JP4996397B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は電子写真、静電記録、静電印刷等において、静電荷像を形成するための現像剤に用いられる電子写真用トナーの製造方法及び該製造方法の実施に使用される溶剤除去装置、並びに前記製造方法で得られた静電荷像現像用トナー及び該トナーを用いる画像形成装置に関する。
電子写真を始めとする画像形装置において、近年、高解像度化、高鮮鋭性、高階調性が進んでおり、実現するためには画像形成に用いる静電荷現像用トナーを小粒子経かつ粒径分布をシャープにする必要がある。静電荷現像用トナーは、従来、熱可塑性樹脂を主とし該樹脂中に離型剤、着色剤、帯電制御剤などを溶融混合、分散させ、均一化した後に粉砕分級により製造されているが、近年の画質要求を満たすためには粉砕で得られる静電荷現像用トナーの粒径分布を従来の分級より更にシャープ化する必要がある。実際に高解像度を可能とする静電荷現像用トナーを得るには、例えば、粒径5μm以下の微粉と20μm以上の粗粉を分級により除去しなければならず、収率が非常に低くなるという欠点がある。
近年、これらの粉砕法による上述の問題点を克服するために、重合性単量体、着色剤、離型剤、重合開始剤、及び分散剤を溶融、混合、分散し、これより得られた溶液を、水もしくは水に分散安定剤や粘度調整に用いる増粘剤を混合した溶液に投与し高剪断をかけ乳化液滴を作製し、重合させ着色重合体粒子を造粒する懸濁重合法によるトナーの製造方法が提案され実施されている。この懸濁重合法では粉砕法と異なり、球形で極めてシャープな粒径分布を有する重合トナーを高収率で得ることができるが、該トナーは良好な現像・転写特性を有す反面、クリーニング性に劣るという欠点がある。
一方、特許文献1(特開平5−66600号公報)や、特許文献2(特開平8−211655号公報)などに開示されている乳化分散法によるトナーの製法は、結着樹脂と着色剤等の混合物を水性媒体と混合し乳化させてトナー粒子を得るという方法で、懸濁重合法と同様に、トナーの小粒径化や球形化に容易に対応できる。更に、懸濁重合法に比べ、使用する結着樹脂種が幅広く選択できる、揮発性有機化合物の低減が容易である、着色剤等の濃度を低濃度から高濃度まで任意に変えることが容易という長所を有しており、小粒径の球形トナーの製法として優れた特徴を持っている。
いずれの方法においても、水溶性媒体中に非水溶性液滴を作製する性質上、乳化安定剤等を使用していても長時間放置すると凝集や合一が進み、得られた液滴の粒径分布が損なわれるため、乳化後速やかに非水溶性液滴中の溶剤成分を除去する必要がある。
重合トナーの溶剤成分除去には減圧蒸留による方法があり、揮発成分の沸点を下げることで樹脂のガラス転移点以下で熱を与えることができる上、必要な熱エネルギーを小さくできるため、一般的に広く使用されている。
また、連続式乳化ではタンク内を減圧すると、乳化機背圧に影響を及ぼし乳化制御が複雑化することに加え、流入する乳化分散液の体積分も真空ポンプで抜き取る必要があり、タンク内の圧力調整が煩雑化するため、乳化が完了してから回分式で減圧蒸留を行なう必要がある。
しかし、前記連続式乳化である程度大量に乳化分散を行なった際に、初期に乳化分散された乳化分散液はタンク内で溶剤濃度が高いまま長時間放置され、凝集、合一により乳化分散時に得られた小粒径かつシャープな粒径分布を維持することができない。
特許文献3(特開2005−77776号公報)及び特許文献4(特開2006−84979号公報)にて提案されている方法は蒸留ではなく、乳化分散液の気相への接触面積を大きくすることで溶剤成分を除去しているが、やはり減圧を行なうため、連続的に供給される乳化分散液の除去には適していない。
特許文献5(特開2002−88163号公報)にて提案されている方法では減圧を行なわずに乳化分散液の溶剤成分を除去することができるが、装置が大掛かりになる上、タンク容量に対してある程度乳化分散液が存在していないと除去効果が小さいため、前記連続乳化中の溶剤成分除去には適していない。
特許文献6(特開2005−225968号公報)に提案されている方法では減圧を行なわずにバブリングし、溶剤成分を含む不活性ガスをガス分離膜装置にて精製し、該精製不活性ガスを循環使用する方法が紹介されているが、不活性ガスのバブリングのみで乳化分散液の溶剤成分を除去する場合、減圧蒸留に比べ工程が長時間となりエネルギー的にも非効率的である。非水溶性液滴の溶剤成分が非常に少ない乳化分散液や、少量の連続式乳化分散を行なう際には有用であるが、いずれも凝集、合一の発生が少ない条件での使用であり、課題解決とはならない。
特開平5−66600号公報 特開平8−211655号公報 特開2005−77776号公報 特開2006−84979号公報 特開2002−88163号公報 特開2005−225968号公報
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、連続的に乳化分散液を作製、供給する乳化分散工程において、タンク内に収容される乳化分散液に含まれる揮発成分を随時除去することにより常に乳化分散液を安定な状態とし、初期に作製された乳化分散液中の非水溶性液滴の経時的な凝集、合一による粒径分布の変化を防止し、細線再現性に優れる粒子径が均一で粒径分布の狭い静電荷像現像用トナー及び該静電荷像現像用トナーの製造方法及び該静電荷像現像用トナーを用いた画像形成装置を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明によって解決される。
(1)「少なくとも樹脂乃至樹脂前駆体、着色剤を含むトナー用組成物を溶解又は分散させた非水溶性有機相を水系媒体中に乳化乃至分散し、連続的に乳化分散液を得る工程と、連続して得られる乳化分散液を脱溶剤タンクに順次収容する工程と、前記乳化分散液の収容工程中に既に前記タンク内に収容されている前記乳化分散液に対し、不活性ガスのバブリングにより、連続式脱溶剤処理を行なう工程と、前記タンク内への乳化分散液の収容が完了した後に、減圧蒸留等の回分式脱溶剤処理を行なう工程を含み、前記連続式脱溶剤工程において前記脱溶剤タンク内に収容されている乳化分散液中の溶剤濃度(C1)重量%と、該タンクに順次収容される溶剤成分の除去されていない乳化分散液中の溶剤濃度(C2)重量%との関係(C1)/(C2)が、収容工程開始1時間以降は常に0.85以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法」、
