JP3684076B2 - 重合トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電印刷法などにおいて形成される静電荷像を現像するためのトナー又はトナージェット記録方法におけるトナー像を形成するためのトナーの製造方法に関する。さらに詳しくは、少なくとも着色剤を含有するマスターバッチを調製する工程と該マスターバッチを希釈した後重合する工程を有する重合トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法は米国特許第2,297,691号明細書等に記載されている如く、多数の方法が知られており、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段で感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の転写部材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、或いは溶剤蒸気等により定着し複写物を得る。また、トナーを用いて現像する方法、或いはトナー画像を定着する方法としては、従来各種の方法が提案され、それぞれの画像形成プロセスに適した方法が採用されている。
【0003】
従来、これらの目的に用いるトナーは、一般に熱可塑性樹脂中に染・顔料からなる着色剤を溶融混合し、均一に分散した後、微粉砕装置、分級機により所望の粒径を有するトナーを製造してきた。
【0004】
この製造方法はかなり優れたトナーを製造し得るが、ある種の制限、即ちトナー用材料の選択範囲に制限がある。例えば樹脂着色剤分散体が充分に脆く、経済的に可能な製造装置で微粉砕し得るものでなくてはならない。ところがこういった要求を満たすために樹脂着色剤分散体を脆くすると、実際に高速で微粉砕した場合に形成された粒子の粒径範囲が広くなり易く、特に比較的大きな割合の微粒子がこれに含まれるという問題が生ずる。さらに、このように脆性の高い材料は、複写機等現像用に使用する際、さらなる微粉砕ないしは粉化を受け易い。また、この方法では、着色剤等の固体微粒子を樹脂中へ完全に均一に分散することは困難であり、その分散の度合によっては、カブリの増大、画像濃度の低下や混色性・透明性の不良の原因となるので、分散に注意を払わなければならない。また、破断面に着色剤が露出することにより、現像特性の変動を引き起こす場合もある。
【0005】
一方、これら粉砕法によるトナーの問題点を克服するため、特公昭36−10231号、同43−10799号及び同51−14895号公報等により懸濁重合法によるトナーの製造方法が提案されている。懸濁重合法においては、重合性単量体、着色剤、重合開始剤さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、その他添加剤を均一に溶解又は分散せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続相、例えば水相中に適当な撹拌機を用いて分散し、同時に重合反応を行なわせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得る。
【0006】
この方法は粉砕工程が全く含まれないため、トナーに脆性が必要ではなく軟質の材料を使用することができ、また、粒子表面への着色剤の露出等が生ぜず、均一な摩擦帯電性を有するという利点がある。
【0007】
しかしながら、従来の懸濁重合法において前記の重合性単量体組成物を得るにあたり、着色剤、荷電制御剤等のトナー特性付与剤等の分散に長時間を要する点、また着色剤、荷電制御剤等のトナー特性付与剤等の分散が不十分であるため、画像濃度の低下や単量体組成物を分散安定剤を含有する連続相での造粒性の低下を招きやすい問題点がある。
【0008】
また、このように重合性単量体組成物中の着色剤の分散安定性が不十分であると、着色剤が凝集し粒度分布が広くなる。そして重合性単量体組成物が高粘度となる場合、従来公知の方法で水系分散媒に懸濁すると重合性単量体組成物の液滴が微細化されにくく、10μm以上の粗粒子が多く生成する。懸濁液中の粗大な液滴粒子は安定性が低く、重合途中に粒子同士の合体が生じたり、撹拌羽根及び重合釜への付着の原因となり、安定で収率の良い重合ができないものとなる。
【0009】
このため、例えば特公平2−51179号公報に開示されるような顔料を表面処理し、単量体との相溶性を上げる方法や、撹拌による懸濁化処理を長時間行なう方法等により、重合性単量体組成物液滴を微粒子化し粗大粒子を低減化する必要があった。
【0010】
しかしながら、単量体との相溶性を上げる方法として特公平2−51179号公報に開示されるような処理顔料を用いる方法は優れた方法ではあるものの、単量体系の長期放置においては徐々に凝集/沈降するため、連続生産や長期休業後の生産再開等の場合等、彩度や着色力等の製品品質が劣るものができることがあり、未だ不十分なものである。
【0011】
また、懸濁化処理を長時間行なう方法は生産コストのアップとなり、さらに定着性付与のために単量体に不溶のワックス等があると、水中で徐々に相分離しやすいため、製造が困難になってくる。
【0012】
