JPH08314184A - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及びその製造方法

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JPH08314184A
JPH08314184A JP7144180A JP14418095A JPH08314184A JP H08314184 A JPH08314184 A JP H08314184A JP 7144180 A JP7144180 A JP 7144180A JP 14418095 A JP14418095 A JP 14418095A JP H08314184 A JPH08314184 A JP H08314184A
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JP
Japan
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toner
colorant
resin
developing
electrostatic charge
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JP7144180A
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Tatsuhiko Chiba
建彦 千葉
Shinya Yanai
信也 谷内
Tatsuya Nakamura
達哉 中村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた着色剤分散性,造粒性及び帯電性を有
する静電荷像現像用トナーを提供するものである。 【構成】 少なくとも芳香族系重合性単量体及び着色剤
を含有する単量体組成物を水性媒体中で直接的に重合し
て得られた静電荷像現像用トナーにおいて、該着色剤が
+10mC/kg〜−150mC/kgの摩擦帯電特性
を有し、かつ該単量体組成物中にアルキレンビス脂肪酸
アミド化合物がトナー中の樹脂分に対して3重量%以下
含有されていることを特徴とする静電荷像現像用トナー
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法,静電印刷
法などにおいて形成される静電荷像を現像する静電荷像
現像用トナー及びその製造方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、少なくとも着色剤を含有
する単量体組成物を水性懸濁重合して得られた静電荷像
現像用トナー及びその製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、電子写真プロセスを用いる現像剤
は、ポリエステル・スチレン−アクリル・エポキシ樹脂
等に着色剤や荷電制御剤さらには離型剤を加え溶融混練
し、均一に分散せしめた後、所定の粒度に粉砕しさらに
過剰の微/粗粉現像剤を分級器を用い除去する粉砕法に
よる製造方法が一般的である。
【0004】しかしながら、最近の更なる高画質化に伴
い現像剤を更に小粒径化することが必要になってきた。
【0005】もっとも、コールターカウンターにより測
定した粒度が9μm以下になるに従い、従来では問題に
ならなかった使用原材料の均一分散性や効率の高い粉砕
性、更にはシャープな粒度分布に現像剤を分級すること
が極めて難しくなる傾向にある。
【0006】これら粉砕法による現像剤の問題点を克服
するため、特公昭36−10231号,特公昭43−1
0799号及び特公昭51−14895号公報等により
懸濁重合法による現像剤の製造方法が提案されている。
懸濁重合法においては重合性単量体・着色剤・重合開始
剤、更に必要に応じて架橋剤・荷電制御剤・その他添加
剤を、均一に溶解または分散せしめて単量体組成物とし
た後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続
相、たとえば水相中に適当な撹拌機を用いて分散し、同
時に重合反応を行わせ、所望の粒径を有する現像剤を得
る方法である。
【0007】この製造方法は、粉砕工程を経ないため現
像剤に脆性を付与せしめる必要がなく、更に従来の粉砕
法では使用することができなかった低軟化点物質を多量
に使用することができる等の材料の選択幅が広がる。ま
た現像剤粒子表面に疎水性の材料である離型剤や着色剤
等が露出しづらく、このため現像剤保持部材・感光体・
転写ローラー・定着器等への汚染が少ない等の特徴を有
し最近注目されている。
【0008】更に近年、デジタルフルカラー複写機やプ
リンターが実用化され、トナーにおいては画像忠実性,
離型性,色再現性等の特色をさらに向上させる必要が生
じてきた。
【0009】画像忠実性に求められる要求品質として、
デジタルフルカラー複写機においては白黒複写機と較べ
多量の現像剤を感光体から転写材に転写させる必要があ
ることや、将来の更なる高画質化に対応すべくより微小
ドットに対応した現像剤の微小粒径化の要求が予想され
る。
【0010】この点からも比較的容易に粒度分布がシャ
ープで微小粒径の現像剤が製造できる重合法は優れた特
性を有している。
【0011】また、近年のプリンターの普及に伴う新た
なユーザー指向、すなわち写真製版印刷等の他の光沢の
ない印刷物と同様な画像を好むという指向のために、従
来以上の着色力向上が必要となっている。
【0012】すなわち、光沢のない印刷物では画像表面
の光が散乱し画像濃度が低下するため、着色剤の分散性
が大きなファクターとなってくる。
【0013】着色剤の分散性に関しては、従来より重合
法でも例えば特開昭56−116044号公報のように
着色剤をグラフトした後使用する方法、特開昭58−7
648号公報のようにカップリング剤系分散剤で処理し
た着色剤を使用する方法、特開昭64−59242号公
報のように界面活性剤系の分散剤で処理した着色剤を使
用する方法等が提案されてきた。
【0014】これらの方法は確かにある程度の分散性向
上効果を生み、着色力の向上を図ることができる。しか
しながら、微小粒径のトナー粒子を水性媒体中で製造す
る場合、従来の方法では不十分な点がいくつか発生する
ことが分かってきた。
【0015】例えば特開昭56−116044号公報の
ようにグラフトした後使用する方法等では製造コストが
かかり、グラフトに使用した単量体重合物等の影響のた
