JP4797624B2 - 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法、並びに画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法に用いるための静電荷像現像用トナーおよびその製造方法、並びに画像形成方法に関する。
一般に、電子写真法を用いた画像の形成においては、特許文献1〜3などに開示されているように、光導電物質を含む静電荷像担持体上に、種々の方法で画像情報に応じた光情報を照射することにより前記静電荷像担持体上に静電荷像を形成し、次いでこの静電荷像を帯電されたトナーによってトナー像として現像し、紙などの画像記録媒体に当該トナー像を転写し、その後、加熱、加圧あるいは溶剤蒸気などにより定着する定着工程を行うことにより、可視画像が得られる。
このような電子写真法による例えばフルカラー画像の形成においては、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のカラートナーによって、静電荷像担持体上に形成されたそれぞれの色に分解された画像情報による静電荷像を各色ごとに現像して当該各々の画像情報に対応して各色のトナー像を得、これらを重ね合わせて転写して定着工程を行うことにより、フルカラー画像が得られる。
このようなカラートナーとしては、結着樹脂中にイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各々の着色剤が分散せれてなるトナー粒子よりなるイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーおよびブラックトナーなどがある。
カラートナーに用いる着色剤としては、従来、公知の有機顔料および染料が使用されているが、それぞれに種々の欠点を有している。
例えば有機顔料は、染料に比べて一般的に耐熱性や耐光性に優れているが、結着樹脂中において凝集粒子状に分散された状態で存在し、しかも有機顔料の分散性は低いために、トナーが隠蔽力が強く透明性が低いものとなるので、形成された画像において重ね合わされた各色のカラートナーのうち最下層のものが、それより上層のものに隠蔽されてしまい、最下層のトナーの色彩を視認することが困難となって彩度が低下し、画像の色再現性を阻害する、という欠点がある。
また、原理的には全ての色をイエロー、マゼンタ、シアンの3原色による減法混色により再現させることができるが、顔料を含むカラートナーによってカラー画像を形成する場合に、現実には、結着樹脂中に顔料を分散させたときの分光特性、異なる色のトナー同士を重ね合わせた時の混色性によって、再現することのできる色の範囲や彩度が限定されることがあり、原稿の色を忠実に再現することができないおそれがある。
このような顔料の欠点を解消する方法としては、顔料の分散法としてフラッシング法を用いることにより、凝集2次粒子のない1次粒子によるサブミクロンオーダーの分散粒子径が達成され、これにより、透明性を向上させる手段(例えば、特許文献4参照。)や、微粒子状の顔料を結着樹脂および外殻樹脂で被覆することにより、帯電性、定着性、画像均一性を改良する手段(例えば、特許文献5参照。)などが提案されている。
しかしながら、これらの手段によっても、着色剤として顔料を有するトナーを十分な透明性および彩度を有したものとすることは、未だ困難である。
一方、着色剤として染料を用いたトナー(例えば、特許文献6参照。)や、着色剤として染料と顔料とを混合して用いたトナー(例えば、特許文献7参照。)などが提案されているが、一般に、染料は、トナー粒子を構成するトナー粒子形成用結着樹脂中に溶解された状態で存在するために透明性や彩度などに優れているが、その特性上、耐光性や耐熱性が顔料に比べて大きく劣るという欠点を有している。耐熱性に劣ったものであると、熱により染料が分解して画像濃度が低下してしまう。また、トナー像を接触加熱方式によって定着させる場合に、染料が熱により昇華して機内汚染を生じることもあり、さらに、定着時に用いられるシリコーンオイルに染料が溶解して、最終的には加熱ロールに染料が移行して融着し、オフセット現象を誘引してしまう、という問題があった。
このような染料の欠点を解消する方法としては、例えば、マゼンタトナーとしてある特定のアントラキノン系染料を用いることにより、耐光性や耐熱性と色再現性とを両立させる手段(例えば、特許文献8参照。)や、ポリマー樹脂とカラー染料を含むコア粒子をシェル層用ポリマーで被覆するカプセル封入トナーとする手段(例えば、特許文献9参照。)などが提案されている。
しかしながら、これらの手段によっても、着色剤として染料を有するトナーを十分な耐熱性(昇華性)および耐光性を有したものとすることは、未だ困難である。
米国特許第2297691号 特公昭42−23910号公報 特公昭43−24748号公報 特開平9−26673号公報 特開平11−160914号公報 特開平5−11504号公報 特開平5−34980号公報 特開平8−69128号公報 特開平5−72792号公報
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、十分な透明性および彩度を有して高い色再現性を有すると共に、耐熱性および耐光性に優れて十分な画像の保存性を有し、従って、長期間にわたって画像特性を維持することのできる静電荷像現像用トナーおよびその製造方法、並びにこの静電荷像現像用トナーを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明者らは、トナー粒子中において染料が染料固体微粒子として固体状に存在している状態であっても、当該染料固体微粒子が真球状、または略真球状である場合、すなわち形状係数が特定の範囲とされている場合に、トナーが十分な透明性を有するものとなることを見出した。これは、染料固体微粒子が真球状または略真球状であることにより、トナー結着樹脂との密着性が高いものとなって、染料固体微粒子とトナー結着樹脂との界面における散乱が抑制されるためと推察される。
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー粒子形成用結着樹脂中に、染料固体微粒子が分散されてなる静電荷像現像用トナーであって、
染料固体微粒子を構成する染料が、金属イオンに色素原子団が2座以上で配位している化合物よりなる、トルエンに対する溶解度が0.01g/100ml以上である金属キレート染料であり、
染料固体微粒子の下記式(1)により算出される形状係数が100〜160であることを特徴とする。
式(1);形状係数=(L2 ×π/4S)×100
〔ただし、上記式(1)において、Lは染料固体微粒子の最大長さであり、Sは染料固体微粒子の投影面積である。〕
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、染料固体微粒子の体積平均粒径が10〜100nmであることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、水非混和性有機溶剤中に染料を溶解させてなる染料溶液を、水系媒体中において分散させた後、水非混和性有機溶剤を除去して析出させた染料固体微粒子、または、水系媒体中において染料を撹拌機により分散させて得られた染料固体微粒子と、
