JP4773942B2 - トナー及び画像形成方法 - Google Patents

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本発明は、電子写真及び静電印刷の如き画像形成方法において、静電荷像を現像するためのトナー、またはトナージェット方式に使用される非磁性一成分トナーに関する。
レーザープリンター、乾式静電複写機等の画像形成装置に用いられる電子写真法としては、光導電性絶縁層を一様に帯電させ(帯電工程)、次いでその層を露光せしめ、その露光された部分の電荷を消散させることにより電気的な潜像を形成し(露光工程)、更に該潜像にトナーと呼ばれる着色された電荷をもった微粉末を付着させることによって可視化させ(現像工程)、得られた可視像を転写紙等の転写材に転写させた(転写工程)後、加熱、加圧あるいはその他適当な定着法により永久定着させる(定着工程)工程からなる。
これらのうち、定着工程には、熱ローラー定着等の接触加熱定着方式やオーブン定着等の非接触加熱方式などが用いられている。接触方式は熱効率がよいことが特徴で、非接触方式に比べて、定着に必要な温度を下げることができ、省エネルギー化や複写機の小型化に有効である。しかしながら、この接触式加熱定着法においては、定着時に溶融したトナーの一部が熱ローラーに移り、後続の転写紙等に転写されるオフセット現象という問題が生じやすい。この現象を防止するため、従来、熱ローラーの表面をフッ素系樹脂等の離型性の優れた材料で加工したり、熱ローラーの表面にシリコーンオイル等の離型剤を塗布したりしている。しかし、シリコーンオイル等を用いる方法は、定着装置が大きく複雑になるので、コスト高となったりトラブルの原因となることが考えられ好ましくない。
上記のように最近の小型化、軽量化、省エネルギー、及び高信頼性といった要求を考慮すると、定着性、及び耐オフセット性といったトナーの性能のさらなる向上がなければ対応しきれず、それはトナーのさらなる改良がなければ実現することが困難である。
従来、トナーにはスチレンアクリル共重合体に代表されるビニル系樹脂やポリエステル系樹脂が用いられている。ビニル系樹脂の場合、耐オフセット性を向上させようとすると樹脂の軟化点や架橋密度を上げざるを得なくなり、低温定着性、高光沢性(高グロス性)が犠牲となる。逆に低温定着性を重視すると耐オフセット性、保存性(耐ブロッキング性)及び耐ストレス性に支障をきたす。またポリエステル系樹脂は、本質的に定着性がよく、非接触定着方式においても充分に定着されるが、オフセット現象が発生し易いため熱ローラー定着方式には使用が困難であった。そこで、パラフィンワックス、低分子量ポリオレフィン等をオフセット防止剤として、トナーの製造時に添加する方法が知られているが、添加量が少ないと効果がなく、多すぎると現像剤の劣化が早い等の問題があった。
離型剤をトナー中に添加する方法として、当該トナーのバインダー樹脂と離型剤とを溶融混練する方法が知られている。然るに、このようにして得られる混練物を粉砕してトナーを製造する際に離型剤の一部が遊離し、遊離した離型剤(以下、「遊離離型剤」という。)がトナー中に混入されてしまう。そして、この離型剤粒子を粉砕トナーから分離除去することはきわめて困難である。遊離離型剤が粉砕トナー中に存在すると下記のような問題が発生する。
・ 当該遊離離型剤が現像ローラーの表面に付着し、現像剤の引き出し搬送不良を招き、画像形成を連続して行う際に画像濃度が低下する。
・当該遊離離型剤が感光体の表面に付着し、これを核とするトナーのフィルミング現象が発生し、画像汚れを発生させる。また、トナー表面に多量の離型剤が存在する場合には、当該トナーの流動性が損なわれて凝集しやすくなり、現像性および転写性の低下の原因となる。
これらトナーにおいて、離型剤を有しつつ定着性を向上させることを目的に、バインダ
ー樹脂のTHF可溶分のGPCによる分子量分布、及び、バインダー樹脂及びトナーのガラス転移点を規定したトナーが開示されている。(例えば、特許文献1参照)
また、特定の分子量分布及び重量平均分子量を規定したトナーが開示されている。(例えば、特許文献2参照)
一方、このような遊離離型剤の問題の少ないトナーとして、離型剤を内包化することができる、いわゆる“コアシェル構造”を有する懸濁重合などの重合法によるトナーが知られている。
この重合法によるトナーにおいて、耐オフセット性を向上することを目的に、特定の分子量領域にピークまたはショルダーを有する低分子量樹脂と特定の分子量領域にピークまたはショルダーを有する高分子量樹脂とを含有し、かつ、ポリオレフィン系のワックスを有するトナーが開示されている。(例えば、特許文献3参照)
しかしながら、いずれの上記特許文献に記載されたトナーにおいては、耐オフセット性は向上するものの、耐ブロッキング性、耐ストレス性を有しつつ更なる低温定着性及び高グロス化を達成したトナーが要望されている。
一方、近年の技術の方向として、より高解像度で高精細の現像方式が要求されてきており、こういった要求に応えるために、トナーの粒径を小さくする方向に進んでいるが、このようにトナーの粒径を小さくするほど、トナーを安定的に摩擦帯電させることが重要な技術となる。即ち、細かい個々のトナー粒子に均一な帯電量を持たせないと、前述したような画像安定性の低下がより顕著に現れやすい。これは、単純にトナーの粒径を小さくすると、流動性の悪化が伴うため、個々のトナー粒子の帯電量が不均一となりやすく、さらには、現像器内でのトナー攪拌等にともなうトナーへのストレスが大きくなり、トナーが劣化しやすくなる。その結果、カブリや転写性が悪化する。これらの問題は、キャリアを介してトナーを帯電させるニ成分現像方式に比べて、一成分現像方式の方が顕著である。
これら小粒径化にともなう流動性、耐ストレス性を改善することを目的に、高温放置したトナーの凝集度あるいは加圧したトナーの凝集度を規定しているトナー(例えば、特許文献4、5参照)、疎水性無機化合物を外添し、加圧凝集度を規定しているトナーが提案されている。(例えば、特許文献6参照)
これらの方法は、いずれも加圧した一トナーあるいは加熱したトナーの流動性を規定したものである。しかし実際の画像形成装置内は、機内昇温により高温であり、“かつ”現像器内のトナー攪拌機構等に伴うストレスにさらされている状況であり、実際にトナーが暴露している状況・環境を反映したものとは異なる。そのため、加熱あるいは加圧したトナーの流動性を検討しただけでは、上記弊害に対する対策としては不十分である。またこれら小粒径化に伴うトナーの弊害の改善に対する対策では、前述した低温定着性及び耐オフセット性と両立させることは特に難しく、高速の画像形成方法を用いた場合、あるいは画像面積比率の低い印字画像を連続して出力した場合に、低温低湿下、高温高湿環境下において特に画像安定性の低下が顕著となる。
特許第2630972号公報 特開平10−333359号公報 特開2002−6553号公報 特許第3002063号公報 特開平6―138693号公報 特開平10―171151号公報
本発明の目的は、上記課題を解決したトナーを提供することにある。
より詳しくは、低温定着性及び耐オフセット性に優れ、定着温度範囲が広く、定着時に高いグロスの定着画像が得られるトナーを提供することにある。さらには保存性、耐ストレス性に優れ、高速の画像形成方法を用いた場合、画像面積比率の低い印字画像を連続し
て出力した場合でも、低温低湿下、高温高湿環境下において長期にわたり安定した高画質なトナー画像を形成し得るトナーを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、結着樹脂、ワックス及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉体とを含有する非磁性一成分トナーにおいて、該トナーが、下記条件1)〜3)を満足することを特徴とする非磁性一成分トナーに関する。
1)トナーの加熱加圧凝集度Gが、2%≦G≦17%である。
2)トナーのフローテスター昇温法による100℃の粘度が、10,000Pa・s以上45,000Pa・s以下である。
3)ワックスの含有量がトナーの全量に対して1.0質量%以上22.0質量%以下である。
本発明によれば、低温定着性及び耐オフセット性に優れ、定着温度範囲が広く、定着時に高いグロスの定着画像が得られる。さらには保存性、耐ストレス性に優れ、高速の画像形成方法を用いた場合、画像面積比率の低い印字画像を連続して出力した場合でも、低温低湿下、高温高湿環境下において長期にわたり安定した高画質なトナー画像を形成し得るトナーを得ることができる。
本発明者らは、“低温定着性・耐オフセット性・高いグロス”と“保存性(耐ブロッキング性)・耐ストレス性”を両立するべくトナーへのワックスの添加量、トナーの粘度と流動性について鋭意検討を重ねた結果、前述の課題を解決するトナーを得られる事を見出し、本発明を完成するに至った。
以下本発明の詳細を説明する。
本発明のトナーは、結着樹脂、ワックス及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉体を含有する非磁性一成分トナーにおいて、該トナーが、下記条件1)〜3)を満足することを特徴とする非磁性一成分トナーである。
1)トナーの加熱加圧凝集度Gが、2%≦G≦17%である。
2)トナーのフローテスター昇温法による100℃の粘度が、10,000Pa・s以上45,000Pa・s以下である。
3)ワックスの含有量がトナーの全量に対して1.0質量%以上22.0質量%以下である。
上記加熱加圧凝集度とは、メッシュの異なる3種のふるいを用いて各ふるい上の残留量から求められる値であり、本明細書においては、後述する加熱加圧凝集度の測定法により算出される値を指す。本明細書における加熱加圧凝集度は、温度/湿度が40℃/50%(30℃/80%と絶対水分量は同じ)にて24時間恒温放置した後に、200kPaで圧縮負荷したときのトナーの凝集度である。
本発明において、現像器内での温度及びトナー攪拌におけるトナーが受けるストレスについて鋭意検討した。その結果、30℃/80%の環境下に置かれた画像形成装置内の現像器に収容されたトナーが受ける温度とストレスは、トナーを40℃/50%にて24時間恒温放置した後に、200kPaで圧縮負荷した条件に相関すること。及び、40℃/50%にて24時間恒温放置した後に、200kPaで圧縮負荷した条件で測定されるトナーの加熱加圧凝集度Gを、2.0%≦G≦17.0%、好ましくは3.0%≦G≦15.0%、に規定することが、“低温定着性・耐オフセット性・高いグロス”と“保存性(耐ブロッキング性)・耐ストレス性”を両立させるために有効であることを見出した。
また、後述する2)及び3)を満たすトナーにおいて、加熱加圧凝集度が2.0%より
小さい場合、保存性、耐ストレス性の観点からは好ましいが、流動性が非常に高いため、転写時の飛び散りや、現像器からの飛散が悪くなりやすい。一方、上記加熱加圧凝集度が17.0%より大きい場合、個々のトナーの帯電量が不均一となりやすく、さらには、現像器内でのトナー攪拌等にともなうトナーへのストレスが大きくなり、トナーが劣化しやすくなる。また、トナーを高温高湿下に長期保存した場合、ブロッキングする場合がある。さらに、流動性が悪いため、現像ローラーにトナーが均一に付着しにくくなるため、画像濃度ムラ(画像均一性)が悪化する場合がある。その結果、カブリや転写性が悪化しやすい。特に、低温低湿下、高温高湿環境下で、高速の画像形成方法を用いた場合、あるいは画像面積比率の低い印字画像を連続して出力した場合は、安定した画質を維持する事が困難な状況になりやすい。
本発明において、加熱加圧凝集度(G)は、下記測定機器を用い、下記測定条件で測定した。
<加熱加圧凝集度の測定条件>
トナー約1gを秤量し、温度40℃/湿度50%に24時間放置し、その後温度23℃/湿度60%に24時間放置する。次に直径25mmの平板成型器に平らになるようトナーを入れる。これに平板の蓋を合わせて200kPaの荷重を1分間かけた後、荷重を取り去り、薬包紙にトナーをできるだけ崩れないよう移す。この成形されたトナーを、パウダテスター(ホソカワミクロン社製)を用いて、振幅0.5mmで1分間振動させ、各メッシュ上に残存したトナーの質量を測定する。加熱加圧凝集度は下記式(1)により求める。測定に用いたメッシュは上から目開き75μm、53μm、38μmである。
式(1)
加熱加圧凝集度(%)=(75μm篩上の残存したトナーの質量÷最初にメッシュ上に投入したトナーの質量(約1g))×100×0.20+(53μm篩上の残存したトナーの質量÷最初にメッシュ上に投入したトナーの質量(約1g))×100×0.12+(38μm篩上の残存したトナーの質量÷最初にメッシュ上に投入したトナーの質量(約1g))×100×0.4
上記トナーの加熱加圧凝集度は、トナーの後述する粒径、平均円形度、分子量分布、低分子量ポリマーの種類・含有量、ワックスの種類、含有量、無機微粉体種類、含有量、製造方法や製造条件等を調整する事で、上記範囲を満たす事が可能である。
また、ワックスの含有量及び先述した加熱加圧凝集度とあわせて、保存性、耐ストレス性に問題がなく、定着温度範囲が広く、低温定着性及び耐オフセット性に優れ、高いグロスを有するトナーの粘度について鋭意検討を行なった。その結果、トナーのフローテスター昇温法による100℃の粘度が、10,000Pa・s以上45,000Pa・s以下とすることが必要であることを見出した(好ましくは、20,000Pa・s以上42,000Pa・s以下であり、さらに好ましくは、25,000Pa・s以上40,000Pa・s以下である)。上記粘度が上記範囲を満たせば、定着温度範囲が広く、低温定着性及び耐オフセット性に優れ、高いグロス画像が得られる。