め造粒性の点でやや不十分となる。
【0016】また特開昭58−7648号公報や特開昭
64−59242号公報のようにカップリング剤・界面
活性剤系の分散剤で処理した着色剤を使用する場合は、
処理剤によって帯電特性が悪化し、カブリ易くなる。
【0017】このようにトナーを微小粒径化する場合、
着色剤の分散性に関して満足できる性能のものは未だ得
られていないのが現状である。
【0018】さらに、多くの着色剤が極性基を有するた
め、その水性媒体中での挙動は粉砕法とは異なるものと
なる。
【0019】すなわち、水系媒体中で単量体系が分散さ
れるとき、その界面には電気2重層に基づく電気的界面
が形成されるが、一般に芳香族系単量体は着色剤よりも
疎液性且つ帯電性を有しないため、トナー表面には着色
剤が偏在しやすい。
【0020】この着色剤の極性及び帯電力によって、単
量体油滴界面の安定性やトナー上での着色剤の分散性が
変化するため、トナー性能に様々な影響が与えられる。
【0021】つまり着色剤によって、得られるトナーの
粒度分布や、着色力、トナー帯電性等が大きな影響を受
ける。
【0022】この観点での有効な従来の技術としては、
前記した着色剤を分散安定化する方法や、特開平5−8
8409号公報に記載されるように極性樹脂を添加して
非極性のワックスを内包化する方法等が挙げられるが、
いずれも着色剤の帯電性を制御していないため粒度分布
や帯電性等には未だ不十分なものであった。
【0023】また将来のプリンターや複写機の高速化や
フルカラー化に伴い、低温定着性の向上も重要な要素と
なる。
【0024】一般的に黒トナーは、定着時の耐高温オフ
セット性を向上させる為にポリエチレンワックスやポリ
プロピレンワックス等の比較的離型性の高い結晶性の材
料を用いているが、カラートナーに上記のようなワック
スを用いた場合にはこの離型剤の結晶性の高さのためO
HPに出力した際著しく透明性が阻害される。
【0025】このため、通常カラートナー構成成分とし
て離型剤を添加せずに加熱定着ローラーへシリコーンオ
イル等を均一塗布せしめることで、結果的に耐高温オフ
セット性の向上を図っている。しかしながら、このよう
にして得られた出力転写部材は、その表面に余分のシリ
コーンオイル等が付着するため、ユーザーが使用する際
に不快感を生じ好ましくない。
【0026】このため、現像剤中に多量の低軟化点物質
を含有せしめたオイルレス定着用の現像剤の検討も行わ
れているが、低温定着性と透明性に優れ、同時に耐高温
オフセット性を示す現像剤は、未だ充分満足するものは
得られていない。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
如き欠点を解決し、画像上で極めて鮮明な色彩が得られ
る静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供するも
のである。
【0028】すなわち本発明の目的は、少なくとも芳香
族系重合性単量体及び着色剤を含有する単量体組成物を
水性媒体中で直接的に重合して得るトナーにおいて、優
れた着色剤分散性,造粒性及び帯電性を有する静電荷像
現像用トナーを提供するものである。
【0029】本発明のさらなる目的は、定着性及び透明
性に優れた静電荷像現像用トナーを提供するものであ
る。
【0030】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の目的
は、少なくとも芳香族系重合性単量体及び着色剤を含有
する単量体組成物を水性媒体中で直接的に重合して得ら
れた静電荷像現像用トナーにおいて、該着色剤として+
10mC/kg〜−150mC/kgの帯電量を有する
ものを用い、かつ該単量体組成物中にアルキレンビス脂
肪酸アミド化合物がトナー中の樹脂分に対して3重量%
以下含有させることによって達成される。
【0031】以下本発明を詳細に説明する。
【0032】本発明の特徴の一つは、中性〜ネガ性の着
色剤とアルキレンビス脂肪酸アミド化合物を、水性媒体
中で重合するトナーに使用することである。
【0033】先に述べたように水性媒体中で電気的界面
が生じるために、水性媒体や分散安定剤と同一の電荷を
有する中性〜ネガ性の着色剤は油滴表面に偏在しやす
く、そのまま使用すると着色剤の分散性や造粒性が不十
分となる。また、トナー表面に着色剤が析出する場合も
あり、特に光沢度の低い場合の画像濃度や定着性に悪影
響を与える。
【0034】しかし、ネガ帯電性のトナーに対しては、
中性〜ネガ性の着色剤は帯電速度の面で助剤として働く
ことが分かった。
【0035】そこで本発明者らは、疎水性且つある程度
電荷を打ち消す作用を有する着色剤処理剤を種々検討し
た結果、着色剤の帯電性を損なわない範囲でアルキレン
ビス脂肪酸アミド化合物を添加すると、造粒性,帯電性
等に良好な結果が得られることを見いだした。
【0036】なお、着色剤とアミドワックスを同時に添
加した公知の技術としては、特開昭60−163050
号公報,特開昭60−254154号公報,特開昭63
−55563号公報,特開昭63−58354号公報,
特開昭63−174063号公報,特開平4−2775
3号公報,特開平6−180551号公報等多数ある
が、これら従来技術を単に使用しただけでは帯電・着色
力・造粒安定性まで含めた本発明の効果を得るには不十
分であった。
【0037】まず、本発明における着色剤について述べ
る。
【0038】本発明における着色剤は、アルキレンビス
脂肪酸アミド化合物を吸着させて改質させるという特性
と、着色剤の帯電性がある程度無いと帯電助剤効果が薄
れる特性のために、着色剤はある範囲のネガ帯電性があ
ることが好ましく+10mC/kg〜−150mC/k
g、より好ましくは−5mC/kg〜−100mC/k
gの帯電量を有することが好ましい。
【0039】着色剤の帯電性が+10mC/kg(より
好ましくは−5mC/kg)よりも正帯電性であると、
水性懸濁重合において着色剤がアルキレンビス脂肪酸ア
ミド化合物を吸着することが困難となるので本発明の効
果が得られない。
【0040】また、単量体系中にネガ性帯電制御剤が含
まれている場合、帯電制御剤を媒介として着色剤の凝集
が生じ、トナー着色力が低下する。
【0041】着色剤の帯電性が−150mC/kg(よ
り好ましくは−100mC/kg)よりも負帯電性であ
ると、本発明のワックスの吸着作用だけではその負帯電
性を制御できず、着色剤の分散性や造粒性が不十分とな
る。
