JP2010101987A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】転写率が高く、かつ、形成される画像に高い品位の粒状性が得られる静電荷像現像用トナー。
【解決手段】静電荷像現像用トナーは、結着樹脂、着色剤および内部添加型転写助剤を含有するトナー粒子よりなり、内部添加型転写助剤が特定の金属フタロシアニン化合物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成方法に用いられる静電荷像現像用トナーに関する。
電子写真方式の画像形成装置は、オフィスなどで使用される一方、高速化および高画質化が達成されたカラー画像形成装置は、「デジタル印刷機」とも呼ばれ、ダイレクトメールや料金明細など可変情報の印刷に便利に使用されている。刷版が不要なために商業印刷の主流であったオフセット印刷機の代替機としても普及し始めている。
このようにデジタル印刷機として使用される高速・高機能機においては、従来のオフィスなどで使用される場合に比べて、印刷枚数が多いためにトナーの消費量が多く、また、当該トナーに求められる性能に多様性があるという現状がある。
デジタル印刷機に用いられるトナーに求められる性能としては、例えば、画素率によって大きく異なるが、印刷ジョブにおいて形成する画像がカラーの写真画像である場合は、1印刷物当たりのトナーの消費量が多く、これに対応するために現像装置に短時間に多量のトナーが補給された場合にも速く所期の帯電量に至る立ち上がり帯電性の高いトナーが求められる。
また、デジタル印刷機は昼夜稼働されるケースも想定されるため、従来以上に気温と湿度の変動に対して帯電量が安定したトナーが求められる。
また、デジタル印刷機は印刷物を生産する設備として位置づけられ、このため、稼働率が高い、すなわちダウンタイムの短いものが求められている。
然るに、トナーの消費量の多い印刷ジョブが続くと、転写残トナーを回収する廃トナーボックスが満タンになるたびに、装置を止めなければならないため、転写率が高く、廃トナーボックスの交換回数を低減させることのできるトナーが求められている。このような転写率の高いトナーは、例えば特許文献1,2に開示されている。
さらに、カラー画像を形成する場合において、黒色のトナーは文字画像のみでなくオフセット印刷でいうところの墨版の役割を担う。従って、トナーの性状が微妙な階調による画像の立体感、画像の滑らかさ、すなわち粒状性などに影響し、画像の品位が決定付けられる。
しかしながら、現実には、カラー画像を得るための電子写真方式の画像形成装置においては、電気伝導性の高いカーボンブラックを黒色のトナーの着色剤に用いるために、ドットの転写性が乱れ、その結果、画像の品位が低いものとなる、という問題があった。
このような問題を解決するための方法が特許文献3〜5が開示されているが、未だ不十分である。
特開2002−365854号公報 特開2004−309745号公報 特開2006−154471号公報 特開2006−215243号公報 特開2008−3360号公報
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、転写率が高く、かつ、形成される画像に高い品位の粒状性が得られる静電荷像現像用トナーを提供することにある。
本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤および内部添加型転写助剤を含有するトナー粒子よりなる静電荷像現像用トナーであって、
前記内部添加型転写助剤が、下記一般式(1)または下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする。

〔上記一般式(1)中、M1 はケイ素原子(Si)、ゲルマニウム原子(Ge)およびスズ原子(Sn)よりなる群から選択される中心金属原子を示す。また、2つのZは、各々独立にヒドロキシ基、塩素原子、炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または下記一般式(3)で表される基を示す。また、A1 〜A4 は、各々独立に下記式(A−1)〜下記式(A−29)で表される電子吸引基を有してもよい芳香環を形成する原子団を示す。〕

〔上記一般式(2)中、M2 はアルミニウム原子(Al)およびガリウム原子(Ga)よりなる群から選択される中心金属原子を示す。また、Zはヒドロキシ基、塩素原子、炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または下記一般式(3)で表される基を示す。また、A1 〜A4 は、各々独立に下記式(A−1)〜下記式(A−29)で表される電子吸引基を有してもよい芳香環を形成する原子団を示す。〕

〔上記一般式(3)中、R1 〜R3 は、各々、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または炭素数6〜18のアリールオキシ基を示す。〕
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、前記内部添加型転写助剤を構成する化合物が、上記一般式(1)または一般式(2)においてZが上記一般式(3)で表される基よりなるものであることが好ましく、さらに、上記一般式(1)において中心金属原子を示すM1 がケイ素原子である化合物であることが好ましい。
