JP3563925B2 - 静電荷像現像用ネガ帯電性マゼンタトナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電印刷法などにおいて形成される静電荷像を現像する静電荷像現像用ネガ帯電性マゼンタトナーに関する。
【0002】
詳しくは、高画質で色再現性に優れ、帯電的に安定したフルカラー用マゼンタトナーとして好適な静電荷像現像用ネガ帯電性マゼンタトナーに関する。
【0003】
【従来の技術】
近年、デジタルフルカラー複写機やプリンターが実用化され、解像力・階調性はもとより、色ムラのない色再現性に優れた高画質画像が得られるようになってきた。
【0004】
デジタルフルカラー複写機においては、色画像原稿をB(ブルー)・G(グリーン)・R(レッド)の各色フィルターで色分解した後、オリジナル画像に対応した20μm〜70μmのドット径からなる潜像をY(イエロー)・M(マゼンタ)・C(シアン)・B(ブラック)の各色現像剤を用い減色混合作用を利用して現像するが、白黒複写機と比べ多量の現像剤を感光体から転写材に転写させる必要があることや、将来の異なる高画像化に対応すべくより微小ドットに対応した現像剤の微小粒径化の要求が予想される。
【0005】
しかし高画質化の要求に伴いトナー粒径を小さくすると、フルカラー画像の解像力や鮮映度は確かに満足のゆく方向となるが、微粒子化に伴って様々な影響がある事が分ってきた。
【0006】
まず、トナー粒径を小さくすると、それだけ着色剤の偏在により帯電特性が影響を受けやすくなるという問題が生じてくる。
【0007】
したがって、従来以上にカラートナー各色の分散が良好でバランスのとれた色相及び分光反射特性と十分な彩度を有するトナーが要求される。
【0008】
また、トナー粒径を小さくすると、光が更に散乱されやすくなるために画像の色度・明度や濃度等が変化し、従来の技術とは異なる色構成が必要となってくるという問題も生じてくる。
【0009】
特にマゼンタトナーは肌色等用いる色としての需要が大きいこともあり、キナクリドン系・チオインジゴ系・キサンテン系・モノアゾ系・ペリレン系・ジケトピロロピロール系等数多くの顔料がトナー用顔料として開示されてきた。
【0010】
例えば、着色剤単独では、特公昭49−46951号公報には2,9−ジメチルキナクリドン顔料の記載が、特開昭55−26574号公報にはチオインジゴ系顔料に関して、特開昭59−57256号公報にはキサンテン系染料に関して、特開平2−210459号公報にはジケトピロロピロール系顔料に関して、特公昭55−42383号公報にはアントラキノン系染料について記載されている。
【0011】
また、顔料独特の着色力を満足したままで透明性及び色味を調節するために、顔料化合物を単独で使用せず、例えば特開平1−22477号公報等に記載されるような顔料−顔料、顔料−染料の配合や、特開昭62−291669号公報のように混晶状態である(キナクリドン)顔料を用いる方法等も知られている。
【0012】
これらの着色剤は結着樹脂への溶融親和性、耐光性が良好で、一応帯電特性・色調等の優れたトナーが得られる。しかしながら、微粒子化に伴う低温定着性・透明性を満足した上で、より原稿に忠実な画像を得るためには、従来に比べより一層の画像耐久・環境安定性や、色調・彩度・耐光性等の向上が望まれている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の如き欠点を解決した静電荷像現像用カラートナーを提供するものである。
【0014】
すなわち、本発明の目的は、OHP透明性に優れ且つ優れた着色力が得られる静電荷像現像用カラートナーを提供するものである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、画像耐久性に優れた特性を有する静電荷像現像用カラートナーを提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、少なくとも下記化合物(1)及び(2)を主成分とする固溶体顔料を含有する静電荷像現像用ネガ帯電性マゼンタトナーを用いることによって達成される。
【0017】
【化7】
【0018】
ここで、該固溶体顔料を構成する化合物(1)及び(2)のモル配合比が85:5〜40:60であることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0020】
本発明者は種々のマゼンタ系着色剤の帯電性や着色力を検討した結果、トナー微粒子化に伴う帯電性の低下を防ぐためには、耐光性等の物性・構造組成がほぼ同一であるにもかかわらず、帯電性や色域の大きく異なるという特性を有するキナクリドン系顔料を特定の比率で組み合わせて用いることが重要であることを見い出し、本発明に到った。
【0021】
本発明では、少なくとも下記化合物(1)及び(2)を主成分とする固溶体顔料を含有することを特徴とする。
【0022】
【化8】
【0023】
