JP4114559B2 - 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、電子写真法に代表される静電潜像現像法は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成方法に広く用いられている。
【0003】
この理由は高速で高品質な画像が安定して得られる完成度の高い方法である為だが、なお、いくつかの問題点も残っている。
【0004】
例えば、粉砕法で調製された従来のトナーではトナー中に分散された材料が破断面に不均一に存在し、トナー同士の表面性が一定になりにくく、転写工程でのバラツキが発生しやすく、カラー画像としての色再現性が低下する問題がある。
【0005】
一方、静電潜像現像用トナーは高画質の観点から小粒径化が望まれている。小粒径トナーを製造する方法として近年、水系媒体中で粒子を形成する『ケミカルトナー』の開発が盛んである。このケミカルトナーには樹脂粒子と必要に応じて着色剤粒子とを会合あるいは塩析、凝集、融着させて不定形化したトナーを調製する方法や、ラジカル重合性モノマーと着色剤とを分散し、ついで水系媒体等に所望のトナー粒径になるように液滴分散し、懸濁重合する方法等がある。
【0006】
懸濁重合法を適用して作製されたトナー粒子は球形で表面性が均一なトナーを形成することができるため、トナー間での均一性は高くなるというメリットがあるが反面、形状が球形なため、潜像担持体に対する付着性が高いため、転写性が低下しやすくなるという問題点があった。
【0007】
このような問題点に対応するために、界面活性剤を含む水系媒体中で調製した樹脂粒子を該樹脂粒子の臨界凝集濃度以上の凝集剤と、水に対して無限溶解する有機溶媒で処理されて造られたことを特徴とする非球形粒子(例えば、特許文献1参照。)が開示されている。
【0008】
また、懸濁重合トナー(例えば、特許文献2参照。)や溶解懸濁法(例えば、特許文献3参照。)は、無機分散剤の存在下で機械的にモノマ油滴、あるいは樹脂溶液の液滴を分散、懸濁するので、小径化は7μm程度が限界であり、シャープな粒度分布を得るには原理的に不向きである。即ち、トナーの小径化を進めるには界面活性剤の使用が不可欠である。この時、不要な界面活性剤は、粒子を水系媒体から分離するときに大部分が取り除かれるが、粒子中に残存する界面活性剤の種類や残存量によっては、トナーの帯電を阻害する、あるいは、界面活性剤が顔料に含まれる金属イオンと反応して難溶性の塩を形成し、それらが、摩擦帯電部材や感光体を汚染したり、更にはトナー粒子そのものの帯電を阻害する問題が生じていた。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−194540号公報
【0010】
【特許文献2】
特許第1,744,009号明細書
【0011】
【特許文献3】
特開平9−15902号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、画像の透明性に優れ、感光体フィルミングの発生がなく、湿度環境によらず、常にシャープな帯電量分布を示し、高品位、高画質な画像が得られ、メンテナンス時のハンドリング特性に優れ、且つ、帯電立ち上がり及び帯電の安定性に優れている静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の構成1〜により達成された。
【0014】
1.着色剤と樹脂を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーにおいて、
1分子に2つ以上のスルホン酸基または該スルホン酸基の塩を置換基として有する界面活性剤を10ppm〜10000ppm含有し、該トナー粒子の形状係数の変動係数が16%以下、個数基準の平均粒子径の変動係数が27%以下であり、且つ、該界面活性剤が前記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【0017】
2.前記界面活性剤が前記一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用トナー。
【0018】
3.前記1または2に記載の静電荷像現像用トナーを製造するに当たり、前記一般式(1)または(2)で表される、少なくとも1種の界面活性剤を含む水系媒体中で樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させる工程、次いで、凝集、融着した粒子を固液分離し、分離した該粒子を洗浄、乾燥する工程を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
【0019】
4.着色剤粒子を予め前記一般式(1)または(2)で表される、少なくとも1種の界面活性剤を含む水系媒体中で分散して着色剤分散液を調製した後、該着色剤分散液と、樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液とを混合し、該着色剤粒子と該樹脂粒子とを凝集、融着させる工程を有することを特徴とする前記に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【0020】
5.樹脂粒子を予め前記一般式(1)または(2)で表される、少なくとも1種の界面活性剤を含む水系媒体中で分散して樹脂粒子分散液を調製した後、該樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を含む着色剤粒子分散液とを混合し、該着色剤粒子と該樹脂粒子とを凝集、融着させる工程を有することを特徴とする前記に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
【0021】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者等は、上記記載の問題点を種々検討した結果、請求項1に記載のように、着色剤と樹脂を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーにおいて、1分子に2つ以上のスルホン酸基または該スルホン酸基の塩を置換基として有する界面活性剤を10ppm〜10000ppm含有するように調整することにより、帯電の立ち上がりと安定性に優れ、画像の透明性が良好であり、感光体フィルミングの発生がなく、湿度環境によらず、常にシャープな帯電量分布を示し、高品位、高画質な画像が得られ、且つ、メンテナンス時のハンドリング特性に優れている静電荷像現像用トナーを得ることができた。
【0022】
その理由としては、本発明に係る界面活性剤は従来公知の界面活性剤のように帯電を阻害したり、リークさせることがなく、逆にトナーの帯電を安定させる優れた『荷電制御機能』を有していること、更にトナー粒子製造中において種々の金属元素等との難溶性の副生成物の生成が極めて少ないことが見いだされた。その結果として、上記のような本発明に記載の効果が得られたものと考えている。
【0023】
本発明に係る界面活性剤とは異なり、とりわけ、乳化会合型の重合トナーの場合、着色剤を従来公知の界面活性剤溶液中で分散する際、着色剤の分散にいくら工夫を施してもわずかに粗大な着色剤粒子凝集体が残存しやすいという問題点がある。
【0024】
そのような粗大な着色剤粒子凝集体はトナー粒子内部に取り込まれず、トナー粒子の表面に付着したまま、洗浄されることなく残留し、その結果、帯電不良、感光体でのフィルミング発生の原因となり、また、トナー粒子内部においても、着色剤粒子の分散が不均一となりやすく、画像の透明性、OHTの透過性低下が招来されやすいということが指摘されている。
【0025】
遊離した着色剤があるとトナー補給等のメンテナンス時に被覆や身体等にトナーが付着した際、遊離した着色剤により容易に汚染されやすく、且つ、その汚れは洗剤等の使用でも除去が難しいやっかいな汚れになりやすい。
【0026】
また、従来公知のアルキルベンゼン硫酸塩系の界面活性剤では、着色剤を分散する際に微量ながら界面活性剤の不溶塩が形成されやすい傾向があり、これがトナー粒子表面に付着し帯電阻害を引き起こし、トナーの帯電量分布がブロードになりやすくなり、結果として画像品位・品質の低下を招くこととなり大きな問題となっているが、本発明に係る界面活性剤は、本発明に記載の効果と相俟って、そのような問題点についても改善効果があることが見いだされている。
【0027】
本発明において、1分子に2つ以上のスルホン酸基または該スルホン酸基の塩を置換基として有する界面活性剤としては、請求項2に記載の前記一般式(1)で表される化合物または、請求項3に記載の前記一般式(2)で表される化合物が好ましく用いられる。
【0028】
《一般式(1)または(2)で表される化合物(界面活性剤)》
前記一般式(1)または(2)で表される化合物は、本発明の静電荷像現像用トナーの製造工程において、樹脂粒子の分散液の調製、着色剤粒子の分散液の調製、前記樹脂粒子と着色剤粒子とを融着させ着色粒子を形成する工程時等に用いられ、前記着色粒子に外添剤が添加されて最終的にトナー粒子が形成された後もトナー中に存在することが特徴である。
【0029】
一般式(1)で表される化合物(界面活性剤ともいう)について説明する。
1で表される炭素数8〜12のアルキル基としては、例えば、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等が挙げられるが、直鎖状でも分岐状でもよい。
【0030】
2で表される置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、ビシクロアルキル基(例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、オクテニル基等)、シクロアルケニル基(例えば、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等)、ビシクロアルケニル基(例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基、エチニル基、トリメチルシリルエチニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p−トリル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、複素環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基、ピリジルオキシ基、チアゾリルオキシ基、オキサゾリルオキシ基、イミダゾリルオキシ基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシル基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、複素環チオ基(例えば、ピリジルチオ基、チアゾリルチオ基、オキサゾリルチオ基、イミダゾリルチオ基、フリルチオ基、ピロリルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、ホルミルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アルキルスルフィニル基またはアリールスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、N−メチルアニリノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基等)、アミノカルボニルオキシ基(例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等)、アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ基等)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等)、スルファモイルアミノ基(例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等)、メルカプト基、アリールアゾ基(例えば、フェニルアゾ基、ナフチルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基等)、複素環アゾ基(例えば、ピリジルアゾ基、チアゾリルアゾ基、オキサゾリルアゾ基、イミダゾリルアゾ基、フリルアゾ基、ピロリルアゾ基)、イミノ基(例えば、N−スクシンイミド−1−イル基、N−フタルイミド−1−イル基等)、ホスフィノ基(例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等)、ホスフィニル基(例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等)、ホスフィニルオキシ基(例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等)、ホスフィニルアミノ基(例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基等)、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、スルホ基、カルボキシル基等が挙げられる。
