JP5267026B2 - 二成分現像剤及びその製造方法、画像形成方法、並びに、画像形成装置 - Google Patents
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Description
近年、トナー・現像剤技術を用いた電子写真による画像形成法は、デジタル化・カラー化の進展によって、印刷領域の一部へ適用されはじめ、オンデマンドプリンテイングを初めとするグラフィックアーツ市場における実用化が顕著となり始めている。ここで、上記グラフィックアーツ市場とは、版画のようなもので印刷した部数の少ない創作印刷物や、筆跡・絵画などのオリジナルの模写、複写、そしてリプロダクションとよばれる大量生産方式による印刷物製造関連業務市場全般を指し、印刷物の製造に関わる業種・部門を対象とする市場であると定義される。
C.I.Pigment Yellow 185を使用したトナーとしては、例えば、特許文献1及び2が知られている。
特許文献1には、結着樹脂と着色剤とを必須成分として用いた静電荷像現像用イエロートナーにおいて、着色剤が、C.I.Pigment Yellow 185とC.I.Pigment Yellow 74、もしくはC.I.Pigment Yellow 185とC.I.Pigment Yellow 154、との混合顔料であることを特徴とする静電荷像現像用イエロートナーが開示されている。
特許文献2には、水系媒体中で生成され、少なくとも結着樹脂と着色剤を含むトナーにおいて、該着色剤がC.I.Pigment Yellow 74と、C.I.Pigment Yellow 185の混合顔料と、前記結着樹脂の一部をなす樹脂とを混練してなるマスターバッチで加工されたものであることを特徴とする静電荷像現像用イエロートナーが開示されている。
<1>イエロートナーとキャリアとを含み、前記イエロートナーが、C.I.Pigment Yellow 185とアゾ系顔料とを含み、前記イエロートナーのトナー母粒子中におけるMg及びCaの元素含有量がそれぞれ0.35重量%以下であり、前記キャリア中におけるCu、Zn、Ni及びMnの元素含有量がそれぞれ2,000ppm以下であることを特徴とする二成分現像剤、
<2>樹脂粒子分散液及び着色剤分散液を含む分散液中で前記樹脂粒子を凝集して凝集粒子を得る凝集工程、並びに、前記凝集粒子を加熱して融合しトナー母粒子を得る融合工程を含む上記<1>に記載の二成分現像剤の製造方法、
<3>潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を二成分現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、前記被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着工程、を含み、前記二成分現像剤として、上記<1>に記載の二成分現像剤、又は、上記<2>に記載の製造方法により製造された二成分現像剤を用いる画像形成方法、
<4>潜像保持体と、前記潜像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記潜像保持体を露光して前記潜像保持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、二成分現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記潜像保持体から被記録材に転写する転写手段と、を有し、前記二成分現像剤として、上記<1>に記載の二成分現像剤、又は、上記<2>に記載の製造方法により製造された二成分現像剤を用いる画像形成装置。
前記<2>に記載の発明によれば、耐光性に優れた画像を得ることができる二成分現像剤の製造方法を提供することができる。
前記<3>に記載の発明によれば、耐光性に優れた画像を得ることができる画像形成方法を提供することができる。
前記<4>に記載の発明によれば、耐光性に優れた画像を得ることができる画像形成装置を提供することができる。
なお、本発明において、「A〜B」との記載は、AからBの間の範囲だけでなく、その両端であるA及びBも含む範囲を表す。例えば、「A〜B」が数値範囲であれば、「A以上B以下」又は「B以上A以下」を表す。
本発明の二成分現像剤は、イエロートナーとキャリアとを含み、前記イエロートナーが、C.I.Pigment Yellow 185とアゾ系顔料とを含み、前記イエロートナーのトナー母粒子中におけるMg及びCaの元素含有量がそれぞれ0.35重量%以下であり、前記キャリア中におけるCu、Zn、Ni及びMnの元素含有量がそれぞれ2,000ppm以下であることを特徴とする。
本発明の二成分現像剤は、静電荷像現像剤として好適に使用することができる。
PY185は、良好な色彩を有してはいるが着色力がやや弱く、また色相が緑味によっているために色規格であるジャパンカラーの黄色とは異なる色相を示す。そこで、他の顔料との併用を種々検討した結果、PY185とアゾ系顔料とを組み合わせて使用することにより、着色力及び色相に優れることを見いだしたが、耐光性については十分ではなく、改善の余地があった。
本発明者等は種々の検討を行った結果、トナー母粒子中におけるMg及びCaの量が耐光性に対しては悪影響を与えること、さらに、キャリア中における特定金属種(Cu、Zn、Ni及びMn)の含有量を抑制することにより、耐光性に優れた二成分現像剤が得られることを見いだした。
その原因について、必ずしも明確ではないものの、トナー中のMg、Ca金属およびキャリアの特定金属種(Cu、Zn、Ni及びMn)はトナー中に含まれると少量であっても、電磁波、空気中の酸素などによるイエロー顔料の特定官能基(たとえばアゾ基など)の破壊を助長するものと考えられ、この量を制御することにより耐光性への懸念のない二成分現像剤を得ることができた。
なお、キャリア中における特定金属種(Cu、Zn、Ni及びMn)は、現像剤が現像機内で撹拌されるときに生じるキャリア芯材のカケ、割れ等の破片に由来するものと考えられる。
イエロートナーとキャリアとの混合方法としては、特に制限はなく、例えば、Vブレンダー等の公知の装置や方法により混合することができる。
