JP2010160368A - 負帯電性トナー、画像形成装置及び現像方法 - Google Patents

負帯電性トナー、画像形成装置及び現像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長期の画出しにおいても、カブリ、濃度低下、ブロッチ、現像スジが発生しにくいトナーを提供することにある。
【解決手段】像担持体側にその長手方向に沿って開口部を有し、トナー担持体を回転自在に支持する現像枠体と、該現像枠体の開口部に該像担持体と近接するようにして支持されるトナー担持体と、該トナー担持体に担持されたトナーの量を規制する規制部材と、該現像枠体の開口部に取り付けられ、且つ該トナー担持体の長手方向にわたって当接したシート部材とを有する現像装置とを有する画像形成装置に用いられるトナーであって、
該トナーは結着樹脂、着色剤及びワックスを含有するトナー粒子と、個数平均粒子径が0.10μm以上0.70μm以下の微粉体Aを含有するトナーであり、該結着樹脂がポリエステルを主成分とし、
該シート部材に対する該微粉体Aの帯電量が−0.80mC/kg以上−0.10mC/kg以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真,静電荷像を顕像化するための画像形成方法に使用されるトナー、画像形成装置及び現像方法に関するものである。
電子写真法における画像形成装置としては、一般にトナー担持体に、トナーコート量を規制するための、ゴム製または金属製の規制ブレードを当接させる構成の装置が知られている。この規制ブレードとトナーとの摩擦、及び/またはトナー担持体とトナーとの摩擦により、トナーに正または負の電荷を与え、さらに規制ブレードによって、トナーが表面に薄く塗布されたトナー担持体によって、トナー担持体と対向した像担持体表面の静電潜像に飛翔・付着させて現像する手法が一般的に行われている。
また、現像枠体の開口端部には、トナーの吹き出しを防止するシート部材(以下、シート部材と呼ぶ)が両面テープ等により取り付けられており、トナー担持体が現像枠体に組み込まれた際にシート部材はトナー担持体の表面に弾性をもって当接している。
一方、画像形成装置は、デジタル化により他の情報機器と結びついた情報出力機器としてすでに広く普及しており、高精細、高品位、高画質、高速、高信頼性などの要求はもちろんのこと、ユーザーの使用方法の多様化により、使用環境への要望も大きい。
そのため、ユーザーの使用地域、使用環境、また使用方法の多様化により、従来はなかなか表面化しなかった問題が顕在化するようになってきている。
その一つに、トナー粒子表面に外添されている微粉体の埋め込みや遊離という問題があり、特にポリエステルを主成分とした結着樹脂を用いたトナーにおいて顕著な現象である。この問題は、トナーがカートリッジなどのトナー容器に充填された状態で、保管や輸送により、トナーが大きな温度変化や湿度変化に繰り返しさらされることで発生し易くなる。ポリエステルを主成分とする結着樹脂を含有するトナーは、低温定着性、耐オフセット性、ブロッキング性等の要求特性をバランス良く満たすことができるが、吸湿性がある為高温高湿環境では多くの水分を吸着する。この吸湿したトナーが環境の変化で冷却(昼間と夜間の温度変化など)されると、トナーに吸着した水分がトナー容器内で結露し、トナーが凝集する。その後、温度が高温に戻ると結露した水分が気化するために、凝集したトナーがほぐれたり、固まったりする。この環境の変化が繰り返されると、トナーの劣化が促進され、トナー粒子表面に付着していた微粉体がトナー粒子表面に埋め込まれたり、トナー粒子から遊離したりしやすくなる。
トナー粒子表面に微粉体が埋め込まれると、微粉体を添加して得られる効果が小さくなる。また、トナー粒子表面から遊離した微粉体は、トナーとは異なる帯電挙動を示し、トナーに種々の影響を与える。例えば、カブリ、濃度低下、ブロッチ、現像スジの問題が挙げられる。ブロッチとは、チャージアップしたトナーがトナー担持体との鏡映力により引き合ってトナー担持体上で不動状態となり、上層の適正に帯電されないトナーがトナー担持体上に流出し、斑点状、波上のムラとなる現象である。現像スジとは、トナー担持体と接触する規制ブレードにトナー凝集塊が堆積し、均一な適正量のトナーの取込みが行われず、画像領域に白筋が現れる現象である。
一方、微粉体が遊離しないようにする試みがある。例えば、樹脂微粉体粒子と無機微粒子とを混合しこれに機械的な衝撃力を付与することにより、無機微粒子が樹脂微粉体粒子の表面に保持されているトナーの開発の試みがある(例えば特許文献1参照)。また、現像工程において添加している微粉体が分離しても悪影響を与えないようなトナーの開発の試みがある(例えば特許文献2参照)。
これらの試みは、通常の環境では効果が確認されているが、前述のような、より厳しい環境には耐えがたく、改良の余地が残されていた。
特開平08−012440号公報 特開平05−019527号公報
本発明は従来技術における上記のような事情に鑑み、上記のような問題を改善することを目的としてなされたものである。
すなわち本発明の目的は、カブリ、濃度低下、ブロッチ、現像スジが発生しにくいトナー及び画像形成装置及び現像方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本出願に係る第1の発明は、
i)静電潜像を担持する像担持体と、
ii)該像担持体側にその長手方向に沿って開口部を有し、トナー担持体を回転自在に支持する現像枠体と、該現像枠体の開口部に該像担持体と近接するようにして支持されるトナー担持体と、該トナー担持体に担持されたトナーの量を規制する規制部材と、該現像枠体の開口部に取り付けられ、且つ該トナー担持体の長手方向にわたって当接したシート部材とを有する現像装置と、
を有する画像形成装置に用いられるトナーであって、
該トナーは結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有するトナー粒子と、少なくとも個数平均粒子径が0.10μm以上0.70μm以下の微粉体Aを含有するトナーであり、
該結着樹脂が、ポリエステルを主成分とする結着樹脂であり、
該シート部材に対する該微粉体Aの帯電量が−0.80mC/kg以上−0.10mC/kg以下であることを特徴とする負帯電性トナーに関する。
上記目的を達成するため、本出願に係る第2の発明は、回転式ブレードを備えた粉体流動性分析装置において、該トナーを40Nで圧密した後に、プロペラ型ブレードの最外縁部の周速を10mm/secで回転させながら容器内のトナー粉体層中に垂直に進入させ、該粉体層の底面から100mmの位置から測定を開始し、底面から10mmの位置まで進入させた時に得られる、回転トルクと垂直荷重の総和Etが、1500mJ以上2300mJ以下であることを特徴とする負帯電性トナーに関する。
上記目的を達成するため、本出願に係る第3の発明は、該トナーが、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体を含有することを特徴とする負帯電性トナーに関する。
上記目的を達成するため、本出願に係る第4の発明は、
i)静電潜像を担持する像担持体と、
ii)該像担持体側にその長手方向に沿って開口部を有し、トナー担持体を回転自在に支持する現像枠体と、該現像枠体の開口部に該像担持体と近接するようにして支持されるトナー担持体と、該トナー担持体に担持されたトナーの量を規制するための規制部材と、該現像枠体の開口部に取り付けられ、且つ該トナー担持体の長手方向にわたって当接したシート部材とを有する現像装置と、
を有する画像形成装置であって、
該トナーは結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有するトナー粒子と、少なくとも個数平均粒子径が0.10μm以上0.70μm以下の微粉体Aを含有する負帯電性トナーであり、
該結着樹脂が、ポリエステルを主成分とする結着樹脂であり、
該シート部材に対する該微粉体Aの帯電量が−0.80mC/kg以上−0.10mC/kg以下であることを特徴とする画像形成装置に関する。
上記目的を達成するため、本出願に係る第5の発明は、該シート部材はポリフェニレンスルフィドを50質量%以上含有することを特徴とする画像形成装置に関する。
上記目的を達成するため、本出願に係る第6の発明は、
像担持体に担持される静電潜像を、現像装置の有するトナー担持体に担持され、トナー規制部材によって規制されたトナーによって現像する現像方法であって、
該現像装置は、像担持体側にその長手方向に沿って開口部を有し、トナー担持体を回転自在に支持する現像枠体と、該現像枠体の開口部に該像担持体と近接するようにして支持されるトナー担持体と、該トナー担持体に担持されたトナーの量を規制する規制部材と、該現像枠体の開口部に取り付けられ、且つ該トナー担持体の長手方向にわたって当接したシート部材とを有しており、
該トナーは結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有するトナー粒子と、少なくとも個数平均粒子径が0.10μm以上0.70μm以下の微粉体Aを含有する負帯電性トナーであり、
該結着樹脂が、ポリエステルを主成分とする結着樹脂であり、
該シート部材に対する該微粉体Aの帯電量が−0.80mC/kg以上−0.10mC/kg以下であることを特徴とする現像方法に関する。
上記目的を達成するため、本出願に係る第7の発明は、該シート部材はポリフェニレンスルフィドを50質量%以上含有することを特徴とする現像方法に関する。
