JP5383897B2 - 磁性トナー - Google Patents

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Description

本発明は電子写真法、静電記録法、磁気記録法などに用いられる磁性トナーに関する。
複写機やプリンターにおいては、装置の小型化や省エネ化が進んでおり、これらの点で有利な磁性トナーを用いた磁性一成分現像方式が好ましく用いられる。
磁性一成分現像方式では、内部にマグネットロール等の磁界発生手段を設けたトナー担持体(以下、現像スリーブという)を用いて磁性トナーを現像領域に搬送し、現像する。また、磁性トナーへの電荷付与は、主としてトナー規制部材(以下、現像ブレードともいう)によって磁性トナーが規制された領域において、磁性トナーと現像スリーブ等の摩擦帯電付与部材との摺擦による摩擦帯電によって行われる。特に装置の小型化という点においては、現像スリーブの小径化が重要な技術となっている。
上述のような状況において、今後さらに懸念される画像弊害が、定着尾引きである。この問題は、定着部における熱を受けて、紙などの記録媒体から水蒸気流が発生し、トナーが吹き飛ばされることが原因で起こる。この問題は、例えば横線画像などのトナーの載り量が高くなりやすい画像で発生しやすい。また、記録媒体から発生する水蒸気流の量が多い場合、この問題が発生しやすくなる。このため、高温高湿環境ではこの問題がさらに悪化しやすい傾向にある。
この定着尾引きという画像弊害に対して、磁性トナーの低温定着性の設計や磁性トナーの帯電性の設計に着目し、多くの研究がなされてきている。
特許文献1では、磁性トナーの低温定着性を改善することで、磁性トナーの飛び散りを抑制し、定着尾引きを改善するよう試みている。
特許文献2においては、磁性トナーの母体の帯電性を改善することで、記録媒体への静電的な吸着力を高め、定着尾引きを改善するよう試みている。
特許文献3においては、外添剤の帯電性および磁性トナーの感光体に対する離型性を制御することにより、定着尾引きを改善するように試みている。
このように、磁性トナーの低温定着性の設計や磁性トナーの帯電性の設計により、確かに定着尾引きへの一定の効果は見られている。しかし、近年のニーズを満足するためには、さらなる改善の余地があると考えられる。
このように考えられる原因は、下記の如く複数の要因が挙げられる。
(1)プリンター本体小型化のための現像スリーブの小径化を行った場合、磁性トナーの帯電性の確保が困難になるため、定着尾引きの発生の抑制に対して厳しくなることが挙げられる。その理由は、小径化された現像スリーブの場合には、現像スリーブに当接するトナー規制部材がトナーの載り量を規制できる領域(以下、規制ニップと呼ぶ)が狭くなることにより、磁性トナーの帯電量が低下する傾向があるためである。
(2)プリンターの省エネ化に伴い、定着温度を下げると、定着尾引きの発生の抑制に対して厳しくなることが挙げられる。特に、定着器の熱が磁性トナーに伝わり難いいわゆる厚紙を記録媒体とした場合、さらに定着尾引きが増加しやすくなる。
このような背景があり、定着尾引き改善のためには、依然として検討の余地があった。
特開2008−102390号公報 特開2010−32581号公報 特開2009−276641号公報 特開2007−293043号公報
本発明の目的は、上記の如き問題点を解決できる磁性トナーを提供することにある。
具体的には、使用環境によらず安定した画像濃度が得られる磁性トナーであり、定着尾引きの発生を抑制できる磁性トナーを提供することにある。
本発明者らは、無機微粒子による磁性トナー粒子表面の被覆率Aと、磁性トナー粒子表面に固着された無機微粒子による被覆率Bの関係及び被覆率Aの変動係数を規定するとともに、磁性トナーの結着樹脂と離型剤の組み合わせを規定することにより、課題を解決しうることを見出し、本発明の完成に至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
結着樹脂、離型剤及び磁性体を含有する磁性トナー粒子と、該磁性トナー粒子表面に存在する無機微粒子とを含有する磁性トナーであって、
該磁性トナー粒子表面に存在する無機微粒子が、シリカ微粒子、チタニア微粒子、及びアルミナ微粒子からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属酸化物微粒子を含有し、該金属酸化物微粒子中の85質量%以上がシリカ微粒子であり、
該磁性トナーは、無機微粒子による磁性トナー粒子表面の被覆率を被覆率A(%)とし、該磁性トナー粒子表面に固着された無機微粒子による被覆率を被覆率B(%)としたときに、
該被覆率Aが45.0%以上、70.0%以下であり、該被覆率Aの変動係数が10.0%以下であり、
該被覆率Bの被覆率Aに対する比[被覆率B/被覆率A]が0.50以上、0.85以下であり、
該結着樹脂が、ポリエステル樹脂を含有し、
該離型剤がエステル化合物であり、
該磁性トナーを示差走査熱量計(DSC)にて測定した際に、60℃以上、90℃以下に吸熱ピークを有することを特徴とする磁性トナー。
本発明によれば、使用環境によらず、安定した画像濃度が得られ、定着尾引きの発生を抑制できる磁性トナーを提供することが可能である。
シリカ添加部数と被覆率の関係の一例を示す図 シリカ添加部数と被覆率の関係の一例を示す図 被覆率と静止摩擦係数の関係の一例を示す図 無機微粒子の外添混合に用いることができる混合処理装置の一例を示す模式図 混合処理装置に使用される攪拌部材の構成の一例を示す模式図 画像形成装置の一例を示す図 超音波分散時間と被覆率の関係の一例を示す図
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、結着樹脂、離型剤及び磁性体を含有する磁性トナー粒子と、該磁性トナー粒子表面に存在する無機微粒子とを含有する磁性トナーであって、該磁性トナー粒子表面に存在する無機微粒子が、シリカ微粒子、チタニア微粒子、及びアルミナ微粒子からなる群
より選ばれた少なくとも1種の金属酸化物微粒子を含有し、該金属酸化物微粒子中の85質量%以上がシリカ微粒子であり、該磁性トナーは、無機微粒子による磁性トナー粒子表面の被覆率を被覆率A(%)とし、該磁性トナー粒子表面に固着された無機微粒子による被覆率を被覆率B(%)としたときに、該被覆率Aが45.0%以上、70.0%以下であり、該被覆率Aの変動係数が10.0%以下であり、該被覆率Bの被覆率Aに対する比[被覆率B/被覆率A]が0.50以上、0.85以下であり、該結着樹脂が、ポリエステル樹脂を含有し、該離型剤がエステル化合物であり、該磁性トナーを示差走査熱量計(DSC)にて測定した際に、60℃以上、90℃以下に吸熱ピークを有することを特徴とする磁性トナーに関するものである。
本発明者らの検討によれば、上記のような磁性トナーを用いることにより、使用環境によらず、安定した画像濃度が得られ、定着尾引きの発生が抑制できる。
ここで、「定着尾引き」は以下の原因で発生すると推測している。
未定着の磁性トナーを載せた記録媒体が定着器に突入すると、定着器の熱により、記録媒体に含有された水分が蒸発し、水蒸気流が発生する。このとき、磁性トナーが溶融して記録媒体に定着する前に、水蒸気流で吹き飛ばされると、画像後端側に磁性トナーの飛び散った画像が形成される。この現象が定着尾引きである。
すなわち、高温高湿環境において、記録媒体が多くの水分を吸着した際に画出しを行った場合に、水蒸気流の発生が多くなり、定着尾引きが悪化しやすい。また、定着温度を下げて画出しを行った場合、磁性トナーの溶融前に水蒸気流で磁性トナーが吹き飛ばされるため、定着尾引きが悪化しやすい。また、連続して画出しを行った場合、定着器の温度が、設定温度よりも一時的に下がるため、磁性トナーの溶融前に水蒸気流で磁性トナーが吹き飛ばされるため、定着尾引きが悪化しやすい。
さらに、小型化のために小径の現像スリーブを用いるような装置においては、現像スリーブに当接する現像ブレードが磁性トナーの載り量を規制できる領域(以下、規制ニップと呼ぶ)が狭くなる。規制ニップにおいて、磁性トナーが現像スリーブに摺擦されて、電荷を保持するようになるため、規制ニップが狭くなることで、磁性トナーの帯電量が少なくなる。その結果、磁性トナーの記録媒体への静電的な吸着力が低下し、定着尾引きが悪化しやすい。
本発明者らは検討の結果、上述のような定着尾引きの発生を抑制するために、下記4点の全てを磁性トナーが満足することが重要であることを見出した。
(1)磁性トナーの帯電量を高めること。
(2)磁性トナーのシャープメルト性を高めること。
(3)記録媒体上において、磁性トナーが高密度に存在する未定着の画像が形成されること。
(4)磁性トナーにおける無機微粒子の被覆状態を均一にすること。
まず、磁性トナーの帯電量を高めることにより、磁性トナーの記録媒体への静電的な吸着力を高めることができ、磁性トナーが記録媒体からの水蒸気流により吹き飛ばされ難くなる。
次に、磁性トナーのシャープメルト性であるが、上述のように、定着尾引きを抑制するためには、記録媒体からの水蒸気流で磁性トナーが吹き飛ばされる前に、磁性トナーが記録媒体へ定着することが重要である。そのためには、磁性トナーのシャープメルト性を高め、定着工程において、迅速に溶融して記録媒体へ定着する必要がある。
これらは、上述の4点のうち、(1)及び(2)の技術であるが、小径の現像スリーブを用いるような装置、低温定着を意図した温度設定などの条件における、定着尾引きの抑制には不十分であった。本発明においては、さらに(3)及び(4)の技術を組み合わせることにより、従来想定していた条件よりも、さらに厳しい条件における定着尾引きをも改善することができることを、本発明者らは見出した。
さらに、記録媒体上において、磁性トナーが高密度に存在する未定着の画像が形成され
ることにより、磁性トナー粒子が溶融した時、隣り合う磁性トナーの粒子も同様に溶融して結合しやすくなる。大多数の粒子が結合して連なることが、定着尾引きの抑制に非常に重要である。
また、高密度に積載されていたとしても、磁性トナーの粒子が溶融結合を阻害する要因の一つとして、磁性トナーの無機微粒子の被覆状態が挙げられる。例えば、ある磁性トナー粒子に対する無機微粒子の被覆率が高すぎる場合、隣接する磁性トナー粒子との溶融結合を阻害してしまう。このように、磁性トナー粒子の表面上で、局所的に無機微粒子の被覆率が高くならないよう、無機微粒子の被覆状態を適切に制御することも、定着尾引きの抑制のためには、非常に重要である。
磁性トナーに対する無機微粒子の外添状態の制御、及び、磁性トナー粒子母体の構成の設計を同時に行うことで、上述の状態を初めて達成できると本発明者らは考えた。そして、磁性トナーがこれら4点を同時に満足することにより、従来よりも厳しい条件においても、効果的に定着尾引きを抑制できることを本発明者らは見出した。
本発明の磁性トナーにおいては、磁性トナーは、無機微粒子による磁性トナー粒子表面の被覆率を被覆率A(%)とし、磁性トナー粒子表面に固着された無機微粒子による被覆率を被覆率B(%)としたときに、被覆率Aが45.0%以上、70.0%以下であり、被覆率Bの被覆率Aに対する比[被覆率B/被覆率A]が0.50以上、0.85以下であることが重要である。
本発明の磁性トナーは、無機微粒子による被覆率Aが45.0%以上と高いために、部材とのvan der waals力、及び静電付着力が低く、磁性トナーが現像ブレードや現像スリーブに留まりにくくなる。このように、上記の範囲に被覆率を制御することにより、現像ブレードや現像スリーブへの付着力低減の効果を得ることができる。このため、一部の磁性トナーが何度も摺擦されてチャージアップしてしまうのを抑制でき、磁性トナーの帯電量を均一に上げやすくなる。一方、被覆率Aを70.0%より大きくしようとすると、無機微粒子を多量に添加する必要があり、外添処理の方法を工夫しても、遊離した無機微粒子による画像欠陥(縦スジ)が発生しやすく、好ましくない。
ここで、被覆率A、被覆率B、及び該被覆率Bの被覆率Aに対する比[B/A]については後述のような方法で知ることができる。