この問題に対して例えば特開平7−77833号公報等で開示される方法は、ポリアルキレンワックスと着色剤をマスターバッチ化し用いるという点で、このようなワックスの相分離を防ぐ効果があり、優れた方法ではあるものの、配管の管閉塞を防ぐために、分散工程すべてに温調することが必須など、プラントのコストアップになることが分かってきた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、懸濁重合法によるトナー製造において、着色剤等の分散がより均質で画像濃度が良好なトナーの製造方法を提供することにある。
【0014】
他の目的は、懸濁重合法によるトナーの製造において、均質でシャープな粒度分布を有するトナーの製造方法を提供することにある。
【0015】
他の目的は、懸濁重合法によるトナーの製造において、連続生産等に優れた、分散工程にて調製された分散液の貯蔵が容易であるトナーの製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明の目的は、以下の構成により達成される。
【0017】
即ち、本発明は、少なくとも重合性単量体と着色剤とを混合してマスターバッチを調製する工程と;該マスターバッチを重合性単量体を少なくとも含有する混合物中に希釈して単量体組成物を調製する工程と;該単量体組成物を水系媒体中に分散し単量体組成物の粒子を調製する工程と;得られた単量体組成物の粒子中の重合性単量体を重合する工程とを有する重合トナー製造方法であって、該マスターバッチを調製する際に、特定の構造式を有するサリチル酸誘導体を添加してマスターバッチのチキソトロピー値(TI値)を3〜7に調整することを特徴とする重合トナーの製造方法関する。
【0018】
本発明者等は、連続生産における添加量の振れやトナー製造性を高めるため鋭意検討した結果、特定のTI値を有しかつ低シェアでの粘度が低い着色剤マスターバッチを用いることで課題が解決されることを見い出し本発明に至った。
【0019】
すなわち本発明のトナー製造方法には、比較的小規模の分散装置/配管等の設備で製造できる点や保存性の点から、あらかじめ着色剤をマスターバッチ化し、該マスターバッチを調製する際に、重合性単量体を少なくとも含有する単量体系中に着色剤及びサリチル酸誘導体を分散させマスターバッチを調製する工程を採用し、かつチキソトロピー値(TI値)が3〜7である様に着色剤と添加剤の組み合わせを選択することがもっとも効果があることを見い出し本発明に至った。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴の一つは、適切な値にマスターバッチのチキソトロピー値(TI値)を設定することである。
【0021】
本発明のマスターバッチはいわゆるチキソ性を有しているため、生産工程における分散の間隙等の液の静止状態においてもその分散性が低下することが少なく、特にバッチ生産において好適に用いることができる。
【0022】
さらに単量体に不溶のワックス等が混入される場合でも、液滴内でチキソ性を有する着色剤のストラクチャーにワックスが固定化されるため、粒度分布がシャープなトナーが形成される。
【0023】
本発明のチキソトロピー値(TI値)が3未満であると、チキソ性が不十分であるために、分散直後と静止した状態との各マスターバッチ間のばらつきが生じやすくなり、トナー特性としてもばらつきが大きくなる。
【0024】
本発明のチキソトロピー値(TI値)が7を超えると、配管内等の静止した状態でのマスターバッチの粘度が極端に大きくなるため、配管の閉塞や、過大な能力を有するポンプの設置が必要となり、不利である。
【0025】
なお、本発明におけるチキソトロピー値(TI値)の測定はJIS K5101−10.2(3)に準じる方法で測定した(30℃)。
【0026】
本発明の特徴のもう一つは、粘度低下のために特定の化合物を添加して分散することである。本発明においてはチキソ性のために分散開始粘度が高くなる性質を有するが、このため粘度低下剤の添加は必須となる。そこで、本発明者らは種々の添加剤を検討した結果、下記のようなサリチル酸誘導体がもっとも好ましいことを見い出した。
【0027】
【化2】
Figure 0003684076
[R1,R2は、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−オクチル基から選ばれる官能基を示す。]
【0028】
従来このような粘度調整剤またはチキソ性付与剤として、例えば特開昭56−123553号公報に開示されるようなチキソ性付与剤、親水性シリカ・酸化アルミニウム・ケイ酸アルミニウム・酸化チタン等や特開平10−48883号公報に開示されるようなロジン/エポキシ樹脂等があるが、処理剤の溶出や未処理残分の影響等があるため、トナー帯電性や造粒性そのものを悪化させることがあり、その効果は不充分であった。
【0029】
これに対して、本発明におけるサリチル酸誘導体は若干のネガ性と極性基を有するという特性のために、マスターバッチのような高濃度下においても着色剤の分散安定化が達成できる。加えて本発明の誘導体は昇華性を有するために、重合がほぼ完結してトナー化された後には水との共沸等の手段によって留去することも可能である。
【0030】
本発明におけるサリチル酸誘導体の具体例を以下に示す。
【0031】
【化3】
Figure 0003684076
【0032】
