JP2008185828A - トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トナー形成材料を有機溶媒に溶解または分散して油性成分を調製し、調製された油性成分を水性媒体中で乳化してエマルションを調製する。そして、調製されたエマルションを、除去装置1において、気相が存在するように流下部7に流下させて、流下するエマルションから有機溶媒を除去する。流下部7を流下するエマルションからは、流下方向の各位置においてエマルションの液面レベルが一定に保持されたまま、有機溶媒が連続的に除去される。その結果、生産効率の向上を図ることができる。また、液面レベルの低下に伴うエマルションの壁面などへの付着を防止することができる。そのため、トナー形成材料のロスを低減することができ、歩留まりよくトナーを製造することができる。
【選択図】図1
Description
乳化凝集法は、トナー粒子よりも十分に小さな微粒子を作製し、これらの微粒子をトナー粒子径まで凝集成長させてトナーを得る方法である。かかる微粒子を得る方法には、重合反応を伴うものと、伴わないものとがある。重合反応を伴うものは、モノマーを乳化剤とともに水中分散させて、乳化重合反応により微粒子分散体を得る。重合反応を伴わないものは、トナーのバインダー成分となる樹脂を溶解可能な溶剤に、樹脂をはじめとするトナー材料を溶解・分散させ、これらを乳化剤とともに水中に液滴状に分散させた後に、液滴から溶剤を取り除き微粒子分散体を得る。特に、後者はトナー成分が溶解する溶剤を使用すれば、基本的に微粒子分散体の調製が可能であるため、有用である。
しかし、バッチ式で有機溶媒を除去する場合には、エマルションを減圧・加熱可能な反応釜に投入して乾燥するので、有機溶媒が蒸発するに従って、液面レベルが降下する。すると、減圧・加熱可能な反応釜の壁面や攪拌軸などにエマルションが付着して、トナー形成材料のロスが増大するという不具合がある。
また、本発明のトナーの製造方法では、前記流路に対して気体を供給および排出することにより、前記気相を換気することが好適である。
また、本発明のトナーの製造方法では、流下する前記エマルションに向けて、前記気体を吹き込むことが好適である。
また、本発明のトナーの製造方法では、前記気体は、少なくとも前記気体の温度における飽和蒸気圧の水を含んでいることが好適である。
また、本発明のトナーの製造方法では、前記供給口および前記排出口は1対として設けられ、前記1対の前記供給口および前記排出口において、前記排出口は、前記供給口に対して上流側に配置されていることが好適である。
また、本発明のトナーの製造方法では、排出される前記気体を凝縮して、前記有機溶媒を回収することが好適である。
また、本発明のトナーの製造方法では、前記流路は、上流側から下流側へ向かうに従って、より高い温度で加熱されることが好適である。
また、本発明のトナーの製造方法では、前記流路の下流側端部には、気相が存在しない終了ゾーンが設けられていることが好適である。
しかも、本発明のトナーの製造方法では、エマルションから有機溶媒を連続的に除去するので、流路に流下するエマルションの液面レベルを、流下方向における各位置において一定に保持することができる。そのため、各位置において液面レベルの低下に伴うエマルションの付着を防止することができるので、トナー形成材料のロスを低減することができる。そのため、歩留まりよくトナーを製造することができる。
本発明のトナーの製造方法では、まず、トナー形成材料と有機溶媒とを含有する油性成分を調製し、その油性成分を、水性媒体中で乳化することにより、エマルションを調製する。
(トナー形成材料)
トナー形成材料は、トナーを形成するために配合される材料であって、少なくとも、結着樹脂および着色剤が含まれる。
このような結着樹脂としては、特に制限されず、トナーの結着樹脂として知られる公知の合成樹脂が用いられる。例えば、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその誘導体、例えば、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体などのスチレン−スチレン誘導体共重合体、例えば、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン−メタクリル酸系共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体など)、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。好ましくは、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。
トナー形成材料には、結着樹脂および着色剤の他に、必要により、離型剤、帯電制御剤などの公知の添加剤が含まれる。