従来、例えば特開昭62−291669号公報のように特定の種類の(固溶体)顔料を用いて色味を調節し、着色剤の帯電性を適度なレベルに保持することが知られているが、本発明は特開昭62−291669号公報等でも不十分であったキナクリドン系の着色力について着目し、特定の2種顔料を組み合わせることで分散性が向上し、個々の顔料を配合する以上の着色力が得られることを見出し本発明に至った。
【0024】
尚、本発明でも固溶体化することで適正な帯電性が得られているので、帯電分布がシャープになり、色域の拡大等画像特性の改善が得られる。
【0025】
また、固溶体化への適応及び帯電性の調整という観点より、該固溶体顔料を構成する化合物(1)及び(2)のモル配合比が85:5〜40:60であることが好ましく、モル配合比が80:20〜65:35の範囲であることが、より好ましい。
【0026】
本発明の化合物(1)及び(2)のモル配合比が85:5、好ましくは80:20を超えると、本発明の着色力向上効果が見られなくなる。また、本発明の化合物(1)及び(2)のモル配合比が40:60、好ましくは65:35未満であると、固溶体になりにくいために本発明の効果が低下し、結果としてOHP透明性や着色力等の物性面で本発明の効果が見られない。
【0027】
尚、本発明に用いられる固溶体顔料は一般に顔料の製造過程の脱水・顔料化工程の前の工程で2種以上の顔料を混合し、脱水・顔料化するという工程によって得られ、2次凝集粒子中に顔料がアモルファス状態で混合されているものである。
【0028】
このため、従来では粉砕性や透明性に困難な点のある着色剤でも、粉砕工程で解砕され易いため容易に1次粒径付近まで顔料を分散できる。
【0029】
このような固溶体顔料の製造方法としては公知の方法で可能となり、例えば米国特許第3,160,510号明細書に記載の如き、固溶体成分を硫酸又は適当な溶媒から同時に再結晶させ、(塩磨砕後に)続いて溶剤処理する方法や、ドイツ特許出願公告1,217,333号公報に記載の如き、適当に置換されたジアミノテレフタル酸混合物の環化後溶剤処理する方法等が挙げられる。
【0030】
本発明のもう一つの特徴は、各形状が真球に近い平滑な形を有しているトナーを用いることである。
【0031】
本発明のようにトナー形状が真球に近い平滑な形を有していると、通常トナー表面に固着・分散される流動性向上剤等がトナー表面の一部分に溜まることなく均一に添加されるため、帯電分布がシャープになるだけではなく、スリーブ・キャリア等の帯電支持部材から感光体への移行も低電位現象が可能となるため、いわゆる「カブリ」が少なくなる。
【0032】
そして、潜像上では最密充填となるためドットへの忠実性が増すという効果も得られる。
【0033】
このため本発明のトナーが真球に近い平滑な形を有していると、より帯電分布がシャープになり、その優れた色再現性を生かして、特にトナーのり量の薄いハイライト部での画質(均一性)に優れたものとなる。
【0034】
本発明の好ましい形状係数としては、100≦SF1≦150、100≦SF2≦140であり、SF1が150を、より好ましくは140を超えると転写率・現像効率等が悪化し、画質が低下する。
【0035】
またSF2が140を、より好ましくは130を超えるとトナー表面の凹凸が大きくなるため凹部に流動性向上剤等が溜まり、帯電分布が不均一になるため感光体上へのカブリ抑制が悪化してくる。
【0036】
本発明に用いられる形状係数を示すSF1及びSF2とは、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い5000倍に拡大したトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェイスを介してニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に導入し解析を行い、下式より算出し得られた値を本発明においては形状係数SF1及びSF2と定義した。
【0037】
【数1】
【0038】
[式中、MXLNGは画像上現像剤の絶対最大長を示し、AREAは現像剤の投影面積を示す。]
【0039】
【数2】
【0040】
[式中、PELIは、画像上現像剤投影後の周辺長を示し、AREAは現像剤の投影面積を示す。]
【0041】
本発明の更なる特徴としては重合性単量体を媒体中直接重合してトナーを得ることである。
【0042】
重合法とは、例えば特公昭36−10231号公報、特公昭43−10799号公報及び特公昭51−15895号公報等に提案されているように、重合性単量体・着色剤・重合開始剤更に必要に応じて架橋剤・荷電制御剤・その他添加剤を、均一に溶解または分散せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続相、例えば水相中に適当な撹拌機を用いて分散し、同時に重合反応を行わせ、所望の粒径を有する現像剤を得る方法である。
【0043】
一般の粉砕法で本発明の形状を得るには、例えば特開昭63−279864号公報に示すように機械的衝撃力によって球状化する等の工程が必要であり、煩雑な操作及びコストが必要となる。