トナー粒子形成用結着樹脂よりなるトナー結着樹脂微粒子とを、
水系媒体中で凝集させる工程を含むことを特徴とする。
この静電荷像現像用トナーの製造方法においては、体積平均粒径10〜100nmである染料固体微粒子を得る構成とすることができる。
本発明の画像形成方法は、静電荷像担持体上に形成させた静電荷像を静電荷像現像用トナーにより現像する現像工程と、当該現像工程において形成されたトナー像を画像記録媒体上に転写する転写工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、上記の静電荷像現像用トナーを使用することを特徴とする。
本発明の静電荷像現像用トナーによれば、着色剤である染料が、染料固体微粒子として、形状係数が100〜160の状態でトナー粒子中に分散された状態とされているために、静電荷像現像用トナーが十分な透明性および彩度を有して高い色再現性を有すると共に、耐光性に優れて十分な画像の保存性を有し、さらに、耐熱性に優れて高い耐オフセット性を有するものとなり、その結果、この静電荷像現像用トナーにより形成された画像が、長期間にわたって画像品質が維持されるものとなる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、トナー粒子を構成するトナー粒子形成用結着樹脂(以下、「トナー結着樹脂」ともいう。)中に、金属キレート染料からなる染料固体微粒子が、形状係数が100〜160、好ましくは100〜140、さらに好ましくは100〜120の状態でトナー粒子中に分散して構成されている。
なお、染料固体微粒子が真球状である場合に形状係数は100を示し、染料固体微粒子が楕円状や針状などの形状を有し、長径と短径との差が大きくなるに従って、形状係数は大きくなる。
形状係数が160より大きな状態であると、トナーにおいて高い透明性が得られず、十分な色再現性が得られないことがある。
トナー粒子中における染料固体微粒子の形状係数は、以下のように測定される。まず、トナー粒子をエポキシ包埋RuO4 染色超薄切片法を用い、透過型電子顕微鏡「H−7100」(日立製作所社製)にて観察を行い、5万倍の断面観察画像を「ルーゼックス画像解析装置」(ニレコ社製)において取り込み、100個の染料固体微粒子を観察し、その最大長さと投影面積を求め、下記式(1)より形状係数を算出し、この100個の形状係数の算術平均値を染料固体微粒子の形状係数とした。
式(1);形状係数=(L2 ×π/4S)×100
ただし、上記式(1)において、Lは染料固体微粒子の最大長さであり、Sは染料固体微粒子の投影面積である。
トナー結着樹脂中における染料固体微粒子の形状係数を調整する方法としては、例えばトナーの製造方法として乳化重合凝集法を用いた場合には、凝集条件を制御する方法を挙げることができる。
本発明のトナーにおいては、トナー粒子を構成するトナー結着樹脂中に分散された染料固体微粒子の体積平均粒径が10〜100nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜50nmである。染料固体微粒子の体積平均粒径が10nm未満であると、単位体積あたりの表面積が非常に大きくなるために、得られるトナーが染料固体微粒子の安定性が低く、耐光性が低いものとなってしまう。一方、染料固体微粒子の体積平均粒径が100nmよりも大きいと、得られるトナーにおいて、単位染料当たりの彩度が低下したものとなってしまう。
トナー粒子中に分散される染料固体微粒子の体積平均粒径を10〜100nmに制御する方法としては、例えば染料固体微粒子を製造する方法として、後述する液中乾燥法を用いる場合には、撹拌するときの穿断撹拌ストレスの大きさ、水非混和有機溶剤溶液の粘度などを調整することや、水系媒体中に適宜の種類および量の界面活性剤を添加することなどにより、制御することができる。
また、染料固体微粒子を製造する方法として、後述の分散法を用いる場合には、添加される界面活性剤の種類や量を調整することにより、制御することができる。
また、本発明のトナーにおいては、トナー結着樹脂中に分散された状態の染料固体微粒子について、CV値が10〜100であることが好ましく、より好ましくは50以下、さらに好ましくは30以下である。トナー結着樹脂中に分散された状態の染料固体微粒子について、CV値が上記の範囲にあることにより、得られるトナーにおいてトナー粒子間における帯電特性が実質的に均一になるため、形成された画像において極めて良好な彩度が得られる。
染料固体微粒子の粒径分布を示すCV値は、体積平均粒径を測定し、全体を100%として累積曲線を求め、累積曲線が16%,50%,84%となる粒径をd16,d50,d84とし、下記式(2)より、算出することができる。
式(2);CV値={(d84−d16)/(2×d50)}×100
染料固体微粒子の体積平均粒径は、例えば動的光散乱法、レーザー回折法、遠心沈降法、FFF法、電気的検知体法などによって求めることができ、本発明においては、「マイクロトラックUPA−150」(日機装株式会社製)を用いて動的光散乱法で測定することが好ましい。
<トナーの製造方法>
本発明のトナーを製造する方法としては、粉砕法、乳化分散法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、カプセル化法、その他の公知の方法などを挙げることができるが、トナーを製造する方法としては、画像の高画質化を達成するために小粒径化されたトナーを得る必要があることを考慮して、製造コストおよび製造安定性の観点から、乳化重合凝集法を用いることが好ましい。
乳化重合凝集法は、乳化重合法によって製造されたトナー結着樹脂よりなる微粒子(以下、「トナー結着樹脂微粒子」という。)の分散液を、他の染料固体微粒子などのトナー粒子構成成分の分散液と混合し、pH調整による微粒子表面の反発力と電解質体よりなる凝集剤の添加による凝集力とのバランスを取りながら緩慢に凝集させ、平均粒径および粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に、加熱撹拌することで微粒子間の融着を行って形状制御を行うことにより、トナー粒子を製造する方法である。
本発明のトナーを製造するための方法として、乳化重合凝集法を用いる場合に形成させるトナー結着樹脂微粒子は、組成の異なるトナー結着樹脂よりなる2層以上の構成とすることもでき、この場合、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)により調製した第1樹脂粒子の分散液に、重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する方法を採用することができる。
本発明のトナーを製造するための方法として、乳化重合凝集法を用いる場合の一例を具体的に示すと、
(1)染料よりなる染料固体微粒子を得る染料固体微粒子形成工程。
(2)必要に応じてオフセット防止剤、荷電制御剤などを含有したトナー結着樹脂微粒子を得るためのトナー結着樹脂微粒子重合工程。
