JP4770611B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
さらに、トナー中にワックス等の低軟化点物質を添加し、トナーの60℃および80℃における貯蔵弾性率の比、155℃と190℃における貯蔵弾性率の比をある範囲に制御することで、上記課題に対して改善を試みる提案がある(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、これにおいても、ある温度範囲でのグロス差は低減できているものの、カラー用途としては絶対値としての画像グロスが低く、光沢紙などを使用した場合には、紙グロスとの差が大きくなり、画像が背景部に対して沈んで見えてしまうという課題を有している。
すなわち、本発明は、連続プリント時においても面内及びプリント間で光沢差がなく、高い光沢の画像を提供することが可能な静電荷像現像用トナーの製造方法を提供するものである。
すなわち本発明は、
<1> 少なくとも結着樹脂の樹脂粒子分散液及び着色剤の着色剤分散液を混合してアルミニウムイオンの存在下で凝集粒子を形成する凝集工程と、前記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合・合一してトナー粒子を形成する融合工程と、を有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
前記結着樹脂は、静電荷像現像用トナーにおけるIPC発光分光分析によるチタンの含有率が50〜500ppmの範囲となるようにチタン系化合物を触媒として重合したポリエステル樹脂を含み、
前記凝集工程は、静電荷像現像用トナーにおける蛍光X線分析によるアルミニウム含有量が0.005〜0.040質量%の範囲となるように前記アルミニウムイオンを存在させて前記凝集粒子を形成する工程である静電荷像現像用トナーの製造方法である。
前記凝集粒子を形成する工程であり、前記離型剤の酸価は、0.1〜10mgKOH/gの範囲である<1>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
少なくとも1種以上の樹脂粒子分散液と、1種以上の着色剤分散液とを混合し、アルミニウムイオンの存在下で凝集粒子を形成する凝集工程と、前記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合・合一してトナー粒子を形成する融合工程と、を有する静電荷像現像用トナーの製造方法である。
前記現像剤が、<1>または<2>に記載の静電荷像現像用トナーを含む画像形成方法である。
<静電荷像現像用トナー>
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」という場合がある)は、 少なくとも結着樹脂及び着色剤からなる静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂がポリエステルであり、蛍光X線分析によるアルミニウム含有量が0.005〜0.040質量%の範囲であり、かつ、IPC発光分光分析によるチタン含有率が50〜500ppmの範囲であることを特徴とする。
具体的には、まず、前記乳化凝集法では、後述するような樹脂粒子等の凝集工程でアルミニウム含有量を低下すると、凝集体がばらばらになってしまう現象が発生する場合がある。この現象は、凝集の最終段階では凝集剤としてのアルミニウム含有量が少なく、樹脂粒子を合一させるために昇温を行ったときに樹脂粒子同士の電気的反発が強まるためであると考えられるが、トナー中にチタン原子を導入することで、これを回避することが可能となる。
トナー中のアルミニウム含有量は、好ましくは0.005〜0.030質量%の範囲であり、より好ましくは0.005〜0.025質量%の範囲である。
トナー中のチタン含有率が50ppmより少ないと、融合・合一時のエステル交換反応が十分ではなく、前記高光沢発現効果、オフセット発生抑制効果が発揮できない。逆に500ppmより多いと、エステル交換反応が過度に進行し、樹脂の溶融粘度の上昇をまねき定着性能の悪化や、樹脂への着色が顕著となり、特にカラートナー用結着樹脂としては不適当となる。
なお、本発明において特にチタンを用いているのは、他の触媒として用いられるスズ等の金属に比べ、安全性・反応性などの点で有利であるためである。すなわち、錫触媒は反応性が高く得られた樹脂が着色しにくいなどの優れた点がある一方で、特にジブチル錫オキシドなどに代表される有機錫触媒は安全性の面で課題がある。アルミニウムも触媒作用が知られており、樹脂への着色や安全面では有利であるものの、一般的に反応性がチタンに比べ低く、本発明においては融合・合一工程におけるエステル交換反応が不十分である。
トナー10gをクロロホルム100gに溶解し、48時間放置後の上澄みを採取する。採取した上澄み液を乾燥して得られたクロロホルム可溶分の乾固物0.25gを、25mlのメスフラスコに入れ、クロロホルム5mlを加えて溶解する。溶解後、メスフラスコの標線までキシレンを加えて希釈してサンプルを調製し、高周波誘導結合プラズマ発光分析装置(IPC−AES、セイコー電子工業(株)社製、SPS1200VR)を用いて、回折格子:主分光器3600本/mm、スリット:入射20μm、出射40μm、ホトマル:R306、トーチ:有機溶媒用トーチ、ネブライザー:グラスコンセントリック、アルゴンガス流量:プラズマガス18リッター/分、補助ガス1.8リッター/分、キャリアーガス0.11MPa、RFパワー:1.8kW、分析波長:334.9nm、測光高さ:15mm、積分時間:1秒、積分回数3回、の条件で、チタン標準溶液は、Conostan社製Metallo−Organic Standard(5000μg/g)を用いて定量した。
本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくともバインダー樹脂(結着樹脂)及び着色剤を含み、必要に応じて離型剤等その他の成分を含有する。本発明のトナーについて、まず各構成成分に分けて詳細に説明する。