(2)「前記溶剤濃度(C1)重量%が、前記乳化分散液収容開始1時間のときに23以下であり、かつ収容完了時に10以上かつ23未満であることを特徴とする前記第(1)項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」、
(3)「前記不活性ガスが窒素であり、前記乳化分散液中の非水溶性有機相の供給流量(F1)kg/minに対する前記不活性ガスの供給流量(F2)Nl/minの比率(F2)/(F1)が500〜3000であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」、
(4)「前記脱溶剤タンクに収容された乳化分散液の温度を、温度制御手段を用いて、15℃以上、かつ、樹脂成分のガラス転移点以下とすることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」、
(5)「前記バブリングが、多孔板によるタンク底の一部もしくは全体からの供給、タンク下部からのノズル供給によって行なわれ、必要に応じて攪拌翼により、乳化分散液の攪拌及びバブリングされた不活性ガスの分散を行なうことを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」、
(6)「内部に乳化分散液を収納して脱溶剤するための乳化分散液脱溶剤タンクと、少なくとも樹脂乃至樹脂前駆体、着色剤を含むトナー組成物を溶解又は分散させた非水溶性有機相を水系媒体中に乳化乃至分散し、連続的に乳化分散液を得る連続的乳化分散手段と前記乳化分散液脱溶剤タンクとを結び、連続して得られる乳化分散液を、該連続的乳化分散手段から該タンクに順次供給する乳化分散液供給手段と、前記乳化分散液の該脱溶剤タンクへの収容工程中に、該タンクに不活性ガスを導入して乳化分散液から連続的に脱溶剤処理を行なう連続式脱溶剤手段と、該タンク内への乳化分散液の収容が完了した後に、回分式脱溶剤処理を行なうための減圧蒸留手段とを有し、前記脱溶剤タンク内に収容されている乳化分散液中の溶剤濃度(C1)重量%と、該タンクに順次収容される溶剤成分の除去されていない乳化分散液中の溶剤濃度(C2)重量%との関係(C1)/(C2)が、収容開始1時間以降は常に0.85以下に制御されることを特徴とする溶剤除去装置」。
本発明に関わるトナーの製造方法は、乳化分散液中の非水溶性液滴が比較的不安定であり、長時間放置すると凝集、合一により乳化分散時に得られた粒径分布を損ねてしまうが、乳化分散液をタンクに収容しながら不活性ガスのバブリングにより連続的に脱溶剤処理をすることで乳化分散液を安定な状態とし、粒径分布のよい静電荷像現像用トナーを得るようにしたものである。
上記乳化分散液の溶剤成分を完全に除去するのには不活性ガスのバブリングだけでは時間がかかる上、使用エネルギーが大きくなってしまうため、連続的に得られた乳化分散液をタンクに供給している間にバブリングで連続脱溶剤処理を行ない、収容完了後に減圧、加熱等の然るべき回分式脱溶剤を行なう様にしたものである。
請求項1に関わる発明は、少なくとも樹脂乃至樹脂前駆体、着色剤を含むトナー組成物を溶解又は分散させた非水溶性有機相を水系媒体中に乳化乃至分散し、連続的に乳化分散液を得る工程と、連続して得られる乳化分散液を脱溶剤タンクに順次収容する工程と、前記乳化分散液を収容中に既に前記タンク内に収容されている前記乳化分散液に対し、不活性ガスのバブリングにより、連続式脱溶剤処理を行なう工程と、乳化分散工程が終了し前記タンク内への乳化分散液の収容が完了した後に、減圧蒸留等の回分式脱溶剤処理を行なう工程を備えていることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法であり、前記連続式脱溶剤工程において前記脱溶剤タンク内に収容されている乳化分散液中の溶剤濃度(C1)重量%と、該タンクに順次収容される溶剤成分の除去されていない乳化分散液中の溶剤濃度(C2)重量%との関係について、収容開始直後のバブリング不可能な状態及び、バブリング開始直後の(C1)が(C2)に近い状態を考慮すると共に、溶剤成分を多量に含んだ状態でも1時間程度であれば粒径分布の崩れは発生しにくい点から、(C1)/(C2)を収容開始1時間以降常に0.85以下とし、より発明の効果を得るために更に好ましくは0.50〜0.80とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
請求項2に関わる発明は、粒径分布の崩れを防ぐために前記溶剤濃度(C1)が前記乳化分散液収容開始1時間の時23以下であり、かつ、その後の回分式脱溶剤処理実施時に溶剤気化速度を十分に確保し、トナー粒子に凹凸形状を得るために、収容完了時の(C1)を10以上とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。一定流量の不活性ガスにより安定的にバブリング操作を行なうために、前記収容開始一時間での(C1)は15〜23が更に好ましく、収容完了時の(C1)は10〜15が更に好ましい。
請求項3に関わる発明は、前記不活性ガスが窒素であり、前記乳化分散液中の非水溶性有機相の供給流量(F1)kg/minに対する前記不活性ガスの供給流量(F2)Nl/minの比率(F2)/(F1)を500〜3000とすることで、前記溶剤濃度(C1)を調整できるほか、乳化分散液の分散や、不活性ガスの気泡状態を適正なものとする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
請求項4に関わる発明は、前記脱溶剤タンクに収容された乳化分散液の温度を、温度制御手段を用いて、15℃以上とすることで溶剤成分が気化しやすい条件とすると共に、樹脂成分のガラス転移点以下として樹脂成分の塑性変形による凝集、合一を防止する静電荷像現像用トナーの製造方法である。温度制御手段としては、温水ジャケットの他、電熱ヒーター、タンク外熱交換機への該乳化分散液の循環などのその他しかるべき方法が挙げられる。
請求項5に関わる発明は、前記不活性ガス供給口の形状及び前記不活性ガスの供給方法として、多孔板によるタンク底の一部もしくは全体からの供給、タンク下部からのノズルによる供給であり、必要に応じて攪拌翼により、乳化分散液の攪拌及びバブリングされた不活性ガスの分散を行ない、不活性ガスの気泡表面積を大きくし、溶剤成分の除去に有利な状態とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。また、請求項6に係る発明は、請求項1に記載の「静電荷像現像用トナーの製造方法」に対応し、該製造方法を実施するための静電荷像現像用トナーの製造装置である。
