JP2007233221A - 静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 十分な透明性および彩度を有して高い色再現性を有すると共に良好な帯電特性を有し、さらに耐熱性に優れて十分な画像の保存性が得られ、従って、長期間にわたって画像特性を維持することのできる静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法の提供。
【解決手段】 本発明の静電荷像現像用トナーは、体積平均粒径r1 である、染料を含有する着色微粒子を、トナー粒子形成用結着樹脂中に分散させて得られるトナー粒子により構成されるものであって、トナー粒子中において前記着色微粒子により形成される色素雲の直径をr2とした場合に、関係式(1)3≧r2 /r1 >1が成立することを特徴とする。本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、前記トナー粒子形成用結着樹脂のSP値と、前記着色微粒子のSP値との差が、0〜4の範囲であることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の静電荷像現像用トナーは、体積平均粒径r1 である、染料を含有する着色微粒子を、トナー粒子形成用結着樹脂中に分散させて得られるトナー粒子により構成されるものであって、トナー粒子中において前記着色微粒子により形成される色素雲の直径をr2とした場合に、関係式(1)3≧r2 /r1 >1が成立することを特徴とする。本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、前記トナー粒子形成用結着樹脂のSP値と、前記着色微粒子のSP値との差が、0〜4の範囲であることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電子写真法に用いるための静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法に関する。
一般に、電子写真法を用いた画像形成においては、光導電物質を含む感光体に、種々の方法で画像情報に応じた光情報を照射することにより前記感光体に静電荷像を形成し、次いでこの静電荷像を帯電されたトナーによってトナー像として現像し、紙などの画像記録媒体に当該トナー像を転写し、その後、加熱、加圧あるいは溶剤蒸気などにより定着する定着工程を行うことにより、可視画像が得られる。
このような電子写真法による例えばフルカラー画像の形成においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のカラートナーによって、複数の感光体上に形成されたそれぞれのカラーに係る画像情報による静電荷像を現像して各色のトナー像を得、これらを重ね合わせて転写して定着工程を行うことにより、フルカラー画像が得られる。
このような電子写真法による例えばフルカラー画像の形成においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のカラートナーによって、複数の感光体上に形成されたそれぞれのカラーに係る画像情報による静電荷像を現像して各色のトナー像を得、これらを重ね合わせて転写して定着工程を行うことにより、フルカラー画像が得られる。
このようなカラートナーは、例えば結着樹脂中に各色の着色剤が分散されて構成されており、カラートナーに用いる着色剤としては、従来公知の有機顔料および染料が使用されているが、それぞれに種々の欠点を有している。
例えば有機顔料は、染料に比べて一般的に耐熱性や耐光性に優れているが、結着樹脂中において凝集粒子状に分散された状態で存在し、しかも有機顔料の分散性は低いためにトナーが隠蔽力が強く透明性が低いものとなるので、形成された画像において重ね合わされた各色のカラートナーのうち最下層のものが、それより上層のものに隠蔽されてしまい、最下層のトナーの色彩を視認することが困難となって彩度が低下し、画像の色再現性を阻害する、という欠点がある。
重ね合わされた各色のカラートナーのうち最下層のトナーがそれより上層のものに隠蔽されずに当該最下層のトナーの色彩を視認できるようにするためには、定着されるトナーについて高い透明性が必要であり、また、得られる画像における高い色再現性を得るためには、着色剤の分散性や着色力が必要である。
また、原理的には全ての色をイエロー、マゼンタ、シアンの3原色による減法混色により再現させることができるが、顔料を含むカラートナーによってカラー画像を形成する場合に、現実には、結着樹脂中に顔料を分散させたときの分光特性、異なる色のトナー同士を重ね合わせた時の混色性によって、再現することのできる色の範囲や彩度が限定されることがあり、原稿の色を忠実に再現することができないおそれがある。
重ね合わされた各色のカラートナーのうち最下層のトナーがそれより上層のものに隠蔽されずに当該最下層のトナーの色彩を視認できるようにするためには、定着されるトナーについて高い透明性が必要であり、また、得られる画像における高い色再現性を得るためには、着色剤の分散性や着色力が必要である。
また、原理的には全ての色をイエロー、マゼンタ、シアンの3原色による減法混色により再現させることができるが、顔料を含むカラートナーによってカラー画像を形成する場合に、現実には、結着樹脂中に顔料を分散させたときの分光特性、異なる色のトナー同士を重ね合わせた時の混色性によって、再現することのできる色の範囲や彩度が限定されることがあり、原稿の色を忠実に再現することができないおそれがある。
このような顔料の欠点を解消する方法としては、顔料の分散法としてフラッシング法を用いることにより、凝集2次粒子のない1次粒子によるサブミクロンオーダーの分散粒子径で顔料を分散させ、これにより、透明性を向上させる手段(例えば、特許文献1参照。)や、微粒子状の顔料を結着樹脂および外殻樹脂で被覆することにより、帯電性、定着性、画像均一性を改良する手段(例えば、特許文献2参照。)などが提案されている。
しかしながら、これらの手段によっても、着色剤として顔料を有するトナーを十分な透明性および彩度を有したものとすることは、未だ困難である。
一方、染料は、一般に、トナー粒子を構成するトナー粒子形成用結着樹脂中に溶解された状態で存在するために透明性や彩度などに優れているが、その特性上、耐光性や耐熱性が顔料に比べて大きく劣るという欠点を有している。耐熱性に劣ったものであると、熱により染料が分解して画像濃度が低下してしまう。また、トナー像を接触加熱方式によって定着させる場合に、染料が熱により昇華して機内汚染を生じることもあり、さらに、定着時に用いられるシリコーンオイルに染料が溶解して、最終的には加熱ロールに染料が移行して融着し、オフセット現象を誘引してしまう、という問題があった。
このような染料の欠点を解消する方法としては、例えば、マゼンタトナーとしてある特定のアントラキノン系染料を用いることにより、耐光性や耐熱性と色再現性とを両立させること(例えば、特許文献3参照。)などが提案されている。
しかしながら、高い色再現性を有する画像を得るためには、重ね合わせる3原色(シアン、マゼンタ、イエロー)のカラートナーの全色に染料よりなる着色剤を用いることが理想であるところ、上記のような特定のアントラキノン系染料を用いる場合においては、マゼンタトナーのみが特定の染料よりなるものであるため、例えば、ブルー領域の色再現性を考慮してシアンおよびイエローの着色剤として顔料を用いなければならず、結局のところ、全体としては十分な透明性が得られない。
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、十分な透明性および彩度を有して高い色再現性を有すると共に良好な帯電特性を有し、さらに耐熱性に優れて十分な画像の保存性が得られ、従って、長期間にわたって画像特性を維持することのできる静電荷像現像用トナーおよびこの静電荷像現像用トナーを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明の静電荷像現像用トナーは、体積平均粒径r1 である、染料を含有する着色微粒子を、トナー粒子形成用結着樹脂中に分散させて得られるトナー粒子により構成されるものであって、
トナー粒子中において前記着色微粒子により形成される色素雲の直径をr2 とした場合に、関係式(1)3≧r2 /r1>1が成立することを特徴とする。
トナー粒子中において前記着色微粒子により形成される色素雲の直径をr2 とした場合に、関係式(1)3≧r2 /r1>1が成立することを特徴とする。
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、前記トナー粒子形成用結着樹脂のSP値と、前記着色微粒子のSP値との差が、0〜4の範囲であることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、着色微粒子を構成する染料が油溶性染料、または金属キレート染料であることが好ましい。
また、本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、着色微粒子が、トナー粒子形成用結着樹脂と異なる種類の染料媒体樹脂および/または界面活性剤を含有する構成とすることができる。
本発明の画像形成方法は、静電荷像担持体上に形成させた静電荷像を静電荷像現像用トナーにより現像する現像工程と、当該現像工程において形成されたトナー像を画像記録媒体上に転写する転写工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、上記の静電荷像現像用トナーを使用することを特徴とする。
本発明の静電荷像現像用トナーによれば、着色剤である染料が着色微粒子としてトナー粒子中に分散され、さらに着色微粒子の体積平均粒径r1 と当該着色微粒子において染料により形成される色素雲の直径r2とが特定の関係式を満たす状態とされているために、十分な耐熱性が得られて高い耐オフセット性が実現されたものでありながら、十分な透明性および彩度を有して高い色再現性を有すると共に良好な帯電特性が得られ、この結果、この静電荷像現像用トナーにより形成された画像が、長期間にわたって画像品質が維持されるものとなる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、体積平均粒径r1 である、染料を含有する着色微粒子を、トナー粒子形成用結着樹脂(以下、「トナー結着樹脂」ともいう。)中に分散させて得られるトナー粒子により構成されるものであって、トナー粒子中において前記着色微粒子により形成される色素雲の直径をr2とした場合に、関係式(1)3≧r2 /r1 >1が成立するものである。
なお、図1は、本発明のトナー粒子10を模式的に示した説明用断面図であり、図中、12はトナー結着樹脂であり、15は着色微粒子である。
なお、図1は、本発明のトナー粒子10を模式的に示した説明用断面図であり、図中、12はトナー結着樹脂であり、15は着色微粒子である。
トナー結着樹脂中において着色微粒子が形成する色素雲とは、染料を着色微粒子としてトナー結着樹脂中に分散させた場合に、当該トナー結着樹脂に対する染料の相溶性(溶解性)が十分であると染料がトナー結着樹脂中に拡散されて1つの着色微粒子本来の体積平均粒径r1 以上の大きさを有する着色部分が形成されるところ、当該着色部分をいう。
この色素雲の直径r2 は、例えば10〜500nmであることが好ましく、20〜200nmであることがさらに好ましい。
この色素雲の直径r2 は、例えば10〜500nmであることが好ましく、20〜200nmであることがさらに好ましい。
上記関係式(1)におけるr2 /r1 の値が3より大きい場合は、染料がトナー粒子の表面にブリードしてしまってトナーの帯電性能が低くなり、形成される画像において滲みが生じ、また、熱定着時において、染料の昇華やオイル汚染が生じてしまうおそれもある。一方、上記関係式(1)におけるr2/r1 の値が1以下である場合は、トナー結着樹脂に対する染料の溶解性が十分ではなく当該染料はトナー結着樹脂中において固体に近い状態で存在することから、着色微粒子の凝集などによって得られるトナーの色再現性や透明性が低下するおそれがある。
体積平均粒径r1および色素雲の直径r2 の関係r2 /r1 の値は、特に好ましくは、2.95≧r2 /r1>1.05の範囲である。体積平均粒径r1の値が色素雲の直径r2 の値との関係において上記の範囲内である場合、染料のブリードなどが抑制されるにもかかわらずトナー結着樹脂に対する染料の相溶性が十分に得られ、その結果、得られるトナーにおいて優れた効果が発揮される。
体積平均粒径r1および色素雲の直径r2 の関係r2 /r1 の値は、特に好ましくは、2.95≧r2 /r1>1.05の範囲である。体積平均粒径r1の値が色素雲の直径r2 の値との関係において上記の範囲内である場合、染料のブリードなどが抑制されるにもかかわらずトナー結着樹脂に対する染料の相溶性が十分に得られ、その結果、得られるトナーにおいて優れた効果が発揮される。