(3)トナー結着樹脂微粒子と染料固体微粒子とを水系媒体中で塩析、凝集、融着させてトナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程。
(4)トナー粒子の分散系から(水系媒体)トナー粒子を濾別し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程。
(5)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程。
(6)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程。
から構成される。
ここで、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
<染料固体微粒子の形成方法>
本発明のトナーを製造するための染料固体微粒子は、〔1〕染料を酢酸エチル、トルエンなどの水非混和性有機溶剤中に溶解させた染料溶液を、水系媒体中において分散機を用いて乳化分散後、水非混和性有機溶剤を除去して染料固体微粒子を析出させる液中乾燥法により、得ることができる。または、〔2〕固体状の染料と界面活性剤とを混合し、媒体型撹拌機を用いて微粒化する分散法により、得ることもできる。
本発明のトナーを製造するために用いる染料固体微粒子としては、形状が真球形に近く、トナー結着樹脂との高い密着性が得られて得られるトナーがトナー結着樹脂と染料固体微粒子との界面における界面散乱が抑止されたものとなって高い透明性が得られるため、液中乾燥法により得たものを使用することが好ましい。
液中乾燥法において使用される乳化分散機としては特に限定されず、例えば超音波分散機、高速撹拌型分散機などを用いることができる。
〔界面活性剤〕
液中乾燥法においては、必要に応じて、乳化剤として、通常のアニオン系界面活性剤および/またはノニオン系界面活性剤を用いることができる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマーなどを挙げることができる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル類;ポリエトキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩、およびその誘導体類などを挙げることができる。
〔染料〕
本発明のトナーの染料固体微粒子を構成する染料としては、一般に知られている染料を用いることが出来るが、本発明のトナーの染料固体微粒子を構成する染料としては、油溶性染料を用いることが好ましく、金属キレート染料を用いることが特に好ましい。
染料として用いられる油溶性染料とは、水に対する溶解度が1質量%以下であって、トルエンに対する溶解度が0.01g/100ml以上であるものである。染料のトルエンに対する溶解度は、室温(25℃)にて、トルエン100mlに染料を加え、撹拌し、24時間放置後に濾過を行い、次いで、この溶液中に含有される染料の重量をトルエンを溜去し求めることにより、測定することができる。また、染料の水に対する溶解度も、トルエンを水に代えたことの他は同様にして測定することができる。
このような油溶性染料の具体例としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー2(2.4)、同3(3.6)、同5(5.7)、同7(1.6)、同8(2.0)、同17(1.0)、同24(0.4)、同30(3.0)、同31(2.0)、同35(5.0)、同44(0.01)、同88(0.8)、同89(5.0)、同98(2.0)、同102(0.7)、同103(1.3)、同104(0.11)、同105(0.18)、同111(0.23)、同114(0.09)、同162(40.0)、C.I.ディスパースイエロー160(0.02)などのイエロー染料;C.1.ソルベントレッド3(0.7)、同14(0.03)、同17(1.0)、同18(0.8)、同22(3.0)、同23(1.4)、同51(1.4)、同53(0.1)、同87(0.2)、同127(0.3)、同128(1.2)、同131(0.2)、同145(0.2)、同146(1.1)、同149(0.19)、同150(0.07)、同151(0.2)、同152(0.89)、同153(0.8)、同154(0.2)、同155(0.05)、同156(0.5)、同157(0.6)、同158(0.9)、同176(0.05)、同179(0.37)、C.1.ソルベントオレンジ63(0.02)、同68(0.70)、同71(0.11)、同72(4.9)、同78(0.33)などのマゼンタ染料;C.I.ソルベントブルー4(0.5)、同8(0.1)、同19(0.1)、同21(0.1)、同22(2.0)、同50(1.0)、同55(5.0)、同63(0.6)、同78(0.12)、同82(0.4)、同83(1.8)、同84(2.8)、同85(0.2)、同86(0.9)、同90(0.45)、同91(1.0)、同92(0.02)、同93(0.1)、同94(0.12)、同95(4.7)、同97(12.5)、同104(50)などのシアン染料などを挙げることができ、またこれらの混合物も用いることができる。
なお、上記に例示した油溶性染料のトルエンに対する溶解度を、( )内に示した。ただし、溶解度の単位は、g/100mlである。また、これらの油溶性染料の水に対する溶解度は、すべて1質量%以下であった。
染料として用いられる金属キレート染料とは、金属イオンに色素原子団が2座以上で配位している化合物をいい、色素原子団以外の配位子を有してもよい。ここに、配位子とは、金属イオンに配位可能な原子団をいい、この原子団は電荷を有していても有していなくてもよい。
トナー粒子に分散される染料固体微粒子を構成する染料が堅牢な金属キレート染料であることにより、形成される画像が保存性の極めて高いものとすることができる。
本発明の染料として用いられる金属キレート染料の具体例としては、例えば下記一般式(A)で表される化合物が挙げられる。
一般式(A) M(Dye)l (A)m
上記一般式(A)において、Mは金属イオンを表し、Dyeは金属イオンと配位結合される色素を表す。Aは色素以外の配位子を表し、lは1〜3の整数、mは0〜3の整数を表す。mが0であるとき、lは2または3であり、この場合、Dyeで表される色素は、同種のものでも異種のものでもよい。
Mで表される金属イオンとしては、周期律表の第I〜VIII族に属する金属、例えば、Al、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti、Pt、Pd、ZrおよびZnのイオンが挙げられる。色調および各種の耐久性からNi、Cu、Cr、Co、Zn、Feのイオンであることが好ましい。
金属キレート染料としては、Mで表される金属イオンと2座以上で配位可能な部位を有する芳香族炭化水素環または複素環からなるDyeおよびキレート剤で表される色素を有するものが好ましく、特に好ましくは特開平9−277693号公報、特開平10−20559号公報、特開平10−30061号公報に示されるような金属キレート染料である。
