JP3862490B2 - 乾式トナー及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法に用いられる乾式トナー及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルフルカラー複写機やプリンタが実用化され、現像力・階調性はもとより色ムラのない色再現性に優れた高画質画像が得られるようになってきた。
【0003】
昨今のパーソナル・ユーザーを対象としたコンピューター機器の低価格化に伴い、映像による情報伝達機構もビジュアルな世界からフルカラーによる映像コミュニュケーションが幅広く浸透しつつある。この様な状況の下、出力手段の一つであるプリンターや複写機の如き画像形成装置においても低級機市場を中心にフルカラー化が急速に進んでおり、パーソナル・ユーザーにおいてもフルカラー画像がより身近なものとなりつつある。
【0004】
この様なフルカラーによる出力機器としては、一般的に、熱転写方式、インクリボン方式、インクジェット方式といった数多くの方法があるが、全体としては電子写真方式によるものが大多数を占めている。
【0005】
一般に電子写真方式は光導電性物質を利用し種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、加熱、加圧、加熱加圧或いは溶剤蒸気により定着し、定着画像を得るものである。
【0006】
特にフルカラーの場合は、色材の3原色であるイエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーの3色の有彩色トナー又はそれに黒色トナーを加えた4色のトナーを用いて色の再現を行うものである。例えば、原稿からの光をトナーの色と補色の関係にある色分解光通過フィルターを通して光導電層上に静電潜像を形成する。次いで現像工程及び転写工程を経てカラートナーは支持体に保持される。次いで前述の工程を順次複数回行い、レジストレーションを合わせつつ、同一支持体上にカラートナーは重ね合わされ、定着によって最終のフルカラー画像が得られる。
【0007】
近年、フルカラー画像においては、高画質化,高精細化への要求はますます高まりつつある。印刷を見なれたパーソナルユーザーにとっては、フルカラー複写画像はまだまだ満足できるレベルではなく、より印刷に近づいたレベル、より写真に近づいたレベルを望んでいる。すなわち、複写画像における広い画像面積でのベタ画像の均一性,ハーフトーン画像の均一性,高濃度から低濃度までの広いダイナミックレンジの実現が望まれ、高画像濃度出力を可能とするトナー,印刷並の色調のトナー,OHP透明性(光透過性)に優れたトナー及び耐光性に優れたトナーの開発が急務となってきた。
【0008】
従ってトナーに用いられる着色剤としても、当然、着色力が高く、色の鮮明性及び透明性に優れ、かつ耐光性にも優れ、加えて、樹脂中の分散性にも優れた着色剤が強く望まれているのが実状である。
【0009】
一方でカラー複写機がコントローラーを介してコンピューターと接続され、高品位カラープリンターとして使われるケースが増加するにつれて、システム全体を色管理するカラーマネージメントシステムが提案される様になってきた。その結果、特定のユーザーにおいては、電子写真方式のカラー複写機で出力される出力画像がプロセスインキをベースとした印刷の出力画像と色味の点で一致することを強く望む様になり、プロセスインキと同様の色調を有するトナーというものも要求される様になってきた。
【0010】
これまで、前記内容を満足するカラー複写機或いはプリンター用のマゼンタトナーに用いる顔料としてはいくつか提案されているが、色の鮮明性と透明性に優れ、かつ耐光性にも優れるという点でキナクリドン系の顔料が広く用いられてきた。
【0011】
特開昭49−27228号公報,特開昭57−54954号公報及び特開平1−142559号公報等は、2,9−ジメチルキナクリドンを単独で含有したトナーを開示している。このトナーは、確かに耐光性には優れているものの、着色力が低く、十分に鮮やかなマゼンタトナーとは言い難く、また、顔料のコストも高価であるといった問題があった。
【0012】
特開昭64−9466号公報は、キナクリドン系顔料とキサンテン系染料またはキサンテン系染料をレーキ化した顔料とを組み合わせ、トナーの鮮やかさを向上させようとしたことを開示している。このトナーは、ある程度、着色力や色の鮮やかさが改善されているものの、まだ耐光性については考慮されておらず、画像を長時間放置すると変色してしまうという問題点があった。
【0013】
特開平1−154161号公報は、マゼンタトナーの透明性を向上させようとして、平均粒径が0.5μm以下のキナクリドン系顔料を用いることを開示している。トナーの透明性は顔料と樹脂、そして樹脂への分散方法とその程度によって決まるものであって、必ずしも透明性の高いマゼンタトナーは得られていなかった。
【0014】
一方で、フルカラー画像の場合は、色材の3原色であるイエロートナー,マゼンタトナー,シアントナーの3色の有彩色トナー又はそれに黒色トナーを加えた4色のトナーで色再現するものであり、目的とする色調の画像を得るためには、他色とのバランスが重要であり、マゼンタトナーの色調を若干変えようという試みもなされている。
【0015】
例えば、特公昭63−18628号公報は、置換されたキナクリドン2種を含有する化合物の混合物を開示しており、特開昭62−291669号公報は、2,9−ジメチルキナクリドンと、無置換のキナクリドンとの混晶をマゼンタ用着色剤として用いることを記載しており、目的とする色相を有し、かつトナーの摩擦帯電性の改善をも目的とした着色剤として提案されている。
【0016】
しかしながら、2,9−ジメチルキナクリドンを単独で用いた時よりも全体として赤味の方向へ色味はシフトしているものの、オフセット印刷用のマゼンタインキの色相と比較すると青味が強く、改善すべき点が多く残されていた。
【0017】
一方で、トナー中に存在する着色剤の分散性向上を目的とした検討も多くなされている。
【0018】
特開昭61−117565号公報及び特開昭61−156054号公報は、溶剤に結着樹脂,着色剤及び荷電制御剤などをあらかじめ溶解し、該溶剤を除去しトナーを得る方法を開示しているが、これらは荷電制御剤の分散性の制御が難しいこと、及び溶剤が最終製品であるトナー中に残存し、画像形成装置とのマッチングや使用時に好ましくない臭気を与える等の問題点を有している。
【0019】
特開昭61−91666号公報は、ハロゲン系溶剤を用いたトナー製造方法を開示しているが、この製造方法は、ハロゲン系溶剤が強い極性を有しているため、使用される着色剤が制限されるという不具合を有している。
【0020】
一方、電子写真技術において、高画質を達成する上で、トナーの帯電性を制御することは極めて重要なことである。今日、当該技術分野で知られている荷電制御剤としては、負帯電性のものとして、モノアゾ染料の金属錯塩、銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
【0021】
上記の荷電制御剤の多くは、電荷付与能力としては十分に高いものが多いが、電荷の制御性に乏しいため、組み合わせて使用し得る結着樹脂や他の材料に制限があった。
【0022】
また、特開昭63−33755号公報,特開平2−190869号公報,特開平2−230163号公報及び特開平4−347863号公報では、サリチル酸やその誘導体を荷電制御剤として用いたトナーが開示されている。しかしながら、サリチル酸は、温度や湿度に対し荷電制御能力が大きく変動するばかりか昇華性を有するため、トナーの保存条件に著しい制約を受ける。また、サリチル酸誘導体は、結着樹脂に対する分散性が良好であるため、画像形成装置とのマッチングもある程度改善されるが、所望の荷電制御能力を発揮するには添加量を増やす必要があった。
【0023】
特開昭61−238846号公報や特開平5−134457号公報では、均一な電荷付与能力を得るために荷電制御剤をトナー表面に析出させて得られるトナーが開示されている。この方法により確かにトナーの帯電性は安定するが、多数枚耐久後、トナー表面から荷電制御剤が脱離し、効果が減少するために、トナーの耐久性に問題を生じる。
【0024】
また、特開平3−84558号公報では、球状粒子を製造した後、該球状粒子を荷電制御剤顔料を溶解もしくは分散させた有機溶剤中に浸漬した後、不要分を洗い落としながら、粒子表面の染料濃度を所定の範囲に調整したトナーが開示されている。しかし、この方法で得られるトナー表面の荷電制御剤顔料の分散状態は不均一であり、画像形成装置とのマッチングに問題を生じる。また、染料を用いているため、カラー用トナーに用いることが困難である。
【0025】
ところで、近年、トナーの小粒径化や高機能化が求められるなか、重合法によるトナーの製造方法が注目されている。重合法によるトナーの製造方法としては、例えば、特公昭36−10231号公報,特公昭51−14895号公報及び特開昭53−17735号公報等で懸濁重合法によるトナーの製造方法が開示されている。上記の方法では、結着樹脂の原材料である重合性単量体中に着色剤、更に必要に応じて、重合開始剤、分散剤、架橋剤、荷電制御剤、離型剤、極性樹脂、その他の添加剤を溶解もしくは分散せしめて重合性単量体組成物を調製し、得られた重合性単量体組成物を予め調製しておいた分散安定剤を含有する水系分散媒体に投入し、撹拌装置の使用により微粒子状の粒子を造粒し、その後、この造粒粒子中の重合性単量体を重合させて粒子を固化し、濾過、洗浄、乾燥を施して所望の粒径と組成を有するトナー粒子を得ている。
【0026】
上記の重合法を利用したトナーは、優れた画質の画像が得られる小粒径のトナーであり、且つ、粒度分布がシャープであるため、画像形成装置とのマッチングが優れたものになる。
【0027】
しかしながら、水系分散媒体中に形成した造粒粒子中の重合性単量体を重合させる懸濁重合法では、造粒粒子と水系分散媒体との接触面積が大きいので、造粒粒子中から極性基を多く有するトナーの構成材料が水系分散媒体中に溶出し易い傾向にあり、トナー表面と表面近傍に存在する極性基を有する材料の量が不均一になってしまい、環境安定性に優れた帯電特性を有するトナーが得られにくいものであった。