本発明の更なる特徴の一つは、チキソ性付与のため特定の構造を有した着色剤を用いることである。即ち、該着色剤の一次粒子の形状が、形状係数SF−1で150〜400である楕円−針状粒子を主体としていることが好ましく、SF−1が150未満であると着色剤単独で単量体へのチキソ性が稼げず、バッチ生産等に不利となる。また、SF−1が400を超えると針状粒子同士が束となった状態で凝集しやすく、分散しがたいため好ましくない。なお、該着色剤の粒径としては、耐候性や画像のOHP透明性等の観点より、ある程度の粒径の範囲であることが好ましく、個数平均径にして0.01〜0.70μmの一次粒径を有することが好ましい。着色剤の一次粒径が0.01μm未満であると、その耐光性が極端に低下するだけでなく、製造時のハンドリング性や帯電性に悪影響を及ぼす。また、着色剤の一次粒径が0.70μmを超えると着色剤の凝集が製造時に生じやすくなり、透過画像が暗くなってしまう。
【0033】
本発明における着色剤の形状及び粒径は以下の方法で具体的に測定される。
【0034】
まず、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナーを十分分散させた後温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を四三酸化ルテニウム、必要により四三酸化オスミウムを併用し染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出し透過電子顕微鏡(TEM)を用いトナーの断層形態を測定した。そして得られたトナー断面像(×30000)を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介してニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に導入し平均粒度として得た値を顔料粒径とした。
【0035】
そしてさらに解析を行い、下式より算出し得られた値を本発明においては形状係数SF−1と定義した。
【0036】
【数1】
Figure 0003684076
[式中、MXLNGは画像上トナーの絶対最大長を示し、AREAはトナーの投影面積を示す。]
本発明に含まれるイエロー・マゼンタ・シアン各顔料の種類としては、本発明の規定範囲に入るようにその形状や粒径が制御されているものであれば公知の着色剤がすべて好適に用いられ、色味等の観点より具体的には下記の着色剤が特に好ましい。
【0037】
(イエロー)
ピグメントイエロー 2/3/4/5/6/7/13/93/95/174/180
(マゼンタ)
ピグメントレッド 3/5/7/8/12/122/202/205/207
ピグメントバイオレット 19
(シアン)
ピグメントブルー 15/16/17
【0038】
また、単色で本発明の範囲をはずれる着色剤でも補色となる顔料や染料を組み合わせることで本発明の範囲に物性を有するものであれば使用できる。しかし、着色剤混合に伴う分散性の問題や透明性の低下を考えると必ずしも好ましい方法ではなく、着色剤は単体で使用する方がより好ましい。
【0039】
なお、本発明では単量体への溶出性が極めて小さいという点で、表面処理等、着色剤製造時の段階で処理されている着色剤であれば、その形状だけではなく処理剤によって所望の粘度やチキソ性にすることも可能であり、トナー特性を低下させない点でロジンまたはその変性樹脂によって処理されることが好ましい。ただし、ロジン系樹脂処理においても水溶分や加熱減量が増加し帯電性を損なって行く傾向にあるため、懸濁重合における製造性等を考慮して加熱減量にして1.5%以下であるように調製することが好ましく、実質的にトナー特性は変化しない。
【0040】
次に、本発明の製造方法におけるマスターバッチ分散工程について述べる。
【0041】
分散工程に用いるメディヤ型分散機として、図1〜図5に示すような分散機が用いられる。以下に、図1〜図5の構成について説明する。
【0042】
図1に示されるようなメディヤ型分散機は、スラリーを保持する容器内に分散容器が存在し、分散容器は溶液を下方に排出するプロペラ6と一体になった回転するローター3とステーター4及びメディヤ5と分散液を分離するためのスリット(又はスクリーン)7により構成され、分散液を保持する容器上部に原料投入口1が設けられ、スラリーを保持する容器下部に排出口2が設けられている。
【0043】
このようなメディヤ型分散機は、原料スラリーを容器上部の原料投入口1より供給し、回転するローター3とステーター4及びメディヤ5によって原料スラリーを分散する。分散液は、ギャップ(又はスクリーン)7を通ってステーター下部よりプロペラ6によって循環し、分散の完了とともに排出口2より排出される。
【0044】
図2に示すようなメディヤ型分散機は、回転するローター3とステーター4及びメディヤ5と分散液を分離するための分離バルブ6により構成され、ステーター4上部に原料投入口1が設けられ、分散機下部には分離バルブ6を介して排出口2が設けられている。このようなメディヤ型分散機は、原料スラリーをステーター上部の原料投入口1より供給し、回転するローター3とステーター4及びメディヤ5によって原料スラリーを分散する。この時、分散機内圧力は、分離バルブ6の調整により、圧力設定され定圧運転される。分散液は、分離バルブ6を通って分散機下部の排出口2より排出される。
【0045】
図3に示されるようなメディヤ型分散機は、回転するローター3とステーター4及びメディヤ5と分散液を分離するためのギャップ(又はスクリーン)9により構成され、分散機側面上部に原料投入口1が設けられ、原料投入口1が設けられている側面と反対側の分散機側面上部にギャップ(又はスクリーン)9を介して排出口2が設けられている。このようなメディヤ型分散機は、原料スラリーを分散機側面上部の原料投入口1より供給し、回転するローター3とステーター4及びメディヤ5によって原料スラリーを分散する。分散液は、ギャップ(又はスクリーン)9を通って原料投入口1が設けられている側面と反対側の分散機側面上部の排出口2より排出される。