トナー結着樹脂中において1つの着色微粒子により形成される色素雲の直径r2 は、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscopy)を用いてトナーの断面を観察することにより、求めることができる。透過型電子顕微鏡は、試料に電子線を透過させ、試料中の原子により散乱・回折された電子を電子回折パターン、または透過電子顕微鏡像として得ることで、物質の内部構造を観察するものであって、本発明においては、ミクロトームによってトナー粒子を厚さ0.2μmに切断した試料の透過電子顕微鏡像(TEM像)を10万倍の倍率で撮影し、色素雲のフェレ方向の30対平均値を色素雲の直径r2とした。
本発明のトナーにおいては、トナー粒子を構成するトナー結着樹脂中に分散されるべき着色微粒子の体積平均粒径r1 は、トナーの製造上や得られる画像における色再現性の観点から、10〜500nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜400nmである。着色微粒子の体積平均粒径r1が10nm未満であると、単位体積当たりの表面積が極めて大きくなるために、得られるトナーが着色微粒子の安定性が低く、耐光性が低いものとなってしまう。一方、着色微粒子の体積平均粒径r1が500nmよりも大きいと、着色微粒子の形成時に沈降が起き易く、停滞安定性が低くなり、また、得られるトナーが十分な透明性を有さず、さらに形成された画像において十分な光沢感が得られない。
着色微粒子の体積平均粒径r1 は、例えば動的光散乱法、レーザー回折法、遠心沈降法、FFF法、電気的検知体法などによって求めることができ、本発明においては、「マータサイザー」(マルバーン社製)を用いて動的光散乱法で測定することが好ましい。
本発明のトナーにおいては、トナーを構成するトナー結着樹脂のSP値と、着色微粒子を構成する染料のSP値との差が0〜4の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0〜3である。
トナーを構成するトナー結着樹脂のSP値と着色微粒子を構成する染料のSP値との差が0〜4の範囲内であると、トナー結着樹脂と着色微粒子中の染料との良好な相溶性が得られるために、トナー結着樹脂中に着色微粒子を分散させて内包させることによりトナー結着樹脂中において好ましい形態(直径)の色素雲を得ることができる。
トナーを構成するトナー結着樹脂のSP値と着色微粒子を構成する染料のSP値との差が0〜4の範囲内であると、トナー結着樹脂と着色微粒子中の染料との良好な相溶性が得られるために、トナー結着樹脂中に着色微粒子を分散させて内包させることによりトナー結着樹脂中において好ましい形態(直径)の色素雲を得ることができる。
ここに、SP(solubility parameter)値とは、25℃における溶解パラメータδであって、物質の分子凝集エネルギー密度ΔEと、分子容Vからδ=(△E/V)1/2 から算出される物質に固有の値であり、物質の溶解性を予測するための一つの有用な尺度である。SP値は数値が大きいほど極性が高く、逆に数値が小さいほど極性が低いことを示す。そして、2種の物質を混合する場合に、両者のSP値の差が小さいほど、溶解度が大きくなる。
SP値の測定方法としては粘度法、膨潤度法、ガスクロマトグラフ法、濁度法などの種々の方法があってほぼ似た値を示す。また、「POLYMER HANDBOOK」(J.Brandrup他,AWiley−interscience Publication)のIV−337頁、または、篠田耕三著「溶液と溶解度 第3版」(丸善株式会社、1991年発行)78頁〜に記載されている他、各種の文献などに有機溶媒および樹脂のSP値が掲載されている。
本発明においては、SP値(cal/cm3 )1/2 は、分子計算パッケージ「CAChe」(富士通株式会社製)の中のProject Leaderによって、A.K.Ghost,et al,J.Comput.Chem.9:80(1988)を用いて算出する方法が好ましい。
本発明においては、SP値(cal/cm3 )1/2 は、分子計算パッケージ「CAChe」(富士通株式会社製)の中のProject Leaderによって、A.K.Ghost,et al,J.Comput.Chem.9:80(1988)を用いて算出する方法が好ましい。
本発明のトナーにおいては、トナー粒子中における着色微粒子の含有割合が、例えば1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましい。
本発明のトナーにおいては、トナー結着樹脂中に分散される着色微粒子が、染料に加えて、トナー結着樹脂と異なる種類の染料媒体樹脂および/または界面活性剤が含有されたものであってもよく、さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの他の添加剤が含有されたものであってもよい。
着色微粒子に、染料の他に染料媒体樹脂や界面活性剤を含有させることにより、様々な性能を有する着色微粒子を得ることができる。
また、着色微粒子が染料媒体樹脂を含有するものであることにより、着色微粒子が分散安定性の高いものとなり、また、その粒径を安定的に制御することができる。
ここに、トナー結着樹脂と異なる種類の樹脂とは、トナーを製造する工程中において当該トナー結着樹脂との相溶性が低い樹脂であって、例えば、トナー結着樹脂に対して高い相溶性を有する樹脂であっても、いずれかあるいは両方の樹脂のガラス転移点温度が極めて高いために本発明のトナーの製造工程中においては相溶しない樹脂も包含する。
着色微粒子に、染料の他に染料媒体樹脂や界面活性剤を含有させることにより、様々な性能を有する着色微粒子を得ることができる。
また、着色微粒子が染料媒体樹脂を含有するものであることにより、着色微粒子が分散安定性の高いものとなり、また、その粒径を安定的に制御することができる。
ここに、トナー結着樹脂と異なる種類の樹脂とは、トナーを製造する工程中において当該トナー結着樹脂との相溶性が低い樹脂であって、例えば、トナー結着樹脂に対して高い相溶性を有する樹脂であっても、いずれかあるいは両方の樹脂のガラス転移点温度が極めて高いために本発明のトナーの製造工程中においては相溶しない樹脂も包含する。
本発明のトナーを構成する着色微粒子が染料媒体樹脂を含有する場合は、着色微粒子の含有割合が好ましくは染料を5〜90質量%、さらに好ましくは10〜80質量%であることが好ましい。このため、着色微粒子に含有させる染料媒体樹脂は、使用される染料との相溶性が極めて高いものであることが必要である。使用される染料および染料媒体樹脂の組み合わせによっては、当該染料および染料媒体樹脂の間において、イオン結合、配位結合、水素結合、π−π相互作用などの種々の分子間力を利用することにより所望の相溶性を得ることができる。
また、本発明のトナーを構成する着色微粒子が界面活性剤を含有する場合は、着色微粒子において界面活性剤の含有割合が好ましくは5〜70質量%、さらに好ましくは10〜50質量%である。
さらに、本発明のトナーを構成する着色微粒子が染料媒体樹脂および界面活性剤の両方を含有する場合は、着色微粒子における染料の含有割合が10〜80質量%、さらに好ましくは20〜70質量%であり、染料媒体樹脂の含有割合が好ましくは10〜80質量%、さらに好ましくは20〜70質量%とされる。
また、本発明のトナーにおいては、図2に示されるように、トナー結着樹脂中に分散される着色微粒子が、染料を含有するコア粒子15aと、その外周面を被覆する実質的に染料を含まないシェル層形成用樹脂(以下、「シェル樹脂」ともいう。)よりなるシェル層15bとよりなるコア−シェル構造の着色微粒子15Aとされていてもよい。この場合、シェル樹脂は、そのSP値が、着色微粒子を構成する染料のSP値との差が好ましくは0〜4、さらに好ましくは0〜3のものであって、かつ、トナー結着樹脂と異なる種類の樹脂よりなるものとされる。シェル樹脂およびトナー結着樹脂の組み合わせとしては、具体的には、例えば、極性の大きな樹脂と極性の小さな樹脂との組み合わせ、SP値が異なる樹脂の組み合わせなどが挙げられる。
このシェル層15bの層厚は、1〜50nmであることが好ましい。
このシェル層15bの層厚は、1〜50nmであることが好ましい。
このようなコア−シェル構造の着色微粒子を用いたトナーにおいては、着色微粒子からの染料の拡散がシェル層によってある程度抑制することができるので、トナー結着樹脂として染料の溶解度が極めて高いものを使用したとしても、体積平均粒径r1および色素雲の直径r2の上記関係式(1)を満足するものとすることができる。
また、着色微粒子がコア−シェル構造のものとして構成されることにより、各色のトナー粒子の着色微粒子を構成するシェル樹脂として同一のものを使用することにより、その後のトナー粒子化の製造工程における製造条件を、各色のカラートナーについて同一とすることができるため、製造コストを低くすることができる。
また、着色微粒子がコア−シェル構造のものとして構成されることにより、各色のトナー粒子の着色微粒子を構成するシェル樹脂として同一のものを使用することにより、その後のトナー粒子化の製造工程における製造条件を、各色のカラートナーについて同一とすることができるため、製造コストを低くすることができる。
このコア−シェル構造の着色微粒子15Aは、シェル層15bがコア粒子15aを完全に被覆している形態のみならず、コア粒子15aの一部を被覆しているものであってもよい。また、シェル層15bを構成するシェル樹脂の一部がコア粒子15a中にドメインなどを形成しているものであってもよい。さらに、シェル層15bは、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の多層構造を有するものであってもよく、この場合、最も外側の層を構成する樹脂がトナー結着樹脂と異なる種類のものであればよい。
<トナーの製造方法>
本発明のトナーを製造する方法としては、混練・粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、カプセル化法、その他の公知の方法などを挙げることができるが、トナーを製造する方法としては、画像の高画質化を達成するために小粒径化されたトナーを得る必要があることを考慮して、製造コストおよび製造安定性の観点から、乳化重合凝集法を用いることが好ましい。
本発明のトナーを製造する方法としては、混練・粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法、カプセル化法、その他の公知の方法などを挙げることができるが、トナーを製造する方法としては、画像の高画質化を達成するために小粒径化されたトナーを得る必要があることを考慮して、製造コストおよび製造安定性の観点から、乳化重合凝集法を用いることが好ましい。
乳化重合凝集法は、乳化重合法によって製造されたトナー結着樹脂よりなる微粒子(以下、「トナー結着樹脂微粒子」という。)の分散液を、他の着色微粒子などのトナー粒子構成成分の分散液と混合し、pH調整による微粒子表面の反発力と電解質体よりなる凝集剤の添加による凝集力とのバランスを取りながら緩慢に凝集させ、平均粒径および粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に、加熱撹拌することで微粒子間の融着を行って形状制御を行うことにより、トナー粒子を製造する方法である。
本発明のトナーを製造するための方法として、乳化重合凝集法を用いる場合に形成させるトナー結着樹脂微粒子は、組成の異なるトナー結着樹脂よりなる2層以上の構成とすることもでき、この場合、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)により調製した第1樹脂粒子の分散液に、重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する方法を採用することができる。
本発明のトナーを製造するための方法として、乳化重合凝集法を用いる場合の一例を具体的に示すと、
(1)染料、および必要に応じて染料媒体樹脂および/または界面活性剤を含有する着色微粒子を得る着色微粒子形成工程。
(2)必要に応じてオフセット防止剤、荷電制御剤などを含有したトナー結着樹脂微粒子を得るためのトナー結着樹脂微粒子重合工程。
(3)トナー結着樹脂微粒子と着色微粒子とを水系媒体中で塩析、凝集、融着させてトナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程。
(4)トナー粒子の分散系(水系媒体)からトナー粒子を濾別し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程。
(5)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程。
(6)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程。
から構成される。
(1)染料、および必要に応じて染料媒体樹脂および/または界面活性剤を含有する着色微粒子を得る着色微粒子形成工程。
(2)必要に応じてオフセット防止剤、荷電制御剤などを含有したトナー結着樹脂微粒子を得るためのトナー結着樹脂微粒子重合工程。
