JP2008070530A - トナー - Google Patents

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Kazuki Yoshizaki
和已 吉▲崎▼
Tomohito Handa
智史 半田
Shinya Yanai
信也 谷内
Koji Abe
浩次 阿部
Emi Tosaka
恵美 登坂
Yasuhiro Hashimoto
康弘 橋本
Yuji Mikuriya
裕司 御厨
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Abstract

【課題】微粒子トナーの特性を活かしつつ、その問題点を克服したトナーおよび非磁性1成分系現像剤の提供。
【解決手段】水系媒体中で造粒して製造されたトナー粒子に無機微粉体を外添したトナーにおいて、THF可溶分のGPCによる重量平均分子量Mwのピークまたはショルダーが2000〜5000の範囲にあり、重量平均粒径D4が4.0〜6.3μmであり、BET比表面積が2.5〜4.0m/gであり、そして23℃、60%RHの環境に36時間放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をA%とし、温度50℃、湿度15%の環境に36時間放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をB%とした時、下記条件:50≦A≦801.02≦(B/A)≦1.20を満足する。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などを利用した記録方法に用いるトナーに関するものである。
近年、プリンター装置などの電子写真装置に関する技術開発の方向は高解像度化に向けられている。即ち、従来300、600dpiであったものが1200、2400dpiとなってきている。従って、現像方式にも、より高精細が要求されてきている。また、複写機においても高機能化が進んでおり、そのためデジタル化が進みつつある。デジタル的に画像形成を行う方法においては、静電荷像をレーザーで形成する方法が主であり、デジタル化により更に高解像度の方向への発展が促されるため、ここでもプリンターと同様に高解像・高精細の画像形成が要求される。そのような高解像・高精細の要求を満たすべく、トナーは、さらに微粒子化の方向に向かって開発されつつあり、その製造方法として、重合法によるトナーの製造方法が提案されている。この重合法トナーには、乳化会合(凝集)した樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させて不定形化したトナー(乳化会合(凝集)型トナー)を調製する方法や、ラジカル重合性モノマーと着色剤とを分散し、ついで水系媒体に所望のトナー粒径になるように液滴として分散し、懸濁重合させる工程を経てトナー粒子を調製する方法(懸濁重合トナー)等がある。(例えば特許文献1、2及び3参照。)
特に、懸濁重合法によるトナー粒子の製造においては、トナー粒子の微粒子化が容易であるばかりか、粒度分布がシャープであり、球形度が高く、かつ表面の材質がほぼ均一な粒子を形成することができるため、均一な摩擦帯電性を有した粒子が得られる。その結果、高現像性、高転写性を有したトナーを得ることができる。また、上述したように、シャープな粒度分布が得られるので、分級工程の簡略化も可能になる。そのため、エネルギーの節約、製造時間の短縮、工程収率の向上等、コスト削減効果も大きい。
また、電子写真の分野においては、カラー化が急速に進んでいる。カラー画像は、一般にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを適宜重ねて現像することにより形成されるため、各色のトナーには単色のときよりも高い現像特性が求められる。即ち、静電荷像を忠実に現像することができ、飛び散ることなく転写材に確実に転写され、容易に紙等の転写材に定着されるトナーが求められており、上記のような懸濁重合法で作られたトナーは、そのような観点においても好適に用いられている。
一方、近年プリンターの印字速度がますます向上しており、それに伴って、トナーに要求される特性もますます高くなってきている。上述したように、微粒子トナーにおいて高い現像性、転写性を達成しなければならないことに加えて、より低温でかつ、高速で定着が可能なトナーが望まれている。
さらに、画像の解像度の向上に伴い、写真や印刷の画質に近づけるために、画像の光沢度の制御、および混色性が良好で広範囲な色再現性が良好なトナーが求められている。例えば、写真画質に近い光沢度の高い画像を得ることが要求されている。
そのために、トナーバインダーのガラス転移点(Tg)を下げることや、トナーバインダーの平均分子量を下げることが必要である。しかし、単純にトナーバインダーのTgや平均分子量を下げてしまうとトナーの保存安定性が損なわれたり、定着器にトナーがオフセットし画像を汚染してしまうなどの現象がおきやすくなる。また、ワックスがトナー表面に染み出しやすくなったり、トナー強度が低下して破砕されやすくなり、その結果、部材汚染が起こりやすくなるのが通常である。
このようなトナーの現像安定性と高速低温定着性という一見矛盾する性能を両立するためにさまざまな提案がなされており、例えば、トナーバインダーの低分子量成分のTgを高くすることで保存安定性を得る方法が提案されている。(例えば、特許文献4参照。)
また、トナーをメタノール水溶液に分散させた時の透過率を規定することで、高速現像安定性と低温定着性を小粒径トナーにおいても両立させる方法が提案されている。(例えば特許文献5参照。)
しかし、これら粉砕法で製造されたトナーでは内添されたワックスの一部がトナー表面に出ているため、特に、SOHOなどのニーズから小型化が求められているプリンターに好適に用いられている1成分現像方式に使用された場合においては、トナーの帯電立ち上がり性に問題があったり、部材汚染が起こりやすいため、多数枚の複写時に濃度低下やかぶり、画像スジなどの画像欠陥が出やすくなる場合があった。
一方、重合法トナーは粉砕法トナーに比べワックスの内包化に関しては優位であり、比較的1成分現像方式での画像の安定性に優れてはいるものの、自由に分子量分布をコントロールすることができにくいため、さまざまな工夫が必要となる。
高解像・高精細という観点から高画質を達成するために、トナーの円形度とワックス成分のスチレンモノマーへの溶解度を規定することで、小粒径トナーにおいても高い現像性と転写性を得るという提案がされている。(例えば特許文献6参照。)
しかしながら、上述したように、フルカラー画像に要求される画像の光沢性や混色性、さらには低温定着性という観点においては、まだ不十分であった。
低温定着性、耐高温オフセット性を達成するために、貯蔵弾性率G’、フローテスター粘度を規定する提案や、特定の触媒により重合されたポリエステル樹脂を用いるという提案がされている。(例えば特許文献7、8参照。)
しかし、小粒径トナーの耐久性、画像の光沢性、省エネルギー化のための更なる低温定着性の達成という観点においては、未だ不十分であった。そこで、バインダー樹脂の分子量を制御しながら低温定着性を達成する手段として、重合性単量体中にビニル系の低分子量ポリマーをあらかじめ添加し、その存在下に単量体組成物を造粒・重合し、トナーを作製する方法が提案されている。(例えば特許文献9。)
これにより低温定着性と保存安定性が向上し、粉砕法に比べワックスが内包化されやすいためにある程度現像安定性も向上するが、架橋剤を多めに使用していることから十分満足できる光沢度が得られていないことがわかる。製法上、該特許文献に用いられている高融点ワックスを大量に添加することが困難であるため、耐オフセット性を確保するためにバインダーの分子量を十分に下げることができないことが要因として挙げられる。
高分子量成分を減らして光沢度を向上させ、大量のワックスにより耐オフセット性を確保したトナーが提案されている。(例えば特許文献10。)これは、低融点のエステルワックスやパラフィンワックスを多量に添加することにより耐オフセット性を向上させ、しかもワックスとバインダとのコア・シェル構造を形成することで低温定着性、耐オフセット性と耐部材汚染性を向上させるというものである。しかし、高速の現像用トナーとしてはトナー自体の帯電立ち上がりや、トナー強度が不十分である。
以上のように、微粒子トナーによって高解像度・高精細画像を達成しつつ、現像の長期耐久安定性および高速低温定着性を両立させるとともに定着画像の光沢、充分な画像濃度、トナーの保存安定性など、全ての要求をバランスよく満たすには、これまで提案されてきた技術では不十分であり、まだまだ改善の余地がある。
特公昭36−10231号公報、 特公昭47−518305号公報 特公昭51−14895号公報 特許第2630972号公報 特開2004−295101号公報 特開2004−361983号公報 特開2005−062857号公報 特開2004−062817号公報 特許第2769870号公報 特許第3428774号公報
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決するためになされたものである。
(1) すなわち、本発明の目的は、高解像、高精細の画像を形成することのできる微粒子のトナーを提供することにある。
(2) 更に、本発明の目的は、上記(1)の目的を達成しつつ、低温定着性に優れ、写真や印刷の画質に近づけるために必要な、適切な光沢度および画像濃度をもった画像を形成することができるトナーを提供することにある。
(3) 更に、本発明の目的は、上記(1)の目的を達成しつつ、高温環境下での画出しにおいても部材汚染を生じさせることの無い、耐久性に優れたトナーを提供することにある。
(4) 更に、本発明の目的は、帯電立ち上が早く、均一な帯電量及び帯電量分布を持ち、高い現像および転写性を持ったトナーを提供することにある。
(5) 更に、本発明の目的は、高温環境下で放置した場合にもブロッキングしない、保存安定性に優れたトナーを提供することにある。
(6) 更に、本発明の目的は、上記(1)の目的を達成しつつ、多数枚の画出しにおいてもクリーニング不良の発生しないトナーを提供することにある。
(7) 更に、本発明の目的は、上記(1)〜(6)の目的を達成し得る一成分系現像剤を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、以下の構成により前述の問題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の特徴を有するトナーである:
(1)少なくとも重合性単量体、着色剤及び離型剤を含有する組成物を水系媒体中で造粒して製造されたトナー粒子と外添剤として無機微粉体とを有するトナーにおいて、該トナーは、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量Mwにおいて、2000〜5000の間に少なくとも一つのピーク又はショルダーを有しており、重量平均粒径(D4)が4.0(μm)〜6.3(μm)であり、BET比表面積が2.5〜4.0(m/g)であり、そして23℃、60%RHの環境に36時間放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をA(%)とし、50℃、15%RHの環境に36時間放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をB(%)とした時、下記条件:
50≦A≦80
1.02≦(B/A)≦1.20
を満足することを特徴とするトナー;
(2)前記トナー粒子は、23℃、60%RHの環境に36(hr)放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をAp(%)とし、50℃、15%RHの環境に36(hr)放置した時のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をBp(%)とした時、下記条件:
10≦Ap≦30
1.10≦(Bp/Ap)≦1.90
を満足する上記(1)に記載のトナー;
(3)前記トナーは、円相当径2μm以上の粒子の平均円形度が、
0.950≦平均円形度≦0.985
である上記(1)又は(2)に記載のトナー;
(4)前記トナーは、示査走査熱量計により測定されるDSC曲線の70〜120℃に最大吸熱ピークを有する上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のトナー;
(5)前記離型剤が、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス、フィッシャートロプシュワックス、酸化ポリエチレンワックス、および脂肪族炭化水素の酸化物のブロック共重合物からなる群より選択される少なくとも1種のワックスからなる上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のトナー;
(6)前記トナーが、更に樹脂を有し、該樹脂が、少なくともスチレンおよび/またはスチレン誘導体を含む重合性単量体とスチレンおよび/またはスチレン誘導体をあらかじめ重合することによって得られた単重合体および/又は共重合体である上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のトナー;
(7)前記無機微粉体が、1次粒径が40nm未満のオイル処理したシリカ微粒子を含む上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のトナー。
(8)該無機微粉体が、1次粒径が40nm未満のオイル処理したシリカ微粒子とハイドロタルサイトとを含む(1)乃至(7)のいずれかに記載のトナー。
また、本発明は、
少なくとも重合性単量体、着色剤及び離型剤を含有する組成物を水系媒体中で造粒して製造されたトナー粒子と外添剤として無機微粉体とを有する非磁性1成分系現像剤において、
該現像剤は、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量Mwにおいて、2000〜5000の間に少なくとも一つのピーク又はショルダーを有しており、重量平均粒径(D4)が4.0(μm)〜6.3(μm)であり、BET比表面積が2.5〜4.0(m/g)であり、そして23℃、60%RHの環境に36時間放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をA(%)とし、50℃、15%RHの環境に36時間放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をB(%)とした時、下記条件:
50≦A≦80
1.02≦(B/A)≦1.20
を満足することを特徴とする現像剤である。
本発明によれば、高解像、高精細の画像を形成することのできる微粒子であり、低温定着性に優れ、写真や印刷の画質に近づくために必要な適切な光沢度および画像濃度をもった画像を形成し、高温環境下での画出しにおいても部材汚染を生じさせることがなく、耐久性に優れ、帯電立ち上が早く、均一な帯電量及び帯電量分布を持ち、高い現像および転写性を有し、高温環境下で放置した場合にもブロッキングしない保存安定性に優れ、そして多数枚の画出しにおいてもクリーニング不良の発生しないトナー及び一成分系現像剤を提供することができる。