本発明の二成分現像剤は、イエロートナーを含む。
本発明の二成分現像剤に用いることができるイエロートナーは、C.I.Pigment Yellow 185とアゾ系顔料とを含み、かつトナー母粒子中におけるMg及びCaの含有量がそれぞれ0.35重量%以下である。
C.I.Pigment Yellow 185は凝集性が強いため、アゾ系顔料の併用によって凝集を抑制し、発色性を最大限に発揮させることができる。
C.I.Pigment Yellow 185とは、イエロー系着色剤であり。下記に示す化学構造式で表される化合物である。
アゾ系顔料としては、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、及び、アゾレーキ顔料等が例示できる。これらの中でも、モノアゾ系顔料及び/又はジスアゾ系顔料を用いることが好ましく、モノアゾ系顔料又はジスアゾ系顔料を用いることがより好ましく、C.I.Pigment Yellow 74(以下、単に「PY74」ともいう。)を用いることが特に好ましい。
前記イエロートナーにおけるPY185とアゾ系顔料との使用比(重量比)は、PY185:アゾ系顔料=99.5:0.5〜5:95であることが好ましく、95:5〜80:20であることがより好ましい。上記範囲であると、着色性、色調、及び、長期耐久性に優れる。
なお、着色剤粒子の中心径は、例えば、レーザー回析式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−700)で測定することができる。
着色剤の分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、なんら制限されるものではない。また、これらの着色剤粒子は、その他の粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段階で添加してもよい。
Mg及びCaの元素含有量がそれぞれ0.35重量%を越えると、着色剤、特にアゾ系顔料の分解を促進してしまい、二成分現像剤における長期耐光性に劣る。
なお、「トナー母粒子」には、外添剤は含まれない。
前記イエロートナーのトナー母粒子中におけるMgの元素含有量は、0.35重量%以下であり、0〜0.10重量%であることが好ましく、0〜0.01重量%であることがより好ましい。上記範囲であると、二成分現像剤における長期耐光性に優れる。
また、前記イエロートナーのトナー母粒子中におけるCaの元素含有量は、0.35重量%以下であり、0〜0.10重量%であることが好ましく、0〜0.01重量%であることがより好ましい。上記範囲であると、二成分現像剤における長期耐光性に優れる。
結着樹脂としては、従来のトナー用樹脂の何れでもよく、公知のものを用いることができ、重縮合樹脂や付加重合型樹脂が例示できる。その中でも、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、及び/又は、エポキシ樹脂が好ましく例示でき、スチレン−アクリル樹脂、及び/又は、ポリエステル樹脂をより好ましく例示できる。
結着樹脂のガラス転移温度は、ASTM D3418−82に規定された方法(DSC法)で測定した値をいう。
本発明に用いることのできる重縮合性単量体としては、例えば、多価カルボン酸、ポリオール、ヒドロキシカルボン酸、ポリアミン、又は、それらの混合物が挙げられる。特に、重縮合性単量体としては、多価カルボン酸とポリオールとさらにはこれらのエステル化合物(オリゴマー及び/又はプレポリマー)であることが好ましく、直接エステル反応、又はエステル交換反応を経て、ポリエステル樹脂を得るものがよい。この場合、重合されるポリエステル樹脂としてはアモルファス(無定形)ポリエステル樹脂(非結晶性ポリエステル樹脂)、結晶性ポリエステル樹脂などのいずれかの形態、又はそれらの混合形態をとることができる。
本発明において、重縮合樹脂は、重縮合性単量体、それらのオリゴマー及びプレポリマーよりなる群から選ばれる少なくとも1種を重縮合して得られるが、これらの中でも重縮合性単量体を使用することが好ましい。
また、ジカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸、イタコン酸、グルタコン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸等、さらにまたこれらの低級エステルなどが挙げられる。さらにまた、酸ハロゲン化物、酸無水物もこの限りではない。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、低級エステルとは、エステルのアルコキシ部分の炭素数が1〜8であることを示す。具体的には、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル及びイソブチルエステル等が挙げられる。
また、水分散性を容易にするため、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸等が例示される。
また、これらの重縮合性単量体の組み合わせにより非結晶性樹脂や結晶性樹脂を容易に得ることができる。
ラジカル重合性単量体としては、スチレン系単量体類、不飽和カルボン酸類、(メタ)アクリレート類(なお、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを意味するものとし、以下も同様とする。)、N−ビニル化合物類、ビニルエステル類、ハロゲン化ビニル化合物類、N−置換不飽和アミド類、共役ジエン類、多官能ビニル化合物類、多官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。なお、これらの中で、N−置換不飽和アミド類、共役ジエン類、多官能ビニル化合物類、及び、多官能(メタ)アクリレート類等は、生成された重合体に架橋反応を生起させることもできる。これらを、単独で、あるいは組み合わせて使用できる。