(3)トナー結着樹脂微粒子と着色微粒子とを水系媒体中で塩析、凝集、融着させてトナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程。
(4)トナー粒子の分散系(水系媒体)からトナー粒子を濾別し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程。
(5)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程。
(6)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程。
から構成される。
ここで、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
<着色微粒子の形成方法>
本発明のトナーを構成する着色微粒子は、例えば、染料を酢酸エチル、トルエンなどの水非混和性有機溶剤中に溶解あるいは分散させた染料含有溶液を、水系媒体中において乳化分散機を用いて乳化分散後、水非混和性有機溶剤を除去して着色微粒子を析出させる液中乾燥法により、得ることができる。
また、着色微粒子が染料媒体樹脂を含有するものである場合は、例えば、乳化重合法により予め染料媒体樹脂による樹脂微粒子を水系媒体中に分散させた分散液を調製し、この樹脂微粒子の分散液に、染料を溶解した有機溶媒溶液を混合し、後から樹脂微粒子に染料を含浸させることにより、得ることもできる。
本発明のトナーを構成する着色微粒子は、例えば、染料を酢酸エチル、トルエンなどの水非混和性有機溶剤中に溶解あるいは分散させた染料含有溶液を、水系媒体中において乳化分散機を用いて乳化分散後、水非混和性有機溶剤を除去して着色微粒子を析出させる液中乾燥法により、得ることができる。
また、着色微粒子が染料媒体樹脂を含有するものである場合は、例えば、乳化重合法により予め染料媒体樹脂による樹脂微粒子を水系媒体中に分散させた分散液を調製し、この樹脂微粒子の分散液に、染料を溶解した有機溶媒溶液を混合し、後から樹脂微粒子に染料を含浸させることにより、得ることもできる。
また、着色微粒子が染料媒体樹脂および/または界面活性剤を含有するものである場合は、例えば、染料含有溶液を染料媒体樹脂および/または界面活性剤がさらに溶解されたものとして調製し、この染料含有溶液を用いて上記の液中乾燥法により得ることができる。
さらに、着色微粒子がコア−シェル構造のものである場合は、例えば、上記の方法によって得た染料を含有するコア粒子、および重合性不飽和二重結合を有する重合性単量体を界面活性剤を含有する水系媒体中に添加して乳化重合させることにより、前記重合性単量体を重合させてコア粒子の表面に沈着させてシェル層を形成させ、これによりコア−シェル構造の着色微粒子を得ることができる。
さらに、着色微粒子がコア−シェル構造のものである場合は、例えば、上記の方法によって得た染料を含有するコア粒子、および重合性不飽和二重結合を有する重合性単量体を界面活性剤を含有する水系媒体中に添加して乳化重合させることにより、前記重合性単量体を重合させてコア粒子の表面に沈着させてシェル層を形成させ、これによりコア−シェル構造の着色微粒子を得ることができる。
液中乾燥法において使用される乳化分散機としては特に限定されず、例えば超音波分散機、高速撹拌型分散機などを用いることができる。
〔染料〕
本発明のトナーの着色微粒子を構成する染料としては、一般に知られている染料を用いることが出来るが、本発明に係る染料としては、油溶性染料を用いることが好ましく、金属キレート染料を用いることが特に好ましい。
本発明のトナーの着色微粒子を構成する染料としては、一般に知られている染料を用いることが出来るが、本発明に係る染料としては、油溶性染料を用いることが好ましく、金属キレート染料を用いることが特に好ましい。
染料として用いられる油溶性染料とは、通常、カルボン酸やスルホン酸などの水溶性基を有さない有機溶剤に可溶で水に不溶である染料をいい、水溶性染料を長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示す染料、例えば酸性染料、直接染料、反応性染料と長鎖アミンとの造塩染料なども含まれる。
このような油溶性染料の具体例としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー2、同3、同5、同7、同8、同17、同24、同30、同31、同35、同44、同88、同89、同98、同102、同103、同104、同105、同111、同114、同162、C.I.ディスパースイエロー160などのイエロー染料;C.I.ソルベントレッド3、同14、同17、同18、同22、同23、同51、同53、同87、同127、同128、同131、同145、同146、同149、同150、同151、同152、同153、同154、同155、同156、同157、同158、同176、同179、C.I.ソルベントオレンジ63、同68、同71、同72、同78などのマゼンタ染料;C.I.ソルベントブルー4、同8、同19、同21、同22、同50、同55、同63、同78、同82、同83、同84、同85、同86、同90、同91、同92、同93、同94、同95、同97、同104などのシアン染料などを挙げることができ、またこれらの混合物も用いることができる。
また、油溶性染料としては、フェノール、ナフトール類、ピラゾロン、ピラゾロトリアゾールなどの環状メチレン化合物、開鎖メチレン化合物などのカプラー、p−ジアミノピリジン類、アゾメチン色素、インドアニリン色素なども好ましく用いることができる。
染料として用いられる金属キレート染料とは、金属イオンに色素原子団が2座以上で配位している化合物をいい、色素原子団以外の配位子を有してもよい。ここに、配位子とは、金属イオンに配位可能な原子団をいい、この原子団は電荷を有していても有していなくてもよい。
本発明の染料として用いられる金属キレート染料の具体例としては、例えば下記一般式(D)で表される化合物が挙げられる。
一般式(D) M(Dye)l (A)m
上記一般式(D)において、Mは金属イオンを表し、Dyeは金属イオンと配位結合される色素を表す。Aは色素以外の配位子を表し、lは1〜3の整数、mは0〜3の整数を表す。mが0であるとき、lは2または3であり、この場合、Dyeで表される色素は、同種のものでも異種のものでもよい。
Mで表される金属イオンとしては、周期律表の第I〜VIII族に属する金属、例えば、Al、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti、Pt、Pd、ZrおよびZnのイオンが挙げられる。色調および各種の耐久性からNi、Cu、Cr、Co、Zn、Feのイオンであることが好ましく、また、色調および彩度の観点から特にCu、Niが好ましく、さらに、安全性の観点からCuが好ましい。
金属キレート染料としては、Mで表される金属イオンと2座以上で配位可能な部位を有する芳香族炭化水素環または複素環からなるDyeおよびキレート剤で表される色素を有するものが好ましく、特に好ましくは特開平9−277693号公報、特開平10−20559号公報、特開平10−30061号公報に示されるような金属キレート染料である。
金属キレート染料としては、Mで表される金属イオンと2座以上で配位可能な部位を有する芳香族炭化水素環または複素環からなるDyeおよびキレート剤で表される色素を有するものが好ましく、特に好ましくは特開平9−277693号公報、特開平10−20559号公報、特開平10−30061号公報に示されるような金属キレート染料である。
以上の染料は、所望に応じて、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、黒色トナーを構成する黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、染料、顔料などを任意に使用することができ、具体的には、カーボンブラックとしてはチャネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどを使用することができ、磁性体としては鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイトなどの強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理する事により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロムなどを用いることができる。
〔染料媒体樹脂〕
着色微粒子が染料媒体樹脂を含有するものである場合、当該染料媒体樹脂としては、トナー結着樹脂と異なる種類の樹脂であれば従来公知の樹脂を使用することができ、例えば、(メタ)アクリレート系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエポキシ樹脂、アミノ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アラミド樹脂などが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリレート樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などの重合性エチレン性不飽和二重結合を重合させることによって得られる樹脂であり、特に好ましくは(メタ)アクリレート樹脂、ポリスチレン系樹脂である。以上の染料媒体樹脂は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
着色微粒子が染料媒体樹脂を含有するものである場合、当該染料媒体樹脂としては、トナー結着樹脂と異なる種類の樹脂であれば従来公知の樹脂を使用することができ、例えば、(メタ)アクリレート系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエポキシ樹脂、アミノ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アラミド樹脂などが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリレート樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などの重合性エチレン性不飽和二重結合を重合させることによって得られる樹脂であり、特に好ましくは(メタ)アクリレート樹脂、ポリスチレン系樹脂である。以上の染料媒体樹脂は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリレート樹脂は、種々の(メタ)アクリレート系単量体を単独で重合、もしくは2種以上を共重合させることにより得られ、単量体の種類および単量体の組成比を種々変えることによって、所望の(メタ)アクリレート樹脂を得ることができる。また、本発明のトナーにおいては、(メタ)アクリレート系単量体と共に、(メタ)アクリレート系単量体以外の不飽和二重結合を有する共重合可能な単量体を共重合させたものを使用してもよい。
(メタ)アクリレート系樹脂を形成するための(メタ)アクリレート系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ(エチレングリコール)エチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、塩化エチルトリメチルアンモニウム(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2−アセトアミドメチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、3−トリメトキシシランプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
(メタ)アクリレート系樹脂を形成するための(メタ)アクリレート系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ(エチレングリコール)エチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、塩化エチルトリメチルアンモニウム(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2−アセトアミドメチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、3−トリメトキシシランプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
ポリスチレン系樹脂としては、種々のスチレン系単量体を単独で重合、もしくは2種以上を共重合させることにより得られたもの、あるいは、スチレン系単量体と共重合可能な他の不飽和二重結合を有する単量体を共重合したランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などが挙げられる。さらに、これらの重合体に他の重合体を配合したブレンド物やポリマーアロイを使用してもよい。
