JP4434988B2 - トナーの製造方法及びマゼンタトナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子印刷の如き画像形成方法において、静電荷像を現像するためのトナー、または、トナージェット方式の画像形成方法におけるトナー定着画像を形成するためのトナーの製造方法及びトナー関し、とりわけフルカラー画像トナー像を転写材の如きプリントシートに加熱定着させる定着方式に供されるマゼンタトナーの製造方法及びマゼンタトナーに関するものである。
近年、デジタルフルカラー複写機やプリンターが実用化され、解像力、階調性はもとより色むらのない色再現性に優れた高画質画像が得られるようになってきた。
デジタルフルカラー複写機においては、色画像原稿を、B(ブルー)、G(グリーン)、R(レッド)の各色フィルターで色分解した後、オリジナル画像に対応した約20μm乃至約70μmのドット径からなる潜像をY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、B(ブラック)の各色トナーを用い、加熱加圧定着時の減色混合作用を利用して再現している白黒複写機と比べ多量のトナーを感光体から中間転写体を介して、または、介さずに転写材に転写させる必要がある。
これらの目的に使用するトナーの製造方法としては、一般的に熱可塑性樹脂中に染料または顔料からなる着色剤を溶融混練し、均一に分散させた後、微粉砕装置により微粉砕し、微粉砕物を分級機により分級して所望の粒径を有するトナーを製造してきた。
この製造方法ではかなり優れたトナーを製造し得るが、ある種の制限、すなわち、トナー用材料の選択範囲に制限がある。例えば、樹脂着色剤分散体が十分にもろく、経済的に可能な製造装置で微粉砕し得るものでなければならない。ところが、これらの要求を満たすために樹脂着色剤分散体をもろくすると、該樹脂着色剤分散体を実際に強い衝撃力で微粉砕した場合、形成された粒子の粒径範囲が広くなりやすく、特に比較的大きな割合で微粒子がこれに含まれるという問題が生じる。さらに、このように脆性の高い材料から得られるトナーは、複写機等の現像器中でさらなる微粉化を受けやすい。また、この製造方法では、着色剤等の固体微粒子を樹脂中に完全に均一分散することは困難であり、その分散の度合によっては、画像形成時におけるカブリの増大、画像濃度低下、混色性あるいは透明性の不良の原因となるので、着色剤の分散には十分な注意を払わなければならない。また、粉砕粒子の破断面に着色剤が露出することにより、現像特性の変動を引き起こす場合もある。
一方、これら粉砕法によるトナーの問題点を克服するため、重合性単量体を液滴状に分散させ、重合を行うことにより直接トナー粒子を得る重合トナーの製造方法が提案されている。
懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法では、重合性単量体、着色剤、離型剤、重合開始剤、さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤及びその他の添加剤を均一に溶解または分散せしめて重合性単量体組成物とした後、これを、分散安定剤を含有する水性媒体中に適当な攪拌機を用いて分散し、重合反応を行わせて、所望の粒径を有する重合トナー粒子の懸濁液を得る。重合トナー粒子の懸濁液を必要であれば酸またはアルカリで処理し、分散安定剤を取り除いた後に、固液分離工程で水性媒体を分離することによりトナー粒子を得る。
このような方法によって得られる重合トナー粒子は、球形もしくは球に近い形状で表面が均一であるため、流動性、転写性が良好で、多数回の連続現像を行っても良好な現像特性を示し、トナー粒子へのストレスが少なく、感光体へのフィルミングの発生が少ないという特徴を有している。また、前記方法は、粉砕工程が含まれないため、得られるトナー粒子の粒度分布がシャープなことから、分級工程が必要な場合でも高収率でトナー粒子を得ることができる。
また、感光体上から紙の如き転写材にトナー画像として転写する場合のトナーの定着性、及びトナーの耐オフセット性を高めるために、ワックス等の離型剤をトナー粒子中に添加するが、重合法による重合トナー粒子は、多量の割合で配合することが可能であり、かつ重合トナー粒子内に内包化することができ、良好な定着性及び耐オフセット性を得ることができる。
カラートナーの中でも、マゼンタトナーは、肌色を再現するのに重要であり、さらに、人物像における肌の色調はハーフトーンであることから、優れた現像性も要求される。
従来、カラー電子写真用のマゼンタトナー用着色剤としてキナクリドン系着色剤、チオインジゴ系着色剤、キサンテン系着色剤、モノアゾ系着色剤、ペリレン系着色剤、ジケトピロロピロール系着色剤が知られている(例えば、特許文献1〜5参照)。しかしながら、懸濁重合法によるトナーの製造方法では、水系媒体中で重合反応を行わせしめることから水溶性の材料は使用できず、また、重合反応を阻害する材料も使用できないという2点の制限があり、多くの染料は使用できなかった。
また、染料を用いる場合には、上記の製法上の問題だけではなく、耐光性が低いものが多く、実用に供されていないのが現状である。