【0031】
ここで、R2で表される基が複数の場合には、R2で表される各々の基は同一でもよく異なっていても良い。
【0032】
一般式(1)において、SO31、SO32で各々表される基において、M1、M2で各々表される1価の金属元素としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等が挙げられる。中でも、ナトリウムが好ましく用いられる。また、M1、M2で表される金属元素は、同一でもよく異なっていてもよい。
【0033】
一般式(1)において、n1は1〜6の整数を表すが、好ましくは、1〜3の整数である。
【0034】
次に、一般式(2)で表される化合物について説明する。
3で表される炭素数8〜12のアルキル基は、前記一般式(1)のR1で表される炭素数8〜12のアルキル基と同義である。
【0035】
4、R5、R6及びR7で、各々表される置換基は、一般式(1)のR2で表される基と同義である。
【0036】
m1は、1〜5の整数、p1〜p3は、各々1〜3の整数、p4は1〜4の整数を表す。
【0037】
3、M4で各々表される2価の金属元素としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム等が挙げられるが、カルシウム、マグネシウムが好ましく、中でも、カルシウムが最も好ましく用いられる。
【0038】
本発明に係る一般式(1)または一般式(2)で表される化合物(界面活性剤)の具体例を示すが本発明はこれらに限定されない。
【0039】
【化3】
Figure 0004114559
【0040】
また、本発明の静電荷像現像用トナー中における1分子に2つ以上のスルホン酸基または該スルホン酸基の塩を置換基として有する界面活性剤、前記一般式(1)または(2)で表される化合物の含有量としては、10ppm〜10000ppmであることが必須要件であるが、好ましくは、100ppm〜8000ppmであり、更に好ましくは450ppm〜6400ppmである。
【0041】
本発明の静電荷像現像用トナー中における、1分子に2つ以上のスルホン酸基または該スルホン酸基の塩を置換基として有する界面活性剤、前記界面活性剤の具体例である、前記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の含有量を上記記載の含有量に調製する為の手段としては、
(a)ラテックスの調製、着色剤の分散時の使用量、(b)着色粒子の作製時の洗浄条件の調製、(c)着色粒子作製後、トナーの作製または現像剤作製後に後添加する等の中から、適切なものを選択する等の手段を適用することにより調整可能である。
【0042】
本発明のトナーに、1分子に2つ以上のスルホン酸基または該スルホン酸基の塩を置換基として有する界面活性剤、前記界面活性剤の具体例である、前記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を上記記載の範囲で含有させることにより、本発明に記載の効果を得ることはもちろんであるが、トナーの帯電性が環境の影響に左右されず、常に均一、且つ、安定に付与、維持するという副次的効果をも併せて得ることが出きる。
【0043】
本発明に係る界面活性剤は、トナーの荷電制御性向上の観点から、水分53%の時に無機塩を0.1質量%〜5質量%含むことが好ましく、更に好ましくは1質量%〜3質量%の範囲で含むことである。ここで、前記界面活性剤中の無機塩の含有量は、界面活性剤を所定の
また、前記一般式(1)または(2)で表される、少なくとも1種の界面活性剤を含む水系媒体中で樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させる工程において、生成する凝集・融着粒子中での着色剤の分散性を高める観点から、前記界面活性剤の10質量%水溶液のpHが8〜11を示すことが好ましい。
【0044】
本発明の静電荷像現像用トナー中の、1分子に2つ以上のスルホン酸基または該スルホン酸基の塩を置換基として有する界面活性剤、前記界面活性剤の具体例である、前記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物のトナー中の含有量の測定方法は以下の通りである。
【0045】
《トナー中の界面活性剤量の測定》
1分子に2つ以上のスルホン酸基または該スルホン酸基の塩を置換基として有する界面活性剤、前記界面活性剤の具体例である、前記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の測定は、まず、トナー1gを50mlのクロロホルムに溶解させ、100mlのイオン交換水でクロロホルム層より界面活性剤を抽出、このクロロホルム層を100mlのイオン交換水でもう一度抽出、計200mlの抽出液(水層)を500mlまで希釈、この希釈液を試験液としてJIS33636項に規定の方法に従いメチレンブルーで呈色させ、吸光度を測定し、別途作成した検量線より、トナー中の含有量を測定した。
【0046】
また、一般式(1)または一般式(2)で表される界面活性剤の構造は、上記の抽出物を1H−NMR(13C−NMR等も併用する)を用いて分析し、構造決定した。
【0047】
本発明においては、水系媒体中で調製した樹脂粒子の分散液から、樹脂粒子を塩析、凝集、融着する工程において、1価、2価または3価の金属塩が凝集剤として好ましく用いられるが、更に好ましくは2価または3価の金属塩を凝集剤として用いることである。その理由は、1価の金属塩より2価、3価の金属塩のほうが臨界凝集濃度(凝析値あるいは凝析点)が小さいからである。
【0048】
本発明に用いられる凝集剤または凝集停止剤として用いられる金属塩について説明する。
【0049】
金属塩としては、1価の金属、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、2価の金属、例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩、マンガン、銅等の2価の金属塩、鉄、アルミニウム等の3価の金属塩等が挙げられる。これら金属塩の具体例を以下に示す。
【0050】
1価の金属の金属塩の具体例としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム等が挙げられる。2価の金属の金属塩としては、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等が挙げられる。3価の金属塩としては、塩化アルミニウム、塩化鉄等が挙げられる。これらは目的に応じて適宜選択される。
【0051】
上記の臨界凝集濃度とは、水性分散液中の分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加し、凝集が起こる点の濃度を示している。この臨界凝集濃度は、ラテックス自身及び分散剤により大きく変化する。例えば、岡村誠三他著、高分子化学17,601(1960)等に記述されており、これらの記載に従えばその値を知ることが出来る。
【0052】
また、別の方法として、目的とする粒子分散液に所望の塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ電位を測定し、ζ電位が変化し出す点の塩濃度を臨界凝集濃度とすることも可能である。
【0053】
本発明に係る上記記載の金属塩を用いて臨界凝集濃度以上の濃度になるように重合体微粒子分散液を処理する。この時、当然の事ながら、金属塩を直接加えるか、水溶液として加えるかは、その目的に応じて任意に選択される。水溶液として加える場合には、重合体粒子分散液の容量と金属塩水溶液の総容量に対し、添加した金属塩が重合体粒子の臨界凝集濃度以上になる必要がある。
【0054】
凝集剤として用いられる金属塩の濃度は、臨界凝集濃度以上であれば良いが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、更に好ましくは1.5倍以上添加される。
【0055】
尚、複合樹脂粒子(粒子が多層構成になっていたり、粒子中に添加剤等のような他の構成成分が含まれる場合を複合樹脂粒子と呼ぶ)や着色剤粒子が分散している分散液中に凝集剤を添加する際の当該分散液の温度は、複合樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以下であることが好ましく、具体的には5〜55℃の範囲であることが好ましく、更に好ましくは10℃〜45℃とされる。
【0056】
凝集剤を添加するときの分散液の温度が、複合樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以上となる場合には、粒径の制御を行うことが困難となり巨大粒子が生成されやすい。
【0057】
この塩析、凝集、融着する工程においては、複合樹脂粒子と着色剤粒子とが分散されてなる分散液の温度が、当該複合樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以下のときに、当該分散液を攪拌しながら凝集剤を添加し、その後速やかに当該分散液の加熱を開始して、複合樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以上の温度とすることが好ましい。
【0058】
また、本発明においては樹脂粒子と着色剤を水系媒体中において塩析、凝集、融着させて着色粒子(本発明では、トナー粒子と呼ぶ)を得た後、前記トナー粒子を水系媒体から分離するときに、水系媒体中に存在している界面活性剤のクラフト点以上の温度で行うことが好ましく、更に好ましくは、クラフト点〜(クラフト点+20℃)の温度範囲で行うことである。
【0059】
上記のクラフト点とは、界面活性剤を含有した水溶液が白濁化しはじめる温度であり、クラフト点の測定は下記のように行われる。
【0060】
《クラフト点の測定》
塩析、凝集、融着する工程で用いる水系媒体すなわち界面活性剤溶液に、実際に使用する量の凝集剤を加えた溶液を調製し、この溶液を1℃で5日間貯蔵した。次いで、この溶液を攪拌しながら透明になるまで徐々に加熱した。溶液が透明になった温度をクラフト点として定義する。
【0061】
トナー粒子への過剰帯電を抑え、均一な帯電性を付与するという観点から、特に環境に対して帯電性を安定化し、維持する為に、本発明の静電荷像現像用トナーは、上記に記載の金属元素(形態として、金属、金属イオン等が挙げられる)をトナー中に250ppm〜20000ppm含有することが好ましく、更に好ましくは800ppm〜5000ppmである。
【0062】
また、本発明においては、凝集剤に用いる2価(3価)の金属元素と後述する凝集停止剤として加える1価の金属元素の合計値が350ppm〜35000ppmであることが好ましい。
【0063】
トナー中の金属イオン残存量の測定は、蛍光X線分析装置「システム3270型」〔理学電気工業(株)製〕を用いて、凝集剤として用いられる金属塩の金属種(例えば、塩化カルシウムに由来するカルシウム等)から発する蛍光X線強度を測定することによって求めることができる。具体的な測定法としては、凝集剤金属塩の含有割合が既知のトナーを複数用意し、各トナー5gをペレット化し、凝集剤金属塩の含有割合(質量ppm)と、当該金属塩の金属種からの蛍光X線強度(ピーク強度)との関係(検量線)を測定する。次いで、凝集剤金属塩の含有割合を測定すべきトナー(試料)を同様にペレット化し、凝集剤金属塩の金属種からの蛍光X線強度を測定し、含有割合すなわち「トナー中の金属イオン残存量」を求めることが出来る。
【0064】
《静電荷像現像用トナーの製造方法》
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法について説明する。
【0065】
本発明のトナーは、着色剤の不存在下において複合樹脂粒子を形成し、当該複合樹脂粒子の分散液に着色剤粒子の分散液を加え、当該複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させることにより製造されるものである。
【0066】
本発明のトナー中に、1分子に2つ以上のスルホン酸基または該スルホン酸基の塩を置換基として有する界面活性剤を10ppm〜10000ppmの量を含有させる手段としては、上記の製造工程時のいずれかの段階で前記界面活性剤を加えることが好ましい。
【0067】
このように、複合樹脂粒子の調製を着色剤の存在しない系で行うことにより、複合樹脂粒子を得るための重合反応が阻害されることない。このため、本発明のトナーによれば、優れた耐オフセット性が損なわれることはなく、トナーの蓄積による定着装置の汚染や画像汚れを発生させることはない。
【0068】
また、複合樹脂粒子を得るための重合反応が確実に行われる結果、得られるトナー粒子中に単量体やオリゴマーが残留するようなことはなく、当該トナーを使用する画像形成方法の熱定着工程において、異臭を発生させることはない。
