JP2008009092A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも重合性単量体、及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に懸濁させて、重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液を得る懸濁工程、及び該懸濁液を用いて懸濁重合を行って着色樹脂粒子を得る重合工程を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、該懸濁工程において、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に水溶性無機アルミニウム化合物を添加することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
【選択図】なし
Description
しかしながら、近年、高解像度、高画質に対する要求水準のさらなる高まりに伴い、重合トナーであっても、解決しなければならない問題点が指摘されている。
微小な副生粒子としては、主に、粒径が0.6μm未満のいわゆるサブミクロンオーダーで且つ着色剤を殆ど含有していない微小粒子(以下、「微小樹脂粒子」という。)と、粒径が0.6μm〜5μm程度の着色樹脂粒子(以下、「小粒径着色樹脂粒子」という。)とがある。この両者は、生成過程が異なると推測されるが、小粒径ゆえに特別な問題を引き起こす(以下、両者を併せて「小粒径微粒子」という。)。
さらに、小粒径微粒子を多量に含む重合トナーを印刷に用いると、小粒径微粒子は粒径が非常に小さいことに起因し付着力が大きいために、現像機内の部材に付着・蓄積し易くなり、現像機内の部材にフィルミング(固着)が生じ、その結果として印刷物に白筋を発生させる等、トナーの印字性能を低下させる原因となる。
このため、小粒径微粒子の副生を抑制し、生産効率が良く、且つ印字性能に優れたトナーの製造方法の開発が望まれている。
該懸濁工程において、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に水溶性無機アルミニウム化合物を添加することを特徴とする。
該懸濁工程において、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に水溶性無機アルミニウム化合物を添加することを特徴とするものである。
以下、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法について、各手順を順次説明する。
先ず、重合性単量体、着色剤、さらに必要に応じて帯電制御剤やその他の添加物を混合し、重合性単量体組成物を調製する。重合性単量体組成物を調製する際の混合は、例えば、メディア式分散機を用いて行うことができる。
重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を使用することが好ましい。モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド化合物;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;等が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、モノビニル単量体として、スチレン、スチレン誘導体、及びアクリル酸もしくはメタクリル酸の誘導体が、好適に用いられる。
本発明では、架橋性単量体を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
マクロモノマーは、モノビニル単量体を重合して得られる重合体のTgよりも、高いTgを有する重合体を与えるものが好ましい。マクロモノマーの量は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜1重量部である。
に酸化鉄亜鉛、及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉等を用いることができる。
帯電制御剤は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜8重量部の割合で用いられる。
上記分子量調整剤の量は、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部であり、更に好ましくは0.1〜5重量部である。
離型剤としては、一般にトナーの離型剤として用いられるものであれば、特に限定されない。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、及び低分子量ポリブチレン等の低分子量ポリオレフィンワックス;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、及びホホバ等の天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、及びペトロラタム等の石油ワックス;モンタン、セレシン、及びオゾケライト等の鉱物ワックス;フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス;ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールエステル等のエステル化合物;等が挙げられる。
上記離型剤は、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部用いられ、更に好ましくは1〜20重量部用いられる。
本発明では、以上のようにして得られる重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に懸濁させて懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を得る。ここで、懸濁とは、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に重合性単量体組成物の液滴を形成させることを意味する。液滴形成のための分散処理は、例えば、インライン型乳化分散機(荏原製作所製、商品名:エバラマイルダー)、高速乳化・分散機(特殊機化工業製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行なうことができる。