本発明のトナーは、少なくとも重合性単量体、着色剤及び離型剤を含有する組成物を水系媒体中で造粒して製造されたトナー粒子と外添剤として無機微粉体とを有し、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量Mwにおいて、2000〜5000の間に少なくとも一つのピーク又はショルダーを有しており、重量平均粒径(D4)が4.0(μm)〜6.3(μm)であり、BET比表面積が2.5〜4.0(m2/g)であり、そして23℃、60%RHの環境に36時間放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をA(%)とし、50℃、15%RHの環境に36時間放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をB(%)とした時、下記条件:
50≦A≦80
1.02≦(B/A)≦1.20
を満足することを特徴とする。
上記物性値を達成することにより、微粒子トナーによって高解像・高精細な画像が得られるばかりか、現像の長期耐久安定性と高速低温定着性とを両立させ、定着画像の光沢、充分な画像濃度、トナーの保存安定性等の要求をバランスよく満たすことが可能となる。
すなわち、これまで微粒子トナー特有の問題点として挙げられてきた:
(1) ファンデルワールス力や鏡像力に起因して現像ローラーへの付着力や感光体への付着力が増大することにより、現像性や転写性が低下し、充分な画像濃度を得ることが困難となってしまったり、1枚あたりのトナー消費量が増大し、コストアップを招来する、
(2) 感光体のクリーニング不良を起こしやすい、
(3) トナー全体の表面積が増えることにより、粉体としての流動性及び攪拌性が低下し、個々のトナー粒子を均一に帯電させることが困難となることからカブリや転写性が悪化する傾向があり、画像の不均一ムラが生じる原因となりやすい、
(4) トナー全体の表面積の増大により、特に高温環境下で放置した場合に、ワックスが染み出し易く、現像ローラーや感光体へのフィルミングを起こす原因となる、
といった現像、転写系の問題点の解決を、バインダー樹脂を柔らかい方向に設計することによって、高速低温定着性、画像の光沢度の制御などの定着面での問題点の解決と同時に達成することができる。
重粒平均粒径(D4)が4.0(μm)〜6.3(μm)のような小粒径のトナーを用いた場合、1200、2400dpiと潜像の解像度が高まっている近年のプリンターや複写機において、潜像を忠実に再現した高解像、高精細の画像を得ることが可能となる。また、隠蔽力の向上により、トナーの低消費量化が可能となり、ランニングコスト低減にもつながる。
本発明のトナーは、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量Mwにおいて、2000〜5000の間に少なくとも一つのピーク又はショルダーを有している。
これによって、トナーの低温定着性が向上すると共に写真や印刷の画質に近づくために必要な適切な光沢度及び濃度を持った画像が得られる。具体的には、例えば重量平均分子量Mwが2000から5000の低分子量ポリマーをあらかじめ添加し、その存在下において水系媒体中でトナーの成分を含む組成物を造粒・重合し、この要件を満たすトナーを製造することができる。
上述のピーク又はショルダーが2000未満に存在した場合、高温の環境に放置した場合の耐ブロッキング性が劣り、保存安定性が低下してしまう。5000を超える場合には、低温定着性が悪化し、所望の光沢性を持った画像が得られなくなってしまう。また、その結果、適切な画像濃度が得られなくなってしまう場合がある。
本発明のトナーは、BET比表面積が、2.5〜4.0(m/g)である。BET比表面積は、トナーの粒径、粒度分布および外添剤として添加する無機微粉体の比表面積や添加量によって、ほぼ決定される。
トナーのBET比表面積が2.5(m/g)未満である場合、外添剤の添加量が充分でないため、流動性が不十分なトナーとなり、帯電の立ち上がりが遅く、かぶりが発生する可能性がある。さらには、外添剤添加量が不十分な場合、良好な画像を安定して長期にわたって出力することができず、耐久性に劣ってしまうという場合もある。外添剤自体の比表面積が小さい場合、これは外添剤の粒径が大きいこととほぼ同じと考えて良いが、その場合、外添剤のトナー粒子への付着力が弱まるため、トナー粒子から外添剤が遊離しやすくなることによるトナー劣化や、部材汚染等が進むことにより、耐久性に劣るトナーになる可能性がある。
トナーのBET比表面積が4.0(m/g)を超える場合、外添剤の添加量が過剰であることが考えられる。トナー粒子に付着可能な外添剤粒子の量は、お互いの表面積によって決まってくるため、過剰量の外添剤は、遊離外添剤としてトナー中に存在することになる。その結果、現像ローラーの部材汚染を引き起こすことで、かぶりを発生させてしまう場合がある。また、トナーの流動性が良化しすぎるため、凝集度が下がり、クリーニング不良が発生する場合がある。
さらには、外添剤自体の比表面積が大きい場合、これは外添剤の粒径が小さいこととほぼ同じと考えて良いが、その場合においても、トナーのBET比表面積が、4.0(m/g)を超える要因となりうる。細かい外添剤は、トナー粒子に強く付着することが可能である。しかし、トナーにかかるストレスにより、外添剤粒子がトナー粒子へ埋め込まれてしまう場合が見られ、トナー粒子への流動性付与や素早い帯電立ち上がりなどといった本来外添剤が担うべき役割を充分に果たすことができず、耐久性に乏しいトナーになってしまう場合がある。
本発明のトナーは、温度23℃、湿度60%RHの環境に36(hr)放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をA(%)とし、温度50℃、湿度15%RHの環境に36(hr)放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をB(%)とした時、50≦A≦80であり、1.02≦(B/A)≦1.20の関係を満たしている。
本発明者らは、メタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度A(%)、B(%)を、基本的にはトナー表面に存在するワックスの存在量をモニターする指標と考えている。例えば、メタノール濃度A(%)の値が大きければ大きい程、メタノールに濡れにくいトナー、すなわち、トナー表面に存在するワックス量が多いトナー、と考えている。但し、トナーのメタノール濡れ性に関する絶対値は、外添剤の種類、疎水化の度合い、存在量に負うところも大きく、それらを含めたトータルとして50≦A≦80の範囲にあることがトナーの物性として必要であるということを見出した。
が50(%)未満であった場合、トナー表面に存在するワックス量が少ないか、外添剤の添加量が少ない、あるいは疎水化度が低いといった要因がそれぞれ単独でもしくは複合的に影響していることを示唆している。
トナー表面に存在するワックス量が少ない場合、それ自体は耐久性の観点では特に問題ないと考えるが、特に、本発明のトナーのような微粒子トナーの場合、流動性が良化するとともに、クリーニングブレードでのすべり性が悪くなることで感光体のクリーニング不良がおきる場合がある。また、外添剤の添加量が少ない場合、良好な画像を安定して長期にわたって出力することができず、耐久性に劣ってしまう。更に疎水化度が低いといった要因の場合、全体として水に濡れやすいトナーである事を示唆しているため、特に高温高湿下における画像特性や、長期画出しにおける耐久性に悪影響を及ぼす場合がある。
が80(%)を超える場合、逆にトナー表面に存在するワックス量が多いか、外添剤添加量が多すぎる、あるいは疎水化度が高すぎることが考えられ、いずれの場合においても現像ローラーや現像ブレードの汚染による画像特性の悪化が見られる場合がある。また、外添剤添加量が多すぎる場合、凝集度が下がり、クリーニング不良を起こす場合がある。
また、疎水過度が高すぎる場合、全体として水に濡れにくいトナーということを示唆しており、特に低湿環境下での画出しにおいて、チャージアップにともなう画像濃度低下などが見られる場合がある。
本発明者らは、温度50℃、湿度15%RHの環境に36(hr)放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をB(%)とした時、Aに対するBの比(B/A)を、トナーからのワックスの染み出しやすさをモニターする指標と考えている。例えば、(B/A)の値が大きければ大きい程、トナー粒子内部からワックスが染み出しやすいと考えている。
(B/A)が1.02未満であった場合、これはトナー粒子内部から全くトナーが染み出さないということを意味している。この場合、低温定着性が悪化する。特に定着ローラー、定着フィルムなどとの離型がうまくなされないことで高温オフセット性が悪化する場合がある。
(B/A)が1.20を超える場合、特に高温環境下において画出しした場合に、現像ローラーや現像ブレードの部材汚染による画像特性の悪化が見られる場合がある。
上記メタノール濡れ性の条件を達成するためには、特にその手段に制限はないが、例えば、ワックス種として非極性の脂肪族炭化水素系ワックスを使用することで、水系で重合させた時に、極力トナー粒子表面に存在するワックス量を減らし、さらに、ある特定の融点を持つワックスを選択することで、ワックスの染み出しやすさをコントロールするという方法が考えられる。
また、バインダー樹脂の組成を変化させてTg(ガラス転移温度)を制御することで、ワックスの染み出しやすさをコントロールするという方法も考えられる。
また、絶対値(A)をコントロールする手段としては、シリカ、ハイドロタルサイトといった外添剤を選択し、添加量の適正化を図ることによって行なうという方法が考えられる。
本発明のトナーのGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるTHF(テトラヒドロフラン)に可溶な樹脂成分の分子量の測定は、以下のようにして行った。
トナーをTHFに室温で24時間静置して溶解した溶液を、孔径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルターで濾過してサンプル溶液を調製し、以下の条件で測定する。尚、サンプル調製において、THFに可溶な成分の濃度が0.4〜0.6質量%になるようにTHFの量を調整する。
装置:高速GPC「HLC8120 GPC」(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :THF
流速 :1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量 :0.10ml
また、試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(東ソー社製TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500)を使用して作成した分子量較正曲線を使用する。
本発明のトナーの重量平均粒径(D4)はコールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いる方法等種々の方法で測定可能である。具体的には、下記のように測定できる。コールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、それに個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続する。電解液としては、1級塩化ナトリウムを用いて調製した1%NaCl水溶液を用いることができ、たとえば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定手順は以下の通りである。
測定用容器に、前記電解水溶液を100〜150ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、前記コールターマルチサイザーにより100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。これより重量平均粒径(D4)を求める。
BET比表面積の測定は、脱ガス装置バキュプレップ061(島津製作所製)等公知の装置を用いることによって、10時間以上試料の脱気を行なうことで、充分に試料の脱気を行なった後、窒素ガス吸着によるBET法による表面積測定装置tristar3000(島津製作所製)等公知の測定装置を用いることによって行うことができる。尚、本発明におけるBET比表面積は、多点法BET比表面積の値である。
本発明における、メタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度A(%)、B(%)の測定は、メタノール滴下透過率曲線を用いて測定する。具体的には、その測定装置として、例えば(株)レスカ社製の粉体濡れ性試験機WET−100Pが挙げられ、具体的な測定操作としては、以下に例示する方法が挙げられる。
まず例として初期メタノール濃度が40体積%の場合についての方法を述べるが、初期のメタノール濃度は現像剤の濡れ始めの濃度、濡れ終わりの濃度が測定できるように適宜調整して測定を行った。
メタノール40体積%と水60体積%とからなる含水メタノール液60mlをトールビーカー容器中に入れ、その測定用サンプル中の気泡等を除去するために超音波分散器で5分間分散を行う。この中に検体であるトナーを0.1g精秤して添加し、現像剤の疎水特性を測定するためのサンプル液を調製する。
次に、この測定用サンプル液を280〜300rpmの速度で撹拌しながら、メタノールを0.8ml/minの滴下速度で連続的に添加し、波長780nmの光で透過率を測定し、メタノール滴下透過率曲線を作成する。得られたメタノール滴下曲線から透過率が50%の時点におけるメタノール濃度を読み取ることによりA(%)、B(%)を求めた。尚、この測定において、トールビーカーとしては、直径5cmの円形で、厚さ1.75mmのガラス製のものを用い、スターラーとして、長さ25mm、最大径8mmの紡錘形でありフッ素樹脂コーティングを施されたマグネティックスターラーを用いた。また、検体であるトナーとしては、50ccのプラスチック製カップにトナー2gを入れ、所定の環境に放置したものを使用した。また、温度50℃、湿度15%RHの環境に36(hr)放置した検体に関しては、さらに温度23℃、湿度60%の環境に24h以上放置しなおし、乾燥により失った水分を戻す作業を行なった。
本発明における、トナー粒子は、温度23℃、湿度60%RHの環境に36(hr)放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をAp(%)とし、温度50℃、湿度15%RHの環境に36(hr)放置した時のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をBp(%)とした時、10≦Ap≦30であり、1.10≦(Bp/Ap)≦1.90であることが好ましい。
本発明者らは、Ap(%)及びBp(%)は、外添剤を添加する前のトナー粒子についての値であるため、純粋にトナー表面に存在するワックス量とトナーからのワックスの染み出し量をモニターしているものと考えている。
Apが10%に満たない場合、トナーの内部にほぼワックスが内包化しているものと考えられる。そのことは、部材汚染を防止する事につながるため、長期画出しにおける耐久性の観点では有利ではあるが、特に本発明の微粒子トナーは、比較的に流動性が良く、クリーニングブレードのすべり性が悪く、感光体のクリーニング不良を生じる場合があった。また、Apが30%を超える場合、現像ローラー等の部材汚染につながり、耐久性に劣る結果となってしまう場合があった。
