JP4298363B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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    • G03G2215/00362Apparatus for electrophotographic processes relating to the copy medium handling
    • G03G2215/00367The feeding path segment where particular handling of the copy medium occurs, segments being adjacent and non-overlapping. Each segment is identified by the most downstream point in the segment, so that for instance the segment labelled "Fixing device" is referring to the path between the "Transfer device" and the "Fixing device"
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものであり、より詳しくは、画像形成部の上方に胴内排紙部を有し、搬送ユニットを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置においては、原稿読取部で読取った画像データや、電話回線等を介して受信した画像データ、あるいはコンピュータ等から送信された画像データ等に応じて、画像形成部で記録用紙等に画像を形成した後、画像を形成した記録用紙等を排紙部に搬送して排紙し、画像を得ている。より具体的には、上記画像データに応じて感光体等の像担持体上に潜像を形成し、この潜像を現像装置の現像剤で現像して可視像化し、この可視画像を転写装置で記録用紙等の転写材に転写し、定着装置で定着した後、排紙部に搬送して排紙トレイ等に排紙している。
【0003】
ところで、複写機、ファクシミリや、これらにプリンタの機能も具備させた複合機等の画像形成装置においては、通常、画像を形成する画像形成部の上方に原稿読取部を配置し、画像形成部の下方に給紙部を配置している。このため、コピーやプリントした用紙を排紙する排紙トレイ等の排紙部は装置側面に設置するのが一般的であった。しかし、装置側面に排紙部を設けた場合、装置の占有面積が増大することになり、狭いオフィスなどでは設置場所に困る等の問題があった。
【0004】
そこで、画像形成装置の側面に突出する部分を無くし、コンパクトな構造とするために、画像形成装置の本体内部に排紙部空間を設けて、そこに胴内排紙部を配置した構造の画像形成装置が提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。具体的には、画像形成部と原稿読取部の間に排紙部空間を設け、その排紙部空間に排紙トレイを設置して胴内排紙部を構成している。また、このような胴内排紙部を有する画像形成装置においては、画像形成部で作像された用紙を胴内排紙部に搬送するため、画像形成後の用紙を胴内排紙部に搬送して排紙するための上方向搬送部が、画像形成部から胴内排紙部の側方にかけて設けられている。
【0005】
このような胴内排紙部を有する画像形成装置においては、画像形成部と原稿読取部との間に排紙部空間を設けているため、装置の占有面積は省スペースにできるが、装置の高さが高くなるという問題がある。特に、画像形成部の下方に多段の給紙部を設置した場合には、装置の高さがかなり高くなってしまう。このため、装置の高さを或る程度に抑えるには、画像形成部のスペースを狭くせざるをえない。しかしながら、画像形成部のスペースを狭くするとメンテナンスの作業性が悪くなり、また、用紙の搬送経路で紙詰まり等が発生した場合、紙詰まり等を除去する処理がしにくくなるという問題がある。
【0006】