また、本発明は、前記静電荷現像用トナーで、該トナーについてガスクロマトグラフィによる測定を行なったときの、トナー中に残留する揮発成分量が500ppm以下であることを特徴とする製造方法を用いて製造される静電荷像現像用トナーである。
また、本発明は、体積平均粒径(Dv)が3〜10μmであり、かつフロー式粒子像分析装置による平均円形度が0.94〜0.98であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
また、本発明は、体積平均粒径(Dv)を個数平均粒径(Dn)で除した値(Dv/Dn)が1.05〜1.15であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
さらにまた、本発明は、潜像を形成する感光体と、感光体表面に形成された潜像にトナーを供給して現像する現像装置と、感光体上に現像されたトナー像を記録部材に転写する転写装置と、転写後の感光体表面に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、前記静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする画像形成装置である。

本発明の静電荷像現像用トナー製造方法によって、乳化分散時の粒径分布を凝集、合一により損ねることなく、粒子径が均一で粒径分布の狭く、細線の再現性が高い静電荷像現像用トナーを効率的に製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は少なくとも樹脂乃至樹脂前駆体、着色剤を含むトナー組成物を溶解又は分散させた非水溶性有機相を、水系媒体中に乳化乃至分散する工程と、前記乳化分散工程で連続的に得られる乳化分散液を順次収容する脱溶剤タンクを有し、該タンク内に収容された前記乳化分散液中の有機相の揮発成分濃度を不活性ガスのバブリングにより新たに収容される乳化分散液の揮発成分濃度よりも常時低い状態を維持することを特徴とするものである。
本発明のトナーの製造に用いられる前記樹脂としては、伸張剤及び/又は架橋剤と反応可能な変性ポリエステル樹脂、例えば、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)などが挙げられる。このプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物で、かつ活性水素を有するポリエステルにポリイソシアネート(3)を反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素を有する基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。前記架橋剤及び/又は伸張剤としてはアミン類(B)を好ましく用いることができる。本発明のトナーはトナーバインダーとして、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得ることができるウレア変性ポリエステル(i)を含有することが好ましい。
変性ポリエステルとしては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。たとえば、ポリエステル末端をエステル結合以外のもので反応させたもの、具体的には、末端に酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し活性水素化合物とさらに反応させ末端を変形したものを意味する。
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)及び3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、又は(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、および(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、架橋及び/又は伸長後の変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、および(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B1)〜(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、(B1)および(B1)と少量の(B2)の混合物である。
さらに、必要により架橋及び/又伸長は停止剤を用いて反応終了後の変性ポリエステルの分子量を調整することができる。停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2より大きかったり1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明においてウレア変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。ウレア変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常10,000以上、好ましくは20,000〜10,000,000、さらに好ましくは30,000〜1,000,000である。このときのピーク分子量は1,000〜10,000で1,000未満では伸張反応しにくくトナーの弾性が少なく、その結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10,000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステル(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20,000以下、好ましくは1,000〜10,000、さらに好ましくは2,000〜8,000である。20,000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