本発明における被覆率Aは容易に遊離しうる無機微粒子も含めた被覆率であり、被覆率Bは後述の遊離操作によっては遊離しない、磁性トナー粒子表面に固着された無機微粒子による被覆率を示す。被覆率Bで表わされる無機微粒子は、磁性トナー粒子表面に半埋没状態で固着されており、現像スリーブ上や静電潜像担持体上で、磁性トナーがシェアを受けても、移動することがないと考えられる。
一方、被覆率Aで表わされる無機微粒子は、上記固着された無機微粒子と、さらにその上層に存在する、比較的自由度の高い無機微粒子も含む。
上述のような、van der Waals力、及び静電付着力が低くなる効果は、磁性トナー間、磁性トナーと各部材間に存在しうる無機微粒子が影響しており、被覆率Aを高くすることがこの効果の点で特に重要であると考えられる。
上記B/Aが0.50以上、0.85以下であることにより、磁性トナー表面に固着された無機微粒子がある程度存在し、その上にさらに無機微粒子が容易に遊離しうる状態(磁性トナー粒子から離れて挙動できる状態)で、適当量存在していることを意味している。おそらく、この固着された無機微粒子に対して、遊離可能な無機微粒子が滑ることにより、ベアリングのような効果を発揮し、磁性トナー間の凝集力が大幅に低減すると考えられる。
また、上記被覆率Aは45%以上、65%以下であることが好ましく、B/Aは0.55以上、0.80以下であることが好ましい。
本発明者らの検討の結果、上述の付着力低減効果及びベアリング効果は、固着された無機微粒子、及び、容易に遊離しうる無機微粒子がともに、一次粒子の個数平均粒径(D1
)において、50nm以下程度の比較的小さな無機微粒子であるときに最大限に得られることがわかった。よって、被覆率A及びBを算出する際には、50nm以下の無機微粒子に着目した。
本発明の磁性トナーは、被覆率A、及び、B/Aを特定の範囲とすることにより、磁性トナーと各部材間の付着力を低くし、磁性トナー間の凝集力を大幅に低減することができる。その結果、現像ブレード及び現像スリーブの当接部において、磁性トナー一粒一粒の現像ブレード及び現像スリーブへの接触機会を増加させることができるため、非常に効率的な帯電が初めて可能となる。これにより、特に磁性トナーの帯電量が上がり難い小径化された現像スリーブにおいても、磁性トナーの帯電量を上げることができる。
被覆率Aが45.0%未満の場合、一部の磁性トナーがチャージアップしてしまうとともに、残りの磁性トナーの帯電量が低下する。
同時に、上述の如く磁性トナー間の凝集力を大幅に低減することにより、記録媒体上の未定着の画像において、磁性トナーを高密度に積載することができる。この理由については定かではないが、以下のような理由によるものと推測している。
上述の如く、磁性一成分現像方式では、内部にマグネットロール等の磁界発生手段を設けた現像スリーブを用いて磁性トナーを現像領域に搬送し、現像する。また、磁性トナーへの電荷付与は、現像ブレードによって磁性トナーが規制された領域において、磁性トナーと現像スリーブ等の摩擦帯電付与部材との摺擦による摩擦帯電によって行われる。現像領域における、現像スリーブ上の磁性トナーは、磁界の磁力線に沿って、磁気穂を形成する。
磁性トナー間の凝集力が低い磁性トナーは、磁性トナーの粒子が最密充填に近いような、高密度に詰まった磁気穂を形成することが、本発明者らの検討から分かった。高密度に詰まる理由であるが、凝集力が低い磁性トナーは、移動の自由度が高いため、マグネットロール等の磁界により現像スリーブ表面へ磁性トナーが引っ張られた際に、最密充填になりやすいと推測している。そして、高密度に詰まった磁気穂が現像され、記録媒体へ転写されることにより、記録媒体上の未定着の画像において、磁性トナーを高密度に積載することができると本発明者らは考えている。
上記被覆率Aが、磁性トナー間の凝集力やvan der Waals力に及ぼす影響について、本発明者らは、以下のモデル検討に基づいて考えている。
平板と粒子間に生じるvan der Waals力(F)は以下の式で示される。
F=H×D/(12Z
ここで、HはHamaker定数、Dは粒子の粒径、Zは粒子と平板間の距離である。Zに関しては、一般的に距離が遠い場合は引力が働き、距離が非常に近くなると斥力が働くと言われており、磁性トナー表面の状態とは関係ないため、定数として扱う事とする。上記式より、van der Waals力(F)は平板と接する粒子の粒径に比例する。これを磁性トナー表面に適応すると、磁性トナー粒子が平板に接するよりも、粒子径が小さな無機微粒子が平板に接した方がvan der Waals力(F)が小さい事が推測される。すなわち、van der Waals力は、磁性トナー粒子が平板に直接接するよりも、外添剤としての無機微粒子を介して接する方が小さい。
次に、静電付着力は鏡映力と言い換える事も可能である。鏡映力は一般には粒子の電荷(q)の2乗に比例し、距離の2乗に反比例する事が知られている。
磁性トナーが帯電する場合、電荷を有するのは無機微粒子ではなく磁性トナー粒子表面である。このため、磁性トナー粒子表面と平板との距離が離れている方が鏡映力は小さくなる。すなわち、磁性トナー表面においては、無機微粒子を介して磁性トナー粒子が平板と接していると磁性トナー粒子表面と平板間の距離がとれるため、鏡映力が低下すると考えられる。
次に、磁性トナー粒子が平板と接するか、無機微粒子を介して接するかは磁性トナー粒子表面をどれだけ無機微粒子が覆っているか、即ち無機微粒子の被覆率に依存する。この
ため、磁性トナー粒子表面の無機微粒子の被覆率について考える必要がある。
無機微粒子の被覆率が高いと磁性トナー粒子が平板と接する機会は減少し、磁性トナーは平板に貼り付き難いと考えられる。一方、無機微粒子の被覆率が低いと磁性トナーは平板に貼り付きやすくなる。
外添剤としての無機微粒子の被覆率についてであるが、無機微粒子、磁性トナーが真球状であると仮定すると、特許文献5などに記載の計算式で導く事は可能である。しかし、無機微粒子や磁性トナーが真球状でない場合も多く、さらに、無機微粒子が磁性トナー粒子表面で凝集した状態で存在する事もあるので、これらの手法で導き出された被覆率は本発明とは関連しない。
そこで本発明者らは、磁性トナー表面の走査電子顕微鏡(SEM)観察を行い、無機微粒子が磁性トナー粒子表面を実際に覆っている被覆率を求めた。
一例として、体積平均粒径(Dv)が8.0μmの粉砕法による磁性トナー粒子(磁性体の含有量は43.5質量%)にシリカ微粒子の添加量(磁性トナー粒子100質量部に対するシリカの添加部数)を変えて混合したものの理論被覆率と実際の被覆率を求めた(図1、図2参照)。なお、シリカ微粒子としては体積平均粒径(Dv)が15nmのシリカ微粒子を用いた。また、理論被覆率を算出する際には、シリカ微粒子の真比重を2.2g/cm、磁性トナーの真比重を1.65g/cmとし、シリカ微粒子及び磁性トナー粒子に関しては、それぞれ粒径15nm、8.0μmの単分散の粒子とした。
図1のグラフから明らかなように、シリカ添加部数を増やしていくと理論被覆率は100%を超える。一方、実際の観察により得られる被覆率はシリカ添加部数と共に変化するが、100%を超える事はない。これは、シリカ微粒子が磁性トナー表面に一部凝集体として存在しているため、あるいは、シリカ微粒子が真球でない影響が大きい。
また、本発明者らの検討によれば、シリカ微粒子の添加量が同じであっても、外添の手法によって被覆率が異なることがわかった。すなわち、無機微粒子の添加量から一義に被覆率を求める事は不可能である(図2参照)。なお、外添条件Aは図4の装置を用い、1.0W/g、処理時間5分の条件で混合したものである。外添条件BはヘンシェルミキサーFM10C(三井三池化工機株式会社製)を用い、4000rpm、処理時間2分の条件で混合したものである。
このような理由から、本発明者らは磁性トナー表面のSEM観察により得られる無機微粒子の被覆率を用いた。
また上述のように、無機微粒子による被覆率を上げる事で部材への付着力を低減できると考えられる。そこで、無機微粒子の被覆率と部材との付着力について検証した。
磁性トナーの被覆率と部材との付着力の関係を、シリカ微粒子による被覆率を変えた球形ポリスチレン粒子とアルミ基板との静止摩擦係数を測定することで間接的に推測した。
具体的には、シリカ微粒子による、SEM観察から求めた被覆率を変えた球形ポリスチレン粒子(重量平均粒径(D4)=6.5μm)を用い、被覆率と静止摩擦係数の関係を求めた。
より具体的にはアルミ基板上に、シリカ微粒子を添加した球形ポリスチレン粒子を押圧する。押圧を変化させながら基板に左右に動かし、その際の応力から静止摩擦係数を算出した。これを被覆率の異なる球形ポリスチレン粒子毎に行い、得られた被覆率と静止摩擦係数の関係を図3に示す。
このような手法で求める静止摩擦係数は、球形ポリスチレン粒子と基板の間に働くVan der Waals力と鏡映力の総和と相関すると考えられる。図3より、シリカ微粒子の被覆率が高いと静止摩擦係数が小さくなる傾向がある。すなわち、無機微粒子による被覆率が高い磁性トナーは部材との付着力も小さい事が推測される。
これまで述べてきたモデル検討により、上記被覆率Aが、磁性トナー間の凝集力やvan der Waals力に強く影響を及ぼすと本発明者らは考えている。
本発明の磁性トナーにおいては、結着樹脂が、ポリエステル樹脂を含有し、離型剤がエステル化合物であり、磁性トナーを示差走査熱量計(DSC)にて測定した際に、60℃
以上、90℃以下に吸熱ピークを有することが重要である。
結着樹脂がポリエステル樹脂を含有し、離型剤がエステル化合物であると、これらの材料の親和力が高いため、結着樹脂中に離型剤を微分散させやすくなる。このため、磁性トナーが定着器の熱を受けた際、離型剤が融点において溶融を開始し、結着樹脂中に微分散させることにより、磁性トナー全体が溶融しやすくなる。さらに、該磁性トナーを示差走査熱量計(DSC)にて測定した際に、ある温度に吸熱ピークを持つということは、その温度から磁性トナーの溶融が開始することになる。この温度が、水蒸気流の発生する温度よりも低いことが、定着尾引きの抑制に重要である。吸熱ピークが60℃未満の場合、磁性トナーの保存性が悪化するため、好ましくない。吸熱ピークが90℃以下の場合、定着尾引きが改善しやすくなるため、好ましい。結着樹脂がポリエステル樹脂を含有しない場合、定着尾引きを改善するためには、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)や分子量を下げることで、磁性トナーを溶融させやすくできるが、保存性が著しく悪化してしまう。同様に、離型剤としても、エステル化合物を使用しない場合、融点の低い離型剤を用いることや離型剤の添加部数を増やすことで、磁性トナーを溶融させやすくできるが、同様に、保存性が悪化してしまう。このように、結着樹脂の成分及び離型剤種の組み合わせにより、結着樹脂中に離型剤を微分散させることで、保存性を維持したまま、磁性トナーを溶融させやすくなる(すなわち、シャープメルト性が得られる)。結果、定着尾引き改善が可能となる。なお、上記吸熱ピークは65℃以上、85℃以下であることが好ましい。
本発明の磁性トナーにおいては、上述の如く、被覆率Aが45.0%以上、70.0%以下であるとともに、被覆率Aの変動係数が10.0%以下であることが重要である。また、被覆率Aの変動係数は、8.0%以下であることが好ましい。
被覆率Aを45.0%以上にすることにより、付着力低減の効果及びベアリング効果が高まり、未定着画像を高密度に積載しやすくなるとともに、小径現像スリーブにおいても、磁性トナーの帯電性を高めることができる。一方、被覆率Aを70.0%以下にすることにより、磁性トナー同士の溶融結合を阻害し難くなる。被覆率Aの変動係数は、磁性トナー粒子内または粒子間の該被覆率の均一性を示す。つまり、被覆率Aの変動係数が小さいということは、無機微粒子の被覆率が均一であり、局所的な高被覆率領域が少ないことを示す。該被覆率Aの変動係数が10.0%以下であると、磁性トナー同士の溶融結合を阻害する、局所的な高被覆率領域が少なく、定着尾引きの抑制に重要である。変動係数が10.0%より高い場合、未定着画像が高密度であっても、定着尾引きを改善することができない。
