JP2000347459A - イエロートナー、該トナーの製造方法及び画像形成方法 - Google Patents

イエロートナー、該トナーの製造方法及び画像形成方法

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JP2000347459A JP11155718A JP15571899A JP2000347459A JP 2000347459 A JP2000347459 A JP 2000347459A JP 11155718 A JP11155718 A JP 11155718A JP 15571899 A JP15571899 A JP 15571899A JP 2000347459 A JP2000347459 A JP 2000347459A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光沢度の高低に左右されないバランスの取れ
た色相(転写紙上色相とトランスペアレンシー透過画像
色相の色度差のない)を有し、しかも、優れたトランス
ペアレンシー透過性を有する画像が得られる帯電安定性
に優れたイエロートナー、及び該トナーを用いた画像形
成方法の提供。 【解決手段】 黄色顔料を1種以上と黄色染料を1種以
上含有し、上記黄色顔料の白色紙上展色における色度
が、L*の値が60.0乃至95.0、a*の値が−2
5.0乃至−8.0、及びb*の値が+60.0乃至+
115.0であり、且つ、上記黄色染料の白色紙上展色
における色度が、L*の値が60.0乃至95.0、a*
の値が−12.0乃至+10.0、及びb*の値が+6
0.0乃至+115.0であるイエロートナー、該トナ
ーの製造方法及び画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
印刷法等において形成される静電荷像を現像するイエロ
ートナー、該トナーの製造方法、及び、該トナーを用い
た画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタルフルカラー複写機やプリ
ンターが実用化され、解像力・階調性はもとより、色む
らのない色再現性に優れた高画質画像が得られるように
なってきた。デジタルフルカラー複写機においては、色
画像原稿を、B(ブルー)・G(グリーン)・R(レッ
ド)の各色フィルターで色分解した後、オリジナル画像
に対応した20〜70μmのドット径からなる潜像を、
Y(イエロー)・M(マゼンタ)・C(シアン)・B
(ブラック)の各色現像剤を用い、減色混合作用を利用
して現像が行なわれる。このため、白黒複写機と較べて
多量の現像剤を感光体から転写材上に転写させる必要が
あること、及び、将来の更なる高画質化に対応すべく、
より微小ドットの現像に対応できる現像剤とすべく、現
像剤を構成している各色トナー粒子の微小粒径化の要求
が予想される。
【0003】しかし、高画質化の要求に伴ってトナー粒
子の粒径を小さくすると、フルカラー画像の解像力や鮮
映度は確かに満足のゆく方向となるが、微粒子化に伴っ
て様々な影響があることが分かってきた。加えて、トナ
ー粒径を小さくすると、それだけトナーを構成している
着色剤の偏在によって帯電特性が影響を受け易くなると
いう問題も生じる。従って、従来以上に、カラートナー
中の着色剤の分散が良好であり、バランスのとれた色相
及び分光反射特性と充分な彩度を有するトナーが要求さ
れる。
【0004】次に、トナー粒径を小さくすると、光が更
に散乱され易くなるために、画像の色度・明度や濃度等
が変化し、従来の技術とは異なる色構成が必要となって
くるという問題もある。更に、近年のプリンターの普及
に伴い、新たなユーザー指向、即ち、写真製版印刷等
の、他の光沢のない印刷物と同様な画像を好むという傾
向が生じているが、これに合わせて画像を形成した場合
には、上述の問題がより顕著なものとなる。即ち、従来
の技術では、定着されたトナーは、光に対して乱反射し
て色再現を妨げることが無いように、トナー粒子の形が
判別できない程度にほぼ完全溶融に近い状態になること
が求められ、数種のトナー層の重ね合せがなされている
カラー画像においては、上部トナー層が下部トナー層を
妨げない透明性を有する必要があった。この考えに基づ
いて、例えば、特開昭59−26757号公報、特開昭
63−70271号公報、特開平1−230072号公
報、特開平2−293860号公報、特開平6−118
98号公報等に、各イエロー/マゼンタ/シアン/ブラ
ックトナー、及びその他の構成についての各種の提案が
なされている。
【0005】これに対し、上記した新たなユーザー指向
に応じて、ユーザーの目を疲れさせないような光沢の差
が少ない画像を得ようとすると、どうしても紙の光沢度
に近い値に定着する必要が生じ、トナー粒子が完全溶融
していない状況(トナー粒子の形状が残る状態)で画像
を形成することとなる。このような画像は、定着した印
字面の表面の粗さによる散乱光の影響が顕著になり、着
色力に劣る傾向にあるので、着色力を上げるために、ト
ナー中に含有させる顔料等の着色剤の添加量を増やす必
要性が生じてきた。
【0006】しかしながら、トナー中の着色剤の添加量
を増やすと、着色剤の分散不良が生じ易く、色相角、特
に、トランスペアレンシー画像の色度が変化し、目的の
色彩を得られなくなってくることが分かった。特に、イ
エロートナーについては、その色相角の変化に対する人
間の感度が著しく、透過光の色角変化は好まれない。更
に、このように、トナー画像の定着の際に、トナー粒子
の完全溶融が生じない状態となるようにトナーの樹脂設
計を行なうと、トランスペアレンシーフィルム上におい
てもトナー粒子が完全溶融できなくなるため、透過光が
散乱し、色再現領域が小さくなってしまうことが分かっ
た。
【0007】又、高画質化の要求と共に、画像品位の観
点から、耐熱性や耐光性に優れたトナーが望まれてい
る。これを改善することを目的として、特開平2−13
6865号公報や特開平2−208662号公報等にお
いて、耐熱性、耐光性に優れたイエロー顔料が提案され
ている。しかし、上述してきたように、低光沢度画像で
は光散乱により画像濃度が上がらず、顔料の添加量を増
やさなければならず、従来の方法でトナーを調製した場
合には、トナー粒子表面に露出する顔料の量が増え、帯
電不良や定着不良を生じ易くなる。又、顔料の添加量を
増やすと、従来の製造方法では分散が不充分となり、画
像を形成した場合に、特に、トランスペアレンシー画像
の透過性を満足させるものにならないという問題もあ
る。
【0008】上記のようなトランスペアレンシー透過性
の改善を目的として、特開昭61−112160号公
報、特開平3−276161号公報等において、着色剤
として染料を使用することや、染料と顔料とを併用する
方法が開示されている。しかしながら、染料を単独で使
用した場合は、形成された画像の耐光性に問題を生じる
ことになり、染料と顔料を併用した場合においても、2
次色の色相設計や帯電量設計において、必ずしも満足す
るものが得られていない。以上述べてきたように、光沢
の少ない印刷物を得るために必要な様々な課題に対し
て、現状において、全てを満足し得るカラートナーは知
られておらず、このようなトナーの開発が待望されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は上記した従来技術の問題点を解決し、極めて鮮明な色
彩の画像が得られるイエロートナー及び該トナーを用い
た画像形成方法を提供することにある。即ち、本発明の
目的は、少なくとも黄色顔料及び黄色染料を含有するイ
エロートナーにおいて、光沢度の高低に左右されないバ
ランスの取れた色相(詳しくは、転写紙上色相とトラン
スペアレンシー透過画像色相の色度差のない)を有し、
しかも、優れたトランスペアレンシー透過性を有する画
像が得られるイエロートナー、及び該トナーを用いた画
像形成方法を提供することにある。又、本発明の目的
は、帯電安定性に優れたイエロートナー及び該トナーを
用いた画像形成方法を提供することにある。更に、本発
明の別の目的は、上記のような優れた画像特性を有する
イエロートナーが容易に得られるイエロートナーの製造
方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、黄色顔料を
少なくとも1種以上と黄色染料を少なくとも1種以上含
有するトナーであって、上記黄色顔料の白色紙上展色に
おける色度が、L*の値が60.0乃至95.0、a*
値が−25.0乃至−8.0、及びb*の値が+60.