本発明のトナーは、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、このポリエステル(i)と共に変性されていないポリエステル(ii)をトナーバインダー成分として含有させることもできる。ポリエステル(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。ポリエステル(ii)としては、ポリエステル(i)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものもポリエステル(i)と同様である。また、ポリエステル(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。ポリエステル(i)とポリエステル(ii)は、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、ポリエステル(i)のポリエステル成分とポリエステル(ii)は類似の組成が好ましい。ポリエステル(ii)を含有させる場合ポリエステル(i)とポリエステル(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。ポリエステル(i)の重量比が5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。ポリエステル(ii)のピーク分子量は、通常1,000〜10,000、好ましくは2,000〜8,000、さらに好ましくは2,000〜5,000である。1,000未満では耐熱保存性が悪化し、10,000を超えると低温定着性が悪化する。ポリエステル(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。ポリエステル(ii)の酸価は1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
本発明のトナーは、トナーバインダーのガラス転移点(Tg)が40〜70℃、好ましくは55〜65℃である。ガラス転移点が40℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、ガラス転移点が70℃を超えると低温定着性が不充分となる。本発明の乾式トナーにおいては、ウレア変性ポリエステル樹脂を共存させることにより、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
本発明のトナーの着色剤としては、公知の染料及び顔料が使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15wt%、好ましくは3〜10wt%である。
また、着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先に挙げた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ウレタン、ウレア変性ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
マスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高剪断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得ることができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高剪断分散装置が好ましく用いられる。
また、本発明のトナーには、バインダーと着色剤とともにワックスを含有させることもできる。該ワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。本発明のトナーに用いられるワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
有機溶剤としては、後に除去することを考えると、沸点が150℃未満の揮発性であることが、除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
本発明では、水系媒体中でイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)をアミン(B)と反応させることにより、ウレア変性ポリエステル(UMPE)を得ることができる。水系媒体中でウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルやプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルやプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成分を加えて、剪断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、未変性ポリエステル樹脂などは、あらかじめトナー原料を有機溶剤に溶解又は分散させ、水系媒体中にその溶解物又は分散物を加えて分散させる。
本発明で用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
水系媒体中に分散させる方法としては特に限定されるものではないが、低速剪断式、高速剪断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速剪断式が好ましい。高速剪断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1,000〜30,000rpm、好ましくは5,000〜20,000rpmである。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温なほうが、ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)等のポリエステルを含むトナー組成物100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2,000重量部、好ましくは100〜1,000重量部である。
50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。2,000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いた方が、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
また、トナー組成物が分散された油性相を水が含まれる液体に、乳化、分散するために各種の分散剤を用いることができ、本発明においては無機微粒子分散剤、ポリマー微粒子分散剤等の微粒子分散剤が用いられるが、この他、界面活性剤等を併用してもよい。
水に難溶の無機微粒子分散剤として、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等を用いることができる。
また、微粒子ポリマーも無機分散剤と同様な効果が確認された。例えばMMAポリマー微粒子1μm、及び3μm、スチレン微粒子0.5μm及び2μm、スチレン−アクリロニトリル微粒子ポリマー1μm、(PB−200H(花王製)SGP(総研)、テクノポリマーSB(積水化成品工業)、SGP−3G(総研)ミクロパール(積水ファインケミカル))等がある。
