JP4445418B2 - 画像形成用トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、粉砕法で得られたトナーは、一般に粒度分布が広く、従ってトナーの摩擦帯電性にムラが生じ、カブリ等が発生しやすいという弱点がある。また、生産効率の関係上、体積平均粒径が2〜8μmの小粒径トナーが得られにくく、高画質化の要求に応えられないという問題がある。
(1)「少なくとも結着樹脂のための成分を含む油相を、水相に加えた後、せん断力をかけて乳化または分散することによって水中油滴型エマルションまたはサスペンションを作製する乳化・分散工程、及び該水中油滴型エマルションまたはサスペンションから溶媒を除去する工程、を有する画像形成用トナーの製造方法であって、
前記油相は、25℃におけるCasson降伏値が0〜0.1Paのニュートン粘性を示し、
前記乳化・分散工程後、前記溶媒除去工程の前に、前記エマルションまたはサスペンションに前記乳化、分散時のせん断力よりも小さいせん断を加えるもしくはこれを静置することで、前記エマルションまたはサスペンション中の油滴を会合させる収斂工程をさらに有することを特徴とする画像形成用トナーの製造方法」;
(2)「画像形成用トナーのトナー粒子が平均円形度0.975〜0.999、かつ、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)の比が1.05≦Dv/Dn≦1.25の真球状粒子とすることを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成用トナーの製造方法」;
(3)「前記油相が少なくとも前記結着樹脂のためのモノマー成分を含むものであることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の画像形成用トナーの製造方法」;
(4)「前記油相が少なくとも有機溶媒とプレポリマーを含むものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法」;
(5)「前記油相が少なくとも有機溶媒と重合体を含むものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法」;
(6)「前記油相が、少なくとも有機溶媒中に活性水素基含有化合物、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体、着色剤、離型剤を溶解または分散させた液であり、前記水中油滴型エマルションまたはサスペンション中の該活性水素基含有化合物と、該活性水素と反応可能な部位を有する重合体を反応させた後または反応させながら、溶媒を除去し、かつ洗浄、乾燥することにより得られたものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法」;
(7)「前記結着樹脂のガラス転移温度(Tg)を40〜70℃とすることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法」;
(8)「前記トナーのトナー粒子の体積平均粒径(Dv)を3〜8μmとすることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法」;
(9)「前記トナーの酸価を0.5〜40.0(KOHmg/g)とすることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法」;
(10)「前記活性水素基と反応可能な部位を有する重合体が、重量平均分子量(Mw)3,000〜40,000のものである前記第(6)項乃至第(9)項のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法」;
(11)「前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂を含有するものであることを特徴とする前記第(1)項乃至前記第(10)項いずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法」;
(12)「前記結着樹脂中の前記ポリエステル樹脂の含有量が50〜100重量%であることを特徴とする前記第(11)項に記載の画像形成用トナーの製造方法」;
(13)「前記ポリエステル樹脂は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)が1,000〜30,000のものである前記第(11)項または第(12)項のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法」;
(14)「前記ポリエステル樹脂は、酸価が1.0〜50.0(KOHmg/g)のものである前記第(11)項乃至第(13)項のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法」;
(15)「前記ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が35〜70℃のものであ前記第(11)項乃至第(14)項のいずれかに記載のる画像形成用トナーの製造方法」。
まず本発明のトナー粒子作製法において、油相は水相中で乳化機(攪拌機)の高せん断による乳化または分散処理されるが、これは水相との界面張力差に従い微細な真球状の油滴となる。次に、この油滴をゆっくり攪拌する程度の低せん断もしくは静置する状態で、油滴どおしを合着させる収斂(収斂工程または収斂処理)を行なうことによって、粒径分布の狭いトナーを得ることができる。
前記Casson降伏値は、例えば、ハイシェア粘度計(「AR2000」;TAインスツルメンツ社製)などを用いて測定することができる。
本発明におけるトナーは、平均円形度として0.975〜0.999の真球形状と形状分布を有する。形状の計測方法としては粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
該トナーの体積平均粒径(Dv)が3〜8μmであり、個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.25以下、好ましくは1.05〜1.20である乾式トナーにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の光沢性に優れ、更に二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行なわれても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なくなり、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定して、重量分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