【0044】
これに対して重合法では、得られる粒子の形状は分散媒である水との表面張力によって決定されるため一般的に球状になり、本発明の形状を容易に得ることができるという特徴を有している。
【0045】
加えて水系媒体中直接重合すると、着色剤や帯電制御剤等は単量体へ均一に溶解した後、トナーとなるためトナー表面においては粉砕法より均一な帯電挙動を示すようになる。
【0046】
以上のような理由により、重合性単量体を水系媒体中直接重合して得られるトナーを用いることで、より一層本発明の効果が得られる。
【0047】
また、粉砕法においては、コールターカウンターにより測定した粒度が9μm以下になるに従い、従来では問題にならなかった使用原材料の均一分散性や効率の高い粉砕性、更にはシャープな粒度分布に現像剤を分級することが極めて難しくなる傾向にあるが、重合法はその点でも優れた特性を有し、更に従来の粉砕法では使用することができなった低軟化点物質を多量に使用することができる等の材料の選択幅が広がる等の特徴を有していることからも好ましい。
【0048】
更に、本発明においては、低分子量成分として特定の構造を有するエステルワックスを単量体組成物中に内包することが好ましく、これにより重合経過における顔料の再凝集を物理的に阻害し、結果として着色力を上げることができる。
【0049】
本発明に好ましいエステルワックスとしては、その構造中に炭素数が15以上の長鎖エステル部分を1個以上有していることが好ましく、具体的には下記の構造を有するワックスが、より好ましい。
【0050】
【化9】
(a及びbは、0〜4の整数を示し、aとbの合計は4であり、
R1及びR2は、炭素数が1〜40の整数を有する有機基を示し、且つR1とR2との炭素数差が3以上であり、
m及びnは、0〜25の整数を示し、mとnが同時に0になることはない。)
【0051】
【化10】
(a及びbは、0〜3の整数を示し、aとbの合計は1乃至3であり、
R1及びR2は、炭素数が1〜40の整数を有する有機基を示し、且つR1とR2との炭素数差が3以上であり、
R3は、水素原子又は炭素数が1以上の有機基を示し、但し、aとbの合計が2のとき、R3の少なくとも一方は、炭素数が1以上の有機基であり、
kは、1〜3の整数を示し、
m及びnは、0〜25の整数を示し、mとnが同時に0になることはない。)
【0052】
【化11】
(R1及びR3は、炭素数6〜32を有する有機基を示し、R1とR3は同じものであっても、異なっても良く、
R2は、炭素数1〜20を有する有機基を示す。)
【0053】
【化12】
(R1及びR3は、炭素数6〜32を有する有機基を示し、R1とR3は同じものであってもなくても良く、
R2は、−CH2CH2OC6H4OCH2CH2−,
−(CH(CH3)CH2O)m−C6H4C(CH3)2C6H4−
(OCH2CHCH3)m−の変性ビスフェノール骨格を有するもの又は、−(CH2)n−を示し、mは1〜10の整数を示し、nは1〜20の整数を示す。)
【0054】
【化13】
(aは、0〜4の整数を示し、bは、1〜3の整数を示し、aとbの合計は4であり、
R1は、炭素数が1〜40の整数を有する有機基を示し、
m及びnは、0〜25の整数を示し、mとnが同時に0になることはない。)
【0055】
本発明で好ましく用いられるエステルワックスは、硬度0.5〜5.0を有するものが好ましい。エステルワックスの硬度は、直径20mmφで、厚さが5mmの円筒形状のサンプルを作製した後、例えば島津製作所製ダイナミック超微小硬度計(DUH−200)を用いビッカース硬度を測定した値である。測定条件は、0.5gの荷重で負荷速度が9.67mm/秒の条件で10μm変位させた後15秒間保持し、得られた打痕形状を測定しビッカース硬度を求める。硬度が0.5未満のエステルワックスでは定着器の圧力依存製造方法及びプロセススピード依存性が大きくなり、耐高温オフセット効果の発現が不十分となりやすく、他方5.0を超える場合ではトナーの保存安定性に乏しく、エステルワックス自身の自己凝集力も小さいために耐高温オフセットが不十分となりやすい。具体的化合物としては、下記化合物が挙げられる。
【0056】
【化14】
【0057】
【化15】
【0058】
【化16】
【0059】
【化17】
【0060】
本発明においては上記ワックスがトナー中に5〜25wt%含有されていることが好ましい。該ワックスの含有量が5wt%未満であると、本発明の効果が十分発揮されず、若干の着色力低下が生じる。また、該ワックスの含有量が25wt%を超えると、重合の初期から顔料の凝集阻害が始まってしまい、トナー外へ顔料が飛び出すという現象が飛び出すという現象が生じ易い。
【0061】
本発明のトナーに用いることの出来る他の成分について説明する。
【0062】
本発明において用いることの出来る結着樹脂は、従来公知のものであればどのようなものでも良く、具体的にはスチレン系単量体・アクリル酸エステル系単量体・エン系単量体等を重合して得られるスチレン−アクリル系重合体やポリエステル系重合体、エポキシ系重合体等が好ましく用いられるが、本発明の着色剤の構成上、酸価30以下の樹脂を用いたとき最も本発明の効果が発揮される。