ポリスチレン系樹脂を形成するためのスチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−メチルスチレン−p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどの核アルキル置換スチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、ジクロルスチレン、ジブロモスチレン,トリクロルスチレン、トリブロモスチレンなどの核ハロゲン化スチレンなどが挙げられ、好ましくはスチレン、α−メチルスチレンである。
ポリスチレン系樹脂を形成するためのスチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−メチルスチレン−p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどの核アルキル置換スチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、ジクロルスチレン、ジブロモスチレン,トリクロルスチレン、トリブロモスチレンなどの核ハロゲン化スチレンなどが挙げられ、好ましくはスチレン、α−メチルスチレンである。
染料媒体樹脂の具体例としては、例えば、ベンジルメタクリレート/エチルアクリレートあるいはブチルアクリレートなどの共重合体樹脂、メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレートの共重合体樹脂、メチルメタクリレート/メタクリル酸/ステアリルメタクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレートの共重合体樹脂、スチレン/アセトアセトキシエチルメタクリレート/ステアリルメタクリレートの共重合体樹脂、スチレン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ステアリルメタクリレートの共重合体樹脂、2−エチルヘキシルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合体樹脂などを例示することができる。
本発明において、染料媒体樹脂は、耐久性および着色微粒子の形成性の観点から、その数平均分子量が500〜100,000、特に1,000〜30,000であることが好ましい。
〔界面活性剤〕
着色微粒子が界面活性剤を含有するものである場合、当該界面活性剤としては、通常のアニオン系界面活性剤および/またはノニオン系界面活性剤および/または反応性活性剤を用いることができる。
着色微粒子が界面活性剤を含有するものである場合、当該界面活性剤としては、通常のアニオン系界面活性剤および/またはノニオン系界面活性剤および/または反応性活性剤を用いることができる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマーなどを挙げることができる。
また、アニオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル類;ポリエトキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩およびその誘導体類などを挙げることができる。
さらに、反応性活性剤としては、アニオン系およびノニオン系の反応性活性剤が挙げられ、特に下記A、BまたはCの置換基を有する反応性活性剤が好ましい。
A:直鎖アルキル基、分岐アルキル基、または置換されていてもいなくてもよい芳香族基であって、総炭素数が6以上である置換基。
B:界面活性能を発現するノニオン性置換基またはアニオン性置換基。
C:ラジカル重合可能な重合性基。
A:直鎖アルキル基、分岐アルキル基、または置換されていてもいなくてもよい芳香族基であって、総炭素数が6以上である置換基。
B:界面活性能を発現するノニオン性置換基またはアニオン性置換基。
C:ラジカル重合可能な重合性基。
置換基Aにおける直鎖アルキル基としては、例えば、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などが挙げられ、分岐アルキル基としては、例えば、2−エチルヘキシル基などが挙げられ、芳香族基としては、例えば、フェニル基、ノニルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
置換基Bにおける界面活性能を発現するノニオン性置換基またはアニオン性置換基としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、およびこれらの共重合体のポリアルキレンオキサイドなどが挙げられる。アニオン性置換基の具体例としては、カルボン酸、リン酸、スルホン酸、およびこれらの塩などが挙げられ、アルキレンオキサイドの末端が上記のアニオン性置換基により置換されたものを挙げることもできる。
置換基Bとしては、アニオン性置換基が好ましく、末端が塩になっているものがより好ましい。
置換基Bとしては、アニオン性置換基が好ましく、末端が塩になっているものがより好ましい。
置換基Cのラジカル重合可能な重合性基とは、ラジカル活性種により、重合、架橋反応を起こす基であって、例えば、エチレン性不飽和結合を有するビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、アクリル基、メタクリル基、マレイミド基、アクリルアミド基、スチリル基などが挙げられる。
〔トナー結着樹脂〕
トナー結着樹脂としては、着色微粒子との間に十分な密着性が得られる熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、特に好ましくは溶剤可溶性のものである。また、前駆体が溶剤可溶性のものであれば、3次元構造を形成する硬化性樹脂であっても使用することができる。トナー結着樹脂としては、上記の条件の他にも、得られるトナーにおいて高い帯電性および定着性が得られることなどが考慮されたものを使用することが好ましい。
このようなトナー結着樹脂としては、一般にトナーの結着樹脂として用いられているものを特に制限なく用いることができ、具体的には、例えば、スチレン系樹脂やアルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、オレフィン系樹脂、アミド樹脂またはエポキシ樹脂などが挙げられ、この中でも、透明性や重ね合わせ画像の色再現性を向上させるために、透明性が高く、溶融特性が低粘度で高いシャープメルト性を有する、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂が好適に挙げられ、特に高い効果が得られることから、スチレン−アクリル系樹脂が好ましい。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
トナー結着樹脂としては、着色微粒子との間に十分な密着性が得られる熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、特に好ましくは溶剤可溶性のものである。また、前駆体が溶剤可溶性のものであれば、3次元構造を形成する硬化性樹脂であっても使用することができる。トナー結着樹脂としては、上記の条件の他にも、得られるトナーにおいて高い帯電性および定着性が得られることなどが考慮されたものを使用することが好ましい。
このようなトナー結着樹脂としては、一般にトナーの結着樹脂として用いられているものを特に制限なく用いることができ、具体的には、例えば、スチレン系樹脂やアルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、オレフィン系樹脂、アミド樹脂またはエポキシ樹脂などが挙げられ、この中でも、透明性や重ね合わせ画像の色再現性を向上させるために、透明性が高く、溶融特性が低粘度で高いシャープメルト性を有する、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂が好適に挙げられ、特に高い効果が得られることから、スチレン−アクリル系樹脂が好ましい。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明のトナーを構成するトナー粒子が懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合凝集法などによって製造される場合には、トナー結着樹脂を得るための重合性単量体として、例えばスチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、などの(メタ)アクリレートエステル系単量体;アクリル酸、フマル酸などのカルボン酸系単量体などを使用することができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなトナー結着樹脂としては、数平均分子量(Mn)が3000〜6000、好ましくは3500〜5500、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2〜6、好ましくは2.5〜5.5、ガラス転移点温度(Tg)が50〜70℃、好ましくは55〜70℃、軟化点温度が90〜110℃、好ましくは90〜105℃である樹脂を使用することが好ましい。
トナー結着樹脂の数平均分子量が3000より小さいと、得られるトナーの折り曲げ定着性が低減されて、例えばフルカラーのベタ画像を折り曲げた際に画像が剥離して画像欠損が発生するおそれなどがあり、一方、数平均分子量が6000より大きいと、得られるトナーが、画像形成の定着工程における熱溶融性が低く定着強度が低いものとなるおそれがある。また、トナー結着樹脂のMw/Mnが2より小さいと、定着工程において高温オフセット現象が発生しやすくなってしまい、一方、Mw/Mnが6より大きいと、定着工程におけるシャープメルト特性が低下して、得られるトナーが十分な透光性を得られず、また、十分な混色性が得られずに形成されるフルカラー画像において十分な色再現性が得られない。また、トナー結着樹脂のガラス転移点温度が50℃より低いと、得られるトナーを十分な耐熱性を有するものとすることができず、保管時にトナー同士の凝集が発生しやすくなり、一方、70℃より高いと、得られるトナーが溶融しにくいものとなって定着性が低いものとなると共に、十分な混色性が得られずに形成されるフルカラー画像において十分な色再現性が得られない。さらに、トナー結着樹脂の軟化点温度が90℃より低いと、定着工程において高温オフセットが生じやすくなり、一方、軟化点温度が110℃より高いと、十分な定着強度、十分な透光性、および十分な混色性を得ることができず、また、形成されたフルカラー画像における光沢性が低いものとなる。
トナー結着樹脂微粒子重合工程において得られるトナー結着樹脂微粒子の体積平均粒径は、例えば30〜500nmの範囲にあることが好ましい。
〔連鎖移動剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に、トナー結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に、トナー結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
〔重合開始剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、乳化重合法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、トナー結着樹脂を得るための重合開始剤は、水溶性の重合開始剤であれば適宜のものを使用することができる。重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、パーオキシド化合物などが挙げられる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、乳化重合法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、トナー結着樹脂を得るための重合開始剤は、水溶性の重合開始剤であれば適宜のものを使用することができる。重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、パーオキシド化合物などが挙げられる。
〔界面活性剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、乳化重合法または乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する界面活性剤としては、従来公知の種々のイオン性界面活性剤、ノニオン界面活性剤などを用いることができる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、乳化重合法または乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する界面活性剤としては、従来公知の種々のイオン性界面活性剤、ノニオン界面活性剤などを用いることができる。