【0069】
さらに、得られるトナー粒子の表面特性は均質であり、帯電量分布もシャープとなるため、鮮鋭性に優れた画像を長期にわたり形成することができる。
【0070】
本発明のトナーを構成する「複合樹脂粒子」とは、樹脂からなる核粒子の表面を覆うように、当該核粒子を形成する樹脂とは分子量および/または組成の異なる樹脂からなる1または2以上の被覆層が形成されている多層構造の樹脂粒子をいうものとする。
【0071】
また、複合樹脂粒子の「中心部(核)」とは、複合樹脂粒子を構成する「核粒子」をいう。
【0072】
また、複合樹脂粒子の「外層(殻)」とは、複合樹脂粒子を構成する「1または2以上の被覆層」のうち最外層をいう。
【0073】
また、複合樹脂粒子の「中間層」とは、中心部(核)と外層(殻)の間に形成される被覆層をいうものとする。
【0074】
複合樹脂粒子の分子量分布は単分散ではなく、また、複合樹脂粒子は、通常、その中心部(核)から外層(殻)にかけて分子量勾配を有している。
【0075】
本発明において、複合樹脂粒子を得るために「多段重合法」を用いることが、分子量分布制御の観点から、すなわち定着強度、耐オフセット性を確保する観点から好ましい。本発明において、複合樹脂粒子を得るための「多段重合法」とは、単量体(n)を重合処理(第n段)して得られた樹脂粒子(n)の存在下に、単量体(n+1)を重合処理(第n+1段)して、当該樹脂粒子(n)の表面に、単量体(n+1)の重合体(樹脂粒子(n)の構成樹脂とは分散および/または組成の異なる樹脂)からなる被覆層(n+1)を形成する方法を示す。
【0076】
ここに、樹脂粒子(n)が核粒子である場合(n=1)には、「二段重合法」となり、樹脂粒子(n)が複合樹脂粒子である場合(n≧2)には、三段以上の多段重合法となる。
【0077】
多段重合法によって得られる複合樹脂粒子中には、組成および/または分子量が異なる複数の樹脂が存在することになる。従って、当該複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させることにより得られるトナーは、トナー粒子間において、組成・分子量・表面特性のバラツキがきわめて小さい。
【0078】
このようなトナー粒子間における組成・分子量・表面特性が均質であるトナーによれば、接触加熱方式による定着工程を含む画像形成方法において、画像支持体に対する良好な接着性(高い定着強度)を維持しながら、耐オフセット性および巻き付き防止特性の向上を図ることができ、適度の光沢を有する画像を得ることができる。
【0079】
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法の一例を具体的に示すと、
(1)離型剤及び/又は結晶性ポリエステルが、最外層以外の領域(中心部または中間層)に含有されるように調製された複合樹脂粒子を得るための多段重合工程(I)、
(2)複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させてトナー粒子を得る塩析、凝集、融着する工程(II)、
(3)トナー粒子の分散系からトナー粒子を濾別し、トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程、
(4)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程、
(5)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程から構成される。
【0080】
以下、各工程について説明する。
《多段重合工程(I)》
多段重合工程(I)は、樹脂粒子(n)の表面に、単量体(n+1)の重合体からなる被覆層(n+1)を形成する多段重合法により、複合樹脂粒子を製造する工程である。ここで、製造の安定性、および得られるトナーの破砕強度の観点から三段重合以上の多段重合法を採用することが好ましい。
【0081】
以下に、多段重合法の代表例である二段重合法および三段重合法について説明する。
【0082】
《二段重合法の説明》
二段重合法は、離型剤を含有する高分子量樹脂から形成される中心部(核)と、低分子量樹脂から形成される外層(殻)とにより構成される複合樹脂粒子を製造する方法である。すなわち、二段重合法で得られる複合樹脂粒子は核と一層の被覆層から構成される。
【0083】
この方法を具体的に説明すると、先ず、離型剤を単量体(H)に溶解させて得られた単量体溶液を水系媒体(界面活性剤の水溶液)中に油滴分散させた後、この系を重合処理(第1段重合)することにより、離型剤を含有する高分子量の樹脂粒子(H)の分散液を調製する。
【0084】
次いで、この樹脂粒子(H)の分散液に、重合開始剤と、低分子量樹脂を得るための単量体(L)とを添加し、当該樹脂粒子(H)の存在下に単量体(L)を重合処理(第二段重合)することにより、当該樹脂粒子(H)の表面に、低分子量の樹脂(単量体(L)の重合体)からなる被覆層(L)を形成する。
【0085】
《三段重合法の説明》
三段重合法は、高分子量樹脂から形成される中心部(核)と、離型剤を含有する中間層と、低分子量樹脂から形成される外層(殻)とにより構成される複合樹脂粒子を製造する方法である。すなわち、三段重合法で得られる複合樹脂粒子は核と2層の被覆層から構成される。
【0086】
この方法を具体的に説明すると、先ず、常法に従った重合処理(第1段重合)により得られた樹脂粒子(H)の分散液を、水系媒体(界面活性剤の水溶液)に添加するとともに、当該水系媒体中に、離型剤を単量体(M)に溶解させてなる単量体溶液を油滴分散させた後、この系を重合処理(第二段重合)することにより、当該樹脂粒子(H)(核粒子)の表面に、離型剤を含有する樹脂(単量体(M)の重合体)からなる被覆層(M)(中間層)を形成してなる複合樹脂粒子〔高分子量樹脂(H)−中間分子量樹脂(M)〕の分散液を調製する。
【0087】
次いで、得られた複合樹脂粒子の分散液に、重合開始剤と、低分子量樹脂を得るための単量体(L)とを添加し、当該複合樹脂粒子の存在下に単量体(L)を重合処理(第三段重合)することにより、当該複合樹脂粒子の表面に、低分子量の樹脂(単量体(L)の重合体)からなる被覆層(L)を形成する。
【0088】
この三段重合法において、樹脂粒子(H)の表面に被覆層(M)を形成する際に、当該樹脂粒子(H)の分散液を水系媒体(界面活性剤の水溶液)に添加するとともに、当該水系媒体中に、離型剤を単量体(M)に溶解させてなる単量体溶液を油滴分散させた後、この系を重合処理(第二段重合)する方法を採用することにより、離型剤を微細かつ均一に分散させることができる。
【0089】
尚、樹脂粒子(H)の分散液の添加処理および、単量体溶液の油滴分散処理については、下記に記載のように何れを先行して実施してもよいし、同時に行ってもよい。
【0090】
(a)複合樹脂粒子を構成する中間層を形成する際に、複合樹脂粒子の中心部(核)となる樹脂粒子を界面活性剤の水溶液中に添加した後、当該水溶液中に、離型剤/結晶性ポリエステルを含有する単量体組成物を分散させ、この系を重合処理する態様、
(b)複合樹脂粒子を構成する中間層を形成する際に、離型剤/結晶性ポリエステルを含有する単量体組成物を界面活性剤の水溶液中に分散させた後、当該水溶液中に、複合樹脂粒子の中心部(核)となる樹脂粒子を添加し、この系を重合処理する態様、
(c)複合樹脂粒子を構成する中間層を形成する際に、複合樹脂粒子の中心部(核)となる樹脂粒子を界面活性剤の水溶液中に添加すると同時に、当該水溶液中に、離型剤/結晶性ポリエステルを含有する単量体組成物を分散させ、この系を重合処理する態様が含まれる。
【0091】
離型剤を含有する樹脂粒子(核粒子)または被覆層(中間層)を形成する方法としては、離型剤を単量体に溶解させ、得られる単量体溶液を水系媒体中に油滴分散させ、この系を重合処理することにより、ラテックス粒子として得る方法を採用することができる。
【0092】
ここで、「水系媒体」とは、水50質量%〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0質量%〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
【0093】
離型剤を含有する樹脂粒子または被覆層を形成するために好適な重合法としては、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を溶解してなる水系媒体中に、離型剤を単量体に溶解してなる単量体溶液を、機械的エネルギーを利用して油滴分散させて分散液を調製し、得られた分散液に水溶性重合開始剤を添加して、油滴内でラジカル重合させる方法(以下、「ミニエマルジョン法」という)を挙げることができる。なお、水溶性重合開始剤を添加することに代えて、または、当該水溶性重合開始剤を添加するとともに、油溶性の重合開始剤を前記単量体溶液中に添加してもよい。
【0094】
機械的に油滴を形成するミニエマルジョン法によれば、通常の乳化重合法とは異なり、油相に溶解させた離型剤が脱離することがなく、形成される樹脂粒子または被覆層内に十分な量の離型剤を導入することができる。
【0095】
ここに、機械的エネルギーによる油滴分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではなく、高速回転するローターを備えた攪拌装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンおよび圧力式ホモジナイザーなどを挙げることができる。また、分散粒子径としては、10nm〜1000nmとされ、好ましくは50nm〜1000nm、更に好ましくは30nm〜300nmとされる。
【0096】
尚、離型剤を含有する樹脂粒子または被覆層を形成するための重合法として、乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法などの公知の方法を採用することもできる。また、これらの重合法は、複合樹脂粒子を構成する樹脂粒子(核粒子)または被覆層であって、離型剤及び結晶性ポリエステルを含有しないものを得るためにも採用することができる。
【0097】
この重合工程(I)で得られる複合樹脂粒子の粒子径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定される重量平均粒径で10〜1000nmの範囲にあることが好ましい。
【0098】
また、複合樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は48℃〜74℃の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは52℃〜64℃である。複合樹脂粒子の軟化点は95℃〜140℃の範囲にあることが好ましい。
【0099】
《塩析、凝集、融着する工程(II)》
この塩析、凝集、融着する工程(II)は、多段重合工程(I)によって得られた複合樹脂粒子と、着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させる(塩析と融着とを同時に起こさせる)ことによって、不定形(非球形)のトナー粒子を得る工程である。
【0100】
この塩析、凝集、融着する工程(II)においては、複合樹脂粒子および着色剤粒子とともに、荷電制御剤などの内添剤粒子(数平均一次粒子径が10nm〜1000nm程度の微粒子)を塩析、凝集、融着させてもよい。
【0101】
着色剤粒子は、表面改質されていてもよい。ここに、表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができる。
【0102】
着色剤粒子は、水性媒体中に分散された状態で塩析、凝集、融着処理に供される。着色剤粒子が分散される水性媒体は、臨界ミセル濃度(CMC)以上の濃度で界面活性剤が溶解されている水溶液を挙げることができる。
【0103】
ここに界面活性剤としては、多段重合工程(I)で使用した界面活性剤と同一のものを使用することができる。
【0104】
着色剤粒子の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは、高速回転するローターを備えた攪拌装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)、超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリン、圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、ゲッツマンミル、ダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
【0105】
上記の着色剤粒子の分散処理時に、本発明に係る、1分子に2つ以上のスルホン酸基または該スルホン酸基の塩を置換基として有する界面活性剤の存在下で行うことが好ましい。
【0106】