本発明に用いられる結着樹脂はポリエステル樹脂を含むが、該ポリエステル樹脂としては、特に非晶性ポリエステル樹脂が好ましい。ここで「非晶性ポリエステル樹脂」とはDSCチャートにおいて、Tgに対応した吸熱点の他に、結晶融点に対応した吸熱ピークを示さないポリエステル樹脂を意味する。
非晶性ポリエステル樹脂としては、主として多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものが好ましい。非晶性ポリエステル樹脂は、樹脂の酸価の調整や、イオン性界面活性剤などを用いて乳化分散することにより樹脂粒子分散液を容易に調製することができる。
前記モノカルボン酸としては酢酸、無水酢酸、安息香酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸等を挙げることができ、モノアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2エチルヘキサノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノールなどを挙げることができる。
重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、直接重縮合の場合、通常0.9/1〜1/0.9の範囲である。エステル交換反応の場合は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなど真空下で脱留可能なモノマーを過剰に用いる場合が多い。
上記チタン系触媒を重合時に用いることにより、最終的トナーにおいてチタン含有率を前記範囲とするためには、添加量を原料モノマー100質量部に対して0.005〜0.3質量部の範囲とすることが好ましく、0.007〜0.25質量部の範囲とすることがより好ましい。
前記公知の樹脂の具体例としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体または共重合体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体または共重合体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体または共重合体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の単独重合体または共重合体;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン類の単独重合体または共重合体;エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体または共重合体;またはこれらの混合物などが挙げられる。さらには、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を含むシリコーン樹脂、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存化でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体などを用いても良い。
本発明に使用できる着色剤としては、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中での分散性の観点から選択される。
例えば、黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等が挙げられる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等が挙げられる。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等が挙げられる。また、染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシンが挙げられる。
更に、これらの着色剤が後述する乳化凝集法等に用いられる場合には、極性を有する界面活性剤を用い、前記ホモジナイザーによって水系に分散される。
黒色着色剤として磁性体を用いた場合は、他の着色剤とは異なり、結着樹脂に対して30〜100質量部の範囲で添加される。
使用できる離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス類;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス類;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス類;ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、モノステアリン酸グリセリド、ジステアリン酸グリセリド、ペンタエリスリトールテトラベヘネート等の高級脂肪酸と単価または多価低級アルコールとのエステルワックス類;ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジステアリン酸ジグリセリド、テトラステアリン酸トリグリセリド等の高級脂肪酸と多価アルコール多量体とからなるエステルワックス類;ソルビタンモノステアレート等のソルビタン高級脂肪酸エステルワックス類;コレステリルステアレート等のコレステロール高級脂肪酸エステルワックス類などが挙げられる。
本発明において、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いても良い。
その結果として、得られたトナーを用いた定着画像では、こすりに対する耐性が向上しこすりにより光沢変化を防止(高光沢維持、光沢むら発生抑制)することができる。
離型剤の添加量としては、結着樹脂100質量部に対し5〜25質量部の範囲が好ましく、7〜20質量部の範囲であることがより好ましい。離型剤の添加量が少ないと、定着時に定着部材からの離型性が不足し、オフセットが発生しやすくなる。逆に離型剤添加量が多いと、発色性の悪化や透明性の低下などの弊害が生じやすくなる。
