JP3748510B2 - 乾式トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法などを利用した記録方法に用いられる乾式トナー(以下、トナーと称す)に関するものである。詳しくは、複写機、プリンター、ファクシミリ、プロッター等に利用し得る画像記録装置に用いられるトナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては、米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報等に種々の方法が提案されている。静電荷像を現像する方法は、乾式現像法と湿式現像法とがある。また、乾式現像法は、二成分現像剤を用いる方法と一成分現像剤を用いる方法とに分けられる。乾式現像法に適用するトナーは、一般に、主成分として、結着樹脂、着色剤及びワックス類を含有してなる着色樹脂微粒子であり、通常、その粒子径は個数平均粒径で6〜15μm程度である。このような着色樹脂微粒子からなるトナーの製造方法としては、結着樹脂、染顔料及び/又は磁性体の如き着色剤、ワックス類等を溶融混練し、混練物を冷却後、粉砕し、更に粉砕物を分級してトナー粒子を得る、所謂、粉砕法による製造が一般的である。
【0003】
このような方法によって製造されるトナーは、現像される静電荷像の帯電極性に応じて、正又は負の電荷を有するように構成する必要がある。トナーに電荷を保有せしめるためには、トナーの主成分である結着樹脂の摩擦帯電性を利用することもできるが、これだけではトナーの帯電性は低いものになる。そこで、所望の摩擦帯電性をトナーに付与するために、荷電制御剤をトナー中に添加することが行われている。このような荷電制御剤を含有するトナーは、比較的高い摩擦帯電量を示す場合があるものの、一般に、高湿下においては摩擦帯電量の低下がみられ、一方、低湿下においてはトナーの帯電速度の低下がみられる。
【0004】
この原因の一つとして、トナー中及びトナー表面に含有されている荷電制御剤付近での水分の吸着が考えられる。即ち、高湿下では、荷電制御剤への吸着水量が増大するため摩擦帯電量が低下し、低湿下では、荷電制御剤中の吸着水量が減少するため抵抗が高くなり、帯電速度が低下するものと考えられる。
【0005】
今日、当該技術分野で知られている荷電制御剤としては、負帯電性のものとして、モノアゾ染料の金属錯塩、サリチル酸の金属錯塩、ナフトエ酸の金属錯塩、ジカルボン酸の金属錯塩、銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
【0006】
上記の荷電制御剤の多くは、電荷付与能力としては十分に高いものが多いが、制御性に乏しいため、使用し得る結着樹脂や他の材料に制限があった。
【0007】
一方、特開昭63−33755号公報、特開平2−190869号公報、特開平2−230163号公報及び特開平4−347863号公報では、サリチル酸やその誘導体によりトナーの荷電制御を行う方法が開示されている。しかしながら、サリチル酸は、温度や湿度、更にはトナーの長期放置に対して荷電制御能力が大きく変動する傾向を有する。また、昇華性を有するため、トナー製造時に著しい制約を受ける。一方、前記サリチル酸誘導体は結着樹脂に対する分散性が良好であるため、トナーと接触する部材等への汚染の低減が可能であり、画像形成装置とのマッチングがある程度改善されるが、効率良く荷電制御能力を発揮するには添加量を増やす必要があった。
【0008】
これに対して、トナー粒子中の荷電制御剤の分散状態を改善する方法もが提案されている。特開昭61−238846号公報や特開平5−1344437号公報では、荷電制御剤をトナー表面に析出させる方法が開示されている。しかし、この方法では、トナー表面から荷電制御剤が脱離するために、トナーの耐久性や画像形成装置とのマッチングに問題を生じる。
【0009】
また、特開平3−84558号公報では、球状粒子を製造した後、該球状粒子を荷電制御用染料を溶解もしくは分散させた有機溶剤中に浸漬した後、不要分を洗い落としながら、粒子表面の染料濃度を所定の範囲に調整したトナーと該トナーの製造方法が開示されている。しかし、この方法では、トナー表面の荷電制御用染料の付着状態のコントロールが極めて不安定であり、画像形成装置とのマッチングに問題を生じる。また、荷電制御用染料を溶解もしくは分散させた有機溶剤を調製したり、余分な荷電制御用染料を洗い落とす必要があるため、製造工程の複雑化とコスト面での不都合を生じている。また、染料を用いているため、カラー用トナーに用いることが困難である。
【0010】
他方、特開昭63−184762号公報では、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸を構成モノマーとして有する荷電制御樹脂を含有するトナー、また、特開平8−123096号公報では、該荷電制御樹脂と特定のモノアゾ染料のFe錯塩を併用し、且つ該モノアゾ染料のFe錯塩のトナー中の存在比を規定したトナーに関する技術が開示されている。しかしながら、該荷電制御樹脂は結着樹脂に対する分散性が良好であるため、前者の場合には効率良く荷電制御能力を発揮するには添加量を増やす必要を生じた。また、後者の場合、該モノアゾ染料のFe錯塩のトナー中の存在比を規定することにより画像形成装置とのマッチングがある程度改善されるが、トナーの帯電性自身については使用環境の影響に対して改善の余地があるばかりか、有彩色の荷電制御剤を用いることを必須としているため、カラー用トナーへの適応を非常に困難なものとしている。
【0011】
ところで、近年、電子写真画像の更なる高画質化や高解像度化の要求に伴って、トナーの小粒径化や高機能化が求められるなか、重合法によるトナーの製造方法が注目されている。重合法によるトナーの製造方法としては、例えば、特公昭36−10231号公報、特公昭51−14895号公報、特開昭53−17735号公報等で懸濁重合法によるトナーの製造方法が開示されている。上記の方法では、結着樹脂の原材料である重合性単量体中に着色剤、更に必要に応じて、重合開始剤、分散剤、架橋剤、荷電制御剤、離型剤、極性樹脂、その他の添加剤を溶解もしくは分散せしめて重合性単量体組成物を調製し、得られた重合性単量体組成物を予め調製しておいた分散安定剤を含有する水系分散媒体に投入し、撹拌装置の使用により微粒子状の粒子を造粒し、その後、この造粒粒子中の重合性単量体を重合させて粒子を固化し、濾過、洗浄、乾燥を施して所望の粒径と組成を有するトナー粒子を得ている。
【0012】
上記の重合法を利用したトナーの製造方法では、特性に優れた小粒径のトナーが容易に得られるばかりではなく、粉砕法によりトナーを製造した場合と異なり、混練や粉砕といった工程が不要であるため、製造に要するエネルギーの節約、製造時間の短縮、工程収率の向上等、コスト削減効果が大きい。
【0013】
しかしながら、水系分散媒体中に形成した造粒粒子中の重合性単量体を重合させる上記の製造方法では、造粒粒子と水系分散媒体との接触面積が大きいので、造粒粒子中から極性基を多く含有するトナーの構成材料が水系分散媒体中に溶出し、効果的にトナー粒子中に含有させることが困難になる場合があった。
【0014】
本発明者らの検討によれば、サリチル酸の如き芳香族オキシカルボン酸を含有するトナーを上記の如き懸濁重合法によって製造した場合、芳香族オキシカルボン酸の水系分散媒体中への溶出が著しく、これらの化合物をトナー粒子中に効率よく含有させることが困難であったり、トナー表面に析出し易いため、トナーの帯電性が不均一になったり、温度や湿度の影響を受けて大きく変動する等の問題を生じたり、更には、トナー担持体等を汚染するといった画像形成装置とのマッチングにも問題を生じることがわかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、係る従来技術の問題点を解決した乾式トナーを提供することにある。
【0016】
即ち、本発明の目的は、環境安定性や帯電特性に優れ、高画質な画像を長期にわたって安定して実現し、且つ、電子写真プロセスに高度に適用を可能とする優れた特性の乾式トナーを提供することにある。
【0017】
本発明の目的は、色再現性に優れたフルカラー用の乾式トナーを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックス成分、オキシカルボン酸、及びスルホン酸基を有する重合体を含有するトナー粒子を有する乾式トナーにおいて、
該トナー粒子1g中からメタノールによって抽出されるオキシカルボン酸の質量A(mg)と0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液によって抽出されるオキシカルボン酸の質量B(mg)が、
A/B=1.05〜3.00
B=0.10〜3.50
を満足することを特徴とする乾式トナーに関する。
【0019】
本発明者らは、上記に鑑み、トナーの製造条件を精密に制御することにより、トナー中にスルホン酸基を有する重合体を含有させ、且つオキシカルボン酸の含有量と存在状態を特定することにより、極めて良好な帯電特性を有するトナーを得ることを知見し、上記構成の本発明を完成するに至った。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。
【0021】
本発明の乾式トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックス成分、オキシカルボン酸、及びスルホン酸基を有する重合体を含有するトナー粒子を有し、該トナー粒子1g中からメタノールによって抽出されるオキシカルボン酸の質量をA(mg)、0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液によって抽出されるオキシカルボン酸の質量をB(mg)としたとき、
A/B=1.05〜3.00
B=0.10〜3.50
の関係を満足することによって、摩擦帯電量や帯電速度を制御し、トナーに望ましい帯電特性を与えることが可能となる。
【0022】
本発明者らは、鋭意検討の結果、上記の如きトナー中にスルホン酸基を有する重合体を含有させ、且つオキシカルボン酸の含有状態を特定したトナーを用いることによって、高解像度で高精細の画像形成がなされると共に、多数枚のプリントアウト時だけでなく、トナーを長期放置した後に再度使用を開始するような過酷な使用条件下においても画像劣化の発生を軽減し、更には、多数回の転写を行うフルカラーの画像形成にも非常に有効であることを見出した。
【0023】
本発明者らの知見によれば、トナー粒子中に、スルホン酸基を有する重合体とオキシカルボン酸を共存させることによってトナーの帯電特性が著しく改善される。これらの理由については必ずしも明らかではないが、トナー粒子中でスルホン酸基を有する重合体がオキシカルボン酸を望ましい状態に固定化しているため、それら自身が元来有している荷電制御能力を大幅に改善することができたものだと考えている。更に、本発明に係るオキシカルボン酸は、トナー粒子に逆電荷を保持しにくくしていることに加えて、トナー粒子中への含有状態を特定したことにより、迅速で均一な帯電特性を付与することが可能となり、帯電極性制御及び帯電量制御がより確実に、且つ均一になされる。また、トナー粒子中にスルホン酸基を有する重合体を共存させることによって、摩擦帯電に対しても使用環境の影響を受けることなく迅速に電荷付与の授受が行われるので、各々のトナー粒子は迅速に帯電することが可能ともなる。従って、例えば高温高湿環境下に長期にわたって放置した場合においても、画像劣化の程度を著しく軽減し、更にはフルカラー用の電子写真プロセスに高度に適応することが可能となった。