耐光性を向上する目的でトナー中に紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤等を含有させることが提案されているが、十分に耐光性を向上させるには至っていない(例えば、特許文献6〜8参照)。
さらに、耐光性を向上させるために、紫外線吸収剤が共有結合した高分子化合物を含有させたトナーが提案されている(特許文献9、10参照)が、結着樹脂中に含有させたり、溶融混練時に含有させて、粉砕法によりトナーを製造しており、粉砕時に着色剤が表面に露出する個所が存在するため、紫外線吸収剤に十分に被覆されない。また、紫外線吸収剤が共有結合した高分子化合物の層をトナー粒子表面に設ける方法は製造面で煩雑であり、また、帯電性、表面性状等に影響を与えるため、最適とはいえない。
また、着色剤透明性及び色味を調節するために、顔料化合物を単独で使用せず、顔料−顔料、顔料−染料の配合や、混晶状態や固溶体状態でキナクリドン顔料を用いる方法も知られている(例えば、特許文献11〜14参照)。
これらのマゼンタ着色剤は結着樹脂と親和性及び耐光性が良好であり、一応、摩擦帯電特性及び色調の優れたマゼンタトナーが得られるが、透明性を満足し、より原稿に忠実な画像を得るためには、より一層の色調、彩度、電子写真特性が向上しているマゼンタトナーが待望されている。
特公昭49−46951号公報 特公昭55−42383号公報 特開昭55−26574号公報 特開昭59−57256号公報 特開2000−248191号公報 特開平3−37026号公報 特開昭60−93453号公報 特開平1−172973号公報 特開平9−80797号公報 特開平6−19187号公報 特開平1−224777号公報 特開2002−156795号公報 特開昭62−291669号公報 特開平11−84735号公報
本発明の目的は、鮮明色が得られ、着色力が大きく、色再現性、階調性及び耐光性に優れたマゼンタトナーの製造方法及びマゼンタトナーを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下の方法によれば、ある特定の着色剤と紫外線吸収剤が均一に分散されたトナー粒子を得ることができることにより、耐光性が良く、鮮明色が得られ、着色力が大きく、色再現性及び階調性に優れたマゼンタトナーが得られることを見出した。
本発明は以下の発明に関する。
(1)少なくとも、式(1)の化合物と、重合性単量体及び式(2)の反応性紫外線吸収剤とを水系媒体中で懸濁重合することを特徴とするトナーを製造方法。
Figure 0004434988
[式中、R1、R2は炭素原子数1〜4のアルキル基を、R3は炭素原子数1〜6のアルキル基を表わし、Anはカウンターアニオンを表わす。]
Figure 0004434988
[式中、Xは水素原子またはハロゲン原子を示す。R1は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。R2は炭素数1〜6のアルキレン基を示す。R3は水素原子またはメチル基を表わす。]
(2)前記トナーの製造方法により製造されたものであることを特徴とする重合マゼンタトナー。
(3)さらにキナクリドン系顔料を含有することを特徴とする(2)に記載の重合マゼンタトナー。
本発明の製造方法によれば、鮮明色が得られ、着色力が大きく、色再現性、階調性及び耐光性に優れたマゼンタトナーを得ることができる。
本発明では、少なくとも式(1)の化合物と重合性単量体及び式(2)の反応性紫外線吸収剤とを水系媒体中で懸濁重合してマゼンタトナー粒子を製造する。
このようにして製造されたトナー粒子は、式(1)の化合物を少なくとも含む着色剤と紫外線吸収部位とが重合されたトナー組成物中に均一に存在するため、耐光性に優れたトナーを得ることができる。
式(2)の反応性紫外線吸収剤は、重合性単量体と反応して側鎖を形成して共重合体となる紫外線吸収剤である。したがって、本発明で用いる反応型紫外線吸収剤は、重合されたトナー組成物中においては、単に混合されている状態とは異なるため、着色剤と均一分散されるとともに、トナー表面からの脱離が防止できる。
また、式(1)の化合物は、本発明者らが鋭意検討した結果、マゼンタ着色剤として鮮鋭性に優れ、非水溶性で重合性単量体に溶解する化合物であることを見出したものである。
以下に好ましい実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明の前記式(1)で表わす色素化合物において、R1、R2は炭素原子数1〜4のアルキル基を、R3は炭素原子数1〜6のアルキル基を表わし、Anはアニオンであり、ハライドイオン、硫酸イオン、パークロレート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、メタクリレート、p−トルエンスルホネート、脂肪酸イオン、芳香族カルボン酸イオンのいずれかを表わす。
式(1)中のR1、R2における炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられ、R1とR2が同一であっても異なっていてもよい。好ましくはR1、R2ともにメチル基、エチル基、イソプロピル基の場合であり、特に好ましいのは両置換基がメチル基の場合である。
