JP6361613B2 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents
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Description
(1)トナー粒子は、スルホ基(−SO3H)を有する化合物又はその塩である第1有機硫黄化合物(以下、スルホ基含有化合物と記載することがある)と、硫酸基(−OSO3H)を有する化合物又はその塩である第2有機硫黄化合物(以下、硫酸基含有化合物と記載することがある)との少なくとも一方を含有する。トナー粒子の表面層における全てのスルホ基含有化合物及び硫酸基含有化合物の割合(以下、「割合A」と記載することがある)は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)による測定で10ppm以上1000ppm以下である。トナー粒子全体における全てのスルホ基含有化合物及び硫酸基含有化合物の割合(以下、「割合B」と記載することがある)は、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GCMS)による測定で100ppm以上800ppm以下である。
(2)トナー粒子のコア部分は、粉砕法で作製される。なお、粉砕法は、複数種の材料(樹脂等)を混合して混合物を得る工程と、得られた混合物を溶融混練して混練物を得る工程と、得られた混練物を粉砕する工程とを経て、粉体(例えば、トナー粒子、又はトナーコア)を得る方法である。粉砕法は、乾式法である。
トナーコアは結着樹脂を含む。トナーコアは、結着樹脂に加え、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、又は磁性粉)を含んでもよい。以下、結着樹脂、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉を説明する。
トナーコアにおいては、一般的に、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナーコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。例えば、結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナーコアはアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基、又はアミド基を有する場合には、トナーコアはカチオン性になる傾向が強くなる。結着樹脂が強いアニオン性を有するためには、結着樹脂の水酸基価(OHV値)及び酸価(AV値)が各々10mgKOH/g以上であることが好ましく、各々20mgKOH/g以上であることがより好ましい。また、アニオン性の化合物(例えば、エステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する化合物)をトナーコアに加えることで、トナーコアにアニオン性を付与してもよい。また、カチオン性の化合物(例えば、アミノ基、又はアミド基を有する化合物(より具体的には、アミン等))をトナーコアに加えることで、トナーコアにカチオン性を付与してもよい。
トナーコアは、着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、例えば、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
トナーコアは、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えばトナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーコアのアニオン性を強めるためには、アニオン性を有するワックスを用いてトナーコアを作製することが好ましい。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
トナーコアは、電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。また、トナーコアに負帯電性の電荷制御剤を含ませることで、トナーコアのアニオン性を強めることができる。
トナーコアは、磁性粉を含んでいてもよい。磁性粉の例としては、鉄(より具体的には、フェライト又はマグネタイト等)、強磁性金属(より具体的には、コバルト又はニッケル等)、鉄及び/又は強磁性金属を含む化合物(より具体的には、合金等)、強磁性化処理(より具体的には、熱処理等)が施された強磁性合金、又は二酸化クロムが挙げられる。
シェル層は、熱可塑性樹脂を含むことができる。シェル層の膜質を向上させるためには、熱可塑性樹脂は、アクリル酸系モノマーを含むことが好ましく、反応性アクリル酸エステルを含むことがより好ましい。