複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させるためには、複合樹脂粒子および着色剤粒子が分散している分散液中に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を添加するとともに、この分散液を、複合樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以上に加熱することが好ましい。
【0107】
上記の複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させる工程において、本発明に係る、1分子に2つ以上のスルホン酸基または該スルホン酸基の塩を置換基として有する界面活性剤を用いてもよい。
【0108】
更に好ましくは、凝集剤により複合樹脂粒子が所望の粒径に達した段階で凝集停止剤が用いられる。その凝集停止剤としては、1価の金属塩、中でも塩化ナトリウムが好ましく用いられる。
【0109】
塩析、凝集、融着させるために好適な温度範囲としては、(Tg+10)〜(Tg+50℃)とされ、特に好ましくは(Tg+15)〜(Tg+40℃)とされる。また、融着を効果的に行なわせるために、水に無限溶解する有機溶媒を添加してもよい。
【0110】
ここに、塩析、凝集、融着の際に使用する「凝集剤」としては、前述のようなアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。
【0111】
本発明に係る塩析、凝集について説明する。
本発明において、「塩析、凝集、融着」するとは、塩析(粒子の凝集)と融着(粒子間の界面消失)とが同時に起こること、または、塩析と融着とを同時に起こさせる行為をいう。
【0112】
塩析と融着とを同時に行わせるためには、複合樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度条件下において粒子(複合樹脂粒子、着色剤粒子)を凝集させることが好ましい。
【0113】
本発明の静電荷像現像用トナーは、着色剤の不存在下において複合樹脂粒子を形成し、当該複合樹脂粒子の分散液に着色剤粒子の分散液を加え、当該複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析、凝集、融着させることにより調製されることが好ましい。
【0114】
このように、複合樹脂粒子の調製を着色剤の存在しない系で行うことにより、複合樹脂粒子を得るための重合反応が阻害されることない。このため、本発明のトナーによれば、優れた耐オフセット性が損なわれることはなく、トナーの蓄積による定着装置の汚染や画像汚れを発生させることはない。
【0115】
また、複合樹脂粒子を得るための重合反応が確実に行われる結果、得られるトナー粒子中に単量体やオリゴマーが残留するようなことはなく、当該トナーを使用する画像形成方法の熱定着工程において、異臭を発生させることはない。
【0116】
さらに、得られるトナー粒子の表面特性は均質であり、帯電量分布もシャープとなるため、鮮鋭性に優れた画像を長期にわたり形成することができる。このようなトナー粒子間における組成・分子量・表面特性が均質であるトナーによれば、接触加熱方式による定着工程を含む画像形成方法において、画像支持体に対する良好な接着性(高い定着強度)を維持しながら、耐オフセット性および巻き付き防止特性の向上を図ることができ、適度の光沢を有する画像を得ることができる。
【0117】
本発明のトナーに用いられる離型剤について説明する。
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する離型剤の含有割合としては、通常1質量%〜30質量%とされ、好ましくは2質量%〜20質量%、更に好ましくは3質量%〜15質量%とされる。
【0118】
離型剤は低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等を添加してもよく、好ましい離型剤は下記一般式で表されるエステル系化合物が好ましい。
【0119】
一般式
1−(OCO−R2n
式中、nは1〜4の整数を表し、好ましくは2〜4、更に好ましくは3〜4であり、特に好ましくは4である。
【0120】
1、R2は置換基を有しても良い炭化水素基を示す。
1:炭素数=1〜40、好ましくは1〜20、更に好ましくは2〜5
2:炭素数=1〜40、好ましくは16〜30、更に好ましくは18〜26以下に、上記一般式で表されるエステル化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
【0121】
【化4】
Figure 0004114559
【0122】
【化5】
Figure 0004114559
【0123】
上記記載の離型剤、一般式で表される定着改良剤の添加量としては、静電荷像現像用トナー全体に1質量%〜30質量%、好ましくは2質量%〜20質量%、さらに好ましくは3質量%〜15質量%である。
【0124】
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する樹脂成分の好ましい分子量、分子量範囲、ピーク分子量等について説明する。
【0125】
本発明のトナーは、ピークまたはショルダーが100,000〜1,000,000、および1,000〜50,000に存在することが好ましく、さらにピークまたはショルダーが100,000〜1,000,000と、25,000〜150,000と、1,000〜50,000の範囲に存在することがさらに好ましい。
【0126】
トナーの樹脂の分子量は、100,000〜1,000,000の領域にピークもしくは肩(ショルダー)を有する高分子量成分と、1,000〜50,000未満の領域にピークもしくは肩(ショルダー)を有する低分子量成分の両成分を少なくとも含有する樹脂が好ましい。さらに好ましくは、ピーク分子量で15,000〜100,000の部分にピークまたは肩を有する中間分子量体の樹脂を使用することである。
【0127】
上記の分子量の測定は、THF(テトラヒドロフラン)をカラム溶媒として用いるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて分子量測定を行う。
【0128】
具体的には、測定試料を1mgに対してTHFを1ml加え、室温下にてマグネチックスターラーを用いて撹拌を行い、充分に溶解させる。ついで、ポアサイズ0.45〜0.50μmのメンブランフィルターで処理した後に、GPCへ注入する。GPCの測定条件は、40℃にてカラムを安定化させ、THFを毎分1mlの流速で流し、1mg/mlの濃度の試料を約100μl注入して測定する。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせて使用することが好ましい。例えば、昭和電工社製のShodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807の組合せや、東ソー社製のTSKgelG1000H、G2000H、G3000H、G4000H、G5000H、G6000H、G7000H、TSK guard columnの組合せなどをあげることができる。
【0129】
検出器としては、屈折率検出器(IR検出器)、あるいはUV検出器が好ましく用いられる。試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作成した検量線を用いて算出する。検量線作成用のポリスチレンとしては10点程度用いることが好ましい。
【0130】
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法に係る、濾過・洗浄工程について説明する。
【0131】
この濾過・洗浄工程では、上記の工程で得られたトナー粒子の分散系からトナー粒子を濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や凝集剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。
【0132】
ここに、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法など特に限定されない。
【0133】
上記の濾過・洗浄工程において、本発明に係る、1分子に2つ以上のスルホン酸基または該スルホン酸基の塩を置換基として有する界面活性剤は、工程に用いられた大部分が、洗浄操作によりトナー粒子から流出するが、固形分の20倍〜80倍、好ましくは30倍〜60倍のイオン交換水で洗浄することにより、トナー中に10ppm〜10000ppmの範囲で含有させることが出来る。
【0134】
《乾燥工程》
この工程は、洗浄処理されたトナー粒子を乾燥処理する工程である。
【0135】
この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
【0136】
乾燥処理されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。
【0137】
尚、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
【0138】
本発明に係る重合性単量体について説明する。
(1)疎水性単量体
単量体成分を構成する疎水性単量体としては、特に限定されるものではなく従来公知の単量体を用いることができる。また、要求される特性を満たすように、1種または2種以上のものを組み合わせて用いることができる。
【0139】
具体的には、モノビニル芳香族系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を用いることができる。
【0140】
ビニル芳香族系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体およびその誘導体が挙げられる。
【0141】
アクリル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
【0142】
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
【0143】
ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0144】
モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
【0145】
ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0146】
(2)架橋性単量体
樹脂粒子の特性を改良するために架橋性単量体を添加しても良い。架橋性単量体としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
【0147】
(3)酸性極性基を有する単量体
酸性極性基を有する単量体としては、(a)カルボキシル基(−COOH)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物及び(b)スルホン基(−SO3H)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物を挙げることができる。
【0148】
(a)の−COO基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル、およびこれらのNa、Zn等の金属塩類等を挙げることができる。
【0149】
(b)スルホ基(−SO3H基)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の例としてはスルホン化スチレン、そのNa塩、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル、そのNa塩等を挙げることができる。
【0150】
本発明に係る重合性単量体の重合に用いられる開始剤(重合開始剤ともいう)について説明する。
【0151】
本発明に用いられる重合開始剤は水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド等のパーオキサイド化合物等が挙げられる。
【0152】
更に上記重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせレドックス系開始剤とする事が可能である。レドックス系開始剤を用いる事で、重合活性が上昇し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。
【0153】
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが、例えば50℃から80℃の範囲が用いられる。又、常温開始の重合開始剤、例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いる事で室温またはそれに近い温度で重合する事も可能である。
【0154】
(連鎖移動剤)
本発明に用いられる連鎖移動剤について説明する。
