JP2005215234A - イエロートナー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも結着樹脂、帯電制御剤及びイエロー着色剤からなる着色樹脂粒子を含有するイエロートナーであって、該イエロー着色剤の、熱水抽出法により抽出した水抽出液のpHが6.0〜8.0である、イエロートナー。
【選択図】 なし
Description
このような画像を得るためのフルカラー画像形成装置は、大別すると単一ドラム型と多段ドラム型(タンデム型)とがある。タンデム型の画像形成装置は、単一ドラム型のものに比較して、高速で画像形成が可能であることから、近年多くの機種に採用されている。高速での画像形成を達成するために、転写材への転写性に優れる球形トナーが注目されている。球形トナーは、通常、懸濁重合や乳化重合などの重合法、溶解懸濁法などにより製造されている。
また、本発明の他の目的は、着色樹脂粒子の凝集物の発生のないイエロートナーの製造方法を提供することにある。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、少なくとも結着樹脂、帯電制御剤及びイエロー着色剤からなる着色樹脂粒子を含有するイエロートナーであって、該イエロー着色剤の、熱水抽出法により抽出した水抽出液のpHが6.0〜8.0である、イエロートナーを提供するものである。
上記イエロートナーを用いることにより、かぶりの発生を少なくし、印字濃度を高くすることができる。
また、本発明により、着色樹脂粒子の凝集物の発生のないイエロートナーの製造方法が提供される。
本発明のイエロートナーは、少なくとも結着樹脂、帯電制御剤及びイエロー着色剤からなる着色樹脂粒子を含有する。
結着樹脂の具体例としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の従来からトナーに広く用いられている樹脂を挙げることができる。
これらの共重合体に含有される4級アンモニウム(塩)基またはスルホン酸(塩)基等の官能基を有する単量体単位の割合は、帯電制御樹脂の重量に対し、好ましくは1〜12重量%であり、更に好ましくは2〜8重量%である。含有量がこの範囲にあると、イエロートナーの帯電量を制御し易く、かぶりの発生を少なくすることができる。
帯電制御樹脂のガラス転移温度は、好ましくは40〜80℃であり、更に好ましくは45〜75℃であり、最も好ましくは45〜70℃である。ガラス転移温度がこの範囲にあると、トナーの保存性と定着性とをバランス良く向上させることができる。
上述した帯電制御剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、通常0.1〜10重量部であり、好ましくは1〜6重量部である。
上記のイエロー着色剤の中でも、本発明のイエロートナーに用いられる着色剤は、熱水抽出法により抽出した水抽出液のpHが6.0〜8.0のものを用いる。熱水抽出法により抽出した水抽出液のpHは、好ましくは6.5〜7.5である。イエロー着色剤の、熱水抽出法により抽出した水抽出液のpHが6.0未満であると、かぶりが発生し、印字濃度が低くなり、逆に8.0より大きくなると高温高湿環境下でかぶりが発生する。
精秤したイエロー着色剤5gにエタノール1mlを加え、更に、導電率が1μS/cm、pHが7.0のイオン交換水200mlを加えてよく撹拌した後、5分間煮沸して、イエロー着色剤の水溶解成分を抽出し、抽出液を得る。得られた抽出液を室温に戻した後、別途煮沸して室温まで戻したイオン交換水を加えて全量を250mlとする。この液をよく撹拌した後、濾紙で濾過し、その濾液のpHを測定する。
また、イエロー着色剤は、熱水抽出法により抽出した水抽出液の導電率が、好ましくは5〜150μs/cmであり、更に好ましくは10〜120μs/cmである。導電率が上記範囲にあると、印字濃度を高くでき、着色樹脂粒子の凝集物の発生を抑制することができる。
本発明で用いるイエロー着色剤は、市販品の中から熱水抽出法により抽出した水抽出液のpHが6.0〜8.0となるものを選び出すか、特開2002−161214号公報、特開2003−3085号公報等の公知のイエロー着色剤の製造方法に準じて製造したものを洗浄方法などの後処理を十分に行うことによって得ることができる。
イエロー着色剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部である。
離型剤は1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
離型剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部であり、好ましくは0.5〜15重量部である。
通常、このコアシェル型粒子のコア層は前記結着樹脂、帯電制御剤及びイエロー着色剤で構成され、離型剤が含有されることが好ましく、シェル層は結着樹脂のみで構成される。
シェル層の割合を上記割合にすることにより、トナーの保存性と低温での定着性を兼備することができる。
コアシェル型粒子のコア粒子径およびシェル層の厚みは、電子顕微鏡により観察できる場合は、その観察写真から無作為に選択した粒子の大きさおよびシェル厚みを直接測ることにより得ることができ、電子顕微鏡でコアとシェルとを観察することが困難な場合は、コア粒子の粒径およびトナー製造時に用いたシェルを形成する単量体の量から算定することができる。
着色樹脂粒子の体積平均粒径及び個数平均粒径は、例えば、マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)等を用いて測定することができる。
転相乳化法、溶解懸濁法、重合法(懸濁重合法や乳化重合法)等を用いてイエロートナーを製造することにより、この平均円形度を比較的容易に上記範囲とすることができる。
上記式においてCiは0.6〜400μmの円相当径の粒子群の各粒子について測定された円周長を元に次式により算出された各粒子の円形度である。
円形度(Ci)=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