【0046】
図4に示されるようなメディヤ型分散機は、回転するローター3とステーター4及びメディヤ5と分散液を分離するためのスリット(又はスクリーン)10により構成されステーター4下部に原料投入口1が設けられ、ステーター4上部には、スリット(又はスクリーン)10を介して排出口が設けられている。このようなメディヤ型分散機は、原料スラリーをステーター側面下部の原料投入口1より供給し、回転するローター3とステーター4及びメディヤ5によって原料スラリーを分散する。分散液は、スリット(又はスクリーン)10を通ってステーター上部に設けられている排出口2より排出される。
【0047】
図5に示されるようなメディヤ型分散機は、断面が逆三角形をしたローター3と同じように断面が逆三角形をしたステーター4及びメディヤ5と分散液を分離するためのギャップ11,12により構成され、ステーター4下部には原料投入口1が設けられステーター4上部には、ギャップを介して排出口2が設けられている。このようなメディヤ型分散機は、原料スラリーをステーター4下部の原料投入口1より供給し、その原料スラリーがギャップ12を通して分散機内に導入され、回転する断面が逆三角形をしたローター3と同じように断面が逆三角形をしたステーター4及びメディヤ5によって原料スラリーを分散する。分散液はギャップ11を通ってステーター上部に設けられている排出口2より排出される。
【0048】
以上、図1〜図5に示したようなメディヤ型分散機を用い、マスターバッチの初期粘度を500mPa・s〜5000mPa・sの範囲に調整し、該調製液の分散後の粘度を初期粘度の0.3倍以上、1倍未満の範囲に制御することが、着色剤等の凝集体に流体せん断応力,メディヤの圧縮及び磨砕せん断応力をより効率良く作用させる上で好ましい。さらに連続生産時には、メディヤ分散機内の残マスターバッチと新たに加えられたマスターバッチとの食い込みが好適に行われる。
【0049】
図1〜図5に示されるような分散機において、着色剤等の分散性の点から、メディヤの直径を0.1mm〜5mmの範囲で用いることが好ましく、さらに、0.1mm〜2mmの範囲で用いることがより好ましい。
【0050】
また、着色剤等の分散性やメディヤ及びステーター部の摩耗の点で、アジテーター先端部の周速を3m/s〜20m/sの範囲で用いることが好ましく、さらに、、5m/s〜15m/sの範囲で用いることがより好ましい。
【0051】
なお本発明における粘度とは、JIS K5101−10.2(3)に準じた測定方法で行い、具体的には液温が30±1℃に調整された試料を、B型粘度計の3号または4号ローターを用いて、下記のpre−shearを与えた後、60rpmで60秒後に測定した値を代表粘度とする。
【0052】
[pre−shear条件]
5rpm 60秒6rpm 60秒20rpm 60秒60rpm 60秒
【0053】
図1〜図5に示されるような分散機において、分散温度を制御する上では、ステーター部の構造を中空構造にし、熱媒又は冷媒が通ずるようにし、温度制御できるようにすることが好ましく、さらにローター部についても中空構造にし、熱媒又は冷媒が通ずるようにして温度制御できるようにすればより好ましい。
【0054】
図1〜図5に示されるような分散機においては、耐摩耗性の点からステーター部及びローター部の材質としては、ジルコニア等の耐摩耗性材料を用いることが好ましい。
【0055】
図1〜図5に示すようなメディヤ型分散機の中でも、図1に示すようなステーター上部から原料を供給し、ミル内部を加圧しながら分散し、ステーター下部より分散液を排出することが可能であるメディヤ型分散機を用いれば、着色剤の分散効率も良く、またショートパスも防げより好ましい。
【0056】
メディヤ型分散機に使用されるメディヤ材質としては、例えば、ガラス,スチール,クロム合金,アルミナ,ジルコニア,ジルコン,チタニア等が挙げられる。
【0057】
上述のメディヤ材質の中でも、耐摩耗性の点からジルコニア,チタニアがより好ましい。
【0058】
次に本発明の製造方法におけるマスターバッチの希釈方法について述べる。
【0059】
本発明ではマスターバッチがチキソ性を有するために、マスターバッチの排出後直ちに希釈するようにすると、希釈単量体系との粘度差が小さく、良好に分散する。
【0060】
しかしながら、該希釈単量体組成物が数平均分子量(Mn)15000〜35000の重合体を含有している場合、よりマスターバッチとの粘度差が縮まるため、凝集や分散ムラ等を良好に防ぐことが可能となり、より好ましい。
【0061】
数平均分子量(Mn)が15000未満であると、本発明のマスターバッチとの粘度差を縮めるためには多量の樹脂の混入が必要となり、その場合特に造粒性が悪化する。数平均分子量(Mn)が35000を超えると、比較的少量で本発明の効果が得られるものの、造粒工程で4μm以下であるような微粒子の生成が増加してしまう。
【0062】
本発明における希釈単量体組成物中の重合体とは、公知の組成で本発明の範囲の分子量を有するものであればすべて使用できるが、着色剤の再凝集やその後の懸濁重合における液滴安定性等を考慮して極性を有する樹脂が好ましく、より好ましくは酸価5〜40のスチレン(メタ)アクリル酸の共重合体,マレイン酸共重合体,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
【0063】
