以下、本発明の実施の形態を示して、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いられるC.I.ピグメントイエロー74は、モノアゾ顔料として広く知られている着色剤である。C.I.ピグメントイエロー74は、着色力や耐候性、OHP透明性に優れ、また、色相が鮮明な顔料であるため、イエロートナーの着色剤として使用するのに好適な顔料である。
その一方、C.I.ピグメントイエロー74は、水相もしくは油相中に分散させた際のゼータ電位値が小さいという特徴を有している。
ゼータ電位とは、溶液中の微小粒子(ここではC.I.ピグメントイエロー74粒子)の周囲に形成されるイオン固定層とイオン拡散層とよばれる電気二重層中の、液体流動が起こり始める「滑り面」の電位として定義される。微小粒子の表面特性により、このゼータ電位の絶対値は正(ポジ性)や負(ネガ性)の値を示すが、この絶対値が大きいほど該溶液中における微小粒子同士の電気的反発力が強く、粒子同士が分散・安定化しやすいということを示す。逆にこの値が小さいと、微小粒子同士の電気的反発力が弱く、粒子同士が凝集しやすいということを表す。このように、ゼータ電位はその値から粒子の分散安定性をはかることのできる指標である。
C.I.ピグメントイエロー74は、pH7.0の純水中に分散させた際のゼータ電位値がおよそ−30mV乃至30mVと小さい。そのため、C.I.ピグメントイエロー74は、例えば粉砕法によるトナー製造法に使用した場合には、溶融混練時に着色剤粒子の凝集が促進されやすいという問題があった。また、水系媒体中でのトナー製造に使用した場合においても、着色剤の分散性が不十分になるという問題があった。そのため、トナーの着色力が低下し画像濃度の低下が生ずるという問題があった。
また一方で、C.I.ピグメントイエロー74は、水系中への分散が比較的良好な顔料であることが知られている。そのため、例えば水系媒体中にてO/W型エマルジョンにてトナー粒子を製造する際に、C.I.ピグメントイエロー74のトナー粒子表面への存在確率が高くなるという問題があった。その結果、トナー表面の着色剤が悪影響を及ぼし、低温におけるトナーの定着性の悪化や、トナーの帯電性の低下、また現像部材への汚染による現像特性の低下を生じてしまう。さらに連続プリントにおいて、トナーの劣化が生じやすくなり、定着部材への汚染も併発し定着特性も悪化させてしまうことがあるという問題があった。
これに対して、上記着色剤を表面処理することでO/W型エマルジョンの油相への分散性を促進させる考えがある。表面処理剤としては、一般にロジン等の樹脂系の疎水化処理剤が用いられている。しかし、これらの表面処理剤の多くは酸性材料であり、表面処理後はC.I.ピグメントイエロー74顔料粒子の表面pHが中性付近、もしくは酸性側になってしまうことがほとんどであった。その結果、特に水系媒体中におけるトナー製造時においては、原材料として併せて使用されることの多い、極性樹脂や荷電制御剤といった、一般に酸性である材料との排斥が生じやすくなり、トナー製造時の系が不安定化しやすく、粒度分布がブロード化してしまうという問題があった。その結果、トナーの着色力の低下や部材汚染による現像性の低下や個々のトナー組成のばらつきや、それによるトナー硬度の弱化など課題が克服できていなかった。
本発明者らは、結着樹脂、着色剤組成物を少なくとも含有するイエロートナー粒子を有するイエロートナーであって、
該着色剤組成物は、C.I.ピグメントイエロー74を少なくとも有しており、
該着色剤組成物の、JIS(K5101−17−1)(2004年)に基いて測定したpHが6.0以上10.0以下であり、
該着色剤組成物の、pHが7.0におけるゼータ電位をζP(7.0)とする時、ζP(7.0)が−200.0mV以上−50.0mV以下であり、
該イエロートナー粒子は、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐からなるグループより選ばれる少なくとも一種の元素を含有し、該元素の含有量の合計が、トナー粒子質量基準で10ppm以上10000ppm以下である場合、上記問題を解決できるイエロートナーを得ることができることを見出した。
本発明に用いられる着色剤は、C.I.ピグメントイエロー74を少なくとも含有する。C.I.ピグメントイエロー74は、縮合モノアゾイエロー顔料であり、着色力や耐候性が良好な着色剤である。本発明では、前記着色剤に加え、他のイエロー着色剤を含有していても構わない。具体的には、具体的には、以下の、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、128、129、138、147、150、151、154、155、168、180、185、214等が好適に例示できる。これらの着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し1質量部以上20質量部以下が好適である。
本発明者らは、C.I.ピグメントイエロー74を含む着色剤組成物の、JIS(K5101−17−1)に基いて測定したpHが6.0以上10.0以下とすることにより、酸価を有する極性樹脂や荷電制御剤等の酸性材料と併せて使用しても、着色剤組成物のトナー粒子中への分散性が良好な状態が保たれ、十分な着色力を発揮することができると考えている。
JIS(K5101−17−1)に基いて測定したpHが6.0未満の場合には、C.I.ピグメントイエロー74を含む着色剤組成物と、極性樹脂や荷電制御剤との排斥が生じ、着色剤の分散性が不十分になる場合があり、トナーの着色力が低下したり、連続プリントによるトナー劣化が生じやすくなったりする原因となる。また、pHが10.0より大きい場合には、この着色剤組成物と、極性樹脂や荷電制御剤との親和性が増加すぎてしまい、着色剤組成物がトナー表面に偏析してしまう場合がある。その場合、トナーによる現像部材の汚染や、定着機の汚染といった問題が生じてしまう。
C.I.ピグメントイエロー74を含む着色剤組成物の、JIS(K5101−17−1)に基いて測定したpHを、6.0以上10.0以下にするためには、後述する表面処理剤のうち好ましい化合物を選択すること等により達成することができる。もしくは、C.I.ピグメントイエロー74を含む着色剤組成物に、塩基性置換基を導入し顔料誘導体とすることによっても達成可能である。
本発明に用いられる着色剤組成物の表面処理に用いる表面処理剤としては、アミノ基等の塩基性基を有し、表面処理に用いることができる化合物が好適に用いられる。例えば、デヒドロアビエチルアミン、デヒドロアビエタン−1−アミン、ジヒドロアビエチルアミン、テトラヒドロアビエチルアミン、並びにそれらの2量体、3量体、4量体、または多量体形を含むロジンアミンまたはロジニルアミン及びその誘導体、並びにそれらの混合物が挙げられる。天然または合成のいずれであってもよい。
特に、水系媒体中におけるトナー製造において、水系への着色剤の溶出を防止するとともに、処理剤の遊離等によるトナーの帯電性の低下や、現像部材への汚染による現像特性の低下を防止するという観点からデヒドロアビエチルアミンが好ましい。
アミノ基を有する化合物で着色剤を表面処理する方法としては、(1)表面処理剤をアルコールの如き溶媒に溶解させ、着色剤表面にコートした後にスプレードライヤーで乾燥する方法。(2)処理剤と着色剤を乾式混合した後、必要に応じて溶融混練等の熱処理を施す乾式混合法。(3)着色剤製造時の着色剤の合成溶液中に処理剤を加えた後、着色剤表面に被覆処理を施す湿式処理法等が挙げられる。着色剤に対する表面処理剤の処理量は、着色剤100質量部に対して、表面処理剤0.3質量部以上50質量部以下が好ましく、更に好ましくは1質量部以上25質量部以下である。
塩基性基を有する顔料誘導体の製造方法としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー74を含む着色剤組成物と、アミノ結合を形成しうる反応性基含有体を、還流下にて反応させた後、溶剤を除去する方法などが挙げられる。顔料誘導体における前記置換基としては、炭素原子を3個以上有するアミノアルキル基が好ましい。
また、本発明に用いられる着色剤組成物は、pH=7.0の純水中におけるゼータ電位ζP(7.0)が−200.0mV以上−50.0mV以下である。本来、C.I.ピグメントイエロー74はゼータ電位値の小さい着色剤であるが、上記ゼータ電位値領域のネガ性を付与することにより、着色剤同士の反発力を適度に高めることができる。その結果、着色剤組成物のトナー粒子中への分散性がさらに良好になり、また十分小さい着色剤粒子の一次粒径を保持することができる。それにより、十分な着色力を発揮しつつ、所望の色味を達成することができ、またOHP透過時の透明性を向上させることができると考えている。
該着色剤組成物のゼータ電位値が−200mVより小さい場合には、該着色剤組成物の負帯電性が高くなりすぎてしまい、低湿環境下においてトナーの摩擦帯電量がチャージアップし易くなるなど、帯電の安定性に劣るようになってしまう。また、着色剤組成物がトナー粒子表面に存在しやすくなり、低温における定着性が悪化する場合がある。
また、ゼータ電位値が−50mVよりも大きい場合には、該着色剤組成物がトナー製造工程において凝集しやすくなり、該着色剤組成物の分散性が悪化することがある。その場合、十分な着色力を発揮することができなかったり、色相が変化したりするなどの問題が生じてしまう。
着色剤組成物のゼータ電位に関する上記条件を達成するためには、前記塩基性処理されたC.I.ピグメントイエロー74含有該着色剤組成物、もしくは塩基性基を導入したC.I.ピグメントイエロー74の顔料誘導体組成物に、高極性を有する表面処理剤を追加処理することにより達成できる。この表面処理剤としては、例えば高極性を有するロジン樹脂を用いることができる。ロジン樹脂は天然または合成のいずれであってもよい。ロジンの種類としては、トールロジン、ウッドロジン、ガムロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水添ロジン、マレイン化ロジン等が挙げられる。表面処理剤の酸価は高いものが好ましく、酸価が30以上300以下のロジン樹脂を使用することが好ましい。またその処理量は、着色剤100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下が好ましく、更に好ましくは5質量部以上30質量部以下が適当である。
また、本発明では、トナー粒子がマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐からなるグループより選ばれる少なくとも一種の元素を含有し、該元素の含有量の合計が、トナー粒子質量基準で10ppm以上10000ppm以下であることを特徴とする。
本発明のトナーにおいては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム及び燐の如きポジ帯電性を有する元素がトナー粒子に適当量存在することにより、上記処理による高ネガ性(負帯電性)を有するC.I.ピグメントイエロー74含有着色剤組成物と、トナー粒子内に存在する上記金属元素とが引き付け合い、上記着色剤組成物がトナー粒子中においてより安定した状態をとるようになると考えられる。その結果、上記着色剤組成物のトナー粒子中への分散性がより良好となる。このようなトナー粒子においては、上記着色剤組成物と上記金属元素とが安定した状態で、トナー粒子の内部に多く存在するようになるため、水分の影響を受けにくくなり、帯電の環境安定性に優れたトナーとなる。したがって、長時間にわたる連続プリントにおいても、カブリ等の発生の少ないトナーを提供することができる。