【0042】本発明における着色剤の好適な例として
は、 (イエロー) ピグメントイエロー2/3/4/5/6/7/13/1
7/93/95/174/180 (マゼンタ) ピグメントレッド3/5/7/8/12/122/20
5/207 (シアン) ピグメントブルー15/16/17 等の着色剤が挙げられるが、公知の着色剤で本発明の範
囲に入るものであればこれに限られるものではない。
【0043】また、一般に着色剤の帯電量はその構造由
来であることがほとんどであるが、ポリエステル・スル
ホン酸系樹脂・カルボン酸系樹脂等のネガ性改質剤によ
って処理されていてもよい。
【0044】さらに本発明の範囲をはずれる着色剤で
も、表面処理剤やロジン等の改質剤を組み合わせること
で本発明の範囲に入るものであれば使用できる。しか
し、本発明は水性媒体中で重合するためにこれら処理剤
が重合阻害性を有したり、界面活性剤効果を伴っている
場合は必ずしも好ましい方法ではない。
【0045】また、アルキレンビス脂肪酸アミド化合物
の吸着性には着色剤の構造そのものも効果があり、該着
色剤が下記に示すようなPigY.13,17,93,
95,174,180等の群より選ばれる(ジス/縮
合)アゾ着色剤である場合最も効果がある。
【0046】
【化1】
【0047】
【化2】
【0048】
【化3】
【0049】
【化4】
【0050】
【化5】
【0051】
【化6】
【0052】なお、本発明の着色剤はトナー中の樹脂分
100重量部に対して、1〜15重量部含有されている
ことが好ましく、3〜12重量部含有されていることが
より好ましい。
【0053】次に、本発明で用いられるアルキレンビス
脂肪酸アミド化合物について述べる。
【0054】本発明においてアルキレンビス脂肪酸アミ
ド化合物は着色剤の改質剤としての効果と、余剰のビス
脂肪酸アミドによる樹脂の可塑化の効果の両方に作用す
る。ただし、アミド化合物が過剰になると水性媒体中の
表面に偏在して可塑化するため、アミド化合物の構造,
添加量に自ら制限が加えられる。
【0055】アルキレンビス脂肪酸アミド化合物は、一
般のアミドワックスと比較して分子両端にアルキル鎖が
結合しているため、非水性となる。そのため未吸着のア
ルキレンビス脂肪酸アミド化合物が残存している場合で
も表面可塑化が生じにくい。
【0056】本発明のアルキレンビス脂肪酸アミド化合
物は、例えば次のような構造式で表わされるのを代表例
として挙げることができる。
【0057】
【化7】
【0058】なお、市販されている前記一般式で示され
るアルキレンビス脂肪酸アミド化合物としては、例えば
下記の如きものを挙げることができる。
【0059】「ビスアマイド」(日本水素工業社製) 「ブラストフロー」(日東化学社製) 「ダイヤミツド200ビス」(日本水素工業社製) 「ルブロンE」(日本水素工業社製) 「アルフローH50S」(日本油脂社製) 「アルフローV−60」(日本油脂社製) 「アマイド−6L」(川研ファインケミカル社製) 「アマイド−7S」(川研ファインケミカル社製) 「ヘキストワックスC」(ヘキストジャパン製) 「ノブコワックス−22DS」(ノブコケミカル社製) 「アドバワックス−280」(アドバンス社製) 「カオーワックス−EB」(花王石鹸社製)
【0060】上記構造式で示されるアルキレンビス脂肪
酸アミド化合物は、一般に脂肪酸部分の炭素数及びアル
キレン鎖の長さが大であるほど軟化点が高いものとなる
が、芳香族系単量体への溶解性・分散性が必須の要件で
あるという観点から、70〜170℃の軟化点、好まし
くは75〜150℃の軟化点を有するものが好ましい。
【0061】このため、アルキレン鎖は炭素数が5以下
であるアミド化合物を選択することが好ましい。
【0062】本発明のアルキレンビス脂肪酸アミド化合
物の添加量は、トナー中の樹脂分に対して3重量%以下
であることが必要である。また、着色剤に対しては、着
色剤の比表面積や比重によっても異なるが、着色剤10
0重量部に対して0.5〜30重量部、より好ましくは
2〜20重量部であり、本発明では着色剤との間に下記
式(I)に示す関係が保たれるようにアミド化合物を添
加することが好ましい。
【0063】 0.05≦P/A・PC≦30 (I)
【0064】[式中、Aはアルキレンビス脂肪酸アミド
化合物の添加量(部)、Pは着色剤の添加量(部)、P
Cは着色剤の帯電量の絶対値(mC/kg)を示す。]
【0065】また、該アミド化合物はトナー中の樹脂分
100重量部に対して3重量部以下、好ましくは0.0
01〜2.5重量部含有されていることが良い。
【0066】本発明のアルキレンビス脂肪酸アミド化合
物の添加量がトナー中の樹脂分に対して3重量%を超え
ると、化合物の極性のために製造中にトナー表面に偏析
し易くなり、製造性が悪化する。また、トナー表面の可
塑効果を生み出すので転写性や画質が悪化する。
【0067】また、該アミド化合物が着色剤100重量
部に対して0.5重量部未満(より好ましくは2重量部
未満)であると、着色剤への改質効果が小さいため本発
明の効果が得られない。着色剤100重量部に対して3
0重量部(より好ましくは20重量部)を超えると、余
剰のアミド化合物がトナー表面の可塑効果を生み出すの
で転写性や画質が悪化する。さらにこの場合、アミド化
合物の結晶性によってフルカラー画像ではOHP透明性
が低下する。
【0068】また、上記範囲を満足している場合でも式
(I)に示す関係が成立しない場合には、着色剤とアミ
ド化合物間の帯電量バランスが崩れるため、本発明の効
果が得られにくくなる。
【0069】更に、トナー中の芳香族系単量体成分10
0重量部に対して該アミド化合物の含有量が0.001
重量部未満であると、該アミド化合物がほぼ完全に単量
体成分中へ溶解分散するため、着色剤への吸着効果が得
られない。またトナー中の芳香族系単量体成分100重
量部に対して該アミド化合物の含有量が2.5重量部を
超えると、トナー重合時に該アミド化合物同士での凝集
が始まってしまい、結果として造粒性が悪化する。
【0070】本発明においては、あらかじめ該着色剤と
該アルキレンビス脂肪酸アミド化合物を予備分散するこ
とによって、一層本発明の効果が発揮される。
【0071】すなわち、予備分散によって着色剤は解砕
されつつアミド化合物になじむために再凝集されにくく
なり、結果として着色剤の分散性が向上する。
【0072】本発明において上記の予備分散工程に用い
られる装置としては、公知の撹拌・分散装置が使用で