式(1)中のR3における炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基であり、特に好ましいのはエチル基の場合である。
式(1)中のAnにおけるアニオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハライドイオンや、パークロレート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート等の無機イオン、アセテート、プロピオン酸イオン等の脂肪酸イオン、ベンゾエート、1−(もしくは2−)ナフタレンカルボキシレート等の芳香族カルボン酸イオン、さらにp−トルエンスルホネート、メタクリレート等が挙げられ、好ましくは脂肪酸イオン、p−トルエンスルホネート、メタクリレート、芳香族カルボン酸イオンであり、特に重合性単量体への溶解性の観点から好ましいのは芳香族カルボン酸イオンの場合である。
前記式(1)で示される色素化合物の構造例を表1で示す。
Figure 0004434988
本発明に使用される反応性紫外線吸収剤としては、重合性単量体と反応し共重合体となる式(2)のベンゾトリアゾール型の反応性紫外線吸収剤が好ましく、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 0004434988
Figure 0004434988
Figure 0004434988
このうち、市販のものとして、例えば上記〔化4〕の化合物2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(RUVA−93:商品名、大塚化学社製)が挙げられる。
この式(2)の反応性紫外線吸収剤は、着色剤100質量部に対して1〜100質量部、より好ましくは10〜30質量部使用することが好ましい。また、重合性単量体100質量部に対して0.01〜10質量部使用することが好ましい。
以下、本発明の製造方法として、懸濁重合法による重合トナー粒子の製造方法について説明する。
重合性単量体中に少なくとも式(1)の化合物を含むマゼンタ着色剤、式(2)の反応性紫外線吸収剤、極性樹脂、低軟化点物質、その他の添加剤及び重合開始剤を加え、均一に溶解または分散せしめて重合性単量体組成物を調製し(顔料や添加剤で重合性単量体中に分散しづらいものは、アトライター、ホモジナイザー等の分散機で予め、分散しておくことが好ましい)、分散安定剤を含有する水系媒体中に添加し、撹拌機、ホモミキサー、ホモジナイザー等により上記重合性単量体組成物を分散せしめ造粒する。重合性単量体組成物の液滴粒子が、所望のマゼンタトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度及び時間を調整し、造粒を行う。
その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行いながら重合を行う。重合性単量体の重合温度は40℃以上、一般には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。重合反応後半に昇温してもよく、さらにトナー画像定着時の臭いの原因となる未反応の重合性単量体及び副生成物を除去するために反応後半、または、反応終了後に一部水系媒体を反応容器から留去してもよい。反応終了後、生成したマゼンタトナー粒子をろ過し、洗浄し、乾燥する。
本発明のトナーには他のマゼンタ用着色剤を加えてもよい。式(1)の着色剤と併用するマゼンタ用着色顔料としてはどの様な顔料でも使用できるが、彩度の高いマゼンタ色を出すことができ、さらに他の着色剤と混合して深みのある色を呈する顔料としては次の様なものがあげられる。
C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,150,163,202,26,207,209,C.I.ピグメントバイオレット19。特に耐光性の良いキナクリドン系の顔料であるC.I.ピグメントレッド122,202または、C.I.ピグメントバイオレット19は、より好ましく使用できる。
本発明に使用する着色剤の添加量は、重合性単量体100質量部に対し0.2〜10質量部であるのが好ましい。式(1)の着色剤以外のマゼンタ用着色剤を併用する場合、マゼンタ用着色剤の添加量は重合性単量体100質量部に対して2〜10質量部が好ましく、式(1)の着色剤は併用する着色剤の10〜100質量%であることが好ましい。
本発明で用いる重合性単量体としては、スチレン,o−メチルスチレン,m−メチルスチレン,p−メチルスチレン,p−メトキシスチレン,p−エチルスチレン等のスチレン及びその誘導体;メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル酸n−ブチル,メタクリル酸イソブチル,メタクリル酸n−オクチル,メタクリル酸ドデシル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸ステアリル,メタクリル酸フェニル,メタクリル酸ジメチルアミノエチル,メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸n−ブチル,アクリル酸イソブチル,アクリル酸プロピル,アクリル酸n−オクチル,アクリル酸ドデシル,アクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸ステアリル,アクリル酸2−クロルエチル,アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル類;アクリロニトリル,メタクリロニトリル,アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体などのビニル系単量体がある。