本発明のトナーは、円相当系2μm以上の粒子の平均円形度が0.950〜0.985であることが好ましい。平均円形度が0.950以上のトナーは転写性に優れている。これはトナー粒子と感光体との接触面積が小さく、鏡像力やファンデルワールス力等に起因するトナー粒子の感光体への付着力が低下するためである。従って、このようなトナーを用いれば転写効率が高く、トナー消費量の低減に寄与する。
さらに、平均円形度が0.950以上のトナー粒子は表面のエッジ部が少ないため、一つの粒子内での電荷の局在化が起こりにくく、帯電量分布も狭くなる傾向にあり、潜像を忠実に現像することができる。そのため、0.950以上が好ましい。
一方、平均円形度が0.985を超える場合、クリーニング不良を抑制する効果が得られにくい。
・平均円形度の測定
トナーの平均円形度は、トナー粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明においては、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出する。
円形度=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、頻度をfciとすると、次式から算出される。
Figure 2008070530
測定手段としては以下の通りである。界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を約0.1mg溶解しているイオン交換水20mlにトナー3mgを分散させて分散液を調製し、超音波(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5000〜1万個/μlとして前記装置により測定を行い、2μm以上の円相当径の粒子群の平均円形度を求める。
本発明における平均円形度とは、現像剤の凹凸の度合いの指標であり、現像剤が完全な球形の場合1.000を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
本発明のトナーにおいては、上述したようにメタノール濡れ性を制御すること、および良好な定着画像を得るために、結着樹脂(前記重合性単量体を重合することによって得られた樹脂)100質量部に対して3〜30質量部の離型剤を含有することが好ましい。更に、離型剤の量は5〜20質量部であることがより好ましい。離型剤としては、例えば、以下のようなワックス等が例示できる。
本発明のトナーに使用可能な離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物からなるワックス等が挙げられる。
また、該トナーは、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線の70〜120℃に上記ワックスの融点に起因する最大吸熱ピークを持つことが好ましい。DSC曲線は、示差熱分析測定装置(DSC測定装置)DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定した。
測定試料5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。
これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下において測定を行う。この昇温過程で、メインピークの吸熱ピークが得られる。
本発明においては、トナーの帯電性を制御する目的でトナー粒子中に荷電制御剤を添加しておくことが好ましい。これらの荷電制御剤としては、例えば、正荷電制御剤としてニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、グアニジン誘導体、イミダゾール誘導体、アミン系化合物等が挙げられる。負荷電制御剤としては、含金属サリチル酸化合物、含金属モノアゾ系化合物、尿素誘導体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリルアミドスルホン酸類の共重合体等が挙げられる。中でも、含金属サリチル酸化合物、含金属モノアゾ系化合物、スチレン−アクリルアミドスルホン酸類の共重合体が特に好ましく用いられる。これらの荷電制御剤の添加量としては、結着樹脂又は重合体単量体の0.1〜10重量%が好ましい。
さらには、重量平均分子量Mwが10000〜50000のスチレン−アクリルアミドスルホン酸類(以降、樹脂Aと記載する場合もある)が、とりわけ好ましく用いられる。
重量平均分子量Mwが、10000未満である場合、高温高湿下におけるトナーの流動性が悪くなり、ハーフトーンの均一性が低下する。50000を超える場合には、単量体への溶解に時間がかかることに加え、ワックスの染み出しが遅くなり、定着時の巻き付きオフセットが悪化したり、帯電量分布が広がったりする傾向がある。
樹脂Aの数平均分子量は5000以上20000以下であることが好ましい。その理由は、5000未満であるとトナーのオリゴマー成分量が多くなり高温高湿下におけるトナーの流動性が悪化し、一方、20000を超えると結着樹脂との相溶性が低下するために帯電量分布がブロードになる傾向があるからである。
樹脂Aのピーク分子量は18000以上30000以下が好ましい。その理由は、18000未満であるとトナーのオリゴマー成分量が多くなり、高温高湿下におけるトナーの流動性が悪化し、一方、30000を超えると定着性に悪影響を及ぼす傾向があるためである。
さらに、樹脂Aの酸価は、5以上24以下であることが好ましい。5未満では高温高湿環境下でのハーフトーンの均一性が失われ、一方、24を超えると、低温低湿環境下でのハーフトーン画像の安定性が失われる傾向がある。
本発明においては、樹脂Aの酸価の測定は、JIS K0070:1992に準じて行った。
本発明に係る樹脂Aを製造するための含硫黄単量体としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸等或いは、下記構造を有するマレイン酸アミド誘導体、マレイミド誘導体、スチレン誘導体がある。
Figure 2008070530
本発明に係る樹脂Aは、上記単量体の単重合体であっても、また上記単量体と他の単量体との共重合体であってもよい。上記単量体と共重合体をなす単量体としては、ビニル系重合性単量体があり、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。
本発明のトナーに好適な帯電性を与えるためには、上記単量体のうちスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミドが特に好ましい。
本発明の樹脂Aを重合する際に用いられるスルホン酸基を含有するビニル系モノマーの量は、2〜8質量%の範囲が、トナーにおける好適な帯電量を達成し、かつハーフトーン画像の画質を環境の影響を受けずに安定に維持する上で好ましい。
単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
樹脂Aおいて、スルホン酸基を含有するビニル系モノマーと併用できる単量体として、上述の如き単量体を挙げることができるが、スチレン或いはスチレン誘導体は必須の単量体である。その理由は、ハーフトーン画像の画質を安定に維持する上で樹脂Aの帯電量を制御することが必要不可欠であるためである。さらに、後述するガラス転移温度を制御する上で、(メタ)アクリル酸エステルは必須成分として存在しなければならない。
樹脂Aの製造方法には、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、イオン重合等があるが、操作性などの面から溶液重合が好ましい。
樹脂Aとしては、下記の構造を有するスルホン酸基を有する重合体を例示することもできる。
X(SO3 -・mYk+
(Xは前記重合性単量体に由来する重合体部位を表し、Yk+はカウンターイオンを表し、kはカウンターイオンの価数であり、m及びnは整数であり、n=k×mである。)
この場合、カウンターイオンは、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、アンモニウムイオンなどであることが好ましい。
樹脂Aは、結着樹脂100質量部当り0.5乃至10質量部含有されていることが好ましく、より好ましくは1乃至8質量部である。
樹脂Aの含有量が0.5質量部未満の場合には、本発明で言及するような十分な荷電制御作用が得られにくく、10質量部を超えると、平均円形度が低下し、現像性や転写性の低下を引き起こしやすい。
トナー中の樹脂Aの含有量は、キャピラリー電気泳動法などを用いて測定することができる。
樹脂Aは、ガラス転移温度(Tg)が77℃以上であることが必須であり、100℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が77℃未満の場合には、ハーフトーン画像を高温下にて安定に出力することが困難となる傾向がある。また、ガラス転移温度が77℃未満であると、表面に存在する荷電制御剤部分に外添剤が埋め込まれやすくなり、摩擦帯電性が低下する。一方、ガラス転移温度が100℃を超える場合には、低温低湿環境のチャージアップが悪化する傾向があり、かつトナー印字率の高い画像の定着性に劣る。
樹脂Aは、揮発分が0.01乃至2.0%であることが好ましい。揮発分を0.01%未満とするためには、揮発分除去工程が複雑になり、揮発分が2.0%を超える場合には、高温高湿下での帯電性、特に長期間放置後の帯電性が悪化する傾向がある。ここで、揮発分とは、高温(135℃)で1時間加熱したときに減少する重量の割合である。
なお、樹脂Aの分子量やガラス転移点の測定に際して、トナーから該樹脂の抽出を行う場合には、抽出の方法に特に制限はなく、任意の方法で行うことができる。
本発明のトナーにおいては、上述したように、トナーの低温定着性を向上させるため及び写真や印刷の画質に近づけるために必要な適切な光沢度及び濃度を持った画像を得るために、重量平均分子量Mwが2000から5000の低分子量ポリマー(以降、樹脂Bとも記載する)を添加することが好ましい。
樹脂Bとして、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などを単独或いは混合して使用できる。
また、例えば、アミノ基、カルボン酸基、水酸基、スルホン酸基、グリシジル基、ニトリル基等の親水性官能基含有の単量体成分をトナー中に導入したい時には、これらとスチレンあるいはエチレン等のビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック共重合体、あるいはグラフト共重合体等の形で使用が可能である。
添加する樹脂BのTgは50℃〜100℃が好ましい。Tgが50℃未満であると、トナー粒子全体の強度が低下して多数枚耐久試験時に転写性や現像特性の低下を招きやすい。さらに、高温多湿環境下においてトナ−粒子同士が凝集し、保存安定性が低下するという問題も生じる。一方、ガラス転移点が100℃を超える、定着不良という問題が生じ易くなる。
樹脂Bの添加量は、トナー粒子中の結着樹脂100質量部中に、好ましくは1〜75質量部である。1質量部未満では、樹脂の添加効果が小さい。75質量部を超えると、耐ブロッキング性に劣った保存安定性の悪いトナーとなってしまう。
本発明のトナーは、現像性、保存安定性、定着性の更なる改良を狙い、ポリエステル樹脂(今後樹脂Pと記載する場合もある)を添加することが好ましい。ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mw(P)は、5000≦Mw(P)≦25000が好ましい。5000未満である場合においては、定着時の高温オフセットが悪化したり、感光体へのフィルミングを起こしてしまう場合がある。一方、25000を超える場合、本願の目的の一つである低温定着性と光沢に優れた画像を得ることができなくなってしまう。
本発明に使用される樹脂Pとして、例えばトナー粒子から得られるトナーの帯電性、耐久性および定着性などの物性をコントロールする上で、飽和ポリエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂のいずれか一方又は両方を適宜選択して使用することが可能である。
本発明に使用されるポリエステル樹脂を構成するアルコール成分と酸成分を以下に例示する。アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ブテンジオール、オクテンジオール、シクロヘキセンジメタノール、水素化ビスフェノールA、また下記一般式(III)で表されるビスフェノール誘導体、
Figure 2008070530
[式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である]、あるいは一般式(III)の化合物の水添物また、下記一般式(IV)で示されるジオール、
Figure 2008070530
あるいは式(IV)の化合物の水添物のジオール、さらには、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルの如き多価アルコール等、が挙げられる。
2価のカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸またはその無水物、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸またはその無水物、またさらに炭素数6〜18のアルキルまたはアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸またはその無水物、さらには、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸の如き多価カルボン酸やその無水物など、が挙げられる。
樹脂Pは、本発明のトナー粒子の製造方法においてトナー粒子表面に存在し、得られるトナー粒子が安定した帯電性を発現するためには、0.1〜50mgKOH/gの酸価を有していることが好ましい。0.1mgKOH/g未満であると、トナー粒子表面での存在量が絶対的に不足することがあり、50mgKOH/gを越えるとトナー粒子の帯電性に悪影響を及ぼすことがある。さらに本発明では、5〜35mgKOH/gの酸価の範囲がより好ましい。
これら樹脂Pの添加量としては、重合性単量体100質量部に対し1〜20質量部が好ましい。1質量部未満では添加効果が小さく、一方20質量部を超えると重合トナーの製造上、種々の物性設計が難しくなる。
本発明において、トナー粒子を重合法により製造することができる。重合法を用いることにより、球形で表面性が均一なトナーを形成することができるため、均一な摩擦帯電性が得られ、さらに、トナー粒子間での均一性は高くなる。その結果、高現像性、高転写性をも有したトナー粒子を得ることができる。特に小型化、低コストの観点からプリンターに好適に用いられている1成分現像方式に使用された場合、特に好ましい。
重合によるトナーの製造法としては、直接重合法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化会合重合法、シード重合法等が挙げられるが、これらの中では、粒径と粒子形状のバランスのとりやすさという点で、懸濁重合法が好ましい。この懸濁重合法においては、重合性単量体に着色剤(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解または分散せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する水性媒体(例えば水)中に適当な撹拌器を用いて分散し、そして重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナーを得る。この懸濁重合法でトナーを製造する場合には、個々のトナー粒子形状がほぼ球形に揃っているため、平均円形度が0.960〜0.985、特にモード円形度が0.99以上という要件を満たすトナーが得られやすく、さらにこういったトナーは帯電量の分布も比較的均一となるため高い転写性を有している。