【0063】
本発明に直接重合方法を利用する場合には、本発明のトナーに用いることのできる単量体成分・他成分について従来公知の材料であれば良く、下記に示す成分が好ましく用いられる。
【0064】
本発明に用いられる単量体としては、具体的にはスチレン,o(m、p)−メチルスチレン,m(p)−エチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン,イソプレン,シクロヘキセン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸アミド等のエン系単量体が好ましく用いられる。これらは、単独または一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−Pl39〜192(JohnWiley&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40〜85℃を示すように単量体を適宜混合し用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合には、トナーの保存安定性や現像剤の耐久安定性の面から問題が生じ、―方85℃を超える場合は結晶性部分の残存による粒塊が画像上に生じ、特にフルカラートナーの場合に於いてはOHP画像の透明性を著しく低下させ高画質の面から好ましくない。
【0065】
重合した樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定され、得られた樹脂成分の数平均分子量(Mn)は、5000〜1000000で有り、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、2〜100を示す樹脂が本発明には好ましい。
【0066】
重合法においては、製造安定化やトナー特性付与のため、単量体成分の他に前述の酸価の範囲を超えない程度極性樹脂・荷電制御剤を更に添加せしめてもよい。
【0067】
本発明に用いられる極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体,マレイン酸共重合体,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂が好ましく用いられる。
【0068】
また、離型作用を付与するため樹脂中にエステルワックスに加えてさらに低軟化点物質を添加せしめてもよい。
【0069】
本発明に用いられる低軟化点物質としてはASTM D3418−8に準拠し測定された主体極大ピーク値が50〜180℃を示す化合物が好ましい。極大ピーク値が50℃未満であると低軟化点物質の自己凝集力が弱くなり、結果として耐高温オフセット性が弱くなり、特にフルカラー現像剤には好ましくない。―方極大ピーク値が180℃を超えると、現状のところ軟化点物質の結晶性・分散性が劣化するため定着性・透明性の面から好ましくない。
【0070】
上記の極大ピーク値の温度の測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サンプルはアルミニウム製パンを用い対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/min.で測定を行う。
【0071】
具体的には、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、アミドワックス、エステルワックス、高級脂肪酸及びこれらのグラフト/ブロック化合物等が利用できる。
【0072】
本発明に用いられる荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ―定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。
【0073】
更に本発明において直接重合方法を用いる場合には、重合阻害性が無く水系への可溶化物の無い荷電制御剤が特に好ましい。具体的化合物としては、ネガ系としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属化合物,スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物,ホウ素化合物,尿素化合物,ケイ素化合物,カリークスアレーン等が利用でき、ポジ系として四級アンモニウム塩,該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物,グアニジン化合物,イミダゾール化合物等が好ましく用いられる。該荷電制御剤は、樹脂100重量部に対し0.5〜10重量部が好ましい。しかしながら本発明に於いて荷電制御剤の添加は必須ではなく、二成分現像方法を用いた場合においては、キャリヤとの摩擦帯電を利用し、非磁性一成分ブレードコーティング現像方法を用いた場合に於いてもブレード部材やスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用する事で、トナー中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0074】