また、胴内排紙部を有する画像形成装置においては、胴内排紙部のトレイに排紙された用紙を取り出しやすくするため、装置本体の胴内排紙部の前側が開放された構造を有している。このため装置本体前側の強度が低くなるという問題がある。そこで、画像形成部の前側に板状のフレームを設けて排紙トレイの前側を支持し、強度を保つことが行なわれているが、この場合にはメンテナンスや紙詰まり等の処理の作業性が悪くなる。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−339108号公報
【特許文献2】
特開2002−296857号公報
【特許文献3】
特開2002−46922号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、胴内排紙構造を有する画像形成装置において、メンテナンスの作業性の確保や、紙詰まり等を除去する処理を容易にすることができる構成を提供することを目的とし、さらには、装置本体前側の強度の低下を抑えることができる構成を提供することを目的とする。
より具体的には、胴内排紙構造を有する画像形成装置に用いるユニットとして、転写部から胴内排紙部に至る搬送系統を一体化した搬送ユニットを提供するとともに、その搬送ユニットを用いた画像形成装置を提供し、画像形成装置のメンテナンスの作業性の確保や、紙詰まり等を除去する処理を容易にすることができるようにすることを目的とする。また、転写部から胴内排紙部に至る搬送系統を一体化した搬送ユニットを用いた画像形成装置において、画像形成部から胴内排紙部に至る部分の強度を向上することができる前側板フレーム構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、「原稿読取部」と、「前記原稿読取部の下方に設けられるとともに装置左右方向に転写材を搬送する第1の搬送路を備える画像形成部」と、「前記画像形成部を通過した転写材を上方へ向けて案内する第2の搬送路を備えた上方向搬送部」と、「前記原稿読取部と前記画像形成部との間に設けられ、前記第2の搬送路を通過した転写材を積載するとともに、装置正面から該転写材を取出す開放部を備える胴内排紙部」と、「前記画像形成部と前記上方向搬送部とを装置正面から一体的に引出し可能に構成した略L字状の搬送ユニット」と、「前記搬送ユニットの周囲を囲むようにして略L字形状をなし、前記搬送ユニットを引出し可能に該搬送ユニットの形状に合わせてくり貫いた引出し開放部を備えるとともに、左右両側辺を装置本体を構成する枠体の構成部品で挟み込んで構成する前側板フレーム」と、を備えた構成とする(請求項1)。
【0011】
発明では、画像形成部と上方向搬送部とを装置正面から一体的に引出し可能に構成した略L字状の搬送ユニットを備え、ユニット全体を、画像形成装置本体の前側から引き出せる構成としたことにより、メンテナンスの作業性の確保や、紙詰まり等を除去する処理を容易にすることが可能となる。
【0018】
また、本発明の画像形成装置では、画像形成部の前側開放部の周囲を囲み、胴内排紙部の側方にかけて突出した形状の前側板フレームを設けた構造とし、少なくとも搬送ユニットの引き出し部をくり貫いた形状としたことにより、搬送ユニットの前側への引き出しを容易にするとともに、画像形成部と胴内排紙部の前側周囲の強度を確保することが可能となる。
【0019】
また、本発明による画像形成装置においては、上記構成に加えて、前側板フレームを、装置本体を構成する枠体の構成部材で挟み込んだ構造を有する。
より具体的には、上記前側板フレームを、装置本体を構成する枠体の支柱となるパイプフレームで挟み込んだ構造を有する(請求項)。
このように前側板フレームをパイプフレーム等で挟み込むことにより、上記のように突出形状部と、くり貫き形状部を有する前側板フレーム形状を用いることで懸念される前側板フレームの強度の低下をカバーすることが可能となる。
【0020】
さらに本発明による画像形成装置においては、前側板フレームに負荷荷重がかかった際に応力集中しやすい突出形状部の根元部分に補強部材を追加した構成とした(請求項)。
より具体的には、上記補強部材として、前側板フレームの突出形状部の応力集中箇所である根元部分にL字型のブラケットを取り付ける(請求項)。
このように本発明の画像形成装置では、前側板フレームの応力集中しやすい箇所だけを重点的に補強することにより、効率的、効果的に前側板フレームの強度アップを可能とすることができる。
【0021】