以上の染料は、所望に応じて、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
染料の添加量は、トナー結着樹脂に対して例えば1〜10質量%とされる。
なお、黒色トナーを構成する黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、染料、顔料などを任意に使用することができ、具体的には、カーボンブラックとしてはチャネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック・ランプブラックなどを使用することができ、磁性体としては鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイトなどの強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理する事により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロムなどを用いることができる。
〔トナー結着樹脂〕
トナー結着樹脂としては、染料固体微粒子との間に十分な密着性が得られる熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、特に好ましくは溶剤可溶性のものである。また、ポリマーの前駆体が溶剤可溶性であれば、3次元構造を形成する硬化性樹脂であっても使用することができる。
このようなトナー結着樹脂としては、一般にトナーの結着樹脂として用いられているものを特に制限なく用いることができ、具体的には、例えば、スチレン系樹脂やアルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、オレフィン系樹脂、アミド樹脂またはエポキシ樹脂などが挙げられ、特に、透明性や重ね合わせ画像の色再現性を向上させるために、透明性が高く、溶融特性が低粘度で高いシャープメルト性を有する、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂が好適に挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明のトナーを構成するトナー粒子が懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法などによって製造される場合には、トナー結着樹脂を得るための重合性単量体として、例えばスチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アクリル酸、フマル酸などのカルボン酸系単量体などを使用することができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなトナー結着樹脂としては、数平均分子量(Mn)が3000〜6000、好ましくは3500〜5500、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2〜6、好ましくは2.5〜5.5、ガラス転移点温度(Tg)が50〜70℃、好ましくは55〜70℃、軟化点温度が90〜110℃、好ましくは90〜105℃である樹脂を使用することが好ましい。
トナー結着樹脂の数平均分子量が3000より小さいと、得られるトナーの折り曲げ定着性が低減されて、例えばフルカラーのベタ画像を折り曲げた際に画像が剥離して画像欠損が発生するおそれなどがあり、一方、数平均分子量が6000より大きいと、得られるトナーが、画像形成の定着工程における熱溶融性が低く定着強度が低いものとなるおそれがある。また、トナー結着樹脂のMw/Mnが2より小さいと、定着工程において高温オフセット現象が発生しやすくなってしまい、一方、Mw/Mnが6より大きいと、定着工程におけるシャープメルト特性が低下して、得られるトナーが十分な透光性を得られず、また、十分な混色性が得られずに形成されるフルカラー画像において十分な色再現性が得られない。また、トナー結着樹脂のガラス転移点温度が50℃より低いと、得られるトナーを十分な耐熱性を有するものとすることができず、保管時にトナー同士の凝集が発生しやすくなり、一方、70℃より高いと、得られるトナーが溶融しにくいものとなって定着性が低いものとなると共に、十分な混色性が得られずに形成されるフルカラー画像において十分な色再現性が得られない。さらに、トナー結着樹脂の軟化点温度が90℃より低いと、定着工程において高温オフセットが生じやすくなり、一方、軟化点温度が110℃より高いと、十分な定着強度、十分な透光性、および十分な混色性を得ることができず、また、形成されたフルカラー画像における光沢性が低いものとなる。
なお、トナー結着樹脂微粒子重合工程において得られるトナー結着樹脂微粒子の体積平均粒径は、例えば30〜500nmの範囲にあることが好ましい。
〔連鎖移動剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に、トナー結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
〔重合開始剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、乳化重合法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、トナー結着樹脂を得るための重合開始剤は、水溶性の重合開始剤であれば適宜のものを使用することができる。重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、パーオキシド化合物などが挙げられる。
〔界面活性剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、乳化重合法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、トナー結着樹脂を得るために使用する界面活性剤としては、上述した界面活性剤などの従来公知の種々のイオン性界面活性剤、ノニオン界面活性剤などを用いることができる。
〔凝集剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する凝集剤としては、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。凝集剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、凝集剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
〔オフセット防止剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、オフセット現象の抑止に寄与するオフセット防止剤が含有されていてもよい。ここに、オフセット防止剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜ろうワックスなどを挙げることができる。