0乃至+115.0であり、且つ、上記黄色染料の白色
紙上展色における色度が、L*の値が60.0乃至9
5.0、a*の値が−12.0乃至+10.0、及びb*
の値が+60.0乃至+115.0であることを特徴と
するイエロートナー、該トナーの製造方法、及び該トナ
ーを用いた画像形成方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明者ら
は、上記した従来技術の課題について鋭意検討の結果、
トナー樹脂中における黄色顔料の添加量が増加するに従
い、トランスペアレンシー画像の透過光における色度
が、転写紙上色度に比べてレッドシフトする傾向にある
ことに鑑み種々検討を行った結果、白色紙上展色(スチ
レン(St)/ブチルアクリレート(BA)樹脂中に分
散後、展色紙にバーコート)におけるX−rite S
P68(D65、視野角2度)による色度が、L*の値
が60.0乃至95.0、a*の値が−25.0乃至−
8.0、及びb*の値が+60.0乃至+115.0で
ある黄色顔料と、同様の白色紙上展色における色度が、
*の値が60.0乃至95.0、a*の値が−12.0
乃至+10.0、及びb*の値が+60.0乃至+11
5.0である黄色染料とを含有するイエロートナーを使
用すれば、単色及び2次色再現性が共に優れ、転写紙上
色相とトランスペアレンシー透過画像色相との色度差が
少ない、優れたトランスペアレンシー透過性を有する画
像が得られることを見いだして本発明に至った。
【0012】即ち、転写紙と画像との間に光沢の差が少
ない画像を得ようとすると、トナー粒子が完全溶融して
いないため定着した印字面表面の粗さによる散乱光の影
響が顕著になり、着色力を上げるために顔料等の着色剤
の添加量を増やす必要性が生じるが、顔料だけでは、例
え、緑味の黄色顔料を使用した場合でも、転写紙上と透
過光の色度差の改善は難しかった。これに対し、本発明
のイエロートナーでは、黄色顔料に加えて黄色染料を添
加することによってトナーの着色力を上げ、更にその際
に、トナーを構成する顔料及び染料の色度が特定の範囲
内にあるように制御することによって、単色及び2次色
再現性が共に優れ、しかも、転写紙上色相とトランスペ
アレンシー透過画像色相との色度差が少ない、優れたト
ランスペアレンシー透過性を有する画像を得ることを可
能とする。これに対し、色度が特定の範囲内にあるもの
より緑味の染料を使用した場合は、転写紙上及び透過光
の色度差を少なくできるものの、色相が緑味になってい
るためフルカラー画像形成装置で使用した場合において
は、マゼンタトナーの色相によっては赤色再現性が満足
がいかない場合があった。又、本発明のイエロートナー
では、着色剤に、黄色顔料と黄色染料を併用しているこ
とから、顔料単独の場合に比べて優れたトランスペアレ
ンシー透過性を有する画像が得られ、しかも、顔料を使
用していることから、染料単独の場合に比べて優れた耐
光性を有する画像が得られる。
【0013】本発明のイエロートナーで使用する黄色顔
料としては、公知の材料を使用できるが、透過光の色相
の観点から、白色紙上展色(St/BA樹脂中に分散
後、展色紙にバーコート)におけるX−rite SP
68による色度測定において、L*の値が60.0乃至
95.0、a*の値が−25.0乃至−8.0、及びb*
の値が+60.0乃至+115.0の範囲にある色度を
有することを要する。具体的な黄色顔料としては、例え
ば、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、1
7、62、74、83、93、94、95、109、1
10、111、120、128、129、147、15
1、154、155、166、167、168、18
0、185、191、199等が挙げられる。
【0014】一方、本発明において、上記したような黄
色顔料と共に使用する黄色染料としては、白色紙上展色
(St/BA樹脂中に分散後、展色紙にバーコート)に
おけるX−rite SP68による色度測定におい
て、L*の値が60.0乃至95.0、a*の値が−1
2.0乃至+10.0、及びb*の値が+60.0乃至
+115.0の範囲にある色度を有することを要する。
色度がこの範囲にある染料であれば、いずれのものも使
用できるが、本発明の効果をより顕在化するには、色相
の観点から、アントラキノン誘導体構造を有する染料を
使用することが好ましい。具体的には、C.I.ソルベ
ントイエロー163系に分類される染料を用いることが
より好ましい。
【0015】上記に挙げたような黄色顔料の添加量とし
ては、トナー結着樹脂100重量部に対して、1〜6重
量部とすることが好ましい。添加量が1重量部よりも少
ない場合は、得られる画像が耐光性に劣ったものとなる
傾向があり、一方、6重量部よりも多い場合は、画像の
透明性悪化や、転写紙上色相とトランスペアレンシー透
過画像色相との色度差が生じる恐れがある。又、本発明
のイエロートナー中の黄色染料の添加量は、トナー結着
樹脂100重量部に対し、1〜6重量部とすることが好
ましい。添加量が1重量部よりも少ない場合には、着色
力不足の問題が生じる恐れがあり、6重量部よりも多い
場合には、帯電性に問題を生じる場合がある。
【0016】本発明のイエロートナーの他の好ましい形
態としては、上記構成に加えて、黄色顔料のフェライト
キャリアとの常温常湿下での2成分トリボと、黄色染料
のフェライトキャリアとの常温常湿下での2成分トリボ
との差が10.0(mC/kg)乃至150.0(mC
/kg)であるように構成したイエロートナーが挙げら
れる。本発明者らが検討した結果、かかる構成によっ
て、トナーの帯電性が良好な状態で制御された形態のイ
エロートナーが得られることが分かった。以下、これに
ついて説明する。
【0017】一般に用いられる黄色顔料の中には、その
構造ゆえに、極性が強く、キャリア等との摩擦により強
ネガや強ポジに帯電するものがある。この場合に、強ネ
ガ性の顔料ををそのまま使用して負帯電性トナーとする
と、低湿下でのチャージアップを起こしたり、高湿下で
立ち上がりを生じる等の問題が生じる場合がある。逆
に、強ポジ性の顔料ををそのまま使用して正帯電性トナ
ーとした場合も、上記と同様の問題が生じる恐れがあ
る。本発明者らが、この問題について鋭意検討した結
果、上記した強ネガ性や強ポジ性の黄色顔料に対して、
弱ネガ性若しくは弱ポジ性の染料を共存させれば、上記
問題を解決できることが分かった。即ち、その機構につ
いては定かではないが、染料の添加により顔料の極性が
相殺され、良好な帯電特性を有するトナーとなるものと
考えられる。
【0018】本発明のイエロートナーにおいては、先に
述べたように、黄色顔料のフェライトキャリアとの2成
分トリボと、併用する黄色染料のフェライトキャリアと
の2成分トリボの差が、10.0(mC/kg)乃至1
50.0(mC/kg)の範囲内にあることが好まし
い。即ち、帯電量の差が10.0(mC/kg)未満の
場合、例えば、顔料及び染料共にトリボが高いような時
は上記のような効果は得られない。逆に共に小さい場
合、トナー中に反転成分が増加し、かぶり等を発生する
ことがある。帯電量の差が150.0(mC/kg)よ
りも大きい場合は、帯電量を制御すべき染料の添加量が
多くなり、色度や耐光性の観点から満足いくものではな
い。本発明のイエロートナーにおいては、更に、顔料と
染料夫々のフェライトキャリアとの摩擦帯電量の差が、
30.0(mC/kg)乃至150.0(mC/kg)
であることがより好ましい。
【0019】更に、本発明者らは、表面が完全には溶融
していないトランスペアレンシー画像の透過光におい
て、その色相角が最も変化しない条件について検討した
結果、ある特定の1次粒径を有する顔料を選択すれば、
ある程度抑えることが可能になることを見いだした。以
下、これについて説明する。従来、このような観点から
の記載としては、例えば、特開平4−342265号公
報に、キナクリドン顔料の1次粒子径が記載され、又、
階調性を出す等の目的のための例として、特開平4−2
04547号公報に、カーボンブラックが記載されてい
る。しかしながら、かかる顔料を、本発明のような表面
が完全には溶融していないトランスペアレンシー画像に
単純に応用した場合には、従来に比べれば色相角の変化
を抑えることができるものの、特に、イエロー透過光に
おいては色相角・色域が変化してしまうことが生じるこ
とが分かった。
【0020】これに対し、本発明者らは、イエロートナ
ー粒子中に含有している黄色顔料の形状が、個数平均径
で0.01〜0.70μmの範囲内に制御されているこ
とが好ましく、更に好ましくは0.01〜0.40μm
の範囲内に制御すれば、色相角・色域の変化を抑えるこ
とができることを見いだした。即ち、顔料の粒径が0.