【0024】
本発明に用いられるスルホン酸基を有する重合体としては、側鎖にスルホン酸基を有する高分子型化合物等が挙げられ、特にスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド系モノマーを共重合比で2質量%以上、好ましくは5質量%以上含有し、且つガラス転移温度(Tg)が40〜90℃のスチレン及び/又はスチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体からなる高分子型化合物を用いた場合、オキシカルボン酸との相乗効果が一層良好なものとなるので好ましい。
【0025】
上記のスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド系モノマーとしては、下記一般式(1)で表せるものが好ましく、具体的には、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン酸や2−メタクリルアミド−2−メチルプロパン酸等が挙げられる。
【0026】
【化1】
Figure 0003748510
[上記一般式(1)中、R1は水素原子、又はメチル基を示し、R1とR3は、それぞれ水素原子、C1〜C10のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアルコキシ基を示し、nは1〜10の整数を示す。]
【0027】
本発明に係るスルホン酸基を有する重合体は、トナー粒子中に結着樹脂100質量部に対して2〜10質量部含有させることにより、オキシカルボン酸との併用によって、トナーの帯電状態を一層良好なものとすることができる。
【0028】
本発明に係るスルホン酸基を含有する重合体は、トナー製造時にアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有する無機化合物を添加することによって、スルホン酸基の部分に塩構造が形成されるので、特に上記の如きスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド系モノマーを用いた高分子型化合物の場合、分子内でのスルホベタイン構造の生成を抑制することによって、水和を防止しながらオキシカルボン酸との相互作用を確保することができるので、環境変動に対するトナーの帯電性が一層良好なものとなる。特に、懸濁重合法によってトナーを製造する際、後述するようなアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有する分散安定剤を用いると、スルホン酸基との塩構造を容易に形成することができるので好ましい。
【0029】
上記の如きスルボン酸基と塩構造を形成し得るアルカリ金属、もしくはアルカリ土類金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム等が挙げられ、中でもカルシウムが好ましい。
【0030】
上記の如きスルホン酸基と塩構造を形成し得るアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の含有量は、トナー粒子の質量基準で100〜20000ppmであることが好ましく、より好ましくは1000〜10000ppmで、特に好ましくは2000〜7500ppmである。
【0031】
アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の含有量が100ppm未満の場合には添加効果が発現されず、また、20000ppmを超える場合には該アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属が関与する複塩や錯塩の存在量が過剰となるため、トナーの帯電性に悪影響を及ぼしたり、定着性や画像形成装置とのマッチングに問題を生じるようになり好ましくない。
【0032】
本発明において、トナー中のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の定量には、蛍光X線分析やプラズマ発光分析(ICP)等の公知の分析方法を用いることができる。分析方法の一例としては、蛍光X線分析装置「SYSTEM3080」(理学電機工業(株)社製)を使用し、「JIS K0119」に記載されている蛍光X線分析通則により、トナー中のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を定量する方法が挙げられる。
【0033】
ところで、本発明において、トナー1g中からメタノールによって抽出されるオキシカルボン酸の質量A(以下「オキシカルボン酸量A」と称す)は、トナー粒子の表面及びメタノールの浸透可能な表面層部分(表面近傍)に存在するオキシカルボン酸の存在量(mg)であり、また、トナー1g中から0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液によって抽出されるオキシカルボン酸の質量B(以下「オキシカルボン酸量B」と称す)は、トナー粒子の表面に存在するオキシカルボン酸の存在量(mg)であって、本発明者らはこれらの各々がトナーの帯電量と帯電速度を支配しているものと考えている。特にトナー担持体より磁気的な拘束力を受けない非磁性トナーの場合であっても、良好な摩擦帯電が付与されるので、優れたトナーの薄層形成が可能となり、高解像度で高精細な画像形成を行うことができる。
【0034】
即ち、トナー1g中からメタノールによって抽出されるオキシカルボン酸量Aと0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液によって抽出されるオキシカルボン酸量Bの比であるA/Bの値を1.05〜3.00とすることにより、トナー表面に存在するオキシカルボン酸の吸湿による帯電抑制効果と、表面近傍に存在するオキシカルボン酸の帯電付与効果によって、トナー粒子に適度な帯電量を付与することができる。
【0035】
また、オキシカルボン酸量Bを0.10〜3.50mgとすることにより、トナーの帯電速度が良好な状態となる。
【0036】
つまり、A/Bの値が1.05未満の場合、高温高湿下において、トナー表面に存在するオキシカルボン酸の吸湿効果が表面近傍のオキシカルボン酸の帯電付与効果よりも強く働き、トナーの帯電性が低下する。また、A/Bの値が3.00を超える場合、低温低湿環境において、トナー表面のオキシカルボン酸の帯電能力よりもトナー表面近傍の抵抗が強く働き、帯電速度の低下を生じる。
【0037】
また、オキシカルボン酸量Bの値が0.10mg未満の場合、トナーに十分な帯電性を保持することができず、3.50mgを超える場合には、高温高湿環境に放置した際にオキシカルボン酸の吸湿効果により、帯電性が大きく低下する。
【0038】
本発明において、トナー1g中からメタノールによって抽出されるオキシカルボン酸量Aと0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液によって抽出されるオキシカルボン酸量Bは、以下の方法によって測定される。
【0039】
即ち、メタノールと分散剤としてコンタミノン0.04gを加えた0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を別々の容器に50ml用意し、各々の中にトナー1gを秤量して加え、スターラーを用いて50rpmで撹拌し、均一に分散させる。3時間分散処理を行った後、メンブランフィルター(ポアサイズ:0.45μm)を用いて濾過し、得られた濾液の吸光度を測定する。得られた結果から所定の検量線を用いることによって、トナー1g中からメタノールによって抽出されるオキシカルボン酸の質量A(mg)と0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液によって抽出されるオキシカルボン酸の質量B(mg)を求めることができる。
【0040】
本発明に係るオキシカルボン酸としては、公知のものを用いることが可能であるが、帯電付与能力の観点から下記一般式(2)や(3)で示される化合物が好ましく用いられる。
【0041】
【化2】
Figure 0003748510
[上記式(2)中、(A)は下記の群より選ばれ、X1は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム又は脂肪族アンモニウムを示す。]
【0042】
【化3】
Figure 0003748510
【0043】
【化4】
Figure 0003748510
[上記式(3)中、X2は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム、又は脂肪族アンモニウムを示し、R4は、C1〜C22のアルキル基又はアルケニル基、アリール基を示し、R5は、水素原子、C1〜C22のアルキル基又はアルケニル基、アリール基、アルコキシ基を示す。]
【0044】
上記一般式(2)や式(3)で示されるオキシカルボン酸の中でも、本発明に好ましく用いられるものとしては、芳香族環を有するオキシカルボン酸であり、モノアルキル芳香族オキシカルボン酸、又はジアルキル芳香族オキシカルボン酸が挙げられる。特に、サリチル酸、ジtert−ブチルサリチル酸や5−tert−オクチルサリチル酸に代表されるアルキルサリチル酸、ヒドロキシナフトエ酸、ベンジル酸等はトナー表面への固定化が容易であるため、本発明に好ましく用いられる。
【0045】
以下に代表的な具体化合物例を列挙する。
【0046】
【化5】
Figure 0003748510
【0047】
【化6】
Figure 0003748510
【0048】
【化7】
Figure 0003748510
【0049】
【化8】
Figure 0003748510
【0050】
【化9】
Figure 0003748510
【0051】
本発明のトナーは、フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.040未満となるようにトナーの粒子形状を精密に制御することにより、上記の如きオキシカルボン酸の効果を良好に発現させ、現像性と転写性をバランス良く改善することができる。
【0052】
即ち、トナーの円相当個数平均径D1(μm)を2〜10μm、より好ましくは3〜6μmと小粒径化することにより、画像の輪郭部分、特に文字画像やラインパターンの現像での再現性が良好なものとなる。
【0053】
一般にトナー粒子を小粒径化すると必然的に微小粒子のトナーの存在率が高くなるため、トナーを均一に帯電させることが困難となり画像カブリを生じるばかりか、画像形成装置とのマッチングにも支障を招いていた。
【0054】