また、上記の無機分散剤、微粒子ポリマーと併用して使用可能な分散剤としては、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、又はビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、又はその複素環を有するものなどのホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果を挙げることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C7〜C13)カルボン酸及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
さらに、トナー組成物を含む分散媒体の粘度を低くするために、ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)等のポリエステルが可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いた方が粒度分布がシャープになる点で好ましい。
溶剤は、沸点が100℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。
該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒及び塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。プレポリマー(A)100部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300部、好ましくは0〜100部、さらに好ましくは25〜70部である。
伸長及び/又は架橋反応時間は、例えば、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。
反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
本発明のトナーの製造方法においては、伸長及び/又は架橋反応後の分散液(反応液)からの脱溶剤の工程においてトナー表面形状制御を行なうことができる。得られた乳化分散液(反応液)からの有機溶剤を除去するため、密閉されたタンク(脱溶剤タンクともいう)内に乳化分散液を入れ脱溶剤を行なうとき、この脱溶剤条件によってトナー表面に凹凸形状をもったトナー粒子を得ることができる。これは、油相中に含有される溶剤が蒸発する際、比較的硬くかつ弾性的な油相に不均衡な体積収縮が起こったものと考えられる。本発明においては、タンク内に乳化分散液を入れていく段階で溶剤を除去するため、該溶剤除去の段階では完全に溶剤を除去せず、乳化分散液中の溶剤濃度を10%以上とし、タンク内に全量収容した後にしかるべき方法で溶剤を除去する方法が好ましい。
乳化分散液の溶剤濃度が10%未満の場合、該溶剤除去工程及び更に溶剤を除去する工程において乳化分散液からの溶剤除去速度が低下し、体積収縮が発生しにくくなり球形化してくる。一方、乳化分散液の収容開始から1時間後の溶剤濃度が23%より高い場合、溶剤除去速度は速くなり、トナー表面を凹凸形状にすることができるが、溶剤成分を多量に含んだ非水溶性液滴は水系媒体中で非常に不安定であり、該液滴同士の凝集、合一のためにトナー粒子の凝集体及び粒径の大きい粒子が多量に発生するため好ましくない。溶剤濃度の調整は、後述するように乳化分散液の入れられたタンクの下方より、不活性ガスを乳化分散液中にバブリングして気相に置換される溶剤量を変化させることなどによる。
不活性ガスの投入流量を少なく制御できるように、脱溶剤処理温度はトナー構成材料のガラス転移点以下とし、なおかつ高めとすることが好ましい。
乳化分散液から溶剤を除去する工程において、乳化分散液の入れられたタンクの下方より、不活性ガスを乳化分散液中にバブリングを行なう際、不活性ガスにはアルゴン・ヘリウム・窒素・ネオン等があるが、取扱量からの採算及び取扱上から窒素を用いることが一般的で望ましい。
図1は、タンク下部から不活性ガスをバブリングし、上部より該不活性ガスを排出する方法を示す概念図である。脱溶剤タンク(101)内の乳化分散液(301)中に供給口(107)から不活性ガスが導入され、気泡(303)を発生させている。
すなわち図1は、本発明の溶剤除去装置(製造装置)の1例を示すものであり、この例の溶剤除去装置は、内部に乳化分散液を収納して脱溶剤するための乳化分散液脱溶剤タンク(101)と、少なくとも樹脂乃至樹脂前駆体、着色剤を含むトナー組成物を溶解又は分散させた非水溶性有機相を水系媒体中に乳化乃至分散し、連続的に乳化分散液を得る連続的乳化分散手段(102)と前記乳化分散液脱溶剤タンク(101)とを結び、連続して得られる乳化分散液(302)を、該連続的乳化分散手段(102)から該タンク(101)に順次供給する管状の乳化分散液供給手段(111)と、前記乳化分散液の該脱溶剤タンク(101)への収容工程中に、該タンク(101)底部領域及び/又は下部側壁領域に不活性ガスを導入して乳化分散液(302)から連続的に脱溶剤処理を行なう連続式脱溶剤処理手段としての不活性ガス供給手段としてのバブリング用ガス供給管(112)(113)と、タンク(101)内への乳化分散液の(302)の収容が完了した後に、回分式脱溶剤処理を行なうための減圧蒸留手段としてのブロア装置(104)を有する溶剤排出管(117)とを有し、脱溶剤タンク(101)内に収容されている乳化分散液(302)中の溶剤濃度(C1)重量%と、該タンク(101)に順次収容される溶剤成分の除去されていない乳化分散液中の溶剤濃度(C2)重量%との関係(C1)/(C2)は、収容開始1時間以降は常に0.85以下に制御されるものである。
この例の装置においては、タンク(101)に不活性ガスを均一に導入するため、バブリング用ガス供給管(112)(113)の先端(タンク(101)との連結部)にマニホールド管(114)を有し、マニホールド管(114)の先端はノズル形状になっており、かつ、タンク(101)底部内にはガス分配用多孔板(116)が配置されており、さらに、本発明において必要不可欠ではないが、この例では攪拌翼(105)が設けられている。