上記の金属元素の含有量が10ppm未満の場合には、高ネガ性を有するC.I.ピグメントイエロー74含有着色剤組成物によるトリボの上昇を抑制することができにくくなり、低湿環境下においてトナーの摩擦帯電量がチャージアップし易くなるなど、帯電の安定性に劣るようになってしまう。
上記の金属元素の含有量が10000ppmを超える場合には、高湿環境下において、急激な帯電量ダウンが見られ、それに伴いカブリが発生する。さらに、トナー表面の硬度が増加するために、低温定着性が悪化してしまう。
トナー粒子中の金属元素含有量に関する上記条件は、水系媒体中で造粒を行いトナー粒子を製造する場合には、添加する分散安定剤の種類や量、また、トナー粒子製造工程終了後に添加する酸の量によって調整することができる。
本発明のイエロートナーは、テトラヒドロフラン(THF)可溶分中におけるシクロヘキサン(CHX)不溶分の示差走査熱量計により測定したガラス転移温度(Tg)が、少なくとも80℃以上120℃以下に存在することが好ましく、85℃以上110℃以下に存在することが更に好ましい。
シクロヘキサン(以下、CHXとも称する)は極性溶媒に溶けにくい性質を持ち、極性を有さないポリマーを溶解する溶解性は高いが、極性を有するポリマーを溶解する溶解性は低い。したがって、極性を有さないポリマーと極性樹脂を分別するための最も優れる溶剤のひとつである。このことから、本発明のトナーのテトラヒドロフラン(以下、THFとも称する)可溶分中のシクロヘキサン不溶分とは、上記極性樹脂を指しているものと考えている。また、上記極性樹脂が、極性を持ちつつ結着樹脂とのなじみやすさをも同時に持つ場合には、トナー粒子中において、内層及び外層を有するような層が分離した状態ではなく、極性樹脂がトナー粒子の中心から表面にかけて徐々に濃度が高まるような濃度勾配が生じると本発明者らは考えている。
例えば、トナーの製造方法として懸濁重合法を用いた場合、添加した極性樹脂は、重合性単量体へ溶解した後、重合反応と共に重合性単量体の量が減少することで、トナー粒子表面での極性樹脂の割合が増加するものと考えられる。しかし、本発明で用いている極性樹脂が、結着樹脂とのなじみも良好である場合には、極性樹脂がトナー粒子中において濃度勾配を持つものと推定している。これらにより、内層との密着性を十分確保しながら外層形成することが可能となっているものと予想している。
その結果密着性や強靭性が強化され、トナーの現像性や転写性のレベルアップがなされることで、高耐久性につながっていると考えている。また、定着においても、極性樹脂がトナー粒子中において濃度勾配を持っているという特定の内部構造が、定着特性にも効果を発現しているものと考えている。つまり、極性樹脂が結着樹脂となじみ易いという特性が、トナーを加熱した際にトナー粒子中に含まれるワックスが迅速にトナー粒子表面に移動し易くさせているものと予想している。
本発明のトナーの、THF可溶分中におけるCHX不溶分の示差走査熱量計により測定したガラス転移温度(Tg)が、80℃以上120℃以下に存在する場合、低温定着性を維持し、写真や印刷の画質に近づけるために必要な適切な光沢度及び画像濃度が得られる。さらに、トナーに適度な強靭性が得られ、現像時の耐ストレス性が向上する。その結果、長期画出しにおいて、帯電量が低下し、かぶりやトナー飛散を引き起こしてしまうことを防止できる。また、トナー粒子に好ましく外添されるシリカ、チタン等に代表される無機微粒子の埋め込みによる転写効率の低下を抑制できる。
上記ガラス転移温度(Tg)は、トナー原材料として用いられる極性樹脂の影響を受けるため、極性樹脂製造時のモノマー組成比等で調整することが可能である。
シクロヘキサン不溶分は、トナー原材料の極性樹脂量の影響を受けるため、上記シクロヘキサン不溶分の含有量は、トナー製造時の極性樹脂の仕込み量等で調整することが可能である。
前記極性樹脂は、示差走査熱量計により測定したガラス転移温度(Tg)が、少なくとも80℃以上120℃以下に存在することが好ましく、85℃以上110℃以下に存在することが更に好ましい。極性樹脂を含有することにより、トナー内層成分を保護することが可能となる。それにより、高温環境下におけるワックスの染み出しを抑制可能となる。その結果、部材汚染が抑制可能となるばかりでなく、低温定着性と高耐久性の両立も可能となる。更には、極性樹脂を含有することにより、帯電性もより安定させることができ、トナーの現像性や転写性のレベルアップがなされる。
極性樹脂のガラス転移温度(Tg)が、80℃以上120℃以下に存在する場合、低温定着性を維持し、写真や印刷の画質に近づけるために必要な適切な光沢度及び画像濃度が得られつつも、トナーに適度な強靭性が得られ、現像時の耐ストレス性が向上する。その結果、長期画出しにおいて、帯電量が低下し、かぶりやトナー飛散を引き起こしてしまうことを防止できる。また、トナー粒子に好ましく外添されるシリカ、チタン等に代表される無機微粒子の埋め込みによる転写効率の低下を抑制できる。加えて、トナー製造時において、トナー粒子間における極性樹脂と着色剤の均一な組成分布が得やすくなり、粒度均一性が向上する。その理由は定かではないが、極性樹脂の適度な分子運動により、着色剤との相互作用を引き起こしやすくしているものと予想している。
結着樹脂として、ポリスチレン、スチレン置換体の単重合体、スチレン系共重合体のようなビニル系重合体が用いられている場合、シェルバインダー樹脂としても、ビニル系重合体を用いることが好ましい。
本発明に用いられる極性樹脂としては、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如き含窒素単量体の重合体もしくは含窒素単量体とスチレン−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;アクリロニトリルの如きニトリル系単量体;塩化ビニルの如き含ハロゲン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸の如き不飽和カルボン酸;不飽和二塩基酸;不飽和二塩基酸無水物;ニトロ系単量体の重合体もしくはそれとスチレン系単量体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体といったスチレン系共重合体との共重合体;ポリエステル;エポキシ樹脂;が挙げられる。
本発明の極性樹脂は結着樹脂との密着性の観点から、結着樹脂と同組成のものを含むことが好ましい。結着樹脂として、ポリスチレン、スチレン置換体の単重合体、スチレン系共重合体のようなビニル系重合体が用いられている場合には、極性樹脂としてビニル系共重合体が好ましく用いられる。
また、スチレン系の共重合体を用いる場合には、残留スチレンが0乃至300ppmの範囲であることが、極性樹脂と結着樹脂との馴染みを良好にするために好ましい。
また、コアバインダー樹脂として、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂が用いられている場合には、シェルバインダー樹脂としては、ビニル系重合体と上記それぞれの樹脂との変性樹脂が挙げられる。
極性樹脂としては、GPCでのピーク分子量Mpが7,000乃至250,000、重量平均分子量Mwが7,000乃至260,000、数平均分子量と重量平均分子量との比(Mw/Mn)が1.05乃至5.00であるものが好ましい。より好ましくは、ピーク分子量Mpが10,000乃至250,000、重量平均分子量Mwが10000乃至260,000である。また、酸価は5乃至40mgKOH/gであるものが好ましく、より好ましくは10乃至30mgKOH/gである。
本発明に用いる極性樹脂の含有量は、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対して10質量部以上40質量部であることが好ましい。より好ましくは15質量部以上30質量部である。
懸濁重合法にてトナー粒子を製造する際には、添加する極性樹脂がコアバインダー樹脂と相溶することによりトナーのTgが上昇する。そのため、コアバインダー樹脂を生成するためのモノマーの理論Tgを低く設定し、製造されるトナーのTgが所定の範囲内となるようにすることが好ましい。低い理論Tgで設計した場合には耐熱性(耐ブロッキング性)が低下してしまいやすいが、トナーをこのようなコアシェル構造に設計することで、耐熱性の低下を抑制できる。そして、現像性、転写性及び定着性の向上を達成でき、従来のトナーよりも良好な特性を得ることが可能となる。
本発明においては、コアバインダー樹脂のガラス転移温度は、10乃至45℃であることが好ましく、より好ましくは15乃至40℃である。コアバインダー樹脂のガラス転移温度については、コアバインダー樹脂のみをトナー粒子から単離することが困難であるため、その処方から計算される理論Tgをコアバインダー樹脂のTgとみなしてもよい。
本発明のトナーは、100℃におけるトナーの粘度が、1.00×104乃至3.50×104Pa・sであることが好ましい。100℃におけるトナーの粘度が、上記範囲内である場合、ワックスの染み出しが適当となり、より良好な耐高温オフセット性が得られる。また、適度な強靭性が維持されるため、現像性や転写性がより良好となる。更に、転写紙との付着力が適度となるため、低温定着性や巻きつき性に関してもより良好な効果が得られる。また、高い光沢度を有する定着画像がより得やすくなる。100℃におけるトナーの粘度は、1.00×104乃至2.50×104Pa・sであることがより好ましい。
なお、上記粘度は、結着樹脂の分子量やガラス転移温度を調整したり、ワックス成分の種類および含有量を調整したりすることで条件を満たすことができる。また、本発明の好ましい形態である重合トナーの場合には、重合条件(温度、開始剤種、開始剤量)で調節することが可能である。
本発明におけるトナーは、フロー式粒子像分析装置で測定されたトナーの平均円形度が、0.960乃至0.995であることが好ましい。平均円形度が上記範囲内である場合には、良好な転写性を得ることができる。また流動性向上剤(外添剤)をトナー粒子表面により均一に近い状態で付着させることができ、平滑性の低い転写材においても良好な転写が可能となる。トナーの平均円形度は、0.970乃至0.995であることがより好ましい。なお、トナーの平均円形度は、トナーの製造時に温度を調整することでその条件を満たすことが出来る。また、本発明の好ましい形態である、重合トナーの場合には、分散安定剤の仕込み量を調整することで条件を満たすことができる。
本発明におけるトナーの重量平均粒径(D4)は、高精細、高画質の画像を得るという観点から4.0乃至9.0μmであることが好ましい。重量平均粒径が上記の範囲内である場合には、部材に対する汚染をより良好に抑制でき、また、良好なドット再現性を得ることができる。トナーの重量平均粒径は、4.5乃至8.5μmであることがより好ましい。