すなわち、上記粘度が、45,000Pa・sより高い場合、定着時のトナー粘度が高く所望の低温定着性を得ることが難しい。さらには、定着画像において、高いグロス画像を得ることが難しい。一方、上記粘度が、10,000Pa・sより小さい場合、トナーの保存性(耐ブロッキング性)が悪化する傾向にある。さらには、例え先述した加熱加圧凝集度が上記範囲を満たしていても、現像器内でのトナー攪拌等にともなうトナーへのストレスによる影響により、トナーが劣化しやすくなる。その結果、カブリや転写性が悪化しやすい。
上記トナーの粘度は、トナーの後述する分子量分布、低分子量ポリマーの種類・含有量、ワックスの種類、含有量、製造方法や製造条件等を調整する事で、上記範囲を満たす事が可能である。
本発明において、トナーのフローテスター昇温法による100℃の粘度(以下、100℃粘度ともいう)は以下装置を用い、以下の条件で測定した。
<フローテスター昇温法によるトナーの100℃の粘度の測定法>
フローテスター昇温法によるトナーの100℃の粘度は、フローテスターCFT−500D(株式会社島津製作所製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い、下記の条件で測定を行った。
・サンプル:トナーを1.0g秤量し、これを直径1cmの加圧成型器により荷重20kNで1分間加圧することで成型してサンプルとする。
・ダイ穴径:1.0mm
・ダイ長さ:1.0mm
・シリンダ圧力:9.807×105(Pa)
・測定モード:昇温法
・昇温速度:4.0℃/min
上記の方法により、50℃〜200℃におけるトナーの粘度(Pa・s)を測定し、100℃の粘度(Pa・s)を求めた。
さらに、加熱加圧凝集度及びトナーのフローテスター昇温法による100℃の粘度と併せて、低温定着性及び耐オフセット性を維持しつつ、耐ストレス性、耐ブロッキング性を有するトナー中の最適なワックスの含有量について鋭意検討を行なった。その結果、本発明のトナーにおいて、ワックスの含有量はトナーの全量に対して1.0質量%以上22.0質量%以下であることが必要であると判明した(好ましくは2.0質量%以上17.0質量%以下であり、さらに好ましくは5.0質量%以上16.0質量%以下である)。上記ワックスの含有量が、1.0質量%より少ない場合は、定着時の離型性が十分に発揮できず、定着体が低温になった場合に、転写紙の巻きつきが起こりやすくなる。一方、上記ワックスの含有量が、22.0質量%より多い場合は、例えワックスを内包化できる重合トナーであっても、ワックスの一部が遊離し、遊離ワックスが現像ローラーの表面に付着し、現像剤の引き出し搬送不良を招き、画像形成を連続して行う際に画像濃度が低下しやすい。あるいは遊離ワックスが感光体の表面に付着し、これを核とするトナーのフィルミング現象が発生し、画像汚れを発生させやすい。また、トナー表面に多量のワックスが存在する場合には、当該トナーの流動性が損なわれて凝集しやすくなり、現像性および転写性の低下の原因となりやすい。
上記ワックスは、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時のDSC曲線において、最大吸熱ピークが温度60℃以上120℃以下の範囲内にあることが好ましい(より好ましくは62℃以上110℃以下、更に好ましくは65℃以上90℃以下)。最大吸熱ピークの温度が60℃未満の場合は、トナーの保存性及びカブリ等の現像性を悪化させる傾向にある。逆に最大吸熱ピークの温度が120℃を超える場合は、トナーに与える可塑効果が少なく低温定着性が劣らせる傾向にある。
<ワックス成分の示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時のDSC吸熱曲線における最大吸熱ピーク温度の測定法>
ワックス成分のDSC装置で測定される昇温時のDSC吸熱曲線における最大吸熱ピーク温度の測定は、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7又はTAインスツルメンツジャパン社製のDSC−2920が利用できる。本発明においては、TAインスツルメンツジャパン社製DSC−2920を用い、該装置の操作マニュアルに従い実施した。具体的には、測定サンプルにはアルミニウム製のパンを用い、対照用に空パンをセットし、20℃から振幅±1.5℃、周期1/minのモジュレーションをかけながら昇温速度2℃/minで180℃まで昇温し、得られた昇温時のDSC曲線(リバーシングヒートフロー曲線)からワックス成分の最大吸熱ピーク温度を得た。上記リバーシングヒートフロー曲線の一例を図1に示した。なお、リバーシングヒートフロー曲線を示す図1において、縦
軸はRev Heat Flow(W/g)、横軸はTemperature(℃)を示す。
本発明のトナーに用いられるワックスとしては、以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムの如き石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体(誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物が挙げられる)、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、シリコ−ンワックス。これらワックスは単独で又は2種以上を併せて用いることが可能である。
本発明のトナーにおいて、トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布において、メインピークの分子量(M1)が、10,000以上80,000以下であり、上記分子量分布のチャートにおいて該メインピークの分子量(M1)の高さをH(M1)とし、分子量4,000の高さをH(4000)としたとき、H(4000)をH(M1)で除したH(4000)/H(M1)が0.100以上0.950以下であることが、定着性の観点より好ましい。
上記メインピークの分子量(M1)が10,000以上80000以下である場合、トナーがトナー中に存在するワックス、又は分子量10,000未満の低分子量ポリマー若しくは低分子量共重合体に比べ温度変化による粘度変化が少ないため広い定着可能温度領域を得ることができる。
また、本発明のトナーは、上記メインピークの分子量(M1)を10,000以上80,000以下に規定したこと、及び上記H(4000)/H(M1)を上記範囲に規定したことにより低温定着性に優れる。本発明のトナーは分子量10,000以上80,000以下の領域にある成分をバランスよく配合することで、ワックスや分子量10,000未満の低分子量ポリマー又は低分子量共重合体の軟化や浸みだし防止により効果的に作用する。それにより、低温定着性、耐久性、定着可能温度域拡大、高いグロスに優れた効果を発揮する。
上記H(4000)/H(M1)が0.100未満である場合は、低温定着性が悪くなりやすく好ましくない。さらには、グロスの向上に有効である低分子量成分の量が少ないことを意味し、グロスが低下しやすい。一方、上記H(4000)/H(M1)が0.950を超える場合には、耐オフセット性、保存性が悪化しやすく好ましくない。
(M1)及びH(4000)/H(M1)が上記範囲を満たすトナーは、トナーの後述する分子量分布、低分子量ポリマーの種類・含有量、ワックスの種類・含有量、製造方法や製造条件等を調整する事で、上記範囲を満たす事が可能である。
<トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量分布及び分子量の測定法>
本発明のトナーのTHF可溶分の分子量分布及び分子量は、GPC測定装置(HLC−8120GPC 東ソー(株)社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い、下記の測定条件で測定した。
<測定条件>
・カラム(昭和電工株式会社製):Shodex GPC KF−801,Shodex GPC KF−802,Shodex GPC KF−803,Shodex GPC KF−804,Shodex GPC KF−805,Shodex GPC KF
−806,Shodex GPC KF−807(直径8.0mm、長さ30cm)の7連
・温度:40℃
・流速:0.6ml/min
・検出器:RI
・サンプル濃度:0.1質量%の試料を10μl
サンプル調製は、測定対象のトナー試料をテトラヒドロフラン(THF)中に入れ、6時間放置した後、充分に振とうし(試料の合一体がなくなるまで)、更に1日以上静置して行った。そして、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45μm)を通過させたものをGPC測定用試料とした。検量線は、単分散ポリスチレン標準試料、例えば東ソー社製或いは昭和電工社製の分子量が10〜10程度のものを、少なくとも10点程度用いて作成した分子量校正曲線を使用した。
本発明のトナーのTHF可溶分のGPCにより測定された分子量分布のチャートの一例を図2、3に示す。
図2に示した分子量分布のチャートは、縦軸を[mV]、横軸を分子量[logM]としたものである。該チャートにおいて、メインピークp(M1)における分子量をM1、そのときの高さをh(M1)[mV]として表す。
図2に示した分子量分布のチャートにおいて、上記h(M1)[mV]を1.00に換算した時の分子量分布のチャートを図3に示す。
上述のように本発明のトナーは、H(4000)/H(M1)が0.100以上0.950以下、メインピークの分子量(M1)が10,000以上80,000以下であることが好ましいが、例えば、図3に示された分子量分布のチャートを用いることで、トナーが上記パラメータを満たすか否かを容易に確認することができる。
本発明のトナーの重量平均粒径は、好ましくは3.0μm以上9.0μm以下であり、より好ましくは4.0μm以上7.8μm以下であり、特に好ましくは5.0μm以上6.5μm以下である。
上記重量平均粒径が9.0μmを超える場合、静電荷像を現像するトナー粒子が大きくなるために、高解像度で高精細な潜像に対して忠実な現像が行われにくくなる。また、静電的な転写を行う場合にトナーが飛び散りやすくなる。一方、上記重量平均粒径が3.0μm未満の場合、例え上述した流動性を有するトナーであっても、クーロン力に対して、トナー間やトナーと現像ローラー間の鏡像力やファンデルワールス力が大きくなり、転写時の飛び散りや、高解像度で高精細な潜像に対して忠実な現像が行われにくくなる。
重量平均粒径が上記範囲を満たすトナーは、トナーの後述する製造方法や製造条件等を調整する事で、上記範囲を満たす事が可能である。
<トナーの重量平均粒径の測定法>
トナーの重量平均粒径は、コールターカウンターのマルチサイザー(コールター社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い測定した。
具体的には、電解質溶液(1%NaCl水溶液)100〜150mlに界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添加し、これに測定試料(トナー)を2〜20mg添加し懸濁する。試料が懸濁された電解液を超音波分散器で1〜3分間分散処理する。この分散処理液を100μmのアパーチャーを装着した上記コールターカウンターのマルチサイザーにより測定し、2〜40μmのトナー粒子の体積を基準とした粒度分布を作成し、トナーの重量平均粒径を算出する。
本発明のトナーは、フロー式粒子像分析装置で測定されるトナーの円相当径(個数基準)2μm以上の粒子における平均円形度が0.935以上0.990以下であることが好ましく、0.950以上0.990以下であることがより好ましい。
<トナーの平均円形度の測定法>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(東亜医用電子社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従って下記項目の測定を行い、下記式を用いて算出した。
Figure 0004773942
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合には1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をmとすると、次式から算出される。
Figure 0004773942
具体的な測定方法としては、まず、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意する。その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させた。分散させる手段としては、超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とした。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26〜27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行った。