また、その添加量としては造粒性の観点から、単量体100重量部に対して2〜20重量部の添加が好ましい。
【0064】
重合法による直接トナーを得る方法においては、公知の単量体が好ましく用いられる。具体的には、スチレン,o(m−,p−)−メチルスチレン,m(p−)−エチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン,イソプレン,シクロヘキセン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸アミド等のエン系単量体が好ましく用いられる。これらは、単独または一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−P139〜192(John Wiley&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40〜85℃を示すように単量体を適宜混合し用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合には、トナーの保存安定性やトナーの耐久安定性の面から問題が生じ、一方85℃を超える場合は結晶性部分の残存による粒塊が画像上に生じ、特にフルカラートナーの場合においてはOHP画像の透明性を著しく低下させ高画質の面から好ましくない。
【0065】
重合した樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定される。具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去せしめ、更に低軟化点物質は溶解するが樹脂は溶解し得ない有機溶剤例えばクロロホルム等を加え十分洗浄を行った後、THF(テトラヒドロフラン)に可溶した溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過したサンプルをウォーターズ社製150Cを用い、カラム構成は昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定し得る。得られた樹脂成分の数平均分子量(Mn)は、5000〜1,000,000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、2〜100を示す樹脂が本発明には好ましい。
【0066】
本発明においては、離型作用を付与するため樹脂中に低軟化点物質を添加せしめてもよい。
【0067】
本発明に用いられる低軟化点物質としては、A STM D3418−8に準拠し測定された主体極大ピーク値が50〜180℃を示す化合物が好ましい。極大ピーク値が50℃未満であると、低軟化点物質の自己凝集力が弱くなり、結果として耐高温オフセット性が弱くなり特にフルカラー現像剤には好ましくない。一方、極大ピーク値が180℃を超えると、低軟化点物質の結晶性・分散性が劣化するため定着性・透明性の面から好ましくない。
【0068】
本発明の極大ピーク値の温度の測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サンプルはアルミニウム製パンを用い対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/min.で測定を行う。
【0069】
具体的にはパラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、アミドワックス、エステルワックス、高級脂肪酸及びこれらのグラフト/ブロック化合物等が利用できる。
【0070】
本発明に用いられる荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。更に本発明において直接重合法を用いる場合には、重合阻害性が無く水系への可溶化物の無い荷電制御剤が特に好ましい。具体的化合物としては、ネガ系としてサリチル酸,ナフトエ酸,ダイカルボン酸の金属化合物、スルホン酸,カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリークスアレーン等が利用でき、ポジ系として四級アンモニウム塩,該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が好ましく用いられる。該荷電制御剤は樹脂100重量部に対し0.5〜10重量部が好ましい。しかしながら、本発明において荷電制御剤の添加は必須ではなく、二成分現像方法を用いた場合においては、キャリアとの摩擦帯電を利用し、非磁性一成分ブレードコーティング現像方法を用いた場合においてもブレード部材やスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用することでトナー中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0071】
本発明に直接重合方法を利用する場合には、重合開始剤として例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤が用いられる。該重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが一般的には単量体に対し0.5〜20重量%添加され用いられる。重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、十時間半減期温度を参考に、単独又は混合し利用される。