01μm未満であると、その耐光性が極端に低下するだ
けではなく、製造時のハンドリング性や帯電性に悪影響
を及ぼすので好ましくない。一方、顔料の1次粒径が
0.70μmを超えると、着色剤の凝集が製造時に生じ
易くなり、本発明のイエロートナー如く染料を併用した
系であっても、トランスペアレンシー画像の透過光の色
相角・色域が紙上のものと比べて変化する傾向が見られ
ることがわかった。又、透過画像も暗くなってしまう。
【0021】上記の顔料の個数平均径は、以下の方法で
具体的に測定した。先ず、常温硬化性のエポキシ樹脂中
に、測定対象のトナーを充分に分散させた後、40℃の
雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を、四三酸化
ルテニウム、必要により四三酸化オスミウムを併用して
染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトーム
を用い、薄片状のサンプルを切り出す。その後、切り出
した薄片状のサンプルについて、透過電子顕微鏡(TE
M)を用いて観察し、トナーの断層形態を測定した。得
られたトナー断面像を100個無作為にサンプリング
し、トナー断面像中に分散している顔料粒子の画像情報
を得、その画像情報をインターフェースを介してニレコ
社製画像解析装置(Luzex3)に導入して解析を行
い、粒度分布として得た値を顔料の平均粒径とした。
【0022】本発明のイエロートナーの別の好ましい形
態としては、トナー中に低軟化点物質が5乃至30重量
%含有されているものが挙げられる。かかる低軟化点物
質は、トナー中において着色剤分散助剤の作用を有する
離型剤として機能するが、特に、後述する特定の構造の
エステルワックスを添加することが好ましい。上記で説
明した本発明のイエロートナーの構成に加えて、このよ
うなエステル基を有するワックスを組み合わせれば、帯
電特性の更なる向上が達成される。このような効果は、
本発明のイエロートナーを構成している黄色顔料及び黄
色染料中の官能基がワックス中のエステル基に対して親
和性を示すため、これらの着色剤(特に黄色顔料)が疎
水性を有するワックスに取り込れ易くなる結果、トナー
中に埋没するためと考えられる。
【0023】又、本発明のイエロートナーの構成成分と
して、上記したようなエステル基を有するワックスを添
加することは、トナー中に含有される顔料の耐光性を向
上させることにもなる。その機構については定かではな
いが、ワックスと顔料、染料の相互作用が顔料の分解を
防いでいるためと考えられる。本発明者らは、上記の観
点より検討を行った結果、この際に使用するエステルワ
ックスとしては、炭素数が15以上の長鎖エステル部分
を1個以上有するものであることがより好ましく、更
に、炭素数が15以上30以下の長鎖エステル部分を1
個以上有するものであることが特に好ましい。
【0024】即ち、炭素数が15未満であるエステルワ
ックスをトナー中に添加した場合には、顔料の表面改質
はするものの、定着機の熱量のために定着ローラー面へ
の着色剤の移行が生じ易くなるため、定着時に紙への裏
写りが生じ易くなり、ローラー耐久性を低下させる。一
方、炭素数が30を超えると、ワックスの結着樹脂に対
する可塑効果が大きくなり過ぎて、定着性が低下する。
【0025】又、近年フルカラー両面画像の必要性も増
してきているが、両面画像を形成する場合には、最初に
表面に形成された転写紙上のトナー像が、次に裏面に画
像を形成する時にも定着器の加熱部を再度通過する可能
性が有るので、よりトナーの高温オフセット性を充分に
考慮する必要が生じる。そのために、本発明のイエロー
トナーにおいては、多量のエステルワックスが添加され
て構成されることが好ましい。そのため、本発明で使用
するエステルワックスは、顔料の改質のほかに、トナー
に離型性/透明性を与えることも目的としているので、
トナー中に5〜30重量%の範囲で添加させることが好
ましい。即ち、5重量%未満の添加では、顔料に対して
充分な改質性を示さず、更に、両面画像の定着時におい
て、裏面の画像がオフセット現象を示す傾向もある。一
方、30重量%を超える場合は、トナーの製造時に、例
えば、製造装置への融着やトナー粒子同士の融着が発生
し易くなり、ドラムに対しての耐衝撃力が低下するた
め、フィルミングが発生し易くなる。
【0026】本発明のイエロートナーを製造する場合に
おいて、顔料に対してエステルワックスを添加し、これ
を改質する手段としては、予めマスターバッチ化する等
の公知の手段を使用することができるが、改質性/分散
性/再凝集性等の効果を同時に得るためには、添加時
に、黄色顔料の100量部に対して、エステルワックス
を100〜3,000重量部の割合で添加することが好
ましい。
【0027】本発明のイエロートナーに用いるエステル
ワックスとしては、ASTM D3418−8に準拠し
て測定した場合の熱分析の主体極大ピーク値が、40〜
90℃を示す化合物を使用することが好ましい。即ち、
極大ピークが40℃未満のエステルワックスを添加する
と、低軟化点物質の自己凝集力が弱くなり、結果として
トナーの高温オフセット性が弱くなるので、特に、本発
明のイエロートナーをフルカラートナーに利用する場合
には好ましくない。一方、極大ピークが90℃を超える
と、トナーの定着温度が高くなり、定着画像表面を適度
に平滑化せしめることが困難となるので、混色性の点か
ら好ましくない。
【0028】本発明で使用するエステルワックスの熱分
析による極大ピーク値温度の測定には、例えば、パーキ
ンエルマー社製DSC−7を用いて行なった。そして、
装置検出部の温度補正は、インジウムと亜鉛の融点を用
いて行ない、熱量の補正については、インジウムの融解
熱を用いて行なった。サンプルをアルミニウム製パンに
セットし、対照側に同様の空パンをセットし、昇温速度
10℃/min.で測定を行った。
【0029】本発明のイエロートナーに使用する好まし
いエステルワックスの具体例としては、下記に挙げる化
合物がある。以下に、本発明で好適に利用できるエステ
ルワックスの代表的化合物の構造式を、一般構造式
(1)〜(5)で示す。
【0030】<エステルワックスの一般構造式(1)>
【化1】
【0031】<エステルワックスの構造式(2)>
【化2】
【0032】<エステルワックスの構造式(3)>
【化3】
【0033】<エステルワックスの構造式(4)>
【化4】
【0034】<エステルワックスの構造式(5)>
【化5】
【0035】上記したような構造を有するエステルワッ
クスの中でも、本発明のイエロートナーに特に好ましく
用いられるのは、その硬度が0.5〜5.0であるもの
である。ここでいうエステルワックスの硬度とは、直径
20mmφで厚さが5mmの円筒形状のサンプルを作成
した後、かかるサンプルについて、島津製作所製ダイナ
ミック超微小硬度計(DUH−200)を用いて測定し
たビッカース硬度の値である。この際の測定条件は、
0.5gの荷重で、負荷速度が9.67mm/秒の条件
で10μm変位させた後に15秒間保持し、この時に得
られた打痕形状を測定してビッカース硬度を求める。こ
のようにして求めた硬度が、0.5〜5.0の値を示す
エステルワックスが、本発明のイエロートナーに好まし
く用いられる。即ち、硬度が0.5未満の低軟化点物質
(エステルワックス)を使用すると、トナーが、定着器
の圧力依存性及びプロセススピード依存性が大きいもの
となり易く、高温オフセット効果の発現が不充分となり
易い。他方、その硬度が5.0を超えるものを使用する
と、トナーが保存安定性に乏しいものとなり易く、又、
離型剤自身の自己凝集力も小さいため、上記の場合と同
様に、高温オフセット効果が不充分となり易い。
【0036】本発明のイエロートナーに使用する好まし
いエステルワックスの具体例としては、下記化合物が挙
げられる。
【0037】
【化6】
【0038】
【化7】
【0039】
【化8】
【0040】
【化9】
【0041】本発明のイエロートナー中には、荷電制御
剤を含有させていてもよい。トナーを負荷電性に制御す
る荷電制御剤としては下記の物質があり、いずれも本発
明のイエロートナーを作製する場合に使用することがで
きる。例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効
であり、例えば、モノアゾ金属化合物、アセチルアセト
ン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族
ダイカルボン酸系の金属化合物が挙げられる。他には、
芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカ
ルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフ
ェノール等のフェノール誘導体類等が挙げられる。更
に、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナ
フトエ酸系化合物、ホウ素化合物、カリックスアレー
ン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、ス
チレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−
スルホン酸共重合体、ノンメタルカルボン酸系化合物等
が挙げられる。
【0042】又、トナーを正荷電性に制御する荷電制御
剤としては下記の物質があり、いずれも本発明のイエロ
ートナーを作製する場合に使用することができる。例え
ば、ニグロシン、及び、脂肪酸金属塩等による変性物、
グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベ
ンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスル
フォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロ
ボレート等の4級アンモニウム塩、及び、これらの類似
体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレ
ーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ
顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リン
モリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニ
ン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化合物、フ
ェロシアン化物等使用)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチ
ルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシク
ロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイ
ド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、
ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレ
ート類;が挙げられ、これらを単独で、或いは2種類以
上を組み合わせて用いることができる。これらの中で
も、特に、ニグロシン系、4級アンモニウム塩の如き荷
電制御剤を好ましく用いることができる。これらの荷電
制御剤は、結着樹脂成分100重量部に対して、0.0
1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部の
範囲で使用するのがよい。
【0043】上記のような構成を有する本発明のイエロ
ートナーは、下記に説明する重合性単量体を含有する重
合性単量体系を重合してトナーを得る本発明のイエロー
トナーの製造方法によって容易に得られる。本発明のイ
エロートナーの製造方法では、少なくとも1種以上の黄
色顔料と少なくとも1種以上の黄色染料が含有された重
合性単量体系を重合してトナーを製造する場合に、黄色
顔料として、先に説明したような、白色紙上展色におけ
る色度が、L*の値が60.0乃至95.0、a*の値が
−25.0乃至−8.0、及びb*の値が+60.0乃
至+115.0である黄色顔料を使用し、且つ、黄色染
料として、白色紙上展色における色度が、L*の値が6
0.0乃至95.0、a*の値が−12.0乃至+1
0.0、及びb*の値が+60.0乃至+115.0で
ある黄色染料を使用する。
【0044】又、重合性単量体系を重合する具体的な方
法としては、水系媒体中で重合性単量体を直接重合して
トナーを得ることが好ましい。例えば、特公昭36−1
0231号公報、特公昭43−10799号公報及び特
公昭51−14895号公報等に記載されているよう
に、重合性単量体、上記の黄色顔料及び黄色染料を含む
着色剤、重合開始剤、更に必要に応じて、架橋剤、荷電
制御剤、その他添加剤を均一に溶解又は分散せしめて重
合性単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安
定剤を含有する連続相、例えば、水相中に適当な撹拌機
を用いて分散させて、同時に重合反応を行わせることに
よって、直接、所望の粒径を有するトナー粒子が得られ
る。上記のような重合法により得られたトナー粒子は、
その形状が球状となるので、低光沢度の画像を得ようと
する場合でも、光散乱を最小限に抑えることができ(つ
まりは色相変化を抑えることができ)、しかも透過性を
損なうことが少ないので、本発明が目的とする効果をよ
り向上させたトナーが得られる。更に、水系媒体中で重
合性単量体を直接重合させると、トナー粒子中に含有さ
れるトナーの形成材料である着色剤や帯電制御剤等が、
一端、単量体中に均一に分散或いは溶解した後、トナー
粒子が形成されるため、着色剤のトナー粒子表面への露
出が抑えられ、トナー粒子表面において、粉砕法よって
得られたトナー粒子に比べ、均一な帯電挙動を示すよう
になる。
【0045】加えて、本発明で使用する上記した黄色の
顔料や染料、更に、その好ましい形態において使用する
低軟化点物質(離型剤)、更には、荷電制御剤等を重合
性単量体中に分散させると、他の黄色の着色剤を使用し
た場合と比較して単量体系中における分散が特に安定し
ているため、同一の着色力を得るために必要な着色剤の
添加量が少なくて済むため、結果として、透明性により
優れたシャープな帯電を有するトナーが得られる。
【0046】又、粉砕法によってトナーを作製した場合
においては、コールターカウンターにより測定した平均
粒度が9μm以下になるに従って、従来では問題になら
なかった使用原材料の均一分散性や効率のよい粉砕性、
更には、シャープな粒度分布にトナーを分級することが
極めて難しくなる傾向にある。これに対し、本発明のイ
エロートナーの製造方法では、従来の粉砕法を利用した
トナーの製造方法では使用することができなかった低軟
化点物質を多量に使用することができる等の材料の選択
幅が広がる等の特徴を有しており、この点からも好まし
い。
【0047】本発明で使用する先に挙げたような特定の
色度を有する黄色顔料を用い、重合法によってトナーを
製造する場合には、これらの顔料の重合性単量体中にお
ける解砕を容易にすることが好ましいが、このために
は、単量体系中に分散させる前の黄色顔料の粒度を、先
に説明したトナー粒子中における黄色顔料の好ましい分
散粒径、即ち、個数平均径が0.01〜0.70μmの
範囲内にあるものを使用することが好ましい。具体的に
は、本発明のイエロートナーを重合法によって製造する
場合に使用する黄色顔料としては、アルコール系有機溶
媒中での粒度分布が、個数平均径で0.01〜0.50
μmの範囲内にあるものを使用することが好ましく、よ
り好ましくは0.01〜0.30μmの範囲内にあるも
のを使用する。
【0048】ここで使用するアルコール系有機溶媒中で
の粒度分布としては、具体的には、下記の方法で測定し
た。測定装置には、コールターカウンターLS型(コー
ルター社製)を用い、エタノール中へ、濃度が約20〜
400ppmとなるような割合で測定対象の黄色顔料を
添加し、超音波で60秒分散後、測定して得られる個数
分布を使用した。
【0049】本発明のイエローの製造方法では、上記し
たような黄色顔料と共に、下記に挙げるような結着樹脂
を形成するための重合性単量体を使用する。即ち、重合
法によって直接トナーを得る方法においては、従来公知
の重合性単量体を好ましく用いることができるが、具体
的には、例えば、スチレン、o(m−、p−)−メチル
スチレン、m(p−)−エチルスチレン等のスチレン系
単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)
アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、
(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸2ー
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエ
チル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の
(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イ
ソプレン、シクロヘキセン、(メタ)アクリロニトリ
ル、アクリル酸アミド等のエン系単量体が好ましく用い
られる。
【0050】そして、これらは、単独で、又は、一般的
には、形成した樹脂の、出版物ポリマーハンドブック第
2版III−P139〜192(John Wiley&
Sons社製)に記載されている理論ガラス温度(T
g)が40〜85℃を示すように、上記したような重合
性単量体を適宜に混合して用いる。即ち、理論ガラス転
移温度が40℃未満の樹脂を用いた場合には、トナーの
保存安定性や現像剤の耐久安定性の面から問題が生じ、
一方、理論ガラス転移温度が85℃を超える樹脂を用い
た場合は、トナー画像を定着させる際に、結晶性部分の
残存による粒塊が画像上に生じてしまい、特にフルカラ
ートナーの場合においては、OHP画像の透明性を著し
く低下させる傾向があり、高画質画像を形成するという
目的を実現するという面からは、好ましくない。
【0051】本発明のイエロートナーは、重合法によっ
て製造することが好ましいが、勿論、粉砕法によって製
造することもできる。この場合に好適に用いられる結着
樹脂としては、上記に挙げた単量体成分を組み合わせて
得られるスチレン−アクリル系樹脂やマレイン酸共重合
体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の公知の材料が
使用できる。特に、粉砕法を用いて本発明のイエロート
ナーを製造する場合には、本発明で目的とする分散性の
維持や帯電特性の向上を図る等のため、ポリエステル樹
脂を用いることが好ましい。
【0052】トナーを構成する結着樹脂の分子量は、G
PC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によ
り測定できる。具体的なGPCの測定方法としては、予
め、測定対象のトナーをソックスレー抽出器を用いてト
ルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバ
ポレーターでトルエンを留去せしめ、更に、低軟化点物
質は溶解するが外殻樹脂は溶解し得ない有機溶剤、例え
ば、クロロホルム等を加えて充分に洗浄を行った後、T
HF(テトラヒドロフラン)に溶解した溶液をポア径
が、0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過
して測定用サンプルを調製する。そして、上記で得られ
たサンプルを、GPCとしてウォーターズ社製の150
Cを用い、カラム構成は、昭和電工製A−801、80
2、803、804、805、806、807を連結し
たものを用い、標準ポリスチレン樹脂の検量線を用いて
分子量分布を測定する。本発明のイエロートナーにおい
ては、上記のようにして得られるトナー中の樹脂成分の
数平均分子量(Mn)が、5,000〜1,000,0
00であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)が、2〜100であるよ
うな樹脂を用いることが好ましい。
【0053】本発明のイエロートナーにおいては、外殻
樹脂中に、先に挙げたような多量に含有させる低軟化点
物質を重合法によって内包化せしめ、コア−シェル構造
を有するトナー粒子を形成させるために、先に挙げた重
合性単量体成分の他に、更に極性樹脂を添加せしめても
よい。この際に用いられる極性樹脂としては、スチレン
と(メタ)アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合
体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が好ましく用い
られる。
【0054】本発明のイエロートナーにおいては、更に
離型作用を付与するために、結着樹脂中に、先に述べた
ような構造式を有するエステルワックスに加えて、別の
低軟化点物質を添加せしめてもよい。この際に用いられ
る低軟化点物質としては、特に、ASTM D3418
−8に準拠して測定された熱分析の主体極大ピーク値が
50〜180℃を示す化合物が好ましい。即ち、極大ピ
ーク値が50℃未満であると低軟化点物質の自己凝集力
が弱くなり、結果として、トナーの高温オフセット性が
弱くなる。特に、フルカラー現像剤に用いるトナーの場
合には好ましくない。一方、極大ピーク値が180℃を