トナーの円形度測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナーを1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径2μm未満のデータをカットして、トナーの円相当径(個数基準)2.0μm以上の粒子における平均円形度を求めた。
トナーの平均円形度が0.935より小さい場合、転写性が悪く、また現像器内でのストレス等により劣化しやすく、長期にわたり安定した画質を維持することが困難となりやすい。
一方、トナーの平均円形度が0.990より大きい場合、感光体上に転写後に残ったトナーをクリーニング部材によりクリーニングする際に、長期にわたり安定したトナーのクリーニング性を維持することが難しくなりやすい。すなわち、平均円形度が0.935以上0.990以下のトナーは、転写性に非常に優れている点で好ましい。これは、トナーと感光体との接触面積が小さく、鏡像力やファンデルワールス力等に起因するトナーの感光体への付着力が低下するためと考えられる。従って、このようなトナーを用いれば転写率が高く、転写残トナーが非常に低減するため、帯電部材と感光体との圧接部におけるトナーが非常に少なくなり、トナー融着が防止され、画像欠陥が著しく抑制されるものと考えられる。これらの効果は、転写中抜けの発生しやすい接触転写工程を含む画像形成方法
においては、より顕著となって現れる。
本発明のトナーは、粉砕法によって製造することも可能であるが、この粉砕法で得られるトナーは一般に不定形になり易い。よって粉砕法で得られたトナーの平均円形度を0.935以上0.990以下とするために、機械的・熱的あるいは何らかの特殊な処理を行なっても良い。
粉砕トナーを所望の平均円形度にする方法としては、保存性、耐ストレス性の観点からワックスをトナー粒子表面にできるだけ存在させない方法が好ましい。従来の(株)奈良機械製作所製のハイブリタイゼーションシステム、ホソカワミクロン(株)製のメカノフージョンシステム、川崎重工業(株)製のクリプトロンシステム、日清エンジニアリング(株)製のスーパーローター等に代表される、粉砕力はあるものの粉砕しながら機械的衝撃力を与えるものは、一見熱量がさほどかからないように思えるが、実際は求める球形を作り出そうとすると、かなりの熱量を与えてしまい、トナー粒子表面にワックスを多量に存在させてしまうのが実状である。
よって本発明においては、図4に示すような、分級と、機械式衝撃力を用いる表面改質処理とを同時に行う装置(以下、「分級同時表面改質処理装置」という、図5は該分級同時表面改質処理装置の分散ローターを示す)を用いることが好ましい。該装置は分級された所定粒径以下の微粉を装置外へ連続的に排出し除去するため、トナー粒子中の粉塵濃度の上昇を抑制できる。また、該装置は連続的にトナー粒子に衝撃を与えるものではないため、トナー粒子自体の発熱を効率良く取り除くことで、トナー粒子表面のワックス量が改善される。
上記分級同時表面改質処理装置を用いて、装置内でのトナー粒子の流速を敢えて高める(例えば、冷風量の増量や、ハンマーとライナーギャップを縮め分級部への空隙を少なくする)ことで、従来ではできなかったトナー粒子表面のワックス制御と平均円形度の両立が可能となる。該両立は、装置内でのトナー粒子の流速を高めることで、トナー粒子がハンマーとライナー間を通過する時間は短くなるが、通過回数を増やしてトナー粒子の処理を均一にしたこと、及び、トナー粒子の冷却効果が高まったこと、により達成できたと考えている。
本発明のトナーは、結着樹脂、ワックス及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉体とを含有する非磁性一成分トナーである。
本発明に用いられるトナー粒子は、どのような手法を用いて製造されても構わないが、懸濁重合法、乳化重合法、懸濁造粒法等、水系媒体中で造粒する製造法によって得ることが好ましい。一般的な粉砕法により製造されたトナーであって、ワックスを大量にトナー粒子に添加しようとした場合は、トナーを製造する際にワックスの一部が遊離し、遊離したワックスがトナー中に混入されてしまうことから、上述の問題が発生しやすくなる。
一方、上記水系媒体中でトナー粒子を造粒する製造法は、ワックスを大量にトナー粒子に添加しても、トナー表面にワックスを存在させず、内包化することができる。
上記製造法の中でも懸濁重合法は、ワックスのトナー粒子中への内包化による長期現像安定性、及び、溶剤を使用しないといった製造コスト面から最も好ましい製造方法の一つである。
以下、本発明に用いられるトナー粒子を得る上で最も好適な懸濁重合法を例示して、該トナー粒子の製造方法を説明する。
上記懸濁重合法は、重合性単量体、ワックス、着色剤、及び必要に応じた他の添加物(低分子量ポリマー、極性樹脂等)を有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して、該重合性単量体組成物の液滴を製造する造粒工程、該液滴中の該重合性単量体を重合する重合工程を少なくとも経ることによりトナー粒子を製造する重合法である。
本発明に用いられる結着樹脂として、一般的に用いられているスチレン−アクリレート樹脂、スチレン−メタクリレート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられる。このうち、スチレン−アクリレート樹脂及び/又はスチレン−メタクリレート樹脂を、結着樹脂中に質量換算で最も多く含むことが好ましい。
上記結着樹脂を生成する為の重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体を用いることが可能である。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。
そのような重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。スチレン;o−(m−,p−)メチルスチレン、m−(p−)エチルスチレンの如きスチレン系単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ベヘニル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きアクリル酸エステル系単量体或いはメタクリル酸エステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミドの如きエン系単量体。
これらの重合性単量体は、単独、または、一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−p139〜192(John Wiley&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40℃以上75℃以下を示すように重合性単量体を適宜混合して用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合にはトナーの保存安定性や耐久安定性の面から問題が生じやすく、一方75℃を超える場合は、定着性が低下する。
また、本発明のトナーに使用するトナー粒子を製造する場合においては、トナーのTHF可溶分が上記特定の分子量分布を有するものとするために、低分子量ポリマーを添加することが好ましい。低分子量ポリマーは、粉砕法でトナーを製造する場合には、結着樹脂等と溶融混練する際に添加することができ、また懸濁重合法によってトナーを製造する場合には、重合性単量体組成物中に添加することができる。該低分子量ポリマーとしては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)が2,000以上5,000以下の範囲で、且つ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが4.5未満、好ましくは3.0未満のものが好ましい。
低分子量ポリマーの例としては、低分子量ポリスチレン、低分子量スチレン−アクリル酸エステル共重合体、低分子量スチレン−アクリル共重合体などが挙げられる。
上記低分子量ポリマーの好ましい添加量は、結着樹脂100質量部又は重合性単量体100質量部に対して1質量部以上50質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上30質量部以下である。
本発明において、上述の結着樹脂と共にポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂等の極性樹脂を併用することができる。
例えば、懸濁重合法等により直接トナー粒子を製造する場合には、分散工程から重合工程に至る重合反応時に極性樹脂を添加すると、トナー粒子となる重合性単量体組成物と水系分散媒体の呈する極性のバランスに応じて、添加した極性樹脂がトナー粒子の表面に薄層を形成したり、トナー粒子表面から中心に向け傾斜性をもって存在するように、極性樹脂の存在状態を制御することができる。この時、着色剤と相互作用を有するような極性樹脂を用いることによって、トナー中の着色剤の存在状態を望ましい形態にすることが可能である。
上記極性樹脂の好ましい添加量は、結着樹脂100質量部又は重合性単量体100質量部に対して1質量部以上25質量部以下であり、より好ましくは2質量部以上15質量部以下である。1質量部未満ではトナー粒子中での極性樹脂の存在状態が不均一となり、逆に25質量部を超えるとトナー粒子表面に形成される極性樹脂の薄層が厚くなるため、好ましくない。
本発明に用いられる極性樹脂としては、具体的には、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体が挙げられる。特に極性樹脂として、3,000以上10,000以下のピーク分子量を有するポリエステル樹脂がトナー粒子の流動性、負摩擦帯電特性、透明性を良好にすることができるので好ましい。
本発明においては、トナー粒子の機械的強度を高めると共に、トナーのTHF可溶成分の分子量を制御するために、結着樹脂を合成する時に架橋剤を用いてもよい。
本発明に用いられる2官能の架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び上記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたもの。
多官能の架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルトリメリテート。これらの架橋剤の添加量は、前記重合性単量体100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上10質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上5質量部以下である。
上記重合法に用いられる重合開始剤の例としては、具体的には、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレートの如き過酸化物系重合開始剤;が挙げられる。
これらの重合開始剤の使用量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には、重合性ビニル系単量体100質量部に対して3質量部以上20質量部以下である。重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に、単独又は混合して使用される。
本発明のトナーは、着色力を付与するために着色剤を必須成分として含有する。本発明
に好ましく使用される着色剤として、以下の有機顔料、有機染料、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66。
マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254。
イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物等が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー194。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、上記イエロー系/マゼンタ系/シアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明のトナーに用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中の分散性の点から選択される。
該着色剤は、好ましくは結着樹脂100質量部に対し1質量部以上20質量部以下添加
して用いられる。
本発明においては重合法を用いてトナーを得る場合には、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要があり、好ましくは、重合阻害のない物質による疎水化処理を着色剤に施しておいたほうが良い。特に、染料系着色剤やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。上記染料系着色剤の重合阻害性を抑制する方法としては、あらかじめこれら染料の存在下に重合性単量体を重合せしめる方法が挙げられ、得られた着色重合体を重合性単量体組成物に添加する。
また、カーボンブラックについては、上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えば、ポリオルガノシロキサン等で処理を行っても良い。