しかしながら、本発明に係るトナーは、トナー粒子の円形度頻度分布の平均円形度を0.920〜0.995、好ましくは0.950〜0.995、より好ましくは0.970〜0.990とすることにより、従来では困難であった小粒径を呈するトナーの転写性が大幅に改善されると共に低電位潜像に対する現像能力が格段に向上する。特に上記の如き傾向は、デジタル方式の微小スポット潜像を現像する場合や中間転写体を用い多数回の転写を行うフルカラーの画像形成の際に非常に有効で、画像形成装置とのマッチングも良好なものとなる。
【0055】
更に、本発明のトナーは、トナー粒子の円形度頻度分布の円形度標準偏差を0.040未満、好ましくは0.035未満、より好ましくは0.015以上0.030未満とすることにより、トナー担持体上にトナーの薄層を形成する際に、トナー帯電量を適切なものとすることが可能となり、前述の如き問題を大幅に改善することができる。
【0056】
また、円形度頻度分布において、円形度が0.950未満のトナー粒子を15個数%以下とすることによって、トナー担持体上へトナーの薄層形成状態が一層改善されるので、画像形成も良好なものとなる。
【0057】
ところで、一般に上記のような特定の粒度分布や形状分布を呈するトナーを用いた場合、トナー担持体の表面にトナーの薄層を形成する際にトナー粒子のすり抜け現象を生じ、特に高温高湿環境に長期放置した後に再度使用を開始するような過酷な使用条件下において度々著しい画像劣化を引き起こすことがある。しかしながら本発明のトナーにおいては、トナー中にスルホン酸基を有する重合体を含有させ、且つオキシカルボン酸の含有状態を特定することによって、トナーへの電荷付与を迅速に、しかも均一に行うことができるので上記の如き画像劣化を軽減することができる。
【0058】
本発明におけるトナーの円相当径、円形度及びそれらの頻度分布とは、トナー粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではフロー式粒子像測定装置「FPIA−1000型」(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出した。
【0059】
【数1】
Figure 0003748510
【0060】
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。
【0061】
本発明における円形度はトナーの凹凸の度合いを示す指標であり、トナーが完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
【0062】
本発明において、トナーの個数基準の粒径頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径D1(μm)と粒径標準偏差SDdは、粒度分布の分割点iでの粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると次式から算出される。
【0063】
【数2】
Figure 0003748510
【0064】
Figure 0003748510
【0065】
【数3】
Figure 0003748510
【0066】
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02gを加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「UH−50型」(エスエムテー社製)に振動子として5φのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を用い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。
【0067】
トナーの形状測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、トナーの円相当径や円形度頻度分布等を求める。
【0068】
本発明に係るワックス成分は、透過電子顕微鏡(TEM)を用いたトナーの断層面観察において、
(1)フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重量基準の円相当重量平均径D4(μm)に対し、0.9≦R/D4≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈するトナー粒子の断層面を20箇所選び出し、
(2)選び出したトナー粒子の断層面中に存在するワックス成分に起因する相分離構造のうち、最も大きいものの長径rをそれぞれ計測し、
(3)求められたr/Rの相加平均値(r/R)stが、0.05≦(r/R)st≦0.95を満たすように、該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されている
ことが好ましい。
【0069】
上記のr/Rの相加平均値(r/R)stが、0.05≦(r/R)st≦0.95を満たす様にワックス成分を分散させることにより、スルホン酸基を含有する重合体やオキシカルボン酸を効率良くトナー粒子の表面近傍に局在化させることができるので、トナーの帯電性の安定化に寄与し、これらをトナー粒子表面近傍に固定化した効果を持続させることが可能となると共に、両者間の相互作用を高めることができる。また、ワックス成分をトナー粒子中に内包化させることで、トナー表面の劣化や画像形成装置への汚染等を防止することができる。
【0070】
更に、r/Rの相加平均値(r/R)stが、0.25≦(r/R)st≦0.90を満たす分散状態にある場合、良好な帯電性が維持され、ドット再現に優れたトナー画像を長期にわたって形成し得ることが可能となるので好ましい。
【0071】
尚、本発明に係るトナーは、上記の如くトナーの粒子形状を制御することによりトナーの比表面積は減少していくので、トナー粒子中のオキシカルボン酸の含有状態やワックス成分の含有状態を特定する効果が著しいものとなる。
【0072】
トナー粒子の断層面を観察する方法としては、用いるワックス成分と外殻を構成する結着樹脂との結晶相と非晶相の微細構造の相違を利用して、重金属により一方の成分の電子密度を高めて材料間のコントラストを付ける電子染色法を用いることが好ましい。具体的には、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分に分散させた後、40℃の雰囲気温度の中で2日間硬化させ、得られた硬化物を四酸化ルテニウム(RuO4)、また、必要により四酸化オスミウム(OsO4)を併用して電子染色を施した後、ダイヤモンドナイフを備えたウルトラミクロトームを用いて薄片状のサンプルを切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてトナーの断面層形態を観察する。
【0073】
代表的な一例を図1の(a)と(b)に示す。後述の実施例で得られたトナー粒子は、ワックス成分が結着樹脂で内包化されていることが観察された。
【0074】
本発明に用いられるワックス成分としては、「ASTM D3418−82」に準じて測定されたDSC曲線における主体吸熱ピーク温度(融点)が30〜120℃、より好ましくは40〜90℃の範囲にある化合物が好ましい。
【0075】
上記の如き熱特性を呈するワックス成分を用いることにより、得られるトナーの良好な定着性はもとより、該ワックス成分による離型効果が効率良く発現され、十分な定着領域が確保されると共に、従来から知られるワックス成分による現像性、耐ブロッキング性や画像形成装置への悪影響を排除することができる。特に、トナーの粒子形状が球形化するに従い、トナーの比表面積は減少していくので、ワックス成分の熱特性と分散状態を制御することは非常に効果的なものとなる。
【0076】
ワックス成分の主体吸熱ピーク温度(融点)の測定には、例えば「DSC−7」(パーキンエルマー社製)を用いる。装置検出部の温度補正にはイリジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはイリジウムの融解熱を用いる。測定に際しては、測定サンプルをアルミニウム製パンに入れたものと、対照用にアルミニウム製パンのみのもの(空パン)をセットし、20〜180℃の測定領域を昇温速度10℃/minで昇温した時に得られるDSC曲線から主体吸熱ピーク温度(融点)が求められる。なお、ワックス成分のみを測定する場合には、測定時と同一条件で昇温−降温を行って前履歴を取り除いた後に測定を開始する。また、トナー中に含まれた状態のワックス成分を測定する場合には、前履歴を取り除く操作を行わず、そのままの状態で測定を行なう。
【0077】
本発明において使用し得るワックス成分としては、具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス及びそれらの誘導体等が挙げられ、誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も含まれる。また、高級脂肪族アルコール等のアルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸或いはその化合物;酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックスが挙げられる。これらは単独、もしくは併用して用いることができる。
【0078】
これらの中でも、ポリオレフィン、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス、石油系ワックス、高級アルコール、もしくは、高級エステルを使用した場合に、現像性や転写性の改善効果が更に高くなる。なお、これらのワックス成分には、トナーの帯電性に影響を与えない範囲で酸化防止剤が添加されていてもよい。
【0079】
これらのワックス成分は、結着樹脂100質量部に対して1〜30質量部使用するのが好ましい。
【0080】
本発明に用いられるトナーの結着樹脂としては、一般的に用いられているスチレン−(メタ)アクリル共重合体,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる。重合法により直接トナー粒子を得る方法においては、それらを形成するための単量体が用いられる。具体的にはスチレン;o−(m−,p−)メチルスチレン,m−(p−)エチルスチレンの如きスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン,イソプレン,シクロヘキセン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸アミドの如きエン系単量体が好ましく用いられる。これらは、単独、または、一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−P139〜192(John Wiley&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40〜75℃を示すように単量体を適宜混合して用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合にはトナーの保存安定性や耐久安定性の面から問題が生じやすく、一方75℃を超える場合はトナーの定着点の上昇をもたらす。
