JP2010091705A - イエロートナー及びその製造方法 - Google Patents

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和已 吉▲崎▼
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Kenta Kamikura
健太 上倉
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Abstract

【課題】低温及び高速で長期に良好な定着性、高着色力、高光沢性及びOHP透明性を維持しながら、高精細及び高画質の画像の高耐久性を有するイエロートナーを提供する。
【解決手段】極性樹脂を少なくとも含有するイエロートナーであって、前記着色剤は、少なくとも下記式(1)で表される化合物を含有し、また前記着色剤は、アミノ基を有する化合物でその表面を処理されている着色剤であり、前記極性樹脂を溶解させたキシレン溶液に、前記表面処理された着色剤を分散させた時の、波長800nmにおける透過率T(%)が、40%以下であることを特徴とするイエロートナーに関する。(式1)
Figure 2010091705

【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、及び、トナージェット法の如き記録方法に用いられるイエロートナー、及びその製造方法に関するものである。
近年、プリンター装置の如き電子写真装置に対しては、高精細化、高画質化、省エネルギー化をこれまで以上に達成しつつ、より高速の印字が可能であり、低ランニングコストであることが強く望まれている。それに伴って、トナーに要求される特性としても、ますます高くかつ多岐にわたってきており、さまざまな観点からの開発が行われている。
高精細、高画質の観点からは、1200、2400dpiといったマシンの高解像度化にあわせて、トナーの微粒子化の方向が望まれている。その微粒子化されたトナーの製造方法の一つとして、重合法による製造が提案されている。
この重合法トナーには、乳化会合(凝集)した樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させて不定形化したトナー(乳化会合(凝集)型トナー)を調製する方法がある。また、ラジカル重合性モノマーと着色剤とを分散し、ついで水系媒体等に所望のトナー粒径になるように液滴分散し、懸濁重合させる工程を経てトナー粒子を調製する方法(懸濁重合トナー)がある。特に、懸濁重合法によるトナー粒子の製造では、微粒子化が容易であるばかりか、得られるトナーは、粒度分布がシャープであり、球形度が高く、かつ表面の材質がほぼ均一になるため、均一な摩擦帯電性が得られる。その結果、高現像性、高転写性を有するトナーを得ることができる。また、上述したように、シャープな粒度分布が得られるということから分級工程の簡略化も可能になる。そのため、懸濁重合法によるトナー粒子の製造は、エネルギーの節約、製造時間の短縮、工程収率の向上、コスト削減効果も大きく、低ランニングコストの観点からも好ましい。
また、電子写真の分野においては、カラー化が急速に進んでいる。カラー画像は、一般にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを適宜重ねて現像することにより形成されるため、各色のトナーには単色のときよりも高い現像特性が求められる。即ち、静電荷像を忠実に現像することができ、飛び散ることなく転写材に確実に転写され、容易に紙の如き転写材に定着されるトナーが求められている。上記のような懸濁重合法で作られたトナーは、このような観点においても好適である。
しかし、省エネルギーの観点からは、低温で容易に紙の如き転写材に定着されるトナーの開発が望まれている。それと同時に、画像の解像度の向上に伴い、写真や印刷の画質に近づけるために、画像形成としては、画像の光沢度を制御することが求められている。さらには、カラー画像の形成においては、混色性が良好であり、広範囲にわたる良好な色再現性が求められている。例えば、写真画質に近い光沢度の高い画像を得ることが要求されている。
一方、デジタルフルカラー複写機やプリンターにおいては、まず、色画像原稿をB(ブルー)、G(グリーン)、R(レッド)の各色フィルターで色分解する。その後、オリジナル画像に対応した20μm〜70μmのドット径からなる潜像をY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色現像剤を用い現像する。そのため、各色の現像剤中の着色剤が画質に大きな影響を与えることになる。
塗料分野においてイエロー着色剤は、人間の感度に対し他色と同等の印象を与えるため
に、高隠蔽性、高着色力が求められ、一次粒子径の大きい着色剤が多く用いられてきた。一方、トナー分野においては、トナー中に添加される着色剤の重要な要素として、着色力のみならず、透明性が良好であること等が挙げられている。そのため、塗料分野で好んで用いられる一次粒子径の大きい着色剤は、これらの要素を同時に満たすことが難しく、これまでに様々な検討がなされてきている。
イエロートナーにおいて透明性が良好であるためには、着色剤自体の一次粒子径が小さいこと、また、トナー中での着色剤平均粒子径が小さいことが重要である。しかしながら、着色剤の一次粒子径が小さいと、着色剤自体が凝集したり、トナー中で凝集してしまうといった弊害が起こりやすく、その場合、トナーの光透過性の悪化によりOHP(オーバーヘッドプロジェクタ)透明性が悪くなる。また、着色剤の分散性が悪いため、十分な印字濃度を達成できず、さらに、懸濁重合法や溶解懸濁法により製造すると、粒径分布が広がったイエロートナーが生成してしまう等の問題を起こす場合もあった。こういった問題を解決するために、トナー中での着色剤の凝集を抑制し均一に分散させる工夫がなされてきた。
一般的に粒子径の小さい着色剤粒子を含有するトナーは、着色力が低下しがちである。しかし特許文献1によると、カラーインデックスにおいてC.I.ピグメントイエロー74で示される顔料は、一次粒子径は小さいが強力な着色力を持つ。そのため、良好な透明性と共に十分な着色力を有し、且つ、トナー粒子中の顔料の分散状態を良好なものとすることで、透明性及び着色力について優れたトナーが得られることが提案されている。しかしながら、この顔料を用いた場合、透明性を十分に満足させるトナーを得るには乳化凝集法によるトナーの製造方法のみに限定され、透明性及び着色力の両方において優れた顔料を使いこなすまでに至っていない。
特許文献2では、カブリの発生が少なく、印字濃度の高いイエロートナーを提供することを目的として、イエロー着色剤の、熱水抽出法により抽出した水抽出液pHが6.0〜8.0である、イエロートナーが開示されている。また、特許文献3では、イエロー着色剤の、煮沸法により測定される顔料の水性懸濁液のpHが6以上の顔料とpHが6未満の顔料を併用するイエロートナーが開示されている。しかしながら、これら特許文献に記載されているイエロートナーは、印字濃度や、大量に印字を行った際の耐久印字性が十分であるとはいえない。
特許文献4では、高分子ポリエステル酸化合物と併用するイエロートナーが開示されている。しかしながら、更なる低温定着性と高耐久性の両立といった留まるところのない市場からの要求を満足させてはいない。具体的には、低温での良好な定着性、高着色力、高光沢性及びOHP透明性を維持しながら、高速で長期に渡ってプリントしても高精細及び高画質の画像を出力しつづけるという点に対しては、未だ課題を有している。
特開2001−228653号公報 特開2005−215234号公報 特開2007−178954号公報 特開2005−115013号公報
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解決することにある。すなわち、本発明の目的は、低温での良好な定着性、高着色力、高光沢性及びOHP透明性を維持しながら、高速で長期に渡ってプリントしても高精細及び高画質の画像を出力し続けられる、高耐久性を有するイエロートナー及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記従来技術の問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下の構成により問題点を解決することができることを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、結着樹脂、着色剤及び極性樹脂(A)を少なくとも含有するイエロートナー粒子を有するイエロートナーであって、
前記イエロートナー粒子は、水系媒体中で製造されたトナー粒子であり、
前記着色剤は、少なくとも下記式(1)で表される化合物を含有し、また前記着色剤は、アミノ基を有する化合物でその表面を処理されている着色剤(B)であり、
前記極性樹脂(A)を溶解させたキシレン溶液に、前記表面処理された着色剤(B)を分散させた時の、波長800nmにおける透過率T(%)が、40%以下であることを特徴とするイエロートナーに関する。
Figure 2010091705
(式中、R〜Rは、各々独立に水素原子、アルキル基、アルコキシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、N-置換スルファモイル基、ニトロ基、アセチルアミノ基また
はハロゲン原子を表す。)
本発明によれば、低温での良好な定着性、高着色力、高光沢性及びOHP透明性を維持しながら、高速で長期に渡ってプリントしても高精細及び高画質の画像を出力し続けられる、高耐久性を有するイエロートナーを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を示して、本発明を詳細に説明する。
本発明のイエロートナーは、結着樹脂、着色剤及び極性樹脂(A)を少なくとも含有するイエロートナー粒子を有するイエロートナーであって、前記イエロートナー粒子は、水系媒体中で製造されたトナー粒子であり、前記着色剤は、少なくとも下記式(1)で表される化合物を含有し、また前記着色剤は、アミノ基を有する化合物でその表面を処理されている着色剤(B)であり、前記極性樹脂(A)を溶解させたキシレン溶液に、前記表面処理された着色剤(B)を分散させた時の、波長800nmにおける透過率T(%)が、40%以下であることを特徴とする。
Figure 2010091705
前記一般式中、R〜Rは、各々独立に水素原子、アルキル基、アルコキシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、N-置換スルファモイル基、ニトロ基、アセチルアミ
ノ基またはハロゲン原子を表す。
本発明のイエロートナーに用いられる着色剤は、良好な透明性と共に十分な着色力を有するという観点から、少なくとも式(1)で表される化合物を含有する着色剤(以降モノアゾ着色剤と記載する場合もある)である。
上記モノアゾ着色剤は、熱に弱く、粉砕法によるトナー製造法では、溶融混練時の温度において顔料の構造が変化し色相角の変動が生じる。これに対して構造が変化するほどの熱を必要としない水系媒体中でのトナー製造方法はモノアゾ着色剤を使用する場合には有利である。特に懸濁重合法は、昨今の現像性や定着性の高い要求に答えるためのトナー特性を発現しやすく好ましい。しかしながらモノアゾ着色剤は、水系中への分散性が良好な着色剤であるため、トナー粒子を水系で製造する方法に用いることは難しいとされてきた。
水系中への分散が良好である上記モノアゾ着色剤は、例えばO/W型エマルジョンにて
トナー粒子を製造する際に、モノアゾ着色剤のトナー粒子表面への存在確率が高くなる。その結果、トナー表面の着色剤が悪影響を及ぼし、トナーの帯電性の低下や、現像部材への汚染による現像特性の低下を生じてしまう。さらに連続プリントにおいて、定着部材への汚染も併発し定着特性も悪化させてしまう。
これに対して、上記着色剤を表面処理することでO/W型エマルジョンの油相への分散
性を促進する考えがあるが、油相への均一分散が難しく、トナー製造時の系が不安定になりやすく、粒度分布がブロード化してしまう。その結果、トナーの着色力の低下や部材汚染による現像性の低下や個々のトナー組成のバラツキや、それによるトナー硬度の弱化など課題が克服できていなかった。
本発明者らは、アミノ基を有する化合物で表面処理されたモノアゾ着色剤(以下、着色剤(B)ともいう)を用い、極性樹脂(A)を溶解させたキシレン溶液に、前記着色剤(B)を分散させた時の、波長800nmにおける透過率T(%)を、40%以下にした場合、モノアゾ着色剤の特徴である高着色力及びOHP透明性を維持しながら、低温での定着性及び高光沢性を可能にし、高速で長期に渡ってプリントしても高精細及び高画質の画像を出力し続けられる、高耐久性を有するイエロートナーを得ることができることを見出した。
なお、極性樹脂の溶媒は、極性樹脂の溶解性の観点、及び本発明で好ましく用いられる
懸濁重合法を例に取ると、結着樹脂である重合性単量体に近い極性を持つ溶剤という観点からキシレン溶液を用いた。また、波長は、色の吸収の影響を受けず、溶液の濁度のみを測定できるという観点から800nmを用いた。
まず本発明者らは、透過率T(%)が40%以下である場合、着色剤(B)と極性樹脂(A)の親和性が高いということを表していると考えている。その結果、極性樹脂(A)の存在下、水系媒体中でトナー粒子を製造する際に発生しやすい、トナー粒子内での着色剤の再凝集を抑制することにつながり、結果として高着色力及びOHP透明性を維持できると考えている。一方、極性樹脂(A)もトナー粒子内に含まれる全ての原材料中において、より均一に分散することが可能となる。その結果、極性樹脂(A)の役割の一つであるトナー粒子の外層の形成が適切に行われることで、トナー粒子表面への着色剤(B)の露出を抑制することにつながるばかりか、トナーの粒度均一性がさらに向上する。トナーの粒度均一性が向上することで、個々のトナー粒子の均一な組成分布、帯電分布、外添剤のトナー粒子表面への均一付着性や付着強度の向上が可能となる。結果、本発明のトナーの現像性、定着性、及び耐劣化性が顕著に向上するものと考えている。
透過率T(%)を、40%以下にするためには、着色剤(B)の極性やpH等を制御することと、極性樹脂(A)の極性や酸価、塩基価等を制御することにより可能である。特に、着色剤(B)のpHと極性樹脂(A)の酸価を制御することが重要であると考えている。
具体的には、着色剤(B)のJIS(K5101−17−1)(2004年)に基いて測定したpH(pH(B))が5.5≦pH(B)≦8.5を満たし、極性樹脂(A)の酸価Av(A)(mgKOH/g)が、Av(A)≦15.4×pH(B)−59.0の関係を満たすことで好ましく前記透過率Tの値を制御することができる。その理由は、着色剤(B)のpHを上記のように制御し、極性樹脂の酸価Av(A)が上記式を満たすことにより、アミノ基を有する化合物でその表面を処理されている着色剤(B)の塩基性成分と極性樹脂(A)の酸性成分とが効果的に相互作用を及ぼすからであると考えている。よって上記関係式は、極性樹脂(A)の酸性成分に対して、着色剤の表面処理の程度を示しているものと考えている。
なお、極性樹脂(A)は、酸価が5mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが好ましく、より好ましくは、10mgKOH/g以上25mgKOH/g以下である。
前記着色剤(B)のpHの値については、後述する着色剤のうち好ましい化合物を選択すること等により範囲内のpHを有する着色剤を選択することができる。また、極性樹脂(A)の酸価、塩基価については、極性樹脂内の酸性成分もしくは塩基性成分の含有量を調整することで、範囲内のものを調製することができる。
上記透過率T(%)は25%以下とすることが好ましく、20%以下とすることがより好ましい。また、透過率T(%)の下限値は特段制限されないが、1%以上が好ましい。
次に上記パラメータの測定方法を説明する。
<透過率T(%)の測定方法>
透過率T(%)は、以下の方法により測定した。
キシレン溶液10gを50mlのガラス瓶に入れた。そこに極性樹脂0.9gと着色剤0.1gを入れ、振とう器 KM−Shaker V−SX(イワキ社製)で250回/分のスピードで10分間振とうする。24時間静置した後、上澄み液をスポイトでサンプリングする。サンプリングした資料を島津自記分光光度計UV−3100(島津製作所製)で波長900nmから400nmの透過率T(%)を測定し、800nmにおける透過率
を読み取る。
透過率の測定条件を以下に示す。
スキャン速度:中速
スリット幅:5nm
サンプリングピッチ:2nm
<極性樹脂(A)の酸価、塩基価の測定方法>
(試料調整)
200mlビーカーに上記測定対象である極性樹脂(A)1.0gを精秤し、スターラーで攪拌しながらトルエン120mlに溶解し、さらにエタノール30mlを加えて得られたものを測定試料とした。
(装置)
