JP4211931B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真用トナーおよびトナー用バインダー樹脂に関する。更に詳しくはポリエステル樹脂を含むトナー及びトナー用バインダー樹脂に関する。
近年、電子写真法を利用した複写機やプリンターへの要求性能が高度化している。一般に、複写機やプリンターに於ける電子写真法は、光感光体上に静電気的潜像を形成し、ついで潜像を、トナーを用いて現像し、紙などの被定着シート上にトナー画像を転写した後、熱ロールで加熱圧着する方法(熱ロール定着方式)が行われている。この熱ロール定着方式においては、消費電力等の経済性の向上、複写速度の上昇等のため、より低温で定着可能な、すなわち定着性の良好なトナーが要求されている。一方で、熱ロール定着方式においては、熱ロール表面とトナーが溶融状態で接触するため、トナーが熱ロール表面に付着転移し、次の被着シートにこれが再転移して汚す、所謂オフセット現象という問題が生じる。このオフセット現象を発生させないことも、重要なトナー性能への要求の一つである。さらには、複写機、プリンターの高速化に伴い、帯電部位の高性能化の要求も高まってきている。すなわちトナーに対し、より高度な耐久性が必要とされてきており、長期耐刷安定性が必要になりつつある。
例えば、代表的なトナー用バインダー樹脂として用いられているスチレン−アクリル系樹脂において、定着性を良好なものとする為に、結着(バインダー)樹脂を低分子量化し、定着温度を低くしようとする等の試みが一般的になされている。しかしながら、低分子量化することにより樹脂粘度は低下するが、同時に樹脂の強度および凝集力も低下し、トナーの耐久性の劣化および定着ロールへのオフセット現象が発生する問題が生じる。また、高分子量の樹脂と低分子量の樹脂を混合使用して分子量分布を広くしたものを該結着樹脂として用いる方法や、さらに結着樹脂の高分子量部分を架橋させたりすることなどが行われていた。しかしながらこの方法においては、樹脂の粘度が上昇してしまい、逆に、定着性を満足させることが困難となる。
このような相反する性能を要求される結着樹脂として、スチレン−アクリル系樹脂に代えて、高密度なポリエステル樹脂を用いたトナーが種々提案されている(例えば、特開昭61−284771号公報(特許文献1)、特開昭62−291668号公報(特許文献2)、特公平7−101318号公報(特許文献3)、特公平8−3663号公報(特許文献4)、米国特許第4,833,057号(特許文献5)等)。それらはポリエステル樹脂の原料としてビスフェノールA誘導体を用い、あるいはポリエステルを製造する際の触媒として、錫系触媒を使用している。
一方、近年、種々の用途でビスフェノールA、錫などが環境に影響する可能性があることを危惧する声があり、市場からはそれらを含有しない製品を求める声がある。このため、上記の要求を満たすトナーの検討が必要とされている。
また、一般的にはトナー中には、トナーへ電荷を付与させる目的の為に、帯電調整剤を含有させる。帯電調整剤としては、正帯電、負帯電性の付与効果を持つものがそれぞれ知られている。負帯電性を付与する帯電調整剤としては、アゾ系の金属錯体やサリチル酸の金属錯体などが挙げられる。これら帯電調整剤においても、特にクロムなどの金属を用いたものに関して、環境に影響する可能性があることを危惧する声があり、市場からはそれらを使用しないトナーを求める声がある。このような状況の中で従来のクロムを含有したアゾ系の金属錯塩から、ジルコニウムや亜鉛やアルミニウム等の金属を含有したサリチル酸系金属錯体が、帯電調整剤として好んで用いられるようになってきている。しかしながら、これらサリチル酸金属錯体は、ポリエステルのカルボキシル基との架橋反応を生じることがある為、定着性が良好なトナーを得ることが困難であった。
さらには環境問題の他の一面として、近年、人口の増加に伴いエネルギーの使用が拡大し資源の枯渇化に伴って、省資源・省エネルギー・資源のリサイクル等が叫ばれてきている。なかでもPETボトルは、各自治体等で回収され、各種衣料や容器材料として利用され始めているが、更に新たな用途開発が望まれている。
特開昭61−284771号公報 特開昭62−291668号公報 特公平7−101318号公報 特公平8−3663号公報 米国特許第4,833,057号
従って本発明の課題は、より高性能のトナーおよびトナー用バインダー樹脂を提供することである。また、好ましくは上記の性能に加え、環境への負荷が少ない構造、構成をも併せ持つトナーおよびトナー用バインダー樹脂を提供することにある。
本発明者らは上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、以下に記述する発明に至った。 即ち本発明は、
(1) 下記条件を満たすポリエステル樹脂(A)とサリチル酸の金属錯体化合物とを含むトナーであり、
(ポリエステル樹脂(A)は、少なくとも多価カルボン酸由来の構造単位(A1)と多価アルコール由来の構造単位(A2)とを含み、
酸価が10 KOHmg/g以下であり、