また、本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、前記着色剤がカーボンブラックであることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーによれば、特定のフタロシアニン化合物よりなる内部添加型転写助剤が含有されているために、転写率が高く、かつ、形成される画像に高い品位の粒状性が得られる。
この理由としては、以下のように考えられる。
すなわち、本発明の静電荷像現像用トナーについて、他の部材・容器などとの非静電的な物理的付着力すなわちファンデルワースル力が低いことが観察されている。
そして、同様に、画像形成装置内において、感光体、中間転写体、現像部材、キャリア、クリーニング部材などとの間のファンデルワールス力も低くなっていると考えられ、特に、その効果は転写時に顕著に表れ、感光体上の一次画像と転写画像の一致の度合いが高くなるものと考えられる。
本発明の静電荷像現像用トナーと他の物体との間のファンデルワールス力が小さい理由としては、明確ではないが、以下のように考えられる。すなわち、内部添加型転写助剤を構成する特定のフタロシアニン化合物は、中心金属原子からフタロシアニン環に対して垂直方向に置換基を有する化合物であり、当該置換基が立体障害となるためであると推察される。なお、ここでいう垂直方向とは、フタロシアニン環に対して同一平面上にないという意味であり、置換基が当該平面に正確に90℃に位置するという意味ではない。
以下、本発明について具体的に説明する。
〔トナー〕
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、少なくとも結着樹脂、着色剤および内部添加型転写助剤(以下、単に「転写助剤」ともいう。)を含有するトナー粒子よりなり、転写助剤が、上記一般式(1)または上記一般式(2)で表される化合物とされるトナーである。
上記一般式(1)中、M1 はケイ素原子(Si)、ゲルマニウム原子(Ge)およびスズ原子(Sn)よりなる群から選択される中心金属原子を示す。
一般式(1)における中心金属原子M1 としては、特にケイ素原子(Si)が好ましい。
また、上記一般式(2)中、M2 はアルミニウム原子(Al)およびガリウム原子(Ga)よりなる群から選択されるよりなる群から選択される中心金属原子を示す。
一般式(2)における中心金属原子M2 としては、アルミニウム原子(Al)が好ましい。
また、上記一般式(1)および上記一般式(2)中、Zは、各々独立にヒドロキシ基、塩素原子、炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または上記一般式(3)で表される基を示す。
また、上記一般式(3)中、R1 〜R3 は、各々、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または炭素数6〜18のアリールオキシ基を示す。特に、R1 〜R3 がメチル基、エチル基またはプロピル基であることにより、トナーに高い転写率が得られると共に形成される画像に高い品位の粒状性が得られるために、好ましい。
さらに、上記一般式(1)および上記一般式(2)中、A1 〜A4 は、各々独立に上記式(A−1)〜上記式(A−29)で表される電子吸引基を有してもよい芳香環を形成する原子団を示す。
転写助剤としては、上記一般式(1)において、置換基Zが一般式(3)で表される基であり、当該一般式(3)における基R1 〜R3 が各々独立にメチル基、エチル基またはプロピル基であるものが好ましい。
転写助剤としては、具体的には、下記式(T1)〜下記式(T28)で表されるものを例示することができ、特に、下記式(T9)〜下記式(T14)で表されるものが好ましい。ただし、下記式(T1)、式(T11)および式(T16)中、(i)C3 7 −はイソプロピル基であり、下記式(T6)中、(n)C4 9 −はノルマルブチル基であり、下記式(T9)および式(T27)中、(n)C6 13−はノルマルヘキシル基であり、下記式(T15)、式(T16)および式(T21)中、(t)C4 9 −はターシャリーブチル基であり、下記式(T17)中、(n)C1225−はノルマルドデシル基であり、下記式(T22)中、(i)C8 17−はイソオクチル基である。




転写助剤の含有割合は、例えば着色剤が黒色のものである場合は、トナー粒子を構成する結着樹脂100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜5質量部である。
以上のような転写助剤を、トナー粒子中に導入する方法としては、特に限定されず、公知の、トナーの製造方法における着色剤の導入方法と同様の方法が挙げられる。例えば、後述するようにトナーを乳化重合凝集法によって製造する場合において、(1)結着樹脂と分子レベルで混在させた微粒子の分散液を調製し、この微粒子を凝集させることにより、トナー粒子を得る方法、または、(2)結着樹脂による微粒子とは別個に、転写助剤のみよりなる微粒子を作製し、これらの分散液を混合して両方の微粒子を凝集させることにより、トナー粒子を得る方法などが挙げられる。
結着樹脂と転写助剤とが分子レベルで混在された微粒子は、当該結着樹脂を形成すべき重合性単量体に予め転写助剤を溶解させておき、転写助剤を含有した重合性単量体を重合させることにより、作製することができる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子は、結着樹脂および着色剤を含有するコア粒子と、その外周面を被覆する実質的に染料を含まないシェル層形成用樹脂(以下、「シェル樹脂」ともいう。)よりなるシェル層とよりなるコア−シェル構造のものとされていてもよい。トナー粒子がコア−シェル構造のものとして構成されることにより、当該トナー粒子について高い製造安定性および保存安定性が得られる。