き、例えば、パドル翼、TKホモミキサー(特殊機化
製)、ホモジナイザー(ゴーリン社製)、エバラマイル
ダー(荏原製作所)、アトライター、ボールミル、コボ
ールミル(神鋼パンテック社製)等が挙げられるが、こ
の中では剪断性が大きいメディア型の分散機が好まし
い。
【0073】剪断装置により最適値は異なるが、前記グ
ラフト化工程において反応前の初期粘度が0.5〜10
0mPa・sであるように調整し、グラフト処理後の粘
度が初期粘度の5〜2000倍であるように調整するこ
とが好ましい。上記範囲より外れると、分散機の能力が
発揮され難くなるため、分散性が低下する。
【0074】本発明においては、該単量体組成物中に溶
解性パラメーター(SP値)が15〜25である樹脂を
トナー中の樹脂に対して0.01〜15重量%含有する
ことをさらなる特徴とする。
【0075】本発明では該アミド化合物を含有すること
により着色剤の帯電性を適度に制御し、本発明の効果を
得ているが、過剰の該アミド化合物は単量体油滴表面に
偏在しやすい傾向があるため、より一層のアミド化合物
及び着色剤の内包化技術が必要である。
【0076】そこで本発明者らは検討の結果、該アミド
化合物の溶解性パラメーター(SP値)よりも若干高い
樹脂を単量体中に添加することでトナー表面の可塑化が
防げることを見いだした。
【0077】本発明でのSP値の計算方法は、日本接着
学会誌Vol 29 No.5(1993)p8〜15
に記載の手法によって求めたものとする。
【0078】SP値が15未満であると、アミド化合物
との相溶性の差が小さくなるため本発明の効果が得られ
ない。またSP値が25を超えると、該樹脂の表面極在
化が促進されすぎ、水性媒体中で該樹脂の乳化粒子が多
数生成されるため、結果として粒度分布が悪化する。
【0079】該樹脂の添加量はその分子量によって多少
左右されるが、内包化するための最低量及び水性媒体中
重合する場合の重合安定性の面より、トナー中の樹脂に
対して0.01〜15重量%含有されていることが好ま
しい。
【0080】樹脂の添加量がトナー中の樹脂に対して
0.01重量%未満であると、該アミド化合物を内包化
するための最低量を下回るため、添加による効果がみら
れない。また樹脂の添加量がトナー中の樹脂に対して1
5重量%を超えると、重合時の液滴安定性が極めて低下
するため、粒度分布が悪化する。
【0081】本発明においては上記の樹脂として使用で
きる樹脂は、一般的に用いられるスチレン−(メタ)ア
クリル共重合体,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,ス
チレン−ブタジエン共重合体を利用することができる。
【0082】そしてこれらの中で流動性等の観点より、
該樹脂が少なくとも酸基を有するスチレンアクリル樹脂
・ポリエステル・エポキシ樹脂・ウレタン樹脂の群から
選ばれる樹脂であることが好ましい。
【0083】重合法による直接トナーを得る方法におい
ては、それらの単量体が好ましく用いられる。具体的に
はスチレン,o(m−,p−)−メチルスチレン,m
(p−)−エチルスチレン等のスチレン系単量体;(メ
タ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,
(メタ)アクリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチ
ル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸
ドデシル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)ア
クリル酸ベヘニル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキ
シル,(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メ
タ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アク
リル酸エステル系単量体;ブタジエン,イソプレン,シ
クロヘキセン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸
アミド等のエン系単量体が好ましく用いられる。これら
は、単独または一般的には出版物ポリマーハンドブック
第2版III−P139〜192(John Wile
y&Sons社製)に記載の理論ガラス温度(Tg)
が、40〜85℃を示すように単量体を適宜混合し用い
られる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合には、
トナーの保存安定性やトナーの耐久安定性の面から問題
が生じ、一方85℃を超える場合は結晶性部分の残存に
よる粒塊が画像上に生じ、特にフルカラートナーの場合
においてはOHP画像の透明性を著しく低下させ高画質
の面から好ましくない。
【0084】重合した樹脂の分子量は、GPC(ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー)により測定され
る。具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーを
ソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20時間抽出
を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留
去せしめ、更に低軟化点物質は溶解するが樹脂は溶解し
得ない有機溶剤(例えばクロロホルム)を加え十分洗浄
を行った後、THF(テトラヒドロフラン)に可溶した
溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィル
ターでろ過したサンプルをウォーターズ社製150Cを
用い、カラム構成は昭和電工製A−801、802、8
03、804、805、806、807を連結し標準ポ
リスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定し得
る。得られた樹脂成分の数平均分子量(Mn)は、50
00〜1,000,000で有り、重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、2
〜100を示す樹脂が本発明には好ましい。
