0056】
【化8】
Figure 0004090043
【0057】
【化9】
Figure 0004090043
【0058】
【化10】
Figure 0004090043
【0059】
【化11】
Figure 0004090043
【0060】
(固体微粒子分散剤)
固体微粒子分散剤は水系媒体中で水に難溶の固体状で存在するものであり、平均粒径が0.01から1μmの微粒子のものが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
さらに好ましくはリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、コロイド状酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いる事が出来る。特に水中でリン酸ナトリウムと塩化カルシウムを塩基性下反応させて合成したヒドロキシアパタイトが好ましい。その他 有機物の固体微粒子分散剤としては低分子有機化合物の微結晶や高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるメタクリル酸等のカルボキシル基を有するモノマーと共重合されたポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
【0061】
(イソシアネート基を末端に有する化合物:プレポリマー)
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
【0062】
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)および3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。 ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
【0063】
3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0064】
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、および(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
【0065】
3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
【0066】
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0067】
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
【0068】
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、生成するウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0069】
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
【0070】
ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
【0071】
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
【0072】
さらに、必要により伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
【0073】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0074】
本発明においては、ウレア結合で変性されたポリエステル中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0075】
(ポリエステル樹脂)
本発明においては、プレポリマー(A)、アミン類(B)とともに変性されていないポリエステル(C)をトナーバインダー成分として含有させることもできる。(C)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(C)としては、前記プレポリマー(A)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものもプレポリマー(A)のポリエステル成分と同様である。また、(C)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。
(A)、(B)の反応物と(C)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(A)のポリエステル成分と(C)は類似の組成が好ましい。(C)を含有させる場合の(A)と(C)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(A)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
【0076】
(C)のピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。
【0077】
(C)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(C)の酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
【0078】
本発明において、トナーバインダーのガラス転移点(Tg)は通常50〜70℃、好ましくは55〜65℃である。50℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。(A)と(B)の反応物であるウレア変性ポリエステル樹脂の共存により、本発明の乾式トナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
トナーバインダーの貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて10000dyne/cm2となる温度(TG’)が、通常100℃以上、好ましくは110〜200℃である。100℃未満では耐ホットオフセット性が悪化する。
【0079】
トナーバインダーの粘性としては、測定周波数20Hzにおいて1000ポイズとなる温度(Tη)が、通常180℃以下、好ましくは90〜160℃である。180℃を超えると低温定着性が悪化する。すなわち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、TG’はTηより高いことが好ましい。言い換えるとTG’とTηの差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましい。さらに好ましくは10℃以上であり、特に好ましくは20℃以上である。差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃が好ましい。さらに好ましくは10〜90℃であり、特に好ましくは20〜80℃である。
【0080】
(着色剤)
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0081】
本発明で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、これらは単独で、あるいは混合して使用できる。
【0082】
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練することによって得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
【0083】
(離型剤)
また、トナーバインダー、着色剤とともにワックスを含有させることもできる。
本発明のワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
【0084】
本発明のワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
【0085】
(乾式トナー製造方法)
乾式トナーは以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
また、現像剤を調製する際には、現像剤の流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造された現像剤にさらに先に挙げた疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中または漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。
【0086】
使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
得られたトナーの形状をさらに調節するにはトナーバインダー、着色剤からなるトナー材料を溶融混練後、微粉砕したものをハイブリタイザー、メカノフュージョンなどを用いて機械的に形状を調節する方法や、いわゆるスプレードライ法と呼ばれるトナー材料をトナーバインダーが可溶な溶剤に溶解分散後、スプレードライ装置を用いて脱溶剤して球形トナーを得る方法。また、水系媒体中で加熱することにより球形化する方法などが挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0087】
(外添剤)
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい.