なお、上記トナーの重量平均粒径(D4)に関する上記の条件は、トナー製造時に風力分級、篩い分けといった粒度調整工程において粒度調整することで満たすことが可能である。また、本発明の好ましい形態である、懸濁重合法トナーの場合には、分散安定剤の仕込み量で調整することが可能である。
本発明のトナーは、良好な定着画像を得るために、結着樹脂100質量部に対して0.5乃至50質量部、より好ましくは、3乃至30質量部のワックス成分を含有することが好ましい。更に好ましくは5質量部乃至20質量部である。ワックス成分の含有量が上記の範囲内であれば、長期間の保存性を維持しつつ、低温オフセットを良好に抑制することができる。また、他のトナー材料の分散を妨げることがなく、良好な流動性や画像特性を維持できる。
本発明のトナーに使用可能なワックス成分としては、以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムの如き石油系ワックス及びその誘導体;モンタンワックスおよびその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体;カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体。これらの誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。さらには、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックスが挙げられる。この中で特に、離型性に優れるという観点からエステルワックス及び炭化水素ワックスが好ましい。更に好ましくは、トータルの炭素数が同一である化合物が、50乃至95質量%でワックス成分に含有されていることが、ワックス純度が高く現像性の観点で、本発明の効果を発現し易い。
これらのワックスの中では、示査走査熱量測定装置により測定されるDSC曲線の最大吸熱ピークが40℃乃至110℃の範囲にあるものが好ましく、更には45℃乃至90℃の範囲にあるものがより好ましい。また、最大吸熱ピークの半値幅は、2乃至15℃であることが好ましく、2乃至10℃であることがより好ましい。最大吸熱ピークの半値幅とは、吸熱ピークにおけるベースラインからピーク高さの2分の1の値を示す部分の、吸熱チャートの温度幅のことである。半値幅が上記の範囲内である場合、ワックスの結晶性が適度であり、適度な硬度を有するため、感光体や帯電部材への汚染の発生を抑制することができる。また、本発明のトナーは、示差走査熱量測定装置により測定されるDSC曲線の70乃至120℃の範囲に上記ワックスの融点に起因する最大吸熱ピークを持つことが好ましい。
本発明におけるトナーの示差走査熱量測定装置により測定されるガラス転移温度(Tg)は、30乃至58℃であることが低温定着性と現像性の両立の観点から好ましい。より好ましくは、40乃至55℃である。
本発明におけるトナーは、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基の重合体を含有することが好ましい。このような重合体を含有させることによって、トナー担持体の長手方向のトナーコート量が均一となり、感光体上への現像をより忠実に行うことができるようになる。また、高いページ内均一性を得ることができる。この他に平滑性の低い転写材であっても平滑性の高い転写材同様の転写均一性を得ることができる。また、懸濁重合法によってトナー粒子を製造する場合には、水系媒体中の造粒安定性を高めることができる。上記スルホン酸基を有する単量体として、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸が例示できる。そして、これらの単量体が有するスルホン酸基を塩にしたもの、メチル基やエチル基によってエステル化した化合物も用いることができる。
本発明に用いられるスルホン酸基等を含有する重合体は、上記単量体の単重合体であっても構わないが、上記単量体と他の単量体との共重合体であっても構わない。上記単量体と共重合体をなす単量体としては、ビニル系重合性単量体があり、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。
単官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン系重合性単量体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン。
多官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル。
上記スルホン酸基等を含有する重合体は、結着樹脂100質量部に対し0.01乃至5.0質量部含有されることが好ましい。より好ましくは、0.1乃至3.0質量部である。該スルホン酸基等を含有する重合体の含有量が上記範囲内であれば、トナーに良好な摩擦帯電性を付与することができる。また、懸濁重合時の造粒安定性を良好に高めることができ、得られる粒子の粒度分布がシャープになる。
本発明において、トナー粒子は、水系媒体中で製造された粒子であることが好ましい。
水系媒体中でトナー粒子を製造する方法としては、以下の方法が挙げられる。トナー粒子の必須成分から構成される乳化液を水系媒体中で凝集させる乳化凝集法;有機溶媒中にトナー必須成分を溶解させた後、水系媒体中で造粒後有機溶媒を揮発させる懸濁造粒法;トナー必須成分を溶解させた重合性単量体を直接水系媒体中で造粒後重合する懸濁重合法や乳化重合法;さらにその後シード重合を利用しトナーに外層を設ける方法;界面重縮合や液中乾燥に代表されるマイクロカプセル法。
これらの中で、本発明の作用効果を発揮しやすいものとして、特に懸濁重合法が好ましい。懸濁重合法においては、重合性単量体に着色剤及びワックス成分(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、帯電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解または分散せしめて単量体組成物とした後、分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中にこの単量体組成物を適当な撹拌器を用いて分散させ、そして重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得るものである。該トナー粒子は重合終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、無機微粉体を外添により混合し表面に付着させることで、本発明のトナーを得ることができる。
懸濁重合法でトナー粒子を製造する場合には、個々のトナー粒子形状がほぼ球形に揃っているため、摩擦帯電量の分布も比較的均一となり、良好な現像特性を有するトナーが得られやすい。また外添剤への依存度が少ない高い転写性を維持するトナーが得られやすい。
懸濁重合法によりトナー粒子を製造する際の重合性単量体としては、上記した単官能性重合性単量体、多官能性重合性単量体が挙げられる。
多官能性重合性単量体は、架橋剤として作用し、単官能性重合性単量体100質量部に対して0.001乃至15質量部の割合で用いることができる。多官能性重合性単量体としては、上記したものに加えて、ジビニルアニリン、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物や3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。
重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。好ましくは、重合反応時の反応温度における半減期が0.5乃至30時間のものである。また重合性単量体100質量部に対し0.5乃至20質量部の添加量で重合反応を行うと、通常、分子量1万乃至4万の間に極大を有する重合体が得られ、適当な強度と溶融特性を有するトナーを得ることができる。
重合開始剤の例としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドの如き過酸化物系重合開始剤。特に好ましくは、重合反応中の分解時にエーテル化合物を生成するような重合開始剤である。
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御する為に、公知の連鎖移動剤、重合禁止剤を使用しても良い。
本発明のトナーには、帯電特性を安定化するために上記スルホン酸基等を側鎖に持つ高分子の他に、更に他の帯電制御剤を配合しても良い。帯電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の摩擦帯電量を安定して維持できる帯電制御剤が好ましい。さらに、トナーを直接重合法にて製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない帯電制御剤が特に好ましい。
具体的な化合物としては、負帯電制御剤としてサリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料あるいはアゾ顔料の金属塩または金属錯体、ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。正帯電制御剤として四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
これらの帯電制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、内部添加する場合は、好ましくは結着樹脂又は重合性単量体100質量部に対して0.1乃至10質量部、より好ましくは0.1乃至5質量部の範囲で用いられる。また、外部添加する場合、トナー粒子100質量部に対し、好ましくは0.005乃至1.0質量部、より好ましくは0.01乃至0.3質量部である。
懸濁重合する際に用いられる水系媒体には、有機又は無機の分散安定剤を添加することが好ましい。例えば、無機分散安定剤としては、以下のものが挙げられる。リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、酸化ケイ素、酸化アルミニウム。有機分散安定剤として、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン。分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して、0.2乃至20質量部使用することが好ましい。
また、これら分散安定剤の微細な分散のために、0.001乃至0.1質量部の界面活性剤を使用してもよい。これは上記分散安定剤の所期の作用を促進するためのものであり、その具体例としては、以下のものが挙げられる。ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム。無機分散安定剤を用いる場合には、市販のものをそのまま用いても良いが、より細かい粒子を得るために、水系媒体中にて該無機化合物を生成させても良い。例えばリン酸カルシウムの場合、高撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合するとよい。