【0155】
本発明においては、重合性単量体が重合して生成する樹脂粒子の分子量を調整することを目的として、従来公知の一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。
【0156】
連鎖移動剤としては、特に限定されないが、特に、メルカプト基を有する化合物は分子量分布がシャープであるトナーが得られ、保存性、定着強度、耐オフセット性に優れるために好ましく用いられる。例えば、ペンタンチオール、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、ノナンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、tert−ドデカンチオール等のメルカプト基を有するチオール化合物が用いられる。
【0157】
また、好ましいものとしては、例えば、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸t−ブチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸デシル、チオグリコール酸ドデシル、エチレングリコールのチオグリコール酸エステル、ネオペンチルグリコールのチオグリコール酸エステル、ペンタエリスリトールのチオグリコール酸エステル等を挙げることが出来る。
【0158】
中でも、トナー加熱定着時の臭気を抑制する観点から、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステルが好ましく用いられる。
【0159】
《着色剤》
本発明に係る着色剤について説明する。
【0160】
本発明の静電荷像現像用トナーに係る着色剤は、トナーの帯電の均一性向上の観点から、トナー製造時、上記記載の複合樹脂粒子の塩析、凝集、融着時に樹脂粒子と共に塩析、凝集、融着され、トナー粒子中に含有されることが好ましい。
【0161】
本発明のトナーを構成する着色剤(複合樹脂粒子との塩析、凝集、融着に供される着色剤粒子)としては、各種の無機顔料、有機顔料、染料を挙げることができる。無機顔料としては、従来公知のものを用いることができる。具体的な無機顔料を以下に例示する。
【0162】
黒色の顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
【0163】
これらの無機顔料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0164】
磁性トナーとして使用する際には、前述のマグネタイトを添加することができる。この場合には所定の磁気特性を付与する観点から、トナー中に20〜120質量%添加することが好ましい。
【0165】
有機顔料及び染料としても従来公知のものを用いることができる。具体的な有機顔料及び染料を以下に例示する。
【0166】
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0167】
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156等が挙げられる。
【0168】
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0169】
また、染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事ができる。
【0170】
これらの有機顔料及び染料は所望に応じて単独または複数を選択併用する事が可能である。また顔料の添加量は重合体に対して2〜20質量%であり、好ましくは3〜15質量%が選択される。
【0171】
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する着色剤(着色剤粒子)は、表面改質されていてもよい。ここに、表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等を好ましく用いることができる。
【0172】
シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のアルコキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等のシロキサン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0173】
チタンカップリング剤としては、例えば、味の素社製の「プレンアクト」と称する商品名で市販されているTTS、9S、38S、41B、46B、55、138S、238S等、日本曹達社製の市販品A−1、B−1、TOT、TST、TAA、TAT、TLA、TOG、TBSTA、A−10、TBT、B−2、B−4、B−7、B−10、TBSTA−400、TTS、TOA−30、TSDMA、TTAB、TTOP等が挙げられる。
【0174】
アルミニウムカップリング剤としては、例えば、味の素社製の「プレンアクトAL−M」等が挙げられる。
【0175】
これらの表面改質剤の添加量は、着色剤に対して0.01質量%〜20質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.1質量%〜5質量%とされる。
【0176】
着色剤粒子の表面改質法としては、着色剤粒子の分散液中に表面改質剤を添加し、この系を加熱して反応させる方法を挙げることができる。
【0177】
表面改質された着色剤粒子は、濾過により採取され、同一の溶媒による洗浄処理と濾過処理が繰り返された後、乾燥処理される。
【0178】
本発明のトナーを構成するトナー粒子には、荷電制御剤など、離型剤以外の内添剤が含有されていてもよい。
【0179】
トナー粒子中に含有される荷電制御剤としては、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩またはその金属錯体等が挙げられる。
【0180】
本発明のトナーに用いられる外添剤について説明する。
外添剤として使用できる無機微粒子としては、従来公知のものを挙げることができる。具体的には、シリカ微粒子、チタン微粒子、アルミナ微粒子等を好ましく用いることができる。これら無機微粒子は疎水性であることが好ましい。
【0181】
シリカ微粒子の具体例としては、日本アエロジル(株)製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト(株)製のHVK−2150、H−200、キャボット(株)製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
【0182】
チタン微粒子の具体例としては、例えば、日本アエロジル(株)製の市販品T−805、T−604、テイカ(株)製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン(株)製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産(株)製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
【0183】
アルミナ微粒子の具体例としては、例えば、日本アエロジル(株)製の市販品RFY−C、C−604、石原産業(株)製の市販品TTO−55等が挙げられる。
【0184】
外添剤として使用できる有機微粒子としては、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の微粒子を挙げることができる。かかる有機微粒子の構成材料としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などのを挙げることができる。
【0185】
外添剤として使用できる滑剤としては、高級脂肪酸の金属塩を挙げることができる。かかる高級脂肪酸の金属塩の具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸銅、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸金属塩;オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸銅、オレイン酸マグネシウム等のオレイン酸金属塩;パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム等のパルミチン酸金属塩;リノール酸亜鉛、リノール酸カルシウム等のリノール酸金属塩;リシノール酸亜鉛、リシノール酸カルシウムなどのリシノール酸金属塩等が挙げられる。
【0186】
外添剤の添加量としては、トナーに対して0.1〜5質量%程度であることが好ましい。
【0187】
外添剤の添加工程に着いて説明する。
この工程は、乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程である。
【0188】
外添剤を添加するために使用される装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシエルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を挙げることができる。
【0189】
本発明の静電荷像現像用トナーの粒径について説明する。
本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で3μm〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは3μm〜8μmとされる。この粒径は、後に詳述するトナーの製造方法において、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
【0190】
個数平均粒径が3μm〜10μmであることにより、定着工程において、飛翔して加熱部材に付着しオフセットを発生させる付着力の大きいトナー微粒子が少なくなり、また、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0191】
トナーの個数平均粒径は、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザー、SLAD1100(島津製作所社製レーザー回折式粒径測定装置)等を用いて測定することができる。
【0192】
本発明においては、コールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。前記コールターマルチサイザーにおけるアパーチャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上(例えば、2μm〜40μm)のトナーの個数分布を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。
【0193】
(トナー粒子の形状係数)
本発明のトナー粒子の形状係数について説明する。
【0194】
本発明のトナーの形状係数は、下記式により示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示す。
【0195】
形状係数=((最大径/2)2×π)/投影面積
ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒子の平面上への投影像の面積をいう。
【0196】
本発明では、この形状係数は、走査型電子顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。この際、100個のトナー粒子を使用して本発明の形状係数を上記算出式にて測定したものである。
【0197】
本発明の静電荷像現像用トナーを構成するトナー粒子においては、この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上とすることが好ましく、より好ましくは、70個数%以上である。さらに好ましくは、この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上とすることであり、より好ましくは、70個数%以上である。
【0198】
この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であることにより、現像剤搬送部材などでの摩擦帯電性がより均一となり、過度に帯電したトナーの蓄積が無く、現像剤搬送部材表面よりトナーがより交換しやすくなるために、現像ゴースト等の問題も発生しにくくなる。さらに、トナー粒子が破砕しにくくなって帯電付与部材の汚染が減少し、トナーの帯電性が安定する等の副次的な効果が更に発現される。
【0199】
この形状係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えばトナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与する方法等により、形状係数を1.0〜1.6、または1.2〜1.6にしたトナーを調製し、これを通常のトナー中へ本発明の範囲内になるように添加して調整する方法がある。また、いわゆる重合法トナーを調整する段階で全体の形状を制御し、形状係数を1.0〜1.6、または1.2〜1.6に調整したトナーを同様に通常のトナーへ添加して調整する方法がある。