【0088】
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他 高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
【0089】
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
【0090】
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
【0091】
(二成分用キャリア)
本発明のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。
【0092】
また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。
【0093】
また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
【0094】
本発明は、本発明による現像剤によって、現像ロールおよび該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の現像装置によって、単一の感光体上に形成された各色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により現像する方法で用いられる現像剤により現像する方法から構成される。
【0095】
また、本発明による現像剤によって、現像ロールおよび該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の現像装置によって、単一の感光体上に形成された各色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により現像し、中間転写体に電界によって転写する方法から構成される。
【0096】
本発明は、本発明による現像剤によって、現像ロールおよび該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の現像装置によって、現像装置に対応した複数の感光体上に形成された各色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により現像する方法から構成される。
また、本発明による現像剤によって、現像ロールおよび該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の現像装置によって、現像装置に対応した複数の感光体上に形成された各色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により現像し、中間転写体に電界によって転写する方法から構成される。
【0097】
また本発明は、本発明の電子写真用トナーまたは該トナーの現像剤を用いた、電子写真用トナーまたは該トナーの現像剤の収納手段、帯電手段、潜像保持手段(感光体)、現像手段、クリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジから構成される。
【0098】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて詳述する。なお部の表記はいずれも重量部である。
(ポリエステル樹脂の合成)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間重縮合反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量4800の変性されていないポリエステルを得た。その後無水トリメリット酸を10部添加し10〜15mmHgの減圧下200℃で2時間反応して樹脂末端の水酸基をカルボキシル基に変換した。得られた樹脂100部を 酢酸エチル100部に溶解、混合し、トナーバインダーの酢酸エチル溶液を得た。一部減圧乾燥し、ポリエステル樹脂を単離した。Tgは62℃、酸価は32であった。
【0099】
[参考例1]
密閉されたポット内に前記のポリエステル樹脂の酢酸エチル溶液200部、カルナウバワックス5部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を仕込み 5mmφのジルコニアビーズを用いて24時間ボールミル分散を行ないトナー組成物を得た。
ビーカー内にイオン交換水600部、リン酸三カルシウム60部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3部を入れ均一に溶解分散した。ついで20℃にビーカー内温を保ち、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)で12000rpmに攪拌しながら、上記トナー組成物を投入し3分間攪拌乳化した。ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のフラスコに移し、30℃、50mmHgの減圧下で8時間溶剤を除去した。ガスクロマトグラフィーにより分散液中の酢酸エチルは100ppm以下になっていることを確認した。
【0100】
その後分散液を室温まで冷却し、35%濃塩酸を120部加え、リン酸三カルシウムを溶解した。その後1時間室温下で攪拌をした後に、濾別、得られたケーキを蒸留水に再分散してろ過する操作を3回繰り返し洗浄した。得られたケーキをさらに蒸留水に固形分10重量%になる様に再分散した。そこへ攪拌下、ステアリルアミン酢酸塩の1重量%水溶液をトナー固形分に対しステアリルアミン酢酸塩純分が0.3重量%となるように徐々に添加した。その後1時間室温下攪拌をした後に、ろ過分離し、得られたケーキを40℃24時間減圧乾燥しトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、本発明のトナーを得た。
【0101】
[比較例1]
参考例1のステアリルアミン酢酸塩の1重量%水溶液の代わりに蒸留水のみを同量加えた他は同様に操作し、比較トナーを得た。
【0102】
(末端イソシアネート化ポリエステルの合成)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188部と2時間反応を行いイソシアネート含有ポリマーを得た。