なお、前記ポリエステル樹脂の重合においてチタン系触媒を用いない場合には、トナーの内添剤としてチタン含有率が前記範囲となるようにチタン系触媒や酸化チタンを別途加えてもよい。
前記金属酸化物粒子の具体例としては、シリカ、チタニア、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、またはこれらの複合酸化物等が挙げられる。このうちシリカ、チタニアが、粒径、粒度分布、製造性の観点から好ましく用いられる。これらの金属酸化物粒子は、疎水化等の表面改質を行なう方が好ましく、該表面改質の手段としては従来公知の方法を用いることができる。具体的にはシラン、チタネート、アルミネート等の各カップリング処理が挙げられる。
上記金酸化物粒子や有機粒子は、せん断をかけながらトナー粒子表面に添加することが好ましい。
形状係数SF1が110未満であると、感光体上の転写残トナーのブレードクリーニング性を損ない、145を超えるとトナーの流動性が低下し、初期から転写性に悪影響を及ぼすことがある。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(1)
上記式(1)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
上記本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、特に制限されないが、前述のように本発明のトナーの特性が、トナーのアルミニウム含有量を限定するものであり、さらにチタン系触媒によるエステル交換反応の制御の容易性等から、乳化凝集法により製造する方法が好ましい。
但し、本発明のトナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂の樹脂粒子分散液及び着色剤の着色剤分散液を混合してアルミニウムイオンの存在下で凝集粒子を形成する凝集工程と、前記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合・合一してトナー粒子を形成する融合工程と、を有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、前記結着樹脂は、静電荷像現像用トナーにおけるIPC発光分光分析によるチタンの含有率が50〜500ppmの範囲となるようにチタン系化合物を触媒として重合したポリエステル樹脂を含み、前記凝集工程は、静電荷像現像用トナーにおける蛍光X線分析によるアルミニウム含有量が0.005〜0.040質量%の範囲となるように前記アルミニウムイオンを存在させて前記凝集粒子を形成する工程である静電荷像現像用トナーの製造方法を適用する。
以下、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法について、乳化凝集法により詳細に説明する。
前記ポリエステル樹脂の樹脂粒子分散液は、水系媒体と、ポリエステル樹脂及び必要に応じて着色剤を含む混合液(ポリマー液)と、を混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。その際、ポリエステル樹脂の軟化点以上の温度に加熱することで、ポリマー液の粘性を下げて微粒子分散体を形成することができる。
樹脂粒子分散液を形成する際に用いる分散機としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、加圧ニーダー、エクストルーダー、メディア分散機等が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記界面活性剤としては、例えば硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤;などが挙げられる。これらの中でもイオン性界面活性剤が好ましく、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤がより好ましい。
非イオン系界面活性剤は、前記アニオン系界面活性剤またはカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
なお、樹脂粒子分散液等の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700堀場製作所製)で測定することができる。
前記凝集剤としては、特に制限されないが、凝集粒子の安定性、凝集剤の熱や経時に対する安定性、洗浄時の除去を考慮し、凝集剤としては、無機酸の金属塩が用いられる。具体的には塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩などが挙げられるが、本発明では、最終的なトナー粒子の定着時の粘度をコントロールする観点から、アルミニウムを含む凝集剤(例えば、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリミョウバン等)が用いられる。
本発明においては、上記キレート剤による捕縛では生成された錯体の除去や捕縛量などの制御が繁雑であるため、前記Al含有凝集剤の添加量によって制御する方法が好ましい。
本発明の静電荷像現像剤は、前記本発明の静電潜像現像用トナーを含有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。本発明の静電荷像現像剤は、静電荷像現像用トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤となり、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤となる。
また、上記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類;ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロぺニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有モノマー;などの単独重合体、または2種類以上のモノマーからなる共重合体、さらに、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を含むシリコーン樹脂類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。被覆樹脂の被覆量としては、前記核体粒子100質量部に対して0.1〜10質量部程度の範囲が好ましく、0.5〜3.0質量部の範囲がより好ましい。
静電荷像現像剤における前記本発明の静電潜像現像用トナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の画像形成方法は、潜像形成工程、現像工程、転写工程及び定着工程を含む。前記各工程は、それ自体一般的な工程であり、例えば特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。なお本発明の画像形成方法は、それ自体公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
本発明の画像形成方法では、本発明の現像剤(本発明のトナー)を用いているため、特に連続したプリント時においても高光沢で、光沢むらのない高画質なカラー画像を得ることができる。
実施例、比較例に用いたトナーは、下記の樹脂粒子分散液、着色剤分散液をそれぞれ調製し、これらを所定の割合で混合し攪拌しながら、これに少なくともアルミニウムを含む無機金属塩の重合体を添加しイオン的に中和して凝集粒子を形成した。その後、無機水酸化物で系内のpHを弱酸性から中性に調整した後、前記樹脂微粒子のガラス転移温度以上に加熱して融合・合一させた。その後、十分な洗浄、固液分離、乾燥の各工程を経て所望のトナーを得た。
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法について説明する。
(トナー粒度及び粒度分布測定方法)
本発明におけるトナー粒度及び粒度分布測定は、測定装置としてはコールターマルチサイザー−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、10個のトナーの最大長の2乗(ML2)、投影面積(A)とから、以下の式で求めた各々のトナーの形状係数SF1を計算し、平均値を求めることにより得られたものである。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 (πは円周率)
本発明において、結着樹脂等の分子量、分子量分布は以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
樹脂微粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
非晶性樹脂のガラス転移点(Tg)は、ASTMD3418−8に準拠して、示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC60、自動接線処理システム付き)を用い、室温から150℃まで昇温速度10℃/分の条件下で測定することにより求めた。なお、ガラス転移点は吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とした。
離型剤を2g秤量し、テトラヒドロフラン160mlに溶解、または溶解性の不十分なものについては可能溶解したのち、この試料を用いJIS K0070−1992の電位差滴定法により、酸価を測定した。
(樹脂分散液)
攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器中に、表1に示す材料組成比にて各材料を投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、表1に示す触媒を加え、窒素ガス気流下約195℃で約6時間撹拌反応させ、さらに温度を約240℃に上げて約6.0時間撹拌反応させた後、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、減圧下で約0.5時間攪拌反応させて、淡黄色透明なポリエステル樹脂(1)〜(6)を得た。
得られたポリエステル樹脂(1)〜(6)の分子量およびチタン含有率、ポリエステル樹脂分散液(1)〜(6)の粒子の体積平均粒径を表2に示す。
シアン顔料20部(大日精化社製:Pigment Blue 15:3、銅フタロシアニン)、アニオン界面活性剤2部(第一工業製薬社製、ネオゲンRK、有効成分として、着色剤に対して10%)、イオン交換水70部を用い、上記成分をすべて投入した時に液面の高さが容器の高さの1/3程度になるような大きさのステンレス容器に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、5000回転で5分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した。続けて、分散液を高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン社製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで分散した。分散は、トータル仕込み量と装置の処理能力から換算して25パス相当おこなった。その後イオン交換水を加えて、固形分濃度を20.0%に調整した。得られた着色剤分散液における着色剤粒子の体積平均粒径D50は118nmであった。
・パラフィンワックスHNP9(融点:72℃、日本精蝋社製、酸価:0mgKOH/g):45部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK):5部
・イオン交換水:200部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、体積平均粒径が210nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(a)(離型剤濃度:20%)を調製した。