ラジカル重合性単量体としては、エチレン性不飽和結合を有する化合物であることが好ましく、芳香族エチレン性不飽和化合物(以下、「ビニル芳香族」ともいう。)、エチレン性不飽和結合を有するカルボン酸(不飽和カルボン酸)、エステルやアルデヒド、ニトリル若しくはアミドなどの不飽和カルボン酸の誘導体、N−ビニル化合物、ビニルエステル類、ハロゲン化ビニル化合物、N−置換不飽和アミド、共役ジエン、多官能ビニル化合物、又は、多官能(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
前記離型剤は、一般に離型性を向上させる目的で使用される。
前記離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられる。
本発明において、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、一般に帯電性を向上させる目的で使用される。
前記帯電制御剤としては、例えば、サリチル酸金属塩、含金属アゾ化合物、ニグロシンや第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
なお、本発明における「トナー母粒子」には、外添剤は含まれない。
外添剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニアなどの無機粒子が利用できる。例えば、流動性助剤やクリーニング助剤としてはシリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機粒子や、ビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂粒子が利用できる。外添剤の添加方法は特に限定されないが、乾燥状態で剪断力を加えてトナー粒子表面に添加することも可能である。
また、BET法による比表面積は20〜500m2/gの範囲であることが好ましい。トナーに混合される割合は0.01〜5重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.01〜2.0重量%の範囲である。
前記体積平均粒子径及び数平均粒子径は、例えば、コールターマルチサイザー−II型(ベックマン・コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で測定することにより求めることができる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液:ベックマン・コールター社製)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行うことが好ましい。
なお、原料分散液には必要に応じて、離型剤を分散させた離型剤分散液や、無機粒子分散液等のその他の分散液を加えてもよい。
なお、上述した通り、樹脂粒子分散液は、乳化重合法により調製することもできるし、塊状重合した後に溶解懸濁させることによって得ることもできる。また、界面活性剤と共に機械的剪断力により分散させることにより調製することもできる。
前記イエロートナーを凝集合一法により作製する場合、既述したように、凝集工程と、融合工程(合一工程)とを少なくとも経て作製されるものであるが、凝集工程を経て形成された凝集粒子(コア粒子)の表面に樹脂粒子を付着させて、コア/シェル構造を有する凝集粒子を形成する、付着工程を設けてもよい。
具体的には、各種の分散液を混合して得た原料分散液を加熱し、原料分散液中の粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。このとき後述する凝集剤の種類を複数種用い、より具体的にはMg、Ca化合物とアルミニウム化合物を、同時に又は別々に添加して凝集粒子を形成させる。凝集粒子を形成する前記着色剤分散液中、樹脂粒子分散液中の粒子はそれぞれ分散安定性が異なっており、また粒径も異なる。一方で凝集剤に関しても凝集させやすい粒径は決まっており、一般に価数の大きい金属ほど小さい粒子を凝集させやすい。そこで小さい粒子はアルミニウム等の価数の大きい化合物でより早く凝集させ、粒径がそろった状態でMg、Caによりより凝集粒子の粒度を狭い状態にすることができる。同時にMg、Caにより、前述の定着特性を調整することができる。アルミニウム等の価数の大きい化合物のみで凝集させる場合、特定の粒子に対する凝集性が低下し、含有率が低下したり、粒度分布が広くなったりする場合がある。またMg、Ca元素のみであると凝集粒子を形成させるのに量を多く用いなければならないため、耐光性は低下する場合がある。
前記凝集工程に用いられる凝集剤は、無機金属塩が好ましく、特に価数の大きい化合物とMg、Ca元素を有する化合物の組み合わせが前述の理由で好ましい。
前記無機金属塩としては、例えば、塩化バリウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。また、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウムなどの金属塩、及び、多硫化カルシウム等の無機金属塩が好ましく用いられる。
これらの中でも、マグネシウム塩、カルシウム塩及びこれらの重合体以外の凝集剤を用いることが好ましく、アルミニウム塩及び硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムを用いることが特に好ましい。
無機粒子分散液は任意の方法、例えばボールミル、サンドミル、超音波分散機回転剪断型ホモジナイザーなどを用いて作製することができ、無機粒子の分散平均粒子径は100nm以上500nm以下の範囲とすることが好ましい。
なお、pHの調整において、局所的なpHの変化が起こると、局所的な凝集粒子自体の破壊や局所的な過剰凝集を引き起こし、また、形状分布の悪化をも招く場合がある。特にスケールが大きくなる程、添加する酸及び/又はアルカリ量は多くなる。一般的には酸及びアルカリの投入箇所は1箇所であるので、同一時間で処理するならば投入箇所の酸及びアルカリの濃度はスケールが大きくなる程高くなる。
