JP2009169407A - 静電荷像現像用マゼンタトナー - Google Patents
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Abstract
【課題】基本的に高い耐光性を有し、しかも高い彩度、適切な色調および耐熱性が得られる静電荷像現像用マゼンタトナーの提供。
【解決手段】マゼンタトナーは、一般式(1)よりなる着色剤化合物Aと、モノアゾ顔料、ナフトール系顔料およびローダミンレーキ顔料のうちの少なくとも1種よりなる着色剤化合物Bとを、質量比が90:10〜55:45で含有するマゼンタ着色剤を含有するものである。ただし、R1〜R4は各々、炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。R5はメチル基またはハロゲン原子であり、iは0〜4の整数である。R6およびR7は各々メチル基またはハロゲン原子であり、jおよびkは各々0〜3の整数である。R0は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基である。
【選択図】なし
【解決手段】マゼンタトナーは、一般式(1)よりなる着色剤化合物Aと、モノアゾ顔料、ナフトール系顔料およびローダミンレーキ顔料のうちの少なくとも1種よりなる着色剤化合物Bとを、質量比が90:10〜55:45で含有するマゼンタ着色剤を含有するものである。ただし、R1〜R4は各々、炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。R5はメチル基またはハロゲン原子であり、iは0〜4の整数である。R6およびR7は各々メチル基またはハロゲン原子であり、jおよびkは各々0〜3の整数である。R0は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基である。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真法に用いるための静電荷像現像用マゼンタトナーに関する。
近年、複写機やプリンターなどにおいてもカラー化が図られ、また市場からの高画質化の要請が高まっている。
例えばマゼンタ色のトナーのためのマゼンタ着色剤としては、一般的にモノアゾ系顔料、キナクリドン系顔料などが用いられてきた。
しかしながら、このようなマゼンタ着色剤には、高い耐光性および高い彩度による広い色域が両立して得られない、という問題があった。
例えばマゼンタ色のトナーのためのマゼンタ着色剤としては、一般的にモノアゾ系顔料、キナクリドン系顔料などが用いられてきた。
しかしながら、このようなマゼンタ着色剤には、高い耐光性および高い彩度による広い色域が両立して得られない、という問題があった。
このような問題を解決するために、例えば特許文献1には、マゼンタ着色剤としてスルホン酸ローダミン塩系化合物およびキナクリドン系顔料よりなるものを使用すること、また特許文献2には、マゼンタ着色剤としてキサンテン系ローダミン系化合物および特定の赤色顔料よりなるものを使用することが開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されたマゼンタ着色剤は、蛍光が強いため人物写真の肌色の再現性に問題があり、一方、特許文献2に開示されたマゼンタ着色剤は、加熱定着時に染料が昇華・蓄積されることによる機内汚染の抑止、すなわち耐昇華性を得ることを課題としていた。このようなマゼンタ着色剤を用いたマゼンタ色のトナーによっても、いまだ色調の調整や耐熱性に問題が残っている。
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、基本的に高い耐光性を有し、しかも高い彩度、適切な色調および耐熱性が得られる静電荷像現像用マゼンタトナーを提供することにある。
本発明の静電荷像現像用マゼンタトナーは、少なくとも結着樹脂およびマゼンタ着色剤を含有するマゼンタトナー粒子よりなる静電荷像現像用マゼンタトナーであって、
前記マゼンタトナー粒子を構成するマゼンタ着色剤が、下記一般式(1)および下記一般式(2)で表される化合物のうちの少なくとも1種よりなる着色剤化合物Aと、モノアゾ顔料、ナフトール系顔料およびローダミンレーキ顔料のうちの少なくとも1種よりなる着色剤化合物Bとを、着色剤化合物Aの含有質量mAおよび着色剤化合物Bの含有質量mBの比mA:mBが90:10〜55:45となる割合で含有するものであることを特徴とする。
前記マゼンタトナー粒子を構成するマゼンタ着色剤が、下記一般式(1)および下記一般式(2)で表される化合物のうちの少なくとも1種よりなる着色剤化合物Aと、モノアゾ顔料、ナフトール系顔料およびローダミンレーキ顔料のうちの少なくとも1種よりなる着色剤化合物Bとを、着色剤化合物Aの含有質量mAおよび着色剤化合物Bの含有質量mBの比mA:mBが90:10〜55:45となる割合で含有するものであることを特徴とする。
〔上記一般式(1)において、R1 〜R4 は、各々、炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。また、R5 はメチル基またはハロゲン原子であり、iは0〜4の整数である。iが2〜4の整数であるとき、複数のR5 は互いに同じ置換基であっても、異なる置換基であってもよい。また、R6 およびR7 は、各々、メチル基またはハロゲン原子であり、jおよびkは、各々、0〜3の整数である。さらに、R0 は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基である。〕
〔上記一般式(2)において、R8 〜R10、およびR14〜R16は、各々、炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。また、R11およびR17は、各々、メチル基またはハロゲン原子であり、mおよびpは、各々、0〜4の整数である。mが2〜4の整数であるとき、複数のR11は互いに同じ置換基であっても、異なる置換基であってもよい。また、pが2〜4の整数であるとき、複数のR17は互いに同じ置換基であっても、異なる置換基であってもよい。また、R12,R13,R18およびR19は、各々、メチル基またはハロゲン原子であり、n,o,q,rは、各々、0〜3の整数である。また、R20は、−CO−、炭素数2〜9のアルキレン基またはジアルコキシ基である。さらに、R21およびR22は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基である。〕
本発明の静電荷像現像用マゼンタトナーにおいては、マゼンタ着色剤を構成する着色剤化合物Aが、下記一般式(3)で表わされる化合物であることが好ましい。
〔上記一般式(3)において、Cは上記一般式(1)または上記一般式(2)で表されるローダミン系第4級アンモニウムイオンであり、Et-はスルホン酸化合物以外のアニオン基であり(ただし、tは当該アニオン基の価数である。)、uは1〜2の整数であり、sは[t×u]により算出される整数である。〕
本発明の静電荷像現像用マゼンタトナーにおいては、前記マゼンタトナー粒子は離型剤を含むものであって、当該静電荷像現像用マゼンタトナーの軟化点温度が65℃以上、100℃未満であることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用マゼンタトナーによれば、特定のローダミン系の着色剤化合物Aと、特定の赤色の有機顔料よりなる着色剤化合物Bとを有するものであるために、基本的に高い耐光性を有し、しかも高い彩度、適切な色調および耐熱性が得られ、従って、ビビッドトーンおよびダークトーンのいずれについても高い色再現性が得られ、その結果、ビビッドトーンからダークトーンまでの広い色域について高い色再現性が得られる。
これは、着色剤化合物Aは高い彩度を有するものであるためにビビッドトーンの色再現性に優れる一方ダークトーンの色再現性には欠けるところ、ダークトーンの色再現性が得られる着色剤化合物Bが特定の割合で含有されることによって、着色剤化合物Aよび着色剤化合物Bが相補的に作用するからであると推察される。
また、本発明の静電荷像現像用マゼンタトナーを他色のトナーと共に用いて形成した肌色画像について、当該静電荷像現像用マゼンタトナーのマゼンタ着色剤がビビッドトーンからダークトーンまでの広い色域について高い色再現性が得られることから退色速度が他色トナーと同等となって当該肌色画像が経年劣化により色が薄めになっても肌色の色みの変動が小さい。
さらに、離型剤を含有し、特定の軟化点温度を有する静電荷像現像用トナーによれば、耐昇華性に優れるため、長期間にわたって使用した場合にも定着部材の汚染の発生が抑制され、その結果、長期間にわたって使用した場合にも画像汚れが発生することがない。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の静電荷像現像用マゼンタトナー(以下、単に「マゼンタトナー」ともいう。)は、少なくとも結着樹脂および以下のようなマゼンタ着色剤を含有するマゼンタトナー粒子よりなるものである。
<マゼンタ着色剤>
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタ着色剤は、上記一般式(1)および上記一般式(2)で表される化合物のうちの少なくとも1種よりなる着色剤化合物Aと、モノアゾ顔料、ナフトール系顔料およびローダミンレーキ顔料のうちの少なくとも1種よりなる着色剤化合物Bとを、着色剤化合物Aの含有質量mAおよび着色剤化合物Bの含有質量mBの比mA:mBが90:10〜55:45となる割合で含有するものであることを特徴とする。