測定装置としては例えば、電位差自動滴定装置AT−400WIN(京都電子工業株式会社製)を用いる。測定装置の設定は、有機溶剤に溶解する試料を対象とする。使用するガラス電極と比較電極は、有機溶剤対応のものを使用する。pHガラス電極は、例えば商品コード#100−H112を用いる。尚、先端は乾燥させないようにする。コルク型比較電極は、商品コード#100−R115を用いる。尚、先端は乾燥させないようにする。内部液が内部液補充口まで満たされているかを確認する。内部液は3.3mol/KCl溶液を使用する。
(手順)
上記調整した測定試料を上記測定装置のオートサンプラーにセットし、上記ガラス電極を測定試料溶液中に浸す。次に滴定液(1/10N KOH(エタノール溶液))を試料溶液上にセットし、0.05mlずつ自動間欠滴定で滴下させ酸価を算出する。なお、酸価は以下算出式から求める。このときの測定試料の質量単位はgである。

(酸価)=〔{(サンプル終点)−(ブランク終点)}×cKOH〕/(測定試料の質量)

cHCLは、1/10N KOHのエタノール溶液のモル濃度(mol/l)である。
塩基価は、pHガラス電極は、例えば商品コード#100−H112を用いる。尚、先端は乾燥させないようにする。コルク型比較電極は、商品コード#100−R115を用いる。滴定液を(1/10N HCl(エタノール溶液))に変更し、同様にして測定する。尚、塩基価は以下算出式から求める。このときの測定試料の質量単位はgである。

(塩基価)=〔{(サンプル終点)−(ブランク終点)}×cHCL×56.1〕/(測定試料の質量)cHCLは、1/10N HClのエタノール溶液のモル濃度(mol/l)である。
本発明に用いられる着色剤は、少なくとも前記一般式(1)で表される化合物を含有する。好ましくは、前記一般式(1)は、R〜Rは、(水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、N-メチルスルファモ
イル基、N−エチルスルファモイル基、N-フェニルスルファモイル基、ニトロ基、アセ
チルアミノ基、塩素)である。
前記一般式(1)で表される具体的な化合物としては、C.I.pigment Yellow 1、3、65、73、74、98、及び111等が好適に例示できる。これらのうち、C.I.pigment Yellow 73、74及び111が着色力及び、OHP透過性の観点から好ましく、さらに好ましくは、C.I.pigment Yellow 74である。これらの着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し1乃至20質量部が好適である。
本発明に用いられる着色剤の表面処理に用いるアミノ基を有する表面処理剤としては、アミノ基を有する化合物であって表面処理に用いることができれば特段限定されず、デヒドロアビエチルアミン、デヒドロアビエタン−1−アミン、ジヒドロアビエチルアミン、テトラヒドロアビエチルアミン、並びにそれらの2量体、3量体、4量体、または多量体形を含むロジンアミンまたはロジニルアミン及びその誘導体、並びにそれらの混合物が例示できる。天然または合成のいずれであってもよい。
特に、水系媒体中におけるトナー製造において、水系への着色剤の溶出を防止するとともに、処理剤の遊離等によるトナーの帯電性の低下や、現像部材への汚染による現像特性の低下を防止するという観点からデヒドロアビエチルアミンが好ましい。
アミノ基を有する化合物で着色剤を表面処理する方法としては、(1) 表面処理剤を
アルコールの如き溶媒に溶解させ、着色剤表面にコートした後にスプレードライヤーで乾燥する方法。(2)処理剤と着色剤を乾式混合した後、必要に応じて溶融混練等の熱処理を施す乾式混合法。(3)着色剤製造時の着色剤の合成溶液中に処理剤を加えた後、着色剤表面に被覆処理を施す湿式処理法等が挙げられる。着色剤に対する表面処理剤の処理量は、着色剤100質量部に対して、表面処理剤1質量部〜30質量部が好ましく、更に好ましくは5質量部〜25質量部である。
本発明のイエロートナーは、テトラヒドロフラン(THF)可溶分中におけるシクロヘキサン(CHX)不溶分の示差走査熱量計により測定したガラス転移温度(Tg)が、少なくとも80℃以上120℃以下に存在することが好ましく、
85℃以上110℃以下に存在することが更に好ましい。
また、本発明のイエロートナーは、テトラヒドロフラン(THF)可溶分中におけるシクロヘキサン(CHX)不溶分のゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したメインピーク分子量(Mp)が、10,000以上250,000以下であることが好ましく、より好ましくは10,000以上100,000である。
さらに、本発明のイエロートナーは、テトラヒドロフラン(THF)可溶分中におけるシクロヘキサン(CHX)不溶分が、イエロートナーに対して3質量%以上30質量%以下の割合で存在することが好ましく、より好ましくは、10質量%以上30質量%以下の割合で存在することであり、更に好ましくは、10質量%以上20質量%以下の割合で存在することである。
低温定着性と高耐久性の両立を可能とするために、従来コア/シェル構造が形成されたトナー粒子を持つトナーが提案されている。
このようなコア/シェル構造をとるタイプのトナー粒子には、内層と外層とに分離されているものがある。これは、外層によって内層成分を保護することを主目的とし、優れた機能を有するものである。しかしながら、内層と外層との密着性が弱い為、連続したプリント出力のようにトナーがストレスをかけ続けられると、外層の剥離や削れが生じ、トナー粒子の表面組成がある時点で急激に変化する可能性があり、現像性や転写性に対する高信頼性が得にくくなる場合がある。
本発明のイエロートナーは、上記の課題を改良するために、水系媒体中でトナー粒子を製造する際に、極性を持ちつつもコアバインダーである結着樹脂との相溶性をも同時にもつ極性樹脂(A)をシェルバインダーとして使用することが好ましい。このことについて、以下説明する。
シクロヘキサン(以下、CHXとも称する)は極性溶媒に溶けにくい性質を持ち、極性
を有さないポリマーを溶解する溶解性は高いが、極性を有するポリマーを溶解する溶解性は低い。したがって、極性を有さないポリマーと極性樹脂(A)を分別するための最も優れる溶剤のひとつである。このことから、本発明のトナーのテトラヒドロフラン(以下、THFとも称する)可溶分中のシクロヘキサン不溶分とは、上記極性樹脂(A)を指しているものと考えている。また、上記極性樹脂(A)が、極性を持ちつつ結着樹脂とのなじみやすさをも同時に持つ場合には、トナー粒子中において、内層及び外層を有するような層が分離した状態ではなく、極性樹脂(A)がトナー粒子の中心から表面にかけて徐々に濃度が高まるような濃度勾配が生じると本発明者らは考えている。
例えば、トナーの製造方法として懸濁重合法を用いた場合、添加した極性樹脂(A)は、重合性単量体へ溶解した後、重合反応と共に重合性単量体の量が減少することで、トナー粒子表面での極性樹脂の割合が増加するものと考えられる。しかし、本発明で用いている極性樹脂(A)が、結着樹脂とのなじみも良好である場合には、極性樹脂(A)がトナー粒子中において濃度勾配を持つものと推定している。これらにより、内層との密着性を十分確保しながら外層形成することが可能となっているものと予想している。
その結果密着性や強靭性が強化され、トナーの現像性や転写性のレベルアップがなされることで、高耐久性につながっていると考えている。また、定着においても、極性樹脂(A)がトナー粒子中において濃度勾配を持っているという特定の内部構造が、定着特性にも効果を発現しているものと考えている。つまり、極性樹脂(A)が結着樹脂となじみ易いという特性が、トナーを加熱した際にトナー粒子中に含まれるワックスが迅速にトナー粒子表面に移動し易くさせているものと予想している。
本発明のトナーの、THF可溶分中におけるCHX不溶分の示差走査熱量計により測定したガラス転移温度(Tg)が、80℃以上120℃以下に存在する場合、低温定着性を維持し、写真や印刷の画質に近づけるために必要な適切な光沢度及び画像濃度が得られる。さらに、トナーに適度な強靭性が得られ、現像時の耐ストレス性が向上する。その結果、長期画出しにおいて、帯電量が低下し、かぶりやトナー飛散を引き起こしてしまうことを防止できる。また、トナー粒子に好ましく外添されるシリカ、チタン等に代表される無機微粒子の埋め込みによる転写効率の低下を抑制できる。
上記ガラス転移温度(Tg)は、トナー原材料として用いられる極性樹脂(A)の影響を受けるため、極性樹脂(A)製造時のモノマー組成比等で調整することが可能である。
本発明のトナーの、THF可溶分中におけるCHX不溶分のゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したメインピーク分子量(Mp)が、10,000以上250,000以下である場合、低温定着性を維持し、写真や印刷の画質に近づけるために必要な適切な光沢度及び画像濃度が得られる。さらに、トナーに適度な強靭性が得られ、現像時の耐ストレス性が向上する。その結果、長期画出しにおいて、帯電量が低下し、かぶりやトナー飛散を引き起こしてしまうことを防止できる。また、トナー粒子に好ましく外添されるシリカ、チタン等に代表される無機微粒子の埋め込みによる転写効率の低下を抑制できる。
加えて、トナー製造時において、トナー粒子間における極性樹脂(A)と着色剤(B)の均一な組成分布が得やすくなり、粒度均一性が向上する。その理由は定かではないが、極性樹脂(A)における分子の適度な大きさにより、着色剤(B)との相互作用を引き起こしやすくしているものと予想している。
上記分子量(Mp)は極性樹脂(A)の製造時の重合条件(温度、重合開始剤種、重合開始剤量等)及びトナー粒子製造時の重合条件(温度、重合開始剤種、重合開始剤量等)等で調整することが可能である。
本発明のトナーの、THF可溶分中におけるCHX不溶分が、前記イエロートナーに対して3質量%以上30質量%以下存在する場合、トナーに適切な外層が形成できることにより低温定着性を維持し、写真や印刷の画質に近づけるために必要な適切な光沢度及び画像濃度が得られる。さらに、トナーに適度な強靭性が得られ現像時の耐ストレス性が向上する。また、トナーに適切な外層が形成できることにより、着色剤(B)のトナー表面への露出を抑制することにつながるばかりか、均一な組成分布が得やすくなり、トナーの粒度均一性が向上する。
加えて、トナー製造時において、トナー粒子間における極性樹脂(A)と着色剤(B)の均一な組成分布が得やすくなり、粒度均一性が向上する。その理由は定かではないが、極性樹脂(A)における分子の適度な大きさにより、着色剤(B)との相互作用を引き起こしやすくしているものと予想している。
シクロヘキサン不溶分は、トナー原材料の極性樹脂(A)量の影響を受けるため、上記シクロヘキサン不溶分の含有量は、トナー製造時の極性樹脂(A)の仕込み量等で調整することが可能である。
本発明のイエロートナーのTHF可溶分中におけるCHX不溶分の物性(含有量、メインピーク分子量(Mp)及びガラス転移温度(Tg))は、以下の方法で測定される。
<トナーのTHF可溶分中におけるCHX不溶分の調製方法>
測定試料は以下のようにして作製する。
測定対象のトナーとテトラヒドロフラン(THF)とを450mg/mlの濃度で混合し、室温にて10時間、試料の合一体がなくなるまで充分に振とうし、THFと試料を良く混ぜ、更に7日間静置する。その後、上記溶解液を冷却高速遠心機(H−9R(コクサン社製))を用い、10℃環境にて15000r/minで60分間遠心分離することで、上澄み液と沈降物とに分離し上澄み液を採取する。さらに上澄み液を窒素ガスにてバブリングしながら上澄み液を50%減少させ濃縮液を調製する。その後シクロヘキサン(CHX)100ミリリットル中に、上記濃縮液5ミリリットルを添加し、CHX不溶分を生成させる。CHX不溶分が生成した液を冷却高速遠心機(H−9R(コクサン社製))を用い、10℃環境にて15000r/minで60分間遠心分離することで、上澄み液と沈降物(CHX不溶分)とに分離して、上澄み液を除去する。除去後の沈殿物を室温にて24時間静置させた後、真空乾燥機(40℃)において24時間脱溶媒をし、THFを除去して、THF可溶分中におけるCHX不溶分(A)を採取する。
<トナーのTHF可溶分中におけるCHX不溶分の含有量>
上記CHX不溶分(A)を測定試料として、トナーのTHF可溶分中におけるCHX不溶分の含有量(質量%)は、以下のように計算する。
Figure 2010091705
<トナーのTHF可溶分中におけるCHX不溶分のメインピーク分子量(Mp)>
トナーのTHF可溶分中における
CHX不溶分のゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(以下、GPCとも称する)により測定されるメインピークの分子量(Mp)は、以下の方法により測定する。
上記CHX不溶分(A)を測定対象とする。
測定対象のCHX不溶分(A)とTHFとを5mg/mlの濃度で混合し、室温にて5
時間放置した後、充分に振とうしTHFと試料を良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に室温にて24時間静置して行なう。その後、サンプル処理フィルター(マイショリディスクH−25−2 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンスジャパン社製)を通過させたものをGPCに用いる測定試料として調製する。調製された試料の分子量分布及びメインピークの分子量(Mp)は、GPC測定装置(HLC−8120 GPC 東ソー社製)を用い、該GPC測定装置の操作マニュアルに従い、下記の測定条件で測定する。
<測定条件>
装置:高速GPC「HLC8120 GPC」(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:THF
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
また、測定試料の分子量の算出にあたっては、検量線は、標準ポリスチレン樹脂(東ソー社製TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500)により作成した分子量較正曲線を使用する。
<トナーのTHF可溶分中におけるCHX不溶分のガラス転移温度(Tg)>
上記CHX不溶分(A)を測定試料として、トナーのTHF可溶分中における
CHX不溶分のガラス転移温度(Tg)は、以下の条件にて測定する。
示差走査熱量計(DSC測定装置)は、DSC−7(パーキンエルマー社製)、DSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)等を用い、ASTM D3418−82に準じて以下のように測定することができる。なお、本発明では、DSC測定装置としてDSC−7(パーキンエルマー社製)を用いた。上記測定試料は2〜5mg、好ましくは3mgを精密に秤量する。それをアルミニウム製のパン中に入れ、対照用に空のアルミパンを用い、測定範囲20〜140℃の間で、昇温速度1℃/minで測定を行なう。詳細な測定条件は以下の通りである。
(測定条件)
・20℃で5分間平衡を保つ
・1.0℃/minのモジュレーションをかけ、140℃まで1℃/minで昇温
・140℃で5分間平衡を保つ
・20℃まで降温
得られた昇温1回目のDSC曲線のピーク位置から中点法でTgを求める。
前記極性樹脂(A)は、示差走査熱量計により測定したガラス転移温度(Tg)が、
少なくとも80℃以上120℃以下に存在することが好ましく、
85℃以上110℃以下に存在することが更に好ましい。
極性樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)が、80℃以上120℃以下に存在する場合、低温定着性を維持し、写真や印刷の画質に近づけるために必要な適切な光沢度及び画像濃度が得られつつも、トナーに適度な強靭性が得られ、現像時の耐ストレス性が向上する。その結果、長期画出しにおいて、帯電量が低下し、かぶりやトナー飛散を引き起こしてしまうことを防止できる。また、トナー粒子に好ましく外添されるシリカ、チタン等に代表される無機微粒子の埋め込みによる転写効率の低下を抑制できる。加えて、トナー製造時において、トナー粒子間における極性樹脂(A)と着色剤(B)の均一な組成分布が得
やすくなり、粒度均一性が向上する。その理由は定かではないが、極性樹脂(A)の適度な分子運動により、着色剤(B)との相互作用を引き起こしやすくしているものと予想している。
極性樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)の測定は、前記、トナーのTHF可溶分中におけるCHX不溶分のガラス転移温度(Tg)の測定方法に準ずる。