【0085】本発明においては、離型作用を付与するた
め樹脂中に低軟化点物質を添加せしめても良い。
【0086】本発明に用いられる低軟化点物質としては
ASTM D3418−8に準拠し測定された主体極大
ピーク値が50〜180℃を示す化合物が好ましい。
【0087】極大ピーク値が50℃未満であると、低軟
化点物質の自己凝集力が弱くなり、結果として耐高温オ
フセット性が弱くなり特にフルカラー現像剤には好まし
くない。一方、極大ピーク値が180℃を超えると、現
状のところ軟化点物質の結晶性・分散性が劣化するため
定着性・透明性の面から好ましくない。
【0088】本発明の極大ピーク値の温度の測定には、
例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用いる。装置
検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱
量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サン
プルはアルミニウム製パンを用い対照用に空パンをセッ
トし、昇温速度10℃/min.で測定を行う。
【0089】具体的にはパラフィンワックス、ポリオレ
フィンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、
エステルワックス、高級脂肪酸及びこれらのグラフト/
ブロック化合物等が利用できる。
【0090】本発明に用いられる荷電制御剤としては、
公知のものが利用できるが、無色でトナーの帯電スピー
ドが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制
御剤が好ましい。更に本発明において直接重合法を用い
る場合には、重合阻害性が無く水系への可溶化物の無い
荷電制御剤が特に好ましい。具体的化合物としては、ネ
ガ系としてサリチル酸,ナフトエ酸,ダイカルボン酸の
金属化合物、スルホン酸,カルボン酸を側鎖に持つ高分
子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合
物、カリークスアレーン等が利用でき、ポジ系として四
級アンモニウム塩,該四級アンモニウム塩を側鎖に有す
る高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化
合物等が好ましく用いられる。該荷電制御剤は樹脂10
0重量部に対し0.5〜10重量部が好ましい。しかし
ながら、本発明において荷電制御剤の添加は必須ではな
く、二成分現像方法を用いた場合においては、キャリヤ
ーとの摩擦帯電を利用し、非磁性一成分ブレードコーテ
ィング現像方法を用いた場合においてもブレード部材や
スリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用することでト
ナー中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0091】本発明に直接重合法を利用する場合には、
重合開始剤として例えば、2,2’−アゾビス−(2,
4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサ
ン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−
メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス
イソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始
剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペル
オキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、ク
メンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイル
ペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系
重合開始剤が用いられる。該重合開始剤の添加量は、目
的とする重合度により変化するが一般的には単量体に対
し0.5〜20重量%添加され用いられる。重合開始剤
の種類は、重合法により若干異なるが、十時間半減期温
度を参考に、単独又は混合し利用される。
【0092】重合度を制御するため公知の架橋剤,連鎖
移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能で
ある。
【0093】本発明のトナー製造方法として水性媒体中
での重合法を利用する場合には、用いる分散剤として
は、無機化合物として、リン酸三カルシウム,リン酸マ
グネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カ
ルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸
化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カル
シウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイ
ト,シリカ,アルミナ,磁性体,フェライト等が挙げら
れる。有機化合物としては、ポリビニルアルコール,ゼ
ラチン,メチルセルロース,メチルヒドロキシプロピル
セルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセル
ロースのナトリウム塩,デンプン等を水相に分散させて
使用できる。これら分散剤は、重合性単量体100重量
部に対して0.2〜2.0重量部を使用することが好ま
しい。
【0094】これら分散剤は、市販のものをそのまま用
いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得
るために、分散媒中にて高速撹拌下にて該無機化合物を
生成させることもできる。例えば、リン酸三カルシウム
の場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液
と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合法に
好ましい分散剤を得ることができる。
【0095】また、これら分散剤の微細化の為に、0.