逆に、トナーの粒子径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行なわれた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。また、体積平均粒子径/個数平均粒子径が1.25よりも大きい場合も同様であることが明らかとなった。
活性水素基と反応可能な部位を有する重合体としては、イソシアネートやエポキシなどにより変性されたポリエステルプレポリマー(変性ポリエステル樹脂(i))を例として挙げることができる。これは、活性水素基含有化合物(アミン類など)と伸長反応し、離型幅(定着下限温度とホットオフセット発生温度の差)の向上に効果をおよぼす。変性ポリエステル樹脂(i)の合成方法としては、ベースとなるポリエステル樹脂に、従来公知のイソシアネート化剤やエポキシ化剤などを反応させることで容易に合成することができる。イソシアネート化剤としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。また、エポキシ化剤としては、エピクロロヒドリンなどをその代表例としてあげることができる。
すなわち、まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させる。この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50〜200μl注入して測定する。前記試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。前記検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×102、4×102、1.75×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、及び4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、前記検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
本発明においては、前記ウレア変性ポリエステルだけでなく、これと共に変性されていないポリエステル樹脂(ii)をトナーバインダー成分として含有させることもできる。未変性ポリエステル樹脂(ii)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。前記変性ポリエステル樹脂(i)と未変性ポリエステル樹脂(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)のポリエステル成分は類似の組成が好ましい。
本発明において、結着樹脂における未変性ポリエステル樹脂(ii)の含有量は、通常、5〜95重量%、好ましくは10〜60重量%である。
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が使用でき、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
本発明で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
また、トナーバインダー(結着樹脂)、着色剤とともにワックスを含有させることもできる。本発明のワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明におけるトナー作製過程では樹脂微粒子を用いることができる。本発明で使用される樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であれば、いかなる樹脂も使用でき熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
本発明においては、結着樹脂成分の溶媒除去、洗浄、乾燥により得られ田トナー母体粒子に外添剤を添加することができる。本明細書における「画像形成用とナーから実質になる」とは、このような外添剤の添加を含む場合があることを意味する。
本発明におけるトナーには、本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2nmであることが好ましく、特に5mμ〜5nmであるあることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
トナーバインダー(結着樹脂)は以下の方法などで製造することができる。ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらに(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性された変性ポリエステル(活性水素基と反応可能な部位を有する重合体例)を得る。(3)を反応させる際および(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。
(水系媒体中でのトナー製造法)
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
また高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させてもよい。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ピニル、プロピオン酸ピニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ピニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
上記のように、本発明のトナーの好ましい態様としては、活性水素基含有化合物と、該活性水素基と反応可能な重合体とを、所望により有機溶媒に溶解乃至分散させて油相を調製した後、該油相を水相中に乳化乃至分散させ、該水相中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させることにより製造される。
