JPH1124318A - 静電荷像現像用カラートナー - Google Patents

静電荷像現像用カラートナー

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JPH1124318A
JPH1124318A JP18224197A JP18224197A JPH1124318A JP H1124318 A JPH1124318 A JP H1124318A JP 18224197 A JP18224197 A JP 18224197A JP 18224197 A JP18224197 A JP 18224197A JP H1124318 A JPH1124318 A JP H1124318A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて鮮明な色彩が得られ、OHP透明性に
優れ且つ製造安定性に優れた特性を有する静電荷像現像
用カラートナーを提供するものである。 【解決手段】 少なくとも下記化合物(1)及び(2)
を主成分とする固溶体顔料を含有することを特徴とする
静電荷像現像用カラートナーである。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
印刷法などにおいて形成される静電荷像を現像する静電
荷像現像用カラートナーに関する。
【0002】詳しくは、高画質で色再現性に優れ、帯電
的に安定したフルカラー用マゼンタトナーとして好適な
静電荷像現像用カラートナーに関する。
【0003】
【従来の技術】近年、デジタルフルカラー複写機やプリ
ンターが実用化され、解像力・階調性はもとより、色ム
ラのない色再現性に優れた高画質画像が得られるように
なってきた。
【0004】デジタルフルカラー複写機においては、色
画像原稿をB(ブルー)・G(グリーン)・R(レッ
ド)の各色フィルターで色分解した後、オリジナル画像
に対応した20μm〜70μmのドット径からなる潜像
をY(イエロー)・M(マゼンタ)・C(シアン)・B
(ブラック)の各色現像剤を用い減色混合作用を利用し
て現像するが、白黒複写機と比べ多量の現像剤を感光体
から転写材に転写させる必要があることや、将来の異な
る高画像化に対応すべくより微小ドットに対応した現像
剤の微小粒径化の要求が予想される。
【0005】しかし高画質化の要求に伴いトナー粒径を
小さくすると、フルカラー画像の解像力や鮮映度は確か
に満足のゆく方向となるが、微粒子化に伴って様々な影
響がある事が分ってきた。
【0006】まず、トナー粒径を小さくすると、それだ
け着色剤の偏在により帯電特性が影響を受けやすくなる
という問題が生じてくる。
【0007】したがって、従来以上にカラートナー各色
の分散が良好でバランスのとれた色相及び分光反射特性
と十分な彩度を有するトナーが要求される。
【0008】また、トナー粒径を小さくすると、光が更
に散乱されやすくなるために画像の色度・明度や濃度等
が変化し、従来の技術とは異なる色構成が必要となって
くるという問題も生じてくる。
【0009】特にマゼンタトナーは肌色等用いる色とし
ての需要が大きいこともあり、キナクリドン系・チオイ
ンジゴ系・キサンテン系・モノアゾ系・ペリレン系・ジ
ケトピロロピロール系等数多くの顔料がトナー用顔料と
して開示されてきた。
【0010】例えば、着色剤単独では、特公昭49−4
6951号公報には2,9−ジメチルキナクリドン顔料
の記載が、特開昭55−26574号公報にはチオイン
ジゴ系顔料に関して、特開昭59−57256号公報に
はキサンテン系染料に関して、特開平2−210459
号公報にはジケトピロロピロール系顔料に関して、特公
昭55−42383号公報にはアントラキノン系染料に
ついて記載されている。
【0011】また、顔料独特の着色力を満足したままで
透明性及び色味を調節するために、顔料化合物を単独で
使用せず、例えば特開平1−22477号公報等に記載
されるような顔料−顔料、顔料−染料の配合や、特開昭
62−291669号公報のように混晶状態である(キ
ナクリドン)顔料を用いる方法等も知られている。
【0012】これらの着色剤は結着樹脂への溶融親和
性、耐光性が良好で、一応帯電特性・色調等の優れたト
ナーが得られる。しかしながら、微粒子化に伴う低温定
着性・透明性を満足した上で、より原稿に忠実な画像を
得るためには、従来に比べより一層の画像耐久・環境安
定性や、色調・彩度・耐光性等の向上が望まれている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き欠点を解決した静電荷像現像用カラートナーを提
供するものである。
【0014】すなわち、本発明の目的は、OHP透明性
に優れ且つ優れた着色力が得られる静電荷像現像用カラ
ートナーを提供するものである。
【0015】本発明のさらなる目的は、画像耐久性に優
れた特性を有する静電荷像現像用カラートナーを提供す
るものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、少なく
とも下記化合物(1)及び(2)を主成分とする固溶体
顔料を含有するトナーを用いることによって達成され
る。
【0017】
【化7】
【0018】ここで、該固溶体顔料を構成する化合物
(1)及び(2)のモル配合比が85:5〜40:60
であることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0020】本発明者は種々のマゼンタ系着色剤の帯電
性や着色力を検討した結果、トナー微粒子化に伴う帯電
性の低下を防ぐためには、耐光性等の物性・構造組成が
ほぼ同一であるにもかかわらず、帯電性や色域の大きく
異なるという特性を有するキナクリドン系顔料を特定の
比率で組み合わせて用いることが重要であることを見い
出し、本発明に到った。