重合開始剤は、原料分散液を作製する段階であらかじめこの分散液に混合しておいてもよいし、凝集工程で凝集粒子に取り込ませてもよい。さらには、融合工程、あるいは、融合工程の後に導入してもよい。凝集工程、付着工程、融合工程、あるいは融合工程の後に導入する場合は、重合開始剤を溶解、又は乳化した液を、分散液に加えることができる。これらの重合開始剤には、重合度を制御する目的で、公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を添加してもよい。
本発明の二成分現像剤に用いることができるキャリアは、Cu、Zn、Ni及びMnの元素含有量がそれぞれ2,000ppm以下である。キャリアにおけるCu、Zn、Ni及びMnの元素含有量がいずれか1つでも2,000ppmを越えると、着色剤、特にアゾ系顔料の分解を促進してしまい、二成分現像剤における耐光性に劣る。
また、前記キャリアは、Cu、Zn、Ni及びMnの各元素の総含有量が2,000ppm以下であることが好ましく、0〜1,000ppmであることがより好ましく、0〜500ppmであることがより好ましく、1〜200ppmであることがさらに好ましく、10〜200ppmであることが特に好ましい。上記範囲であると、長期耐光性に特に優れる。
また、前記フェライトとしては、Fe以外に、Cu、Zn、Ni及びMnを含有するフェライトであることが好ましく、Ca、Mg、Cu、Zn、Ni及びMnを含有するフェライトであることがより好ましい。
キャリアの芯材の体積平均粒径としては、10〜500μmであることが好ましく、20〜120μmであることがより好ましく、30〜100μmであることがさらに好ましく、30〜80μmであることが特に好ましい。
被覆樹脂としては、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、モノクロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレンなどのビニル系フッ素含有モノマーの共重合体;スチレン、クロルスチレン、メチルスチレンなどのスチレン類;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの含窒素アクリル類;(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンなどのビニルピリジン類;ビニルエーテル類;ビニルケトン類;エチレン、モノクロロエチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン類;メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーンなどのシリコーン類などの単独重合体、又は、共重合体を使用することができ、さらに、ビスフェノール、グリコール等を含むポリエステル類を使用することもできる。また、上記の被覆樹脂を2種以上混合して使用することもできる。
また、キャリアの芯材の表面に樹脂を被覆するには、前記被覆樹脂、及び、必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
具体的には、キャリアの製造方法は、各種金属酸化物を粉砕して混合し混合物を得る混合工程、前記混合物にポリビニルアルコール等の造粒剤を添加し造粒する造粒工程、及び、造粒した混合物を焼成する焼成工程を含む製造方法であることが好ましい。
前記各種金属酸化物としては、鉄、カルシウム、マグネシウム、銅、亜鉛、ニッケル、マンガン等の酸化物が例示できる。中でも、Fe2O3、CaO、MgO、CuO、ZnO、NiO及び/又はMnOを用いることが好ましく、Fe2O3、CaO、MgO、CuO、ZnO、NiO及びMnOの全てを用いることがより好ましい。
前記焼成工程における焼成温度としては、1,200〜1,400℃であることが好ましく、1,250〜1,350℃であることがより好ましい。
前記焼成工程における焼成時間としては、混合物の組成や、焼成温度、乾燥の程度などにもよるが、1〜24時間であることが好ましい。
前記焼成工程における雰囲気は、酸素濃度が10体積%以下であることが好ましく、酸素濃度が7体積%以下であることがより好ましい。
前記仮焼成工程における仮焼成温度としては、750〜1,000℃であることが好ましく、850〜1,000℃であることがより好ましい。
前記仮焼成工程における仮焼成時間としては、混合物の組成や、焼成温度、乾燥の程度などにもよるが、10分〜24時間であることが好ましい。
さらに、前記仮焼成工程後、仮焼成した混合物を粉砕する工程を含むことも好ましい。
また、混合時の金属酸化物の粉砕や、仮焼成後の粉砕は、湿式粉砕により行われることが好ましい。
樹脂を被覆する方法としては、前記被覆樹脂を溶解した被覆層形成用溶液を芯材と混合し、乾燥させることにより被覆する方法が好ましい。
また、本発明の二成分現像剤は、通常の静電荷像現像方式(電子写真方式)の画像形成方法に使用することができる。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、前記被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着工程を含み、前記現像剤が本発明の二成分現像剤であることが好ましい。また、必要に応じて、クリーニング工程を含むことが好ましい。
前記各工程は、それ自体一般的な工程であり、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。なお、本発明の画像形成方法は、それ自体公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
前記潜像形成工程は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する工程である。
前記現像工程は、現像剤担体上の現像剤層により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する工程である。前記現像剤層としては、前記本発明の静電荷像現像トナーを含有する本発明の静電荷像現像剤を含んでいれば特に制限はない。