本発明の重合方法を利用する場合には、重合開始剤として、例えば、2,2’―アゾビスー(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’―アゾビスイソブチロニトリル、1,1’―アゾビス(シクロヘキサンー1−カルボニトリル)、2,2’―アゾビスー4−メトキシー2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤が用いられる。
【0075】
該重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが―般的には単量体に対し0.5〜20重量%添加され用いられる。開始剤の種類は、重合方法により若干異なるが、十時間半減期温度を参考に、単独又は混合し利用される。重合度を制御するため公知の架橋剤・連鎖移動剤・重合禁止剤等を更に添加し用いる事も可能である。
【0076】
本発明のトナー製造方法として水性媒体中での重合法を利用する場合には、用いる分散剤として例えば無機系酸化物として、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナ,磁性体,フェライト等が挙げられる。有機系化合物としては例えばポリビニルアルコール,ゼラチン,メチルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,デンプン等が水相に分散させて使用される。これら分散剤は、重合性単量体100重量部に対して0.2〜2.0重量部を使用する事が好ましい。
【0077】
これら分散剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均―な粒度を有す分散粒子を得るために、分散媒中にて高速撹拌下にて該無機化合物を生成させる事も出来る。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合する事で懸濁重合方法に好ましい分散剤を得る事が出来る。又これら分散剤の微細化のため0.001〜0.1重量部の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界面活性剤が利用でき,例えばドデシル硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
【0078】
本発明のトナー製造方法に直接重合方法を用いる場合においては、以下の如き製造方法によって、具体的にトナーを製造する事が可能である。重合性単量体中に低軟化点物質、離型剤,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー・超音波分散機等によって均―に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する分散媒中に通常の撹拌機またはホモミキサー,ホモジナイザー等により分散せしめる。
【0079】
好ましくは単量体組成物の液滴が、所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、―般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。また、重合反応後半に昇温しても良く、更に、トナー定着時の臭いの原因等となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に―部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100重量部に対して水300〜3000重量部を分散媒として使用するのが好まししい。
【0080】
本発明における各種測定方法について説明する。
【0081】
樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定される。
【0082】
具体的なGPCの測定方法としては、予め現像剤をソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去せしめ、さらに離型剤等の低軟化点物質は溶解するが樹脂は溶解し得ない有機溶剤、例えばクロロホルム等で充分洗浄又は抽出を行った後、THF(テトラヒドロフラン)に可溶した溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターで濾過したサンプルをウォーターズ社製150Cを用い、カラム構成は昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量を測定する。
【0083】