OH価が10 KOHmg/g以下であり、
テトラヒドロフラン不溶成分(A−I)0〜40質量%
テトラヒドロフラン可溶成分(A−S)100〜60質量%
であって、
テトラヒドロフラン不溶成分(A−I)が、多価イソシアネート由来の構造単位(UI1)を含むもの、である。)
) 好ましくは、下記(式1)の構造単位(AN1)が1モル%以下であることを特徴とするトナーであり、
Figure 0004211931
) 好ましくは、ポリエステル樹脂(A)が、
OH価が20〜90KOHmg/gであるポリエステル樹脂(a)10〜60質量%と、
数平均分子量が1000〜5000であり、ガラス転移点が51〜80℃であり、OH価が10KOHmg/g以下であり、酸価が10KOHmg/g以下であるポリエステル樹脂(b)40〜90質量%と、
多価イソシアネートとから得られることを特徴とするトナ
ある。
本発明のトナーは、環境に対する負荷が少ないとされ、且つ、帯電性能に優れたサリチル酸金属錯体化合物系の帯電調整剤と、酸価、水酸基価の低いトナー用バインダー樹脂とを含んでいる。このため、サリチル酸金属錯体化合物系帯電調整剤の優れた帯電性能を充分にトナー性能として発現させることが出来る。このため、従来よりも定着性−耐オフセット性バランスに優れており、特に定着性に優れている。また好ましくは、環境および生物への安全性に関しての近年高まりつつある問題に対して、安全と考えられる構造を有し、優れた定着性、スメア性、耐オフセット性、現像耐久性および耐ブロッキング性を示す。また吸湿性が低いので、経時的な樹脂物性の変化が極めて少なく、高い保存特性を有している。更に、このため、本発明の工業的価値は大きい。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明においては、重縮合のことを重合と言うことがある。
本発明のトナーは、ポリエステル樹脂(A)とサリチル酸金属錯体化合物とを含んでいる。ポリエステル樹脂(A)は、テトラヒドロフラン(THF)に不溶な成分(A−I)が0〜40質量%とTHFに可溶な成分(A−S)が100〜60質量%とからなる。好ましくは、THF不溶成分(A−I)が0.1〜40質量%、より好ましくは0.5〜25質量%であり、THF可溶成分(A−S)が99.9〜60質量%であり、より好ましくは99.5〜75質量%である。THF不溶成分(A−I)が40質量%を越えると定着性が悪化することがある。
また、本発明のポリエステル樹脂(A)の酸価は10KOHmg/g以下であり、OH価は10KOHmg/g以下である。酸価やOH価を上記範囲内とすることにより、後述する帯電調整剤は、ポリエステル樹脂(A)と反応して、その帯電性能が低下することが殆ど無い。このため、帯電性、帯電安定性に優れ、良好な定着性能や耐オフセット性能を有するトナーを得ることができる。ここでトナーの帯電安定性とは、特に湿度の変化の影響に関する安定性を意味する。より具体的には、例えば相対湿度55%の湿度下での帯電量と相対湿度80%の湿度下での飽和帯電量の変化量の大小を意味する。もちろん上記変化量は小さいことが好ましい。
ポリエステル樹脂(A)は、少なくとも多価カルボン酸由来の構造単位(A1)と多価アルコール由来の構造単位(A2)とを含んでいる。多価カルボン酸由来の構造単位(A1)は、例えば対応する多価カルボン酸と多価アルコールとの縮合反応により形成される下記(式2)の様な構造を有している。
Figure 0004211931
(Rは、炭素、水素、および必要に応じて窒素、酸素、燐、珪素から選ばれる元素からなる基である。)
上記の多価カルボン酸は、例えば炭素数1〜20の炭化水素において水素の1〜5個、好ましくは1〜3個がカルボキシル基に置換された構造の化合物が好ましい。この炭化水素は脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素である事が好ましい。具体的には、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸類、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類、これらジカルボン酸の無水物である無水フタル酸等が挙げられる。また、これらのジカルボン酸の低級アルキルエステルなどを挙げることができる。これらのエステルは、後述する多価アルコールとのエステル交換反応によってポリエステルを得ることが出来る。上記の多価カルボン酸は2種以上を併用することが出来る。
本発明に係る多価アルコール由来の構造単位(A2)としては、例えば対応する多価アルコールと多価カルボン酸との縮合反応により形成される下記(式3)の様な構造を有している。
Figure 0004211931
(Rは、炭素、水素、および必要に応じて窒素、酸素、燐、珪素から選ばれる元素からなる基である。)