本発明のトナーは、着色力を付与するために着色剤を必須成分として含有する。本発明に好ましく使用される有機顔料または染料として以下のものが挙げられる。
シアン色に好適な着色剤としては、顔料或いは染料を用いることができ、具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15;1、15;2、15;3、15;4、16、17、60、62、66等、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、染料としては、C.I.ソルベントブルー25、36、60、70、93、95等が挙げられ、これらのもの単独或いは2種以上を組合わせて用いることができる。
マゼンタ色に好適な着色剤としては、顔料或いは染料を用いることができ、具体的には、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,48;2、48;3、48;4、49,50,51,52,53,54,55,57,57;1、58,60,63,64,68,81,81;1、83,87,88,89,90,112,114,122,123,144、146,150,163,166、169、177、184,185,202,206,207,209,220、221、238、254等、C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35等、マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,52、58、63、81,82,83,84,100,109,111、121、122等、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27等、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40等、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28等の塩基性染料等が挙げられ、これらのもの単独或いは2種以上を組合わせて用いることができる。
イエロー色に好適な着色剤としては、顔料或いは染料を用いることができ、具体的には、顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12、13、14、15、17、23、62、65、73、74、81、83、93、94、95、97、98、109、110、111、117、120、127、128、129、137、138、139、147、151、154、155、167、168、173、174、176、180、181、183、191、C.I.バットイエロー1,3,20等、染料としては、C.I.ソルベントイエロー19、44、77、79、81、162等を挙げることができ、これらのもの単独或いは2種以上を組合わせて用いることができる。
これらの着色剤は、単独又は混合しさらには固溶体の状態で用いることができる。本発明のトナーに用いられる着色剤は、色相角,彩度,明度,耐光性,OHP透明性,トナーへの分散性の点から選択される。
該着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し1〜20質量部である。
黒色の顔料として、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックが用いることができ、また、マグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いることができる。上記イエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものを利用することもできる。
黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり、樹脂100質量部に対し30〜200質量部を添加して用いられる。
磁性体には、鉄,コバルト,ニッケル,銅,マグネシウム,マンガン,アルミニウム,ケイ素などの元素を含む金属酸化物などがある。中でも四三酸化鉄,γ−酸化鉄等、酸化鉄を主成分とするものが好ましい。また、トナーの帯電性をコントロールする観点から、硅素またはアルミニウム等の他の金属元素を含有していてもよい。これら磁性粒子は、窒素吸着法によるBET比表面積が2〜30m2/g、特に3〜28m2/gであることが好ましく、更にモース硬度が5〜7の磁性粉が好ましい。
磁性体としては、8面体,6面体,球体,針状,鱗片状などの形状を有するものがあるが、本発明においては、8面体,6面体,球体,不定型等の異方性の少ないものが画像濃度を高める上で好ましい。磁性体の平均粒径は、好ましくは0.05〜1.0μm、より好ましくは0.1〜0.6μm、さらに好ましくは0.1〜0.3μmである。
本発明において、重合法を用いてトナーを得る場合には、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要があり、そして表面改質、例えば、重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておくことが好ましい。特に、染料系の着色剤やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。染料系着色剤を表面処理する好ましい方法としては、あらかじめこれら染料の存在下に重合性単量体を重合せしめる方法が挙げられ、得られた着色重合体を単量体系に添加する。
また、カーボンブラックについては、上記染料系着色剤と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えば、ポリオルガノシロキサン等で処理を行っても良い。
次に本発明のトナーの懸濁重合法による製造方法を説明する。
本発明のトナーを懸濁重合法で製造する場合、使用される重合性単量体系を構成する重合性単量体としては以下のものが挙げられる:
例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸エステル類;その他のアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等。
これらの重合性単量体は単独または2種以上を組合わせて使用することができる。上述の重合性単量体の中でも、スチレンまたはスチレン誘導体を単独で、あるいはほかの重合性単量体と併用することがトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
本発明に係る重合トナーの製造において使用される重合開始剤としては、重合反応時の反応温度における半減期が0.5〜30時間であるものが好ましい。また重合性単量体100質量部に対し0.5〜20質量部の添加量で重合反応を行うと、通常、分子量1万〜10万の間に極大を有する重合体が得られ、適当な強度と溶融特性を有するトナーを得ることができる。重合開始剤例としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
本発明に係る重合トナーを製造する際は、架橋剤を添加しても良く、その好ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対して、0.001〜15質量部である。架橋剤としてはジビニルベンゼンなどが挙げられる。
本発明に係る重合トナーを製造する際は、分子量調整剤を使用することができる。分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタンの如きメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素の如きハロゲン化炭化水素類;α−メチルスチレンダイマーなどを挙げることができる。これらの分子量調整剤は、重合開始前あるいは重合途中に添加することができる。分子量調整剤は、重合性単量体100質量部に対して、通常、0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の割合で用いられる。
本発明に係る重合トナーの製造方法では、重合性単量体中に着色剤、必要に応じて、硫黄原子を有する重合体、磁性粉体、離型剤、可塑剤、荷電制御剤、架橋剤、重合反応で生成する重合体の粘度を低下させるために入れる有機溶媒、高分子重合体、分散剤等を加えて、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機等の分散機によって均一に溶解または分散せしめて、重合性単量体系を調製し、分散安定剤を含有する水系媒体中に滴下し、懸濁・造粒する。この時、高速撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイズとするほうが、得られるトナー粒子の粒径がシャープになる。重合開始剤添加の時期としては、重合性単量体に他の添加剤を添加する時に同時に加えても良いし、水系媒体中において重合性単量体系を懸濁する直前に添加しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることもできる。
造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持され且つ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
本発明に係わる重合トナーを製造する場合には、分散安定剤として公知の界面活性剤や有機あるいは無機分散剤が使用できる。無機分散剤を用いた場合には、超微粉が生じ難く、また無機分散剤は一般的に分子サイズが大きいため、立体障害性により分散安定性が得られるので、反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、更に洗浄も容易である。そのため、無機分散剤がより好ましく使用される。こうした無機分散剤の例としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛の如きリン酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩;メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナの如き無機酸化物が挙げられる。
これらの無機分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜20質量部を単独で使用することができ、粒度分布を調整する目的で0.001〜0.1質量部の界面活性剤を併用することができる。界面活性剤としては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等が挙げられる。
無機分散剤は、重合終了後、酸あるいはアルカリで溶解して、ほぼ完全に取り除くことができる。
前記重合工程においては、重合温度は40℃以上、一般には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。この温度範囲で重合を行うと、内部に封じられるべき離型剤類が、相分離により析出して内包化がより確実なものとなる。残存する重合性単量体を消費するために、重合反応終期に、反応温度を90〜150℃にまで上げても良い。重合終了後、重合トナーを公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥し、得られたトナー粒子に無機微粉体を混合し表面に付着させてトナーを得ることができる。また、製造工程に分級工程を入れ、粗粉や微粉をカットしてもよい。
本発明のトナーには、トナーの流動性改良及び帯電均一化等のために、無機微粉体が添加される。
該無機微粉体は、平均一次粒径が4〜80nmであることが好ましい。無機微粉体の平均一次粒径が80nmよりも大きい場合、十分にトナーの流動性を改善することができず、またトナー粒子への付着が不均一になり易く、低湿下での摩擦帯電性の不均一化につながるため、カブリの増大、画像濃度の低下あるいは耐久性の低下等の問題が生じやすくなる。一方、無機微粉体の平均一次粒径が4nmよりも小さい場合には、無機微粒子の凝集性が強まり、一次粒子ではなく解砕処理によっても解れ難い強固な凝集性を持つ粒度分布の広い凝集体として挙動し易くなる。この凝集体が現像に加わったり、像担持体或いはトナー担持体等を傷つけたりすることによって画像欠陥が生じ易くなる。トナー粒子の帯電量分布をより均一とするためには、無機微粉体の平均一次粒径は6〜40nmであることがより好ましい。特に無機微粉体としてシリカを用いる場合には、平均一次粒径は40nm以下であることが好ましい。
無機微粉体の平均一次粒径は次のようにして測定することができる。走査型電子顕微鏡により拡大撮影したトナーの写真において、走査型電子顕微鏡に付属させたXMA等の元素分析手段によって無機微粉体が含有する元素でマッピングされたトナーの写真を対照しつつ、トナー表面に付着或いは遊離して存在している無機微粉体の一次粒子を100個以上測定し、個数平均粒径を求める。
また、無機微粉体の含有量は、蛍光X線分析を用い、標準試料から作成した検量線を用いて定量できる。
本発明のトナーに添加する無機微粉体としては、シリカ、酸化チタン、アルミナ、ハイドロタルサイトまたはそれらの複酸化物などが使用できる。
例えば、シリカとしてはケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O,SO3 2−等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において、例えば、塩化アルミニウム,塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、したがって、乾式シリカにはそれらも包含される。
無機微粉体の添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.1〜4.0質量部であることが好ましく、添加量が0.1質量部未満ではその効果が十分ではなく、一方、4.0質量部を超えると定着性が低下する傾向にある。該無機微粉体においては、平均一次粒径が4〜80nmの粒子径が好ましい
無機微粉体は、疎水化処理されたものであることが高湿環境下での特性を向上させる点から好ましい。トナーに添加された無機微粉体が吸湿すると、トナーとしての帯電量が著しく低下し、現像性や転写性の低下が生じ易くなる。
疎水化処理の処理剤としては、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物の如き処理剤をあげることができ、それらを単独で或いは組み合わせて使用することができる。
その中でも、シリコーンオイルにより処理したものが好ましく、特に、無機微粉体を疎水化処理すると同時或いは処理した後に、シリコーンオイルにより処理したものが高湿環境下でもトナー粒子の帯電量を高く維持し、かぶりを抑制する上で好ましい。
