JP5109537B2 - 静電荷像現像用マゼンタトナー - Google Patents
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Description
また、一部のローダミン系化合物またはそのレーキ塩は耐候性が低く光や熱に対する堅牢度が低いため、塩ビシートやラミネートフィルムに対して色移りしたり、印字物が放置中に退色してしまうなど、優れた保管性が得られないという問題もある。
前記マゼンタ着色剤は、下記一般式(1)で表されるローダミン系化合物またはそのレーキ塩、あるいは、下記式(1−c)又は(1−d)で表されるローダミン系化合物よりなることを特徴とする。
ここに、R6 は、炭素数5〜20のアルキル基、アルケニル基またはアリール基である。R6 としては、非置換の炭素数5〜20のアルキル基、アルケニル基またはアリール基であることが好ましい。
本発明のマゼンタトナーに係るマゼンタ着色剤を構成する特定のローダミン系化合物またはそのレーキ塩が、ローダミンの分子構造上カルボキシル基の置換基またはカルボニル基に結合される置換基が嵩高い基であることによって高い疎水性が得られ、従ってマゼンタトナーが吸湿性の低いものとなって良好な帯電性を発揮するものとなる。
ここに、L* a* b* 系表色系とは色を数値化して表すのに有用に用いられる手段であり、z軸方向のL* は明度を表し、x軸およびy軸のa* およびb* の両者で色相と彩度を表す。なお、明度とは色の相対的な明るさをいい、色相とは赤、黄、緑、青、紫などの色合いをいい、彩度とは色の鮮やかさの度合いをいう。
そして、色相角とは、例えば明度がある値をとるときの色相と彩度の関係を表すx軸−y軸平面において、ある座標点(a,b)と原点Oとの半直線が、x軸の+方向(赤方向)から半時計回りの方向において、x軸の+方向に伸びる直線となす角度をいう。なお、x軸−y軸平面において、a* で示されるx軸の−方向が緑方向であり、b* で示されるy軸の+方向が黄方向であり、当該y軸の−方向が青方向である。
結着樹脂としては、特に限定されずに用いることができる。
このような結着樹脂の具体例として、例えば、スチレン系樹脂、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂などのビニル系重合体、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、アミド樹脂およびエポキシ樹脂などが挙げられ、特に、透明性や重ね合わせ画像の色再現性を向上させるために、透明性が高く、溶融特性が低粘度で高いシャープメルト性を有する、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂が好適に挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のマゼンタトナーを製造する方法は、結着樹脂よりなる微粒子(以下、「結着樹脂微粒子」という。)とマゼンタ着色剤を含有する着色剤微粒子とを凝集、融着させるものであって、具体的には、例えば乳化重合凝集法が挙げられる。
(1)マゼンタ着色剤を含有する着色剤微粒子が水系媒体中分散されてなる着色剤微粒子の分散液を得る着色剤微粒子分散液調製工程、
(2)結着樹脂を形成すべき重合性単量体に必要に応じて離型剤、荷電制御剤などのトナー粒子構成材料を溶解あるいは分散させて重合性単量体溶液を調製し、これを水系媒体中に添加し、機械的エネルギーを加えて油滴を形成し、次いで水溶性ラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該油滴中において重合反応を行うことにより、結着樹脂微粒子を得る結着樹脂微粒子重合工程、
(3)結着樹脂微粒子および着色剤微粒子が存在している水系媒体中に、凝集剤を添加し、温度調節することにより、塩析を進行させると同時に凝集・融着を行い、マゼンタトナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程、
(4)水系媒体からマゼンタトナー粒子を濾別し、当該マゼンタトナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程、
(5)洗浄処理されたマゼンタトナー粒子を乾燥する乾燥工程、
(6)乾燥処理されたマゼンタトナー粒子に外添剤を添加する工程、
から構成される。
着色剤微粒子の体積基準のメジアン径を10〜500nmに制御する方法としては、例えば上述の機械的エネルギーの大きさを調整することなどにより、制御することができる。
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子をまたは乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂を得るための重合開始剤は、水溶性の重合開始剤であれば適宜のものを使用することができる。重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、パーオキシド化合物などが挙げられる。
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する界面活性剤としては、従来公知の種々のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン界面活性剤などを用いることができる。
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する凝集剤としては、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。凝集剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、凝集剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子中には、オフセット現象の抑止に寄与する離型剤が含有されていてもよい。ここに、離型剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜蝋ワックスなどを挙げることができる。
