JP2009080478A - 静電荷像現像用マゼンタトナー - Google Patents

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Abstract

【課題】高い彩度および適切な色相角を有して広い色域において高い色再現性を発揮でき、また帯電安定性に優れ、さらにトナーブリスタの抑制された良好な画質の画像を形成することができる静電荷像現像用マゼンタトナーの提供。
【解決手段】マゼンタトナーは、マゼンタ着色剤がフルオラン系、キサンテン系で色素の骨格がカチオン性で対イオンのアニオンがナフタレンスルホン酸又はモノアゾ系色素の骨格がアニオン性で対イオンが2価の金属カチオン又はキナクリドン系である。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法によるカラー画像形成方法に用いられる静電荷像現像用マゼンタトナーに関する。
近年、電子写真法による複写機およびプリンターにおいても印字される画像の高画質化の要請が高まっており、特にカラー画像についてそれが要求されている。
高画質の画像を得るためにはトナーの小粒径化が有効であることが知られており、これを実現するためにいわゆる種々のケミカルトナーが提案されてきたが、これらのトナーは十分な色再現性が得られるとはいい難かった。これは、電子写真法による複写機およびプリンターはオフィス用途、公文書用途を中心として普及したため、印字された画像の長期安定性を得る観点からトナーについては耐光性が重視され、その結果、着色剤として有機顔料を用いたトナーが一般的に製造されてきたためである。
すなわち、有機顔料は染料に比べて一般的に耐熱性や耐光性に優れている一方、彩度が低いために、有機顔料を用いたトナーは色域(色再現範囲)が狭いものとなってしまう。
また、原理的にイエロー、マゼンタ、シアンの3原色の反射光によって発色する減色混法を用いて印字されるカラー画像は、その色域が、加色混法を用いて発色するディスプレーパネル上のカラー画像に比較して狭く、その結果、ディスプレーパネル上で編集した色彩データを印字物において忠実に再現することができない、という問題があった。
この問題を解決するためには、マゼンタトナーを高い彩度のものとすることが有効であるとして、彩度の高いマゼンタトナーを使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、これらのマゼンタトナーによっても、ディスプレーパネル上のカラー画像と同等のマゼンタ色や青色を再現するには至っていない。これは、本来マゼンタ色とは緑色の補色であってマゼンタ色の反射スペクトルは青味成分と赤味成分のバランスが良好である色相角を有することが理想であるところ、上記のマゼンタトナーは青味成分が不十分で良好なバランスが得られたものではないからである。
また、このようなマゼンタトナーに用いられるマゼンタ着色剤は、粉砕性に劣るために湿式の粉砕機を用いても一定の粒子径以下とすることが困難であり、その結果、マゼンタトナー粒子中におけるマゼンタ着色剤の分散性が低く、従ってマゼンタトナー粒子表面においてマゼンタ着色剤が偏在してしまい、帯電量が不足した弱帯電トナー粒子や過剰帯電した過剰帯電トナー粒子が発生し、前記弱帯電トナー粒子は、キャリアや現像ロールなどの摩擦帯電付与部材との付着力が弱くて飛散トナーとなりやすく、一方、過剰帯電トナー粒子は、摩擦帯電付与部材との静電的付着力が強すぎるために現像電界によって系外に出ることなく溜まってしまい、新たに補給されたトナーと摩擦帯電付与部材とによる摩擦帯電を阻害するため、新たに補給されたトナーが帯電されずに機内を飛散し、結局、長期間にわたって使用した場合にトナー飛散によって機内の光学センサーが汚染される結果、装置の誤動作、停止などが生じてしまうことがある。
特開平5−11504号公報
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、高い彩度および適切な色相角を有して広い色域において高い色再現性を発揮することができ、また帯電安定性に優れ、さらにトナーブリスタの抑制された良好な画質の画像を形成することができる静電荷像現像用マゼンタトナーを提供することにある。
本発明の静電荷像現像用マゼンタトナーは、少なくとも結着樹脂およびマゼンタ着色剤を含有するマゼンタトナー粒子よりなるものであって、
前記マゼンタ着色剤が、下記一般式(1)で表される化合物を含有するものであることを特徴とする。

〔上記一般式(1)中、Dは、下記一般式(2)〜下記一般式(4)のいずれかで表される化合物であり、R1 は、水素原子または炭素数1〜22のアルキル基であり、X1 およびX2 は、各々水素原子、アルキル基または−SO3 -であり、X1 およびX2 のうち少なくとも一方は−SO3 -であり、mは、−SO3 -の個数と同じ整数である。〕

〔上記一般式(2)〜上記一般式(4)中、R2 〜R15は、各々、水素原子または炭素数1〜22のアルキル基またはシクロアルキル基を表す。〕
本発明の静電荷像現像用マゼンタトナーにおいては、前記マゼンタ着色剤が、一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(5)で表される化合物(キナクリドン系化合物)または下記一般式(6)で表される化合物(ナフトール系化合物)とを含有し、