001〜0.1重量部の界面活性剤を併用してもよい。
具体的には市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界
面活性剤が利用でき、例えば、ドデシルベンゼン硫酸ナ
トリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル
硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸
ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリ
ウム,オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
【0096】各種トナー特性付与を目的とした添加剤と
しては、トナー中に、あるいはトナーに添加した時の耐
久性の点から、トナー粒子の体積平均径の1/10以下
の粒径であることが好ましい。この添加剤の粒径とは、
電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めた
その平均粒径を意味する。これら特性付与を目的とした
添加剤としては、たとえば、以下のようなものが用いら
れる。
【0097】1)流動性付与剤:金属酸化物(酸化ケイ
素,酸化アルミニウム,酸化チタンなど)・カーボンブ
ラック・フッ化カーボンなど。それぞれ、疎水化処理を
行ったものが、より好ましい。
【0098】2)研磨剤:金属酸化物(チタン酸ストロ
ンチウム,酸化セリウム,酸化アルミニウム,酸化マグ
ネシウム,酸化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素な
ど)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシ
ウム,硫酸バリウム,炭酸カルシウムなど)など。
【0099】3)滑剤:フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニ
リデン,ポリテトラフルオロエチレンなど)・脂肪酸金
属塩(ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムな
ど)など。
【0100】4)荷電制御性粒子:金属酸化物(酸化
錫,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化ケイ素,酸化アルミニ
ウムなど)・カーボンブラックなど。
【0101】これら添加剤は、トナー粒子100重量部
に対し、0.1〜10重量部が用いられ、好ましくは、
0.1〜5重量部が用いられる。これら添加剤は、単独
で用いても、また、複数併用しても良い。
【0102】本発明のトナー製造方法に直接重合法を用
いる場合においては、以下の如き製造方法によって具体
的にトナーを製造することが可能である。
【0103】即ち、重合性単量体中に低軟化点物質から
なる離型剤,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤,その他
の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によ
って均一に溶解又は分散せしめた単量体系を、分散安定
剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモミキサ
ー,ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは
単量体液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように
撹拌速度,時間を調整し、造粒する。その後は分散安定
剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降
が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40
℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合
を行うのが良い。また、重合反応後半に昇温しても良
く、更に、現像剤定着時の臭いの原因等となる未反応の
重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、
又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。懸
濁重合法においては、通常単量体系100重量部に対し
て水300〜3000重量部を分散媒として使用するの
が好ましい。
【0104】本発明における各種測定方法について述べ
る。
【0105】まず、本発明における粒度分布測定につい
て述べる。
【0106】測定装置としてはコールターカウンターT
AーII型(コールター社製)を用い、個数平均分布,
体積平均分布を出力するインターフェイス(日科機製)
及びCX−1パーソナルコンピューター(キヤノン製)
を接続し電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%Na
Cl水溶液を調製する。
【0107】測定法としては前記電解水溶液100〜1
50ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアル
キルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さら
に測定試料を0.5〜50mg加える。試料を懸濁した
電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行
い、前記コールターカウンターTA−II型により、ア
パチャーとして100μmアパチャーを用いて2〜40
μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布,個数平
均分布を求める。
【0108】これら求めた体積平均分布,個数平均分布
より、重量平均粒径D4を得る。
【0109】次に本発明における摩擦帯電量測定方法に
ついて述べる。
【0110】図1はトナー及び着色剤のトリボ電荷量を
測定する装置の説明図である。
【0111】まず、測定する現像剤を準備する。
【0112】摩擦帯電量を測定しようとするトナー(ま
たは着色剤)とキャリアの混合物を50〜100ml容
量のポリエチレン製のビンに入れ、約5分手で振とうし
て帯電現像剤とする。
【0113】ここで測定するものがトナーの場合、該キ
ャリアはシリコーンコートされたフェライトキャリア
(400メッシュパス品)とし、トナーとキャリアの重
量比は7:93とする。また、測定するものが着色剤の
場合、該キャリアは酸化還元鉄粉キャリア(TEFV:
250メッシュパス350メッシュオン:パウダーテッ
ク)とし、着色剤とキャリアの重量比は0.5:99.