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤を少なくとも含有するトナー粒子に加え、無機微粉体を含有してもよく、無機微粉体は外添されていることが好ましい。
無機微粉体の添加量は、トナー粒子100質量部に対し0.01乃至5.0質量部であることが好ましく、0.1乃至4.0質量部であることがより好ましい。添加量が上記の範囲内であれば、定着性の低下を抑制しつつ、十分な流動性の向上効果が得られる。該無機微粉体は、個数平均一次粒径が4乃至80nmであることが好ましく、4乃至60nmであることがより好ましい。
無機微粉体としては、酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末、酸化亜鉛粉末の如き金属酸化物;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如きシリカ微粉末が挙げられる。また、上記金属酸化物やシリカ微粉末をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルの如き処理剤により表面処理しても良い。更には、アルミドープシリカ、チタン酸ストロンチウム、ハイドロタルサイトが挙げられる。その他にも、外添剤として、フッ化ビニリデン微粉未、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛等の如き脂肪酸金属塩を添加することもできる。
以下に本発明の物性値の測定方法について説明する。
<着色剤粒子のゼータ電位の測定>
着色剤組成物粒子のゼータ電位の測定は、日本ルフト社製DT−1200を用いて以下の通りに測定する。
着色剤組成物粒子3gをサンプルビンに入れる。これに150gのイオン交換水を加えて、更に界面活性剤(TRITON X−100、SIGMA−ALDRICH社製)を0.1g加えた後、氷浴にて冷却しながら、超音波ホモジナイザー(MODEL;VCX750(本体)、MODEL;CV33(ホーン)SONICS & MATERIALS社製、発振条件;発振周波数20kHz、電気的出力750W)にて超音波を照射してトナー粒子をイオン交換水中に分散させた分散液を用いてpH=7.0におけるゼータ電位を測定する。
測定はpHの校正、水の減衰率測定、ゼータ電位計の校正を順次行った後に行った。pH調整は1モル/リットルの塩酸水溶液及び1モル/リットルのKOH水溶液にて行い、各々の操作及び測定操作は装置のマニュアルに則って行った。なお、測定を行う際には着色剤組成物粒子が沈降しないように撹拌子を回転させながら行った。
<極性樹脂の酸価の測定方法>
(試料調整)
200mlビーカーに上記測定対象である極性樹脂1.0gを精秤し、スターラーで攪拌しながらトルエン120mlに溶解し、さらにエタノール30mlを加えて得られたものを測定試料とした。
(装置)
測定装置としては例えば、電位差自動滴定装置AT−400WIN(京都電子工業株式会社製)を用いる。測定装置の設定は、有機溶剤に溶解する試料を対象とする。使用するガラス電極と比較電極は、有機溶剤対応のものを使用する。pHガラス電極は、例えば商品コード#100−H112を用いる。尚、先端は乾燥させないようにする。コルク型比較電極は、商品コード#100−R115を用いる。尚、先端は乾燥させないようにする。内部液が内部液補充口まで満たされているかを確認する。内部液は3.3mol/リットルKCl溶液を使用する。
(手順)
上記調整した測定試料を上記測定装置のオートサンプラーにセットし、上記ガラス電極を測定試料溶液中に浸す。次に滴定液(1/10モル/リットルKOH(エタノール溶液))を試料溶液上にセットし、0.05mlずつ自動間欠滴定で滴下させ酸価を算出する。なお、酸価は以下算出式から求める。このときの測定試料の質量単位はgである。
(酸価)=〔{(サンプル終点)−(ブランク終点)}×cKOH〕
/(測定試料の質量)
cKOHは、1/10モル/リットルKOHのエタノール溶液のモル濃度(mol/l)である。
<本発明のトナーのTHF可溶分中におけるCHX不溶分の含有量、及びガラス転移温度(Tg)の測定>
本発明のイエロートナーのTHF可溶分中におけるCHX不溶分の含有量、及びガラス転移温度(Tg)は、以下の方法で測定される。
まず、測定試料は以下のようにして作製した。
(トナーのTHF可溶分中におけるCHX不溶分の調製方法)
測定対象のトナーとテトラヒドロフラン(THF)とを450mg/mlの濃度で混合し、室温にて10時間、試料の合一体がなくなるまで充分に振とうし、THFと試料を良く混ぜ、更に7日間静置する。その後、上記溶解液を冷却高速遠心機(H−9R(コクサン社製))を用い、10℃環境にて15000r/minで60分間遠心分離することで、上澄み液と沈降物とに分離し上澄み液を採取する。さらに上澄み液を窒素ガスにてバブリングしながら上澄み液を50%減少させ濃縮液を調製する。その後シクロヘキサン(CHX)100ミリリットル中に、上記濃縮液5ミリリットルを添加し、CHX不溶分を生成させる。CHX不溶分が生成した液を冷却高速遠心機(H−9R(コクサン社製))を用い、10℃環境にて15000r/minで60分間遠心分離することで、上澄み液と沈降物(CHX不溶分)とに分離して、上澄み液を除去する。除去後の沈殿物を室温にて24時間静置させた後、真空乾燥機(40℃)において24時間脱溶媒をし、THFを除去して、THF可溶分中におけるCHX不溶分を採取する。
(トナーのTHF可溶分中におけるCHX不溶分の含有量測定)
上記CHX不溶分を測定試料として、トナーのTHF可溶分中におけるCHX不溶分の含有量(質量%)は、以下のように計算する。
(トナーのTHF可溶分中におけるCHX不溶分のガラス転移温度(Tg))
上記CHX不溶分を測定試料として、トナーのTHF可溶分中におけるCHX不溶分のガラス転移温度(Tg)は、以下の条件にて測定する。
示差走査熱量計(DSC測定装置)は、DSC−7(パーキンエルマー社製)、DSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)等を用い、ASTM D3418−82に準じて以下のように測定することができる。なお、本発明では、DSC測定装置としてDSC−7(パーキンエルマー社製)を用いた。上記測定試料は2乃至5mg、好ましくは3mgを精密に秤量する。それをアルミニウム製のパン中に入れ、対照用に空のアルミパンを用い、測定範囲20乃至140℃の間で、昇温速度1℃/minで測定を行う。詳細な測定条件は以下の通りである。
(測定条件)
・20℃で5分間平衡を保つ
・1.0℃/minのモジュレーションをかけ、140℃まで1℃/minで昇温
・140℃で5分間平衡を保つ
・20℃まで降温
得られた昇温1回目のDSC曲線のピーク位置から中点法でTgを求める。
<トナー粒子中の金属元素含有量測定>
外添剤を有するトナーにおいて上記元素の含有量の測定を行う場合には、イソプロパノールの如きトナーを溶かさない溶媒中にトナーを入れ、超音波洗浄機にて10分振動を与え、トナーを洗浄し、外添剤を除いた後に測定を行う。トナー粒子を用意できる場合には、上記のような前処理は不要である。
後述の実施例において、各金属元素の含有量の測定は、蛍光X線分析を用いて行った。各元素の蛍光X線の測定は、JIS K 0119−1969に準ずるが、具体的には以下の通りである。
(1)測定装置
測定装置としては、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いる。尚、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は27mm、測定時間10秒とする。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出する。
測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリングの中にトナー約4gを入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE−32」(前川試験機製作所社製)を用いて、20MPaで、60秒間加圧し、厚さ約2mm、直径約39mmに成型したペレットを用いる。
上記条件で測定を行い、得られたX線のピーク位置をもとに元素を同定し、単位時間あたりのX線光子の数である計数率(単位:cps)からその濃度を算出する。
(2)検量線の作成について
トナー粒子100質量部に対して、定量目的の複合化合物を0.001質量部となるように添加し、コーヒーミルを用いて充分混合する。同様にして、定量目的の複合化合物を0.01質量部、0.10質量部、0.50質量部、1.0質量部となるようにトナー粒子とそれぞれ混合し、これらを検量線用の試料とする。上記サンプルを試料プレス成型機を用いてプレス成形する。2θテーブルより複合化合物中〔M〕Kαピーク角度(a)を決定する。蛍光X線分析装置中へ検量線サンプルを入れ、試料室を減圧し真空にする。以下の条件にて各々のサンプルのX線強度を求め検量線(質量比:ppm表示)を作成する。
(3)測定条件について
測定電位、電圧:50kV、50乃至70mA
2θ角度:a
結晶板:LiF
測定時間:60秒
(4)トナー粒子中の上記元素の定量について
上記検量線と同様の方法でサンプル成形した後、同じ測定条件にてX線強度をもとめ、検量線より含有量を算出する。
<トナーの重量平均粒径の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
<1>Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
<2>ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
<3>発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
<4>前記<2>のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
<5>前記<4>のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
<6>サンプルスタンド内に設置した前記<1>の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記<5>の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
<7>測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<100℃におけるトナーの粘度の測定方法>
トナーの100℃における粘度の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。尚、本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際の温度とピストンの降下量との関係を計測する。
本発明においては、50℃から200℃までの測定を行い、100℃において算出された見かけの粘度を、トナーの100℃における粘度(Pa・s)とする。