このコア−シェル構造のトナー粒子とは、シェル層がコア粒子を完全に被覆している形態のみならず、コア粒子の一部を被覆しているものであってもよい。また、シェル層を構成するシェル樹脂の一部がコア粒子中にドメインなどを形成しているものであってもよい。さらに、シェル層は、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の多層構造を有するものであってもよい。
〔トナーの製造方法〕
本発明のトナーを製造する方法としては、特に限定されず、混練・粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、ミニエマルション重合凝集法、カプセル化法、その他の公知の方法などの公知の方法を挙げることができるが、トナーを製造する方法としては、画像の高画質化を達成するために小粒径化されたトナーを得る必要があることを考慮して、製造コストおよび製造安定性の観点から、乳化重合凝集法を用いることが好ましい。
乳化重合凝集法は、乳化重合法によって製造された結着樹脂よりなる微粒子(以下、「結着樹脂微粒子」という。)の分散液を、他の着色剤微粒子、離型剤微粒子などのトナー粒子構成成分の分散液と混合し、pH調整による微粒子表面の反発力と電解質体よりなる凝集剤の添加による凝集力とのバランスを取りながら緩慢に凝集させ、平均粒径および粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に、加熱撹拌することで微粒子間の融着を行って形状制御を行うことにより、トナー粒子を製造する方法である。
トナーを製造するための方法として、乳化重合凝集法を用いる場合に形成させる結着樹脂微粒子は、組成の異なる結着樹脂よりなる2層以上の構成とすることもでき、この場合、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)により調製した第1樹脂粒子の分散液に、重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する方法を採用することができる。
また、コア−シェル構造のトナー粒子の製造方法としては、後記に詳述するように、まず、コア結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを会合、凝集、融着させてコア粒子を作製し、次いで、コア粒子の分散液中にシェル層を形成すべきシェル樹脂微粒子を添加し、前記コア粒子の表面にこのシェル樹脂微粒子を凝集、融着させることによりコア粒子の表面を被覆するシェル層を形成することにより、得ることができる。
コア−シェル構造のトナー粒子を構成するコア粒子の形状は、例えば、凝集・融着工程の加熱温度、第1の熟成工程の加熱温度および加熱時間を制御することにより調整することができる。特に、第1の熟成工程における加熱時間を制御することにより、会合粒子の円形度を確実に調整することができる。
そして、このコア粒子は、例えば、当該コア粒子を構成すべきコア結着樹脂を形成する重合性単量体を水系媒体中に機械的に微粒分散させ、ミニエマルション重合法により重合性単量体を重合させる工程を経て形成したコア結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを後述するように塩析/融着させる塩析/融着法が好ましく用いられる。
〔結着樹脂〕
本発明のトナーに含有される結着樹脂としては、当該トナーが例えば粉砕法、溶解懸濁法などによって製造される場合には、結着樹脂として、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、カーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフォン、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などの公知の種々の樹脂を挙げることができる。特に、透明性や重ね合わせ画像の色再現性を向上させるために、透明性が高く、溶融特性が低粘度で高いシャープメルト性を有する、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂が好適に挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明のトナーが例えば懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法、乳化重合凝集法などによって製造される場合には、トナーを構成する結着樹脂を得るための重合性単量体として、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンあるいはスチレンスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのフッ化ビニル類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸またはメタクリル酸誘導体などのビニル系単量体を挙げることができる。これらのビニル系単量体は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。イオン性解離基を有する重合性単量体は、例えばカルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基などの置換基を構成基として有するものであって、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