また、前述のように前側板フレームをパイプフレーム等で挟み込むことによる補強では、前側板フレームの前後方向、横方向の強度アップを可能としているが、前側板フレームの上部、すなわち胴内排紙部の排紙トレイに対する上下方向の補強はできない。このため、胴内排紙トレイに、ユーザが使用中に手を持たれ掛けたり、重いものを置いてしまうといったことが発生した場合、前側板フレームの突出形状部の応力集中箇所である根元部分が曲り、胴内排紙トレイが破損する恐れがあるが、本発明では、その根元部分にL字型のブラケット等の補強部材を取り付けることにより、胴内排紙トレイに対する上方向からの荷重に対しても補強効果を持たせることができる。
【0022】
さらに本発明による画像形成装置においては、画像形成部の前側を覆う外装前カバーを観音開き構成とし、前カバー観音開きの境目を前側板フレームの突出形状部の応力集中箇所である根元部分に対応させておき、その前側板フレームの突出形状部の根元部分に、外装前カバー固定用マグネットと一体型のブラケットを取り付け、前側板フレームの補強部材として兼用する(請求項)。
また、上記画像形成装置においては、上記ブラケットに、外装前カバーの開閉を検知して画像形成装置の動作を制御するためのインタロック機構を一体に設けることができる。
【0023】
このように本発明の画像形成装置においては、前側板フレームの突出形状部の応力集中箇所である根元部分に、外装前カバー固定用マグネットと一体型のブラケットを取り付け、前側板フレームの補強部材として兼用することにより、前述と同様に胴内排紙トレイに対する上方向からの荷重に対しても補強効果を持たせることができる。そして、前カバーの固定用マグネットとインタロック機構を同一部品に持たせることで、前カバーが開閉する時に動作するインタロックスイッチの動作精度を向上することができる。従って、固定用マグネットとインタロック機構を支持する部材を兼ねた少ない部品構成で、前側板フレーム形状特有の応力集中箇所である突出形状部の根元部分の強度アップを効果的に行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成、動作及び作用を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す画像形成装置の概略構成図であり、図2は画像形成装置の外観の一例を示す斜視図である。この画像形成装置1は、胴内排紙構造を持つ複写機、または複写機、プリンタ兼用機、あるいは複写機、ファクシミリ、プリンタ兼用機等であり、電子写真方式による画像形成を行なう画像形成部2と、画像形成部2の下方に配置された給紙部(給紙バンク)3と、画像形成部2の上方に配置された胴内排紙部4と、胴内排紙部4の上に配置された操作部5及び原稿読取部6と、原稿読取部6の上に設置された圧板兼用の自動原稿給送装置(ADF)7を備えている。
【0025】
原稿読取部6の構成は図示を省略するが、この原稿読取部6は、照明用光源と可動ミラー、結像レンズ、CCD等の撮像素子を備え、ADF7や手差しによりコンタクトガラスに給紙された原稿の画像を撮像素子で光学的に読取り、電気信号に変換し、その電気信号を画像処理回路で2値化した画像データに変換処理した後、画像形成部2に送信する。
【0026】
画像形成部2は、像担持体である感光体21と、感光体21を帯電する帯電装置22と、帯電された感光体21に画像データに対応した光を照射して静電潜像を形成する光書込装置23と、感光体上に形成された潜像を現像剤のトナーで現像して可視像化する現像装置24と、給紙部3から給紙されてきた記録用紙等の転写材を上記画像形成にタイミングを合わせて転写部に給送するレジストローラ25と、その給送された転写材に感光体上の可視画像(トナー画像)を転写する転写装置26と、転写後の感光体21上に残留したトナーを除去するクリーニング装置27と、トナー画像が転写された転写材を搬送する搬送ベルト28と、搬送ベルト28により搬送されてきた転写材上の未定着トナー画像を定着する定着装置29とを備えている。ここで、帯電装置22としては、帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電チャージャ、固体帯電器等があるが、これらの中から適宜選択される。光書込装置23としては、レーザ光源と光偏向器及びレンズ等の光学系を組み合わせた光走査方式のものや、発光ダイオード(LED)アレイと結像光学系(ロッドレンズアレイ、マイクロレンズアレイ等)とを組み合わせた方式等があるが、これらの中から適宜選択される。