また、この例の装置においては、脱溶剤タンク(101)に収容された乳化分散液(302)の温度を15℃以上、かつ、樹脂成分のガラス転移点以下に調節することが好ましく、そのための温度制御手段として、図示しない温水ジャケットが設けられているが、温度制御手段は、温水ジャケット、電熱ヒーター、タンク外熱交換機への該乳化分散液の循環などのその他しかるべき手段、方法であってもよい。さらに、この例の装置においては、バブリング用ガス供給管(112)(113)の後端には不活性ガス供給調節弁(110)が設けられており、この弁(110)の開閉のタイミングと、ブロア装置(104)の電動機の通電制御回路への通電タイミングを制御することにより、連続式脱溶剤処理と、その後の回分式脱溶剤処理を調整することができる。溶剤排出管(117)の後部は熱交換機(103)(この例ではコールドトラップ装置)に導かれるが、熱交換器(103)には、ガス供給管(112)(113)が配入されていて、ここで、導入される不活性ガスは加熱され、一方、溶剤排出管(117)はら排出される溶剤は冷却されて凝縮し、回収溶剤ドレン(109)から回収される。また、この例の装置においては、バブリング用ガス供給管(112)と(113)の間のバイパス路(115)には常時閉の弁(118)が設けられているが、このような弁(118)付きのバイパス路(115)は、本発明において必用不可欠なものでない。図中、符号(106)は乳化分散液投入口を、符号(107)は不活性ガス導入口を、符号(108)は不活性ガス排出口を、それぞれ示す。
本発明の製造方法によって得られるトナーは、ガスクロマトグラフィの測定によるトナー中の残留溶剤量が500ppm以下であることが好ましい。500ppmを超えると定着時の臭気が強くなり、さらに保存時に除々に残留溶剤がトナー表面に移行してくるため、帯電特性が変化するという問題を合せもつ。残留溶剤の測定方法は、測定対象となるトナー1重量部に2−プロパノール2重量部を加え、超音波で30分分散させた後、冷蔵庫(5℃)にて1日以上保存してトナー中の溶媒を抽出し、上澄み液をガスクロマトグラフィ(GC−14A,SHIMADZU)で分析し、トナー中の溶媒および残留モノマーを定量することにより溶媒濃度を測定して得られる。
トナーの体積平均粒径Dvは、小さい方が細線再現性を向上させることができるために、大きくとも10μm以下が好ましい。しかし、粒径が小さくなるとクリーニング性が低下するために、小さくとも3μm以上が好ましい。特に、2μm以下のトナーが20%以上存在すると、磁性キャリア又は現像ローラの表面に現像されにくい微小粒径のトナーが多くなるために、その他のトナーにおける磁性キャリア又は現像ローラとの接触・摩擦が不充分となり逆帯電性トナーが多くなり、地肌汚れが生じ画像品位が低下する。
また、体積平均粒径Dvと数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)で表わされる粒径分布は、1.05〜1.25の範囲であることが好ましく、1.05〜1.15の範囲であることがより好ましい。粒径分布をシャープにすると、トナー帯電量分布が均一になり、地肌かぶりを少なくすることができる。Dv/Dnが1.25を越えると、トナーの帯電量分布も広くなるために高品位な画像を得るのが困難になる。トナーの粒径の測定は、コールターカウンターマルチサイザー(コールター社製)を用いて行ない、測定するトナーの粒径に対応させて測定用穴の大きさが50μmのアパーチャーを選択して用い、50,000個の粒子の粒径を測定しその平均値を算出し行なう。
本発明におけるトナーは、特定の形状と形状の分布を有するものであることが好ましく、平均円形度が0.94以下で、球形からあまりに離れた不定形の形状のトナーでは、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られにくくなる傾向がある。なお、形状の計測方法としては、粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法を用いることが適当である。平均円形度は、この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、該平均円形度が0.94〜0.98のトナーが、適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに有効であることが判明した。より好ましくは、平均円形度が0.945〜0.955で、円形度が0.94未満の粒子が10%以下である。また、平均円形度が0.98以上の場合、ブレードクリーニングなどを採用しているシステムでは、感光体上および転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れを引き起こす。例えば、画像面積率の低い現像・転写では転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはないが、写真画像など画像面積率の高いもの、さらには、給紙不良等で未転写の画像形成したトナーが感光体上に転写残トナーとして発生することがあり、蓄積すると画像汚れを発生してしまう。また、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう。この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、さらに測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明において荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられ、特に0.2〜5重量部の範囲が好ましい。
10重量部を越える場合には、トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に、5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に、0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。この他、高分子系微粒子、たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は、表面処理を行なって、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
また、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることができる。ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