上記水系分散媒体調製時に使用する分散剤としては、公知の無機系及び有機系の分散剤を用いることができる。
具体的には、無機系の分散剤としては、以下のものが挙げられる。リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ。また、有機系の分散剤としては、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン。
また、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。この様な界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム。
上記水系分散媒体調製時に使用する分散剤としては、無機系の難水溶性の分散剤が好ましく、しかも酸に可溶性である難水溶性無機分散剤を用いることが好ましい。
また、本発明においては、難水溶性無機分散剤を用い、水系分散媒体を調製する場合に、これらの分散剤の使用量は重合性ビニル系単量体100質量部に対して、0.2質量部以上2.0質量部以下であることが好ましい。また、本発明においては、重合性単量体組成物100質量部に対して300質量部以上3,000質量部以下の水を用いて水系分散媒体を調製することが好ましい。
本発明において、上記のような難水溶性無機分散剤が分散された水系分散媒体を調製する場合には、市販の分散剤をそのまま用いて分散させてもよい。また、細かい均一な粒度を有する分散剤粒子を得るために、水等の液媒体中で、高速撹拌下、上記したような難水溶性無機分散剤を生成させて水系分散媒体を調製してもよい。例えば、リン酸三カルシウムを分散剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸三カルシウムの微粒子を形成することで、好ましい分散剤を得ることができる。
本発明のトナーにおいては、必要に応じて荷電制御剤をトナー粒子と混合して用いることも可能である。荷電制御剤を配合することにより、荷電特性を安定化、現像システムに応じた最適の摩擦帯電量のコントロールが可能となる。
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナー粒子を直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
上記荷電制御剤として、トナーを負荷電性に制御するものとしては、有機金属化合物、キレート化合物が有効である。例えば以下のものが挙げられる。モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物。他には、以下のものが挙げられる。芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類。さらに、以下のものが挙げられる。尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系帯電制御剤。
また、トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩、樹脂系荷電制御剤。
本発明のトナーは、これら荷電制御剤を単独で或いは2種類以上組み合わせて含有することができる。
これら荷電制御剤の中でも、本発明の効果を十分に発揮するためには、含金属サリチル酸系化合物が好ましく、特にその金属がアルミニウムもしくはジルコニウムが好ましい。最も好ましい荷電制御剤としては、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物である。
荷電制御剤の好ましい配合量は、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対して0.01質量部以上20質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上10質量部以下である。しかしながら、本発明のトナーには、荷電制御剤の添加は必須ではなく、トナーの層厚規制部材やトナー担持体との摩擦帯電を積極的に利用することでトナー中に必ずしも荷電制御剤を含ませる必要はない。
本発明においては、トナーにおける各種の特性向上を目的とした外添剤が用いられる。
トナー粒子に、流動化付与、帯電制御や研磨を目的とし、外添剤を使用することによって、トナー粒子相互の間に微粉体が存在することとなる。そのため、外添剤の使用により、トナーに所望の流動性(加熱加圧凝集度)が付与され、トナーの帯電立ち上がり性、環境安定性、転写性なども向上する。さらに高速の画像形成方法を用いた場合、あるいは画像面積比率の低い印字画像を連続して出力した場合に、トナーの劣化を抑制する事ができる。
本発明のトナーは、外添剤として、無機微粉体を含有する。
本発明に使用される無機微粉体としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ハイドロタルサイト、チタン酸ストロンチウムの如き金属酸化物等が例示できる。
上記無機微粉体のシリカの例としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式シリカ又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカ、ゾルゲル法により製造されるゾルゲルシリカ等が含まれる。またシリカは、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも包含する。
上記無機微粉体は、トナーの帯電量の調整、環境安定性の向上、高湿環境下での特性の向上等の機能を付与することを目的に、疎水化処理することが好ましい。トナーに添加された無機微粉体が吸湿すると、トナーとしての帯電量が著しく低下し、現像性や転写性の低下が生じ易くなる。
上記無機微粉体の疎水化処理の処理剤の例としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物が含まれる。これらの如き処理剤は単独で或いは併用して用いられても良い。
その中でも、シリコーンオイルにより処理された無機微粉体が好ましい。より好ましくは、無機微粉体をカップリング剤で疎水化処理すると同時或いは処理した後に、シリコーンオイルにより処理したシリコーンオイル処理された疎水化処理無機微粉体が高湿環境下でもトナー粒子の帯電量を高く維持し、選択現像性を低減する上でよい。
本発明のトナーにおいて、加熱加圧凝集度を特定の範囲となるようにするために、トナー粒子に、小粒径の無機微粉体(以下、「無機微粉体A」と略すことがある)および/または大粒径の無機微粉体(以下、「無機微粉体B」と略すことがある)が添加された構成とされることが好ましい。
本発明において、無機微粒子Aとしては、数平均一次粒子径が5nm以上40nm以下であることが好ましい。また、無機微粒子Aは、疎水化処理されたシリカ、酸化チタンであることが、トナーの流動性、帯電性をコントロールできる上で好ましい。無機微粒子Bとしては、数平均一次粒子径が50nm以上600nm以下であることが好ましい。また、上記理由から、疎水化処理された乾式シリカ、ゾルゲルシリカ及びハイドロタルサイト、チタン酸ストロンチウム、酸化チタンが好ましい。特に、負帯電性のトナーの場合には、ハイドロタルサイトが、トナーの帯電性をコントロールできる上で好ましい。
上記無機微粉体の数平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(S4700、日立製作所)により拡大撮影(10万倍)したトナーの写真と、更に走査型電子顕微鏡に付属させたX線マイクロアナライザ(XMA)等の元素分析手段によって無機微粉体の含有する元素がマッピングされたトナーの写真とを対照しつつ、トナー表面に付着或いは遊離して存在している無機微粉体の一次粒子を1000個測定し、数平均一次粒子径を求めることで測定できる。
上記無機微粉体Aの添加は、トナー粒子自体における流動性を向上させる。一方、無機微粉体Bの添加は、トナー粒子間における付着性を低下させ、いわゆるスペーサ効果を確実に発揮するため、転写性が向上する。
当該トナーにおいて、一定の流動性が維持され、トナー粒子間の凝集性が維持されると、保存性(耐ブロッキング性)も向上する。すなわち、無機微粉体Aおよび無機微粉体Bの両方を添加することで、それぞれの無機微粉体の特性が、相乗的に効果を発揮するようになり、より好ましい。
本発明においては、トナーにおける各種の特性向上を目的としたその他の外添剤としては、以下のものが例示される。
流動化剤としては、カーボンブラック、フッ化カーボン等の無機微粉体;ポリテトラフロロエチレン、ポリビニリデンフロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、シリコーン等の有機微粉体が挙げられる。
研磨剤としては、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロムの如き金属酸化物、窒化ケイ素の如き窒化物、炭化ケイ素の如き炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き金属塩が挙げられる。
滑剤としては、フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンの如きフッ素系樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩が挙げられる。
荷電制御性粒子としては、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウムの如き金属酸化物、カーボンブラックが挙げられる。
これら外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対し、好ましくは、0.1質量部
以上10質量部以下であり、より好ましくは、0.1質量部以上5質量部以下である。これら外添剤は、単独で用いても良く、また複数を併用しても良い。
次に、本発明のトナーを用いた画像形成について、図面を用いて説明する。
本発明の画像形成方法は、帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体を帯電する帯電工程と、帯電された静電潜像担持体に、静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、静電潜像担持体上に形成された静電潜像に、トナー担持体上に担持されたトナーを付着させて、トナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を、中間転写体を介して、又は介さずに転写材に静電転写する転写工程と、転写材に静電転写されたトナー像を定着する定着工程とを有する。
本発明のトナーを適用することのできる画像形成方法における現像工程の条件としては、トナー担持体と静電潜像担持体(以下、感光体ともいう)の表面とが接触していても非接触であっても良い。ここでは、接触している場合について説明する。
本発明においては、トナー担持体としては弾性ローラーを用い、弾性ローラー表面等にトナーを付着し、これを感光体表面と接触させて現像する方法を用いることができる。弾性ローラーとしては、弾性層の硬度がASKER−C硬度30度以上60度以下のものが好適に使用される。トナー担持体と感光体表面とを接触させて現像を行う場合には、トナーを介して、感光体と感光体表面に対向する弾性ローラー間に働く電界によって現像が行われる。従って、弾性ローラー表面あるいは、表面近傍が電位をもち、感光体表面とトナー担持表面の狭い間隙で電界を有する必要性がある。このため、弾性ローラーは、弾性ローラーの弾性ゴムを中抵抗領域に抵抗制御し、感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つ態様とするか、または導電性ローラーの表面層に薄層の絶縁層を設ける態様にすることが好ましく例示できる。さらには、導電性ローラー上に感光体表面に対向する側を絶縁性物質(樹脂)により被覆した樹脂被覆導電性スリーブあるいは、絶縁性スリーブとし、感光体に対向しない側に導電層を設けた態様も可能である。また、トナー担持体として剛体ローラーを用い、感光体をベルトのごときフレキシブルな物とした態様も可能である。トナー担持体の抵抗としては102Ω・cm以上109Ω・cm以下の範囲が好ましい。102Ωcmよりも低い場合、例えば感光体の表面にピンホール等がある場合、過電流が流れる恐れがある。反対に109Ωcmよりも高い場合は、摩擦帯電によるトナーのチャージアップが起こりやすく、画像濃度の低下を招きやすい。
トナー担持体の表面状態としては、その表面粗度Ra(μm)を0.2以上3.0以下となるように設定すると、高画質及び高耐久性が両立できる。該表面粗度Raはトナー搬送能力及びトナー帯電能力と相関する。該トナー担持体の表面粗度Raが3.0を超えると、該トナー担持体上のトナー層の薄層化が困難となるばかりか、トナーの帯電性が改善されないので画質の向上は望みにくい。3.0以下にすることでトナー担持体表面のトナーの搬送能力を抑制し、該トナー担持体上のトナー層を薄層化することができる。さらに、該トナー担持体とトナーの接触回数を増加させることが可能なため、該トナーの帯電性も改善されるので相乗的に画質が向上する。一方、表面粗度Raが0.2よりも小さくなると、トナーコート量の制御が難しくなる。
