JP2007178844A - 静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 静電荷像現像用トナーは、トナー粒子形成用結着樹脂中に、染料固体微粒子が分散されてなるものであって、染料の付着量が5〜30μg/cm2 の範囲である場合に彩度が75以上である画像を与えることを特徴とする。画像形成方法は、静電荷像担持体上に形成させた静電荷像を静電荷像現像用トナーにより現像する現像工程と、当該現像工程において形成されたトナー像を画像記録媒体上に転写する転写工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、上記の静電荷像現像用トナーを使用することを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
カラートナーに用いる着色剤としては、従来、公知の有機顔料および染料が使用されているが、それぞれに種々の欠点を有している。
また、原理的には全ての色をイエロー、マゼンタ、シアンの3原色による減法混色により再現させることができるが、顔料を含むカラートナーによってカラー画像を形成する場合に、現実には、結着樹脂中に顔料を分散させたときの分光特性、異なる色のトナー同士を重ね合わせた時の混色性によって、再現することのできる色の範囲や彩度が限定されることがあり、原稿の色を忠実に再現することができないおそれがある。
染料の付着量が5〜30μg/cm2 の範囲である場合に彩度が75以上である画像を与えることを特徴とする。
式(1) 染料付着量(μg/cm2 )=ΔW×染料の含有量(%)/100
ただし、上記式(1)において、ΔWは、画像形成後の画像記録媒体の質量W1と画像形成前の画像記録媒体の質量W2との差である。
式(2) 彩度(C* )=〔(a* )2 +(b* )2 〕1/2
ただし、上記式(2)中、a* 、b* はそれぞれa* 座標、b* 座標の値を表し、L* は明度の座標を表す。
また、染料固体微粒子を製造する方法として、後述の分散法を用いる場合には、添加される界面活性剤の種類や量を調整することにより、制御することができる。
式(3);CV値={(d84−d16)/(2×d50)}×100
染料固体微粒子の体積平均粒径は、例えば動的光散乱法、レーザー回折法、遠心沈降法、FFF法、電気的検知体法などによって求めることができ、本発明においては、「マイクロトラックUPA−150」(日機装株式会社製)を用いて動的光散乱法で測定することが好ましい。
本発明のトナーを製造する方法としては、粉砕法、乳化分散法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、カプセル化法、その他の公知の方法などを挙げることができるが、トナーを製造する方法としては、画像の高画質化を達成するために小粒径化されたトナーを得る必要があることを考慮して、製造コストおよび製造安定性の観点から、乳化重合凝集法を用いることが好ましい。
(1)染料よりなる染料固体微粒子を得る染料固体微粒子形成工程。
(2)必要に応じてオフセット防止剤、荷電制御剤などを含有したトナー結着樹脂微粒子を得るためのトナー結着樹脂微粒子重合工程。
(3)トナー結着樹脂微粒子と染料固体微粒子とを水系媒体中で塩析、凝集、融着させてトナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程。
(4)トナー粒子の分散系から(水系媒体)トナー粒子を濾別し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程。
(5)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程。
(6)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程。
から構成される。
本発明のトナーを構成する染料固体微粒子は、例えば、〔1〕染料を酢酸エチル、トルエンなどの水非混和性有機溶剤中に溶解または分散させた染料溶液を、水系媒体中において分散機を用いて乳化分散後、水非混和性有機溶剤を除去して染料固体微粒子を析出させる液中乾燥法により、得ることができる。また、〔2〕固体状の染料と界面活性剤とを混合し、媒体型撹拌機を用いて微粒化する分散法により、得ることもできる。
以上の方法のうち、本発明のトナーを構成する染料固体微粒子の形成方法としては、得られる染料固体微粒子の形状が真球形に近く、トナー結着樹脂との高い密着性が得られて得られるトナーがトナー結着樹脂と染料固体微粒子との界面における界面散乱が抑止されたものとなって高い透明性が得られるため、液中乾燥法を使用することが好ましい。
液中乾燥法においては、必要に応じて、乳化剤として、通常のアニオン系界面活性剤および/またはノニオン系界面活性剤を用いることができる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマーなどを挙げることができる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル類;ポリエトキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩、およびその誘導体類などを挙げることができる。
本発明のトナーの染料固体微粒子を構成する染料としては、一般に知られている染料を用いることが出来るが、このトナーに係る染料としては、油溶性染料を用いることが好ましく、金属キレート染料を用いることが特に好ましい。
また、油溶性染料としては、フェノール、ナフトール類、ピラゾロン、ピラゾロトリアゾールなどの環状メチレン化合物、開鎖メチレン化合物などのカプラー、p−ジアミノピリジン類、アゾメチン色素、インドアニリン色素なども好ましく用いることができる。