上記の対応する多価アルコールは、ビスフェノールA由来の構造単位が1モル%以下であることが好ましい。上記の多価アルコールとして具体的には、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、フタリルアルコール等の多価アルコールが挙げられる。これらの中でも分岐および/または環状構造を有するネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、特にネオペンチルグリコールが好ましい。上記の多価アルコールは2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
上記の多価アルコールは、ビスフェノールA骨格を有する化合物、具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールA−2プロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールA−3プロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールA−ポリプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールA−2エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA−3エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA−ポリエチレンオキサイド付加物とは異なる構造を有していることが好ましい。すなわち、本発明のポリエステル樹脂(A)は、下記(式1)で表される構造単位(AN1)が、1モル%以下であることが好ましい。
Figure 0004211931
また、3価以上のアルコールも勿論例示できる。具体的には、トリメチロールプロパン、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン等が挙げられ、特にトリメチロールプロパン、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、トリメチロールエタンが好ましい。
上記の構造単位の中で、多価カルボン酸由来の構造単位と多価アルコール由来の構造単位とは、ポリエステル樹脂(A)中で例えば下記(式4)の様な構造を形成している。
Figure 0004211931
本発明のポリエステル樹脂(A)は、多価イソシアネート化合物由来の構造単位(U1)を含むことが好ましい。特に、本発明に係るポリエステル樹脂(A)のTHF不溶成分(A−I)は、多価イソシアネート化合物由来の構造単位(UI1)を含有するポリウレタンポリエステル樹脂であることが好ましい。多価イソシアネート化合物由来の構造単位(UI1)の構造は、例えば、多価イソシアネートとアルコールとが反応して形成される(式5)の様な構造を例示することが出来る。
Figure 0004211931
(Rは、炭素、水素、および必要に応じて窒素、酸素、燐、珪素から選ばれる元素からなる基である。)また、多価イソシアネート化合物由来の構造単位(U1)や(UI1)と多価アルコール由来の構造単位(A2)とは、ポリエステル樹脂(A)中で例えば下記(式6)の様な構造を形成している。
Figure 0004211931
上記の構造に対応する多価イソシアネート化合物としては、後述するポリエステル樹脂(A)の好ましい製造方法例の項に記載する多価イソシアネート化合物と同様のものを挙げることが出来る。
多価イソシアネート化合物由来の構造単位は高い分子間結合力を有しているので、耐オフセット性の発現に効果的であり、また、良好な耐久性を得ることができるという効果があるので好ましく用いられる。
また、本発明のTHF可溶成分(A−S)は、(A−S)成分中の、多価アルコール由来の構造単位の合計を100モル%として、テレフタル酸由来の構造単位が10〜80モル%であり、かつ、エチレングリコール由来の構造単位が10〜80モル%であるTHF可溶成分(AS2)が好ましい。上記テレフタル酸由来の構造単位およびエチレングリコール由来の構造単位は、好ましくは30〜75モル%であり、より好ましくは45〜75モル%である。テレフタル酸由来の構造単位とエチレングリコール由来の構造単位を上記範囲内に制御することにより、得られるトナーの耐久性を良好なものとすることができる。なお、本発明におけるテレフタル酸およびエチレングリコール由来の構造単位の含有率は、例えばNMR等を用いて分析することにより求めることができる。
本発明のポリエステル樹脂(A)は、上記の多価イソシアネート由来の構造単位(UI1)を有するTHF不溶部と、その多価アルコール由来の構造単位の合計を100モル%としてテレフタル酸由来の構造単位を10〜80モル%およびエチレングリコール由来の構造単位を10〜80モル%含むTHF可溶部を有するポリエステル樹脂(AP)であることがより好ましい。上記のポリエステル樹脂(AP)の樹脂密度は、好ましくは1.15〜1.35g/cm3、より好ましくは、1.23〜1.30g/cm3、更に好ましくは、1.25〜1.30g/cm3と言う高い樹脂密度を有する。この為、本発明のトナーは良好な現像耐久性を有することができると考えられる。