【0072】
重合度を制御するため公知の架橋剤,連鎖移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
【0073】
本発明のトナー製造方法では、用いる分散剤として例えば無機系酸化物として、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナ,磁性体,フェライト等が挙げられる。有機化合物としては、ポリビニルアルコール,ゼラチン,メチルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,デンプン等を水相に分散させて使用できる。これら分散剤は、重合性単量体100重量部に対して0.2〜2.0重量部を使用することが好ましい。
【0074】
これら分散剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中にて高速撹拌下にて該無機化合物を生成させることもできる。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合法に好ましい分散剤を得ることができる。
【0075】
また、これら分散剤の微細化の為に、0.001〜0.1重量部の界面活性剤を併用してもよい。具体的には市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界面活性剤が利用でき、例えば、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
【0076】
本発明のトナー製造方法においては、以下の如き製造方法によって具体的にトナーを製造することが可能である。本発明のチキソ性を示すような配合で単量体中に本発明の着色剤及びサリチル酸誘導体を加えて分散し、マスターバッチを製造する。
【0077】
そして、該マスターバッチに単量体、低軟化点物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体系を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモミキサー,ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量体液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行うのが良い。また、重合反応後半に昇温しても良く、更に、本発明のサリチル酸誘導体やトナー定着時の臭いの原因等となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・濾過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100重量部に対して水300〜3000重量部を分散媒として使用するのが好ましい。
【0078】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。
【0079】
まず本発明におけるマスターバッチ及びトナーの評価方法について述べる。
【0080】
マスターバッチにおける着色剤の分散性については、バーコーターによる塗工試験によって行った。
【0081】
すなわちマスターバッチをスポイトですくい取り、スーパーアート紙(金藤180kg80*160)上部に直線上に塗布した後、ワイヤーバー(#10)を用いて均一にアート紙上に塗布し、乾燥させた後の着色力を標準品と比較することによって調べた。
【0082】
本発明では、標準品として[マスターバッチの製造例7]の分散工程品(1回目:7−a)を用い、この分散レベルを△として他のマスターバッチを評価した。
【0083】
重合トナー内における着色剤の分散性については、光学顕微鏡による目視試験で行った。すなわち分散工程終了後、得られたマスターバッチ/トナー懸濁液をスライドグラスに1〜2滴塗布したものを光学顕微鏡BH2−UMA(オリンパス光学社製)を用い、倍率200倍にて着色剤の分散状態を観察することによって調べた。
【0084】
次にトナーの粒度分布測定方法について述べる。
【0085】
ここで粒度分布については、種々の方法によって測定できるが、本発明においては、コールターカウンタを用いて測定を実施した。
【0086】
即ち測定装置としては、コールターカウンタTA−IIあるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON(コールター社製)が使用できる。
【0087】
測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出した。
【0088】
それから本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)(各チャンネルの代表値をチャンネル毎の代表値とする)、個数分布から求めた4μm以下の微粉量(%)を求めた。
【0089】
[マスターバッチの製造例1]
スチレン 24kg
ロジン処理顔料 3kg
(C.I.Pig Yellow17 一次粒径0.04μm,SF−1=230)
サリチル酸誘導体(1) 20g
サリチル酸金属化合物 0.4kg
【0090】
上記の重合性単量体混合物(30℃における初期粘度2300mPa・s)を、分散容器内部にジルコニア製ローターと中空構造が形成されたステーターを具備し、直径0.1mmのジルコニアビーズが0.8リットル充填されたミル容積1リットルの図1に示されるようなメディヤ型分散機に、ローター回転数2500rpm(周速7.9m/s),ミル内温度30〜38℃,240分間、循環方式で分散し、粘度1400mPa・s(TI値=5.9)にマスターバッチ(1−a)を調製した。