本発明によれば、カブリ、濃度低下、ブロッチ、現像スジに対して優れた効果を得ることができる。
トナーが、保管や輸送により、大きな温度変化や湿度変化に繰り返しさらされることでトナーの劣化が促進され、トナー粒子表面に付着していた微粉体がトナー粒子表面に埋め込まれたり、遊離したりしやすくなる。トナー粒子表面に微粉体が埋め込まれると、微粉体を添加して得られる効果が小さくなる。また、トナー粒子表面から遊離した微粉体は、トナーとは異なる帯電挙動を示し、トナーに種々の影響を与える。
例えば、微粉体がシート部材に対して、トナーと同極性に帯電した場合は、その帯電量が一定の範囲に制御可能ならば、微粉体はトナーの帯電を補い、良好な現像性を維持できる。しかし、帯電量が大きくなりすぎると、トナーがチャージアップし、現像されずにトナー担持体上に残ってしまうトナーが多くなる。このチャージアップしたトナーがトナー担持体上に堆積してしまうと、新たなトナーがトナー担持体と接触することを妨げてしまい、十分な帯電ができなくなる。その結果、トナー担持体上には十分に帯電されなかったトナーとチャージアップしたトナーが同居して、帯電分布がブロードになり、低い帯電のトナーによるカブリや濃度低下、チャージアップしたトナーによるブロッチ等の不具合を引き起こしてしまう。
一方、微粉体がシート部材に対して、トナーと逆極性に帯電した場合は、トナーと遊離した微粉体との間に静電気的な引力が働き、トナーの凝集塊を形成する。このトナー凝集塊は、トナー担持体上のトナーのコートを乱し、その結果、現像スジが発生する。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、結着樹脂が、ポリエステルを主成分とする結着樹脂であり、少なくとも個数平均粒子径が0.10μm以上0.70μm以下の微粉体Aのシート部材に対する帯電量が−0.80mC/kg以上−0.10mC/kg以下(好ましくは−0.70mC/kg以上−0.30mC/kg以下)であると、本発明の目的であるカブリ、濃度低下、ブロッチ、現像スジの抑制を達成できることを見出した。
結着樹脂がポリエステルを50%以上含有していることを主成分とする。ポリエステルを主成分とすると、低温定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性等の要求特性をバランス良く満たすことができる。しかし、ポリエステル樹脂はカルボキシル基、水酸基といった親水性の極性基を有しており、吸湿しやすく、保管や輸送で劣化しやすい為、カブリ、濃度低下、ブロッチ、現像スジが悪化しやすい。
本発明で用いられる微粉体Aを、ポリエステルを主成分とする結着樹脂を含有するトナー粒子に外添することで、カブリ、濃度低下、ブロッチ、現像スジを抑制することが可能となる。
本発明に用いられるシート部材は、トナー担持体の下部側でその長手方向に沿って接している。シート部材とトナー担持体上にコートされたトナーとが摩擦されることで、トナー中に含まれる微粉体Aに対して一定の範囲の帯電を与えると、微粉体Aはトナーの帯電を補い、良好な現像性を維持できる。しかし、一定の範囲を超える帯電を与えると、カブリ、濃度低下、ブロッチ、現像スジを引き起こす可能性がある。そのため、シート部材に対して、微粉体の帯電を一定の範囲に制御することが求められる。シート部材の材質に関しては後ほど詳述する。
少なくとも個数平均粒子径が0.10μm以上0.70μm以下の微粉体Aのシート部材に対する帯電量が−0.80mC/kg以上−0.10mC/kg以下であると、微粉体Aの帯電は、トナーの帯電を補い、良好な現像性を維持できる。微粉体Aの個数平均粒子径が0.10μm以上であると、現像器内壁、撹拌羽根とのストレスに対して受ける影響が少なく、トナー粒子に埋め込まれにくい。また、微粉体Aの個数平均粒子径が0.70μm以下であると、トナー粒子に対する付着性が高く、トナー粒子から遊離しないと考えられる。さらに、微粉体Aのシート部材に対する帯電量が−0.80mC/kg以上であると、チャージアップすることなくトナーの帯電を適正に補い、良好な現像性を維持できる。また、微粉体Aのシート部材に対する帯電量が−0.10mC/kg以下であると、トナーの帯電を十分に補い、良好な現像性を維持できる。
微粉体Aの個数平均粒子径が0.10μm未満であると、現像器内壁、撹拌羽根とのストレスに対して受ける影響が大きくなるため、トナー粒子に埋め込まれ易くなる。そのため、微粉体Aとシート部材との帯電は得られにくくなり、本発明の効果が得られない。
微粉体Aの個数平均粒子径が0.70μmより大きくなると、トナー粒子に対する付着性が低く、トナー粒子から遊離しやすい。そのため、微粉体Aのシート部材に対する帯電が、トナーの帯電を補うことはできず、本発明の効果が得られない。
シート部材に対する微粉体Aの帯電量が−0.80mC/kg未満であると、トナーがチャージアップし、現像されずにトナー担持体上に残ってしまうトナーが多くなる。このチャージアップしたトナーがトナー担持体上に堆積してしまうと、新たなトナーがトナー担持体と接触することを妨げてしまい、十分な帯電ができなくなる。その結果、トナー担持体上には十分に帯電されなかったトナーとチャージアップしたトナーが同居して、帯電分布がブロードになり、低い帯電のトナーによるカブリや濃度低下、チャージアップしたトナーによるブロッチ等の不具合を引き起こしてしまう。
シート部材に対する微粉体Aの帯電量が−0.10mC/kgより大きく、0mC/kg以下であると、トナーの帯電を補いきれず、帯電に不利な高温高湿環境において、良好な現像性を維持できなくなる可能性がある。
シート部材に対する微粉体Aの帯電量が0mC/kgより大きくなると、トナーと逆極性になりトナーと微粉体Aとの間に静電気的な引力が働き、トナーの凝集塊を形成する。このトナー凝集塊は、トナー担持体上のトナーのコートを乱し、その結果、現像スジが発生する。
回転式ブレードを備えた粉体流動性分析装置において、本発明に用いられるトナーを、40Nで圧密した後に、プロペラ型ブレードの最外縁部の周速を10mm/secで回転させながら容器内のトナー粉体層中に垂直に進入させ、該粉体層の底面から100mmの位置から測定を開始し、底面から10mmの位置まで進入させた時に得られる、回転トルクと垂直荷重の総和Etが、1500mJ以上2300mJ以下(好ましくは1800mJ以上2100mJ以下)を満足することが、さらに本発明の効果を得るのに好ましい。回転トルクと垂直荷重の総和Etが、1500mJ以上であると、トナーの流動性が良くシート部材と帯電安定性が優れているため、微粉体Aの帯電を一定の範囲に制御しやすくなる。その結果、カブリ、濃度低下、現像スジに対してさらに効果がある。回転トルクと垂直荷重の総和Etが、2300mJ以下であると、トナー担持体上に形成されたトナーの穂立ちは、圧密された状態をとりやすいことから、トナー担持体上に密にトナーをコートすることができ、均一なコートが得られやすくなる。このため、シート部材との摩擦は均一な負荷がかかり、微粉体Aの帯電を一定の範囲に制御しやすくなる。その結果、カブリ、濃度低下に対してさらに効果がある。
本発明に用いられるトナーは、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体を含有することが、さらに本発明の効果を得るのに好ましい。スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体である荷電制御樹脂は、結着樹脂と相溶性が良いため、帯電に大きく関与しているトナー表面の荷電制御樹脂が解離しにくく、安定した帯電性をもち、微粉体Aの帯電がトナーの帯電を補助する効果をより顕著にする。その結果、カブリ、濃度低下に対してさらに効果がある。
本発明に用いられる画像形成装置の一例について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る現像装置を有するプロセスカートリッジを備えた画像形成装置(本実施の形態では、電子写真方式のレーザビームプリンタ)Aを示す概略構成図の一例である。
この画像形成装置(レーザビームプリンタ)Aは、電子写真画像形成プロセスによって像担持体7上に形成されたトナー像を記録媒体(用紙やOHPシートなど)2に転写して画像形成を行う。また、この画像形成装置(レーザビームプリンタ)Aは、その内部に図2に示すようなプロセスカートリッジBが着脱自在に装着されている。
プロセスカートリッジBは、トナーを収納したトナー枠体11と、現像装置9を保持する現像枠体16と、像担持体7、帯電ローラ8及びクリーニング器10を有するクリーニング枠体13とが結合されて構成されている。
静電潜像形成時には、帯電手段としての帯電ローラ8によって回転している像担持体7に帯電を行い、次いで、この像担持体7に露光装置1から画像情報に応じたレーザ光を、プロセスカートリッジBの上部に形成した開口部(不図示)を通して照射して静電潜像を形成する。露光装置1は、レーザダイオード1a、ポリゴンミラー1b、レンズ1c、反射ミラー1dなどを有している。そして、この静電潜像を現像装置9のトナーによって現像してトナー像を形成する。
図1に示すように、現像装置9は、プロセスカートリッジBに設けたトナー枠体11内のトナーを、トナー送り部材11aの回転によって現像容器9d側へ送り出す。そして、現像容器9dに回転自在に支持されたトナー担持体9aを回転させるとともに、トナーの量を規制するための規制部材9cによって摩擦帯電電荷を付与したトナー層をトナー担持体9aの表面に形成し、そのトナーを像担持体7の現像領域へ供給する。そして、そのトナーを前記静電潜像に応じて像担持体7へ転移させることによって、トナー像を形成して可視像化する。