トナー粒子中にオフセット防止剤を含有させる方法としては、トナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程において、オフセット防止剤粒子の分散液(ワックスエマルジョン)を添加し、トナー結着樹脂微粒子と染料固体微粒子とオフセット防止剤粒子とを塩析、凝集、融着させる方法や、トナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程において、オフセット防止剤を含有するトナー結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを塩析、凝集、融着させる方法を挙げることができ、これらの方法を組み合わせてもよい。
トナー粒子中におけるオフセット防止剤の含有割合としては、トナー粒子形成用結着樹脂100質量部に対して通常0.5〜5質量部とされ、好ましくは1〜3質量部とされる。オフセット防止剤の含有割合がトナー粒子形成用結着樹脂100質量部に対して0.5質量部未満であると、十分なオフセット防止効果が得られず、一方、トナー粒子形成用結着樹脂100質量部に対して5質量部より大きいと、得られるトナーが透光性や色再現性の低いものとなる。
〔荷電制御剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、荷電制御剤が含有されていてもよい。ここに、荷電制御剤としては、特に限定されず摩擦帯電により正または負の電荷を与える種々の物質を挙げることができ、例えば、カラートナーを構成するトナー粒子に用いられる負帯電性の荷電制御剤としては、カラートナーの色調や透光性に悪影響を及ぼさないよう、無色、白色あるいは淡色の荷電制御剤が挙げられる。このような荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やクロムによる金属錯体(サリチル酸金属錯体)、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩化合物などを好適に挙げることができる。具体的には、サリチル酸金属錯体としては、例えば特開昭53−127726号公報、特開昭62−145255号公報などに開示されるもの、カリックスアレーン系化合物としては、例えば特開平2−201378号公報などに開示されるもの、有機ホウ素化合物としては、例えば特開平2−221967号公報に開示されるもの、含フッ素4級アンモニウム塩化合物としては例えば特開平3−1162号公報に開示されるものを挙げることができる。
トナー粒子中における荷電制御剤の含有割合としては、トナー粒子形成用結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜10質量部とされ、好ましくは0.5〜5質量部とされる。
トナー粒子中に荷電制御剤などの内添剤を含有させる方法としては、上記に示したオフセット防止剤を含有させる方法と同様の方法を挙げることができる。
<トナー粒子の粒径>
本発明のトナーの粒径は、例えば体積基準のメジアン径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは6〜9μmとされる。この平均粒径は、トナーの製造方法が例えば乳化重合凝集法などである場合には、使用する凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
トナーの体積基準のメジアン径は「コールターマルチサイザーIII 」(ベックマン・コールター社製)にデータ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した測定装置を用いて測定・算出したものである。具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が5%〜10%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径を体積基準のメジアン径とした。
<外添剤>
上記のトナー粒子は、そのままで本発明のトナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して本発明のトナーを構成してもよい。
流動化剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、酸化鉛、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、フェライト、ベンガラ、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ジルコニウム、マグネタイト、ステアリン酸マグネシウムなどよりなる無機微粒子などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
これらの種々の外添剤の添加量は、その合計が、トナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部とされる。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
〔現像剤〕
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなど用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン/アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
キャリアの体積平均粒径としては20〜100μmであることが好ましく、更に好ましくは20〜60μmとされる。キャリアの体積平均粒径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
好ましいキャリアとしては、耐スペント性の観点から、被覆樹脂としてシリコーン系樹脂、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)またはポリエステル樹脂を用いたコートキャリアが挙げられ、特に、耐久性、耐環境安定性および耐スペント性の観点から、オルガノポリシロキサンと、イソシアネートと反応性を有する水酸基などの置換基を有するビニル系単量体との共重合樹脂に、イソシアネートを反応させて得られた樹脂で被覆したコートキャリアを好ましく挙げられる。
<画像形成方法>
本発明のトナーは、電子写真法による画像形成方法に好適に使用することができる。
この画像形成方法は、静電荷像担持体上に形成させた静電荷像をトナーにより現像する現像工程と、当該現像工程において形成されたトナー像を画像記録媒体上に転写する転写工程とを少なくとも含むものである。
このような画像形成方法において多色画像を形成する場合には、例えば、1つの静電荷像担持体上に複数のトナー像を形成させ、画像記録媒体に一括して転写する一括転写方式や、静電荷像担持体上に形成されたトナー像を転写ベルトなどの中間転写体に逐次転写するいわゆる中間転写方式などが挙げられ、後述する理由により、前者がより好ましい。
例えば、一括転写方式によってフルカラー画像の形成を行う動作について以下に説明する。