トナー担持体上のトナーコート量は、0.1mg/cm2以上1.5mg/cm2以下が好ましい。0.1mg/cm2よりも少ないと十分な画像濃度が得にくく、1.5mg/cm2よりも多くなると個々のトナー粒子全てを均一に摩擦帯電することが難しくなり、カブリが発生する要因となる。さらに、0.2mg/cm2以上0.9mg/cm2以下がより好ましい。本発明において、トナー担持体の表面粗度Raは、JIS表面粗さ「JIS B 0601」に基づき、表面粗さ測定器(サーフコーダSE−30H、株式会社小坂研究所社製)を用いて測定される中心線平均粗さに相当する。具体的には、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さaとして2.5mmの部分を抜き取り、この抜き取り部分
の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸、粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、次式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものを言う。
Figure 0004773942
本発明の画像形成方法においては、トナー担持体は、感光体との対向部において同方向に回転していてもよいし、逆方向に回転していてもよい。両者の回転が同方向である場合、トナー担持体の周速を感光体の周速に対し1.05〜3.0倍となるように設定することが好ましい。
トナー担持体の周速が、感光体の周速に対し1.05倍未満であると、感光体上のトナーの受ける撹拌効果が不十分となり、良好な画像品質が望みにくい。また、周速比が3.0を超える場合には、機械的ストレスによるトナーの劣化やトナー担持体へのトナー固着が発生・促進され、好ましくない。
本発明においては、転写工程で転写されずに感光体の表面に存在している転写残余のトナーを除去するためのクリーニング工程を有する場合、このクリーニング工程としては、転写工程後であって現像工程前に感光体表面にクリーニング部材を当接させてクリーニングを行う「現像前クリーニング方式」を用いることができる。
この現像前クリーニング方式においては、転写部と帯電部との間に、感光体の表面に当接し、かつ感光体の表面に存在する転写残余のトナーを除去するためのクリーニング部材によるクリーニング部を設けることが、帯電部材に対する転写残余のトナーの影響を少なくできることから好ましい。
本発明において、現像前クリーニング方式に用いられるクリーニング部材としては、ブレード、ローラー、ファーブラシ又は磁気ブラシを用いることができる。これらのクリーニング部材は2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
一方、本発明においては、転写工程で転写されずに感光体の表面に存在している転写残余のトナーを除去するためのクリーニング工程を現像時に現像工程と同時に行う「現像兼クリーニング方式」を用いた画像形成方法も好ましい態様の一つである。
現像兼クリーニング方式の原理は、電子写真各工程における感光体上のトナーの帯電極性及び帯電量を制御することと、反転現像方法を用いることにある。
例を挙げて説明すると、マイナス帯電性の感光体及びマイナス帯電性のトナーを用いた場合、その転写工程において、プラス極性の転写部材によって可視化された像を転写材に転写することになるが、転写材の種類(厚み、抵抗、誘電率の違い)と画像面積の関係により、転写残余のトナーの帯電極性がプラスからマイナスまで変動する。しかし、マイナス帯電性の感光体を帯電する際のマイナス極性の帯電部材により、感光体表面と共に転写残余のトナーまでもが、転写工程においてプラス極性に振れていたとしても、一様にマイナス側へ帯電極性を揃えることができる。それゆえ、現像時に一様にマイナス極性に帯電したトナー粒子が感光体表面に存在していても、現像方法として反転現像を用いた場合、マイナスに帯電された転写残余のトナーは、トナーの現像されるべき明部電位部には残り、トナーの現像されるべきでない暗部電位には、現像電界の関係上トナー担持体の方に引き寄せられるため、残留しない。
感光体としては、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光ドラムもしくは感光ベルトが好適に使用される。
OPC感光体における感光層は、電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する、単一層型でもよく、又は、電荷輸送層と電荷発生層を成分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。また、有機系感光層の結着樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写性に優れ、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくいため好ましい。
次に本発明のトナーを用いた画像形成について添付図面を参照しながら以下に説明する。
図6において、100は現像装置、109は感光体、105は紙などの被転写体、106は転写部材、107は定着用加圧ローラー、108は定着用加熱ローラー、110は感光体109に接触して直接帯電を行う一次帯電部材を示す。
一次帯電部材110には、感光体109表面を一様に帯電するようにバイアス電源115が接続されている。
現像装置100はトナー104を収容しており、トナー攪拌部材116、静電潜像担持体(感光体)109と接触して矢印方向に回転するトナー担持体102を具備する。さらに、トナー量規制及び帯電付与のための現像ブレード101と、トナー104をトナー攪拌部材116により攪拌・搬送し、トナー担持体102に付着させかつトナー担持体102との摩擦でトナーへの帯電付与を行うため矢印方向に回転する塗布ローラー103を備えている。トナー担持体102には現像バイアス電源117が接続されている。塗布ローラー103にも図示しないバイアス電源が接続されており、負帯電性トナーを使用する場合は現像バイアスよりも負側に、正帯電性トナーを使用する場合は現像バイアスよりも正側に電圧が設定される。
本発明のトナーは、適度な加熱加圧凝集度(流動性)であることから、耐ストレス性、保存性に優れている。そのため、図6の攪拌部材116を有さない機構であっても、トナーの自重及び/またはロータリーの回転と塗布ローラー103、トナー担持体の駆動により、トナーをトナー担持体へ安定かつ均一に搬送・付着させる事ができる。
転写部材106には感光体109と反対極性の転写バイアス電源116が接続されている。
ここで、感光体109とトナー担持体102の接触部分における回転方向の長さ、いわゆる現像ニップ幅は0.2mm以上8.0mm以下が好ましい。0.2mm未満では現像量が不足して満足な画像濃度が得られにくく、転写残トナーの回収も不十分となりやすい。8.0mmを超えると、トナーの供給量が過剰となり、カブリが生じやすく、また、感光体の摩耗が顕著となる傾向にある。
トナーコート量は現像ブレード101により制御されるが、この現像ブレード101はトナー層を介してトナー担持体102に接触している。この時の接触圧は、4.9N/m以上49N/m以下(5gf/cm以上50gf/cm以下)が好ましい範囲である。4.9N/mよりも小さいとトナーコート量の制御に加え均一な摩擦帯電も難しくなり、カブリが生じる原因となる。一方、49N/mよりも大きくなるとトナー粒子が過剰な負荷を受けるため、粒子の変形や現像ブレードあるいはトナー担持体へのトナーの融着等が発
生しやすくなり、好ましくない。
規制部材の自由端部は、好ましいNE長(現像ブレードのトナー担持体に対する当接部から自由端までの長さ)を与える範囲であればどのような形状でもよく、例えば断面形状が直線状のもの以外にも、先端近傍で屈曲したL字形状のものや、先端近傍が球状に膨らんだ形状のもの等が好適に用いられる。
トナーコート量の規制部材としては、トナーを圧接塗布するための弾性ブレード以外にも、剛性のある金属ブレード等を用いても良い。
弾性の規制部材には、所望の極性にトナーを帯電させるのに適した摩擦帯電系列の材質を選択することが好ましく、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体、ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性体、ステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体が使用できる。また、それらの複合体であっても良い。
また、弾性の規制部材とトナー担持体に耐久性が要求される場合には、金属弾性体に樹脂やゴムをスリーブ当接部に当たるように貼り合わせたり、コーティングしたりしたものが好ましい。
更に、弾性の規制部材中に有機物や無機物を添加してもよく、溶融混合させても良いし、分散させても良い。例えば、金属酸化物、金属粉、セラミックス、炭素同素体、ウィスカー、無機繊維、染料、顔料、界面活性剤などを添加することにより、トナーの帯電性をコントロールできる。特に、弾性体がゴムや樹脂等の成型体の場合には、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化錫、ジルコニア、酸化亜鉛等の金属酸化物微粉末、カーボンブラック、一般にトナーに用いられる荷電制御剤等を含有させることも好ましい。
またさらに、トナーへのほぐし作用のため、規制部材に直流電場及び/または交流電場を印加することで、均一薄層塗布性、均一帯電性がより向上し、充分な画像濃度の達成及び良質の画像を得ることができる。
帯電部材としては、非接触式のコロナ帯電器と、ローラー等を用いる接触型の帯電部材があり、本発明では、いずれのものも用いることが可能である。効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のためには、接触方式のものが好ましく用いられる。
図6においては、接触型の帯電部材が表示されている。図6で用いている一次帯電部材110は、中心の芯金110bとその外周を形成した導電性弾性層110aとを基本構成とする帯電ローラーである。帯電ローラー110は、静電潜像担持体一面に押圧力を持って当接され、静電潜像担持体109の回転に伴い従動回転する。
帯電ローラーを用いた時の好ましいプロセス条件としては、以下の通りである。
(1)該ローラーの当接圧が4.9N/m以上490N/m以下(5gf/cm以上500gf/cm以下)。(2)直流電圧に交流電圧を重畳したものを印加電圧として用いた時には、交流電圧が0.5kVpp以上5kVpp以下、交流周波数が50Hz以上5kHz以下、直流電圧が±0.2kV以上±1.5kV以下。(3)直流電圧を用いた時には、直流電圧が±0.2kV以上±5kV以下。
尚、ドラムの削れ量が抑制できることから、印加電圧として直流電圧のみを用いる場合がより好ましい。他の接触帯電手段としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電手段は、非接触のコロナ帯電に比べて、高電圧が不必要であり、またオゾンの発生が低減するといった点で優れている。接触帯電手段としての帯電ローラーおよび帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能である。
図6に記載の画像形成装置の説明として、接触帯電手段について述べたが、その他の構成の画像形成装置においても接触帯電手段を用いる場合には、同様の装置及び条件を用いることができる。
一次帯電工程に次いで、発光素子からの露光123によって感光体109上に情報信号に応じた静電潜像を形成し、トナー担持体102と当接する位置においてトナーにより静電潜像を現像し可視像化する。さらに、本発明の画像形成方法において、特に感光体上にデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせることで、潜像が乱されないために、ドット潜像に対して忠実に現像することが可能となる。該可視像は転写部材106により被転写体105に転写され、加熱ローラー108と加圧ローラー107の間を通過して定着され、定着画像を得る。なお、加熱加圧定着手段としては、ハロゲンヒーター等の発熱体を内蔵した加熱ローラーとこれと押圧力をもって圧接された弾性体の加圧ローラーを基本構成とする熱ローラー方式以外に、フィルムを介してヒーターにより加熱定着する方式も用いられる。
転写されずに感光体109上に残った転写残トナーは、感光体109の表面に当接されるクリーニングブレードを有するクリーナー138で回収され、感光体109はクリーニングされる。
次に、本発明のトナーを用いた画像形成方法及び装置ユニットに関して図面を用いて説明する。
図7及び図8には、中間転写体を用いて多重トナー像を記録材に一括転写する画像形成装置の概略図を示す。