本発明のトナーは、2成分系現像剤として用いることができる。この場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。またポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、及びシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー又は非磁性トナーとしても用いることができる。さらに、本発明のトナーは、プラスチックボトルタイプ、内側に撹拌バネ内蔵タイプ及びプロセスカートリッジのような従来公知のトナー用容器に収納され、その容器を画像形成装置に搭載して用いられる。
以下、本発明の具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明は以下に示す例に限定されるものではない。なお、以下、部は重量部を示すものとする。
〔実施例1〕
(ポリエステルの製造)
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物を690部、テレフタル酸を335部、それぞれ投入し、常圧窒素気流下のもと、210℃で10時間縮合反応した。次に、10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続し、その後に冷却し、ポリエステル(1)を得た。得られたポリエステル(1)の樹脂の重量平均分子量は6000であり、酸価10KOHmg/g、ガラス転移点48℃であった。
(プレポリマーの製造)
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物を795部、イソフタル酸を200部、テレフタル酸を65部、及びジブチルチンオキサイドを2部、それぞれ投入し、常圧窒素気流下、210℃で8時間縮合反応した。次に、10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続し、その後に80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行ない、プレポリマー(1)を得た。得られたプレポリマー(1)の重量平均分子量は5000であった。
(有機溶媒組成物の製造)
タンク内に、35%カルナバワックス酢酸エチル分散液を170部、上記ポリエステル(1)を120部、PY155(クラリアント製)を20部、酢酸エチルを70部、イソホロンジアミンを2部、それぞれ投入し、2時間、攪拌して溶解混合した。次に、高能率分散機エバラマイルダー(荏原製作所製)を用いて、1時間、循環混合して有機溶媒組成物(1)を得た。得られた有機溶媒組成物(1)の酸価は4.5KOHmg/gであった。また、別のタンク内に、上記プレポリマー(1)を25部、酢酸エチルを25部、それぞれ投入し、4時間、攪拌して溶解混合し、有機溶媒組成物(2)を得た。
(水系分散媒体の製造)
タンク内に水を945部、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル共重合体の20%水性分散液を40部、50%ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)を160部、酢酸エチルを90部、それぞれ投入して混合撹拌し、水系分散媒体(1)を得た。
(トナーの製造)
上記有機溶媒組成物(1)を278g/min、上記有機溶媒組成物(2)を35g/min、上記水系分散媒体(1)を437g/minのスピードで、パイプラインホモミキサー(特殊機化工業製)に供給し、2960rpmの回転数で連続運転を行ない、乳化分散液を0.75kg/minで得られた。乳化分散液を、下方に不活性ガスを流入する供給口及び上方に該不活性ガスを排出する排出口を有するタンク内に順次収容し、タンク温水ジャケットにより乳化分散液を25℃に保ちながら攪拌を行ない、前記供給口よりノズルにて供給する窒素ガスの流量を666Nl/minでバブリングを11時間行ない、溶剤濃度の低減された乳化分散液を得た。その後減圧蒸留による脱溶剤、架橋反応、濾別、洗浄、乾燥、添加剤混合し、静電荷像現像用トナー粒子を得た。
〔実施例2〕
上記実施例1から、バブリングする不活性ガスの流量を875Nl/minとする他は、同様の操作を行ない、静電荷像現像用トナー粒子を得た。
〔実施例3〕
上記実施例1から、バブリングする不活性ガスの流量を1000Nl/minとする他は、同様の操作を行ない、静電荷像現像用トナー粒子を得た。
〔実施例4〕
上記実施例1から、乳化分散液の温調は行なわないとする他は、同様の操作を行ない、静電荷像現像用トナー粒子を得た。
〔実施例5〕
上記実施例1から、ジャケット温水による乳化分散液の温度を50℃とする他は、同様の操作を行ない、静電荷像現像用トナー粒子を得た。
〔実施例6〕
上記実施例1から、供給口の形状を多孔板としてタンク底全面から不活性ガスを供給とする他は、同様の操作を行ない、静電荷像現像用トナー粒子を得た。
〔実施例7〕
上記実施例1から、不活性ガスバブリング中は攪拌を行なわないとする他は、同様の操作を行ない、静電荷像現像用トナー粒子を得た。
〔比較例1〕
上記実施例1から、不活性ガスのバブリングを行なわない他は、同様の操作を行ない、静電荷像現像用トナー粒子を得た。
〔比較例2〕
上記実施例1から、バブリングする不活性ガスの流量を125Nl/minとする他は、同様の操作を行ない、静電荷像現像用トナー粒子を得た。
〔比較例3〕
上記実施例1から、バブリングする不活性ガスの流量を292Nl/minとする他は、同様の操作を行ない、静電荷像現像用トナー粒子を得た。
〔比較例4〕
上記実施例1から、11時間後収容が完了した後も不活性ガスのバブリングを9時間行ない、その後の減圧蒸留を行なわない他は、同様の操作を行ない、静電荷像現像用トナー粒子を得た。
Figure 0004996397
Figure 0004996397
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実施例1と比較例1を比較して不活性ガスのバブリングによる連続式脱溶剤を行なうことによって乳化分散によって得られた狭い粒径分布を維持する効果が確認された。
実施例2では不活性ガスの流量を多くすることで収容1時間での溶剤濃度が19%であり粒径の維持はできているが、収容完了時点での溶剤濃度が9%まで下がっているため回分式脱溶剤を行なう際に蒸発速度が不十分となり、トナー表面の凹凸形状を形成できなかったためである。そのため、収容完了時点での乳化分散液の溶剤濃度は10%以下が好ましいと考えられる。
実施例3では不活性ガスの供給量が過剰であるため、乳化分散液中で気泡が大きくなり、表面積が小さくなるため、溶剤成分の除去効率が下がり、不活性ガスの供給量に対して効率が悪くなってしまう。そのため、非水溶性有機相に対する不活性ガスの供給量F2/F1が3000以下であるのが好ましい。