【0028】
本発明者らの検討によれば、サリチル酸の如きオキシカルボン酸を含有するトナーを上記の如き懸濁重合法によって製造した場合、オキシカルボン酸は着色剤の分散性を向上させ、OHP画像の透明性が良好になるものの、水系分散媒体中への溶出が著しく、トナー表面及び表面近傍のオキシカルボン酸の含有量が不均一となるため、温度や湿度の影響を受けて大きく変動する等の問題を生じたり、トナー担持体等を汚染するといった、画像形成装置とのマッチングにも問題を生じることがわかった。
【0029】
これら前記で述べたように、現在のカラートナーにおいて、
(1)OHP画像の透明性
(2)耐光性の向上
(3)帯電安定性が良好
を満足するカラートナーが待望されている。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、係る従来技術の問題点を解決した乾式トナー、及び該トナーを用いた画像形成方法を提供するものである。
【0031】
即ち、本発明の目的は、耐光性及びOHTの透明性の優れた画像を実現できる乾式トナーを提供することにある。
【0032】
更に本発明の目的は、帯電安定性が良好であり、画像濃度、カブリ抑制及び転写性に優れた乾式トナーを提供することにある。
【0033】
本発明の目的は、一成分接触現像方式及び二成分現像方式による現像に適した画像形成方法を提供することにある。
【0034】
【発明が解決するための手段】
本発明は、少なくとも、結着樹脂、モノアゾ系着色剤及びオキシカルボン酸を含有する乾式トナーであって、
トナー1g中に含まれるモノアゾ系着色剤の含有量をA(mg)、トナー1g中から0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液により抽出されるオキシカルボン酸の質量をB(mg)としたとき、
5B≦A
5≦A≦100
0.10≦B≦3.50
を満足し、
該乾式トナーは、懸濁重合法によって製造されることを特徴とする乾式トナーに関する。
【0035】
また、本発明は、(a)静電潜像を担持するための像担持体を帯電する帯電工程;(b)帯電された像担持体に露光によって静電潜像を形成する露光工程;(c)該静電潜像をトナー担持体の表面に担持されているトナーによって現像し、トナー像を形成する現像工程;及び(d)該像担持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体を介して、又は介さずに転写材に転写する転写工程;を少なくとも有する画像形成方法において、
該トナーとして、上記構成のトナーを用いることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、鋭意検討の結果、トナー中のモノアゾ系着色剤とオキシカルボン酸の含有量を特定することにより、極めて良好な耐光性、透明性、現像性及び転写性を有し、画像形成装置とのマッチングに優れたトナーを発明するに至った。
【0037】
まず、トナーの構成上の特徴や素材について説明する。
【0038】
本発明の乾式トナーは、少なくとも、結着樹脂、モノアゾ系着色剤及びオキシカルボン酸を含有し、トナー1g中に含まれるモノアゾ系着色剤の含有量をA(mg)、トナー1g中から0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液により抽出されるオキシカルボン酸の質量をB(mg)としたとき、
5B≦A
5≦A≦100
0.10≦B≦3.50
を満足することにより、良好な耐光性、透明性、現像性及び転写性を与えることが可能となる。
【0039】
本発明に用いる着色剤としては、着色力及び色彩の観点から少なくともモノアゾ系着色剤を用い、着色剤の分散性及び帯電性向上の観点からオキシカルボン酸を添加する。
【0040】
モノアゾ系着色剤の含有量はトナー1g中に対して5〜100mgが好ましい。着色剤の含有量が5mg未満の場合、充分な着色力や、鮮やかな色彩を得ることができない。また、100mgを超えると、OHTの透明性の低下や、着色剤の影響による帯電不良が発生し、良好な画像を得ることができない。更にはトナー表面に露出した着色剤により、感光体表面の傷を促進する恐れがある。
【0041】
更に、トナーに良好な帯電性を与えるためにトナー1g中のオキシカルボン酸量B(mg)は、0.10〜3.50であることが好ましい。Bの値が0.10未満の場合、トナーに十分な帯電性を与えることができない。Bの値が3.50を超える場合、着色剤の耐光性の低下を招いたり、オキシカルボン酸の吸湿効果により、帯電不良を起こす。
【0042】
更に、本発明のトナーは5B≦Aを満足することにより、耐光性が劣ることのない良好なトナーを提供することが可能である。
【0043】
本発明に用いられるモノアゾ系着色剤としては、色彩、耐光性、透明性、現像性、転写性の観点から、下記構造式で示される顔料組成物であることが好ましい。
【0044】
【化13】
Figure 0003862490
(式中、R5〜R8は、−H、又は−Cl、−CH3、−OCH3、−OC25、−NO2、−NHCOCH3から選ばれる置換基を示す。)
Figure 0003862490
【0045】
上記構造式で示される顔料組成物のなかでも耐光性や色彩の観点から、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 146、C.I.Pigment Red 147、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red 184、又はC.I.Pigment Red 269(それぞれカラーインデックス第4版記載の名称による)の群から選ばれることがより好ましい。
【0046】
また、本発明のトナーに用いるモノアゾ系着色剤は、単独で用いても良いし、必要に応じて、他の着色剤と併用しても良い。併用できる着色剤としては、従来公知の着色剤が併用できるが、例えばキナクリドン系着色剤、チオインジゴ系着色剤、キサンテン系着色剤、ペリレン系着色剤、ジケトピロロピロール系着色剤等が挙げられる。
【0047】
更に、本発明に用いられるモノアゾ系着色剤はロジン化合物で処理することにより、共存するオキシカルボン酸の影響を受けずらくなり、耐光性が向上する。
【0048】
本発明に用いられるモノアゾ系着色剤を好ましく処理できるロジン化合物としては、トール油ロジン、ガムロジン、ロッドロジン等の天然ロジン、水添ロジン、不均一化ロジン、重合ロジン等の変性ロジン、スチレンアクリルロジン等の合成ロジン、更には、上記ロジンのアルカリ金属やエステル化合物を挙げることができる。
【0049】
上記の如きロジン化合物により、着色剤を処理する方法としては、(1)ロジン化合物と着色剤を乾式混合した後、必要に応じて溶融混練等の熱処理を施す乾式混合法、(2)着色剤製造時の着色剤の合成溶液中にロジンのアルカリ水溶液を加えた後、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、又はマンガン等のレーキ金属塩を添加し、ロジンを不溶化することで着色剤表面に被服処理を施す湿式処理法等が挙げられる。
【0050】
本発明のトナーに用いられるモノアゾ系着色剤にはロジン化合物を該着色剤とロジン化合物の総添加量に対して、1〜40質量%、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%添加すると良い。ロジン化合物の添加量が1質量%未満では、オキシカルボン酸に対する添加効果が発現せず、逆に40質量%を超えると、トナーの帯電特性に悪影響を与える。
【0051】
ロジン化合物とオキシカルボン酸は、両者ともモノアゾ系着色剤の分散助剤としての性能を持っており、両者を添加することにより、該着色剤の分散性の向上が見られる。また、予め、該着色剤をロジン化合物により処理した後、トナー中にオキシカルボン酸と共に添加すると、耐光性を損なわずに分散性を一層良好なものにすることができる。
【0052】
次に本発明のトナーに用いるオキシカルボン酸について説明する。
【0053】
本発明に係るオキシカルボン酸としては、公知のものを用いることが可能であるが、帯電付与能力の観点から下記式(2)又は(3)で示される化合物が好ましく用いられる。
【0054】
【化14】
Figure 0003862490
〔上記式(2)中、(A)は下記の群より選ばれ、X1は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム又は脂肪族アンモニウムを示す。〕
【0055】
【化15】
Figure 0003862490
(R1は、水素原子、又は、C1〜C18のアルキル基又はアルケニル基、アラルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基から選ばれる1つ又は2つ以上の置換基を示す。)
【0056】
【化16】
Figure 0003862490
(R2は、水素原子、又はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、ニトロ基から選ばれる1つ又は2つ以上の置換基を示す。)
【0057】
【化17】
Figure 0003862490
(R3は、水素原子又はC1〜C22のアルキル基又は、C2〜C22のアルケニル基を示す。)
【0058】
【化18】
Figure 0003862490
〔上記式(3)中、X2は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム又は脂肪族アンモニウムを示し、R4は、C1〜C22のアルキル基、C2〜C22のアルケニル基又はアリール基を示し、R5は、水素原子、C1〜C22のアルキル基、C2〜C22のアルケニル基、アリール基又はアルコキシ基を示す。〕
【0059】