そして、トナー像の形成と同期して、複数の給紙カセット3aにセットした所定サイズの用紙などの記録媒体2を、ピックアップローラ3b、搬送ローラ対3c、3d及びレジストローラ対3eによって、像担持体7と転写手段としての転写ローラ4間の転写ニップ部に搬送する。そして像担持体7に形成されたトナー像を、転写バイアスが印加された転写ローラ4によって記録媒体2上に転写する。その後、トナー像の転写を受けた記録媒体2は、搬送ガイド3fでガイドされて定着装置5へと搬送される。定着装置5は、駆動ローラ5cと、ヒータ5aを内蔵する定着ローラ5bを有しており、トナー像が転写された記録媒体2を駆動ローラ5cと定着ローラ5b間の定着ニップ部で挟持搬送して、通過する記録媒体2に熱及び圧力を印加して、転写されたトナー像を定着する。
そして、トナー像が定着された記録媒体2を、排出ローラ対3g、3h、3iで搬送して排出トレイ6へと排出する。この排出トレイ6は、画像形成装置本体14の上面に設けられている。なお、揺動可能なフラッパ3kを動作させることにより、排出ローラ対3mによってトナー像が定着された記録媒体2を画像形成装置本体14の側面から排出することもできる。また、前記転写後に像担持体7上に残留している転写残トナーは、クリーニング器10のクリーニングブレード10aによって除去されて次の画像形成動作に備える。
図3は現像枠体16を示したものである。現像枠体16には規制部材9c取り付けられている。現像枠体16の開口部の下面側には、開口部の長手方向に沿って一端が固定されており、他端がトナー担持体9aの下部側にその長手方向に沿って接するように設けられた薄片状の弾性を有するシート部材9eが貼り付けてある。
図4にトナー担持体とシート部材の位置関係を断面図で示す。シート部材9eは両面テープで現像枠体16の開口部の下面側に貼り付けられる。シート部材9eの長さは、長手方向は少なくともトナー担持体9aにトナーがコートされる領域よりも長く設定する。短手方向はシート部材9eの先端がトナー担持体9aと接触した際に、ニップ部分より先端側に少なくとも自由端を持つような長さとなっている。また、シート部材は現像枠体とトナー担持体との隙間からトナーが外部に漏れるのを防止する役目も担っている。
本発明に用いられるシート部材の材質は特に限定されないが、好ましくはポリイミド、ポリアミドイミド、ポリオキシベンゾイル、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が用いられる。また、2種類以上の材質を混合して用いても良い。特にポリフェニレンスルフィドを50質量%以上(より好ましくは75質量%以上)含有することが好ましい。シート部材と微粉体が摩擦される場合、シート部材がフィルムコンデンサーとして働く。シート部材の材質がポリエチレンテレフタレート(PET)の場合は、誘電率が高いために静電容量が大きくなる。そのため、微粉体の摩擦帯電量は、一定の範囲を超えやすく、カブリ、濃度低下、ブロッチ、現像スジを引き起こす可能性がある。一方、シート部材の材質がポリフェニレンスルフィド(PPS)の場合は、誘電率がポリエチレンテレフタレート(PET)より低いために静電容量が小さくなる。そのため、微粉体の摩擦帯電量を、一定の範囲に制御しやすく、カブリ、濃度低下、ブロッチ、現像スジを抑制し易い。
シート部材の厚みは15μm以上100μm以下が好ましい。シート部材の厚みが15μm未満ではトナーが外部に漏れやすくなり、100μmより大きいとトナー担持体に当接しすぎて、微粉体の摩擦帯電量は、一定の範囲を超えやすく、カブリ、濃度低下、ブロッチ、現像スジを引き起こす可能性がある。
本発明に用いられる結着樹脂について説明する。
本発明で用いられる結着樹脂は、ポリエステル樹脂を主成分とすることが必要である。ポリエステル樹脂は、カルボキシル基、水酸基といった親水性の極性基を有しているため、紙との接着性に対して有利であることから、低温定着性、耐オフセット性等の要求特性をバランス良く満たすことができるので好ましい。しかし、ポリエステル樹脂を主成分とするならば他の樹脂成分を含有するハイブリッド樹脂であっても良い。例えば、ポリエステル樹脂とビニル系樹脂とのハイブリッド樹脂が挙げられる。
本発明に使用される結着樹脂であるポリエステル樹脂の組成の例を以下に示す。
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式(A)で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
Figure 2010160368
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0以上10以下である。)
式(B)で示されるジオール類;
Figure 2010160368
2価の酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物、又は低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸の如きアルケニルコハク酸もしくはアルキルコハク酸、又はその無水物、又は低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物、又は低級アルキルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
また、架橋成分として働く3価以上のアルコール成分と3価以上の酸成分を併用することが好ましい。
3価以上の多価アルコール成分としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
また、本発明における3価以上の多価カルボン酸成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−シカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル;次式
Figure 2010160368
(式中、Xは炭素数3以上の側鎖を1個以上有する炭素数5以上30以下のアルキレン基又はアルケニレン基である。)
で表わされるテトラカルボン酸、及びこれらの無水物、又は低級アルキルエステルの如き多価カルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
アルコール成分としては40mol%以上60mol%以下、酸成分としては60mol%以上40mol%以下であることが好ましい。
また3価以上の多価の成分は、全成分中の5mol%以上60mol%以下であることが好ましい。該ポリエステル樹脂も通常一般に知られている縮重合によって得られる。
本発明に用いられるハイブリッド樹脂のような、ビニル系樹脂やビニル系共重合ユニットとポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、ビニル系樹脂やビニル系共重合ユニット及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応を行う方法が好ましい。
例えば、ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系共重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。ビニル系共重合体成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
また、本発明では結着樹脂として、ポリエステル樹脂を主成分とするならば、上記のビニル系樹脂以外にも、従来より結着樹脂として知られている種々の樹脂化合物を併用することができる。このような樹脂化合物としては、例えばフェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
本発明において、結着樹脂が酸価を有することが好ましい。結着樹脂の酸価が5以上35mgKOH/g以下、より好ましくは、酸価が10以上25mgKOH/g以下であると、帯電安定性の観点から本発明をより好ましくする。
結着樹脂の酸価が1mgKOH/g未満になると、トナーの帯電性が不十分になり、現像性が悪化しやすい。一方、30mgKOH/gを超える場合には、結着樹脂の吸湿度が高くなりやすく、トナーの帯電性が不安定になり現像性が悪化しやすい。結着樹脂の酸価は、例えば結着樹脂を構成するモノマーの種類及びそれらの配合量によって調整することができる。
本発明に用いられるワックスについて説明する。
トナー中での分散のしやすさ、離型性の高さから、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックスが好ましく用いられるが、必要に応じて一種又は二種以上のワックスを、少量併用してもかまわない。例としては次のものが挙げられる。
酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;長鎖アルキルアルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N−ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの)、また、脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;また、ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物、また、植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