本発明のポリエステル樹脂(A)を製造方法としては、前述のカルボン酸カルボン酸エステルやカルボン酸無水物と前述のアルコールとを縮合反応やエステル交換反応などでポリエステルを得る方法が挙げられる。更には、ポリエステル樹脂を多価イソシアネートと反応させる方法を好ましく用いることが出来る。また、上記のポリエステルを得る際には、後述するように原料としてテレフタル酸とエチレングリコールの縮合物であるポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることがより好ましい。
本発明においてPETを原料として用いることは、PETリサイクルと言う環境問題への貢献の他、下記の観点からも好適である。即ち、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合反応により得られるポリエステル樹脂は、その合成方法上、原料としては、多価カルボン酸または多価アルコールのどちらか一方を過剰にし重合することが一般的である。どちらか一方が過剰である場合には、平衡反応であるポリエステルの縮合反応の性質上、より簡単に目的とするポリエステルを得ることができるが、酸価、OH価が、10KOHmg/gを超える値となることが多い。多価カルボン酸と多価アルコール量をほぼ当モル仕込んで重合する際には、残存するカルボン酸基と水酸基の量が減ってゆく重合後期においては、反応は容易には進行しない。この為、多価カルボン酸と多価アルコール量をほぼ当モル仕込んで重合する際には、重縮合反応がある程度進行した段階で重縮合反応を終了することが一般的である。この際、得られるポリエステル樹脂の酸価およびOH価は、一般的にいずれも10KOHmg/gを超える大きい値となる。それに対し、本発明の原料としてPETを用いる方法は、酸価およびOH価が10KOHmg/g以下のポリエステルを容易に得ることができる。この反応に用いる触媒は、後述するチタン系の触媒を用いることが好ましい。
さらに本発明のポリエステル樹脂(A)は、好ましくはTHF不溶成分(A-I)が、多価イソシアネート由来の構造単位(UI1)を有している。多価イソシアネートをポリエステル樹脂と反応させて得られる後述する通り、効率よく、良質なゲル成分を得ることができる。なお、ここでの、良質なゲル成分とは、架橋構造における網目の大きさが比較的緩やかである、ということを指し、例としては後述の製法により得られるゲルを挙げることが出来る。
また、本発明のトナーバインダー樹脂(A)は(式1)で示される構造単位(AN1)が多価アルコール由来の構造単位の合計を100モル%として1モル%以下であることが好ましい。(式1)で示される構造単位が多価アルコール由来の構造単位を上記の範囲に制御することにより、得られるトナーは定着性やスメア性に優れていることが多い。この場合、THF可溶成分はTHF可溶成分(AS2)であることが好ましい。上記の場合、樹脂は主鎖中の極性が高い高分子構造となることが多い。これは、(式1)で示される構造単位(AN1)に比してエチレングリコールを由来の構造単位は一般的に小さい為、少なくとも当該部位の樹脂のエステル濃度が高くなることとよると考えられる。このような特殊な極性構造を有するポリエステルであることにより、トナーの定着性やスメア性において良好な性能を発現するものと推測される。
本発明に用いられるポリエステル樹脂(A)は、OH価が20〜90KOHmg/gであるポリエステル樹脂(a)10〜60質量%と数平均分子量が1000〜5000であり、ガラス転移温度が51〜80℃であり、OH価が10KOHmg/g以下であり、酸価が10KOHmg/g以下であるポリエステル樹脂(b)40〜90質量%と多価イソシアネートとから得られることが好ましい。以下、ポリエステル樹脂(a)およびポリエステル樹脂(b)について詳述する。
本発明に用いられるトナー用バインダー樹脂を構成するポリエステル樹脂(a)およびポリエステル樹脂(b)は、いずれのポリエステル樹脂においても、下記(式1)の構造単位(AN1)が1モル%以下であることが好ましい。
Figure 0004211931
本発明のポリエステル樹脂は、通常多価カルボン酸やその酸無水物と多価アルコールとの重縮合反応によって得られる。
上記のカルボン酸としては、多価カルボン酸由来の構造単位(A1)の説明で記載した多価カルボン酸と同様の物を例示できる。
これらの中でも芳香族ジカルボン酸が好ましく、より好ましくはテレフタル酸、イソフタル酸であり、更に好ましくはテレフタル酸である。特にポリエステル樹脂(b)の製造においては、上記テレフタル酸の使用量は、ポリエステル樹脂中の全アルコール成分を100モル%とした時に、10〜80モル%であり、より好ましくは30〜75モル%であり、より好ましくは45〜75モル%である。上記の多価カルボン酸は2種以上を組み合わせて用いることも出来る。