この問題に対して、詳細な反応機構や理由は不明であるが、水溶性無機アルミニウム化合物を添加すると、懸濁液中で剪断応力によって所望の着色樹脂粒子の粒径より小さくなった液滴が適度な凝集作用を発揮し、適切な大きさの液滴へと合一化する効果があることから、小粒径微粒子の副生を抑制することができると推測している。
これらの中でも、小粒径微粒子の副生を抑制する効果が高いという観点から、水溶液としたときに酸性を示すものが好ましく、塩化アルミニウムは得られる着色樹脂粒子の平均円形度、及び粒径分布を狭くできるのでより好ましい。
熟成時間が2時間より短い場合には、水溶性無機アルミニウム化合物による液滴合一化作用を十分に発揮させることができない場合があり、小粒径微粒子の副生を十分に抑えることができなくなる場合がある。
上記多価金属塩は、1種を単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記一価金属化合物の一価金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムからなる群より選ばれるアルカリ金属であることが好ましい。上記一価金属化合物は、具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウム等の水酸化物;リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、及びリン酸カリウム等のリン酸塩;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウム等の炭酸塩;等が挙げられ、これらの中でも、水酸化物が好ましい。
上記一価金属化合物は、1種を単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
分散安定化剤を含有する水系分散媒体がアルカリ性を示すものの中でも、多価金属塩としてマグネシウムの塩を水系分散媒体中に溶解させたものと、一価金属化合物としてアルカリ金属水酸化物を水系分散媒体中に溶解させたものを混合して得られる、水酸化マグネシウムのコロイドを分散安定化剤として含有する水系分散媒体が特に好ましい。
本発明では、懸濁工程(液滴形成工程)で得られた、重合性単量体組成物の液滴を含有する懸濁液を、重合開始剤の存在下において、昇温し、重合を開始する。
本発明における重合温度は、50℃以上であることが好ましく、さらに60〜95℃であることがより好ましい。また、本発明における重合の反応時間は、1〜20時間であることが好ましく、さらに2〜15時間であることが好ましい。
なお、重合性単量体組成物の液滴を安定に分散させた状態で重合を行うために、重合工程においても懸濁工程(液滴形成工程)に引き続き、攪拌による分散処理を行ないながら重合反応を進行させてもよい。
詳細な理由は不明であるが、水溶性無機アルミニウム化合物による微小液滴の合一化作用が進行しすぎると、液滴凝集が過剰となり、過大な粒径の、或いは円形度の低い着色樹脂粒子を生成することがある。そこで、アルカリ性化合物の添加によって、懸濁液中の水溶性無機アルミニウム化合物の一部が、水酸化アルミニウムに変化して分散安定化剤として作用するために、液滴の合一化作用が消失するためであると推測している。重合工程実施中の懸濁液中に、液滴凝集の進行状況に合わせて適量のアルカリ性化合物を添加することによって、凝集作用の程度を容易にコントロールできる。従って、粒径が過大な、或いは円形度の低い着色樹脂粒子の生成が防止される。
重合転化率が上記範囲を超えてからアルカリ性化合物を添加すると、すでに液滴が凝集過剰となっているので、粒径が過大な、或いは円形度の低い着色樹脂粒子が生成することがある。円形度の低い着色樹脂粒子は、その後の濾過工程により完全に分離することは困難であり、最終的にトナー中に残存し、トナーの細線再現性を悪くする場合がある。
アルカリ金属化合物としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムカリウム等の炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化物;等が挙げられる。これらの中でも、炭酸塩化合物が好ましく、添加の際の粗大凝集物の発生を抑制でき、且つpH調整が容易なことから、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムがより好ましい。
これらのアルカリ性化合物は、重合系に添加したときに均一に分散できることから、水溶液の状態で添加することが好ましい。
本発明では、好ましく用いることのできるアルカリ性化合物の添加量は、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、0.5〜5重量部であることがより好ましい。
重合性単量体組成物を重合することにより得られる着色樹脂粒子は、そのままで、または外添剤を添加して重合トナーとして用いてもよいが、この着色樹脂粒子をコア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、所謂コアシェル型(または、「カプセル型」ともいう。)の着色樹脂粒子とすることが好ましい。コアシェル型の着色樹脂粒子は、低軟化点の物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができる。
着色樹脂粒子が分散している水系分散媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
重合開始剤の添加量は、シェル用重合性単量体100重量部に対して、好ましくは、0.1〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部である。