一般式(1)で表される化合物の含有質量mAと、下記一般式(5)で表される化合物または下記一般式(6)で表される化合物の含有質量mBとの比mA:mBが、90:10〜55:45となる割合であることが好ましい。

〔上記一般式(5)において、R16〜R23は、各々、水素原子、塩素原子、またはメチル基である。〕

〔上記一般式(6)において、R24、R25、R27、R28、およびR29は、各々、水素原子、塩素原子、メトキシ基、ニトロ基、または−CONH2 であり、R26は、水素原子、塩素原子、メトキシ基、ニトロ基、メチル基、−CONHC6 5 、−SO2 N(CH2 CH3 2 、または−CONH2 である。〕
本発明の静電荷像現像用マゼンタトナーによれば、マゼンタ着色剤が一般式(1)で表される化合物を含有し、当該一般式(1)で表される化合物が蛍光発光する性質を有するために、その色域が加色混法によって発色するディスプレーパネルの色域に近い広いものとなり、従って印字されるカラー画像をディスプレーパネル上の色彩に近い色合いのものとすることができ、また、前記一般式(1)で表される化合物によって鮮明な発色が得られるために高い彩度が得られ、その結果、広い色域において高い色再現性を発揮することができる。
また、マゼンタ着色剤自体に荷電制御作用があると共に粉砕性に優れてトナー粒子中において微小粒子として分散されるという理由から帯電量分布がシャープで帯電安定性に優れ、従って湿度が変動してもトナー飛散の発生が抑制されて長期間にわたって使用した場合にもトナー飛散による機内の光学センサーの汚染が抑制される結果、装置の誤動作、停止などを生じることがない。
また、少なくとも1つの−SO3 -(スルホン基)を有する化合物よりなるマゼンタ着色剤による静電荷像現像用マゼンタトナーは、ローダミンのジフェニルエーテルスルホン酸塩よりなるマゼンタ着色剤による静電荷像現像用マゼンタトナーに比べて、スルホン基が多価金属元素と難溶性の塩を形成しないため、難溶性の塩による水和が発生せずトナー粒子の水分量が上昇する問題が生じない。その結果、定着時の水蒸気噴出によって発生する穴状の画像欠陥であるいわゆるトナーブリスタの発生が抑制されたものとなる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の静電荷像現像用マゼンタトナー(以下、単に「マゼンタトナー」ともいう。)は、少なくとも結着樹脂およびマゼンタ着色剤を含有するマゼンタトナー粒子よりなるものであって、マゼンタ着色剤が、上記一般式(1)で表される化合物を含有するものである。
<マゼンタ着色剤>
マゼンタ着色剤を構成する上記一般式(1)中、R1 は、水素原子または炭素数1〜22のアルキル基であり、マゼンタ着色剤のトナー粒子中での良好な分散性が得られることから、R1 は、炭素数6〜18のアルキル基であることが好ましい。
また、上記一般式(1)中、X1 およびX2 は、各々水素原子、アルキル基または−SO3 -(スルホン基)であり、X1 およびX2 のうち少なくとも一方は−SO3 -であり、トナー飛散現象の抑止の観点から、X1 およびX2 の一方が−SO3 -で他方が水素原子であることが好ましい。
基X1 および/または基X2 を示す−SO3 -と、基R1 を示すアルキル基とのナフチル基上の位置関係は、特に限定されない。
また、上記一般式(1)中、mは−SO3 -の個数と同じ整数であり、具体的には、X1 およびX2 が共に−SO3 -である場合、mは2であり、X1 およびX2 のいずれか一方が−SO3 -である場合、mは1である。
さらに、上記一般式(1)中、Dは、上記一般式(2)〜上記一般式(4)のいずれかで表される化合物であり、トナー飛散現象の抑止の観点から、Dは、上記一般式(2)で表されるラクトン環を含有するローダミン系第4級アンモニウムイオンであることが好ましい。
上記一般式(2)〜上記一般式(4)中、R2 〜R15は、各々、水素原子または炭素数1〜22のアルキル基またはシクロアルキル基を表す。
このR2 〜R15としては、例えばエチル基、プロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基であることが好ましい。
マゼンタ着色剤を構成する一般式(1)で表される化合物としては、例えば、下記式(1−1)〜式(1−8)で表される化合物を挙げることができる。
マゼンタ着色剤を構成する一般式(1)で表される化合物としては、トナー飛散現象の抑止の観点から、上記式(1−1)〜式(1−4)で表されるものが好ましく、上記式(1−1)および上記式(1−2)で表されるものが特に好ましい。
以上の一般式(1)で表される化合物は、所望に応じて、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のマゼンタトナーのマゼンタ着色剤としては、このような上記一般式(1)で表される化合物のみを用いてもよいが、耐光性、ダークトーンの色再現性を十分に得る目的で、一般式(1)で表される化合物と、上記一般式(5)で表されるキナクリドン系化合物または上記一般式(6)で表されるナフトール系化合物との混合物を用いることもできる。さらに、帯電特性を安定させ、画像欠陥であるトナーブリスタを防止する観点からも、一般式(5)で表される化合物または一般式(6)で表される化合物と、一般式(1)で表される化合物を併用することが好ましい。