また、分子量を調整する目的で1価のカルボン酸および多価カルボン酸を用いることもできる。1価のカルボン酸で好ましいものとしては、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪族カルボン酸が挙げられ、分岐していても、不飽和基を有していてもよい。また、これら脂肪族1価カルボン酸は、ガラス転移点を下げる性質があるため、ガラス転移点調節のために用いることもできる。一方、安息香酸やナフタレンカルボン酸などの芳香族カルボン酸を用いてもよい。これらの1価のカルボン酸は、全カルボン酸由来の構成単位に対して0モル%〜30モル%、好ましくは0モル%〜15モル%の量で用いられる。上記の1価のカルボン酸は2種以上を併用することが出来る。
本発明におけるポリエステル樹脂には、上記の様な従来ポリエステル樹脂を製造する際に用いられているカルボン酸を用いることができるが、ビスフェノールA骨格を有するものは、使用しないことが好ましい。
上記のアルコールとしては、多価アルコール由来の構造単位(A2)の説明で記載したアルコールと同様の物を例示することが出来る。これらの中でも分岐および/または環状構造を有するネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、トリメチロールエタン、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、特にエチレングリコールおよびネオペンチルグリコールが好ましい。特に上記のポリエステル樹脂(b)の製造においては、上記エチレングリコールの使用量は、ポリエステル樹脂中の全アルコール成分のモル数を100モル%とした時に、10〜80モル%であり、好ましくは30〜75モル%であり、より好ましくは45〜75モル%である。
また、分子量を調整する目的で1価のアルコールおよび3価以上の多価アルコールを用いることもできる。
1価のアルコールで好ましいものとしては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコールなどの脂肪族モノアルコールなどが挙げられ、分岐や不飽和基を有していてもよい。これらの1価のアルコールは、全アルコール由来の構成単位に対して0モル%〜30モル%、好ましくは0モル%〜15モル%の量で用いられる。
3価以上の多価アルコールは、後述する分子量分布を広げる効果があるため好ましく用いられ、具体的には、トリメチロールプロパン、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、トリメチロールエタン、ペントール、ソルビット、ソルビタン等が挙げられ、特にトリメチロールプロパン、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、トリメチロールエタンが好ましい。特に、ポリエステル樹脂(a)を得る場合には、三価以上の多価アルコールおよび/または多価カルボン酸が必須であるが、具体的にはトリメチロールプロパンが好ましい。
上記の1価のアルコールや3価以上の多価アルコールは2種以上を併用することが出来る。
本発明におけるポリエステル樹脂は、上記の多価カルボン酸と多価アルコールとを重縮合する事によって得られるが、前述のようにポリエチレンテレフタレート(PET)を重縮合反応に用いることが好ましい。このPETは、廃物より回収されたリサイクルPETであっても良い。リサイクル品PETは、フレーク状に加工したものであり、重量平均分子量で30000〜90000程度のものであるが、PETの分子量分布、組成、製造方法、使用する際の形態等に制限されることはない。また、リサイクル品に制限されることはない。
上記PETの含有量は、ポリエステル樹脂中の全アルコール成分を100モル%とした時に、PET由来のアルコール成分であるエチレングリコール由来の構造単位として、10〜80モル%であり、好ましくは30〜75モル%であり、より好ましくは45〜75モル%である。
また、アルコール成分として、少なくとも、PET由来のエチレングリコールと、分岐構造および/または環状構造を有するアルコール、好ましくはネオペンチルグリコールとを含有することが好ましい。
本発明におけるポリエステル樹脂を得る際の、重縮合反応は、窒素ガス等の不活性ガス中で、例えば無溶剤下高温重縮合、溶液重縮合等の公知の方法により行うことができる。反応に際しての酸モノマーとアルコールモノマーの使用割合は、前者のカルボキシル基に対する後者の水酸基の割合で0.7〜1.4であることが一般的である。ポリエステル樹脂(b)を製造する際には、特に0.9〜1.1であることが好ましい。
また、PETを原料として用いる際には、予め、PETとアルコールモノマーを添加し、PETの解重合反応を行った後に、残りのアルコールおよび酸モノマーを添加し、重縮合反応を行っても良いし、また、PETとアルコールモノマーと酸モノマーを一括で仕込み、解重合反応と重縮合反応を同時に行っても良い。