また、該ワックスの示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の最大吸熱ピーク温度で規定される融点は、70℃以上140℃以下であることが好ましい。より好ましくは90℃以上135℃以下であることがよい。融点が70℃未満の場合は、トナーの粘度が低下し、感光体へのトナー付着が発生しやすくなり、融点が140℃超の場合は、低温定着性が悪化してしまう。
ワックスの量は、結着樹脂100質量部あたり0.1質量部以上20.0質量部以下が好ましい。
また、これらのワックスは、樹脂製造時、樹脂を溶剤に溶解し、樹脂溶液温度を上げ、撹拌しながら添加混合する方法や、トナー製造中の溶融混練時に添加する方法などにより結着樹脂に含有させることができる。
本発明のトナーは磁性材料を含有する。磁性材料は着色剤の役割をかねることもでき、一成分現像方式を用いることによって、キャリアが不必要となり、装置の小型化の点で有利である。
本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或はこれらの金属アルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物等が挙げられる。
これらの磁性材料は個数平均粒子径が1.0μm以下であり、好ましくは0.05乃至0.50μm、より好ましくは0.10乃至0.40μm、さらに好ましくは0.10乃至0.30μmである。また、795.8kA/m印加での磁気特性が、抗磁力1.60乃至12.0kA/m、飽和磁化50.0乃至200.0Am2/kg(好ましくは50.0乃至100.0Am2/kg)、残留磁化2.0乃至20.0Am2/kgのものが好ましい。トナー中に含有させる量としては結着樹脂100質量部に対し20質量部以上200質量部以下であることが好ましい。
本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤としてカーボンブラック,グラフト化カーボンや以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用可能である。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アントラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が用いられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。
非磁性の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐候性,OHP透明性,トナー中への分散性の点から選択される。非磁性の着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し1乃至20質量部添加して用いられる。
本発明のトナーには、荷電制御剤を含有させることがトナーの帯電性を安定させる観点から好ましい。
トナーを負帯電性に制御するものとして下記化合物が挙げられる。
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類などがある。
特に、下記一般式で表されるアゾ系鉄化合物が、帯電量を高く、安定して与えるので好ましい。
Figure 2010160368
[式中、X2及びX3は水素原子,低級アルキル基,低級アルコキシ基,ニトロ基又はハロゲン原子を示し、k及びk’は1乃至3の整数を示し、Y1およびY3は水素原子,C1乃至C18のアルキル,C2乃至C18のアルケニル,スルホンアミド,メシル,スルホン酸,カルボキシエステル,ヒドロキシ,C1乃至C18のアルコキシ,アセチルアミノ,ベンゾイル,アミノ基又はハロゲン原子を示し、l及びl’は1乃至3の整数を示し、Y2およびY4は水素原子またはニトロ基を示し、(上記のX2とX3,kとk’,Y1とY3,lとl’,Y2とY4は同一でも異なっていても良い。)
A”+はアンモニウムイオン,ナトリウムイオン,カリウムイオン,水素イオン又はそれらの混合イオンを示すが、本発明においては、理由は定かではないが、重合体Aのチャージアップ抑制という点においては、ナトリウムイオンであることが好ましい。]
次に、アゾ系鉄化合物の具体例を示す。
Figure 2010160368
Figure 2010160368
Figure 2010160368
あるいは下記一般式に示した塩基性有機酸金属錯体も負帯電性を与える荷電制御剤として好ましい。
Figure 2010160368
次に、ヒドロキシカルボン酸金属化合物の具体例を示す。
Figure 2010160368
さらに好ましくは、荷電制御樹脂を含有させることが安定した帯電性の観点から好ましい。
荷電制御樹脂は、結着樹脂と相溶性が良いため、帯電に大きく関与しているトナー表面の荷電制御樹脂が解離しにくく、安定した帯電性をもち、微粉体Aの帯電がトナーの帯電を補助する効果をより顕著にする。その結果、カブリ、濃度低下に対してさらに効果がある。
荷電制御樹脂としては、本発明の効果を最大限に発揮する点で、スチレン系単量体及びアクリル系単量体とスルホン酸含有アクリルアミド単量体との共重合体(スルホン酸基含有共重合体)がより好ましい。
スチレン系単量体としては、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tertブチルスチレン、p−nヘキシルスチレン、p−nオクチルスチレン、p−nノニルスチレン、p−nデシルスチレン、p−nドデシルスチレンの如きスチレン及びその誘導体が挙げられる。
アクリル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸nオクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類が挙げられる。
スルホン酸含有アクリルアミド系単量体としては、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−ブタンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−ヘキサンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−オクタンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−ドデカンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−テトラデカンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルフェニルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−(4−クロロフェニル)プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−カルボキシメチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−(2−ピリジン)プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−1−メチルプロパンスルホン酸、3−アクリルアミド−3−メチルブタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−n−デカンスルホン酸、2−メタクリルアミド−n−テトラデカンスルホン酸等を挙げることができる。この中で、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が帯電性の面からより好ましい。
スルホン酸基含有共重合体を合成する際に使用される重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾピス(−2メチルプチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソプチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパ−オキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デ力ノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジーイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−工トキシエチルパーオキシカーボネト、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソプチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキンベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−プチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートがあげられる。好ましくは過酸化物開始剤が使用される。