上記式において、fiは円形度Ciの粒子の頻度である。
上記円形度及び平均円形度は、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」又は「FPIA−2000」等を用いて測定することができる。
次に懸濁重合法によりイエロートナーを構成する着色樹脂粒子を製造する方法について説明する。
本発明のイエロートナーを構成する着色樹脂粒子は、例えば、結着樹脂の原料である重合性単量体に、イエロー着色剤、帯電制御剤及びその他の添加剤を溶解あるいは分散させ、分散安定化剤を含有する水性分散媒中で重合開始剤を添加して重合反応を行い、濾過、洗浄、脱水及び乾燥することにより製造することができる。
モノビニル単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボニル等の(メタ)アクリル系共単量体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のモノオレフィン単量体;等が挙げられる。
モノビニル単量体は、単独で用いても、複数の単量体を組み合わせて用いても良い。これらモノビニル単量体のうち、芳香族ビニル単量体単独、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル系単量体との併用などが好適に用いられる。
マクロモノマーは、前記モノビニル単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度よりも、高いガラス転移温度を有する重合体を与えるものが好ましい。
マクロモノマーの量は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜1重量部である。
コア粒子が分散している水系分散媒体中に、シェルを形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル構造を有する着色樹脂粒子を得ることができる。
シェルを形成する具体的な方法としては、コア粒子を得るために行った重合反応の反応系にシェル用重合性単量体を添加して継続的に重合する方法、または別の反応系で得たコア粒子を仕込み、これにシェル用重合性単量体を添加して重合する方法などを挙げることができる。
シェル用重合性単量体は反応系中に一括して添加しても、またはプランジャポンプなどのポンプを使用して連続的もしくは断続的に添加してもよい。
水系分散媒中から着色樹脂粒子を濾過脱水する方法は特に制限されない。例えば、遠心濾過法、真空濾過法、加圧濾過法などを挙げることができる。これらのうち遠心濾過法が好適である。
着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)及び粒径分布、すなわち体積平均粒径と個数平均粒径(Dp)との比(Dv/Dp)は、マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)により測定した。マルチサイザーによる体積平均粒径及び粒径分布の測定は、アパーチャー径:100μm、媒体:イソトンII、濃度:10%、測定粒子個数:100,000個の条件により実施した。
容器中に、予めイオン交換水10mlを入れ、その中に分散剤としての界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)0.02gを加え、更に測定試料0.02gを加え、超音波分散機で60W、3分間分散処理を行った。測定時のトナー濃度を3,000〜10,000個/μLとなるように調整し、1μm以上の円相当径の着色樹脂粒子1,000〜10,000個についてシスメックス社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」を用いて測定した。測定値から平均円形度を求めた。
精秤したイエロー着色剤5gを300mlのビーカーに入れ、エタノール1mlを加え、更に、導電率が1μS/cm、pHが7.0のイオン交換水200mlを加えてよく撹拌した後、5分間煮沸して、イエロー着色剤の水溶解成分を抽出し、抽出液を得た。得られた抽出液を室温(約25℃)に冷却した後、250mlのメスフラスコに、別途煮沸して室温(約25℃)まで冷却したイオン交換水を加えて全量を250mlとした。この液をよく撹拌した後、濾紙(東洋濾紙No.5C)で濾過し、その濾液のpHを、pHメーター「D−14」(堀場製作所(株)製)を用いて測定した。
(3)で得られた濾液について、その導電率を、導電率計「ES−12」(堀場製作所製)を用いて測定した。
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(ブラザー工業製、商品名「HL1670N」)にコピー用紙をセットし、現像装置にイエロートナーを入れ、ハーフトーンの印字パターンを5枚印字した後、次の印字の途中で印字を停止し、現像ローラ上のイエロートナーを吸引式帯電量測定装置(トレック・ジャパン社製、製品名「MODEL 210HS−2A」)に吸引し、帯電量を測定し、吸引量から単位重量当たりの帯電量を求めた。
(5)で用いたプリンターにコピー用紙をセットし、現像装置にイエロートナーを入れ、5%印字濃度で初期から連続印字を行い、100枚印刷時にベタ印字を行い、マクベス式反射型画像濃度測定機を用いて、印字濃度を測定した。
(5)で用いたプリンターにコピー用紙をセットし、現像装置にイエロートナーを入れ、5%印字濃度で連続印字を行い、500枚毎に白ベタ印字を行い、現像後の感光体上にあるイエロートナーを粘着テープ(住友スリーエム社製、スコッチメンディングテープ810−3−18)に付着させた。それを新しい印字用紙に貼り付け、次に、その粘着テープを貼り付けた印字用紙の色調(B)を、分光色差計(日本電色社製、機種名「SE2000」)で測定した。同様にして、粘着テープだけを貼り付けた印字用紙の色調(A)を測定し、それぞれの色調をL*a*b*空間の座標として表し、色差ΔE*として算出したかぶり値が1以下の画質を維持できる連続印字枚数を調べた。