〔凝集剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する凝集剤としては、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。凝集剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、凝集剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子を乳化重合凝集法によって製造する場合に使用する凝集剤としては、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。凝集剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、凝集剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
〔オフセット防止剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、オフセット現象の抑止に寄与するオフセット防止剤が含有されていてもよい。ここに、オフセット防止剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜ろうワックスなどを挙げることができる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、オフセット現象の抑止に寄与するオフセット防止剤が含有されていてもよい。ここに、オフセット防止剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜ろうワックスなどを挙げることができる。
トナー粒子中にオフセット防止剤を含有させる方法としては、トナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程において、オフセット防止剤粒子の分散液(ワックスエマルジョン)を添加し、トナー結着樹脂微粒子と着色微粒子とオフセット防止剤粒子とを塩析、凝集、融着させる方法や、トナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程において、オフセット防止剤を含有するトナー結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを塩析、凝集、融着させる方法を挙げることができ、これらの方法を組み合わせてもよい。
トナー粒子中におけるオフセット防止剤の含有割合としては、トナー粒子形成用結着樹脂100質量部に対して通常0.5〜5質量部とされ、好ましくは1〜3質量部とされる。オフセット防止剤の含有割合がトナー粒子形成用結着樹脂100質量部に対して0.5質量部未満であると、十分なオフセット防止効果が得られず、一方、トナー粒子形成用結着樹脂100質量部に対して5質量部より大きいと、得られるトナーが透光性や色再現性の低いものとなる。
トナー粒子中におけるオフセット防止剤の含有割合としては、トナー粒子形成用結着樹脂100質量部に対して通常0.5〜5質量部とされ、好ましくは1〜3質量部とされる。オフセット防止剤の含有割合がトナー粒子形成用結着樹脂100質量部に対して0.5質量部未満であると、十分なオフセット防止効果が得られず、一方、トナー粒子形成用結着樹脂100質量部に対して5質量部より大きいと、得られるトナーが透光性や色再現性の低いものとなる。
〔荷電制御剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、荷電制御剤が含有されていてもよい。ここに、荷電制御剤としては、特に限定されず摩擦帯電により正または負の電荷を与える種々の物質を挙げることができ、例えば、カラートナーを構成するトナー粒子に用いられる負帯電性の荷電制御剤としては、カラートナーの色調や透光性に悪影響を及ぼさないよう、無色、白色あるいは淡色の荷電制御剤が挙げられる。このような荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やクロムによる金属錯体(サリチル酸金属錯体)、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩化合物などを好適に挙げることができる。具体的には、サリチル酸金属錯体としては、例えば特開昭53−127726号公報、特開昭62−145255号公報などに開示されるもの、カリックスアレーン系化合物としては、例えば特開平2−201378号公報などに開示されるもの、有機ホウ素化合物としては、例えば特開平2−221967号公報に開示されるもの、含フッ素4級アンモニウム塩化合物としては例えば特開平3−1162号公報に開示されるものを挙げることができる。
トナー粒子中における荷電制御剤の含有割合としては、トナー結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜10質量部とされ、好ましくは0.5〜5質量部とされる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、荷電制御剤が含有されていてもよい。ここに、荷電制御剤としては、特に限定されず摩擦帯電により正または負の電荷を与える種々の物質を挙げることができ、例えば、カラートナーを構成するトナー粒子に用いられる負帯電性の荷電制御剤としては、カラートナーの色調や透光性に悪影響を及ぼさないよう、無色、白色あるいは淡色の荷電制御剤が挙げられる。このような荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やクロムによる金属錯体(サリチル酸金属錯体)、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩化合物などを好適に挙げることができる。具体的には、サリチル酸金属錯体としては、例えば特開昭53−127726号公報、特開昭62−145255号公報などに開示されるもの、カリックスアレーン系化合物としては、例えば特開平2−201378号公報などに開示されるもの、有機ホウ素化合物としては、例えば特開平2−221967号公報に開示されるもの、含フッ素4級アンモニウム塩化合物としては例えば特開平3−1162号公報に開示されるものを挙げることができる。
トナー粒子中における荷電制御剤の含有割合としては、トナー結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜10質量部とされ、好ましくは0.5〜5質量部とされる。
<トナー粒子の粒径>
本発明のトナーの粒径は、例えば体積平均粒径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは6〜9μmとされる。この平均粒径は、トナーの製造方法が例えば乳化重合凝集法などである場合には、使用する凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
体積平均粒径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
本発明のトナーの粒径は、例えば体積平均粒径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは6〜9μmとされる。この平均粒径は、トナーの製造方法が例えば乳化重合凝集法などである場合には、使用する凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
体積平均粒径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
トナーの体積平均粒径は、コールターカウンターTA−IIあるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)で測定されるものである。本発明においては、コールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。前記コールターマルチサイザーにおけるアパーチャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上(例えば2〜40μm)のトナーの体積分布を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。
<外添剤>
上記のトナー粒子は、そのままで本発明のトナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して本発明のトナーを構成してもよい。
上記のトナー粒子は、そのままで本発明のトナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して本発明のトナーを構成してもよい。
後処理剤としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などよりなる無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、あるいは、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
これらの種々の外添剤の添加量は、その合計が、トナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部とされる。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
〔現像剤〕
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなど用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、バインダー型キャリアを構成するバインダー樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなど用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、バインダー型キャリアを構成するバインダー樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
キャリアは、高画質の画像が得られること、およびキャリアかぶりが抑止されることから、その体積平均粒径が20〜100μmであることが好ましく、さらに好ましくは20〜60μmとされる。キャリアの体積平均粒径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
好ましいキャリアとしては、耐スペント性の観点から、被覆樹脂としてシリコーン系樹脂、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)またはポリエステル樹脂を用いたコートキャリアが挙げられ、特に、耐久性、耐環境安定性および耐スペント性の観点から、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)に、イソシアネートを反応させて得られた樹脂で被覆したコートキャリアを好ましく挙げられる。上記のコートキャリアを形成するビニル系単量体は、イソシアネートと反応性を有する水酸基などの置換基を有する単量体である。
<画像形成方法>
本発明のトナーは、電子写真法による画像形成方法に好適に使用することができる。
この画像形成方法は、静電荷像担持体上に形成させた静電荷像をトナーにより現像する現像工程と、当該現像工程において形成されたトナー像を画像記録媒体上に転写する転写工程とを少なくとも含むものである。
本発明のトナーは、電子写真法による画像形成方法に好適に使用することができる。
この画像形成方法は、静電荷像担持体上に形成させた静電荷像をトナーにより現像する現像工程と、当該現像工程において形成されたトナー像を画像記録媒体上に転写する転写工程とを少なくとも含むものである。
このような画像形成方法において多色画像を形成する場合には、例えば、1つの静電荷像担持体上に複数のトナー像を形成させ、画像記録媒体に一括して転写する一括転写方式や、静電荷像担持体上に形成されたトナー像を転写ベルトなどの中間転写体に逐次転写するいわゆる中間転写方式などが挙げられ、後述する理由により、前者がより好ましい。
例えば、一括転写方式によってフルカラー画像の形成を行う動作について以下に説明する。
まず、均一に帯電させた静電荷像担持体に対して、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に分解された画像情報による静電荷像のうちの1つの、イエローに係る画像情報に応じた露光を行った後、第1回目の現像処理を行うことによって、第1のトナー像(イエロートナー像)を形成させ、次いで、イエロートナー像が形成された静電荷像担持体を均一に帯電させ、マゼンタに係る画像情報に応じた露光を行った後、第2回目の現像処理を行うことによって、第2のトナー像(マゼンタトナー像)を形成させ、次いで、イエロートナー像およびマゼンタトナー像が形成された静電荷像担持体を均一に帯電させ、シアンに係る画像情報に応じた露光を行った後、第3回目の現像処理を行うことによって、第3のトナー像(シアントナー像)を形成させ、次いで、イエロートナー像、マゼンタトナー像およびシアントナー像が形成された静電荷像担持体を均一に帯電させ、ブラックに係る画像情報に応じた露光を行った後、第4回目の現像処理を行うことによって、第4のトナー像(ブラックトナー像)を形成させることにより、静電荷像担持体上にフルカラートナー像が形成され、転写処理を行ってこのフルカラートナー像を画像記録媒体に一括に転写し、その後、定着処理を行うことにより、フルカラー画像が得られる。