上記式(2)や式(3)で示されるオキシカルボン酸の中でも、本発明に好ましく用いられるものとしては、芳香族環を有するオキシカルボン酸である。5−tert−オクチルサリチル酸の如きモノアルキル芳香族オキシカルボン酸及びジ−tert−ブチルサリチル酸の如きジアルキル芳香族オキシカルボン酸が挙げられる。その他にも、サリチル酸、ヒドロキシナフトエ酸、ベンジル酸が挙げられる。これらの化合物は、トナー表面への固定化が容易であるため、本発明に好ましく用いられる。
【0060】
以下に代表的な具体化合物を列挙する。
【0061】
【化19】
Figure 0003862490
【0062】
【化20】
Figure 0003862490
【0063】
【化21】
Figure 0003862490
【0064】
【化22】
Figure 0003862490
【0065】
【化23】
Figure 0003862490
【0066】
本発明において、0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液によって抽出されるオキシカルボン酸量Bは、以下の方法で測定した。
【0067】
分散剤としてコンタミノンN(和光純薬工業社製)0.04gを加えた0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液50mlを容器に用意し、その中にトナー1gを秤量して加え、スターラーを用いて50rpmで撹拌し、均一に分散させる。3時間分散処理を行った後、メンブランフィルター(ポアサイズ:0.45μm)を用いて濾過し、得られた濾液の吸収スペクトルを分光光度計により測定し、オキシカルボン酸の呈する最大吸収ピークの最大値とベースラインとの差を求める。この時、図1に示すように、オキシカルボン酸の吸収スペクトルにおいて、ピークの右側と左側のベースラインの高さが異なる場合、以下の手順で吸光度を求める。
▲1▼オキシカルボン酸の呈する最大吸収ピークについて接線abを引く。
▲2▼ピークの頂点Aを通りy軸に対して平行な線と接線abとの交点をBとする。▲3▼A及びBにおける吸光度の値をそれぞれA’、B’とする。
▲4▼A’−B’より吸光度を求める。
【0068】
得られた結果から、所定の検量線を用いてオキシカルボン酸量Bを算出した。オキシカルボン酸の吸収スペクトルは、例えば280〜350nmの範囲にあらわれる。
【0069】
本発明のトナーは、良好な円形度分布を有する場合に特に、転写残余のトナーの増加や現像効率の低下に伴うトナー担持体へのトナー融着を防ぐことが可能である。
【0070】
本発明のトナーでは、フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.040未満となるようにトナーの粒子形状を精密に制御することにより、トナー中に特定の存在状態で含有されるオキシカルボン酸の添加効果が一層良好なものとなる。この理由については必ずしも明確ではないが、本発明者等は、トナーの粒子形状が上記の如く制御されていることによってトナー表面形状もより均一な状態になる為、オキシカルボン酸が効率良く作用するようになり、トナーの粉体特性を悪化させることなく、帯電特性を良好に改善することが出来るのだと考えている。また、トナー粒子の形状が上記条件を満足することによって、各トナー粒子に同一含有量のモノアゾ系着色剤が内包化されるため、モノアゾ系着色剤による帯電特性の影響も均一なものになる。これによって、現像性と転写性とがバランス良く改善され、これと共に画像形成装置とのマッチングが著しく向上する。
【0071】
即ち、トナーの円相当個数平均径D1(μm)を2〜10μmと小粒径化することにより、画像の輪郭部分、特に文字画像やラインパターンの現像での再現性が良好なものとなる。また、トナーの円形度頻度分布の平均円形度を0.920〜0.995、好ましくは0.950〜0.995、より好ましくは0.975〜0.995とすることにより、従来では困難であった小粒径を呈するトナーの転写性が大幅に改善されると共に、低電位潜像に対する現像能力も格段に向上する。特に上記の如き傾向は、デジタル方式の微小スポット潜像を現像する場合や中間転写体を用い多数回の転写を行うフルカラーの画像形成の際に非常に有効で、画像形成装置とのマッチングも良好なものとなる。
【0072】
更に、本発明のトナーは、トナーの円形度頻度分布の円形度標準偏差を0.040未満、好ましくは0.035未満、より好ましくは0.015以上0.035未満とすることにより、現像性に関する問題を大幅に改善することができる。
【0073】
また、円形度頻度分布の平均円形度が0.950未満のトナーを15%以下にすることで、画像形成における現像効率が十分なレベルとなり画像形成も良好なものとなる。
【0074】
上記の如きトナー平均円形度、円形度標準偏差及び円形度0.950未満のトナー個数についての制御は、重合法によるトナーの製造方法において、造粒工程から重合工程に至る重合反応時の水系分散媒体のpHによって可能である。
【0075】
本発明における円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明では東亜医用電子社製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて粒子形状の測定を行い、円形度を下式により求める。更に下式で示すように、測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
【0076】
【数1】
Figure 0003862490
【0077】
Figure 0003862490
【0078】
【数2】
Figure 0003862490
【0079】
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子影像投の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。
【0080】
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、粒子を得られた円形度によって、円形度0.400〜1.000を0.010間隔で0.400以上0.410未満、0.410以上0.420未満…0.990以上1.000未満及び1.000の如くに61分割した分割範囲に分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度及び円形度標準偏差の算出を行う算出法を用いている。
【0081】
この算出法で算出される平均円形度及び円形度標準偏差の各値と、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度及び円形度標準偏差の各値との誤差は、非常に少なく、実質的には無視できる程度であるため、本発明においては、算出時間の短絡化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこの様な算出法を用いている。
【0082】
本発明における円形度は、粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
【0083】
また、円相当径とは、円相当径=(粒子投影面積/π)1/2×2と定義される値であり、円相当個数平均径(D1)とは、個数基準によるトナーの円相当径の平均値を表し、粒度分布の分割点iでの粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると下式の如く表される。
【0084】
【数3】
Figure 0003862490
【0085】
本発明における粒度分布の分割点は、下表に示されるとおりである。
【0086】
【表1】
Figure 0003862490
【0087】
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「UH−50型」(エスエムテー社製)に振動子として直径5mmのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を用い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。
【0088】
トナーの形状測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、トナーの円相当径や円形度頻度分布などを求める。
【0089】
本発明のトナーに用いられるトナーの結着樹脂としては、テトラヒドロフラン(THF)不溶成分が0〜60質量%であり、また、より好ましくは3〜50質量%が良い。THF可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における重量平均分子量が30000〜600000で、より好ましくは重量平均分子量が50000〜400000となるように調整することで、トナーに望ましい特性を付与することができる。
【0090】
すなわち、THF不溶成分が3質量%未満の場合、トナーが柔らかくなりすぎて、定着時にオフセット現象による定着性の低下が発生し、THF不溶成分が60質量%を超える場合には、OHPの透明性が悪くなる傾向がある。
【0091】
また、重量平均分子量が30000未満の場合には、トナーが柔らかすぎてオフセット現象による定着性の低下が発生し、重量平均分子量が600000を超える場合には、トナーが堅すぎてやはり定着性の低下が発生する。
【0092】
本発明において結着樹脂のTHF不溶分とは、トナー粒子中の樹脂組成物のTHF(テトラヒドロフラン)に対して不溶性となった樹脂成分の質量割合を示し、架橋成分を含む樹脂組成物の架橋の程度を示す目安となるが、THF不溶分が0質量%であっても必ずしも架橋していないという訳ではない。THF不溶分とは、以下のように測定された値をもって定義する。
【0093】
即ち、現像剤が非磁性トナーの場合には顔料の含有率などを、磁性トナーの場合には顔料及び磁性体の含有率などを、予め公知の方法で測定しておく。次に、現像剤0.5〜1.0gの一定量を秤量し(W1g)、円筒濾紙(東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF100〜200mlを用いて20時間抽出し、溶媒によって抽出された可溶成分をエバポレートした後、100℃で数時間真空乾燥し、THF可溶樹脂成分量を秤量する(W2g)。そして、該現像剤一定量中に含まれている顔料や磁性体のうち、THFに可溶な成分の質量をW3g、THFに不溶な成分の質量をW4gとすると、以下の式に従って樹脂組成物中のTHF不溶分が算出される。