マゼンタ着色剤が一般式(5)で表される化合物または一般式(6)で表される化合物との混合物である場合、一般式(1)で表される化合物と一般式(5)で表される化合物または一般式(6)で表される化合物との混合割合は、一般式(1)で表される化合物の含有質量mAおよび一般式(5)で表される化合物または一般式(6)で表される化合物の含有質量mBの比mA:mBが90:10〜55:45であることが好ましい。
上記一般式(5)中、R16〜R23は、各々、水素原子、塩素原子、またはメチル基である。
上記一般式(5)で表される化合物のうち、下記式(5−1)で表されるものを特に好ましく挙げることができる。
また、上記一般式(6)中、R24、R25、R27、R28、およびR29は、各々、水素原子、塩素原子、メトキシ基、ニトロ基、または−CONH2 であり、R26は、水素原子、塩素原子、メトキシ基、ニトロ基、メチル基、−CONHC6 5 、−SO2 N(CH2 CH3 2 、または−CONH2 である。
上記一般式(6)で表される化合物の具体例としては、下記式(6−1)〜式(6−6)で表されるものを挙げることができる。
以上の一般式(6)で表される化合物のうち、上記式(6−6)で表されるものが特に好ましい。
以上の一般式(5)で表される化合物および一般式(6)で表される化合物は、所望に応じて、それぞれ1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。また、一般式(5)で表される化合物および一般式(6)で表される化合物を共に使用することもできる。
また、本発明のマゼンタトナーのマゼンタ着色剤としては、上記一般式(1)で表される化合物と、下記式(A)または下記式(B)で表される非ローダミン系化合物との混合物を用いることもできる。
マゼンタ着色剤が一般式(1)で表される化合物とこのような非ローダミン系化合物との混合物である場合、一般式(1)で表される化合物と非ローダミン系化合物との混合比は、質量比で90:10〜55:45であることが好ましい。
マゼンタ着色剤の含有量としては、上記式(A),(B)を含む場合であってもマゼンタトナー粒子全体に対して2〜15質量%、より好ましくは4〜10質量%である。
本発明でいうマゼンタトナーとは、トナー付着量0.4mg/cm2 で坪量128g/m2 、明度93の普通紙上に形成した可視画像が、明度をL* 、赤−緑方向の色相をa* 、黄−青方向の色相をb* とするL* * * 系表色系によって表す場合に、色相角が320〜360°の範囲となるトナーをいう。本発明において、好ましい色相角は325〜340°である。転写紙としては、例えば「PODグロスコート紙」(王子製紙社製)を用いることができる。
ここに、L* * * 系表色系とは色を数値化して表すのに有用に用いられる手段であり、a* 軸およびb* 軸の両者で色相と彩度を表す。なお、明度とは色の相対的な明るさをいい、色相とは赤、黄、緑、青、紫などの色合いをいい、彩度とは色の鮮やかさの度合いをいう。
そして、色相角とは、a* 軸−b* 軸座標上において、ある座標点(a,b)と原点Oとの半直線が、a* 軸の+方向(赤方向)から半時計回りの方向において、a* 軸上の+方向に伸びる直線となす角度をいう。
<結着樹脂>
結着樹脂としては、特に限定されずに用いることができる。
このような結着樹脂の具体例として、例えば、スチレン系樹脂、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂などのビニル系重合体、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、アミド樹脂およびエポキシ樹脂などが挙げられ、特に、透明性や重ね合わせ画像の色再現性を向上させるために、透明性が高く、溶融特性が低粘度で高いシャープメルト性を有する、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂が好適に挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、結着樹脂を得るための重合性単量体として、例えばスチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アクリル酸、フマル酸などのカルボン酸系単量体などを使用することができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような結着樹脂としては、数平均分子量(Mn)が3000〜20,000、好ましくは3500〜15,000、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2〜6、好ましくは2.5〜5.5、ガラス転移点温度(Tg)が10〜70℃、好ましくは25〜40℃、軟化点温度が70〜110℃、好ましくは80〜105℃である樹脂を使用することが好ましい。
<マゼンタトナーの製造方法>