前記転写工程は、前記トナー像を被転写体上に転写する工程である。
前記定着工程は、紙等の被転写体上のトナー像を加熱ローラの温度を一定温度に設定した加熱ローラ定着器等により定着して複写画像を形成する工程である。
前記クリーニング工程は、静電潜像担持体上に残留する静電荷像現像剤を除去する工程である。本発明の画像形成方法においては、さらにリサイクル工程をも含む態様が好ましい。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収した静電荷像現像トナーを現像剤層に移す工程である。このリサイクル工程を含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムにも適用することができる。
本発明の画像形成装置は、潜像保持体と、前記潜像保持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記潜像保持体を露光して前記潜像保持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記潜像保持体から被転写体に転写する転写手段とを有し、必要に応じて定着基材上のトナー像を定着する定着手段を有し、前記現像剤が本発明の二成分現像剤である画像形成装置であることが好ましい。
上記転写手段では、中間転写体を用いて2回以上の転写を行ってもよい。
前記の各手段は、いずれも画像形成装置において公知の手段が利用できる。また、本発明で用いる画像形成装置は、前記した構成以外の手段や装置等を含むものであってもよい。また、本発明で用いる画像形成装置は前記した手段のうちの複数を同時に行ってもよい。
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法について説明する。
融点及びガラス転移温度の測定は、「DSC−20」(セイコー電子工業(株)製)を使用し、試料10mgを一定の昇温速度(10℃/min)で加熱して測定した。
結晶性樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121:87に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めた。
なお、結晶性樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなした。
また、非結晶性樹脂のガラス転移温度は、ASTM D3418−82に規定された方法(DSC法)で測定した値である。
本発明の静電荷象現像用トナーにおいて、特定の分子量分布は、以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は、東ソー(株)製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
粒子の体積平均粒径測定には、コールターマルチサイザー−II型(ベックマン・コールター社製)を用いた。この場合、50μmのアパーチャーを用いて測定した。測定した粒子の粒径は、特に断りのない場合、体積平均粒径を表すものとする。
測定法としては分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を1.0mg加える。これを前記電解液100ml中に添加して試料を懸濁した電解液を作製した。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として50μmアパーチャーを用いて1〜30μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求める。測定する粒子数は50000であった。
粒子の粒径がおよそ5μm以下の場合は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(LA−700、(株)堀場製作所製)を用いて測定した。
さらに、粒径がナノメーターオーダーの場合は、BET式の比表面積測定装置(Flow SorbII2300、(株)島津製作所製)を用いて測定した。
無機粒子等の外添剤が付着したトナーを界面活性剤入りの水中に分散させ、超音波処理を行った。処理した分散液を3,000rpm、2分間にて遠心分離し、沈降するトナー母粒子を5Cのろ紙にてろ過し、イオン交換水で洗浄する。得られた無機微粒子が除去された母粒子を乾燥し、蛍光X線測定装置「ASF−40」((株)島津製作所製)を用いて元素含有量を測定した。
蛍光X線測定装置「ASF−40」((株)島津製作所製)を用いて元素含有量を測定した。
<キャリアAの作製>
酸化鉄(III)(Fe2O3)120,000部、酸化カルシウム(CaO)2,000部、酸化マグネシウム(MgO)1,000部、酸化銅(CuO)0.2部、酸化亜鉛(ZnO)0.3部、酸化ニッケル(NiO)0.3部、酸化マンガン(MnO)0.3部を秤量し、水系のボールミルで5時間粉砕して混合物を得た。得られた混合物をスプレードライヤにて乾燥した後、これを1,200℃で2時間半加熱し、仮焼成を行った。
この粒子を水に分散し、ステンレスビーズを用いて5時間粉砕した。このスラリーに2%ポリビニルアルコール水溶液を2重量%添加し、次にスプレードライヤにより造粒の後、乾燥し、電気炉にて、温度1,150℃、酸素濃度0.05体積%以下で4時間保持し、本焼成を行った。その後解砕し、さらに分級して粒度調整し、その後磁力選鉱により低磁力品を分別し、フェライト芯材を得た。このフェライト芯材の体積平均粒径は38μmであった。
キャリアAの銅含有量は17ppm、亜鉛含有量は25ppm、ニッケル含有量は25ppm、マンガン含有量は26ppmであった。
酸化鉄(III)(Fe2O3)120,000部、酸化カルシウム(CaO)2,000部、酸化マグネシウム(MgO)1,000部、酸化銅(CuO)0.4部、酸化亜鉛(ZnO)0.3部、酸化ニッケル(NiO)0.4部、酸化マンガン(MnO)0.3部と使用量を変更した以外は、キャリアAと同様の方法でキャリアBを作製した。
キャリアBの銅含有量は33ppm、亜鉛含有量は25ppm、ニッケル含有量は36ppm、マンガン含有量は26ppmであった。