熱可塑性樹脂の具体例としては、アクリル酸系樹脂、スチレン−アクリル酸系樹脂、シリコーン−アクリル酸系グラフト共重合体、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、又はエチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、アクリル酸系樹脂、スチレン−アクリル酸系樹脂、又はシリコーン−アクリル酸系グラフト共重合体が好ましく、スチレン−アクリル酸系樹脂がより好ましい。
トナー粒子の表面には、必要に応じて外添剤を付着させてもよい。外添剤としては、
例えば、金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム等)、又はシリカの微粒子が挙げられる。
以下、トナーの製造方法について説明する。トナーに含まれるトナー粒子がカプセルトナー粒子である場合、トナーの製造方法は、例えば、トナーコア作製工程と、シェル層形成工程と、洗浄工程とを含む。トナーコア作製工程では、トナーコアを作製する。シェル層形成工程では、水性媒体中でトナーコアの表面にシェル層を形成する。水性媒体は、水を主成分とする媒体(より具体的には、純水、又は水と極性溶媒との混合液等)である。水性媒体は溶媒として機能してもよい。水性媒体中に溶質が溶けていてもよい。水性媒体は分散媒として機能してもよい。水性媒体中に分散質が分散していてもよい。水性媒体中の極性媒体としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール又はエタノール等)を使用できる。水性媒体としては、結着樹脂の溶解又は離型剤の溶出を抑制する観点から、水が好ましい。
トナーコア作製工程としては、例えば、粉砕法、凝集法が好ましい。
シェル形成工程では、まず、水性媒体に、トナーコア作製工程で得られたトナーコアと、シェル層の材料と、スルホ基含有化合物及び/又は硫酸基含有化合物とを添加し、トナーコア分散液を調製する。シェル層の材料としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子を添加する。水性媒体中では、熱可塑性樹脂粒子がトナーコアの表面に付着する。
洗浄工程では、トナー母粒子を洗浄液で洗浄する。上記のようにしてシェル層を形成した後、トナー母粒子を含む分散液を常温(例えば、25℃)まで冷却する。その後、トナー母粒子を洗浄液で洗浄する。
4つ口フラスコを反応容器として用いた。この4つ口フラスコは、温度計、窒素導入管、脱水管、精留塔、攪拌羽根及び熱電対を備えた容量5Lの反応容器である。反応容器を油浴にセットし、反応容器に、プロパンジオール1200gと、テレフタル酸1700gと、エステル化触媒ジオクタン酸錫(II)10gとを投入した。続けて、油浴を用いて反応容器の内温を230℃に昇温した。反応容器の内温を230℃で保持し、窒素雰囲気下、15時間縮合反応させた。さらに、反応容器の内温を230℃に保持し、反応容器内の圧力を8.0kPaとし、1時間縮合反応させた。その後、反応容器の内温を180℃まで冷却し、反応容器に無水トリメット酸290gを投入した。3時間かけて反応容器の内温を210℃まで昇温した。反応容器の内温を210℃に保持し、反応容器の圧力を常圧(101kPa)とし、10時間縮合反応させた。続けて、反応容器の内温を210℃に保持し、反応容器の圧力を20kPaとし、反応生成物(ポリエステル樹脂)の軟化点が所望の温度になるまで縮合反応を行い、ポリエステル樹脂Aを得た。ポリエステル樹脂AのTmは120℃であった。
下記材料を、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)により、回転数2000rpmの条件で、4分間混合した。
・結着樹脂(前述の手順で合成したポリエステル樹脂A):添加量「80質量部」
・電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩):添加量「2質量部」
・離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−3」、成分:エステルワックス):添加量「9質量部」
・着色剤(三菱化学株式会社製「MA−100」、成分:カーボンブラック):添加量「9質量部」
・トナー母粒子A:添加量「100質量部」
・外添剤(チタン工業社製「EC−100」酸化チタン):添加量「0.8質量部」
・外添剤(日本アエロジル株式会社製「RA−200−H」シリカ):添加量「1.2質量部」
洗浄終了条件を、洗浄液の導電率が1μS/cmとなるまでから、洗浄液の導電率が3μS/cmとなるまでに変更した以外はトナーA−1及びの製造と同様にして、トナーA−2を製造した。トナーA−2の数平均円形度は0.985であった。
洗浄終了条件を、洗浄液の導電率が1μS/cmとなるまでから、洗浄液の導電率が5μS/cmとなるまでに変更した以外はトナーA−1の製造と同様にして、トナーA−3を製造した。トナーA−3の数平均円形度は0.985であった。
