JP4273054B2 - トナー及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は電子写真法又は静電記録法を利用した記録方法に用いられるトナー及び画像形成方法に関するものである。詳しくは、静電潜像担持体上にトナー画像を形成後、中間転写体を介してまたは介さずにトナー画像を転写材上に転写させ、転写材上のトナー画像を加熱加圧定着する複写機、プリンター、ファックスの如き画像形成装置に用いられるトナー及び画像形成方法に関する。
電子写真法を用いたプリンターやファックスでは画像形成装置部分を小さくする必要や、メンテナンスを容易にする為、現像装置ユニットとドラムユニットのユニット化や、さらにそれらを一体化したプロセスカートリッジを用いることが多くなってきた。
そしてこれらのプロセスカートリッジに用いられる現像方式としては、小型化に有利な一成分現像方式が多い。一成分現像方式は、一成分現像剤(以下「トナー」とも称す)を使用し、層厚規制部材(以下「規制ブレード」とも称す)とトナーの摩擦、及び現像剤担持体(以下「現像ローラー」とも称す)とトナーの摩擦によりトナーに電荷を与えると同時に現像ローラー上に薄く塗布し、現像ローラーと静電潜像担持体とが対向した現像領域にトナーを搬送し、静電潜像担持体上の静電潜像を現像し、トナー画像として顕像化する。
この一成分現像方式は、鉄粉、フェライトの如きキャリア粒子が必要な二成分現像方式とは異なり、キャリア粒子が不要のため、現像装置自体を小型化、軽量化できる。さらに二成分現像方式は、二成分現像剤中のトナー濃度を所定の値に保つ必要があるため、トナー濃度を検知し必要量のトナーを現像装置に補給する装置が必要であり、現像装置の大型化、重量化を招く。これに対し、一成分現像方式にはそのような装置は必要は無い。この点において一成分現像方式は小型化、軽量化に有利である。更に、一般的にはフルカラー画像形成用のマゼンタトナー、イエロートナー、シアントナーとして非磁性トナーが用いられている。
また、プリンター及び複写機はより高速印刷に対応した装置が求められている。この要求を満たすため、プロセススピードの向上が検討課題であり、その際ロセスにおける定着器とトナーのマッチングが重要である。
更には、消費電力を抑制し、クイックスタートの如きユーザビリティを向上することが好ましい。
このような定着プロセスとして、熱容量の小さい、フィルム加熱方式の定着装置が提案されている。
フィルム加熱方式の定着装置は、加熱体としてセラミックヒータと、加圧部材としての加圧ローラーとの間に耐熱性フィルム(定着フィルム)を挟ませてニップ部を形成させ、該ニップ部のフィルムと加圧ローラーとの間に画像定着すべき未定着トナー画像を形成担持させた転写材又は記録材を導入してフィルムと一緒に挟持搬送させることで、ニップ部においてセラミックヒータの熱をフィルムを介して転写材又は記録材に与え、さらにニップ部の加圧力にて未定着トナー画像を転写材面又は記録材面に加熱加圧定着させるものである。
このフィルム加熱方式の定着装置の特徴としては、セラミックヒータ及びフィルムとして低熱容量の部材を用いてオンデマンドタイプの装置を構成することができ、画像形成装置の画像形成実行時のみ熱源としてのセラミックヒータに通電して所定の定着温度に発熱させた状態にすればよく、画像形成装置の電源オンから画像形成実行可能状態までの待ち時間が短く(クイックスタート性)、スタンバイ時の消費電力も大幅に小さい(省電力)という利点がある。
しかしながら、大きな熱量が要求されるフルカラー画像形成装置や高速機種用の定着装置としては熱量的に不十分な場合があり、定着不良や定着画像の光沢ムラ(グロスムラ)という問題が発生する場合がある。
この現象を抑制する方法として、特許文献1及び2において、トナーの粘弾性を規定する方法、トナーのフローテスター粘度を規定する方法、あるいはこれら双方の物性を規定する方法が提案されている。しかしながら、これらのトナーは、ある定着スピードにおいては画像不良を抑制する効果は不十分であることが判明した。
特開平9−311499号公報 特開平6−59502号公報
本発明の目的は、高速印刷時においても画像不良を効果的に抑制しうるトナー、及び、そのトナーを使用する画像形成方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、光沢むらのない定着画像が得られ、低温定着性、保存安定性、多数枚耐久性に優れているトナー、及び、そのトナーを使用する画像形成方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、良好なフルカラー画像を形成し得るシアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーを提供し、さらに、それらの各色トナーを使用するフルカラー画像形成方法を提供することにある。
本発明は、結着樹脂と着色剤を少なくとも含有するトナー粒子及び無機微粒子を少なくとも有するトナーであって、
該トナーは、形状係数SF−1が100以上130未満であり、
該トナーは、140℃における貯蔵弾性率G’(140℃)が2.0×103dN/m2以上2.0×104dN/m2未満であり、
該トナーは、フローテスター昇温法によるトナーの粘度が1.0×103Pa・sとなるときの温度が115℃以上130℃未満であるトナーに関する。
また、本発明は、外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程;
帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成工程;
トナー担持体の表面に担持されているトナーで形成されているトナー層が静電潜像担持体の表面に接触することにより、静電潜像をトナーで現像してトナー画像を静電潜像担持体上に形成する現像工程;
該トナー画像を中間転写体を介して、あるいは介さずに転写材に転写する転写工程;及び
転写材上のトナー画像を定着する定着工程;
を少なくとも有する画像形成方法であって、
該定着工程において、転写材上のトナーが定着ニップ部を通過するのに要する時間が1/24秒乃至1/8秒であり、
該トナーは、結着樹脂と着色剤を少なくとも含有するトナー粒子及び無機微粒子を少なくとも有し、
該トナーは、形状係数SF−1が100以上130未満であり、
該トナーは、140℃における貯蔵弾性率G’(140℃)が2.0×103dN/m2以上2.0×104dN/m2未満であり、
該トナーは、フローテスター昇温法によるトナーの粘度が1.0×103Pa・sとなるときの温度が115℃以上130℃未満であることを特徴とする画像形成方法に関する。
本発明によれば、高速印刷時においても画像不良を効果的に抑制するトナー、および画像形成方法を提供することにある。
本発明者らはフィルム加熱方式の定着装置を備えた画像形成装置を用いて詳細な検討を行った結果、あるプロセススピード領域においては定着ニップ部の圧にかかわらず、先に述べた光沢ムラやオフセットといった画像不良が生じやすくなることを見いだした。この現象は特に転写材として厚紙(坪量が105g以上)を用いた場合に発生するものであった。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、上記トナーを用いることにより、高速印刷時においても画像不良を効果的に抑制できることを見いだした。
トナーの定着特性を知る手段としては、例えばARES(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー株式会社製)のような歪み制御式レオメーターを用いて粘弾性を知る方法がある。また、フローテスターCFT−500D(株式会社島津製作所製)のような流動特性評価装置を用いて、サンプルに一定荷重をかけつつ温度を変化(一般的には昇温)させることで該サンプルの軟化温度、流出開始温度、粘度を知る方法がある。
ここで、レオメーターによって得られる値はトナーの結着樹脂部分における熱的特性であり、フローテスターによって得られる値は離型剤や着色剤の影響も加わったトナー全体としての熱的特性であると考えられる。
140℃における貯蔵弾性率G’(140℃)を2.0×103dN/m2以上2.0×104dN/m2未満、好ましくは2.0×103dN/m2以上1.0×104dN/m2未満とすることで、トナーの結着バインダー部における熱的特性を好ましいものとすることが出来る。より具体的には、140℃における貯蔵弾性率G’(140℃)を2.0×103dN/m2以上2.0×104dN/m2未満、好ましくは2.0×103dN/m2以上1.0×104dN/m2未満とすることで、耐オフセット性および定着画像の光沢均一性に優れたトナーを得ることが出来る。
140℃における貯蔵弾性率G’(140℃)が2.0×103dN/m2未満である場合には、耐オフセット性に劣るトナーとなり、好ましくない。一方、140℃における貯蔵弾性率G’(140℃)が2.0×104dN/m2以上の場合には、定着画像の光沢均一性の劣る(ムラのある)トナーとなり、好ましくない。この現象は、転写材として厚紙(坪量が105g以上)を用いたときに顕著に表れるものである。
本発明において、140℃における貯蔵弾性率G’(140℃)は以下の方法により求める。
測定装置としては、例えばARES(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー株式会社製)を用いる。下記の条件で、60〜200℃の温度範囲における貯蔵弾性率G’の測定を行う。
・測定冶具:直径8mmの円形パラレルプレートを使用する。アクチュエーター(actuator)側には円形パラレルプレートに対応するシャローカップを使用する。シャローカップの底面と円形プレートの間隙は約2mmである。
・測定試料:トナーを直径約8mm、高さ約2mmの円盤状試料となるよう、加圧成型した後、使用する。
・測定周波数:6.28ラジアン/秒
・測定歪の設定: 初期値を0.1%に設定した後、自動測定モードにて測定を行う。
・試料の伸長補正: 自動測定モードにて調整する。
・測定温度:60〜200℃まで毎分2℃の割合で昇温する。
上記の方法により、60〜200℃の温度範囲において貯蔵弾性率G’を測定し、140℃における貯蔵弾性率G’の値を、G’(140℃)とする。
一方、フローテスター昇温法によるトナーの粘度が1.0×103Pa・sとなるときの測定温度を115℃以上130℃未満、より好ましくは115℃以上125℃未満とすることで、離型剤や着色剤の影響も加味したトナー全体としての熱的特性を好ましいものとすることが出来る。より具体的には、フローテスター昇温法によるトナーの粘度が1.0×103Pa・sとなるときの測定温度を115℃以上130℃未満、より好ましくは115℃以上125℃未満とすることで、保存性、耐久安定性、定着画像の耐剥離性に優れたトナーを得ることが出来る。
フローテスター昇温法によるトナーの粘度が1.0×103Pa・sとなるときの測定温度が115℃未満である場合には、初期画像においては画像光沢性に優れた好ましい画像が得られるものの、保存性、耐久性に劣るトナーとなるため、好ましくない。具体的には長期に渡る使用に伴い、外添剤として添加した無機微粉末がトナー粒子の表面に埋没したり、あるいはトナー粒子が変形して摩擦帯電特性が不均一になるで転写材上の非画像部にトナーが付着する現象(以降、カブリと呼ぶ)が生じやすいので、好ましくない。
また、トナーの粘度が1.0×103Pa・sとなるときの測定温度が130℃以上の場合には、高速印刷においては定着工程時にトナー粒子が十分に変形することができず、転写材へのアンカー効果に劣る画像となり、好ましくない。具体的には、定着画像の表面を擦った際にトナー画像の剥離が生じやすく、好ましくない。
本発明におけるフローテスター昇温法によるトナーの粘度の値は以下の方法により求めたものである。
装置としては、例えばフローテスターCFT−500D(株式会社島津製作所製)を用い、下記の条件で測定を行う。
・サンプル:約1.1gのトナーを秤量し、これを加圧成型器で成型してサンプルとする。
・ダイ穴径:0.5mm
・ダイ長さ:1.0mm
・シリンダ圧力:9.807×105(Pa)
・測定モード:昇温法
・昇温速度:4.0℃/min
上記の方法により、50℃〜200℃におけるトナーの粘度を測定し、粘度が1.0×103Pa・sとなるときの測定温度を求める。
また本発明においては、形状係数SF−1が100以上130未満、より好ましくは100以上125未満であることがよい。形状係数SF−1の値は、全ベタ画像における加熱加圧定着工程時のトナー画像への熱伝導性を相関する指標と解し得る。トナーが球形に近いほうが未定着画像においてトナー間の空隙が少なく、トナー全体に均一に熱が伝わり易いのに対して、トナーの形状が歪でいる場合には、未定着画像におけるトナー間の空隙にばらつきが生じ、トナーへの熱の伝わり方が不均一となるため定着不良が生じやすくなる。具体的には、定着画像表面を擦った際にトナー画像の剥離が生じやすくなる。
トナー形状が定着画像に与える影響については、定着装置としてフィルム定着器を用いた場合により顕著に表れる。これは、フィルム定着器は熱ロール定着器に比べて加熱部材の熱容量がより小さいことがその原因であると思われる。
形状係数SF−1は、例えば日立製作所FE−SEM(S−800)を用いトナーの画像を無作為に100個サンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニレコ社製画像解析装置(Luzex3)に導入し解析を行い下式より算出し得られた値の相加平均値により算出する。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(π/4)×100
(MXLNG:絶対最大長、AREA:トナー投影面積)
本発明に記載のG’(140℃)の値が好適なものであるトナーを得るには、結着樹脂の分子量分布を調整する方法がある。特にゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)測定におけるピークトップ分子量(Mp)を調整する方法が効果的である。具体的には、結着樹脂の合成時の重合温度を調整したり、重合開始剤の種類および重合開始剤の添加量を調整する方法が挙げられる。
また、結着樹脂の合成時に架橋成分を適量添加することによっても、トナーのG’(140℃)の値を所定の値にすることが出来る。
また、フローテスター昇温法によるトナーの粘度が所定な値を有するトナーを得る方法としては、結着樹脂の分子量分布を好適なものとする方法に加えて、離型剤(ワックス)の添加量、離型剤の結着樹脂中への分散度合を調整する方法がある。また、トナーへの熱伝達性を調整する目的でトナー粒子表層面に別途最外殻層を設けることも好ましい。トナーを重合法により水系分散媒体中で得る方法を用いた場合には、結着樹脂と水系分散媒体との極性差を利用してトナー粒子の最外殻層を容易に設けることができる。
また、所定の形状係数SF−1を有するトナーを得る方法としては、粉砕法によっていられたトナー粒子を熱処理によって球形化する方法がある。好ましい所定の形状係数SF−1を有するトナーを得る方法は、水系媒体中で造粒工程を経由してトナー粒子を生成する方法である。最も好ましい方法は、懸濁重合法又は乳化凝集法により水系分散媒体中でトナー粒子を得る方法である。