次に本発明における摩擦帯電量測定方法について述べる。
【0084】
図1はトナーのトリボ電荷量を測定する装置の説明図である。まず、測定する現像剤を準備する。摩擦帯電量を測定しようとするトナー(外添剤はない)とキャリアの混合物を50〜100ml容量のポリエチレン製のビンに入れ、約5分手で振とうして帯電現像剤とする。ここで測定するものがトナーの場合、該キャリアはシリコンコートされたフェライトキャリア(400メッシュパス品)とし、トナーとキャリアの重量比は7:93とする。
【0085】
次に底に500メッシュのスクリーン3のある金属製の測定容器2に、該混合物(現像剤)WO(g:約0.5−1.5g)を入れ金属製のふた4をする。このときの測定容器2全体の重量を秤りW1(g)とする。次に吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁性)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を245OhPaとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。
【0086】
このときのトナーの摩擦帯電量Q(mC/kg)はトナー100%補正をすると下記のように定義される。
【0087】
【数3】
【0088】
尚、トナーの環境帯電安定性は、該トナーの摩擦帯電量Qの高温高湿(35℃,90%RH)での値と低温低湿(15℃,10%RH)での値の差[ΔQ(mC/kg)]を用い、以下の5段階評価方法で評価した。
【0089】
本発明の着色剤を加えないトナー(比較例1)のΔQOとの差ΔQX−O=ΔQX−ΔQO(mC/kg)が、
ΔQX−O≦−10:○
−10<ΔQX−O≦−5 :○△
−5<ΔQX−O≦ 0 :△
0<ΔQX−O≦10 :×
10<ΔQX−O :××
【0090】
次に酸価の測定方法について述べる。
【0091】
トナーサンプル2〜10gを200mlの三角フラスコに秤量し、メタノール:トルエン=30:70の混合溶媒約50mlを加えてトナーを溶解させる。そして、0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用い、予め評定された0.lN−水酸化カリ/エタノール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求める。
【0092】
【数4】
【0093】
次に本発明における着色力の評価方法について述べる。
【0094】
まず本発明のトナー7重量部に対し、シリコーン樹脂コーティングされたフェライトキャリア93重量部を混合し、現像剤とする。得られた現像剤を用いて、定着温度を可変とし、定着オイル塗布機構を省くよう改造したキヤノン製フルカラー複写機CLC500改造機にて、潜像を転写材上に転写し、画像を得た。このとき定着条件は、転写材としては光沢度4の坪量99g/m2紙を用い、トナーのり量0.5〜0.7mg/cm2の単色ベタ画像を得て、該画像を光沢度10〜15になるよう定着温度を調整した。本発明においてはトナーのり量0.5mg/cm2の単色ベタ画像の画像濃度をもって着色力とする。
【0095】
なお、光沢度の測定にはJIS Z8741の方法2に準拠して行い、画像濃度は反射濃度計RD918(マクベス社製)で測定した。
【0096】
次に画像の評価方法について述べる。
【0097】
トナー7重量部に対し、アクリル樹脂コーティングされたフェライトキャリア93重量部を混合し、現像剤とする。得られた現像剤を用いて、定着温度を可変とし、上下ローラー材質をフッ素系とし、定着オイル塗布機構を省くよう改造したキヤノン製フルカラー複写機CLC500改造機にて、マゼンタ(M)の潜像を転写材上に転写し、画像を得た。
【0098】
このとき定着条件は転写材としては光沢度4の坪量99g/m2紙を用い、トナーのり量0.5〜0.7mg/cm2の単色ベタ画像を得て、該画像を光沢度10〜15になるよう定着温度を調整した。
【0099】
また濃度条件は、コダック社製のグレースケールとカラーパッチを原稿とし、フルカラーコピー画像でグレースケールがなるべく忠実に再現できる用調整し、マゼンタ(M)単色コピーの最高濃度が1.1以上となるように濃度調節した。
【0100】
カブリの測定は非画像部の反射率より、白紙を測定したときの反射率を差し引いたものをカブリ反射率とした。ここで反射率の測定にはTC−6DS(東京電色製)を用いた。
【0101】
そして上記状態のキヤノン製フルカラー複写機CLC500改造機で、マゼンタ(M)色の画像濃度1.2のベタ画像上での明度L*,彩度C*で色再現性を、画像濃度0.2のハイライト画像で画質均一性をそれぞれ評価した。
【0102】
評価は5段階で行い、比較例1の画像の色再現範囲Eを下記式で定義しその値を100としたとき、
色再現範囲:E=((明度L*)2×(彩度C*)2)1/2
E>110=○
105<E≦110=○△
90<E≦105=△
80<E≦ 90=△×
E≦ 80=×
と評価した。
【0103】