さらに、重合性単量体として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレーイエロートナーどの多官能性ビニル類を用いて架橋構造の結着樹脂を得ることもできる。
トナー粒子がコア−シェル構造のものである場合は、コア結着樹脂、およびシェル樹脂として、それぞれスチレン−アクリル系樹脂が好ましい。
コア結着樹脂が共重合体よりなるものである場合は、当該共重合体を得るための重合性単量体として、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、2−エチルへキシルメタクリレートなどの、得られる共重合体のガラス転移点温度(Tg)を低いものとすることができるものが含まれることが好ましい。
このような重合性単量体の共重合比は、コア結着樹脂を形成すべき重合性単量体全体の8〜80質量%であり、9〜70質量%であることが好ましい。
これらの重合性単量体としては、上記に挙げた具体例の他に、酸無水物、あるいはビニルカルボン酸金属塩の形態を有するものであってもよい。
また、シェル樹脂が共重合体よりなるものである場合は、当該共重合体を得るための重合性単量体として、スチレン、メチルメタクリレート、メタクリル酸などの、得られる共重合体のガラス転移点温度(Tg)を高いものとすることができるものが含まれることが好ましい。
このような重合性単量体の共重合体比は、シェル樹脂を形成すべき重合性単量体全体の8〜80質量%であり、9〜20質量%であることが好ましい。
これらの重合性単量体としては、上記に挙げた具体例の他に、酸無水物、あるいはビニルカルボン酸金属塩の形態を有するものであってもよい。
本発明のトナーを構成する結着樹脂は、例えば当該トナーが乳化重合法、乳化重合凝集法、ミニエマルション重合凝集法などで製造されたコア−シェル構造のものである場合、トナー粒子を構成するコア粒子およびシェル層を形成するそれぞれの結着樹脂の分子量が、それぞれ以下のようであることが好ましい。
すなわち、コア粒子を構成する結着樹脂がTHF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)が5,000〜30,000の範囲にあり、かつ、シェル層を構成する結着樹脂がTHF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)が10,000〜80,000の範囲にそれぞれピーク分子量があることが好ましく、さらに好ましくはコア粒子を構成する結着樹脂の重量平均分子量(Mw)が15,000〜28,000、シェル層を構成する結着樹脂の重量平均分子量(Mw)が10,000〜50,000の範囲にそれぞれピーク分子量があることである。
また、コア粒子を構成する結着樹脂のガラス転移点温度(Tg)は10〜50℃、好ましくは25〜48℃であることが好ましく、シェル層を構成する結着樹脂のガラス転移点温度(Tg)は38〜64℃、好ましくは40〜54℃であることが好ましい。
一方、本発明のトナーを構成する結着樹脂は、例えば当該トナーがコア−シェル構造のものではない場合、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量(Mn)が好ましくは3,000〜6,000、より好ましくは3,500〜5,500、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2.0〜6.0、好ましくは2.5〜5.5、ガラス転移点温度(Tg)が50〜70℃、好ましくは55〜70℃であることが好ましい。
結着樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるものである。具体的には、装置「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2ml/minで流し、測定試料を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出される。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いた。
結着樹脂のガラス転移点温度(Tg)は、示差走査カロリメーター「DSC−7」(パーキンエルマー製)、および熱分析装置コントローラー「TAC7/DX」(パーキンエルマー製)を用いて測定されるものである。具体的には、イエロートナー4.50mgを小数点以下2析まで精秤し、アルミニウム製パン「KITNO.0219−0041」に封入し、これを「DSC−7」のサンプルホルダーにセットし、リファレンスの測定には空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃で、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分の測定条件で、Heat−cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを取得し、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線との交点をガラス転移点温度(Tg)として示す。なお、1st.Heat昇温時は200℃にて5分間保持した。