本発明のトナーは、内層(コア)と外層(シェル)との密着性が高いコアシェル構造を有することが好ましい。このようなコアシェル構造を形成する目的で、シェルを形成する極性樹脂(シェルバインダー樹脂)として、コアを形成する結着樹脂(コアバインダー樹脂)と同組成のものを含んでいる極性樹脂(A)を用い、懸濁重合法によりトナーを製造することが好ましい。このような設計とすることで、コアバインダー樹脂中にシェルバインダー樹脂が相溶しつつ、相分離が起こるため、内層と外層との界面において、それぞれの成分が相溶した密着性の高いコアシェル構造を有するトナー粒子を得ることができる。
コアバインダー樹脂として、ポリスチレン、スチレン置換体の単重合体、スチレン系共重合体のようなビニル系重合体が用いられている場合、シェルバインダー樹脂としても、ビニル系重合体を用いることが好ましい。
本発明に用いられる極性樹脂(A)としては、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如き含窒素単量体の重合体もしくは含窒素単量体とスチレン−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;アクリロニトリルの如きニトリル系単量体;塩化ビニルの如き含ハロゲン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸の如き不飽和カルボン酸;不飽和二塩基酸;不飽和二塩基酸無水物;ニトロ系単量体の重合体もしくはそれとスチレン系単量体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体といったスチレン系共重合体との共重合体;ポリエステル;エポキシ樹脂;が挙げられる。
本発明の極性樹脂(シェルバインダー)は結着樹脂(コアバインダー)との密着性の観点から、結着樹脂と同組成のものを含むことが好ましい。結着樹脂として、ポリスチレン、スチレン置換体の単重合体、スチレン系共重合体のようなビニル系重合体が用いられている場合には、極性樹脂としてビニル系共重合体が好ましく用いられる。
また、スチレン系の共重合体を用いる場合には、残留スチレンが0乃至300ppmの範囲であることが、極性樹脂と結着樹脂との馴染みを良好にするために好ましい。
また、コアバインダー樹脂として、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂が用いられている場合には、シェルバインダー樹脂としては、ビニル系重合体と上記それぞれの樹脂との変性樹脂が挙げられる。
極性樹脂(A)(シェルバインダー樹脂)としては、GPCでのピーク分子量Mpが7,000〜250,000、重量平均分子量Mwが7,000〜260,000、数平均分子量と重量平均分子量との比(Mw/Mn)が1.05〜5.00であるものが好ましい。より好ましくは、ピーク分子量Mpが10,000〜250,000、重量平均分子量Mwが10000〜260,000である。また、酸価は5〜40mgKOH/gである
ものが好ましく、より好ましくは10〜30mgKOH/gである。
本発明に用いる極性樹脂(A)の含有量は、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対して10〜40質量部であることが好ましい。より好ましくは15〜30質量部である。
懸濁重合法にてトナー粒子を製造する際には、添加する極性樹脂(A)(シェルバインダー樹脂)がコアバインダー樹脂と相溶することによりトナーのTgが上昇する。そのため、コアバインダー樹脂を生成するためのモノマーの理論Tgを低く設定し、製造されるトナーのTgが所定の範囲内となるようにすることが好ましい。低い理論Tgで設計した場合には耐熱性(耐ブロッキング性)が低下してしまいやすいが、トナーをこのようなコアシェル構造に設計することで、耐熱性の低下を抑制できる。そして、現像性、転写性及び定着性の向上を達成でき、従来のトナーよりも良好な特性を得ることが可能となる。
本発明においては、コアバインダー樹脂のガラス転移温度は、10〜45℃であることが好ましく、より好ましくは15〜40℃である。コアバインダー樹脂のガラス転移温度については、コアバインダー樹脂のみをトナー粒子から単離することが困難であるため、その処方から計算される理論Tgをコアバインダー樹脂のTgとみなしてもよい。
本発明のトナーは、100℃におけるトナーの粘度が、1.00×10〜3.50×10Pa・sであることが好ましい。100℃におけるトナーの粘度が、上記範囲内である場合、ワックスの染み出しが適当となり、より良好な耐高温オフセット性が得られる。また、適度な強靭性が維持されるため、現像性や転写性がより良好となる。更に、転写紙との付着力が適度となるため、低温定着性や巻きつき性に関してもより良好な効果が得られる。また、高い光沢度を有する定着画像がより得やすくなる。100℃におけるトナーの粘度は、1.00×10〜2.50×10Pa・sであることがより好ましい。
なお、上記粘度は、結着樹脂の分子量やガラス転移温度を調整したり、ワックス成分の種類および含有量を調整したりすることで条件を満たすことができる。また、本発明の好ましい形態である重合トナーの場合には、重合条件(温度、開始剤種、開始剤量)で調節することが可能である。
<100℃におけるトナーの粘度の測定方法>
トナーの100℃における粘度の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行なう。尚、本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際の温度とピストンの降下量との関係を計測する。
本発明においては、50℃から200℃までの測定を行い、100℃において算出された見かけの粘度を、トナーの100℃における粘度(Pa・s)とする。
100℃における見かけの粘度η(Pa・s)は次のようにして算出する。まず、下式(1)よりフローレートQ(cm/s)を計算する。式中、ピストンの断面積をA(cm)、100℃時点におけるピストンの位置に対して上下0.10mm(間隔としては0.20mm)の間をピストンが降下するのに要した時間をΔt(秒)とする。
Q=(0.20×A)/(10×Δt) ・・・ (1)
そして、得られたフローレートQを用いて、下式(2)より100℃における見かけの粘度ηを算出する。式中、ピストン荷重をP(Pa)、ダイの穴の直径をB(mm)、ダイの長さをL(mm)とする。
η=(π×B4×P)/(128000×L×Q) ・・・ (2)
測定試料は、約1.0gのトナーを、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。 CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
本発明におけるトナーは、フロー式粒子像分析装置で測定されたトナーの平均円形度が、0.960〜0.995であることが好ましい。平均円形度が上記範囲内である場合には、良好な転写性を得ることができる。また流動性向上剤(外添剤)をトナー粒子表面により均一に近い状態で付着させることができ、平滑性の低い転写材においても良好な転写が可能となる。トナーの平均円形度は、0.970〜0.995であることがより好ましい。なお、トナーの平均円形度は、トナーの製造時に温度を調整することでその条件を満たすことが出来る。また、本発明の好ましい形態である、重合トナーの場合には、分散安定剤の仕込み量を調整することで条件を満たすことができる。
<トナーの平均円形度>
本発明におけるトナーの平均円形度の測定は、フロー式粒子像測定装置を用いる。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローセルに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512の画像処理解像度(一画素あたり0.37μm×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積や周囲長等が計測される。画像処理部で画像信号は、A/D変換され、画像データとして取り込まれ、記憶した画像データに対して、粒子の有無を判別するための画像処理が行われる。
次に、粒子像の輪郭を的確に抽出するための前処理として輪郭強調処理が行われる。そして、画像データをある適当なスレシホールドレベルで2値化する。画像データをある適当なスレシホールドレベルで2値化すると各粒子画像は図1に示すような2値化画像となる。次に、2値化された各粒子画像に対してエッジ点(輪郭を表す輪郭画素)かどうかを判定するとともに、着目しているエッジ点に対して隣り合うエッジ点がどの方向にあるかの情報、すなわちチェインコードを生成する。
次に、各粒子像の投影面積Sと周囲長Lを求める。上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
Figure 2010091705
粒子像が円形の時に円形度は1.000になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.2〜1.0
の範囲を800分割し、その分割点の中心値と測定粒子数を用いて、相加平均により平均円形度の算出を行う。
具体的な測定方法としては、予め不純固形物を除去したイオン交換水10mlを容器中に用意し、その中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を加えた後、更に測定試料0.02gを加え、均一に分散させる。分散手段としては、超音波分散機UH−50型(エスエムテー社製)に振動子として直径5mmのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40度以上にならないように適宜冷却する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した上記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。上記手順に従い調整した分散液を上記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測して、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径2.00μm以上、200.00μm以下に限定し、トナーの平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製5200Aをイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用し、解析粒子径を円相当径2.00μm以上、200.00μm以下に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
本発明におけるトナーの重量平均粒径(D4)は、高精細、高画質の画像を得るという観点から4.0〜9.0μmであることが好ましい。重量平均粒径が上記の範囲内である場合には、部材に対する汚染をより良好に抑制でき、また、良好なドット再現性を得ることができる。トナーの重量平均粒径は、4.5〜8.5μmであることがより好ましい。
なお、上記トナーの重量平均粒径(D4)に関する上記の条件は、トナー製造時に風力分級、篩い分けといった粒度調整工程において粒度調整することで満たすことが可能である。また、本発明の好ましい形態である、懸濁重合法トナーの場合には、分散安定剤の仕込み量で調整することが可能である。
<トナーの重量平均粒径の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer
3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出した。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレ
ベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
<1>Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
<2>ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
<3>発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
<4>前記<2>のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
<5>前記<4>のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
<6>サンプルスタンド内に設置した前記<1>の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記<5>の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
<7>測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
本発明のトナーは、良好な定着画像を得るために、結着樹脂100質量部に対して0.5〜50質量部、より好ましくは、3〜30質量部のワックス成分を含有することが好ましい。更に好ましくは5質量部〜20質量部である。ワックス成分の含有量が上記の範囲内であれば、長期間の保存性を維持しつつ、低温オフセットを良好に抑制することができる。また、他のトナー材料の分散を妨げることがなく、良好な流動性や画像特性を維持できる。
本発明のトナーに使用可能なワックス成分としては、以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムの如き石油系ワックス及びその誘導体;モンタンワックスおよびその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体;カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体。これらの誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。さらには、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックスが挙げられる。この中で特に、離型性に優れるという観点からエステルワックス及び炭化水素ワック
スが好ましい。更に好ましくは、トータルの炭素数が同一である化合物が、50〜95質量%でワックス成分に含有されていることが、ワックス純度が高く現像性の観点で、本発明の効果を発現し易い。
これらのワックスの中では、示査走査熱量測定装置により測定されるDSC曲線の最大級熱ピークが40℃〜110℃の範囲にあるものが好ましく、更には45℃〜90℃の範囲にあるものがより好ましい。また、最大吸熱ピークの半値幅は、2〜15℃であることが好ましく、2〜10℃であることがより好ましい。最大吸熱ピークの半値幅とは、吸熱ピークにおけるベースラインからピーク高さの2分の1の値を示す部分の、吸熱チャートの温度幅のことである。半値幅が上記の範囲内である場合、ワックスの結晶性が適度であり、適度な硬度を有するため、感光体や帯電部材への汚染の発生を抑制することができる。また、本発明のトナーは、示差走査熱量測定装置により測定されるDSC曲線の70〜120℃の範囲に上記ワックスの融点に起因する最大吸熱ピークを持つことが好ましい。
<DSC曲線の最大級熱ピーク>
DSC曲線は、示差走査熱量測定装置(DSC測定装置)DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。具体的には、以下のようにして測定を行う。
測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下において測定を行う。この昇温過程で、上記ワックスの吸熱ピーク及び上記トナーの最大吸熱ピークが得られる。
本発明におけるトナーのTHF可溶分のGPCでのメインピーク分子量Mpは10,000〜40,000が好ましく、より好ましくは、15,000〜35,000である。メインピーク分子量が上記範囲内である場合、ワックスの染み出しが適度となり、良好な耐高温オフセット性が得られる。また、適度な強度を有するため、良好な現像性や転写性を得ることができる。更に、低温定着性に関しても優れた特性が得られる。なお、上記トナーのメインピーク分子量Mpに関する上記の条件は、トナー製造時の温度を調整することで満たすことが可能である。特に本発明の好ましい製造法である重合法でトナーを製造する場合においては、重合条件(温度、開始剤種、開始剤量)を調整することで満たすことが可能である。
本発明におけるトナーのTHF可溶分のメインピーク分子量は、上記、トナーのTHF可溶分中におけるCHX不溶分のメインピーク分子量(Mp)の測定方法に準ずる。
本発明におけるトナーの示差走査熱量測定装置により測定されるガラス転移温度(Tg)は、30〜58℃であることが低温定着性と現像性の両立の観点から好ましい。より好ましくは、40〜55℃である。本発明におけるトナーのTgの測定方法は、前記、トナーのTHF可溶分中におけるCHX不溶分のガラス転移温度(Tg)の測定方法に準ずる。