静電潜像担持体(感光体)1の表面に、帯電バイアス電圧が印加された帯電ローラー2を回転させながら接触させて、感光体表面を一次帯電し、その後、露光手段としての光源装置Lより発せられたレーザー光Eにより、感光体1上に第1の静電潜像を形成する。形成された第1の静電潜像は、回転可能なロータリーユニット24に設けられている第1の現像器としてブラック現像器4Bk中のブラックトナーにより現像され、ブラックトナー像が形成される。感光体1上に形成されたブラックトナー像は、中間転写ドラム5の導電性支持体(5a)に印加される転写バイアス電圧の作用により、中間転写ドラム5上に静電的に一次転写される。次に、上記と同様にして感光体1の表面に第2の静電潜像を形成し、ロータリーユニット24を回転して、第2の現像器としてのイエロー現像器4Y中のイエロートナーにより現像してイエロートナー像を形成し、ブラックトナー像が一次転写されている中間転写ドラム5上にイエロートナー像を静電的に一次転写する。同様にして、第3の静電潜像を形成し、ロータリーユニット24を回転して、第3の現像器としてのマゼンタ現像器4M中のマゼンタトナーにより現像し、更に、第4の静電潜像を形成し、ロータリーユニット24を回転して、第4の現像器としてシアン現像器4C中のシアントナーにより、順次一次転写を行って、中間転写ドラム5上に各色のトナー像をそれぞれ一次転写する。中間転写ドラム5上に一次転写された多重トナー像は、記録材Pを介して反対側に位置する第2の転写装置8からの転写バイアス電圧の作用により、記録材Pの上に静電的に一括に二次転写される。記録材P上に二次転写された多重トナー像は加熱ローラー9a及び加圧ローラー9bを有する定着装置9により記録材Pに加熱定着される。転写後に感光体1の表面上に残存する転写残トナーは、感光体1の表面に当接するクリーニングブレードを有するクリーナー6で回収され、感光体1はクリーニングされる。
感光体1から中間転写ドラム5への一次転写は、第1の転写装置としての中間転写ドラム5の導電性支持体に、図示しない電源より転写バイアスを印加することによって、トナー画像の転写が行われる。
中間転写ドラム5は、剛体である導電性支持体5aと、表面を覆う弾性層5bよりなる。
導電性支持体5aとしては、アルミニウム、鉄、銅及びステンレス等の金属や合金、及びカーボンや金属粒子等を分散した導電性樹脂等を用いることができ、その形状としては円筒状や、円筒の中心に軸を貫通したもの、円筒の内部に補強を施したもの等が挙げられる。
弾性層5bを形成する材料としては、以下のものが挙げられる。スチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、EPDM(エチレンプロピレンジエンの3元共重合体)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム及びノルボルネンゴム等のエラストマーゴムが好適に用いられる。ポリオレフィン系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート等の樹脂及びこれらの共重合体や混合物。
また、弾性層のさらに表面に、潤滑性、はっ水性の高い滑剤粉体を任意のバインダー中に分散した表面層を設けても良い。
滑剤としては、以下のものが挙げられる。各種フッ素ゴム、フッ素エラストマー、黒鉛やグラファイトにフッ素を結合したフッ化炭素及びポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニルデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素化合物、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、シリコーンエラストマー等のシリコーン系化合物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂。
また、表面層のバインダー中に、抵抗を制御するために導電剤を適時添加しても良い。導電剤としては、各種の導電性無機粒子及びカーボンブラック、イオン系導電剤、導電性樹脂及び導電性粒子分散樹脂等が挙げられる。
中間転写ドラム5上に形成された多重トナー像は、第2の転写装置8により記録材P上に一括に二次転写されるが、転写手段8としてはコロナ帯電器の如き非接触静電転写手段、或いは、転写ローラー及び転写ベルトの如き接触静電転写手段が使用可能である。
転写ローラーを用いる場合、中間転写ドラムの弾性層の体積固有抵抗値よりも転写ローラーの弾性層の体積固有抵抗値をより小さく設定することで、転写ローラーへの印加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成できる。さらに、転写材の中間転写体への巻き付きを防止することができる。特に中間転写ドラムの弾性層の体積固有抵抗値が転写ローラーの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以上であることが特に好ましい。
中間転写ドラム及び転写ローラーの硬度は、JIS K−6301に準拠し測定される。本発明に用いられる中間転写ドラムは、硬度が10〜40度の範囲の弾性層から構成されることが好ましく、一方、転写ローラーの弾性層の硬度は、中間転写ドラムの弾性層の硬度より硬く、41〜80度の値を有するものが中間転写ドラムへの転写材の巻き付きを防止する上で好ましい。中間転写ドラムと転写ローラーの硬度が逆になると、転写ローラー側に凹部が形成され、中間転写ドラムへの転写材の巻き付きが発生しやすい。
定着装置9としては、加熱ローラー9aと加圧ローラー9bを有する熱ローラー定着装置に替えて、記録材P上のトナー像に接するフィルムを加熱することにより、記録材P上のトナー像を加熱し、記録材Pに多重トナー像を加熱定着するフィルム加熱定着装置を用いることもできる。
図7に示した中間転写ドラムに代えて、中間転写ベルトを用いて多重トナー像を記録材に一括転写することも可能である。中間転写ベルトの構成について、図8に示す。
静電潜像担持体(感光体)1上に形成されたトナー画像は、感光体1と中間転写ベルト10とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラー12から中間転写ベルト10に印
加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写ベルト10の外周面に順次一次転写される。11は中間転写ベルト10を掛け渡すローラーである。
感光体1から中間転写ベルト10への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バイアスは、トナーとは逆極性で、バイアス電源14から印加される。
感光体1から中間転写ベルト10への第1〜第4色のトナー画像の一次転写工程において、二次転写ローラー13b及びクリーニング用帯電部材9は中間転写ベルト10から離間することも可能である。
13bは二次転写ローラーで、二次転写対向ローラー13aに対応し平行に軸受させて中間転写ベルト10の下面部に離間可能な状態に配設してある。
中間転写ベルト10上に転写された多色カラートナー画像の転写材Pへの転写は、二次転写ローラー13bが中間転写ベルト10に当接されると共に、中間転写ベルト10と二次転写ローラー13bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送され、二次転写バイアスがバイアス電源16から二次転写ローラー13bに印加される。この二次転写バイアスにより中間転写ベルト10から転写材Pへ多色カラートナー画像が二次転写される。
転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベルト10にはクリーニング用帯電部材9が当接され、感光体1とは逆極性のバイアスをバイアス電源15から印加することにより、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト10上に残留しているトナー(転写残トナー)に感光体1と逆極性の電荷が付与される。
前記転写残トナーは、感光体1とのニップ部およびその近傍において感光体1に静電的に転写されることにより、中間転写ベルトがクリーニングされる。
中間転写ベルトは、ベルト形状の基層と基層の上に設けられる表面処理層よりなる。なお、表面処理層は複数の層により構成されていても良い。基層及び表面処理層には、ゴム、エラストマー、樹脂を使用することができる。
ゴム及びエラストマーとしては、以下のものが挙げられる。天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム及び熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル系及びフッ素樹脂系等)。これらは、1種類あるいは2種類以上を混合して使用することができる。
また、樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート等の樹脂を使用することができる。また、これら樹脂の共重合体や混合物を用いても良い。
基層としては、織布形状、不織布形状、糸状、フィルム形状をした芯体層の片面あるいは両面に、上述のゴム、エラストマー、樹脂を被覆、浸漬、噴霧したものを使用しても良い。
芯体層を構成する材料としては、以下のものが挙げられる。綿、絹、麻及び羊毛等の天然繊維;キチン繊維、アルギン酸繊維及び再生セルロース繊維等の再生繊維;アセテート繊維等の半合成繊維;ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアルキルパラオキシベンゾエート繊維、ポリアセタール繊維、アラミド繊維、ポリフロロエチレン繊維及びフェノール繊維等の合成繊維;炭素繊維、ガラス繊維及びボロン繊維等の無機繊維;鉄繊維及び銅繊維等の金属繊維。これらは、1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。
さらに、中間転写ベルトの抵抗値を調節するために基層および表面処理層中に導電剤を
添加しても良い。導電剤としては特に限定されるものではないが、例えば、カーボン、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化チタン等の金属酸化物、及び4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミン、含硼素高分子化合物及びポリピロール等の導電性高分子化合物等からなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を用いることができる。
また、中間転写ベルト表面の滑り性を上げ、転写性を向上するために必要に応じて滑剤を添加しても良い。滑剤としては、中間転写ドラムの弾性層に用いるものと同様の滑剤を用いることができる。
次に、複数画像形成部にて各色のトナー画像をそれぞれ形成し、これを同一転写材に順次重ねて転写するようにした画像形成方法について図9をもとに説明する。
図9に示される画像形成装置においては、第1、第2、第3及び第4の画像形成部29a、29b、29c、29dが並設されており、各画像形成部はそれぞれ専用の静電潜像担持体、いわゆる感光体19a、19b、19c及び19dを具備している。
感光体19a乃至19dの外周側には、帯電手段30a、30b、30cおよび30d、潜像形成手段23a、23b、23c及び23d、現像手段17a、17b、17c及び17d、転写手段(転写用放電手段)24a、24b、24c及び24d、ならびにクリーニング手段18a、18b、18c及び18dが配置されている。
このような構成にて、先ず、第1画像形成部29aの感光体19aが帯電手段30aによって帯電され、そして潜像形成手段23aによって原稿画像における、例えばイエロー成分色の潜像が形成される。該潜像は現像手段17aのイエロートナーを有する現像剤で可視画像とされ、転写手段24aにて、転写材としての記録材Sに転写される。
上記のようにイエロー画像が転写材Sに転写されている間に、第2画像形成部29bではマゼンタ成分色の潜像が感光ドラム19b上に形成され、続いて現像手段17bのマゼンタトナーを有する現像剤で可視画像とされる。この可視画像(マゼンタトナー像)は、上記の第1画像形成部29aでの転写が終了した転写材Sが転写部24bに搬入されたときに、該転写材Sの所定位置に重ねて転写される。
以下、上記と同様な方法により第3、第4の画像形成部29c、29dによってシアン色、ブラック色の画像形成が行なわれ、上記同一の転写材Sに、シアン色、ブラック色を重ねて転写する。このような画像形成プロセスが終了した後、転写材Sは定着手段22に搬送され、転写材S上の画像を定着する。これによって転写材S上には多色画像が得られるのである。転写が終了した各感光体19a、19b、19c及び19dはクリーニング手段18a、18b、18c及び18dにより残留トナーを除去され、引き続き一連の画像形成プロセスが繰り返される。
なお、上記画像形成装置では、転写材としての記録材Sの搬送のために、搬送ベルト25が用いられている。
この画像形成装置において、転写材を搬送する搬送手段として加工の容易性及び耐久性の観点からテトロン(登録商標)繊維のメッシュを用いた搬送ベルトおよびポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン系樹脂の如き薄い誘電体シートを用いた搬送ベルトが好ましく利用される。
一般に、このような搬送ベルトは体積抵抗が高く、カラー画像形成において数回の転写を繰り返す過程で搬送ベルトの帯電量が増加してしまうため、均一な転写を維持するためには各転写の都度、転写電流を順次増加させる必要があるが、本発明のトナーは転写性が優れているので、転写を繰り返す毎に搬送手段の帯電が増しても、同じ転写電流で各転写におけるトナーの転写性を均一化でき、良質な高品位画像が得られる。
転写材Sが第4画像形成部29dを通過すると、AC電圧が除電器20に加えられ、転写材Sは除電され、ベルト25から分離され、その後、定着器22に入り、画像定着され、排出口26から排出される。