また、以上のようなトナーに係る結着樹脂の軟化点温度は、得られるトナーの軟化点温度が上述の範囲となるような温度であればよい。
〔着色剤〕
本発明のトナーに含有される着色剤としては、一般に知られている染料および顔料を用いることができるが、着色剤としては、得られるトナーについての色再現性、透明性の観点から、特に染料を用いることが好ましい。
黒色のトナーを得るための着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、染料、顔料などの公知の種々のものを任意に使用することができる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
これら着色剤のトナー中における数平均一次粒子径は、着色剤の種類などにより異なるが、概ね10〜200nm程度であることが好ましい。
以上のような着色剤を、トナー粒子中に導入する方法としては、特に限定されないが、例えば、トナーを乳化重合凝集法によって製造する場合において、(1)結着樹脂と分子レベルで混在させた微粒子の分散液を調製し、この微粒子を凝集させることにより、トナー粒子を得る方法、または、(2)結着樹脂による微粒子とは別個に、着色剤のみよりなる微粒子を作製し、これらの分散液を混合して両方の微粒子を凝集させることにより、トナー粒子を得る方法などが挙げられる。
結着樹脂と着色剤とが分子レベルで混在された微粒子は、当該結着樹脂を形成すべき重合性単量体に予め着色剤を溶解させておき、着色剤を含有した重合性単量体を重合させることにより、作製することができる。
着色剤の含有割合は、トナー中に1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量%である。着色剤の含有量がトナー中に1質量%未満である場合は、得られるトナーが着色力の不足したものとなるおそれがあり、一方、着色剤の含有量がトナー中の10質量%を超える場合は、着色剤の遊離やキャリアなどへの付着が発生し、帯電性に影響を与える場合がある。
〔離型剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、結着樹脂、着色剤および転写助剤の他に、必要に応じて、オフセット現象の抑止に寄与する離型剤が含有されていてもよい。ここに、離型剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックスなどを挙げることができる。
トナー粒子中における離型剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して通常0.5〜5質量部とされ、好ましくは1〜3質量部とされる。離型剤の含有割合が結着樹脂100質量部に対して0.5質量部未満であると、十分なオフセット防止効果が得られず、一方、結着樹脂100質量部に対して5質量部より大きいと、得られるトナーが透光性や色再現性の低いものとなる。
〔荷電制御剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、結着樹脂、着色剤および転写助剤の他に、必要に応じて荷電制御剤が含有されていてもよい。荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
〔トナー粒子の粒径〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子の粒径は、例えば体積基準のメジアン径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは6〜9μmとされる。この粒径は、使用する凝集剤(塩析剤)の濃度や凝集停止剤の添加のタイミング、凝集時の温度、重合体の組成によって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
トナーの体積基準のメジアン径は「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径とされる。
〔トナー粒子の平均円形度〕
本発明のトナーは、このトナーを構成する個々のトナー粒子について、転写効率の向上の観点から、下記式(T)で示される平均円形度が0.930〜1.000であることが好ましく、より好ましくは0.950〜0.995である。
式(T):平均円形度=円相当径から求めた円の周囲長/粒子投影像の周囲長
〔外添剤〕
上記のトナー粒子は、そのままで本発明のトナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して本発明のトナーを構成してもよい。
後処理剤としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などよりなる無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、あるいは、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
これらの種々の外添剤の添加量は、その合計が、トナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部とされる。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
〔現像剤〕