無機微粉体の処理条件としては、例えば、第一段反応においてシリル化反応を行い表面の活性水素基を化学結合により消失させた後、第二段反応においてシリコーンオイルにより表面に疎水性の薄膜を形成することができる。シリル化剤の使用量としては、無機微粉体100質量部に対し5〜50質量部が好ましい。5質量部未満では無機微粒子表面の活性水素基を消失させるのに十分でなく、50質量部を超えると余分なシリル化剤どうしの反応で生成するシロキサン化合物が接着剤として作用し、無機微粒子どうしの凝集が起こり、画像欠陥を生じ易くなる。
上記シリコーンオイルは、25℃における粘度が10〜200,000mm2/sのものが好ましく、3,000〜80,000mm2/sのものがより好ましい。10mm2/s未満では、無機微粉体に安定性が無く、熱および機械的な応力により、画質が劣化する傾向がある。200,000mm2/sを超える場合は、均一な処理が困難になる傾向がある。
シリコーンオイルの処理方法としては、例えば、シラン化合物で処理された無機微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いる直接混合方法、無機微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法、あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、無機微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法を用いることができる。無機微粉体の凝集体の生成が比較的少ない点で噴霧機を用いる方法がより好ましい。
シリコーンオイルの処理量は無機微粉体100質量部に対し1〜23質量部、好ましくは5〜20質量部である。シリコーンオイルの量が少なすぎると良好な疎水性が得られず、多すぎると無機微粒子の凝集が起こりやすい。
本発明のトナーには、無機微粉体として下記一般式で示されるようなハイドロタルサイトが添加されていることが好ましい。
Figure 2008070530
ハイドロタルサイトの上記一般式(1)のM1〜Mjは、それぞれ異なった2価の金属イオンであり、具体的には、Mg、Zn、Ca、Ba、Ni、Sr、Cu及びFeからなる群より適宜に選択できる。これらの中でも、Mgが好ましく、特にMg以外の金属イオンの含有率(モル分率)が、0.001≦y2+…+yj≦0.05の関係を満足することが好ましい。
また、上記一般式(1)のL1〜Lkは、それぞれ異なった3価の金属イオンであり、具体的には、Al、B、Ga、Fe、Co及びInからなる群より適宜に選択できる。これらの中でも、Alが好ましく、特にAl以外の金属イオンの含有率(モル分率)が、0.0003≦x2+…+xk≦0.02の関係を満足することが好ましい。
更に、上記の如き2価の金属イオンや3価の金属イオンは、それぞれ2種類以上存在させることが好ましい。
上記一般式(1)のA(n価のアニオン)としては、CO3 2−、OH、Cl、I、F、Br、SO4 2−、HCO3 、CH3COO、NO3 、サリチル酸イオン−、クエン酸イオン3−、酒石酸イオン2−、(OOC−COO)2−、[Fe(CN)64−が例示され、それらは1種または2種以上が存在していてもかまわない。
また、上記一般式(1)において、m≧0であるが、帯電性の安定化の観点から、その分子内に予め結晶水を有していることが好ましく、0.1<m<0.6であることがより好ましい。
本発明に係るハイドロタルサイト粉末は、BET比表面積が1.0m2/g以上、より好ましくは5.0〜100m2/gであって、且つ平均一次粒径が1μm以下であることが好ましい。
該ハイドロタルサイト粉末の平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)で拡大写真を撮影した後、例えば、画像処理装置「LuzexIII」(ニレコ社製)を用いることによって計測される。
本発明に係るハイドロタルサイト粉末は、表面処理剤によって疎水化処理が施されていることがトナーの帯電安定性や耐久性を図る上でも好ましい。表面処理剤としては、高級脂肪酸類、カップリング剤類、エステル類、シリコーンオイル等のオイル類の使用が可能である。これらの中でも高級脂肪酸類が好ましく用いられ、具体的には、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸等が例示される。
上記の如き表面処理剤によるハイドロタルサイト粉末の表面処理方法としては、従来公知の方法を利用することができ、例えば、表面処理剤を溶剤に溶解・混合する方法、加熱溶解して液状にした後に未処理のハイドロタルサイト粉末と湿式混合する方法、また、微粉末状の表面処理剤とハイドロタルサイト粉末を機械的に乾式混合する方法が挙げられる。表面処理後には、必要に応じ、例えば、洗浄、脱水、乾燥、粉砕、分級等の手段を適宜に選択して適用し、表面処理を施したハイドロタルサイト粉末を得ることができる。
ハイドロタルサイト粉末のトナー粒子に対する添加量としては、トナー粒子100質量部に対して、0.03〜3質量部、より好ましくは0.1〜1質量部である。
次に、本発明のトナーを用いた画像形成について説明する。
本発明のトナーを適用することのできる画像形成方法における現像工程は、トナー担持体と静電潜像担持体である感光体表面とが接触する接触方式であっても、接触しない非接触方式であっても良いが、ここでは、接触方式について説明する。
トナー担持体としては弾性ローラーを用い、弾性ローラー表面等にトナーをコーティングし、これを感光体表面と接触させて現像する方法を用いることができる。弾性ローラーとしては、弾性層の硬度がASKER−C硬度30〜60度のものが好適に使用される。トナー担持体と感光体表面とを接触させて現像を行う場合には、トナーを介して感光体と感光体表面に対向する弾性ローラー間に働く電界によって現像が行われる。従って弾性ローラー表面あるいは表面近傍が電位をもち、感光体表面とトナー担持表面の狭い間隙で電界を有することが必要である。このため、弾性ローラーの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されており、したがって、感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、または導電性ローラーの表面層に薄層の絶縁層を設ける方法を利用することができる。さらには、感光体表面に対向する側を絶縁性物質(樹脂)により被覆した樹脂被覆導電性スリーブあるいは感光体に対向しない側に導電層を設けた絶縁性スリーブを使用することも可能である。また、トナー担持体として剛体ローラーを用い、感光体としてフレキシブルなベルトを使用することも可能である。トナー担持体の抵抗としては102〜109Ωcmの範囲が好ましい。102Ωcmよりも低い場合には、例えば感光体の表面にピンホール等があると、過電流が流れる恐れがある。反対に109Ωcmよりも高い場合は、摩擦帯電によるトナーのチャージアップが起こりやすく、画像濃度の低下を招きやすい。
トナー担持体の表面状態としては、その表面粗度Ra(μm)を0.2〜3.0となるように設定すると、高画質及び高耐久性を両立できる。該表面粗度Raはトナー搬送能力及びトナー帯電能力と相関する。該トナー担持体の表面粗度Raが3.0を超えると、該トナー担持体上のトナー層の薄層化が困難となるばかりか、トナーの帯電均一性が悪化し、ハーフトーンの均一性が悪化するなど、画質の向上は望めない。3.0以下にすることで、トナー担持体表面のトナーの搬送能力を抑制し、該トナー担持体上のトナー層を薄層化すると共に、該トナー担持体とトナーの接触機会が多くなるため、該トナーの帯電性も改善されるので相乗的に画質が向上する。一方、表面粗度Raが0.2よりも小さくなると、トナーコート量の制御が難しくなる。
トナー担持体上のトナーコート量は、0.1〜1.5mg/cm2が好ましい。0.1mg/cm2よりも少ないと十分な画像濃度が得にくく、一方、1.5mg/cm2よりも多くなると個々のトナー粒子全てを均一に摩擦帯電することが難しくなり、カブリが発生する要因となる。さらに、0.2〜0.9mg/cm2がより好ましい。本発明において、トナー担持体の表面粗度Raは、JIS表面粗さ「JIS B 0601」に基づき、表面粗さ測定器(サーフコーダSE−30H、株式会社小坂研究所社製)を用いて測定される中心線平均粗さに相当する。具体的には、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さaとして2.5mmの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸、粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、次式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものを言う。
Figure 2008070530
本発明に用いられる画像形成方法においては、トナー担持体と感光体とはそれらの対向部において同方向に回転していてもよいし、逆方向に回転していてもよい。両者の回転が同方向である場合、トナー担持体の周速を感光体の周速に対し1.05〜3.0倍となるように設定することが好ましい。
トナー担持体の周速が、感光体の周速に対し1.05倍未満であると、感光体上のトナーの受ける撹拌効果が不十分となり、良好な画像品質が望めない。一方、周速比が3.0を超える場合には、機械的ストレスによるトナーの劣化やトナー担持体へのトナー固着が発生・促進され、好ましくない。感光体としては、a−Se、CdS、ZnO2、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光ドラムもしくは感光ベルトが好適に使用される。
OPC感光体における感光層は、電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する単一層型でも、また電荷輸送層と電荷発生層とを有する機能分離型感光層でも良い。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。また、有機系感光層の結着樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂が特に、転写性に優れ、かつ感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくいために好ましい。
次に本発明のトナーを用いた画像形成を、添付図面を参照しながら以下に説明する。
図1において、100は現像装置、109は感光体、105は紙などの被転写体、106は転写部材、107は定着用加圧ローラー、108は定着用加熱ローラー、110は感光体109に接触して直接帯電を行う一次帯電部材を示す。
一次帯電部材110には、感光体109表面を一様に帯電するようにバイアス電源115が接続されている。
現像装置100はトナー104を収容しており、静電潜像担持体(感光体)109と接触して矢印方向に回転するトナー担持体102を具備する。さらに、トナー量規制及び帯電付与のための現像ブレード101と、トナー104をトナー担持体102に付着させかつトナー担持体102との摩擦でトナーへの帯電付与を行うため矢印方向に回転する塗布ローラー103を備えている。トナー担持体102には現像バイアス電源117が接続されている。塗布ローラー103にも不図示のバイアス電源が接続されており、負帯電性トナーを使用する場合は現像バイアスよりも負側に、正帯電性トナーを使用する場合は現像バイアスよりも正側に電圧が設定される。
転写部材106には感光体109と反対極性の転写バイアス電源116が接続されている。
ここで、感光体109とトナー担持体102の接触部分における回転方向の長さ、いわゆる現像ニップ幅は0.2〜8.0mmが好ましい。0.2mm未満では現像量が不足して満足な画像濃度が得られにくく、転写残トナーの回収も不十分となりやすい。一方、8.0mmを超えてしまうと、トナーの供給量が過剰となり、カブリが生じやすく、また、感光体の摩耗が顕著となる傾向にある。
トナーコート量は現像ブレード101により制御されるが、この現像ブレード101はトナー層を介してトナー担持体102に接触している。この時の接触圧は、4.9〜49N/m(5〜50gf/cm)が好ましい範囲である。4.9N/mよりも小さいとトナーコート量の制御に加え均一な摩擦帯電も難しくなり、カブリが生じる原因となる。一方、49N/mよりも大きくなるとトナー粒子が過剰な負荷を受けるため、粒子の変形や現像ブレードあるいはトナー担持体へのトナーの融着等が発生しやすくなり、好ましくない。
規制部材の自由端部は、好ましいNE長(現像ブレードのトナー担持体に対する当接部から自由端までの長さ)を与える範囲であればどのような形状でもよく、例えば断面形状が直線状のもの以外にも、先端近傍で屈曲したL字形状のものや、先端近傍が球状に膨らんだ形状のもの等が好適に用いられる。
トナーコート量の規制部材としては、トナーを圧接塗布するための弾性ブレード以外にも、剛性のある金属ブレード等を用いても良い。
弾性の規制部材には、所望の極性にトナーを帯電させるのに適した摩擦帯電系列の材質を選択することが好ましく、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体、ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性体、ステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体が使用できる。また、それらの複合体であっても良い。
また、弾性の規制部材とトナー担持体に耐久性が要求される場合には、金属弾性体に樹脂やゴムをスリーブ当接部に当たるように貼り合わせたり、コーティングしたりしたものが好ましい。
更に、弾性の規制部材中に有機物や無機物を添加してもよく、溶融混合させても良いし、分散させても良い。例えば、金属酸化物、金属粉、セラミックス、炭素同素体、ウィスカー、無機繊維、染料、顔料、界面活性剤などを添加することにより、トナーの帯電性をコントロールできる。特に、弾性体がゴムや樹脂等の成型体の場合には、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化錫、ジルコニア、酸化亜鉛等の金属酸化物微粉末、カーボンブラック、一般にトナーに用いられる荷電制御剤等を含有させることも好ましい。
またさらに、規制部材に直流電場及び/または交流電場を印加することによっても、トナーへのほぐし作用のため、均一薄層塗布性、均一帯電性がより向上し、充分な画像濃度の達成及び良質の画像を得ることができる。
帯電部材としては、非接触式のコロナ帯電器と、ローラー等を用いる接触型の帯電部材があり、それらのいずれも用いることができる。効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のためには、接触方式のものが好ましく用いられる。
図1においては、接触型の帯電部材を用いている。
図1で用いている一次帯電部材110は、中心の芯金110bとその外周を形成した導電性弾性層110aとを基本構成とする帯電ローラーである。帯電ローラー110は、静電潜像担持体面に押圧力を持って当接され、静電潜像担持体109の回転に伴い従動回転する。