本発明のマゼンタトナーを製造する方法は、結着樹脂よりなる微粒子(以下、「結着樹脂微粒子」という。)とマゼンタ着色剤を含有する着色剤微粒子とを凝集、融着させるものであって、具体的には、例えば乳化重合凝集法が挙げられる。
乳化重合凝集法は、乳化重合法によって製造された結着樹脂微粒子の分散液を、他の着色剤微粒子などのトナー粒子構成成分の分散液と混合し、pH調整による微粒子表面の反発力と電解質体よりなる凝集剤の添加による凝集力とのバランスを取りながら緩慢に凝集させ、平均粒径および粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に、加熱撹拌することで微粒子間の融着を行って形状制御を行うことにより、トナー粒子を製造する方法である。
この結着樹脂微粒子としては、組成の異なる結着樹脂よりなる2層以上の構成とすることもでき、この場合、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)により調製した第1樹脂微粒子の分散液に、重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する方法を採用することができる。
本発明のマゼンタトナーを乳化重合凝集法によって得る場合の製造工程の一例を具体的に示すと、
(1)マゼンタ着色剤を含有する着色剤微粒子が水系媒体中に分散されてなる着色剤微粒子の分散液を得る着色剤微粒子分散液調製工程、
(2)結着樹脂を形成すべき重合性単量体に必要に応じて離型剤、荷電制御剤などのトナー粒子構成材料を溶解あるいは分散させて重合性単量体溶液を調製し、これを水系媒体中に添加し、機械的エネルギーを加えて油滴を形成し、次いで水溶性ラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該油滴中において重合反応を行うことにより、結着樹脂微粒子を得る結着樹脂微粒子重合工程、
(3)結着樹脂微粒子および着色剤微粒子が存在している水系媒体中に、凝集剤を添加し、温度調節することにより、塩析を進行させると同時に凝集・融着を行い、マゼンタトナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程、
(4)水系媒体からマゼンタトナー粒子を濾別し、当該マゼンタトナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程、
(5)洗浄処理されたマゼンタトナー粒子を乾燥する乾燥工程、
(6)乾燥処理されたマゼンタトナー粒子に外添剤を添加する工程、
から構成される。
ここで、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
着色剤微粒子形成工程においては、機械的エネルギーによって水系媒体中に着色剤微粒子を分散させた着色剤微粒子の分散液が調製され、機械的エネルギーによる油滴分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではなく、高速回転するローターを備えた撹拌装置「クレアミックス」(エムテクニック社製)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンおよび圧力式ホモジナイザーなどを挙げることができる。
この着色剤微粒子形成工程において調製される分散液中の着色剤微粒子は、その体積基準のメジアン径が10〜300nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは100〜200nm、特に好ましくは100〜150nmである。
着色剤微粒子の体積基準のメジアン径を10〜500nmに制御する方法としては、例えば上述の機械的エネルギーの大きさを調整することなどにより、制御することができる。
また、結着樹脂微粒子重合工程において調製される分散液中の結着樹脂微粒子は、その体積基準のメジアン径が50〜200nmの範囲であることが好ましい。
〔連鎖移動剤〕
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
〔重合開始剤〕
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂を得るための重合開始剤は、水溶性の重合開始剤であれば適宜のものを使用することができる。重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、パーオキシド化合物などが挙げられる。
〔界面活性剤〕
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する界面活性剤としては、従来公知の種々のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などを用いることができる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類;ポリエトキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩、およびその誘導体類などを挙げることができる。
また、カチオン系界面活性剤としては、例えば脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などを挙げることができる。