【0091】
なお、分散工程終了後のメデイヤについて目視検査を行ったがメデイヤの異常は認められなかった。
【0092】
さらに該マスターバッチの90%を排出後、7日間放置し、その後再び上記処方の各90%分を供給し240分間、循環方式で分散したところ、2回目のマスターバッチ(1−b)を得た。2回目の分散性は、1回目のマスターバッチを標準品とした塗工試験によって判断したが、何ら遜色のない着色力のものであった。なお、粘度は1150mPa・s(TI値=6.0)となった。各マスターバッチの物性を表1に示す。
【0093】
[マスターバッチの製造例2]
マスターバッチの着色剤処方を下記に示すように変更したほかは全て製造例1と同様の操作を行い、マスターバッチ(2−a/b)を得た。
【0094】
ロジン処理顔料 3kg
(C.I.Pig Yellow13 一次粒径0.06μm,SF−1=120)
サリチル酸誘導体(3) 20g
【0095】
1回目/2回目の各マスターバッチの物性を表1に示す。
【0096】
[マスターバッチの製造例3]
マスターバッチの着色剤処方を下記に示すように変更したほかは全て製造例1と同様の操作を行い、マスターバッチ(3−a/b)を得た。
【0097】
未処理顔料 4kg
(C.I.Pig Blue15:3 一次粒径0.31μm,SF−1=340)
【0098】
1回目/2回目の各マスターバッチの物性を表1に示す。
【0099】
[マスターバッチの製造例4]
マスターバッチの着色剤処方を下記に示すように変更したほかは全て製造例1と同様の操作を行い、マスターバッチ(4−a/b)を得た。
【0100】
未処理顔料 0.8kg
(C.I.Pig Yellow17 一次粒径0.08μm,SF−1=200)
油溶性染料 0.8kg
(C.I.Solvent Yellow162)
【0101】
1回目/2回目の各マスターバッチの物性を表1に示す。
【0102】
[マスターバッチの製造例5]
実施例1の処方の中でメデイヤの処方を下記に示すように変更したほかは全てマスターバッチの製造例1と同様の操作を行い、マスターバッチ(5−a/b)を得た。
【0103】
ジルコニアビーズ 直径5mm,充填量0.8リットル
【0104】
1回目/2回目の各マスターバッチの物性を表1に示す。
【0105】
[マスターバッチの製造例6]
実施例1の処方の中で撹拌の周速を6700rpm(周速21.2m/s)に変更したほかは全てマスターバッチの製造例1と同様の操作を行い、マスターバッチ(6−a/b)を得た。
【0106】
1回目/2回目の各マスターバッチの物性を表1に示す。
【0107】
[マスターバッチの製造例7]
マスターバッチの着色剤処方を下記に示すように変更したほかは全て製造例1と同様の操作を行い、マスターバッチ(7−a/b)を得た。
【0108】
未処理顔料 0.3kg
(C.I.Pig Yellow180 一次粒径0.26μm,SF−1=420)
油溶性染料 1.2kg
(C.I.Solvent Yellow162)
【0109】
1回目/2回目の各マスターバッチの物性を表1に示す。
【0110】
[マスターバッチの製造例8]
マスターバッチの処方を下記に示すように変更したほかは全て製造例1と同様の操作を行い、マスターバッチ(8−a/b)を得た。
【0111】
スチレン 24kg
ロジン処理顔料 6kg
(C.I.Pig Yellow17 一次粒径0.04μm,SF−1=230)
【0112】
1回目/2回目の各マスターバッチの物性を表1に示す。
【0113】
<実施例1>
イオン交換水709gに0.1M−Na3PO4水溶液451gを投入し60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて12,000rpmにて撹拌した。これに0.1M−CaCl2水溶液67.7gを徐々に添加し、Ca3(PO42を含む水系媒体を得た。
【0114】
マスターバッチ(1−a) 914g
スチレン 308g
n−ブチルアクリレート 225g
エステルワックス(m.p.72℃) 200g
飽和ポリエステル(Mn 22000,酸価 12) 130g
【0115】
上記の重合性単量体混合物を、60℃に加温しながらスターラーを用いて30分で分散液を調製した。
【0116】
上記分散液275gに重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10g、及びジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート1gを60℃で均一に溶解し、重合性単量体系を調製した。
【0117】
前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投入し、60℃,N2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10,000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体系を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、60℃で3時間反応させた後、液温80℃とし、10時間反応させた。
【0118】