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなど用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
キャリアの体積基準のメジアン径としては20〜100μmであることが好ましく、更に好ましくは20〜60μmとされる。キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
〔画像形成方法〕
本発明のトナーは、カラー画像形成方法に好ましく用いることができるが、ブラックアンドホワイト(モノクローム)の画像形成方法に用いることもできる。
〔画像支持体〕
本発明のトナーを用いた画像形成方法に使用される画像支持体としては、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以上のようなトナーによれば、特定のフタロシアニン化合物よりなる内部添加型転写助剤が含有されているために、転写率が高く、かつ、形成される画像に高い品位の粒状性が得られる。
この理由としては、以下のように考えられる。
すなわち、以上のトナーについて、他の部材・容器などとの非静電的な物理的付着力すなわちファンデルワースル力が低いことが観察されている。
そして、同様に、画像形成装置内において、感光体、中間転写体、現像部材、キャリア、クリーニング部材などとの間のファンデルワールス力も低くなっていると考えられ、特に、その効果は転写時に顕著に表れ、感光体上の一次画像と転写画像の一致の度合いが高くなるものと考えられる。
以上のトナーと他の物体との間のファンデルワールス力が小さい理由としては、明確ではないが、以下のように考えられる。すなわち、内部添加型転写助剤を構成する特定のフタロシアニン化合物は、中心金属原子からフタロシアニン環に対して垂直方向に置換基を有する化合物であり、当該置換基が立体障害となるためであると推察される。なお、ここでいう垂直方向とは、フタロシアニン環に対して同一平面上にないという意味であり、置換基が当該平面に正確に90℃に位置するという意味ではない。
以上、本発明のトナーの実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下において、体積基準のメジアン径は「MICROTRAC UPA 150」(HONEYWELL社製)により下記の測定条件で測定したものである。
[測定条件]
・サンプル屈折率:1.59
・サンプル比重:1.05(球状粒子換算)
・溶媒屈折率:1.33
・溶媒粘度:30℃にて0.797、20℃にて1.002
・測定セルにイオン交換水を入れ、ゼロ点調整を行った。
(1)着色剤および転写助剤の分散液の調製例1
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に添加し、撹拌して溶解させた溶液を調製し、当該溶液の撹拌を続けながら、当該溶液中に黒の着色剤および本発明の転写助剤成分である下記化合物を徐々に添加した。
着色剤:カーボンブラック(リーガル330R キャボット社製) 17.9質量部
転写助剤:上記式(1)で表される化合物 7.1質量部
次いで、撹拌装置「クレアミックスWモーションCLM−0.8」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理を行うことにより、体積基準のメジアン径が142nmである着色剤および転写助剤よりなる微粒子の分散液(以下、「黒用転写助剤分散液」ともいう。)〔1〕を調製した。
(2)着色剤および転写助剤の分散液の調製例2〜29
着色剤および転写助剤の分散液の調製例1において、着色剤および転写助剤成分である化合物の種類を下記表1に従って変更したことの他は同様にして、黒用転写助剤分散液〔2〕〜〔28〕および比較用の黒用転写助剤分散液〔29〕を調製した。それぞれの着色剤および転写助剤よりなる微粒子の体積基準のメジアン径(D50)を表1に示す。

(3)黒トナーの作製例1
(3−1)コア形成用樹脂微粒子の作製例
(i)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、構造式:C1021(OCH2 CH2 )SO3 Naで表されるアニオン系界面活性剤4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、
スチレン 532質量部
n−ブチルアクリレート 200質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
よりなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。その後、この系を75℃で2時間にわたって加熱、撹拌して重合(第1段重合)を行うことにより、樹脂微粒子〔j1〕を調製した。
(ii)第2段重合(中間層の形成)
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に、
スチレン 101.1質量部
n−ブチルアクリレート 62.2質量部
メタクリル酸 12.3質量部
n−オクチルメルカプタン 1.75質量部
よりなる単量体混合液を投入し、さらに離型剤として
パラフィンワックス「HNP−57」(日本精蝋社製) 93.8質量部