これらの重合性単量体は単独ないし混合して使用しうる。上述した重合性単量体の中でも、スチレンまたはスチレン誘導体を単独で、または他の重合性単量体と混合して使用することが、トナーの現像特性及び耐久性の点で好ましい。
本発明により製造されるトナーは、離型剤を含有することが好ましく、粉砕法に比べ多量の離型剤を含有することが可能である。離型剤としては、室温で固体状態のワックスが、トナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点で良い。
ワックスとしては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体が挙げられる。
本発明により製造されるトナーは、荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては公知のものが利用できる。荷電制御剤は、トナー粒子に対して外添することが可能であるが、重合性単量体組成物中への分散等により、トナー粒子の内部に添加することも可能である。
例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類等がある。また、トナーを負荷電性に制御するものとしては、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物等が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類等があり、これらを単独でまたは二種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でもニグロシン系、4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
これらの荷電制御剤は、重合性単量体100質量部に対して0.01〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部使用することが好ましい。
前記重合性単量体を重合させるために、重合開始剤を用いることができる。本発明に用いることができる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤がある。アゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル等が挙げられる。
また、有機過酸化物系開始剤を用いることもできる。有機過酸化物系開始剤としてはベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
また、酸化性物質と還元性物質を組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては、過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等の無機過酸化物、4価のセリウム塩等の酸化性金属塩等が挙げられる。還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、3価のクロム塩等)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、エチルアミン等の炭素数1〜6程度のアミン)、ヒドロキシルアミン等のアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等の還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1〜6程度)、アスコルビン酸またはその塩、及び低級アルデヒド(炭素数1〜6程度)等が挙げられる。
前記重合開始剤は、10時間半減期温度を参考に選択され、単独または混合して利用される。前記重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には重合性単量体100質量部に対し0.5〜20質量部が添加される。
本発明では、例えば重合性単量体を重合させる場合に、各種架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、4,4’−ジビニルビフェニル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能性化合物が挙げられる。