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタ着色剤は、上記一般式(1)および上記一般式(2)で表される化合物のうちの少なくとも1種よりなる着色剤化合物Aと、モノアゾ顔料、ナフトール系顔料およびローダミンレーキ顔料のうちの少なくとも1種よりなる着色剤化合物Bとを、着色剤化合物Aの含有質量mAおよび着色剤化合物Bの含有質量mBの比mA:mBが90:10〜55:45となる割合で含有するものであることを特徴とする。
マゼンタ着色剤の着色剤化合物Aとして使用することのできる化合物を示す上記一般式(1)中、R1 〜R4 は、各々、炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。また、R5 はメチル基またはハロゲン原子であり、iは0〜4の整数である。iが2〜4の整数であるとき、複数のR5 は互いに同じ置換基であっても、異なる置換基であってもよい。また、R6 およびR7 は、各々、メチル基またはハロゲン原子であり、jおよびkは、各々、0〜3の整数である。さらに、R0 は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基である。
上記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、下記式(1−1)および下記式(1−2)に示されるものを挙げることができる。
マゼンタ着色剤の着色剤化合物Aとして使用することのできる化合物を示す上記一般式(2)中、R8 〜R10、およびR14〜R16は、各々、炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。また、R11およびR17は、各々、メチル基またはハロゲン原子であり、mおよびpは、各々、0〜4の整数である。mが2〜4の整数であるとき、複数のR11は互いに同じ置換基であっても、異なる置換基であってもよい。また、pが2〜4の整数であるとき、複数のR17は互いに同じ置換基であっても、異なる置換基であってもよい。また、R12,R13,R18およびR19は、各々、メチル基またはハロゲン原子であり、n,o,q,rは、各々、0〜3の整数である。また、R20は、−CO−、炭素数2〜9のアルキレン基またはジアルコキシ基である。さらに、R21およびR22は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基である。
上記一般式(2)で表される化合物としては、例えば、下記式(2−1)〜下記式(2−3)に示されるものを挙げることができる。
ここに、上記一般式(1)および上記一般式(2)で表される化合物は、pH3の水溶液中において、85℃まで加熱し、3時間攪拌して、室温まで冷却した後の構造とする。
マゼンタ着色剤の着色剤化合物Aとして使用することのできる化合物を示す上記一般式(3)中、Cは上記一般式(1)または上記一般式(2)で表されるローダミン系第4級アンモニウムイオンであり、Et-はスルホン酸化合物以外のアニオン基であり(ただし、tは当該アニオン基の価数である。)、uは1〜2の整数であり、sは[t×u]により算出される整数である。
上記一般式(3)で表される化合物としては、例えば、下記式(3−1)〜下記式(3−3)に示されるものを挙げることができる。
マゼンタ着色剤を構成する着色剤化合物Bとして、特に好ましいものは以下の通りである。
モノアゾ顔料としては、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57が挙げられる。
モノアゾ顔料としては、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57が挙げられる。
ナフトール系顔料としては、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド147、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグメントレッド212、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド233が挙げられ、特に好ましいものは、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグメントレッド212、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド233、C.I.ピグメントレッド238である。
ローダミンレーキ顔料としては、C.I.ピグメントレッド81:4、ローダミンシリコモリブデン酸塩が挙げられる。
マゼンタ着色剤の含有量としては、マゼンタトナー粒子全体に対して好ましくは2〜12質量%、より好ましくは4〜10質量%である。
以上のようなマゼンタ着色剤を用いることにより、得られるマゼンタトナーを用いて普通紙上に形成した可視画像が、明度をL* 、赤−緑方向の色相をa* 、黄−青方向の色相をb* とするL* a* b* 系表色系によって表す場合に、色相角が例えば300〜360°の範囲となる。
ここに、L* a* b* 系表色系とは色を数値化して表すのに有用に用いられる手段であり、z軸方向のL* は明度を表し、x軸およびy軸のa* およびb* の両者で色相と彩度を表す。なお、明度とは色の相対的な明るさをいい、色相とは赤、黄、緑、青、紫などの色合いをいい、彩度とは色の鮮やかさの度合いをいう。
そして、色相角とは、例えば明度がある値をとるときの色相と彩度の関係を表すx軸−y軸平面において、ある座標点(a,b)と原点Oとの半直線が、x軸の+方向(赤方向)から半時計回りの方向において、x軸の+方向に伸びる直線となす角度をいう。なお、x軸−y軸平面において、a* で示されるx軸の−方向が緑方向であり、b* で示されるy軸の+方向が黄方向であり、当該y軸の−方向が青方向である。
ここに、L* a* b* 系表色系とは色を数値化して表すのに有用に用いられる手段であり、z軸方向のL* は明度を表し、x軸およびy軸のa* およびb* の両者で色相と彩度を表す。なお、明度とは色の相対的な明るさをいい、色相とは赤、黄、緑、青、紫などの色合いをいい、彩度とは色の鮮やかさの度合いをいう。
そして、色相角とは、例えば明度がある値をとるときの色相と彩度の関係を表すx軸−y軸平面において、ある座標点(a,b)と原点Oとの半直線が、x軸の+方向(赤方向)から半時計回りの方向において、x軸の+方向に伸びる直線となす角度をいう。なお、x軸−y軸平面において、a* で示されるx軸の−方向が緑方向であり、b* で示されるy軸の+方向が黄方向であり、当該y軸の−方向が青方向である。
<結着樹脂>
結着樹脂としては、特に限定されずに用いることができる。
このような結着樹脂の具体例として、例えば、スチレン系樹脂、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂などのビニル系重合体、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、アミド樹脂およびエポキシ樹脂などが挙げられ、特に、透明性や重ね合わせ画像の色再現性を向上させるために、透明性が高く、溶融特性が低粘度で高いシャープメルト性を有する、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂が好適に挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
結着樹脂としては、特に限定されずに用いることができる。
このような結着樹脂の具体例として、例えば、スチレン系樹脂、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂などのビニル系重合体、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、アミド樹脂およびエポキシ樹脂などが挙げられ、特に、透明性や重ね合わせ画像の色再現性を向上させるために、透明性が高く、溶融特性が低粘度で高いシャープメルト性を有する、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂が好適に挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、結着樹脂を得るための重合性単量体として、例えばスチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アクリル酸、フマル酸などのカルボン酸系単量体などを使用することができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような結着樹脂としては、数平均分子量(Mn)が3000〜20,000、好ましくは3500〜18,000、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2〜6、好ましくは2.5〜5.5、ガラス転移点温度(Tg)が40〜70℃、好ましくは45〜70℃、軟化点温度が65〜110℃、好ましくは65〜100℃である樹脂を使用することが好ましい。
本発明のマゼンタトナーにおいては、マゼンタトナー粒子が、結着樹脂中にマゼンタ着色剤が含有されたコア粒子と、その外周面を被覆する実質的にマゼンタ着色剤を含有しないシェル層形成用樹脂(以下、「シェル樹脂」ともいう。)よりなるシェル層とよりなるコア−シェル構造のものとされていてもよく、この場合、シェル樹脂は、コア粒子を形成する結着樹脂と異なる種類の樹脂よりなるものとされる。マゼンタトナー粒子がコア−シェル構造のものとして構成されることにより、当該マゼンタトナー粒子について高い製造安定性および保存安定性が得られる。