この一括転写方式においては、静電荷像担持体上に形成されたフルカラー画像を一括して画像記録媒体に転写し、フルカラー画像を形成するため、中間転写方式とは異なり、画像を乱す要因となる転写処理を1回行うのみでよいので、高い画像品質を実現することができる。
まず、均一に帯電させた静電荷像担持体に対して、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に分解された画像情報による静電荷像のうちの1つの、イエローに係る画像情報に応じた露光を行った後、第1回目の現像処理を行うことによって、第1のトナー像(イエロートナー像)を形成させ、次いで、イエロートナー像が形成された静電荷像担持体を均一に帯電させ、マゼンタに係る画像情報に応じた露光を行った後、第2回目の現像処理を行うことによって、第2のトナー像(マゼンタトナー像)を形成させ、次いで、イエロートナー像およびマゼンタトナー像が形成された静電荷像担持体を均一に帯電させ、シアンに係る画像情報に応じた露光を行った後、第3回目の現像処理を行うことによって、第3のトナー像(シアントナー像)を形成させ、次いで、イエロートナー像、マゼンタトナー像およびシアントナー像が形成された静電荷像担持体を均一に帯電させ、ブラックに係る画像情報に応じた露光を行った後、第4回目の現像処理を行うことによって、第4のトナー像(ブラックトナー像)を形成させることにより、静電荷像担持体上にフルカラートナー像が形成され、転写処理を行ってこのフルカラートナー像を画像記録媒体に一括に転写し、その後、定着処理を行うことにより、フルカラー画像が得られる。
この一括転写方式においては、静電荷像担持体上に形成されたフルカラー画像を一括して画像記録媒体に転写し、フルカラー画像を形成するため、中間転写方式とは異なり、画像を乱す要因となる転写処理を1回行うのみでよいので、高い画像品質を実現することができる。
上記のような一括転写方式の画像形成方法の現像工程においては、一の画像形成において複数回の現像処理が必要であることから、非接触現像方式で現像処理が行われることが好ましい。また、交番電界を印加して現像処理を行うことが好ましい。
また、本発明のトナーは、定着工程として、接触加熱方式による定着工程、すなわち、画像記録媒体に転写されたトナー像を、熱ロールなどの加熱部材に接触させて定着させる工程を含む画像形成方法に好適に使用することができる。
接触加熱方式としては、熱圧定着方式、特には熱ロール定着方式および固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式を挙げることができる。
本発明のトナーによれば、接触加熱方式の定着処理においてもその着色微粒子が画像記録媒体上において崩壊せずに当該画像記録媒体上に付着した状態を得ることができる。
接触加熱方式としては、熱圧定着方式、特には熱ロール定着方式および固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式を挙げることができる。
本発明のトナーによれば、接触加熱方式の定着処理においてもその着色微粒子が画像記録媒体上において崩壊せずに当該画像記録媒体上に付着した状態を得ることができる。
ここに、熱ロール定着方式は、テトラフルオロエチレンやポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体類などを表面に被覆した鉄やアルミニウムなどで構成される金属シリンダー内部に熱源を有する上ローラとシリコーンゴムなどで形成された下ローラとから形成されているものなどである。詳しくは、熱源として線状のヒーターを有し、上ローラの表面温度を約120〜200℃程度に加熱するものである。定着部においては上ローラと下ローラ間に圧力を加え、下ローラを変形させ、いわゆるニップを形成する。ニップ幅としては1〜10mm、好ましくは1.5〜7mmである。定着線速は40〜600mm/secが好ましい。ニップが狭い場合には熱を均一にトナーに付与することができなくなり、定着のムラを発生する。一方でニップ幅が広い場合には樹脂の溶融が促進され、定着オフセットが過多となる問題を発生する。
必要に応じて定着クリーニングの機構を付与してもよい。この場合には、シリコーンオイルを定着の上ローラあるいはフィルムに供給する方式やシリコーンオイルを含浸したパッド・ローラ・ウェッブなどでクリーニングする方法が使用できる。シリコーンオイルとしては耐熱性の高いものが使用され、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、フッ素を含有するポリシロキサンなどが使用される。粘度の低いものは使用時に流出が大きくなることから、20℃における粘度が1,000〜100,000cpのものが好適に使用される。
このようなトナーによれば、着色剤である染料が着色微粒子としてトナー粒子中に分散され、さらに着色微粒子の体積平均粒径r1 と当該着色微粒子において染料により形成される色素雲の直径r2とが特定の関係式を満たす状態とされているために、十分な耐熱性が得られて高い耐オフセット性が実現されたものでありながら、十分な透明性および彩度を有して高い色再現性を有すると共に良好な帯電特性が得られ、この結果、この静電荷像現像用トナーにより形成された画像が、長期間にわたって画像品質が維持されるものとなる。
また、小粒径の着色微粒子がトナー結着樹脂中に単分散されており、このため染料がトナー結着樹脂中に分子レベルで分散された状態となるため、トナー粒子中において光を遮断する隠蔽性粒子などの成分の存在を極めて小さくすることができ、従って、トナーの単色、あるいは重ね合わせ色における透明性をさらに向上させることができる。
以上のようなトナーによれば、染料が遊離してトナー粒子の表面に露出しない(移行しない)ため、一般的な染料を使用したトナーにおいて現れる、帯電量の低さや、高温高湿下および低温低湿下での帯電量の差が大きいという環境依存性の高さ、あるいは着色剤の種類、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色を用いる場合の各色トナーについて帯電量がばらついてしまうという問題が発生せず、得られるトナーにおいてトナー粒子間における帯電特性が実質的に均一になるため、形成された画像において極めて良好な画像特性が得られる。
また、染料が分子状態ではなく、いくつかの分子が凝集した塊状体であるために、当該染料のマイグレーションが抑止され、熱定着による定着工程において染料の昇華やオイル汚染などの問題が生じることがない。
また、染料が分子状態ではなく、いくつかの分子が凝集した塊状体であるために、当該染料のマイグレーションが抑止され、熱定着による定着工程において染料の昇華やオイル汚染などの問題が生じることがない。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔着色微粒子分散液の調製例1〕
メチルメタクリレート(MMA)/アセトアセトキシエチルメタクリレート(AAEM)/ステアリルメタクリレート(SMA)が50/30/20の割合で混合されたポリマー(P−1)13.5g、下記式(A−1)に示される染料(A−1)16.0g、および酢酸エチル123.5gをセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌して染料を完全に溶解させた。次いで、この染料が溶解された溶液に「アクアロンKH−05」(第一工業製薬社製)8.0gが水(230g)に溶解されてなる溶液238gを滴下して撹拌した後、「クリアミックスWモーションCLM−0.8W」(エムテクニック社製)を用いて、300秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、染料を含浸するコア型の着色微粒子1が分散されてなる着色微粒子分散液1を調製した。得られた着色微粒子1の体積平均粒径は30nmであった。
なお、着色微粒子の体積平均粒径は、マルバーン社製ゼータサイザーを用いて測定したものである。
メチルメタクリレート(MMA)/アセトアセトキシエチルメタクリレート(AAEM)/ステアリルメタクリレート(SMA)が50/30/20の割合で混合されたポリマー(P−1)13.5g、下記式(A−1)に示される染料(A−1)16.0g、および酢酸エチル123.5gをセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌して染料を完全に溶解させた。次いで、この染料が溶解された溶液に「アクアロンKH−05」(第一工業製薬社製)8.0gが水(230g)に溶解されてなる溶液238gを滴下して撹拌した後、「クリアミックスWモーションCLM−0.8W」(エムテクニック社製)を用いて、300秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、染料を含浸するコア型の着色微粒子1が分散されてなる着色微粒子分散液1を調製した。得られた着色微粒子1の体積平均粒径は30nmであった。
なお、着色微粒子の体積平均粒径は、マルバーン社製ゼータサイザーを用いて測定したものである。
〔着色微粒子分散液の調製例2〕
着色微粒子分散液の製造例1において調製した、染料を含浸する着色微粒子分散液1に、さらに、過硫酸カリウム0.5gを加え、ヒーターを付して70℃に加湿した後、メチルメタクリレート(MMA)10.0gを滴下しながら5時間反応させてコア−シェル型の着色微粒子2が分散されてなる着色微粒子分散液2を調製した。得られた着色微粒子2の体積平均粒径は33nmであった。
着色微粒子分散液の製造例1において調製した、染料を含浸する着色微粒子分散液1に、さらに、過硫酸カリウム0.5gを加え、ヒーターを付して70℃に加湿した後、メチルメタクリレート(MMA)10.0gを滴下しながら5時間反応させてコア−シェル型の着色微粒子2が分散されてなる着色微粒子分散液2を調製した。得られた着色微粒子2の体積平均粒径は33nmであった。
〔着色微粒子分散液の調製例3〕
上記式(A−1)に示される染料(A−1)18.0gを酢酸エチル720.0gに溶解させ、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、攪拌して上記染料を完全溶解させた。次いで、「エマールE−27C」(花王社製)5.94gを含む水溶液1200gを滴下して撹拌した後、「クリアミックスWモーションCLM−0.8W」(エムテクニック社製)を用いて300秒間乳化処理した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、体積平均粒径が56nmである着色微粒子3を含有する着色微粒子分散液3を得た。
上記式(A−1)に示される染料(A−1)18.0gを酢酸エチル720.0gに溶解させ、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、攪拌して上記染料を完全溶解させた。次いで、「エマールE−27C」(花王社製)5.94gを含む水溶液1200gを滴下して撹拌した後、「クリアミックスWモーションCLM−0.8W」(エムテクニック社製)を用いて300秒間乳化処理した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、体積平均粒径が56nmである着色微粒子3を含有する着色微粒子分散液3を得た。
〔着色微粒子分散液の調製例4〕
染料(A−1)の代わりに下記式(A−2)に示される染料(A−2)、ポリマー(P−1)の代わりに、スチレン(ST)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)/ステアリルメタクリレート(SMA)が30/40/30の割合で混合されたポリマー(P−2)を酢酸エチルに溶解させたことの他は着色微粒子分散液の調製例1と同様にして体積平均粒径が45nmである着色微粒子4を含有する着色微粒子分散液4を得た。
染料(A−1)の代わりに下記式(A−2)に示される染料(A−2)、ポリマー(P−1)の代わりに、スチレン(ST)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)/ステアリルメタクリレート(SMA)が30/40/30の割合で混合されたポリマー(P−2)を酢酸エチルに溶解させたことの他は着色微粒子分散液の調製例1と同様にして体積平均粒径が45nmである着色微粒子4を含有する着色微粒子分散液4を得た。
〔着色微粒子分散液の調製例5〕
染料(A−1)の代わりに下記式(A−3)に示される染料(A−3)を用いたことの他は着色微粒子分散液の調製例3と同様にして体積平均粒径が480nmである着色微粒子5を含有する着色微粒子分散液5を得た。