離型剤は、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させるために添加される。離型剤としては、特に制限されず、公知の離型剤が用いられる。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどのポリオレフィンワックス類、例えば、キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなどの植物系天然ワックス、例えば、パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタムなどの石油系ワックスおよびその変性ワックス、例えば、フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス、例えば、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテートなどの多官能エステル化合物などが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。
また、帯電制御剤は、トナーに帯電性を安定的に付与するために添加される。帯電制御剤としては、特に制限されず、公知の帯電制御剤が用いられる。正帯電性の帯電制御剤として、例えば、ニグロシン化合物、第4級アンモニウム化合物、オニウム化合物、トリフェニルメタン系化合物、塩基性基含有化合、3級アミノ基含有スチレンアクリル樹脂などが挙げられる。また、負帯電性の帯電制御剤として、例えば、トリメチルエタン系染料、サリチル酸金属錯塩、ベンジル酸金属錯塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、重金属含有酸性染料、フェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、カルボキシル基またはスルホニル基含有樹脂などが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。
(有機溶媒)
有機溶媒としては、例えば、水に難溶であり、かつ、トナー形成成分を溶解または分散できれば、特に制限されず、公知の有機溶媒が挙げられる。有機溶媒は、その沸点が、100℃以下、好ましくは、80℃以下であるものが好ましく、具体的には、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)などのケトン類などが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。
(水性媒体)
水性媒体としては、水、または、水を主成分として、若干の水溶性溶媒(例えば、アルコール類、グリコール類)または添加剤(例えば、界面活性剤、分散剤)が配合されている水性媒体が挙げられる。
(エマルションの調製)
エマルションの調製では、まず、トナー形成材料を有機溶媒に配合して、トナー形成材料を有機溶媒に溶解または分散する。
この配合は、特に制限されず、例えば、トナー形成材料を有機溶媒に配合して、攪拌混合する。これによって、トナー形成材料が有機溶媒中に溶解または分散された油性成分が調製される。油性成分の攪拌混合には、特に制限されないが、例えば、湿式粉砕機、攪拌機、分散機などが用いられる。
油性成分を水性媒体中で乳化するには、例えば、水性媒体100重量部に対して、油性成分80〜100重量部の配合割合で、油性成分を水性媒体に配合する。
その後、公知の分散機などを用いて、油性成分が配合された水性媒体を攪拌する。攪拌は、例えば、高速分散機を用いて、容量20〜50Lの場合には、先端周速3〜20m/s、好ましくは、10〜20m/s)で、1〜30分、好ましくは、10〜20分攪拌する。すると、油性成分が液滴となって、水性媒体中に乳化され、エマルションが調製される。
2.エマルションから有機溶媒を除去する装置
図1は、本発明のトナーの製造方法に用いられる、除去装置の概略構成図であり、(a)は、側面図、(b)は、概略平面図、(c)は、正断面図である。
流下槽2は、略水平方向に細長く延びる密閉型のトラフとして形成されており、流入部6、流路の一例としての流下部7、および、終了ゾーンの一例としての流出部8を一体的に備えている。
また、流入部6の下流側壁(上流側および下流側は、エマルションの流下方向を基準とする。)には、上部において開口部13が形成されている。流入部6は、開口部13を介して流下部7が連通されている。また、流入部6内には、水平攪拌翼10が設けられている。
また、流下部7内には、複数の邪魔板11が設けられている。邪魔板11は、一方の側壁から突出する一方側邪魔板11aと、他方の側壁から突出する他方側邪魔板11bとが、流下方向において互いに間隔を隔てて交互に設けられている。