酸化鉄(III)(Fe2O3)9,600部、酸化カルシウム(CaO)1,120部、酸化マグネシウム(MgO)800部、酸化銅(CuO)1部、酸化亜鉛(ZnO)1部、酸化ニッケル(NiO)1部、酸化マンガン(MnO)1部と使用量を変更した以外は、キャリアAと同様の方法でキャリアCを作製した。
キャリアCの銅含有量は108ppm、亜鉛含有量は107ppm、ニッケル含有量は109ppm、マンガン含有量は111ppmであった。
酸化鉄(III)(Fe2O3)9,600部、酸化カルシウム(CaO)1,120部、酸化マグネシウム(MgO)800部、酸化銅(CuO)2部、酸化亜鉛(ZnO)2部、酸化ニッケル(NiO)2部、酸化マンガン(MnO)2部と使用量を変更した以外は、キャリアAと同様の方法でキャリアDを作製した。
キャリアDの銅含有量は215ppm、亜鉛含有量は214ppm、ニッケル含有量は219ppm、マンガン含有量は333ppmであった。
酸化鉄(III)(Fe2O3)9,600部、酸化カルシウム(CaO)1,120部、酸化マグネシウム(MgO)800部、酸化銅(CuO)4部、酸化亜鉛(ZnO)4部、酸化ニッケル(NiO)4部、酸化マンガン(MnO)4部と使用量を変更した以外は、キャリアAと同様の方法でキャリアEを作製した。
キャリアEの銅含有量は430ppm、亜鉛含有量は427ppm、ニッケル含有量は437ppm、マンガン含有量は443ppmであった。
酸化鉄(III)(Fe2O3)9,600部、酸化カルシウム(CaO)1,120部、酸化マグネシウム(MgO)800部、酸化銅(CuO)14部、酸化亜鉛(ZnO)1部、酸化ニッケル(NiO)1部、酸化マンガン(MnO)1部と使用量を変更した以外は、キャリアAと同様の方法でキャリアFを作製した。
キャリアFの銅含有量は1,504ppm、亜鉛含有量は107ppm、ニッケル含有量は109ppm、マンガン含有量は111ppmであった。
酸化鉄(III)(Fe2O3)9,600部、酸化カルシウム(CaO)1,120部、酸化マグネシウム(MgO)800部、酸化銅(CuO)1部、酸化亜鉛(ZnO)14部、酸化ニッケル(NiO)1部、酸化マンガン(MnO)1部と使用量を変更した以外は、キャリアAと同様の方法でキャリアGを作製した。
キャリアGの銅含有量は107ppm、亜鉛含有量は1,495ppm、ニッケル含有量は109ppm、マンガン含有量は111ppmであった。
酸化鉄(III)(Fe2O3)9,600部、酸化カルシウム(CaO)1,120部、酸化マグネシウム(MgO)800部、酸化銅(CuO)1部、酸化亜鉛(ZnO)1部、酸化ニッケル(NiO)14部、酸化マンガン(MnO)1部と使用量を変更した以外は、キャリアAと同様の方法でキャリアHを作製した。
キャリアHの銅含有量は107ppm、亜鉛含有量は107ppm、ニッケル含有量は1,529ppm、マンガン含有量は111ppmであった。
酸化鉄(III)(Fe2O3)9,600部、酸化カルシウム(CaO)1,120部、酸化マグネシウム(MgO)800部、酸化銅(CuO)1部、酸化亜鉛(ZnO)1部、酸化ニッケル(NiO)1部、酸化マンガン(MnO)14部と使用量を変更した以外は、キャリアAと同様の方法でキャリアIを作製した。
キャリアIの銅含有量は107ppm、亜鉛含有量は107ppm、ニッケル含有量は109ppm、マンガン含有量は1,567ppmであった。
酸化鉄(III)(Fe2O3)9,600部、酸化カルシウム(CaO)1,120部、酸化マグネシウム(MgO)800部、酸化銅(CuO)20部、酸化亜鉛(ZnO)1部、酸化ニッケル(NiO)1部、酸化マンガン(MnO)1部と使用量を変更した以外は、キャリアAと同様の方法でキャリアJを作製した。
キャリアJの銅含有量は2,147ppm、亜鉛含有量は107ppm、ニッケル含有量は109ppm、マンガン含有量は111ppmであった。
酸化鉄(III)(Fe2O3)9,600部、酸化カルシウム(CaO)1,120部、酸化マグネシウム(MgO)800部、酸化銅(CuO)2部、酸化亜鉛(ZnO)20部、酸化ニッケル(NiO)1部、酸化マンガン(MnO)1部と使用量を変更した以外は、キャリアAと同様の方法でキャリアKを作製した。
キャリアKの銅含有量は215ppm、亜鉛含有量は2,135ppm、ニッケル含有量は109ppm、マンガン含有量は111ppmであった。
酸化鉄(III)(Fe2O3)9,600部、酸化カルシウム(CaO)1,120部、酸化マグネシウム(MgO)800部、酸化銅(CuO)2部、酸化亜鉛(ZnO)2部、酸化ニッケル(NiO)20部、酸化マンガン(MnO)1部と使用量を変更した以外は、キャリアAと同様の方法でキャリアLを作製した。
キャリアLの銅含有量は215ppm、亜鉛含有量は213ppm、ニッケル含有量は2,183ppm、マンガン含有量は111ppmであった。
酸化鉄(III)(Fe2O3)9,600部、酸化カルシウム(CaO)1,120部、酸化マグネシウム(MgO)800部、酸化銅(CuO)2部、酸化亜鉛(ZnO)2部、酸化ニッケル(NiO)1部、酸化マンガン(MnO)20部と使用量を変更した以外は、キャリアAと同様の方法でキャリアMを作製した。得られたキャリアMの体積平均粒径は38μmであった。
キャリアMの銅含有量は215ppm、亜鉛含有量は213ppm、ニッケル含有量は109ppm、マンガン含有量は2,214ppmであった。
また、得られたキャリアB〜Mの体積平均粒径は、それぞれ38μmであった。
<樹脂粒子分散液1の調製>
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:40モル%
・1,2−プロパンジオール:10モル%
・テレフタル酸:30モル%
・アジピン酸:20モル%
なお、ビスフェノールAにおけるエチレンオキサイドの付加量は、1つのヒドロキシ基への付加量を示しており、化合物としては、全てのヒドロキシ基にそれぞれ付加されてなる。