本発明におけるトナーは、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基の重合体を含有することが好ましい。このような重合体を含有させることによって、トナー担持体の長手方向のトナーコート量が均一となり、感光体上への現像をより忠実に行うことができるようになる。また、高いページ内均一性を得ることができる。この他に平滑性の低い転写材であっても平滑性の高い転写材同様の転写均一性を得ることができる。また、懸濁重合法によってトナー粒子を製造する場合には、水系媒体中の造粒安定性を高めることができる。上記スルホン酸基を有する単量体として、スチレンスルホン酸、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸が例示できる。そして、これらの単量体が有するスルホン酸基を塩にしたもの、メチル基やエチル基によってエステル化した化合物も用いることができる。
本発明に用いられるスルホン酸基等を含有する重合体は、上記単量体の単重合体であっても構わないが、上記単量体と他の単量体との共重合体であっても構わない。上記単量体と共重合体をなす単量体としては、ビニル系重合性単量体があり、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。
単官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン系重合性単量体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン。
多官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル。
上記スルホン酸基等を含有する重合体は、結着樹脂100質量部に対し0.01〜5.
0質量部含有されることが好ましい。より好ましくは、0.1〜3.0質量部である。該スルホン酸基等を含有する重合体の含有量が上記範囲内であれば、トナーに良好な摩擦帯電性を付与することができる。また、懸濁重合時の造粒安定性を良好に高めることができ、得られる粒子の粒度分布がシャープになる。
本発明において、トナー粒子は、水系媒体中で製造された粒子である。
水系媒体中でトナー粒子を製造する方法としては、以下の方法が挙げられる。トナー粒子の必須成分から構成される乳化液を水系媒体中で凝集させる乳化凝集法;有機溶媒中にトナー必須成分を溶解させた後、水系媒体中で造粒後有機溶媒を揮発させる懸濁造粒法;トナー必須成分を溶解させた重合性単量体を直接水系媒体中で造粒後重合する懸濁重合法や乳化重合法;さらにその後シード重合を利用しトナーに外層を設ける方法;界面重縮合や液中乾燥に代表されるマイクロカプセル法。
これらの中で、本発明の作用効果を発揮しやすいものとして、特に懸濁重合法が好ましい。懸濁重合法においては、重合性単量体に着色剤及びワックス成分(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、帯電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解または分散せしめて単量体組成物とした後、分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中にこの単量体組成物を適当な撹拌器を用いて分散させ、そして重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得るものである。該トナー粒子は重合終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、無機微粉体を外添により混合し表面に付着させることで、本発明のトナーを得ることができる。
懸濁重合法でトナー粒子を製造する場合には、個々のトナー粒子形状がほぼ球形に揃っているため、摩擦帯電量の分布も比較的均一となり、良好な現像特性を有するトナーが得られやすい。また外添剤への依存度が少ない高い転写性を維持するトナーが得られやすい。
懸濁重合法によりトナー粒子を製造する際の重合性単量体としては、上記した単官能性重合性単量体、多官能性重合性単量体が挙げられる。
多官能性重合性単量体は、架橋剤として作用し、単官能性重合性単量体100質量部に対して0.001〜15質量部の割合で用いることができる。多官能性重合性単量体としては、上記したものに加えて、ジビニルアニリン、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物や3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。
重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。好ましくは、重合反応時の反応温度における半減期が0.5〜30時間のものである。また重合性単量体100質量部に対し0.5〜20質量部の添加量で重合反応を行うと、通常、分子量1万〜4万の間に極大を有する重合体が得られ、適当な強度と溶融特性を有するトナーを得ることができる。
重合開始剤の例としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドの如き過酸化物系重合開始剤。特に好ましくは、
重合反応中の分解時にエーテル化合物を生成するような重合開始剤である。
本発明において、下記構造式(1)あるいは(2)で表されるエーテル化合物を含有することで、特に同一頁内における均一性が高い画像を得ることができる。また、トナー担持体の長手方向のトナーコート量が均一となり、より忠実な現像が可能となる。更に、平滑性の低い転写材であっても平滑性の高い転写材同様の転写均一性を得ることができる。該エーテル化合物は、トナー粒子の製造時に処方として添加して含有させても良いが、重合開始剤の分解物から重合容器内において生じさせることもできる。
Figure 2010091705
(式中、R〜Rは、炭素数1〜6までのアルキル基であり、互いに同じであっても、異なっていても良い。)
Figure 2010091705
(式中、R〜R11は、炭素数1〜6までのアルキル基であり、互いに同じであっても、異なっていても良い。)
上記エーテル化合物は、コアバインダーとの相溶性に優れているために、トナー粒子に含有させた場合には、均一に近い状態で分散されて存在すると考えられる。また、酸素原子は電気陰性度が高い元素であるため、トナー中に発生した負電荷を非局在化させる。上記エーテル化合物はこの2つの特徴を有するため、トナーの負電荷を安定化させる。そのため、該エーテル化合物を含有させる効果は、本発明のトナーが負帯電性トナーである場合に特に顕著となる。また、正帯電性トナーにおいては、チャージアップを抑制する効果を発揮する。
また、上記エーテル化合物は三級炭素を有しておりバルキーな構造である。三級炭素を中心とする官能基は立体障害として機能するため、水の影響を受けにくく電荷のリークが抑制される。しかし、酸素原子に結合している炭素が回転運動することにより、立体障害となりうる官能基も動くことができるため、帯電のリークに関与する水分子に対して、完全な立体障害とはならない。その結果、三級炭素を中心とする官能基は、適度な立体障害としての機能を果たす。
コアバインダーとの相溶性の高い、上記極性樹脂(A)と上記エーテル化合物を組み合わせることによって、従来内層樹脂全体の電荷安定化効果に寄与していたものが、外層樹脂中においても電荷安定化効果に寄与することができるようになる。その為、高温高湿環境から低温低湿環境に至るまで、トナー全体としての電荷バランスが優れ、トナー担持体上のトナーコート均一性や、高転写効率維持や、同一頁内の画像の転写均一性や、低い平滑性の転写材への転写均一性に対し優れた効果を発揮する。
上記構造式(1)、(2)で表されるエーテル化合物において、R乃至R11のいずれかが水素原子である場合には、立体障害としての機能が大幅に低減してしまう。逆に炭
素数が7以上のアルキル基である場合には、疎水性と親水性のバランスが著しく変化することや結着樹脂との相溶性が低くなることにより、エーテル化合物を添加する効果が得られなくなる。そして、R〜R11は、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましい。
上記化合物は、上記のような効果を十分に発現するためには、トナーの質量基準で、5〜1,000ppm含有されていることが好ましい。より好ましくは10〜800ppmであり、さらに好ましくは10〜500ppmである。上記エーテル化合物は、1種以上含有されていればよく、別の構造の上記エーテル化合物が含まれていても良い。その際の含有量は、含有されているエーテル化合物量の総和とする。
該エーテル化合物の構造の一例として、以下のような構造が挙げられる。
Figure 2010091705
Figure 2010091705
Figure 2010091705
Figure 2010091705
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御する為に、公知の連鎖移動剤、重合禁止剤を使用しても良い。
本発明のトナーには、帯電特性を安定化するために上記スルホン酸基等を側鎖に持つ高分子の他に、更に他の帯電制御剤を配合しても良い。帯電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の摩擦帯電量を安定して維持できる帯電制御剤が好ましい。さらに、トナーを直接重合法にて製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない帯電制御剤が特に好ましい。
具体的な化合物としては、負帯電制御剤としてサリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料あるいはアゾ顔料の金属塩または金属錯体、ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。正帯電制御剤として四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
これらの帯電制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、内部添加する場合は、好ましくは結着樹脂又は重合性単量体100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で用いられる。また、外部添加する場合、トナー粒子100質量部に対し、好ましくは0.005〜1.0質量部、より好ましくは0.01〜0.3質量部である。
懸濁重合する際に用いられる水系媒体には、有機又は無機の分散安定剤を添加することが好ましい。例えば、無機分散安定剤としては、以下のものが挙げられる。リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、酸化ケイ素、酸化アルミニウム。有機分散安定剤として、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン。分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して、0.2〜20質量部使用することが好ましい。
また、これら分散安定剤の微細な分散のために、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を使用してもよい。これは上記分散安定剤の所期の作用を促進するためのものであり、その具体例としては、以下のものが挙げられる。ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウ
ム。無機分散安定剤を用いる場合には、市販のものをそのまま用いても良いが、より細かい粒子を得るために、水系媒体中にて該無機化合物を生成させても良い。例えばリン酸カルシウムの場合、高撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合するとよい。
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤、及び極性樹脂(A)を少なくとも含有するトナー粒子に加え、無機微粉体を含有してもよく、無機微粉体は外添されていることが好ましい。
無機微粉体の添加量は、トナー粒子100質量部に対し0.01〜5.0質量部であることが好ましく、0.1〜4.0質量部であることがより好ましい。添加量が上記の範囲内であれば、定着性の低下を抑制しつつ、十分な流動性の向上効果が得られる。該無機微粉体は、個数平均一次粒径が4〜80nmであることが好ましく、4〜60nmであることがより好ましい。
無機微粉体としては、酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末、酸化亜鉛粉末の如き金属酸化物;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如きシリカ微粉末が挙げられる。また、上記金属酸化物やシリカ微粉末をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルの如き処理剤により表面処理しても良い。更には、アルミドープシリカ、チタン酸ストロンチウム、ハイドロタルサイトが挙げられる。その他にも、外添剤として、フッ化ビニリデン微粉未、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛等の如き脂肪酸金属塩を添加することもできる。
次に、本発明のトナーを用いた画像形成方法について説明する。
本発明のトナーを適用することのできる画像形成方法における現像工程の条件としては、トナー担持体と静電潜像担持体である感光体表面とが接触していても非接触であっても良い。ここでは、接触している場合について説明する。
<プロセスカートリッジ>
図2は、本発明の画像形成方法を適用した画像形成装置に好適に用いることのできる、プロセスカートリッジ7(以下、「カートリッジ」ともいう。)の断面模式図である。カートリッジ7は、感光体ドラム1と、帯電手段2及びクリーニング手段6を備えたクリーナーユニット50と、感光体ドラム1に形成された静電潜像を現像する現像手段4を有する現像ユニット4Aとを有する。クリーナーユニット50を構成するクリーニング枠体31には、感光体ドラム1が軸受部材(不図示)を介して回転自在に取り付けられている。
感光体ドラム1には、感光体ドラム1の外周面に設けられた感光層を一様に帯電させるための帯電ローラー2、転写後に感光体ドラム1上に残った現像剤(残留トナー)を除去するためのクリーニングブレード60が接触している。クリーニングブレード60によって感光体ドラム1表面から除去されたトナー(除去トナー)は、クリーニング枠体31に設けられた除去トナー収納室35に納められる。
現像ユニット4Aは、トナーを収容する現像枠体45(45a、45b、45e)を有しており、現像ローラー40(矢印Y方向に回転)が軸受部材を介して回転自在に現像枠体45に支持されている。また、現像ローラー40と接触してトナー供給ローラー43(矢印Z方向に回転)とトナー規制部材44がそれぞれ設けられている。さらに現像枠体45には収容されたトナーを撹拌するとともにトナー供給ローラー43に搬送するためのトナー搬送機構42が設けられている。
そして、現像ユニット4Aがクリーナーユニット50に対して揺動自在に支持されている。すなわち、現像枠体45の両端に設けた結合穴47、48とクリーナーユニット50のクリーニング枠体31両端に設けた支持穴(不図示)を合わせ、クリーナーユニット50両端からピン(不図示)を差し込んでいる。
また、支持穴を回転軸中心として現像ローラー40が感光体ドラム1に接触するように加圧バネ(不図示)によって現像ユニット4Aが常に付勢されている。現像時には、トナー容器41内に収納されたトナーがトナー攪拌機構42によってトナー供給ローラー43へ搬送される。トナー供給ローラー43が、現像ローラー40との摺擦によって現像ローラー40にトナーを供給し、現像ローラー40上にトナーを付着させる。現像ローラー40上に付着されたトナーは、現像ローラー40の回転にともなってトナー規制部材44のところに至る。そして、トナー規制部材44がトナーを規制して所定のトナー薄層を形成し、所望の帯電電荷量を付与する。現像ローラー40上で薄層化されたトナーは、現像ローラー40の回転につれて、感光体ドラム1と現像ローラー40とが接近した現像部に搬送される。そして、現像部において、電源(不図示)から現像ローラー40に印加した現像バイアスにより、感光体ドラム1の表面に形成されている静電潜像に付着して、潜像を現像化する。静電潜像の現像化に寄与せずに現像ローラー40の表面に残留したトナーは、現像ローラー40の回転にともなって現像枠体45内に戻される。そして、トナー供給ローラー43との摺擦部で現像ローラー40から剥離、回収される。回収されたトナーは、トナー攪拌機構42により残りのトナーと撹拌混合される。