【0021】本発明では、少なくとも下記化合物(1)
及び(2)を主成分とする固溶体顔料を含有することを
特徴とする。
【0022】
【化8】
【0023】従来、例えば特開昭62−291669号
公報のように特定の種類の(固溶体)顔料を用いて色味
を調節し、着色剤の帯電性を適度なレベルに保持するこ
とが知られているが、本発明は特開昭62−29166
9号公報等でも不十分であったキナクリドン系の着色力
について着目し、特定の2種顔料を組み合わせることで
分散性が向上し、個々の顔料を配合する以上の着色力が
得られることを見出し本発明に至った。
【0024】尚、本発明でも固溶体化することで適正な
帯電性が得られているので、帯電分布がシャープにな
り、色域の拡大等画像特性の改善が得られる。
【0025】また、固溶体化への適応及び帯電性の調整
という観点より、該固溶体顔料を構成する化合物(1)
及び(2)のモル配合比が85:5〜40:60である
ことが好ましく、モル配合比が80:20〜65:35
の範囲であることが、より好ましい。
【0026】本発明の化合物(1)及び(2)のモル配
合比が85:5、好ましくは80:20を超えると、本
発明の着色力向上効果が見られなくなる。また、本発明
の化合物(1)及び(2)のモル配合比が40:60、
好ましくは65:35未満であると、固溶体になりにく
いために本発明の効果が低下し、結果としてOHP透明
性や着色力等の物性面で本発明の効果が見られない。
【0027】尚、本発明に用いられる固溶体顔料は一般
に顔料の製造過程の脱水・顔料化工程の前の工程で2種
以上の顔料を混合し、脱水・顔料化するという工程によ
って得られ、2次凝集粒子中に顔料がアモルファス状態
で混合されているものである。
【0028】このため、従来では粉砕性や透明性に困難
な点のある着色剤でも、粉砕工程で解砕され易いため容
易に1次粒径付近まで顔料を分散できる。
【0029】このような固溶体顔料の製造方法としては
公知の方法で可能となり、例えば米国特許第3,16
0,510号明細書に記載の如き、固溶体成分を硫酸又
は適当な溶媒から同時に再結晶させ、(塩磨砕後に)続
いて溶剤処理する方法や、ドイツ特許出願公告1,21
7,333号公報に記載の如き、適当に置換されたジア
ミノテレフタル酸混合物の環化後溶剤処理する方法等が
挙げられる。
【0030】本発明のもう一つの特徴は、各形状が真球
に近い平滑な形を有しているトナーを用いることであ
る。
【0031】本発明のようにトナー形状が真球に近い平
滑な形を有していると、通常トナー表面に固着・分散さ
れる流動性向上剤等がトナー表面の一部分に溜まること
なく均一に添加されるため、帯電分布がシャープになる
だけではなく、スリーブ・キャリア等の帯電支持部材か
ら感光体への移行も低電位現象が可能となるため、いわ
ゆる「カブリ」が少なくなる。
【0032】そして、潜像上では最密充填となるためド
ットへの忠実性が増すという効果も得られる。
【0033】このため本発明のトナーが真球に近い平滑
な形を有していると、より帯電分布がシャープになり、
その優れた色再現性を生かして、特にトナーのり量の薄
いハイライト部での画質(均一性)に優れたものとな
る。
【0034】本発明の好ましい形状係数としては、10
0≦SF1≦150、100≦SF2≦140であり、
SF1が150を、より好ましくは140を超えると転
写率・現像効率等が悪化し、画質が低下する。
【0035】またSF2が140を、より好ましくは1
30を超えるとトナー表面の凹凸が大きくなるため凹部
に流動性向上剤等が溜まり、帯電分布が不均一になるた
め感光体上へのカブリ抑制が悪化してくる。
【0036】本発明に用いられる形状係数を示すSF1
及びSF2とは、日立製作所製FE−SEM(S−80
0)を用い5000倍に拡大したトナー像を100個無
作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェイ
スを介してニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に
導入し解析を行い、下式より算出し得られた値を本発明
においては形状係数SF1及びSF2と定義した。
【0037】
【数1】
【0038】[式中、MXLNGは画像上現像剤の絶対
最大長を示し、AREAは現像剤の投影面積を示す。]
【0039】
【数2】
【0040】[式中、PELIは、画像上現像剤投影後
の周辺長を示し、AREAは現像剤の投影面積を示
す。]
【0041】本発明の更なる特徴としては重合性単量体
を媒体中直接重合してトナーを得ることである。
【0042】重合法とは、例えば特公昭36−1023
1号公報、特公昭43−10799号公報及び特公昭5
1−15895号公報等に提案されているように、重合
性単量体・着色剤・重合開始剤更に必要に応じて架橋剤
・荷電制御剤・その他添加剤を、均一に溶解または分散
せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物を分
散安定剤を含有する連続相、例えば水相中に適当な撹拌
機を用いて分散し、同時に重合反応を行わせ、所望の粒
径を有する現像剤を得る方法である。
【0043】一般の粉砕法で本発明の形状を得るには、
例えば特開昭63−279864号公報に示すように機
械的衝撃力によって球状化する等の工程が必要であり、
煩雑な操作及びコストが必要となる。
【0044】これに対して重合法では、得られる粒子の
形状は分散媒である水との表面張力によって決定される
ため一般的に球状になり、本発明の形状を容易に得るこ
とができるという特徴を有している。
【0045】加えて水系媒体中直接重合すると、着色剤
や帯電制御剤等は単量体へ均一に溶解した後、トナーと
なるためトナー表面においては粉砕法より均一な帯電挙
動を示すようになる。
【0046】以上のような理由により、重合性単量体を