尚、ハイライト均一性についても比較例1を○△とした○、○△、△、△×、×の5段階相対評価で評価した。
【0104】
次にトランスペアレンシー画像(OHP)の透明性について評価法を述べる。
【0105】
OHP透過画像の透過率は以下の如く評価する。
【0106】
市販のフルカラー複写機(CLC500;キヤノン社製)改造機を使用して、トランスペアレンシーシート上に温度23℃/湿度65%RHの環境下で、現像コントラスト320Vにて現像転写し、階調を有する未定着トナー画像を得た。得られたものを定着ローラーの表面がフッ素系樹脂である外部定着器(オイル塗布機能なし;ローラー径40φ)にて、定着温度180℃、プロセススピード30mm/secで、定着画像を得た。
【0107】
得られた定着画像の画像濃度0.4〜0.6(ハーフトーン部)の箇所の透過率T%を測定し、比較例1の透過率を100としたとき、
T%>110=○
105<T%≦110=○△
90<T%≦105=△
80<T%≦ 90=△×
T%≦ 80=×
と相対値で評価した。
【0108】
尚、透過率の測定は、島津自己分光光度計UV2200(島津製作所社製)を使用し測定した。そして、イメージングシート単独の透過率を100%とし、650nmでの最大吸収波長における透過率を測定した。
【0109】
【実施例】
本発明を以下に実施例を示すことでより具体的に説明する。「部」はいずれも重量部である。
【0110】
(着色剤の製造例1〜3)
リン酸中で環化後、水中で分散・洗浄・濾過することによって得られる、水で湿潤した粗製の本発明の化合物(1)及び(2)の2種合計100部に対し、表1に示す比で水900部と混合し、磨砕を繰り返した後、洗浄・濾過・乾燥・粉砕の工程を経て固溶体顔料(1)〜(3)を得た。
【0111】
【表1】
【0112】
<実施例1>
0.1MのNa3PO4水溶液と1MのCaCl2水溶液を用意する。高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットル用四つ口フラスコ中にイオン交換水710部と0.1モル−Na3PO4水溶液450部を添加し回転数を12000回転に調整し、65℃に加温せしめた。ここに1.0モル−CaCl2水溶液68部を徐々に添加し微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含む分散媒系を調製した。
【0113】
一方分散質系は、
・スチレン単量体 170部
・n−ブチルアクリレート単量体 30部
・固溶体顔料(1) 10部
・飽和ポリエステル 15部
(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA−トリメリット酸/酸価;15、ピーク分子量;6000)
・サリチル酸金属化合物 2部
・エステルワックス(極大ピーク値64.4℃) 10部
(エステルワックスの構造式▲4▼)
上記混合物をアトライターを用い3時間分散させた後、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.5部を添加した分散物(単量体組成物)を分散媒中に投入し回転数を維持しつつ、15分間造粒した。その後高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を変え、50回転で撹拌しつつ内温を60℃で4時間、その後80℃に昇温させ4時間重合を計8時間継続させた。重合終了後スラリーを冷却し、希塩酸を添加し分散剤を除去せしめた。
【0114】
更に洗浄し乾燥を行うことでコールターカウンターで測定したマゼンタトナーの重量平均径は、6.7μmで個数変動係数が31%であった。
【0115】
得られたトナーに疎水化処理酸化チタンを2%外添し流動性に優れたトナーを得た。このトナー7部に対し、アクリル樹脂コーティングされたフェライトキャリア93部を混合し現像剤としてキヤノン製フルカラー複写機CLC500改造機にて耐久評価を行ったところ、23℃,60%の条件下、2万枚耐久後も現像性が低下することなく安定した鮮明かつ良好なマゼンタ画像が得られた。
【0116】
また着色力も良好であって、OHP透明性にも優れたものであった。
【0117】
<比較例1>
実施例1の着色剤をC.I.Pig.Redl22単独に変更したことを除いては、実施例1と同様に処理し、マゼンタトナーを得た。得られたマゼンタトナーの重量平均径は、6.3μmで個数変動係数が54%であった。
【0118】
得られたトナーに疎水化処理酸化チタンを2%外添し流動性に優れたトナーを得た。このトナー7部に対し、アクリル樹脂コーティングされたフェライトキャリア93部を混合し現像剤として、キヤノン製フルカラー複写機CLC500改造機にて、23℃,60%の条件下、2万枚耐久を行ったところ、帯電性が低いために常に画像上にカブリが生じたマゼンタ画像が得られた。
【0119】
また着色力も実施例1と比較して低く、特にOHP透明性が実用上不十分なものであった。
【0120】
<比較例2>