帯電ローラーを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラーの当接圧が4.9〜490N/m(5〜500gf/cm)で、直流電圧に交流電圧を重畳した印加電圧を用いた時には、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=50Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±1.5kVであり、直流電圧を用いた時には、直流電圧=±0.2〜±5kVである。尚、ドラムの削れを抑制できるために、印加電圧として直流電圧のみを用いる場合の方がより好ましい。この他の接触帯電手段としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電手段は、非接触のコロナ帯電に比べて、高電圧が不必要であり、またオゾンの発生が低減するといった点で優れている。接触帯電手段としての帯電ローラーおよび帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能である。
尚、図1に記載の画像形成装置の説明として、接触帯電手段について述べたが、その他の構成の画像形成装置においても接触帯電手段を用いる場合には、同様の装置及び条件を用いることができる。
一次帯電工程に次いで、発光素子からの露光123によって感光体109上に情報信号に応じた静電潜像を形成し、感光体とトナー担持体102とが当接する位置においてトナーにより静電潜像を現像し可視像化する。さらに、本発明の画像形成方法において、特に感光体上にデジタル潜像を形成する現像システムと組み合わせることで、潜像を乱さないためにドット潜像を忠実に現像することが可能となる。該可視像は転写部材106により被転写体105に転写され、加熱ローラー108と加圧ローラー107の間を通過して定着され、定着画像を得る。なお、加熱加圧定着手段としては、ハロゲンヒーター等の発熱体を内蔵した加熱ローラーとこれと押圧力をもって圧接された弾性体の加圧ローラーを基本構成とする熱ローラー方式以外に、フィルムを介してヒーターにより加熱定着する方式も用いられる。
一方、転写されずに感光体109上に残った転写残トナーは、感光体109の表面に当接されるクリーニングブレードを有するクリーナー138で回収され、感光体109はクリーニングされる。
次に、本発明のトナーを用いた画像形成方法及び装置ユニットに関して図面を用いて説明する。
図2及び図3は、中間転写体を用いて多重トナー像を記録材に一括転写する画像形成装置の概略図を示す。
潜像担持体としての静電潜像担持体(感光体ドラム)1の表面に、帯電バイアス電圧が印加された帯電ローラー2を回転させながら接触させて、感光体ドラム表面を一次帯電し、その後、露光手段としての光源装置Lより発せられたレーザー光Eにより、感光体ドラム1上に第1の静電潜像を形成する。形成された第1の静電潜像は、回転可能なロータリーユニット24に設けられている第1の現像器としてのブラック現像器4Bk中のブラックトナーにより現像され、ブラックトナー像が形成される。感光体ドラム1上に形成されたブラックトナー像は、中間転写ドラムの導電性支持体に印加される転写バイアス電圧の作用により、中間転写ドラム5上に静電的に一次転写される。次に、上記と同様にして感光体ドラム1の表面に第2の静電潜像を形成し、ロータリーユニット24を回転して、第2の現像器としてのイエロー現像器4Y中のイエロートナーにより現像してイエロートナー像を形成し、ブラックトナー像が一次転写されている中間転写ドラム5上にイエロートナー像を静電的に一次転写する。同様にして、第3の静電潜像を形成し、ロータリーユニット24を回転して、第3の現像器としてのマゼンタ現像器4M中のマゼンタトナーにより現像し、更に、第4の静電潜像を形成し、ロータリーユニット24を回転して、第4の現像器としてのシアン現像器4C中のシアントナーにより現像し、順次一次転写を行って、中間転写ドラム5上に各色のトナー像をそれぞれ一次転写する。中間転写ドラム5上に一次転写された多重トナー像は、記録材Pを介して反対側に位置する第2の転写装置8からの転写バイアス電圧の作用により、記録材Pの上に静電的に一括して二次転写される。記録材P上に二次転写された多重トナー像は加熱ローラー9a及び加圧ローラー9bを有する定着装置9により記録材Pに加熱定着される。転写後に感光体ドラム1の表面上に残存する転写残トナーは、感光体ドラム1の表面に当接するクリーニングブレードを有するクリーナー6で回収され、感光体ドラム1はクリーニングされる。
感光体ドラム1から中間転写ドラム5へのトナー画像の一次転写は、第1の転写装置としての中間転写ドラム5の導電性支持体に、不図示の電源より転写バイアスを印加することによって行われる。
中間転写ドラム5は、剛体である導電性支持体5aと、表面を覆う弾性層5bよりなる。
導電性支持体5aとしては、アルミニウム、鉄、銅及びステンレス等の金属や合金、及びカーボンや金属粒子等を分散した導電性樹脂等を用いることができ、その形状には、例えば、円筒があり、中心に軸を貫通した円筒、内部に補強を施した円筒等が挙げられる。
弾性層5bの材料としては、スチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、EPDM(エチレンプロピレンジエンの3元共重合体)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム及びノルボルネンゴム等のエラストマーゴムが好適に用いられる。ポリオレフィン系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート等の樹脂及びこれらの共重合体や混合物を用いて形成することができるが、特にそれらの材料に限定されない。
また、弾性層の表面に、潤滑性、はっ水性の高い滑剤粉体を任意のバインダー中に分散した表面層をさらに設けても良い。
滑剤としては、特に制限はないが、各種フッ素ゴム、フッ素エラストマー、黒鉛やグラファイトにフッ素を結合したフッ化炭素及びポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニルデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素化合物、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、シリコーンエラストマー等のシリコーン系化合物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂等が好ましく用いられる。
また、表面層のバインダー中に、抵抗を制御するために導電剤を適時添加しても良い。導電剤としては、各種の導電性無機粒子及びカーボンブラック、イオン系導電剤、導電性樹脂及び導電性粒子分散樹脂等が挙げられる。
中間転写ドラム5上に形成された多重トナー像は、第2の転写装置8により記録材P上に一括して二次転写される。転写手段8としては、コロナ帯電器の如き非接触静電転写手段、或いは、転写ローラー及び転写ベルトの如き接触静電転写手段が使用可能である。
転写ローラーを用いる場合、中間転写ドラムの弾性層の体積固有抵抗値よりも転写ローラーの弾性層の体積固有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラーへの印加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成できると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止することができる。特に、中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値が転写ローラーの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以上大きいことが好ましい。
中間転写ドラム及び転写ローラーの弾性層の硬度は、JIS K−6301に準拠して測定される。中間転写ドラムの弾性層は、10〜40度の範囲の硬度を有する弾性層から構成されることが好ましい。転写ローラーの弾性層の硬度は、中間転写ドラムの弾性層の硬度より高く、41〜80度であることが中間転写ドラムへの転写材の巻き付きを防止する上で好ましい。中間転写ドラムと転写ローラーの硬度が逆になると、転写ローラー側に凹部が形成され、中間転写ドラムへの転写材の巻き付きが発生しやすい。
定着装置9としては、加熱ローラー9aと加圧ローラー9bを有する熱ローラー定着装置に換えて、記録材P上のトナー像に接するフィルムを加熱することにより、記録材P上のトナー像を加熱し、記録材Pに多重トナー像を加熱定着するフィルム加熱定着装置を用いることもできる。
図2に示した画像形成装置が用いている中間転写体としての中間転写ドラムに換えて、中間転写ベルトを用いて多重トナー像を記録材に一括転写することも可能である。中間転写ベルトの構成を図3に示す。
静電潜像担持体(感光ドラム)1上に形成担持されたトナー画像は、感光ドラム1と中間転写ベルト310とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラー312から中間転写ベルト310に印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写ベルト310の外周面に順次一次転写される。311は中間転写ベルト310を掛け渡すローラーである。
感光ドラム1から中間転写ベルト310へ第1〜第4色のトナー画像を順次重畳転写するための一次転写バイアスは、トナーとは逆極性で、バイアス電源314から印加される。
感光ドラム1から中間転写ベルト310への第1〜第4色のトナー画像の一次転写工程において、二次転写ローラー13b及びクリーニング用帯電部材309は中間転写ベルト10から離間することも可能である。
313bは二次転写ローラーで、二次転写対向ローラー313aに平行に軸受させて中間転写ベルト310の下面部に離間可能な状態に配設してある。
中間転写ベルト310上に転写された多色カラートナー画像の転写材Pへの転写は、二次転写ローラー313bが中間転写ベルト310に当接されると共に、中間転写ベルト310と二次転写ローラー313bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送され、二次転写バイアスがバイアス電源316から二次転写ローラー313bに印加される。この二次転写バイアスにより中間転写ベルト310から転写材Pへ多色カラートナー画像が二次転写される。
転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベルト310にはクリーニング用帯電部材309が当接され、感光ドラム1とは逆極性のバイアスをバイアス電源315から印加することにより、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト310上に残留しているトナー(転写残トナー)に感光ドラム1と逆極性の電荷が付与される。
前記転写残トナーは、感光ドラム1とのニップ部およびその近傍において感光ドラム1に静電的に転写されることにより、中間転写体がクリーニングされる。
中間転写ベルトは、ベルト形状の基層とこの基層の上に設けられた表面処理層よりなる。なお、表面処理層は複数の層により構成されていても良い。基層及び表面処理層には、ゴム、エラストマー、樹脂を使用することができる。
例えば、ゴム、エラストマーとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム及び熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル系及びフッ素樹脂系等)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
また、樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート等の樹脂を使用することができる。これら樹脂の共重合体や混合物を用いても良い。
基層としては、織布、不織布、フィルム等からなる芯体層の片面あるいは両面に、上述のゴム、エラストマーまたは樹脂を、浸漬または噴霧によって被覆した材料を使用することができる。
芯体層を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、例えば綿、絹、麻及び羊毛等の天然繊維;キチン繊維、アルギン酸繊維及び再生セルロース繊維等の再生繊維;アセテート繊維等の半合成繊維;ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアルキルパラオキシベンゾエート繊維、ポリアセタール繊維、アラミド繊維、ポリフロロエチレン繊維及びフェノール繊維等の合成繊維;炭素繊維、ガラス繊維及びボロン繊維等の無機繊維;鉄繊維及び銅繊維等の金属繊維からなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を用いることができる。
さらに、中間転写ベルトの抵抗値を調節するために基層および表面処理層中に導電剤を添加しても良い。導電剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、カーボン、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化チタン等の金属酸化物、及び4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミン、含硼素高分子化合物及びポリピロール等の導電性高分子化合物等からなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を用いることができる。
また、中間転写ベルト表面の滑り性を上げ、転写性を向上するために必要に応じて滑剤を添加しても良い。滑剤としては、中間転写ドラムの弾性層に用いるものと同様の滑剤を用いることができる。
次に、複数画像形成部にて各色のトナー画像をそれぞれ形成し、これを同一転写材に順次重ねて転写するようにした画像形成方法について図4を参照して説明する。
図4に示される画像形成装置においては、第1,第2,第3及び第4の画像形成部29a,29b,29c,29dがそれぞれ並設されており、各画像形成部はそれぞれ専用の静電潜像担持体、すなわち感光ドラム19a,19b,19c及び19d、を具備している。
感光ドラム19a乃至19dの外周側には、帯電手段30a,30b,30cおよび30d、潜像形成手段23a,23b,23c及び23d、現像手段17a,17b,17c及び17d、転写手段(転写用放電手段)24a,24b,24c及び24d、ならびにクリーニング手段18a,18b,18c及び18dが配置されている。
このような構成において、先ず、第1画像形成部29aの感光ドラム19aが帯電手段30aによって帯電され、そして潜像形成手段23aによって原稿画像における、例えばイエロー成分色の潜像が形成される。該潜像は現像手段17aのイエロートナーを有する現像剤で可視画像とされ、転写手段24aにて、転写材としての記録材Sに転写される。
上記のようにイエロー画像が転写材Sに転写されている間に、第2画像形成部29bではマゼンタ成分色の潜像が感光ドラム19b上に形成され、続いて現像手段17bのマゼンタトナーを有する現像剤で可視画像とされる。この可視画像(マゼンタトナー像)は、上記の第1画像形成部29aでの転写が終了した転写材Sが転写部24bに搬入されたときに、該転写材Sの所定位置に重ねて転写される。
以下、上記と同様な方法により第3,第4の画像形成部29c,29dによってシアン色,ブラック色の画像形成が行なわれ、上記同一の転写材Sに、シアン色,ブラック色を重ねて転写する。このような画像形成プロセスが終了した後、転写材Sは定着手段22に搬送され、転写材S上の画像を定着する。これによって転写材S上には多色画像が得られる。転写が終了した各感光ドラム19a,19b,19c及び19dはクリーニング手段18a,18b,18c及び18dにより残留トナーが除去され、引き続き一連の画像形成プロセスが繰り返される。