被覆率Aの変動係数を10.0%以下にするための手法は特に限定されないが、磁性トナー粒子表面に高度にシリカ微粒子等の金属酸化物微粒子を拡散させることができる、後述するような外添装置や手法を用いることが好ましい。
本発明におけるトナーの結着樹脂は、ポリエステル樹脂である。但し、本発明の効果を阻害しない程度に、トナーの結着樹脂として用いられる公知の樹脂を含有させることも可能である。
上記ポリエステル樹脂の組成は以下の通りである。
ポリエステル樹脂を構成する2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、下記(A)式で表わされるビスフェノール及びその誘導体、並びに、下記(B)式で示されるジオール類が挙げられる。
Figure 0005383897

(式中、Rはエチレン基またはプロピレン基であり、x、yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0以上、10以下である。)
Figure 0005383897

(式中、R’は −CHCH−、又は、−CHCH(CH)−、又は、
−CH−C(CH− であり、x’、y’は0以上の整数であり、且つ、x’+y’の平均値は0以上10以下である。)
上記ポリエステル樹脂を構成する2価の酸成分としては、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類、こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類、n−ドデセニルコハク酸などのアルケニルコハク酸類、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類等が挙げられる。
また、架橋成分として働く3価以上のアルコール成分や3価以上の酸成分を単独で使用するか、もしくは併用してもよい。
該3価以上の多価アルコール成分としては、例えばソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ブタントリオール、ペンタントリオール、グリセロール、メチルプロパントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
また、本発明における三価以上の多価カルボン酸成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゼントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、ヘキサントリカルボン酸、下記(C)式で表わされるテトラカルボン酸等が挙げられる。
Figure 0005383897

(式中Xは、炭素数3以上の側鎖を1個以上有する炭素数5〜30のアルキレン基又はアルケニレン基を示す。)
本発明のトナーのガラス転移温度(Tg)は40℃以上、70℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が40℃以上、70℃以下であると、良好な定着性を維持しつつ保存安定性、そして耐久性を向上できるために好ましい。また、Tgが70℃より高い場合
には、シャープメルト性が低下する傾向にある。
また、本発明の磁性トナーをトルエン及びエタノールの混合溶媒に溶解させて得られる可溶分の電位差滴定装置を用いて測定される酸価は、5mgKOH/g以上、50mgKOH/g以下であることが好ましく、10mgKOH/g以上、40mgKOH/g以下であることがより好ましい。上記酸価を上記範囲に制御することで、磁性トナーの誘電特性を好ましい範囲に調整することが容易となる。上記酸価を上記範囲に制御するためには、本発明に用いられる結着樹脂の酸価を、5mgKOH/g以上、50mgKOH/g以下とすることが好ましい。酸価の測定方法の詳細は後述する。
さらに、本発明の磁性トナーの結着樹脂が含有するポリエステル樹脂は、粉砕性と定着性のバランスの点において、好ましくは、ピーク分子量(Mp)が、3000乃至10000であり、より好ましくは、5000乃至8000である。
本発明において離型剤として使用するエステル化合物は、1官能または2官能以上の多官能エステルであることが好ましい。その中でも1官能のエステル化合物(モノ官能エステル化合物)は、エステル化合物が直鎖状になりやすいため、結着樹脂との相溶性が高くなり、定着尾引きがより改善されやすくなる。
好ましい1官能エステル化合物の具体例としては、カルナウバワックス、モンタン酸エステルワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスなどの如き脂肪酸エステル類から酸成分の一部または全部を脱酸したもの;植物性油脂の水素添加等によって得られる、ヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の飽和脂肪酸モノエステル類が挙げられる。
上記エステル化合物は、炭素数が16以上、22以下である脂肪酸或いは炭素数が16以上、22以下である脂肪族アルコールのエステル化合物であることが好ましい。また、エステル化合物は、脂肪酸を構成成分として含むエステル化合物であることがより好ましく、該エステル化合物の構成成分である脂肪酸の炭素数が16以上、22以下であることが特に好ましい。脂肪酸の炭素数により、結着樹脂であるポリエステル樹脂との親和性が変わる。この炭素数を上記範囲に制御することで、本発明の磁性トナーの現像性及び定着尾引きをさらに改善できる。
エステル化合物の構成成分の脂肪酸としては、上記の1官能エステル化合物を構成するもののほか、ミリスチン酸、パルミチン酸、アラキジン酸及びリグノセリン酸などが好ましく挙げられ、エステル化合物の構成成分のアルコールとしては、上記の1官能エステル化合物を構成するもののほか、アラキジン酸アルコール及びジペンタエリスリトールが好ましく挙げられる。
本発明の磁性トナーは、示差走査熱量計(DSC)にて測定した際に、60℃以上、90℃以下に吸熱ピークを有する。該吸熱ピークを範囲内に制御するには、所望の融点を有するエステル化合物を使用することが挙げられる。あるいは、結着樹脂に用いるモノマー配合量や重合条件を調整することにより、上記の範囲とすることもできる。本発明の磁性トナーの吸熱ピーク及びエステル化合物の融点の測定方法は、後述する。
さらに、上記吸熱ピークにおける吸熱量(以下、吸熱ピーク熱量)が、0.20J/g以上、3.00J/g以下であることが好ましい。吸熱ピーク熱量が0.20J/g以上の場合、磁性トナー全体が溶融しやすくなり、定着尾引きを改善しやすい。さらに、3.00J/g以下の場合、磁性トナーの現像性及び保存性の低下を良好に抑制できるため、好ましい。
上述の吸熱ピーク熱量を上記範囲に制御するために、本発明におけるエステル化合物の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上、10.0質量部以下であることが好ましい。吸熱ピーク熱量の測定方法については後述する。
本発明において、磁性トナーは、磁場79.6kA/m(1000エルステッド)にお
ける、磁化の強さ(σs)が15Am/kg以上、45Am/kg以下であることが好ましく、残留磁化(σr)の磁化の強さ(σs)に対する比[σr/σs]が0.03以上、0.11以下であることが好ましい。
前記磁化の強さ(σs)は、外部磁場が存在する時の、磁性トナーの保持する磁化を示し、現像スリーブ上の磁性トナーの保持する磁化に相当する。前記残留磁化(σr)は、外部磁場が非常に小さい時の、磁性トナーの保持する磁化を示し、静電潜像担持体へ現像した磁性トナー(以下、現像後の磁性トナーと述べる)の保持する磁化に相当する。
前記条件における磁化の強さ(σs)が15Am/kg以上の場合、現像スリーブ中のマグネットローラーによる現像スリーブ上の磁性トナーへの磁気拘束力により、非画像部への現像(主にカブリ)を抑制しやすくなる。一方、磁化の強さ(σs)が45Am/kg以下の場合、前記磁気拘束力による磁性トナーの現像の阻害がされにくい。
なお、上記磁化の強さ(σs)は18Am/kg以上、35Am/kg以下であることがより好ましい。
残留磁化(σr)の磁化の強さ(σs)に対する比[σr/σs]が前記範囲を満足する場合、外部磁場が少ない記録媒体上においても、磁性トナーの磁気凝集の効果により、磁性トナーが水蒸気流に吹き飛ばされ難くなるため、定着尾引きをさらに改善できる。σr/σsが0.03より低い場合、磁気凝集力が小さいため、定着尾引きを改善しにくい。σr/σsが0.11より高い場合、磁気凝集力が強くなりすぎてしまい、現像工程において、必要以上量の磁性トナーが現像されてしまう。この場合、定着工程において、定着尾引きを抑制するためには、より多くの熱量が必要となる。なお、上記σr/σsは0.03以上、0.08以下であることがより好ましい。
本発明の磁性トナーの磁気特性を制御するには、磁気特性の異なる磁性体を使用することにより可能である。また、磁性トナーに中の磁性体の量を適宜調整することでも可能である。
磁性体の磁気特性を制御するには、磁性体にリン、ケイ素等の元素を含有させること、磁性体の形状(球形、多面体、6面体、8面体)、及び磁性体の粒径を変えることにより、上記σr/σsを制御することが可能である。
本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性体としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或はこれらの金属アルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物等が挙げられる。
これらの磁性体は、一次粒子の個数平均粒径が2μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05μm以上、0.50μm以下である。また、79.6kA/m印加での磁気特性として、磁化の強さが30Am/kg以上、90Am/kg以下であることが好ましく、より好ましくは40Am/kg以上、80Am/kg以下であり、残留磁化が1.0Am/kg以上、10.0Am/kg以下であることが好ましく、より好ましくは、1.5Am/kg以上、8.0Am/kg以下である。磁性トナー及び磁性体の磁気特性の測定方法については、後述する。
本発明における磁性トナーの含有量は、25質量%以上、65質量%以下であることが好ましい。より好ましい範囲は、30質量%以上、60質量%以下である。磁性体の含有量をこの範囲とすることにより、本発明において好ましいトナーの磁気特性に制御しやすい。
なお、磁性トナー中の磁性体の含有量は、パーキンエルマー社製熱分析装置TGA Q5000IRを用いて測定することができる。測定方法は、窒素雰囲気下において昇温速度25℃/分で常温から900℃まで磁性トナーを加熱し、100〜750℃の減量質量
を磁性トナーから磁性体を除いた成分の質量とし、残存質量を磁性体量とする。
本発明の磁性トナーにおいて、荷電制御剤を添加することが好ましい。なお、本発明においては、結着樹脂自体は負帯電性が高いので、負帯電性トナーであることが好ましい。
負帯電用の荷電制御剤としては、有機金属錯化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯化合物;アセチルアセトン金属錯化合物;芳香族ハイドロキシカルボン酸または芳香族ダイカルボン酸の金属錯化合物等が挙げられる。市販品の具体例として、Spilon Black TRH、T−77、T−95(保土谷化学工業(株))、BONTRON(登録商標)S−34、S−44、S−54、E−84、E−88、E−89(オリエント化学社)が挙げられる。
これらの荷電制御剤は単独、或いは二種以上組み合わせて用いることが可能である。これらの荷電制御剤の使用量は、磁性トナーの帯電量の点から、結着樹脂100質量部当たり0.1乃至10.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1乃至5.0質量部である。
本発明の磁性トナーは、磁性トナー粒子表面に無機微粒子を含有する。
磁性トナー粒子表面に存在する無機微粒子としては、シリカ微粒子、チタニア微粒子、及びアルミナ微粒子が挙げられ、それら微粒子表面に疎水化処理を施したものも好適に用いる事が出来る。