上記ポリエステル樹脂を得る際の重縮合反応および解重合反応において、用いられる触媒はチタン、ゲルマニウム、アルミニウムから選ばれる元素を含有する触媒であり、ジブチル錫オキサイド等の錫系触媒や三酸化アンチモン等のアンチモン系触媒等とは異なるものであることが好ましい。チタンを含有する触媒として、チタンアルコキシド、チタンアシレート、チタンキレート等を使用することがさらに好ましく、特に好ましくは、テトラノルマルブチルチタネート、テトラ(2‐エチルヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネートを使用することが好ましい。ゲルマニウム含有する触媒としては二酸化ゲルマニウム等が挙げられる。また、その際の添加量としては0.01質量%〜1.00質量%であることが好ましい。上記の触媒は、複数を同時に使用しても良く、また触媒の添加時期は、重合開始時に添加しても良く、また、重合途中で添加しても良い。尚、本発明において解重合とは、加水分解やエステル交換反応など、種々の重縮合の逆反応のことを指す。
上記チタンを含有する触媒に相当するものの具体的商品名として、チタンアルコキシドとしては、オルガチックスTA‐25(テトラノルマルブチルチタネート)、TA‐30(テトラ(2‐エチルヘキシル)チタネート)、TA‐70(テトラメチルチタネート)等、チタンアシレートとしては、オルガチックスTPHS(ポリヒドロキシチタンステアレート)等、チタンキレートとしては、オルガチックスTC‐401(チタンテトラアセチルアセトナート)、TC‐200(チタンオクチレングリコレート)、TC‐750(チタンエチルアセトアセテート)、TC‐310(チタンラクテート)、TC‐400(チタントリエタノールアミネート)等(いずれも松本製薬工業株式会社製)、を例示することができるが、これに限定されるものではない。
チタンを含有する触媒は、水が系内に存在する場合、触媒活性が失活されてしまう為、一般にはエステル交換反応の触媒として知られている。重縮合反応時に生成される水との反応、およびそれによる触媒活性の失活を押さえる為に、上記のように、原料として、PETを利用することが好ましい。
本発明におけるポリエステル樹脂は、200℃〜270℃で解重合及び重縮合、もしくは重縮合して製造することが好ましく、更には220℃〜260℃であることが好ましい。反応温度が200℃以下の場合、解重合する際のPETの溶解性が悪化し反応速度が低下したり、テレフタル酸等酸成分の多価アルコールに対する溶解性が悪化することがある。反応温度が270℃以上の場合、原料の分解が起こることがある。
上記のようにして得られるポリエステル樹脂を用いる本発明のトナー用バインダー樹脂は、チタン、ゲルマニウム、アルミニウムから選ばれる元素の含有量が10〜1500ppm好ましくは30〜1000ppmである。また、錫の含有量は0〜1ppm、好ましくは0ppmである。
上記の重縮合反応に既述のリサイクルPETを用いると、同PET製造時に用いられたアンチモン触媒の残査を含む可能性があるが、この場合、アンチモンの含有量は100ppm以下、更には50ppm以下にする事が好ましい。
上記の樹脂中の金属分析は、原子吸光分析法やプラズマ発光分析法等、公知の金属分析方法を用いることにより確認し得る。
以下、本発明のポリエステル樹脂(a)について詳述する。本発明のポリエステル樹脂(a)は全アルコール由来の構造単位を100モル%とした時に、トリメチロールプロパン等、既述の3価以上の多価アルコール由来の構造単位を2〜12モル%の割合で有していることが好ましい。3価以上の多価アルコールの使用量が2モル%未満では、後述するウレタン化反応において、高分子化し難く、耐オフセット性が不充分となることがあり、逆に12モル%を超えるとゲル分が多くなり、定着性が悪化することがある。
また、ポリエステル樹脂(a)は全アルコール由来の構造単位を100モル%とした時に、テレフタル酸由来の構造単位を好ましくは10〜80モル%、より好ましくは30〜75モル%、更に好ましくは45〜75モル%の範囲で有する。また、エチレングリコール由来の構造単位を好ましくは10〜80モル%、より好ましくは30〜75モル%、更に好ましくは45〜75モル%の範囲で有する。且つ、ネオペンチルグリコール由来の構造単位を20モル%以上有することが好ましい。
また、ポリエステル樹脂(a)の分子量は、数平均分子量で1000〜4000であることが好ましい。数平均分子量が1000未満の場合には、Tgが下がりすぎてブロッキングを起こしやすく、また4000を超えると定着性が悪化することがある。
また、ポリエステル樹脂(a)のOH価は20〜90KOHmg/gである。本発明において、ポリエステル樹脂(a)は主として後述する多価イソシアネートと反応して高分子量化すると考えられる。OH価が20KOHmg/g未満の場合には、多価イソシアネートとの反応が不十分となることがあり、トナーの耐現像耐久性が悪化することがある。90KOHmg/gより大きくなると、ポリエステル樹脂(a)の分子量が低くなる傾向があるので高分子量化し難く、耐オフセット性が悪化することがある。
また、ポリエステル樹脂(a)のガラス転移点は0〜50℃であることが好ましい。ガラス転移点が0℃未満では、耐ブロッキング性が悪化することがあり、また、50℃を超えると定着性が悪化することがある。