その後、冷却し、塩酸を加え、Ca3(PO42を溶解させ、濾過、水洗、乾燥をして重合トナーを得た。得られたトナーの粒径は重量平均径7.5μmでシャープな粒度分布を有していた。また、DSC測定による吸熱ピークトップ温度は70℃であった。
【0119】
このトナーを用いて、キヤノン製フルカラー複写機CLC−700で画出しを行なった。
【0120】
また、同様にしてマスターバッチ(1−b)を用いてトナー化し、画出し評価を行なった。
【0121】
結果を表2に示す。なお、画像上の分散性は下記に述べる手段で行った。
【0122】
トナー7重量部に対し、アクリル樹脂コーティングされたフェライトキャリア93重量部を混合し、現像剤とする。
【0123】
得られた現像剤を用いて、定着温度を可変とし、上下ローラー材質をフッ素系とし、定着オイル塗布機構を省くよう改造したキヤノン製フルカラー複写機CLC700改造機にて、潜像を転写材上に転写し、画像を得た。
【0124】
このとき定着条件は、転写材としては光沢度4の秤量99g/m2紙を用い、トナーのり量0.5〜0.7mg/cm2の単色ベタ画像を得て、該画像を光沢度10〜15となるよう定着温度を調整した。
【0125】
また濃度条件は、コダック社製のグレースケールとカラーパッチを原稿とし、フルカラーコピー画像でグレースケールがなるべく忠実に再現できるよう調整し、単色コピーの最高濃度が1.1以上となるように濃度調節した。
【0126】
なお光沢度の測定にはJIS Z8741の方法2に準拠して行い、画像濃度は反射濃度計RD918(マクベス社製)で行った。
【0127】
そして本発明は彩度の値で評価を行い、彩度の測定は画像濃度が1.0の画像を分光測色計X−Rite SP−68(X−Rite製:観察条件=D65/2°)で測定した。
【0128】
<実施例2〜6、比較例1,2>
実施例1の処方の中で、マスターバッチを表1に示すように代えた他は全て実施例1と同様の操作を行い、トナーを得た。結果を表2に示す。
【0129】
<実施例7>
実施例1の処方の中で、飽和ポリエステルをスチレンアクリル樹脂(スチレン−MA:Mn=56000,酸価2)に変更したほかは全て実施例1と同様の操作を行い、トナーを得た。結果を表2に示す。
【0130】
【表1】
Figure 0003684076
【0131】
【表2】
Figure 0003684076
【0132】
【発明の効果】
本発明によれば、上記の如きマスターバッチ調製工程の採用により、着色剤の分散性に優れ、かつ、マスターバッチ間のばらつきが生じ難く、連続生産において効率良く重合トナーを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メディヤ型分散機の概略を示す説明図である。
【図2】他のメディヤ型分散機の概略を示す説明図である。
【図3】他のメディヤ型分散機の概略を示す説明図である。
【図4】他のメディヤ型分散機の概略を示す説明図である。
【図5】他のメディヤ型分散機の概略を示す説明図である。
【符号の説明】
1 原料投入口
2 排出口
3 ローター
4 ステーター
5 メデイヤ

Claims (7)

  1. 少なくとも重合性単量体と着色剤とを混合してマスターバッチを調製する工程と;該マスターバッチを重合性単量体を少なくとも含有する混合物中に希釈して単量体組成物を調製する工程と;該単量体組成物を水系媒体中に分散し単量体組成物の粒子を調製する工程と;得られた単量体組成物の粒子中の重合性単量体を重合する工程とを有する重合トナー製造方法であって、
    該マスターバッチを調製する際に、サリチル酸誘導体を添加してマスターバッチのチキソトロピー値(TI値)を3〜7に調整し、該サリチル酸誘導体が、下記に示す構造式を有する化合物であることを特徴とする重合トナーの製造方法。
    Figure 0003684076
    [R 1 ,R 2 は、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−オクチル基から選ばれる官能基を示す。]
  2. 該着色剤の一次粒子の形状が、形状係数SF−1で150〜400である粒子を主体としていることを特徴とする請求項1に記載の重合トナーの製造方法。
  3. 該着色剤が、ロジンまたはその変性樹脂によって処理された着色剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の重合トナーの製造方法。
  4. 該希釈単量体組成物が、数平均分子量(Mn)15000〜35000の重合体を含有していることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の重合トナーの製造方法。
  5. マスターバッチを調製する工程がメディヤ型分散機を用い、該マスターバッチの初期粘度を500mPa・s〜5000mPa・sの範囲に調整し、該調製液の分散後の粘度を初期粘度の0.3倍以上、1倍未満の範囲に制御する工程であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の重合トナーの製造方法。
  6. 前記メディヤ型分散機のメディヤの直径が、0.1mm〜5mmの範囲である請求項に記載の重合トナーの製造方法。
  7. 前記メディヤ型分散機のアジテーター先端部の周速が3m/s〜20m/sの範囲である請求項又はに記載の重合トナーの製造方法。
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