この際、前記ニュートニアン粘性においては、ニュートンの粘性法則が成立し、剪断応力が剪断速度に比例(すなわち、前記剪断速度を0から徐々に上昇させると、該剪断速度の増加に比例し、前記剪断応力も0から徐々に増加する)し、温度が一定であれば粘性率が一定となる。
なお、本発明において、前記ニュートニアン粘性には、後述する構造粘性を有していても、該構造粘性が弱く前記ニュートニアン粘性に近い状態を示す態様をも含み、例えば、後述するCasson降伏値が2.0Pa以下のものが含まれる。
前記動的粘弾性測定の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記のように、ハイシェア粘度計(「AR2000」;TAインスツルメンツ社製)を用いて測定した流動曲線(ヒステリシスカーブ)から、求めるめることができる。
前記攪拌処理としては、前記油滴に剪断力を加えることができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の分散機などを用いて行うことができ、該分散機としては、例えば、低速せん断式分散機、高速剪断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、などが挙げられる。これらの中でも、前記油滴(分散体)の粒径を3〜8μmに収斂、制御することができる点で、前記のように、高速剪断式分散機が好ましい。
本発明においては、前記水相中に乳化乃至分散させる前の前記油相は、前記ニュートニアン粘性を示す。なお、前記油相が非ニュートニアン粘性を示す場合には、前記粘性変換処理としての前記攪拌処理などにより、予め前記油相の粘性をニュートニアン粘性に変換させて使用することができる。
前記収斂は、前記油相を前記水相中に乳化乃至分散させて形成した油滴において、互いに近傍に存在する前記油滴同士を会合させることにより行う。前記収斂により、互いに近傍に存在する前記油滴同士から一つの粒子が形成される。
前記収斂は、水相中でトナーを造粒するトナーの製造方法、すなわち、公知の懸濁重合法、乳化重合法、溶解懸濁法、後述する接着性基材を粒子状に生成させて得られるトナーの製造方法などによりトナーを製造する場合に行われる。
そして、この油滴に、ゆっくり攪拌する程度の低剪断力を加える、あるいは、静止状態にて前記収斂を行うと、粒度分布の狭いトナーを得ることができる。これは、前記油滴の粒度分布が広い場合でも、大きな油滴に小さな油滴が会合することにより微粉領域が減り、全体の粒度分布が狭くなるためであると考える。
前記収斂の際の前記油滴は、前記非ニュートニアン粘性を示す。このため、前記収斂の際、会合した前記油滴が流動せず、各油滴がそれぞれの形状を維持し、非真球状の(異形化した)粒子を形成する。
しかし、その後の有機溶媒の除去において、前記油滴が前記ニュートニアン粘性を示すので、後述するように、真球状のトナーを得ることができる。
前記粘性変換処理を行う回数は、1回でもよいし、複数回でもよい。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行なってもよいが、液体中で行なうことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いればよく、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない一成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体としての感光体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択した露光手段、転写手段、クリーニング手段等のその他の手段を有してなる。
図において、(101)はプロセスカートリッジ全体を示し、(10)は感光体、(20)は帯電手段、(40)は現像手段、(60)はクリーニング手段を示す。
本発明においては、上述の感光体(10)、帯電手段(20)、現像手段(40)及びクリーニング手段(60)等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
定着工程は公知の加熱加圧手段が好適である。手段としては、加熱ローラと加圧ローラの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せなどが挙げられる。
特に加熱ローラと加圧ローラの組合せでは、薄肉ローラで底面圧の装置にすることにより低熱容量となり、装置の電源が入ってからスタートまでの待機時間が短縮されるため、省エネルギー化が可能となる。また、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せでも低熱容量である。
本発明のトナーのように、シャープメルト性の高いトナーを、底面圧で低熱容量の定着装置で定着することは、熱量の損失が少なく効率の良い定着方式となる。
図4に示す画像形成装置(100)は、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム(10)(以下「感光体(10)」という)と、前記帯電手段としての帯電ローラ(20)と、前記露光手段としての露光装置(30と、前記現像手段としての現像装置(40)と、中間転写体(50)と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置(60)と、前記除電手段としての除電ランプ(70)とを備える。
なお、タンデム画像形成装置(120)においては、二次転写装置(22)及び定着装置(25)の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置(28)が配置されている。
そして、中間転写体(50)上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ(49)を回転させ、中間転写体(50)と二次転写装置(22)との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置(22)により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体(50)上の残留画像形成粒子は、中間転写体クリーニング装置(17)によりクリーニングされる。