まず、均一に帯電させた静電荷像担持体に対して、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に分解された画像情報による静電荷像のうちの1つの、イエローに係る画像情報に応じた露光を行った後、第1回目の現像処理を行うことによって、第1のトナー像(イエロートナー像)を形成させ、次いで、イエロートナー像が形成された静電荷像担持体を均一に帯電させ、マゼンタに係る画像情報に応じた露光を行った後、第2回目の現像処理を行うことによって、第2のトナー像(マゼンタトナー像)を形成させ、次いで、イエロートナー像およびマゼンタトナー像が形成された静電荷像担持体を均一に帯電させ、シアンに係る画像情報に応じた露光を行った後、第3回目の現像処理を行うことによって、第3のトナー像(シアントナー像)を形成させ、次いで、イエロートナー像、マゼンタトナー像およびシアントナー像が形成された静電荷像担持体を均一に帯電させ、ブラックに係る画像情報に応じた露光を行った後、第4回目の現像処理を行うことによって、第4のトナー像(ブラックトナー像)を形成させることにより、静電荷像担持体上にフルカラートナー像が形成され、転写処理を行ってこのフルカラートナー像を画像記録媒体に一括に転写し、その後、定着処理を行うことにより、フルカラー画像が得られる。
この一括転写方式においては、静電荷像担持体上に形成されたフルカラー画像を一括して画像記録媒体に転写し、フルカラー画像を形成するため、中間転写方式とは異なり、画像を乱す要因となる転写処理が1回行うのみでよいので、高い画像品質を実現することができる。
上記のような一括転写方式の画像形成方法の現像工程においては、一の画像形成において複数回の現像処理が必要であることから、非接触現像方式で現像処理が行われることが好ましい。また、交番電界を印加して現像処理を行うことが好ましい。
また、本発明のトナーは、定着工程として、接触加熱方式による定着工程、すなわち、画像記録媒体に転写されたトナー像を、熱ロールなどの加熱部材に接触させて定着させる工程を含む画像形成方法に好適に使用することができる。
接触加熱方式としては、熱圧定着方式、特には熱ロール定着方式および固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式を挙げることができる。
本発明のトナーによれば、接触加熱方式の定着処理においてもその染料固体微粒子が画像記録媒体上において崩壊せずに当該画像記録媒体上に付着した状態を得ることができる。
ここに、熱ロール定着方式は、テトラフルオロエチレンやポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体類などを表面に被覆した鉄やアルミニウムなどで構成される金属シリンダー内部に熱源を有する上ローラとシリコーンゴムなどで形成された下ローラとから形成されているものなどである。詳しくは、熱源として線状のヒーターを有し、上ローラの表面温度を約120〜200℃程度に加熱するものである。定着部においては上ローラと下ローラ間に圧力を加え、下ローラを変形させ、いわゆるニップを形成する。ニップ幅としては1〜10mm、好ましくは1.5〜7mmである。定着線速は40〜600mm/secが好ましい。ニップが狭い場合には熱を均一にトナーに付与することができなくなり、定着のムラを発生する。一方でニップ幅が広い場合には樹脂の溶融が促進され、定着オフセットが過多となる問題を発生する。
必要に応じて定着クリーニングの機構を付与してもよい。この場合には、シリコーンオイルを定着の上ローラあるいはフィルムに供給する方式やシリコーンオイルを含浸したパッド・ローラ・ウェッブなどでクリーニングする方法が使用できる。シリコーンオイルとしては耐熱性の高いものが使用され、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、フッ素を含有するポリシロキサンなどが使用される。粘度の低いものは使用時に流出が大きくなることから、20℃における粘度が1,000〜100,000cpのものが好適に使用される。
このようなトナーによれば、着色剤である染料が、染料固体微粒子として、形状係数が100〜160の状態でトナー粒子中に分散された状態とされているために、静電荷像現像用トナーが十分な透明性および彩度を有して高い色再現性を有すると共に、耐光性に優れて十分な画像の保存性を有し、さらに、耐熱性に優れて高い耐オフセット性を有するものとなり、その結果、このトナーにより形成された画像が、長期間にわたって画像品質が維持されるものとなる。
また、染料固体微粒子が小粒径で単分散であるトナーにおいては、トナー粒子中において光を遮断する隠蔽性粒子などの成分の存在を極めて小さくすることができ、従って、トナーの単色、あるいは重ね合わせ色における透明性をさらに向上させることができる。
以上のようなトナーによれば、染料が遊離してトナー粒子の表面に露出しない(移行しない)ため、一般的な染料を使用したトナーにおいて現れる、帯電量の低さや、高温高湿下および低温低湿下での帯電量の差が大きいという環境依存性の高さ、あるいは着色剤の種類、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色を用いる場合の各色トナーについて帯電量がばらついてしまうという問題が発生せず、得られるトナーにおいてトナー粒子間における帯電特性が実質的に均一になるため、形成された画像において極めて良好な画像特性が得られる。
また、染料が分子状態ではなく、いくつかの分子が凝集した塊状体であるために、当該染料のマイグレーションが抑止され、熱定着による定着工程において染料の昇華やオイル汚染などの問題が生じることがない。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔染料固体微粒子分散液の調製例1〕
下記式(A−1)に示される染料(A−1)3.0g、および界面活性剤「EM−27C 27%液」(花王株式会社製)3.0gを含む水溶液80.0gをステンレスビーカーに入れ、「ウルトラタラックスUTC」(IKA社製)を用いて混合、撹拌した。次いで、媒体型撹拌機「SLC−12」(ゲッツマン社製)を用いて、0.5mmφのジルコニアビーズを用いて分散処理を実施し、体積平均粒径が150nmである染料固体微粒子1を含有する染料固体微粒子分散液1を得た。
なお、体積平均粒径は、「ナノトラックUPA−EX150」(日機装株式会社製)を用いて測定した値である。
Figure 0004797624
〔染料固体微粒子分散液の調製例2〕
界面活性剤として「EM−27C 27%液」3.0gの代わりに「NC−2308SF 30%液」(日本乳化剤社製)1.0gを用いたことの他は染料固体微粒子分散液の調製例1と同様にして体積平均粒径が152nmである染料固体微粒子2を含有する染料固体微粒子分散液2を得た。
〔染料固体微粒子分散液の調製例3〕