本発明のトナーにおいては、メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのメタノール濃度が30〜60体積%の範囲内であることが好ましい。本発明におけるメタノール/水混合溶媒に対するトナー濡れ性は、トナーの耐久性を知る一指標として用いることが出来る。その理由については明確ではないが、トナー粒子の表層部への離型剤(ワックス)の染み出し量、および外添剤として用いた無機微粒子の添加量、トナー粒子及び無機微粒子の親水性の複合要因によるものと思われる。
また、重合法によりトナー粒子を生成する場合には、重合性単量体の重合工程終了後に、反応系を急冷することによりトナー粒子内に内包している離型剤のトナー粒子の表面における離型剤の存在量を調整することが好ましい。
トナーにおいて、透過率が50%のときのメタノール濃度が30体積%未満である場合には、トナー粒子の表層に親水性物質が多く存在している濡れ易いトナーであり、空気中の水分の影響を受けやすいため、定着画像の光沢均一性が低下しやすい。この現象は特に転写材として厚紙を用いた場合に顕著である。
一方、トナーにおいて、透過率が50%のときのメタノール濃度が60体積%を超える場合には、濡れ難いトナーとなって画像光沢均一性には優れるものの、トナー粒子の表面における離型剤(ワックス)量が過多であるか、用いた無機微粒子が適切でないか、無機微粒子の使用量が適切でない場合であり、トナーの保存安定性が低下し、定着画像の均一性が低下する傾向にある。
メタノール/水混合溶媒に対する濡れ性に関するメタノール濃度を求める方法としては、以下の方法を用いる。
測定装置としては、例えば(株)レスカ社製の粉体濡れ性試験機WET−100Pを用い、室温(25℃)にて行う。特級エタノール25体積%と、イオン交換水75体積%とからなる含水エタノール液を70ml容器中に入れ、この中に検体であるトナーを0.1g精秤して含水エタノール液上面に静かに添加し、トナーの疎水特性を測定するためのサンプル液を調製する。このとき、トナーは含水エタノール液面上に表面張力によって浮いている。次に、この測定用サンプル液を攪拌子を用いて約300rpmの回転数で均一に攪拌しつつ、特級エタノールを0.8ml/min.の滴下速度で連続的に添加しながら測定容器側面より波長780nmの光を当て透過率を測定する。特級エタノール滴下用ノズルはサンプル液中に挿入しており、液はねによる測定のばらつきを防止する。
この測定方法において、波長780nmの光の透過率が測定開始時に対して50%となるまでに要する時間を求め、そのときのイオン交換水に対するメタノール濃度を算出する。
上記方法においても設定時間内に測定が完了しないトナーについては、測定開始時の含水エタノール液濃度を適宜調整して再測定することにより、数値を得る。
また、トナー及び結着樹脂のGPC測定については以下の方法を用いて行う。
サンプルの調製として、試料中の樹脂成分が0.4〜0.6mg/mlとなるように、トナー又は結着樹脂を室温でテトラヒドロフラン(THF)に溶解せしめ、得られた溶液をポア径が0.2μmの耐溶剤製メンブランフィルターでろ過する。
次に、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料として、東ソー社製TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500を用いて検量線を作成する。また、検出器は、RI(屈折率)検出器とUV(紫外線)検出器とを直列に配列し用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、本発明では、昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807及び800Pの組み合わせにて測定する。
測定装置としては、例えば高速GPC HPLC8120 GPC(東ソー社製)を使用する。
トナーの平均粒径は、例えばコールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びパーソナルコンピューターを接続した測定装置で測定することができる。この測定では電解液が用いられるが、この電解液には、例えば1級塩化ナトリウムを用いて調製された1%NaCl水溶液や、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記コールターカウンターTA−II型により2μm以上のトナーの体積を測定して体積分布を算出する。それから、重量平均粒径を求める。
本発明に係るトナー粒子を重合法により製造する場合、重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
重合性単量体としては、スチレン;o−メチルスチレン,m−メチルスチレン,p−メチルスチレン,p−メトキシスチレン,p−エチルスチレンの如きスチレン誘導体;アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸n−ブチル,アクリル酸イソブチル,アクリル酸n−プロピル,アクリル酸n−オクチル,アクリル酸ドデシル,アクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸ステアリル,アクリル酸2−クロルエチル,アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸n−プロピル,メタクリル酸n−ブチル,メタクリル酸イソブチル,メタクリル酸n−オクチル,メタクリル酸ドデシル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸ステアリル,メタクリル酸フェニル,メタクリル酸ジメチルアミノエチル,メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸エステル;アクリロニトリル,メタクリロニトリル,アクリルアミドが挙げられる。
これらの単量体は単独または混合して使用し得る。上述の単量体の中でも、スチレンまたはスチレン誘導体から選択される単量体と、アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルから選択される単量体との共重合体(以後、スチレン−アクリル共重合体と称す)を、結着樹脂の主成分とすることがトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。具体的にはスチレン−アクリル共重合体を結着樹脂成分のうち50質量%以上、より好ましくは80質量%以上とすることにより、長期に渡る使用においても現像特性の変化が小さく、耐久性に優れたトナーを得ることができる。
重合法によるトナー粒子の製造方法においては、重合性単量体組成物に樹脂を添加して重合しても良い。例えば、重合性単量体では水溶性のため、水性懸濁液中では溶解して乳化重合を起こすため使用できないアミノ基、カルボン酸基、水酸基、スルホン酸基、グリシジル基、ニトリル基の如き親水性官能基含有の重合性単量体ユニットをトナー粒子中に導入したい場合には、これらとスチレンあるいはエチレンの如きビニル系重合性単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体、あるいはグラフト共重合体にして重合性単量体組成物に添加して水系媒体中での重合に使用することができる。あるいはポリエステル樹脂又はポリアミド樹脂の如き重縮合体、ポリエーテル、ポリイミンの如き重付加重合体を使用することも可能である。
このような極性官能基を有する高分子重合体を使用する場合、数平均分子量は5,000以上が好ましく用いられる。極性官能基を含む高分子重合体の数平均分子量が5,000未満、特に4,000以下であると、高分子重合体がトナー粒子の表面付近に集中し易いことから、現像性や耐ブロッキング性が低下する傾向にあるので好ましくない。また、極性官能基を有する高分子重合体としては特にポリエステル樹脂が好ましい。
また、材料の分散性や定着性、あるいは画像特性の改良等を目的として上記以外の樹脂を重合性単量体組成物中に添加しても良い。例えば、ポリスチレン;ポリビニルトルエンの如きスチレン誘導体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリ酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂が挙げられる。これらの重合体,共重合体及び樹脂は単独或いは混合して使用できる。
これらの重合体,共重合体又は/及び樹脂の添加量としては、単量体100質量部に対し1〜20質量部が好ましい。1質量部未満では添加効果が小さく、20質量部を超えると重合方法で得られるトナー粒子の種々の物性設計が難しくなりやすい。
さらに、重合性単量体を重合して得られるトナー粒子の分子量分布とは異なる分子量分布の重合体、共重合体又は/及び樹脂を重合性単量体組成物中に溶解して重合性単量体を重合すれば、分子量分布の広い、耐オフセット性の高いトナーを得ることができる。
トナーのガラス転移温度(Tg)は、40〜70℃であることが好ましく、45〜65℃の範囲がさらに好ましい。トナーのガラス転移温度が40℃未満の場合にはトナーの保存安定性や耐久安定性が低下しやすく、70℃を超える場合にはトナーの定着温度の上昇をもたらす。特にフルカラー画像を形成するためのカラートナーの場合においては各色トナーを定着する際の混色性が低下し色再現性が低下する。
トナーのTgは、以下の方法により測定する。
Tgは、サンプル(トナー)を一旦昇温し冷却した後、二度目の昇温時のDSCカーブより、吸熱ピーク前の基線と吸熱ピーク後の基線の中線と、立ち上がり曲線での交点をもってTgとする。
本発明のトナーには、着色力を付与するために着色剤を含有する。本発明のトナーは、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー又は/及びブラックトナーとして使用される。フルカラー画像形成方法には、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーの4色がすくなくとも使用される。本発明に好ましく使用される有機顔料または染料として以下のものが挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1,C.I.ピグメントブルー7,C.I.ピグメントブルー15,C.I.ピグメントブルー15:1,C.I.ピグメントブルー15:2,C.I.ピグメントブルー15:3,C.I.ピグメントブルー15:4,C.I.ピグメントブルー60,C.I.ピグメントブルー62,C.I.ピグメントブルー66が挙げられる。
マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アントラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2,C.I.ピグメントレッド3,C.I.ピグメントレッド5,C.I.ピグメントレッド6,C.I.ピグメントレッド7,C.I.ピグメントバイオレット19,C.I.ピグメントレッド23,C.I.ピグメントレッド48:2,C.I.ピグメントレッド48:3,C.I.ピグメントレッド48:4,C.I.ピグメントレッド57:1,C.I.ピグメントレッド81:1,C.I.ピグメントレッド122,C.I.ピグメントレッド144,C.I.ピグメントレッド146,C.I.ピグメントレッド166,C.I.ピグメントレッド169,C.I.ピグメントレッド177,C.I.ピグメントレッド184,C.I.ピグメントレッド185,C.I.ピグメントレッド202,C.I.ピグメントレッド206,C.I.ピグメントレッド220,C.I.ピグメントレッド221,C.I.ピグメントレッド254が挙げられる。
イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アントラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12,C.I.ピグメントイエロー13,C.I.ピグメントイエロー14,C.I.ピグメントイエロー15,C.I.ピグメントイエロー17,C.I.ピグメントイエロー62,C.I.ピグメントイエロー74,C.I.ピグメントイエロー83,C.I.ピグメントイエロー93,C.I.ピグメントイエロー94,C.I.ピグメントイエロー95,C.I.ピグメントイエロー97,C.I.ピグメントイエロー109,C.I.ピグメントイエロー110,C.I.ピグメントイエロー111,C.I.ピグメントイエロー120,C.I.ピグメントイエロー127,C.I.ピグメントイエロー128,C.I.ピグメントイエロー129,C.I.ピグメントイエロー147,C.I.ピグメントイエロー151,C.I.ピグメントイエロー154,C.I.ピグメントイエロー168,C.I.ピグメントイエロー174,C.I.ピグメントイエロー175,C.I.ピグメントイエロー176,C.I.ピグメントイエロー180,C.I.ピグメントイエロー181,C.I.ピグメントイエロー191,C.I.ピグメントイエロー194が挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合しさらには固溶体の状態で用いることができる。本発明のトナーに用いられる着色剤は、色相角,彩度,明度,耐光性,OHP透明性,トナーへの分散性の点から選択される。
該着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、あるいは上記イエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものを利用することができるが、本発明においては、カーボンブラックを用いることが好ましい。
カラートナーとする場合には、ジスアゾ系黄色顔料,キナクリドン系マゼンタ顔料,フタロシアニン系シアン顔料から選択して用いることが好ましい。
本発明のトナーには、定着時の離型性を得るための離型剤を用いることが好ましい。離型剤としてはDSC吸熱曲線における最大吸熱ピーク温度(mp)が55〜120℃、より好ましくは60〜110℃にあるワックスが好ましい。最大吸熱ピーク温度が55℃未満の領域にある場合には、現像特性が低下しやすい。
一方、最大吸熱ピーク温度が120℃を超える領域にある場合、低温定着性が低下する。さらに、重合法によりトナー粒子を生成する場合には、重合性単量体組成物中への溶解性が低下し、水系媒体中での重合性単量体組成物のトナー粒子径サイズへの液滴の造粒中に離型剤が析出して造粒が困難となり好ましくない。
本発明のトナーに使用可能な離型剤としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトローラクタムの如き石油系ワックス及びその誘導体;モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレン及びその誘導体;カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体が挙げられ、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物が挙げられる。