0.1質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液の代わりに0.05質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を使用し、洗浄終了条件を、洗浄液の導電率が1μS/cmとなるまでから、洗浄液の導電率が3μS/cmとなるまでに変更した以外はトナーA−1及び現像剤A−1の製造と同様にして、それぞれトナーA−4及び現像剤A−4を製造した。トナーA−4の数平均円形度は0.985であった。
粗粉砕物を粉砕する条件における、ミル回転数を12,000ppmから9,000ppmに変更し、投入量を2kg/時間から5kg/時間に変更した以外はトナーA−1の製造方法における粒子Aと同様にして、粒子Bを得た。粒子Bは、体積中位径が6.2μm、Tmが102℃、及びTgが51℃であった。得られた粒子Bをラウリル硫酸ナトリウム0.1質量%水溶液に固形分濃度30質量%となるように添加した。さらに、添加した粒子Bに対して3質量%となるように、下記方法により作製した樹脂微粒子を添加し、分散液を調製した。続けて、得られた分散液を60℃まで昇温して、粒子Bの表面にシェル層を形成した。その後常温まで冷却した。続けて、冷却した分散液を固液分離して、分離された固形物を、洗浄液の導電率が1μS/cmとなるように洗浄した後、乾燥した。その結果、数平均円形度0.961のトナーB−1が得られた。
洗浄終了条件を、洗浄液の導電率が1μS/cmとなるまでから、洗浄液の導電率が3μS/cmとなるまでに変更した以外はトナーB−1の製造と同様にして、トナーB−2を製造した。トナーB−2の数平均円形度は0.961であった。
洗浄終了条件を、洗浄液の導電率が1μS/cmとなるまでから、洗浄液の導電率が5μS/cmとなるまでに変更した以外はトナーB−1の製造と同様にして、トナーB−3を製造した。トナーB−3の数平均円形度は0.961であった。
0.1質量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液の代わりに0.05質量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を使用し、洗浄終了条件を、洗浄液の導電率が1μS/cmとなるまでから、洗浄液の導電率が3μS/cmとなるまでに変更した以外はトナーB−1の製造と同様にして、トナーB−4を製造した。トナーB−4の数平均円形度は0.961であった。
粗粉砕物を粉砕する条件における、ミル回転数を12,000ppmから6,000ppmに変更し、投入量を2kg/時間から5kg/時間に変更した以外はトナーA−1の製造方法における粒子Aと同様にして、粒子Cを得た。粒子Cは、体積中位径が8.0μm、Tmが105℃、及びTgが53℃であった。得られた粒子Cを0.1質量%トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム水溶液に固形分濃度30質量%となるように添加し、分散液を調製した。続けて、調製した分散液を固液分離して、分離された固形物を、洗浄液の導電率が1μS/cmとなるように洗浄した後、乾燥した。その結果、数平均円形度0.942のトナーC−1が得られた。
洗浄終了条件を、洗浄液の導電率が1μS/cmとなるまでから、洗浄液の導電率が3μS/cmとなるまでに変更した以外はトナーC−1の製造と同様にして、トナーC−2を製造した。トナーC−2の数平均円形度は0.942であった。
洗浄終了条件を、洗浄液の導電率が1μS/cmとなるまでから、洗浄液の導電率が5μS/cmとなるまでに変更した以外はトナーC−1の製造と同様にして、トナーC−3を製造した。トナーC−3の数平均円形度は0.942であった。
分散液を調製した後、分散液を70℃まで昇温し、その後常温まで冷却した。0.1質量%トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム水溶液の代わりに0.05質量%トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム水溶液を使用し、洗浄終了条件を、洗浄液の導電率が1μS/cmとなるまでから、洗浄液の導電率が3μS/cmとなるまでに変更した。このように洗浄条件を変更したこと及び分散液を加熱したこと以外はトナーC−1の製造と同様にして、トナーC−4を製造した。トナーC−4の数平均円形度は0.954であった。
下記材料をTKホモミキサー(プライミクス株式会社製)により、回転数15000rpm及び窒素雰囲気下の条件で、1時間分散させた。
・結着樹脂作製用モノマー(スチレン):添加量「65質量部」
・結着樹脂作製用モノマー(アクリル酸2−エチルヘキシル):添加量「30質量部」