・脂肪酸アマイドO−N(融点:72℃、酸価:1mgKOH/g、花王株式会社製):45部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK):5部
・イオン交換水:200部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、平均粒径が210nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(2)(離型剤濃度:20%)を調製した。
・精製カルナバワックスRC−160(融点:83℃、酸価:7mgKOH/g、東亜化成株式会社製):45部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK):5部
・イオン交換水:200部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、平均粒径が130nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(3)(離型剤濃度:20%)を調製した。
・ペンタエリスリトールベヘン酸エステルワックスWEP−5(融点:84.5℃、酸価:0.1mgKOH/g、日本油脂株式会社製):45部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK):5部
・イオン交換水:200部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、平均粒径が190nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(4)(離型剤濃度:20%)を調製した。
・モンタン酸エステルワックスLicowax−F(融点:77℃、酸価:10mgKOH/g、クラリアントジャパン株式会社製):45部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK):5部
・イオン交換水:200部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、平均粒径が110nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(5)(離型剤濃度:20%)を調製した。
・ライスワックス(融点:84℃、酸価:3mgKOH/g、東亜化成株式会社製):45部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK):5部
・イオン交換水:200部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、平均粒径が170nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(6)(離型剤濃度:20%)を調製した。
・ポリエチレンワックス ポリワックス655(融点96.9℃、酸価:0mgKOH/g、東洋ペトロライト株式会社製):45部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK):5部
・イオン交換水:200部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、平均粒径が220nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(7)(離型剤濃度:20%)を調製した。
・モンタン酸ジエステルワックス Licowax−E(融点:82℃、酸価:15mgKOH/g、クラリアントジャパン株式会社製):45部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK):5部
・イオン交換水:200部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、平均粒径が100nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(8)(離型剤濃度:20%)を調製した。
(トナーの製造)
・ポリエステル樹脂分散液(1):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(1):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液0.50部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。
得られたトナーAの体積平均粒径、微粉量、アルミニウム含有量及びチタン含有量を表3に示す。
トルエン1.25部にカーボンブラック(商品名;VXC−72、キャボット社製)0.10部を混合し、サンドミルで20分攪拌分散したカーボン分散液に、3官能性イソシアネート80%酢酸エチル溶液(タケネートD110N、武田薬品工業社製)1.25部を混合攪拌したコート剤樹脂溶液と、Mn−Mg−Srフェライト粒子(体積平均粒径:35μm)をニーダーに投入し、常温で5分間混合攪拌した後、常圧にて150℃まで昇温し溶剤を留去した。さらに30分混合攪拌後、ヒーターの電源を切り50℃まで降温した。得られたコートキャリアを75μmメッシュで篩分し、キャリアを作製した。
このキャリア92部と、前記トナーA8部とをVブレンダーにて混合し、現像剤Aを得た。
得られた現像剤Aを、富士ゼロックス(株)社製Docu Centre C7550改造機の現像器にセットし、ベタ画像が5.0g/m2となるように調製を行った後、ミラーコートプラチナ(坪量:256g/m2)(富士ゼロックスオフィスサプライ(株)社製)A4サイズ連続1000枚のプリントアウトを行った。