【0081】
さらに、本発明においては、トナー粒子の機械的強度を高めるために結着樹脂の合成時に架橋剤を用いることが好ましい。
【0082】
本発明のトナーに用いられる架橋剤としては、2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、 ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び上記のジアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
【0083】
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ、ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルトリメリテートが挙げられる。
【0084】
これらの架橋剤は、他のビニル系単量体100質量部に対して、好ましくは0.05〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部であることが良い。
【0085】
本発明において、上述の結着樹脂と共にポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂等の極性を有する樹脂(以下、「極性樹脂」と称す)を併用することができる。トナー中に極性樹脂を添加することによって、トナー中のスルホン酸基を有する重合体やオキシカルボン酸の含有状態を上述の如き特定の状態に制御することが容易となる。
【0086】
例えば、後述する懸濁重合法等により直接トナーを製造する場合には、分散工程から重合工程に至る重合反応時に上記の如き極性樹脂を添加すると、トナー粒子となる重合性単量体組成物と水系分散媒体の呈する極性のバランスに応じて、添加した極性樹脂がトナー粒子の表面に薄層を形成したり、トナー粒子表面から中心に向け傾斜性をもって存在するように制御することができる。この時、スルホン酸基を有する重合体と相互作用を有するような極性樹脂を用いることによって、トナー中へのスルホン酸基を有する重合体やオキシカルボン酸の存在状態を望ましい形態にすることが可能である。特に酸価が1〜20mgKOH/gを呈する極性樹脂を用いるとスルホン酸基を有する重合体やオキシカルボン酸の存在状態を制御することが容易となる。
【0087】
上記極性樹脂の添加量は、結着樹脂100質量部に対して1〜25質量部使用するのが好ましく、より好ましくは2〜15質量部である。1質量部未満ではトナー粒子中での極性樹脂の存在状態が不均一となり、逆に25質量部を超えるとトナー粒子表面に形成される極性樹脂の薄層が厚くなるため、何れの場合もスルホン酸基を有する重合体やオキシカルボン酸の含有状態を制御するのが困難になり、その機能を十分に発現することができない。
【0088】
係る極性樹脂として用いられる代表的なポリエステル樹脂の組成は以下の通りである。
【0089】
ポリエステル樹脂のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記(ア)式で表わされるビスフェノール誘導体及び下記(イ)式で示されるジオール類が挙げられる。
【0090】
【化10】
Figure 0003748510
【0091】
【化11】
Figure 0003748510
【0092】
また、極性樹脂として反応性ポリエステル樹脂やポリカーボネート系樹脂を用いることも本発明の好ましい実施形態である。これらの極性樹脂を用いるとトナーの帯電特性が向上し、画像カブリや飛び散りが改善されると共に、ドット再現性に優れる高品位な画像を得ることができる。また、トナー粒子に適度な機械的強度を付与することが可能となり、画像形成装置から受けるトナー劣化の影響を最小限にとどめ、多数枚プリントアウトに対する耐久性や後述する画像形成装置とのマッチングも向上する。更には、前述の如きトナーの形状分布を達成するためのトナーの球形化処理や重合法によってトナーを直接製造する際の乾燥処理等のトナー製造工程から受ける影響を最小限とすることができる。また、極性樹脂は2種類以上を組み合わせて用いることも可能で、それ自身の有する帯電性を利用することもできる。
【0093】
本発明に係る反応性ポリエステル樹脂とは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、マレイン酸、コハク酸、セバシン酸、チオジグリコール酸、ジグリコール酸、マロン酸、グルタン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、しょうのう酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸等の多塩基酸と;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類とを縮合重合したものであって、得られた縮合重合体の主鎖又は側鎖に反応性基を有するものである。反応性基とは、カルボン酸(又はその塩)、スルホン酸(又はその塩)、エチレンイミノ酸、エポキシ基、イソシアネート基、二重結合、酸無水物、ハロゲン原子等様々なものが例示でき、この反応性ポリエステル樹脂をお互いに反応させて、あるいは多官能性の架橋剤(例えば多価アルコール、多塩基酸など)と反応させて、さらに反応性ポリエステルとビニル系単量体を反応(例えばエステル化、共重合など)させてTHF不溶分を得ることができる。例えば重合法によりトナーを得る場合には、反応性ポリエステル樹脂として不飽和ポリエステル樹脂を用い、これとビニル系単量体(必要に応じてジビニルベンゼン等の架橋剤も含む)を共重合する。この場合には、極性を有する不飽和ポリエステル樹脂は、重合の進行と共にトナー表面付近に移行し、トナー粒子の表面に薄層を形成するため、耐ブロッキング性や耐オフセット性が特に優れたトナーを得ることが可能である。
【0094】
本発明で使用できる反応性ポリエステル樹脂は、前述の如き反応性基を含有していればどんなものでも使用可能であるが、あまり分子量が低すぎると架橋反応にあずからないポリエステル樹脂がトナー表面に存在してしまうことがあり、耐ブロッキング性が低下することがある。また、あまり高分子量であると、例えば重合法によりトナーを得る場合には、ビニル系単量体への該反応性ポリエステル樹脂の溶解が困難となるため、製造が困難となる。従って、反応性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、3,000〜100,000程度が特に性能の優れたトナーを得るのに好適である。
【0095】
一方、本発明に係るポリカーボネート系樹脂としては、下記一般式(I)で示される繰り返し単位を分子構造中に有するポリカーボネート系樹脂が好ましく用いられる。
【0096】
【化12】
Figure 0003748510
〔式中、Rは有機基を示す。〕
【0097】
上記一般式(I)は様々な構造のものがあるが、例えば2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法又は溶融法で反応せしめて製造されるあらゆる公知のポリカーボネートを使用することができ、一例を挙げれば下記一般式(II)
【0098】
【化13】
Figure 0003748510
〔式中、R2は、水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族置換基であり、このR2が複数の場合、それらは同一であってもよいし、異なっていてもよく、mは、0〜4の数である。Zは、単結合、脂肪族炭化水素基、芳香族置換基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、−CO−結合で表わされる結合などを示す。〕
で表わされる構造の繰返し単位を有する重合体などが挙げられる。
【0099】
このポリカーボネート樹脂は、様々なものを充当することができるが、通常は一般式(III)〜(V)
【0100】
【化14】
Figure 0003748510
【0101】
【化15】
Figure 0003748510
【0102】
【化16】
Figure 0003748510
〔式中、R2、m及びZは、前記と同じである。〕
で表わされる二価フェノールとホスゲンまたは炭酸エステル化合物などのカーボネート前駆体とを反応させることによって容易に製造することができる。すなわち、例えば、塩化メチレンなどの溶媒中において、公知の酸受容体や分子量調節剤の存在下、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前駆体との反応により、あるいは二価フェノールとジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体とのエステル交換反応によって製造される。
【0103】
上記一般式(III)〜(V)で表わされる二価フェノールとしては様々なものがあり、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔通称:ビスフェノールA〕をはじめ、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)−(4−イソプロピルフェニル)メタン;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1−ナフチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;2−メチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1−エチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン;4−メチル−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン;4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン;1,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカンなどのジヒドロキシアリールアルカン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのジヒドロキシアリールスルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン;3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのジヒドロキシアリールケトン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニルスルフィド;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィドなどのジヒドロキシアリールスルフィド類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドなどのジヒドロキシアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒロキシジフェニルなどのジヒドロキシジフェニル類、ヒドロキノン;ゾルシノール;メチルヒドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1,5−ジヒドロキシナフタレン;2,6−ジヒドロキシナフタレンなどのジヒドロキシナフタレン類などが挙げられる。これらの二価フェノールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0104】