を添加し、80℃に加温して溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、構造式:C1021(OCH2 CH2 )SO3 Naで表されるアニオン系界面活性剤3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤溶液を80℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、上記樹脂微粒子〔j1〕の分散液を、固形分換算で32.8質量部添加し、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック杜製)により、前記離型剤を溶解させた単量体溶液を8時間混合させることにより、分散粒子径340nmの微粒子が乳化分散された分散液を調製した。
次いで、この分散液に過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃で3時間にわたって加熱、撹拌して重合(第2段重合)を行うことにより、樹脂微粒子〔j2〕の分散液を調製した。
(iii )第3段重合(外層の形成)
上記の樹脂微粒子〔j2〕の分散液中に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、
スチレン 293.8質量部
n−ブチルアクリレート 154.1質量部
n−オクチルメルカプタン 7.08質量部
よりなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間わたって加熱、撹拌して重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却することにより、コア形成用樹脂微粒子〔J〕の分散液を得た。このコア形成用樹脂微粒子〔J〕のガラス転移点温度(Tg)は28.1℃であった。なお、ガラス転移点温度(Tg)は上記と同様の方法によって測定した。
(3−2)コア粒子の形成
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器内に、
コア形成用樹脂粒子〔J〕の分散液(固形分換算) 420.7質量部
イオン交換水 900質量部
黒用転写助剤分散液〔1〕 200質量部
を投入して撹拌し、容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。
次いで、上記の液を撹拌しながら、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、30℃で10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて65℃まで昇温した。その状態で「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)を用いて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメジアン径が5.5μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加して粒径成長を停止させた。さらに、熟成処理として液温度70℃にて1時間にわたって加熱撹拌することにより融着を継続させ、コア粒子〔1〕を形成した。得られたコア粒子の円形度を「FPIA2100」(シスメックス社製)を用いて測定したところ、平均円形度は0.912であった。なお、コア粒子の平均円形度は、上記と同様にして測定したものである。
(3−3)シェル樹脂微粒子の作製
コア形成用樹脂微粒子の作製例において、第1段重合に用いた単量体混合液を、
スチレン 624質量部
2−エチルヘキシルアクリレート 120質量部
メタクリル酸 56質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
よりなる単量体混合液に変更したことの他は同様にして、シェル形成用樹脂微粒子〔S〕の分散液を得た。このシェル形成用樹脂微粒子〔S〕のガラス転移点温度(Tg)は62.6℃であった。なお、ガラス転移点温度(Tg)は上記と同様の方法によって測定した。
(3−4)シェル層の形成
次いで、65℃においてシェル形成用樹脂微粒子〔S〕の分散液96質量部(固形分換算)を添加し、さらに塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させた水溶液を、10分間かけて添加した後、70℃(シェル化温度)まで昇温させ、1時間にわたって撹拌を継続し、コア粒子〔1〕の表面に、シェル形成用樹脂微粒子〔S〕を融着させた後、75℃で20分熟成処理を行い、シェル層を形成させた。
ここで、塩化ナトリウム40.2質量部を加え、6℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、コア粒子の表面にシェル層が形成されたトナー母体粒子〔1〕を作製した。
(3−5)外添処理
このトナー母体粒子〔1〕に、アルミナ粒子(ジメチルシリコーン1.25質量%で表面処理されたもので、CO2 ガス吸着個数が3.3個/nm2 、BET法により比表面積が87m2 /gのもの)を0.4質量部添加し、ヘンシェルミキサーによって回転数3000rpmで1分間撹拌することにより、トナー母体粒子〔1〕の表面にアルミナ粒子が付着された黒トナー〔1〕を作製した。
(4)黒トナーの作製例2〜29
黒トナーの作製例1において、黒用転写助剤分散液〔1〕の代わりに、それぞれ黒用転写助剤分散液〔2〕〜〔28〕および比較用の黒用転写助剤分散液〔29〕を用いたことの他は同様にして、黒トナー〔2〕〜〔28〕および比較用の黒トナー〔29〕を作製した。
(5)現像剤の調製