【0094】
【数4】
Figure 0003862490
【0095】
本発明において、結着樹脂成分、及び後述する極性樹脂の分子量分布はGPC(ゲルパミエーションクロマトグラフィ)によって、それぞれ以下の条件で測定される。尚、試料は予め溶媒に12時間以上分散/溶解させた後、耐溶剤性メンブランフィルター(ポア径:0.45μm)で濾過したものを用いる。
【0096】
<結着樹脂成分と極性樹脂成分のGPC測定条件>
装置 :GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム:Shodex GPC KF−801〜807、808P(昭和電工社製)の8連
又は、TSKgel G1000H(XL)〜G7000H(XL)、TSKguardcolum(東ソー社製)の8連
温度 :40℃
溶媒 :THF
流速 :1.0ml/min
試料 :濃度0.05〜0.6質量%の試料を0.1ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用し、Mark−Houwink粘土式から導き出される換算式でポリスチレン換算することによって算出される。
【0097】
本発明に用いられるトナーの結着樹脂としては、一般的に用いられているスチレン−(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体が挙げられる。重合法により直接トナー粒子を得る方法においては、それらを形成するための単量体が用いられる。具体的にはスチレン;o−(m−,p−)メチルスチレン、m−(p−)エチルスチレンの如きスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,アクリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン,イソプレン,シクロヘキセン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸アミドの如きエン系単量体が好ましく用いられる。
【0098】
これらは、単独、または、一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−P139〜192(John Wiley&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40〜75℃を示すように単量体を適宜混合して用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合にはトナーの保存安定性や耐久安定性の面から問題が生じやすく、一方75℃を超える場合はトナーの定着点の上昇をもたらす。
【0099】
さらに、本発明においては、トナー粒子の機械的強度を高めるために結着樹脂の合成時に架橋剤を用いることが好ましい。
【0100】
本発明のトナーに用いられる架橋剤としては、2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び上記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたものが挙げられる。
【0101】
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビズ(4−メタクリロキシ、ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルトリメリテートが挙げられる。
【0102】
これらの架橋剤は、前記単量体100質量部に対して、好ましくは0.05〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部用いることが良い。
【0103】
本発明においては、上述の結着樹脂と共にポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂の如き極性を有する樹脂(以下、「極性樹脂」と称す)を併用することができる。トナー中に極性樹脂を添加することによって、トナー中のオキシカルボン酸の含有状態を上述の如き特定の状態に制御することが容易となる。また、極性樹脂の存在により、トナー表面にモノアゾ系着色剤が露出するのを抑制することが可能である。例えば、後述する懸濁重合法により直接トナーを製造する場合には、分散工程から重合工程に至る重合反応時に上記の如き極性樹脂を添加すると、トナー粒子となる重合性単量体組成物と水系分散媒体の呈する極性のバランスに応じて、添加した極性樹脂がトナー粒子の表面に薄層を形成したり、トナー粒子表面から中心に向け傾斜性をもって存在するように制御することができる。この時、オキシカルボン酸とモノアゾ系着色剤との相互作用を有するような極性樹脂を用いることによって、トナー中へのオキシカルボン酸とモノアゾ系着色剤の存在状態を望ましい形態にすることが可能である。特に酸価が1〜20mgKOH/gを呈する極性樹脂を用いるとオキシカルボン酸とモノアゾ系着色剤の存在状態を制御することが容易となる。
【0104】
上記極性樹脂の添加量は、結着樹脂100質量部に対して1〜25質量部使用するのが好ましく、より好ましくは2〜15質量部である。1質量部未満ではトナー粒子中での極性樹脂の存在状態が不均一になったり、トナー表面に露出するアゾ系着色剤が多くなり、トナーの耐久性の低下や帯電特性においてモノアゾ系着色剤の悪影響を受ける。逆に25質量部を超えるとトナー粒子表面に形成される極性樹脂の薄層が厚くなるため、トナー内部にモノアゾ系着色剤が凝集しやすい。また、何れの場合もオキシカルボン酸の含有状態を制御するのが困難になり、その機能を十分に発現することができない。
【0105】
係る極性樹脂として用いられる代表的なポリエステル樹脂の組成は以下の通りである。
【0106】
ポリエステル樹脂のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記(ア)式で表わされるビスフェノール誘導体及び下記(イ)式で示されるジオール類が挙げられる。
【0107】
【化24】
Figure 0003862490
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。)
【0108】
【化25】
Figure 0003862490
【0109】
また、極性樹脂として反応性ポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂を用いた場合には、トナーの帯電特性が向上し、画像カブリや飛び散りが改善されると共に、ドット再現性に優れる高品位な画像を得ることができる。また、トナー粒子に適度な機械的強度を付与することが可能となり、画像形成装置から受けるトナー劣化の影響を最小限にとどめ、多数枚プリントアウトに対する耐久性や後述する画像形成装置とのマッチングも向上する。更には、前述の如きトナーの形状分布を達成するためのトナーの球形化処理や重合法によってトナーを直接製造する際の乾燥処理等のトナー製造工程から受ける影響を最小限とすることができる。また、極性樹脂は2種類以上を組み合わせて用いることも可能で、それ自身の有する帯電性を利用することもできる。
【0110】
本発明に係わる反応性ポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、マレイン酸、コハク酸、セバシン酸、チオジグリコール酸、ジグリコール酸、マロン酸、グルタン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、しょうのう酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸の如き多塩基酸と;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールの如き多価アルコール類とを縮合重合したものであって、得られた縮合重合体の主鎖又は側鎖に反応性基を有するものである。反応性基としては、カルボン酸(又はその塩)、スルホン酸(又はその塩)、エチレンイミノ酸、エポキシ基、イソシアネート基、二重結合、酸無水物、ハロゲン原子が挙げられ、この反応性ポリエステル樹脂をお互いに反応させて、あるいは多官能性の架橋剤(例えば多価アルコール、多塩基酸など)と反応させて、さらに反応性ポリエステルとビニル系単量体を反応(例えばエステル化、共重合など)させてTHF不溶分を得ることができる。例えば重合法によりトナーを得る場合には、反応性ポリエステル樹脂として不飽和ポリエステル樹脂を用い、これとビニル系単量体(必要に応じてジビニルベンゼン等の架橋剤も含む)を共重合する。この場合には、極性を有する不飽和ポリエステル樹脂は、重合の進行と共にトナー表面付近に移行し、トナー粒子の表面に薄層を形成するため、耐ブロッキング性や耐オフセット性が特に優れたトナーを得ることが可能である。
【0111】
本発明で使用できる反応性ポリエステル樹脂は、前述の如き反応性基を含有していればどんなものでも使用可能であるが、あまり分子量が低すぎると架橋反応にあずからないポリエステル樹脂がトナー表面に存在してしまうことがあり、耐ブロッキング性が低下することがある。逆に、あまり高分子量であると、例えば重合法によりトナーを得る場合には、ビニル系単量体への該反応性ポリエステル樹脂の溶解が困難となるため、製造が困難となる。従って、反応性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、3,000〜100,000の範囲にあるものが特に性能の優れたトナーを得るのに好適である。
【0112】
一方、ポリカーボネート樹脂としては、下記一般式(I)で示される繰り返し単位を分子構造中に有するポリカーボネート樹脂が好ましく用いられる。
【0113】
【化26】
Figure 0003862490