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子中には、荷電制御剤が含有されていてもよい。ここに、荷電制御剤としては、特に限定されず摩擦帯電により正または負の電荷を与える種々の物質を挙げることができ、例えば、マゼンタトナー粒子に用いられる負帯電性の荷電制御剤としては、マゼンタトナーの色調や透光性に悪影響を及ぼさないよう、無色、白色あるいは淡色の荷電制御剤が挙げられる。このような荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やクロムによる金属錯体(サリチル酸金属錯体)、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩化合物などを好適に挙げることができる。具体的には、サリチル酸金属錯体としては、例えば特開昭53−127726号公報、特開昭62−145255号公報などに開示されるもの、カリックスアレーン系化合物としては、例えば特開平2−201378号公報などに開示されるもの、有機ホウ素化合物としては、例えば特開平2−221967号公報に開示されるもの、含フッ素4級アンモニウム塩化合物としては例えば特開平3−1162号公報に開示されるものを挙げることができる。
マゼンタトナー粒子中における荷電制御剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜10質量部とされ、好ましくは0.5〜5質量部とされる。
マゼンタトナー粒子中に荷電制御剤などの内添剤を含有させる方法としては、上記に示したオフセット防止剤を含有させる方法と同様の方法を挙げることができる。
本発明のマゼンタトナーの粒径は、例えば体積基準のメジアン径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは6〜9μmとされる。この平均粒径は、使用する凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
上記のマゼンタトナー粒子は、そのままで本発明のマゼンタトナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該マゼンタトナー粒子に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して本発明のマゼンタトナーを構成してもよい。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
本発明のマゼンタトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のマゼンタトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなど用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
以下の実施例において、体積基準のメジアン径は、「MICROTRAC UPA−150」(HONEYWELL社製)を用い、サンプル屈折率が1.59、サンプル比重が球状粒子換算で1.05、溶媒屈折率が1.33、溶媒粘度が30℃で0.797、20℃で1.002の測定条件で測定した。なお、0点調整は測定セルにイオン交換水を投入することによって行った。
ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物、テレフタル酸、およびトリメリット酸の縮合物であるポリエステル樹脂(重量平均分子量(Mw)20,000)100質量部、上記式(1−a)で表されるマゼンタ着色剤〔1−a〕2質量部、離型剤としてペンタエリスリトールテトラステアレート6質量部、および荷電制御剤としてジベンジル酸ホウ素1質量部を、「ヘンシェルミキサー」(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を25m/秒に設定して5分間混合処理した。
次いで、混合物を二軸押出混練機で混練し、次いで、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミル粉砕機(ターボ工業社製)で粉砕処理し、さらに、コアンダ効果を利用した気流分級機で微粉分級処理を行うことで、体積基準のメジアン径が5.5μmである着色粒子〔1〕を得た。
次いで、この着色粒子〔1〕に、ヘキサメチルシラザン処理したシリカ(平均一次粒径12nm)0.6質量部およびn−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒径24nm)0.8質量部を添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池鉱業社製)を用いて撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分の条件で外添剤添加処理を行い、トナー〔1〕を作製した。
(1)着色剤微粒子分散液の調製
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に投入し、溶解、撹拌して界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液中に、マゼンタ着色剤〔1−a〕2質量部を徐々に添加し、「クリアミックスWモーションCLM−0.8」(エムテクニック社製)を用いて分散処理を行って、体積基準のメジアン径が280nmである着色剤微粒子〔2〕の分散液(着色剤微粒子分散液〔2〕)を調製した。
a.第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に下記式(W)に示すアニオン系界面活性剤〔W〕4質量部をイオン交換水3040質量部と共に投入し、界面活性剤水溶液を調製した。
式(W):C10H21(OCH2 CH2 )2 SO3 Na
この界面活性剤水溶液中に、過硫酸カリウム(KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、温度を75℃に昇温させた後、スチレン532質量部、n−ブチルアクリレート200質量部、メタクリル酸68質量部、およびn−オクチルメルカプタン16.4質量部よりなる単量体混合液〔a〕を1時間かけて反応容器中に滴下した。