評価は1000枚連続プリントの1枚目と1000枚目との全面ベタ画像のグロス測定を行うことで評価を行った。なお、2枚目から999枚目までは全面Cin(入力画像データの1ドット当たりの画像面積率を表す画像濃度カバレッジ)が30%のハーフトーン画像である。グロス測定は、A4の任意の5箇所の光沢度をグロスメーター(村上色彩技術研究所製、GM−26D)を用いて測定角度60°の条件でグロス値(%)を測定し、その平均値をグロス値(光沢度)、5点の最大値と最小値の差を面内グロス差とした。なお、このとき、紙自体のグロス値は63%であった。
−グロス値−
◎:グロス値が80%を超える。
○:グロス値が70〜80%の範囲。
△:グロス値が63%(紙グロス)以上70%未満。
×:グロス値が63%未満。
◎:1枚目と1000枚目とのグロス値の差が1%以下(問題なし)。
○:上記グロス値差が1%を超え2%以下(目視では判別不能なレベルであり問題なし)。
△:上記グロス値差が2%を超え5%未満(目視ではほとんど分からないレベルであり問題なし)。
×:上記グロス値差が5%以上(目視でも差が見られるレベルであり問題となる)。
◎:面内グロス差が1%以下(問題なし)。
○:面内グロス差が1%を越え2%以下(目視では判別困難なレベル。軽微な差であり問題なし)。
△:面内グロス差が2%を越え4%以下(目視でややムラあるが、問題とはならないレベル)。
×:面内グロス差が4%を越える(目視でもグロスムラ感じられるレベルで問題となる)。
以上の評価結果を表4に示す。
・ポリエステル樹脂分散液(1):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(1):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液1.60部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。以降、実施例A1におけるトナーの製造と同様の操作で凝集・合一、洗浄、外添剤ブレンドを行い、トナーBを作製した。
上記トナーBを用いて、実施例A1と同様にして現像剤Bを作製し同様の評価を行なった。結果をまとめて表4に示す。
・ポリエステル樹脂分散液(5):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(1):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液0.20部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。以降、実施例A1におけるトナーの製造と同様の操作で凝集を行い、体積平均粒径が5.0μmとなったところでポリエステル樹脂分散液(5)を100部加えた以外は同様にして、トナーCを作製した。
上記トナーCを用いて、実施例A1と同様にして現像剤Cを作製し同様の評価を行なった。結果をまとめて表4に示す。
・ポリエステル樹脂分散液(2):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(1):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液1.20部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。以降、実施例A1におけるトナーの製造と同様の操作で凝集を行い、体積平均粒径が5.0μmとなったところでポリエステル樹脂分散液(2)を100部加えた以外は同様にして、トナーDを作製した。
上記トナーDを用いて、実施例A1と同様にして現像剤Dを作製し同様の評価を行なった。結果をまとめて表4に示す。
・ポリエステル樹脂分散液(4):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(1):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液1.00部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。以降、実施例A1におけるトナーの製造と同様の操作で凝集を行い、体積平均粒径が5.0μmとなったところでポリエステル樹脂分散液(4)を100部加えた以外は同様にして、トナーEを作製した。
上記トナーEを用いて、実施例A1と同様にして現像剤Eを作製し同様の評価を行なった。結果をまとめて表4に示す。
・ポリエステル樹脂分散液(3):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(1):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液0.20部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。以降、実施例A1におけるトナーの製造と同様の操作で凝集を行い、体積平均粒径が5.0μmとなったところでポリエステル樹脂分散液(3)を100部加えた以外は同様にして、トナーFを作製した。
上記トナーFを用いて、実施例A1と同様にして現像剤Fを作製し同様の評価を行なった。結果をまとめて表4に示す。
・ポリエステル樹脂分散液(6):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(1):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液0.90部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。以降、実施例A1におけるトナーの製造と同様の操作で凝集を行い、体積平均粒径が5.0μmとなったところでポリエステル樹脂分散液(6)を100部加えた以外は同様にして、トナーGを作製した。
上記トナーGを用いて、実施例A1と同様にして現像剤Gを作製し同様の評価を行なった。結果をまとめて表4に示す。