〔式中、Rは有機基を示す。〕
【0114】
上記一般式(I)は様々な構造のものがあるが、例えば2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法又は溶融法で反応せしめて製造されるあらゆる公知のポリカーボネートを使用することができる。一例を挙げれば下記一般式(II)
【0115】
【化27】
Figure 0003862490
〔式中、R2は、水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族置換基であり、このR2が複数の場合、それらは同一であってもよいし、異なっていてもよく、mは0〜4であり、Zは単結合、脂肪族炭化水素基、芳香族置換基、−S−、−SO−、SO2−、−O−、−CO−結合で表わされる結合を示す。〕
で表わされる構造の繰返し単位を有する重合体などが挙げられる。
【0116】
本発明において用いられるポリカーボネート樹脂の分子量は特に制限されないが、GPCにおいて測定したピーク分子量が1000〜500000の範囲にあるものが好ましく、さらに好ましくは2000〜100000である。ピーク分子量が1000よりも低いと帯電特性に悪影響がでる場合があり、500000よりも高いと溶融粘度が高くなりすぎ、定着性に問題を生じる場合がある。また、本発明において使用されるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、適当な分子量調節剤、粘弾性改善のための分岐剤、反応を促進するための触媒等必要に応じて使用することができる。
【0117】
また、上記の如き極性樹脂はそれぞれ一種類の重合体に限定されるわけではなく、例えば反応性ポリエステル樹脂を同時に二種類以上用いることや、ビニル系重合体を二種類以上用いることが可能であり、さらに全く種類の異なる重合体、例えば反応性の無いポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアルキルビニルエーテル、ポリアルキルビニルケトン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリルエステル、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタンの如き重合体を必要に応じてバインダー樹脂に添加することができる。
【0118】
本発明において使用し得るワックス成分としては、具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムの如き石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びそれらの誘導体等が挙げられ、誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も含まれる。また、高級脂肪族アルコールの如きアルコール;ステアリン酸、パルミチン酸の如き脂肪族或いはその化合物;酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックスが挙げられる。これらは単独、もしくは併せて用いることができる。
【0119】
これらの中でも、ポリオレフィン、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス、石油系ワックス、高級アルコール、若しくは、高級エステルを使用した場合に、現像性や転写性の改善効果が更に高くなる。なお、これらのワックス成分には、トナーの帯電性に影響を与えない範囲で酸化防止剤が添加されていてもよい。また、これらのワックス成分は、結着樹脂100質量部に対して1〜30質量部使用するのが好ましい。
【0120】
更に、本発明で用いるワックス成分は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定された分子量分布において、数平均分子量(Mn)が200〜2000で、Mw/Mnが3.0以下であるものが好ましい。該ワックス成分のMnが200未満であると低分子量成分の比率が多くなり、結果としてトナーの帯電性や画像形成装置とのマッチングに問題を生じるため好ましくない。また、Mnが2000を超える場合、或いはMw/Mnが3.0を超える場合には、定着画像表面を適度に平滑化させることが困難となり、混色性低下の点から好ましくなく、また、重合法によりトナー粒子を得る場合においては、水系分散媒体中で造粒・重合を行なうため、主に造粒中にワックス成分が析出してくるので好ましくない。
【0121】
本発明において、ワックス成分の分子量分布はGPCによって以下の条件で測定される。
【0122】
<GPC測定条件>
装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム:GMH−HT(東ソ−社製)の2連
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速:1.0ml/min
試料:濃度0.15質量%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用し、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって求めた。
【0123】
本発明には、前記のオキシカルボン酸と共に公知の荷電制御剤を併用することができ、特に帯電スピードが速く、且つ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。更に、トナー粒子を直接重合法を用いて製造する場合には、重合阻害性が無く水系分散媒体への可溶化物の無い荷電制御剤が好ましい。具体的化合物としては、ネガ系荷電制御剤としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物;スルホン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物;ホウ素化合物;尿素化合物;ケイ素化合物;カリークスアレーンが挙げられる。ポジ系荷電制御剤として、四級アンモニウム塩;該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物が挙げられる。
【0124】
しかしながら、本発明において荷電制御剤の添加は必須ではない。例えば二成分現像方法を用いた場合においては、キャリヤとの摩擦帯電を利用し、また、非磁性一成分ブレードコーティング現像方法を用いた場合においては、ブレード部材やスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用することでトナー粒子中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0125】
本発明のトナーを懸濁重合法で製造する場合、水系分散媒体を調製する場合に使用する分散剤としては、公知の無機系及び有機系の分散剤を用いることができる。具体的には、無機系の分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナが挙げられる。また、有機系の分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンを用いることができる。
【0126】
また、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムを用いることができる。
【0127】
本発明のトナーの製造においては、無機系の難水溶性の分散剤が好ましく、しかも酸に可溶性である難水溶性無機分散剤を用いるとよい。また、本発明においては、難水溶性無機分散剤を用い、水系分散媒体を調製する場合に、これらの分散剤が重合性ビニル系単量体100質量部に対して0.2〜2.0質量部となるような割合で使用することが好ましい。また、本発明においては、重合性単量体組成物100質量部に対して300〜3,000質量部の水を用いて水系分散媒体を調製することが好ましい。
【0128】
本発明において、上記したような難水溶性無機分散剤が分散された水系分散媒体を調製する場合には、市販の分散剤をそのまま用いて分散させてもよいが、細かい均一な粒度を有する分散剤粒子を得るために、水等の液媒体中で、高速撹拌下、上記したような難水溶性無機分散剤を生成させて調製してもよい。例えば、リン酸三カルシウムを分散剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸三カルシウムの微粒子を形成することで、好ましい分散剤を得ることができる。
【0129】
上記したようなトナーの製造方法によれば、従来、荷電制御剤が含有されたトナーにみられていた高湿下での摩擦帯電量の低下、及び低湿下での摩擦帯電速度の低下が抑制され、しかもトナー担持体等に対する汚染性が抑制されたトナーが容易に得られる。
【0130】
また、本発明のトナーの製造に用いる重合開始剤としては、具体的には、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤が用いられる。これらの重合開始剤の使用量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には、重合性ビニル系単量体100質量部に対して5〜20質量部用いられる。重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に、単独又は混合して使用される。
【0131】
重合性単量体組成物中には、重合度を制御するため、公知の架橋剤、連鎖移動剤及び重合禁止剤等を更に添加し用いてもよい。これらの添加剤は、前記重合性単量体組成物中に予め添加しておくこともできるし、また、必要に応じて、重合反応の途中で適宜に添加することもできる。
【0132】