また、炭酸エステル化合物としては、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネートやジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネートが挙げられる。
【0105】
そして、本発明で使用されるポリカーボネート系樹脂は、これらの二価フェノールの1種を用いたホモポリマーであってもよく、また2種以上を用いたコポリマーであってもよく、もしくはブレンド物であってもよい。さらに、多官能性芳香族化合物を上記二価フェノール及び/又はカーボネート前駆体と反応させて得られる熱可塑性ランダム分岐ポリカーボネート樹脂であってもよい。
【0106】
また、ポリカーボネート系樹脂のガラス転移温度や粘弾性を調節するために、二価フェノールの一部をエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、水素添加ビスフェノールAおよびその誘導体、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール等に置き換えた形の変性ポリカーボネート系樹脂も好適に使用される。この場合、単純に二価フェノール類の一部と置き換えて前記した方法により製造することも可能であるが、他の製造方法の一例として、二価フェノールと脂肪族あるいは芳香族のビスクロロホルメートとをピリジンを触媒としてメチレンクロライド溶媒中で反応させる方法などが例示されるが、もちろんその他の製造方法による合成も可能である。
【0107】
さらに、本発明においてはポリカーボネート系樹脂として、上述したポリカーボネートとポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリスルホン、ポリシアノアリールエーテル、ポリアリーレンスルフィドなどとのブロック共重合体やアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、スチレン系モノマー等をグラフトしたグラフト変性共重合体の使用も可能である。
【0108】
本発明において用いられるポリカーボネート系樹脂の分子量は特に制限されないが、GPCにおいて測定したピーク分子量が1000〜500000の範囲にあるものが好ましく、さらに好ましくは2000〜100000である。ピーク分子量が1000よりも低いと帯電特性に悪影響がでる場合があり、500000よりも高いと溶融粘度が高くなりすぎ、定着性に問題を生じる場合がある。また、本発明において使用されるポリカーボネート系樹脂を製造するに際し、適当な分子量調節剤、粘弾性改善のための分岐剤、反応を促進するための触媒等必要に応じて使用することができる。
【0109】
また、上記の如き極性樹脂はそれぞれ一種類の重合体に限定されるわけではなく、例えば反応性ポリエステル樹脂を同時に二種類以上用いることや、ビニル系重合体を二種類以上用いることが可能であり、さらに全く種類の異なる重合体、例えば反応性の無いポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアルキルビニルエーテル、ポリアルキルビニルケトン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリルエステル、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン等様々な重合体を必要に応じてバインダー樹脂に添加することができる。
【0110】
一般に、上記の如き極性樹脂によってトナー粒子の表面上に形成された薄層は、前記の如き透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断層面観察において、四酸化ルテニウム(RuO4)及び/又は四酸化オスミウム(OsO4)による電子染色法によって識別される。この時、トナー粒子の表面上に形成された薄層のトナー内部方向には結着樹脂とワックス成分が存在し、該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されている様子が同時に観察される。代表的な例を図1の(c)及び(d)に示す。なお、図1の(c)の如く、薄層がトナー粒子の表面を実質的に均一に覆っている状態を連続層と定義し、図1の(d)の如く、薄層がトナー粒子の表面を部分的に覆っている状態を不連続層と定義する。
【0111】
本発明に用いられる着色剤は、以下に示すイエロー着色剤,マゼンタ着色剤及びシアン着色剤が挙げられ、黒色着色剤としてカーボンブラック,磁性体または以下に示すイエロー着色剤/マゼンタ着色剤/シアン着色剤を混合して黒色に調色されたものが利用される。
【0112】
本発明に用いられるカーボンブラックは、窒素吸着比表面積が100m2/g以下であることが好ましく、窒素吸着比表面積が100m2/gよりも大きくなるとトナー中への分散が困難となり、トナーの帯電性や着色力に問題を生じる。また、重合法によりトナーを製造する際にはモノマーの重合性にも影響を及ぼすため使用に適さない。
【0113】
カーボンブラックのBET比表面積の測定は、「ASTM D3037−78」に準じて行う。
【0114】
本発明に用いられるカーボンブラックのDBP吸油量は40〜150ml/100gであることが望ましい。
【0115】
DBP吸油量が40ml/100g未満のストラクチャーの短いカーボンブラックではトナーの帯電量が低くなりすぎ易く、150ml/100gを超えると強固な長ストラクチャーのためカーボンブラックの微細な分散が得られにくい。
【0116】
DBP吸油量の測定は、「ASTM D2414−79」に準拠して行う。
【0117】
本発明に用いられるイエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191等が好適に用いられる。
【0118】
本発明に用いられるマゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254等を用いることが特に好ましい。
【0119】
本発明に用いられるシアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適である。
【0120】
これらの着色剤は、単独又は混合して使用することができ、更には、固溶体の状態で用いることもできる。また、トナー中に含有させる着色剤の添加量としては、着色剤として磁性体を用いた場合には、結着樹脂100質量部に対して40〜150質量部使用することが好ましく、その他の着色剤を用いた場合には、重合性ビニル単量体100質量部に対して5〜20質量部使用することが好ましい。
【0121】
また、本発明においては、磁性材料を含有せしめて磁性トナーとすることもできる。この場合、磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明で使用できる磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属、或いはこれらの金属と、アルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金及びその混合物が挙げられる。
【0122】
更に、本発明において用いるこれらの磁性体としては、より好ましくは、表面改質された磁性体を用いる。特に、重合法によりトナーを製造する場合には重合阻害のない表面改質剤により疎水化処理を施したものを用いることが好ましい。このような表面改質剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤等を挙げることができる。
【0123】
更に、これらの磁性体としては、平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1〜1μmのものを用いるとよい。磁性体としては、795.8kA/m(10kエスルテッド)印加での磁気特性として、保磁力(Hc)が1.59〜23.9Am2/g(20乃至300エルステッド)、飽和磁化(σS)が50〜200Am2/g、残留磁化(σr)が2〜20Am2/gのものを用いることが好ましい。
【0124】
本発明には、トナーの帯電速度や帯電量を微調整することを目的として、前記のスルホン酸を含有する重合体やオキシカルボン酸と共に公知の荷電制御剤を併用することができる。この時、トナー粒子を直接重合法を用いる場合には、重合阻害性が無く水系分散媒体への可溶化物の無い荷電制御剤が好ましい。具体的化合物としては、ネガ系荷電制御剤としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如きカルボン酸の金属化合物;スルホン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物;ホウ素化合物;尿素化合物;ケイ素化合物;カリークスアレーン等が挙げられる。ポジ系荷電制御剤として、四級アンモニウム塩;該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物等が挙げられる。
【0125】
本発明のトナーに無機微粉体を添加することは、現像性、転写性、帯電安定性、流動性及び耐久性向上のために好ましい実施形態である。該無機微粉体としては公知のものが使用可能であるが、特にシリカ,アルミナ,チタニアあるいはその複酸化物の中から選ばれることが好ましい。更には、シリカであることがより好ましい。例えば、かかるシリカは硅素ハロゲン化物やアルコキシドの蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ及びアルコキシド,水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O,SO3 2-等の製造残渣の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム,塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。
【0126】
本発明に用いられる無機微粉体は、BET法で測定した窒素吸着比表面積が30m2/g以上、特に50〜400m2/gの範囲のものが良好な結果を与え、トナー粒子100質量部に対して0.3〜8質量部使用され、好ましくは0.5〜5質量部である。
【0127】
上記の如き比表面積が制御された無機微粉末をトナー表面近傍に存在するオキシカルボン酸と共存させることにより、トナー粒子への水分吸着量の制御がなされ、摩擦帯電量や帯電速度の制御効果が増大する。また、オキシカルボン酸によるトナー担持体等への汚染に起因する画像不良を未然に防止する。更に、トナーに適度な流動性が付与されるので、トナーの均一帯電性が相乗的に良化し、連続で多数枚プリントアウトを繰り返しても上記した優れた効果が維持される。