100℃における見かけの粘度η(Pa・s)は次のようにして算出する。まず、下式(1)よりフローレートQ(cm3/s)を計算する。式中、ピストンの断面積をA(cm2)、100℃時点におけるピストンの位置に対して上下0.10mm(間隔としては0.20mm)の間をピストンが降下するのに要した時間をΔt(秒)とする。
Q=(0.20×A)/(10×Δt) ・・・ (1)
そして、得られたフローレートQを用いて、下式(2)より100℃における見かけの粘度ηを算出する。式中、ピストン荷重をP(Pa)、ダイの穴の直径をB(mm)、ダイの長さをL(mm)とする。
η=(π×B4×P)/(128000×L×Q) ・・・ (2)
測定試料は、約1.0gのトナーを、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。 CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
<DSC曲線の最大級熱ピーク>
DSC曲線は、示差走査熱量測定装置(DSC測定装置)DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。具体的には、以下のようにして測定を行う。
測定試料は5乃至20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下において測定を行う。この昇温過程で、上記ワックスの吸熱ピーク及び上記トナーの最大吸熱ピークが得られる。
本発明におけるトナーのTHF可溶分のGPCでのメインピーク分子量Mpは10,000乃至40,000が好ましく、より好ましくは、15,000乃至35,000である。メインピーク分子量が上記範囲内である場合、ワックスの染み出しが適度となり、良好な耐高温オフセット性が得られる。また、適度な強度を有するため、良好な現像性や転写性を得ることができる。更に、低温定着性に関しても優れた特性が得られる。なお、上記トナーのメインピーク分子量Mpに関する上記の条件は、トナー製造時の温度を調整することで満たすことが可能である。特に本発明の好ましい製造法である重合法でトナーを製造する場合においては、重合条件(温度、開始剤種、開始剤量)を調整することで満たすことが可能である。
次に本発明のトナーを用いた画像形成方法の例について図1および図2を用いて説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
<プロセスカートリッジ>
図1は、本発明の画像形成方法を適用した画像形成装置に好適に用いることのできる、プロセスカートリッジ7(以下、「カートリッジ」ともいう。)の断面模式図である。
カートリッジ7は、感光体ドラム1と、帯電手段2及びクリーニング手段6を備えたクリーナユニット50と、感光体ドラム1に形成された静電潜像を現像する現像手段4を有する現像ユニット4Aとを有する。クリーナユニット50を構成するクリーニング枠体31には、感光体ドラム1が軸受部材(不図示)を介して回転自在に取り付けられている。
感光体ドラム1には、感光体ドラム1の外周面に設けられた感光層を一様に帯電させるための帯電ローラー2、転写後に感光体ドラム1上に残った現像剤(残留トナー)を除去するためのクリーニングブレード60が接触している。クリーニングブレード60によって感光体ドラム1表面から除去されたトナー(除去トナー)は、クリーニング枠体31に設けられた除去トナー収納室35に納められる。
現像ユニット4Aは、トナーを収容する現像枠体45(45a、45b、45e)を有しており、現像ローラー40(矢印Y方向に回転)が軸受部材を介して回転自在に現像枠体45に支持されている。また、現像ローラー40と接触してトナー供給ローラー43(矢印Z方向に回転)とトナー規制部材44がそれぞれ設けられている。さらに現像枠体45には収容されたトナーを撹拌するとともにトナー供給ローラー43に搬送するためのトナー搬送機構42が設けられている。
そして、現像ユニット4Aがクリーナユニット50に対して揺動自在に支持されている。すなわち、現像枠体45の両端に設けた結合穴47、48とクリーナユニット50のクリーニング枠体31両端に設けた支持穴(不図示)を合わせ、クリーナユニット50両端からピン(不図示)を差し込んでいる。
また、支持穴を回転軸中心として現像ローラー40が感光体ドラム1に接触するように加圧バネ(不図示)によって現像ユニット4Aが常に付勢されている。
現像時には、トナー容器41内に収納されたトナーがトナー撹拌機構42によってトナー供給ローラー43へ搬送される。トナー供給ローラー43が、現像ローラー40との摺擦によって現像ローラー40にトナーを供給し、現像ローラー40上にトナーを付着させる。現像ローラー40上に付着されたトナーは、現像ローラー40の回転にともなってトナー規制部材44のところに至る。そして、トナー規制部材44がトナーを規制して所定のトナー薄層を形成し、所望の帯電電荷量を付与する。現像ローラー40上で薄層化されたトナーは、現像ローラー40の回転につれて、感光体ドラム1と現像ローラー40とが接近した現像部に搬送される。そして、現像部において、電源(不図示)から現像ローラー40に印加した現像バイアスにより、感光体ドラム1の表面に形成されている静電潜像に付着して、潜像を現像化する。静電潜像の現像化に寄与せずに現像ローラー40の表面に残留したトナーは、現像ローラー40の回転にともなって現像枠体45内に戻される。そして、トナー供給ローラー43との摺擦部で現像ローラー40から剥離、回収される。回収されたトナーは、トナー撹拌機構42により残りのトナーと撹拌混合される。
ここで現像ローラー40には弾性ローラーを用い、これを感光体ドラム1表面と接触させる方法を用いることができる。一般にトナー担持体と感光体が接触する現像方式においては、トナーの破損、変形が生じやすくなるが、本発明記載のトナーを用いた場合にはこうした変化を効果的に抑制することが出来るため、好ましい。
トナー担持体と感光体が接触する現像方式では、トナーを介して感光体と感光体表面に対向する弾性ローラー間に働く電界によって現像が行われる。従って弾性ローラー表面或いは表面近傍が電位を持ち、感光体表面とトナー担持体表面の狭い間隙で電界を有する必要性がある。このため、弾性ローラーの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、または導電性ローラーの表面層に薄層の絶縁層を設ける方法が利用できる。さらには、該導電性ローラー上に感光体表面に対向する側を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリーブ或いは、絶縁性スリーブで感光体に対向しない側に導電層を設けた構成も可能である。また、トナー担持体として剛体ローラーを用い、感光体をベルトの如きフレキシブルな物とした構成も可能である。トナー担持体としてのローラーの抵抗値としては102乃至109Ω・cmの範囲が好ましい。
トナー担持体の表面形状としては、その表面粗さRa(μm)を0.1乃至3.0となるように設定すると、高画質及び高耐久性を両立できる。該表面粗さRaはトナー搬送能力及びトナー帯電能力と相関する。該トナー担持体の表面粗さRaが3.0を超えると、該トナー担持体上のトナー層の薄層化が困難となるばかりか、トナーの帯電性が改善されないので画質の向上は望めない。3.0以下にすることでトナー担持体表面のトナーの搬送能力を抑制し、該トナー担持体上のトナー層を薄層化すると共に、該トナー担持体とトナーの接触回数が多くなるため、該トナーの帯電性も改善されるので相乗的に画質が向上する。一方、表面粗さRaが0.1よりも小さくなると、トナーコート量の制御が難しくなる。
本発明において、トナー担持体の表面粗さRaは、日本工業規格(JIS)B06014.2.1項(改正年月日2001年1月20日、確認年月日2005年7月20日)に定める算術平均粗さである。本発明においては、表面粗さ測定器(小坂研究所社製サーフコーダSE3500)を用い、トナー担持体表面の任意の1点より、トナー担持体回転軸と平行となる方向に測定を行った。なお、カットオフ値は0.8mm、測定長さは2.5mm、測定速度は0.1mm/秒とした。図1の画像形成方法においては、トナー担持体は感光体の周速同方向に回転しているが、逆方向に回転していてもよい。その回転が同方向である場合、トナー担持体の周速を感光体の周速に対し1.05乃至3.0倍となるように設定することが好ましい。
トナー担持体の周速が、感光体の周速に対し1.05倍未満であると、感光体上のトナーの受ける撹拌効果が不十分となり、良好な画像品質が望めない。また、周速比が3.0を超える場合には、機械的ストレスによるトナーの劣化やトナー担持体へのトナー固着が発生、促進され、好ましくない。
トナー担持体が弾性ローラーである場合、表面に弾性層を有する構造のものが好ましく用いられる。該弾性ローラーに使用される弾性層の材料の硬度としては、30乃至60度(ASKER−C/荷重1kg)のものが好適に使用される。
また、トナーコート量はトナー規制部材44により制御されるが、このトナー規制部材44はトナー層を介して現像ローラー40に接触している。この時のトナー規制部材44と現像ローラー40との接触圧は、線圧として0.05N/cm以上0.5N/cm以下が好ましい範囲である。
尚、線圧とはトナー規制部材の長さ当たりに加えられる荷重のことであり、例えば1mの当接長さを有するトナー規制部材に1.2Nの荷重を加えて現像ローラーに接触させた場合、線圧は1.2N/mとなる。線圧が0.05N/cmよりも小さいとトナーコート量の制御に加え均一な摩擦帯電も難しくなり、カブリの悪化等の原因となる。一方、線圧が0.5N/cmよりも大きくなるとトナー粒子が過剰な負荷を受けるため、粒子の変形やトナー規制部材或いは現像ローラーへのトナーの融着等が発生しやすくなり、好ましくない。
トナー規制部材44の自由端部はどのような形状でもよく、例えば断面形状が直線状のもの以外にも、先端近傍で屈曲したL字形状のものや、先端近傍が球状に膨らんだ形状のもの等が好適に用いられる。
トナー規制部材としては、基材としてステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体を用い、スリーブ当接部に当る部位に樹脂を接着あるいはコーティング塗布したものが好適に用いられる。
またさらに、トナー規制部材に直流電場及び/または交流電場を印加することによっても、トナーへのほぐし作用のため、均一薄層塗布性、均一帯電性がより向上し、充分な画像濃度の達成及び良質の画像を得ることができる。
<画像形成装置>
図2は、本発明の画像形成方法を適用した画像形成装置の一例を示す断面模式図である。画像形成装置100は4個の画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdを縦方向に並設している。そして、各画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdには、各々、装着手段(不図示)によってプロセスカートリッジ7(7a、7b、7c、7d)が着脱可能に装着される。なお、マゼンタ色、シアン色、イエロー色、ブラック色の各カートリッジ7a、7b、7c、7dは同一構成である。