さらに、ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマーなどを挙げることができる。
〔凝集剤〕
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する凝集剤としては、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。凝集剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、凝集剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
〔離型剤〕
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子中には、オフセット現象の抑止に寄与する離型剤が含有されていてもよい。ここに、離型剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜蝋ワックスなどを挙げることができる。
マゼンタトナー粒子中に離型剤を含有させる方法としては、マゼンタトナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程において、離型剤微粒子の分散液(ワックスエマルジョン)を添加し、結着樹脂微粒子と着色剤微粒子と離型剤微粒子とを塩析、凝集、融着させる方法や、マゼンタトナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程において、離型剤を含有する結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを塩析、凝集、融着させる方法を挙げることができ、これらの方法を組み合わせてもよい。
マゼンタトナー粒子中における離型剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して通常2〜25質量部とされ、好ましくは7〜20質量部とされる。離型剤の含有割合が結着樹脂100質量部に対して2質量部未満であると、十分なオフセット防止効果が得られず、一方、結着樹脂100質量部に対して25質量部より大きいと、得られるマゼンタトナーが透光性や色再現性の低いものとなる。
〔荷電制御剤〕
本発明のマゼンタトナーを構成するマゼンタトナー粒子中には、公知の荷電制御剤が併用されていてもよい。ここに、荷電制御剤としては、特に限定されず摩擦帯電により正または負の電荷を与える種々の物質を挙げることができ、例えば、マゼンタトナー粒子に用いられる負帯電性の荷電制御剤としては、マゼンタトナーの色調や透光性に悪影響を及ぼさないよう、無色、白色あるいは淡色の荷電制御剤が挙げられる。このような荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やクロムによる金属錯体(サリチル酸金属錯体)、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩化合物などを好適に挙げることができる。具体的には、サリチル酸金属錯体としては、例えば特開昭53−127726号公報、特開昭62−145255号公報などに開示されるもの、カリックスアレーン系化合物としては、例えば特開平2−201378号公報などに開示されるもの、有機ホウ素化合物としては、例えば特開平2−221967号公報に開示されるもの、含フッ素4級アンモニウム塩化合物としては例えば特開平3−1162号公報に開示されるものを挙げることができる。
マゼンタトナー粒子中における荷電制御剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜10質量部とされ、好ましくは0.5〜5質量部とされる。
マゼンタトナー粒子中に荷電制御剤などの内添剤を含有させる方法としては、上記に示したオフセット防止剤を含有させる方法と同様の方法を挙げることができる。
<マゼンタトナー粒子の粒径>
本発明のマゼンタトナーの粒径は、例えば体積基準のメジアン径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは6〜9μmとされる。この平均粒径は、使用する凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
マゼンタトナーの体積基準のメジアン径は「コールターマルチサイザー III 」(ベックマン・コールター社製)にデータ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(マゼンタトナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、マゼンタトナー分散液を調製し、このマゼンタトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径とされる。
<外添剤>
上記のマゼンタトナー粒子は、そのままで本発明のマゼンタトナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該マゼンタトナー粒子に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して本発明のマゼンタトナーを構成してもよい。