本発明に使用可能な好ましい離型剤は、好ましくは、下記式(I)から(V)に属するエステルワックスが挙げられる。
Figure 0004273054
(式中、a及びbは0〜4の整数であり、a+bは4である。R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基である。m及びnは0〜40の整数であり、mとnは同時に0になることはない。)
Figure 0004273054
(式中、a及びbは0〜3の整数であり、a+bは1〜3である。R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基である。R3は水素原子または炭素数が1以上の有機基である。kは1〜3の整数であり、a+b+k=4である。m及びnは0〜40の整数であり、mとnが同時に0になることはない。)
Figure 0004273054
(式中、R1及びR3は炭素数1〜40の有機基であり、R1とR3は同じものであっても異なっていても良い。R2は炭素数1〜40の有機基を示す。)
Figure 0004273054
(式中、R1及びR3は炭素数1〜40の有機基であり、R1とR3は同じものであってもなくてもよい。R2は炭素数1〜40の有機基を示す。)
Figure 0004273054
(式中、aは0〜4の整数であり、bは1〜4の整数であり、a+bは4である。R1は炭素数1〜40の有機基である。m及びnは0〜40の整数であり、mとnが同時に0になることはない)
より好ましい例としては、下記の化合物が挙げられる。
(1)CH3(CH220COO(CH221CH3
(2)CH3(CH217COO(CH29OOC(CH217CH3
(3)CH3(CH217OOC(CH218COO(CH217CH3
重合方法によりトナー粒子を生成する場合は、重合性単量体100質量部に対してワックスを5乃至25質量部、より好ましくは7乃至20質量部使用し、得られたトナー粒子中の結着樹脂100質量部に対してワックスを5乃至25質量部含有しているトナーがオイルレス定着をおこなう上で好ましい。
粉砕法によりトナー粒子を生成する場合は、結着樹脂100質量部に対してワックスを5乃至15質量部使用することがオイルレル定着をおこなう上で好ましい。
重合法を用いてトナー粒子を製造する場合、使用する重合開始剤の半減期温度よりも1乃至10℃(より好ましくは1乃至6℃)高い温度で数時間重合性単量体を重合し、その後重合温度をさらに挙げるのが所定の粘弾性特性を有するトナーが得られやすく好ましい。好ましい重合開始剤としては、重合反応時の温度で半減期が0.5〜30時間であるものが好ましい。重合性単量体100質量部に対し0.5〜20質量部の重合開始剤を使用するのが好ましい。重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルの如きアゾ系重合開始剤またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの如き過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
重合性単量体組成物に、架橋剤を添加しても良い。重合性単量体100質量部に対して、0.001〜15質量部使用するのが好ましい。
架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの如き芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートの如き二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらの架橋剤は、単独もしくは混合して用いられる。
重合法を用いてトナー粒子を製造する場合、重合性単量体中に着色剤、さらには離型剤、荷電制御剤及び/又は架橋剤の如きトナー粒子として必要な成分を適宜加えて、ホモジナイサー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機の如き分散機によって均一に溶解または分散せしめた重合性単量体組成物又は重合性単量体混合物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁する。この時、高速撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイズとするほうが、得られるトナー粒子の粒径がシャープになる。重合開始剤添加の時期としては、重合性単量体中に他の添加剤を添加するとき同時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることもできる。
造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持され且つ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
重合法によりトナー粒子を製造する場合には、分散安定剤として公知の界面活性剤や有機分散剤又は無機分散剤が使用でき、中でも無機分散剤が超微粉を生じ難く、その立体障害性により分散安定性を得ているので反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、洗浄も容易でトナーに悪影響を与え難いので、好ましく使用できる。こうした無機分散剤の例としては、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛の如き燐酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩;メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナの如き無機酸化物が挙げられる。
これらの無機分散剤は、重合性単量体100質量部に対して、0.2〜20質量部を単独で使用することが好ましい。必要により重合性単量体100質量部に対して、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を併用しても良い。
界面活性剤としては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムが挙げられる。
これら無機分散剤を用いる場合には、そのまま使用しても良いが、より細かい粒子を得るため、水系媒体中にて該無機分散剤粒子を生成させることができる。例えば、燐酸カルシウムの場合、高速撹拌下、燐酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを混合して、水不溶性の燐酸カルシウムを生成させることができ、より均一で細かな分散が可能となる。この時、同時に水溶性の塩化ナトリウム塩が副生するが、水系媒体中に水溶性塩が存在すると、重合性単量体の水への溶解が抑制されて、乳化重合による超微粒トナーが発生し難くなるので、より好都合である。重合反応終期に残存重合性単量体を除去する時には障害となることから、水系媒体を交換するか、イオン交換樹脂で脱塩したほうが良い。無機分散剤は、重合終了後酸あるいはアルカリで溶解して、ほぼ完全に取り除くことができる。
重合工程においては、重合温度は40℃以上、一般には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。この温度範囲で重合を行うと、内部に封じられるべき離型剤(ワックス)が、相分離により析出して内包化がより完全となる。残存する重合性単量体を消費するために、重合反応終期ならば、反応温度を90〜150℃にまで上げることは可能である。
得られたトナー粒子は重合終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、無機微粉体を混合しトナー粒子の表面に付着させることで、トナーを得ることができる。また、製造工程に分級工程を入れ、粗粉や微粉をカットしてもよい。
粉砕法によりトナー粒子を製造する場合は、公知の方法が用いられる。例えば、結着樹脂、着色剤、離型剤、荷電制御剤等をヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合器により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類をお互いに相溶せしめた中に他のトナー材料を分散又は溶解せしめ、冷却固化、粉砕後、分級、必要に応じて表面処理を行ってトナー粒子を得ることができる。分級及び表面処理の順序はどちらが先でもよい。分級工程においては生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
粉砕工程は、機械衝撃式粉砕装置、ジェット式粉砕装置の如き公知の粉砕装置を用いた方法により行うことができる。
さらに、本発明係るトナー粒子は、特公昭56−13945号公報に記載のディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナー粒子を得る方法;重合法として重合性単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合方法;水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合方法;乳化重合方法により得られた樹脂粒子を凝集させてトナー粒子を生成する乳化凝集法により製造することが可能である。
本発明のトナーには、荷電特性を安定化するために荷電制御剤を配合しても良い。荷電制御剤としては、公知のものが利用できる。トナー粒子を直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
ネガ系荷電制御剤としてサリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料あるいはアゾ顔料の金属塩または金属錯体、スルホン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。
ポジ系荷電制御剤として四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
該荷電制御剤は、重合性単量体100質量部又は結着樹脂100質量部に対し0.5〜10質量部使用することが好ましい。
本発明においては、必要に応じて、トナー粒子表面に外添剤として無機微粉末が外添されている。
本発明に使用される無機微粉体は、帯電安定性,現像性,流動性,保存性向上のため、シリカ微粉体,アルミナ微粉体,チタニア微粉体あるいはその複酸化物から選ばれることが好ましい。
また、本発明に用いられる無機微粉体は、必要に応じ、疎水化又は/及び帯電性制御の目的でシリコーンワニス,変性シリコーンワニス,シリコーンオイル,変性シリコーンオイル,シランカップリング剤,官能基を有するシランカップリング剤,有機チタン化合物の如き処理剤で処理されていることが好ましい。
トナー粒子に無機微粉体を外添する方法としては、ヘンシェルミキサーの如き装置を使用する方法が挙げられる。
次に、本発明の画像形成方法及び、該方法を実施する画像形成装置ならびにプロセスカートリッジに関して図面を用いて説明する。
本発明のトナーは、
(1)外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う第1の帯電工程;
帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する第1の潜像形成工程;
トナー担持体の表面に担持されている第1のトナーで形成されているトナー層が静電潜像担持体の表面に接触することにより、静電潜像をトナーで現像してトナー画像を静電潜像担持体上に形成する第1の現像工程;及び
トナー画像を中間転写体を介して、あるいは介さずに転写材に転写する第1の転写工程を有し、
該第1のトナーは、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択されるトナーであって、
(2)外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う第2の帯電工程;
帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する第2の潜像形成工程;
トナー担持体の表面に担持されている第2のトナーで形成されているトナー層が静電潜像担持体の表面に接触することにより、静電潜像をトナーで現像してトナー画像を静電潜像担持体上に形成する第2の現像工程;及び
トナー画像を中間転写体を介して、あるいは介さずに転写材に転写する第2の転写工程を有し、
該第2のトナーは、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択され、第1のトナーとは異なるトナーであり、
(3)外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う第3の帯電工程;
帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する第3の潜像形成工程;
トナー担持体の表面に担持されている第3のトナーで形成されているトナー層が静電潜像担持体の表面に接触することにより、静電潜像をトナーで現像してトナー画像を静電潜像担持体上に形成する第3の現像工程;及び
トナー画像を中間転写体を介して、あるいは介さずに転写材に転写する第3の転写工程を有し、
該第3のトナーは、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択され、第1及び第2のトナーとは異なるトナーであり、
(4)外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う第4の帯電工程;
帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する第4の潜像形成工程;
トナー担持体の表面に担持されている第4のトナーで形成されているトナー層が静電潜像担持体の表面に接触することにより、静電潜像をトナーで現像してトナー画像を静電潜像担持体上に形成する第4の現像工程;及び
トナー画像を中間転写体を介して、あるいは介さずに転写材に転写する第4の転写工程を有し、
トナーは、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択され、第1乃至第3のトナーとは異なるトナーであり、
(5)転写材上のシアントナー画像、マゼンタトナー画像、イエロートナー画像及びブラックトナー画像を加熱加圧定着してフルカラー画像を形成する定着工程;
を有するフルカラー画像形成方法であって、
該定着工程において、転写材上のトナーが定着ニップ部を通過するのに要する時間が1/24秒乃至1/8秒であり、
該シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーは、結着樹脂と着色剤を少なくとも含有するトナー粒子及び無機微粒子を少なくとも有し、
該シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーは、形状係数SF−1が100以上130未満であり、
該シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーは、140℃における貯蔵弾性率G’(140℃)が2.0×103dN/m2以上2.0×104dN/m2未満であり、
該シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーは、フローテスター昇温法によるトナーの粘度が1.0×103Pa・sとなるときの温度が115℃以上130℃未満であることを特徴とするフルカラー画像形成方法に好ましく使用される。
本発明の各色トナーは、特定な粘弾性を有しているので、定着性、耐高温オフセット性、混色性に優れているので、本発明の各色トナーを使用した場合には、オイルレル定着が可能であり、定着スピードを上げることが可能であり、得られるフルカラー画像は、光沢度が均一であり、耐摺擦性に優れている。
図2を用いてトナー層規制部材を有する現像装置及び接触現像方法について説明する。
図2は、感光体ドラム1の一部分及び現像装置7の一部分を示しており、現像装置7は、一成分系現像剤としての非磁性トナー4を収容するトナー容器5を有している。該トナー容器5内の長手方向に延在する開口部には、静電潜像担持体である感光体ドラム1と対向配置されたトナー担持体としての現像ローラー2が回転可能に配置されている。また、現像ローラー2は、トナー容器5の開口部にて図2に示す右半周面をトナー容器5内に突入し、左半周面をトナー容器5外に露出して横設されている。
トナー層規制部材としての規制ブレード3は、現像ローラー2の上方位置に押え板金6に支持されて設けられており、該規制ブレード3の自由端側の先端近傍は現像ローラー2の外周面に面接触状態で当接されている。規制ブレード3の現像ローラー2に対する当接方向は、当接部に対して先端側が現像ローラー2の回転方向上流側に位置するカウンター(逆)方向になっている。
トナー担持体としては弾性ローラー2を用い、弾性ローラー2の表面にトナーをコーティングしてトナー層を形成し、感光体ドラム1の表面とトナー層が接触するように弾性ローラー2は、感光体ドラム1の表面を押圧している。
この場合、トナーを介して感光体ドラム1と感光体ドラム1の表面に対向する弾性ローラー2との間に働く電界によって静電潜像の現像が行われる。静電潜像をトナーで現像するためには、弾性ローラー2の表面或いは表面近傍が電位を持ち、感光体ドラム1の表面とトナー担持体2の表面との狭い間隙で電界を有する必要性がある。このため、弾性ローラー2の弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて感光体ドラム2の表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、または導電性ローラー2の表面層に薄層の絶縁層を設ける方法も利用できる。さらには、該導電性ローラー2上に感光体ドラム1の表面に対向する側を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリーブ2或いは、絶縁性スリーブ2で感光体ドラム1に対向しない側に導電層を設けた構成も可能である。また、トナー担持体2として剛体ローラーを用い、感光体をベルトの如きフレキシブルな物とした構成も可能である。トナー担持体2としてのローラーの抵抗値としては102〜109Ω・cmの範囲が好ましい。
トナー担持体2の表面形状としては、その表面粗度Ra(μm)を0.2〜3.0となるように設定すると、高画質及び高耐久性を良好に両立できる。該表面粗度Raはトナー搬送能力及びトナー帯電能力と相関する。該トナー担持体2の表面粗度Raが3.0を超えると、該トナー担持体2上のトナー層の薄層化が困難となるばかりか、トナーへの摩擦電荷の付与性が低下し、画質が低下する傾向にある。表面粗度Ra(μm)を0.2〜3.0にすることでトナー担持体2の表面のトナーの搬送能力を抑制し、該トナー担持体2上のトナー層を薄層化すると共に、該トナー担持体2とトナーの接触回数が多くなるため、該トナーへの摩擦電荷の付与性も改善されるので相乗的に画質が向上する。一方、表面粗度Raが0.2よりも小さくなると、トナーのコート量の制御が難しくなる。
本発明において、トナー担持体2の表面粗度Raは、JIS表面粗さ「JIS B 0601(2001)」に基づき、表面粗さ測定器(小坂研究所社製「サーフコーダSE−30H」)を用いて測定される中心線平均粗さに相当する。具体的には、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さaとして2.5mmの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸、粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、次式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものを言う。
Figure 0004273054
本発明の画像形成方法においては、トナー担持体2は感光体ドラム1の周速同方向に回転していてもよいし、逆方向に回転していてもよい。その回転が同方向である場合、トナー担持体2の周速を感光体ドラム1の周速に対し1.05〜3.0倍となるように設定することが好ましい。
トナー担持体2の周速が、感光体ドラム1の周速に対し1.05倍未満であると、感光体ドラム1上のトナーの受ける撹拌効果が低下し、良好な画像品質が得られにくい。また、周速比が3.0を超える場合には、機械的ストレスによるトナーの劣化やトナー担持体へのトナー固着が発生しやすいので、好ましくない。
感光体ドラム1としては、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光体ドラムもしくは感光体ベルトが好適に使用される。感光体ドラム1は、感光体ベルトでもよい。また、OPC感光体における有機系感光層の結着樹脂は、特に限定するものではないが、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写性に優れ、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくいため好ましい。
次に本発明の画像形成方法について、添付図面を参照しながら以下に説明する。
図3は、本発明の画像形成方法を実施するプロセスカートリッジおよび現像装置を有する画像形成装置の一例の概略構成図である。図3において、画像形成装置は、感光体ドラム1に接触して直接帯電を行う一次帯電部材である帯電ローラー10、バイアス電源11〜13、紙の如き転写材15、転写ローラー16、定着用加圧ローラー17、定着用加熱ローラー18、及び、クリーナー19を有している。図3は、図2と同じ部材には同じ符号を付した。
帯電ローラー10には、感光体ドラム1の表面を一様に帯電するようにバイアス電源11が接続されている。現像装置7はトナー容器5内にトナー4を収容しており、矢印方向に回転するトナー担持体である現像ローラー2を具備する。さらに、トナー規制及び帯電付与のためのトナー層規制部材である規制ブレード3、トナー4を現像ローラー2に付着させ、且つ現像ローラー2との摩擦でトナーへの摩擦電荷を付与するために矢印方向に回転する塗布ローラー9も備えている。現像ローラー2には現像バイアス電源13が接続されている。塗布ローラー9にも図示しないバイアス電源が接続されており、負帯電性トナーを使用する場合は現像バイアスよりも負側に電圧が設定され、正帯電性トナーを使用する場合は現像バイアスよりも正側に電圧が設定される。
反転現像方式で静電潜像を現像してトナー画像を形成した場合には、転写ローラー16には感光体ドラム1と反対極性の転写バイアス電源12が接続される。
現像ローラー2としては、表面に弾性層を有する、弾性ローラーが好ましく用いられる。該弾性ローラーに使用される弾性層の材料の硬度としては、30〜60度(asker−C/荷重1kg)のものが好適に使用される。
トナーコート量は規制ブレード3により制御される、規制ブレード3はトナー層を介して現像ローラー2を押圧している。この時の規制ブレード3と現像ローラー2との押圧力は、現像ローラー2母線方向の線圧として0.05N/cm乃至0.50N/cmが好ましい範囲である。
線圧とは規制ブレード3の長さ当たりに加えられる荷重のことであり、例えば1mの当接長さを有するブレード3に1.2Nの荷重を加えて現像ローラー2に接触させた場合、線圧は1.2N/mとなる。線圧が0.05N/cmよりも小さいとトナーコート量の制御に加え均一な摩擦帯電も難しくなり、カブリが発生しやすくなる。一方、線圧が0.50N/cmよりも大きくなるとトナーが過剰な負荷を受けるため、トナー粒子の変形や規制ブレード3或いは現像ローラー2へのトナーの融着が発生しやすくなり、好ましくない。
規制ブレード3の自由端部は断面形状が直線状のもの以外にも、先端近傍で屈曲したL字形状のものや、先端近傍が球状に膨らんだ形状のものが好適に用いられる。
トナー規制部材としては、基材としてステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体を用い、現像スリーブ2の当接部に当る部位に樹脂を接着あるいはコーティング塗布したものが好適に用いられる。
また、トナー規制部材2に直流電場及び/または交流電場を印加することによっても、トナーへのほぐし作用のため、均一薄層塗布性、均一帯電性がより向上し、高画像濃度が達成でき及び良質の画像を得ることができる。
図3において、矢印方向に回転する感光体ドラム1を一次帯電部材10によって一様に帯電する。本例では、該一次帯電部材10は、中心の芯金10bとその外周を形成した導電性弾性層10aとを基本構成とする帯電ローラー10である。該帯電ローラー10は、静電潜像担持体である感光体ドラム1の一面に抑圧力を持って当接され、感光体ドラム1の回転に伴い従動回転する。
帯電ローラー10を用いた時の好ましいプロセス条件としては、帯電ローラー10の当接圧が0.05〜5N/cmであり、印加電圧としては直流電圧或いは直流電圧に交流電圧を重畳したものが用いられろ。特に限定されないが、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時には、交流電圧=0.5〜5dVpp、交流周波数=50Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±1.5kVであり、直流電圧を用いた時には、直流電圧=±0.2〜±5kVである。本発明においては直流電圧のみの印加電圧が好適に用いられる。
帯電ローラー10以外の帯電手段としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電手段は、非接触のコロナ帯電に比べて、高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。接触帯電手段としての帯電ローラー及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)が適用可能である。
静電潜像担持体1の帯電工程に次いで、例えば、発光素子からの露光14によって感光体ドラム1上に情報信号に応じた静電潜像を形成し、現像ローラー2上のトナー層と当接する位置においてトナーにより静電潜像を現像しトナー画像を形成する。さらに、本発明の画像形成方法において、特に感光体ドラム1上にデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせることで、静電潜像を乱さないためにドット潜像に対して忠実に現像することが可能となる。トナー画像は電圧が印加されている転写ローラー16により転写材15に転写され、加熱部材18と加圧部材17の間に形成された定着ニップ部を通過して加熱加圧定着され、定着画像を得る。
一方、転写されずに感光体ドラム1上に残った転写残トナーは、感光体ドラム1の表面に当接されるクリーニングブレードを有するクリーナー19で回収され、感光体ドラム1はクリーニングされる。
図4に、本発明の画像形成方法が適用可能な、中間転写体25を用いて多重トナー像を転写材に一括転写するフルカラー画像形成装置の一例の概略構成図を示す。
図4において、フルカラー画像形成装置は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の現像装置7a〜7d、光源装置21、レーザー光22、加熱加圧定着装置23、現像ユニット24、中間転写体である中間転写ドラム25(導電性支持体25a、弾性層25b)、バイアス電源26、転写材トレイ27、二次転写装置28を有している。図4において、図2、図3と同じ部材には同じ符号を付した。
静電潜像担持体としての感光体ドラム1の表面に、帯電部材としての帯電バイアス電圧が印加された回転可能な帯電ローラー10を回転させながら接触させて、感光体ドラム1表面を均一に一次帯電し、露光手段としての光源装置21より発せられたレーザー光22により、感光体ドラム1上に第1の静電潜像を形成する。形成された第1の静電潜像は、回転可能な現像ユニット24に設けられている第1の現像装置としてのブラック現像装置7a中のブラックトナーにより現像され、ブラックトナー画像を形成する。感光体ドラム1上に形成されたブラックトナー画像は、中間転写ドラム25の導電性支持体25aに印加される転写バイアス電圧の作用により、中間転写ドラム25上に静電的に一次転写される。次に、上記と同様にして感光体ドラム1の表面に第2の静電潜像を形成し、現像ユニット24を回転して、第2の現像装置としてのイエロー現像装置7b中のイエロートナーにより現像してイエロートナー画像を形成し、ブラックトナー画像が一次転写されている中間転写ドラム25上にイエロートナー画像を静電的に一次転写する。同様にして、第3の静電潜像及び第4の静電潜像を現像ユニット24を回転して、第3の現像装置としてのマゼンタ現像装置7c中のマゼンタトナー及び第4の現像装置としてシアン現像装置7d中のシアントナーにより、順次現像及び一次転写を行って、中間転写ドラム25上に各色のトナー像をそれぞれ一次転写する。中間転写ドラム25上に一次転写された多重トナー画像(ブラックトナー画像、イエロートナー画像、マゼンタトナー画像、シアントナー画像)は、転写材15を介して反対側に位置する二次転写装置28からの転写バイアス電圧の作用により、転写材15の上に静電的に一括に二次転写される。転写材15上に二次転写された多重トナー像は加熱部材17及び加圧部材18を有する定着装置23の定着ニップ部を通過することにより転写材15に加熱加圧定着され、フルカラー画像が転写材に形成される。転写後に感光体ドラム1の表面上に残存する転写残トナーは、感光体ドラム1の表面に当接するクリーニングブレードを有するクリーナー19で回収され、感光体ドラム1はクリーニングされる。
感光体ドラム1から中間転写ドラム25への一次転写は、一次転写装置としての中間転写ドラム25の導電性支持体25aに、バイアス電源26よりバイアスを付与することで転写電流が得られ、トナー画像の転写が行われる。
中間転写ドラム25は、剛体である導電性支持体25aと、表面を覆う弾性層25bよりなる。導電性支持体25aとしては、アルミニウム、鉄、銅及びステンレスの如き金属や合金、及びカーボンや金属粒子の如き導電性粒子を分散した導電性樹脂を用いることができる。中間転写ドラム25の形状としては、円筒状や、円筒の中心に軸を貫通したもの、円筒の内部に補強を施したものが挙げられる。