本発明のトナーに無機微粉体を添加することは、現像性、転写性、帯電安定性、流動性及び耐久性向上のために好ましい実施形態である。該無機微粉体としては公知のものが使用可能であるが、シリカ、アルミナ、チタニアあるいはその複酸化物の中から選ばれることが好ましい。中でも、シリカであることがより好ましい。シリカは硅素ハロゲン化物やアルコキシドの蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及びアルコキシド、水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O,SO3 2-等の製造残渣の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも包含する。
【0133】
本発明に用いられる無機微粉体は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、特に50〜400m2/gの範囲のものが良好な結果を与え、トナー100質量部に対して0.3〜8質量部使用され、好ましくは0.5〜5質量部である。
【0134】
上記の如きBET比表面積が制御された無機微粉末を、トナー表面近傍に存在するオキシカルボン酸と共存させることにより、トナー粒子への水分吸着量の制御がなされ、摩擦帯電量や帯電速度の制御効果が増大する。また、トナー表面に露出したモノアゾ系着色剤を適度に被覆し、帯電特性におけるモノアゾ系着色剤の悪影響を抑制することが可能となる。
【0135】
更に、トナーに適度な流動性が付与されるので、トナーの均一帯電性が相乗的に良化し、連続で多数枚プリントアウトを繰り返しても優れた効果が維持される。
【0136】
BET比表面積が30m2/g未満の場合には、トナーに適度な流動性を付与することが困難である。BET比表面積が400m2/gを超える場合には、連続プリントアウト時に該無機微粉末がトナー粒子表面に埋め込まれるために、トナーの流動性が低下する場合がある。
【0137】
比表面積の測定は、比表面積測定装置「オートソーブ1」(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法により比表面積を算出した。
【0138】
また、無機微粉末の添加量がトナー粒子100質量部に対して、0.3質量部未満の場合には、添加効果が発現されず、また、8質量部を超えると、トナーの帯電性や定着性に問題を生じるだけでなく、遊離した無機微粉体により画像形成装置とのマッチングが著しく悪化する。
【0139】
また、本発明に用いられる無機微粉体は、必要に応じ、疎水化、帯電性制御等の目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他有機硅素化合物、有機チタン化合物の如き処理剤で、あるいは、種々の処理剤を併用して処理されていることも可能であり好ましい。
【0140】
更に、高い帯電量を維持し、低消費量及び高転写率を達成するためには、無機微粉体は少なくともシリコーンオイルで処理されることが好ましい。
【0141】
本発明のトナーにおいては、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばテフロン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤;例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末の如き流動性付与剤;ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与剤、また、逆極性の有機微粒子及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0142】
本発明のトナーは、そのまま一成分系現像剤として或いは、キャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
【0143】
二成分系現像剤として用いる場合、例えば、トナーと混合させる磁性キャリアとしては、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロムより選ばれる元素を単独で、又は複数含有するフェライト状態で構成される。磁性キャリアの形状は、球状、扁平、不定形のいずれも用いることができ、更に、表面状態の微細構造(例えば、表面凹凸性)を適宜に制御したものを用いることもできる。また、表面を樹脂で被覆した樹脂被覆キャリアや磁性粉分散型樹脂キャリアも好適に用いることができる。使用するキャリアの平均粒径は、好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜50μmである。また、これらのキャリアとトナーを混合して二成分系現像剤を調製する場合の現像剤中のトナー濃度は、好ましくは2〜15質量%程度である。
【0144】
次に、本発明の画像形成方法に好ましく用いることのできる感光体について説明する。
【0145】
本発明に係る感光体としては、ユニバーサル硬度が150〜230Nmm2であることが好ましい。
【0146】
ユニバーサル硬度が150Nmm2未満の場合、トナー表面のオキシカルボン酸による感光体表面の汚染が促進されるため、感光体の寿命低下を引き起こす。また、230Nmm2よりも大きい場合、クリーニングブレードとの摩擦力が増加し、その結果ブレード先端の振動やめくれが発生することによりクリーニング不良が発生する。
【0147】
ユニバーサル硬度の測定方法は計装化圧子圧入法(nanoindentation methods)によるもので、具体的には「FISCHERSCORPE H100V」(Helmut Fischer GMB H+ Co.社製)を用い、圧子の押し込み深さを1μmとして測定した。
【0148】
【実施例】
以下、具体的実施例によって本発明を説明するが、本発明はなんらこれに限定されるものではない。
【0149】
トナーの製造例1
四つ口容器中にイオン交換水360質量部と0.1モル/リットルのNa3PO4水溶液430質量部を添加し、高速撹拌装置クレアミキサーを用いて15,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1規定の塩酸を10質量部添加した後、1.0モル/リットル−CaCl2水溶液34質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。この時の水媒体中のpHは5.3であった。
【0150】
一方、分散質として、
スチレンモノマー 83質量部
n−ブチルアクリレート 17質量部
ジビニルベンゼン 0.2質量部
赤色顔料PR150(ロジンカルシウム10質量%処理品) 5質量部
[式(1)中、R1=−NH2、R2=−OCH3、R3=−H、R4=−CONC65
ポリエステル樹脂(Mw=25000) 5質量部
ジアルキルサリチル酸 0.03質量部
エステルワックス(Mn=1000、Mw/Mn=1.9) 15質量部
からなる混合物をアトライター(三井金属社製)を用い3時間分散させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部を添加し、重合性単量体組成物を調製した。
【0151】
次に、前記水系分散媒体中に該重合性単量体組成物を投入し、内温60℃のN2雰囲気下で、高速攪拌装置の回転数を15000rpmに維持しつつ、4分間攪拌し、該重合性単量体組成物を造粒した。その後、攪拌装置をパドル攪拌羽を具備したものに換え、200rpmで攪拌しながら同温度に保持し、5時間重合を行った。
【0152】
重合終了後、水系媒体中に炭酸水素ナトリウムを添加してpHを11に再調整し、更に、水溶性開始剤である過硫酸カリウムを1質量部添加した後、内温80℃,350mmHgの減圧下で5時間蒸留を行い、次いで、冷却後に希塩酸を添加して水系分散媒体のpHを1.2にして難水溶性分散剤を溶解せしめた。更に加圧濾過による固液分離の後、18000質量部の水で洗浄を行った。その後、流動層乾燥装置(大川原製作所)を用いて45℃で4時間乾燥させ、重量平均径が7.1μmのマゼンタ色のトナー粒子を得た。
【0153】
次に上記重合体粒子100質量部と、疎水化処理をした平均長径30nmの酸化チタン及び疎水化処理をしたシリカ微粒子をそれぞれ0.7質量質量部づつ乾式で添加し、トナー粒子に流動性を与えた。得られたトナーをトナー(1)とする。
【0154】
トナーの製造例2
トナーの製造例1において、着色剤としてPR150(ロジンカルシウム10質量%処理品)の添加量を14質量部にすることを除いて、トナーの製造例1と同様にして製造した。得られたトナーをトナー(2)とする。
【0155】
トナーの製造例3
トナーの製造例1において、PR150(ロジンカルシウム10質量%処理品)の代わりにロジン酸化合物で処理されていないPR150を5質量部添加することを除いて、トナーの製造例1と同様にして製造した。得られたトナーをトナー(3)とする。
【0157】
トナーの製造例5
トナーの製造例1と同様にして製造した後、湯浴下で球形化処理を行った。得られたトナーをトナー(5)とする。
【0159】
トナーの製造例7
トナーの製造例1において、ジアルキルサリチル酸の添加量を0.005質量部に代えることを除いてトナーの製造例1と同様にして製造した。得られたトナーをトナー(7)とする。
【0160】
トナーの製造例8
トナーの製造例1において、ジアルキルサリチル酸の添加量を7質量部に代えることを除いてトナーの製造例1と同様にして製造した。得られたトナーをトナー(8)とする。
【0161】
トナーの製造例9
トナーの製造例1において、PR150(ロジンカルシウム10質量%処理品)の添加量を20質量部に代えることを除いてトナーの製造例1と同様にして製造した。得られたトナーをトナー(9)とする。
【0162】
トナーの製造例10
トナーの製造例1において、PR150(ロジンカルシウム10質量%処理品)の添加量を0.5質量部に代えることを除いてトナーの製造例1と同様にして製造した。得られたトナーをトナー(10)とする。
【0163】
上記トナー(1)〜(10)における、A,B,平均円形度,円形度標準偏差及び円形度0.950未満のトナーの粒子数(%)の値を表2に示す。
【0164】
(感光体ドラムの製造例1)