また、スルホン酸基含有共重合体の合成方法としては、特に制限はなく、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等、いずれの方法も使用可能であるが、低級アルコールを含む有機溶剤中で共重合させる溶液重合が好ましい。
荷電制御剤及び荷電制御樹脂をトナーに含有させる方法としては、トナー粒子内部に添加する方法とトナー粒子の外部に外添する方法がある。荷電制御剤及び荷電制御樹脂の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、目安として下記の量であることが好ましい。つまり、荷電制御剤及び荷電制御樹脂が、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーは、トナー粒子に外添することにより、トナーの帯電性を向上させるために微粉体Aを添加する必要がある。微粉体Aとして、帯電補助剤の働きをする樹脂微粉体や無機微粉体が挙げられる。
本発明で用いられる微粉体Aは、個数平均粒子径が0.10μm以上0.70μm以下であり、シート部材に対する帯電量が−0.80mC/kg以上−0.10mC/kg以下である必要がある。
例えば、アルミナ、酸化マグネシウム、及び酸化チタン化合物、或いはその複合酸化物が挙げられる。
特に、ハイドロタルサイト類化合物が、帯電量を高く与えるので好ましい。
ハイドロタルサイト類化合物として、下記一般式(1)
M12+ y1M22+ y2…Mj2+ yjL13+ x1L23+ x2…Lk3+ xk(OH)2 ・(X/
n)An-・mH2 O (1)
(但し、0<〔X=(x1+x2+…+xk)〕≦0.5、Y=(y1+y2+…+yj)=1−X,j及びkは2以上の整数、M12+,M22+,…及びMj2+はそれぞれ異なる2価の金属イオン、L13+,L23+,…及びLk3+はそれぞれ異なる3価の金属イオン、An-はn価のアニオン、m≧0)で示されるものを用いる、すなわち、2価の金属が2種以上かつ3価の金属が2種以上の固溶体であることが好ましい。詳細は不明であるが、2価の金属が1種かつ3価の金属が1種の場合、又は2価の金属が2種以上かつ3価の金属が1種の場合に比べ、帯電安定性に優れていることが明らかとなった。また、上記構造のハイドロタルサイト類に関しては、1価のアルカリ金属を含んでも構わない。また、アニオンが複数種存在しても構わない。
また、Mg以外の2価金属の含有量(原子比率)が、0.001≦y2+…+yj≦0.05であることが好ましく、Al以外の3価金属の含有量(原子比率)が、0.0003≦x2+…xk≦0.02を満足することが好ましい。
Mg以外の2価金属及びAl以外の3価金属を上記の様な範囲で含有している場合には、帯電性がより向上する傾向がある。
また、ハイドロタルサイト類化合物は、Mg以外の2価金属としてCaを含有していることがより好ましく、3価金属としては、含有されているB、Ge、Fe、Gaの合計量が原子比率で0.0003乃至0.02であることがより好ましい。
ハイドロタルサイト類化合物のAn−(n価のアニオン)としては、CO3 2-、OH-、C1-、I-、F-、Br-、SO4-、HCO3-、CH3COO-、NO3-が例示され、単独或いは複数種存在していても構わない。
ハイドロタルサイト類化合物の具体例を示す。
ハイドロタルサイト類化合物(1) Mg0.5Zn0.17Al0.33(OH)2(CO30.165・0.45H2
ハイドロタルサイト類化合物(2) Mg0.6Cd0.1Al0.3(OH)2(CH3COO)0.3・0.34H2
ハイドロタルサイト類化合物(3) Mg0.5Pb0.2Al0.3(OH)2(CO30.15・0.52H2
ハイドロタルサイト類化合物(4) Mg0.38Zn0.3Al0.32(OH)2(CO30.16・0.2H2
ハイドロタルサイト類化合物(5) Mg0.6Zn0.2Al0.2(OH)2(CO30.1・0.6H2
ハイドロタルサイト類化合物(6) Mg0.1Ca0.4Zn0.2Al0.3(OH)2.3・0.25H2
ハイドロタルサイト類化合物(7) Mg0.52Zn0.16Al0.32(OH)2(CO30.16・0.5H2
ハイドロタルサイト類化合物(8) Mg0.15Ca0.4Zn0.15Al0.3(OH)2.3・0.2H2
ハイドロタルサイト類化合物(9) Mg0.7Al0.3(OH)2(CO30.15・0.57H2
ハイドロタルサイト類化合物(10) Mg0.8Al0.2(OH)2(CO30.1・0.61H2
ハイドロタルサイト類化合物(11) Mg0.75Al0.25(OH)2(CO30.125・0.5H2
ハイドロタルサイト類化合物(12) Mg0.83Al0.17(OH)2(CO30.085・0.47H2
ハイドロタルサイト類化合物(13) Mg0.65Al0.35(OH)2(CO30.175・0.37H2
ハイドロタルサイトは、表面処理剤によって疎水化処理を行なうことが環境安定化を図る上でも好ましい。表面処理剤としては、高級脂肪酸類、カップリング剤類、エステル類、シリコーンオイルの如きオイル類が使用可能である。
中でも高級脂肪酸類が好ましく用いられ、具体的には、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸が例示される。
ハイドロタルサイト類化合物のトナーに対する添加量としては、トナー100質量部に対して0.03乃至1.00質量部(より好ましくは0.05乃至1.0質量部)が、帯電性の向上の観点から好ましい。
本発明のトナー粒子には、研磨効果、帯電性付与性及び流動性付与、クリーニング助剤として、微粉体A以外の微粉体Bを添加してもよい。
例えば、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末又はそれらの疎水化物が外添されることが好ましい。それらは、単独あるいは併用して用いることが好ましい。
シリカ微粉末としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び、水ガラス等から製造される湿式シリカの両方が挙げられる。表面及び内部にあるシラノール基が少なく、製造残渣のない乾式シリカの方が好ましい。
さらにシリカ微粉体は疎水化処理されているものが好ましい。疎水化処理するには、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシラン化合物で処理した後、あるいはシラン化合物で処理すると同時にシリコーンオイルの如き有機ケイ素化合物で処理する方法が挙げられる。
疎水化処理に使用されるシラン化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシランメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが挙げられる。
有機ケイ素化合物としては、シリコーンオイルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ30以上1,000mm2/s以下のものが用いられる。例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが好ましい。
シリコーンオイル処理の方法は、シラン化合物で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合しても良いし、ベースとなるシリカへシリコーンオイルを噴射する方法によっても良い。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、ベースのシリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去して作製しても良い。
シリカ微粉体の好ましい疎水化処理として、ヘキサメチルジシラザンで処理し、次いでシリコーンオイルで処理することにより調製する方法が挙げられる。
上記のようにシリカ微粉体をシラン化合物で処理し、後にオイル処理することが疎水化度を効果的に上げることができ、好ましい。
上記シリカ微粉体における疎水化処理、更には、オイル処理を酸化チタン微粉体に施したものも、シリカ系同様に好ましい。
トナー粒子と混合される該微粉体Bは、トナー100質量部に対して0.01以上5質量部以下(好ましくは0.01以上3質量部以下)使用するのが良い。
本発明のトナーは、公知の方法によって製造することができる。本発明のトナーを製造する方法としては、トナー粒子を構成する材料をボールミルその他の混合機により十分混合した後、熱ロールニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて良く混練し、冷却固化後、機械的に粉砕し、粉砕粉を分級後、外添剤を添加混合してトナーを得る方法が好ましい。
本発明のトナーを製造する際に使用される装置としては、特に限定されないが、例えば以下のものが挙げられる。
混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられる。
混練機としては、例えばKRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押出機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられる。
粉砕機としては、例えばイノマイザ(ホソカワミクロン社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーロータ(日清エンジニアリング社製)が挙げられる。