本発明の懸濁重合においては、水性重合性単量体組成物を分散させる際の連続相である分散媒には、水性媒体が用いられる。水性媒体は、水、または水溶性有機溶剤や水溶性無機塩等の水溶性成分を含有する水を主成分とする水性の媒体であり、重合性単量体組成物が液滴として分散するものであれば特に限定されない。
重合性単量体組成物を水性媒体中に良好に分散させるための分散安定剤としては、無機化合物及び有機化合物のいずれも用いることができる。無機化合物としては、例えばリン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、チタニア、ハイドロキシアパタイト等が挙げられる。有機系化合物としては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が挙げられる。分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜10.0質量部が使用されることが好ましい。
前記分散安定剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、上記の無機化合物を用いる場合、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中撹拌下にて無機化合物を生成させることもできる。例えばリン酸三カルシウムの場合、十分な撹拌下にリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を投入混合することで懸濁重合法に好適な分散安定剤を得ることができる。
懸濁重合のように水性媒体を用いる重合法の場合には、重合性単量体組成物に極性樹脂を添加することにより、離型剤の内包化の促進を図ることができる。水性媒体に懸濁した重合性単量体組成物中に極性樹脂が存在する場合、水に対する親和性の違いから、極性樹脂が水性媒体と重合性単量体組成物との界面付近に移行しやすいため、トナー粒子の表面に極性樹脂が偏在することになる。その結果トナー粒子はコア−シェル構造を有し、多量の離型剤を含有する場合でも離型剤の内包性が良好になる。
また、シェルに用いる極性樹脂に、溶融温度の高いものを選択すれば、低温定着を目的としてバインダー樹脂をより低温で溶融するような設計とした場合でも、保存中にブロッキング等の弊害の発生を抑制することができる。
このような極性樹脂としては、トナー粒子の表面に偏在してシェルを形成した際に、極性樹脂自身のもつ流動性が期待できることから、特に飽和または不飽和のポリエステル系樹脂が好ましい。
前記ポリエステル系樹脂としては、下記に挙げる酸成分単量体とアルコール成分単量体とを縮合重合したものを用いることができる。酸成分単量体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、しょうのう酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸等が挙げられる。
前記アルコール成分単量体としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等のアルキレングリコール類及びポリアルキレングリコール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
本発明の製造方法では、トナーへの各種特性付与を目的として外添剤を使用することができる。外添剤は、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。外添剤としては、例えば酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物、窒化ケイ素等の窒化物、炭化ケイ素等の炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機金属塩、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、シリカ等が用いられる。
これら外添剤は、トナー粒子100質量部に対し0.01〜10質量部が用いられ、好ましくは0.05〜5質量部が用いられる。外添剤は、単独で用いても、また複数併用しても良いが、疎水化処理を行ったものを用いることがより好ましい。
本発明により製造されるトナーは、非磁性一成分現像剤及び二成分現像剤のいずれにも使用できる。本発明で製造されるトナーを非磁性一成分現像剤として用いる場合、画像形成時には、例えばブレード及びファーブラシを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電し、スリーブ上にトナーを付着させることで搬送させる方法が用いられる。
一方、本発明の製造方法により得られるトナーを、一般的に利用されている二成分現像剤として用いる場合には、トナーと共にキャリアを用い現像剤として使用する。本発明に使用されるキャリアとしては、特に限定されるものではないが、主として鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン及びクロム元素からなる単独または複合のフェライトを含有する粒子が用いられる。