ここで現像ローラー40には弾性ローラーを用い、これを感光体ドラム1表面と接触させる方法を用いることができる。一般にトナー担持体と感光体が接触する現像方式においては、トナーの破損、変形が生じやすくなるが、本発明記載のトナーを用いた場合にはこうした変化を効果的に抑制することが出来るため、好ましい。
トナー担持体と感光体が接触する現像方式では、トナーを介して感光体と感光体表面に対向する弾性ローラー間に働く電界によって現像が行われる。従って弾性ローラー表面或いは表面近傍が電位を持ち、感光体表面とトナー担持体表面の狭い間隙で電界を有する必要性がある。このため、弾性ローラーの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、または導電性ローラーの表面層に薄層の絶縁層を設ける方法が利用できる。さらには、該導電性ローラー上に感光体表面に対向する側を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリーブ或いは、絶縁性スリーブで感光体に対向しない側に導電層を設けた構成も可能である。また、トナー担持体として剛体ローラーを用い、感光体をベルトの如きフレキシブルな物とした構成も可能である。トナー担持体としてのローラーの抵抗値としては10〜10Ω・cmの範囲が好ましい。
トナー担持体の表面形状としては、その表面粗さRa(μm)を0.1〜3.0μmとなるように設定すると、高画質及び高耐久性を両立できるため好ましい。該表面粗さRaはトナー搬送能力及びトナー帯電能力と相関する。該トナー担持体の表面粗さRaが3.0μmを超えると、該トナー担持体上のトナー層の薄層化が困難となるばかりか、トナーの帯電性が改善されないので画質の更なる向上は望めない。3.0μm以下にすることでトナー担持体表面のトナーの搬送能力を抑制し、該トナー担持体上のトナー層を薄層化すると共に、該トナー担持体とトナーの接触回数が多くなるため、該トナーの帯電性も改善されるので相乗的に画質が向上する。一方、表面粗さRaが0.1μmよりも小さくなると、トナーコート量の制御が難しくなる傾向にある。
本発明において、トナー担持体の表面粗さRaは、日本工業規格(JIS)B06014.2.1項(改正年月日2001年1月20日、確認年月日2005年7月20日)に定める算術平均粗さである。本発明においては、表面粗さ測定器(小坂研究所社製サーフ
コーダSE3500)を用い、トナー担持体表面の任意の1点より、トナー担持体回転軸と平行となる方向に測定を行った。なお、カットオフ値は0.8mm、測定長さは2.5mm、測定速度は0.1mm/秒とした。
図2の画像形成方法においては、トナー担持体は感光体の周速同方向に回転しているが、逆方向に回転していてもよい。その回転が同方向である場合、トナー担持体の周速を感光体の周速に対し1.05〜3.0倍となるように設定することが好ましい。トナー担持体の周速が、感光体の周速に対し1.05倍未満であると、感光体上のトナーの受ける撹拌効果が不十分となり、良好な画像品質が望めない。また、周速比が3.0を超える場合には、機械的ストレスによるトナーの劣化やトナー担持体へのトナー固着が発生、促進される傾向にあり、好ましくない。
トナー担持体が弾性ローラーである場合、表面に弾性層を有する構造のものが好ましく用いられる。該弾性ローラーに使用される弾性層の材料の硬度としては、30〜60度(ASKER−C/荷重1kg)のものが好適に使用される。
また、トナーコート量はトナー規制部材44により制御されるが、このトナー規制部材44はトナー層を介して現像ローラー40に接触している。この時のトナー規制部材44と現像ローラー40との接触圧は、線圧として0.05N/cm以上0.5N/cm以下が好ましい範囲である。
尚、線圧とはトナー規制部材の長さ当たりに加えられる荷重のことであり、例えば1mの当接長さを有するトナー規制部材に1.2Nの荷重を加えて現像ローラーに接触させた場合、線圧は1.2N/mとなる。線圧が0.05N/cmよりも小さいとトナーコート量の制御に加え均一な摩擦帯電も難しくなる傾向にあり、カブリの悪化等の原因となる。一方、線圧が0.5N/cmよりも大きくなるとトナー粒子が過剰な負荷を受けるため、粒子の変形やトナー規制部材或いは現像ローラーへのトナーの融着等が発生しやすくなる傾向にあり、好ましくない。
トナー規制部材44の自由端部はどのような形状でもよく、例えば断面形状が直線状のもの以外にも、先端近傍で屈曲したL字形状のものや、先端近傍が球状に膨らんだ形状のもの等が好適に用いられる。トナー規制部材としては、基材としてステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体を用い、スリーブ当接部に当る部位に樹脂を接着あるいはコーティング塗布したものが好適に用いられる。
またさらに、トナー規制部材に直流電場及び/または交流電場を印加することによっても、トナーへのほぐし作用のため、均一薄層塗布性、均一帯電性がより向上し、充分な画像濃度の達成及び良質の画像を得ることができる。
<画像形成装置>
図3は、本発明のトナーを適用した画像形成装置の一例を示す断面模式図である。 画像形成装置本体100は4個の画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdを縦方向に並設している。そして、各画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdには、各々、装着手段(不図示)によってプロセスカートリッジ7(7a、7b、7c、7d)が着脱可能に装着される。なお、マゼンタ色、シアン色、イエロー色、ブラック色の各カートリッジ7a、7b、7c、7dは同一構成である。本模式図では、画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdは、縦方向に僅かに傾斜して並設されているが、傾斜することなく縦方向に整列して設けてもよい。また、プロセスカートリッジ7は、図1に例示したものと同じであっても良いし、異なっていても良い。
各カートリッジ7(7a、7b、7c、7d)は、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)を備えている。感光体ドラム1は、駆動手段(不図示)によって、同図中、反時計回りに回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に以下の手段が設けられている。(A)感光体ドラム1表面を均一に帯電する帯電手段2(2a、2b、2c、2d)。(B)画像情報に基づいてレーザービームを照射し感光体ドラム1に静電潜像を形成するスキャナユニット3(3a、3b、3c、3d)。(C)静電潜像に現像剤(以下、「トナー」ともいう。)を付着させてトナー像として現像する現像手段4(4a、4b、4c、4d)。(D)感光体ドラム1上のトナー像を記録媒体Sに転写させる転写装置5。(E)転写後の感光体ドラム1表面に残ったトナーを除去するクリーニング手段6(6a、6b、6c、6d)。ここで、感光体ドラム1と、プロセス手段である、帯電手段2、現像手段4、クリーニング手段6は、カートリッジ枠体により一体的に構成してカートリッジ化されカートリッジ7を構成している。
感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)は、シリンダの外周面に感光層を設けて構成したものである。感光体ドラム1は、その両端部を支持部材によって回転自在に支持されている。そして、一方の端部に駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達されることにより、反時計周りに回転駆動される。上記感光体としては、a−Se、CdS、ZnO、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光体ドラムが好適に使用される。また、上記OPC感光体における有機系感光層の結着樹脂は、特に限定するものではない。中でもポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に転写性に優れ、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくいため好ましい。
帯電手段2(2a、2b、2c、2d)としては、接触帯電方式のものを使用している。帯電手段2は、ローラー状に形成された導電性ローラーである。このローラーを感光体ドラム1表面に当接させるとともに、このローラーに帯電バイアス電圧を印加する。これにより、感光体ドラム1表面を一様に帯電させる。
帯電ローラーを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラーの当接圧が線圧として0.05〜5N/cmである。また印加電圧としては、直流電圧或いは直流電圧に交流電圧を重畳したものが好適に用いられる。直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時には、交流電圧=0.5〜5dVpp、交流周波数=50Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±1.5kVであることが好ましい。また、直流電圧を用いた時には、直流電圧=±0.2〜±5kVであることが好ましい。
帯電ローラー以外の帯電手段としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電手段は、非接触のコロナ帯電に比べて、高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。接触帯電手段としての帯電ローラー及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能である。
スキャナユニット3(3a、3b、3c、3d)は、レーザーダイオード(不図示)によって画像信号に対応する画像光が、高速回転されるポリゴンミラー(不図示)及び結像レンズ(不図示)を介して帯電済みの感光体ドラム1表面を画像情報に応じ露光する。これによって、感光体ドラムに静電潜像を形成する。
現像手段4(4a、4b、4c、4d)は、マゼンタ色、シアン色、イエロー色、ブラック色の各色のトナーを夫々収納したトナー容器41から構成され、トナー容器41内のトナー搬送機構42によってトナー供給ローラー43へ送り込む。前記トナー供給ローラー43は、図示時計方向に回転し、トナー担持体としての現像ローラー40(40a、4
0b、40c、40d)へのトナーの供給、及び、静電潜像の現像化に寄与せず現像ローラー40上に残留したトナーのはぎとりを行う。現像ローラー40へ供給されたトナーは、現像ローラー40外周に圧接されたトナー規制部材44によって現像ローラー40(時計回り方向に回転)の外周に塗布され、且つ電荷を付与される。そして、潜像が形成された感光体ドラム1と対向した現像ローラー40に現像バイアスを印加する。そして、潜像に応じて感光体ドラム1上にトナー現像を行う。
転写装置5には、すべての感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)に対向し、接するように循環移動する転写ベルト11が設けられている。この転写ベルト11は、ベルト駆動ローラー13、従動ローラー14a、14b、テンションローラー15に張架されていて、図中左側の外周面に記録媒体Sを静電吸着する。そして、転写ベルト11は、感光体ドラム1に記録媒体Sを接触させるべく循環移動する。これにより、記録媒体Sは転写ベルト11により転写位置まで搬送され、感光体ドラム1上のトナー像を転写される。
この転写ベルト11の内側に当接し、4個の感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)に対向した位置に転写ローラー12(12a、12b、12c、12d)が並設される。これら転写ローラー12には、転写時にバイアスが印加されて、電荷が転写ベルト11を介して記録媒体Sに印加される。このとき生じた電界により、感光体ドラム1に接触中の記録媒体Sに、感光体ドラム1上のトナー像が転写される。
給送部16は、画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdに記録媒体Sを給送搬送するものである。給送部16には、複数枚の記録媒体Sがカセット17に収納されている。画像形成時には給送ローラー18(半月ローラー)、レジストローラー19が画像形成動作に応じて駆動回転する。給送ローラー18は、カセット17内の記録媒体Sを1枚毎に分離給送した後、レジストローラー19に記録媒体S先端を突き当てて一旦停止させる。その後レジストローラー19は、転写ベルト11の回転と画像書出し位置の同期をとって、記録媒体Sを転写ベルト11へと給送する。
定着部20は、記録媒体Sに転写された複数色のトナー画像を定着させるものである。そして、定着部20は、加熱ローラー21aと、これに圧接して記録媒体Sに熱及び圧力を与える加圧ローラー21bとを有する。即ち、感光体ドラム1に形成されたトナー像を転写された記録媒体Sは定着部20を通過する際に、加圧ローラー21bで搬送されるとともに、加熱ローラー21aによって熱及び圧力を与えられる。これによって複数色のトナー像が記録媒体S表面に定着される。
画像形成の動作としては、カートリッジ7(7a、7b、7c、7d)が、画像形成タイミングに合わせて順次駆動される。そして、その駆動に応じて感光体ドラム1a、1b、1c、1dが、反時計回り方向に回転駆動される。そして、各々のカートリッジ7に対応するスキャナユニット3が順次駆動される。この駆動により、帯電ローラー2は感光体ドラム1の周面に一様な電荷を付与する。そして、スキャナユニット3は、その感光体ドラム1周面に画像信号に応じて露光を行って感光体ドラム1周面に静電潜像を形成する。現像手段4内の現像ローラー40は、静電潜像の低電位部にトナーを転移させて感光体ドラム1周面上にトナー像を形成(現像)する。
最上流の感光体ドラム1の周面上に形成されたトナー像の先端が、転写ベルト11との対向点に回転搬送されてくるタイミングで、その対向点に記録媒体Sの印字開始位置が一致するようにレジストローラー19が回転し記録媒体Sを転写ベルト11へ給送する。
記録媒体Sは吸着ローラー22と転写ベルト11とによって挟み込むようにして転写ベルト11の外周に圧接される。そして、転写ベルト11と吸着ローラー22との間に電圧
を印加する。そして、誘電体である記録媒体Sと転写ベルト11の誘電体層に電荷を誘起して、記録媒体Sを転写ベルト11の外周に静電吸着させている。これにより、記録媒体Sは転写ベルト11に安定して吸着され、最下流の転写部まで搬送される。このように搬送されながら記録媒体Sは、各感光体ドラム1と転写ローラー12との間に形成される電界によって、各感光体ドラム1のトナー像を順次転写される。
4色のトナー像を転写された記録媒体Sは、ベルト駆動ローラー13の曲率により転写ベルト11から曲率分離され、定着部20に搬入される。記録媒体Sは、定着部20で上記トナー像を熱定着された後、排紙ローラー23によって、排紙部24から画像面を下にした状態で本体外に排出される。
図3においては、定着部20に加熱ローラーを用いる方法を例示したが、本発明の画像形成方法には他の定着方法も好適に用いることができる。図4および図5には、発熱体を用いて耐熱性フィルムを加熱し、トナー像の定着を行う装置を示す。
図4は耐熱性フィルム55に常にテンションが加わっている構造の定着装置である。
本発明において、発熱体53はその熱容量が小さく、線状あるいは面状の加熱部を有するもので、加熱部の最高温度は100〜300℃であることが好ましい。
又、耐熱性フィルムは、厚さ1〜100μmの耐熱性のシートであることが好ましく、これら耐熱性シートとしては耐熱性の高い、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリアミド等のポリマーシートの他、アルミニウム等の金属シート及び金属シートとポリマーシートから構成されたラミネートシートが用いられる。より好ましい耐熱性フィルムの構成としては、これら耐熱性シートが離型層及び/又は低抵抗層を有していることである。
51は装置に固定支持された加熱体であって、ヒーター基板52、検温素子54等よりなる。ヒーター基板52は耐熱性・絶縁性・低熱容量・高熱伝導性の部材であり、例えば、厚み1mm・巾10mm・長さ240mmのアルミナ基板である。発熱体53はヒーター基板52の下面(耐熱性フィルム55との対面側)の略中央部に長手に沿って、電気抵抗材料を厚み約10μm・幅1〜3mmの線状または細帯状にスクリーン印刷等により塗工したものである。電気抵抗材料としては例えば、Ag/Pd(銀パラジウム)、TaN、RuO等が用いられる。検温素子54は一例としてヒーター基板52の上面(発熱体53を設けた面とは反対側面)の略中央部にスクリーン印刷等により塗工して具備させたPt膜等の低熱容量の測温抵抗体である。低熱容量のサーミスタなども使用できる。