分級機としては、例えばクラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられる。
粗粒等をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、例えばウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
トナー粒子は表面改質されていると、帯電安定性の観点から好ましい。表面改質処理をすることで、平均円形度が高まり、帯電安定性が向上する。表面改質装置としては、熱的ないし機械的にトナー表面を処理する装置、例えばファカルティ(ホソカワミクロン(株)製)やハイブリタイザー((株)奈良機械製作所製)等が挙げられる。
本発明に係る各種物性の測定について以下に説明する。
<シート部材に対する微粉体A及びBの帯電量の測定方法>
図5に示すような内側が横5cm、縦1cm、深さ1cmの容器21を用意する。容器21はガラス製であると好ましい。実際のカートリッジに用いられるシート部材と全く同じ組成のもので、横5cm×縦1cm、厚み40μmの帯電量測定用シート部材22を用意して、容器21の底に敷く。続いて帯電量測定用シート部材22の上に0.05gの微粉体A又は微粉体B(不図示)を均一に載せる。次に1cm×1cmの底面をもつ荷重4.9kPaのおもり23の底面に、帯電量測定用シート部材22と同じ組成、厚みで、1cm×1cmのシート部材24を貼付ける。常温常湿下(25℃/50%RH)において、帯電量測定用シート部材22上に載せられた微粉体A又は微粉体Bを、このおもり23のシート部材面24で20往復擦る。
その後、図6に示すファラデー・ゲージ(Faraday−Cage)を用いて、シート部材上の微粉体A又は微粉体Bを吸引捕集し、微粉体A又は微粉体Bの帯電量を測定した。ファラデー・ゲージとは、同軸で2重筒のことで内筒と外筒は絶縁されている。この内筒の中に電荷量Qなる帯電体を入れたとすると、静電誘導によりあたかも電気量Qの金属円筒が存在するのと同様になる。この誘起された電荷量をKEITHLEY 616 DIGITAL ELECTROMETERで測定し、内筒中の微粉体A又は微粉体Bの重量Mで電荷量Qを割ったものを帯電量として算出した。
<個数平均粒子径(Dp)の測定方法>
微粉体A及びBの個数平均粒子径は、電子顕微鏡観察で撮影した画像の粒子に対して統計回折(グラフテック株式会社製デジタイザKD4620)を用いて、任意に350個測定し、その個数平均値から求めた。なお、径は水平方向フエレ径である。
<Etの測定方法>
本発明における、Etは、粉体流動性分析装置パウダーレオメータFT−4(Freeman Technology社製)(以下、FT−4と省略する)を用いることによって測定する。
具体的には、以下の操作により測定を行う。尚、全ての操作において、プロペラ型ブレードは、FT−4測定専用48mm径ブレード(図7参照。48mm×10mmのブレード板の中心に法線方向に回転軸が存在し、ブレード板は、両最外縁部分(回転軸から24mm部分)が、70°、回転軸から12mmの部分が35°といったように、反時計回りになめらかにねじられたもので、材質はSUS製。型番:C210。
FT−4測定専用、直径50mm、容積160mlのスプリット容器(型番:C203。容器底面からスプリット部分までの高さ82mm。材質は、ガラス。以下、容器と省略する)に23℃、60%環境に3日以上放置されたトナーを100g入れることでトナー粉体層とする。
(1)トナーの圧密操作
上述のFT−4測定専用セルにトナーを35g加える。FT−4測定専用の圧縮ピストンを取り付け40Nで20秒間圧密を行う。さらにトナーを35g加え、同様に圧縮ピストンで40Nで20秒間圧密を行う。この動作を繰り返し、計4回行い、計140gの圧密されたトナーが専用セルに入っている状態にする。
(2)スプリット操作
上述のFT−4測定専用セルのスプリット部分でトナー粉体層をすり切り、トナー粉体層上部のトナーを取り除くことで、同じ体積のトナー粉体層を形成する。
(3)測定操作
トナー粉体層表面に対して時計回り(ブレードの回転によりトナー粉体層を押し込まない方向)の回転方向に、ブレードの回転スピードが10mm/sec、トナー粉体層への垂直方向の進入速度を、なす角が、5degのスピードで、トナー粉体層の底面から10mmの位置まで進入させる。その後、トナー粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、ブレードの回転スピードが10mm/sec、トナー粉体層への垂直方向の進入速度を、なす角が、2degのスピードで、トナー粉体層の底面から1mmの位置まで進入させる操作を行った後、トナー粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、ブレードの回転スピードが10mm/sec、トナー粉体層からの垂直方向の抜き取り速度をなす角が、5degのスピードで、トナー粉体層の底面から100mmの位置まで抜き取りを行う。抜き取りが完了したら、ブレードを時計回り、反時計回りに交互に小さく回転させることでブレードに付着したトナーを払い落とす。
上記測定において、プロペラ型ブレードを回転させながら容器内のトナー粉体層中に垂直に進入させ、トナー粉体層の底面から100mmの位置から測定を開始し、底面から10mmの位置まで進入させた時に得られる、回転トルクと垂直荷重の総和をEtとする。
<結着樹脂の酸価の測定方法>
下記1)乃至5)の操作により求められる。基本操作はJIS K0070に属する。
1)試料はあらかじめ結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を除去して使用するか、試料の結着樹脂以外の成分の含有量を求めておく。磁性トナー又は結着樹脂の粉砕品0.5以上2.0g以下を精秤する。このときの結着樹脂成分の質量をW(g)とする。
2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液150(ml)を加え溶解する。
3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定測定装置を用いて測定する。この滴定には、例えば、京都電子株式会社の電位差滴定測定装置AT−400(winworkstation)とABP−410電動ビュレットとを用いての自動滴定が利用できる。
4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とする。同時にブランクを測定して、この時のKOHの使用量をB(ml)とする。
5)下記式により酸価を計算する。なお下記式中のfはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(S−B)×f×5.61}/W
<重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
以下、具体的実施例によって本発明を説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
本実施例及び比較例で用いた微粉体A、微粉体Bの製法を以下に示す。
(微粉体A1の製造例)
MgとCaの塩化物と、AlとFeの塩化物と、アルカリ溶液と、で反応させることにより、塩素イオンを層間に保持したMg−Alハイドロタルサイト化合物スラリーを合成する。合成したMg−Alハイドロタルサイト化合物スラリーを蒸留水で、約210℃の温度および約25時間の条件下で水熱処理することにより個数平均粒子径が0.45μmに調整したMg−Alハイドロタルサイト化合物スラリーを得た。得られたMg−Alハイドロタルサイト化合物スラリーとケイ素系、燐系および硼素系の酸素酸イオンを含んだ溶液を混合することにより、合成時のアニオンとケイ素系、燐系および硼素系の酸素酸イオンがイオン交換し、層間のアニオンとして、硫酸イオン、炭酸イオン、塩素イオンおよび硝酸イオンの少なくとも一種のアニオンとを保持した、個数平均粒子径が0.45μmに調整したMg−Alハイドロタルサイトを得た。微粉体A1の個数平均粒子径を表1に示す。
(微粉体A2の製造例)
微粉体A2の個数平均粒子径が0.55μmになるように、水熱処理条件の温度と時間を調整した以外は微粒子A1の製造例と同様の方法で行い、個数平均粒子径が0.55μmに調整したMg−Alハイドロタルサイトを得た。微粉体A2の個数平均粒子径を表1に示す。
(微粉体A3の製造例)
微粉体A3の個数平均粒子径が0.70μmになるように、水熱処理条件の温度と時間を調整した以外は微粒子A1の製造例と同様の方法で行い、個数平均粒子径が0.70μmに調整したMg−Alハイドロタルサイトを得た。微粉体A3の個数平均粒子径を表1に示す。
(微粉体A4の製造例)
微粉体A4の個数平均粒子径が0.20μmになるように、水熱処理条件の温度と時間を調整した以外は微粒子A1の製造例と同様の方法で行い、個数平均粒子径が0.20μmに調整したMg−Alハイドロタルサイトを得た。微粉体A4の個数平均粒子径を表1に示す。
(微粉体A5の製造例)
微粉体A5の個数平均粒子径が0.10μmになるように、水熱処理条件の温度と時間を調整した以外は微粒子A1の製造例と同様の方法で行い、個数平均粒子径が0.10μmに調整したMg−Alハイドロタルサイトを得た。微粉体A5の個数平均粒子径を表1に示す。
(微粉体B1の製造例)