また、本発明において磁性トナー粒子表面に存在する無機微粒子は、シリカ微粒子、チタニア微粒子、及びアルミナ微粒子からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属酸化物微粒子を含有し、該金属酸化物微粒子中の85質量%以上がシリカ微粒子であることが重要である。さらには、該金属酸化物微粒子中の90質量%以上がシリカ微粒子であることが好ましい。これは、帯電性付与及び流動性付与の点で、シリカ微粒子が最もバランスが優れているだけでなく、トナー間の凝集力低減の点でも優れているためである。
トナー間の凝集力低減の点でシリカ微粒子が優れている理由については定かではないが、おそらくシリカ微粒子同士の滑り性の点で、前述したようなベアリング効果が大きく作用するためであると推測している。
さらに、磁性トナー粒子表面に固着された無機微粒子はシリカ微粒子が主成分であることが好ましい。具体的には、磁性トナー粒子表面に固着された無機微粒子は、シリカ微粒子、チタニア微粒子、及びアルミナ微粒子からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属酸化物微粒子を含有し、該金属酸化物微粒子中の80質量%以上がシリカ微粒子であることが好ましい。より好ましくは90質量%以上がシリカ微粒子である。これは、上記と同様の理由であると推察しており、帯電性付与及び流動性付与の点でシリカ微粒子が最も優れており、これにより磁性トナーの帯電の立ち上がりが素早くなる。その結果、高い画像濃度を得る事が出来、非常に好ましい。
ここで、磁性トナー粒子表面に存在する金属酸化物微粒子中の85質量%以上、及び磁性トナー粒子表面に固着された金属酸化物粒子中の80質量%以上を、それぞれシリカ微粒子とするには、無機微粒子添加の量やタイミングにより調整することが可能である。
また、後述する無機微粒子の定量方法によりその存在量を確認することが可能である。
本発明における無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)は、5nm以上、50nm以下であることが好ましく、10nm以上、35nm以下であることがより好ましい。
無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)が上記範囲であることにより、被覆率A、及びB/Aを適正に制御しやすい。一次粒子の個数平均粒径(D1)が5nm未満であると、無機微粒子同士が凝集しやすく、B/Aの値が大きくなりにくいだけでなく、被覆率Aの変動係数が大きくなりやすい。一方、一次粒子の個数平均粒径(D1)が50nmより大きいと、無機微粒子の添加量を多くしても、被覆率Aが小さくなりやすく、さらに無機微粒子が磁性トナー粒子に固着しにくいため、B/Aの値も小さくなりやすい。すなわち、一次粒子の個数平均粒径(D1)が50nmより大きい場合には、前述の付着力低
減やベアリング効果が得られにくい。
本発明に用いる無機微粒子は、疎水化処理を施したものであることが好ましく、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が40%以上、より好ましくは50%以上となるように疎水化処理したものが特に好ましい。
上記疎水化処理の方法としては、有機ケイ素化合物、シリコーンオイル、長鎖脂肪酸等で処理する方法が挙げられる。
上記有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等が挙げられる。これらは一種或いは二種以上の混合物で用いられる。
上記シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。
上記長鎖脂肪酸は炭素数が10乃至22の脂肪酸を好適に用いる事が出来、直鎖脂肪酸であっても、分岐脂肪酸であっても良い。また、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれも用いる事が可能である。
この中で、炭素数が10乃至22の直鎖の飽和脂肪酸は無機微粒子表面を均一に処理し易く、非常に好ましい。
直鎖の飽和脂肪酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミルスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が挙げられる。
本発明に用いられる無機微粒子において、無機微粒子はシリコーンオイルにより処理されたものが好ましく、より好ましくは、無機微粒子を有機ケイ素化合物とシリコーンオイルにより処理したものである。疎水化度が好適に制御できるからである。
無機微粒子をシリコーンオイルで処理する方法としては、例えば、有機ケイ素化合物で処理された無機微粒子とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合する方法や、無機微粒子にシリコーンオイルを噴霧する方法が挙げられる。或いは、適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解又は分散させた後、無機微粒子を加えて混合し、溶剤を除去する方法でもよい。
シリコーンオイルの処理量は、良好な疎水性を得るために、無機微粒子100質量部に対し1質量部以上、40質量部以下であることが好ましく、3質量部以上、35質量部以下であることがより好ましい。
本発明で用いられるシリカ微粒子、チタニア微粒子、及びアルミナ微粒子は磁性トナーに良好な流動性を付与させる為に、窒素吸着によるBET法で測定した比表面積(BET比表面積)が20m/g以上、350m/g以下のものが好ましく、25m/g以上、300m/g以下のものがより好ましい。
上記窒素吸着によるBET法で測定した比表面積(BET比表面積)の測定は、JIS
Z8830(2001年)に準じて行う。測定装置としては、定容法によるガス吸着法を測定方式として採用している「自動比表面積・細孔分布測定装置 TriStar3000(島津製作所社製)」を用いる。
ここで、無機微粒子の添加量は、磁性トナー粒子100質量部に対して、無機微粒子1.5質量部以上、3.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは、1.5質量部以上、2.6質量部以下、さらに好ましくは1.8質量部以上、2.6質量部以下である。
無機微粒子の添加量が上記範囲であることにより、被覆率A、及びB/Aを適正に制御しやすい。
一方、無機微粒子の添加量が3.0質量部を超える場合には、外添装置や外添方法を工夫しても、無機微粒子が遊離することに起因して、画像上にスジなどが発生しやすくなる。
本発明の磁性トナーには、上記無機微粒子に加えて、一次粒子の個数平均粒径(D1)
が80nm以上、3μm以下の粒子を添加してもよい。例えば、フッ素樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤;シリカ等のスペーサー粒子を本発明の効果に影響を与えない程度に少量用いることもできる。
本発明の磁性トナーは、現像性や定着性のバランスの観点から、重量平均粒径(D4)が、6.0μm以上、10.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは7.0μm以上、9.0μm以下である。
以下に、本発明の磁性トナーの製造方法について例示するが、これに限定されるわけではない。
本発明の磁性トナーは、被覆率A、被覆率Aの変動係数及びB/Aを調整することができる工程を有する製造方法であれば、それ以外の製造工程においては、特に限定されず、公知の方法によって製造することができる。
そのような製造方法としては、以下の方法を好適に例示できる。まず、結着樹脂、離型剤および磁性体、並びに、必要に応じて、荷電制御剤などのその他の材料を、ヘンシェルミキサー又はボールミルの如き混合機により十分混合してから、ロール、ニーダー及びエクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び混練して樹脂類を互いに相溶せしめる。
得られた溶融混練物を冷却固化後に粗粉砕、微粉砕、分級を行い、得られた磁性トナー粒子に、無機微粒子等の外添剤を外添混合することによって磁性トナーを得ることができる。
上記混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製)等が挙げられる。
上記混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)等が挙げられる。
上記粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング)等が挙げられる。
上記分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)等が挙げられる。
粗粒等をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社製);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
無機微粒子を外添混合する混合処理装置としては、上記混合機などの公知の混合処理装置を用いることができるが、被覆率A、B/A、及び被覆率Aの変動係数を容易に制御できる点で図4に示すような装置が好ましい。
図4は、本発明に用いられる無機微粒子を外添混合する際に、用いることができる混合処理装置の一例を示す模式図である。
当該混合処理装置は、磁性トナー粒子と無機微粒子に対して、狭いクリアランス部において、シェアがかかる構成になっているために、磁性トナー粒子表面に無機微粒子を固着させやすい。
さらに、後述するように、回転体の軸方向において、磁性トナー粒子と無機微粒子が循環しやすく、固着が進む前に十分に均一混合されやすい点で、被覆率A、B/A、及び被覆率Aの変動係数を本発明において好ましい範囲に制御しやすい。
一方、図5は、上記混合処理装置に使用される攪拌部材の構成の一例を示す模式図である。
以下、上記無機微粒子の外添混合工程について図4及び図5を用いて説明する。
上記無機微粒子を外添混合する混合処理装置は、少なくとも複数の攪拌部材3が表面に設置された回転体2と、回転体を回転駆動する駆動部8と、攪拌部材3と間隙を有して設けられた本体ケーシング1とを有する。
本体ケーシング1の内周部と、撹拌部材3との間隙(クリアランス)は、磁性トナー粒子に均一にシェアを与え、磁性トナー粒子表面に無機微粒子を固着させやすくするために、一定かつ微小に保つことが重要である。
また本装置は、本体ケーシング1の内周部の径が、回転体2の外周部の径の2倍以下である。図4において、本体ケーシング1の内周部の径が、回転体2の外周部の径(回転体2から撹拌部材3を除いた胴体部の径)の1.7倍である例を示す。本体ケーシング1の内周部の径が、回転体2の外周部の径の2倍以下であると、磁性トナー粒子に力が作用する処理空間が適度に限定されるため、磁性トナー粒子に十分に衝撃力が加わるようになる。
また、上記クリアランスは、本体ケーシングの大きさに応じて、調整することが重要である。本体ケーシング1の内周部の径の、1%以上5%以下程度とすることが、磁性トナー粒子に十分なシェアをかけるという点で重要である。具体的には、本体ケーシング1の内周部の径が130mm程度の場合は、クリアランスを2mm以上5mm以下程度とし、本体ケーシング1の内周部の径が800mm程度の場合は、10mm以上30mm以下程度とすればよい。
本発明における無機微粒子の外添混合工程は、混合処理装置を用い、駆動部8によって回転体2を回転させ、混合処理装置中に投入された磁性トナー粒子及び無機微粒子を攪拌、混合することで、磁性トナー粒子の表面に無機微粒子を外添混合処理する。
図5に示すように、複数の撹拌部材3の少なくとも一部が、回転体2の回転に伴って、磁性トナー粒子及び無機微粒子を回転体の軸方向の一方向に送る送り用撹拌部材3aとして形成される。また、複数の撹拌部材3の少なくとも一部が、磁性トナー粒子及び無機微粒子を、回転体2の回転に伴って、回転体の軸方向の他方向に戻す戻し用撹拌部材3bとして形成されている。