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、105nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、重量平均分子量は15万であった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液2]を得た。[微粒子分散液2]をLA−920で測定した体積平均粒径は、120nmであった。[微粒子分散液2]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは42℃であり、重量平均分子量は3万であった。
〜水相の調整〜
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
〜低分子ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
〜ポリエステルプレポリマーの合成〜
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行ない、[ケチミン化合物1]を得た。[チミン化合物1]のアミン価は418であった。
〜マスターバッチ(MB)の作製〜
水1200部、カーボンブラック(Reagal400R: キャボット製)540部〔DBP吸油量=71ml/100g〕、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
製造例7において、カーボンブラックのかわりに下記の顔料、樹脂を用いるほかは、同様に操作して、マスターバッチ2〜4を作製した。
〜油相の作成〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]300部、カルナウバワックス100部、酢酸エチル1000部を仕込み、撹拌下79℃で溶解させた後、一気に30℃まで急冷した。これをビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で分散を行ない、体積平均粒径0.6μmのワックス分散液を得た。次いで[マスターバッチ1]500部、[低分子ポリエステル1]の70%酢酸エチル溶液640部加え、8時間混合した後、前記、ビーズミルで3パスし、酢酸エチルを加えて固形分濃度(130℃、30分)50%に調整した[油相1]を得た。油相1のCasson降伏値は、0.016Paの実質的にニュートニアン粘性であった。
製造例9において、マスターバッチを製造例8で得られたものに変更し、固形分を下記表2に変更する以外は、製造例9と同様に操作して、油相2〜4を作製した。油相粘性は、いずれも実質的にニュートニアン粘性であった。
[油相1]73.2部、[プレポリマー1]を6.8部、[ケチミン化合物1]0.48部を容器に入れ、充分混合した[乳化油相1]に[水相1]120部を加え、ホモミキサーで1分間混合し、[乳化スラリー1]を得た。この[乳化スラリー1]を室温でゆっくり攪拌し1時間収斂を行なった。ついで、30℃で1時間脱溶剤し、さらに50℃で3時間熟成したものを水洗浄、濾過、乾燥を行なったのち、目開き75μmメッシュで篩い[トナー1]を得た。乳化油相1はCasson降伏値0.024Paの実質的にニュートニアン粘性であり、このトナーの体積平均粒径は5.9μm、個数平均粒径は5.3μm、Dv/Dnは1.11、平均円形度は0.986であった。
実施例1において、油相、油相固形分を表3になるように変更する以外は、実施例1と同様に操作して[トナー2〜4]を得た。乳化油相は、いずれも実質的にニュートニアン粘性であった。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、エステルワックス(融点84℃)100部、酢酸エチル400部を仕込み、撹拌下80℃で溶解させた後、一気に4℃まで急冷した。これをビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、4パスの条件で分散を行ない、体積平均粒径0.6μmのワックス分散液を得た。次いで[マスターバッチ2]600部を加え、10時間混合した後、前記、ビーズミルで5パスした。
実施例5において、マスターバッチ2をマスターバッチ4に変更する以外は、実施例5と同様に操作して[トナー6]を得た。この時の油相粘性は、Casson降伏値0.007Paの実質的にニュートニアン粘性であった。このトナーの体積平均粒径は7.9μm、個数平均粒径は6.4μm、Dv/Dnは1.23、平均円形度は0.985であった。
製造例9において、マスターバッチ1をマスターバッチ5に変更する以外は、製造例9と同様に操作して油相固形分50%の比較油相1を得た。この比較油相1のCasson降伏値は2.5Paであり、油相粘性はチクソトロピーであった。この比較油相1を用いて、実施例1と同様に操作して[比較トナー1]を得た。このときの乳化油相のCasson降伏値は2.8Paであり、油相粘性はチクソトロピーであった。このトナーの体積平均粒径は7.4μm、個数平均粒径は6.3μm、Dv/Dnは1.17、平均円形度は0.970であった。
外添剤処理を施したトナー5重量%とシリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95重量%からなる現像剤を調製し、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できるリコー製imagio Neo 450を用いて、連続印刷して下記の基準で評価し、表5に示した。
(a)油相粘性の測定
前記処方の油相をハイシェア粘度計(TAインスツルメンツ社AR2000)により測定した。測定条件は、30℃、40mmパラレルプレート、ギャップ0.500mm、せん断速度は2分間で0〜1800(1/S)まで測定したのち、さらに1800〜0(1/S)まで2分間かけて測定する流動曲線(ヒステリシスカーブ)からその油相粘性を求めた。
前記処方の油相をハイシェア粘度計(TAインスツルメンツ社AR2000)により測定した。測定条件は、25℃、40mmパラレルプレート、ギャップ1.000mmで流動曲線を測定し、Casson近似式からCasson降伏値を計算により求めた。
トナーの粒径は、前記のように、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」を用い、アパーチャー径100μmで測定した。体積平均粒径および個数平均粒径は上記粒度測定器により求めた。
フロー式粒子像分析装置FPIA−2200(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