弾性層25bを構成する材料としては、スチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム及びノルボルネンゴムの如きエラストマーゴムが好適に用いられる。ポリオレフィン系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネートの如き樹脂及びこれらの共重合体や混合物を用いても良い。
また、弾性層25bのさらに表面に、潤滑性、撥水性の高い滑剤粉体を任意のバインダー樹脂中に分散した表面層を設けても良い。
滑剤としては、各種フッ素ゴム、フッ素エラストマー、黒鉛やグラファイトにフッ素を結合したフッ化炭素及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)の如きフッ素化合物;シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム、シリコーンエラストマーの如きシリコーン系化合物;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂が好ましく用いられる。
また、表面層のバインダー中に、抵抗を制御するために導電剤を適時添加しても良い。導電剤としては、各種の導電性無機粒子及びカーボンブラック、イオン系導電剤、導電性樹脂及び導電性粒子分散樹脂が挙げられる。
中間転写ドラム25上の多重トナー像は、二次転写装置28により転写材15上に一括に二次転写されるが、転写装置28としてはコロナ帯電器による非接触静電転写手段或いは転写ローラー及び転写ベルトを用いた接触静電転写手段が使用可能である。
図4の画像形成装置が用いている中間転写ドラム25に代えて、中間転写ベルトを用いて多重トナー画像を転写材に一括転写することも可能である。
中間転写ベルトを用いた画像形成装置の部分的な概略構成図を図5に示す。
図5の装置は、中間転写ベルト30、中間転写ベルト30を掛け渡すローラー31、一次転写ローラー32、二次転写対向ローラー33a、二次転写ローラー33b、バイアス電源34〜36、クリーニング用帯電部材39を有している。図5において、図2〜図4と同じ部材には同じ符号を付した。
図5の構成において、感光体ドラム1上に形成担持されたトナー画像は、感光体ドラム1と中間転写ベルト30とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラー32から中間転写ベルト30に印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写ベルト30の外周面に順次一次転写される。
感光体ドラム1から中間転写ベルト30への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バイアスは、トナーとは逆極性で、バイアス電源34から印加される。
感光体ドラム1から中間転写ベルト30への第1〜第4色のトナー画像の一次転写工程において、二次転写ローラー33b及びクリーニング用帯電部材39は中間転写ベルト30から離間することも可能である。
二次転写ローラー 33bは、二次転写対向ローラー33aに対応し平行に軸受させて中間転写ベルト30の下面部に離間可能な状態に配設してある。
中間転写ベルト30上に転写された合成カラートナー画像の転写材15への転写は、二次転写ローラー33bが中間転写ベルト30に当接されると共に、中間転写ベルト30と二次転写ローラー33bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材15が給送され、二次転写バイアスがバイアス電源36から二次転写ローラー33bに印加される。この二次転写バイアスにより中間転写ベルト30から転写材15へ多重トナー画像が二次転写される。
転写材15への画像転写終了後、中間転写ベルト30にはクリーニング用帯電部材39が当接され、感光体ドラム1とは逆極性のバイアスをバイアス電源35から印加することにより、転写材15に転写されずに中間転写ベルト30上に残留しているトナー(転写残トナー)に感光体ドラム1と逆極性の電荷が付与される。次いで、該転写残トナーは、感光体ドラム1とのニップ部及びその近傍において感光体ドラム1に転写されることにより、中間転写ベルト30がクリーニングされる。
中間転写ベルト30は、ベルト形状の基層と基層の上に設けられる表面処理層よりなる。表面処理層は複数の層により構成されていても良い。
基層及び表面処理層には、ゴム、エラストマー、樹脂を使用することができる。例えばゴム、エラストマーとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム及び熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー及びフッ素樹脂系エラストマー)からなる群より選ばれる1種類或いは2種類以上を使用することができる。但し、上記材料に限定されるものではない。また、樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネートの如き樹脂を使用することができる。これら樹脂の共重合体や混合物を用いても良い。
基層としては上述のゴム、エラストマー、樹脂をフィルム状にして使用することができる。また、これらの物質を、織布形状、不織布形状、糸状、フィルム形状をした芯体層の片面或いは両面に上述のゴム、エラストマー、樹脂を被覆、浸漬、噴霧したものを使用しても良い。
芯体層を構成する材料としては、綿、絹、麻及び羊毛の如き不然繊維;キチン繊維、アルギン酸繊維維、再生セルロース繊維の如き再生織維;アセテート繊維の如き半合成繊維;ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアルキルパラオキシベンゾエート繊維、ポリアセタール繊維、アラミド繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維の如き合成繊維;炭素繊維、硝子繊維及びボロン繊維の如き無機繊維;鉄繊維及び銅繊維の如き金属繊維が挙げられる。これらから選ばれる1種或いは2種以上の材料を用いることができる。
さらに、中間転写ベルト30の低抗値を調節するために基層及び表面処理層中に導電剤を添加しても良い。例えば、カーボン;アルミニウムやニッケルの如き金属粉末;酸化チタンの如き金属酸化物;4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミン、含ホウ素高分子化合物及びポリピロールの如き導電性高分子化合物が挙げられる。これらからなる群より選ばれる1種或いは2種以上に導電剤を用いることができる。
また、中間転写ベルト30表面の滑り性を上げ、転写性を向上するために必要に応じて滑剤を添加しても良い。該滑剤としては、フッ素ゴム、フッ素エラストマー、黒鉛やグラファイトにフッ素を結合したフッ化炭素及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニルデン(PVDF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)の如きフッ素化合物;シリコーン樹脂、シリコーンゴム、シリコーンエラストマーの如きシリコーン系化合物;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂等が挙げられる。
次に、複数画像形成部にて各色のトナー画像をそれぞれ形成し、これを同一転写材に順次重ねて転写するようにしたタンデムタイプのフルカラー画像形成装置の概略構成図を図6をもとに説明する。
図6において、フルカラー画像形成装置は、感光体ドラム1a〜1d、クリーナー19a〜19d、画像形成部41a〜41d、潜像形成手段42a〜42d、転写用放電部43a〜43d、一次帯電部44a〜44d、除電器45、搬送ベルト46、現像装置7a〜7d、吸着帯電器48、分離除電放電部49a〜49、加熱加圧定着手段23を有している。加熱加圧定着手段23は、排出口50を有している。図6において、図2〜図4と同じ部材には同じ符号を付した。
図6の構成では、第1〜第4の画像形成部41a〜41dが並設されており、各画像形成部はそれぞれ専用の静電潜像担持体である感光体ドラム1a〜1dを具備している。感光体ドラム1a〜1dはその外周側に潜像形成手段42a〜42d、現像装置7a〜7d、転写用放電部43a〜43d、クリーナー19a〜19d、一次帯電部44a〜44dが配置されている。
このような構成にて、第1画像形成部41aの感光体ドラム1aに潜像形成手段42aによって、例えばイエロー成分色の静電潜像が形成される。静電潜像は現像装置7aのイエロートナー2より現像されてイエロートナー画像が形成され、転写用放電部43aにて転写材15にイエロートナー画像が転写される。
上記のようにイエロー画像が転写材15に転写されている間に、第2画像形成部41bではマゼンタ成分色の静電潜像が感光体ドラム1bに形成され、続いて現像装置7bのマゼンタトナーで現像されてマゼンタトナー画像が形成される。マゼンタトナー画像は、上記の第1画像形成部41aでの転写が終了した転写材15が転写用放電部42bに搬入された時に、該転写材15の所定位置に重ねて転写される。
以下、上記と同様な方法により第3、第4の画像形成部41c、41dにおいて、シアン色、ブラック色の画像形成が行なわれ、上記同一の転写材15に、シアントナー画像、ブラックトナー画像を重ねて転写する。画像形成プロセスが終了したならば、転写材15は加熱加圧定着装置23に搬送され、定着ニップ部を通過することにより転写材15上の多重トナー画像が加熱加圧定され、着する。これによって転写材15上には多色画像が得られるのである。転写が終了した各感光体ドラム1a〜1dはクリーナー19a〜19dにより残留トナーを除去され、引き続き行なわれる次の静電潜像形成のために供せられる。
上記フルカラー画像形成装置では、転写材15の搬送のために、搬送ベルト46が用いられており、図6において、転写材5は右側から左側へ搬送され、その搬送過程で、各画像形成部41a〜41dにおける各転写用放電部43a〜43dを通過し、転写を受ける。
上記フルカラー画像形成装置おいて、転写材15を搬送する搬送手段として加工の容易性及び耐久性の観点からテトロン繊維のメッシュを用いた搬送ベルト及びポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン系樹脂の如き薄い誘電体シートを用いた搬送ベルトが使用される。
転写材15が第4画像形成部41dを通過すると、直流電圧が除電器45に加えられ、転写材15は除電され、搬送ベルト46から分離され、その後、加熱加圧定着装置23に入り、転写材上の多重トナー画像は加熱加圧定着され、フルカラー画像を有する転写材が排出口50から排出される。
このようなフルカラー画像形成装置では、複数の画像形成部にそれぞれ独立した静電潜像担持体を具備しており、転写材はベルト式の搬送手段で、順次、各静電潜像担持体の転写部へ送られるように構成されているが、上記画像形成部に共通する静電潜像担持体を具備し、転写材がドラム式の搬送手段で、上記静電潜像担持体の転写部へ繰返し送られて、各色トナーの転写を受けるように構成してもよい。
図6の搬送ベルト方式では、体積抵抗が高いため、カラー画像形成装置におけるように、数回の転写を繰り返す過程で、搬送ベルトが帯電量を増加させて行く。このため、各転写の都度、転写電流を順次増加させないと、均一な転写を維持できないが、本発明のトナーは転写性が優れているので、転写を繰り返す毎に搬送ベルトの帯電が増しても、同じ転写電流で各転写におけるトナーの転写性を均一化でき、良質な高品位画像が得られることになる。
さらに図7に本発明の画像形成方法を実施する他のフルカラー画像形成装置の概略構成図を示し、以下に説明する。
図7において、フルカラー画像形成装置は、一次帯電部44、転写ドラム60、グリッパー61、転写帯電器62、分離帯電器63a、63b、分離ガイド64を有している。図7において、図2〜図6と同じ部材には同じ符号を付した。
図7の構成において、感光体ドラム1上に適当な手段で形成された静電潜像は、矢印の方向へ回転する現像ユニット24に取り付けられた現像装置7a〜7d中の第1の現像装置7aにおいて、トナーにより現像されてトナー画像が形成される。感光体ドラム1上のカラートナー画像は、グリッパー61によって転写ドラム60上に保持されている転写材15に、転写帯電器62により転写される。転写後に感光体ドラム1の表面上に残存する転写残トナーは、感光体ドラム1の表面に当接するクリーニングブレードを有するクリーナー19で回収され、感光体ドラム1はクリーニングされる。
転写帯電器62には、コロナ帯電器または接触帯電器が利用され、転写帯電器62にコロナ帯電器が使われる場合には、−10kV〜+10kVの電圧が印加され、転写電流は−500μA〜+500μAである。転写ドラム60の外周面には保持部材が張設され、この保持部材はポリフッ化ビニリデン樹脂フィルムやポリエチレンテレフタレートの如きフィルム状誘電体シートによって構成される。例えば、厚さ100μm〜200μm、体積抵抗1012〜1014Ω・cmのシートが用いられる。
次に2色目として現像ユニット24が回転し、現像装置7bが感光体ドラム1に対向する。そして現像装置7bにおいて第2のトナーにより現像され、このトナー画像も前記と同一の転写材15上に重ねて転写される。
さらに3色目、4色目も同様に行なわれる。このように転写ドラム60は転写材15を担持したまま所定回数だけ回転し、所定色数のトナー像が多重転写される。静電転写するための転写電流は、1色目<2色目<3色目<4色目の順に高めることが感光体ドラム1上に残る転写残留トナーを少なくするために好ましい。
多重転写された転写材15は、分離帯電器63a、63bにより転写ドラム60より分離され、加熱加圧ローラー定着装置23で定着され、定着時に加色混合されることにより、フルカラー画像となる。
図8に、本発明の画像形成方法を実施する他の装置例として、中間転写ドラム上に一次転写された4色のカラートナー画像を転写材に一括して二次転写する際の二次転写手段として、転写ベルトを用いた画像形成装置の概略構成図を示す。
図8に示す装置において、現像装置7a〜7dに、それぞれブラックトナー、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナーが導入され、感光体ドラム1に形成された静電潜像を現像し、各色トナー画像が逐次感光体ドラム1に形成される。感光体ドラム1は、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層71bを持ち、図示しない駆動装置によって矢印方向に回転される。感光層71aには、アモルファスシリコン感光層、または有機感光層を有する感光体が好ましく用いられる。
有機感光層としては、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する、単一層型でもよく、または、電荷輸送層を電荷発生層を成分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写性、クリーニング性が良く、クリーニング不良、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくい。