重合により得られた、着色樹脂粒子の水系分散媒体は、重合終了後に、常法に従い、濾過、洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、必要に応じて数回繰り返されることが好ましい。
重合工程終了後の水系分散媒体中に水溶性無機アルミニウム化合物が残留している場合には、そのまま濾過することによって着色樹脂粒子から容易に分離できる。また、重合工程終了後の水系分散媒体中に、水溶性無機アルミニウム化合物とアルカリ性化合物との反応で生成した難水溶性のアルミニウム化合物が存在している場合には、該懸濁液中に酸またはアルカリを添加することによって該懸濁液中に容易に溶解するので、やはり濾過処理によって着色樹脂粒子から容易に分離できる。
本発明の製造方法で得られた静電荷像現像用トナーを構成する着色樹脂粒子の体積平均粒径Dvが好ましくは4〜10μmであり、更に好ましくは5〜8μmである。Dvがこれらの範囲未満であると重合トナーの流動性が低下し、転写性が悪化したり、カスレが発生したり、印字濃度が低下する場合があり、これらの範囲を超えると得られる画像の解像度が低下する場合がある。
また、粒径が5μm以下の割合は30個数%以下、更に25個数%以下であることが好ましい。5μm以下の小粒径の着色樹脂粒子の個数%が上記範囲よりも大きいと、得られるトナーの流動性が低下したり、転写性が悪化して、その結果、印字物にカスレが発生或いは印字濃度が低下しやすくなる。
本発明において、円形度は、粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長を、粒子の投影像の周囲長で除した値として定義される。また、本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、着色樹脂粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、平均円形度は着色樹脂粒子が完全な球形の場合に1を示し、着色樹脂粒子の表面形状が複雑になるほど小さな値となる。平均円形度は、0.4μm以上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形度(Ci)をn個の粒子について下記計算式1よりそれぞれ求め、次いで、下記計算式2より平均円形度(Ca)を求める。
計算式1:
円形度(Ci)=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
上記円形度、及び平均円形度は、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−1000」、「FPIA−2100」又は「FPIA−3000」等を用いて測定することができる。
着色樹脂粒子の平均円形度が上記範囲を超える場合、製造が困難であることに加えて、着色樹脂粒子がクリーニングブレードと感光体の間をすり抜けやすくなり、感光体上でのフィルミングや、印字のカブリ等のクリーニング不良が発生し易くなることがある。また、上記範囲未満の場合、印字の細線再現性が悪くなることがある。
外添剤の添加量は、特に限定されないが、着色樹脂粒子100重量部に対して、通常、0.1〜6重量部である。
(1)小粒径微粒子(濾液の透過率)の測定
重合工程後の着色樹脂粒子を含む水分散液100gに、ノニオン性界面活性剤(花王社製、商品名:エマルゲン123P)の10%水溶液を1.0g添加した後、硫酸で水分散液のpHを6以下にして分散安定化剤である無機化合物を溶解させた。次いで、その溶解液を市販の遠心分離機を用いて、遠心力1500Gで5分間処理した。得られた水分散液の上澄み液をセル(光路幅:10mm)に入れ、分光光度計(日立製作所社製、商品名:スペクトフォトメーターU−1100)を用い、500nmの波長で光線透過率を測定し、イオン交換水の光線透過率を100%としたときの相対透過率を求めた。
容器中に、予めイオン交換水10mlを入れ、その中に分散剤としての界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)0.02gを加え、更にトナー0.02gを加え、超音波分散機で60W、3分間分散処理を行った。測定時の着色樹脂粒子濃度を3,000〜10,000個/μlとなるように調整し、0.4μm以上の円相当径の着色樹脂粒子1,000〜10,000個についてフロー式粒子像分析装置(シメックス社製、商品名:FPIA−1000)を用いて測定した。測定値から体積平均粒径(Dv)、粒径分布(Dv/Dp)、粒径5μm以下の個数%、及び平均円形度を求めた。
円形度は下記計算式1に示され、平均円形度は、その平均を取ったものである。
計算式1:
(円形度)=(粒子の投影面積に等しい円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
(3−1)印字耐久性試験(白筋発生)
印字耐久性試験には、市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(印刷スピード:A4サイズ22枚/分)を用いた。このプリンターの現像装置に、試験に供するトナーを入れ、コピー用紙をセットし、温度23℃、及び湿度50%(N/N)の環境下で一昼夜放置後、5%印字濃度で連続印字を行なった。500枚毎にベタ画像(印字濃度100%)を印字し、印字面の縦筋発生の有無を確認した。ベタ画像に白色の縦筋が初めて確認されたときの枚数(白筋発生枚数)をカウントし、10,000枚まで印字耐久性試験を行った。
なお、表1の試験結果に「10,000<」とあるのは、10,000枚まで印字耐久性試験を行っても、縦筋は発生せず、印字耐久性が良好であったことを示す。
(3−2)細線再現性試験