(ケチミン化合物の合成)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、ケチミン化合物を得た。このケチミン化合物のアミン価は418であった。
【0103】
参考例2]
密閉されたポット内に前記のポリエステル樹脂の酢酸エチル溶液200部、カルナウバワックス5部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を仕込み 5mmmφのジルコニアビーズを用いて24時間ボールミル分散を行なった。その後末端イソシアネート含有プレポリマーを固形分換算で20部加え攪拌混合し、トナー組成物を得た。
ビーカー内にイオン交換水600部、リン酸三カルシウム60部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3部を入れ均一に溶解分散した。ついで20℃にビーカー内温を保ち、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)で12000rpmに攪拌しながら、上記トナー組成物にケチミン化合物を1部乳化直前に混合した油相を調製後 投入し3分間攪拌乳化した。ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のフラスコに移し、30℃、50mmHgの減圧下で8時間溶剤を除去した。ガスクロマトグラフィーにより分散液中の酢酸エチルは100ppm以下になっていることを確認した。
【0104】
その後分散液を室温まで冷却し、35%濃塩酸を120部加え、リン酸三カルシウムを溶解した。その後1時間室温下で攪拌をした後に、濾別、得られたケーキを蒸留水に再分散してろ過する操作を3回繰り返し洗浄した。得られたケーキをさらに蒸留水に固形分10重量%になる様に再分散した。そこへ攪拌下、ステアリルアミン酢酸塩の1重量%水溶液をトナー固形分に対しステアリルアミン酢酸塩純分が0.3重量%となるように徐々に添加した。その後1時間室温下攪拌をした後に、ろ過分離し、得られたケーキを40℃24時間減圧乾燥しトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部に疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、本発明のトナーを得た。
【0105】
[比較例2]
参考例2のステアリルアミン酢酸塩の1重量%水溶液の代わりに蒸留水のみを同量加えた他は同様に操作し、比較トナーを得た。
【0106】
参考例3]
参考例2のステアリルアミン酢酸塩の代わりにカチオン系フッ素界面活性剤F150(大日本インキ社製)を同量用いた他は同様に操作し、本発明のトナーを得た。
【0110】
参考例4]
参考例2のステアリルアミン酢酸塩の1重量%水溶液の代わりに(1)式の化合物であるN,N,N,−トリメチル−[3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウム、ヨージド 製品名フタージェント310(ネオス社製)を同量用いた他は同様に操作し、本発明のトナーを得た。
【0111】
(樹脂微粒子の合成)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS-30:三洋化成工業製)11部・スチレン138部、メタクリル酸138部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。得られた微粒子分散液をLA-920(堀場製作所社製)で測定した体積平均粒径は、O.15μmであった。
【0112】
[実施例
密閉されたポット内に前記のポリエステル樹脂の酢酸エチル溶液200部、カルナウバワックス5部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を仕込み 5mmmφのジルコニアビーズを用いて24時間ボールミル分散を行なった。その後イソシアネート含有プレポリマーを固形分換算で20部加え攪拌混合し、トナー組成物を得た。ビーカー内にイオン交換水600部、得られた樹脂微粒子分散液20部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3部を入れ均一に溶解分散した。
【0113】
ついで20℃にビーカー内温を保ち、ロボミックス(特殊機化工業製)で15000rpmに攪拌しながら、上記トナー組成物にケチミン化合物を1部乳化直前に混合した油相を調製後 投入し3分間攪拌乳化した。ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のフラスコに移し、30℃、50mmHgの減圧下で8時間溶剤を除去した。ガスクロマトグラフィーにより分散液中の酢酸エチルは100ppm以下になっていることを確認した。その後濾別、得られたケーキを蒸留水に再分散してろ過する操作を3回繰り返し洗浄した。SEMによれば得られたトナー粒子の表面には約0.15μmの樹脂微粒子が表面を覆うように付着していた。得られたケーキをさらに蒸留水に固形分10重量%になる様に再分散した。
【0114】
そこへ(1)式の化合物であるN,N,N,−トリメチル−[3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウム、ヨージド、 製品名フタージェント310(ネオス社製)の1重量%水溶液をトナー固形分に対し0.2重量%となるように攪拌下徐々に添加した。その後1時間室温下攪拌をした後に、ろ過分離し、得られたケーキを40℃24時間減圧乾燥し表面処理が施されたトナー粒子を得た。
【0115】
[得られたトナーの評価]
作成したカラートナー5重量部と、以下記載のキャリア95重量部を、ブレンダーで10分間混合し、現像剤を作成した。
(キャリア粒子の製造)
芯材:平均粒径50μmの球形フェライト粒子
コート材構成材料:アミノシラン系カップリング剤を分散したシリコーン樹脂アミノシラン系カップリング剤とシリコーン樹脂をトルエンに分散させ、分散液を調整後、加温状態にて上記芯材にスプレーコートし、焼成、冷却後、平均コート樹脂膜厚み0.2μmのキャリア粒子を作成した。
【0116】
(帯電立ち上り性)