・ポリエステル樹脂分散液(6):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(1):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液0.10部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。実施例A1におけるトナーの製造と同様の操作で凝集を行い、体積平均粒径が5.0μmとなったところでポリエステル樹脂分散液(6)を100部加えた以外は同様にして、トナーHを作製しようとしたが、昇温工程において、粒子がばらばらに分解し、評価に供することのできるトナー粒子を作製することができなかった。このため、以降の評価を行なっていない。
・ポリエステル樹脂分散液(4):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(1):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液0.15部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。以降、実施例A1におけるトナーの製造と同様の操作で凝集を行い、体積平均粒径が5.0μmとなったところでポリエステル樹脂分散液(4)を100部加えた以外は同様にして、トナーIを作製した。
上記トナーIを用いて、実施例A1と同様にして現像剤Iを作製し同様の評価を行なった。結果をまとめて表4に示す。
・ポリエステル樹脂分散液(1):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(1):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液2.10部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。以降、実施例A1におけるトナーの製造と同様の操作で凝集を行い、体積平均粒径が5.0μmとなったところでポリエステル樹脂分散液(1)を100部加えた以外は同様にして、トナーJを作製した。
上記トナーJを用いて、実施例A1と同様にして現像剤Jを作製し同様の評価を行なった。結果をまとめて表4に示す。
・ポリエステル樹脂分散液(3):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(1):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液3.00部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。以降、実施例A1におけるトナーの製造と同様の操作で凝集を行い、体積平均粒径が5.0μmとなったところでポリエステル樹脂分散液(3)を100部加えた以外は同様にして、トナーKを作製した。
上記トナーKを用いて、実施例A1と同様にして現像剤Kを作製し同様の評価を行なった。結果をまとめて表4に示す。
(トナーの製造)
・ポリエステル樹脂分散液(1):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(2):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液0.60部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。
得られたトナーLの体積平均粒径、微粉量、アルミニウム含有量及びチタン含有率を表5に示す。
トルエン1.25部にカーボンブラック(商品名;VXC−72、キャボット社製)0.10部を混合し、サンドミルで20分攪拌分散したカーボン分散液に、3官能性イソシアネート80%酢酸エチル溶液(タケネートD110N、武田薬品工業社製)1.25部を混合攪拌したコート剤樹脂溶液と、Mn−Mg−Srフェライト粒子(体積平均粒径:35μm)をニーダーに投入し、常温で5分間混合攪拌した後、常圧にて150℃まで昇温し溶剤を留去した。さらに30分混合攪拌後、ヒーターの電源を切り50℃まで降温した。得られたコートキャリアを75μmメッシュで篩分し、キャリアを作製した。
このキャリア92部と、前記トナーL8部とをVブレンダーにて混合し、現像剤Lを得た。
得られた現像剤Lを、富士ゼロックス(株)社製Docu Centre C7550改造機の現像器にセットし、ベタ画像が5.0g/m2となるように調製を行った後、ミラーコートプラチナ(坪量:256g/m2)(富士ゼロックスオフィスサプライ(株)社製)A4サイズ連続1000枚のプリントアウトを行った。
評価は1000枚連続プリントの1枚目と1000枚目との全面ベタ画像のグロス測定を行うことで評価を行った。なお、2枚目から999枚目までは全面Cin(入力画像データの1ドット当たりの画像面積率を表す画像濃度カバレッジ)が30%のハーフトーン画像である。グロス測定は、A4の任意の5箇所の光沢度をグロスメーター(村上色彩技術研究所製、GM−26D)を用いて測定角度60°の条件でグロス値(%)を測定し、その平均値をグロス値(光沢度)、5点の最大値と最小値の差を面内グロス差とした。なお、このとき、紙自体のグロス値は63%であった。
−グロス値−
◎:グロス値が80%を超える。
○:グロス値が70〜80%の範囲。
△:グロス値が63%(紙グロス)以上70%未満。
×:グロス値が63%未満。
◎:1枚目と1000枚目とのグロス値の差が1%以下(問題なし)。
○:上記グロス値差が1%を超え2%以下(目視では判別不能なレベルであり問題なし)。
△:上記グロス値差が2%を超え5%未満(目視ではほとんど分からないレベルであり問題なし)。
×:上記グロス値差が5%以上(目視でも差が見られるレベルであり問題となる)。
◎:面内グロス差が1%以下(問題なし)。
○:面内グロス差が1%を越え2%以下(目視では判別困難なレベル。軽微な差であり問題なし)。
△:面内グロス差が2%を越え4%以下(目視でややムラあるが、問題とはならないレベル)。
×:面内グロス差が4%を越える(目視でもグロスムラ感じられるレベルで問題となる)。
以上の評価結果を表6(こすり前)に示す。
評価は、原稿送り実施後(こすり後)の1枚目と1000枚目の画像のグロスを初期と同様に測定を行い、前記の基準により判定を行った。なおこのとき、測定箇所に原稿送り装置のローラー部分接触部分が含まれるようにした。結果を表6(こすり後)に示す。