5とする。
【0114】次に底に500メッシュのスクリーン3の
ある金属製の測定容器2に、該混合物(現像剤)W
0(g:約0.5〜1.5g)を入れ金属製のふた4を
する。このときの測定容器2全体の重量を秤りW
1(g)とする。次に吸引機1(測定容器2と接する部
分は少なくとも絶縁性)において、吸引口7から吸引し
風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を2450hP
aとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行
いトナー(着色剤)を吸引除去する。
【0115】このときのトナー(着色剤)の摩擦帯電特
性を示す帯電量Q(mC/kg)はトナー(着色剤)1
00%補正をすると下記のように定義される。
【0116】
【数1】 (V(ボルト):電位計9の電位、C(μF):8のコ
ンデンサー容量、W2(g):吸引後の測定容器の重
量、T:トナー/キャリア比)
【0117】次に本発明における着色力の評価方法につ
いて述べる。
【0118】まず本発明のトナー7重量部に対し、シリ
コーン樹脂コーティングされたフェライトキャリア93
重量部を混合し、現像剤とする。
【0119】得られた現像剤を用いて、定着温度を可変
とし、ローラー材質(PFAチューブタイプ)定着オイ
ル塗布機構を省くよう改造したキヤノン製フルカラー複
写機CLC500改造機にて、潜像を転写材上に転写
し、画像を得た。
【0120】このとき定着条件は転写材としては光沢度
4の秤量99g/m2紙を用い、トナーのり量0.5〜
0.7mg/cm2の単色ベタ画像を得て、該画像を光
沢度10〜15になるよう定着温度を調整した。本発明
においてはトナーのり量0.5mg/cm2の単色ベタ
画像の画像濃度をもって着色力とする。
【0121】なお光沢度の測定にはJIS Z8741
の方法2に準拠して行い、画像濃度は反射濃度計RD9
18(マクベス社製)で測定した。
【0122】
【実施例】本発明を以下に実施例を示すことで具体的に
説明する。
【0123】実施例1 本実施例に用いるトナーは、次の如くして調製した。高
速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットル用四
つ口フラスコ中に、イオン交換水710重量部と0.1
モル/リットル−Na3PO4水溶液450重量部を添加
し回転数を12000回転に調整し、65℃に加温せし
めた。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液
68重量部を徐々に添加し微小な難水溶性分散剤Ca3
(PO42を含む分散媒系を調製した。一方、分散質系
は、 スチレン単量体 155重量部 n−ブチルアクリレート単量体 45重量部 C.I.ピグメントイエロー180 15重量部 飽和ポリエステル(SP値20.5) 10重量部 テレフタール酸−プロピレンオキサイド変性 ビスフェノールA−トリメリット酸 (酸価15,ピーク分子量6000) サリチル酸金属化合物 2重量部 アミドワックス(極大ピーク値165℃)[一般式(11)] 2重量部 エステルワックス(極大ピーク値70℃) 15重量部 上記混合物をアトライターを用い3時間分散させた後、
重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)10重量部を添加して分散質系を調
製した。この分散物を前記分散媒中に投入し回転数を維
持しつつ15分間造粒した。その後高速撹拌器からプロ
ペラ撹拌羽根に撹拌器を変え、内温を80℃に昇温させ
50回転で重合を10時間継続させた。重合終了後スラ
リーを冷却し、希塩酸を添加し分散剤を除去せしめた。
【0124】更に洗浄し乾燥を行うことでコールターカ
ウンターで測定したイエロートナーの重量平均径は、
6.9μmであり極めてシャープな粒度分布を示した。
【0125】得られた粒子に疎水化処理酸化チタンを2
%外添し流動性に優れたトナーを得た。そして帯電性と
着色力を測定したところ、振盪1分後,5分後とも−2
5mC/kgであり、着色力も1.3と帯電性も着色力
も優れたものであった。
【0126】比較例1 実施例1の処方の中でアミドワックス(極大ピーク値1
65℃)2重量部を除いた他は全て実施例1と同様の操
作を行いイエロートナーを得た。トナーの重量平均径は
10.5μmであり、幅の広い粒度分布となった。
【0127】また、得られたトナーの帯電性・着色力評
価を実施例1と同様に行ったところ、帯電性は振盪1分
後は−10mC/kg、5分後は−22mC/kgであ
り立ち上がり傾向が見られた。着色力は1.16であっ
た。
【0128】実施例2 実施例1の処方の中でC.I.ピグメントイエロー18
0をC.I.ピグメントレッド202に変更した他は実
施例1と同様の操作を行いマゼンタトナーを得た。トナ
ーの重量平均径は6.5μmであり、極めてシャープな
粒度分布を示した。
【0129】得られたトナーの帯電性・着色力評価を実
施例1と同様に行ったところ、帯電性は、振盪1分後は
−20mC/kg、5分後は−23mC/kgであり若
干の立ち上がり傾向が見られたが、着色力は1.24と
実用上問題ないレベルであった。
【0130】比較例2 実施例1の処方の中でC.I.ピグメントイエロー18
0をロジンで表面処理したC.I.ピグメントレッド2
02に変更した他は実施例1と同様の操作を行いマゼン
タトナーを得た。トナーの重量平均径は、6.5μmで
あり、極めてシャープな粒度分布を示した。
【0131】得られたトナーの帯電性・着色力評価を実
施例1と同様に行ったところ、帯電性は、振盪1分後は
−15mC/kg、5分後は−20mC/kgであり若
干の立ち上がり傾向が見られ、絶対値がやや低いもので
あった。着色力は1.22と実用上問題ないレベルであ
った。
【0132】実施例3 実施例1の処方の中で飽和ポリエステル10重量部をス
チレン−メタクリル酸共重合体(SP値14.8)0.