乾式法で合成された酸化ケイ素微粉体を80℃に加熱した密閉型ヘンシェルミキサー中に入れ、該酸化ケイ素微粉体100質量部に対して、150質量部の処理量となる様にアルコールで希釈したジメチルシリコーンオイルを噴霧しながら高速で攪拌し、個数平均粒子径が0.10μmに調整した微粉体B1を得た。微粉体B1の個数平均粒子径を表1に示す。
(微粉体B2の製造例)
微粒子B1の製造例と同様の方法で、微粉体B2の個数平均粒子径が0.40μmになるように調整し、微粉体B2を得た。微粉体B2の個数平均粒子径を表1に示す。
(微粉体B3の製造例)
微粒子B1の製造例と同様の方法で、微粉体B3の個数平均粒子径が0.05μmになるように調整し、微粉体B3を得た。微粉体B3の個数平均粒子径を表1に示す。
Figure 2010160368
本実施例及び比較例で用いた結着樹脂の製法を以下に示す。
(結着樹脂1の製造例)
・トリメリット酸 365g
・フマル酸 336g
・プロポキシ化ビスフェノールA 1060g
・エポキシ化ビスフェノールA 966g
上記モノマーをエステル化触媒であるジブチル錫オキシドと共に四つ口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて230℃に昇温して反応を行った。反応終了後、反応生成物を容器から取り出し、冷却、粉砕し、酸価25mgKOH/gの結着樹脂1を得た。
(結着樹脂2の製造例)
・テレフタル酸 400g
・トリメリット酸 400g
・ドデセニルコハク酸 500g
・プロポキシ化ビスフェノールA 700g
・エトキシ化ビスフェノールA 300g
上記ポリエステルモノマーをエステル化触媒であるジブチル錫オキシド30gと共に四つ口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着して窒素雰囲気下にて130℃の温度で撹拌しつつ、ビニル系重合モノマー(スチレン472g、2−エチルヘキシルアクリレート103g、ジビニルベンゼン0.1g)と、重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド25gを混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。130℃にて3時間保持し、230℃に昇温して反応を行った。反応終了後、反応生成物を容器から取り出し、冷却、粉砕し、酸価18mgKOH/gの結着樹脂2を得た。
(結着樹脂3の製造例)
還流管、撹拌機、窒素導入管、温度計、滴下装置及び減圧装置を備えた反応容器にキシレン1060gを仕込んだ後、スチレン1394g、アクリル酸ブチル436g、マレイン酸モノブチル550g、及び重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド158gを仕込み、窒素雰囲気下にて還流温度まで昇温して12時間保持し、反応を行った。反応終了後、キシレンを減圧留去し、酸価17mgKOH/gの結着樹脂3を得た。
(スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体である荷電制御樹脂Aの製造)
・メタノール 300質量部
・トルエン 100質量部
・スチレン 470質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート 78質量部
・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 42質量部
・ラウロイルパーオキサイド 6質量部
上記原料をフラスコに仕込み、撹拌装置,温度測定装置,窒素導入装置を装着して、窒素雰囲気下70℃で溶液重合させ、10時間保持して重合反応を終了させた。得られた重合物を減圧乾燥・粗粉砕した。
本実施例及び比較例で用いたトナー粒子の製法を以下に示す。
(トナー粒子1の製造例)
・結着樹脂1: 100質量部
・マグネタイト: 95質量部
・フィッシャートロプシュワックス: 5質量部
・荷電制御樹脂A: 2質量部
・荷電制御剤(例示 サリチル酸Al化合物(1)): 1質量部
・荷電制御剤(例示 アゾ系鉄化合物(1)A”+はNa+): 1質量部
上記混合物をヘンシェルミキサーで前混合した後、110℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕してトナー粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物を、機械式粉砕機ターボミルを用いて、表2の条件表に基づき、入口と出口のエアー温度を調整して機械式粉砕させて微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で微粉及び粗粉を同時に分級除去した。そこで得られた原料トナー粒子のコールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)は6.4μm、4.0μm未満のトナー粒子の個数平均分布の累積値は27.3%であった。
その原料トナー粒子を、表面改質装置ファカルティー(ホソカワミクロン社製)を用いて、表2の条件に基づき、微粉砕品の投入量を1サイクル当たり8.6kgとし、分散ローターの回転周速、サイクルタイム(原料供給が終了してから排出弁が開くまでの時間)、排出温度、表面処理回数を調整して、表面改質及び微粉除去を行った。以上の工程を経て、コールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)6.2μm、4.0μm未満のトナー粒子の個数平均分布の累積値が24.8%の負帯電性トナー粒子1を得た。
(トナー粒子2の製造例)
・結着樹脂1: 100質量部
・マグネタイト: 95質量部
・フィッシャートロプシュワックス: 5質量部
・荷電制御樹脂A: 2質量部
上記混合物を、表2の条件に基づきトナー粒子1の製造例と同様の方法で行い、負帯電性トナー粒子2を得た。
(トナー粒子3の製造例)
・結着樹脂1: 100質量部
・マグネタイト: 95質量部
・フィッシャートロプシュワックス: 5質量部
・荷電制御剤(例示 アゾ系鉄化合物(1)A”+はNa+): 1質量部
上記混合物を、表2の条件に基づきトナー粒子1の製造例と同様の方法で行い、負帯電性トナー粒子3を得た。
(トナー粒子4の製造例)
トナー粒子3と同様の混合物を、表2の条件に基づきトナー粒子1の製造例と同様の方法で行い、負帯電性トナー粒子4を得た。トナー粒子4の、FT−4で測定されるEt値を表3に示す。
(トナー粒子5の製造例)
トナー粒子3と同様の混合物を、表2の条件に基づきトナー粒子1の製造例と同様の方法で行い、負帯電性トナー粒子5を得た。
(トナー粒子6の製造例)
トナー粒子3と同様の混合物を、表2の条件に基づきトナー粒子1の製造例と同様の方法で行い、負帯電性トナー粒子6を得た。
(トナー粒子7の製造例)
トナー粒子3と同様の混合物を、表2の条件に基づきトナー粒子1の製造例と同様の方法で行い、負帯電性トナー粒子7を得た。
(トナー粒子8の製造例)
トナー粒子3と同様の混合物を、表2の条件に基づきトナー粒子1の製造例と同様の方法で行い、負帯電性トナー粒子8を得た。
(トナー粒子9の製造例)
トナー粒子3と同様の混合物を、表2の条件に基づきトナー粒子1の製造例と同様の方法で行い、負帯電性トナー粒子9を得た。
(トナー粒子10の製造例)
トナー粒子3と同様の混合物を、表2の条件に基づきトナー粒子1の製造例と同様の方法で行い、負帯電性トナー粒子10を得た。
(トナー粒子11の製造例)
トナー粒子3と同様の混合物を、表2の条件に基づきトナー粒子1の製造例と同様の方法で行い、負帯電性トナー粒子11を得た。
(トナー粒子12の製造例)
・結着樹脂2: 100質量部
・マグネタイト: 95質量部
・フィッシャートロプシュワックス: 5質量部
・荷電制御剤(例示 アゾ系鉄化合物(1)A”+はNa+): 1質量部
上記混合物を、表2の条件に基づきトナー粒子1の製造例と同様の方法で行い、負帯電性トナー粒子12を得た。
(トナー粒子13の製造例)
・結着樹脂3: 100質量部
・マグネタイト: 95質量部
・フィッシャートロプシュワックス: 5質量部
・荷電制御剤(例示 アゾ系鉄化合物(1)A”+はNa+): 1質量部
上記混合物を、表2の条件に基づきトナー粒子1の製造例と同様の方法で行い、負帯電性トナー粒子13を得た。
Figure 2010160368
トナー粒子と外添剤の組合せは表3の通りである。いずれもトナー粒子100質量部に対し、疎水性シリカ微粉体及び微粉体A又は微粉体Bを表2に示す質量%で添加し、ヘンシェルミキサーで外添混合して、各トナーを得た。
Figure 2010160368
トナーのFT−4で測定されるEt値を表4に示す。
Figure 2010160368
本実施例で用いたシート部材の材質は、表5に示す通りである。シート部材の厚みは全て40μmのものを使用した。
Figure 2010160368
[実施例1乃至15、比較例1乃至4]
次に、上記のように調製されたトナー1乃至19、及びシート部材1乃至5を用いて、表6に示すような組合せで評価を行った。
評価機はHewlett−Packard社製レーザービームプリンターLaser Jet3005を改造し、プロセススピードを240mm/secと高速化した。トナー1乃至19を高温高湿下(32.5℃,85%RH)と低温低湿下(15℃,10%RH)を1日毎に30日間繰り返し放置を行った後、下記の評価を行った。シート部材に対する微粉体Aの帯電量、及び評価結果を表6乃至8に示す。