実施例4では乳化分散液の温調を行っていないため、溶剤成分の気化熱により液温が下がる。そのため不活性ガス中に溶け込む溶剤成分の量が少なくなり、結果として溶剤濃度が高くなり、粒径分布の崩れが発生する傾向が見られる。そのため、連続脱溶剤中の乳化分散液温度は15℃以上とすることが好ましい。
実施例5では逆に乳化分散液の温度を50℃としており、不活性ガス中に溶け込む溶剤成分量が増えるため、脱溶剤効率は良くなるが、樹脂成分のガラス転移点以上であるため、樹脂成分が塑性変形し、結果として凝集、合一を起こし粒径分布を損ねる結果となった。そのため、連続脱溶剤中の乳化分散液の温度は樹脂成分のガラス転移点以下とすることが好ましい。
実施例6では不活性ガスの供給方法を実施例1等のノズル形状ではなく、タンク底面を多孔板とすることで、底面全体から比較的小さな気泡をバブリングすることができる。そのため気泡の表面積が増え、不活性ガス中に効率よく溶剤成分を取り込むことが可能となる。
実施例7では攪拌を行なわなかったが、不活性ガスのバブリングにより乳化分散液の攪拌は成されているため、沈降による凝集、合一は起きないが、気泡の乳化分散液中での滞留時間が攪拌を行なっているものに比べて短くなるため、若干脱溶剤効率が悪くなり、結果として粒径分布が悪化する。そのため、連続脱溶剤中は攪拌を行なう方が好ましい。
比較例1では乳化分散液収容中の連続脱溶剤を行わずに、乳化分散完了後に回分式の脱溶剤を行なっているが、長時間溶剤濃度の高いまま放置された不安定な乳化分散液は粒径分布を維持できずに凝集、合一をする結果となった。
比較例2では不活性ガスの不活性ガスの流量が少なすぎるため、実施例2同様粒径の崩れが発生し、画像が悪化している。C1/C2が0.9以下となるように非水溶性有機相に対する不活性ガスの供給量F1/F2が500以上であるのが好ましい。
比較例3では逆に、では供給する不活性ガスの流量を低くすることで若干の粒径のくずれが見られ、画質も悪くなる傾向が現れていることから、収容開始1時間での乳化分散液の溶剤濃度(C1)は25%以下とすることが好ましいと考えられる。
比較例4では連続脱溶剤を乳化分散液収容完了後も続け、バブリングのみで20時間脱溶剤を行なった。粒径分布の崩れはあまり無かったが、溶剤濃度を下げきることができず、最終的なトナーの溶剤濃度が高くなり、臭気を感じるものとなった。ユーティリティーのエネルギー優位性も踏まえ、溶剤成分を完全に除去するためにはバブリングによる連続脱溶剤ではなく、減圧蒸留等の方法を用いることが好ましい。
本発明の溶剤除去装置の1例を示す図である。
符号の説明
101 脱溶剤タンク
102 連続的乳化分散手段
103 熱交換器(コールドトラップ装置)
104 ブロワ装置
105 攪拌翼
106 乳化分散液投入口
108 不活性ガス排出口
107 不活性ガス導入口
109 回収溶剤ドレン
110 不活性ガス供給調整弁
111 乳化分散液供給手段
112 バブリング用ガス供給管
113 バブリング用ガス供給管
114 ノズル先端付きマニホールド管
115 バイパス路
116 ガス分配用多孔板
117 溶剤排出管
118 開閉弁
301 乳化分散液
302 投入乳化分散液
303 不活性ガス気泡

Claims (6)

  1. 少なくとも樹脂乃至樹脂前駆体、着色剤を含むトナー用組成物を溶解又は分散させた非水溶性有機相を水系媒体中に乳化乃至分散し、連続的に乳化分散液を得る工程と、連続して得られる乳化分散液を脱溶剤タンクに順次収容する工程と、前記乳化分散液の収容工程中に既に前記タンク内に収容されている前記乳化分散液に対し、不活性ガスのバブリングにより、連続式脱溶剤処理を行なう工程と、前記タンク内への乳化分散液の収容が完了した後に、減圧蒸留等の回分式脱溶剤処理を行なう工程を含み、前記連続式脱溶剤工程において前記脱溶剤タンク内に収容されている乳化分散液中の溶剤濃度(C1)重量%と、該タンクに順次収容される溶剤成分の除去されていない乳化分散液中の溶剤濃度(C2)重量%との関係(C1)/(C2)が、収容工程開始1時間以降は常に0.85以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 前記溶剤濃度(C1)重量%が、前記乳化分散液収容開始1時間のときに23以下であり、かつ収容完了時に10以上かつ23未満であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 前記不活性ガスが窒素であり、前記乳化分散液中の非水溶性有機相の供給流量(F1)kg/minに対する前記不活性ガスの供給流量(F2)Nl/minの比率(F2)/(F1)が500〜3000であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 前記脱溶剤タンクに収容された乳化分散液の温度を、温度制御手段を用いて、15℃以上、かつ、樹脂成分のガラス転移点以下とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. 前記バブリングが、多孔板によるタンク底の一部もしくは全体からの供給、タンク下部からのノズル供給によって行なわれ、必要に応じて攪拌翼により、乳化分散液の攪拌及びバブリングされた不活性ガスの分散を行なうことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  6. 内部に乳化分散液を収納して脱溶剤するための乳化分散液脱溶剤タンクと、少なくとも樹脂乃至樹脂前駆体、着色剤を含むトナー組成物を溶解又は分散させた非水溶性有機相を水系媒体中に乳化乃至分散し、連続的に乳化分散液を得る連続的乳化分散手段と前記乳化分散液脱溶剤タンクとを結び、連続して得られる乳化分散液を、該連続的乳化分散手段から該タンクに順次供給する乳化分散液供給手段と、前記乳化分散液の該脱溶剤タンクへの収容工程中に、該タンクに不活性ガスを導入して乳化分散液から連続的に脱溶剤処理を行なう連続式脱溶剤手段と、該タンク内への乳化分散液の収容が完了した後に、回分式脱溶剤処理を行なうための減圧蒸留手段とを有し、前記脱溶剤タンク内に収容されている乳化分散液中の溶剤濃度(C1)重量%と、該タンクに順次収容される溶剤成分の除去されていない乳化分散液中の溶剤濃度(C2)重量%との関係(C1)/(C2)が、収容開始1時間以降は常に0.85以下に制御されることを特徴とする溶剤除去装置。
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