現像装置24としては、現像剤として磁性トナーまたは非磁性トナーを用いる1成分現像方式や、トナーと磁性キャリアを用いる2成分現像方式等があるが、これらの中から適宜選択される。転写装置26としては、転写ローラ、転写チャージャ、転写ベルト等があるが、これらの中から適宜選択される。尚、転写ベルトを用いる場合は搬送ベルト28の機能も持たせることができる。また、搬送ベルト28は必ずしも必要ではなく、ガイド板や搬送ローラ、搬送コロ等に置きかえることもできる。クリーニング装置27としては、ブレード方式、ブラシ方式、ローラ方式等があるが、これらの中から適宜選択される。定着装置29としては、加熱ローラと加圧ローラを用いた熱ローラ定着方式、加熱ベルトと加圧ベルトを用いるベルト定着方式、ベルトとローラを組み合わせた方式等があるが、これらの中から適宜選択される。また、画像形成部2の定着装置29の下流側から、画像形成部の上方に設けた胴内排紙部4の側方にかけては上方向搬送部30が配設されており、この上方向搬送部30の複数の搬送ローラ30a〜30dによって、定着後の転写材が上方向に搬送され、胴内排紙部4の側壁4bに設けた開口部から排紙トレイ4a上に排紙される。
【0027】
給紙部3は、図示の例では記録用紙等の転写材を収納した給紙カセット31a〜31cを3段に配置した給紙バンクであり、3段の給紙カセット31a〜31cには、A4,B4,B5版等の異なるサイズの転写材が収納されており、操作部5の操作で選択された給紙カセット、または原稿サイズに応じて自動選択された給紙カセットから、給紙コロ32a〜32c及び給紙ローラ33a〜33cにより転写材を搬送路に給紙する。給紙部内の搬送路には搬送ローラ34a〜34cが設けられ、また,画像形成部2の搬送路には搬送ローラ35が設けられており、これら搬送ローラによって転写材がレジストローラ25に搬送され、レジストローラ25により所定のタイミングで転写部に給送される。
胴内排紙部4は画像形成部2と原稿読取部6の間に設けられており、胴内排紙部4と画像形成部2の間には仕切りを兼ねた排紙トレイ4aが設置されている。また、胴内排紙部4の左右の側面と後側は壁面で囲まれているが前側は開放されており、排紙トレイ4a上に排紙された転写材を取り出し易くなっている。
【0028】
尚、図1においては、画像形成部2は単色画像を形成する構成の例を示しているが、これに限るものではなく、多色画像やフルカラー画像を形成する構成とすることもできる。例えば、図示は省略するが、感光体21と転写装置26の間に中間転写体(中間転写ベルトまたは中間転写ドラム)を設け、かつ感光体21に対して複数色の現像器(例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4つの現像器)を配置した構成とし、Y,M,C,Bkの各色の画像を順次感光体上に形成して中間転写体に転写するという行程を繰返して中間転写体上に4色の重ね合わせ画像を形成した後、転写装置で転写材に一括して転写し、定着してカラー画像を形成する構成とすることができる。また、感光体とその周辺部材を含む作像部を転写装置(転写ベルト)に沿って複数配設した所謂タンデム構成のカラー画像形成部とすることも可能である。また、給紙部3の給紙カセットも図示の3段に限るものではなく、2段、4段、5段等の段数とすることができる。
【0029】
以上に説明したような構成の画像形成装置1においては、画像形成部2と原稿読取部6との間に排紙部空間を設けているため、装置の占有面積は省スペースにできるが、装置の高さが高くなる。特に、画像形成部2の下方に多段の給紙部3を設置した場合には、装置の高さが高くなってしまう。このため、装置の高さを或る程度に抑えるには、画像形成部2のスペースを狭くせざるをえない。しかしながら、画像形成部のスペースを狭くするとメンテナンスの作業性が悪くなり、また、用紙の搬送経路で紙詰まり等が発生した場合、紙詰まり等を除去する処理がしにくくなるという問題がある。
【0030】