このコア−シェル構造のマゼンタトナー粒子とは、シェル層がコア粒子を完全に被覆している形態のみならず、コア粒子の一部を被覆しているものであってもよい。また、シェル層を構成するシェル樹脂の一部がコア粒子中にドメインなどを形成しているものであってもよい。さらに、シェル層は、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の多層構造を有するものであってもよい。
以上のようなマゼンタトナーの軟化点温度は、65℃以上、100℃未満であることが好ましい。
ここに、マゼンタトナーの軟化点温度は、以下のように測定されるものである。すなわち、まず、20℃、50%RHの環境下に8時間放置後、同環境で試料(マゼンタトナー)1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所製)によって3820kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成する。次いで、この成型サンプルを、24℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを軟化点温度とする。
ここに、マゼンタトナーの軟化点温度は、以下のように測定されるものである。すなわち、まず、20℃、50%RHの環境下に8時間放置後、同環境で試料(マゼンタトナー)1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所製)によって3820kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成する。次いで、この成型サンプルを、24℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを軟化点温度とする。
<マゼンタトナーの製造方法>
本発明のマゼンタトナーを製造する方法は、結着樹脂よりなる微粒子(以下、「結着樹脂微粒子」という。)とマゼンタ着色剤を含有する着色剤微粒子とを凝集、融着させるものであって、具体的には、例えば乳化重合凝集法が挙げられる。
本発明のマゼンタトナーを製造する方法は、結着樹脂よりなる微粒子(以下、「結着樹脂微粒子」という。)とマゼンタ着色剤を含有する着色剤微粒子とを凝集、融着させるものであって、具体的には、例えば乳化重合凝集法が挙げられる。
乳化重合凝集法は、乳化重合法によって製造された結着樹脂微粒子の分散液を、他の着色剤微粒子などのトナー粒子構成成分の分散液と混合し、pH調整による微粒子表面の反発力と電解質体よりなる凝集剤の添加による凝集力とのバランスを取りながら緩慢に凝集させ、平均粒径および粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に、加熱撹拌することで微粒子間の融着を行って形状制御を行うことにより、トナー粒子を製造する方法である。
この結着樹脂微粒子としては、組成の異なる結着樹脂よりなる2層以上の構成とすることもでき、この場合、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)により調製した第1樹脂微粒子の分散液に、重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する方法を採用することができる。
本発明のマゼンタトナーを乳化重合凝集法によって得る場合の製造工程の一例を具体的に示すと、
(1)マゼンタ着色剤を含有する着色剤微粒子が水系媒体中分散されてなる着色剤微粒子の分散液を得る着色剤微粒子分散液調製工程、
(2)結着樹脂を形成すべき重合性単量体に必要に応じて離型剤、荷電制御剤などのトナー粒子構成材料を溶解あるいは分散させて重合性単量体溶液を調製し、これを水系媒体中に添加し、機械的エネルギーを加えて油滴を形成し、次いで水溶性ラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該油滴中において重合反応を行うことにより、結着樹脂微粒子を得る結着樹脂微粒子重合工程、
(3)結着樹脂微粒子および着色剤微粒子が存在している水系媒体中に、凝集剤を添加し、温度調節することにより、塩析を進行させると同時に凝集・融着を行い、マゼンタトナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程、
(4)水系媒体からマゼンタトナー粒子を濾別し、当該マゼンタトナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程、
(5)洗浄処理されたマゼンタトナー粒子を乾燥する乾燥工程、
(6)乾燥処理されたマゼンタトナー粒子に外添剤を添加する工程、
から構成される。
(1)マゼンタ着色剤を含有する着色剤微粒子が水系媒体中分散されてなる着色剤微粒子の分散液を得る着色剤微粒子分散液調製工程、
(2)結着樹脂を形成すべき重合性単量体に必要に応じて離型剤、荷電制御剤などのトナー粒子構成材料を溶解あるいは分散させて重合性単量体溶液を調製し、これを水系媒体中に添加し、機械的エネルギーを加えて油滴を形成し、次いで水溶性ラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該油滴中において重合反応を行うことにより、結着樹脂微粒子を得る結着樹脂微粒子重合工程、
(3)結着樹脂微粒子および着色剤微粒子が存在している水系媒体中に、凝集剤を添加し、温度調節することにより、塩析を進行させると同時に凝集・融着を行い、マゼンタトナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程、
(4)水系媒体からマゼンタトナー粒子を濾別し、当該マゼンタトナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程、
(5)洗浄処理されたマゼンタトナー粒子を乾燥する乾燥工程、
(6)乾燥処理されたマゼンタトナー粒子に外添剤を添加する工程、
から構成される。
ここで、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
着色剤微粒子分散液調製工程においては、機械的エネルギーによって水系媒体中に着色剤微粒子を分散させた着色剤微粒子の分散液が調製され、機械的エネルギーによる油滴分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではなく、高速回転するローターを備えた撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンおよび圧力式ホモジナイザーなどを挙げることができる。
この着色剤微粒子分散液調製工程において調製される分散液中の着色剤微粒子は、その体積基準のメジアン径が10〜500nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜100nm、特に好ましくは10〜50nmである。
着色剤微粒子の体積基準のメジアン径を10〜500nmに制御する方法としては、例えば上述の機械的エネルギーの大きさを調整することなどにより、制御することができる。
着色剤微粒子の体積基準のメジアン径を10〜500nmに制御する方法としては、例えば上述の機械的エネルギーの大きさを調整することなどにより、制御することができる。
また、結着樹脂微粒子重合工程において調製される分散液中の結着樹脂微粒子は、その体積基準のメジアン径が30〜50nmの範囲であることが好ましい。
〔連鎖移動剤〕
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
〔重合開始剤〕
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子をまたは乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂を得るための重合開始剤は、水溶性の重合開始剤であれば適宜のものを使用することができる。重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、パーオキシド化合物などが挙げられる。
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子をまたは乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂を得るための重合開始剤は、水溶性の重合開始剤であれば適宜のものを使用することができる。重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、パーオキシド化合物などが挙げられる。
〔界面活性剤〕
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する界面活性剤としては、従来公知の種々のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン界面活性剤などが挙げられる。
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する界面活性剤としては、従来公知の種々のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン界面活性剤などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類;ポリエトキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩、およびその誘導体類などを挙げることができる。