超えると、現状のところ、軟化点物質の結晶性や分散性
が劣化するため、トナーの定着性や、画像の透明性の面
から好ましくない。
【0055】この場合の低軟化点物質の極大ピーク値の
温度測定は、例えば、パーキンエルマー社製のDSC−
7を用い、装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の
融点を用いて行ない、熱量の補正については、インジウ
ムの融解熱を用いて行なう。測定にあたっては、サンプ
ルをアルミニウム製パンにセットし、対照用に同様の空
パンをセットして、昇温速度10℃/min.で測定を
行う。
【0056】上記のような熱特性を有する低軟化点物質
としては、具体的には、例えば、パラフィンワックス、
ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワ
ックス、アミドワックス、エステルワックス、高級脂肪
酸、及びこれらのグラフト/ブロック化合物等を利用す
ることができる。
【0057】本発明のイエロートナーの製造方法におい
て直接重合方法を利用する場合には、重合性単量体系に
重合開始剤を含有させることが好ましい。この際に使用
する重合開始剤として、例えば、2,2’−アゾビスー
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロ
ヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス
−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、ア
ゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤、ベン
ゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシ
ド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒ
ドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオ
キシド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開
始剤等を用いることができる。
【0058】これらの重合開始剤の添加量は、目的とす
る重合度により変化するが、一般的には、単量体に対し
0.5〜20重量%添加され用いられる。又、用いる重
合開始剤の種類は、重合方法により若干異なるが、十時
間半減期温度を参考に、上記に挙げたものを単独で、又
は混合して利用すればよい。更に、重合度を適宜に制御
するために、公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等
を更に添加して用いることも可能である。
【0059】本発明のイエロートナーの製造方法に、水
性媒体中での重合法を利用する場合には、下記に挙げる
ような無機系及び有機系の化合物からなる分散剤を用い
ることができる。例えば、無機系の分散剤としては、リ
ン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミ
ニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ア
ルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、
硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、磁性
体、フェライト等が挙げられる。又、有機系化合物とし
は、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチル
セルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリ
ウム塩、デンプン等が挙げられ、これらを水相に分散さ
せて使用することができる。これらの分散剤は、重合性
単量体100重量部に対して0.2〜2.0重量部の範
囲で使用することが好ましい。
【0060】更に、これら分散剤は、市販のものをその
まま用いてもよいが、細かい均一な粒度を有す分散粒子
を得るために、分散媒中にて高速撹拌下にて、上記した
ような無機化合物を生成させて用いることもできる。例
えば、リン酸三カルシウムのを用いる場合に、高速撹拌
下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム
水溶液を混合することで、懸濁重合方法に好ましく用い
ることのできる均一に分散された微細な分散剤を得るこ
とができる。又、上記において、生成させる分散剤の微
細化のために、0.001〜0.1重量部の界面活性剤
を併用してもよい。この際に使用できる界面活性剤とし
ては、具体的には、市販のノニオン、アニオン、カチオ
ン型の界面活性剤を利用することができる。例えば、ド
デシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、
ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウ
ム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ス
テアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が好まし
く用いられる。
【0061】本発明のイエロートナーの製造方法に、直
接重合方法を利用する場合には、以下の如き製造方法に
よって具体的にトナーを製造することが可能である。即
ち、先ず、重合性単量体中に、特定の色度を有する黄色
顔料及び黄色染料を含む着色剤、必要に応じて適宜に添
加する低軟化物質からなる離型剤、荷電制御剤、重合開
始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザーや超音波分
散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体系
を、分散安定剤を含有する水系媒体中に、通常の撹拌機
又はホモミキサー、ホモジナイザー等を用いて分散せし
める。この際、好ましくは、重合性単量体組成物の液滴
が所望のトナー粒子のサイズとなるように、撹拌速度及
び時間を調整して造粒する。更に、その後は、分散安定
剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ、粒子の沈
降が防止される程度の撹拌を行えばよい。又、重合温度
は40℃以上、一般的には、50〜90℃の温度に設定
して重合を行えばよい。又、重合反応後半に昇温しても
よく、更に、トナー定着時の臭いの原因等となる未反応
の重合性単量体、副生成物等を除去するために、反応後
半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去してもよ
い。反応終了後、生成したトナー粒子を、洗浄・ろ過に
より回収し、乾燥してトナー粒子を得る。上記の懸濁重
合法においては、通常、単量体系100重量部に対し
て、水300〜3,000重量部を水系分散媒として使
用することが好ましい。
【0062】各種のトナー特性付与を目的とした添加剤
は、トナー中に、或いはトナーに添加した時の耐久性の
点から、トナー粒子の体積平均径の1/5以下の粒径の
ものであることが好ましい。この場合の添加剤の粒径と
は、電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求
めた平均粒径を意味する。これら特性付与を目的とした
添加剤として、例えば、以下のようなものが挙げられ
る。
【0063】先ず、流動性付与剤としては、例えば、酸
化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の金属酸化
物、カーボンブラック、フッ化カーボン、シリカ等が挙
げられるが、夫々、疎水化処理を行ったものがより好ま
しい。
【0064】研磨剤としては、チタン酸ストロンチウ
ム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、酸化クロム等の金属酸化物;窒化ケイ素等の窒化
物;炭化ケイ素等の炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウム等の金属塩が挙げられる。
【0065】滑剤としては、フッ化ビニリデン、ポリテ
トラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂粉末:ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩;
等が挙げられる。
【0066】荷電制御性粒子としては、酸化錫、酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の金
属酸化物;カーボンブラック等が挙げられる。これら添
加剤は、トナー粒子100重量部に対して0.1〜10
重量部の範囲で用ることが好ましいが、更に好ましく
は、0.1〜5重量部の範囲で用いるとよい。これら添
加剤は、単独でも、又、複数併用してもよい。
【0067】上記で説明したような構成を有する本発明
のイエロートナーは、一成分系現像剤として、或いは二
成分系現像剤として使用することができる。例えば、一
成分系現像剤として利用する場合には、例えば、磁性体
をトナー中に含有せしめて磁性トナーとして用い、かか
る磁性トナーを、現像スリーブ中に内蔵せしめたマグネ
ットを利用して搬送及び帯電せしめて、静電潜像の現像
に用いることができる。又、磁性体を含有しない非磁性
トナーを用いたる一成分系現像剤の場合には、ブレード
及びファーブラシを用いて、現像スリーブにて強制的に
摩擦帯電し、スリーブ上にトナーを付着せしめることで
搬送せしめる方法がある。
【0068】一方、一般的に利用されている二成分系現
像剤として用いる場合には、本発明のイエロートナーを
キャリアと混合して現像剤とする。この際に使用される
キャリアとしては特に限定されるものではないが、主と
して、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、
クロム元素からなる単独及び複合フェライト状態で構成
される。飽和磁化、電気抵抗を広範囲にコントロールで
きる点からキャリア形状も重要であり、例えば、球状、
扁平、不定形等のものを選択することが好ましい。更
に、キャリア表面状態の微細構造、例えば、表面凸凹性
をもコントロールしたものを使用することが好ましい。
【0069】従って、キャリアを作製する場合には、一
般的に、上記に挙げたような無機酸化物を焼成、造粒す
ることにより、予め、キャリアコア粒子を生成した後、
粒子表面を樹脂によってコーティングする方法が用いら
れている。キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合