前記キャリアとしては、一般的には、上記金属の化合物を焼成、造粒することによりキャリアコア粒子を生成し、これに樹脂をコーティングして得られる樹脂コーティングキャリアが用いられるが、キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、磁性材料と樹脂とを混練後、粉砕、分級して得られる低密度分散キャリアや、さらには直接金属化合物とモノマーとの混練物を水性媒体中にて懸濁重合させて真球状に分散して得られる重合キャリア等も、前記キャリアとして用いることが可能である。
二成分現像剤を調製する場合のキャリアと本発明で製造されるトナーとの混合比率は、現像剤中のトナー濃度として2質量%〜15質量%、好ましくは4質量%〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低く実用が困難であり、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が増加し、画像の劣化及び現像剤の消費量増加が起こることがある。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。なお、実施例中においては、以下の測定方法を用いる。
[トナー粒子の体積平均粒径の測定]
1質量%塩化ナトリウム水溶液100〜150ml中に、界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を0.5〜50mg加え、この試料分散液を、超音波分散機で約1〜3分間分散処理し、100μmアパチャーを用いたコールターマルチサイザー(コールター社製)により、100μmのアパーチャーを用いて体積を基準として2〜40μmの粒度分布等を測定し、個数平均粒径、重量平均粒径を算出した。
<実施例1>
以下の手順によりトナー粒子を製造した。
まず、クリアミックス(エム・テクニック社製)を具備した反応容器中にイオン交換水360質量部に0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液300質量部を投入し60℃に加温した後、クリアミックスを12,000回転/分にて撹拌した。これに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液45質量部を添加し、Ca3(PO42を含むpH5.0のリン酸とカルシウムの化合物の水系媒体を得た。
一方、分散質としては、まず、下記処方のうち、C.I.ピグメントレッド122、サリチル酸アルミニウム化合物とスチレン単量体50質量部をアトライター(三井三池化工機社製)を用い3時間分散し、着色剤分散液(1)を得た。
次に、着色剤分散液(1)に下記処方の残りすべてを添加し、60℃に加温し30分間溶解混合した。これに、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
・(重合性単量体) スチレン単量体 80質量部
2−エチルヘキシルアクリレート単量体 20質量部
・(着色剤) 構造例2の化合物 1質量部
キナクリドン系顔料C.I.ピグメントレッド122 3質量部
モノアゾ系顔料C.I.ピグメントレッド150 3質量部
・(反応性紫外線吸収剤) 2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシエチルフ
ェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
(大塚化学社製RUVA−93) 0.5質量部
・(荷電制御剤) サリチル酸アルミニウム化合物
(オリエント化学工業社製ボントロンE−88) 1質量部
・テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA
(酸価10mgKOH/g、ピーク分子量:7,500)5質量部
・(ワックス成分)
エステルワックス(融点=60℃) 15質量部
・ジビニルベンゼン(純度55%) 0.3質量部
上記重合性単量体組成物を前記水系分散媒中に投入し、回転数を維持しつつ15分間造粒した。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を変え、内温を60℃で重合を5時間継続させた後、内温を80℃に昇温させ8時間重合を継続させた。重合反応終了後、80℃/減圧下で残存モノマーを留去した後、30℃まで冷却し、重合体微粒子分散液を得た。
次に、重合体微粒子分散液を洗浄容器に移し、撹拌しながら、希塩酸を添加し、pH1.5で2時間撹拌し、Ca3(PO42を含むリン酸とカルシウムの化合物を溶解させた後に、フィルタープレスやベルトフィルター等の公知のろ過器で固液分離し、重合体微粒子を得た。これを水中に投入して攪拌し、再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離した。重合体微粒子の水への再分散と固液分離とを、Ca3(PO42を含むリン酸とカルシウムの化合物が十分に除去されるまで繰り返し行った後に、最終的に固液分離した重合体微粒子を、流動層乾燥機や気流式乾燥機等の公知の乾燥手段によって十分に乾燥して重量平均粒径は5.3μmトナー粒子を得た。