後処理剤としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などよりなる無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などのステアリン酸化合物微粒子、あるいは、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
これらの種々の外添剤の添加量は、その合計が、マゼンタトナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部である。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
〔現像剤〕
本発明のマゼンタトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のマゼンタトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなど用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
キャリアの体積基準のメジアン径としては20〜100μmであることが好ましく、更に好ましくは20〜60μmとされる。キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
好ましいキャリアとしては、耐スペント性の観点から、被覆樹脂としてシリコーン系樹脂、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)またはポリエステル樹脂を用いたコートキャリアが挙げられ、特に、耐久性、耐環境安定性および耐スペント性の観点から、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)に、イソシアネートを反応させて得られた樹脂で被覆したコートキャリアを好ましく挙げられる。
このようなマゼンタトナーによれば、マゼンタ着色剤が一般式(1)で表される化合物を含んで構成され、当該一般式(1)で表される化合物が蛍光発光する性質を有することから必要とする波長領域における反射光量が豊富になるために、その色域が加色混法によって発色するディスプレーパネルの色域に近い広いものとなり、従って印字されるカラー画像をディスプレーパネル上の色彩に近い色合いのものとすることができ、また、前記一般式(1)で表される化合物によって鮮明な発色が得られるために高い彩度が得られ、その結果、広い色域において高い色再現性を発揮することができる。
また、マゼンタ着色剤自体に荷電制御作用があると共に粉砕性に優れてトナー粒子中において微分散されるという理由から帯電量分布がシャープで帯電安定性に優れ、従って湿度が変動してもトナー飛散の発生が抑制されて長期間にわたって使用した場合にもトナー飛散による機内の光学センサーの汚染が抑制される結果、装置の誤動作、停止などを生じることがない。
また、少なくとも1つの−SO3 -(スルホン基)を有する化合物よりなるマゼンタ着色剤による静電荷像現像用マゼンタトナーは、ローダミンのジフェニルエーテルスルホン酸塩よりなるマゼンタ着色剤による静電荷像現像用マゼンタトナーに比べて、スルホン基が多価金属元素と難溶性の塩を形成しないため、難溶性の塩による水和が発生せずトナー粒子の水分量が上昇する問題が生じない。その結果、定着時の水蒸気噴出によって発生する穴状の画像欠陥であるいわゆるトナーブリスタの発生が抑制されたものとなる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例において、体積基準のメジアン径は、「MICROTRAC UPA−150」(HONEYWELL社製)を用い、サンプル屈折率が1.59、サンプル比重が球状粒子換算で1.05、溶媒屈折率が1.33、溶媒粘度が30℃で0.797×10-3Pa・s、20℃で1.002×10-3Pa・sの測定条件で測定した。なお、0点調整は測定セルにイオン交換水を投入することによって行った。
〔着色剤微粒子分散液の調製例1〕
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に投入し、溶解、撹拌して界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液中に、上記式(1−1)で表される化合物2質量部を徐々に添加し、「クリアミックスWモーションCLM−0.8」(エムテクニック社製)を用いて分散処理を行って、体積基準のメジアン径が188nmである着色剤微粒子〔1〕の分散液(着色剤微粒子分散液〔1〕)を調製した。
〔着色剤微粒子分散液の調製例2〜8〕
着色剤微粒子分散液の調製例1において、上記式(1−1)で表される化合物の代わりに、それぞれ、上記式(1−2)〜上記式(1−8)で表される化合物を用いたことの他は同様にして、着色剤微粒子〔2〕〜〔8〕を含有する着色剤微粒子分散液〔2〕〜〔8〕を得た。それぞれの体積基準のメジアン径を表1に示す。