直径30mm,長さ260mmのアルミニウム製シリンダーを基体とし、次に示すような構成の層を順次浸漬塗布により積層して、像担持体としての感光体ドラム(1)を作製した。
▲1▼導電性被覆層:酸化スズ及び酸化チタンの粉末をフェノール樹脂に分散したものを主体とする。膜厚15μm。
▲2▼下引き層:変性ナイロン及び共重合ナイロンを主体とする。膜厚0.6μm。
▲3▼電荷発生層:オキシチタニウムフタロシアニン(TiOPc)をブチラール樹脂に分散したものを主体とする。膜厚0.3μm。
▲4▼電荷輸送層:ホール搬送性トリフェニルアミン化合物をポリカーボネート樹脂(ビスフェノールC型とビスフェノールZ型の1:1の混合物)に分散したものを主体とする。膜厚25μm。
【0165】
得られた感光体ドラム(1)表面のユニバーサル硬度は190Nmm2であった。
【0166】
次に、耐光性及びOHT透明性の評価方法を説明する。
【0167】
(1)耐光性
通常の複写機用普通紙(75g/m2)上に「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)で画像濃度が1.5となる5cm×5cmのベタ画像をカーボンアーク燈光で240時間照射した後、上記同様に画像濃度を測定したとき、
A:1.35以上
B:1.20以上1.35未満
C:1.20未満
として評価した。
【0168】
(2)OHT透明性
得られたOHT定着画像の単位面積あたりの各トナー量に対する透過率及び曇価(ヘイズ)を測定し、画像濃度1.5における数値を用い、透明性を評価した。以下に透過率とヘイズの測定方法を述べる。
【0169】
透過率の測定は、島津自記分光光度計UV2200(島津製作所社製)を使用し、OHPフィルム単独の透過率を100%とし、650nmでの最大吸収波長における透過率を測定する。
【0170】
また、ヘイズ測定は、ヘイズメーターNDH−300A(日本発色工業社製)を用いて測定した。
A:90%以上
B:80%以上90%未満
C:80%未満
【0171】
さらに耐光性及びOHT透過性についていずれもBレベル以上のものに対して、プリントアウト試験を行った。
【0172】
画像形成装置として市販のレーザービームプリンタ(キヤノン製:LBP−EX)を用意し、感光体ドラムを感光体ドラム(1)に交換して用いた。一次帯電ローラとしてナイロン樹脂で被服された導電性カーボンを分散したゴムローラー(直径12mm、当接圧50g/cm)を使用し、静電潜像担持体にレーザー露光(600dpi)により暗部電位VD=−700V、明部電位VL=−200Vを形成したトナー担持体として表面にカーボンブラックを分散さした樹脂をコートした表面粗度Raが1.1を呈する現像スリーブを感光体ドラムと該現像スリーブとの間隙(S−D間)を270μmとし、トナー規制部材としてウレタンゴム製ブレードを当接させて用いた。現像バイアスとして直流バイアス成分に交流バイアス成分を重畳して用いた。また、加熱定着装置の設定温度は150℃とした。
【0173】
以上の設定条件で、12枚(A4サイズ)/分のプリントアウト速度で、トナー(1)を逐次補給しながら間歇モード(すなわち、100枚のプリントアウトする毎に30分現像器を休止させ、再起動時の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)で1万枚のプリントアウト評価を行った。プリントアウト画像評価は5千枚と1万枚のプリントアウト終了時に実施した。
【0174】
〔プリントアウト画像評価〕
(3)画像濃度
画像濃度の測定は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地質量部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
【0175】
(4)カブリ
「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)にgreenフィルターをセットし、プリントアウト画像の非画像質量部の反射率(%)を測定する。得られた反射率を、同様にして測定した未使用のプリントアウト用紙(標準紙)の反射率(%)から差し引いた数値(%)を用いて評価した。数値が小さい程、画像カブリが抑制されていることになる。
【0176】
(5)転写性
1万枚プリントアウト終了後、図2(a)に示した「驚」文字パターンを厚紙(128g/m2)にプリントアウトした際の文字質量部の中抜け(図2(b)の状態)を目視で評価した。
A:ほとんど発生せず
B:軽微な中抜けが見られる
C:若干の中抜けが見られる
D:顕著な中抜けが見られる
【0177】
<実施例1>
上記評価方法によりトナー(1)について耐光性、OHT透過性を測定したところ、良好な結果が得られた。さらに、プリントアウト試験を行ったところ、画像濃度とカブリについて良好な結果が得られた。また、1万枚のプリントアウト終了時に感光体表面を観察したところ、良好な状態であった。
【0178】
<実施例2>
実施例1において、トナー(2)に代えることを除いて同様にして評価した。その結果、各項目において良好な結果が得られた。また、1万枚のプリントアウト終了時に感光体表面を観察したところ、若干の傷が見られた。これはAの値がやや大きく、トナー表面に露出した着色剤によるものと考えられる。しかし問題のないレベルであった。
【0179】
<実施例3>
実施例1において、トナー(3)に代えることを除いて同様にして評価した。その結果、ややOHTの透過性の低下が見られた。これはロジン化合物が添加されていなかったためであると推測される。しかし実用レベルであった。また、1万枚のプリントアウト終了時に感光体表面を観察したところ、良好な状態であった。
【0181】
<実施例5>
実施例1において、トナー(5)に代えることを除いて同様にして評価した。その結果、1万枚終了時に若干のカブリが見られた。これはトナーの平均円形度が大きいため、トナー表面の外添剤の遊離が起こったためと推測される。しかし実用レベルであった。また、1万枚のプリントアウト終了時に感光体表面を観察したところ、良好な状態であった。
【0183】
<比較例1>
実施例1において、トナー(7)に代えることを除いて同様にして評価した。その結果、ややOHT透明性の低下が見られた。これはオキシカルボン酸の添加量が着色剤を分散させるのに十分でなかったためであると推測される。また、プリントアウト評価を実施したが、初期においてカブリが著しく悪かったため評価を中止した。これはBの値が小さすぎるためと推測される。
【0184】
<比較例2>
実施例1において、トナー(8)に代えることを除いて同様にして評価した。その結果、カブリが著しく悪化し、実用レベルではなかった。これはBの値が大きすぎるためであると推測される。また、1万枚プリントアウト終了時に感光体表面を観察したところ、著しい表面劣化が見られた。これもBの値が大きすぎるためであると推測される。
【0185】
<比較例3>
実施例1において、トナー(9)に代えることを除いて同様にして評価した。その結果、OHT透過性が著しく低下したため、プリントアウト試験を行わなかった。これはAの値が大きすぎるためであると推測される。
【0186】
<比較例4>
実施例1において、トナー(10)に代えることを除いて同様にして評価した。その結果、耐光性が著しく悪化したため、プリントアウト試験を行わなかった。これはA≧5Bを満足しなかったためであると推測される。
【0187】
上記実施例及び比較例の評価結果を表2に示す。
【0188】
【表2】
Figure 0003862490
【0189】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、アゾ系着色剤及びオキシカルボン酸の含有量を特定したトナーとすることで、従来技術の問題点を解決し、画像形成装置とのマッチングに優れた特性を有するトナーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】オキシカルボン酸の吸収スペクトルの一例を示す図である。
【図2】文字画像の中抜けの状態を示す模式図である。
【図3】気流分級装置の説明図である。
【符号の説明】
201 気流式分級装置
211,212,213 排出口
214,215 入気管
216 原料供給ノズル
217,218 分級エッジ
219 入気エッジ
220 第1気体導入調節手段
221 第2気体導入調節手段
222,223 側壁
224,225 分級エッジブロック
226 コアンダブロック
227 左質量部ブロック
228,229 静圧計
231 インジェクションノズル
232 分級室

Claims (21)

  1. 少なくとも、結着樹脂、モノアゾ系着色剤及びオキシカルボン酸を含有する乾式トナーであって、
    トナー1g中に含まれるモノアゾ系着色剤の含有量をA(mg)、トナー1g中から0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液により抽出されるオキシカルボン酸の質量をB(mg)としたとき、
    5B≦A
    5≦A≦100
    0.10≦B≦3.50
    を満足し、
    該乾式トナーは、懸濁重合法によって製造されることを特徴とする乾式トナー。
  2. モノアゾ系着色剤が下記式(1)で表されることを特徴とする請求項1に記載の乾式トナー。
    Figure 0003862490
    (式中、R5〜R8は、−H、又は−Cl、−CH3、−OCH3、−OC25、−NO2、−NHCOCH3から選ばれる置換基を示す。)
    2=−H、−Cl、−CH3、−OCH3、−NO2、−COOCH3
    3=−H、−Cl、−CH3、−NO2、−CONH2、−SO2NHCH3
    −NHCOC65
    4=−H、−Cl、−NO2、−SO2OC64NO2
    −SO2OC64CO2CH3、−SO2N(C252
    −CONHC65、−CONHC64−CONH2
    −CONHC63Cl2、−CONH2
    −SO2CH265、−OCH3、−CH3