このトナー粒子100質量部に、BET法で測定した比表面積が200m2/gである疎水化処理されたシリカ微粉体1.8質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で乾式混合してマゼンタトナーとした。さらにこのトナー5質量部に対し、アクリルコートされたフェライトキャリア95質量部を混合し、現像剤とした。
この現像剤を、キヤノン製カラー複写機CLC−1100改造機(定着オイル塗布機構を省いた)を用いて、温度25℃/湿度60%RHの環境下において画像出しを行った。1万枚の耐久試験を実施したところ、カブリの発生もなく、濃度変化も少ない良好な画像が得られた。画像の耐光性も良好であった。また、トランスペアレンシーフィルムに同様に画像出しを行い、オーバーヘッドプロジェクター(OHP)にて投影してみたところ、透明性の高いマゼンタ色の投影画像が得られた。
<実施例2>
着色剤の構成を
構造例3の化合物 2質量部
キナクリドン系顔料C.I.ピグメントレッド122 3質量部
とすると共に、反応性紫外線吸収剤 2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(RUVA−93)を0.3質量部とした以外は、すべて実施例1と同様にしてマゼンタトナーを得た。
得られたマゼンタトナーを、実施例1と同様に現像剤として、画像出し評価を行ったところ、鮮明なマゼンタ色の良好な画像が得られた。
<実施例3>
着色剤の構成を
構造例2の化合物 1質量部
キナクリドン系顔料C.I.ピグメントレッド122 2質量部
モノアゾ系顔料C.I.ピグメントレッド150 3質量部
とした以外は、すべて実施例1と同様にしてマゼンタトナーを得た。
得られたマゼンタトナーを、実施例1と同様に現像剤として、画像出し評価を行ったところ、鮮明なマゼンタ色の良好な画像が得られた。
<実施例4>
着色剤の構成を構造例2の化合物5質量部にすると共に、反応性紫外線吸収剤2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(RUVA−93)を1質量部とした以外は、すべて実施例1と同様にしてマゼンタトナーを得た。
得られたマゼンタトナーを、実施例1と同様に現像剤として、画像出し評価を行ったところ、鮮明なマゼンタ色の良好な画像が得られた。
<実施例5>
着色剤の構成において構造例2の化合物の代わりに構造例1の化合物1質量部とした以外は、すべて実施例1と同様にしてマゼンタトナーを得た。
得られたマゼンタトナーを、実施例1と同様に現像剤として、画像出し評価を行ったところ、鮮明なマゼンタ色の良好な画像が得られた。
<実施例6>
着色剤の構成を
構造例5の化合物 0.8質量部
キナクリドン系顔料C.I.ピグメントバイオレット19 3質量部
モノアゾ系顔料C.I.ピグメントレッド184 4質量部
とした以外は、すべて実施例1と同様にしてマゼンタトナーを得た。
得られたマゼンタトナーを、実施例1と同様に現像剤として、画像出し評価を行ったところ、鮮明なマゼンタ色の良好な画像が得られた。
<比較例1>
着色剤としてキナクリドン系顔料C.I.ピグメントレッド122を6質量部にし、反応性紫外線吸収剤を添加しない以外は、すべて実施例1と同様にしてマゼンタトナーを得た。
得られたマゼンタトナーを、実施例1と同様に現像剤として、画像出し評価を行ったところ、鮮明なマゼンタ色の良好な画像が得られたが、OHPの透過性は実施例1よりも劣ったものであった。
<比較例2>
着色剤としてC.I.ソルベントレッド49を6質量部にし、反応性紫外線吸収剤を添加しない以外は、すべて実施例1と同様にしてマゼンタトナーを得た。
得られたマゼンタトナーを、実施例1と同様に現像剤として、画像出し評価を行ったところ、カブリが発生し、また、耐光性が劣っていた。
<比較例3>
着色剤としてC.I.ソルベントレッド49を6質量部用いると共に、反応性紫外線吸収剤2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(RUVA−93)を2質量部添加した以外は、すべて実施例1と同様にしてマゼンタトナーを得た。
得られたマゼンタトナーを、実施例1と同様に現像剤として、画像出し評価を行ったところ、実施例1〜5に比べ反応性紫外線吸収剤の量が多いにもかかわらず耐光性が劣り、また、画像形成装置内にトナーの飛散がみられた。
<比較例4>
下記材料を予めヘンシェルミキサーで混合物し、二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物を多分割分級機を用いて分級して体積平均粒径5.8μmのトナー粒子を得た。
・(結着樹脂) 100質量部
スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート−ジビニルベンゼン共重合体
ピーク分子量=1.6万、Mw/Mn=5.0、Tg=60℃
・(着色剤)
構造例3の化合物 1質量部
キナクリドン系顔料C.I.ピグメントレッド122 2質量部
モノアゾ系顔料C.I.ピグメントレッド150 3質量部
・(紫外線吸収剤)
2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリ
アゾール(チバ・ガイギー社製TINUVIN−329) 1質量部