【0128】
窒素吸着比表面積が30m2/g未満の場合には、トナーに適度な流動性を付与することが困難であり、また、オキシカルボン酸に起因するトナー担時体の汚染への防止効果が小さくなってしまう。また、窒素吸着比表面積が400m2/gを超える場合には、連続プリントアウト時に該無機微粉末がトナー粒子表面に埋め込まれるために、トナーの流動性が低下する場合がある。
【0129】
また、無機微粉末の添加量が0.3質量部未満の場合には、添加効果が発現されず、また、8質量部を超えると、トナーの帯電性や定着性に問題を生じるだけでなく、遊離した無機微粉体により画像形成装置とのマッチングが著しく悪化する。
【0130】
また、本発明に用いられる無機微粉体は、必要に応じ、疎水化,帯電性制御等の目的でシリコーンワニス,各種変性シリコーンワニス,シリコーンオイル,各種変性シリコーンオイル,シランカップリング剤,官能基を有するシランカップリング剤,その他有機硅素化合物,有機チタン化合物等の処理剤で、あるいは、種々の処理剤で併用して処理されていることも可能であり好ましい。
【0131】
無機微粉体の窒素吸着比表面積は、比表面積測定装置「オートソーブ1」(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法により算出した。
【0132】
高い帯電量を維持し、低消費量及び高転写率を達成するためには、無機微粉体は少なくともシリコーンオイルで処理されることがさらに好ましい。
【0133】
本発明のトナーにおいては、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤;例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末などの流動性付与剤;ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の導電性付与剤、また、逆極性の有機微粒子及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0134】
本発明のトナーを製造する方法としては、結着樹脂、着色剤、ワックス成分等を加圧ニーダー等により溶融混練した後、冷却した混練物を所望のトナー粒径に微粉砕し、更に微粉砕物を分級して粒度分布を調整してトナーにする粉砕法;特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報及び特開昭59−61842号公報に記載されている懸濁重合法を用いて直接トナーを製造する方法;特公昭56−13945号公報等に記載のディスク又は多流体ノズルを用いて溶融混練物を空気中に霧化して球状トナーを製造する方法;及びソープフリー重合法に代表される乳化重合法等、公知の方法を用いることが可能であるが、重合性ビニル系単量体の重合反応時の水系分散媒体中のpHを制御しながら懸濁重合法によりスルホン酸基を有する重合体とオキシカルボン酸の含有状態を特定したトナーを製造することが好ましい。
【0135】
ところで、摩擦帯電量や帯電速度を制御する目的でトナー中に添加されるオキシカルボン酸は、親水性の官能基を多く有しているため、水系分散媒体中で重合性単量体組成物の造粒粒子を重合してトナー粒子を形成する際、オキシカルボン酸の水系媒体中への溶出を生じる。オキシカルボン酸の溶出が生じた場合、得られたトナー粒子には帯電量や帯電速度に対する改善効果が十分に発現しない。また、溶出したオキシカルボン酸は界面活性剤的挙動をとるため、重合工程でのトナー粒子の形状保持が非常に困難となり、トナーを所望の粒径分布や球形分布にコントロールすることができない。特に、オキシカルボン酸の溶出量が多い場合、トナー粒子より細かい微小粒径の粒子を副生してしまい、画像形成装置とのマッチングにも支障をきたす。
【0136】
これに対して、本発明者らは、重合性ビニル系単量体の重合転化率と水系分散媒体中のpHを制御することによって、オキシカルボン酸の溶出を防止し、オキシカルボン酸をトナーの表面近傍に良好な状態で固定化することができることを見出した。
【0137】
即ち、造粒工程から重合工程に至る重合性単量体組成物の重合反応において、重合性ビニル単量体の重合転化率が10%以上になるまで水系分散媒体中のpHを4.5〜8.5に保持する。これにより、オキシカルボン酸の溶出を防止し、トナー粒子中に内包化する。
【0138】
更に、水系分散媒体中のpHを9〜13に再調整した後、重合転化率を更に高めることにより、トナー中に内包化したオキシカルボン酸を摩擦帯電に関与できるトナー粒子の表面近傍まで引き出すと同時に、表面に存在するオキシカルボン酸をアルカリ雰囲気下で溶解除去することができる。
【0139】
以上により、オキシカルボン酸をトナー粒子の表面近傍に良好な状態で固定化することが可能となり、得られるトナーの帯電特性が非常に良好なものとなる。また、微小粒径の粒子の副生を招くことなく、トナー粒子の粒度分布と形状分布を所望のものにコントロールすることもできるので、帯電特性が相乗的に改善されるとともに画像形成装置へのマッチングを極めて良好なものとすることができる。特に、水系媒体中のpHを4.5〜6.0に保持しながら重合性ビニル単量体の重合反応を行うことによってオキシカルボン酸の内包性が更に高まるので、上記の如き改善効果が一層良好なものとなる。
【0140】
更に本発明のトナーを製造する際には、オキシカルボン酸量Aとオキシカルボン酸量Bが上記の如き関係を満足するように、水系分散媒体中のpHと水系分散媒体中のpH切り替え時の重合性単量体組成物中の重合性ビニル単量体の重合転化率が適宜調整される。
【0141】
なお、本発明において、重合性ビニル系単量体の「重合転化率」とは、前記重合性単量体組成物に用いられる重合性ビニル系単量体の総質量(W1)を基準として、未反応の重合性ビニル系単量体の総質量(W2)を定量することにより下記の式から求められる。
【0142】
【数4】
Figure 0003748510
【0143】
また、未反応の重合性ビニル系単量体は、反応容器からサンプリングした直後に、重合停止剤や冷メタノール等を採取サンプルに添加して重合反応を停止させ、・熱天秤等により加熱時の質量減少量として測定する熱重量測定(TG)を用いる方法、・ガスクロマトグラフィー(GC)を用いる方法等の公知の方法を適用することにより定量することができる。これらの中でもGCを用いる方法が有用である。
【0144】
本発明において、未反応の重合性ビニル系単量体の定量は以下の条件で行われる。
【0145】
<GCの測定条件>
装置 :GC−14A(島津製作所社製)
カラム :溶融シリカキャピラリカラム(J&W SCIENTIFC社製;サイズ…30m×0.249mm、液相…DBWAX、膜厚…0.25μm)
試料 :2.55mgのDMFを内部標準とし、100mlのアセトンを加えて内部標準品入り溶媒をつくる。次にトナー400mgを上記溶媒で10mlの溶液とする。30分間超音波振とう機にかけた後、1時間放置する。次に0.5μmのフィルターで濾過する。打ち込み試料量は4μlとする。
検出器 :FID(スプリット比…1:20)
キャリアガス:N2ガス
オーブン温度:70℃→220℃(70℃で2分待機後、5℃/分の割合で昇温する)
注入口温度 :200℃
検出器温度 :200℃
検量線の作成:サンプル溶液と同様のDMF、アセトン溶液に対象となる重合性ビニル系単量体を加えた標準サンプルについて同様にガスクロマトグラフ測定し、重合性ビニル系単量体と内部標準品DMFの質量比/面積比を求める。
【0146】
本発明のトナーの製造において、水系分散媒体を調製する場合に使用する分散剤としては、公知の無機系及び有機系の分散剤を用いることができる。具体的には、無機系の分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。また、有機系の分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等を用いることができる。
【0147】
また、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等を用いることができる。
【0148】
本発明のトナーの製造においては、特に無機系の難水溶性の分散剤が好ましく、しかも上記の如きスルホン酸基を有する重合体のスルホン酸基と塩構造を形成し得るアルカリ金属、及び/又はアルカリ土類金属を含有する難水溶性無機分散剤が好ましく用いられる。
【0149】
本発明において難水溶性無機分散剤を用い水系分散媒体を調製する場合には、これらの該難水溶性無機分散剤が重合性ビニル系単量体100質量部に対して0.2〜2.0質量部となるように調製することが好ましく、重合性単量体組成物100質量部に対して300〜3,000質量部の水を用いて水系分散媒体を調製することが好ましい。
【0150】
本発明において、上記したような難水溶性無機分散剤が分散された水系分散媒体を調製する場合には、市販の分散剤をそのまま用いて分散させてもよいが、細かい均一な粒度を有する分散剤粒子を得るために、水等の液媒体中で、高速撹拌下、上記したような難水溶性無機分散剤を生成させて調製してもよい。例えば、リン酸三カルシウムを分散剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸三カルシウムの微粒子を形成することで、好ましい分散剤を得ることができる。
【0151】
上記したような構成を有するトナーの製造方法によれば、従来、荷電制御剤が含有されたトナーにみられていた高湿下での摩擦帯電量の低下、及び低湿下での摩擦帯電速度の低下が抑制され、しかもトナー画像の転写不良の発生を有効に抑制し得るトナーが容易に得られる。
【0152】
次に、本発明のトナーの製造において使用する重合性単量体組成物について説明する。該重合性単量体組成物は、少なくとも、重合性ビニル系単量体、着色剤、スルホン酸基を有する重合体、及びオキシカルボン酸、好ましくは、これに加えてワックス成分、更に必要に応じて各種の添加物を溶解、混合して調製される。
【0153】
この際に用いる重合性ビニル系単量体としては、前記に挙げたような重合性単量体を理論ガラス転移温度(Tg)が40〜75℃を示すように適宜混合して用いられる。特に、Tgが高い場合には、フルカラー画像を形成するためのカラートナーを製造した場合において、各色トナーの定着時の混色性が低下し、色再現性に乏しく、更にOHP画像の透明性が低下するため好ましくない。
【0154】
また、本発明のトナーの製造に用いる重合開始剤としては、具体的には、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1,−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤が用いられる。これらの重合開始剤の使用量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には、重合性ビニル系単量体100質量部に対して5〜20質量部用いられる。重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に、単独又は混合して使用される。