〔着色剤微粒子分散液の調製例9〜24〕
着色剤微粒子分散液の調製例1において、上記式(1−1)で表される化合物2質量部の代わりに表1のA欄およびB欄に示される組成を有するマゼンタ着色剤2質量部を用いたことの他は同様にして、着色剤微粒子〔9〕〜〔24〕を含有する着色剤微粒子分散液〔9〕〜〔24〕を得た。それぞれの体積基準のメジアン径を表1に示す。なお、下記表1において、「式(5−1)」は上記式(5−1)で表される化合物、「式(6−6)」は上記式(6−6)で表される化合物、「非ローダミン系化合物〔A〕」は上記式(A)で表される化合物、「非ローダミン系化合物〔B〕」は上記式(B)で表される化合物、「マゼンタ化合物〔x〕」は下記式(x)で表される化合物、「マゼンタ化合物〔y〕」は下記式(y)で表される化合物である。
〔結着樹脂微粒子分散液の調製例1〕
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けたセパラブルフラスコに、予めアニオン系活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水2760gに溶解させた活性剤溶液を投入し、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しつつ、内温を80℃に昇温させた。一方、下記式(W)で表される化合物72.0g、スチレン115.1g、n−ブチルアクリレート42.0g、およびメタクリル酸10.9gを混合し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を作製した。ここで循環経路を有する機械式分散機により上記2つの加熱溶液を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子を作製した。
次いで、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.84gをイオン交換水200gに溶解させた溶液を添加し80℃にて3時間加熱、撹拌することで樹脂微粒子を作製した。引き続いて、さらに重合開始剤(KPS)8.00gおよび水溶性連鎖移動剤として2−クロロエタノール10.0gをイオン交換水240gに溶解させた溶液を添加し、15分後、80℃でスチレン383.6g、n−ブチルアクリレート140g、メタクリル酸36.4gの混合液(第2の単量体溶液)を120分かけて滴下した。滴下終了後、60分加熱撹拌させた後、40℃まで冷却し結着樹脂微粒子の分散液〔LX−1〕を得た。
式(W):C{CH2 OCO(CH2 20CH3 4
〔トナー粒子の作製例1〕
結着樹脂微粒子分散液〔LX−1〕1250g、イオン交換水2000gおよび着色剤微粒子分散液〔1〕165gを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を付けた5Lの四つ口フラスコに入れ撹拌する。30℃に調整した後、この溶液に5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72gに溶解した水溶液を撹拌下、30℃にて10分間で添加した。
その後、3分間放置した後に昇温を開始し、液温度90℃まで6分で昇温した(昇温速度=10℃/分)。その状態で粒径を「コールターマルチサイザー III 」(ベックマン・コールター社製)にて測定し、体積基準メジアン径が6.5μmになった時点で塩化ナトリウム115gをイオン交換水700gに溶解した水溶液を添加し、粒子成長を停止させ、さらに継続して液温度90℃±2℃にて、6時間加熱撹拌して、融着させた。その後、6℃/minの条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加し、pHを2.0に調整し、撹拌を停止した。生成したトナー粒子を固液分離し、イオン交換水による洗浄を4回繰り返し(イオン交換水の量を15Lとした)、その後、40℃の温風で乾燥し、トナー粒子〔1〕を得た。
〔トナー粒子の作製例2〜24〕
トナー粒子の作製例1において、着色剤微粒子分散液〔1〕の代わりに着色剤微粒子分散液〔2〕〜着色剤微粒子分散液〔24〕を用いたことの他は同様にして、トナー粒子〔2〕〜トナー粒子〔24〕を得た。なお、トナー粒子〔21〕〜〔24〕は、比較用のものである。
〔トナー粒子の外添剤処理〕
これらトナー粒子〔1〕〜〔24〕の各々に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%となる割合で添加すると共に、疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1質量%となる割合で添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により混合し、その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去しトナー〔1〕〜〔24〕を調製した。
〔現像剤の調製〕
このトナー〔1〕〜〔24〕の各々に、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを、前記トナーの濃度が6質量%になるよう混合し、二成分の現像剤〔1〕〜〔24〕を調製した。なお、現像剤〔1〕〜〔20〕が本発明に係るものであり、現像剤〔21〕〜〔24〕は比較用のものである。