温度20℃、湿度50%の試験室で上記キャリア100部と本発明のトナー5部をステンレスのポットに仕込み、ボールミル架台上で一定回転数で回転混合させた。回転スタートから15秒後に停止させ得られた現像剤の帯電量(μC/g)をブローオフ装置によって測定した。
【0117】
(飽和帯電量)
帯電立ち上り性と同様の操作で10分攪拌後の現像剤の帯電量(μC/g)をブローオフ装置によって測定した。
【0118】
(高温高湿下(HH)飽和帯電量)
温度30℃、湿度90%の環境試験室で上記キャリア100部と本発明のトナー5部を1時間放置し、環境試験室でステンレスのポットに仕込み、環境試験室内のボールミル架台上で一定回転数で回転混合させた。回転スタートから10分後に停止させ得られた現像剤の帯電量(μC/g)をブローオフ装置によって測定した。
【0119】
(細線再現性)
細線再現性はこの現像剤をタンデム、中間転写方式の市販カラー複写機(イマジオカラー5000;リコー社製)の定着オイル部分を除去した改造機に入れ、画像占有率7%の印字率でリコー社製6000ペーパーを用いてランニングを実施した。その時の初期10枚目の画像と3万枚目の画像の細線部を原稿と比較し、光学顕微鏡で100倍で拡大観察し、ラインの抜けの状態を段階見本と比較しながら4段階で評価した。
いずれも ◎ > ○ > △ > ×の順に画像品質が高い。特に×の評価は製品として採用できないレベルである。
【0120】
(定着温度域)
定着性は同様に3万枚ランニングした後に、全面カラーベタ画像を定着ローラー表面温度を120℃から200℃まで変化させて出力し、画像上のトナーをテープ転写し、テープの汚れ度合いを4段階の段階見本と比較して評価した。テープの汚れが基準以下の定着温度を定着下限温度とし、ホットオフセットにより画像光沢が減少し始める温度を定着上限温度とし、その差を定着温度域とした。
【0121】
【表1】
Figure 0004090043
【0122】
【発明の効果】
以上の試験結果で示されるように、本発明により極性基を有するトナー粒子や極性基を有する樹脂微粒子が表面に付着したトナー粒子に逆極性の界面活性剤やフッ素基含有の界面活性剤で処理することにより優れた帯電特性を付与することができる。また同時に画像品質に優れ、優秀な定着性能を得ることができる。
また本発明のトナーを用いて画質の優れた、画像形成方法、プロセスカートリッジを提供することができる。

Claims (13)

  1. 水系媒体中で油相を乳化させてトナーを生成するトナー製造方法において、水系媒体中に極性基を有する樹脂微粒子を分散含有させて該樹脂微粒子が表面に付着したトナーを生成すること及び乳化分散工程後に、該トナー表面の極性基と異なる極性の界面活性剤を添加することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
  2. 上記水系媒体中で油相を乳化させてトナーを生成するトナー製造方法が、少なくとも樹脂、着色剤からなるトナー組成物を有機溶剤に溶解または分散し、該溶解物または分散物を水系媒体中で乳化分散し、得られた乳化分散液の有機溶剤を除去してトナーを製造方法する方法であって、該トナー表面の極性基と異なる極性の界面活性剤を乳化分散工程後に添加することを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナーの製造方法。
  3. 上記水系媒体中で油相を乳化させてトナーを生成するトナー製造方法が少なくとも樹脂、着色剤からなるトナー組成物を有機溶剤に溶解または分散し、該溶解物または分散物を水系媒体中で乳化分散し、該溶解物または分散物を重付加反応させ、得られた乳化分散液の有機溶剤を除去してトナーを製造する方法であって、該トナー表面の極性基と異なる極性の界面活性剤を乳化分散工程後に添加することを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナーの製造方法。
  4. 重付加反応がイソシアネート基を末端に有する化合物を用いて行われることを特徴とする請求項3記載の電子写真用トナーの製造方法。
  5. トナー表面の極性基がカルボキシル基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  6. 前記界面活性剤がフッ素系の界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  7. 前記界面活性剤がパーフルオロアルキル基を有するカチオン活性剤であることを特徴とする請求項に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする電子写真用トナー。
  9. 現像ロールおよび該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の現像装置によって、単一の感光体上に形成された各色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により現像する画像形成方法において、該現像剤が請求項記載の電子写真用トナーを用いた現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
  10. 前記画像形成方法が中間転写体に電界によって画像を転写する工程を含むことを特徴とする請求項記載の画像形成方法。
  11. 現像ロールおよび該現像ロール上に供給する現像剤の層厚を均一に規制する現像ブレードを備えた複数の現像装置によって、現像装置に対応した複数の感光体上に形成された各色に分割された静電潜像をそれぞれの色に対応する現像剤により現像する画像形成方法において、該現像剤が、請求項記載の電子写真用トナーを用いた現像剤であることを特徴とする画像形成方法
  12. 前記画像形成方法が中間転写体に電界によって画像を転写する工程を含むことを特徴とする請求項11記載の画像形成方法。
  13. 請求項に記載の電子写真用トナーまたは該電子写真用トナーを含む現像剤を用いたプロセスカートリッジにおいて、該電子写真用トナーまたは該電子写真用トナーを含む現像剤の収納手段、帯電手段、潜像保持手段(感光体)、現像手段、クリ−ニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカ−トリッジ
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