染料(A−1)の代わりに下記式(A−3)に示される染料(A−3)を用いたことの他は着色微粒子分散液の調製例3と同様にして体積平均粒径が480nmである着色微粒子5を含有する着色微粒子分散液5を得た。
〔着色微粒子分散液の調製例6〕
染料(A−1)の代わりに下記式(A−4)に示される染料(A−4)を用いたことの他は着色微粒子分散液の調製例3と同様にして体積平均粒径が38nmである着色微粒子6を含有する着色微粒子分散液6を得た。
染料(A−1)の代わりに下記式(A−4)に示される染料(A−4)を用いたことの他は着色微粒子分散液の調製例3と同様にして体積平均粒径が38nmである着色微粒子6を含有する着色微粒子分散液6を得た。
〔着色微粒子分散液の調製例7〕
染料(A−1)の代わりに染料(A−3)を用い、メチルメタクリレートの量を100.0gに代えたことの他は着色微粒子分散液の調製例2と同様にして体積平均粒径が189nmである着色微粒子7を含有する着色微粒子分散液7を得た。
染料(A−1)の代わりに染料(A−3)を用い、メチルメタクリレートの量を100.0gに代えたことの他は着色微粒子分散液の調製例2と同様にして体積平均粒径が189nmである着色微粒子7を含有する着色微粒子分散液7を得た。
〔着色微粒子分散液の調製例8〕
染料(A−1)の代わりに下記式(P)に示される顔料C.I.ピグメントレッド123を用いたことの他は着色微粒子分散液の調製例3と同様にして体積平均粒径が156nmである着色微粒子8を含有する着色微粒子分散液8を得た。
染料(A−1)の代わりに下記式(P)に示される顔料C.I.ピグメントレッド123を用いたことの他は着色微粒子分散液の調製例3と同様にして体積平均粒径が156nmである着色微粒子8を含有する着色微粒子分散液8を得た。
<SP値の測定>
以上の着色微粒子分散液1〜8について、含有される着色微粒子のSP値(cal/cm3 )1/2 を、分子計算パッケージ「CAChe」(富士通株式会社製)の中のProject Leaderによって、A.K.Ghost,et al,J.Comput.Chem.9:80(1988)を用いて算出した。結果を表1に示す。
以上の着色微粒子分散液1〜8について、含有される着色微粒子のSP値(cal/cm3 )1/2 を、分子計算パッケージ「CAChe」(富士通株式会社製)の中のProject Leaderによって、A.K.Ghost,et al,J.Comput.Chem.9:80(1988)を用いて算出した。結果を表1に示す。
〔樹脂粒子分散液の製造例1〕
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、予めアニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水2760gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。一方、オフセット防止剤として下記式(C)で表される化合物72.0gを、スチレン115.1g、n−ブチルアクリレート42.0g、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合液に添加し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。循環経路を有する機械式分散機により、前記界面活性剤溶液(80℃)中に、前記単量体溶液(80℃)を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)の分散液を調製した。次いで、この分散液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.84gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたって加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行い、ラテックス(A)を調製した。
次いで、このラテックス(A)に、重合開始剤(KPS)7.73gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、15分経過後、80℃で、スチレン383.6g、n−ブチルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4g、tert−ドデシルメルカプタン13.7gからなる単量体混合液を126分間かけて滴下した。滴下終了後、60分にわたり加熱撹拌することにより重合(第2段重合)を行った後、40℃まで冷却しラテックス(B)を調製した。このラテックス(B)のSP値を、上述の着色微粒子分散液における着色微粒子のSP値の測定と同様にして測定したところ、8.7(cal/cm3 )1/2であった。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、予めアニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水2760gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。一方、オフセット防止剤として下記式(C)で表される化合物72.0gを、スチレン115.1g、n−ブチルアクリレート42.0g、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合液に添加し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。循環経路を有する機械式分散機により、前記界面活性剤溶液(80℃)中に、前記単量体溶液(80℃)を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)の分散液を調製した。次いで、この分散液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.84gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたって加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行い、ラテックス(A)を調製した。
次いで、このラテックス(A)に、重合開始剤(KPS)7.73gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、15分経過後、80℃で、スチレン383.6g、n−ブチルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4g、tert−ドデシルメルカプタン13.7gからなる単量体混合液を126分間かけて滴下した。滴下終了後、60分にわたり加熱撹拌することにより重合(第2段重合)を行った後、40℃まで冷却しラテックス(B)を調製した。このラテックス(B)のSP値を、上述の着色微粒子分散液における着色微粒子のSP値の測定と同様にして測定したところ、8.7(cal/cm3 )1/2であった。
式(C) C{CH2 OCO(CH2 )20CH3}4
〔トナーの製造例1〕
ラテックス(B)1250gと、イオン交換水2000mlと、着色微粒子分散液1の90gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた5リットルの四つ口フラスコに入れて撹拌して会合用溶液を準備した。この会合用溶液の内温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72mlに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を6分間かけて90℃まで昇温した(昇温速度=10℃/分)。その状態で、「コールターカウンターTA−II」(コールター社製)にて会合粒子の平均粒径を測定し、体積平均粒径が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム115gをイオン交換水700mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、液温度90℃±2℃にて6時間にわたって加熱、撹拌することにより融着を継続させた。その後、6℃/分の条件で30℃まで冷却した。そして、この会合粒子の分散液から会合粒子を濾別し、会合粒子全体に対して重量比で10倍の量のイオン交換水(pH=3)に再分散させて洗浄処理を行った後、洗浄水から会合粒子を濾別する工程を2回繰り返し、その後、イオン交換水のみで洗浄処理を行い、40℃の温風で乾燥して得られたトナー母体粒子よりなるトナー母体を得、このトナー母体粒子に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%となる割合で添加すると共に、疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1.2質量%となる割合で添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により混合し、その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去して得られたトナー粒子1よりなるトナー1を得た。
なお、これらのトナー母体粒子について、疎水性シリカおよび疎水性酸化チタンの添加によっては、その形状および粒径は変化しない。
ラテックス(B)1250gと、イオン交換水2000mlと、着色微粒子分散液1の90gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた5リットルの四つ口フラスコに入れて撹拌して会合用溶液を準備した。この会合用溶液の内温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72mlに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を6分間かけて90℃まで昇温した(昇温速度=10℃/分)。その状態で、「コールターカウンターTA−II」(コールター社製)にて会合粒子の平均粒径を測定し、体積平均粒径が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム115gをイオン交換水700mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、液温度90℃±2℃にて6時間にわたって加熱、撹拌することにより融着を継続させた。その後、6℃/分の条件で30℃まで冷却した。そして、この会合粒子の分散液から会合粒子を濾別し、会合粒子全体に対して重量比で10倍の量のイオン交換水(pH=3)に再分散させて洗浄処理を行った後、洗浄水から会合粒子を濾別する工程を2回繰り返し、その後、イオン交換水のみで洗浄処理を行い、40℃の温風で乾燥して得られたトナー母体粒子よりなるトナー母体を得、このトナー母体粒子に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%となる割合で添加すると共に、疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1.2質量%となる割合で添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により混合し、その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去して得られたトナー粒子1よりなるトナー1を得た。
なお、これらのトナー母体粒子について、疎水性シリカおよび疎水性酸化チタンの添加によっては、その形状および粒径は変化しない。
〔トナーの製造例2〕
着色微粒子分散液1の代わりに着色微粒子分散液2を用いたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー2を調製した。
着色微粒子分散液1の代わりに着色微粒子分散液2を用いたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー2を調製した。
〔トナーの製造例3〕
着色微粒子分散液1の代わりに着色微粒子分散液3を用いたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー3を調製した。
着色微粒子分散液1の代わりに着色微粒子分散液3を用いたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー3を調製した。
〔トナーの製造例4〕
着色微粒子分散液1の代わりに着色微粒子分散液4を用いたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー4を調製した。
着色微粒子分散液1の代わりに着色微粒子分散液4を用いたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー4を調製した。
〔トナーの製造例5〕