水系媒体中直接重合して得られるトナーを用いること
で、より一層本発明の効果が得られる。
【0047】また、粉砕法においては、コールターカウ
ンターにより測定した粒度が9μm以下になるに従い、
従来では問題にならなかった使用原材料の均一分散性や
効率の高い粉砕性、更にはシャープな粒度分布に現像剤
を分級することが極めて難しくなる傾向にあるが、重合
法はその点でも優れた特性を有し、更に従来の粉砕法で
は使用することができなった低軟化点物質を多量に使用
することができる等の材料の選択幅が広がる等の特徴を
有していることからも好ましい。
【0048】更に、本発明においては、低分子量成分と
して特定の構造を有するエステルワックスを単量体組成
物中に内包することが好ましく、これにより重合経過に
おける顔料の再凝集を物理的に阻害し、結果として着色
力を上げることができる。
【0049】本発明に好ましいエステルワックスとして
は、その構造中に炭素数が15以上の長鎖エステル部分
を1個以上有していることが好ましく、具体的には下記
の構造を有するワックスが、より好ましい。
【0050】
【化9】 (a及びbは、0〜4の整数を示し、aとbの合計は4
であり、R1及びR2は、炭素数が1〜40の整数を有す
る有機基を示し、且つR1とR2との炭素数差が3以上で
あり、m及びnは、0〜25の整数を示し、mとnが同
時に0になることはない。)
【0051】
【化10】 (a及びbは、0〜3の整数を示し、aとbの合計は1
乃至3であり、R1及びR2は、炭素数が1〜40の整数
を有する有機基を示し、且つR1とR2との炭素数差が3
以上であり、R3は、水素原子又は炭素数が1以上の有
機基を示し、但し、aとbの合計が2のとき、R3の少
なくとも一方は、炭素数が1以上の有機基であり、k
は、1〜3の整数を示し、m及びnは、0〜25の整数
を示し、mとnが同時に0になることはない。)
【0052】
【化11】 (R1及びR3は、炭素数6〜32を有する有機基を示
し、R1とR3は同じものであっても、異なっても良く、
2は、炭素数1〜20を有する有機基を示す。)
【0053】
【化12】 (R1及びR3は、炭素数6〜32を有する有機基を示
し、R1とR3は同じものであってもなくても良く、R2
は、−CH2CH2OC64OCH2CH2−,−(CH
(CH3)CH2O)m−C64C(CH3264
(OCH2CHCH3m−の変性ビスフェノール骨格を
有するもの又は、−(CH2n−を示し、mは1〜10
の整数を示し、nは1〜20の整数を示す。)
【0054】
【化13】 (aは、0〜4の整数を示し、bは、1〜3の整数を示
し、aとbの合計は4であり、R1は、炭素数が1〜4
0の整数を有する有機基を示し、m及びnは、0〜25
の整数を示し、mとnが同時に0になることはない。)
【0055】本発明で好ましく用いられるエステルワッ
クスは、硬度0.5〜5.0を有するものが好ましい。
エステルワックスの硬度は、直径20mmφで、厚さが
5mmの円筒形状のサンプルを作製した後、例えば島津
製作所製ダイナミック超微小硬度計(DUH−200)
を用いビッカース硬度を測定した値である。測定条件
は、0.5gの荷重で負荷速度が9.67mm/秒の条
件で10μm変位させた後15秒間保持し、得られた打
痕形状を測定しビッカース硬度を求める。硬度が0.5
未満のエステルワックスでは定着器の圧力依存製造方法
及びプロセススピード依存性が大きくなり、耐高温オフ
セット効果の発現が不十分となりやすく、他方5.0を
超える場合ではトナーの保存安定性に乏しく、エステル
ワックス自身の自己凝集力も小さいために耐高温オフセ
ットが不十分となりやすい。具体的化合物としては、下
記化合物が挙げられる。
【0056】
【化14】
【0057】
【化15】
【0058】
【化16】
【0059】
【化17】
【0060】本発明においては上記ワックスがトナー中
に5〜25wt%含有されていることが好ましい。該ワ
ックスの含有量が5wt%未満であると、本発明の効果
が十分発揮されず、若干の着色力低下が生じる。また、
該ワックスの含有量が25wt%を超えると、重合の初
期から顔料の凝集阻害が始まってしまい、トナー外へ顔
料が飛び出すという現象が飛び出すという現象が生じ易
い。
【0061】本発明のトナーに用いることの出来る他の
成分について説明する。
【0062】本発明において用いることの出来る結着樹
脂は、従来公知のものであればどのようなものでも良
く、具体的にはスチレン系単量体・アクリル酸エステル
系単量体・エン系単量体等を重合して得られるスチレン
−アクリル系重合体やポリエステル系重合体、エポキシ
系重合体等が好ましく用いられるが、本発明の着色剤の
構成上、酸価30以下の樹脂を用いたとき最も本発明の
効果が発揮される。
【0063】本発明に直接重合方法を利用する場合に
は、本発明のトナーに用いることのできる単量体成分・
他成分について従来公知の材料であれば良く、下記に示
す成分が好ましく用いられる。
【0064】本発明に用いられる単量体としては、具体
的にはスチレン,o(m、p)−メチルスチレン,m
(p)−エチルスチレン等のスチレン系単量体;(メ
タ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,
(メタ)アクリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチ
ル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸
ドデシル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)ア
クリル酸ベヘニル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキ
シル,(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メ
タ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アク
リル酸エステル系単量体;ブタジエン,イソプレン,シ
クロヘキセン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸
アミド等のエン系単量体が好ましく用いられる。これら
は、単独または一般的には出版物ポリマーハンドブック
第2版III−Pl39〜192(JohnWiley
&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)
が、40〜85℃を示すように単量体を適宜混合し用い
られる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合には、
トナーの保存安定性や現像剤の耐久安定性の面から問題
が生じ、―方85℃を超える場合は結晶性部分の残存に
よる粒塊が画像上に生じ、特にフルカラートナーの場合
に於いてはOHP画像の透明性を著しく低下させ高画質
の面から好ましくない。
【0065】重合した樹脂の分子量は、GPC(ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー)により測定され、
得られた樹脂成分の数平均分子量(Mn)は、5000
〜1000000で有り、重量平均分子量(Mw)と数
平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、2〜100
を示す樹脂が本発明には好ましい。
【0066】重合法においては、製造安定化やトナー特
性付与のため、単量体成分の他に前述の酸価の範囲を超
えない程度極性樹脂・荷電制御剤を更に添加せしめても
よい。
【0067】本発明に用いられる極性樹脂としては、ス
チレンと(メタ)アクリル酸の共重合体,マレイン酸共
重合体,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂が好ましく用
いられる。
【0068】また、離型作用を付与するため樹脂中にエ
ステルワックスに加えてさらに低軟化点物質を添加せし
めてもよい。
【0069】本発明に用いられる低軟化点物質としては
ASTM D3418−8に準拠し測定された主体極大
ピーク値が50〜180℃を示す化合物が好ましい。極
大ピーク値が50℃未満であると低軟化点物質の自己凝
集力が弱くなり、結果として耐高温オフセット性が弱く
なり、特にフルカラー現像剤には好ましくない。―方極
大ピーク値が180℃を超えると、現状のところ軟化点
物質の結晶性・分散性が劣化するため定着性・透明性の
面から好ましくない。
【0070】上記の極大ピーク値の温度の測定には、例
えばパーキンエルマー社製DSC−7を用いる。装置検
出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量
の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サンプ
ルはアルミニウム製パンを用い対照用に空パンをセット
し、昇温速度10℃/min.で測定を行う。
【0071】具体的には、パラフィンワックス、ポリオ
レフィンワックス、フィッシャートロピッシュワック
ス、アミドワックス、エステルワックス、高級脂肪酸及
びこれらのグラフト/ブロック化合物等が利用できる。
【0072】本発明に用いられる荷電制御剤としては、
公知のものが利用できるが、無色でトナーの帯電スピー
ドが速く且つ―定の帯電量を安定して維持できる荷電制
御剤が好ましい。
【0073】更に本発明において直接重合方法を用いる
場合には、重合阻害性が無く水系への可溶化物の無い荷
電制御剤が特に好ましい。具体的化合物としては、ネガ
系としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金
属化合物,スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分子
型化合物,ホウ素化合物,尿素化合物,ケイ素化合物,
カリークスアレーン等が利用でき、ポジ系として四級ア
ンモニウム塩,該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高
分子型化合物,グアニジン化合物,イミダゾール化合物
等が好ましく用いられる。該荷電制御剤は、樹脂100
重量部に対し0.5〜10重量部が好ましい。しかしな
がら本発明に於いて荷電制御剤の添加は必須ではなく、
二成分現像方法を用いた場合においては、キャリヤとの
摩擦帯電を利用し、非磁性一成分ブレードコーティング
現像方法を用いた場合に於いてもブレード部材やスリー
ブ部材との摩擦帯電を積極的に利用する事で、トナー中
に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0074】本発明の重合方法を利用する場合には、重
合開始剤として、例えば、2,2’―アゾビスー(2,
4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’―アゾビスイ
ソブチロニトリル、1,1’―アゾビス(シクロヘキサ
ンー1−カルボニトリル)、2,2’―アゾビスー4−
メトキシー2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス
イソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイル
ペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイ
ソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペル
オキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、
ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤が用
いられる。
【0075】該重合開始剤の添加量は、目的とする重合
度により変化するが―般的には単量体に対し0.5〜2
0重量%添加され用いられる。開始剤の種類は、重合方
法により若干異なるが、十時間半減期温度を参考に、単
独又は混合し利用される。重合度を制御するため公知の
架橋剤・連鎖移動剤・重合禁止剤等を更に添加し用いる
事も可能である。
【0076】本発明のトナー製造方法として水性媒体中
での重合法を利用する場合には、用いる分散剤として例
えば無機系酸化物として、リン酸三カルシウム,リン酸
マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸
カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水
酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カ
ルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイ
ト,シリカ,アルミナ,磁性体,フェライト等が挙げら
れる。有機系化合物としては例えばポリビニルアルコー
ル,ゼラチン,メチルセルロース,メチルヒドロキシプ
ロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチ
ルセルロースのナトリウム塩,デンプン等が水相に分散
させて使用される。これら分散剤は、重合性単量体10
0重量部に対して0.2〜2.0重量部を使用する事が
好ましい。
【0077】これら分散剤は、市販のものをそのまま用
いても良いが、細かい均―な粒度を有す分散粒子を得る
ために、分散媒中にて高速撹拌下にて該無機化合物を生
成させる事も出来る。例えば、リン酸三カルシウムの場
合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩
化カルシウム水溶液を混合する事で懸濁重合方法に好ま
しい分散剤を得る事が出来る。又これら分散剤の微細化
のため0.001〜0.1重量部の界面活性剤を併用し
ても良い。具体的には市販のノニオン,アニオン,カチ
オン型の界面活性剤が利用でき,例えばドデシル硫酸ナ
トリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル
硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸
ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリ
ウム,オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
【0078】本発明のトナー製造方法に直接重合方法を
用いる場合においては、以下の如き製造方法によって、
具体的にトナーを製造する事が可能である。重合性単量
体中に低軟化点物質、離型剤,着色剤,荷電制御剤,重
合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー・超音
波分散機等によって均―に溶解又は分散せしめた単量体
組成物を、分散安定剤を含有する分散媒中に通常の撹拌
機またはホモミキサー,ホモジナイザー等により分散せ
しめる。
【0079】好ましくは単量体組成物の液滴が、所望の
トナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調
整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒
子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の
撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、―般的には
50〜90℃の温度に設定して重合を行う。また、重合
反応後半に昇温しても良く、更に、トナー定着時の臭い
の原因等となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除
去するために反応後半、又は、反応終了後に―部水系媒
体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子
を洗浄・ろ過により回収し、乾燥する。懸濁重合法にお
いては、通常単量体系100重量部に対して水300〜
3000重量部を分散媒として使用するのが好ましし
い。
【0080】本発明における各種測定方法について説明
する。
【0081】樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー)により測定される。
【0082】具体的なGPCの測定方法としては、予め
現像剤をソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20
時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトル
エンを留去せしめ、さらに離型剤等の低軟化点物質は溶
解するが樹脂は溶解し得ない有機溶剤、例えばクロロホ
ルム等で充分洗浄又は抽出を行った後、THF(テトラ
ヒドロフラン)に可溶した溶液をポア径が0.3μmの
耐溶剤性メンブランフィルターで濾過したサンプルをウ
ォーターズ社製150Cを用い、カラム構成は昭和電工
製A−801、802、803、804、805、80
6、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用
い分子量を測定する。