本例の加熱体51の場合は、線状又は面状をなす発熱体53に対し画像形成スタート信号により所定のタイミングにて通電して発熱体53を略全長にわたって発熱させる。通電はAC100Vであり、検温素子54の検知温度に応じてトライアックを含む不図示の通電制御回路により通電する位相角を制御することにより供給電力を制御している。
加熱体51はその発熱体53への通電により、ヒーター基板52・発熱体53の熱容量が小さいので加熱体表面が所要の定着温度(例えば140〜200℃)まで急速に温度上昇する。そしてこの加熱体51に耐熱性フィルム55が当接している。
熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、耐熱性フィルム55には総厚100μm以下、20μm以上の耐熱性・離型性、強度・耐久性等のある単層或いは複合層のフィルムを使用できる。
例えば、ポリイミド・ポリエーテルイミド(PEI)・ポリエーテルサルホン(PES)・4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)・ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)・ポリパラバン酸(PPA)、或いは複合層フィルム例えば20μm厚のポリイミドフィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)・PAF・FEP等のフッ素樹脂・シリコン樹脂等、更にはそれに導電材(カーボンブラック・グラファイト・導電性ウイスカなど)を添加した離型性コート層を10μm厚に施したものなどである。
回転体たる支持ローラー58は例えばシリコンゴム等の離型性のよいゴム弾性体からなり、加熱体51に耐熱性フィルム55を介して圧接され、ニップ部を形成すると共に、耐熱性フィルム55を所定速度に移動駆動する。耐熱性フィルム55との間に被加熱材としての記録材シートが導入されたときには、その記録材シートを耐熱性フィルム55面に密着させて加熱体51に圧接し、耐熱性フィルム55と共に移動駆動させる。
発熱体を用いて耐熱性フィルムを加熱し、トナー像の定着を行う装置の他の形態について示す。図5は耐熱性フィルムにテンションが加わらない状態がある構造を有する、定着装置である(テンションフリータイプ)。本発明において、発熱体はその熱容量が小さく、線状あるいは面状の加熱部を有するもので、加熱部の最高温度は100〜300℃であることが好ましい。
又、耐熱性フィルムは、厚さ1〜100μmの耐熱性のシートであることが好ましく、これら耐熱性シートとしては耐熱性の高い、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリアミド等のポリマーシートの他、アルミニウム等の金属シート及び金属シートとポリマーシートから構成されたラミネートシートが用いられる。より好ましい耐熱性フィルムの構成としては、これら耐熱性シートが離型層及び/又は低抵抗層を有していることである。
64は装置に固定支持された低熱容量線状加熱体であって、ヒーター基板64a、通電発熱抵抗体(発熱体)64b・表面保護層64c・検温素子64d等よりなる。ヒーター基板64aは耐熱性・絶縁性・低熱容量・高熱伝導性の部材であり、例えば、厚み1mm・巾10mm・長さ240mmのアルミナ基板である。発熱体64bはヒーター基板64aの下面(耐熱性フィルム65との対面側)の略中央部に長手に沿って、電気抵抗材料を厚み約10μm・幅1〜3mmの線状または細帯状に塗工し、その上に表面保護層64cとして耐熱ガラスを約10μmコートしたものである。電気抵抗材料としては例えば、Ag/Pd(銀パラジウム)、TaN、RuO等が用いられる。 また、電気抵抗材料の塗工方法としては、スクリーン印刷する方法等が用いられる。検温素子64dは一例としてヒーター基板64aの上面(発熱体64bを設けた面とは反対側面)の略中央部にスクリーン印刷等により塗工して具備させたPt膜等の低熱容量の測温抵抗体である。低熱容量のサーミスタなども使用できる。
本例の加熱体64の場合は、線状又は面状をなす発熱体64bに対し画像形成スタート信号により所定のタイミングにて通電して発熱体64bを略全長にわたって発熱させる。通電はAC100Vであり、検温素子64dの検知温度に応じてトライアックを含む不図示の通電制御回路により通電する位相角を制御することにより供給電力を制御している。
加熱体64はその発熱体64bへの通電により、ヒーター基板64a・発熱体64b・表面保護層64cの熱容量が小さいので加熱体表面が所要の定着温度(例えば140〜200℃)まで急速に温度上昇する。そしてこの加熱体64に耐熱性フィルム65が当接している。
熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、耐熱性フィルム65には総厚100μm以下、20μm以上の耐熱性・離型性、強度・耐久性等のある単層或は複合層のフィルムを使用できる。例えば、ポリイミド・ポリエーテルイミド(PEI)・ポリエーテルサルホン(PES)・4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)・ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)・ポリパラバン酸(PPA)、或いは複合層フィルム例えば20μm厚のポリイミドフィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)・PAF・FEP等のフッ素樹脂・シリコン樹脂等、更にはそれに導電材(カーボンブラック・グラファイト・導電性ウイスカなど)を添加した離型性コート層を10μm厚に施したものなどである。
回転体たる支持ローラー62は例えばシリコンゴム等の離型性のよいゴム弾性体からなり、加熱体64に耐熱性フィルム65を介して圧接され、ニップ部を形成すると共に、耐熱性フィルム65を所定速度に移動駆動する。耐熱性フィルム65との間に被加熱材としての記録材シートが導入されたときには、その記録材シートを耐熱性フィルム65面に密着させて加熱体64に圧接し、耐熱性フィルム65と共に移動駆動させる。
以下に本発明を実施例にて説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。なお、実施例中で記載されている「部」は、すべて質量部を示す。
<実施例1>
(水系分散媒体の調製)
水 350部
リン酸三ナトリウム 15部
上記混合物を高速撹拌装置TK式−ホモミキサーで12,000rpmのスピードで撹拌しながら、60℃に保持した。次に塩化カルシウム9質量部を添加して、微細な難水溶性安定化剤Ca(POを含む水系分散媒体を調製した。
(重合性単量体組成物1の調製)
スチレン 30部
C.I.ピグメントイエロー74(デヒドロアビエチルアミンを着色剤100質量部に対して15質量部処理。pH(B)=6.3) 5部
フィッシャートロプシュワックス(融点=75℃) 10部
上記の混合物をアトライターで常温にて5時間分散させ、重合性単量体組成物1を得た。
(重合性単量体組成物2の調製)
スチレン 35部
n−ブチルアクリレート 35部
スルホン酸基含有重合体(FCA1001NS(藤倉化成社製)) 1部
負荷電性制御剤(3,5−ジーターシャリーブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
1部
ジ−t−ブチルエーテル(エーテル化合物1) 0.1部
極性樹脂(A)(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)96.0:1.5:2.5、Mp=15000、Mw=17000、Tg=90℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.7) 25部
上記の混合物を温度調節が可能な撹拌槽に投入し、60℃に昇温後、5時間攪拌した。
(造粒/重合工程)
重合性単量体組成物2を70℃に昇温し、そこに重合性単量体組成物1を投入後、5分
間攪拌した。得られた重合性単量体組成物1及び2の混合物を上記水系分散媒体中に投入した。さらに、重合開始剤である2,2′−アゾビス−イソブチロバレロニトリル8.0重量部を該水系媒体分散に添加し、撹拌機の回転数を12000rpmに維持しつつ30分間造粒した。その後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に移して、内温を70℃に昇温させ、ゆっくり撹拌しながら5時間反応させた。次いで、容器内を温度80℃に昇温して5時間維持した。その後冷却して重合体微粒子分散液を得た。
(洗浄/固液分離/乾燥工程/外添工程)
得られた重合体微粒子分散液に希塩酸を添加してpHを1.4とし、安定化剤Ca(POを溶解した。更に、ろ別、洗浄の後、温度40℃で真空乾燥させ、篩を用いた分級によって粒子径を調整して非磁性のイエロートナー粒子を得た。得られたイエロートナー粒子100部に対して、BET法による比表面積が200m/gである疎水性シリカ(シリカ100部に対してシリコーンオイルで10部処理。平均一次粒子径13nm)2.0部の無機微粉体をヘンシェルミキサーにて10分間攪拌させることによって外添し、非磁性のイエロートナーNo.1を得た。このトナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
このイエロートナーNo.1を、画像形成装置を用いて以下の〔1〕から〔10〕に関する画像評価を行った。なお、画像形成装置としては市販のレーザプリンタであるLBP−5400(キヤノン製)の改造機を用いた。この評価機の改造点は以下のとおりである。
(1)評価機本体のギアおよびソフトウエアを変更することにより、プロセススピードが190mm/secとなるようにした。
(2)評価に用いるカートリッジはイエローカートリッジを用いた。すなわち、市販のイエローカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明によるトナーを200g充填して評価を行った。なお、シアン、マゼンタ、ブラックの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたシアン、マゼンタ、およびブラックカートリッジを挿入して評価を行った。
(3)定着器は、加熱温度を150℃±20℃に制御できるようにソフトウエアを変更した。
以上の条件で、常温低湿環境(23℃,5%RH)下にイエロートナーNo.1が詰められたプロセスカートリッジを48時間放置後、1%の印字比率の画像を、連続で3000枚までプリントアウトし、以下の〔1〕から〔10〕の項目に関して評価した。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
〔1〕画像濃度
A4のキヤノンカラーレーザーコピア用紙(81.4g/m)を用いて、画出し試験において、3000枚印字後にベタ画像を出力し、その画像濃度を測定することにより評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて付属の取扱説明書に沿って、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。
A:1.40以上
B:1.35以上、1.40未満
C:1.00以上、1.35未満
D:1.00未満
〔2〕光沢度
〔1〕で出力したべた画像を、光沢計PG−3D(日本電色工業社製)を用いて付属の取扱説明書に沿って測定した。
A:非常に良好 20以上
B:良好 15以上20未満
C:並 10以上15未満
D:やや難あり 10未満
〔3〕周方向のスジ
〔1〕でベタ画像を出力した後、現像容器を分解しトナー担持体の表面及び端部を目視して行った。以下に判定基準を示す。
A:トナー担持体の表面や端部にはトナー破壊や融着によるトナー規制部材とトナー担持体間への異物挟み込みによる周方向のスジが全く無い。
B:トナー担持体とトナー端部シール間への異物挟み込みが若干見受けられる。
C:周方向のスジが端部で1〜4本見受けられる。
D:周方向のスジが全域で5本以上見受けられる。
〔4〕画像カブリ
6000枚印字後にグロス紙モード(1/2速)で、LetterサイズのHP Color Laser Photo Paper, glossy(220g/m)に1%の印字比率の画像をプリントアウトした。「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)を用い、測定した印字プリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、3000枚印字後の画像カブリを評価した。フィルターは、ブルーフィルターを用いた。
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.0%未満
C:1.0%以上1.5%未満
D:1.5%以上
〔5〕トナー飛散による本体・カートリッジ内の汚染
トナーの帯電性・流動性のバランスを評価するために3000枚印字後のカートリッジ、本体内カートリッジ周辺のトナーによる汚れ具合を観察した。
A:カートリッジ、本体内カートリッジ周辺のトナーによる汚れが全く観察されない。
B:カートリッジに微量のトナーによる汚れが観察される。
C:カートリッジ、本体内カートリッジ周辺のトナーによる汚れが観察されるが、画像・カートリッジの着脱には影響しない。
D:カートリッジ、本体内カートリッジ周辺がトナーによって著しく汚れ、画像・カートリッジの着脱にも悪影響が見られる。
〔6〕帯電の立ち上がり
トナーの帯電立ち上がりは、プリントの1枚目から20枚目までのベタのパッチ画像の濃度変化(マクベス反射濃度計で測定)で下記の基準で判断した。
A:濃度1.4に至るまでの枚数が5枚以下
B:濃度1.4に至るまでの枚数が6〜10枚
C:濃度1.4に至るまでの枚数が11〜20枚
D:濃度1.4に至るまでの枚数が21枚以上
〔7〕転写均一性
100枚及び3000枚印字後のハーフトーン画像をFox River Bond紙(90g/m)に転写して評価した。以下に判定基準を示す。
A:3000枚時であっても、良好な転写均一性を示している。
B:3000枚時に、転写均一性の若干劣るものが認められる。
C:100枚、3000枚サンプル時に、転写均一性の若干劣るものが認められる。
D:100枚、3000枚サンプル時に、転写均一性の大きく劣るものが認められる。
〔8〕低温定着性
図2、3に示す接触1成分現像システムの画像形成装置において、非磁性一成分系現像剤No.1が充填されたプロセスカートリッジを常温常湿環境下(23℃/50%RH)にて48時間放置した。その後、10mm×10mmの四角画像が転写紙全体に均等に9ポイント配列された画像パターンの未定着画像出力をした。転写紙上のトナー乗り量は、0.35mg/cmとし、定着開始温度を評価した。尚、転写材は、Fox River Bond(90g/m)を使用した。定着器は、LBP−5400(キヤノン製)の定着器を外部へ取り外し、レーザービームプリンター外でも動作するようにした外部定着器を用いた。尚、外部定着器は、定着温度を任意に設定可能にし、プロセススピードを190mm/secの定着条件で測定した。
また、定着開始の判断は、定着画像(低温オフセットした画像も含む)を50g/cm の荷重をかけシルボン紙〔Lenz Cleaning Paper “dasper(R)”(Ozu Paper Co.Ltd)〕で擦った。擦り前後の濃度低下率が20%未満になる温度を定着開始点と定義した。
〔9〕低温時巻きつき性
定着ローラーへの巻きつき性については、〔8〕の評価中に目視で確認し、巻きつき無く通紙した温度を巻きつき開始点と定義した。
〔10〕フルカラー投影画像色再現性及びOHP透明性
図2に示したような非磁性一成分系現像剤No.1が充填されたプロセスカートリッジを、常温常湿環境下(23℃/50%RH)にて48時間放置した。その後、図3に示したような接触1成分現像システムの画像形成装置(キヤノン製:LBP−5400)において、OHPシート「CG3700」(3M社製)上に各トナーの載り量を0.6mg/cmに合わせたフルカラー画像を出力した。
OHP「9550」(3M社製)にて透過画像とし、白色壁面に投影した画像を目視評価した。また、分光放射輝度計「PR650」(フォトリサーチ社製)にて測定し、CIELAB表色系の明度L*、赤または緑の度合いを表すa*、黄または青の度合いを表すb*で決定される色空間立体の体積を求めた。数値が大きいほど色空間が広く、小さいほど色再現性が乏しいことを意味する。尚、フルカラー画像を出力する際のイエロー以外のトナーは以下の方法に従って製造した。
シアントナーは、C.I.ピグメントイエロー74をC.I.ピグメントブルー15:3を7部に変更することを除いては、上記シアントナーNo.1と同様の製造方法で製造した。マゼンタトナーは、C.I.ピグメントイエロー74をC.I.ピグメントレッド122を8部に変更することを除いては、上記イエロートナーNo.1と同様の製造方法でマゼンタトナーを製造した。ブラックトナーは、C.I.ピグメントイエロー74をカーボンブラックを8部に変更することを除いては、上記マゼンタトナーNo.1と同様の製造方法でブラックトナーを製造した。