そこで本発明では、転写材に感光体上の画像を転写する転写装置26と、転写材に転写された画像を定着する定着装置29と、定着後の転写材を画像形成部上方の胴内排紙部に向けて搬送する上方向搬送部30とを、一つのユニット12内に一体に備えた構成とする。ここで、図4は搬送ユニット12の一例を示す概略斜視図である。図1及び図4に示すように、搬送ユニット12内には転写装置26と、搬送ベルト28(またはガイド板や搬送ローラ、搬送コロ等)及び定着装置29が配設されており、上部は開放されている。また、この搬送ユニット12においては、上方向搬送部30は、画像形成部内のユニットの一端側から胴内排紙部の側方に向けて上方向に突出して設けられている。そして、この搬送ユニット12は、転写装置26から上方向搬送部30に至るユニット全体を、画像形成装置本体の前側から引き出せる構成となっており、ユニット前側には引き出し用の取っ手13(またはレバー等)が設けられている。
【0031】
このように、本発明では、給紙された転写材が転写、定着、排紙されるまでの経路を構成する各部を一つの搬送ユニット12内に一体に備えた構成とし、さらには、転写装置26から上方向搬送部30に至るユニット全体を、画像形成装置本体の前側から引き出せる構成としたので、メンテナンス時や、紙詰まり等が発生した時には、搬送ユニット12を画像形成装置本体の前側から引き出してメンテナンスの作業や、紙詰まり除去の処理等を行なうことができ、これらの作業性を大幅に向上することができる。
尚、図示していないが、感光体21と帯電装置22、現像装置24、クリーニング装置27を一つのユニット内に一体に収納して作像ユニットを構成し、画像形成装置本体の前側から引き出せるようにすることもでき、この場合にはメンテンス等の作業性をさらに向上することができる。
【0032】
ところで、胴内排紙部を有する画像形成装置においては、胴内排紙部4のトレイ4a上に排紙された用紙を取り出しやすくするため、図2に示すように、装置本体の胴内排紙部4の前側が開放された構造を有している。このため装置本体前側の強度が不足するという問題がある。そこで本発明では、装置本体を構成する枠体の構成部材として、画像形成部前側を構成する強度補強部材としての前側板フレーム11を設ける。この前側板フレーム11は、図1及び図3に示すように、画像形成部2の前側開放部の周囲に沿って設けられるとともに、胴内排紙部4の側方に向けて上方向に突出した形状を有し、少なくとも搬送ユニット12の引き出し部をくり貫いた形状としたものである。
このように、画像形成部2の前側開放部の周囲を囲み、胴内排紙部4の側方にかけて突出した形状の前側板フレーム構造とし、少なくとも搬送ユニット12の引き出し部をくり貫いた形状としたことにより、搬送ユニット12の前側(図3中のB方向)への引き出しを容易にするとともに、画像形成部2と胴内排紙部4の前側周囲の強度を確保することができる。
【0033】
図1及び図3に示すように、装置本体を構成する枠体の画像形成部前側を構成する前側板フレーム11を胴内排紙部4の側方に向けて上方向に突出させた形状とし、さらに搬送ユニット12を前方向に引き出すためのくり貫き穴を開けた形状とすることにより、一つの板フレームで画像形成部2から胴内排紙部4の側方にかけて強度を確保することができるとともに、転写から排紙までを構成する搬送ユニット12を容易に引き出せる構成とすることができる。
しかしながら、図1,3に示す形状の前側板フレーム11は、大きなくり貫き穴が開いている構造のため、強度の低下が懸念される。
【0034】
そこで本発明では、前側板フレーム11を、装置本体を構成する枠体の構成部材で挟み込んだ構造とする。より具体的には、ベース部材37に立設され、装置本体を構成する枠体の支柱となるパイプフレーム14a,14bで、前側板フレーム11の両側を挟み込んだ構造とし、前側板フレーム11とパイプフレーム14a,14bとの接触部をネジまたは溶接により固定する。これにより、前側板フレーム11を補強することができる。尚、前側板フレーム11の下側は、装置本体の枠体を構成する横フレーム36にネジまたは溶接により固定されている。
【0035】
以上のように前側板フレーム11をパイプフレーム14a,14b等で挟み込むことにより、上記のように突出形状部と、くり貫き形状部を有する前側板フレーム形状を用いることで懸念される前側板フレームの強度の低下をカバーすることができる。
すなわち、パイプフレームは高い強度を持つフレーム構造であるため、このパイプフレーム14a,14bで前側板フレーム11を挟み込むことは、前側板フレーム11の前後方向(図3のF方向)からの荷重や横方向(図3のF方向)からの荷重に対する強度を効果的に向上させることができる。
【0036】