【0083】次に本発明における摩擦帯電量測定方法に
ついて述べる。
【0084】図1はトナーのトリボ電荷量を測定する装
置の説明図である。まず、測定する現像剤を準備する。
摩擦帯電量を測定しようとするトナー(外添剤はない)
とキャリアの混合物を50〜100ml容量のポリエチ
レン製のビンに入れ、約5分手で振とうして帯電現像剤
とする。ここで測定するものがトナーの場合、該キャリ
アはシリコンコートされたフェライトキャリア(400
メッシュパス品)とし、トナーとキャリアの重量比は
7:93とする。
【0085】次に底に500メッシュのスクリーン3の
ある金属製の測定容器2に、該混合物(現像剤)W
O(g:約0.5−1.5g)を入れ金属製のふた4を
する。このときの測定容器2全体の重量を秤りW
1(g)とする。次に吸引機1(測定容器2と接する部
分は少なくとも絶縁性)において、吸引口7から吸引し
風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を245OhP
aとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行
いトナーを吸引除去する。
【0086】このときのトナーの摩擦帯電量Q(mC/
kg)はトナー100%補正をすると下記のように定義
される。
【0087】
【数3】
【0088】尚、トナーの環境帯電安定性は、該トナー
の摩擦帯電量Qの高温高湿(35℃,90%RH)での
値と低温低湿(15℃,10%RH)での値の差[ΔQ
(mC/kg)]を用い、以下の5段階評価方法で評価
した。
【0089】本発明の着色剤を加えないトナー(比較例
1)のΔQOとの差ΔQX-O=ΔQX−ΔQO(mC/k
g)が、 ΔQX-O≦−10:○ −10<ΔQX-O≦−5 :○△ −5<ΔQX-O≦ 0 :△ 0<ΔQX-O≦10 :× 10<ΔQX-O :××
【0090】次に酸価の測定方法について述べる。
【0091】トナーサンプル2〜10gを200mlの
三角フラスコに秤量し、メタノール:トルエン=30:
70の混合溶媒約50mlを加えてトナーを溶解させ
る。そして、0.1%のブロムチモールブルーとフェノ
ールレッドの混合指示薬を用い、予め評定された0.l
N−水酸化カリ/エタノール溶液で滴定し、アルコール
カリ液の消費量から次の計算で酸価を求める。
【0092】
【数4】
【0093】次に本発明における着色力の評価方法につ
いて述べる。
【0094】まず本発明のトナー7重量部に対し、シリ
コーン樹脂コーティングされたフェライトキャリア93
重量部を混合し、現像剤とする。得られた現像剤を用い
て、定着温度を可変とし、定着オイル塗布機構を省くよ
う改造したキヤノン製フルカラー複写機CLC500改
造機にて、潜像を転写材上に転写し、画像を得た。この
とき定着条件は、転写材としては光沢度4の坪量99g
/m2紙を用い、トナーのり量0.5〜0.7mg/c
2の単色ベタ画像を得て、該画像を光沢度10〜15
になるよう定着温度を調整した。本発明においてはトナ
ーのり量0.5mg/cm2の単色ベタ画像の画像濃度
をもって着色力とする。
【0095】なお、光沢度の測定にはJIS Z874
1の方法2に準拠して行い、画像濃度は反射濃度計RD
918(マクベス社製)で測定した。
【0096】次に画像の評価方法について述べる。
【0097】トナー7重量部に対し、アクリル樹脂コー
ティングされたフェライトキャリア93重量部を混合
し、現像剤とする。得られた現像剤を用いて、定着温度
を可変とし、上下ローラー材質をフッ素系とし、定着オ
イル塗布機構を省くよう改造したキヤノン製フルカラー
複写機CLC500改造機にて、マゼンタ(M)の潜像
を転写材上に転写し、画像を得た。
【0098】このとき定着条件は転写材としては光沢度
4の坪量99g/m2紙を用い、トナーのり量0.5〜
0.7mg/cm2の単色ベタ画像を得て、該画像を光
沢度10〜15になるよう定着温度を調整した。
【0099】また濃度条件は、コダック社製のグレース
ケールとカラーパッチを原稿とし、フルカラーコピー画
像でグレースケールがなるべく忠実に再現できる用調整
し、マゼンタ(M)単色コピーの最高濃度が1.1以上
となるように濃度調節した。
【0100】カブリの測定は非画像部の反射率より、白
紙を測定したときの反射率を差し引いたものをカブリ反
射率とした。ここで反射率の測定にはTC−6DS(東
京電色製)を用いた。
【0101】そして上記状態のキヤノン製フルカラー複
写機CLC500改造機で、マゼンタ(M)色の画像濃
度1.2のベタ画像上での明度L*,彩度C*で色再現
性を、画像濃度0.2のハイライト画像で画質均一性を
それぞれ評価した。
【0102】評価は5段階で行い、比較例1の画像の色
再現範囲Eを下記式で定義しその値を100としたと
き、 色再現範囲:E=((明度L*)2×(彩度C*)2
1/2 E>110=○ 105<E≦110=○△ 90<E≦105=△ 80<E≦ 90=△× E≦ 80=× と評価した。
【0103】尚、ハイライト均一性についても比較例1
を○△とした○、○△、△、△×、×の5段階相対評価
で評価した。
【0104】次にトランスペアレンシー画像(OHP)
の透明性について評価法を述べる。
【0105】OHP透過画像の透過率は以下の如く評価
する。
【0106】市販のフルカラー複写機(CLC500;
キヤノン社製)改造機を使用して、トランスペアレンシ
ーシート上に温度23℃/湿度65%RHの環境下で、
現像コントラスト320Vにて現像転写し、階調を有す
る未定着トナー画像を得た。得られたものを定着ローラ
ーの表面がフッ素系樹脂である外部定着器(オイル塗布
機能なし;ローラー径40 φ)にて、定着温度180
℃、プロセススピード30mm/secで、定着画像を
得た。
【0107】得られた定着画像の画像濃度0.4〜0.