また、カチオン系界面活性剤としては、例えば脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などを挙げることができる。
さらに、ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマーなどを挙げることができる。
〔凝集剤〕
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する凝集剤としては、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。凝集剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、凝集剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する凝集剤としては、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。凝集剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、凝集剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
<離型剤>
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子中には、オフセット現象の抑止に寄与する離型剤が含有されていることが好ましい。ここに、離型剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜蝋ワックスなどを挙げることができる。
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子中には、オフセット現象の抑止に寄与する離型剤が含有されていることが好ましい。ここに、離型剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜蝋ワックスなどを挙げることができる。
マゼンタトナー粒子中に離型剤を含有させる方法としては、マゼンタトナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程において、離型剤微粒子の分散液(ワックスエマルジョン)を添加し、結着樹脂微粒子と着色剤微粒子と離型剤微粒子とを塩析、凝集、融着させる方法や、マゼンタトナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程において、離型剤を含有する結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを塩析、凝集、融着させる方法を挙げることができ、これらの方法を組み合わせてもよい。
マゼンタトナー粒子中における離型剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して通常0.5〜5質量部とされ、好ましくは1〜3質量部とされる。離型剤の含有割合が結着樹脂100質量部に対して0.5質量部未満であると、十分なオフセット防止効果が得られず、一方、結着樹脂100質量部に対して5質量部より大きいと、得られるマゼンタトナーが透光性や色再現性の低いものとなる。
マゼンタトナー粒子が離型剤を含有する構成のものである場合に、当該マゼンタトナーの軟化点温度は、65℃以上100℃未満であることが好ましい。離型剤を含有する構成のマゼンタトナー粒子の軟化点温度が上記の範囲にあることにより、低温で定着を行うことができるために、当該マゼンタトナーがカラー高速機において用いられた場合にも、着色剤化合物Aの昇華が抑止され、従って、長期間にわたって使用しても昇華したマゼンタ着色剤による定着器の汚染が抑止され、その結果、長期間にわたって画像汚染がない画像を得ることができる。
<荷電制御剤>
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子中には、荷電制御剤が含有されていてもよい。ここに、荷電制御剤としては、特に限定されず摩擦帯電により正または負の電荷を与える種々の物質を挙げることができ、例えば、マゼンタトナー粒子に用いられる負帯電性の荷電制御剤としては、マゼンタトナーの色調や透光性に悪影響を及ぼさないよう、無色、白色あるいは淡色の荷電制御剤が挙げられる。このような荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やクロムによる金属錯体(サリチル酸金属錯体)、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩化合物などを好適に挙げることができる。具体的には、サリチル酸金属錯体としては、例えば特開昭53−127726号公報、特開昭62−145255号公報などに開示されるもの、カリックスアレーン系化合物としては、例えば特開平2−201378号公報などに開示されるもの、有機ホウ素化合物としては、例えば特開平2−221967号公報に開示されるもの、含フッ素4級アンモニウム塩化合物としては例えば特開平3−1162号公報に開示されるものを挙げることができる。
マゼンタトナー粒子中における荷電制御剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜10質量部とされ、好ましくは0.5〜5質量部とされる。
マゼンタトナー粒子中に荷電制御剤などの内添剤を含有させる方法としては、上記に示した離型剤を含有させる方法と同様の方法を挙げることができる。
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子中には、荷電制御剤が含有されていてもよい。ここに、荷電制御剤としては、特に限定されず摩擦帯電により正または負の電荷を与える種々の物質を挙げることができ、例えば、マゼンタトナー粒子に用いられる負帯電性の荷電制御剤としては、マゼンタトナーの色調や透光性に悪影響を及ぼさないよう、無色、白色あるいは淡色の荷電制御剤が挙げられる。このような荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やクロムによる金属錯体(サリチル酸金属錯体)、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩化合物などを好適に挙げることができる。具体的には、サリチル酸金属錯体としては、例えば特開昭53−127726号公報、特開昭62−145255号公報などに開示されるもの、カリックスアレーン系化合物としては、例えば特開平2−201378号公報などに開示されるもの、有機ホウ素化合物としては、例えば特開平2−221967号公報に開示されるもの、含フッ素4級アンモニウム塩化合物としては例えば特開平3−1162号公報に開示されるものを挙げることができる。
マゼンタトナー粒子中における荷電制御剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜10質量部とされ、好ましくは0.5〜5質量部とされる。
マゼンタトナー粒子中に荷電制御剤などの内添剤を含有させる方法としては、上記に示した離型剤を含有させる方法と同様の方法を挙げることができる。
<マゼンタトナー粒子の粒径>
本発明のマゼンタトナーの粒径は、例えば体積基準のメジアン径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは6〜9μmとされる。この平均粒径は、使用する凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
本発明のマゼンタトナーの粒径は、例えば体積基準のメジアン径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは6〜9μmとされる。この平均粒径は、使用する凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
マゼンタトナーの体積基準のメジアン径は「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にデータ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(マゼンタトナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、マゼンタトナー分散液を調製し、このマゼンタトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径とされる。
<外添剤>
上記のマゼンタトナー粒子は、そのままで本発明のマゼンタトナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該マゼンタトナー粒子に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して本発明のマゼンタトナーを構成してもよい。
上記のマゼンタトナー粒子は、そのままで本発明のマゼンタトナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該マゼンタトナー粒子に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して本発明のマゼンタトナーを構成してもよい。