スチレン83部及びn−ブチルアクリレート17部からなるコア用重合性単量体(これらの単量体を共重合して得られた共重合体のTgは60.2℃である)に、イエロー着色剤として、熱水抽出法により抽出した水抽出液のpHが7.01である、C.I.ピグメントイエロー74(山陽色素社製、商品名「ファーストイエロー7415」)5部を混合し、コア用重合性単量体組成物を得た。このコア用重合性単量体組成物をメディア型分散器(浅田鉄工社製、商品名「ピコミル」)に入れて分散処理を行い、着色剤分散液を得た。この着色剤分散液に、4級アンモニウム塩の量が8%である正帯電制御樹脂を2.2部、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名「AA6」、Tg=94℃)0.25部、ジビニルベンゼン0.9部、t−ドデカンチオール1.5部を混合して、重合性単量体を含んでなる分散液を調製した。
上述のようにして得られた着色樹脂粒子100部に、平均粒径が40nmのシリカ微粒子(日本アエロジル社製、「NA50Y」)1.0部、BET非表面積が200cm2/gのシリカ微粒子(キャボット社製、商品名「TG820F」)0.8部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて1,400rpmの回転数で10分間混合し、本発明のイエロートナーを得た。
得られたイエロートナーについて、上述した評価を行った。評価結果を表1に示す。
正帯電制御樹脂として、4級アンモニウム塩の量が2%である正帯電制御樹脂を6部用いた以外は、実施例1と同様にして操作を行い、イエロートナーを得た。得られたイエロートナーの特性及び画像等の評価を実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。なお、重合反応の安定性は良好であり、凝集物の発生はなかった。
イエロー着色剤として、熱水抽出法により抽出した水抽出液のpHが5.66である、C.I.ピグメントイエロー74(大日精化社製、商品名「セイカファーストイエロー2017E」)を用いた以外は、実施例2と同様にして操作を行い、イエロートナーを得た。得られたイエロートナーの特性及び画像等の評価を実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。なお、重合反応中に凝集が生じた。
イエロー着色剤として、熱水抽出法により抽出した水抽出液のpHが5.72である、C.I.ピグメントイエロー74(チバ・スペシャリティケミカルズ社製、商品名「IRGALITE YELLOW GO」)を用いた以外は、実施例2と同様にして操作を行い、イエロートナーを得た。得られたイエロートナーの特性及び画像等の評価を実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。重合反応の安定性は良好であり、凝集物の発生はなかった。
イエロー着色剤として、熱水抽出法により抽出した水抽出液のpHが5.2である、C.I.ピグメントイエロー180(クラリアント社製、商品名「HANSA BR YEL 5GYC4」)を用いた以外は、実施例2と同様にして操作を行い、イエロートナーを得た。得られたイエロートナーの特性及び画像等の評価を実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。なお、重合反応中に凝集がわずかに生じた。
イエロー着色剤として、その熱水抽出法により抽出した水抽出液のpHが本発明で規定する範囲外であるものを用いた、比較例1〜3のイエロートナーは、印字濃度が低く、かぶりの発生が多い。また、比較例1及び3のイエロートナーでは凝集物が発生した。
これに対し、本発明の実施例1及び2のイエロートナーは、印字濃度が高く、かぶりの発生が少ない。また、凝集物の発生もない。
Claims (5)
- 少なくとも結着樹脂、帯電制御剤及びイエロー着色剤からなる着色樹脂粒子を含有するイエロートナーであって、
該イエロー着色剤の、熱水抽出法により抽出した水抽出液のpHが6.0〜8.0である、イエロートナー。 - イエロー着色剤がイエロー顔料である、請求項1に記載のイエロートナー。
- イエロー顔料がC.I.ピグメントイエロー74である、請求項2に記載のイエロートナー。
- 帯電制御剤が正帯電制御樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載のイエロートナー。
- 重合性単量体、帯電制御剤、及び熱水抽出法により抽出した水抽出液のpHが6.0〜8.0であるイエロー着色剤を含有する重合体単量体組成物を、分散安定化剤を含有する水性分散媒中に分散させて、重合反応を行う工程を含む、イエロートナーの製造方法。
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JP2004020764A JP2005215234A (ja) | 2004-01-29 | 2004-01-29 | イエロートナー及びその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012032473A (ja) * | 2010-07-29 | 2012-02-16 | Canon Inc | イエロートナー |
US8795937B2 (en) | 2011-07-26 | 2014-08-05 | Lg Chem, Ltd. | Magenta polymerized toner |
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2004
- 2004-01-29 JP JP2004020764A patent/JP2005215234A/ja active Pending
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JP2012032473A (ja) * | 2010-07-29 | 2012-02-16 | Canon Inc | イエロートナー |
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