6(ハーフトーン部)の箇所の透過率T%を測定し、比
較例1の透過率を100としたとき、 T%>110=○ 105<T%≦110=○△ 90<T%≦105=△ 80<T%≦ 90=△× T%≦ 80=× と相対値で評価した。
【0108】尚、透過率の測定は、島津自己分光光度計
UV2200(島津製作所社製)を使用し測定した。そ
して、イメージングシート単独の透過率を100%と
し、650nmでの最大吸収波長における透過率を測定
した。
【0109】
【実施例】本発明を以下に実施例を示すことでより具体
的に説明する。「部」はいずれも重量部である。
【0110】(着色剤の製造例1〜3)リン酸中で環化
後、水中で分散・洗浄・濾過することによって得られ
る、水で湿潤した粗製の本発明の化合物(1)及び
(2)の2種合計100部に対し、表1に示す比で水9
00部と混合し、磨砕を繰り返した後、洗浄・濾過・乾
燥・粉砕の工程を経て固溶体顔料(1)〜(3)を得
た。
【0111】
【表1】
【0112】<実施例1>0.1MのNa3PO4水溶液
と1MのCaCl2水溶液を用意する。高速撹拌装置T
K−ホモミキサーを備えた2リットル用四つ口フラスコ
中にイオン交換水710部と0.1モル−Na3PO4
溶液450部を添加し回転数を12000回転に調整
し、65℃に加温せしめた。ここに1.0モル−CaC
2水溶液68部を徐々に添加し微小な難水溶性分散剤
Ca3(PO42を含む分散媒系を調製した。
【0113】一方分散質系は、 ・スチレン単量体 170部 ・n−ブチルアクリレート単量体 30部 ・固溶体顔料(1) 10部 ・飽和ポリエステル 15部 (テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA− トリメリット酸/酸価;15、ピーク分子量;6000) ・サリチル酸金属化合物 2部 ・エステルワックス(極大ピーク値64.4℃) 10部 (エステルワックスの構造式) 上記混合物をアトライターを用い3時間分散させた後、
重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)1.5部を添加した分散物(単量体
組成物)を分散媒中に投入し回転数を維持しつつ、15
分間造粒した。その後高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根
に撹拌器を変え、50回転で撹拌しつつ内温を60℃で
4時間、その後80℃に昇温させ4時間重合を計8時間
継続させた。重合終了後スラリーを冷却し、希塩酸を添
加し分散剤を除去せしめた。
【0114】更に洗浄し乾燥を行うことでコールターカ
ウンターで測定したマゼンタトナーの重量平均径は、
6.7μmで個数変動係数が31%であった。
【0115】得られたトナーに疎水化処理酸化チタンを
2%外添し流動性に優れたトナーを得た。このトナー7
部に対し、アクリル樹脂コーティングされたフェライト
キャリア93部を混合し現像剤としてキヤノン製フルカ
ラー複写機CLC500改造機にて耐久評価を行ったと
ころ、23℃,60%の条件下、2万枚耐久後も現像性
が低下することなく安定した鮮明かつ良好なマゼンタ画
像が得られた。
【0116】また着色力も良好であって、OHP透明性
にも優れたものであった。
【0117】<比較例1>実施例1の着色剤をC.I.
Pig.Redl22単独に変更したことを除いては、
実施例1と同様に処理し、マゼンタトナーを得た。得ら
れたマゼンタトナーの重量平均径は、6.3μmで個数
変動係数が54%であった。
【0118】得られたトナーに疎水化処理酸化チタンを
2%外添し流動性に優れたトナーを得た。このトナー7
部に対し、アクリル樹脂コーティングされたフェライト
キャリア93部を混合し現像剤として、キヤノン製フル
カラー複写機CLC500改造機にて、23℃,60%
の条件下、2万枚耐久を行ったところ、帯電性が低いた
めに常に画像上にカブリが生じたマゼンタ画像が得られ
た。
【0119】また着色力も実施例1と比較して低く、特
にOHP透明性が実用上不十分なものであった。
【0120】<比較例2>実施例1の着色剤を下記処方
に変更した他は全て実施例1と同様に処理し、マゼンタ
トナーを得た。得られたマゼンタトナーの重量平均径は
6.5μmで個数変動係数が31%であった。
【0121】 C.I.Pig.Red 122 7.5部 C.I.Pig.Red 202 2.5部
【0122】得られたトナーに疎水化処理酸化チタンを
2%外添し流動性に優れたトナーを得た。このトナー7
部に対し、アクリル樹脂コーティングされたフェライト
キャリア93部を混合し現像剤として、キヤノン製フル
カラー複写機CLC500改造機にて、23℃,60%
の条件下、2万枚耐久を行ったところ、帯電性が低いた
めに常に画像上にカブリが生じたマゼンタ画像が得られ
た。
【0123】また着色力も実施例1と比較して低く、特
にOHP透明性が実用上不十分なものであった。
【0124】<実施例2>実施例1の着色剤を固溶体顔
料(2)に変更した他は全て実施例1と同様に処理し、
マゼンタトナーを得た。得られたマゼンタトナーの重量
平均径は6.9μmで個数変動係数が37%であった。
【0125】得られたトナーを実施例1と同様に耐久評
価を行ったところ、実施例1と同様現像性が安定した鮮
明且つ良好なマゼンタ画像が得られた。
【0126】また、実施例1と比べ若干着色剤の分散が
悪いために、やや着色力や帯電性・OHP透過性が悪化
したが実用上問題ないレベルであった。
【0127】<実施例3>実施例1の着色剤を固溶体顔
料(3)に変更したことを除いては実施例1と同様に処
理し、マゼンタトナーを得た。得られたマゼンタトナー
の重量平均径は7.0μmで個数変動係数が45%であ
った。
【0128】得られたトナーを実施例1と同様に耐久評
価を行ったところ、実施例1と同様現像性が安定した鮮
明且つ良好なマゼンタ画像が得られた。
【0129】また、実施例1と比べ若干着色剤の分散が
悪いために、やや着色力やOHP透過性が悪化し、カブ
リが耐久初期わずかに見られたが実用上問題ないレベル
であった。
【0130】<実施例4>実施例1のエステルワックス
を、 アルコール変性ポリプロピレンワックス(極大ピーク値;94℃) 7部 に変更したことを除いては実施例1と同様に処理し、マ
ゼンタトナーを得た。
【0131】得られたマゼンタトナーの重量平均径は
6.5μmで個数変動係数が32%であった。
【0132】得られたトナーを実施例1と同様に耐久評