トナー粒子に分散される染料固体微粒子を構成する染料が堅牢な金属キレート染料であることにより、形成される画像が保存性の極めて高いものとすることができる。
金属キレート染料としては、Mで表される金属イオンと2座以上で配位可能な部位を有する芳香族炭化水素環または複素環からなるDyeおよびキレート剤で表される色素を有するものが好ましく、特に好ましくは特開平9−277693号公報、特開平10−20559号公報、特開平10−30061号公報に示されるような金属キレート染料である。
染料の添加量は、トナー結着樹脂に対して例えば1〜10質量%とされる。
トナー結着樹脂としては、染料固体微粒子との間に十分な密着性が得られる熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、特に好ましくは溶剤可溶性のものである。また、ポリマーの前駆体が溶剤可溶性であれば、3次元構造を形成する硬化性樹脂であっても使用することができる。
このようなトナー結着樹脂としては、一般にトナーの結着樹脂として用いられているものを特に制限なく用いることができ、具体的には、例えば、スチレン系樹脂やアルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、オレフィン系樹脂、アミド樹脂またはエポキシ樹脂などが挙げられ、特に、透明性や重ね合わせ画像の色再現性を向上させるために、透明性が高く、溶融特性が低粘度で高いシャープメルト性を有する、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂が好適に挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に、トナー結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、乳化重合法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、トナー結着樹脂を得るための重合開始剤は、水溶性の重合開始剤であれば適宜のものを使用することができる。重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、パーオキシド化合物などが挙げられる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、乳化重合法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、トナー結着樹脂を得るために使用する界面活性剤としては、上述した界面活性剤などの従来公知の種々のイオン性界面活性剤、ノニオン界面活性剤などを用いることができる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する凝集剤としては、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。凝集剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、凝集剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、オフセット現象の抑止に寄与するオフセット防止剤が含有されていてもよい。ここに、オフセット防止剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜ろうワックスなどを挙げることができる。
トナー粒子中におけるオフセット防止剤の含有割合としては、トナー粒子形成用結着樹脂100質量部に対して通常0.5〜5質量部とされ、好ましくは1〜3質量部とされる。オフセット防止剤の含有割合がトナー粒子形成用結着樹脂100質量部に対して0.5質量部未満であると、十分なオフセット防止効果が得られず、一方、トナー粒子形成用結着樹脂100質量部に対して5質量部より大きいと、得られるトナーが透光性や色再現性の低いものとなる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、荷電制御剤が含有されていてもよい。ここに、荷電制御剤としては、特に限定されず摩擦帯電により正または負の電荷を与える種々の物質を挙げることができ、例えば、カラートナーを構成するトナー粒子に用いられる負帯電性の荷電制御剤としては、カラートナーの色調や透光性に悪影響を及ぼさないよう、無色、白色あるいは淡色の荷電制御剤が挙げられる。このような荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やクロムによる金属錯体(サリチル酸金属錯体)、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩化合物などを好適に挙げることができる。具体的には、サリチル酸金属錯体としては、例えば特開昭53−127726号公報、特開昭62−145255号公報などに開示されるもの、カリックスアレーン系化合物としては、例えば特開平2−201378号公報などに開示されるもの、有機ホウ素化合物としては、例えば特開平2−221967号公報に開示されるもの、含フッ素4級アンモニウム塩化合物としては例えば特開平3−1162号公報に開示されるものを挙げることができる。
トナー粒子中における荷電制御剤の含有割合としては、トナー粒子形成用結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜10質量部とされ、好ましくは0.5〜5質量部とされる。
トナー粒子中に荷電制御剤などの内添剤を含有させる方法としては、上記に示したオフセット防止剤を含有させる方法と同様の方法を挙げることができる。