  3. モノアゾ系着色剤が、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 146、C.I.Pigment Red 147、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red 184、又はC.I.Pigment Red 269(それぞれカラーインデックス第4版記載の名称による)の群から選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の乾式トナー。
  4. モノアゾ系着色剤がロジン化合物で処理されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の乾式トナー。
  5. オキシカルボン酸が、下記式(2)で示される化合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の乾式トナー。
    Figure 0003862490
    〔上記式(2)中、(A)は下記の群より選ばれ、X1は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム又は脂肪族アンモニウムを示す。〕
    Figure 0003862490
    (R1は、水素原子、又は、C1〜C18のアルキル基又はアルケニル基、アラルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基から選ばれる1つ又は2つ以上の置換基を示す。)
    Figure 0003862490
    (R2は、水素原子、又はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、ニトロ基から選ばれる1つ又は2つ以上の置換基を示す。)
    Figure 0003862490
    (R3は、水素原子又はC1〜C22のアルキル基又は、C2〜C22のアルケニル基を示す。)
  6. 前記オキシカルボン酸が下記式(3)で示される化合物であることを特徴とする請求1乃至5のいずれかに記載の乾式トナー。
    Figure 0003862490
    〔上記式(3)中、X2は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム又は脂肪族アンモニウムを示し、R4は、C1〜C22のアルキル基、C2〜C22のアルケニル基又はアリール基を示し、R5は、水素原子、C1〜C22のアルキル基、C2〜C22のアルケニル基、アリール基又はアルコキシ基を示す。〕
  7. フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッターグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の乾式トナー。
  8. フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、平均円形度が0.950〜0.995で、円形度標準偏差が0.035未満であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の乾式トナー。
  9. フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、平均円形度が0.975〜0.995で、円形度標準偏差が0.015以上0.035未満であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の乾式トナー。
  10. フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当−円形度スキャッターグラムにおいて、円形度0.950未満のトナー粒子が15個数%以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の乾式トナー。
  11. (a)静電潜像を担持するための像担持体を帯電する帯電工程;(b)帯電された像担持体に露光によって静電潜像を形成する露光工程;(c)該静電潜像をトナー担持体の表面に担持されているトナーによって現像し、トナー像を形成する現像工程;及び(d)該像担持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体を介して、又は介さずに転写材に転写する転写工程;を少なくとも有する画像形成方法において、
    該トナーが、少なくとも、結着樹脂、モノアゾ系着色剤及びオキシカルボン酸を含有するトナーであって、
    トナー1g中に含まれるモノアゾ系着色剤の含有量をA(mg)、トナー1g中から0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液により抽出されるオキシカルボン酸の質量をB(mg)としたとき、
    5B≦A
    5≦A≦100
    0.10≦B≦3.50
    を満足し、
    該トナーは、懸濁重合法によって製造されることを特徴とする画像形成方法。
  12. モノアゾ系着色剤が下記式(1)で表されることを特徴とする請求項11に記載の画像形成方法。
    Figure 0003862490
    (式中、R5〜R8は、−H、又は−Cl、−CH3、−OCH3、−OC25、−NO2、−NHCOCH3から選ばれる置換基を示す。)
    2=−H、−Cl、−CH3、−OCH3、−NO2、−COOCH3
    3=−H、−Cl、−CH3、−NO2、−CONH2、−SO2NHCH3
    −NHCOC65
    4=−H、−Cl、−NO2、−SO2OC64NO2
    −SO2OC64CO2CH3、−SO2N(C252
    −CONHC65、−CONHC64−CONH2
    −CONHC63Cl2、−CONH2
    −SO2CH265、−OCH3、−CH3
  13. モノアゾ系着色剤が、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 146、C.I.Pigment Red 147、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red 184、又はC.I.Pigment Red 269(それぞれカラーインデックス第4版記載の名称による)の群から選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項11又は12に記載の画像形成方法。
  14. モノアゾ系着色剤がロジン化合物で処理されていることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の画像形成方法。
  15. オキシカルボン酸が、下記式(2)で示される化合物であることを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載の画像形成方法。
    Figure 0003862490
    〔上記式(2)中、(A)は下記の群より選ばれ、X1は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム又は脂肪族アンモニウムを示す。〕
    Figure 0003862490
    (R1は、水素原子、又は、C1〜C18のアルキル基又はアルケニル基、アラルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基から選ばれる1つ又は2つ以上の置換基を示す。)
    Figure 0003862490
    (R2は、水素原子、又はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、ニトロ基から選ばれる1つ又は2つ以上の置換基を示す。)
    Figure 0003862490
    (R3は、水素原子又はC1〜C22のアルキル基又は、C2〜C22のアルケニル基を示す。)
  16. オキシカルボン酸が下記式(3)で示される化合物であることを特徴とする請求11乃至15のいずれかに記載の画像形成方法。
    Figure 0003862490
    〔上記式(3)中、X2は、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、アンモニウム又は脂肪族アンモニウムを示し、R4は、C1〜C22のアルキル基、C2〜C22のアルケニル基又はアリール基を示し、R5は、水素原子、C1〜C22のアルキル基、C2〜C22のアルケニル基、アリール基又はアルコキシ基を示す。〕
  17. フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッターグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴とする請求項11乃至16のいずれかに記載の画像形成方法。
  18. フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、平均円形度が0.950〜0.995で、円形度標準偏差が0.35未満であることを特徴とする請求項11乃至17のいずれかに記載の画像形成方法。
  19. フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、平均円形度が0.975〜0.995で、円形度標準偏差が0.015以上0.035未満であることを特徴とする請求項11乃至18のいずれかに記載の画像形成方法。
  20. フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当−円形度スキャッタグラムにおいて、円形度0.950未満のトナー粒子が15個数%以下であることを特徴とする請求項11乃至19のいずれかに記載の画像形成方法。
  21. 像担持体表面のユニバーサル硬度が150〜230Nmm2であることを特徴とする請求項11乃至20のいずれかに記載の画像形成方法。
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