【0200】
(トナー粒子の形状係数の変動係数)
本発明のトナー粒子の形状係数の変動係数は下記式から算出される。
【0201】
変動係数(%)=(S1/K)×100
式中、S1は100個のトナー粒子の形状係数の標準偏差を示し、Kは形状係数の平均値を示す。
【0202】
本発明のトナーを構成するトナー粒子において、この形状係数の変動係数は16%以下であることが好ましいが、更に好ましくは14%以下である。形状係数の変動係数が16%以下であることにより、帯電量分布が更にシャープとなり、画質が向上する等の効果が得られる。
【0203】
このトナーの形状係数および形状係数の変動係数を、極めてロットのバラツキなく均一に制御するために、本発明のトナーを構成する樹脂粒子(重合体粒子)を調製(重合)、当該樹脂粒子を融着、形状制御させる工程において、形成されつつあるトナー粒子(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程終了時期を決めてもよい。モニタリングするとは、インラインに測定装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制御をするという意味である。すなわち、形状などの測定をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しながら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反応を停止する。モニタリング方法としては、特に限定されないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子社製)を使用することができる。
【0204】
本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適である。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形状などになった時点で反応を停止するものである。
【0205】
(トナーの個数変動係数)
本発明のトナーの個数粒度分布および個数変動係数はコールターカウンターTA−あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)で測定される。
【0206】
本発明においてはコールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。前記コールターマルチサイザーにおいて使用するアパーチャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径とは、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものである。トナーの「個数粒度分布における個数変動係数」は下記式から算出される。
【0207】
個数変動係数(%)=(S2/Dn)×100
式中、S2は個数粒度分布における標準偏差を示し、Dnは個数平均粒径(μm)を示す。
【0208】
本発明の静電荷像現像用トナーを構成するトナー粒子の個数変動係数は27%以下であることが必須要件であるが、好ましくは25%以下である。
【0209】
個数変動係数が27%以下に調整する理由も前記トナー粒子の形状係数の変動係数と同様に、本発明に係る前記一般式(1)または(2)で表される化合物(界面活性剤)の効果と相俟って、帯電量分布がシャープとなり、転写効率が高くし画質を向上させるためである。
【0210】
本発明のトナーにおける個数変動係数を制御する方法は特に限定されないが、例えば、トナー粒子を風力により分級する方法も使用できるが、個数変動係数をより小さくするためには液中での分級が効果的である。この液中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差に応じてトナー粒子を分別回収し調製する方法がある。
【0211】
特に懸濁重合法によりトナーを製造する場合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下とするためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すなわち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすることとなるが、このような機械的な剪断による方法では、得られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとなる。このために分級操作が必須となる。
【0212】
(トナー粒子の粒径)
本発明のトナーを構成するトナー粒子としては、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーであることが好ましい。
【0213】
相対度数(m1)と相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の粒度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成工程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制することができる。
【0214】
本発明において、前記の個数基準の粒度分布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々のトナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュータにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成されたものである。
【0215】
《測定条件》
(1)アパーチャー:100μm
(2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−11(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより調製する。
【0216】
《角のないトナー粒子》
本発明のトナーの粒子形状につていは、下記に示すような角のないトナー粒子が好ましく用いられる。
【0217】
ここで、『角のないトナー粒子』について図1を用いて説明する。
本発明に係るトナーにおいては、トナーを構成するトナー粒子中、角がないトナー粒子の割合は50個数%以上であることが好ましく、更に好ましくは、70個数%以上である。
【0218】
角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であることにより、転写されたトナー層(粉体層)の空隙が減少して定着性が向上し、オフセットが発生しにくくなる。また、摩耗、破断しやすいトナー粒子および電荷の集中する部分を有するトナー粒子が減少することとなり、帯電量分布がシャープとなって、帯電性も安定し、良好な画質を長期にわたって形成できる。
【0219】
ここに、「角がないトナー粒子」とは、電荷の集中するような突部またはストレスにより摩耗しやすいような突部を実質的に有しないトナー粒子を言い、具体的には以下のトナー粒子を角がないトナー粒子という。すなわち、図1(a)に示すように、トナー粒子Tの長径をLとするときに、半径(L/10)の円Cで、トナー粒子Tの周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場合に、当該円CがトナーTの外側に実質的にはみださない場合を「角がないトナー粒子」という。「実質的にはみ出さない場合」とは、はみ出す円が存在する突起が1箇所以下である場合をいう。また、「トナー粒子の長径」とは、当該トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。なお、図1(b)および(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示している。
【0220】
角がないトナー粒子の割合の測定は次のようにして行った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無を測定する。この測定を100個のトナー粒子について行った。
【0221】
角がないトナーを得る方法は特に限定されるものではない。例えば、形状係数を制御する方法として前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与することによって得ることができる。
【0222】
本発明に用いられる現像剤について説明する。
本発明のトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
【0223】
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1μm〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものがあげられ、いずれも使用することができる。
【0224】
また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15μm〜100μm、より好ましくは25μm〜80μmのものがよい。
【0225】
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0226】
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0227】
《画像形成方法》
本発明の画像形成方法について説明する。
【0228】
本発明のトナーは、トナー像が形成された画像形成支持体を、定着装置を構成する加熱ローラーと加圧ローラーとの間に通過させて定着する工程を含む画像形成方法(本発明の画像形成方法)に好適に使用される。
【0229】
図2は、本発明の画像形成方法において使用する定着装置の一例を示す断面図であり、図2に示す定着装置は、加熱ローラー10と、これに当接する加圧ローラー20とを備えている。なお、図2において、Tは転写紙(画像形成支持体)上に形成されたトナー像である。
【0230】
加熱ローラー10は、フッ素樹脂または弾性体からなる被覆層12が芯金11の表面に形成されてなり、線状ヒーターよりなる加熱部材13を内包している。
【0231】
芯金11は、金属から構成され、その内径は10mm〜70mmとされる。芯金11を構成する金属としては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アルミニウム、銅等の金属あるいはこれらの合金を挙げることができる。
【0232】
芯金11の肉厚は0.1mm〜15mmとされ、省エネルギーの要請(薄肉化)と、強度(構成材料に依存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、0.57mmの鉄よりなる芯金と同等の強度を、アルミニウムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を0.8mmとする必要がある。
【0233】
被覆層12を構成するフッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)およびPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などを例示することができる。
【0234】
フッ素樹脂からなる被覆層12の厚みは10μm〜500μmとされ、好ましくは20μm〜400μmとされる。
【0235】
フッ素樹脂からなる被覆層12の厚みが10μm未満であると、被覆層としての機能を十分に発揮することができず、定着装置としての耐久性を確保することができない。一方、500μmを超える被覆層の表面には紙粉によるキズがつきやすく、当該キズ部にトナーなどが付着し、これに起因する画像汚れを発生する問題がある。
【0236】
また、被覆層12を構成する弾性体としては、LTV、RTV、HTVなどの耐熱性の良好なシリコーンゴムおよびシリコーンスポンジゴムなどを用いることが好ましい。
【0237】
被覆層12を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは60°未満とされる。
【0238】
また、弾性体からなる被覆層12の厚みは0.1mm〜30mmとされ、好ましくは0.1mm〜20mmとされる。
【0239】
被覆層12を構成する弾性体のアスカーC硬度が80°を超える場合、および当該被覆層12の厚みが0.1mm未満である場合には、定着のニップを大きくすることができず、ソフト定着の効果(例えば、平滑化された界面のトナー層による色再現性の向上効果)を発揮することができない。
【0240】