後処理剤としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などよりなる無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、あるいは、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
これらの種々の外添剤の添加量は、その合計が、マゼンタトナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部とされる。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
〔現像剤〕
本発明のマゼンタトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のマゼンタトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなど用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
本発明のマゼンタトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のマゼンタトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなど用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
キャリアの体積基準のメジアン径としては20〜100μmであることが好ましく、更に好ましくは20〜60μmとされる。キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
好ましいキャリアとしては、耐スペント性の観点から、被覆樹脂としてシリコーン系樹脂、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)またはポリエステル樹脂を用いたコートキャリアが挙げられ、特に、耐久性、耐環境安定性および耐スペント性の観点から、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)に、イソシアネートを反応させて得られた樹脂で被覆したコートキャリアを好ましく挙げられる。
このようなマゼンタトナーによれば、特定のローダミン系の着色剤化合物Aと、特定の赤色の有機顔料よりなる着色剤化合物Bとを有するものであるために、基本的に高い耐光性を有し、しかも高い彩度および適切な色相角が得られ、従って、ビビッドトーンおよびダークトーンのいずれについても高い色再現性が得られ、その結果、ビビッドトーンからダークトーンまでの広い色域について高い色再現性が得られる。
これは、着色剤化合物Aは高い彩度を有するものであるためにビビッドトーンの色再現性に優れる一方ダークトーンの色再現性には欠けるところ、ダークトーンの色再現性が得られる着色剤化合物Bが特定の割合で含有されることによって、着色剤化合物Aよび着色剤化合物Bが相補的に作用するからであると推察される。
これは、着色剤化合物Aは高い彩度を有するものであるためにビビッドトーンの色再現性に優れる一方ダークトーンの色再現性には欠けるところ、ダークトーンの色再現性が得られる着色剤化合物Bが特定の割合で含有されることによって、着色剤化合物Aよび着色剤化合物Bが相補的に作用するからであると推察される。
また、本発明のマゼンタトナーを他色のトナーと共に用いて形成した肌色画像について、当該静電荷像現像用マゼンタトナーのマゼンタ着色剤がビビッドトーンからダークトーンまでの広い色域について高い色再現性が得られることから退色速度が他色トナーと同等となって当該肌色画像が経年劣化により色が薄めになっても肌色の色みの変動が小さい。
さらに、離型剤を含有し、特定の軟化点温度を有する静電荷像現像用トナーによれば、耐昇華性に優れるため、長期間にわたって使用した場合にも定着部材の汚染の発生が抑制され、その結果、長期間にわたって使用した場合にも画像汚れが発生することがない。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例において、体積基準のメジアン径は、「MICROTRAC UPA−150」(MICROTRAC社製)を用い、サンプル屈折率が1.59、サンプル比重が球状粒子換算で1.05、溶媒屈折率が1.33、溶媒粘度が30℃で0.797Pa・S、20℃で1.002Pa・Sの測定条件で測定した。なお、0点調整は測定セルにイオン交換水を投入することによって行った。
以下の実施例において、体積基準のメジアン径は、「MICROTRAC UPA−150」(MICROTRAC社製)を用い、サンプル屈折率が1.59、サンプル比重が球状粒子換算で1.05、溶媒屈折率が1.33、溶媒粘度が30℃で0.797Pa・S、20℃で1.002Pa・Sの測定条件で測定した。なお、0点調整は測定セルにイオン交換水を投入することによって行った。
〔着色剤微粒子分散液の調製例A1〕
n−ドデシル硫酸ナトリウム9.2gをイオン交換水160gに撹拌、溶解して界面活性剤溶液を調製した。この界面活性剤溶液に、撹拌下、上記式(3−2)に示されるローダミン系化合物〔3−2〕20gを徐々に加え、次いで、「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散して、体積基準のメジアン径が195nmである着色剤微粒子〔A1〕を含有する着色剤微粒子分散液〔A1〕を得た。
n−ドデシル硫酸ナトリウム9.2gをイオン交換水160gに撹拌、溶解して界面活性剤溶液を調製した。この界面活性剤溶液に、撹拌下、上記式(3−2)に示されるローダミン系化合物〔3−2〕20gを徐々に加え、次いで、「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散して、体積基準のメジアン径が195nmである着色剤微粒子〔A1〕を含有する着色剤微粒子分散液〔A1〕を得た。
〔着色剤微粒子分散液の調製例A2〜A8〕
着色剤微粒子分散液の調製例A1において、ローダミン系化合物〔3−2〕の代わりに表1のとおりに着色剤化合物Aを用いたことの他は同様にして、着色剤微粒子〔A2〕〜〔A8〕を含有する着色剤微粒子分散液〔A2〕〜〔A8〕を得た。着色剤微粒子〔A2〕〜〔A8〕の体積基準のメジアン径を表1に示す。
着色剤微粒子分散液の調製例A1において、ローダミン系化合物〔3−2〕の代わりに表1のとおりに着色剤化合物Aを用いたことの他は同様にして、着色剤微粒子〔A2〕〜〔A8〕を含有する着色剤微粒子分散液〔A2〕〜〔A8〕を得た。着色剤微粒子〔A2〕〜〔A8〕の体積基準のメジアン径を表1に示す。
〔着色剤微粒子分散液の調製例B1〕
着色剤微粒子分散液の調製例A1において、ローダミン系化合物〔3−2〕の代わりにモノアゾ顔料であるC.I.ピグメントレッド48:4を用いたことの他は同様にして、体積基準のメジアン径が164nmである着色剤微粒子〔B1〕を含有する着色剤微粒子分散液〔B1〕を得た。
着色剤微粒子分散液の調製例A1において、ローダミン系化合物〔3−2〕の代わりにモノアゾ顔料であるC.I.ピグメントレッド48:4を用いたことの他は同様にして、体積基準のメジアン径が164nmである着色剤微粒子〔B1〕を含有する着色剤微粒子分散液〔B1〕を得た。
〔着色剤微粒子分散液の調製例B2〜B9〕
着色剤微粒子分散液の調製例A1において、ローダミン系化合物〔3−2〕の代わりに表1のとおりに着色剤化合物Bを用いたことの他は同様にして、着色剤微粒子〔B2〕〜〔B9〕を含有する着色剤微粒子分散液〔B2〕〜〔B9〕を得た。着色剤微粒子〔B2〕〜〔B9〕の体積基準のメジアン径を表1に示す。
着色剤微粒子分散液の調製例A1において、ローダミン系化合物〔3−2〕の代わりに表1のとおりに着色剤化合物Bを用いたことの他は同様にして、着色剤微粒子〔B2〕〜〔B9〕を含有する着色剤微粒子分散液〔B2〕〜〔B9〕を得た。着色剤微粒子〔B2〕〜〔B9〕の体積基準のメジアン径を表1に示す。
〔シアン着色剤微粒子分散液の調製例C1〕
着色剤微粒子分散液の調製例A1において、ローダミン系化合物〔3−2〕の代わりにフタロシアニン系シアン顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3を用いたことの他は同様にして、体積基準のメジアン径が134nmであるシアン着色剤微粒子〔C1〕を含有するシアン着色剤微粒子分散液〔C1〕を得た。
着色剤微粒子分散液の調製例A1において、ローダミン系化合物〔3−2〕の代わりにフタロシアニン系シアン顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3を用いたことの他は同様にして、体積基準のメジアン径が134nmであるシアン着色剤微粒子〔C1〕を含有するシアン着色剤微粒子分散液〔C1〕を得た。
〔イエロー着色剤微粒子分散液の調製例Y1〕
着色剤微粒子分散液の調製例A1において、ローダミン系化合物〔3−2〕の代わりにモノアゾ系イエロー顔料であるC.I.ピグメントイエロー74を用いたことの他は同様にして、体積基準のメジアン径が177nmであるイエロー着色剤微粒子〔Y1〕を含有するイエロー着色剤微粒子分散液〔Y1〕を得た。
着色剤微粒子分散液の調製例A1において、ローダミン系化合物〔3−2〕の代わりにモノアゾ系イエロー顔料であるC.I.ピグメントイエロー74を用いたことの他は同様にして、体積基準のメジアン径が177nmであるイエロー着色剤微粒子〔Y1〕を含有するイエロー着色剤微粒子分散液〔Y1〕を得た。
〔ブラック着色剤微粒子分散液の調製例Bk1〕