帯電工程では、コロナ帯電器を用いる感光体ドラム1とは非接触である方式と、帯電ローラーを用いる接触型の方式がありいずれのものも用いられるが、効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図8に示す如く接触方式のものが好ましく用いられる。
帯電ローラー10は、中心の芯金10bとその外周を形成した導電性弾性層10aとを基本構成とするものである。帯電ローラー10は、感光体ドラム1面に押圧力をもって圧接され、感光体ドラム1の回転に伴い従動回転する。
帯電ローラー10を用いた時の好ましいプロセス条件としては、図3の装置と同様である。
感光体ドラム1上のトナー画像は、電圧(例えば、±0.1〜±5kV)が印加されている中間転写ドラム25に転写される。転写後の感光体ドラム1表面は、クリーニングブレードを有するクリーナー19でクリーニングされる。
中間転写ドラム25は感光体ドラム1に対して並行に軸受けさせて感光体ドラム1の下面部に接触させて配設してあり、感光体ドラム1と同じ周速度で矢印の反時計方向に回転する。
感光体ドラム1の面に形成担持された第1色のトナー像が、感光体ドラム1と中間転写ドラム25とが接する転写ニップ部を通過する過程で中間転写ドラム25に対する印加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電界によって、中間転写ドラム25の外面に対して順次に中間転写されていく。
必要により、着脱自在なクリーニング手段72により、転写材15へのトナー像の転写後に、中間転写ドラム25の表面がクリーニングされる。中間転写ドラム25上にトナー像がある場合、トナー像を乱さないようにクリーニング手段72は、中間転写ドラム25表面から離される。
中間転写ドラム25に対して並行に軸受けさせて中間転写ドラム25の下面部に接触させて転写手段が配設される。転写手段は例えば転写ローラーまたは転写ベトであり、中間転写ドラム25と同じ周速度で矢印の時計方向に回転する。転写手段73は直接中間転写ドラム25と接触するように配設されていても良く、またベルト等が中間転写ドラム25と転写手段との間に接触するように配置されても良い。
転写手段が転写ローラーの場合、中心の芯金とその外周を形成した導電性弾性層とを基本構成とするものである。
中間転写ドラム及び転写ローラーとしては、一般的な材料を用いることが可能である。中間転写ドラム25の弾性層25bの体積固有抵抗値よりも転写ローラーの弾性層の体積固有低抗値をより小さく設定することで転写ローラーへの印加電圧が軽減でき、転写材15上に良好なトナー像を形成できると共に転写材15の中間転写ドラム25への巻き付きを防止することができる。特に中間転写ドラム25の弾性層25bの体積固有低抗値が転写ローラーの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以上であることが特に好ましい。
中間転写ドラム及び転写ローラーの硬度は、JIS K−6301に準拠し測定される。本発明に用いられる中間転写ドラム25は、10〜40度の範囲に属する弾性層25bから構成されることが好ましく、一方、転写ローラーの弾性層の硬度は、中間転写ドラム25の弾性層25bの硬度より硬く41〜80度の値を有するものが中間転写ドラム25ヘの転写材15の巻き付きを防止する上で好ましい。中間転写ドラム25と転写ローラーの硬度が逆になると、転写ローラー側に凹部が形成され、中間転写ドラム25ヘの転写材15の巻き付きが発生しやすい。
図8では中間転写ドラム25の下方には、転写ベルト73が配置されている。転写ベルト73は、中間転写ドラム25の軸に対して並行に配置されたバイアスローラ74とテンションローラ75に掛け渡されており、駆動手段(不図示)によって駆動される。転写ベルト73は、テンションローラ75側を中心にしてバイアスローラ74側が矢印方向に移動可能に構成されていることにより、中間転写ドラム25に対して下方から矢印方向に接離することができる。バイアスローラ74には、二次転写用のバイアス電源76によって所望の二次転写バイアスが印加されており、一方、テンションローラ75は接地されている。
次に、転写ベルト73としては、例えば、熱硬化性ウレタンエラストマーにカーボンを分散させ厚さ約300μm、体積抵抗率108〜1012Ω・cm(1kV印加時)に制御した上に、フッ素ゴム20μm、体積抵抗率1015Ω・cm(1kV印加時)に制御したゴムベルトが用いられる。その外径寸法は周長80×幅300mmのチューブ形状である。
上述の転写ベルト73は、前述のバイアスローラ74とテンションローラ75によって約5%延ばす張力印加がなされている。
転写ベルト73は中間転写ドラム25と等速度或は周速度に差をつけて回転させる。転写材15は中間転写ドラム25と転写ベルト73との間に搬送されると同時に、転写ベルト73にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイアスをバイアス電源76から印加することによって、中間転写ドラム25上のトナー像が転写材15の表面側に転写される。
転写用回転体の材質としては、帯電ローラーと同様のものも用いることができ、好ましい転写のプロセス条件としては、ローラーの当接圧が5〜500g/cmで、直流電圧が±0.2〜±10kVである。
例えば、バイアスローラ74の導電性弾性層74bはカーボンの如き導電剤を分散させたポリウレタン、エチレン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)の如き体積抵抗106〜1010Ωcmの弾性体で作られている。芯金74aには定電圧バイアス電源によりバイアスが印加されている。バイアス条件としては、±0.2〜±10kVが好ましい。
次いで転写材15は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵させた加熱部材18とこれと押圧力をもって圧接された弾性体の加圧部材17とを基本構成とする定着装置23へ搬送され、加熱部材18と加圧部材17間を通過することによって多重トナー画像が転写材15に加熱加圧定着される。
実施例1乃至5および比較例1乃至3
トナー製造例1(実施例1)
70℃に加温したイオン交換水900質量部にリン酸三カルシウム3質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて10,000rpmにて攪拌し、水系媒体を得た。
スチレン 80質量部
n−ブチルアクリレート 20質量部
ジビニルベンゼン 0.5質量部
飽和ポリエステル樹脂 4.5質量部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、
Tg=65℃、Mn=17000、Mw/Mn=2.4)
サリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
(ボントロンE−88、オリエント化学社製)
C.I.ピグメントブルー15:3 10質量部
上記材料をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合して重合性単量体組成物を調製した。重合性単量体組成物を70℃に加温し、そこにステアリン酸ステアリルを主体とするエステルワックス(DSC測定における最大吸熱ピーク67℃)9質量部を添加混合溶解し、これに重合開始剤2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(10時間半減期温度 67℃)3質量部を溶解して重合性単量体混合物を調製した。
水系媒体中に重合性単量体混合物を投入し、70℃,N2雰囲気下においてTK式ホモミキサーにて10,000rpmで7分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、重合開始剤の10時間半減期温度よりも3℃高い温度70℃で6時間反応させた。その後液温を80℃とし更に4時間撹拌を続けた。反応終了後、−5℃/minの冷却速度で懸濁液を室温(25℃)まで冷却した。
室温(25℃)まで冷却された懸濁液に塩酸を加えて燐酸カルシウム塩を溶解し、濾過し水洗を行い、湿潤しているシアントナー粒子を得た。
次に、上記シアントナー粒子を40℃にて12時間乾燥して重量平均粒径7.6μmのシアントナー粒子を得た。
このシアントナー粒子100質量部と、シリコーンオイルで処理したBET値が200m2/gであり、一次粒径が12nmの疎水性シリカ微粉体0.7質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合して、トナー1(シアントナー)を得た。トナー1(シアントナー)の物性を表1に示す。
トナー製造例2(実施例2)
スチレン 78質量部
n−ブチルアクリレート 22質量部
ジビニルベンゼン 0.5質量部
飽和ポリエステル樹脂 0.5質量部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、
Tg=65℃、Mn=17000、Mw/Mn=2.4)
サリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
(ボントロンE−88、オリエント化学社製)
C.I.ピグメントブルー15:3 10質量部
上記材料をアトライターにて分散し、エステルワックスの添加量を11質量部に変更すること以外にはトナー製造例1と同様の方法にてシアントナー粒子を得た。
得られたシアントナー粒子を用い、トナー製造例1と同様の方法でトナー2(シアントナー)を得た。トナー2(シアントナー)の物性を表1に示す。
トナー製造例3(実施例3)
68℃に加温したイオン交換水900質量部にリン酸三カルシウム3質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて10,000rpmにて攪拌し、水系媒体を得た。
スチレン 80質量部
n−ブチルアクリレート 20質量部
飽和ポリエステル樹脂 4.2質量部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、
Tg=65℃、Mn=17000、Mw/Mn=2.4)
サリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
(ボントロンE−88、オリエント化学社製)
C.I.ピグメントブルー15:3 12質量部
上記材料をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合した。この単量体組成物を68℃に加温し、そこにベヘン酸ベヘニルを主体としたエステルワックス(DSC測定における最大吸熱ピーク72℃)14質量部を添加混合溶解し、これに重合開始剤2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル3質量部を溶解して重合性単量体混合物を調製した。
前記水系媒体中に重合性単量体混合物を投入し、68℃,N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで7分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、重合開始剤の10時間半減期温度よりも1℃高い68℃で6時間反応させた。その後液温を80℃とし更に4時間撹拌を続けた。反応終了後、−5℃/minの冷却速度で懸濁液を室温(25℃)まで冷却した。
室温(25℃)まで冷却された懸濁液に塩酸を加えて燐酸カルシウム塩を溶解し、濾過・水洗を行い、湿潤しているシアントナー粒子を得た。
次に、湿潤しているシアントナー粒子を40℃にて12時間乾燥して重量平均粒径7.4μmのシアントナー粒子を得た。
得られたシアントナー粒子100質量部と、シリコーンオイルで処理したBET値が200m2/gであり、一次粒径が12nmの疎水性シリカ微粉体0.05質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合して、トナー3(シアントナー)を得た。トナー3の物性を表1に示す。
トナー製造例4(実施例4)
4−1.トナーバインダー(1)の合成
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724質量部、イソフタル酸276質量部およびジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧で230℃、8時間反応させた後、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させた。これを160℃まで冷却して、32質量部の無水フタル酸を加え2時間反応させた。さらに、これを80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート188質量部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマー(1)を得た。次にこのプレポリマー(1)267質量部とイソホロンジアミン14質量部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステル樹脂(1)を得た。
上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724質量部、テレフタル酸276質量部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステル樹脂(a)を得た。
ウレア変性ポリエステル樹脂(1)200質量部と変性されていないポリエステル樹脂
(a)800質量部を酢酸エチル/エチルメチルケトン(MEK)(1/1)混合溶剤2000質量部に溶解、混合し、トナーバインダー(4)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(1)を調製した。トナーバインダー(1)のTgは62℃であった。
4−2.トナー粒子の作製
ビーカー内に前記のトナーバインダー(1)の酢酸エチル/MEK溶液300質量部、ステアリン酸ステアリルを主体とするエステルワックス(DSC測定における最大吸熱ピーク72℃)9質量部、シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を6質量部入れ、TK式ホモミキサーで60℃、12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させた。ビーカー内にイオン交換水706質量部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を入れ均一に溶解した。ついで60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のコルベンに移し、98℃まで昇温して溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、重量平均粒径が6.4μmのシアントナー粒子を得た。