本発明のトナーの粒径は、例えば体積基準のメジアン径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは6〜9μmとされる。この平均粒径は、トナーの製造方法が例えば乳化重合凝集法などである場合には、使用する凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
上記のトナー粒子は、そのままで本発明のトナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して本発明のトナーを構成してもよい。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなど用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン/アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
本発明のトナーは、電子写真法による画像形成方法に好適に使用することができる。
この画像形成方法は、静電荷像担持体上に形成させた静電荷像をトナーにより現像する現像工程と、当該現像工程において形成されたトナー像を画像記録媒体上に転写する転写工程とを少なくとも含むものである。
まず、均一に帯電させた静電荷像担持体に対して、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に分解された画像情報による静電荷像のうちの1つの、イエローに係る画像情報に応じた露光を行った後、第1回目の現像処理を行うことによって、第1のトナー像(イエロートナー像)を形成させ、次いで、イエロートナー像が形成された静電荷像担持体を均一に帯電させ、マゼンタに係る画像情報に応じた露光を行った後、第2回目の現像処理を行うことによって、第2のトナー像(マゼンタトナー像)を形成させ、次いで、イエロートナー像およびマゼンタトナー像が形成された静電荷像担持体を均一に帯電させ、シアンに係る画像情報に応じた露光を行った後、第3回目の現像処理を行うことによって、第3のトナー像(シアントナー像)を形成させ、次いで、イエロートナー像、マゼンタトナー像およびシアントナー像が形成された静電荷像担持体を均一に帯電させ、ブラックに係る画像情報に応じた露光を行った後、第4回目の現像処理を行うことによって、第4のトナー像(ブラックトナー像)を形成させることにより、静電荷像担持体上にフルカラートナー像が形成され、転写処理を行ってこのフルカラートナー像を画像記録媒体に一括に転写し、その後、定着処理を行うことにより、フルカラー画像が得られる。
この一括転写方式においては、静電荷像担持体上に形成されたフルカラー画像を一括して画像記録媒体に転写し、フルカラー画像を形成するため、中間転写方式とは異なり、画像を乱す要因となる転写処理が1回行うのみでよいので、高い画像品質を実現することができる。
接触加熱方式としては、熱圧定着方式、特には熱ロール定着方式および固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式を挙げることができる。
本発明のトナーによれば、接触加熱方式の定着処理においてもその染料固体微粒子が画像記録媒体上において崩壊せずに当該画像記録媒体上に付着した状態を得ることができる。
また、染料が分子状態ではなく、いくつかの分子が凝集した塊状体であるために、当該染料のマイグレーションが抑止され、熱定着による定着工程において染料の昇華やオイル汚染などの問題が生じることがない。
下記式(A−1)に示される染料(A−1)3.0g、および界面活性剤「EM−27C 27%液」(花王株式会社製)3.0gを含む水溶液80.0gをステンレスビーカーに入れ、「ウルトラタラックスUTC」(IKA社製)を用いて混合、撹拌した。次いで、媒体型撹拌機「SLC−12」(ゲッツマン社製)を用いて、0.5mmφのジルコニアビーズを用いて3時間分散処理を実施し、体積平均粒子径が60nmである染料固体微粒子1を含有する染料固体微粒子分散液1を得た。
なお、体積平均粒子径は、「ナノトラックUPA−EX150」(日機装株式会社製)を用いて測定した値である。
界面活性剤として「EM−27C 27%液」3.0gの代わりに「NC−2308SF 30%液」(日本乳化剤社製)1.0gを用いたことの他は染料固体微粒子分散液の調製例1と同様にして体積平均粒子径が125nmである染料固体微粒子2を含有する染料固体微粒子分散液2を得た。
媒体型撹拌機として「SLC−12」の代わりに「ウルトラアペックスミル」(寿工業株式会社製)を用い、0.5mmφのジルコニアビーズの代わりに0.1mmφのジルコニアビーズを用いて分散処理を実施したことの他は染料固体微粒子分散液の調製例1と同様にして体積平均粒子径が33nmである染料固体微粒子3を含有する染料固体微粒子分散液3を得た。
0.5mmφのジルコニアビーズの代わりに0.3mmφのジルコニアビーズを用いて2時間分散処理を実施したことの他は染料固体微粒子分散液の調製例1と同様にして体積平均粒子径が58nmである染料固体微粒子4を含有する染料固体微粒子分散液4を得た。
染料として染料(A−1)の代わりに「Plast Blue 8550」(有本化学株式会社製)を用いたことの他は染料固体微粒子分散液の調製例1と同様にして体積平均粒子径が65nmである染料固体微粒子5を含有する染料固体微粒子分散液5を得た。
上記式(A−1)に示される染料(A−1)3.0g、および酢酸エチル50.0gをセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌して前記染料(A−1)を完全に溶解させた。次いで、界面活性剤「EM−27C 27%液」(花王株式会社製)3.0gを含む水溶液80.0gを滴下して撹拌した後、超音波分散機「UH−600」(S.M.T社製)を用いて、5分間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、体積平均粒子径が36nmである染料固体微粒子6を含有する染料固体微粒子分散液6を得た。