本模式図では、画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdは、縦方向に僅かに傾斜して並設されているが、傾斜することなく縦方向に整列して設けてもよい。また、プロセスカートリッジ7は、図1に例示したものと同じであっても良いし、異なっていても良い。
各カートリッジ7(7a、7b、7c、7d)は、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)を備えている。感光体ドラム1は、駆動手段(不図示)によって、同図中、反時計回りに回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に以下の手段が設けられている。(A)感光体ドラム1表面を均一に帯電する帯電手段2(2a、2b、2c、2d)。(B)画像情報に基づいてレーザービームを照射し感光体ドラム1に静電潜像を形成するスキャナユニット3(3a、3b、3c、3d)。(C)静電潜像に現像剤(以下、「トナー」という。)を付着させてトナー像として現像する現像手段4(4a、4b、4c、4d)。(D)感光体ドラム1上のトナー像を記録媒体Sに転写させる転写装置5。(E)転写後の感光体ドラム1表面に残ったトナーを除去するクリーニング手段6(6a、6b、6c、6d)。
ここで、感光体ドラム1と、プロセス手段である、帯電手段2、現像手段4、クリーニング手段6は、カートリッジ枠体により一体的に構成してカートリッジ化されカートリッジ7を構成している。
感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)は、シリンダの外周面に感光層を設けて構成したものである。感光体ドラム1は、その両端部を支持部材によって回転自在に支持されている。そして、一方の端部に駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達されることにより、反時計周りに回転駆動される。
上記感光体としては、a−Se、CdS、ZnO2、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光体ドラムが好適に使用される。また、上記OPC感光体における有機系感光層の結着樹脂は、特に限定するものではない。中でもポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写性に優れ、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくいため好ましい。
帯電手段2(2a、2b、2c、2d)としては、接触帯電方式のものを使用している。帯電手段2は、ローラー状に形成された導電性ローラーである。このローラーを感光体ドラム1表面に当接させるとともに、このローラーに帯電バイアス電圧を印加する。これにより、感光体ドラム1表面を一様に帯電させる。
帯電ローラーを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラーの当接圧が線圧として0.05乃至5N/cmである。また印加電圧としては、直流電圧或いは直流電圧に交流電圧を重畳したものが好適に用いられる。直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時には、交流電圧=0.5乃至5dVpp、交流周波数=50Hz乃至5kHz、直流電圧=±0.2乃至±1.5kVであることが好ましい。また、直流電圧を用いた時には、直流電圧=±0.2乃至±5kVであることが好ましい。
帯電ローラー以外の帯電手段としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電手段は、非接触のコロナ帯電に比べて、高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。接触帯電手段としての帯電ローラー及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能である。
スキャナユニット3(3a、3b、3c、3d)は、レーザーダイオード(不図示)によって画像信号に対応する画像光が、高速回転されるポリゴンミラー(不図示)及び結像レンズ(不図示)を介して帯電済みの感光体ドラム1表面を画像情報に応じ露光する。これによって、感光体ドラムに静電潜像を形成する。
現像手段4(4a、4b、4c、4d)は、マゼンタ色、シアン色、イエロー色、ブラック色の各色のトナーを夫々収納したトナー容器41から構成され、トナー容器41内のトナーを送り機構42によってトナー供給ローラー43へ送り込む。
前記トナー供給ローラー43は、図示時計方向に回転し、トナー担持体としての現像ローラー40へのトナーの供給、及び、静電潜像の現像化に寄与せず現像ローラー40上に残留したトナーのはぎとりを行う。
現像ローラー40へ供給されたトナーは、現像ローラー40外周に圧接されたトナー規制部材44によって現像ローラー40(時計回り方向に回転)の外周に塗布され、且つ電荷を付与される。そして、潜像が形成された感光体ドラム1と対向した現像ローラー40に現像バイアスを印加する。そして、潜像に応じて感光体ドラム1上にトナー現像を行う。
転写装置5には、すべての感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)に対向し、接するように循環移動する静電転写ベルト11が設けられている。この転写ベルト11は、駆動ローラー13、従動ローラー14a、14b、テンションローラー15に張架されていて、図中左側の外周面に記録媒体Sを静電吸着する。そして、転写ベルト11は、感光体ドラム1に記録媒体Sを接触させるべく循環移動する。これにより、記録媒体Sは転写ベルト11により転写位置まで搬送され、感光体ドラム1上のトナー像を転写される。
この転写ベルト11の内側に当接し、4個の感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)に対向した位置に転写ローラー12(12a、12b、12c、12d)が並設される。これら転写ローラー12には、転写時にバイアスが印加されて、電荷が静電転写ベルト11を介して記録媒体Sに印加される。このとき生じた電界により、感光体ドラム1に接触中の記録媒体Sに、感光体ドラム1上のトナー像が転写される。
給送部16は、画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdに記録媒体Sを給送搬送するものである。給送部16には、複数枚の記録媒体Sがカセット17に収納されている。画像形成時には給送ローラー18(半月ローラー)、レジストローラー19が画像形成動作に応じて駆動回転する。給送ローラー18は、カセット17内の記録媒体Sを1枚毎に分離給送した後、レジストローラー19に記録媒体S先端を突き当てて一旦停止させる。その後レジストローラー19は、転写ベルト11の回転と画像書出し位置の同期をとって、記録媒体Sを静電転写ベルト11へと給送する。
定着部20は、記録媒体Sに転写された複数色のトナー画像を定着させるものである。そして、定着部20は、加熱ローラー21aと、これに圧接して記録媒体Sに熱及び圧力を与える加圧ローラー21bとを有する。即ち、感光体ドラム1に形成されたトナー像を転写された記録媒体Sは定着部20を通過する際に、加圧ローラー21bで搬送されるとともに、加熱ローラー21aによって熱及び圧力を与えられる。これによって複数色のトナー像が記録媒体S表面に定着される。
画像形成の動作としては、カートリッジ7(7a、7b、7c、7d)が、画像形成タイミングに合わせて順次駆動される。そして、その駆動に応じて感光体ドラム1a、1b、1c、1dが、反時計回り方向に回転駆動される。そして、各々のカートリッジ7に対応するスキャナユニット3が順次駆動される。この駆動により、帯電ローラー2は感光体ドラム1の周面に一様な電荷を付与する。そして、スキャナユニット3は、その感光体ドラム1周面に画像信号に応じて露光を行って感光体ドラム1周面に静電潜像を形成する。現像手段4内の現像ローラー40は、静電潜像の低電位部にトナーを転移させて感光体ドラム1周面上にトナー像を形成(現像)する。
最上流の感光体ドラム1の周面上に形成されたトナー像の先端が、転写ベルト11との対向点に回転搬送されてくるタイミングで、その対向点に記録媒体Sの印字開始位置が一致するようにレジストローラー19が回転し記録媒体Sを転写ベルト11へ給送する。
記録媒体Sは吸着ローラー22と転写ベルト11とによって挟み込むようにして転写ベルト11の外周に圧接される。そして、転写ベルト11と吸着ローラー22との間に電圧を印加する。そして、誘電体である記録媒体Sと転写ベルト11の誘電体層に電荷を誘起して、記録媒体Sを転写ベルト11の外周に静電吸着させている。これにより、記録媒体Sは静電転写ベルト11に安定して吸着され、最下流の転写部まで搬送される。
このように搬送されながら記録媒体Sは、各感光体ドラム1と転写ローラー12との間に形成される電界によって、各感光体ドラム1のトナー像を順次転写される。
4色のトナー像を転写された記録媒体Sは、ベルト駆動ローラー13の曲率により静電転写ベルト11から曲率分離され、定着部20に搬入される。記録媒体Sは、定着部20で上記トナー像を熱定着された後、排紙ローラー23によって、排紙部24から画像面を下にした状態で本体外に排出される。
図2においては、定着部20に加熱ローラーを用いる方法を例示したが、本発明の画像形成方法には他の定着方法も好適に用いることができる。その一例としては、発熱体を用いて耐熱性高分子フィルムを加熱し、トナー像の定着を行う装置が挙げられる。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。しかし、これは本発明をなんら限定するものではない。以下にトナー粒子の製造方法について記載する。実施例中及び比較例中の部および%は特に断りがない場合、全て質量基準である。
<トナー製造例1>
(水系分散媒体の調製)
反応容器中のイオン交換水900部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に8.0部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
(表面処理着色剤組成物の作製)
ビーカー中のエタノール900部に、デヒドロアビエチルアミン1.5部を投入し、スターラーを用いて200rpmにて30分攪拌し、溶解させた。その後、C.I.ピグメントイエロー74を25.0部加えさらに60分攪拌を続けた後、スプレードライヤーで乾燥させ乾燥着色剤粒子を得た。
次に、別のビーカー中にメタノール900部を入れ、ロジン変性マレイン酸樹脂(酸価160乃至180)4.0部を投入し、スターラーを用いて200rpmにて60分間攪拌した。その後、上記処理着色剤粒子を20.0部加え、さらに60分間攪拌を続けた後、スプレードライヤーで乾燥させ表面処理着色剤粒子1を得た。
(スルホン酸基含有重合体1の製造)