シアントナー粒子100質量部と、シリコーンオイルで処理したBET値が200m2/gであり、一次粒径が12nmの疎水性シリカ微粉体2.5質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合して、トナー4(シアントナー)を得た。トナー4の物性を表1に示す。
トナー製造例5(比較例1)
73℃に加温したイオン交換水900質量部にリン酸三カルシウム3質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて10,000rpmにて攪拌し、水系媒体を得た。
スチレン 80質量部
n−ブチルアクリレート 20質量部
ジビニルベンゼン 0.5質量部
エチレングリコールジアクリレート 2.1質量部
飽和ポリエステル樹脂 1.0質量部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、
Tg=62℃、Mn=17000、Mw/Mn=2.4)
サリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
(ボントロンE−88、オリエント化学社製)
C.I.ピグメントブルー15:3 10質量部
上記材料をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合して重合性単量体組成物を調製した。この重合性単量体組成物を73℃に加温し、そこにステアリン酸ステアリルを主体とするエステルワックス(DSC測定における最大吸熱ピーク72℃)0.7質量部を添加混合溶解し、これに重合開始剤2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル2質量部を溶解し重合性単量体混合物を調製した。
前記水系媒体中に重合性単量体混合物を投入し、73℃,N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで7分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、重合開始剤の10時間半減期温度よりも6℃高い73℃で6時間反応させた。その後液温を80℃とし更に4時間撹拌を続けた。反応終了後、−5℃/minの冷却速度で懸濁液を室温(25℃)まで冷却した。
室温(25℃)まで冷却された懸濁液に塩酸を加えて燐酸カルシウム塩を溶解し、濾過・水洗を行い、湿潤しているシアントナー粒子を得た。
次に、湿潤しているシアントナー粒子を40℃にて12時間乾燥して重量平均粒径7.0μmのシアントナー粒子を得た。
このシアントナー粒子100質量部と、BET値が150m2/gであり、一次平均粒径が30nmの酸化チタン微粉体0.7質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合して、トナー5(シアントナー)を得た。トナー5の物性を表1に示す。
トナー製造例6(比較例2)
70℃に加温したイオン交換水900質量部にリン酸三カルシウム3質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて10,000rpmにて攪拌し、水系媒体を得た。
スチレン 85質量部
n−ブチルアクリレート 15質量部
ジビニルベンゼン 0.5質量部
飽和ポリエステル樹脂 0.5質量部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、
Tg=62℃、Mn=17000、Mw/Mn=2.4)
サリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
(ボントロンE−88、オリエント化学社製)
C.I.ピグメントブルー15:3 10質量部
上記材料をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合して重合性単量体組成物を調製した。この重合性単量体組成物を70℃に加温し、そこにステアリン酸ステアリルを主体とするエステルワックス(DSC測定における最大吸熱ピーク72℃)18質量部を添加混合溶解し、これに重合開始剤2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル3質量部を溶解して重合性単量体混合物を調製した。
水系媒体中に上記重合性単量体混合物を投入し、70℃,N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで7分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、重合開始剤の10時間半減期温度よりも3℃高い70℃で6時間反応させた。その後液温を80℃とし更に4時間撹拌を続けた。反応終了後、−15℃/minの冷却速度で懸濁液を室温(25℃)まで冷却した。
室温(25℃)まで冷却された懸濁液に塩酸を加えて燐酸カルシウム塩を溶解し、濾過し水洗を行い、湿潤しているシアントナー粒子を得た。
次に、湿潤しているシアントナー粒子を40℃にて12時間乾燥して重量平均粒径7.4μmのシアントナー粒子を得た。
このシアントナー粒子100質量部と、BET値が150m2/gであり、一次粒径が30nmの酸化チタン微粉体0.1質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合して、トナー6(シアントナー)を得た。トナー6の物性を表1に示す。
トナー製造例7(比較例3)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物704質量部、イソフタル酸296質量部およびジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧で230℃、8時間反応させた後、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させた。これを160℃まで冷却して、30質量部の無水フタル酸を加え2時間反応させた。さらに、これを80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート188質量部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマー(2)を得た。次にこのプレポリマー(2)267質量部とイソホロンジアミン14質量部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量66000のウレア変性ポリエステル樹脂(2)を得た。ウレア変性ポリエステル樹脂(2)のTgは66℃であった。
ウレア変性ポリエステル樹脂(2)100質量部を酢酸エチル/メチルエチルケトン(MEK)(1/1)混合溶剤200質量部に溶解、混合した。
この溶解液に、ベヘン酸ベヘニルを主体とするエステルワックスウレア(DSC測定における最大吸熱ピーク72℃)19質量部、シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を6質量部入れ、TK式ホモミキサーで70℃、12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させた。ビーカー内にイオン交換水706質量部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を入れ均一に溶解した。ついで73℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のコルベンに移し、98℃まで昇温して溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、重量平均粒径が6.0μmのシアントナー粒子を得た。
このシアントナー粒子100質量部と、シリコーンオイルで処理したBET値が200m2/gであり、一次平均粒径が12nmの疎水性シリカ微粉体0.4質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合して、トナー7(シアントナー)を得た。トナー7の物性を表1に示す。
トナー製造例8(実施例5)
ステアリル酸ステアリルを主体とするエステルワックスに換えて、フィッシャートロプシュワックス(日本精鑞株式会社製FT−100: DSC測定における最大吸熱ピーク88℃)7質量部を添加混合溶解させること以外はトナー製造例1と同様の方法にてトナー粒子8およびトナー8(シアントナー)を得た。
トナー8の物性を表1に示す。
トナー製造例9(比較例4)
60℃に加温したイオン交換水900質量部にリン酸三カルシウム3質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて10,000rpmにて攪拌し、水系媒体を得た。
スチレン 80質量部
n−ブチルアクリレート 20質量部
ジビニルベンゼン 2質量部
飽和ポリエステル樹脂 5質量部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、
Tg=65℃、Mn=17000、Mw/Mn=2.4)
サリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
(ボントロンE−88、オリエント化学社製)
C.I.ピグメントブルー15:3 10質量部
ステアリン酸ステアリルを主体とするエステルワックス 9質量部
(DSC測定における最大吸熱ピーク67℃)
上記材料をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合して重合性単量体組成物を得た。重合性単量体組成物を60℃に加温し、加温した重合性単量体組成物に重合開始剤ラウロイルパーオキサイド(10時間半減期温度:62℃)4重量部を溶解して重合性単量体混合物を調製した。
水系媒体中に重合性単量体混合物を投入し、60℃,N2雰囲気下においてTK式ホモミキサーにて10,000rpmで7分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、重合開始剤の10時間半減期温度よりも2℃低い温度60℃で6時間反応させた。その後液温を80℃とし更に4時間撹拌を続けた。反応終了後、−1℃/minの冷却速度で懸濁液を室温(25℃)まで冷却した。
室温(25℃)まで冷却された懸濁液に塩酸を加えて燐酸カルシウム塩を溶解し、濾過し水洗を行い、湿潤しているシアントナー粒子を得た。
次に、湿潤しているシアントナー粒子を45℃にて12時間乾燥して重量平均粒径7.7μmのシアントナー粒子を得た。
シアントナー粒子100質量部と、シリコーンオイルで処理したBET値が200m2/gであり、一次粒径が12nmの疎水性シリカ微粉体0.7質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合して、トナー9(シアントナー)を得た。トナー9の物性を表1に示す。
Figure 0004273054
画像評価
得られたトナー1乃至トナー9を用い、以下の方法に従って画像評価を行った。
画像形成装置としては市販のカラーレーザプリンタLBP−2410(キヤノン製)の改造機を用い、温度10℃,湿度50%RHの環境で評価を行った。
評価機の改造点は以下のとおりである。
(1)ブラックカートリッジのみでしか行えない単色印字モードを、他色でも行えるよう にソフトウエアを改造した。
(2)定着スピードを任意の値に変更できるよう、ソフトウエアを改造した。
(3)定着ニップ幅を任意の値に変更できるよう、定着器を改造した。
画像形成速度(現像ローラー回転速度、現像ドラム回転速度等)は変更しなかった。
評価に用いるカートリッジはシアンカートリッジを用いた。市販のシアンカートリッジから入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、トナーを160g充填して評価を行った。マゼンタステーション、イエローステーション、ブラックステーションの各ステーションには入っているトナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタカートリッジ、イエローカートリッジ、およびブラックカートリッジを挿入して各シアントナーの評価を行った。
転写材としては、LETTERサイズのXEROX 4024用紙(XEROX社製、75g/m2および105g/m2)の2種を用いて行った。
上記2種の転写材それぞれにおいて、印字比率が4%となる図1に示すような印字画像を用い、連続して5000枚印字した。画像形成速度はいずれも普通紙モード時の速度とした。
定着スピードについてはいずれの転写材においても190mm/secとし、転写材上のトナー粒子がニップ部を通過するのに要する時間が1/24秒となるよう、ニップ幅を適宜調整した。
75g紙、105g紙それぞれにおける1枚目、1000枚目、5000枚目の画像を用い、以下の評価基準に基づき画像評価を行った。評価結果は表2に示す。
耐オフセット性
耐オフセット性の評価は105g紙評価画像を用いて行った。
図1に示す全ベタオビ部および文字部の画像が、定着フィルム周期で転写材上に認められるか否か(オフセットが発生しているかどうか)に基づき、評価を行った。
A:オフセットの発生は認められない。
B:全ベタオビ部のオフセットは認められない。S文字部については若干のオフセットが 認められるものの、実用には問題ないレベルである。
C:全ベタオビ部については若干のオフセットが認められるものの、実用には問題ないレ ベルである。S文字部については明らかなオフセットが認めらる。
D:全ベタオビ、S文字ともに明らかなオフセットが認められる。
画像光沢均一性
画像光沢均一性の評価は75g紙および105g紙の双方の評価画像を用いて行った。
図1に示すベタ画像部5点について、画像の光沢度をグロスメーターPG−3G(日本電色工業社製)を用い測定した。入射角は75度とした。
上記5点の測定値における最大値と最小値の差分を算出し、以下のように評価した。
A:差分が0.3未満である。
B:差分が0.3以上1.0未満である。
C:差分が1.0以上3.0未満である。
D:差分が3.0以上である。
保存性/耐久性
保存性および耐久性の評価は75g紙評価画像を用いて行った。
文字画像周辺部の非画像部(1mm×1mm角)10点を任意に抽出し、100倍率の光学顕微鏡を用いて画像を観察し、以下のように評価した。
A:トナー粒子付着無し
B:極少量の付着(トナー粒子換算で1個〜10個)が認められるが実用的に問題ない。
C:少量の付着(トナー粒子換算で10個〜30個)が認められる。
D:光学顕微鏡を用いずとも多量のトナーの付着が認められる。
画像摺擦性
図1に示すベタ画像部5点について、50g/cm2の荷重をかけたシルボン紙で5回摺擦し、摺擦後の画像濃度低下率の相加平均値を求め、以下の基準に基づき評価した。
画像濃度の測定については「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて行った。
A:濃度低下率が2%未満である
B:濃度低下率が2%以上、5%未満である。
C:濃度低下率が5%以上、10%未満である。
D:濃度低下率が10%以上である。
Figure 0004273054
さらに、各実施例及び各比較例において、評価環境を常温常湿環境下に変更しても上記と同様の評価結果が得られた。
実施例6