なお、上記画像形成装置では、転写材としての記録材Sの搬送のために、搬送ベルト25が用いられている。
この画像形成装置において、転写材を搬送する搬送手段として加工の容易性及び耐久性の観点からテトロン(登録商標)繊維のメッシュを用いた搬送ベルトおよびポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン系樹脂の如き薄い誘電体シートを用いた搬送ベルトが好ましく利用される。
一般に、このような搬送ベルトは体積抵抗が高く、カラー画像形成において数回の転写を繰り返す過程で搬送ベルトの帯電量が増加してしまうため、均一な転写を維持するためには各転写の都度、転写電流を順次増加させる必要があるが、本発明のトナーは転写性が優れているので、転写を繰り返す毎に搬送手段の帯電量が増しても、同じ転写電流で各転写におけるトナーの転写性を均一にすることができ、高品位画像が得られる。
転写材Sが第4画像形成部29dを通過すると、AC電圧が除電器20に加えられ、転写材Sは除電され、ベルト25から分離され、その後、定着器22に入り、画像が定着され、排出口26から排出される。
図5は、中間転写ドラムを用い中間転写ドラム上に一次転写された4色のカラートナー画像を記録材に一括して二次転写する際の二次転写手段として、転写ベルトを用いた画像形成装置の説明図である。
図5に示す装置システムにおいて、現像器244−1、244−2、244−3、244−4には、それぞれシアントナーを有する現像剤、マゼンタトナーを有する現像剤、イエロートナーを有する現像剤及びブラックトナーを有する現像剤が収容されている。感光体241を帯電手段によって帯電し、更に露光243することによって静電潜像を形成し、該静電荷像を現像器244−1〜244−4を用いて現像し、各色トナー像を静電潜像担持体(感光体)241上に順次形成する。感光体241はa−Se、Cds、ZnO2、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光ドラムもしくは感光ベルトである。感光体241は駆動装置(不図示)によって矢印方向に回転される。
帯電工程では、中心の芯金242bとその外周を形成した導電性弾性層242aとを基本構成とする帯電ローラー242が用いられている。帯電ローラー242は、感光体241面に圧接され、感光体241の回転に伴い従動回転する。
感光体上のトナー像は、電圧(例えば、±0.1〜±5kV)が印加されている中間転写ドラム245に転写される。転写後の感光体表面は、クリーニングブレード248を有するクリーニング手段249でクリーニングされる。
中間転写ドラム245としては、前述したものと同様の中間転写ドラムを用いることができる。尚、245bは剛体である導電性支持体であり、245aはその表面を覆う弾性層である。
中間転写ドラム245は感光体241に対して並行に軸受けさせて感光体241の下面部に接触させて配設してあり、感光体241と同じ周速度で矢印の反時計方向に回転する。
感光体241の面に形成担持された第1色のトナー像が、感光体241と中間転写ドラム245とが接する転写ニップ部を通過する過程で中間転写ドラム245に対する印加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電界によって、中間転写ドラム245の外面に対して順次に中間転写されていく。
必要により、着脱自在なクリーニング手段280により、転写材へのトナー像の転写後に、中間転写ドラム245の表面がクリーニングされる。中間転写ドラム上にトナー像がある場合、トナー像を乱さないようにクリーニング手段280は、中間転写体表面から離される。
図5では中間転写ドラム245の下方には、転写ベルト247が配置されている。転写ベルト247は、中間転写ドラム245の軸に対して並行に配置された2本のローラー、すなわちバイアスローラー247aとテンションローラー247cに掛け渡されており、駆動手段(不図示)によって駆動される。テンションローラー247cを基点にしてバイアスローラー247aが矢印方向に移動可能に構成されており、それによって、転写ベルト247を中間転写ドラム245から矢印方向に離すことができる。バイアスローラー247aには、二次転写バイアス源247dによって所望の二次転写バイアスが印加されており、一方、テンションローラー247cは接地されている。
本実施の形態では、転写ベルト247として、カーボンを分散させた熱硬化性ウレタンエラストマー層(厚さ約300μm、体積抵抗率108〜1012Ω・cm(1kV印加時))の上に、フッ素ゴム層(厚さ20μm、体積抵抗率1015Ω・cm(1kV印加時))を重ねたゴムベルトを用いた。その外形寸法は周長80mm×幅300mmのチューブ形状である。
上述の転写ベルト247は、前述のバイアスローラー247aとテンションローラー247cによって約5%延ばす張力が印加されていてもよい。
転写ベルト247は中間転写ドラム245と等速度或いは周速度に差をつけて回転させる。転写材246は中間転写ドラム245と転写ベルト247との間に搬送されると同時に、転写ベルト247にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイアスを二次転写バイアス源247dから印加することによって、中間転写ドラム245上のトナー像が転写材246の表面に転写される。
バイアスローラーの材質としては、帯電ローラーと同様のものを用いることができ、好ましい転写のプロセス条件としては、ローラーの当接圧が4.9〜490N/m(5〜500gf/cm)で、直流電圧が±0.2〜±10kVである。
例えば、バイアスローラー247aの導電性弾性層247a1はカーボン等の導電材を分散させたポリウレタン、エチレン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)等の体積抵抗106〜1010Ωcm程度の弾性体でつくられている。芯金247a2には定電圧電源によりバイアスが印加されている。バイアスは、±0.2〜±10kVが好ましい。
転写材246は、ハロゲンヒーター等の発熱体を内蔵させた加熱ローラーとこれに押圧力をもって圧接された弾性体の加圧ローラーとを基本構成とする定着器281へ搬送され、加熱ローラーと加圧ローラーとの間を通過することによってトナー像が転写材に加熱加圧定着される。フィルムを介してヒーターにより定着する方法を用いても良い。
以下に、本発明の実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例によって制限されるものではない。なお、実施例中で使用する“部”は、特に断りのない限り“質量部”を表す。
<実施例1>
四つ口容器中にイオン交換水450部とNa3 PO4 7部を添加し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここにCaCl2 4部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3 (PO42 を含む水系分散媒体を調製した。
スチレンモノマー 80部
n−ブチルアクリレート 20部
銅フタロシアニン顔料 5部
スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体(Mw=28000、Tg=78℃、酸価=21) 1部
ポリスチレン(Mw=2900、Tg=54℃) 25部
負荷電性制御剤(3,5−ジーターシャリーブチルサリチル酸のアルミニウム化合物) 1部
フィッシャートロプシュワックス(m.p.=75℃) 8部
ビスフェノールAのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加物と
テレフタル酸からなるポリエステル樹脂(Mw=9000、Tg=72℃、酸価=13) 8部
上記単量体混合物を、アトライターを用いて3時間分散させて重合性単量体組成物を調製した。上記水系分散媒体中に、重合性単量体組成物を投入し、そこへ重合開始剤であるベンゾイルパーオキサイド8.0部を添加し、撹拌機の回転数を10,000rpmに維持しつつ5分間造粒した。その後、高速撹拌装置からプロペラ式撹拌器に移して、容器内の温度を70℃に上げ、ゆっくり撹拌しながら5時間反応させた。次いで、容器内の温度を85℃に上げて5時間維持し、その後冷却した。容器内に希塩酸を添加してpHを1.8とし、分散安定剤を溶解した。更に、ろ別、洗浄の後、温度40℃、湿度15%環境下で70時間乾燥させ、分級によって粒子径を調整して重量平均径が5.7μmのシアントナー粒子を得た。得られたトナ−粒子100部に対して、シリコーンオイル30質量%(シリカ100質量%に対して)で処理された、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ2.0部、MgとAlからなり、Mg/Al=3で平均一次粒径0.5μmのハイドロタルサイトであり、ステアリン酸亜鉛25質量%(ハイドロタルサイト100質量%に対して)で処理された粒子0.2部を外添し、トナーNo.1を得た。
トナーNo.1を非磁性一成分系現像剤No.1とし、図6に示すような画像形成装置を用いて画像評価を行った。画像形成装置について、以下に説明する。
図6は、非磁性一成分接触現像方式の電子写真プロセスを利用する、1200dpiレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−840)改造機の概略図である。本実施例では以下の(a)〜(g)の部分を改造した装置を使用した。
(a)装置の帯電方式をゴムローラーを当接して行う直接帯電方式とし、印加電圧を直流成分(−1200V)とした。
(b)トナー担持体をカーボンブラックを分散したシリコーンゴムからなる中抵抗ゴムローラー(直径16mm、硬度ASKER−C45度、抵抗105Ω・cm)に変更し、感光体に当接した。
(c)該トナー担持体の回転を、感光体との接触部分において同方向であり、該感光体回転周速に対し150%となるようにした。
(d)感光体を下記のように変更した。
ここで用いる感光体はAlシリンダーを基体とし、この基体に以下に示すような構成の層を順次浸漬塗布により積層して感光体を作製した。
・導電性被覆層:酸化錫及び酸化チタンの粉末を分散したフェノール樹脂を主体とする。膜厚15μm。
・下引き層:変性ナイロン及び共重合ナイロンを主体とする。膜厚0.6μm。
・電荷発生層:長波長域に吸収を持つチタニルフタロシアニン顔料を分散したブチラール樹脂を主体とする。膜厚0.6μm。
・電荷輸送層:ホール搬送性トリフェニルアミン化合物をポリカーボネート樹脂(オスト ワルド粘度法による分子量2万)の10に対して8の質量比で溶解した樹脂を主体とする。膜厚17μm。
(e)トナー担持体にトナーを塗布する手段として、現像器内に発泡ウレタンゴムからなる塗布ローラーを設け、該トナー担持体に当接させた。塗布ローラーには、約−550Vの電圧を印加した。
(f)該トナー担持体上のトナー層制御のために、樹脂コートしたステンレス製ブレードを用いた。
(g)現像時の印加電圧をDC成分(−450V)のみとした。
該画像形成装置に用いられるトナー担持体と同径、同硬度、同抵抗を有するゴムローラー表面に市販の塗料をごく薄く塗布し、画像形成装置を仮組みした後に該ゴムローラーを取り外し、光学顕微鏡によりステンレスブレード表面を観察し、NE長を測定した。NE長は1.05mmであった。
これらのプロセスカートリッジの改造に適合するように、電子写真装置に以下のような改造及びプロセス条件設定を行った。
改造された装置はローラー帯電器(直流のみを印加)を用いて像担持体を帯電する。帯電に次いで、レーザー光で画像部分を露光することにより静電潜像を形成し、トナーにより可視画像とした後に、電圧を+700V印加したローラーによりトナー像を転写材に転写するプロセスを持つ。
感光体帯電電位は、暗部電位を−600Vとし、明部電位を−150Vとした。
さらに、定着器として、図7で示した、フィルムを介してヒーターにより定着する装置を用い、加熱温度を170℃±20℃となるよう制御できるように改造した。
以上の条件で、高温高湿環境(30℃,80%RH)下にて2%の印字比率の画像を2枚間欠モード(2枚プリントアウトする毎に10秒間現像器を休止させ、再起動時の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)で7000枚までプリントアウトし、初期と7000枚印字時に下記の項目に関して評価した。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
(1)画像濃度
通常の複写機用普通紙(75g/m2)の転写材を用いて、画出し試験において耐久評価終了時にベタ画像を出力し、その濃度を測定することにより評価した。尚、画像濃度については、「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。
A:非常に良好 1.40以上
B:良好 1.35以上、1.40未満
C:実用上問題なし 1.00以上、1.35未満
D:やや難あり 1.00未満
(2)光沢度
上記(1)で出力したベタ画像を、光沢計PG−3D(日本電色工業社製)を用いて測定した。
A:非常に良好 20(目標値)±1以内。
B:良好 20(目標値)±2以内。
C:実用上問題なし 20(目標値)±5以内。
D:やや難あり 20(目標値)±5を超える。
(3)画像カブリ
「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、耐久評価終了時の画像カブリを評価した。フィルターは、シアンの場合はアンバーライト、イエローの場合はブルー、マゼンタ及びブラックではグリーンフィルターを用いた。
A:非常に良好 0.5%未満
B:良好 0.5%以上1.0%未満
C:実用上問題なし 1.0%以上1.5%未満
D:やや難あり 1.5%以上
(4)ハーフトーン画像のガサツキ
トナーの流動性と帯電性のバランスを評価するために、ベタ画像を3枚印字した後に出力したハーフトーン画像の均一性を目視で判断した。
A:非常に良好 画像の均一性が非常に優れ、極めて鮮明な画像
B:良好 画像の均一性に優れ、良好な画像
C:実用上問題なし 実用的には問題の無い画質
D:やや難あり 画像の均一性が悪く、実用上好ましくない画像
(5)トナー飛散による本体・カートリッジ内の汚染
トナーの帯電性・流動性のバランスを評価するために7000枚印字後のカートリッジ、本体内カートリッジ周辺のトナーによる汚れ具合を観察した。
A:非常に良好 カートリッジ、本体内カートリッジ周辺のトナーによる汚れが全く観察されない
B:良好 カートリッジに微量のトナーによる汚れが観察される
C:実用上問題なし カートリッジ、本体内カートリッジ周辺のトナーによる汚れが観察されるが、画像・カートリッジの着脱には影響しない
D:やや難あり カートリッジ、本体内カートリッジ周辺がトナーによって著しく汚れ、画像・カートリッジの着脱にも悪影響が見られる
(6)帯電の立ち上がり評価
トナーの帯電立ち上がりは、CRGをセット後、(1)〜(3)の初期画像を出力する前に、プリントの1枚目から20枚目までのベタのパッチ画像の濃度変化(マクベス反射濃度計で測定)によって下記の基準で判断した。
ランクA:非常に良好 濃度1.4に至るまでの枚数が5枚以下
ランクB:良好 濃度1.4に至るまでの枚数が6〜10枚
ランクC:実用上問題なし 濃度1.4に至るまでの枚数が11〜20枚
ランクD:やや難あり 濃度1.4に至るまでの枚数が21枚以上
(7)保存安定性試験