この単量体混合液〔a〕を滴下後、この系を75℃にて2時間にわたって加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行い、重量平均分子量が16,400である樹脂微粒子〔A1〕を作製した。
b.第2段重合
撹拌装置を取り付けたフラスコ内にスチレン101.1質量部、n−ブチルアクリレート62.2質量部、メタクリル酸12.3質量部、およびn−オクチルメルカプタン1.75質量部からなる単量体混合液〔b〕を投入し、次いで、離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」(日本製蝋社製)93.8質量部を添加し、90℃に加温して溶解させ、単量体溶液〔c〕を調製した。
一方、アニオン界面活性剤〔W〕3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤水溶液を調製し、98℃に加熱した。この界面活性剤水溶液中に前記の樹脂微粒子〔A1〕32.8質量部(固形分換算)を添加し、さらに、上記の単量体溶液〔c〕を添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エムテクニック社製)で8時間混合分散し、分散粒子径が340nmの乳化粒子を含有する乳化粒子分散液〔d〕を調製した。
次いで、この乳化粒子分散液〔d〕に過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、この系を98℃にて12時間にわたって加熱撹拌を行うことによって重合(第2段重合)を行って重量平均分子量が23,000である樹脂微粒子〔A2〕を作製した。
c.第3段重合
上記の第2段重合で得られた樹脂微粒子〔A2〕に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、スチレン293.8質量部、n−ブチルアクリレート154.1質量部、およびn−オクチルメルカプタン7.08質量部からなる単量体混合液〔e〕を1時間かけて滴下した。
滴下終了後、2時間にわたって加熱撹拌を行って重合(第3段重合)を行い、重合終了後、28℃に冷却して重量平均分子量が26,800であるコア部用樹脂微粒子〔1〕を作製した。
上記のコア部用樹脂微粒子の作製例1において、単量体混合液〔a〕を、スチレン624質量部、2−エチルヘキシルアクリレート120質量部、メタクリル酸56質量部、およびn−オクチルメルカプタン16.4質量部よりなる単量体混合液〔f〕に変更したことの他は同様にして、シェル用樹脂微粒子〔1〕を作製した。
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に投入し、溶解、撹拌して界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液中に、下記式(X)で表される紫外線吸収剤2質量部を徐々に添加し、「クリアミックスWモーションCLM−0.8」(エムテクニック社製)を用いて分散処理を行って紫外線吸収剤分散液〔1〕を調製した。
a.コア粒子の形成
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、コア部用樹脂微粒子〔1〕420.7質量部(固形分換算)、イオン交換水900質量部、着色剤微粒子分散液〔1〕200質量部および紫外線吸収剤分散液〔1〕120質量部を投入、撹拌した。反応容器内の温度を30℃に調整した後、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを8〜11に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて65℃まで昇温した。その状態で、「マルチサイザ3」(コールター社製)を用いて会合粒子の平均粒径を測定し、体積基準のメジアン径が5.5μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させた水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、熟成処理として液温を70℃にして1時間にわたって加熱撹拌を行うことにより融着を継続させてコア粒子〔1〕を作製した。このコア粒子〔1〕の平均円形度を「FPIA2000(システックス社製)」で測定したところ、0.972だった。
b.シェル層の形成
次に、上記の反応系を65℃にしてシェル用樹脂微粒子〔1〕96質量部を添加し、さらに、塩化マグネシウム6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させた水溶液を10分間かけて添加した後、70℃まで昇温させて1時間にわたって撹拌し、コア粒子〔1〕の表面にシェル用樹脂微粒子〔1〕を融着させた後、75℃で20分間熟成処理を行ってシェル層を形成させた。
この後、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加してシェル層の形成を停止した。さらに、8℃/分の速度で30℃に冷却して生成した着色粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥することにより、コア−シェル構造を有する着色粒子〔2〕を作製した。
c.外添剤添加処理
次いで、この着色粒子〔2〕に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%となる割合で添加すると共に、疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1質量%となる割合で添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により混合し、その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去し、トナー〔2〕を作製した。