以上の染料固体微粒子分散液1〜6について、含有される染料固体微粒子のCV値を、「マイクロトラックUPA150」(日機装社製)により染料固体微粒子の粒径を体積平均粒子径で測定し、全体を100%として累積曲線を求め、累積曲線が16%,50%,84%となる粒径をd16,d50,d84とし、上記式(3)より算出した。結果を表1に示す。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、予めアニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水2760gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。一方、オフセット防止剤として下記式(B)で表される化合物72.0gを、スチレン115.1g、n−ブチルアクリレート42.0g、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合液に添加し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。循環経路を有する機械式分散機により、前記界面活性剤溶液(80℃)中に、前記単量体溶液(80℃)を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)の分散液を調製した。次いで、この分散液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.84gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたって加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行い、ラテックス(A)を調製した。
次いで、このラテックス(A)に、重合開始剤(KPS)7.73gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、15分経過後、80℃で、スチレン383.6g、n−ブチルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4g、tert−ドデシルメルカプタン13.7gからなる単量体混合液を126分間かけて滴下した。滴下終了後、60分にわたり加熱撹拌することにより重合(第2段重合)を行った後、40℃まで冷却しラテックス(B)を調製した。
ラテックス(B)1250gと、イオン交換水2000mlと、染料固体微粒子分散液1の80gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた5リットルの四つ口フラスコに入れて撹拌した。内温を30℃に調整した後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72mlに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を6分間かけて90℃まで昇温した(昇温速度=10℃/分)。その状態で、「コールターカウンターTA−II」(コールター社製)にて会合粒子の平均粒径を測定し、体積基準のメジアン径が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム115gをイオン交換水700mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、液温度90℃±2℃にて6時間にわたって加熱、撹拌することにより融着を継続させた。その後、6℃/分の条件で30℃まで冷却した。そして、この会合粒子の分散液から会合粒子を濾別し、会合粒子全体に対して重量比で10倍の量のイオン交換水(pH=3)に再分散させて洗浄処理を行った後、洗浄水から会合粒子を濾別する工程を2回繰り返し、その後、イオン交換水のみで洗浄処理を行い、40℃の温風で乾燥して得られたトナー粒子よりなるトナー1を得た。
染料固体微粒子分散液1を染料固体微粒子分散液2に代えたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー2を調製した。
染料固体微粒子分散液1を染料固体微粒子分散液3に代えたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー3を調製した。
染料固体微粒子分散液1を染料固体微粒子分散液4に代えたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー4を調製した。
染料固体微粒子分散液1を染料固体微粒子分散液5に代えたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー5を調製した。
染料固体微粒子分散液1を染料固体微粒子分散液6に代えたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー6を調製した。
また、以上のトナー1〜6について、トナー粒子を0.01g採取し、20gのトルエン中に溶解した溶液を、分光光度計「V−570」(ジャスコインターナショナル社製)によって分光スペクトル測定を行い、予め定量された染料の吸光係数に基づいて染料含有量を算出した。結果を表2に示す。
トナー1〜6について、各々のトナーを構成するトナー粒子に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%となる割合で添加すると共に、疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1.2質量%となる割合で添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により混合し、その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去し、現像剤用トナー1〜6の各々を調製した。