図10は、中間転写ドラムを用い中間転写ドラム上に一次転写された4色のカラートナ
ー画像を記録材に一括して二次転写する際の二次転写手段として、転写ベルトを用いた画像形成装置の説明図である。
図10において、現像器244−1、244−2、244−3、244−4には、それぞれシアントナーを有する現像剤、マゼンタトナーを有する現像剤、イエロートナーを有する現像剤及びブラックトナーを有する現像剤が導入されている。感光体241を帯電手段242によって帯電し、更に露光243することによって静電潜像を形成し、該静電潜像を現像器244−1〜244−4を用いて現像し、各色トナー像を静電潜像担持体(感光体)241上に順次形成する。感光体241はa−Se、Cds、ZnO、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光ドラムもしくは感光ベルトである。感光体241は図示しない駆動装置によって矢印方向に回転される。
帯電工程では、中心の芯金242bとその外周を形成した導電性弾性層242aとを基本構成とする帯電ローラー242が用いられている。帯電ローラー242は、感光体241面に押圧力をもって圧接され、感光体241の回転に伴い従動回転する。
感光体上のトナー像は、電圧(例えば、±0.1〜±5kV)が印加されている中間転写ドラム245に転写される。転写後の感光体表面は、クリーニングブレード248を有するクリーニング手段249でクリーニングされる。
中間転写ドラム245は、前述したものと同様の中間転写ドラムを用いることができる。尚、245bは、剛体である導電性支持体であり、245aは、その表面を覆う弾性層である。
中間転写ドラム245は感光体241に対して並行に軸受けさせて感光体241の下面部に接触させて配設してあり、感光体241と同じ周速度で矢印の反時計方向に回転する。
感光体241の面に形成担持された第1色のトナー像が、感光体241と中間転写ドラム245とが接する転写ニップ部を通過する過程で中間転写ドラム245に対する印加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電界によって、中間転写ドラム245の外面に対して順次に中間転写されていく。
必要により、着脱自在なクリーニング手段280により、転写材へのトナー像の転写後に、中間転写ドラム245の表面がクリーニングされる。中間転写ドラム上にトナー像がある場合、トナー像を乱さないようにクリーニング手段280は、中間転写ドラム表面から離される。
図10では中間転写ドラム245の下方には、転写ベルト247が配置されている。転写ベルト247は、中間転写ドラム245の軸に対して並行に配置された2本のローラー、すなわちバイアスローラー247aとテンションローラー247cに掛け渡されており、駆動手段(不図示)によって駆動される。転写ベルト247は、テンションローラー247c側を中心にしてバイアスローラー247a側が矢印方向に移動可能に構成されていることにより、中間転写ドラム245に対して下方から矢印方向に接離することができる。バイアスローラー247aには、二次転写バイアス源247dによって所望の二次転写バイアスが印加されており、一方、テンションローラー247cは接地されている。
次に、転写ベルト247であるが、本実施の形態では、カーボンを分散させた熱硬化性ウレタンエラストマー層(厚さ約300μm、体積抵抗率108〜1012Ω・cm(1kV印加時))の上に、フッ素ゴム層(厚さ20μm、体積抵抗率1015Ω・cm(1kV印加時))を重ねたゴムベルトを用いた。その外径寸法は周長80×幅300mmのチューブ形状である。
上述の転写ベルト247は、前述のバイアスローラー247aとテンションローラー247cによって約5%延ばす張力印加がなされていてもよい。
転写ベルト247は中間転写ドラム245と等速度或いは周速度に差をつけて回転させる。転写材246は中間転写ドラム245と転写ベルト247との間に搬送されると同時に、転写ベルト247にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイアスを二次転写バイアス源247dから印加することによって、中間転写ドラム245上のトナー像が転写材246の表面側に転写される。
バイアスローラー247aの材質としては、帯電ローラーと同様のものも用いることができ、好ましい転写のプロセス条件としては、ローラーの当接圧が4.9〜490N/m(5〜500gf/cm)で、直流電圧が±0.2〜±10kVである。
例えば、バイアスローラー247aの導電性弾性層247a1はカーボン等の導電材を分散させたポリウレタン、エチレン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)等の体積抵抗106〜1010Ωcm程度の弾性体でつくられている。芯金247a2には定電圧電源によりバイアスが印加されている。バイアス条件としては、±0.2〜±10kVが好ましい。
次いで転写材246は、ハロゲンヒーター等の発熱体を内蔵させた加熱ローラーとこれと押圧力をもって圧接された弾性体の加圧ローラーとを基本構成とする定着器281へ搬送され、加熱ローラーと加圧ローラー間を通過することによってトナー像が転写材に加熱加圧定着される。フィルムを介してヒーターにより定着する方法を用いても良い。
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。なお、以下の配合における部数は全て質量部である。
<実施例1>
四つ口容器中にイオン交換水710質量部と0.1モル/リットルのNaPO水溶液850質量部を添加し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0モル/リットル−CaCl水溶液68質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散剤Ca(POを含む水系分散媒体を調製した。
スチレンモノマー 160.0質量部
n−ブチルアクリレート 45.0質量部
C.I.ピグメントブルー15:3 14.0質量部
低分子量ポリスチレン 52.0質量部
(Mw=3200、Mw/Mn=1.19、ガラス転移点55℃)
ポリエステル系樹脂 15.0質量部
(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)−エチレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)(モル比 50:30:20);酸価9;ガラス転移点60℃ Mw=10000、Mw/Mn=3.20)
負荷電性制御剤(ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物〔ボントロンE88:オリエント化学工業社製〕) 0.8質量部
ワックス〔フィッシャートロップシュワックス、最大級熱ピーク78.0℃、Mw750〕
20.0質量部
上記単量体混合物1を、アトライターを用いて3時間分散させた。その単量体混合物1に重合開始剤である1,1,3,3−テトラメチルブチルパ−オキシ2−エチルヘキサノエ−ト20.0質量部(50質量%のトルエン溶液)を添加した重合性単量体組成物を水系分散媒体中に投入した。そして、撹拌機の回転数を11000rpmに維持しつつ5分間造粒した。その後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に変えて、内温を67℃に昇温させ、ゆっくり撹拌しながら5時間反応(反応1)させた。
次いで、容器内を温度80℃に昇温して3時間維持(反応2)し、その後30℃まで冷却し、スラリー1を得た。スラリー1を含む容器内に希塩酸を添加して分散剤を除去した。更に、ろ別、洗浄、乾燥して重量平均粒径が5.8μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子(100.0質量部)に対して、数平均一次粒子径が12nmである疎水性シリカ(無機微粉体A)2.0質量部((株)トクヤマ社製 X−20)と数平均一次粒子径が400nmであるハイドロタルサイト(無機微粉体B)(協和化学工業(
株)製DHT−4A)0.1質量部を外添し、トナー1を得た。その他トナー物性について測定し、表1に示した。
評価機としてカラーレーザープリンタLBP−2510(キヤノン社製)の改造機(現像器内のトナー攪拌機構を取り外す改造を施した)を使用した。評価は、トナーが自重で、塗布ローラー及び現像ローラーに付着できる状態に評価機をかたむけ、固定して行なった。また、評価は、現像器に上記トナー1を190g充填したものを、シアンステーションに装着し、各評価環境下にて、Xx75g/m2紙を用いて2%の印字比率の画像を10,000枚プリントアウトする画出しを行い、以下の評価を行なった。
(画像濃度安定性)
画出し試験において、通常の複写機用普通紙(75g/m)を転写材として用いて、500枚毎にベタ画像を出力し、その濃度を測定することにより評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。
A:非常に良好 1.40以上
B:良好 1.35以上、1.40未満
C:実用上問題なし 1.00以上、1.35未満
D:やや難あり 1.00未満
(画像均一性)
画出し試験において、最後に単色ベタ画像及びハーフトーン画像をプリントアウトし、その画像均一性を目視で評価した。
A:非常に良好(均一画像で画像ムラが確認できないレベル)
B:良好 (若干の画像ムラが確認できるが、実用上全く問題ないレベル)
C:実用可 (画像ムラが確認できるが、実用上可能なレベル)
D:実用不可 (画像ムラが著しく、実用的に困難なレベル)
(画質)
画出し試験において、最後に2%DUTYのオリジナル文字画像をプリントアウトし、その画質を目視及びルーペで評価した。
A:非常に良好(飛び散り及び/または中抜けが確認できないレベル)
B:良好 (若干の飛び散り及び/または中抜けが確認できるが、実用上全く問題ないレベル)
C:実用可 (飛び散り及び/または中抜けが確認できるが、実用上可能なレベル)
D:実用不可 (飛び散り及び/または中抜けが著しく、実用的に困難なレベル)
(着色力)
上記カラーレーザープリンタLBP2510(キヤノン社製)の定着ユニットであって、手動で定着温度が設定できるように改造した定着ユニットを用いて評価した。プロセススピードは110mm/secに設定した。画像は定着ユニットを取り外したCLC5000(キヤノン社製)を用い、単色モードで常温常湿度環境下(23℃/60%)において、A4用紙(CLC推奨紙であるTKCLA4)上にトナーの載り量が0.1mg/cm2から0.7mg/cm2の異なる数種類の幅100mm、長さ280mmのベタ未定着画像を作製した。該画像を定着温度160℃に設定した上記定着ユニットを用いてA4縦方向に定着させた(以下の実施例で、180℃にて定着しないものは、<(定着可能な最高温度)−5℃>として行なった)。該定着画像の濃度をX−Riteカラー反射濃度計(color reflection densitometer X−Rite 404A)を用いて測定し、転写紙上のトナー量と定着画像の濃度の関係をグラフ化する。そして、トナーの載り量が0.5mg/cm2のときの画像濃度をグラフから読み取り、以
下の基準で着色力を評価した。
A:非常に良好(1.45以上)
B:良好(1.35以上、1.45未満)
C:普通(1.25以上、1.35未満)
D:実用上ぎりぎりのレベル(1.15以上、1.25未満)
E:実用上不可レベル(1.15未満)
(画像カブリ)
高温高湿(H/H:温度30℃、湿度80%RH)環境下、Xx75g/m紙を用いて、最後にプリントアウトする画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、耐久評価終了時の画像カブリを評価した。測定には「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)を用いた。尚、フィルターは、シアンの場合はアンバーライト、イエローの場合はブルー、マゼンタ及びブラックではグリーンフィルターを用いた。
A:非常に良好 0.5%未満
B:良好 0.5%以上1.0%未満
C:実用上問題なし 1.0%以上1.5%未満
D:やや難あり 1.5%以上
(トナーの定着温度可能領域)
上記LBP−2510(キヤノン社製)の定着ユニットの改造機であって、手動で定着温度、速度、線圧が設定可能であり、そして定着ベルトに弾性層を設けたもので定着試験を行った。
未定着画像として、LBP−2510を用い、単色モードで常温常湿度環境下(23℃/60%)において、紙上のトナー載り量を1.2mg/cmになるよう現像コントラストを調整し、A4(推奨紙であるEW−500)上に画像面積比率25%の画像を作成した。常温常湿度環境下(23℃/60%)において120℃から順に10℃ずつ上げ、オフセット(上記画像カブリ評価と同じ基準で評価する)や定着ローラへの紙の巻きつきが生じない温度幅を定着温度可能領域とした。
なお、後述の実施例7における磁性トナーの評価においては、LBP−1210(キヤノン社製)を用いたことと、紙上のトナー載り量を1.0mg/cmにする以外は、非磁性トナーと同様の評価を行った。
評価基準は以下の通りである。
A:定着幅が40℃以上ある。
B:定着幅が30℃以上40℃未満である。
C:定着幅が20℃以上30℃未満である。
D:定着幅が20℃未満であり、実用上問題あり。
(低温定着性)