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2Lフラスコにトルエン100部、メタノール300部、スチレン470部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸40部、アクリル酸−2−エチルヘキシル70部、メタクリル酸ベンジル20部、ラウリルパーオキサイド10部を仕込み、攪拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出した。その後、得られた生成物をクロロホルム5mlに溶かしシリカゲルを充填したカラムクロマトグラフィーにて精製を行った。回収した生成物を減圧乾燥することでスルホン酸基含有重合体1を得た。得られたスルホン酸基含有重合体1の物性は、Mw=25000、Mw/Mn=2.0であった。
(重合性単量体組成物1の調製)
下記の材料をプロペラ式攪拌装置にて100r/minで均一に溶解混合して樹脂含有単量体を調製した。
スチレン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50部
n−ブチルアクリレート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20部
極性樹脂1:スチレン−nブチルアクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比=88.1:7.5:1.7:2.7、Mp=10000、Mw=10000、Tg=90℃、酸価=12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)20.0部
(重合性単量体組成物2の調製)
下記処方をアトライターで分散し、微粒状着色剤含有単量体を得た。
・表面処理着色剤粒子1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7.4部
・スチレン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30部
・スルホン酸基含有重合体1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0部
・ワックスHNP−10(融点75℃:日本精鑞社製)・・・・・・・・・・10.0部
次に、重合性単量体組成物1と重合性単量体組成物2を混合して調整液を得た後、該調整液を60℃に加温した。
これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8.0部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃にてTK式ホモミキサーを用いて10,000r/minで30分間攪拌し、造粒した。
その後、プロペラ式攪拌装置に移して100r/minで攪拌しつつ、70℃で5時間反応させた後、80℃まで昇温し、更に5時間反応を行い、トナー粒子を製造した。
重合反応終了後、該粒子を含むスラリーを室温(25℃)まで冷却し、該懸濁液に塩酸を加えて、pH=2.0とした状態で3時間攪拌させながら分散安定剤を溶解させた。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄した。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1.5とした状態で3時間攪拌しながら、再洗浄した。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、湿潤着色粒子を得た。
次に、上記粒子を温度40℃にて12時間乾燥して着色粒子を得、該着色粒子を風力分級することにより粒度を調整しトナー粒子1を得た。
得られたトナー粒子100部に、外添剤として平均一次粒径が40nmのシリカ微粒子1.6部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))を用いて混合してトナー1を得た。
トナーの物性を表1に示す。
<トナー製造例2>
トナー製造例1において、デヒドロアビエチルアミンの添加量を0.1部に変更した以外は同様の方法によりトナー2を得た。トナーの物性を表1に示す。
<トナー製造例3>
トナー製造例1において、デヒドロアビエチルアミンの添加量を10.0部に変更した以外は同様の方法によりトナー3を得た。トナーの物性を表1に示す。
<トナー製造例4>
トナー製造例1において、ロジン変性マレイン酸樹脂の添加量を10.0部に変更した以外は同様の方法によりトナー4を得た。トナーの物性を表1に示す。
<トナー製造例5>
トナー製造例1において、ロジン変性マレイン酸樹脂の添加量を1.0部に変更した以外は同様の方法によりトナー5を得た。トナーの物性を表1に示す。
<トナー製造例6>
反応容器中のイオン交換水900部に塩化マグネシウム40部を溶解した水溶液に、イオン交換水200部に水酸化ナトリウム28部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、分散安定剤を含む水系媒体を調製した以外は、トナー製造例1と同様の方法で、トナー6を得た。トナーの物性を表1に示す。
<トナー製造例7>
トナー製造例1において、反応容器中のイオン交換水900部に水酸化アルミニウムを30部添加して調製した水系媒体を使用した以外は同様の方法によりトナー7を得た。トナーの物性を表1に示す。
<トナー製造例8>
反応容器中のイオン交換水1000部に燐酸亜鉛を30部添加し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した以外はトナー製造例1と同様にして、トナー8を得た。トナーの物性を表1に示す。
<トナー製造例9>
反応容器中のイオン交換水1000部に硫酸バリウムを30部添加し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した以外は実施例1と同様にして、トナー製造例1と同様にして、トナー9を得た。トナーの物性を表1に示す。
<トナー製造例10>
(水系分散媒体の調製)
反応容器中のイオン交換水900部に、ポリビニルアルコール0.6部を溶解した。その後、これにCa3(PO4)2 0.010部を添加し、水系媒体を調製した。
次に、トナー製造例1で使用した重合性単量体組成物1と重合性単量体組成物2を混合して調整液を得た後、該調整液を60℃に加温した。これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8.0部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃にてTK式ホモミキサーを用いて10,000r/minで30分間攪拌し、造粒した。
その後、プロペラ式攪拌装置に移して100r/minで攪拌しつつ、70℃で5時間反応させた後、80℃まで昇温し、更に5時間反応を行い、トナー粒子を製造した。
重合反応終了後、該粒子を含むスラリーを室温(25℃)まで冷却し、該懸濁液に塩酸を加えて、pH=2.0とした状態で3時間攪拌させながら分散安定剤を溶解させた。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄した。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1.5とした状態で3時間攪拌しながら、再洗浄した。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、湿潤着色粒子を得た。
次に、上記粒子を温度40℃にて12時間乾燥して着色粒子を得、該着色粒子を風力分級することにより粒度を調整しトナー粒子10を得た。
得られたトナー粒子に対してトナー1の製造例と同様にして外添剤を添加し、トナー10を得た。トナーの物性を表1に示す。
<トナー製造例11>
トナー製造例1において、水系分散媒体の調製工程におけるリン酸ナトリウムの添加量を42部に変更し、塩化カルシウムの添加量を24部に変更した以外は同様の方法にてトナー11を得た。トナーの物性を表1に示す。
<トナー製造例12>
トナー製造例1において、極性樹脂1を
極性樹脂2(スチレン−nブチルアクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体)
(共重合比=79.5:16.5:1.7:2.3、Mp=10000、Mw=10000、Tg=68.3℃、酸価=10.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)
に変更した以外は同様の方法でトナー12を得た。トナー物性を表1に示す。
<トナー製造例13>
トナー製造例1において、極性樹脂1を
極性樹脂3(スチレン−nブチルアクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体)
(共重合比=88.0:3.0:1.5:7.5、Mp=10000、Mw=10000、Tg=121.2℃、酸価=15.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)
に変更した以外は同様の方法でトナー13を得た。トナー物性を表1に示す。
<トナー製造例14>
下記の方法により、乳化凝集トナーを製造した。
(樹脂微粒子分散液の調製)
フラスコ中で下記の材料を混合し、水系媒体を調製した。
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・500.0部
・非イオン性界面活性剤 ノニポール400(花王製)・・・・・・・・・・・6.0部
・アニオン性界面活性剤 ネオゲンSC(第一工業製薬製)・・・・・・・・10.0部
また、下記の材料を混合し、混合溶液を得た。
・スチレン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・80.0部
・アクリル酸n−ブチル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20.0部
・スルホン酸基含有重合体1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0部
上記の混合溶液を上記水系媒体中に分散・乳化して、10分間ゆっくりと撹拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水溶液50部を投入した。次いで、系内を十分に窒素で置換した後、フラスコを撹拌しながらオイルバスで系内が温度70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これによりアニオン性樹脂微粒子分散液を得た。
(着色剤粒子分散液の調製)
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100.0部
・表面処理着色剤粒子1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7.4部
・Ca3(PO4)2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.0部
・非イオン性界面活性剤 ノニポール400(花王製)・・・・・・・・・・・1.0部