<色空間体積>
A:250万以上
B:200万以上250万未満
C:150万以上200万未満
D:150万未満
<目視評価>
A:鮮やかで、且つ透明性に優れる
B:透明性は良好で、イエローの色再現性は優れるが、2次色(赤色、緑色)はやや劣る
C:透明性はやや劣り、イエロー、2次色(赤色、緑色)いずれの色再現性もやや劣る
D:くすみがあり、イエロー、2次色(赤色、緑色)いずれの色再現性も劣る
<実施例2>
(トナーバインダーの合成)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724質量部、イソフタル酸質量276部およびジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧で230℃、8時間反応させた後、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させた。これを160℃まで冷却して、32質量部の無水フタル酸を加え2時間反応させた。さらに、これを80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート188質量部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマー(1)を得た。次にこのプレポリマー(1)267質量部とイソホロンジアミン14質量部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステル(1)を得た。
上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724質量部、テレフタル酸276質量部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステル(a)を得た。また、ウレア変性ポリエステル(1)200質量部と変性されていないポリエステル(a)800質量部を酢酸エチル/エチルメチルケトン(MEK)(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダーの酢酸エチル/MEK溶液を得た。
(トナー粒子の作製)
ビーカー内に
前記のトナーバインダーの酢酸エチル/MEK溶液 300部
フィッシャートロプシュワックス(融点=75℃) 10部
スルホン酸基含有重合体(FCA1001NS(藤倉化成社製)) 1部
極性樹脂(A)(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)96.0:1.5:2.5、Mp=15000、Mw=17000、Tg=90℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.7) 25部
C.I.ピグメントイエロー74(デヒドロアビエチルアミンを着色剤100質量部に対して15質量部処理。pH(B)=6.3) 5部
ジ−アルキル−サリチル酸のアルミニウム化合物 1部
ジ−t−ブチルエーテル(エーテル化合物1) 0.1部
を入れ、TK式ホモミキサーで60℃、12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させた。ビーカー内にイオン交換水706質量部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を入れ均一に溶解した。ついで60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のコルベンに移し、98℃まで昇温して溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、更に、ろ別、洗浄、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してイエロートナー粒子を得た。得られたイエロートナー粒子100部に対して、BET法による比表面積が200m/gである疎水性シリカ(シリカ100部に対してシリコーンオイルで10部処理。平均一次粒子径13nm)2.0部の無機微粉体をヘンシェルミキサーにて10分間攪拌させることによって外添し、非磁性のイエロートナーNo.2を得た。このトナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例3>
極性樹脂(A)をスチレン−n-ブチルアクリレート-メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)79.0:17.0:1.5:2.5、Mp=1570
0、Mw=17500、Tg=78℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.5)25部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.3を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例4>
極性樹脂(A)をスチレン−n-ブチルアクリレート-メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)81.0:15.0:1.5:2.5、Mp=15000、Mw=16500、Tg=80℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.4)25部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.4を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例5>
極性樹脂(A)をスチレン−αメチルスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)70.0:26.0:1.5:2.5、Mp=14300、Mw=15500、Tg=120℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.2)25部に変更することを除いては、実施例1と同様にしてイエロートナーNo.5を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例6>
極性樹脂(A)をスチレン−αメチルスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)68.0:28.0:1.5:2.5、Mp=14300、Mw=16000、Tg=122℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.2)25部に変更することを除いては、実施例1と同様にしてイエロートナーNo.6を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例7>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)96.0:1.5:2.5、Mp=15000、Mw=17000、Tg=90℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.7) 3部に変更することを除いては、実施例1と同様にしてイエロートナーNo.7を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例8>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)96.0:1.5:2.5、Mp=15000、Mw=17000、Tg=90℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.7) 4部に変更することを除いては、実施例1と同様にしてイエロートナーNo.8を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例9>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)96.0:1.5:2.5、Mp=15000、Mw=17000、Tg=90℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.7) 12部に変更することを除いては、実施例1と同様にしてイエロートナーNo.9を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例10>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)96.0:1.5:2.5、Mp=15000、Mw=17000、Tg=90℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.7) 15部に変更することを除いて
は、実施例1と同様にしてイエロートナーNo.10を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例11>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)96.0:1.5:2.5、Mp=15000、Mw=17000、Tg=90℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.7) 30部に変更することを除いては、実施例1と同様にしてイエロートナーNo.11を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例12>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)96.0:1.5:2.5、Mp=15000、Mw=17000、Tg=90℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.7) 50部に変更することを除いては、実施例1と同様にしてイエロートナーNo.12を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例13>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)96.0:1.5:2.5、Mp=15000、Mw=17000、Tg=90℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.7) 51部に変更することを除いては、実施例1と同様にしてイエロートナーNo.13を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例14>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)96.0:1.5:2.5、Mp=9900、Mw=10500、Tg=86℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.6)25部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.14を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例15>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)96.0:1.5:2.5、Mp=10000、Mw=11100、Tg=89℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.5)25部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.15を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例16>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)96.0:1.5:2.5、Mp=100000、Mw=101000、Tg=94℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.5)25部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.16を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例17>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)96.0:1.5:2.5、Mp=110000、Mw=113000、Tg=97℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.5)25部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.17を得た。トナー物性を表1に、
評価結果を表2に示す。
<実施例18>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)96.0:1.5:2.5、Mp=248000、Mw=260000、Tg=100℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.9)25部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.18を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例19>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)96.0:1.5:2.5、Mp=251000、Mw=265000、Tg=106℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=3.0)25部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.19を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例20>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)94.0:4.0:2.0、Mp=15500、Mw=16200、Tg=90℃、酸価=25mgKOH/g、Mw/Mn=2.8)25部にし、C.I.ピグメントイエロー74(デヒドロアビエチルアミンを着色剤100質量部に対して4質量部処理。pH(B)=5.4)5部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.20を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例21>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)96.0:1.5:2.5、Mp=15000、Mw=17000、Tg=90℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.7)25部に変更することを除いては、実施例20と同様にして、イエロートナーNo.21を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例22>
極性樹脂をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)94.0:0.2:5.8、Mp=15000、Mw=16500、Tg=90℃、酸価=4、Mw/Mn=2.1)25部に変更し、C.I.ピグメントイエロー74(デヒドロアビエチルアミンを着色剤100質量部に対して7質量部処理。pH(B)=5.5)5部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.22を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例23>
極性樹脂をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)94.0:0.3:5.7、Mp=15000、Mw=16100、Tg=90℃、酸価=5、Mw/Mn=2.3)25部に変更することを除いては、実施例22と同様にして、イエロートナーNo.23を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例24>