着色剤微粒子分散液の調製例A1において、ローダミン系化合物〔3−2〕の代わりにブラック顔料であるカーボンブラック「Mogal L」(キャボット社製)を用いたことの他は同様にして、体積基準のメジアン径が126nmであるブラック着色剤微粒子〔Bk1〕を含有するブラック着色剤微粒子分散液〔Bk1〕を得た。
着色剤微粒子分散液の調製例A1において、ローダミン系化合物〔3−2〕の代わりにブラック顔料であるカーボンブラック「Mogal L」(キャボット社製)を用いたことの他は同様にして、体積基準のメジアン径が126nmであるブラック着色剤微粒子〔Bk1〕を含有するブラック着色剤微粒子分散液〔Bk1〕を得た。
〔コア粒子用樹脂粒子の作製例1〕
以下に示すように、第1段重合、第2段重合および第3段重合を経て、多層構造を有するコア粒子用樹脂粒子〔1〕を作製した。
(a)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、下記構造式(S)で表されるアニオン系界面活性剤4質量部をイオン交換水3040質量部と共に投入し、界面活性剤溶液を調製した。
構造式(S):C10H21(OCH2 CH2 )2 SO3 Na
上記界面活性剤溶液中に、過硫酸カリウム(KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、温度を75℃に昇温させた後、
・スチレン 532質量部
・n−ブチルアクリレート 200質量部
・メタクリル酸 68質量部
・n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
よりなる単量体混合液を1時間かけて反応容器中に滴下し、その後、この反応系を75℃で2時間にわたって加熱・撹拌して重合(第1段重合)を行うことにより、樹脂粒子〔1H〕を得た。この樹脂粒子〔1H〕の重量平均分子量は16,500であった。
以下に示すように、第1段重合、第2段重合および第3段重合を経て、多層構造を有するコア粒子用樹脂粒子〔1〕を作製した。
(a)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、下記構造式(S)で表されるアニオン系界面活性剤4質量部をイオン交換水3040質量部と共に投入し、界面活性剤溶液を調製した。
構造式(S):C10H21(OCH2 CH2 )2 SO3 Na
上記界面活性剤溶液中に、過硫酸カリウム(KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、温度を75℃に昇温させた後、
・スチレン 532質量部
・n−ブチルアクリレート 200質量部
・メタクリル酸 68質量部
・n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
よりなる単量体混合液を1時間かけて反応容器中に滴下し、その後、この反応系を75℃で2時間にわたって加熱・撹拌して重合(第1段重合)を行うことにより、樹脂粒子〔1H〕を得た。この樹脂粒子〔1H〕の重量平均分子量は16,500であった。
(b)第2段重合
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に、
・スチレン 101.1質量部
・n−ブチルアクリレート 62.2質量部
・メタクリル酸 12.3質量部
・n−オクチルメルカプタン 1.75質量部
からなる単量体混合液を投入し、続いて、離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」(日本製蝋社製)93.8質量部を添加し、90℃に加温して溶解させ、単量体溶液を調製した。
一方、上記構造式(S)で表されるアニオン系界面活性剤3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤溶液を調製し、98℃に加熱した。この界面活性剤溶液中に上記の樹脂粒子〔1H〕32.8質量部(固形分換算)を添加し、さらに、上記のパラフィンワックスを含有する単量体溶液を添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて8時間混合分散し、分散粒子径が340nmの乳化粒子を含有する乳化粒子分散液を調製した。
次いで、この乳化粒子分散液に過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、この反応系を98℃で12時間にわたって加熱撹拌して重合(第2段重合)を行うことにより樹脂粒子〔1HM〕を得た。この樹脂粒子〔1HM〕の重量平均分子量は23,000であった。
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に、
・スチレン 101.1質量部
・n−ブチルアクリレート 62.2質量部
・メタクリル酸 12.3質量部
・n−オクチルメルカプタン 1.75質量部
からなる単量体混合液を投入し、続いて、離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」(日本製蝋社製)93.8質量部を添加し、90℃に加温して溶解させ、単量体溶液を調製した。
一方、上記構造式(S)で表されるアニオン系界面活性剤3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤溶液を調製し、98℃に加熱した。この界面活性剤溶液中に上記の樹脂粒子〔1H〕32.8質量部(固形分換算)を添加し、さらに、上記のパラフィンワックスを含有する単量体溶液を添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて8時間混合分散し、分散粒子径が340nmの乳化粒子を含有する乳化粒子分散液を調製した。
次いで、この乳化粒子分散液に過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、この反応系を98℃で12時間にわたって加熱撹拌して重合(第2段重合)を行うことにより樹脂粒子〔1HM〕を得た。この樹脂粒子〔1HM〕の重量平均分子量は23,000であった。
(c)第3段重合
上記の樹脂粒子〔1HM〕の反応系に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、
・スチレン 293.8質量部
・n−ブチルアクリレート 154.1質量部
・n−オクチルメルカプン 7.08質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した後、2時間にわたって加熱・撹拌して重合(第3段重合)を行い、重合終了後、28℃に冷却することによってコア粒子用樹脂粒子〔1〕を得た。このコア粒子用樹脂粒子〔1〕の重量平均分子量は26,800であった。
上記の樹脂粒子〔1HM〕の反応系に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、
・スチレン 293.8質量部
・n−ブチルアクリレート 154.1質量部
・n−オクチルメルカプン 7.08質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した後、2時間にわたって加熱・撹拌して重合(第3段重合)を行い、重合終了後、28℃に冷却することによってコア粒子用樹脂粒子〔1〕を得た。このコア粒子用樹脂粒子〔1〕の重量平均分子量は26,800であった。
〔シェル層用樹脂粒子の作製例1〕
コア粒子用樹脂粒子の作製例1において、第1段重合において使用された単量体混合液を、
・スチレン 624質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート 120質量部
・メタクリル酸 56質量部
・n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
からなるものに変更したことの他は同様にして、シェル層用樹脂粒子〔1〕を作製した。
コア粒子用樹脂粒子の作製例1において、第1段重合において使用された単量体混合液を、
・スチレン 624質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート 120質量部
・メタクリル酸 56質量部
・n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
からなるものに変更したことの他は同様にして、シェル層用樹脂粒子〔1〕を作製した。
〔トナー粒子の作製例1〕
(a)コア粒子の形成
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、コア粒子用樹脂粒子〔1〕420.7質量部(固形分換算)と、イオン交換水900質量部と、着色剤微粒子分散液〔A1〕180質量部および着色剤微粒子分散液〔B1〕20質量部とを投入し、撹拌した。反応容器内の温度を30℃に調整後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを10に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させた溶液を撹拌下、30℃で10分間かけて添加した。3分間放置後に昇温を開始し、この反応系を60分間かけて65℃まで昇温させ、粒子の会合を行った。この状態で「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)を用いて会合粒子の粒径測定を行い、会合粒子が体積基準メジアン径で5.5μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させた溶液を添加して会合を停止させた。