ここで、図4のように、原料投入口5と製品排出口6が本体ケーシング1の両端部に設けられている場合には、原料投入口5から製品排出口6へ向かう方向(図4で右方向)を「送り方向」という。
すなわち、図5に示すように、送り用撹拌部材3aの板面は送り方向(13)に磁性トナー粒子を送るように傾斜している。一方、撹拌部材3bの板面は戻り方向(12)に磁性トナー粒子及び無機微粒子を送るように傾斜している。
これにより、「送り方向」への送り(13)と、「戻り方向」への送り(12)とを繰り返し行いながら、磁性トナー粒子の表面に無機微粒子の外添混合処理を行う。
また、撹拌部材3aと3bは、回転体2の円周方向に間隔を置いて配置した複数枚の部材が一組となっている。図5に示す例では、撹拌部材3a、3bが回転体2に互いに18
0度の間隔で2枚の部材が一組をなしているが、120度の間隔で3枚、あるいは90度の間隔で4枚、というように多数の部材を一組としてもよい。
図5に示す例では、撹拌部材3aと3bは等間隔で、計12枚形成されている。
さらに、図5において、Dは撹拌部材の幅、dは撹拌部材の重なり部分を示す間隔を示す。磁性トナー粒子及び無機微粒子を、送り方向と戻り方向に効率よく送る観点から、図5における回転体2の長さに対して、Dは20%以上30%程度の幅であることが好ましい。図5においては、23%である例を示す。さらに撹拌部材3aと3bは撹拌部材3aの端部位置から垂直方向に延長線を引いた場合、撹拌部材3bと撹拌部材の重なり部分dをある程度有することが好ましい。これにより、磁性トナー粒子に効率的にシェアをかけることが可能である。Dに対するdは、10%以上30%以下であることがシェアをかける点で好ましい。
なお、羽根の形状に関しては、図5に示すような形状以外にも、送り方向及び戻り方向に磁性トナー粒子を送ることができ、クリアランスを維持することができれば、曲面を有する形状や先端羽根部分が棒状アームで回転体2に結合されたパドル構造であってもよい。
以下、図4及び図5に示す装置の模式図に従って、本発明を更に詳細に説明する。
図4に示す装置は、少なくとも複数の攪拌部材3が表面に設置された回転体2と、回転体2を回転駆動する駆動部8と、攪拌部材3と間隙を有して設けられた本体ケーシング1と、本体ケーシング1の内側及び回転体端部側面10にあって、冷熱媒体を流すことのできるジャケット4を有している。
更に、図4に示す装置は、磁性トナー粒子及び無機微粒子を導入するために、本体ケーシング1上部に形成された原料投入口5、外添混合処理された磁性トナーを本体ケーシング1から外に排出するために、本体ケーシング1下部に形成された製品排出口6を有している。
更に、図4に示す装置は、原料投入口5内に、原料投入口用インナーピース16が挿入されており、製品排出口6内に、製品排出口用インナーピース17が挿入されている。
本発明においては、まず、原料投入口5から原料投入口用インナーピース16を取り出し、磁性トナー粒子を原料投入口5より処理空間9に投入する。次に無機微粒子を原料投入口5より処理空間9に投入し、原料投入口用インナーピース16を挿入する。次に、駆動部8により回転体2を回転させ(11は回転方向を示す)、上記で投入した処理物を、回転体2表面に複数設けられた撹拌部材3により撹拌、混合しながら外添混合処理する。
尚、投入する順序は、先に無機微粒子を原料投入口5より投入し、次に、磁性トナー粒子を原料投入口5より投入しても構わない。また、ヘンシェルミキサーのような混合機で予め、磁性トナー粒子と無機微粒子を混合した後、混合物を、図4に示す装置の原料投入口5より投入しても構わない。
より具体的には、外添混合処理条件として、駆動部8の動力を、0.2W/g以上、2.0W/g以下に制御することが、本発明で規定する被覆率A、B/A、及び被覆率Aの変動係数を得るうえで好ましい。また、駆動部8の動力を、0.6W/g以上、1.6W/g以下に制御することが、より好ましい。
0.2W/gより動力が低い場合には、被覆率Aが高くなりにくく、B/Aが低くなりすぎる傾向にある。一方、2.0W/gより高い場合には、B/Aが高くなりすぎる傾向にある。
処理時間としては、特に限定されないが、好ましくは、3分以上、10分以下である。処理時間が3分より短い場合には、B/Aが低くなる傾向にあり、被覆率Aの変動係数が大きくなりやすい。一方、処理時間が10分を超える場合には、逆にB/Aが高くなる傾向にあり、装置内が昇温しやすい。
外添混合時の撹拌部材の回転数については特に限定されないが、図4に示す装置の処理空間9の容積が2.0×10−3の装置において、撹拌部材3の形状を図5のものとしたときの撹拌部材の回転数としては、1000rpm以上、3000rpm以下であることが好ましい。1000rpm以上、3000rpm以下であることで本発明で規定す
る被覆率A、B/A、及び被覆率Aの変動係数を得やすくなる。
さらに、本発明において、特に好ましい処理方法は、外添混合処理操作の前に、プレ混合工程を持たせることである。プレ混合工程を入れることにより、無機微粒子が磁性トナー粒子表面上で高度に均一分散されることで、被覆率Aが高くなりやすく、さらに被覆率Aの変動係数を低減しやすい。
より具体的には、プレ混合処理条件として、駆動部8の動力を、0.06W/g以上、0.20W/g以下とし、処理時間を0.5分以上、1.5分以下とすることが好ましい。プレ混合処理条件として、0.06W/gより負荷動力が低い、或いは処理時間が0.5分より短い場合には、プレ混合として十分な均一混合がなされにくい。一方、プレ混合処理条件として、0.20W/gより負荷動力が高い、或いは処理時間1.5分より長い場合には、十分な均一混合がなされる前に、磁性トナー粒子表面に無機微粒子が固着されてしまう場合がある。
外添混合処理終了後、製品排出口6内の、製品排出口用インナーピース17を取り出し、駆動部8により回転体2を回転させ、製品排出口6から磁性トナーを排出する。得られた磁性トナーを、必要に応じて円形振動篩機等の篩機で粗粒等を分離し、磁性トナーを得る。
次に、本発明のトナーを好適に用いることのできる画像形成装置の一例を図6に沿って具体的に説明する。図6において、100は静電潜像担持体(以下、感光体とも呼ぶ)であり、その周囲に帯電部材(帯電ローラー)117、トナー担持体102を有する現像器140、転写部材(転写帯電ローラー)114、クリーナー容器116、定着器126、ピックアップローラー124等が設けられている。静電潜像担持体100は帯電ローラー117によって帯電される。そして、レーザー発生装置121によりレーザー光を静電潜像担持体100に照射することによって露光が行われ、目的の画像に対応した静電潜像が形成される。静電潜像担持体100上の静電潜像は現像器140によって一成分トナーで現像されてトナー画像を得、トナー画像は転写材を介して静電潜像担持体に当接された転写ローラー114により転写材上へ転写される。トナー画像を載せた転写材は定着器126へ運ばれ転写材上に定着される。また、一部静電潜像担持体上に残されたトナーはクリーニングブレードによりかき落とされ、クリーナー容器116に収納される。
次に、本発明に係る各物性の測定方法に関して記載する。
<被覆率Aの算出>
本発明における被覆率Aは、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影された磁性トナー表面画像を、画像解析ソフトImage−Pro Plus ver.5.0((株)日本ローパー)により解析して算出する。S−4800の画像撮影条件は以下の通りである。
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上に磁性トナーを吹きつける。さらにエアブローして、余分な磁性トナーを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
(2)S−4800観察条件設定
被覆率Aの算出は、S−4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。反射電子像は2次電子像と比べて無機微粒子のチャージアップが少ないため、被覆率Aを精度良く測定することが出来る。
S−4800の筐体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S−4800の「PC−SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによる
エミッション電流が20〜40μAであることを確認する。試料ホルダをS−4800筐体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[0.8kV]、エミッション電流を[20μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]および[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにする。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[3.0mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
(3)磁性トナーの個数平均粒径(D1)算出
コントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を5000(5k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。この操作を更に2度繰り返し、ピントを合わせる。
その後、磁性トナー粒子300個について粒径を測定して個数平均粒径(D1)を求める。尚、個々の粒子の粒径は、磁性トナーの粒子を観察した際の最大径とする。
(4)焦点調整
(3)で得た、個数平均粒径(D1)の±0.1μmの粒子について、最大径の中点を測定画面の中央に合わせた状態でコントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を10000(10k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。その後、倍率を50000(50k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせる。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせる。ここで、観察面の傾斜角度が大きいと被覆率の測定精度が低くなりやすいので、ピント調整の際に観察面全体のピントが同時に合うものを選ぶことで、表面の傾斜が極力無いものを選択して解析する。
(5)画像保存
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存する。この画像ファイルを用いて下記の解析を行う。磁性トナー粒子一つに対して写真を1枚撮影し、少なくとも磁性トナー30粒子以上について画像を得る。
(6)画像解析
本発明では下記解析ソフトを用いて、上述した手法で得た画像を2値化処理することで被覆率Aを算出する。このとき、上記一画面を正方形で12分割してそれぞれ解析する。ただし、分割区画内に、粒径が50nm以上の無機微粒子が入る場合はその区画では被覆率Aの算出を行わないこととする。
画像解析ソフトImage−Pro Plus ver.5.0の解析条件は以下の通りである。
ソフトImage−ProPlus5.1J
ツールバーの「測定」から「カウント/サイズ」、「オプション」の順に選択し、二値化条件を設定する。オブジェト抽出オプションの中で8連結を選択し、平滑化を0とする。その他、予め選別、穴を埋める、包括線は選択せず、「境界線を除外」は「なし」とする。ツールバーの「測定」から「測定項目」を選択し、面積の選別レンジに2〜10と入力する。
被覆率の計算は、正方形の領域を囲って行う。この時、領域の面積(C)は24000〜26000ピクセルになるようにする。「処理」−2値化で自動2値化し、シリカの無い領域の面積の総和(D)を算出する。
正方形の領域の面積C、シリカの無い領域の面積の総和Dから下記式で被覆率aが求められる。