低温低湿度環境下(L/L;15℃/10%RH)環境下、キヤノン社製カラーレーザーコピアSK紙を用いて、評価を行った。A4紙中に5cm角のベタ画像を9点出力させた。この際の未定着画像のトナーのり量は0.6mg/cm2とした。その画像を4.9kPaの荷重をかけたシルボン紙で5回往復し、濃度低下率が20%以上となる温度を定着下限温度として評価した。A,BおよびCは使用上問題とならないレベルであるが、DおよびEは使用上問題となるレベルである。
A:定着下限温度が、145℃未満
B:定着下限温度が、145℃以上、155℃未満
C:定着下限温度が、155℃以上、165℃未満
D:定着下限温度が、165℃以上、175℃未満
E:定着下限温度が、175℃以上
(ブロッキング試験(保存性試験))
50ccのポリカップにトナーを10g入れた。これを53℃の恒温槽に72時間放置した時のトナーの状態を下記のごとく目視判断した。A、BおよびCは使用上問題とならないレベルであるが、Dは使用上問題となるレベルである。
A:まったくブロッキングしておらず、初期とほぼ同様の状態。
B:若干、凝集気味であるが、ポリカップの回転で崩れる状態であり、特に問題とならない。
C:凝集気味であるが、手で崩してほぐれる状態。
D:凝集が激しい。
<実施例2〜3、比較例1>
実施例1において、ハイドロタルサイトの数平均一次粒子径とその添加量を表1の記載に変更した以外は、実施例1と同様にトナーを製造し、実施例1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
<実施例4〜5>
実施例1において、ハイドロタルサイトを疎水性酸化チタン(STT3000;チタン工業(株)社製)に、またその添加量を表1の記載に変更した以外は、実施例1と同様にトナーを製造し、実施例1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
<実施例6〜11、比較例2、3>
実施例1において、反応1の温度を変え(実施例6:66.3℃、実施例7:66.0℃、実施例8:65.5℃、実施例9:68℃、実施例10:68.5℃、実施例11:69.0℃、比較例2:65.0℃、比較例3:69.2)表1に示す100℃粘度にした以外は、実施例1と同様にトナーを製造し、実施例1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。比較例2、3は、定着温度可能領域が狭かったため、耐久評価は行なわなかった。
<実施例12〜17、比較例4、5>
実施例1において、ワックスの添加量を表1の記載に変更した以外は、実施例1と同様にトナーを製造し、実施例1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。比較例5は、定着温度可能領域が狭かったため、耐久評価は行なわなかった。
<実施例18>
(ポリエステル樹脂の製造例)
温度計、撹拌機、コンデンサーおよび窒素導入管を備えた反応容器に、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン35質量部、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン20質量部、テレフタル酸23質量部、無水トリメリット酸7質量部、フマル酸15質量部および2−エチルヘキサン酸錫0.02質量部を入れ、反応容器内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、215℃で4時間縮合反応させ、ポリエステル樹脂を得た。ポリエステル樹脂のTgは58℃、重量平均分子量(Mw)は65000であった。

(トナーの作製)
以下の方法でトナーを調製した。
・ポリエステル樹脂 100質量部
・ワックス(精製ノルマルパラフィン;DSCで測定された最大吸熱ピーク温度74.3℃、Mw510) 5質量部

・ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 〔ボントロンE88:オリエント化学
工業社製〕 2質量部 ・C.I.ピグメントブルー15:3 5.1質量部
上記の処方でヘンシェルミキサーにより十分に予備混合を行った。得られた混合物を二軸式押出機で溶融混練し、溶融混練物を冷却した。得られた冷却物をハンマーミルを用いて粒径約1〜2mm程度に粗粉砕した。次いで、粗粉砕物をエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。その後、風力分級装置(エルボージェット分級機)を用いて分級を行い、重量平均粒径5.8μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、実施例1と同じ無機微粉体を同様の組成で外添してトナーを得た。トナー物性は表1に示した。得られたトナーは実施例1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
<実施例19〜20>
実施例18において、微粉砕を図4、5に記載の分級同時表面改質処理装置を用いて、表1に示す平均円形度に調整した以外は実施例18と同様にトナーを製造した。得られたトナーは実施例1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
<実施例21〜24>
実施例1において、低分子量ポリスチレンの添加量を変えて、H(4000)/H(M1)を表1の記載に変更した以外は、実施例1と同様にトナーを製造し、実施例1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
<実施例25〜26>
実施例24において、反応1の温度を変え、表1に示す100℃粘度にした(実施例25:68.3℃。実施例26:68.5℃)例えば、温度を上げると100℃粘度は小さくなる。)以外は、実施例24と同様にトナーを製造した。得られたトナーは実施例1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
<実施例27〜30>
実施例1において、無機微粉体の数平均1次粒子径とその添加量を表1の記載に変更した以外は、実施例1と同様にトナーを製造し、実施例1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
<実施例31>
実施例1において、低分子量ポリスチレンを使用せず、スチレンモノマー
を33質量部、n−ブチルアクリレートを11.5質量部追加し、表1に示す100℃粘度、分子量分布となるよう反応1の温度を調整した以外は、実施例1と同様にトナーを製造し、実施例1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
<実施例32>
実施例1において、評価機の現像器にトナー攪拌機構を取り付け、トナー攪拌を行ないながら耐久試験を行なった以外は、実施例1と同様の方法で評価した。結果を表2に示す。
Figure 0004773942
Figure 0004773942
DSC測定におけるリバーシングヒートフロー曲線の一例である。 本発明のトナーのTHF可溶分のGPCにより測定された分子量分布のチャートの一例である。 本発明のトナーのTHF可溶分のGPCにより測定された分子量分布のチャートにおいて、p(M1)の高さh(M1)[mV]を1.00に換算した時の分子量分布のチャートの一例である。 本発明のトナーの製造方法に用いる分級同時表面改質処理装置の概略構成図である。 本発明のトナーの製造方法に用いる分級同時表面改質処理装置の分散ローターを示す図である。 本発明のトナーを用いた画像形成方法・装置の一例である。 本発明のトナーを用いた画像形成方法・装置の一例である。 本発明のトナーを用いた画像形成方法・装置の一例である。 本発明のトナーを用いた画像形成方法・装置の一例である。 本発明のトナーを用いた画像形成方法・装置の一例である。
符号の説明
30:分級同時表面改質処理装置
31:分級ローター
32:微粉回収
33:原料供給口
34:ライナー
35:冷風導入口
36:分散ローター
37:粉体排出口
38:排出弁
39:ガイドリング
40:角型ディスク
41:第一の空間
42:第二の空間

Claims (14)

  1. 結着樹脂、ワックス及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粉体とを含有する非磁性一成分トナーにおいて、前記トナーが、下記条件1)〜3)を満足することを特徴とする非磁性一成分トナー。
    1)前記トナーの加熱加圧凝集度Gが、2%≦G≦17%である。
    2)前記トナーのフローテスター昇温法による100℃の粘度が、10,000Pa・s以上45,000Pa・s以下である。
    3)前記ワックスの含有量が前記トナーの全量に対して1.0質量%以上22.0質量%以下である。
  2. 前記トナーの加熱加圧凝集度Gが、3%≦G≦15%であることを特徴とする、請求項1に記載の非磁性一成分トナー。
  3. 前記トナーのフローテスター昇温法による100℃の粘度が、20,000Pa・s以上42,000Pa・s以下であることを特徴とする。請求項1または2に記載の非磁性一成分トナー。
  4. 前記トナーのフローテスター昇温法による100℃の粘度が、25,000Pa・s以上40,000Pa・s以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の非磁性一成分トナー。
  5. 前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布において、メインピークの分子量(M1)が、10,000以上80,000以下であり、前記分子量分布のチャートにおいてメインピークの分子量(M1)の高さをH(M1)、分子量4,000の高さをH(4,000)としたとき、H(4,000)/H(M1)が0.100以上0.950以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の非磁性一成分トナー。
  6. フロー式粒子像分析装置で測定される前記トナーの円相当径(個数基準)2μm以上の粒子における平均円形度が、0.935以上0.990以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の非磁性一成分トナー。
  7. フロー式粒子像分析装置で測定される前記トナーの円相当径(個数基準)2μm以上の粒子における平均円形度が、0.950以上0.990以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の非磁性一成分トナー。
  8. 前記トナー粒子は、重合性単量体、ワックスおよび着色剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散し、前記重合性単量体を重合することによって製造されたトナー粒子であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の非磁性一成分トナー。
  9. 前記結着樹脂は、スチレン―アクリレート樹脂及び/またはスチレン―メタクリレート樹脂を質量換算で最も多く含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の非磁性一成分トナー。
  10. 前記トナーは、前記ワックスの含有量が前記トナーの全量に対して2.0質量%以上17.0質量%以下であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の非磁性一成分トナー。
  11. 前記トナーは、前記ワックスの含有量が前記トナーの全量に対して5.0質量%以上16.0質量%以下であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の非磁性一成分トナー。
  12. 前記無機微粉体は、数平均一次粒子径が5.0nm以上40.0nm以下の無機微粉体を少なくとも含有していることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の非磁性一成分トナー。
  13. 前記無機微粉体は、数平均一次粒子径が50nm以上600nm以下の無機微粉体を含有していることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の非磁性一成分トナー。
  14. 帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体を帯電する帯電工程と、帯電された静電潜像担持体に、静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、静電潜像担持体上に形成された静電潜像に、トナー担持体上に担持されたトナーを付着させて、トナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を、中間転写体を介して、又は介さずに転写材に静電転写する転写工程と、転写材に静電転写されたトナー像を定着する定着工程とを有する画像形成方法において、
    前記現像工程で用いられる現像器はトナー攪拌機構を有さず、前記トナーが、請求項1〜13のいずれか一項に記載の非磁性一成分トナーであることを特徴とする画像形成方法。
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