・(荷電制御剤) サリチル酸アルミニウム化合物
(オリエント化学工業社製ボントロンE−88) 1質量部
・ワックス成分
(パラフィンワックス、融点=65℃) 10質量部
得られたマゼンタトナーを、実施例1と同様に現像剤として、CLC−1100改造機(定着オイル塗布機構を設置)で画像出し評価を行ったところ、耐光性は実施例1〜5に比べ劣り、カブリが悪く、厚紙上で画像はがれが生じた。また、画像形成装置内にトナーの飛散がみられた。
<比較例5>
着色剤の構成を構造例3の化合物5質量部にし、反応性紫外線吸収剤を添加せずに実施例1と同様にして、トナー粒子を得た。
次に、このトナー粒子100質量部に、
スチレン単量体60質量部、2−エチルヘキシルアクリレート単量体20質量部、反応性紫外線吸収剤 2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール20質量部
からなる乳化重合体微粉末1.0質量部をヘンシェルミキサーで混合し固定化した。さらに、BET法で測定した比表面積が200m2/gである疎水化処理されたシリカ微粉体1.8質量部をヘンシェルミキサーで乾式混合してマゼンタトナーとした。
得られたマゼンタトナーを、実施例1と同様に現像剤として、画像出し評価を行ったところ、耐久が進むにつれ、耐光性、カブリが悪くなり、また、画像形成装置内にトナーの飛散がみられた。
上記実施例及び比較例の評価結果を表2にまとめて示した。
評価項目の説明と評価基準は、下記のとおりである。
[画像耐光性]
カラーコピー用紙、坪量80g/cm2のCLCカラーコピー用紙(キヤノン製)上のトナー量が0.6mg/cm2程度のベタ画像を作成し、カーボンアークランプを光源とした紫外線オートフェードメーター「FAL−AU」(スガ試験機社製)を用い、「JIS K 7102」に準じて評価した。最大照射時40時間とし、光照射前後の画像濃度の維持率を算出し、画像の耐光性を評価した。画像濃度維持率(%)が100%に近いほど、画像耐光性に優れることになる。
A:90%以上
B:80%以上、90%未満
C:70%以上、80%未満
D:70%未満
[OHP透過性]
トランスペアレンシーフィルム(CG3700:3M社製)上にマゼンタ単色画像を作成し、オーバーヘッドプロジェクター「OHP 9550」(3M社製)により該透過画像を白色スクリーンに投影して得られた投影画像を目視により評価した。
A:透過性の問題なし
B:やや透過性が悪い
C:かなり濁っている
[彩度]
カラーコピー用紙上のトナー量が0.6mg/cm2程度のベタ画像を作成し、Gretag Macbeth SpectrolinoにてL*、a*、b*を測定し、彩度(C*)を求め評価した。数値が大きいほど、鮮やかなことを示す。
A:彩度75以上
B:彩度60以上、75未満
C:彩度60未満
[カブリ]
画像上のカブリは、グリーンフィルターを搭載したリフレクトメーターREFLECTROMETER MODEL TC−6DS(東京電色社製)を使用して測定し、下記式より算出した。数値が小さいほど、カブリが少ないことになる。
カブリ(反射率)(%)=標準紙の反射率(%)−サンプルの非画像部の反射率(%)求め評価した。
A:1.0%未満
B:1.0%以上、2.0%未満
C:2.0%以上
[画像はがれ]
やや厚めの転写紙(坪量105g/m2)上にトナー量が0.8mg/cm2程度となるようにベタ画像を作成し、得られた画像表面の画像剥がれの発生状況を目視により評価した。画像はがれの箇所が少ないほど、発生が抑制されたことになる。
A:未発生
B:1箇所以上、5箇所以下
C:6箇所以上、10箇所以下
D:11箇所以上(或いは、直径2mm以上の画像はがれが発生)
[飛散したトナーの付着による画像形成装置内の汚染の程度]
1万枚耐久試験終了後、飛散したトナーの付着による画像形成装置内の汚染の程度を目視で評価した。
A:トナー付着による装置内汚染は殆ど見られない
B:所々で軽微なトナー付着が見られる
C:現像装置周辺部でのトナー付着が見られる
D:装置全体にまでトナー付着が広がる
Figure 0004434988

Claims (3)

  1. 少なくとも、式(1)の化合物と、重合性単量体及び式(2)の反応性紫外線吸収剤とを水系媒体中で懸濁重合することを特徴とするトナーの製造方法。
    Figure 0004434988
    [式中、R1、R2は炭素原子数1〜4のアルキル基を、R3は炭素原子数1〜6のアルキル基を表わし、Anはカウンターアニオンを表わす。]
    Figure 0004434988
    [式中、Xは水素原子またはハロゲン原子を示す。R1は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。R2は炭素数1〜6のアルキレン基を示す。R3は水素原子またはメチル基を表わす。]
  2. 請求項1に記載のトナーの製造方法により製造されたものであることを特徴とするマゼンタトナー。
  3. さらにキナクリドン系顔料を含有することを特徴とする請求項2に記載のマゼンタトナー。
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