被覆率a(%)=100−(D/C×100)
上述したように、被覆率aの計算を磁性トナー30粒子以上について行う。得られた全データの平均値を本発明における被覆率Aとする。
<被覆率Aの変動係数>
本発明における被覆率Aの変動係数は下記のように求める。上述の被覆率Aの計算において使用した全被覆率データの標準偏差をσ(A)とすると、被覆率Aの変動係数は下記式で得られる。
変動係数(%)={σ(A)/A}×100
<被覆率Bの算出>
被覆率Bは、まず、磁性トナー表面の固着されていない無機微粒子を除去し、その後被覆率Aの算出と同様の操作を行って、算出する。
(1)固着されていない無機微粒子の除去
固着されていない無機微粒子の除去は下記のように行う。この除去条件は、トナー表面に埋没した無機微粒子以外を十分除去するために本発明者らが検討し、決定した。
一例として、図4の装置を使用して、3種類の外添強度で被覆率Aを46%とした磁性トナーについて、超音波分散時間と、超音波分散後に算出した被覆率の関係を図7に示す。図7は、以下の方法により超音波分散による無機微粒子の除去を行った後、乾燥させた磁性トナーの被覆率を上記被覆率Aの算出と同様に行うことにより作成した。
図7より、超音波分散による無機微粒子の除去とともに、被覆率が低下し、いずれの外添強度においても、20分間超音波分散することにより、被覆率がほぼ一定となることがわかる。このことから、30分間の超音波分散により、トナー表面に埋没した無機微粒子以外を十分除去できるとし、そのときに得られる被覆率を被覆率Bと定義した。
より詳細には、水16.0g、コンタミノンN(和光純薬製中性洗剤、商品No.037−10361)4.0gをガラス製の30mlバイアルに投入し、十分混合する。作製した溶液に磁性トナー1.50gを投入して磁石を底面から近付け、磁性トナーを全て沈める。その後、磁石を動かして気泡を除くと共に溶液に磁性トナーを馴染ませる。
超音波振動機UH−50(株式会社エスエムテー製、先端径φ6mmのチタン合金チップ使用)の先端が、バイアルの中央部であり、かつ、バイアル底面から5mmの高さになるようにセットし、超音波分散による無機微粒子の除去を行う。30分間、超音波を掛けた後、磁性トナーを全量取り出して乾燥させる。この時、極力熱を掛けないこととし、30℃以下で真空乾燥を行う。
(2)被覆率Bの算出
上述の乾燥後の磁性トナーを上述の被覆率Aと同様に被覆率を算出し、被覆率Bを得る。
<無機微粒子の定量方法>
(1)磁性トナー中のシリカ微粒子の含有量の定量(標準添加法)
磁性トナー3gを直径30mmのアルミリングに入れ、10トンの圧力でペレットを作製する。そして、波長分散型蛍光X線分析(XRF)により、珪素(Si)の強度を求める(Si強度−1)。なお、測定条件は使用するXRF装置で最適化されたものであれば良いが、一連の強度測定はすべて同一条件で行うこととする。磁性トナーに、一次粒子の個数平均粒径が12nmのシリカ微粒子を、磁性トナーに対して1.0質量%添加して、コーヒーミルにより混合する。
この際、混合するシリカ微粒子は、一次粒子の個数平均粒径が5nm以上、50nm以下のものであれば、本定量に影響なく使用することができる。
混合後、上記と同様にペレット化したのちに、上記同様にSiの強度を求める(Si強度−2)。同様の操作を、シリカ微粒子を、磁性トナーに対して2.0質量%、3.0質量%添加混合したサンプルにおいても、Siの強度を求める(Si強度−3,Si強度−4)。Si強度−1乃至4を用いて、標準添加法により磁性トナー中のシリカ含有量(質量%)を計算する。
磁性トナー中のチタニア含有量(質量%)及び、アルミナ含有量(質量%)については、上記のシリカ含有量の定量と同様に標準添加法により定量する。すなわち、チタニア含有量(質量%)については、一次粒子の個数平均粒径が5nm以上、50nm以下のチタニア微粒子を添加混合し、チタン(Ti)強度を求めることにより、定量することができる。アルミナ含有量(質量%)については、一次粒子の個数平均粒径が5nm以上、50nm以下のアルミナ微粒子を添加混合し、アルミニウム(Al)強度を求めることにより、定量することができる。
(2)磁性トナー粒子から外添剤の分離
磁性トナー5gを、精密天秤を用いて200mlの蓋付きポリカップに秤量し、メタノールを100ml加え、超音波分散機で5分間分散させる。ネオジム磁石により磁性トナーを引き付け、上澄み液を捨てる。メタノールによる分散と上澄みを捨てる操作を3回繰り返したのち、10%NaOHを100mlと、「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を数滴加え、軽く混合したのち、24時間静置する。その後、再びネオジム磁石を用いて分離する。なお、この際にNaOHが残留しないように繰り返し蒸留水ですすぐ。回収された粒子を真空乾燥機により十分に乾燥させ、粒子Aを得る。上記操作により、外添されたシリカ微粒子は溶解、除去される。チタニア微粒子、アルミナ微粒子は10%NaOHに対して難溶解性であるため、粒子A中に残存しうる。
(3)粒子A中のSi強度測定
3gの粒子Aを直径30mmのアルミリングに入れ、10トンの圧力でペレットを作製し、波長分散型XRFにより、Siの強度を求める(Si強度−5)。Si強度−5と磁性トナー中のシリカ含有量の定量で使用したSi強度−1乃至4を利用して、粒子A中のシリカ含有量(質量%)を計算する。
(4)磁性トナーから磁性体の分離
5gの粒子Aに対して、100mlのテトラヒドロフランを加え、良く混合した後に超音波分散を10分間行う。磁石により磁性体を引き付け、上澄み液を捨てる。この作業を5回繰り返し、粒子Bを得る。この操作で、磁性体以外の樹脂等の有機成分はほぼ取り除くことができる。ただし、樹脂中のテトラヒドロフラン不溶解分が残存する可能性があるため、上記操作で得られた粒子Bを800℃まで加熱して残存する有機成分を燃焼させることが好ましく、加熱後に得られた粒子Cを、磁性トナーに含有されていた磁性体と近似することができる。
粒子Cの質量を測定することにより、磁性トナー中の磁性体含有量W(質量%)とすることができる。この際、磁性体の酸化増量分を補正するために、粒子Cの質量に0.9666(Fe→Fe)を乗じる。
(5)分離した磁性体中のTi強度、Al強度の測定
磁性体中に不純物もしくは添加物としてTi、Alが含まれることがある。磁性体に起
因するTi及びAlについては、波長分散型XRFのFP定量法によって、その量を検出できる。検出されたTi量、Al量を、チタニア、アルミナ換算して、磁性体中のチタニア、アルミナ含有量を算出する。
上記手法により得られた、各定量値を以下の式に代入することにより、外添シリカ微粒子量、外添チタニア微粒子量、外添アルミナ微粒子量を算出する。
外添シリカ微粒子量(質量%)=磁性トナー中のシリカ含有量(質量%)−粒子A中のシリカ含有量(質量%)
外添チタニア微粒子量(質量%)=磁性トナー中のチタニア含有量(質量%)−{磁性体のチタニア含有量(質量%)×磁性体含有量W/100}
外添アルミナ微粒子量(質量%)=磁性トナー中のアルミナ含有量(質量%)−{磁性体のアルミナ含有量(質量%)×磁性体含有量W/100}
(6)磁性トナー粒子表面に固着された無機微粒子において、シリカ微粒子、チタニア微粒子、及びアルミナ微粒子からなる群より選ばれる金属酸化物微粒子中のシリカ微粒子の割合の算出。
被覆率Bの算出法において、「固着されていない無機微粒子の除去」操作をした後のトナーを乾燥したのち、上記(1)乃至(5)の方法と同様な操作を実施することにより、金属酸化物微粒子中のシリカ微粒子の割合の算出が可能である。
<無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径の測定方法>
無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影される磁性トナー表面の無機微粒子画像から算出される。S−4800の画像撮影条件は以下の通りである。
上述した「被覆率Aの算出」と同様に(1)〜(3)まで操作を行い、(4)と同様に磁性トナー表面を倍率5万倍で焦点調整を行ってピントを合わせた後、ABCモードで明るさ合わせを行う。その後、倍率を10万倍とした後に(4)と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、更に、オートフォーカスでピントを合わせる。焦点調整の操作を再度繰り返し、10万倍にてピントを合わせる。
その後、磁性トナー表面上の少なくとも300個の無機微粒子について粒径を測定して、個数平均粒径(D1)を求める。ここで、無機微粒子は凝集塊として存在するものもあるため、一次粒子と確認できるものの最大径を求め、得られた最大径を算術平均することによって、一次粒子の個数平均粒径(D1)を得る。
<磁性トナーの重量平均粒径(D4)及び粒度分布>
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後の
アパーチャチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャのフラッシュ」機能により、アパーチャチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<樹脂のピーク分子量(Mp)の測定方法>
樹脂のピーク分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流す。カラムとしては、10〜2×10の分子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラムを複数組み合わせるのが良い。例えば、昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合せや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSK guard columnの組み合せを挙げることができるが、特に昭和電工社製のshodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連カラムの組み合せが好ましい。
一方で、樹脂をTHFに分散し溶解後、1晩静置した後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)など使用できる。)で濾過し、その濾液を試料として用いる。試料濃度として樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整した樹脂のTHF溶液を50〜200μl注入して測定する。なお、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレ
ン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical
Co.製あるいは、東ソー社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。
<磁性トナーの吸熱ピーク、吸熱ピーク熱量及びエステル化合物の融点の測定方法>
磁性トナーの吸熱ピーク、吸熱ピーク熱量及び離型剤(エステル化合物)の融点は、示差走査熱量計(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
測定試料は5mg以上20mg以下、好ましくは10mgを精密に秤量する。
これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温速度10℃/minで昇温させ、続いて10℃/minで30℃まで降温し、その後に再度昇温速度10℃/minで昇温を行う。この2回目の昇温過程で、温度40〜120℃の範囲において最大吸熱ピークが得られる。
測定試料を磁性トナーとした場合の最大吸熱ピークを磁性トナーの吸熱ピークとする。また、最大吸熱ピークのピーク温度を磁性トナーの吸熱ピークの温度とする。
さらに、該吸熱ピークが現れる温度領域において、示差走査熱量(DSC)曲線のベースラインと示差走査熱量(DSC)曲線により囲われた面積より、吸熱ピーク熱量(J/g)を算出する。