上記成分を混合溶解し、ウルトラタラックスT50(IKA社製)により10分間分散し、着色剤粒子分散液を得た。
(離型剤粒子分散液の調製)
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100.0部
・ワックスHNP−10(融点75℃:日本精鑞社製)・・・・・・・・・・10.0部
・カチオン性界面活性剤 サニゾールB50(花王製)・・・・・・・・・・・5.0部
上記成分を温度95℃に加熱して、ウルトラタラックスT50で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子分散液を得た。
(シェル形成用微粒子分散液1の調製)
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100.0部
・酢酸エチル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50.0部
・極性樹脂1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20.0部
上記成分を混合撹拌した。その溶解液をウルトラタラックスT50で乳化させながら、温度80℃で加熱して6時間保持することで脱溶剤を行い、シェル形成用微粒子分散液を得た。
(トナー粒子の作製)
上記樹脂微粒子分散液、上記着色剤粒子分散液、上記離型剤粒子分散液、及びポリアクリルアミド1.2部を混合して、丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラックスT50を用い十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら温度51℃まで加熱した。温度51℃で60分保持した後、ここに上記シェル形成用微粒子分散液1およびシェル形成用微粒子分散液2を添加した。その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを6.5に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、撹拌軸のシールを磁力シールして撹拌を継続しながら温度97℃まで加熱して6時間保持した。
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引ろ過により固液分離を行った。これをさらに温度40℃のイオン交換水3Lを用いて再分散し、15分間300rpmで撹拌・洗浄した。この洗浄操作をさらに5回繰り返した後、ヌッチェ式吸引ろ過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー粒子を得た。得られたトナー粒子に対してトナー1の製造例と同様にして外添剤を添加し、トナー14を得た。
<比較トナー製造例1>
トナー製造例1において、デヒドロアビエチルアミンの添加量を0.05部に変更した以外は同様の方法により比較トナー1を得た。トナーの物性を表1に示す。
<比較トナー製造例2>
トナー製造例1において、デヒドロアビエチルアミンの添加量を15.0部に変更した以外は同様の方法により比較トナー2を得た。トナーの物性を表1に示す。
<比較トナー製造例3>
トナー製造例1において、ロジン変性マレイン酸樹脂の添加量を13.0部に変更した以外は同様の方法により比較トナー3を得た。トナーの物性を表1に示す。
<比較トナー製造例4>
トナー製造例1において、ロジン変性マレイン酸樹脂の添加量を0.1部に変更した以外は同様の方法により比較トナー4を得た。トナーの物性を表1に示す。
<比較トナー製造例5>
トナー製造例10において、着色剤粒子分散液の調製工程におけるCa3(PO4)2の添加量を0.0020部に変更した以外は同様の方法により比較トナー5を得た。トナーの物性を表1に示す。
<比較トナー製造例6>
トナー製造例1において、水系分散媒体の調製工程におけるリン酸ナトリウムの添加量を56部に変更し、塩化カルシウムの添加量を32部に変更した以外は同様の方法にて比較トナー6を得た。トナーの物性を表1に示す。
<実施例1>
トナー1を非磁性一成分系現像剤とし、画像形成装置としては市販のレーザプリンタであるLBP−5400(キヤノン製)の改造機を用い、温度23℃、相対湿度50%環境下でA4のカラーレーザーコピー用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いて画像評価を行った。評価機の改造点は以下のとおりである。
評価機本体のギアおよびソフトウエアを変更することにより、プロセススピードが200mm/secとなるようにした。
評価に用いるカートリッジはシアンカートリッジを用いた。すなわち、市販のシアンカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明によるトナーを150g充填して評価を行った。なお、マゼンタ、イエロー、ブラックの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、およびブラックカートリッジを挿入して評価を行った。
以上の条件で、0.5%の印字比率の画像を15000枚まで間歇モード(すなわち、1枚プリントアウトする毎に10秒間現像器を休止させ、再起動時の現像装置の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)でプリントアウトした。その際、初期と5000枚後耐久後と15000枚耐久後に後述の項目について画像評価を行った。
(1)帯電均一性
帯電均一性は以下の示す評価を行った。
即ち、初期と5000枚後及び初期と15000枚後のCRG内トナーの粒度分布測定を前述の重量平均粒径(D4)の測定方法に則って行い、得られた各々の重量平均粒径(D4)から下記式を基にその粒度変化率を算出して下記基準に基づいて評価を行った。各トナーの帯電分布が均一であるほど、耐久により各粒径のトナーが一様に消費されていくため、重量平均粒径(D4)の変化率は小さくなる。
初期の重量平均粒径(D4)/5000枚後(又は15000枚後)の重量平均粒径(D4)×100=粒度変化率(%)
(評価基準)
A:95≦粒度変化率(%)≦100
B:85≦粒度変化率(%)<95
C:75≦粒度変化率(%)<85
D:粒度変化率(%)<75
評価上、Aが最もよく、Dが最も悪い。
(2)低温定着性
トナーの載り量を0.60mg/cm2としたベタ画像を作像し、120℃から5℃おきに定着温度を変調して定着を行い、得られた定着画像をシンボル紙で、5往復、約100g荷重で察し、画像のはがれを反射濃度の低下率(%)で相加平均して10%以下となった温度を定着開始温度とした。
A:140℃未満
B:140℃以上145℃未満
C:145℃以上150℃未満
D:150℃以上
(3)耐高温オフセット性
記録材先端中央部にトナーを載り量0.60mg/cm2で、5cm×5cm面積のベタ画像を作像し、定着器通過時の記録材の通紙方向後端部に、ホットオフセット現象(定着画像の一部が定着器の部材表面に付着し、更に、次周回で記録材上に定着する現象)が生じた時点の定着加熱部表面の温度を測定し、ホットオフセット現象発生温度とし、以下の評価基準に基づいて評価した。
A:190℃以上
B:185℃以上190℃未満
C:180℃以上185℃未満
D:180℃未満
(4)カブリ
カブリの測定については、東京電色社製の反射濃度計、REFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して、標準紙及びプリントアウト画像の非画像部の反射率を測定した。測定で用いられるフィルターには、グリーンフィルターを用いた。測定結果から下記の式よりカブリを算出し、以下の基準で評価した。
カブリ(反射率:%)=標準紙上の反射率(%)−サンプル非画像部の反射率(%)
A:カブリ(反射率)が0.5%未満
B:カブリ(反射率)が0.5%以上1.0%未満
C:カブリ(反射率)が1.0%以上2.0%未満
D:カブリ(反射率)が2.0以上
評価上、Aが最もよく、Dが最も悪い。
(5)画像濃度
A4のカラーレーザーコピー用紙(キヤノン製、80g/m2)を転写材として用いて、ベタ画像を出力し、その濃度を測定(右上、右下、中心、左上、左下の5点平均)することにより評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。
A:画像濃度が1.45以上
B:画像濃度が1.30以上1.45未満
C:画像濃度が1.15以上1.30未満
D:画像濃度が1.15未満
評価上、Aが最もよく、Dが最も悪い。
(6)転写性
転写性の評価は初期と耐久後(15000枚出力後)の転写効率を測定することにより行った。転写効率は、ベタ黒画像転写後の感光体上の転写残トナーをマイラーテープによりテーピングしてはぎ取り、紙上に貼ったもののマクベス濃度の値をC、転写後定着前のトナーの載った紙上にマイラーテープを貼ったもののマクベス濃度をE、未使用の紙上に貼ったマイラーテープのマクベス濃度をDとし、近似的に以下の式で計算した。
転写性の基準は上記により求めた転写効率を以下の基準に基づいて判断した。
A:非常に良好(97%以上)
B:良好 (94%以上97%未満)
C:可 (90%以上94%未満)
D:劣る (90%未満)
転写効率は90%以上であれば問題のない画像である。
(7)部材汚染
部材汚染は、現像剤担持体表面へのトナーや外添剤の固着の様子と、得られた画像への影響を目視で観察して、以下の基準で評価した。
A:固着なし。
B:固着がやや発生しているものの、画像への影響は少ない。
C:固着があり、これによる画像ムラが僅かに生じている。
D:固着が多量にあり、これによる画像ムラが生じている。
上記条件でトナー1を評価したところ、帯電均一性が良好であり、低温定着性や耐高温オフセット性も良好であった。また、カブリや濃度、転写性、あるいは部材汚染レベルも良好であった。詳細な結果を表2に示す。
(8)OHP透過画像の透明性評価
OHP「9550」(3M社製)にて透過画像とし、白色壁面に投影した画像を目視評価した。尚、フルカラー画像を出力する際のイエロー以外のトナーは以下の方法に従って製造した。
シアントナーは、C.I.ピグメントイエロー74をC.I.ピグメントブルー15:3を7部に変更することを除いては、上記イエロートナー1と同様の製造方法で製造した。マゼンタトナーは、C.I.ピグメントイエロー74をC.I.ピグメントレッド122を8部に変更することを除いては、上記イエロートナー1と同様の製造方法でマゼンタトナーを製造した。ブラックトナーは、C.I.ピグメントイエロー74をカーボンブラックを8部に変更することを除いては、上記イエロートナー1と同様の製造方法でブラックトナーを製造した。
(目視評価)
A:鮮やかで、且つ透明性に優れる
B:透明性は良好で、イエローの色再現性は優れるが、2次色(赤色、緑色)はやや劣る
C:透明性はやや劣り、イエロー、2次色(赤色、緑色)いずれの色再現性もやや劣る
D:くすみがあり、イエロー、2次色(赤色、緑色)いずれの色再現性も劣る
<実施例2乃至13>
実施例1と同条件で、トナー2乃至トナー13を評価した。詳細の結果を表2に示す。
<比較例1乃至6>
実施例1と同条件で、比較トナー1乃至6を評価した。詳細の結果を表2に示す。