【0155】
重合性単量体組成物中には、重合度を制御するため、公知の架橋剤、連鎖移動剤及び重合禁止剤等を更に添加し用いてもよい。これらの添加剤は、前記重合性単量体組成物中に予め添加しておくこともできるし、また、必要に応じて、重合反応の途中で適宜に添加することもできる。
【0156】
【実施例】
以下、具体的実施例によって本発明を説明するが、本発明はなんらこれらに限定されるものではない。
【0157】
実施例に使用されるスルホン酸基を有する重合体の具体例を以下に示す。
【0158】
【表1】
Figure 0003748510
【0159】
(トナーの製造例1)
高速撹拌装置クレアミックス(エムテクニック社製)を具備した2リットル用4つ口フラスコ中に、イオン交換水700gと0.1mol/リットル−Na3PO4水溶液800gを投入し、高速撹拌装置の回転数を15000rpmに設定し、70℃に加温せしめた。ここに1.0mol/リットル−CaCl2水溶液70質量部を添加し、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。更に希塩酸により水系分散媒体のpHが5.3となるように再調製した。
【0160】
一方、分散質として、
・スチレン単量体 77質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート単量体 23質量部
・ジビニルベンゼン単量体 0.3質量部
・カーボンブラック(DBP吸油量=75ml/100g) 6質量部
・ポリエステル樹脂(酸価=10mgKOH/g) 2質量部
・スルホン酸基を有する重合体(3−A) 2質量部
・前記オキシカルボン酸(1−A) 1質量部
・エステルワックス(融点=65℃) 9質量部
からなる混合物をアトライター(三井金属社製)を用い3時間分散させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部を添加し、重合性単量体組成物を調製した。
【0161】
次に、前記水系分散媒体中に該重合性単量体組成物を投入し、内温65℃のN2雰囲気下で、高速撹拌装置の回転数を15000rpmを維持しつつ、10分間撹拌し、該重合性単量体組成物を造粒した。その後、撹拌装置をパドル撹拌羽根を具備したものに換え、200rpmで撹拌しながら同温度に保持し、重合性ビニル系単量体の重合転化率が95%に達したところで0.1mol/リットルのNaOH水溶液を添加して水系分散媒体のpHを10に変更した。更に反応温度を85℃に昇温し、重合転化率がほぼ100%になったところで重合反応を完了した。
【0162】
重合終了後、加熱減圧下で残存モノマーを留去し、次いで、冷却後に希塩酸を添加して難水溶性分散剤を溶解せしめ、減圧濾過を行った。更に水洗浄を数回繰り返した後、再度、希塩酸洗浄と水洗浄を交互に繰り返した後、円錐型リボン乾燥機(大川原製作所製)を用い、乾燥処理を行い、重合体粒子(A)を得た。
【0163】
上記重合体粒子(A)100質量部と疎水性オイル処理シリカ微粉体(BET:200m2/g)2質量部をヘンシェルミキサー(三井金属社製)で乾式混合してトナー(A)とした。
【0164】
該トナー(A)1g中からメタノールによって抽出されるオキシカルボン酸量Aは1.77mgで、0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液によって抽出されるオキシカルボン酸量Bは1.39mgであった。
【0165】
また、トナー中に残留するCa元素を定量したところ、4500ppmで、トナーの円相当個数平均径は6.1μmで、円形度頻度分布における平均円形度は0.986、円形度標準偏差は0.020で、円形度0.95未満のトナー粒子数は2.6個数%であった。
【0166】
更に、TEMによってトナー(A)の断層面観察を行ったところ、図1(c)の模式図のようにトナー粒子表面には連続した薄層が形成されており、その内部方向には結着倒脂とワックス成分が存在し、前記(r/R)stの値は0.34であった。
【0167】
(トナーの製造例2〜4)
オキシカルボン酸、スルホン酸基を有する重合体、及びワックス成分の種類と添加量を変更すると共に、トナー製造時における重合反応中の水系分散媒体のpH、及びpH切り替え時の重合転化率、更には、希塩酸洗浄と水洗浄の実施回数を変更する以外は、前記トナーの製造例1と同様にして重合体粒子(B)〜(D)を得た後、トナー(B)〜(D)を調製した。
【0168】
(比較用トナーの製造例1、2)
スルホン酸基を有する重合体を未添加とし、着色剤、オキシカルボン酸、及びワックス成分の種類と添加量を変更すると共に、トナー製造時における重合反応中の水系分散媒体のpH、及びpH切り替え時の重合転化率、更には、希塩酸洗浄と水洗浄の実施回数を変更する以外は、前記トナーの製造例1と同様にして比較用重合体粒子(a)と(b)を得た後、比較用トナー(a)と(b)を調製した。
【0169】
尚、TEMによる比較用トナー(a)と(b)の断層面観察では、トナー粒子表面に薄層の形成は確認されず、ワックス成分の分散状態は図1(b)の模式図のように結着樹脂中に実質的に球状を呈して分散しており、前記(r/R)stの値は0.05に満たなかった。
【0170】
(比較用トナーの製造例3)
オキシカルボン酸を未添加とし、着色剤、スルホン酸基を有する重合体、及びワックス成分の種類と添加量を変更すると共に、トナー製造時における重合反応中の水系分散媒体のpH、及びpH切り替え時の重合転化率、更には、希塩酸洗浄と水洗浄の実施回数を変更する以外は、前記トナーの製造例1と同様にして比較用重合体粒子(c)を得た後、比較用トナー(c)を調製した。
【0171】
尚、TEMによる比較用トナー(c)の断層面観察では、図1(c)の模式図のようにトナー粒子表面には連続した薄層が形成されており、その内部方向には結着樹脂とワックス成分が存在していたものの、前記(r/R)stの値は0.05に満たなかった。
【0172】
上記トナーの製造例、及び比較用トナーの製造例で用いたオキシカルボン酸、スルホン酸基を有する重合体、及びワックス成分の種類と添加量、及び水系分散媒体のpHの条件、更に得られたトナーの諸性状を表2と表3にまとめて示した。
【0173】
(トナーの製造例5〜12)
着色剤、オキシカルボン酸、スルホン酸基を有する重合体、及びワックス成分の種類と添加量を変更すると共に、トナー製造時における重合反応中の水系分散媒体のpH、及びpH切り替え時の重合転化率、更には、希塩酸洗浄と水洗浄の実施回数を変更する以外は、前記トナーの製造例1と同様にして重合体粒子(E)〜(L)を得た後、トナー(E)〜(L)を調製した。
【0174】
上記トナーの製造例で用いた着色剤、荷電制御剤、オキシカルボン酸、スルホン酸基を有する重合体、及びワックス成分の種類と添加量、及び水系分散媒体のpHの条件、更に得られたトナーの諸性状を表4と表5にまとめて示した。
【0175】
<実施例1>
市販のカラーレーザービームプリンター「LBP−2040」(キヤノン社製)のプロセスカートリッジに、トナーの製造例1で得られたトナー(A)を充填し、必要に応じて逐次補給しながら、常温帯湿環境下において単色モードによって16枚/分(A4サイズ紙)のプリントアウト速度で5000枚分のプリントアウト試験を行った。
【0176】
得られたプリントアウト画像は、画像濃度、ドット再現性、画像カブリに優れるものであった。また、感光体ドラム上から中間転写ベルト上へのトナー画像の転写性(一次転写性)と中間転写ベルト上に転写されたトナー画像の転写紙上への転写性(二次転写性)を評価したところ、何れも良好であった。
【0177】
次いで、定着装置の加熱温度を130℃に再設定し、定着試験を行ったが、得られた定着画像は定着性に優れるものであった。
【0178】
更に、上記トナー(A)を40℃/85%の高温高湿環境下に1週間放置した後に改めて同様のプリントアウト試験を行ったところ、再び良好なプリントアウト画像を得ることができた。
【0179】
また、プリントアウト試験終了後、現像スリーブ、感光体ドラム、中間転写体、定着装置の状態を観察したところ問題はなく、画像形成装置とのマッチングにも優れることがわかった。
【0180】
評価項目の説明とその評価基準は以下の通りであり、後述の実施例2〜12、及び比較例1〜3においても同様に評価を行った。
【0181】
[プリントアウト試験]
(1)画像濃度
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に所定の枚数のプリントアウトを終了した時の画像濃度により評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
A:1.40以上
B:1.35以上、1.40未満
C:1.00以上、1.35未満
D:1.00未満
【0182】
(2)ドット再現性
潜像電界によって電界が閉じ易く、再現しにくい図2に示す様な小径(45μm)の孤立ドットパターンの画像をプリントアウトし、そのドット再現性を評価した。
A:100個中の欠損が2個以下
B:100個中の欠損が3〜5個
C:100個中の欠損が6〜10個
D:100個中の欠損が11個以上
【0183】
(3)画像力ブリ
ベタ自画像形成時の感光体上の転写残余のトナーをマイラーテープによってテーピングして剥ぎ取り、それを紙上に貼ったものの反射濃度を「マクベス反射濃度計RD918」で測定する。得られた反射濃度から、マイラーテープをそのまま紙上に貼った時の反射濃度を差し引いた数値を用いて評価した。数値が小さい程、画像カブリが抑制されていることになる。
A:0.03未満
B:0.03以上、0.07未満
C:0.07以上、0.15未満
D:0.15以上
【0184】
(4)一次転写性
ベタ黒画像形成時の感光体上の転写残余のトナーをマイラーテープによってテーピングして剥ぎ取り、それを紙上に貼ったものの反射濃度を「マクベス反射濃度計RD918」で測定する。得られた反射濃度から、マイラーテープをそのまま紙上に貼った時の反射濃度を差し引いた数値を用いて評価した。数値が小さい程、転写性が良好であることになる。
A:0.03未満
B:0.03以上、0.07未満
C:0.07以上、0.10未満
D:0.10以上
【0185】
(5)二次転写性
ベタ黒画像形成時の中間転写べルト上の転写残余のトナーをマイラーテープによってテーピングして剥ぎ取り、それを紙上に貼ったものの反射濃度を「マクベス反射濃度計RD918」で測定する。得られた反射濃度から、マイラーテープをそのまま紙上に貼った時の反射濃度を差し引いた数値を用いて評価した。数値が小さい程、転写性が良好であることになる。
A:0.03未満
B:0.03以上、0.07未満
C:0.07以上、0.10未満
D:0.10以上
【0186】
[定着試験]
柔和な薄紙に4.9kPa(50g/cm2)の荷重かけながら定着画像の表面を摺擦した後、摺擦前後での画像濃度の低下率(%)を用いて評価した。数値が小さいほど、定着性が良好であることになる。
A:5%未満
B:5%以上、10%未満
C:10%以上、20%未満
D:20%以上
【0187】