また、流下部7内には、複数の仕切板12が設けられている。仕切板12は、流下方向において互いに間隔(例えば、20〜50cm)を隔てて設けられている。各仕切板12は、略矩形板からなり、上壁から底壁へ向かって、上下方向途中まで突出するように設けられている。各仕切板12の下端部と流下部7の底壁との間の隙間は、0.3〜1cm、好ましくは、0.3〜0.5cmに設定される。
ガス供給部3は、流下部7の上方に配置されている。ガス供給部3は、流下方向において互いに間隔を隔てて配置される複数(3つ)の、供給口の一例としてのガス供給管15を備えている。
なお、ガス供給部3は、図示しないヒータ、調湿装置、圧力調整バルブなどを備えている。
ガス排出部4は、流下部7の側方に配置されている(なお、図4(a)において、ガス排出部4は、説明のために流下部7の上方に図示されている。)。ガス排出部4は、流下方向において互いに間隔を隔てて配置される複数(3つ)の、排出口の一例としてのガス排出管16を備えている。
これによって、ガス供給管15とガス排出管16とは、1対として設けられ、1対のガス供給管15およびガス排出管16において、ガス排出管16は、ガス供給管15に対して上流側に配置される。
なお、ガス排出管16は、ガス供給管15よりも多く設けてもよい。
また、ガス排出部4は、1本のガス回収ライン17を備えている。ガス回収ライン17の上流側には、複数のガス排出管16が接続されている。ガス回収ライン17の下流側は、ガス回収部18に接続されている。
ヒータ5は、下流部7を流下するエマルションを加熱できるように、流下部7の下方に配置されている。ヒータ5は、流下方向において複数のブロックに分割されており、ブロック毎に加熱温度を設定できるように設けられている。ヒータ5は、例えば、流下部7の上流側端部、下流側端部およびそれらの途中部分にそれぞれ対向するように、複数のブロックに分割されている。
3.エマルションから有機溶媒を除去する方法
本発明のトナーの製造方法では、上記により調製されたエマルションを、上記した除去装置1において、気相が存在するように流下部7に流下させて、流下するエマルションから有機溶媒を除去する。
これによって、流下するエマルションの液面の上方(液面から流下部7の上壁までの間)には、気相が流通する空間が形成される。
また、複数の仕切板12の下端部が、エマルションに浸漬される。そのため、各仕切板12によって仕切られる1対のガス供給管15およびガス排出管16毎において、後述する気流の流れが形成される。
流下部7において、ヒータ5は、上流側から下流側へ向かうに従って、より高い温度で流下部7の底壁を加熱する。例えば、ヒータ5の最上流側のブロックを、40〜70℃、好ましくは、50〜60℃に設定する。また、ヒータ5の最下流側のブロックを、60〜90℃、好ましくは、70〜80℃に設定する。また、流下部7の流下方向途中部分のブロックを、50〜80℃、好ましくは、60〜70℃に設定する。
各ガス供給管15からは、気体としての湿潤ガスを供給する。ガス供給部3では、ガス排出管16からの排気に伴う減圧によって、自然吸気により空気または不活性ガスを送風し、送風される空気または不活性ガスをヒータにより、例えば、50〜90℃、好ましくは、60〜80℃に加熱する。その後、その加熱された温度における飽和水蒸気圧の水が含まれるように、調湿装置によって、送風される空気または不活性ガスの湿度(空気または不活性ガスに含まれる水蒸気量)を調整する。これによって、湿潤ガスを調製し、その後、圧力調整バルブにて制御された送風量で、湿潤ガスを各ガス供給管15から流下部7内へ供給する。湿潤ガスの送風量は、例えば、50〜200L/分、好ましくは、80〜120L/分に設定する。これによって、湿潤ガスは、各ガス供給管15から流下するエマルションに向かって吹き込まれる。
これによって、流下部7内では、各ガス供給管15から湿潤ガスが供給され、各ガス排出管16から排出ガスが排出されることにより、エマルションの上方に気相が流通され、その流通される気相が換気される。換気は、単位時間(分)あたり、例えば、800〜3000%、好ましくは、900〜1500%の気相が置換される。
なお、揮発ガスの比重は、通常、空気または不活性ガスよりも高いので、ガス供給管15の下端部よりも低い位置に配置されている各ガス排出管16の下端部から、効率よく吸引される。
ガス回収部18は、図示しないチラーやコンデンサなどを備えている。ガス回収部18では、凝縮により排出ガスから有機溶媒が分離される。分離された有機溶媒は、油性成分を調製するためなどに再度使用される。
そして、流下部7において流下するエマルションは、上流側において、ヒータ5によって加熱され、有機溶媒が揮発ガスとして蒸発し、その揮発ガスが、上流側に配置される1対のガス供給管15およびガス排出管16の間において、対流する気相によって同伴されて、上流側のガス排出管16から排出される。なお、上流側において、エマルションの液面レベルは、上記した一定レベルに保持されている。