加熱部材13としては、ハロゲンヒーターを好適に使用することができる。
加圧ローラー20は、弾性体からなる被覆層22が芯金21の表面に形成されてなる。被覆層22を構成する弾性体としては特に限定されるものではなく、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの各種軟質ゴムおよびスポンジゴムを挙げることができ、被覆層12を構成するものとして例示したシリコーンゴムおよびシリコーンスポンジゴムを用いることが好ましい。
【0241】
被覆層22を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは70°未満、更に好ましくは60°未満とされる。
【0242】
また、被覆層22の厚みは0.1〜30mmとされ、好ましくは0.1〜20mmとされる。
【0243】
被覆層22を構成する弾性体のアスカーC硬度が80°を超える場合、および被覆層22の厚みが0.1mm未満である場合には、定着のニップを大きくすることができず、ソフト定着の効果を発揮することができない。
【0244】
芯金21を構成する材料としては特に限定されるものではないが、アルミニウム、鉄、銅などの金属またはそれらの合金を挙げることができる。
【0245】
加熱ローラー10と加圧ローラー20との当接荷重(総荷重)としては、通常40N〜350Nとされ、好ましくは50N〜300N、さらに好ましくは50N〜250Nとされる。この当接荷重は、加熱ローラー10の強度(芯金11の肉厚)を考慮して規定され、例えば0.3mmの鉄よりなる芯金を有する加熱ローラーにあっては、250N以下とすることが好ましい。
【0246】
また、耐オフセット性および定着性の観点から、ニップ幅としては4〜10mmであることが好ましく、当該ニップの面圧は0.6×105Pa〜1.5×105Paであることが好ましい。
【0247】
図2に示した定着装置による定着条件の一例を示せば、定着温度(加熱ローラー10の表面温度)が150℃〜210℃とされ、定着線速が80mm/sec〜640mm/secとされる。
【0248】
本発明において使用する定着装置には、必要に応じてクリーニング機構を付与してもよい。この場合には、シリコーンオイルを定着部の上ローラー(加熱ローラー)に供給する方式として、シリコーンオイルを含浸したパッド、ローラー、ウェッブ等で供給し、クリーニングする方法が使用できる。
【0249】
シリコーンオイルとしては耐熱性の高いものが使用され、ポリジメチルシリコーン、ポリフェニルメチルシリコーン、ポリジフェニルシリコーン等が使用される。粘度の低いものは使用時に流出量が大きくなることから、20℃における粘度が1Pa・s〜100Pa・sのものが好適に使用される。
【0250】
但し、本発明による効果は、シリコーンオイルを供給しない、または、シリコーンオイルの供給量がきわめて低い定着装置により、画像を形成する工程を含む場合に特に顕著に発揮される。従って、シリコーンオイルを供給する場合であっても、その供給量は2mg/A4以下とすることが好ましい。
【0251】
シリコーンオイルの供給量を2mg/A4以下とすることにより、定着後の転写紙(画像支持体)に対するシリコーンオイルの付着量が少なくなり、転写紙へ付着したシリコーンオイルによるボールペン等の油性ペンの記入しずらさがなく、加筆性が損なわれることはない。
【0252】
また、シリコーンオイルの変質による耐オフセット性の経時的な低下、シリコーンオイルによる光学系や帯電極の汚染などの問題を回避することができる。
【0253】
ここに、シリコーンオイルの供給量は、所定温度に加熱した定着装置(ローラー間)に転写紙(A4サイズの白紙)を連続して100枚通過させ、通紙前後における定着装置の質量変化(Δw)を測定して算出される(Δw/100)。
【0254】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0255】
実施例1
《静電荷像現像用トナー1の製造》
下記のようにして、樹脂粒子分散液1HMLの調製、着色剤分散液1の調製を各々行い、次いで、樹脂粒子分散液1HMLと着色剤分散液1とを混合し、樹脂粒子と着色剤粒子とを会合させて着色粒子を作製した後、該着色粒子に外添剤を添加する処理を行い、静電荷像現像用トナー1を製造した。
【0256】
《樹脂粒子分散液1HMLの調製》
下記(1)〜(3)の工程を経て、樹脂粒子分散液1HMLを調製した。
【0257】
(1)樹脂粒子分散液(1H)の調製:核粒子の形成;第一段重合
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、7.08gの化合物1をイオン交換水3010gに溶解させ調製した界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
【0258】
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、70.1gのスチレン、19.9gのn−ブチルアクリレート、10.9gのメタクリル酸からなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、75℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第1段重合)を行い、樹脂粒子分散液(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)を調製した。これを樹脂粒子分散液(1H)とする。
【0259】
(2)樹脂粒子分散液(1HM)の調製(中間層の形成:第二段重合)
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、105.6gのスチレン、30.0gのn−ブチルアクリレート、6.4gのメタクリル酸、5.6gのn−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステルからなる単量体混合液に、72.0gの例示化合物19)を添加し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
【0260】
一方、1.6gの化合物1を2700mlのイオン交換水に溶解させ調製した界面活性剤溶液を80℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、上記の樹脂粒子分散液(1H)を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、前記単量体溶液を混合分散させ、MICROTRAC UPA(MODEL:9340−UPA、日機装(株)製)で測定した分散粒子径(284nm)を有する乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
【0261】
次いで、この分散液(乳化液)に、5.1gの重合開始剤(KPS:過硫酸カリウム)を240mlのイオン交換水に溶解させた開始剤溶液と、750mlのイオン交換水とを添加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第二段重合)を行い、樹脂粒子分散液(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の表面が中間分子量樹脂により被覆された構造の複合樹脂粒子の分散液)を得た。これを、樹脂粒子分散液(1HM)とする。
【0262】
(3)樹脂粒子分散液(1HML)の調製:外層の形成:第三段重合
上記で得られた樹脂粒子分散液(1HM)に、7.4gの重合開始剤(KPS:過硫酸カリウム)を200mlのイオン交換水に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、300gのスチレン、95gのn−ブチルアクリレート、15.3gのメタクリル酸、10.4gのn−オクタンチオールからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却し樹脂粒子分散液(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、前記中間層に例示化合物19)が含有されている)を得た。得られた樹脂粒子分散液(1HML)とする。
【0263】
樹脂粒子分散液(1HML)を構成する複合樹脂粒子は、138,000、80,000および13,000にピーク分子量を有するものであり、また、この複合樹脂粒子の重量平均粒径は116nmであった。
【0264】
《着色剤分散液1の調製》
界面活性剤として、59.0gの化合物1を1600mlのイオン交換水に攪拌溶解し、界面活性剤溶液を調製した。この溶液を攪拌しながら、フタロシアニン顔料(C.I.Pigmentblue 15:2)240.0gを徐々に添加し、次いで、「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液1(以下、「着色剤分散液1」という)を調製した。
【0265】
この着色剤分散液1における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、重量平均粒子径で48nmであった。
【0266】
《会合工程》
420.7g(固形分換算)の樹脂粒子分散液1HMLと、900gのイオン交換水と、166gの着色剤分散液1とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。ついで、2.0gの化合物1を300mlのイオン交換水に溶解し調製した界面活性剤溶液を加えた。内温を30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルのの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。
【0267】
次いで、塩化マグネシウム6水和物12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を6分間かけて94℃まで昇温した。その状態で、「コールターマルチサイザー」にて会合粒子の粒径を測定し、個数平均粒径が5.5μmになった時点で、塩化ナトリウム80.4gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、熟成処理として液温度85℃にて2時間にわたり加熱攪拌することにより融着を継続させた。
【0268】
その後、8℃/分の条件で40℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.6に調整し、攪拌を停止した。生成した会合粒子を濾過し、45℃に温度調整したイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、個数平均粒径5.7μmの着色粒子1を得た。
【0269】
得られた着色粒子1に、数平均一次粒子径12nmの疎水性シリカ(N−オクチルメトキシシラン)0.5質量部、数平均一次粒子径28nmの疎水性酸化チタン(N−オクチルメトキシシラン)1.0質量部、数平均一次粒子径112nmの疎水性シリカ(ヘキサメチルジシラザン)3.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、静電荷像現像用トナー(以下、トナー1ともいう)を得た。トナー1中の化合物1の残留量は280ppmであった。
【0270】
《静電荷像現像用トナー2〜8、比較用のトナー11〜13の製造》
静電荷像現像用トナー1の製造の各工程(樹脂粒子分散液(1HML)の調製、着色剤分散液1の調製、会合工程)で界面活性剤として使用した化合物1を表1に記載のように変更した以外は同様にして、静電荷像現像用トナー2〜8(本発明)、比較用の静電荷像現像用トナー11〜13を各々製造した。
【0271】
比較化合物1:C1225OSO3Na
比較化合物2:C1225(OCH2OCH2)OSO3Na)
【0272】
【化6】
Figure 0004114559
【0273】
《静電荷像現像用トナー9の製造》:本発明
下記のように、樹脂粒子分散液A、着色剤分散液1(静電荷像現像用トナー1の製造時と同一のものを使用)、離型剤分散液A、帯電制御剤微粒子分散液Aと本発明に係る一般式(1)または(2)に係る化合物(界面活性剤)とを混合し、樹脂粒子、着色剤粒子、帯電制御剤微粒子とを会合する工程を経て、本発明の静電荷像現像用トナー9を製造した。
【0274】
《離型剤分散液Aの調製》
68.33部のイオン交換水、30部の例示化合物19)、1.67部の化合物1を混合し、高圧剪断をかけ乳化し、離型剤微粒子の分散液を得た。離型剤微粒子の平均粒径は350nmであった。これを離型剤分散液Aとする。
【0275】
《樹脂粒子分散液Aの調製》
攪拌装置(3枚後退翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器(容積2リットル、内径120mm)に化合物1の15%水溶液6部、イオン交換水372部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温して、8%過酸化水素水溶液1.6部、8%アスコルビン酸水溶液1.6部を添加した。その後、下記の重合性単量体類・界面活性剤水溶液の混合物を重合開始から5時間かけて、開始剤水溶液を重合開始から6時間かけて添加し、さらに30分保持した。