[画像形成装置マッチング評価]
(1)現像スリーブとのマッチング
プリントアウト試験終了後、現像スリーブ表面への残留トナーの固着の様子とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
A:固着は未発生。
B:汚染が発生しているが、固着はほとんど発生せず。
C:固着があるが、画像への影響が少ない。
D:固着が多く、画像ムラを生じる。
【0188】
(2)感光体ドラムとのマッチング
プリントアウト試験終了後、感光体ドラム表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
A:未発生。
B:わずかに傷の発生が見られるが、画像への影響はない。
C:固着や傷があるが、画像への影響が少ない。
D:固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる。
【0189】
(3)中間転写ベルトとのマッチング
プリントアウト試験終了後、中間転写ベルト表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
A:未発生。
B:表面に残留トナーの存在が認められるものの、画像への影響はない。
C:固着や傷があるが、画像への影響が少ない。
D:固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる。
【0190】
(4)定着装置とのマッチング
プリントアウト試験終了後、加熱ローラー表面の傷や加圧ローラー表面の残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
A:未発生。
B:加圧ローラーの表面に残留トナーの存在が認められるものの、画像への影響はない。
C:加圧ローラーや加熱ローラーの表面に固着や傷があるが、画像への影響が少ない。
D:加圧ローラーや加熱ローラーの表面に固着や傷が多く、画像欠陥を生じる。
【0191】
これらの評価結果を表6にまとめて示した。
【0192】
<実施例2〜4>
トナーとしてトナーの製造例2〜4で得られたトナー(B)〜(D)を各々用いることを除いては、実施例1と同様にして評価したところ、概ね良好な結果を得た。
【0193】
これらの評価結果を表6にまとめて示した。
【0194】
<比較例1〜3>
トナーとして比較用トナー(a)〜(c)を各々用いることを除いては、実施例1と同様に評価した。
【0195】
その結果、トナー粒子中にスルホン酸基を有する重合体を含有していなかったり、オキシカルボン酸の含有量と存在状態を特定の状態に制御していないため、良好な結果が得られなかった。
【0196】
これらの評価結果を表6にまとめて示した。
【0197】
<実施例5〜12>
トナーとしてトナーの製造例5〜12で得られたトナー(E)〜(L)を各々用いることを除いては、実施例1と同様にして評価したところ、概ね良好な結果を得た。
【0198】
これらの評価結果を表6にまとめて示した。
【0199】
【表2】
Figure 0003748510
【0200】
【表3】
Figure 0003748510
【0201】
【表4】
Figure 0003748510
【0202】
【表5】
Figure 0003748510
【0203】
【表6】
Figure 0003748510
【0204】
<実施例13>
各色プロセスカートリッジに下記のトナーを充填し、必要に応じて逐次補給しながら、フルカラーモードによって4枚/分(A4サイズ紙)のプリントアウト速度で3000枚分のグラフィック画像をプリントアウトする以外は、実施例1と同様にプリントアウト試験を行った。
ブラック・・・トナー(A)、イエロー・・・トナー(E)
マゼンタ・・・トナー(F)、シアン・・・トナー(G)
【0205】
得られたプリントアウト画像は、画像濃度が十分で、画像カブリ抑制に優れ、転写不良による画像濃度ムラや色再現ムラのない良好なフルカラー画像であった。また、高温高湿環境下に長期間放置しても画像の劣化は軽微で、画像形成装置とのマッチングも良好であった。
【0206】
<実施例14>
トナーとして下記のトナーを用いる以外は、実施例13と同様に評価を行ったところ、概ね良好なフルカラー画像を得た。また、高温高湿環境下に長期間放置した際、画像劣化を若干生じたものの、画像形成装置とのマッチングも良好であった。
ブラック・・・トナー(B)、イエロー・・・トナー(J)
マゼンタ・・・トナー(L)、シアン・・・トナー(H)
【0207】
<比較例4>
イエロートナーとして比較用トナー(a)を用いる以外は、実施例13と同様に評価を行った。
【0208】
その結果、比較用トナー(a)の影響により、得られたフルカラー画像には画像濃度ムラや色再現ムラが発生した。また、高温高湿環境下に長期間放置した際には画像の劣化が著しく、画像形成装置とのマッチングも十分ではなかった。
【0209】
<比較例5>
マゼンタトナーとして比較用トナー(b)を用いる以外は、実施例13と同様に評価を行った。
【0210】
その結果、比較用トナー(b)の影響により、得られたフルカラー画像には画像濃度ムラや色再現ムラが発生した。また、高温高湿環境下に長期間放置した際には画像の劣化が著しく、画像形成装置とのマッチングも十分ではなかった。
【0211】
<比較例6>
シアントナーとして比較用トナー(c)を用いる以外は、実施例13と同様に評価を行った。
【0212】
その結果、比較用トナー(c)の影響により、得られたフルカラー画像には画像濃度ムラや色再現ムラが発生した。また、高温高湿環境下に長期間放置した際には画像の劣化が著しく、画像形成装置とのマッチングも十分ではなかった。
【0213】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の乾式トナーによれば、トナー粒子中にスルホン酸基を有する重合体を含有させ、且つオキシカルボン酸の含有状態を特定することにより、環境安定性や帯電特性に優れ、長期放置した後に再度使用を開始するような過酷な使用条件下においても画質劣化を軽減することができる。
【0214】
また、カラー用トナーに適応した場合、本発明に係るスルホン酸基を有する重的合体、及びオキシカルボン酸は無色、又は白色であるため、色再現性に優れたトナーを設計することが可能となる。
【0215】
更には、感光体ドラムの如き像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して転写材上に転写するようなフルカラー用の電子写真プロセスに高度に適応し、高解像度で高精細の画像形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワックス成分を内包化しているトナー粒子の断面の一例を示す模式図である。
【図2】解像度を評価する為の孤立ドットパターン画像の説明図である。

Claims (10)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックス成分、オキシカルボン酸、及びスルホン酸基を有する重合体を含有するトナー粒子を有する乾式トナーにおいて、
    該トナー粒子1g中からメタノールによって抽出されるオキシカルボン酸の質量A(mg)と0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液によって抽出されるオキシカルボン酸の質量B(mg)が、
    A/B=1.05〜3.00
    B=0.10〜3.50
    を満足することを特徴とする乾式トナー。
  2. スルホン酸基を有する重合体が、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド系モノマーを共重合比で2質量%以上含有し、且つガラス転移温度(Tg)が40〜90℃のスチレン及び/又はスチレン(メタ)アクリル酸共重合体からなる高分子型化合物であることを特徴とする請求項1に記載の乾式トナー。
  3. トナー粒子中に、スルホン酸基と塩構造を形成し得るアルカリ金属、及び/又はアルカリ土類金属を100〜20000ppmの範囲で含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の乾式トナー。
  4. フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の乾式トナー。
  5. 円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、平均円形度が0.950〜0.995で、円形度標準偏差が0.035未満であることを特徴とする請求項4に記載の乾式トナー。
  6. 円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、平均円形度が0.970〜0.990で、円形度標準偏差が0.015以上0.035未満であることを特徴とする請求項4に記載の乾式トナー。
  7. フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、円形度0.950未満のトナー粒子が15個数%以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の乾式トナー。
  8. 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断層面観察において、
    (1)フロー式粒子像測定装置で測定されるトナーの重量基準の円相当重量平均径D4(μm)に対し、0.9≦R/D4≦1.1の関係を満たす長径R(μm)を呈するトナー粒子の断層面を20箇所選び出し、
    (2)選び出したトナー粒子の断層面中に存在するワックス成分に起因する相分離構造のうち、最も大きいものの長径rをそれぞれ計測し、
    (3)求められたr/Rの相加平均値(r/R)stが、
    0.05≦(r/R)st≦0.95
    を満たすように、該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されている
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の乾式トナー。
  9. 前記r/Rの相加平均値(r/R)stが、
    0.25≦(r/R)st≦0.90
    を満たすように該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されていることを特徴とする請求項8に記載の乾式トナー。
  10. 透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断層面観察において、トナー粒子の表面には、四酸化ルテニウム(RuO4)及び/又は四酸化オスミウム(OsO4)による電子染色法によって識別される材料による薄層が形成されており、そのトナー内部方向には結着樹脂とワックス成分が存在し、該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の乾式トナー。
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