ところで、図1,3に示す構造の前側板フレーム11のコンピュータ・シミュレーションによる強度解析を行った結果、前側板フレーム11に対し横方向(図3のF方向)や真上(図3のF方向)から荷重を加えると、前側板フレーム11の突出形状部の根元付近(図3の斜線部Aの付近)に高い応力集中が発生することが確認できた。この前側板フレーム11の突出形状部の根元付近は、胴内排紙部4の排紙トレイ4aにかかる荷重を支える部分でもあるため、この部分の強度が弱いと排紙トレイの破損の原因となる。
【0037】
そこで本発明では、前側板フレーム11の応力集中部である突出形状部の根元部分(図3の斜線部Aの付近)に補強部材を設ける。具体的は、図5に示すように、上記補強部材として、前側板フレーム11の突出形状部の応力集中箇所である根元部分にL字型の補強板(ブラケット)15を取り付けて、ネジまたは溶接により固定する。
このように本発明では、前側板フレーム11に荷重が加わった際に、応力の集中しやすい突出形状部の根元部分を重点的に補強することで、効果的な補強効果を得ることができる。
【0038】
ところで、図1に示すような構成の画像形成装置においては、帯電装置22や転写装置26等の高電圧が印加される部材があり、メンテナンス作業時や、紙詰まりの除去処理時にこれらに触れると非常に危険である。また、作業時に装置が駆動するとローラやベルト等に手が巻き込まれる危険がある。そこで、画像形成装置には、装置前側や側面に設けた扉の開閉を検知し、装置の駆動をオン・オフ制御するインタロック機構が設けられており、扉を開放した際には自動的に装置の動作を停止し、高電圧電源等をオフにし、扉が閉じられるまで駆動しないようにしている。
【0039】
このインタロック機構は、インタロックスイッチと、扉の開閉にリンクしてインタロックスイッチをオン・オフするリンク機構とからなるが、インタロックスイッチは、扉が閉まった時に正確に動作する必要がある。しかし、扉の固定用マグネットとインタロックのリンク機構が別の箇所に別部材を介して取りつけられていると、マグネットの位置と、インタロック機構の動作位置関係に生じる誤差が大きくなり易い。
【0040】
そこで本発明では、図6に示すように、画像形成装置の前側の扉を構成する外装前カバーの構成を左前カバー16と右前カバー17の観音開き構成とし、両カバー16,17の境目を前側板フレーム11の突出形状部の根元付近に合わせる。そして、左右の前カバー16,17を閉じたときに、その両カバー16,17を固定するマグネット19a,19bを前側板フレームの補強部材18に一体に設ける。すなわち、前側板フレーム11の突出形状部の応力集中箇所である根元部分に、外装前カバー固定用マグネット19a,19bと一体型のブラケット18を取り付け、前側板フレーム11の補強部材として兼用する。
さらに、本発明では、前側板フレーム11のブラケット18に、外装前カバー16,17の開閉を検知して画像形成装置の動作を制御するためのインタロック機構20を一体に設ける。
【0041】
ここで、補強部材兼用のブラケット18とインタロック機構20の一例を図7に示す。図7(a)は補強部材兼用のブラケット18とインタロック機構20を示す斜視図であり、同図(b)は外装前カバーを開けたときのインタロック機構20の状態を示す要部平面図、同図(c)は外装前カバーを閉じたときのインタロック機構20の状態を示す要部平面図である。
補強部材兼用のブラケット18には、外装前カバー固定用マグネット19a,19bと、インタロック機構20を構成するリンク機構が取り付けられている。リンク機構は、ブラケット18に設けた台上に固定された2つの支軸20b,20eと、その2つの支軸20b,20eにそれぞれ揺動自在に支持された2つの揺動部材20a,20dと、その2つの揺動部材20a,20dの連結部20cとで構成され、図に対して左側の揺動部材20aの先端部は左右の前カバー16,17の境目に位置し、右側の揺動部材20dの先端部は、装置本体のフレーム側に固定されたインタロックスイッチ20fのバネ20gと係合している。
【0042】