上記の黒トナー〔1〕〜〔28〕および比較用の黒トナー〔29〕の各々に、メチルメタクリレート樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを、前記トナーの濃度が6質量%になるよう混合し、黒現像剤〔1〕〜〔28〕および比較用の黒現像剤〔29〕を調製した。
〔実施例1〜28,比較例1〕
フルカラー高速複合機「bizhub PRO C6501」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を使用し、市販のbizhub PRO C6501用のイエロー現像剤、マゼンタ現像剤およびシアン現像剤と、黒現像剤〔1〕〜〔28〕および比較用の黒現像剤〔29〕のいずれかとを用い、以下のようにトナー回収ボックスの耐用性および粒状性について評価した。結果を表2に示す。
〔トナー回収ボックスの耐用性〕
上記のフルカラー高速複合機を定着線速を620mm/min(約130枚/分)に改造し、転写紙は「PODグロスコート紙128g/m2 」(王子製紙社製)を用い、温度20℃湿度50%RHの環境下において、A4サイズの黒文字線画像からなる[日本画像学会発行のテストチャート8番](画像カバレッジ6%)を出力する100万枚のプリントテストを実施し、トナー回収ボックスが、収納された転写残トナーによって満タンになるまでの枚数、具体的には、光学センサーによって検知され「トナー回収ボックスがいっぱいです。」の表示が操作盤に現れた時点の枚数によって評価した。
なお、「トナー回収ボックスがいっぱいです。」の表示が操作盤に現れた枚数が100万枚以上であれば優良、65万枚以上100万枚未満であれば良好、32万枚以上65万枚未満であれば実用可能、32万枚未満であれば実用に耐えない不良であると判断される。
〔粒状性〕
上記のフルカラー高速複合機をプリンタモードとし、Web Safe Colorより8色のソフトトーンのカラーコード(#cc6666、#cc9966、#cccc66、#99cc66、#66cc66、#66cc99、#66cccc、#6699cc)のパッチ画像を「PODグロスコート紙128g/m2 」(王子製紙社製)にプリントし、それぞれの粒状性を下記の評価基準に従って総合的に判定した。
なお、粒状性とは、均一に露光された静電潜像に対応するトナー画像(現像、転写、定着画像)の不均質さをいう。目視では、濃度分布のざらつきとして感知される。
−評価基準−
◎:倍率10倍のルーペで観察してもきめが細かく、均一なハーフトーン画像が再現されている。
○:肉眼ではほとんど判別できないが、倍率10倍のルーペで見ると若干粒状性による荒れがある。
△:肉眼で粒状性による荒れが判別できるが、画像として許容できる範囲である。
×:肉眼で粒状性による荒れがひどく、がさついた画像に見え、実用上問題である。
以上のように、実施例1〜実施例28に係る本発明のトナーによれば、トナー回収ボックスに十分な耐用性が得られると共に、形成される画像の粒状性が十分に良好なものとなることが確認された。

Claims (4)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤および内部添加型転写助剤を含有するトナー粒子よりなる静電荷像現像用トナーであって、
    前記内部添加型転写助剤が、下記一般式(1)または下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。

    〔上記一般式(1)中、M1 はケイ素原子(Si)、ゲルマニウム原子(Ge)およびスズ原子(Sn)よりなる群から選択される中心金属原子を示す。また、2つのZは、各々独立にヒドロキシ基、塩素原子、炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または下記一般式(3)で表される基を示す。また、A1 〜A4 は、各々独立に下記式(A−1)〜下記式(A−29)で表される電子吸引基を有してもよい芳香環を形成する原子団を示す。〕

    〔上記一般式(2)中、M2 はアルミニウム原子(Al)およびガリウム原子(Ga)よりなる群から選択される中心金属原子を示す。また、Zはヒドロキシ基、塩素原子、炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または下記一般式(3)で表される基を示す。また、A1 〜A4 は、各々独立に下記式(A−1)〜下記式(A−29)で表される電子吸引基を有してもよい芳香環を形成する原子団を示す。〕

    〔上記一般式(3)中、R1 〜R3 は、各々、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または炭素数6〜18のアリールオキシ基を示す。〕
  2. 前記内部添加型転写助剤を構成する化合物が、上記一般式(1)または一般式(2)においてZが上記一般式(3)で表される基よりなるものであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記内部添加型転写助剤を構成する化合物が、上記一般式(1)において中心金属原子を示すM1 がケイ素原子である化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記着色剤がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
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