実施例1の着色剤を下記処方に変更した他は全て実施例1と同様に処理し、マゼンタトナーを得た。得られたマゼンタトナーの重量平均径は6.5μmで個数変動係数が31%であった。
【0121】
C.I.Pig.Red 122 7.5部
C.I.Pig.Red 202 2.5部
【0122】
得られたトナーに疎水化処理酸化チタンを2%外添し流動性に優れたトナーを得た。このトナー7部に対し、アクリル樹脂コーティングされたフェライトキャリア93部を混合し現像剤として、キヤノン製フルカラー複写機CLC500改造機にて、23℃,60%の条件下、2万枚耐久を行ったところ、帯電性が低いために常に画像上にカブリが生じたマゼンタ画像が得られた。
【0123】
また着色力も実施例1と比較して低く、特にOHP透明性が実用上不十分なものであった。
【0124】
<実施例2>
実施例1の着色剤を固溶体顔料(2)に変更した他は全て実施例1と同様に処理し、マゼンタトナーを得た。得られたマゼンタトナーの重量平均径は6.9μmで個数変動係数が37%であった。
【0125】
得られたトナーを実施例1と同様に耐久評価を行ったところ、実施例1と同様現像性が安定した鮮明且つ良好なマゼンタ画像が得られた。
【0126】
また、実施例1と比べ若干着色剤の分散が悪いために、やや着色力や帯電性・OHP透過性が悪化したが実用上問題ないレベルであった。
【0127】
<実施例3>
実施例1の着色剤を固溶体顔料(3)に変更したことを除いては実施例1と同様に処理し、マゼンタトナーを得た。得られたマゼンタトナーの重量平均径は7.0μmで個数変動係数が45%であった。
【0128】
得られたトナーを実施例1と同様に耐久評価を行ったところ、実施例1と同様現像性が安定した鮮明且つ良好なマゼンタ画像が得られた。
【0129】
また、実施例1と比べ若干着色剤の分散が悪いために、やや着色力やOHP透過性が悪化し、カブリが耐久初期わずかに見られたが実用上問題ないレベルであった。
【0130】
<実施例4>
実施例1のエステルワックスを、
アルコール変性ポリプロピレンワックス(極大ピーク値;94℃) 7部
に変更したことを除いては実施例1と同様に処理し、マゼンタトナーを得た。
【0131】
得られたマゼンタトナーの重量平均径は6.5μmで個数変動係数が32%であった。
【0132】
得られたトナーを実施例1と同様に耐久評価を行ったところ、実施例1と同様現像性が安定した鮮明且つ良好なマゼンタ画像が得られた。
【0133】
また、実施例1と比べ若干着色剤の分散が悪いために、やや着色力やOHP透過性が悪化し、カブリが耐久初期わずかに見られたが実用上問題ないレベルであった。
【0134】
<実施例5>
プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸、トリメリット酸を縮合して得られたポリエステル樹脂(Mn=2500,Mw=21000,Tg=59℃,酸価=9)100部に対して
固溶体顔料(1) 5部
サリチル酸金属化合物 2部
エステルワックス(極大ピーク値69.4℃) 2部
を加えて溶融・混練・粉砕しマゼンタ粒子を得た。該マゼンタ粒子の重量平均径は6.6μmで個数変動係数が41%であった。
【0135】
得られた粒子に疎水化処理酸化チタンを2%外添し流動性に優れたトナーを得た。得られたトナーと実施例1と同様に耐久評価を行ったところ、実施例1と同様現像性が安定した鮮明且つ良好なマゼンタ画像が得られた。
【0136】
また、実施例1と比べ転写性が悪いために、やや画質が悪化したが実用上問題ないレベルであった。
【0137】
【表2】
【0138】
【表3】
【0139】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、特定の種類のキナクリドン顔料を組み合わせた固溶体顔料を用いたことにより、極めて鮮明な色彩が得られると共に、OHP透明性に優れ且つ製造安定性に優れた特性を有する静電荷像現像用マゼンタトナーが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーのトリボ電荷量を測定する装置の説明図である。
Claims (4)
- 該固溶体顔料を構成する化合物(1)及び(2)のモル配合比が85:5〜40:60であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用ネガ帯電性マゼンタトナー。
- 該カラートナーの形状係数SF1及びSF2がそれぞれ
100≦SF1≦150
100≦SF2≦140
であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用ネガ帯電性マゼンタトナー。 - 該カラートナーが該着色剤を含有した重合性単量体系を重合し、直接トナー粒子として得たものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用ネガ帯電性マゼンタトナー。
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