会合停止後、さらに、熟成処理として液温70℃で1時間にわたって加熱・撹拌することにより融着を継続させてコア粒子〔1〕を得た。
このコア粒子〔1〕の平均円形度を「FPIA2000」(シスメックス杜製)を用いて測定したところ、0.912であった。
(a)コア粒子の形成
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、コア粒子用樹脂粒子〔1〕420.7質量部(固形分換算)と、イオン交換水900質量部と、着色剤微粒子分散液〔A1〕180質量部および着色剤微粒子分散液〔B1〕20質量部とを投入し、撹拌した。反応容器内の温度を30℃に調整後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを10に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させた溶液を撹拌下、30℃で10分間かけて添加した。3分間放置後に昇温を開始し、この反応系を60分間かけて65℃まで昇温させ、粒子の会合を行った。この状態で「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)を用いて会合粒子の粒径測定を行い、会合粒子が体積基準メジアン径で5.5μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させた溶液を添加して会合を停止させた。
会合停止後、さらに、熟成処理として液温70℃で1時間にわたって加熱・撹拌することにより融着を継続させてコア粒子〔1〕を得た。
このコア粒子〔1〕の平均円形度を「FPIA2000」(シスメックス杜製)を用いて測定したところ、0.912であった。
(b)シェル層の形成
上記のコア粒子〔1〕の反応系を65℃にし、シェル層用樹脂粒子〔1〕96質量部を添加し、さらに、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させた溶液を10分間かけて添加した後、70℃まで昇温させて1時間にわたって撹拌し、コア粒子〔1〕の表面にシェル層用樹脂粒子〔1〕を融着させた後、75℃で20分間熟成処理を行ってシェル層を形成させた。
その後、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させた水溶液を添加してシェル層の形成を停止させ、さらに、8℃/分の速度で30℃に冷却して生成した着色粒子をろ過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥することにより、コア粒子の表面にシェル層が形成されたトナー粒子〔1〕を得た。
上記のコア粒子〔1〕の反応系を65℃にし、シェル層用樹脂粒子〔1〕96質量部を添加し、さらに、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させた溶液を10分間かけて添加した後、70℃まで昇温させて1時間にわたって撹拌し、コア粒子〔1〕の表面にシェル層用樹脂粒子〔1〕を融着させた後、75℃で20分間熟成処理を行ってシェル層を形成させた。
その後、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させた水溶液を添加してシェル層の形成を停止させ、さらに、8℃/分の速度で30℃に冷却して生成した着色粒子をろ過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥することにより、コア粒子の表面にシェル層が形成されたトナー粒子〔1〕を得た。
〔トナー粒子の作製例2〜23〕
トナー粒子の作製例1において、「着色剤微粒子分散液〔A1〕180質量部および着色剤微粒子分散液〔B1〕20質量部」の代わりに、表2のA欄およびB欄に示されるNo.の着色剤微粒子分散液を組み合わせた着色剤微粒子分散液組成物(合計200質量部)を用いたことの他は同様にして、トナー粒子〔2〕〜〔23〕を得た。なお、トナー粒子〔19〕〜〔23〕は比較用のものである。
トナー粒子の作製例1において、「着色剤微粒子分散液〔A1〕180質量部および着色剤微粒子分散液〔B1〕20質量部」の代わりに、表2のA欄およびB欄に示されるNo.の着色剤微粒子分散液を組み合わせた着色剤微粒子分散液組成物(合計200質量部)を用いたことの他は同様にして、トナー粒子〔2〕〜〔23〕を得た。なお、トナー粒子〔19〕〜〔23〕は比較用のものである。
〔トナー粒子の作製例24〕
トナー粒子の作製例1において、「着色剤微粒子分散液〔A1〕180質量部および着色剤微粒子分散液〔B1〕20質量部」の代わりに、「着色剤微粒子分散液〔B9〕200質量部」を用いたことの他は同様にして、比較用トナー粒子〔24〕を得た。
トナー粒子の作製例1において、「着色剤微粒子分散液〔A1〕180質量部および着色剤微粒子分散液〔B1〕20質量部」の代わりに、「着色剤微粒子分散液〔B9〕200質量部」を用いたことの他は同様にして、比較用トナー粒子〔24〕を得た。
〔トナー粒子の作製例25〕
不飽和ポリエステル樹脂100g、キナクリドン系顔料「C.I.Pigment Violent 19」2g、下記式(X)で表される比較用のローダミン系化合物〔X〕2gおよびサリチル酸クロム錯化合物2gを、熱ロールミルで溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて粗粉砕し、ついでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。得られた微粉末を分級して体積基準のメジアン径5.8μmのマゼンタ色の比較用トナー〔25〕を得た。
不飽和ポリエステル樹脂100g、キナクリドン系顔料「C.I.Pigment Violent 19」2g、下記式(X)で表される比較用のローダミン系化合物〔X〕2gおよびサリチル酸クロム錯化合物2gを、熱ロールミルで溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて粗粉砕し、ついでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。得られた微粉末を分級して体積基準のメジアン径5.8μmのマゼンタ色の比較用トナー〔25〕を得た。
〔トナー粒子の作製例26〕
スチレン−アクリル酸エステル系樹脂「ハイマ−TBL−500」(三洋化成社製)100g、ポリプロピレン「ビスコール550−P」(三洋化成社製)4g、帯電制御剤「E−84」(オリエント化学社製)2g、C.I.Solvent Red 49「Oil Pink 312」(オリエント化学社製)2.5gおよびC.I.Pigment Red 57:1「ブリリアントカーミン6BG」(東洋インク社製)2.5gを、ヘンシェルミキサーで均一に分散し、分散物を2軸押出機などで溶融混練し、冷却後ジェットミルなどで微粉砕し、分級機により平均粒径11μmの分級品を得た。この分級品に0.3%の疎水性シリカ「R972」(日本アエロジル社製)をヘンシェルミキサーで外添し、マゼンタ色の比較用トナー〔26〕を得た。
スチレン−アクリル酸エステル系樹脂「ハイマ−TBL−500」(三洋化成社製)100g、ポリプロピレン「ビスコール550−P」(三洋化成社製)4g、帯電制御剤「E−84」(オリエント化学社製)2g、C.I.Solvent Red 49「Oil Pink 312」(オリエント化学社製)2.5gおよびC.I.Pigment Red 57:1「ブリリアントカーミン6BG」(東洋インク社製)2.5gを、ヘンシェルミキサーで均一に分散し、分散物を2軸押出機などで溶融混練し、冷却後ジェットミルなどで微粉砕し、分級機により平均粒径11μmの分級品を得た。この分級品に0.3%の疎水性シリカ「R972」(日本アエロジル社製)をヘンシェルミキサーで外添し、マゼンタ色の比較用トナー〔26〕を得た。
〔トナー粒子の作製例27〜29〕
トナー粒子の作製例1において、「着色剤微粒子分散液〔A1〕180質量部および着色剤微粒子分散液〔B1〕20質量部」の代わりに、それぞれ、シアン着色剤微粒子分散液〔C1〕、イエロー着色剤微粒子分散液〔Y1〕およびブラック着色剤微粒子分散液〔Bk1〕200質量部を用いたことの他は同様にして、トナー粒子〔27〕〜〔29〕を得た。なお、トナー粒子〔27〕はシアン、トナー粒子〔28〕はイエロー、トナー粒子〔29〕はブラックのものである。
トナー粒子の作製例1において、「着色剤微粒子分散液〔A1〕180質量部および着色剤微粒子分散液〔B1〕20質量部」の代わりに、それぞれ、シアン着色剤微粒子分散液〔C1〕、イエロー着色剤微粒子分散液〔Y1〕およびブラック着色剤微粒子分散液〔Bk1〕200質量部を用いたことの他は同様にして、トナー粒子〔27〕〜〔29〕を得た。なお、トナー粒子〔27〕はシアン、トナー粒子〔28〕はイエロー、トナー粒子〔29〕はブラックのものである。
〔トナー粒子の外添剤処理〕
次いで、上記のトナー粒子〔1〕〜〔29〕の各々に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%となる割合で添加すると共に、疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1質量%となる割合で添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により混合し、その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去し、トナー〔1〕〜〔29〕を作製した。