その後、流下部7を通過して、有機溶媒が除去されたスラリーは、排出部8へ流入する。排出部8の高さは、流下部7の高さよりも低いため、排出部8へスラリーが流入すると、排出部8では気相は形成されず、スラリーで満杯となる。つまり、排出部8は、スラリーのみが流下して、気相が存在しない領域となる。
4.上記方法の効果
1)上記の方法によれば、流下部7を流下するエマルションからは、エマルションの液面レベルが、流下部7におけるエマルションの流下方向の各位置において、一定に保持されたまま、有機溶媒が連続的に除去される。その結果、生産効率の向上を図ることができる。しかも、この方法では、流下部7を流下するエマルションの液面レベルを一定に保持することができるので、流下方向の各位置での液面レベルの低下に伴うエマルションの壁面などへの付着を防止することができる。そのため、トナー形成材料のロスを低減することができる。その結果、歩留まりよくトナーを製造することができる。
2)また、流下部7内では、各ガス供給管15から湿潤ガスが供給され、各ガス排出管16から排出ガスが排出されることにより、気相が換気されている。そのため、流下エマルションと気相とを効率よく接触させることができ、効率よく有機溶媒を除去することができる。また、気相の換気により、揮発ガスが気相中で飽和することを防止でき、湿潤ガスにおける揮発ガスの同伴率(吸収度合い)を高めることができる。
3)さらに、流下部7内では、各仕切板12によって仕切られる1対のガス供給管15およびガス排出管16において、湿潤ガスを下流側から供給して、排出ガスを上流側から排出している。そのため、流下するエマルションと湿潤ガスとを対流させながら接触させることができるので、より効率よく有機溶媒を除去することができる。とりわけ、流下するエマルションでは、上流側ほど揮発ガスの濃度が高いため、湿潤ガスを下流側から供給して、排出ガスを上流側から排出すれば、より多くの揮発ガスを排出することができる。
4)また、各ガス供給管15からは、流下するエマルションに向かって、湿潤ガスが吹き込まれる。すると、湿潤ガスはエマルション中に入り込んでバブリングするので、湿潤ガスとエマルションとの接触面積をより多くすることができる。そのため、エマルションから有機溶媒を、揮発ガスとして効率よく気相へ追い出すことができる。
5)また、各ガス供給管15から供給される湿潤ガスは、その温度における飽和水蒸気圧の水が含まれるように調整されている。そのため、湿潤ガスが、流下するエマルション中の水分を吸収することを防止することができる。その結果、水の蒸発により液面レベルが下がることを防止することができ、液面レベルの安定化を図ることができる。
6)また、流下部7には、複数のガス供給管15および複数のガス排出管16が設けられている。そのため、流下部7の全長にかかわらず、気相の流れを安定かつ均一に形成することができる。そのため、安定した有機溶媒の除去を実現することができる。
7)とりわけ、複数のガス供給管15および複数のガス排出管16は、各仕切板12によって仕切られる1対のガス供給管15およびガス排出管16として設けられている。そのため、1対のガス供給管15およびガス排出管16毎に、気相の流れを形成して、より安定した有機溶媒の除去を実現することができる。
8)また、各ガス排出管16は、エマルションの液面レベルよりも高い位置において、流下部7の側壁に接続されており、流下部7の側壁から外方に延びるに従って下方に傾斜するように設けられている。そのため、各ガス排出管16から排出される排出ガスが液化して、流下部7内へ逆流することを防止することができる。
9)また、各ガス排出管16から排出された排出ガスからは、ガス回収部18において、凝縮によって有機溶媒が分離され、その分離された有機溶媒が、油性成分を調製するためなどに再度使用される。そのため、製造コストの低減を図ることができる。
10)また、流下部7は、ヒータ5によって加熱されているので、流下するエマルションから常時安定して有機溶媒を揮発させることができる。そのため、効率よく有機溶媒を除去することができる。
11)特に、ヒータ5は、上流側から下流側へ向かうに従って、より高い温度で流下部7の全体を加熱している。そのため、上流側から下流側へ向かうに従って、エマルションから有機溶媒が揮発により減少しても、その減少に対応してより高温に加熱されるので、有機溶媒を、より確実に除去することができる。
12)また、流下部7を通過して、有機溶媒が除去されたスラリーが、排出部8へ流入すると、排出部8では気相は形成されず、スラリーのみが流下する。このように、排出部8において、気相を形成させずにスラリーのみを流下させれば、排出ガスが混入することなく、スラリーのみを後工程に送ることができる。そのため、後工程での処理の容易化を図ることができる。