次いで、本発明のポリエステル樹脂(b)について詳述する。本発明のポリエステル樹脂(b)は全アルコール由来の構造単位を100モル%とした時に、テレフタル酸由来の構造単位を10〜80モル%含むことが好ましい。より好ましくは30〜75モル%、更に好ましくは45〜75モル%である。また、エチレングリコール由来の構造単位を10〜80モル%含むことが好ましく、より好ましくは30〜75モル%、更に好ましくは45〜75モル%である。さらに、イソフタル酸由来の構造単位を10モル%以上有していることが好ましい。また、ネオペンチルグリコール由来の構造単位を20モル%以上有することが好ましい。該構造を有するポリエステル樹脂(b)を用いることにより、後述するウレタン化反応後に得られるトナー用バインダー樹脂において、良好なトナー性能を発現することができる。
また、ポリエステル樹脂(b)の酸価は10KOHmg/g以下である。上記範囲内であることにより、後述するサリチル酸金属錯体を用いたトナーを調整した際にも良好なトナー性能を発現することができる。また、ポリエステル樹脂(b)のOH価は10KOHmg/g以下である。本発明においてポリエステル樹脂(b)は、主として後述する多価イソシアネートと反応することは少なく、ウレタン変性ポリエステル樹脂となった後も、分子量に大きな変化がないと考えられる。OH価が10KOHmg/gを超えると後述する多価イソシアネートと反応する部分が多くなり、分子量が増大し、定着性が悪化することがある。
さらに、ポリエステル樹脂(b)の分子量は、数平均分子量で1000〜5000である。数平均分子量が1000未満の場合には、Tgが下がりすぎてブロッキングを起こしやすくなることがあり、また5000を超えると定着性が悪化することがある。
また、ポリエステル樹脂(b)のガラス転移点は51〜80℃である。ガラス転移点が51℃未満では、耐ブロッキング性が悪化することがあり、また、80℃を超えると定着性が悪化することがある。
なお、本発明における酸価は、樹脂1gを中和するために必要な水酸化カリウムのmg数を指す。また、OH価は、樹脂1g中のOH基をエステル化するのに必要な酸無水物を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数を指す。本発明の酸価、OH価は、後述する実施例の項に記載の方法で測定されるものである。
また、本発明のポリエステル樹脂(a)とポリエステル樹脂(b)の含有比率は質量比で、(a):(b)が10:90〜60:40であり、特に10:90〜40:60がより好ましい。ポリエステル樹脂(a)の含有率が10質量%未満では、耐オフセット性が悪化することがあり、ポリエステル樹脂(a)の含有率が60質量%を超えると定着性が悪化することがある。
また、本発明の多価イソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等のジイソシアネートなどが挙げられる。また、その他三価以上の多価イソシアネートを用いることも可能である。 多価イソシアネートの使用量は、ポリエステル樹脂(a)のOH基とポリエステル樹脂(b)のOH基との合計のOH基1当量当り、NCO基として0.6〜1.6モル当量であり、特に0.8〜1.4モ当量となる量が好ましい。
多価イソシアネートの使用量が、NCO基として0.6モル当量未満の場合には、耐オフセット性が悪化することがあり、1.6モル当量を超える場合には、反応すべきOH基が不足して未反応のNCO基が残り、安全性に問題が生じる場合がある。
上記の多価イソシアネートとポリエステル中のOH基との所謂ウレタン伸長反応は、溶剤法やバルク法等で製造でき、例えば以下のような方法で製造することができる。すなわち、ポリエステル樹脂(a)とポリエステル樹脂(b)との混合物を二軸押出混練機に一定速度でフィードし、同時に多価イソシアネートも一定速度で注入し、分散混合しながら100〜200℃で反応させる。
勿論、ポリエステル樹脂(a)と多価イソシアネートとを接触、混練した後にポリエステル樹脂(b)と混練しても良いし、ポリエステル樹脂(b)と多価イソシアネートとを接触、混練した後にポリエステル樹脂(a)と混練しながら反応しても良い。また各成分を別々に2軸押出混練機にフィードすることも可能である。
上記のように得られるポリエステル樹脂(A)のTHF不溶成分(A-I)は主としてポリエステル樹脂(a)を多価イソシアネートで反応させたものからなり、例えば、式5の様な多価イソシアネート化合物由来の構造単位(UI1)を含んでいる。この多価イソシアネート化合物由来の構造単位(UI1)は、ポリエステル樹脂(A)の全ての多価カルボン酸、多価アルコール、多価アミン由来の構造単位の和を100モル%とした場合、0.1〜10モル%であることが好ましく、より好ましくは0.5モル%以上であり、5モル%以下である。多価イソシアネート化合物由来の構造単位(UI1)が、0.1モル%未満の場合は、耐オフセット性が不足する場合があり、10モル%を超えると定着性が不足する事がある。