着色微粒子分散液1の代わりに着色微粒子分散液5を用いたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー5を調製した。
着色微粒子分散液1の代わりに着色微粒子分散液5を用いたことの他はトナーの製造例1と同様にしてトナー5を調製した。
〔比較用トナーの製造例1〕
着色微粒子分散液1の代わりに着色微粒子分散液6を用いたことの他はトナーの製造例1と同様にして比較用トナー1を調製した。
この比較用トナー1は、着色微粒子が酸化防止剤を含有せずに染料のみよりなるものである。
着色微粒子分散液1の代わりに着色微粒子分散液6を用いたことの他はトナーの製造例1と同様にして比較用トナー1を調製した。
この比較用トナー1は、着色微粒子が酸化防止剤を含有せずに染料のみよりなるものである。
〔比較用トナーの製造例2〕
着色微粒子分散液1の代わりに着色微粒子分散液7を用いたことの他はトナーの製造例1と同様にして比較用トナー2を調製した。
この比較用トナー2は、トナー粒子中に酸化防止剤が含有されるものの着色微粒子中には含有されていない状態のものである。
着色微粒子分散液1の代わりに着色微粒子分散液7を用いたことの他はトナーの製造例1と同様にして比較用トナー2を調製した。
この比較用トナー2は、トナー粒子中に酸化防止剤が含有されるものの着色微粒子中には含有されていない状態のものである。
〔比較用トナーの製造例3〕
着色微粒子分散液1の代わりに着色微粒子分散液8を用いたことの他はトナーの製造例1と同様にして比較用トナー3を調製した。
この比較用トナー3は、トナー粒子中に染料および酸化防止剤が溶解された状態で含有されるものである。
着色微粒子分散液1の代わりに着色微粒子分散液8を用いたことの他はトナーの製造例1と同様にして比較用トナー3を調製した。
この比較用トナー3は、トナー粒子中に染料および酸化防止剤が溶解された状態で含有されるものである。
<色素雲の直径r2 の測定>
以上のトナー1〜5および比較用トナー1〜3について、含有されるトナー粒子における着色微粒子の色素雲の直径r2 を、ミクロトームによってトナー粒子を厚さ0.2μmに切断した試料を作製し、これの透過電子顕微鏡像(TEM像)を10万倍の倍率で撮影し、色素雲のフェレ方向の30対平均値を測定することにより、色素雲の直径r2を求めた。結果を表1に示す。
以上のトナー1〜5および比較用トナー1〜3について、含有されるトナー粒子における着色微粒子の色素雲の直径r2 を、ミクロトームによってトナー粒子を厚さ0.2μmに切断した試料を作製し、これの透過電子顕微鏡像(TEM像)を10万倍の倍率で撮影し、色素雲のフェレ方向の30対平均値を測定することにより、色素雲の直径r2を求めた。結果を表1に示す。
〔現像剤の調製〕
トナー1〜5および比較用トナー1〜3について、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを、前記現像剤用トナーの濃度が6質量%になるよう混合し、二成分現像剤である現像剤1〜5および比較用現像剤1〜3を調製した。
トナー1〜5および比較用トナー1〜3について、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを、前記現像剤用トナーの濃度が6質量%になるよう混合し、二成分現像剤である現像剤1〜5および比較用現像剤1〜3を調製した。
<実施例1〜5、比較例1〜3>
この現像剤1〜5および比較用現像剤1〜3、および定着装置が下記の仕様に変更された「Konica 7075」(コニカミノルタ社製)を用いて、常温常湿環境下(温度25℃、相対湿度55%)において普通紙およびOHPに対して実写テストを行うことにより、下記(1)〜(4)の実機評価を行った。結果を表2に示す。
この現像剤1〜5および比較用現像剤1〜3、および定着装置が下記の仕様に変更された「Konica 7075」(コニカミノルタ社製)を用いて、常温常湿環境下(温度25℃、相対湿度55%)において普通紙およびOHPに対して実写テストを行うことにより、下記(1)〜(4)の実機評価を行った。結果を表2に示す。
実写テストにおける現像条件は以下に示す通りである。
・感光体表面電位:−700V
・DCバイアス:−500V
・Dsd(感光体と現像スリーブ間距離):600μm
・現像剤層規制:磁性H−Cut方式
・現像剤層厚:700μm
・現像スリーブ径:40mm
・感光体表面電位:−700V
・DCバイアス:−500V
・Dsd(感光体と現像スリーブ間距離):600μm
・現像剤層規制:磁性H−Cut方式
・現像剤層厚:700μm
・現像スリーブ径:40mm
定着装置としては、熱ロール定着方式のものを用いた。具体的には、中央部にヒータを内蔵するアルミ合金からなる円筒状(内径=40mm、肉厚=1.0mm、全幅=310mm)の芯金表面を、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)の厚み120μmのチューブで被覆することにより加熱ローラを構成し、鉄からなる円筒状(内径=40mm、肉厚=2.0mm)の芯金表面を、スポンジ状シリコーンゴム(アスカーC硬度48、厚み2mm)で被覆することにより加圧ローラを構成し、当該加熱ローラと当該加圧ローラとを150Nの荷重により当接させて5.8mm幅のニップを形成させた。この定着装置を使用して、印字の線速を480mm/secに設定した。なお、定着装置のクリーニング機構として、ポリジフェニルシリコーン(20℃の粘度が10Pa・sのもの)を含浸したウェッブ方式の供給方式を使用した。
定着温度は加熱ローラの表面温度で175℃に制御した。なお、シリコーンオイルの塗布量は0.1mg/A4とした。
定着温度は加熱ローラの表面温度で175℃に制御した。なお、シリコーンオイルの塗布量は0.1mg/A4とした。
(1)透明性
OHPシート上にトナー付着量が0.7±0.05(mg/cm2 )の範囲であるフルカラー画像を形成した印画物を得、日立製作所製の「330型自記分光光度計」を用いて、トナーが担持されていない未使用のOHPシートをリファレンスとしてカラー画像の可視分光透過率を測定し、イエロートナーでは650nmと450nmでの分光透過率の差、マゼンタトナーでは650nmと550nmでの分光透過率の差、シアントナーでは500nmと600nmでの分光透過率の差を求め、この分光透過率の差が90%以上である場合を「◎」、70%以上90%未満である場合を「○」、70%未満である場合を「×」として評価した。この値が70%以上である場合、良好な透明性を有すると判断することができる。
OHPシート上にトナー付着量が0.7±0.05(mg/cm2 )の範囲であるフルカラー画像を形成した印画物を得、日立製作所製の「330型自記分光光度計」を用いて、トナーが担持されていない未使用のOHPシートをリファレンスとしてカラー画像の可視分光透過率を測定し、イエロートナーでは650nmと450nmでの分光透過率の差、マゼンタトナーでは650nmと550nmでの分光透過率の差、シアントナーでは500nmと600nmでの分光透過率の差を求め、この分光透過率の差が90%以上である場合を「◎」、70%以上90%未満である場合を「○」、70%未満である場合を「×」として評価した。この値が70%以上である場合、良好な透明性を有すると判断することができる。
(2)帯電量の経時変化
現像剤をセットして1枚目の画像が出力された印画物における画像の帯電量をQa、100万枚目の画像が出力された印画物における画像の帯電量をQbとし、Qb/Qaの値が0.9以上1.1未満である場合を「◎」、0.8以上0.9未満、もしくは1.1以上1.2未満である場合を「○」、0.7以上0.8未満、もしくは1.2以上1.3未満である場合を「△」、0.7未満もしくは1.3以上である場合を「×」として評価した。
現像剤をセットして1枚目の画像が出力された印画物における画像の帯電量をQa、100万枚目の画像が出力された印画物における画像の帯電量をQbとし、Qb/Qaの値が0.9以上1.1未満である場合を「◎」、0.8以上0.9未満、もしくは1.1以上1.2未満である場合を「○」、0.7以上0.8未満、もしくは1.2以上1.3未満である場合を「△」、0.7未満もしくは1.3以上である場合を「×」として評価した。
(3)耐熱性
普通紙上にベタ画像を形成させた印画物を100万枚得、その後、定着装置の定着ローラおよび回収されたシリコーンオイルを目視にて観察し、定着ローラの表面およびシリコーンオイルの着色が無い場合を「○」、定着ローラの表面またはシリコーンオイルのいずれかまたは両方に着色がある場合を「×」として評価した。
普通紙上にベタ画像を形成させた印画物を100万枚得、その後、定着装置の定着ローラおよび回収されたシリコーンオイルを目視にて観察し、定着ローラの表面およびシリコーンオイルの着色が無い場合を「○」、定着ローラの表面またはシリコーンオイルのいずれかまたは両方に着色がある場合を「×」として評価した。
(4)色再現性
普通紙上にトナー付着量が0.7±0.05(mg/cm2 )である画像を形成し、10人のモニターによる目視評価により、各々、色再現性が特に優れている場合を「◎」、色再現性に優れている場合を「○」、多少の色汚染の変化があるが、実用上問題ないレベルである場合を「△」、色汚染が大きく画像品質上、問題がある場合を「×」として評価させ、その回答の最頻階級を評価とし、回答の最頻階級が複数階級にわたる場合は、最も低い評価を採用した。
普通紙上にトナー付着量が0.7±0.05(mg/cm2 )である画像を形成し、10人のモニターによる目視評価により、各々、色再現性が特に優れている場合を「◎」、色再現性に優れている場合を「○」、多少の色汚染の変化があるが、実用上問題ないレベルである場合を「△」、色汚染が大きく画像品質上、問題がある場合を「×」として評価させ、その回答の最頻階級を評価とし、回答の最頻階級が複数階級にわたる場合は、最も低い評価を採用した。
以上のように、本発明に係る現像剤1〜5によれば、優れた色再現性、透明性、帯電特性および耐熱性が得られ、画質の高い画像を確実に形成することができることが確認された。
一方、着色微粒子の体積平均粒径と色素雲との関係r1 /r2 が3よりも大きい構成の比較例1に係るトナーについては、十分な透明性が得られて高い色再現性が達成される一方、十分な耐熱性および帯電性を得ることができなかった。また、r1/r2 が1以下である構成の比較例2に係るトナーについては、十分な透明性を得ることができなかった。さらに、着色剤として染料ではなく顔料を使用した構成の比較例3に係るトナーについては、高い耐熱性が確認されたものの、十分な透明性が得られず、また十分な色再現性が得られないことが確認された。
一方、着色微粒子の体積平均粒径と色素雲との関係r1 /r2 が3よりも大きい構成の比較例1に係るトナーについては、十分な透明性が得られて高い色再現性が達成される一方、十分な耐熱性および帯電性を得ることができなかった。また、r1/r2 が1以下である構成の比較例2に係るトナーについては、十分な透明性を得ることができなかった。さらに、着色剤として染料ではなく顔料を使用した構成の比較例3に係るトナーについては、高い耐熱性が確認されたものの、十分な透明性が得られず、また十分な色再現性が得られないことが確認された。
10 トナー粒子
12 トナー結着樹脂
15 着色微粒子
15A コア−シェル構造の着色微粒子
15a コア粒子
15b シェル層
12 トナー結着樹脂
15 着色微粒子
15A コア−シェル構造の着色微粒子
15a コア粒子
15b シェル層
Claims (6)
- 体積平均粒径r1 である、染料を含有する着色微粒子を、トナー粒子形成用結着樹脂中に分散させて得られるトナー粒子により構成されるものであって、
トナー粒子中において前記着色微粒子により形成される色素雲の直径をr2 とした場合に、関係式(1)3≧r2 /r1>1が成立することを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 前記トナー粒子形成用結着樹脂のSP値と、前記着色微粒子のSP値との差が、0〜4の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 着色微粒子を構成する染料が油溶性染料であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 着色微粒子を構成する染料が金属キレート染料であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 着色微粒子が、トナー粒子形成用結着樹脂と異なる種類の染料媒体樹脂および/または界面活性剤を含有するものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 静電荷像担持体上に形成させた静電荷像を静電荷像現像用トナーにより現像する現像工程と、当該現像工程において形成されたトナー像を画像記録媒体上に転写する転写工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを使用することを特徴とする画像形成方法。
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