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えたフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく撹拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの0.5重量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移温度が57℃、重量平均分子量28,500であるポリエステル樹脂1を得た。
・スチレン(和光純薬工業(株)製) 340重量部
・n−ブチルアクリレート(和光純薬工業(株)製) 60重量部
・β−カルボキシエチルアクリレート(ローディア日華(株)製) 7重量部
・1,10−デカンジオールジアクリレート(新中村化学工業(株)製) 1.1重量部
・ドデカンチオール(花王(株)製) 2.8重量部
以上の各材料を混合し溶解した。これを、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製:ダウファックス)4重量部をイオン交換水550重量部に溶解した液に投入し、フラスコ中で機械攪拌することにより分散・乳化し、10分間ゆっくりと撹拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム6重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。次いで、充分に系内の窒素置換を十分に行った後、フラスコを撹拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これにより、分散粒子の体積平均粒径が200nm、固形分量が43重量%、ガラス転移温度が51.0℃、重量平均分子量(Mw)が27,000の樹脂粒子分散液2を得た。
イエロー顔料として、C.I.ピグメントイエロー185(PY185、BASF社製)を20重量部、アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンSC有効成分として)2重量部、及び、イオン交換水58重量部を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、6,000rpmで5分間分散した後、撹拌器で1昼夜撹拌させて脱泡し、続けて分散液を高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで分散した。分散は25パス相当行った。固形分濃度25重量%にて、得られた着色剤粒子分散液の体積平均粒径を測定したところ、0.15μmであった。
イエロー顔料として、C.I.ピグメントイエロー74(PY74、大日精化工業(株)製:セイカ ファースト エロー2054)に変更する以外はイエロー着色剤粒子分散液Y1の調製と同様の条件で分散を行い、イエロー着色剤粒子分散液Y2を調製した。固形分濃度を25重量%にて、得られた着色剤粒子分散液の体積平均粒径を測定したところ、0.13μmであった。
イエロー顔料として、C.I.ピグメントイエロー93(PY93、大日精化工業(株)製:クロモファイン エロー 5930)に変更する以外はイエロー着色剤粒子分散液Y1の調製と同様の条件で分散を行い、イエロー着色剤粒子分散液Y3を調製した。固形分濃度を25重量%にて、得られた着色剤粒子分散液の体積平均粒径を測定したところ、0.12μmであった。
カルナバワックス(融点:81℃)40重量部、アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンSC)2重量部、及び、イオン交換水58重量部を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、6,000rpmで5分間分散した後、撹拌器で1昼夜撹拌させて脱泡し、続けて圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、その後イオン交換水を加えて、固形分濃度を25重量%に調整した。得られた離型剤粒子分散液の粒度分布を測定したところ、体積平均粒径は0.23μmであった。
・イオン交換水:360重量部
・樹脂粒子分散液1:190重量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK、20重量%):2重量部 以上を、温度計、pH計及び撹拌機を具備した反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、撹拌回転数150rpmにて、30分間保持した。その後、イエロー着色剤粒子分散液Y1を24重量部、イエロー着色剤粒子分散液Y2を4重量部、離型剤粒子分散液40重量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0重量%硝酸水溶液を添加し、pHを4.0に調整した。ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.15重量部、塩化マグネシウム0.04重量部、塩化カルシウム0.04重量部を10重量部の水に溶解した水溶液を5分間かけて添加後、撹拌しながら、50℃まで昇温し、体積平均粒径が5.4μmとなったところで、樹脂粒子分散液1を96重量部投入した。投入後30分間保持した後、5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、濾過、これをさらにイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、イエロートナーAの粒子を得た。
塩化マグネシウム0.04重量部を0.4重量部とする以外はイエロートナーAの作製と同様の条件でイエロートナーBを作製した。
塩化マグネシウム0.04重量部を1.5重量部とする以外はイエロートナーAの作製と同様の条件でイエロートナーCを作製した。
塩化カルシウム0.04重量部を0.4重量部とする以外はイエロートナーAの作製と同様の条件でイエロートナーDを作製した。
塩化カルシウム0.04重量部を1.5重量部とする以外はイエロートナーAの作製と同様の条件でイエロートナーEを作製した。