トナーの調製例2において、マゼンタ着色剤〔1−a〕を、それぞれ、上記式(1−b)で表されるマゼンタ着色剤〔1−b〕、上記式(1−c)で表されるマゼンタ着色剤〔1−c〕、上記式(1−d)で表されるマゼンタ着色剤〔1−d〕、下記式(e)で表されるマゼンタ着色剤〔e〕、下記式(f)で表されるマゼンタ着色剤〔f〕、下記式(g)で表されるマゼンタ着色剤〔g〕、下記式(h)で表されるマゼンタ着色剤〔h〕に変更したことの他は同様にして、トナー〔3〕〜〔9〕を作製した。なお、トナー〔6〕〜〔9〕は比較用のものである。
このトナー〔1〕〜〔9〕の各々に、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを、前記トナーの濃度が6質量%になるよう混合し、二成分の現像剤〔1〕〜〔9〕を調製した。なお、現像剤〔1〕〜〔5〕が本発明に係るものであり、現像剤〔6〕〜〔9〕は比較用のものである。
この現像剤〔1〕〜〔9〕を用いて「bizhubC250」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)で下記(1)〜(5)の実機評価を行い、当該現像剤〔1〕〜〔9〕を用いて「DIALTA Di350」(コニカミノルタ社製)で下記(6)の実機評価を行った。結果を表1に示す。
転写紙上にマゼンタトナー付着量を0.1〜1.0mg/cm2 の範囲で変化させた画像を形成し、色差計「CM−2002」(ミノルタ社製)を用いてそれぞれの画像のL* a* b* 色空間図から、下記式(I)によって彩度C* を算出した。
式(I):彩度(C* )=〔(a* )2 +(b* )2 〕1/2
ただし、上記式(I)中、a* 、b* はそれぞれa* 座標、b* 座標の値を表す。
本発明においては、彩度C* の値が70以上であるものを「◎」、60以上70未満のものを「○」、60未満のものを「△」として評価した。
低温低湿環境(温度10℃,湿度15%RH)および高温高湿環境(温度30℃,湿度85%RH)に各々サンプルを24時間以上放置した後、それぞれの帯電量QL、QHを、「吸引式ファラデーケージ法」と称される方法によって測定し、QL−QHを湿度依存性に係る帯電量変動幅として算出した。
「吸引式ファラデーゲージ法」とは、現像ロール上のマゼンタトナーを強力なエア吸引機を用いて、直接ファラデーケージ内に吸引捕集し、その帯電量を測定する方法である。
湿度依存性に係る帯電量変動幅が10μC/g未満である場合を「◎」、10μC/g以上20μC/g未満である場合を「○」、20μC/g以上である場合を「×」として評価した。
高温高湿環境(温度30℃,湿度85%RH)において10万枚のプリントを行い、初期および10万枚プリント後の帯電量を吸引式ファラデーケージ法で測定した。
初期帯電量に対して10万枚プリント後の帯電量の低下幅が5C/g未満である場合を「◎」、5C/g以上10C/g未満である場合を「○」、10C/g以上である場合を「×」として評価した。
トナー20gをサンプル管に取り、タッピングデンサーで500回振とうした後、55℃、30%RHの環境下に24時間放置し、次いで、48メッシュの篩に入れて一定の振動条件で篩い、メッシュ上の残留したトナー量の比率を質量%の単位で測定し、これをトナー凝集率とした。
トナー凝集率が15質量%未満であれば「◎」、15質量%以上40質量%未満であれば「○」、40質量%以上60質量%未満であれば「△」、60質量%以上であれば「×」として評価した。
試料(トナー)を予め真空乾燥機にて24時間乾燥後、高温高湿環境(温度30℃,湿度80%RH)において24時間調湿した後、以下のように水分量を測定した。
水分量が1.5質量%未満であれば「○」、1.5質量%以上2.0質量%未満であれば「△」、2.0質量%以上であれば「×」として評価した。
水分量が2.0質量%未満である場合は、熱定着時にトナーから発生する水蒸気噴出による画像欠陥が発生しなかった。
−水分量の測定−
試料の水分量の測定は、カール・フィッシャー水分計「AO−6、AQI−601」(AQ−6用インターフェイス)、加熱気化装置「LE−24S」からなる自動熱気化水分測定システム「AQS−724」(平沼産業社製)を用い、20℃/50%RHの環境下にて24時間放置した試料0.5gをガラス製20mlのサンプル管に精密に秤量して入れ、テフロン(登録商標)コートのシリコーンゴムパッキングを用いて密栓し、以下の測定条件および試薬にてこの密栓した環境中に存在する水分量の測定を行った。さらに、この密栓した環境中の水分量を補正するため、空のサンプルを同時に2本測定した。
・試料加熱温度:110℃
・試料加熱時間:1分
・窒素ガス流量:150ml/分
・試薬:対極液(陰極液);ハイドラナール クーロマット CG−K(HYDRANAL(R)−Coulomat CG−K)、発生液(陽極液):ハイドラナール クーロマット AK(HYDRANAL(R)−Coulomat AK)
オイルレス定着器を備えたデジタル複写機「DIALTA Di350」(コニカミノルタ社製)に現像剤を装填し、定着速度を300mm/secに設定し、定着温度を90〜150℃の範囲において5℃刻みで変化させながらハーフトーン画像を上質紙にプリントし、オフセットの発生状態を目視で観察し、高温オフセットが発生した回の定着温度をオフセット温度とした。
オフセット温度が140℃以上であれば「◎」、130℃以上140℃未満であれば「○」、120℃以上130℃未満であれば「×」として評価した。
Claims (1)
- 少なくとも結着樹脂とマゼンタ着色剤とを含有してなる静電荷像現像用マゼンタトナーであって、
前記マゼンタ着色剤は、下記一般式(1)で表されるローダミン系化合物またはそのレーキ塩、あるいは、下記式(1−c)又は(1−d)で表されるローダミン系化合物よりなることを特徴とする静電荷像現像用マゼンタトナー。
〔上記一般式(1)中、R1 〜R4 は、各々、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基またはアルケニル基であり、R5 は、炭素数5〜20のアルキル基、アルケニル基または−OR6 (ただし、R6 は、炭素数5〜20のアルキル基、アルケニル基またはアリール基である。)である。〕
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