極性樹脂をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)94.0:1.8:4.2、Mp=15500、Mw=17000、Tg=89℃、酸価=9、Mw/Mn=2.2)25部に変更することを除いては、実施例22と同様にして、イエロートナーNo.24を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例25>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)96.0:1.5:2.5、Mp=15000、Mw=17000、Tg=90℃、酸価=10mgKOH/g、Mw/Mn=2.7)25部に変更することを除いては、実施例22と同様にして、イエロートナーNo.25を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例26>
極性樹脂をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)94.0:3.7:2.3、Mp=14900、Mw=16500、Tg=91℃、酸価=25、Mw/Mn=2.6)25部に変更することを除いては、実施例22と同様にして、イエロートナーNo.26を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例27>
極性樹脂をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)94.0:3.8:2.2、Mp=15000、Mw=16500、Tg=90℃、酸価=26、Mw/Mn=2.4)25部に変更することを除いては、実施例22と同様にして、イエロートナーNo.27を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例28>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)93.0:5.0:2.0、Mp=15300、Mw=17700、Tg=91℃、酸価=30mgKOH/g、Mw/Mn=2.5)25部に変更することを除いては、実施例22と同様にして、イエロートナーNo.28を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例29>
C.I.ピグメントイエロー74(デヒドロアビエチルアミンを着色剤100質量部に対して25質量部処理。pH(B)=8.5)5部に変更することを除いては、実施例28と同様にして、イエロートナーNo.29を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例30>
C.I.ピグメントイエロー74(デヒドロアビエチルアミンを着色剤100質量部に対して28質量部処理。pH(B)=8.6)5部に変更することを除いては、実施例29と同様にして、イエロートナーNo.30を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例31>
C.I.ピグメントイエロー74(テトラヒドロアビエチルアミンを着色剤100質量部に対して20質量部処理。pH(B)=7.1)5部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.31を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例32>
C.I.ピグメントイエロー111(デヒドロアビエチルアミンを着色剤100質量部に対して15質量部処理。pH(B)=6.1)5部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.32を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例33>
実施例1においてジ−t−ブチルエーテル(エーテル化合物1)をt−ブチルイソブチルエーテル(エーテル化合物4)0.1部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.33を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例34>
ジ−t−ブチルエーテル(エーテル化合物1)を添加しないことを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.34を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例35>
スルホン酸基含有重合体(FCA1001NS(藤倉化成社製))を添加しないことを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.35を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例36>
スルホン酸基含有重合体(FCA1001NS(藤倉化成社製))を下記のように合成される含硫黄重合体1に変更すること以外は、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.36を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
(含硫黄重合体1の調整例)
スチレン 100質量部
o−スチレンスルホン酸メチル 10質量部
2,2'-アゾビスイソブチロニトリル 1.3質量部
ジメチルホルムアミド 110質量部
冷却管、撹拌機、温度計および窒素導入管の付いた反応槽中にスチレン、o−スチレンスルホン酸メチル、2,2'-アゾビスイソブチロニトリルを加えジメチルホルムアミドに
溶解させた後、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合させた。反応終了後、メタノール500部に再沈殿して回収した。得られた重合体を水500部で2回洗浄を行い、減圧乾燥させることで、化学式(1)で示されるスルホン酸メチルユニットを含む含硫黄重合体1(Mw:13200、Mw/Mn=2.6)を得た。
Figure 2010091705
<実施例37>
実施例1において、重合性単量体組成物2の調製時における重合性単量体の添加量をスチレン24部、n−ブチルアクリレート46部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.37を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例38>
実施例1において、重合性単量体組成物2の調製時における重合性単量体の添加量をスチレン25部、n−ブチルアクリレート45部に変更することを除いては、実施例1と同
様にして、イエロートナーNo.38を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例39>
実施例1において、重合性単量体組成物2の調製時における重合性単量体の添加量をスチレン27部、n−ブチルアクリレート43部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.39を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例40>
実施例1において、重合性単量体組成物2の調製時におえける重合性単量体の添加量をスチレン28部、n−ブチルアクリレート42部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.40を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例41>
実施例1において、重合性単量体組成物2の調製時における重合性単量体の添加量をスチレン42部、n−ブチルアクリレート28部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.41を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例42>
実施例1において、重合性単量体組成物2の調製時における重合性単量体の添加量をスチレン43部、n−ブチルアクリレート27部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.42を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<比較例1>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル−ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体(共重合比(質量比)96.0:0.5:3.0:0.5、Mp=15000、Mw=19000、Tg=92℃、酸価=5mgKOH/g、塩基価=5mgKOH/g、Mw/Mn=3.5)25部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.43を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<比較例2>
極性樹脂(A)をスチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(共重合比(質量比)93.0:5.0:2.0、Mp=15300、Mw=18100、Tg=91℃、酸価=30mgKOH/g、Mw/Mn=2.5)25部にし、C.I.ピグメントイエロー74(デヒドロアビエチル酸を着色剤100質量部に対して15質量部処理。pH(B)=4.6)5部に変更することを除いては、実施例1と同様にして、イエロートナーNo.44を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<比較例3>
C.I.ピグメントイエロー17(デヒドロアビエチルアミンを着色剤100質量部に対して15質量部処理。pH(B)=6.3)5部に変更することを除いては、比較例1と同様にして、イエロートナーNo.45を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
Figure 2010091705
Figure 2010091705
FPIA−3000で測定した粒子の2値化画像の一例を示す図である。 本発明のトナーが用いられるプロセスカートリッジの断面模式図である。 本発明のトナーが用いられる画像形成装置の一例の概略構成図である。 本発明のトナーに用いられる他の定着装置の概略構成図である。 本発明のトナーに用いられる他の定着装置の概略構成図である。
符号の説明
Pa、Pb、Pc、Pd 画像形成ステーション
1(1a〜1d) 感光体ドラム(像担持体)
2(2a〜2d) 帯電ローラー(帯電手段)
3(3a〜3d) スキャナユニット
4(4a〜4d) 現像手段
4A 現像ユニット
5 転写装置
6(6a〜6d) クリーニング手段
7(7a〜7d) プロセスカートリッジ
11 転写ベルト
12(12a〜12d) 転写ローラー
13 ベルト駆動ローラー
14a、14b 従動ローラー
15 テンションローラー
16 給送部
17 カセット
18 給送ローラー
19 レジストローラー
20 定着部
21a 加熱ローラー
21b 加圧ローラー
22 吸着ローラー
23 排紙ローラー
24 排紙部
31 クリーニング枠体(カートリッジ枠体)
35 除去トナー収納室
40(40a〜40d) 現像ローラー(トナー担持体)
41 トナー容器(現像剤収納部)
42 トナー搬送機構
43 トナー供給ローラー
44 トナー規制部材(ブレード)
45(45a、45b、45e) 現像枠体(カートリッジ枠体)
47、48 結合穴
50 クリーナーユニット
51、64 加熱体
52、64a ヒーター基板
53、64b 通電発熱抵抗体(発熱体)
54、64d 検温素子
55、65 耐熱性フィルム
56、57 ベルト支持ローラー
58 支持ローラー
60 クリーニングブレード
62 支持ローラー(回転体)
63 ベルト支持体
64c 表面保護層
100 画像形成装置本体
101 現像機ケーシング
S 記録媒体(記録材シート)

Claims (9)

  1. 結着樹脂、着色剤及び極性樹脂(A)を少なくとも含有するイエロートナー粒子を有するイエロートナーであって、
    前記イエロートナー粒子は、水系媒体中で製造されたトナー粒子であり、
    前記着色剤は、少なくとも下記式(1)で表される化合物を含有し、また前記着色剤は、アミノ基を有する化合物でその表面を処理されている着色剤(B)であり、
    前記極性樹脂(A)を溶解させたキシレン溶液に、前記表面処理された着色剤(B)を分散させた時の、波長800nmにおける透過率T(%)が、40%以下であることを特徴とするイエロートナー。
    Figure 2010091705
    (式中、R〜Rは、各々独立に水素原子、アルキル基、アルコキシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、N-置換スルファモイル基、ニトロ基、アセチルアミノ基また
    はハロゲン原子を表す。)
  2. 前記表面処理された着色剤(B)のJIS(K5101−17−1)(2004年)に基づいて測定したpH(pH(B))が5.5≦pH(B)≦8.5であり、
    前記極性樹脂(A)の酸価Av(A)(mgKOH/g)が、
    Av(A)≦15.4×pH(B)−59.0
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のイエロートナー。
  3. 前記着色剤は、ピグメントイエロー74であることを特徴とする請求項1又は2に記載のイエロートナー。
  4. 前記イエロートナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分中におけるシクロヘキサン(CHX)不溶分の、示差走査熱量計により測定されるガラス転移温度(Tg)が、少なくとも80℃以上120℃以下に存在することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のイエロートナー。
  5. 前記イエロートナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分中におけるシクロヘキサン(CHX)不溶分の、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるメインピーク分子量(Mp)が、10,000以上250,000以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のイエロートナー。
  6. 前記イエロートナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分中におけるシクロヘキサン(CHX)不溶分が、前記イエロートナーに対して3質量%以上30質量%以下存在することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のイエロートナー。
  7. 前記極性樹脂(A)の示差走査熱量計により測定されるガラス転移温度(Tg)が、少
    なくとも80℃以上120℃以下に存在することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のイエロートナー。
  8. 前記イエロートナー粒子が、重合性単量体、着色剤及び極性樹脂(A)を少なくとも含有する重合性単量体組成物を、水系媒体中で懸濁重合することによって製造されたイエロートナー粒子であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のイエロートナー。
  9. 結着樹脂、着色剤及び極性樹脂(A)を少なくとも含有するイエロートナー粒子を有するイエロートナーの製造方法であって、
    前記着色剤は、少なくとも下記式(1)で表される化合物を含有し、また前記着色剤は、アミノ基を有する化合物でその表面を処理されている着色剤(B)であり、
    前記イエロートナー粒子は、少なくとも前記極性樹脂(A)および前記着色剤(B)を含有する組成物を水系媒体中に分散させることによって製造されるイエロートナー粒子であり、
    前記極性樹脂(A)を溶解させたキシレン溶液に、前記表面処理された着色剤(B)を分散させた時の、波長800nmにおける透過率(T)が40%以下であることを特徴とするイエロートナーの製造方法。
    Figure 2010091705
    (式中、R〜Rは、各々独立に水素原子、アルキル基、アルコキシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、N-置換スルファモイル基、ニトロ基、アセチルアミノ基また
    はハロゲン原子を表す。)
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