・架橋性モノマー(ジビニルベンゼン):添加量「1質量部」
・着色剤(三菱化学社製「MA−100」カーボンブラック):添加量「9質量部」
洗浄終了条件を、洗浄液の導電率が1μS/cmとなるまでから、洗浄液の導電率が3μS/cmとなるまでに変更した以外はトナーD−1の製造と同様にして、トナーD−2を製造した。トナーD−2の数平均円形度は0.990であった。
洗浄終了条件を、洗浄液の導電率が1μS/cmとなるまでから、洗浄液の導電率が5μS/cmとなるまでに変更した以外はトナーD−1の製造と同様にして、トナーD−3を製造した。トナーD−3の数平均円形度は0.990であった。
各試料(トナーA−1〜D−3)の評価方法は、以下の通りである。
割合Aは、飛行時間型二次イオン質量分析計(ION−TOF社製「IV型」)を用いて、下記の条件で測定した。試料(トナー)を両面テープ上に固定して、上述の飛行時間型二次イオン質量分析計のサンプル設置部にセットした。一次イオン種Bi3+、加速電圧25kV及び照射電流0.1pAの条件で、サンプル設置部の試料に一次イオンビームを照射した。試料に一次イオンビームを照射したときに、試料から放出される二次イオンを分析視野一辺50nm及び積算時間30秒(スキャン回数10回)の条件で収集した。これにより二次イオンのマススペクトルを測定した。試料1種につき10視野ずつのマススペクトルを測定した。標準化試料を用いて検量線を作成した。検量線を用いてマススペクトルを標準化した後、スルホ基含有化合物及び硫酸基含有化合物由来のイオン量を得た。得られたイオン量からイオン量の平均値を得た。得られたイオン量の平均値を割合Aとした。なお、検量線の作成方法は、特に限定されず、例えば、絶対検量線法、相対検量線法、内部標準法、又は外部標準化法が挙げられる。
測定装置としては、ガスクロトマトグラフ質量分析装置(島津製作所株式会社製「GCMS−QP2010Ultra」)と、熱分解装置(FLONTERLAB社製「EGA/PY−3030D」)とを一体化させた装置を用いた。
パイロライザー:600℃
インターフェイス:320℃
カラムDB−5MS(長さ30m、膜厚0.25μm、内径0.25mm)
キャリアガス : ヘリウム(He)
流量条件 : 1mL/分 気化室の温度 :320℃
カラムオーブン温度条件 : 40℃−28℃/分−320℃
インターフェイス温度 : 320℃
イオン源温度 : 200℃
検出モード : Scan 29−350m/秒
スキャン質量範囲 : 45m/z以上500m/z以下
導電率は、電気伝導率計(堀場製作所株式会社製「ES−51」)を用いて測定した。
体積中位径は、精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製「コールターカウンターマルチサイザー3」)を用いて測定した。
ガラス転移点(Tg)は、示差熱量分析計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて測定した。
数平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(シスメックス株式会社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて測定した。
試料(トナー)2gを容量20mLのポリ容器に秤量し、50℃に設定された恒温器内に3時間静置することで、保存性評価用の試料を得た。その後、保存性評価用の試料を、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)のマニュアルに従い、振幅2、時間30秒の条件で、100メッシュ(目開き150μm)の篩を用いて篩別した。篩別後に、篩上に残留した試料の質量を測定した。篩別前の試料の質量と、篩別後に篩上に残留した試料の質量とから、下記式に従ってトナーの凝集度(質量%)を算出した。
凝集度(質量%)=(篩上に残留した試料の質量/篩別前の試料の質量)×100
算出された凝集度から、下記基準に従ってトナーの保存性を評価した。
○(良い):凝集度が20質量%以下であった。
△(普通):凝集度が20質量%を超え40質量%以下であった。
×(悪い):凝集度が40質量%を超えた。
現像剤用キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の複合機「TASKalfa7551ci」用のキャリア)と、試料(トナー)とを、ボールミルを用いて30分間混合して、トナー含有量10質量%の2成分現像剤を調製した。そして、得られた2成分現像剤を用いて画像を形成して、トナーの耐付着性(耐スリーブ付着性、耐ドラム付着性、及び耐スペント性)を評価した。評価機としては、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「TASKAlfa7551ci」を用いた。上述のようにして調製した2成分現像剤を評価機の現像器に投入し、評価機のトナーコンテナに試料(補給用トナー)を投入した。