C.I.ピグメントブルー15:3にかえて、カーボンブラック(表面積60m2/g)を7質量部、C.I.ピグメントレッド122を11質量部、およびC.I.ピグメントイエロー174を10質量部用いること以外には、トナー製造例1と同様の方法にてブラックトナー(1)、マゼンタトナー(1)、およびイエロートナー(1)を得た。これら3種のトナー物性値を表3に示す。
画像形成装置としては市販のカラーレーザプリンタLBP−2410(キヤノン製)の改造機を用い、温度10℃,湿度50%RHで評価を行った。
評価機の改造点は以下のとおりである。
(1)定着スピードを任意の値に変更できるよう、ソフトウエアを改造した。
(2)定着ニップ幅を任意の値に変更できるよう、定着器を改造した。
画像形成速度(現像ローラー回転速度、現像ドラム回転速度等)は変更しなかったである。
評価に用いるカートリッジはLBP−2410用カートリッジを用いた。市販のシアンカートリッジからトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、トナー(1)を160g充填した。以下同様に、マゼンタカートリッジ、イエローカートリッジ、ブラックカートリッジについてもそれぞれマゼンタトナー(1)、イエロートナー(1)、およびブラックトナー(1)を各々160g充填した。
転写材としては、LETTERサイズのXEROX 4024用紙(XEROX社製、75g/m2および105g/m2)の2種を用いて行った。
上記2種の転写材それぞれにおいて、社団法人電子情報技術産業協会が制定した「プリンター用標準テストパターン 第4版」(JEIDA−46−1999)のJ6画像を用い、連続して5000枚印字した。画像形成速度はいずれも普通紙モード時の速度とした。
定着スピードについてはいずれの転写材においても90mm/secとし、転写材上のトナー粒子がニップ部を通過するのに要する時間が1/8秒となるよう、ニップ幅を適宜調整した。
75g紙、105g紙それぞれにおける1枚目、1000枚目、5000枚目の画像を用い、先に示した評価項目について画像評価を行ったところ、いずれの項目についても良好な結果を得た。
比較例5
C.I.ピグメントブルー15:3にかえて、カーボンブラック(表面積60m2/g)を7質量部、C.I.ピグメントレッド122を11質量部、およびC.I.ピグメントイエロー174を10質量部用いること以外には、トナー製造例9と同様の方法にてブラックトナー(2)、マゼンタトナー(2)、およびイエロートナー(2)を得た。これら3種のトナー物性値を表3に示す。
トナー(1)にかえてトナー(9)、ブラックトナー(1)にかえてブラックトナー(2)マゼンタトナー(1)にかえてマゼンタトナー(2)、イエロートナー(1)にかえてイエロートナー(2)を用いること以外には、実施例6と同様の方法にてトナーの評価を行った。
転写材として75g紙を用いた場合には、1枚目、1000枚目、5000枚目のいずれの画像においても良好な結果が得られたが、転写材として105g紙を用いた場合には、混色性が劣り、定着画像の1000枚目および5000枚目において2次色および3次色部位(異なる色のトナーが重畳して画像を形成している部位)の定着が不十分であり、指で摺擦することによって定着画像の一部が剥れ落ちた。
Figure 0004273054
実施例7
定着スピードについてはいずれの転写材においても200mm/secとし、転写材上のトナー粒子がニップ部を通過するのに要する時間が1/24秒となるよう、ニップ幅を適宜調整すること以外には実施例6と同様にして画像評価を行った。
その結果、いずれの項目についても良好な結果を得た。
さらに、実施例6,7及び比較例5において、評価環境を常温常湿環境下に変更しても上記と同様の評価結果が得られた。
本発明の評価に用いた評価用画像の模式図を示す。 本発明の画像形成方法におけるトナー層規制部材の概略的説明図を示す。 本発明の画像形成方法を実施する装置の一例の概略的構成図を示す。 本発明の画像形成方法を実施する装置の他の例の概略的構成図を示す。 本発明の画像形成方法を実施する装置の他の例の概略的構成図を示す。 本発明の画像形成方法を実施する装置の他の例の概略的構成図を示す。 本発明の画像形成方法を実施する装置の他の例の概略的構成図を示す。 本発明の画像形成方法を実施する装置の他の例の概略的構成図を示す。
符号の説明
1、1a〜1d 感光体ドラム
2 現像スリーブ
3 弾性規制ブレード
4 トナー
5 トナー容器
6 押え板金
7、7a〜7d 現像装置
9 塗布ローラ
10 帯電ローラ
10a 導電性弾性層
10b 芯金
11〜13 バイアス電源
14 露光
15 転写材
16 転写部材
17 加圧部材
18 加熱部材
19、19a〜19d クリーナー
21 光源装置
22 レーザー光
23 定着装置
24、51 現像ユニット
25 中間転写ドラム
25a 導電性支持体
25b 弾性層
26 バイアス電源
27 転写材トレイ
28 二次転写装置
30 中間転写ベルト
31 ローラ
32 一次転写ローラ
33a 二次転写対向ローラ
33b 二次転写ローラ
34〜36 バイアス電源
39 クリーニング用帯電部材
41a〜41d 画像形成部
42a〜42d 潜像形成手段
43a〜43d 転写用放電部
44、44a〜44d 一次帯電部
45 除電器
46 搬送ベルト
48 吸着帯電器
49a〜49d 分離除電放電部 50 排出口
60 転写ドラム
61 グリッパー
62 転写帯電器
63a、63b 分離帯電器
64 分離ガイド
71a 感光層
71b 光導電絶縁物質層
72 クリーニング手段
73 転写ベルト
74 バイアスローラ
74a 芯金
74b 導電性弾性層
75 テンションローラ
76 バイアス電源

Claims (14)

  1. 結着樹脂と着色剤を少なくとも含有するトナー粒子及び無機微粒子を少なくとも有するトナーであって、
    該トナーは、形状係数SF−1が100以上130未満であり、
    該トナーは、140℃における貯蔵弾性率G’(140℃)が2.0×103dN/m2以上2.0×104dN/m2未満であり、
    該トナーは、フローテスター昇温法によるトナーの粘度が1.0×103Pa・sとなるときの温度が115℃以上130℃未満であるトナー。
  2. 該トナーは、貯蔵弾性率G’(140℃)が2.0×103dN/m2以上1.0×104dN/m2未満であり、フローテスター昇温法によるトナーの粘度が1.0×103Pa・sとなるときの温度が115℃以上125℃未満であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該トナーは、メタノール/水混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのメタノール濃度が30〜60体積%の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 該トナーは、形状係数SF−1が100以上125未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 該結着樹脂は、主成分がスチレン−アクリル共重合体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 該トナーが、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択されるトナーであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 該トナー粒子中に、さらに離型剤が含有されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー。
  8. 該トナー粒子が、水系媒体中での造粒工程を経由して生成されたトナー粒子である請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
  9. 該トナー粒子が、懸濁重合法により生成されたトナー粒子であることを特徴とする請求項8に記載のトナー。
  10. 該トナー粒子が、乳化凝集法により生成されたトナー粒子であることを特徴とする請求項8に記載のトナー。
  11. 外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程;
    帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成工程;
    トナー担持体の表面に担持されているトナーで形成されているトナー層が静電潜像担持体の表面に接触することにより、静電潜像をトナーで現像してトナー画像を静電潜像担持体上に形成する現像工程;
    該トナー画像を中間転写体を介して、あるいは介さずに転写材に転写する転写工程;及び
    転写材上のトナー画像を定着する定着工程;
    を少なくとも有する画像形成方法であって、
    該定着工程において、転写材上のトナーが定着ニップ部を通過するのに要する時間が1/24秒乃至1/8秒であり、
    該トナーは、結着樹脂と着色剤を少なくとも含有するトナー粒子及び無機微粒子を少なくとも有し、
    該トナーは、形状係数SF−1が100以上130未満であり、
    該トナーは、140℃における貯蔵弾性率G’(140℃)が2.0×103dN/m2以上2.0×104dN/m2未満であり、
    該トナーは、フローテスター昇温法によるトナーの粘度が1.0×103Pa・sとなるときの温度が115℃以上130℃未満であることを特徴とする画像形成方法。
  12. 該トナーが、請求項2乃至10のいずれかに記載されたトナーであることを特徴とする請求項11に記載の画像形成方法。
  13. (1)外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う第1の帯電工程;
    帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する第1の潜像形成工程;
    トナー担持体の表面に担持されている第1のトナーで形成されているトナー層が静電潜像担持体の表面に接触することにより、静電潜像をトナーで現像してトナー画像を静電潜像担持体上に形成する第1の現像工程;及び
    トナー画像を中間転写体を介して、あるいは介さずに転写材に転写する第1の転写工程を有し、
    該第1のトナーは、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択されるトナーであって、
    (2)外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う第2の帯電工程;
    帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する第2の潜像形成工程;
    トナー担持体の表面に担持されている第2のトナーで形成されているトナー層が静電潜像担持体の表面に接触することにより、静電潜像をトナーで現像してトナー画像を静電潜像担持体上に形成する第2の現像工程;及び
    トナー画像を中間転写体を介して、あるいは介さずに転写材に転写する第2の転写工程を有し、
    該第2のトナーは、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択され、第1のトナーとは異なるトナーであり、
    (3)外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う第3の帯電工程;
    帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する第3の潜像形成工程;
    トナー担持体の表面に担持されている第3のトナーで形成されているトナー層が静電潜像担持体の表面に接触することにより、静電潜像をトナーで現像してトナー画像を静電潜像担持体上に形成する第3の現像工程;及び
    トナー画像を中間転写体を介して、あるいは介さずに転写材に転写する第3の転写工程を有し、
    該第3のトナーは、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択され、第1及び第2のトナーとは異なるトナーであり、
    (4)外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う第4の帯電工程;
    帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する第4の潜像形成工程;
    トナー担持体の表面に担持されている第4のトナーで形成されているトナー層が静電潜像担持体の表面に接触することにより、静電潜像をトナーで現像してトナー画像を静電潜像担持体上に形成する第4の現像工程;及び
    トナー画像を中間転写体を介して、あるいは介さずに転写材に転写する第4の転写工程を有し、
    トナーは、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーからなるグループから選択され、第1乃至第3のトナーとは異なるトナーであり、
    (5)転写材上のシアントナー画像、マゼンタトナー画像、イエロートナー画像及びブラックトナー画像を加熱加圧定着してフルカラー画像を形成する定着工程;
    を有するフルカラー画像形成方法であって、
    該定着工程において、転写材上のトナーが定着ニップ部を通過するのに要する時間が1/24秒乃至1/8秒であり、
    該シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーは、結着樹脂と着色剤を少なくとも含有するトナー粒子及び無機微粒子を少なくとも有し、
    該シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーは、形状係数SF−1が100以上130未満であり、
    該シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーは、140℃における貯蔵弾性率G’(140℃)が2.0×103dN/m2以上2.0×104dN/m2未満であり、
    該シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーは、フローテスター昇温法によるトナーの粘度が1.0×103Pa・sとなるときの温度が115℃以上130℃未満であることを特徴とするフルカラー画像形成方法。
  14. 該シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーは、貯蔵弾性率G’(140℃)が2.0×103dN/m2以上1.0×104dN/m2未満であり、フローテスター昇温法によるトナーの粘度が1.0×103Pa・sとなるときの温度が115℃以上125℃未満であり、メタノール/水混合溶媒に対するトナーの濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのメタノール濃度が30〜60体積%の範囲内であることを特徴とする請求項13に記載のフルカラー画像形成方法。
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