上記式(A−1)に示される染料(A−1)3.0g、および酢酸エチル50.0gをセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌して前記染料(A−1)を完全に溶解させた。次いで、界面活性剤「NC−2308 96%液」(日本乳化剤社製)1.0gを含む水溶液80.0gを滴下して撹拌した後、超音波分散機「UH−600」(S.M.T社製)を用いて、5分間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、体積平均粒径が150nmである染料固体微粒子3を含有する染料固体微粒子分散液3を得た。
〔染料固体微粒子分散液の調製例4〕
界面活性剤として「NC−2308 96%液」1.0gの代わりに「EM−20C」(花王株式会社製)3.0gを用いたことの他は染料固体微粒子分散液の調製例3と同様にして体積平均粒径が80nmである染料固体微粒子4を含有する染料固体微粒子分散液4を得た。
〔染料固体微粒子分散液の調製例5〕
界面活性剤として「NC−2308 96%液」1.0gの代わりに「NC−2308SF 30%液」(日本乳化剤社製)3.0gを用いたことの他は染料固体微粒子分散液の調製例3と同様にして体積平均粒径が80nmである染料固体微粒子5を含有する染料固体微粒子分散液5を得た。
〔染料固体微粒子分散液の調製例6〕
界面活性剤として「NC−2308 96%液」1.0gの代わりに「EC−27C 27%液」(花王株式会社製)3.0gを用いたことの他は染料固体微粒子分散液の調製例3と同様にして体積平均粒径が30nmである染料固体微粒子6を含有する染料固体微粒子分散液6を得た。
[染料固体微粒子分散液の中の染料固体微粒子]
以上の染料固体微粒子分散液1〜について、含有される染料固体微粒子のCV値を、「マイクロトラックUPA150」(日機装社製)により染料固体微粒子の体積平均粒径を測定し、全体を100%として累積曲線を求め、累積曲線が16%,50%,84%となる粒径をd16,d50,d84とし、上記式(2)より算出した。結果を表1に示す。
Figure 0004797624
〔樹脂粒子分散液の製造例1〕
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、予めアニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水2760gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。一方、オフセット防止剤として下記式(3)で表される化合物72.0gを、スチレン115.1g、n−ブチルアクリレート42.0g、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合液に添加し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。循環経路を有する機械式分散機により、前記界面活性剤溶液(80℃)中に、前記単量体溶液(80℃)を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)の分散液を調製した。次いで、この分散液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.84gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたって加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行い、ラテックス(A)を調製した。
次いで、このラテックス(A)に、重合開始剤(KPS)7.73gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、15分経過後、80℃で、スチレン383.6g、n−ブチルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4g、tert−ドデシルメルカプタン13.7gからなる単量体混合液を126分間かけて滴下した。滴下終了後、60分にわたり加熱撹拌することにより重合(第2段重合)を行った後、40℃まで冷却しラテックス(B)を調製した。
Figure 0004797624
〔トナーの製造例1〕
ラテックス(B)1250gと、イオン交換水2000mlと、染料固体微粒子分散液1の80gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた5リットルの四つ口フラスコに入れて撹拌した。内温を30℃に調整した後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72mlに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を6分間かけて90℃まで昇温した(昇温速度=10℃/分)。その状態で、「コールターカウンターTA−II」(コールター社製)にて会合粒子の平均粒径を測定し、体積基準のメジアン径が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム115gをイオン交換水700mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、液温度90℃±2℃にて6時間にわたって加熱、撹拌することにより融着を継続させた。その後、6℃/分の条件で30℃まで冷却した。そして、この会合粒子の分散液から会合粒子を濾別し、会合粒子全体に対して重量比で10倍の量のイオン交換水(pH=3)に再分散させて洗浄処理を行った後、洗浄水から会合粒子を濾別する工程を2回繰り返し、その後、イオン交換水のみで洗浄処理を行い、40℃の温風で乾燥して得られたトナー粒子よりなるトナー1を得た。
〔トナーの製造例2〕
染料固体微粒子分散液1を染料固体微粒子分散液2に代えたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー2を調製した。
〔トナーの製造例3〕
染料固体微粒子分散液1を染料固体微粒子分散液3に代えたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー3を調製した。
〔トナーの製造例4〕
染料固体微粒子分散液1を染料固体微粒子分散液4に代えたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー4を調製した。
〔トナーの製造例5〕
染料固体微粒子分散液1を染料固体微粒子分散液5に代えたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー5を調製した。
〔トナーの製造例6〕
染料固体微粒子分散液1を染料固体微粒子分散液6に代えたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー6を調製した。
以上のトナー1〜について、トナー粒子中における染料固体微粒子の形状係数およびCV値を、トナー粒子をエポキシ包埋RuO4 染色超薄切片法を用い透過型電子顕微鏡「H−7100」(日立製作所社製)にて観察を行い、5万倍の断面観察画像を「ルーゼックス画像解析装置」(ニレコ社製)において取り込み、100個の染料固体微粒子を観察し、その最大長さと投影面積を求め、上記式(1)より形状係数を算出すると共に、投影面積の円相当径から体積基準粒径を算出し、全体を100%として累積曲線を求め、累積曲線が16%,50%,84%となる粒径をd16,d50,d84とし、上記式(2)よりCV値を算出した。結果を下記表2に示す。