耐スリーブ付着性の評価基準は以下のとおりであった。なお、縦筋は、トナーが現像スリーブの回転方向に沿って、現像スリーブの表面に付着する現象である。
○(良い):現像スリーブの表面にトナーの固着及び縦筋が観察されなかった。
△(普通):現像スリーブの表面にトナーの固着及び縦筋が若干観察された。
×(悪い):現像スリーブの表面にトナーの固着及び縦筋が観察された。
○(良い):ダッシュマークが0個以上1個以下であった。
△(普通):ダッシュマークが2個以上5個以下であった。
×(悪い):ダッシュマークが6個以下であった。
○(良い):炭素量が0.2質量%以下であった。
△(普通):炭素量が0.2質量%を超え、0.3質量%以下であった。
×(悪い):炭素量が0.3質量%を超えた。
現像剤用キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の複合機「TASKalfa7551ci」用のキャリア)と、試料(トナー)とを、ボールミルを用いて30分間混合して、トナー含有量10質量%の2成分現像剤を調製した。そして、得られた2成分現像剤を用いて画像を形成した後、トナーの帯電量を測定し、トナーの帯電性及び帯電安定性を評価した。評価機としては、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「TASKAlfa7551ci」を用いた。上述のようにして調製した2成分現像剤を評価機の現像器に投入し、評価機のトナーコンテナに試料(補給用トナー)を投入した。
○(良い):平均帯電量が20μC/g以上であった。
×(悪い):平均帯電量が20μC/g未満であった。
○(良い):帯電量の差が10μC/g未満であった。
△(普通):帯電量の差が10μC/g以上20μC/g未満であった。
×(悪い):帯電量の差が20μC/g以上であった。
現像剤用キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の複合機「TASKalfa7551ci」用のキャリア)と、試料(トナー)とを、ボールミルを用いて30分間混合して、トナー含有量10質量%の2成分現像剤を調製した。そして、得られた2成分現像剤を用いて画像を形成して、トナーの現像性を評価した。評価機としては、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「TASKAlfa7551ci」を用いた。上述のようにして調製した2成分現像剤を評価機の現像器に投入し、評価機のトナーコンテナに試料(補給用トナー)を投入した。
○(良い):画像濃度が1.3以上であった。
△(普通):画像濃度が1.1以上1.3未満であった。
×(悪い):画像濃度が1.1未満であった。
現像性及び保存性の評価結果から、下記の基準に従ってトナーを総合的に評価した。
○(良い):現像性及び保存性の評価結果が全て○(良い)であった。
×(悪い):現像性及び保存性の評価結果のうち、×(悪い)が少なくとも1つあった。
トナーA−1〜D−3(実施例1〜11及び比較例1〜4のトナー)の各々の評価結果(保存性、現像性、帯電特性、及び耐付着性)を表2に示す。
Claims (2)
- 複数のトナー粒子を有する静電潜像現像用正帯電性トナーであって、
前記トナー粒子は、スルホ基を有する化合物又はその塩である第1有機硫黄化合物と、硫酸基を有する化合物又はその塩である第2有機硫黄化合物との少なくとも一方を含有し、
前記トナー粒子の表面層における全ての前記第1有機硫黄化合物及び前記第2有機硫黄化合物の割合は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)による測定で10ppm以上1000ppm以下であり、
前記トナー粒子の全体における全ての前記第1有機硫黄化合物及び前記第2有機硫黄化合物の割合は、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GCMS)による測定で100ppm以上800ppm以下であり、
前記トナー粒子は、トナーコアと、前記トナーコアの表面を被覆するシェル層とを含み、
前記トナー粒子の体積中位径は、6μm以上7μm以下であり、
前記トナー粒子の円形度は、0.96以上0.97以下である、静電潜像現像用トナー。 - 前記トナー粒子は、界面活性剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルトリメチルアンモニウム及びトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも一つを含有する、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
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