いから、無機酸化物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低
密度分散キャリアを得る方法や、更には、直接、無機酸
化物とモノマーとの混練物を水系媒体中にて懸濁重合せ
しめ、真球状分散キャリアを得る重合キャリアを得る方
法等も利用することが可能である。上記の中でも、キャ
リア粒子表面を樹脂等で被覆する系は、特に好ましい。
その方法としては、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解、若
しくは懸濁せしめて塗布してキャリア粒子表面に付着せ
しめる方法、単に粉体で混合する方法等、従来公知の方
法がいずれも適用できる。
【0070】キャリア表面への固着物質としてはトナー
材料により異なるが、例えば、ポリテトラフルオロエチ
レン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフ
ッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、
ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチ
レン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニル
ブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩
基性染料及びそのレーキ、シリカ微粉末、アルミナ微粉
末等を、単独で或いは複数で用いるのが適当であるが、
必ずしもこれに制約されない。上記化合物の処理量は、
一般には総量でキャリアに対して0.1〜30重量%、
好ましくは0.5〜20重量%がよい。これらキャリア
の平均粒径は、10〜100μm、好ましくは20〜5
0μmを有することが好ましい。
【0071】キャリアの特に好ましい態様としては、C
u−Zn−Feの3元系のフェライトでキャリアコア粒
子を作製し、その粒子表面をフッ素系樹脂とスチレン系
樹脂の如き樹脂の組み合せ、例えば、ポリフッ化ビニリ
デンとスチレン−メチルメクアクリレート樹脂;ポリテ
トラフルオロエチレンとスチレン−メチルメタアクリレ
ート樹脂、フッ素系共重合体とスチレン系共重合体;等
を90:10〜20:80、好ましくは70:30〜3
0:70の比率の混合物としたもので、0.01〜5重
量%、好ましくは0.1〜1重量%程度の量コーティン
グし、250メッシュパス、400メッシュオンのキャ
リア粒子が70重量%以上ある上記平均粒径を有するコ
ートフェライトキャリアであるものが挙げられる。フッ
素系共重合体としては、フッ化ビニリデン−テトラフル
オロエチレン共重合体(10:90〜90:10)が例
示され、スチレン系共重合体としては、スチレン−アク
リル酸2−エチルヘキシル(20:80〜80:2
0)、スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシルメタク
リル酸メチル(20〜60:5〜30:10〜50)が
例示される。上記したコートフェライトキャリアは、粒
径分布がシャープであり、本発明のイエロートナーに対
して好ましい摩擦帯電性を与え、更に、電子写真特性を
向上させる効果がある。
【0072】本発明のイエロートナーと上記したような
キャリアとを混合して二成分現像剤を調製する場合に
は、その混合比率を、現像剤中のトナー濃度として、2
〜15重量%、好ましくは4〜13重量%にすると、通
常良好な結果が得られる。トナー濃度が2重量%未満で
は画像濃度が低く実用不可となり、15重量%を超える
場合は、カブリや機内飛散を増加せしめ、現像剤の耐用
寿命を短める。
【0073】更に、磁性特性が以下のようなキャリアを
使用することが好ましい。磁気的に飽和させた後の10
00エルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が30
乃至300emu/cm3であることが必要である。更
に、高画質化を達成するためには、好ましくは100乃
至250emu/cm3のものを使用することが好まし
い。磁化の強さが300emu/cm3より大きい場合
には、高画質なトナー画像が得られにくくなる。一方、
30emu/cm3未満であると、磁気的な拘束力も減
少するためにキャリア付着を生じ易い。
【0074】次に、本発明の画像形成方法に用いる定着
手段について説明する。図2は、本発明で好適に使用し
得る定着器の構成例を示す図である。図中の23は定着
ローラーであり、該定着ローラー23には加圧ローラー
24が圧接しており、定着ローラー23との間にニップ
部を形成しつつ従動回転を行うようになっている。該定
着ローラー23は中空筒体の形態をなし、中空空間には
ハロゲンヒータ25が内臓されおり、定着に必要な熱供
給がなされる。加圧ローラー24はハロゲンヒータ25
により加熱される。ローラーの温度制御は、温度検知素
子としてのサーミスタ28を、定着ローラー23の非通
紙領域に、若しくは加圧ローラー24にサーミスタ28
を接触配置させ、その検知温度に伴う抵抗値変化により
ローラーの表面温度を検知し、制御装置(図示せず)に
より、ローラー表面温度が所定値となるようにハロゲン
ヒータ25の電流制御を行っている。
【0075】以上のような装置において、未定着転写材
はガイド62により案内されて右方よりニップ部に進入
し、定着ローラー23の表面により加圧及び加熱を受
け、定着された後、排紙される。29は、定着された転
写材と定着ローラー23又は加圧ローラー24との分離
爪である。
【0076】定着ローラー23の構成は、カラー画像の
単色〜4色の多重トナー1の厚み(数〜数十μm)に追
従するために、アルミニウム等の芯軸に弾性層を数十μ
m以上設けることが必要である。弾性が小さいとトナー
凹部の未定着やトナーのつぶれによる解像低下をもたら
す。上記弾性層の材質としては、メチル系、メチルビニ
ル系の液体シリコーンゴムRTV、LTVタイプのもの
が弾性を備えているので好適である。表層には、上記の
RTV、LTVを用いて、その下層に熱に強いHTVの
層を設け、表層裏面の熱劣化や剥がれを防いだ多層構成
としたものを用いてもてもよい。後述する本発明の実施
例及び比較例では、アルミニウム芯金21上に、ゴム硬
度(アスカーC)15度のジメチルシリコーンゴムのL
TVタイプの弾性層22を2.5mm設け、その上にP
FAチューブ層63を50μm設けたものを46mmφ
に成形して用いた。この時、定着ローラー23の製品硬
度はアスカーCで60度であった。尚、弾性層材料に、
メチルフェニル系シリコーンゴムを用いることもでき
る。
【0077】加圧ローラー24の構成は、上記の定着ロ
ーラー23に比べて弾性が小さくてもよいので単純化す
ることが可能であり、アルミニウム芯軸にHTV、フッ
素ゴム等の層を設けるのみでもよい。勿論、定着ローラ
ーと略同一の構成のものを用いてもよい。後述する本発
明の実施例及び比較例では、加圧ローラー24として、
アルミニウム芯金21上に、ゴム硬度(アスカーC)1
5度のジメチルシリコーンゴムのLTVタイプの弾性層
を22を1.5mm設け、その上にPFAチューブ層6
3を50μm設けたものを、46mmφに成形して用い
た。この時、製品硬度はアスカーCで60度であった。
尚、定着ローラー、加圧ローラーの構成材料であるゴム
としては、メチルフェニル系シリコーンゴムを用いたも
のでもよい。
【0078】後述する本発明の実施例及び比較例では、
上記のような構成を有する定着器を用い、その定着温度
を180℃でリップル±3℃以内とし、加圧力は40〜
60kgfとした。
【0079】次に、本発明で使用した各種測定方法につ
いて述べる。 [顔料及び染料の帯電量測定]顔料及び染料の帯電量
は、顔料又は染料0.5重量部に対し、樹脂コーティン
グされたフェライトキャリア99.5重量部を混合した
ものを、常温常圧下に24時間放置後、やよい振とう機
により2分間振とうした後、下記の要領で測定した。
尚、この際に使用したフェライトキャリアとしては、C
u−Zn−Feの三元系のフェライトコア(Fe約50
%、Cu約10%、Zn約10%)に対して、ポリフッ
化ビニリデンとスチレン−メチルメタクリレート共重合
体を50:50の割合で混合したものを約1重量%コー
トして作製し、250メッシュパス、350メッシュオ
ンが70重量%以上になるようにしたものを使用した。
【0080】図1に、トナーのトリボ電荷量を測定する
帯電量測定装置の説明図を示した。先ず、底に500メ
ッシュのスクリーン103のある金属製の測定容器10
2に、摩擦帯電量を測定しようとするトナーとキャリア
の混合物を50〜100ml容量のポリエチレン製のビ
ンに入れ、5〜10分間手で振とうし、該混合物(現像
剤)約0.5〜1.5gを入れ、金属製のフタ104を
する。このときの測定容器102全体の重量を秤り、そ
の値をW1(g)とする。次に、吸引機101(測定容
器102と接する部分は少なくとも絶縁体)において、
吸引口から吸引し、風量調節弁106を調整して真空計
105の圧力を250mmAqとする。この状態で充
分、好ましくは2分間吸引を行ってトナーを吸引除去す
る。このときの電位計109の電位をV(ボルト)とす
る。ここで108は、コンデンサーであり、容量をC
(μF)とする。次に、吸引後の測定容器全体の重量を
秤りW(g)とする。このトナーの摩擦帯電量(mC
/kg)は、上記で測定した値を用いて下式の如く計算
される。測定結果を、表1に示した。
【0081】
【数1】
【0082】[顔料及び染料の展色及び色度測定方法]
測定対象の顔料又は染料0.5重量部をトルエン30重
量部に混合し、1mm径のガラスビーズ30重量部の存
在下、ペイントシェーカーを用い、12時間分散を行っ
た。その後、St/BA樹脂(St/BA比が80/2
0、Tg70度、Mw=10万、Mn=2万)10重量
部を添加した後、再度、3時間の分散を行った。このよ
うにして得られた分散溶液を、標準隠ぺい率試験紙(日
本テストパネル工業社製)にNo.16バーコーターを
用いて塗布して、測定用の試験紙を作成した。得られた
試験紙の白色部展色画像の明度L*、a*、b*、彩度
*、色相角h*を、X−RITE SP68(D65、
視野角2度;X−RITE社製)を使用し測定した。そ
の結果を、表1に示した。
【0083】[低光沢画像の色彩評価方法]トナー7重
量部に対し、アクリル樹脂コーティングされたフェライ
トキャリア93重量部を混合して現像剤を作成する。次
に、得られた現像剤を用いて、定着器部分を図2に示す
ような定着器に変更して改造したキヤノン製フルカラー
複写機CLC700改造機にて、具体的には、定着器の
定着温度を可変とし、上下ローラーの材質をフッ素系と
し、定着オイル塗布機構を省くよう改造した改造機で潜
像を転写材上に転写し、画像を得た。このときの定着条