なお、これらのトナー粒子について、疎水性シリカおよび疎水性酸化チタンの添加によっては、その形状および粒径は変化しない。
この現像剤用トナー1〜6の各々に、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを、前記現像剤用トナーの濃度が6質量%になるよう混合し、二成分現像剤である現像剤1〜6を調製した。現像剤1,3〜6が本発明のトナーよりなるものであり(それぞれ実施例1〜5に対応)、現像剤2は比較用のトナーよりなるものである(比較例1)。
この現像剤1〜6を用いて「bizhubC250」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)で下記(1)〜(4)の実機評価を行った。結果を表2に示す。
転写紙上にトナー付着量を0〜1.0mg/cm2 の範囲で変化させた画像を形成し、定着処理する前に転写紙の重量W1を測定した。その後エアガンでトナーを吹き飛ばした後に転写紙の重量W2を測定し、W1およびW2の差(ΔW)から、上記式(1)に従って、染料付着量を算出し、染料付着量が5〜30μg/cm2 の範囲において、彩度が最大となる染料付着量を最大付着量として求めた。
転写紙上にトナー付着量を0.1〜1.0mg/cm2 の範囲で変化させた画像を形成し、色差計「CM−2002」(ミノルタ社製)を用いてそれぞれの画像のL* a* b* 空間を測定し、上記式(2)に従って彩度C* を算出し、上記(2)のトナー付着量の評価において最大染料付着量と評価された場合の画像の彩度を求めた。
転写紙上にトナー付着量を0〜1.0mg/cm2 の範囲で変化させた画像を形成し、色調の変化を目視にて観察し、色調の変化がなく特に優れている場合を「◎」、色調の変化が殆どなく優れている場合を「○」、多少の色調の変化があるが、実用上問題ないレベルである場合を「△」、色調の変化が大きく画像品質上、問題がある場合を「×」として評価した。
予め着色された転写紙上に画像を形成し、二次色として適正かどうかを目視にて観察し、色再現性が特に優れている場合を「◎」、色再現性に優れている場合を「○」、多少の隠蔽、散乱があるが、実用上問題ないレベルである場合を「△」、隠蔽、散乱が大きく画像品質上、問題がある場合を「×」として評価した。
転写紙に定着させた画像を、キセノンフェードメーターによって7日間にわたって可視光を照射し、画像濃度の低下を目視にて観察し、画像濃度の低下がなく特に優れている場合を「◎」、画像濃度の低下が殆どなく優れている場合を「○」、多少の画像濃度の低下があるが、実用上問題ないレベルである場合を「△」、画像濃度の低下が大きく画像品質上、問題がある場合を「×」として評価した。
一方、染料固体微粒子が、染料の付着量が5〜30μgの範囲である場合の彩度が75よりも小さい構成の比較例1に係る現像剤2については、染料付着量に対して十分な彩度を得ることができず、また、十分な透明性を得ることもできなかった。
Claims (5)
- トナー粒子形成用結着樹脂中に、染料固体微粒子が分散されてなる静電荷像現像用トナーであって、
染料の付着量が5〜30μg/cm2 の範囲である場合に彩度が75以上である画像を与えることを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 染料固体微粒子の体積平均粒径が、10〜100nmであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 染料固体微粒子を構成する染料が油溶性染料であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 染料固体微粒子を構成する染料が金属キレート染料であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 静電荷像担持体上に形成させた静電荷像を静電荷像現像用トナーにより現像する現像工程と、当該現像工程において形成されたトナー像を画像記録媒体上に転写する転写工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを使用することを特徴とする画像形成方法。
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JP2005378913A JP2007178844A (ja) | 2005-12-28 | 2005-12-28 | 静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法 |
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JP2012008365A (ja) * | 2010-06-25 | 2012-01-12 | Ricoh Co Ltd | 電子写真用キャリアの芯材を被覆するための被覆コート液の製造方法 |
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Non-Patent Citations (1)
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JPN6010041866, カラーケミカル事典, 19880328, p45−47, JP, 株式会社シーエムシー/境鶴男 * |
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