図7(b)に示す前カバー16,17の開放状態では、インタロックスイッチ20fのバネ20gの作用により右側の揺動部材20dの先端はスイッチ20hから離れた状態であり、インタロックスイッチ20fはOFFの状態であるが、同図(c)のように、左右の前カバー16,17を閉じる(すなわち、左右の前カバー16,17側に取り付けられた金属(図示せず)が、マグネット19a,19bと接触した状態となる)と、リンク機構の左側の揺動部材20aの先端部がブラケット18側に押し込まれ、これに連動してリンク機構の右側の揺動部材20dの先端部がインタロックスイッチ20fのバネ20gに抗してスイッチ20hを押し込み、インタロックスイッチ20fをONにする。これにより、前カバーを閉じた直後に装置の駆動を開始することができる。また、逆に図7(c)の状態から(b)のように前カバー16,17が開くと、リンク機構の押し込みが解除され、インタロックスイッチ20fがOFFとなり、装置の動作が停止され、高電圧電源等がOFFとなる。
【0043】
このように、本発明では、前カバー16,17の固定用マグネット19a,19bとインタロック機構20のリンク機構を同一部材に持たせることにより、インタロックスイッチ29fの動作精度を向上することができる。
また、このような機構を一体に持たせたブラケット18を、前側板フレーム11の応力集中箇所である突出形状部の根元部分に設けることにより、少ない部品構成で前側板フレーム11を効果的に強度アップすることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、給紙された転写材が転写、定着、排紙されるまでの経路を構成する各部を一つの搬送ユニット内に一体に備えた構成とし、さらには、転写部から上方向搬送部に至るユニット全体を、画像形成装置本体の前側から引き出せる構成としたことにより、メンテナンスの作業性の確保や、紙詰まり等を除去する処理を容易にすることができる。
【0045】
また、本発明では、上記搬送ユニットを備えた構成の画像形成装置において、装置本体を構成する枠体の画像形成部前側を構成する強度補強部材としての前側板フレームの構造として、前側板フレームは、画像形成部の前側開放部の周囲に沿って設けられるとともに、胴内排紙部の側方に向けて上方向に突出した形状を有し、少なくとも搬送ユニットの引き出し部をくり貫いた形状としたことにより、搬送ユニットの前側への引き出しを容易にするとともに、画像形成部と胴内排紙部の前側周囲の強度を確保することができる。
【0046】
さらに本発明においては、画像形成装置の前側板フレームを、装置本体を構成する枠体の構成部材で挟み込んだ構造とし、より具体的には、上記前側板フレームを、装置本体を構成する枠体の支柱となるパイプフレームで挟み込んだ構造としているので、上記のように突出形状部と、くり貫き形状部を有する前側板フレーム形状を用いることで懸念される前側板フレームの強度の低下をカバーすることができる。
【0047】
さらに本発明においては、画像形成装置の前側板フレーム構造として、前側板フレームに負荷荷重がかかった際に応力集中しやすい突出形状部の根元部分に補強部材を追加した構成とし、より具体的には、上記補強部材として、前側板フレームの突出形状部の応力集中箇所である根元部分にL字型のブラケットを取り付けた構成として、前側板フレームの応力集中しやすい箇所だけを重点的に補強することにより、効率的、効果的に前側板フレームの強度アップを可能とすることができる。
また、前述のように前側板フレームをパイプフレーム等で挟み込むことによる補強では、前側板フレームの前後方向、横方向の強度アップを可能としているが、前側板フレームの上部、すなわち胴内排紙部の排紙トレイに対する上下方向の補強はできない。このため、胴内排紙トレイに、ユーザが使用中に手を持たれ掛けたり、重いものを置いてしまうといったことが発生した場合、前側板フレームの突出形状部の応力集中箇所である根元部分が曲り、胴内排紙トレイが破損する恐れがあるが、本発明では、その根元部分にL字型のブラケット等の補強部材を取り付けることにより、胴内排紙トレイに対する上方向からの荷重に対しても補強効果を持たせることができ、効果的といえる。
【0048】