一方、測定試料を離型剤(エステル化合物)とした場合の、最大吸熱ピークのピーク温度を離型剤(エステル化合物)の融点とする。
<磁性トナー及び磁性体の磁気特性の測定方法>
磁性体及び磁性トナーの磁気特性は、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて、外部磁場79.6kA/mで測定する。
<磁性トナー及び樹脂の酸価の測定方法>
本発明における酸価は、以下の操作により求められる。基本操作はJIS K0070に属する。
測定装置としては、電位差滴定測定装置を用いて測定する。この滴定には、京都電子株式会社の電位差滴定測定装置AT−400(winworkstation)とAPB−410電動ビュレットとを用いての自動滴定が利用できる。
装置の校正は、トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用する。測定温度は25℃とする。
試料の調製は、磁性トナー1.0g又は樹脂0.5gをトルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒に投入したのち、超音波分散で10分間分散する。その後、マグネチックスターラーを入れて、フタをした状態で約10時間、撹拌溶解させる。0.1mol/lの水酸化カリウムのエタノール溶液を用いて、ブランクテストを行う。この時の水酸化カリウムのエタノール溶液の使用量をB(ml)とする。上記、10時間撹拌後の試料溶液について、磁性体は磁力分離し、可溶分(磁性トナー又は樹脂による試料溶液)の滴定を行う。このときの水酸化カリウム溶液の使用量をS(ml)とする。
下記式により酸価を計算する。なお下記式中のfはKOHのファクターであり、Wは試料の質量である。
酸価(mgKOH/g)={(S−B)×f×5.61}/W
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は何らこれに
制約されるものではない。なお、実施例及び比較例の部数及び%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
<結着樹脂の製造例>
(結着樹脂の製造例1)
ポリエステルモノマーのモル比を下記とする。
BPA−PO/BPA−EO/TPA/TMA=50/50/70/12
ここで、それぞれ、BPA−PO:ビスフェノールA プロピレンオキサイド2.2モル付加物、BPA−EO:ビスフェノールA エチレンオキサイド2.2モル付加物、TPA:テレフタル酸、TMA:無水トリメリット酸、を示す。
上記に示す原料モノマーのうち、TMA以外の原料モノマーと、触媒としてテトラブチルチタネート0.1質量%を脱水管、撹拌羽根、窒素導入管等を備えたフラスコに入れ、220℃で10時間縮合重合したのち、さらにTMAを添加し、210℃で所望の酸価に達するまで反応させて、ポリエステル樹脂1(ガラス転移点Tgが64℃、酸価が17mgKOH/g、ピーク分子量が6200)を得た。
(結着樹脂の製造例2乃至5、及び7)
結着樹脂の製造例1において、原料モノマーの比率を変更することで、ピーク分子量、ガラス転移点Tg、酸価を適宜調整し、表1に示す結着樹脂2乃至5、及び7を得た。
(結着樹脂の製造例6)
4つ口フラスコ内にキシレン300質量部を投入し、昇温して還流させ、スチレン80質量部、アクリル酸−n−ブチル20質量部、及びジ−tert−ブチルパーオキサイド2.0質量部の混合液を5時間かけて滴下して、低分子量重合体(L−1)溶液を得た。
4つ口フラスコ内に脱気水180質量部とポリビニルアルコールの2質量%水溶液20質量部を投入した後、スチレン78質量部、アクリル酸−n−ブチル22質量部、ジビニルベンゼン0.005質量部、及び2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(半減期10時間温度;92℃)0.09質量部の混合液を加え、撹拌し懸濁液とした。フラスコ内を十分に窒素で置換した後、90℃まで昇温して重合し、24時間保持した後、ベンゾイルパーオキサイド(半減期10時間温度;72℃)0.1質量部を追加添加し、さらに、12時間保持して高分子量重合体(H−1)の重合を完了した。
上記低分子量重合体(L−1)溶液300質量部に上記高分子量重合体(H−1)25質量部を投入し、還流下で十分に混合した後、有機溶剤を留去して、表1に示す結着樹脂6(ガラス転移点Tgが61℃、酸価が0mgKOH/g、ピーク分子量が11000)を得た。
<磁性トナー粒子の製造例1>
・表1に示す結着樹脂1: 100質量部
(ピーク分子量:6200、Tg:64℃、酸価:17mgKOH/g)
・表2に示す離型剤1: 5質量部
(ベヘン酸ベヘニル、融点:73℃、)
・表3に示す磁性体1 80質量部
(組成:Fe、形状:球状、一次粒子の個数平均粒径0.22μm、79.6kA/mにおける磁気特性;σs=68Am/kg、σr=3.5Am/kg)
・荷電制御剤(モノアゾ鉄化合物T−77(保土谷化学工業(株)): 1質量部
上記原材料をヘンシェルミキサーFM10C(三井三池化工機(株))で予備混合した後、回転数200rpmに設定した二軸混練押し出し機(PCM−30:池貝鉄工所社製)により、混練物の出口付近における直接温度が140℃となるように設定温度を調節し、混練した。
得られた溶融混練物を冷却し、冷却された溶融混練物をカッターミルで粗粉砕した後、
得られた粗粉砕物を、ターボミルT−250(ターボ工業社製)を用いて微粉砕し、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級して、重量平均粒径(D4)が8.1μmの磁性トナー粒子1を得た。磁性トナー粒子1の製造条件について、表4に示す。
<磁性トナー粒子の製造例2〜23>
磁性トナー粒子の製造例1において、表1〜4に示すように結着樹脂、離型剤、磁性体の種類及び含有量を変更したこと以外は、磁性トナー粒子の製造例1と同様にして、磁性トナー粒子2〜23を得た。ここで、磁性トナー粒子の製造例22で使用した離型剤12のピーク分子量は520であった。磁性トナー粒子2〜23の製造条件を表4に示す。
<磁性トナー粒子の製造例24>
磁性トナー粒子1を100質量部(500g)と、後述の磁性トナーの製造例1の外添混合処理に使用した、シリカ微粒子1の0.50質量部(2.5g)をヘンシェルミキサーFM10C(三井三池化工機(株))で混合し、熱風処理前外添を行った。この際の外添条件は、回転数を3000rpmとし、処理時間を2分間とした。
次いで、この熱風処理前外添を行った磁性トナー粒子を、熱風を吹き付けることによりトナー粒子の表面改質を行う装置であるメテオレインボー(日本ニューマチック工業社製)で表面改質を行った。表面改質時の条件は、原料供給速度2kg/hr、熱風流量700L/min、吐出熱風温度280℃で行った。このような熱風処理を行って、磁性トナー粒子24を得た。磁性トナー粒子24の製造条件を表4に示す。
<磁性トナー粒子の製造例25>
磁性トナー粒子の製造例1において、表1〜4に示すように結着樹脂、離型剤、磁性体の種類及び含有量を変更したこと以外は、磁性トナー粒子の製造例1と同様にして、磁性トナー粒子25を得た。磁性トナー粒子25の製造条件を表4に示す。
<磁性トナー粒子の製造例26>
(スルホン酸基を有する重合体Aの製造)
・メタノール: 300g
・トルエン: 100g
・スチレン: 470g
・2−エチルヘキシルアクリレート: 78g
・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸: 42g
・ラウロイルパーオキサイド: 6g
上記原料をフラスコに仕込み、撹拌装置、温度測定装置、窒素導入装置を装着して、窒素雰囲気下70℃で溶液重合させ、10時間保持して重合反応を終了させた。得られた重合物を減圧乾燥・粗粉砕して、重量平均分子量(Mw)が31500、ガラス転移温度(Tg)が71.8℃、酸価が15.0mgKOH/g、個数平均粒径が410μmの重合体Aを得た。
(磁性トナー粒子26の製造)
・結着樹脂1 100質量部
・離型剤13 5質量部
(低分子量ポリエチレン、融点=102℃、数平均分子量Mn=850)
・磁性体1 80質量部
・重合体A 1質量部
・荷電制御剤(モノアゾ鉄化合物T−77(保土谷化学工業(株))) 1質量部
上記原材料を用いて、磁性トナー粒子の製造例1と同様にして、磁性トナー粒子26を製造した。磁性トナー粒子26の製造条件を表4に示す。
Figure 0005383897
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Figure 0005383897
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<磁性トナーの製造例1>
磁性トナー粒子の製造例1で得た磁性トナー粒子1に対して、図4に示す装置を用いて、外添混合処理を行った。
本実施例においては、図4に示す装置で、本体ケーシング1の内周部の径が130mmであり、処理空間9の容積が2.0×10−3の装置を用い、駆動部8の定格動力を5.5kWとし、攪拌部材3の形状を図5のものとした。そして、図5における攪拌部材3aと攪拌部材3bの重なり幅dを攪拌部材3の最大幅Dに対して0.25Dとし、攪拌部材3と本体ケーシング1内周とのクリアランスを3.0mmとした。
上記した装置構成で、該磁性トナー粒子1の100質量部と、以下のシリカ微粒子1の2.00質量部とを、図4に示す装置に投入した。
シリカ微粒子1は、BET比表面積:130m/g、一次粒子の個数平均粒径(D1
):16nmのシリカ100質量部をヘキサメチルジシラザン10質量部で処理し、次いでジメチルシリコーンオイル10質量部で処理を行ったものである。
磁性トナー粒子とシリカ微粒子を投入後、磁性トナー粒子とシリカ微粒子を均一に混合するために、プレ混合を実施した。プレ混合の条件は、駆動部8の動力を0.1W/g(駆動部8の回転数150rpm)とし、処理時間を1分間とした。
プレ混合終了後、外添混合処理を行った。外添混合処理条件は、駆動部8の動力を1.0W/g(駆動部8の回転数1800rpm)で一定となるように、攪拌部材3の最外端部周速を調整し、処理時間を5分間とした。外添混合処理条件を表5に示す。
外添混合処理後、直径500mm、目開き75μmのスクリーンを設置した円形振動篩機で粗粒等を除去し、磁性トナー1を得た。磁性トナー1を走査型電子顕微鏡で拡大観察し、磁性トナー表面のシリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒径を測定したところ、18nmであった。磁性トナー1の外添条件、各物性を表5、表6にそれぞれ示す。
<磁性トナーの製造例2>
磁性トナーの製造例1において、シリカ微粒子1を、BET比表面積:200m/g、一次粒子の個数平均粒径(D1):12nmのシリカに対してシリカ微粒子1と同様の表面処理を行った、シリカ微粒子2に変更した以外は同様にして、磁性トナー2を得た。磁性トナー2を走査型電子顕微鏡で拡大観察し、磁性トナー表面のシリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒径を測定したところ、14nmであった。磁性トナー2の外添条件、各物性を表5、表6にそれぞれ示す。
<磁性トナーの製造例3>
磁性トナーの製造例1において、シリカ微粒子1を、BET比表面積:90m/g、一次粒子の個数平均粒径(D1):25nmのシリカに対してシリカ微粒子1と同様の表面処理を行った、シリカ微粒子3に変更した以外は同様にして、磁性トナー3を得た。磁性トナー3を走査型電子顕微鏡で拡大観察し、磁性トナー表面のシリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒径を測定したところ、28nmであった。磁性トナー3の外添条件、各物性を表5、表6にそれぞれ示す。
<磁性トナーの製造例4〜26、磁性トナーの製造例29〜33、及び比較磁性トナーの製造例1〜27>