件は、転写材として光沢度4の坪量99g/m2の紙を
用い、トナーのり量0.5〜0.7mg/cm2の単色
ベタ画像を得て、得られた画像を入射角75度で測定し
た光沢度が15〜20になるよう定着温度を調整した。
又、各色の濃度条件は、コダック社製のグレースケール
とカラーパッチを原稿とし、フルカラーコピー画像でグ
レースケールがなるべく忠実に再現できるように調整
し、イエロー(Y)単色コピーの最高濃度が1.1以上
となるように濃度調節した。そして、上記状態のキヤノ
ン製フルカラー複写機CLC700改造機で、イエロー
(Y)シアン(C)の重ね合わせ画像であるグリーン
(G)、及び、イエロー(Y)マゼンタ(M)の重ね合
わせであるレッド(R)について光沢度20〜25の定
着条件で出し、このとき各色の最高濃度で重なり合った
部分をコダック社製のカラーパッチとの色調差で評価し
た。
【0084】評価については5段階で行い、画像の明度
*、彩度C*、色相角h*についてCMC(1:1)の
色度差式を導入し、比較例1の値を100としたときの
ΔE(色度差)の値を求め、下記の基準で評価した。得
られた結果を、表2−1に示した。 × :ΔΕ>100 △ :90<ΔE≦100 ○△:70<ΔE≦90 ○ :ΔE≦70 CMCの式とはJournal of the Soc
iety of Dyers and Colouri
sts、100、128(1984)に提案されている
色度式であり、明度L*、彩度C*、色相角h*に視感の
補正を加えて評価するものであり、下記式で示される。
【0085】
【数2】 尚、画像の明度L*、彩度C*、色相角h*の測定は、X
−RITE SP68(D65、視野角2度;X−RI
TE社製)を使用した。
【0086】又、着色力については、入射角75度で測
定した光沢度15〜20のべた画像部を反射濃度計RD
−918(マクベス社製)で測定した。光沢度計に、P
G−3G(日本電色工業社製;入射角75度)を用いて
測定した。耐光性については、フェードメーター(カー
ボンアーク灯)で63度60時間の照射後、退色度合い
を観察してランク付けを行った。
【0087】[トランスペアレンシー透過画像評価方
法]トランスペアレンシーシート画像の透過率は以下の
如く評価する。フルカラー複写機(CLC700;キヤ
ノン社製)改造機を使用して、トランスペアレンシーシ
ート上(CG3700:3M製)に温度23度/湿度6
0%RHの環境下で、現像コントラスト320Vにて現
像転写し、階調を有する未定着トナー画像を得た。得ら
れたトナー画像を、定着ローラーの表面がフッ素系樹脂
である外部定着器(図2に記載の構成)(オイル塗布機
能なし;ローラー径40φ)にて、定着温度180度、
プロセススピード30mm/secで定着し、定着画像
を得た。そして、得られた定着画像の画像濃度0.4〜
0.6の箇所の透過率を測定した。
【0088】透過率の測定には、島津自己分光光度計U
V2200(島津製作所社製)を使用した。トランスペ
アレンシーシート単独の透過率を100%とし、600
nmでの最大吸収波長における透過率を測定した。尚、
下記の基準で評価し、その結果を、表2−1に示した。 ○:透過率が、75%以上 △:透過率が、65%以上75%未満 △:透過率が、55%以上65%未満 ×:透過率が、55%未満
【0089】又、透過光の色空間測定については、得ら
れた画像をオーバーヘッドプロジェクター(OHP:3
M社製 9550)にて透過画像とし、白色壁面に投影
した画像を、分光放射輝度計(フォトリサーチ社製 P
R650)にて測定した。そして、その白色壁面に投影
した画像の色相角h*(OHP)と、先に測定した紙上
におけるべた部の色相角h*(紙)との色相角差Δh*
下記に示すように定義して、5段階評価して、表2−1
に示した。 × :Δh*>20 △×:15<Δh*≦20 △ :10<Δh*≦15 ○△:5<Δh*≦10 ○ :Δh*≦5
【0090】[連続通紙の画像評価方法]フルカラー複
写機(CLC700;キヤノン社製)改造機を使用し
て、高温高湿H/H(温度30度/湿度80%RH)及
び常温低湿N/L(温度23度/湿度5%RH)の環境
下で、転写材であるCLC用紙(80g紙)上に、現像
コントラスト320Vにて現像転写し、画像面積比率5
%画像を形成させ5万枚連続通紙をした後に、初期画像
と耐久画像において、画像濃度と、白べた部の紙上かぶ
りの測定、及び現像剤の帯電量を、下記の方法で測定
し、評価を行なった。
【0091】(画像濃度について)上述の着色力測定の
方法に準拠して測定し、その測定値を表2−2及び表2
−3に示した。
【0092】(かぶりの測定について)カブリの測定
は、REFLECTOMETER MODEL TC−
6DS(東京電色社製)を用い測定した。イエロートナ
ー画像ではブルーフィルターを使用し、下記式により算
出し、その測定値を表2−2及び表2−3に示した。か
ぶり値は少ない方が良好であることを意味している。
【数3】
【0093】(帯電量について)上述の帯電量測定の方
法に準拠して測定し、その測定値を表2−2及び表2−
3に示した。
【0094】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に具体的に説明する。 <実施例1>先ず、0.1MのNa3PO4水溶液と1.
0MのCaCl2水溶液を用意する。高速撹拌装置ホモ
ミキサーを備えた2リットル用四つ口フラスコ中に、イ
オン交換水710重量部と、0.1M−Na3PO4水溶
液550重量部を添加した後、回転数を10,000回
転に調整しつつ65℃に加温せしめた。次に、この中
に、1.0M−CaCl2水溶液80重量部を徐々に添
加していき、微細な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含
む水系分散媒を調製した。
【0095】一方、分散質系は、下記のようにして調製
した。 ・スチレン単量体 160重量部 ・n−ブチルアクリレート単量体 40重量部 ・着色剤1 クロモフタルイエロー3G チバスペシャリティーケミカルズ社製 [C.I.ピグメントイエロー93(平均粒径0.09μm)] 8重量部 ・着色剤2 オラセットイエローGHS チバスペシャリティーケミカルズ社製 [C.I.ソルベントイエロー163] 6重量部 ・飽和ポリエステル 8重量部 ・サリチル酸金属化合物 4重量部 ・ジビニルベンゼン 0.2重量部 ・離型剤<モノエステルワックス:Mw=650、Mn=500、SP値= 9.0、融点65℃、溶融粘度9.2(m・pa・s)> 30重量部 上記組成からなる混合物を、アトライターを用いて3時
間分散させた後、重合開始剤である2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)5重量部を添加し
て、分散物を調製した。
【0096】上記で調製した分散物を、先に調製した水
系分散媒中に投入して、回転を10,000rpmに調
節しつつ15分間造粒した。その後、高速撹拌器からプ
ロペラ撹拌羽根に撹拌器を変え、350rpmで撹拌し
つつ、内温を70℃で重合反応を計8時間継続させてス
ラリーを得た。重合終了後、スラリーを冷却し、希塩酸
を添加して分散剤を除去せしめた。更に、洗浄した後、
乾燥を行うことで本実施例のイエロートナーを得た。次
に、得られたトナーに疎水化処理酸化チタンを2%の割
合で外添し、流動性に優れた本実施例のイエロートナー
を得た。
【0097】上記で得られたトナー7重量部に対し、ア
クリル樹脂コーティングされたフェライトキャリア93
重量部を混合して、二成分系現像剤を調製した。先に述
べたような構成のキヤノン製フルカラー複写機CLC7
00改造機にて、画像及びトランスペアレンシー画像を
得た。得られた画像について評価を行ったところ、表2
−1に示したように、紙上の画像とトランスペアレンシ
ー透過画像との間に色相角の変化は殆どなく、又、OH
P透明性にも優れたものであった。
【0098】又、上記で行なった分散系を調製する際に
添加する着色剤を1種類にし、C.I.ピグメントブル
ー15:3を14重量部に変更した以外は上記と同様の
方法でシアントナーを製造した。得られたシアントナー
と本実施例のイエロートナーを用い、これらの2次色で
あるグリーン画像を形成し、グリーン画像の再現性を確
認したところ、鮮明なグリーン画像及びトランスペアレ
ンシー透過画像が得られた。
【0099】更に、添加する着色剤をC.I.ピグメン
トレッド122を14重量部に変更した以外は、同様の
方法でマゼンタトナーを製造した。得られたマゼンタト
ナーと本実施例のイエロートナーを用い、これらの2次
色であるレッドの再現性を確認したところ、鮮明なレッ
ド画像及びトランスペアレンシー透過画像が得られた。
【0100】<実施例2>実施例1で用いた処方の中
で、着色剤の処方を下記のように変更した以外は総て実
施例1と同様にして、本実施例のイエロートナーを製造
した。 ・着色剤1 クロモフタルイエロー8GN チバスペシャリティーケミカルズ社製 [C.I.ピグメントイエロー128(平均粒径0.14μm)]6重量部 ・着色剤2 オラセットイエローGHS チバスペシャリティーケミカルズ社製 [C.I.ソルベントイエロー163] 8重量部 上記で得られた本実施例のイエロートナーについて、実
施例1と同様の方法で画像を形成し、各評価を行なっ
た。この結果、表1〜表2に示したように良好な結果が
得られた。
【0101】<実施例3>実施例1で用いた処方の中
で、着色剤の処方を下記のように変更した以外は総て実
施例1と同様にして、本実施例のイエロートナーを製造
した。 ・着色剤1 PVファーストイエローH2G クラリアント社製 [C.I.ピグメントイエロー120(平均粒径0.26μm)] 10重量部 ・着色剤2 オラセットイエローGHS チバスペシャリティーケミカルズ社製 [C.I.ソルベントイエロー163] 4重量部
【0102】<実施例4>実施例1で用いた処方の中
で、着色剤の処方を下記のように変更した以外は総て実
施例1と同様にして、本実施例のイエロートナーを製造
した。 ・着色剤1 クラリアント社製 [C.I.ピグメントイエロー173(平均粒径0.17μm)] 8重量部 ・着色剤2 オラセットイエローGHS チバスペシャリティーケミカルズ社製 [C.I.ソルベントイエロー163] 6重量部 上記で得られた本実施例のイエロートナーについて、実
施例1と同様の方法で画像を形成し、各評価を行なっ
た。この結果、表1〜表2に示したように良好な結果が
得られた。
【0103】<実施例5>実施例1で用いた処方の中
で、(顔料)を粒径0.60μmに伸張させた化合物に
変更した以外は総て実施例1と同様にして、本実施例の
イエロートナーを製造した。上記で得られた本実施例の
イエロートナーについて、実施例1と同様の方法で画像
を形成し、各評価を行なった。この結果、表1〜表2に
示したように良好な結果が得られた。
【0104】<実施例6>実施例1で用いた処方の中