価を行ったところ、実施例1と同様現像性が安定した鮮
明且つ良好なマゼンタ画像が得られた。
【0133】また、実施例1と比べ若干着色剤の分散が
悪いために、やや着色力やOHP透過性が悪化し、カブ
リが耐久初期わずかに見られたが実用上問題ないレベル
であった。
【0134】<実施例5>プロポキシ化ビスフェノール
とフマル酸、トリメリット酸を縮合して得られたポリエ
ステル樹脂(Mn=2500,Mw=21000,Tg
=59℃,酸価=9)100部に対して 固溶体顔料(1) 5部 サリチル酸金属化合物 2部 エステルワックス(極大ピーク値69.4℃) 2部 を加えて溶融・混練・粉砕しマゼンタ粒子を得た。該マ
ゼンタ粒子の重量平均径は6.6μmで個数変動係数が
41%であった。
【0135】得られた粒子に疎水化処理酸化チタンを2
%外添し流動性に優れたトナーを得た。得られたトナー
と実施例1と同様に耐久評価を行ったところ、実施例1
と同様現像性が安定した鮮明且つ良好なマゼンタ画像が
得られた。
【0136】また、実施例1と比べ転写性が悪いため
に、やや画質が悪化したが実用上問題ないレベルであっ
た。
【0137】
【表2】
【0138】
【表3】
【0139】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特定の種類のキナクリドン顔料を組み合わせた固溶体顔
料を用いたことにより、極めて鮮明な色彩が得られると
共に、OHP透明性に優れ且つ製造安定性に優れた特性
を有する静電荷像現像用マゼンタトナーが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーのトリボ電荷量を測定する装置の説明図
である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記化合物(1)及び(2)
    を主成分とする固溶体顔料を含有することを特徴とする
    静電荷像現像用カラートナー。 【化1】
  2. 【請求項2】 該固溶体顔料を構成する化合物(1)及
    び(2)のモル配合比が85:5〜40:60であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用カラー
    トナー。
  3. 【請求項3】 該カラートナーの形状係数SF1及びS
    F2がそれぞれ 100≦SF1≦150 100≦SF2≦140 であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷
    像現像用カラートナー。
  4. 【請求項4】 該カラートナーが該着色剤を含有した重
    合性単量体系を重合し、直接トナー粒子として得たもの
    であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
    載の静電荷像現像用カラートナー。
  5. 【請求項5】 該トナー中に、炭素数が15以上の長鎖
    エステル部分を1個以上有する低軟化点物質が含有され
    ていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記
    載の静電荷像現像用カラートナー。
  6. 【請求項6】 該低軟化点物質は、下記構造式乃至
    いずれかで示される物質を主成分とすることを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれかに記載の静電荷像現像用カ
    ラートナー。 【化2】 (a及びbは、0〜4の整数を示し、aとbの合計は4
    であり、 R1及びR2は、炭素数が1〜40の整数を有する有機基
    を示し、且つR1とR2との炭素数差が3以上であり、 m及びnは、0〜25の整数を示し、mとnが同時に0
    になることはない。) 【化3】 (a及びbは、0〜3の整数を示し、aとbの合計は1
    乃至3であり、 R1及びR2は、炭素数が1〜40の整数を有する有機基
    を示し、且つR1とR2との炭素数差が3以上であり、 R3 は、水素原子又は炭素数が1以上の有機基を示し、
    但し、aとbの合計が2のとき、R3 の少なくとも一方
    は、炭素数が1以上の有機基であり、 kは、1〜3の整数を示し、 m及びnは、0〜25の整数を示し、mとnが同時に0
    になることはない。) 【化4】 (R1及びR3は、炭素数6〜32を有する有機基を示
    し、R1とR3は同じものであっても、異なっても良く、 R2は、炭素数1〜20を有する有機基を示す。) 【化5】 (R1及びR3は、炭素数6〜32を有する有機基を示
    し、R1とR3は同じものであってもなくても良く、 R2は、−CH2CH2OC64OCH2CH2−,−(C
    H(CH3)CH2O)m−C64C(CH3264
    (OCH2CHCH3m−の変性ビスフェノール骨格を
    有するもの又は、−(CH2n−を示し、mは1〜10
    の整数を示し、nは1〜20の整数を示す。) 【化6】 (aは、0〜4の整数を示し、bは、1〜3の整数を示
    し、aとbの合計は4であり、 R1は、炭素数が1〜40の整数を有する有機基を示
    し、 m及びnは、0〜25の整数を示し、mとnが同時に0
    になることはない。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000347459A (ja) * 1999-06-02 2000-12-15 Canon Inc イエロートナー、該トナーの製造方法及び画像形成方法
JP2003140402A (ja) * 2001-10-31 2003-05-14 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成方法、該方法に用いる補給用トナーおよびその製造方法、並びにキャリア含有トナーカートリッジ
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JP2008310354A (ja) * 2008-08-08 2008-12-25 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー及びそれを含有する現像剤並びに画像形成方法と画像形成装置

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