また、以上のトナー1〜について、トナー粒子を0.01g採取し、20gのトルエン中に溶解した溶液を、分光光度計「V−570」(ジャスコインターナショナル社製)によって分光スペクトル測定を行い、予め定量された染料の吸光係数に基づいて染料含有量を算出した。結果を表2に示す。
〔外添剤処理〕
トナー1〜について、各々のトナーを構成するトナー粒子に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%となる割合で添加すると共に、疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1.2質量%となる割合で添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により混合し、その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去し、現像剤用トナー1〜の各々を調製した。
なお、これらのトナー粒子について、疎水性シリカおよび疎水性酸化チタンの添加によっては、その形状および粒径は変化しない。
<実施例1〜、比較例1>
この現像剤用トナー1〜の各々に、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを、前記現像剤用トナーの濃度が6質量%になるよう混合し、二成分現像剤である現像剤1〜を調製した。現像剤2〜が本発明のトナーよりなるものであり(それぞれ実施例1〜に対応)、現像剤1は比較用のトナーよりなるものである(比較例1)。
この現像剤1〜を用いて「bizhubC250」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)で下記(1)〜(4)の実機評価を行った。結果を表2に示す。
(1)トナー付着量と彩度との関係
転写紙上にトナー付着量を0.1〜1.0mg/cm2 の範囲で変化させた画像を形成し、定着処理する前に転写紙の重量W1を測定した。その後エアガンでトナーを吹き飛ばした後に転写紙の重量W2を測定し、W1およびW2の差から、トナー付着量を算出した。
一方、同様にして転写紙上にトナー付着量を0.1〜1.0mg/cm2 の範囲で変化させた画像を形成し、色差計「CM−2002」(ミノルタ社製)を用いてそれぞれの画像のL* a* b* 空間を測定し、彩度C* を算出した。
そして、トナー付着量に対する彩度の関係を、いずれのトナー付着量においても、トナー付着量に対する彩度が極めて大きく特に優れている場合を「◎」、いずれのトナー付着量においても、トナー付着量に対する彩度が大きく優れている場合を「○」、いずれのトナー付着量においても、トナー付着量に対して彩度が実用上問題ないレベルが維持される場合を「△」、トナー付着量に対して彩度が低いことがあり、画像品質上、問題があることがある場合を「×」として評価した。
一般に、彩度は、ある範囲までトナー付着量(染料付着量)が増加するに従って増加していくが、トナー付着量がある値を超えると、飽和に達し、その後は、漸減する。
(2)色調
転写紙上にトナー付着量を0.1〜1.0mg/cm2 の範囲で変化させた画像を形成し、色調の変化を目視にて観察し、色調の変化がなく特に優れている場合を「◎」、色調の変化が殆どなく優れている場合を「○」、多少の色調の変化があるが、実用上問題ないレベルである場合を「△」、色調の変化が大きく画像品質上、問題がある場合を「×」として評価した。
(3)透明性
予め着色された転写紙上に画像を形成し、二次色として適正かどうかを目視にて観察し、色再現性が特に優れている場合を「◎」、色再現性に優れている場合を「○」、多少の隠蔽、散乱があるが、実用上問題ないレベルである場合を「△」、隠蔽、散乱が大きく画像品質上、問題がある場合を「×」として評価した。
(4)耐光性
転写紙に定着させた画像を、キセノンフェードメーターによって7日間にわたって可視光を照射し、画像濃度の低下を目視にて観察し、画像濃度の低下がなく特に優れている場合を「◎」、画像濃度の低下が殆どなく優れている場合を「○」、多少の画像濃度の低下があるが、実用上問題ないレベルである場合を「△」、画像濃度の低下が大きく画像品質上、問題がある場合を「×」として評価した。
Figure 0004797624
以上のように、本発明に係る現像剤2〜によれば、トナー付着量にかかわらず優れた彩度および透明性が得られ、画質の高い画像を確実に形成することができ、また、高い耐光性が得られ、長期間にわたって画質の高い画像を維持することができることが確認された。
一方、染料固体微粒子が、トナー粒子中に形状係数が160よりも大きい状態で存在している構成の比較例1に係る現像剤1については、十分な透明性および十分な彩度を得ることができなかった。

Claims (5)

  1. トナー粒子形成用結着樹脂中に、染料固体微粒子が分散されてなる静電荷像現像用トナーであって、
    染料固体微粒子を構成する染料が、金属イオンに色素原子団が2座以上で配位している化合物よりなる、トルエンに対する溶解度が0.01g/100ml以上である金属キレート染料であり、
    染料固体微粒子の下記式(1)により算出される形状係数が100〜160であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    式(1);形状係数=(L2 ×π/4S)×100
    〔ただし、上記式(1)において、Lは染料固体微粒子の最大長さであり、Sは染料固体微粒子の投影面積である。〕
  2. 染料固体微粒子の体積平均粒径が10〜100nmであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 水非混和性有機溶剤中に染料を溶解させてなる染料溶液を、水系媒体中において分散させた後、水非混和性有機溶剤を除去して析出させた染料固体微粒子、または、
    水系媒体中において染料を撹拌機により分散させて得られた染料固体微粒子と、
    トナー粒子形成用結着樹脂よりなるトナー結着樹脂微粒子とを、
    水系媒体中で凝集させる工程を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 体積平均粒径10〜100nmである染料固体微粒子を得ることを特徴とする請求項3に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. 静電荷像担持体上に形成させた静電荷像を静電荷像現像用トナーにより現像する現像工程と、当該現像工程において形成されたトナー像を画像記録媒体上に転写する転写工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを使用することを特徴とする画像形成方法。
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