さらに本発明においては、画像形成部の前側を覆う外装前カバーを観音開き構成とし、前カバー観音開きの境目を前側板フレームの突出形状部の応力集中箇所である根元部分に対応させておき、前側板フレームの突出形状部の応力集中箇所である根元部分に、外装前カバー固定用マグネットと一体型のブラケットを取り付け、前側板フレームの補強部材として兼用することにより、前述と同様に胴内排紙トレイに対する上方向からの荷重に対しても補強効果を持たせることができる。また、前カバーの固定用マグネットとインタロック機構を同一部品に持たせることにより、前カバーが開閉する時に動作するインタロックスイッチの動作精度を向上することができる。従って、固定用マグネットとインタロック機構を支持する部材を兼ねた少ない部品構成で、前側板フレーム形状特有の応力集中箇所である突出形状部の根元部分の強度アップを効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す画像形成装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の外観の一例を示す斜視図である。
【図3】図1,2に示す画像形成装置の装置本体を構成する前側板フレームと、その前側板フレームを支持するパイプフレームの構成例を示す概略要部斜視図である。
【図4】図1,2に示す画像形成装置の搬送ユニットの一例を示す斜視図である。
【図5】図1,2に示す画像形成装置の前側板フレームとその補強部材の一例を示す図である。
【図6】図1,2に示す画像形成装置の前側カバーと、インタロック機構一体型の補強部材を取り付けた前側板フレームの一例を示す要部斜視図である。
【図7】図6に示すインタロック機構一体型の補強部材と、その補強部材に設けたインタロック機構の動作の説明図である。
【符号の説明】
1:画像形成装置
2:画像形成部
3:給紙部(給紙バンク)
4:胴内排紙部
4a:排紙トレイ
5:操作部
6:原稿読取部
7:自動原稿給送装置(ADF)
11:前側板フレーム
12:搬送ユニット
13:取っ手
14a,14b:パイプフレーム
15:補強部材(L字型のブラケット)
16:左前カバー
17:右前カバー
18:インタロック機構一体型の補強部材(ブラケット)
19a,19b:固定用マグネット
20:インタロック機構
21:感光体(像担持体)
22:帯電装置
23:光書込装置
24:現像装置
25:レジストローラ
26:転写装置
28:搬送ベルト
29:定着装置
30:上方向搬送部
30a〜30d:搬送ローラ
31a〜31c:給紙カセット

Claims (5)

  1. 原稿読取部と、
    前記原稿読取部の下方に設けられるとともに装置左右方向に転写材を搬送する第1の搬送路を備える画像形成部と、
    前記画像形成部を通過した転写材を上方へ向けて案内する第2の搬送路を備えた上方向搬送部と、
    前記原稿読取部と前記画像形成部との間に設けられ、前記第2の搬送路を通過した転写材を積載するとともに、装置正面から該転写材を取出す開放部を備える胴内排紙部と、
    前記画像形成部と前記上方向搬送部とを装置正面から一体的に引出し可能に構成した略L字状の搬送ユニットと、
    前記搬送ユニットの周囲を囲むようにして略L字形状をなし、前記搬送ユニットを引出し可能に該搬送ユニットの形状に合わせてくり貫いた引出し開放部を備えるとともに、左右両側辺を装置本体を構成する枠体の構成部品で挟み込んで構成する前側板フレームと、
    備えたことを特徴とする画像形成装置
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記前側板フレームを、装置本体を構成する枠体の支柱となるパイプフレームで挟み込んだ構造を有することを特徴とする画像形成装置
  3. 請求項1または2記載の画像形成装置において、
    前記前側板フレームに負荷荷重がかかった際に応力集中しやすい突出形状部の根元部分に補強部材を追加した構成としたことを特徴とする画像形成装置
  4. 請求項3記載の画像形成装置において、
    前記補強部材として、前記前側板フレームの突出形状部の応力集中箇所である根元部分にL字型のブラケットを取り付けたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項3または4記載の画像形成装置において
    前記画像形成部の前側を覆う外装前カバーを観音開き構成とし、前カバー観音開きの境目を前記前側板フレームの突出形状部の応力集中箇所である根元部分に対応させておき、その前側板フレームの突出形状部の根元部分に、外装前カバー固定用マグネットと一体型のブラケットを取り付け、前側板フレームの補強部材として兼用することを特徴とする画像形成装置。
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