5重量部に変更した他はすべて同様の操作を行いイエロ
ートナーを得た。トナーの重量平均径は、6.7μmで
あり、極めてシャープな粒度分布を示した。
【0133】得られたトナーの帯電性・着色力評価を実
施例1と同様に行ったところ、帯電性は、振盪1分後は
−23mC/kg、5分後は−25mC/kgであり若
干の立ち上がり傾向が見られたが、着色力は1.28と
実用上問題ないレベルであった。
【0134】また、トナー凝集性が実施例1と比較して
やや悪く、同一トナーのり量とするために現像コントラ
スト(V)を50V上げる必要があった。
【0135】比較例3 実施例1の処方の中でアトライターを用い3時間分散さ
れる工程を省き、重合直前に全ての材料を加えてパドル
撹拌によって混合し重合せしめたことを除いては全て実
施例1と同様の操作を行い、イエロートナーを得た。ト
ナーの重量平均径は9.5μmであり、幅の広い粒度分
布となった。
【0136】また、得られたトナーの帯電性・着色力評
価を実施例1と同様に行ったところ、帯電性は振盪1分
後は−19mC/kg、5分後は−24mC/kgであ
り、立ち上がり傾向が見られた。着色力は1.18であ
った。
【0137】以上の実施例及び比較例の結果を表1にま
とめて示す。
【0138】
【表1】
【0139】
【発明の効果】本発明によれば、中性〜ネガ性の着色剤
の帯電性を損なわない範囲でアルキレンビス脂肪酸アミ
ド化合物を重合トナーに用いているため、帯電性,着色
力及び造粒安定性のいずれの特性にも優れたトナーを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナー及び着色剤のトリボ電荷量を測定するた
めの装置の説明図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 384

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも芳香族系重合性単量体及び着
    色剤を含有する単量体組成物を水性媒体中で直接的に重
    合して得られた静電荷像現像用トナーにおいて、 該着色剤が+10mC/kg〜−150mC/kgの摩
    擦帯電特性を有し、かつ該単量体組成物中にアルキレン
    ビス脂肪酸アミド化合物がトナー中の樹脂分に対して3
    重量%以下含有されていることを特徴とする静電荷像現
    像用トナー。
  2. 【請求項2】 該着色剤は摩擦帯電特性が−5mC/k
    g〜−100mC/kgであることを特徴とする請求項
    1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 該単量体組成物中に、溶解性パラメータ
    ー(SP値)が15〜25である樹脂をトナー中の樹脂
    に対して0.01〜15重量%含有することを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 該樹脂が少なくとも酸基を有するスチレ
    ンアクリル樹脂・ポリエステル・エポキシ樹脂・ウレタ
    ン樹脂の群から選ばれる樹脂を含むことを特徴とする請
    求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 該着色剤がPigY.13,17,9
    3,95,174,180等の群より選ばれる(ジス/
    縮合)アゾ着色剤であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 【請求項6】 少なくとも芳香族系重合性単量体及び着
    色剤を含有する単量体組成物を水性媒体中で直接的に重
    合して得る静電荷像現像用トナーの製造方法において、 該着色剤が+10mC/kg〜−150mC/kgの摩
    擦帯電特性を有し、かつ該単量体組成物中にアルキレン
    ビス脂肪酸アミド化合物がトナー中の樹脂分に対して3
    重量%以下含有されており、 あらかじめ該着色剤と該アルキレンビス脂肪酸アミド化
    合物を予備分散する工程を有することを特徴とする静電
    荷像現像用トナーの製造方法。
  7. 【請求項7】 該着色剤は摩擦帯電特性が−5mC/k
    g〜−100mC/kgであることを特徴とする請求項
    6に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  8. 【請求項8】 該単量体組成物中に、溶解性パラメータ
    ー(SP値)が15〜25である樹脂をトナー中の樹脂
    に対して0.01〜15重量%含有することを特徴とす
    る請求項6又は7に記載の静電荷像現像用トナーの製造
    方法。
  9. 【請求項9】 該樹脂が少なくとも酸基を有するスチレ
    ンアクリル樹脂・ポリエステル・エポキシ樹脂・ウレタ
    ン樹脂の群から選ばれる樹脂を含むことを特徴とする請
    求項8に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  10. 【請求項10】 該着色剤がPigY.13,17,9
    3,95,174,180等の群より選ばれる(ジス/
    縮合)アゾ着色剤であることを特徴とする請求項6又は
    7に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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