・ポリエステル樹脂分散液(1):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(3):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液1.29部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。以降、実施例B1におけるトナーの製造と同様の操作で凝集・合一、洗浄、外添剤ブレンドを行い、トナーMを作製した。
上記トナーMを用いて、実施例B1と同様にして現像剤Mを作製し同様の評価を行なった。結果をまとめて表6に示す。
・ポリエステル樹脂分散液(2):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(4):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液0.20部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。以降、実施例B1におけるトナーの製造と同様の操作で凝集を行い、体積平均粒径が5.0μmとなったところでポリエステル樹脂分散液(2)を100部加えた以外は同様にして、トナーNを作製した。
上記トナーNを用いて、実施例B1と同様にして現像剤Nを作製し同様の評価を行なった。結果をまとめて表6に示す。
・ポリエステル樹脂分散液(2):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(5):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液0.82部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。以降、実施例B1におけるトナーの製造と同様の操作で凝集を行い、体積平均粒径が5.0μmとなったところでポリエステル樹脂分散液(2)を100部加えた以外は同様にして、トナーOを作製した。
上記トナーOを用いて、実施例B1と同様にして現像剤Oを作製し同様の評価を行なった。結果をまとめて表6に示す。
・ポリエステル樹脂分散液(1):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(6):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液1.65部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。以降、実施例B1におけるトナーの製造と同様の操作で凝集を行い、体積平均粒径が5.0μmとなったところでポリエステル樹脂分散液(1)を100部加えた以外は同様にして、トナーPを作製した。
上記トナーPを用いて、実施例B1と同様にして現像剤Pを作製し同様の評価を行なった。結果をまとめて表6に示す。
・ポリエステル樹脂分散液(1):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(7):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液1.45部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。以降、実施例B1におけるトナーの製造と同様の操作で凝集を行い、体積平均粒径が5.0μmとなったところでポリエステル樹脂分散液(1)を100部加えた以外は同様にして、トナーQを作製した。
上記トナーQを用いて、実施例B1と同様にして現像剤Qを作製し同様の評価を行なった。結果をまとめて表6に示す。
・ポリエステル樹脂分散液(1):325部
・着色剤分散液:33.3部
・離型剤分散液(8):50.0部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。次いで、1.0%硝酸水溶液を用い、pHを2.5に調整した。これに10%ポリ塩化アルミニウム水溶液0.65部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。以降、実施例B1におけるトナーLと同様の操作で凝集・合一、洗浄、外添剤ブレンドを行い、トナーRを作製した。
上記トナーRを用いて、実施例B1と同様にして現像剤Rを作製し同様の評価を行なった。結果をまとめて表6に示す。
一方、比較例のトナーに関しては、グロス値やグロスむらにおいて、何らかの問題が発生した。
Claims (2)
- 少なくとも結着樹脂の樹脂粒子分散液及び着色剤の着色剤分散液を混合してアルミニウムイオンの存在下で凝集粒子を形成する凝集工程と、前記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合・合一してトナー粒子を形成する融合工程と、を有する静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
前記結着樹脂は、静電荷像現像用トナーにおけるIPC発光分光分析によるチタンの含有率が50〜500ppmの範囲となるようにチタン系化合物を触媒として重合したポリエステル樹脂を含み、
前記凝集工程は、静電荷像現像用トナーにおける蛍光X線分析によるアルミニウム含有量が0.005〜0.040質量%の範囲となるように前記アルミニウムイオンを存在させて前記凝集粒子を形成する工程であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 前記凝集工程は、前記樹脂粒子分散液及び前記着色剤分散液と共に、さらに、離型剤分散液を混合して、前記凝集粒子を形成する工程であり、
前記離型剤の酸価は、0.1〜10mgKOH/gの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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