次いで、上記のトナー粒子〔1〕〜〔29〕の各々に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%となる割合で添加すると共に、疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1質量%となる割合で添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により混合し、その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去し、トナー〔1〕〜〔29〕を作製した。
〔現像剤の調製〕
このトナー〔1〕〜〔29〕の各々に、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを、前記トナーの濃度が6質量%になるよう混合し二成分の現像剤〔1〕〜〔29〕を調製した。なお、現像剤〔1〕〜〔18〕が本発明に係るものであり、現像剤〔19〕〜〔26〕は比較用のものである。また、現像剤〔27〕〜〔29〕は、それぞれ、シアン現像剤、イエロー現像剤、ブラック現像剤である。
このトナー〔1〕〜〔29〕の各々に、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを、前記トナーの濃度が6質量%になるよう混合し二成分の現像剤〔1〕〜〔29〕を調製した。なお、現像剤〔1〕〜〔18〕が本発明に係るものであり、現像剤〔19〕〜〔26〕は比較用のものである。また、現像剤〔27〕〜〔29〕は、それぞれ、シアン現像剤、イエロー現像剤、ブラック現像剤である。
<実施例1〜18、比較例1〜8>
この現像剤〔1〕〜〔26〕のいずれかと、シアン色の現像剤〔27〕、イエロー色の現像剤〔28〕および黒色の現像剤〔29〕とを組み合わせて用いて下記(1),(2)の実機評価を行った。ただし、各色のトナー付着量がいずれも0.5mg/cm2 になるように調整し、また、各1次色と各1次色とを1:1で重ね合わせた2次色を出力できるように調整した。結果を表2に示す。さらに、前述の方法により測定したトナー〔1〕〜〔26〕の軟化点温度の値を表2に示す。
この現像剤〔1〕〜〔26〕のいずれかと、シアン色の現像剤〔27〕、イエロー色の現像剤〔28〕および黒色の現像剤〔29〕とを組み合わせて用いて下記(1),(2)の実機評価を行った。ただし、各色のトナー付着量がいずれも0.5mg/cm2 になるように調整し、また、各1次色と各1次色とを1:1で重ね合わせた2次色を出力できるように調整した。結果を表2に示す。さらに、前述の方法により測定したトナー〔1〕〜〔26〕の軟化点温度の値を表2に示す。
(1)肌色の経年劣化による色調の変化
画像電子学会高精彩カラーデジタル標準画像N1を、用紙としてアート紙「特菱アート」(三菱製紙社製)を用い、「bizhub C 250」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)で出力した肌色画像を、雨を凌ぐためにガラスケースに入れた状態で5月に3週間、東京都のビル屋上にさらした後、目視により以下の評価基準で評価した。
−評価基準−
色相、彩度、明るさの全てに優れているものを「◎」、色相が青味または赤味に僅かに片寄っているが、肌色として問題のないものを「○」、色相、彩度、明るさのうちの少なくとも1つに欠点があり、肌色としてやや問題のあるものを「△」、肌色からかけ離れているものを「×」として評価した。
画像電子学会高精彩カラーデジタル標準画像N1を、用紙としてアート紙「特菱アート」(三菱製紙社製)を用い、「bizhub C 250」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)で出力した肌色画像を、雨を凌ぐためにガラスケースに入れた状態で5月に3週間、東京都のビル屋上にさらした後、目視により以下の評価基準で評価した。
−評価基準−
色相、彩度、明るさの全てに優れているものを「◎」、色相が青味または赤味に僅かに片寄っているが、肌色として問題のないものを「○」、色相、彩度、明るさのうちの少なくとも1つに欠点があり、肌色としてやや問題のあるものを「△」、肌色からかけ離れているものを「×」として評価した。
(2)耐昇華性
現像剤〔1〕〜〔26〕に使用したマゼンタ着色剤0.2gを各々坩堝に入れ、坩堝の蓋の内側に上質紙「コニカミノルタCFペーパー」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を挟んで蓋をし、180℃で6時間加熱した後、CFペーパーへの昇華を目視で観察すると共に、それぞれの現像剤〔1〕〜〔26〕を用いてフルカラー複写機「bizhub C 6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)によって100,000枚の画像形成を行った後の機内汚染を目視で観察した。
−評価基準−
全くCFペーパーに昇華が見られず、機内汚染も見られないレベルのものを「◎」、CFペーパーは僅かに赤味を帯びているものの機内汚染は問題とならないレベルのものを「○」、CFペーパーが赤味を帯びており、機内汚染も観察されるレベルのものを「△」、CFペーパーが真っ赤に染色され、機内汚染もひどいものを「×」として評価した。
現像剤〔1〕〜〔26〕に使用したマゼンタ着色剤0.2gを各々坩堝に入れ、坩堝の蓋の内側に上質紙「コニカミノルタCFペーパー」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を挟んで蓋をし、180℃で6時間加熱した後、CFペーパーへの昇華を目視で観察すると共に、それぞれの現像剤〔1〕〜〔26〕を用いてフルカラー複写機「bizhub C 6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)によって100,000枚の画像形成を行った後の機内汚染を目視で観察した。
−評価基準−
全くCFペーパーに昇華が見られず、機内汚染も見られないレベルのものを「◎」、CFペーパーは僅かに赤味を帯びているものの機内汚染は問題とならないレベルのものを「○」、CFペーパーが赤味を帯びており、機内汚染も観察されるレベルのものを「△」、CFペーパーが真っ赤に染色され、機内汚染もひどいものを「×」として評価した。
以上のように、実施例1〜18によれば、高い耐昇華性が得られ、さらに高い肌色再現性が得られることが確認された。
Claims (3)
- 少なくとも結着樹脂およびマゼンタ着色剤を含有するマゼンタトナー粒子よりなる静電荷像現像用マゼンタトナーであって、
前記マゼンタトナー粒子を構成するマゼンタ着色剤が、下記一般式(1)および下記一般式(2)で表される化合物のうちの少なくとも1種よりなる着色剤化合物Aと、モノアゾ顔料、ナフトール系顔料およびローダミンレーキ顔料のうちの少なくとも1種よりなる着色剤化合物Bとを、着色剤化合物Aの含有質量mAおよび着色剤化合物Bの含有質量mBの比mA:mBが90:10〜55:45となる割合で含有するものであることを特徴とする静電荷像現像用マゼンタトナー。
〔上記一般式(1)において、R1 〜R4 は、各々、炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。また、R5 はメチル基またはハロゲン原子であり、iは0〜4の整数である。iが2〜4の整数であるとき、複数のR5 は互いに同じ置換基であっても、異なる置換基であってもよい。また、R6 およびR7 は、各々、メチル基またはハロゲン原子であり、jおよびkは、各々、0〜3の整数である。さらに、R0 は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基である。〕
〔上記一般式(2)において、R8 〜R10、およびR14〜R16は、各々、炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。また、R11およびR17は、各々、メチル基またはハロゲン原子であり、mおよびpは、各々、0〜4の整数である。mが2〜4の整数であるとき、複数のR11は互いに同じ置換基であっても、異なる置換基であってもよい。また、pが2〜4の整数であるとき、複数のR17は互いに同じ置換基であっても、異なる置換基であってもよい。また、R12,R13,R18およびR19は、各々、メチル基またはハロゲン原子であり、n,o,q,rは、各々、0〜3の整数である。また、R20は、−CO−、炭素数2〜9のアルキレン基またはジアルコキシ基である。さらに、R21およびR22は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基である。〕 - マゼンタ着色剤を構成する着色剤化合物Aが、下記一般式(3)で表わされる化合物であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用マゼンタトナー。
〔上記一般式(3)において、Cは上記一般式(1)または上記一般式(2)で表されるローダミン系第4級アンモニウムイオンであり、Et-はスルホン酸化合物以外のアニオン基であり(ただし、tは当該アニオン基の価数である。)、uは1〜2の整数であり、sは[t×u]により算出される整数である。〕 - 前記マゼンタトナー粒子は離型剤を含むものであって、当該静電荷像現像用マゼンタトナーの軟化点温度が65℃以上、100℃未満であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用マゼンタトナー。
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