【0276】
重合反応終了後冷却し、乳白色の樹脂粒子分散液Aを得た。重合体のテトラヒドロフラン不溶分は10質量%、テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量は57,000、MICROTRAC UPA(MODEL:9340−UPA、日機装(株)製)で測定した平均粒子径は56nm、Tgは84℃であった。
【0277】
(重合性単量体類)
スチレン 88部
アクリル酸ブチル 12部
アクリル酸 2部
ブロモトリクロロメタン 0.5部
2−メルカプトエタノール 0.01部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.4部
(界面活性剤水溶液の調製)
化合物1の15%水溶液 3部
イオン交換水 23部
(開始剤水溶液の調製)
8%過酸化水素水溶液 9部
8%アスコルビン酸水溶液 9部
《帯電制御剤微粒子分散液Aの調製》
4,4’−メチレンビス〔2−〔N−(4−クロロフェニル)アミド〕−3−ヒドロキシナフタレン〕20部、15部の化合物1、イオン交換水76部をサンドグラインダーミルにて分散し、帯電制御剤微粒子分散液Aを得た。平均粒径は200nmであった。
【0278】
《会合工程》
樹脂粒子分散液A 5部(固形分として)
着色剤分散液1 6.7部(固形分として)
離型剤分散液A 7部(固形分として)
帯電制御剤微粒子分散液A 2部(固形分として)
化合物1の15質量%水溶液 0.5部(固形分として)
上記の各成分を用いて、以下の手順によりトナーを製造した。反応器(容積1リットル、バッフル付きアンカー翼)に樹脂粒子分散液Aと化合物1の15質量%水溶液を仕込み、均一に混合してから着色剤分散液1を添加し、均一に混合した。得られた混合分散液を攪拌しながら硫酸アルミニウム水溶液を滴下した(固形分として0.53部)。
【0279】
その後、攪拌しながら25分かけて50℃に昇温して1時間保持し、さらに35分かけて63℃に昇温して20分保持した。帯電制御剤微粒子分散液A、樹脂粒子分散液A、硫酸アルミニウム水溶液(固形分として0.07部)の順に添加し、10分かけて65℃に昇温して30分保持した。15%化合物1水溶液(固形分として3部)を添加してから30分かけて96℃に昇温して5時間保持した。その後冷却し、濾過、水洗し、乾燥し、トナー1と同様に外添剤処理することによりトナー(トナー9)を得た。
【0280】
《静電荷像現像用トナー10の製造》:本発明
静電荷像現像用トナー9の製造において、会合工程で帯電制御剤微粒子分散液Aを用いなかった以外は同様にして静電荷像現像用トナー10を得た。
【0281】
得られた静電荷像現像用トナー1〜10(本発明)、比較用の静電荷像現像用トナー11〜13の各々の作製過程において用いられた界面活性剤(前記一般式(1)または(2)で表される化合物や比較化合物)情報を表1、次いで、各トナーを構成するトナー粒子の形状に係るパラメータを表2に示す。
【0282】
【表1】
Figure 0004114559
【0283】
【表2】
Figure 0004114559
【0284】
《評価条件》
得られた静電荷像現像用トナー1〜10(本発明)、比較用の静電荷像現像用トナー11〜13の各々を市販のデジタルカラー画像形成装置である、ドキュカラー6060(富士ゼロックス製)の改造機(現像条件を各トナー、現像剤用にチューニングした)を用いて画像を形成し、下記の項目を評価した。
【0285】
尚、念のため4色分ある現像器、トナー補給装置には、全部同じ現像剤、トナーを各々セットした。また、現像剤の調製は、各トナーと下記の製造例に示すキャリアを用いて行った。
【0286】
(キャリアの製造例)
50μmのマンガン・マグネシウムフェライト100質量部にシクロヘキシルメタクリレートとブチルメタクリレート共重合体(共重合比40:60)3質量部を乾式コーティングし、本発明のトナー用キャリアを得た。
【0287】
《評価項目》
各のトナーについて画像の立体感、画像の透明性、感光体のフィルミング、帯電の環境差、手洗い性、帯電の立ち上がり及び帯電の安定性を評価した。
【0288】
《画像の立体感》
各々のトナーについて、さんご礁の海中写真の画像サンプルを印字し、画像の立体感を目視で評価した。立体感の評価にあたっては、画像をシアントナーで評価するのが最もわかりやすかった。
【0289】
◎:優良(インクジェットプリンタと比較してほぼ遜色ない)
○:良好(オフセット印刷以上であり電子写真方式では優れたレベル)
×:不合格(一世代前のカラー電子写真方式のレベル)
《画像の透明性》
各々のトナーについて透過画像(OHP画像)を作製し、以下に示す方法で評価した。尚、トナー付着量は0.7±0.05(mg/cm2)の範囲で評価した。定着された画像について、日立製作所製「330型自記分光光度計」によりトナーが担持されていないOHPシートをリファレンスとして画像の可視分光透過率を測定し、イエロートナーでは650nmと450nmでの分光透過率の差、マゼンタトナーでは650nmと550nmでの分光透過率の差、シアントナーでは500nmと600nmでの分光透過率の差を求め、OHP画像の透過性の尺度とした。この値が90%以上である場合、良好な透過性であると判断し得る。
【0290】
◎:95%以上(インクジェットプリンタと比較してほぼ遜色ない)
○:90〜95%未満(電子写真方式としては優れたレベル)
×:90%未満(一世代前のカラー電子写真方式のレベル)
本発明では、◎、○が実用可である。
【0291】
《感光体フィルミング》
画像ボケ(8ポイント明朝体で印字した文字で判読できないボケすなわち画像流れの発生)を目視で観察し、下記のようにランク評価した。
【0292】
◎:100万枚中5枚以下の発生(良好)
○:100万枚中6枚〜20枚の発生(実用上問題がないレベル)
×:100万枚中21枚以上の発生(実用不可)
本発明では、○、◎が実用可である。
【0293】
《帯電の環境差》
キャリア19gとトナー1gを20mlガラス製容器に入れ、毎分200回、振り角度45度、アーム50cmで20分間、下記の二つの環境(低温低湿環境、高温高湿環境)で振った後、ブローオフ法で帯電量を測定した。
【0294】
低温低湿環境:10℃、10%RH雰囲気に設定
高温高湿環境:30℃、85%RH雰囲気に設定
低温低湿環境での帯電量と高温高湿環境での帯電量の差により、下記のようにランク評価した。
【0295】
◎:2μC/g未満(優良)
○:2μC/g〜8μC/g未満(良好)
△:8μC/g〜12μC/g未満(実用可)
×:12μC/g以上(実用不可)
《手洗い性評価》
トナー粉体が被験者の皮膚(手足等)と接触、付着後の手洗い性を下記のようにランク評価した。
【0296】
◎:石鹸無しで流水洗浄のみで汚れが落ちる(優良)
○:石鹸を使用すれば容易に汚れが落ちる(良好)
×:石鹸を使用してもわずかに色見が残る(実用不可)
本願では、○、◎が実用可である。
【0297】
《帯電の立ち上がり及び帯電の安定性》
現像スリーブφ10mmの小径スリーブを有する小型現像器に100g現像剤をセットし、10gのトナーを現像器に補給した。その後、現像器を単体で攪拌し、帯電量が最大値を取るまで継続した。また、攪拌開始からトナーの入れ替え無しに120分攪拌しつづけ、帯電量の低下分を測定した。帯電量は、公知のブローオフ法で測定した。
【0298】
◎:帯電の最大値を取るまでの時間が15秒未満であり、120分後の帯電量低下が5μC/g未満であった(優良)
○:帯電の最大値を取るまでの時間が15秒以上35秒未満であり、120分後の帯電量低下が5μC/g〜10μC/g未満であった(良好)
△:帯電の最大値を取るまでの時間が35秒以上50秒未満であり、120分後の帯電量低下が10μC/g〜15μC/g未満であった(実用可能)
×:帯電の最大値を取るまでの時間が50秒以上であり、120分後の帯電量低下が15μC/g以上であった(不良)
得られた結果を表3に示す。
【0299】
【表3】
Figure 0004114559
【0300】
表3から、比較のトナーに比べて、本発明のトナーは、画像の立体感、画像の透明性に優れ、感光体フィルミングの発生がなく、湿度環境によらず、常にシャープな帯電量分布を示すことから帯電の環境差がなく、手洗い性等のメンテナンス時のハンドリング特性に優れており、且つ、帯電の立ち上がりや帯電安定性にも優れていることが判る。
【0301】
【発明の効果】
本発明により、画像の透明性に優れ、感光体フィルミングの発生がなく、湿度環境によらず、常にシャープな帯電量分布を示し、高品位、高画質な画像が得られ、メンテナンス時のハンドリング特性に優れている静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法を提供出来ることがわかった。
【0302】
また、本発明のトナーは、非常にコンパクトに設計された現像器においても良好な帯電立ち上がり、帯電の安定性を示すため、画像出力の条件、濃度、画素面積率が大きく変動しても、常に安定し、良好な画像を出力出来ることが判った。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、角のないトナー粒子の投影像を示す説明図であり、(b)および(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示す説明図である。
【図2】本発明において使用する定着装置の一例を示す断面図を表す。
【符号の説明】
8 記録材
10 加熱ローラ
11 芯金
12 被覆層
13 加熱部材
20 加圧ロール
21 芯金
22 被覆層
T 記録材上に形成されたトナー像

Claims (5)

  1. 着色剤と樹脂を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーにおいて、
    1分子に2つ以上のスルホン酸基または該スルホン酸基の塩を置換基として有する界面活性剤を10ppm〜10000ppm含有し、該トナー粒子の形状係数の変動係数が16%以下、個数基準の平均粒子径の変動係数が27%以下であり、且つ、該界面活性剤が下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    Figure 0004114559
    〔式中、R 1 は、炭素数8〜12のアルキル基を表し、R 2 は、水素原子または置換基を表す。M 1 、M 2 は、各々1価の金属元素またはアンモニウムイオンを表す。n1は1〜6の整数を表し、n2は、1〜4の整数を表す。〕
  2. 前記界面活性剤が下記一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
    Figure 0004114559
    式中、R 3 は、炭素数8〜12のアルキル基を表し、R 4 、R 5 、R 6 及びR 7 は、各々水素原子または置換基を表す。m1は、1〜5の整数、M 3 、M 4 は、各々2価の金属元素を表す。p1〜p3は、各々1〜3の整数、p4は1〜4の整数を表す。
  3. 請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナーを製造するに当たり、前記一般式(1)または(2)で表される、少なくとも1種の界面活性剤を含む水系媒体中で樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させる工程、次いで、凝集、融着した粒子を固液分離し、分離した該粒子を洗浄、乾燥する工程を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 着色剤粒子を予め前記一般式(1)または(2)で表される、少なくとも1種の界面活性剤を含む水系媒体中で分散して着色剤分散液を調製した後、該着色剤分散液と、樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液とを混合し、該着色剤粒子と該樹脂粒子とを凝集、融着させる工程を有することを特徴とする請求項3に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. 樹脂粒子を予め前記一般式(1)または(2)で表される、少なくとも1種の界面活性剤を含む水系媒体中で分散して樹脂粒子分散液を調製した後、該樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を含む着色剤粒子分散液とを混合し、該着色剤粒子と該樹脂粒子とを凝集、融着させる工程を有することを特徴とする請求項3に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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