現像器から初期現像剤を10g抜き取り、それを100mlガラス瓶にいれ、50℃で10日間放置した後に目視で判定した。
ランクA:非常に良好 変化なし
ランクB:良好 凝集体があるが、すぐにほぐれる
ランクC:実用上問題なし ほぐれにくい
ランクD:やや難あり 流動性なし
ランクE:問題あり 明白なケーキング
(8)クリーニング不良
耐久終了後に転写電流を印加せずにベタ画像を5枚出力した後、転写電流を印加して1枚ベタ画像を出力し、クリーニング不良起因の縦スジが観察されるかどうかを目視にて判定した。問題ない場合は、同じ作業を15枚出力するまで繰り返した。
ランクA:非常に良好 発生なし。
ランクB:良好 11枚以上〜15枚で発生。
ランクC:実用上問題なし 6枚以上〜10枚で発生。
ランクD:やや難あり 5枚以内で発生。
<実施例2>
実施例1において、乾燥温度を45℃とした以外は実施例1と同様にして、重量平均粒径5.7μmのシアントナーNo.2(非磁性1成分現像剤No.2)を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例3>
実施例1において、ワックスをサゾールワックス(m.p.=85)4部とし、乾燥温度を35℃とした以外は実施例1と同様にして重量平均粒径5.7μmのシアントナーNo.3(非磁性1成分現像剤No.3)を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例4>
実施例1において、ワックスとしてベヘン酸ベヘニル構造をもったエステルワックス(m.p.=73℃)15部を使用し、ポリスチレンをスチレン−ブチルアクリレート共重合体(Mw=3000、Tg=34℃)20部に変えた以外は実施例1と同様にして重量平均粒径5.8μmのシアントナーNo.4(非磁性1成分現像剤No.4)を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例5>
実施例1において、ワックスとしてサゾールワックス(m.p.=100℃)4部を使用し、ポリスチレンの分子量を4000に変えた以外は実施例1と同様にして、重量平均粒径5.8μmのシアントナーNo.5(非磁性1成分現像剤No.5)を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例6>
実施例1において、分級後に熱球形化処理を施した以外は、実施例1と同様にして重量平均粒径5.8μmのシアントナーNo.6(非磁性1成分現像剤No.6)を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例7>
実施例1において、ポリエステルの添加量を2部にしたことを除いては、実施例1と同様にして重量平均粒径5.7μmのシアントナーNo.7(非磁性1成分現像剤No.7)を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例8>
実施例1において、ポリスチレンをポリエチレン(Mw=4500)5部に変更した以外は、実施例1と同様にして重量平均粒径5.8μmのシアントナーNo.8(非磁性1成分現像剤No.8)を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例9>
実施例1において、オイル処理がされていないシリカを用いた以外は、実施例1と同様にして重量平均粒径5.7μmのシアントナーNo.9(非磁性1成分現像剤No.9)を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例10>
実施例1において、ハイドロタルサイト粒子を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして重量平均粒径5.8μmのシアントナーNo.10(非磁性1成分現像剤No.10)を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<実施例11>
実施例1において、MgとAlからなり、Mg/Al=3で平均一次粒径0.5μmのハイドロタルサイトであり、ステアリン酸亜鉛で15%(ハイドロタルサイト100質量%に対して)で処理された粒子0.2部を外添したこと以外は実施例1と同様にして重量平均粒径5.8μmのシアントナーNo.11(非磁性1成分現像剤No.11)を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<比較例1>
四つ口容器中にイオン交換水450部とNaPO6部を添加し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここにCaCl 3.5部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca(POを含む水系分散媒体を調製した。
スチレンモノマー 85部
n−ブチルアクリレート 15部
銅フタロシアニン顔料 5部
負荷電性制御剤(3,5−ジーターシャリーブチルサリチル酸のアルミニウム化合物) 1部
サゾールワックス(m.p.=100℃) 4部
上記単量体混合物を、アトライターを用いて3時間分散させて重合性単量体組成物を調製した。上記水系分散媒体中に、重合性単量体組成物を投入し、そこへ重合開始剤である2,2′−アゾビス−イソブチロバレロニトリル6.0部を添加し、撹拌機の回転数を10,000rpmに維持しつつ5分間造粒した。その後、高速撹拌装置からプロペラ式撹拌器に移して、容器内の温度を65℃に上げ、ゆっくり撹拌しながら5時間反応させた。次いで、容器内の温度を75℃に上げて5時間維持し、その後冷却した。容器内に希塩酸を添加してpHを1.8とし、分散安定剤を溶解した。更に、ろ別、洗浄の後、温度40℃、湿度15%の環境下で70時間乾燥させ、分級によって粒子径を調整して重量平均径が6.8μmのシアントナー粒子を得た。得られたトナ−粒子100部に対して、シリコーンオイル30質量%(シリカ100質量%に対して)で処理された、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ2.0部、MgとAlからなり、Mg/Al=3で平均一次粒径0.5μmのハイドロタルサイトであり、ステアリン酸亜鉛で15%(ハイドロタルサイト100質量%に対して)で処理された粒子0.2部を外添し、シアントナーNo.12(非磁性1成分現像剤No.12)を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<比較例2>
比較例1において、NaPO 8部、CaCl 4.5部を使用し、、スチレン−ブチルアクリレート共重合体(Mw=2500、Tg=28℃)25部を添加し、ワックスをステアリン酸ステアリルの構造をもったエステルワックス(m.p.=60℃)20部に変更し、疎水性シリカの添加量を3.0部に、ハイドロタルサイトの添加量を0.25部に変更したことを除いては比較例1と同様にして重量平均粒径3.9μmのシアントナーNo.13(非磁性1成分現像剤No.13)を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<比較例3>
比較例2において、NaPO 7部、CaCl 4部を使用し、ワックスをベヘン酸ベヘニル構造をもったエステルワックス(m.p.=73℃)20部に変更し、シリカの添加量を2部に変更し、ハイドロタルサイトを添加しなかったことを除いては実施例1と同様にして重量平均粒径5.6μmのシアントナーNo.14(非磁性1成分現像剤No.14)を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
<比較例4>
比較例3において、ワックスをパラフィンワックス(m.p=70℃)2部に変更し、シリカをシリコーンオイルで処理された、BET法による比表面積が380m2/gである疎水性シリカ1.2部に変更し、ハイドロタルサイトの添加量を0.15部としたことを除いては実施例1と同様にして重量平均粒径5.7μmのシアントナーNo.15(非磁性1成分現像剤No.15)を得た。トナー物性を表1に、評価結果を表2に示す。
Figure 2008070530
Figure 2008070530
本発明のトナーを適用できる画像形成装置の一例を示す概略図である。 中間転写ドラムを用いた画像形成装置の一例を示す概略図である。 中間転写ベルトの構成の一例を示す説明図である。 複数画像形成部にて各色のトナー画像をそれぞれ形成し、これらを同一転写材に順次重ねて転写する画像形成方法の一例を示す概略図である。 複数画像形成部にて各色のトナー画像をそれぞれ形成し、これらを同一転写材に順次重ねて転写する画像形成装置の一例を示す概略図である。 実施例で用いた画像形成装置の一例を示す概略図である。 加熱装置(フィルム式定着装置)の概略横断側面模式図である。
符号の説明
1 感光ドラム
2 帯電ローラー
4Y イエロー現像器
4M マゼンタ現像器
4C シアン現像器
4Bk ブラック現像器
5 中間転写ドラム
5a 導電性支持体
5b 弾性層
6 クリーナー
8 転写装置
9 定着装置
9a 加熱ローラー
9b 加圧ローラー
24 ロータリーユニット
17a、17b、17c、17d 現像手段
18a、18b、18c、18d クリーニング手段
19a、19b、19c、19d 感光ドラム
20 除電器
22 定着器
23a、23b、23c、23d 潜像形成手段
24a、24b、24c、24d 転写手段
25 ベルト
26 排出口
29a、29b、29c、29d 画像形成部
30a、30b、30c、30d 帯電手段
100 現像装置
101 現像ブレード
102 トナー担持体
103 塗布ローラー
104 トナー
105 被転写体
106 転写部材
107 定着用加圧ローラー
108 定着用加熱ローラー
109 感光体
110 一次帯電部材
123 露光
138 クリーナー
241 感光体
242 帯電ローラー
242a 導電性弾性層
242b 芯金
243 露光
244−1、244−2、244−3、244−4 現像器
245 中間転写ドラム
245a 弾性層
245b 導電性支持体
246 転写材
247 転写ベルト
247a バイアスローラー
247a1 導電性弾性層
247a2 芯金
247c テンションローラー
247d 二次電源バイアス源
248 クリーニングブレード
249 クリーニング手段
280 クリーニング手段
281 定着器
309 クリーニング用帯電部材
310 中間転写ベルト
311 テンションローラー
312 転写ローラー
313a 二次転写対向ローラー
313b 二次転写ローラー
314、315、316 バイアス電源
10 定着ベルト
16a、16b フィルム(ベルト)ガイド部材
17a,17b,17c 磁性コア
18 励磁コイル
19 絶縁部材(励磁コイル保持部材)
22 加圧用剛性ステイ
26 温度センサー
30 加圧ローラー(弾性)
30a 芯金
30b 弾性材層
40 良熱伝導部材
50 サーモスイッチ
N 定着ニップ
P 転写材(記録材)

Claims (9)

  1. 少なくとも重合性単量体、着色剤及び離型剤を含有する組成物を水系媒体中で造粒して製造されたトナー粒子と外添剤として無機微粉体とを有するトナーにおいて、
    該トナーは、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量Mwにおいて、2000〜5000の間に少なくとも一つのピーク又はショルダーを有しており、重量平均粒径(D4)が4.0〜6.3μmであり、BET比表面積が2.5〜4.0m/gであり、そして温度23℃、湿度60%の環境に36時間放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をA(%)とし、50℃、15%RHの環境に36時間放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をB(%)とした時、下記条件:
    50≦A≦80
    1.02≦(B/A)≦1.20
    を満足することを特徴とするトナー。
  2. 前記トナー粒子が、23℃、60%RHの環境に36時間放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をAp(%)とし、50℃、15%RHの環境に36時間放置した時のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をBp(%)とした時、下記条件:
    10≦Ap≦30
    1.10≦(Bp/Ap)≦1.90
    を満足する請求項1に記載のトナー。
  3. 前記トナーの円相当径2μm以上の粒子の平均円形度が、
    0.950≦平均円形度≦0.985
    である請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記トナーは、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線の70〜120℃に最大吸熱ピークを有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 前記離型剤が、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス、フィッシャートロプシュワックス、酸化ポリエチレンワックス、および脂肪族炭化水素の酸化物のブロック共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種のワックスからなる請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー。
  6. 前記トナーが、更に樹脂を有し、
    該樹脂が、少なくともスチレンおよび/またはスチレン誘導体を含む重合性単量体とスチレンおよび/またはスチレン誘導体をあらかじめ重合することによって得られた単重合体および/又は共重合体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトナー。
  7. 前記無機微粉体が、1次粒径が40nm未満のオイル処理したシリカ微粒子を含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載のトナー。
  8. 前記無機微粉体が、1次粒径が40nm未満のオイル処理したシリカ微粒子とハイドロタルサイトとを含む請求項1乃至7のいずれか1項に記載のトナー。
  9. 少なくとも重合性単量体、着色剤及び離型剤を含有する組成物を水系媒体中で造粒して製造されたトナー粒子と外添剤として無機微粉体とを有する非磁性1成分系現像剤において、
    該現像剤は、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量Mwにおいて、2000〜5000の間に少なくとも一つのピーク又は、ショルダーを有しており、重量平均粒径(D4)が4.0〜6.3μmであり、 BET比表面積が2.5〜4.0m/gであり、そして23℃、60%RHの環境に36時間放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をA(%)とし、50℃、15%RHの環境に36時間放置した後のメタノール濡れ性試験による50%透過時におけるメタノール濃度をB(%)とした時、下記条件:
    50≦A≦80
    1.02≦(B/A)≦1.20
    を満足することを特徴とする現像剤。
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