で、添加するエステルワックスの添加量を30重量部か
ら110重量部に変更した以外は総て実施例1と同様に
して、本実施例のイエロートナーを製造した。上記で得
られた本実施例のイエロートナーについて、実施例1と
同様の方法で画像を形成し、各評価を行なった。この結
果、表1〜表2に示したように良好な結果が得られた。
【0105】<実施例7>実施例1で用いた処方の中
で、着色剤1をC.I.ピグメントイエロー199に変
更し、サリチル酸金属化合物を4級アンモニウム塩の荷
電制御剤に変更した以外は総て実施例1と同様にして、
本実施例のイエロートナーを製造した。上記で得られた
本実施例のイエロートナーについて、実施例1と同様の
方法で画像を形成し、各評価を行なった。この結果、表
1〜表2に示したように良好な結果が得られた。
【0106】<実施例8>実施例1で用いた処方の中
で、離型剤をエステルワックスからポリプロピレンワッ
クスに変更した以外は総て実施例1と同様にして、本実
施例のイエロートナーを製造した。上記で得られた本実
施例のイエロートナーについて、実施例1と同様の方法
で画像を形成し、各評価を行なった。この結果、表1〜
表2に示したように、良好な結果が得られた。
【0107】<実施例9>ポリエステル樹脂(ビスフェ
ノールA系ジオール−テレフタル酸−トリメリット酸縮
合物、モノマー混合重量比=50:45:5、MW=5
5,000)100重量部に対して、2種類の着色剤、
荷電制御剤及び離型剤を夫々下記の配合で加えて、溶融
・混練・粉砕・分級を行って、本実施例のイエロートナ
ーを製造した。 ・着色剤1 クロモフタルイエロー3G チバスペシャリティーケミカルズ社製 [C.I.ピグメントイエロー93(平均粒径0.09μm)] 4重量部 ・着色剤2 オラセットイエローGHS チバスペシャリティーケミカルズ社製 [C.I.ソルベントイエロー163] 3重量部 ・サリチル酸金属化合物 2重量部 ・離型剤<モノエステルワックス:Mw=650、Mn=500、SP値= 9.0、融点65℃、溶融粘度9.2(m・pa・s)> 5重量部 上記で得られた本実施例のイエロートナーについて、実
施例1と同様の方法で画像を形成し、各評価を行なっ
た。この結果、表1〜表2に示したように、良好な結果
が得られた。
【0108】<比較例1>実施例1で用いた処方の中
で、着色剤として下記の処方の顔料のみを使用した以外
は総て実施例1と同様にして、本比較例のイエロートナ
ーを製造した。 ・着色剤 クロモフタルイエロー8GN チバスペシャリティーケミカルズ社製 [C.I.ピグメントイエロー128(平均粒径0.14μm)] 14重量部
【0109】<比較例2>実施例1で用いた処方の中
で、着色剤として下記の処方の染料のみを使用した以外
は総て実施例1と同様にして、本比較例のイエロートナ
ーを製造した。 ・着色剤 オラセットイエローGHS チバスペシャリティーケミカルズ社製 [C.I.ソルベントイエロー163] 14重量部
【0110】<比較例3>実施例1で用いた処方の中
で、着色剤として下記の処方を使用した以外は総て実施
例1と同様にして、本比較例のイエロートナーを製造し
た。 ・着色剤1 PVファーストイエローH2G クラリアント社製 [C.I.ピグメントイエロー120(平均粒径0.26μm)] 8重量部 ・着色剤2[C.I.ソルベントイエロー15] 6重量部
【0111】<比較例4>実施例1で用いた処方の中
で、着色剤として下記の処方を使用した以外は総て実施
例1と同様にして、本比較例のイエロートナーを製造し
た。 ・着色剤1 [C.I.ピグメントイエロー139(平均粒径0.31μm)] 8重量部 ・着色剤2 オラセットイエローGHS チバスペシャリティーケミカルズ社製 [C.I.ソルベントイエロー163] 6重量部
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
【0114】
【表3】
【0115】
【表4】
【0116】
【表5】
【0117】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
着色剤に、特定の色相範囲の顔料と染料を使用し、更
に、好ましくは、顔料と染料の帯電量差を特定の範囲に
制御して構成することにより、現像性に優れ、且つ、低
光沢度の画像を形成した場合においても着色力が高く、
更に、オーバーヘッドプロジェクター用フィルムにして
も透過性に優れた画像を得ることができるイエロートナ
ー及び該トナーを使用した画像形成装置が提供される。
更に、本発明によれば、上記の優れた特性を有するイエ
ロートナーが容易に得られるイエロートナーの製造方法
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーの帯電量を測定するための装置の説明図
である。
【図2】本発明の画像形成方法で使用できる画像加熱定
着装置の概略説明図である。
【符号の説明】
23:定着ローラー 24:加圧ローラー 25:ハロゲンヒーター 28:サーミスタ 29:分離爪 62:ガイド 101:吸引機 105:真空計 106:風量調節弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝田 恭史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 AA21 BA02 CA14 CA21 CB04 DA04 EA01 EA05 EA10 FA01 FB02 2H030 AD01 AD04 BB44

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黄色顔料を少なくとも1種以上と黄色染
    料を少なくとも1種以上含有するトナーであって、上記
    黄色顔料の白色紙上展色における色度が、L*の値が6
    0.0乃至95.0、a*の値が−25.0乃至−8.
    0、及びb*の値が+60.0乃至+115.0であ
    り、且つ、上記黄色染料の白色紙上展色における色度
    が、L*の値が60.0乃至95.0、a*の値が−1
    2.0乃至+10.0、及びb*の値が+60.0乃至
    +115.0であることを特徴とするイエロートナー。
  2. 【請求項2】 黄色顔料のフェライトキャリアとの常温
    常湿下での2成分トリボと、黄色染料のフェライトキャ
    リアとの常温常湿下での2成分トリボとの差が10.0
    (mC/kg)乃至150.0(mC/kg)である請
    求項1に記載のイエロートナー。
  3. 【請求項3】 黄色顔料の個数平均径が0.01〜0.
    70μmである請求項1又は請求項2に記載のイエロー
    トナー。
  4. 【請求項4】 黄色顔料が、C.I.ピグメントイエロ
    ー12、13、14、17、62、74、83、93、
    94、95、109、110、111、120、12
    8、129、147、151、154、155、16
    6、167、168、180、185、191、199
    から選ばれる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記
    載のイエロートナー。
  5. 【請求項5】 黄色顔料のフェライトキャリアとの常温
    常湿下での2成分トリボと、黄色染料のフェライトキャ
    リアとの常温常湿下での2成分トリボの差が30.0
    (mC/kg)乃至150.0(mC/kg)である請
    求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のイエロート
    ナー。
  6. 【請求項6】 黄色顔料が、C.I.ピグメントイエロ
    ー93、94、95、109、110、120、12
    8、129、147、151、155、166、16
    7、168、180、191から選ばれる請求項1乃至
    請求項5のいずれか1項に記載のイエロートナー。
  7. 【請求項7】 黄色染料が、アントラキノン誘導体構造
    を有する染料である請求項1乃至請求項6のいずれか1
    項に記載のイエロートナー。
  8. 【請求項8】 黄色染料が、化合物C.I.ソルベント
    イエロー163である請求項1乃至請求項7のいずれか
    1項に記載のイエロートナー。
  9. 【請求項9】 トナー中に低軟化点物質が5乃至30重
    量%含有されている請求項1乃至請求項8のいずれか1
    項に記載のイエロートナー。
  10. 【請求項10】 低軟化点物質が、炭素数15以上の長
    鎖エステル部分を1個以上有するものである請求項1乃
    至請求項9のいずれか1項に記載のイエロートナー。
  11. 【請求項11】 少なくとも1種以上の黄色顔料と少な
    くとも1種以上の黄色染料が含有された重合性単量体系
    を重合してトナーを製造するトナーの製造方法におい
    て、上記黄色顔料として、白色紙上展色における色度
    が、L*の値が60.0乃至95.0、a*の値が−2
    5.0乃至−8.0、及びb*の値が+60.0乃至+
    115.0である黄色顔料を使用し、且つ、上記黄色染
    料として、白色紙上展色における色度が、L*の値が6
    0.0乃至95.0、a*の値が−12.0乃至+1
    0.0、及びb*の値が+60.0乃至+115.0で
    ある黄色染料を使用することを特徴とするトナーの製造
    方法。
  12. 【請求項12】 現像剤担持体上に担持されたトナーを
    有する現像剤を現像域まで搬送し、現像域で像担持体上
    に形成されている静電潜像を現像剤で現像してトナー画
    像を像担持体上に形成し、該トナー画像を記録材上に転
    写し、耐熱性ゴムの基層及び該基層の表面にフッ素系樹
    脂の表面層を有する定着ローラー及び該定着ローラーに
    圧接する加圧ローラーを有する加熱加圧定着手段によ
    り、記録材にトナー画像を定着する画像形成方法におい
    て、上記トナーとして、黄色顔料を少なくとも1種以上
    と黄色染料を少なくとも1種以上含有するイエロートナ
    ーであって、且つ、上記黄色顔料の白色紙上展色におけ
    る色度が、L*の値が60.0乃至95.0、a*の値が
    −25.0乃至−8.0、及びb*の値が+60.0乃
    至+115.0であり、上記黄色染料の白色紙上展色に
    おける色度が、L*の値が60.0乃至95.0、a
    の値が−12.0乃至+10.0、及びb の値が+6
    0.0乃至+115.0であるイエロートナーを少なく
    とも使用し、且つ、上記定着ローラー及び加圧ローラー
    として、その製品硬度がアスカーCで50乃至80度の
    ものを使用することを特徴とする画像形成方法。
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