塩化マグネシウム0.04重量部を0.4重量部、塩化カルシウム0.04重量部を0.4重量部とする以外はイエロートナーAの作製と同様の条件でイエロートナーFを作製した。
塩化マグネシウム0.04重量部を1.5重量部、塩化カルシウム0.04重量部を1.5重量部とする以外はイエロートナーAの作製と同様の条件でイエロートナーGを作製した。
イエロー着色剤粒子分散液Y1を27重量部、イエロー着色剤粒子分散液Y2を1重量部とする以外はイエロートナーAの作製と同様の条件でイエロートナーHを作製した。
イエロー着色剤粒子分散液Y1を26重量部、イエロー着色剤粒子分散液Y2を2重量部とする以外はイエロートナーAの作製と同様の条件でイエロートナーIを作製した。
イエロー着色剤粒子分散液Y1を23重量部、イエロー着色剤粒子分散液Y2を5重量部とする以外はイエロートナーAの作製と同様の条件でイエロートナーJを作製した。
イエロー着色剤粒子分散液Y1を22重量部、イエロー着色剤粒子分散液Y2を6重量部とする以外はイエロートナーAの作製と同様の条件でイエロートナーKを作製した。
イエロー着色剤粒子分散液Y2をイエロー着色剤粒子分散液Y3とする以外はイエロートナーAの作製と同様の条件でイエロートナーLを作製した。
樹脂粒子分散液1を樹脂粒子分散液2とする以外はイエロートナーAの作製と同様の条件でイエロートナーMを作製した。
凝集剤としてを使用せず、塩化マグネシウム1.5重量部、塩化カルシウム1.6重量部を用いた以外はイエロートナーAと同様の条件でイエロートナーNを作製した。
着色剤としてイエロー着色剤粒子分散液Y1のみを28重量部用いた以外はイエロートナーAと同様に実施することでイエロートナーDを得た。
着色剤としてイエロー着色剤粒子分散液Y2のみを24重量部用いた以外はイエロートナーAと同様に実施することでイエロートナーEを得た。
なお、得られたトナーA〜Pの体積平均粒径は、トナーA〜Eがそれぞれ5.6μm、トナーFが5.8μm、トナーGが5.9μm、トナーH〜Mがそれぞれ5.6μm、トナーNが6.3μm、トナーO及びPがそれぞれ5.6μmであった。
下記表3に示す組み合わせで、トナーとキャリアとの重量比が、8:92になるように秤量した後、両者をVブレンダーにより、30回転/分で20分間撹拌・混合して、実施例1〜21、及び、比較例1〜7の二成分現像剤をそれぞれ作製した。
定着画像の作成方法としては、富士ゼロックス(株)製APEOSPORT−II C4300改造機(イエロー以外の現像機に現像剤が入っていなくても作動するようにしたもの)を用いてA4用紙(富士ゼロックス(株)製J紙)に黄色のパッチ画像(3×4cm、トナー載り量0.4g/cm2)を2枚作成し、定着画像とした。うち1枚は耐光性試験を行った。さらに10,000枚の白紙の出力(現像機は作動するが画像を作成しない状態)を行い、さらに前述のパッチ画像サンプルを作製し耐光性試験を行った。その後さらに10,000枚の白紙の出力を行い、耐光性試験を行った。
耐光性試験は、アトラス社製ウエザオメータ Ci 4000を用いて、240時間の照射を行った。なお、上記ウエザオメータ Ci 4000における光源は、6.5kWキセノンランプであり、400nmで100W/m2になるように調整して耐光性試験を行った。
画像の評価としては初期出力サンプルのジャパンカラーの色相評価、初期、10,000枚目及び20,000枚目の光照射サンプルにおける画像の耐光性評価を以下の基準で確認した。
○:ジャパンカラーと比較して同等の色相である。
△:ジャパンカラーと比較して若干異なる色相である。
×:ジャパンカラーと比較して異なる色相である。
◎:耐色ムラは確認できない。
○:耐色ムラが軽微に確認できる。
△:耐色ムラは確認できるが許容範囲である。
×:耐色ムラ等が生じている、または全体の濃度が著しく低下している。
また、評価が×のものについては、それ以上の評価は行わなかった。評価は行わなかった場合は、表3中に「−」で示した。
Claims (4)
- イエロートナーとキャリアとを含み、
前記イエロートナーが、C.I.Pigment Yellow 185とアゾ系顔料とを含み、
前記イエロートナーのトナー母粒子中におけるMg及びCaの元素含有量がそれぞれ0.35重量%以下であり、
前記キャリア中におけるCu、Zn、Ni及びMnの元素含有量がそれぞれ2,000ppm以下であることを特徴とする
二成分現像剤。 - 樹脂粒子分散液及び着色剤分散液を含む分散液中で前記樹脂粒子を凝集して凝集粒子を得る凝集工程、並びに、
前記凝集粒子を加熱して融合しトナー母粒子を得る融合工程を含む
請求項1に記載の二成分現像剤の製造方法。 - 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、
前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を二成分現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、
前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、
前記被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着工程、を含み、
前記二成分現像剤として、請求項1に記載の二成分現像剤、又は、請求項2に記載の製造方法により製造された二成分現像剤を用いる
画像形成方法。 - 潜像保持体と、
前記潜像保持体を帯電させる帯電手段と、
帯電した前記潜像保持体を露光して前記潜像保持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、
二成分現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、
前記トナー像を前記潜像保持体から被記録材に転写する転写手段と、を有し、
前記二成分現像剤として、請求項1に記載の二成分現像剤、又は、請求項2に記載の製造方法により製造された二成分現像剤を用いる
画像形成装置。
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