磁性トナーの製造例1において、磁性トナー粒子1の代わりに、表4に示す磁性トナー粒子を用いて、表5に示す、外添処方、外添装置、外添条件によって、それぞれ外添処理を実施し、磁性トナー4〜26、磁性トナー29〜33、及び比較磁性トナー1〜27を得た。磁性トナー4〜26、磁性トナー29〜33、及び比較磁性トナー1〜27の物性を表6に示す。
なお、表5に記載のチタニア微粒子とアルミナ微粒子は、それぞれ、アナターゼ型酸化チタン微粒子[BET比表面積:80m/g、一次粒子の個数平均粒径(D1):15nm、イソブチルトリメトキシシラン12質量%処理)]、アルミナ微粒子、[BET比表面積:80m/g、一次粒子の個数平均粒径(D1):17nm、イソブチルトリメトキシシラン10質量%処理]を用いた。
また、表5中には、シリカ微粒子以外に、チタニア微粒子、アルミナ微粒子を添加した場合のシリカ微粒子の割合(質量%)を示す。
なお、磁性トナー29〜33、比較磁性トナー3乃至10については、プレ混合を行わず、投入後直ちに外添混合処理を実施した。
表5中、ハイブリタイザーとは、ハイブリタイザー5型(奈良機械社製)、ヘンシェルミキサーとは、FM10C(三井三池化工機(株))をそれぞれ示す。
<磁性トナーの製造例27>
磁性トナーの製造例1と同じ図4の装置を使用し、以下の手順で外添混合処理を行った

磁性トナーの製造例1において、添加するシリカ微粒子1(2.00質量部)を表5に示すように、シリカ微粒子1(1.28質量部)とチタニア微粒子(0.22質量部)に変更した。
まず、100質量部の磁性トナー粒子18とシリカ微粒子0.40質量部、チタニア微粒子0.22質量部を投入後、磁性トナーの製造例1と同様にプレ混合を実施した。
プレ混合終了後の外添混合処理において、駆動部8の動力を1.0W/g(駆動部8の回転数1800rpm)で一定となるように、攪拌部材3の最外端部周速を調整し、処理時間を2分間としたのち、一度混合処理を停止した。引き続き、残りのシリカ微粒子0.88質量部を追加投入し、再び、駆動部8の動力を1.0W/g(駆動部8の回転数1800rpm)で一定となるように、攪拌部材3の最外端部周速を調整し、処理時間を3分間とし、外添混合処理時間を計5分間とした。
外添混合処理後、磁性トナーの製造例1と同様に円形振動篩機で粗粒等を除去し、磁性トナー27を得た。磁性トナー27の外添条件、各物性を表5、表6にそれぞれ示す。
<磁性トナーの製造例28>
磁性トナーの製造例1と同じ図4の装置を使用し、以下の手順で外添混合処理を行った。
磁性トナーの製造例1において、添加するシリカ微粒子1(2.00質量部)を表5に示すように、シリカ微粒子1(1.28質量部)とチタニア微粒子(0.22質量部)に変更した。
まず、100質量部の磁性トナー粒子18とシリカ微粒子1.28質量部を投入後、磁性トナーの製造例1と同様にプレ混合を実施した。
プレ混合終了後の外添混合処理において、駆動部8の動力を1.0W/g(駆動部8の回転数1800rpm)で一定となるように、攪拌部材3の最外端部周速を調整し、処理時間を2分間としたのち、一度混合処理を停止した。引き続き、残りのチタニア微粒子(100質量部の磁性トナー粒子18に対して、0.22質量部)を追加投入し、再び、駆動部8の動力を1.0W/g(駆動部8の回転数1800rpm)で一定となるように、攪拌部材3の最外端部周速を調整し、処理時間を3分間とし、外添混合処理時間を計5分間とした。
外添混合処理後、磁性トナーの製造例1と同様に円形振動篩機で粗粒等を除去し、磁性トナー28を得た。磁性トナー28の外添条件、各物性を表5、表6にそれぞれ示す。
<比較磁性トナーの製造例28>
磁性トナー粒子1の100質量部(500g)と、磁性トナーの製造1で用いたシリカ微粒子1を1.30質量部(6.5g)と、シリカ微粒子4[シリカ(BET比表面積:200m/g、一次粒子の個数平均粒径(D1):10nm)100質量部をジメチルシロキサン40質量部で表面処理し、次いでこの処理シリカ100質量部にヘキサメチルジシラザン10質量部で処理を行ったもの]0.60質量部とを、ヘンシェルミキサーFM10C(三井三池化工機(株))を用いて、4000rpmで2分間外添処理を行った。比較磁性トナー28の外添条件、各物性を表5、表6にそれぞれ示す。
<比較磁性トナーの製造例29>
磁性トナーの製造例1において、シリカ微粒子1を、BET比表面積:30m/g、一次粒子の個数平均粒径(D1):51nmのシリカに対してシリカ微粒子1と同様の表面処理を行った、シリカ微粒子5に変更した以外は同様にして、比較磁性トナー29を得た。比較磁性トナー29を走査型電子顕微鏡で拡大観察し、磁性トナー表面のシリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒径を測定したところ、53nmであった。比較磁性トナー29の外添条件、各物性を表5、表6にそれぞれ示す。
Figure 0005383897
Figure 0005383897

Figure 0005383897
<実施例1>
(画像形成装置)
画像形成装置として、直径10mmである小径現像スリーブを搭載した、LBP―3100(キヤノン製)を用い、印字速度を16枚/分を20枚/分に改造した。さらに、定着器の定着温度を35℃低くするように、改造した。記録媒体は、高温高湿環境下(32.5℃、80%RH)に3日間放置した、FOX RIVER BOND紙(105g/m)を使用した。小径現像スリーブを搭載した画像形成装置において、印字枚数を20枚/分に変更する事で耐久性を厳しく評価できる。さらに、磁性トナーに対して定着温度が伝わり難く、吸湿量が多い上記記録媒体を使用し、現像スリーブを小径現像スリーブに変更し、定着温度を低下し、さらに高温高湿環境下における連続通紙を評価することにより、定着尾引きを厳しく評価することができる。
(磁性トナー1の耐久性評価)
上述の改造機を用いて、磁性トナー1を使用し、高温高湿環境下(32.5℃/80%RH)に一晩放置した後、同環境において、印字率が1%の横線を1枚間欠モードで3000枚画出し試験を行った。
(磁性トナー1の定着尾引き評価)
上述の改造機を用いて、磁性トナー1を使用し、高温高湿環境下にて一晩放置した後、同環境において、印字率が20%の横線を連続通紙モードで100枚画出し試験を行った。
その結果、耐久試験前後で濃度が高く、非画像部へのカブリの少ない画像を得ることができた。また、定着尾引き評価においても、定着尾引きが発生しない結果を得ることができた。評価結果を表7に示す。
本発明の実施例及び比較例で行った各評価の評価方法とその判断基準について以下に述べる。
<画像濃度>
画像濃度はベタ画像部を形成し、このベタ画像の濃度をマクベス反射濃度計(マクベス社製)にて測定した。耐久初期における、ベタ画像の反射濃度の評価(評価1)の判断基準は以下の通りである。
A:非常に良好(1.45以上)
B:良好(1.40以上1.45未満)
C:普通(1.35以上1.40未満)
D:劣る(1.35未満)
耐久後半での画像濃度の評価(評価2)の判断基準は以下の通りである。耐久初期のベタ画像の反射濃度と、3000枚耐久後のベタ画像の反射濃度の差を測定した。尚、差が小さいほど良好である。
A:非常に良好(0.05未満)
B:良好(0.05以上0.10未満)
C:普通(0.10以上0.15未満)
D:劣る(0.15以上)
<カブリ>
白画像を出力して、その反射率を東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定した。一方、白画像形成前の転写紙(標準紙)についても同様に反射率を測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用いた。白画像出力前後の反射率から、下記式を用いてカブリを算出した。
カブリ(反射率)(%)= 標準紙の反射率(%)−白画像サンプルの反射率(%)
なお、カブリの評価(評価3)の判断基準は以下の通りである。
A:非常に良好(1.2%未満)
B:良好(1.2%以上2.0%未満)
C:普通(2.0%以上3.0%未満)
D:劣る(3.0%以上)
<定着尾引き>
100枚連続通紙した際、定着尾引きの頻度及び程度を目視で評価した。この評価(評価4)の判断基準を以下に示す。
A:定着尾引きが未発生。
B:定着尾引きの発生が1枚以上5枚以下であり、程度も非常に軽微。
C:定着尾引きの発生が6枚以上10枚以下であり、程度も軽微であることから実用上問題ないレベル。
D:定着尾引きの発生が11枚以上20枚以下。
E:定着尾引きの発生が21枚以上。
<実施例2乃至33、及び比較例1乃至29>
磁性トナーとして、磁性トナー2〜33、及び比較磁性トナー1〜29を使用し、実施例1と同様の条件でトナー評価を行った。評価結果を表7に示す。比較例7及び9においては、現像スリーブ上に遊離シリカ微粒子が多く蓄積し、縦スジ状の画像欠陥が発生した。比較例12に使用した磁性トナー粒子20においては、高温高湿環境下に一晩放置すると、磁性トナーによる凝集塊が多数発生しており、縦スジ状の画像欠陥が発生した。
Figure 0005383897
1:本体ケーシング、2:回転体、3、3a、3b:撹拌部材、4:ジャケット、5:原料投入口、6:製品排出口、7:中心軸、8:駆動部、9:処理空間、10:回転体端部側面、11:回転方向、12:戻り方向、13:送り方向、16:原料投入口用インナーピース、17:製品排出口用インナーピース、d:撹拌部材の重なり部分を示す間隔、
D:撹拌部材の幅、100:静電潜像担持体(感光体)、102:トナー担持体、103:現像ブレード、114:転写部材(転写帯電ローラー)、116:クリーナー容器、117:帯電部材(帯電ローラー)、121:レーザー発生装置(潜像形成手段、露光装置)、123:レーザー、124:ピックアップローラー、125:搬送ベルト、126:定着器、140:現像器、141:攪拌部材

Claims (5)

  1. 結着樹脂、離型剤及び磁性体を含有する磁性トナー粒子と、該磁性トナー粒子表面に存在する無機微粒子とを含有する磁性トナーであって、
    該磁性トナー粒子表面に存在する無機微粒子が、シリカ微粒子、チタニア微粒子、及びアルミナ微粒子からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属酸化物微粒子を含有し、該金属酸化物微粒子中の85質量%以上がシリカ微粒子であり、
    該磁性トナーは、無機微粒子による磁性トナー粒子表面の被覆率を被覆率A(%)とし、該磁性トナー粒子表面に固着された無機微粒子による被覆率を被覆率B(%)としたときに、
    該被覆率Aが45.0%以上、70.0%以下であり、該被覆率Aの変動係数が10.0%以下であり、
    該被覆率Bの被覆率Aに対する比[被覆率B/被覆率A]が0.50以上、0.85以下であり、
    該結着樹脂がポリエステル樹脂を含有し、
    該離型剤がエステル化合物であり、
    該磁性トナーを示差走査熱量計(DSC)にて測定した際に、60℃以上、90℃以下に吸熱ピークを有することを特徴とする磁性トナー。
  2. 該エステル化合物は、炭素数が16以上、22以下である脂肪酸或いは炭素数が16以上、22以下である脂肪族アルコールのエステル化合物であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
  3. 該磁性トナーは、磁場79.6kA/mにおける、磁化の強さ(σs)が15Am/kg以上、45Am/kg以下であり、残留磁化(σr)の磁化の強さ(σs)に対する比[σr/σs]が0.03以上、0.11以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性トナー。
  4. 該磁性トナーをトルエン及びエタノールの混合溶媒に溶解させて得られる可溶分の電位差滴定装置を用いて測定される酸価が、5mgKOH/g以上、50mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  5. 該エステル化合物が、モノ官能エステル化合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁性トナー。
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