(1)カブリ
印字率2%となる横線パターンを1枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定したモードで、計12000枚の画出し試験を実施し、初期及び12000枚後のカブリを測定した。
カブリは、テストチャート上の白地部にて画質評価した。カブリは、リフレクトメーター(東京電色社製)により測定した、定着画像の白地部分の白色度と、転写材の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。
未使用紙反射率−画像白部の反射率=かぶり(%)
評価はトナーの帯電分布がブロードになりやすく、カブリに対してより厳しいと想定される低温低湿下(15.0℃,10%RH)を含め、高温高湿下(32.5℃,85%RH)、常温常湿下(25.0℃,60%RH)で行った。
A:0以上0.5未満
B:0.5以上1.5未満
C:1.5以上2.0未満
D:2.0以上
本発明においては、C以上が好ましい。
(2)画像濃度
印字率2%となる横線パターンを1枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定したモードで、計12000枚の画出し試験を実施し、12000枚での画像濃度を測定した。評価はトナー帯電性への影響がより厳しい高温高湿下(32.5℃,85%RH)を含め、低温低湿下(15.0℃,10%RH)、常温常湿下(25.0℃,60%RH)で行った。
A:1.4以上
B:1.20以上1.40未満
C:1.00以上1.20未満
D:1.00未満
本発明においては、C以上が好ましい。
(3)ブロッチ
低温低湿環境下(15.0℃,10%RH)で、印字率2%となる横線パターンを100枚の画出し試験を実施した後、トナー担持体上のトナーコート状態を目視し、ブロッチの発生状態を以下の評価基準に基づいて評価した。
評価は上記プリンターをさらに改造して、トナー担持体に当接している規制部材(弾性ブレード)の当接圧力を29.4N/mから19.6N/mとして規制力を弱めたものを用い、さらにトナーの流動性が良くブロッチに不利な条件である低温低湿下(15.0℃,10%RH)を含め、高温高湿下(32.5℃,85%RH)、常温常湿下(25.0℃,60%RH)で行った。
A:トナー担持体上にブロッチが全く見られない。
B:トナー担持体上にわずかに見られるが、画像上にはその影響は現れない。
C:トナー担持体上に見られ、画像上にもその影響がかすかに現れる。
D:トナー担持体上にブロッチが見られ、画像上に著しくその影響が現れる。
本発明においては、C以上が好ましい。
(4)現像スジ
印字率2%となる横線パターンを1枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間にマシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定したモードで、計3000枚の画出し試験を実施した後、印字率25%のハーフトーンパターンを出力し、画像上の現像スジの発生の程度を目視で評価した。評価は微粉体が帯電しやすいと想定される低温低湿下(15.0℃,10%RH)を含め、高温高湿下(32.5℃,85%RH)、常温常湿下(25.0℃,60%RH)で行った。
A:発生なし。
B:弱いスジが2乃至3本発生する。
C:弱いスジが10本程度発生する。
D:著しいスジが20本以上発生する。
本発明においては、C以上が好ましい。
Figure 2010160368
Figure 2010160368
Figure 2010160368
本発明に使用される画像形成装置Aの概略図を示す。 本発明に使用されるプロセスカートリッジBの概略図を示す。 本発明に使用される現像枠体の概略図を示す。 本発明に使用される現像枠体において、トナー担持体とシート部材の位置関係を示す。 シート部材に対する微粉体A又はBの摩擦方法の図を示す。 シート部材に対する微粉体A又はBの帯電量の測定方法の図を示す。 粉体流動性分析装置のプロペラ型ブレードの外観(a)とブレード最外縁部分のねじれ角度(b)の説明図を示す。
1:露光装置
1a:レーザダイオード
1b:ポリゴンミラー
1c:レンズ
1d:反射ミラー
2:記録媒体
3a:給紙カセット
3b:ピックアップローラ
3c:搬送ローラ対
3d:搬送ローラ対
3e:レジストローラ対
3f:搬送ガイド
3g:排出ローラ対
3h:排出ローラ対
3i:排出ローラ対
3k:フラッパ
3m:排出ローラ対
4:転写ローラ
5:定着装置
5a:ヒータ
5b:定着ローラ
5c:駆動ローラ
6:排出トレイ
7:像担持体
8:帯電ローラ
9:現像装置
9a:トナー担持体
9c:規制部材
9d:現像容器
9e:シート部材
10:クリーニング器
10a:クリーニングブレード
11:トナー枠体
11a:トナー送り部材
13:クリーニング枠体
14:画像形成装置本体
16:現像枠体
21:容器
22:帯電量測定用シート部材(横5cm×縦1cm、厚み40μm)
23:おもり
24:帯電量測定用シート部材(横1cm×縦1cm、厚み40μm)

Claims (7)

  1. i)静電潜像を担持する像担持体と、
    ii)該像担持体側にその長手方向に沿って開口部を有し、トナー担持体を回転自在に支持する現像枠体と、該現像枠体の開口部に該像担持体と近接するようにして支持されるトナー担持体と、該トナー担持体に担持されたトナーの量を規制する規制部材と、該現像枠体の開口部に取り付けられ、且つ該トナー担持体の長手方向にわたって当接したシート部材とを有する現像装置と、
    を有する画像形成装置に用いられるトナーであって、
    該トナーは結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有するトナー粒子と、少なくとも個数平均粒子径が0.10μm以上0.70μm以下の微粉体Aを含有するトナーであり、該結着樹脂が、ポリエステルを主成分とする結着樹脂であり、
    該シート部材に対する該微粉体Aの帯電量が−0.80mC/kg以上−0.10mC/kg以下であることを特徴とする負帯電性トナー。
  2. 回転式ブレードを備えた粉体流動性分析装置において、該トナーを40Nで圧密した後に、プロペラ型ブレードの最外縁部の周速を10mm/secで回転させながら容器内のトナー粉体層中に垂直に進入させ、該粉体層の底面から100mmの位置から測定を開始し、底面から10mmの位置まで進入させた時に得られる、回転トルクと垂直荷重の総和Etが、1500mJ以上2300mJ以下であることを特徴とする請求項1に記載の負帯電性トナー。
  3. 該トナーが、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体を含有することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の負帯電性トナー。
  4. i)静電潜像を担持する像担持体と、
    ii)該像担持体側にその長手方向に沿って開口部を有し、トナー担持体を回転自在に支持する現像枠体と、該現像枠体の開口部に該像担持体と近接するようにして支持されるトナー担持体と、該トナー担持体に担持されたトナーの量を規制するための規制部材と、該現像枠体の開口部に取り付けられ、且つ該トナー担持体の長手方向にわたって当接したシート部材とを有する現像装置と、
    を有する画像形成装置であって、
    該トナーは結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有するトナー粒子と、少なくとも個数平均粒子径が0.10μm以上0.70μm以下の微粉体Aを含有する負帯電性トナーであり、
    該結着樹脂が、ポリエステルを主成分とする結着樹脂であり、
    該シート部材に対する該微粉体Aの帯電量が−0.80mC/kg以上−0.10mC/kg以下であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 該シート部材がポリフェニレンスルフィドを50質量%以上で含有することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 像担持体に担持される静電潜像を、現像装置の有するトナー担持体に担持され、規制部材によって規制されたトナーによって現像する現像方法であって、
    該現像装置は、像担持体側にその長手方向に沿って開口部を有し、トナー担持体を回転自在に支持する現像枠体と、該現像枠体の開口部に該像担持体と近接するようにして支持されるトナー担持体と、該トナー担持体に担持されたトナーの量を規制する規制部材と、該現像枠体の開口部に取り付けられ、且つ該トナー担持体の長手方向にわたって当接したシート部材とを有しており、
    該トナーは結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有するトナー粒子と、少なくとも個数平均粒子径が0.10μm以上0.70μm以下の微粉体Aを含有する負帯電性トナーであり、
    該結着樹脂が、ポリエステルを主成分とする結着樹脂であり、
    該シート部材に対する該微粉体Aの帯電量が−0.80mC/kg以上−0.10mC/kg以下であることを特徴とする現像方法。
  7. 該シート部材がポリフェニレンスルフィドを50質量%以上で含有することを特徴とする請求項6に記載の現像方法。
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