結着樹脂としてポリエステル樹脂(FC1565、三菱レイヨン社製)3160g、着色剤としてカーボンブラック分散体(カーボンブラック含量25重量%、#9296、三国色素社製)680g、有機溶媒としてMEK14000gを配合し、これをプロペラ攪拌翼にて3時間攪拌して、油相成分を調製した。
丸底50L容器に、油相成分と水酸化ナトリウム水溶液とを入れて、ウルトラミキサー(みずほ工業社製(φ55mm))を用いて、5500rpmで20分間攪拌して、エマルションを調製した。液滴の体積平均粒子径を、microtrac UPA 150(日機装社製)を用いて測定したところ、0.268μmであった。
2)装置条件
上記した除去装置1を用いて、下記の条件によりエマルションを流下させた。具体的には、運転開始から20分間は、予備運転として、その間に得られたスラリーは、廃棄した。運転開始から20分経過後のスラリーを回収して、MEKの臭いの有無について確認したところ、臭いはほとんど確認されなかった。また、微粒子の平均粒子径を、上記と同様に測定したところ、0.237μmであった。
(装置仕様)
流入部6:容量0.5L、高さ10cm
流下部7:流路長20m、流路幅3cm、流路管内壁高さ2.3cm
流出部8:全長0.08m、全幅3cm、高さ0.3cm
仕切板15の間隔:50cm
(流下条件)
流入部6へのエマルションの供給量:8mL/秒
水平攪拌翼10の回転数:120rpm
流下部7におけるエマルションの液面レベル:約0.8cm(エマルション投入直後)
ヒータ5の加熱温度:70℃(全ブロック同一温度)
湿潤ガスの加熱温度:60℃
排出ガスの吸引量:100L/分
換気率:1秒あたり約17%、1分あたり約1000%
気相の流通速度:0.2m/分
2 流下槽
5 ヒータ
6 流入部
7 流下部
8 流出部
15 ガス供給管
16 ガス排出管
18 ガス回収部
Claims (12)
- トナー形成材料と前記トナー形成材料を溶解または分散する有機溶媒とを含有する油性成分が水性媒体中で乳化されているエマルションを、気相が存在するように流路に流下させて、流下する前記エマルションから前記有機溶媒を除去することを特徴とする、トナーの製造方法。
- 前記流路に対して気体を供給および排出することにより、前記気相を換気することを特徴とする、請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 前記流路に対して、前記気体を下流側から供給し、上流側から排出することを特徴とする、請求項2に記載のトナーの製造方法。
- 流下する前記エマルションに向けて、前記気体を吹き込むことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記気体は、少なくとも前記気体の温度における飽和蒸気圧の水を含んでいることを特徴とする、請求項2ないし4のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記流路には、前記気体を供給する供給口および排出する排出口が、複数設けられていることを特徴とする、請求項2ないし5のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記供給口および前記排出口は1対として設けられ、前記1対の前記供給口および前記排出口において、前記排出口は、前記供給口に対して上流側に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載のトナーの製造方法。
- 前記排出口は、前記流路に対して、前記エマルションの液面よりも高い位置において、略水平方向から接続されており、前記流路から離間するに従って下方に傾斜するように設けられていることを特徴とする、請求項6または7に記載のトナーの製造方法。
- 排出される前記気体を凝縮して、前記有機溶媒を回収することを特徴とする、請求項2ないし8のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記流路は、加熱手段によって加熱されていることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 前記流路は、上流側から下流側へ向かうに従って、より高い温度で加熱されることを特徴とする、請求項10に記載のトナーの製造方法。
- 前記流路の下流側端部には、気相が存在しない終了ゾーンが設けられていることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれかに記載のトナーの製造方法。
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