リコー製imagio Neo 450を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(リコー製 タイプ6200及びNBSリコー製複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、1.0±0.1mg/cm2のトナーが現像されるように調整を行ない、定着ベルトの温度が可変となるように調整を行なって、普通紙でオフセットの発生しない温度を、厚紙で定着下限温度を測定した。定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X-Rite社製)により測定。
現像ローラまたは感光体上のトナーフィルミング発生状況の有無を観察した。○がフィルミングがなく、△はスジ上のフィルミングが見られ、×は全体的にフィルミングがある。
電子顕微鏡観察で比較し、下記の基準で評価した。
○ ばらつきなし
△ ばらつき若干あり
× 大きくばらつく
1 現像部
2 トナー容器
3 トナー送流手段
4 現像ハウジング
5 第1の攪拌スクリュ
6 第2の攪拌スクリュ
7 現像ローラ
8 潜像担持体(感光体)
9 ドクターブレード
124 接続部材
125 フィルター
126 キャップ
(図3)
10 感光体
20 帯電手段
40 現像手段
60 クリーニング手段
101 プロセスカートリッジ
(図4〜7)
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器(ユニット)
45Y イエロー用現像器(ユニット)
45M マゼンタ用現像器(ユニット)
45C シアン用現像器(ユニット)
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
59 帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
110 ベルト式定着装置
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (15)
- 少なくとも結着樹脂のための成分を含む油相を、水相に加えた後、せん断力をかけて乳化または分散することによって水中油滴型エマルションまたはサスペンションを作製する乳化・分散工程、及び該水中油滴型エマルションまたはサスペンションから溶媒を除去する工程、を有する画像形成用トナーの製造方法であって、
前記油相は、25℃におけるCasson降伏値が0〜0.1Paのニュートン粘性を示し、
前記乳化・分散工程後、前記溶媒除去工程の前に、前記エマルションまたはサスペンションに前記乳化、分散時のせん断力よりも小さいせん断を加えるもしくはこれを静置することで、前記エマルションまたはサスペンション中の油滴を会合させる収斂工程をさらに有することを特徴とする画像形成用トナーの製造方法。 - 画像形成用トナーのトナー粒子が平均円形度0.975〜0.999、かつ、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)の比が1.05≦Dv/Dn≦1.25の真球状粒子とすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成用トナーの製造方法。
- 前記油相が少なくとも前記結着樹脂のためのモノマー成分を含むものであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成用トナーの製造方法。
- 前記油相が少なくとも有機溶媒とプレポリマーを含むものであることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法。
- 前記油相が少なくとも有機溶媒と重合体を含むものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法。
- 前記油相が、少なくとも有機溶媒中に活性水素基含有化合物、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体、着色剤、離型剤を溶解または分散させた液であり、前記水中油滴型エマルションまたはサスペンション中の該活性水素基含有化合物と、該活性水素と反応可能な部位を有する重合体を反応させた後または反応させながら、溶媒を除去し、かつ洗浄、乾燥することにより得られたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法。
- 前記結着樹脂のガラス転移温度(Tg)を40〜70℃とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法。
- 前記トナーのトナー粒子の体積平均粒径(Dv)を3〜8μmとすることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法。
- 前記トナーの酸価を0.5〜40.0(KOHmg/g)とすることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法。
- 前記活性水素基と反応可能な部位を有する重合体が、重量平均分子量(Mw)3,000〜40,000のものである請求項6乃至9のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法。
- 前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂を含有するものであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法。
- 前記結着樹脂中の前記ポリエステル樹脂の含有量が50〜100重量%であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成用トナーの製造方法。
- 前記ポリエステル樹脂は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)が1,000〜30,000のものである請求項11または12に記載の画像形成用トナーの製造方法。
- 前記ポリエステル樹脂は、酸価が1.0〜50.0(KOHmg/g)のものである請求項11乃至13のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法。
- 前記ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が35〜70℃のものである請求項11乃至14のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法
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