<実施例1〜20、比較例1〜4>
この現像剤〔1〕〜〔24〕を用いて「bizhubC250」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)で下記(1)〜(3)の実機評価を行った。結果を表2に示す。
(1)色相角・彩度
坪量128g/m2 、明度93の「PODグロスコート紙」(王子製紙社製)上にトナー付着量が0.4mg/cm2 であるマゼンタ画像を形成し、分光光度計「Gretag Macbeth Spectrolino」(Gretag Macbeth社製)を用い、光源としてD65光源、反射測定アパーチャをφ4mmのものを用い、測定波長域380〜700nmを10nm間隔で、視野角(observer)を2°とし、基準合わせには専用白タイルを用いた条件においてそれぞれの画像のL* * * を測定し、下記式(I)、および下記式(II)によってそれぞれ色相角H、および彩度C* を算出した。
式(I);色相角(H)=tan-1(b* /a*
式(II);彩度(C* )=〔(a* )2+(b* )2〕1/2
ただし、上記式(I)および式(II)中、a* 、b* はそれぞれa* 座標、b* 座標の値を表す。
彩度C* の値が95以上であるものを「優良」、彩度C* の値が90以上95未満であるものを「良好」、彩度C* の値が85以上90未満であるものを「合格」、彩度C* の値が85未満であるものを「不合格」として評価した。
(2)帯電安定性
高温高湿(30℃、85%RH)の環境下において、アート紙「特菱アート」(三菱製紙社製)を用い、トナー付着量が0.5mg/cm2 であるマゼンタ画像を100万枚形成する画像形成テストを実施し、現像装置の下部に飛散トナー粉体が目視で確認された時点の形成枚数を高品質画像限界枚数として調べた。高品質画像限界枚数が50万枚未満である場合を「×」、高品質画像限界枚数が50万枚以上〜100万枚未満である場合を「○」、高品質画像限界枚数が100万枚以上である場合を「◎」として評価した。
(3)トナーブリスタ
転写材上のマゼンタトナー付着量が0.8mg/cm2 である画像を形成し、印字された画像に0.1〜0.5mm程度の穴、すなわちトナーブリスタがあるか目視で観察した。
トナーブリスタがまったく確認されない最良の状態である場合を「◎」、4cm2 当たり1〜2個のトナーブリスタが存在するが肉眼では凝視しなければ判別できないが実用上問題ない状態である場合を「○」、4cm2 当たり3個以上のトナーブリスタが明瞭に確認され、実用上問題ある状態である場合を「×」として評価した。
以上のように、実施例1〜20に係る現像剤〔1〕〜〔20〕によれば、高い彩度および優れた色相角が得られると共に高い帯電安定性が得られ、さらにトナーブリスタの発生が抑制されて良好な画質の画像を得られることが確認された。また、一般式(5)で表されるキナクリドン系化合物を併用した現像剤によれば、極めて高い帯電安定性が得られると共にトナーブリスタの発生がより確実に抑制されることが確認された。

Claims (2)

  1. 少なくとも結着樹脂およびマゼンタ着色剤を含有するマゼンタトナー粒子よりなる静電荷像現像用マゼンタトナーであって、
    前記マゼンタ着色剤が、下記一般式(1)で表される化合物を含有するものであることを特徴とする静電荷像現像用マゼンタトナー。

    〔上記一般式(1)中、Dは、下記一般式(2)〜下記一般式(4)のいずれかで表される化合物であり、R1 は、水素原子または炭素数1〜22のアルキル基であり、X1 およびX2 は、各々水素原子、アルキル基または−SO3 -であり、X1 およびX2 のうち少なくとも一方は−SO3 -であり、mは、−SO3 -の個数と同じ整数である。〕

    〔上記一般式(2)〜上記一般式(4)中、R2 〜R15は、各々、水素原子または炭素数1〜22のアルキル基またはシクロアルキル基を表す。〕
  2. 前記マゼンタ着色剤が、一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(5)で表される化合物または下記一般式(6)で表される化合物とを含有し、
    一般式(1)で表される化合物の含有質量mAと、下記一般式(5)で表される化合物または下記一般式(6)で表される化合物の含有質量mBとの比mA:mBが、90:10〜55:45となる割合であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用マゼンタトナー。

    〔上記一般式(5)において、R16〜R23は、各々、水素原子、塩素原子、またはメチル基である。〕

    〔上記一般式(6)において、R24、R25、R27、R28、およびR29は、各々、水素原子、塩素原子、メトキシ基、ニトロ基、または−CONH2 であり、R26は、水素原子、塩素原子、メトキシ基、ニトロ基、メチル基、−CONHC6 5 、−SO2 N(CH2 CH3 2 、または−CONH2 である。〕
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