細線再現性試験には、上述した市販の非磁性一成分現像方式のプリンターを用いた。このプリンターの現像装置に、試験に供するトナーを入れ、コピー用紙をセットし、温度23℃、及び湿度50%(N/N)の環境下で一昼夜放置後、2×2ドットライン(幅約85μm)で連続して線画像を形成し、500枚毎に、印字評価システム(YA−MA社製、商品名:RT2000)によって測定し、線画像の濃度分布データを採取した。この時、その濃度の最大値の半値における全幅を線幅として、一枚目の線画像の線幅を基準として、その線幅の差が10μm以下のものは1枚目の線画像を再現しているとして、線画像の線幅の差が10μm以下を維持できる枚数を10,000枚まで調べた。
なお、表1の試験結果に「10,000<」とあるのは、10,000枚まで細線再現性試験を行っても、上記の基準を満たす線画像を維持でき、細線再現性が良好であったことを示す。
モノビニル単量体としてスチレン70部、及びアクリル酸ブチル20部(これらの単量体を共重合して得られた共重合体のTg=50℃)、シアン着色剤としてC.I.Pigment Blue15:3(大日本インキ社製、商品名:FASTOGEN BLUE GCTF)5部を攪拌して、重合性単量体混合物を調製した。この重合性単量体混合物を、予備分散機として、インライン型乳化分散機(ユーロテック社製、商品名:キャビトロン)を用いて、周速23m/sで、循環回数θを26回とし、予備分散を行なった。
上記水系分散媒体である水酸化マグネシウムコロイド分散液に、水溶性無機アルミニウム化合物として塩化アルミニウム6水和物の10%水溶液(pH2.7)を3部添加し、1時間攪拌した後、35℃の下、14時間放置した。なお、本発明においては、攪拌、及び放置した時間を合わせて熟成時間と呼ぶ。
さらに、反応器内の温度が90℃に達するまで昇温を継続し、その後、反応器内の温度を90℃に維持させて、重合反応を行なった。
塩化アルミニウム6水和物の10%水溶液の添加量を10部に変更し、炭酸水素ナトリウムの5%水溶液の添加量を40部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の着色樹脂粒子(トナー)を作製した。
炭酸水素ナトリウムの5%水溶液を、水酸化ナトリウムの5%水溶液に変更したこと以外は、実施例2と同様にして実施例3の着色樹脂粒子(トナー)を作製した。
塩化アルミニウム6水和物の10%水溶液を、硫酸アルミニウムカリウム6水和物(カリミョウバン)の10%水溶液に変更したこと以外は、実施例2と同様にして実施例4の着色樹脂粒子(トナー)を作製した。
水溶性無機アルミニウム化合物、及びアルカリ性化合物をともに添加をしなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の着色樹脂粒子(トナー)を作製した。
水溶性無機アルミニウム化合物を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の着色樹脂粒子(トナー)を作製した。
本発明で規定する水溶性無機アルミニウム化合物を添加しない製造方法で得られた比較例1、及び比較例2の着色樹脂粒子(トナー)は、濾液の透過率がそれぞれ1%、及び3%と低く、小粒径微粒子の発生が多く見られ、得られたトナーを濾別する際に、濾過材の目詰まりが発生し、濾過に時間を要した。また、トナーの印字試験において、細線再現性や印字耐久性が悪かった。
これに対し、本発明の製造方法で得られた実施例1〜4の着色樹脂粒子(トナー)は、濾液の透過率が41〜59%と高く、細線再現性や印字耐久性も良好であった。
Claims (9)
- 少なくとも重合性単量体、及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に懸濁させて、重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液を得る懸濁工程、及び該懸濁液を用いて懸濁重合を行って着色樹脂粒子を得る重合工程を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
該懸濁工程において、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に水溶性無機アルミニウム化合物を添加することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 該分散安定化剤が、難水溶性無機化合物であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 該難水溶性無機化合物が、水酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 該水溶性無機アルミニウム化合物の添加量が、重合性単量体100重量部に対して、0.05〜5重量部であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 該重合工程において、重合転化率が50%未満のときに、アルカリ性化合物の水溶液を懸濁液に添加することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 該アルカリ性化合物が、アルカリ金属化合物であることを特徴とする請求項5に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 該アルカリ性化合物の添加量が、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜10重量部であることを特徴とする請求項5又は6に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 該アルカリ性化合物が、アルカリ金属炭酸塩であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 該懸濁工程において、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に該水溶性無機アルミニウム化合物を添加し、2時間以上経過させた後、重合性単量体組成物を添加して懸濁液を得ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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