上記のようにして得られる本発明のポリエステル樹脂(A)の溶融温度は、110℃以上180℃以下であることが好ましい。該範囲内の溶融温度を有することにより、定着性とオフセット性の双方の性能を満足することができる。
本発明のトナー用バインダー樹脂は、ポリエステル樹脂(A)、好ましくはポリエステル樹脂(AP)をそのまま用いても良いが、ローラーへのオフセットを防ぐ性能をより高める目的等で、ポリエステル樹脂(A)にポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックスを含有させても良く、その添加量は、トナー用バインダー樹脂中0〜10質量%の範囲であることが好ましい。
上記ポリオレフィンワックスに相当するものの具体的商品名としては、三井化学社製ハイワックス800P、400P、200P、100P、720P、420P、320P、405MP、320MP、4051E、2203A、1140H、NL800、NP055、NP105、NP505、NP805等を例示することができるが、これに限定されるものではない。
さらに、本発明のトナー用バインダー樹脂には、セラミックワックス、ライスワックス、シュガーワックス、ウルシロウ、蜜蝋、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス等の天然ワックスを含有しても良く、その添加量は、トナー用バインダー樹脂中0〜10質量%の範囲であることが好ましい。
また、本発明のトナー用バインダー樹脂中には、本発明の効果を損なわない範囲で上記ポリエステル樹脂の他に、スチレン系共重合体、ポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂を添加してもよい。その添加量はトナー用バインダー樹脂中0〜50質量%であることが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂やトナー用バインダー樹脂の構造は、赤外線分光法(IR)、紫外線分光法、核磁気共鳴分光法(NMR)、液体クロマトグラフィー(LC)、質量分析法等の公知の分析法や、樹脂の加水分解、蒸留などの方法と組み合わせることによって分析することが出来る。THF不溶成分(A−I)の分析方法は、溶媒に溶け難いため、やや制限を受けるが、THF不溶成分(A−I)を徹底的に加水分解した後、蒸留やLCによる分離とIR、NMR、LC、質量分析法の他、ガスクロマトグラフィー(GC)等の分析法を組み合わせて、その構造を特定することが出来る。
以下、本発明のトナーについて詳述する。
本発明のトナーは、少なくとも先の本発明のトナー用バインダー樹脂と、帯電調整剤(CCA)として後述するサリチル酸金属錯体化合物とを含むものである。その他には着色剤、表面処理剤を含むことが好ましい。本発明のトナーは、キャリアと混合し現像を行う、所謂二成分系現像材用のトナーや、磁性粉をトナー中に含有した所謂、磁性一成分トナーや、トナーのみで現像を行う一成分トナー等のトナーとして用いることができる。なお、その際、本発明のトナ−用バインダー樹脂の量は、トナー中に50〜95質量%であることが好ましい。
帯電調整剤としては、サリチル酸系金属錯体が用いられる。具体的にはジルコニウム、亜鉛、アルミニウム等の金属を用いたサリチル酸系金属錯体を用いることが好ましい。特にジルコニウム系のサリチル酸金属錯体は良好な帯電性能を付与することができる為、好ましく用いられる。上記サリチル酸系金属錯体の具体例としては、オリエント化学工業社製のボントロンE-84、ボントロンE-88および保土ヶ谷化学工業社製のTN-105等が挙げられる。この中でもジルコニウムを含有している保土ヶ谷化学工業社製のTN-105が最も好ましい。なお、上記ジルコニウム系のサリチル酸金属錯体は、サリチル酸金属錯体化合物の中で、良好な帯電性能を示す反面、カルボン酸との反応性が高い可能性があることが推測される。既述の通り、本発明におけるトナー用バインダー樹脂は酸価が10KOHmg/g以下であり、この為上記サリチル酸系金属錯体との反応が極めて少なく、サリチル酸系金属錯体の優れた帯電性能を低下させることなく、良好なトナー性能を有するトナーを得ることができる。
その他に併用しても良い帯電調整剤としては、アゾ系金属錯体、ニグロシン、4級アンモニウム塩をはじめとする公知の帯電調整剤が挙げられるが、既述のようにクロムを含有する化合物は用いないことが好ましい。なお、上記帯電調整剤の使用量はトナー用バインダー樹脂100質量部に対して、通常用いられる0.1〜10質量部である。
着色剤は、従来公知のカーボンブラック、マグネタイト、有機顔料等を用いることができる。その添加量としては、トナー用バインダー樹脂100質量部に対して3〜15質量部であることが好ましい。
表面処理剤としては、シリカや酸チタン等、公知のものを用いることができ、その添加量は、トナー用バインダー樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部で使用することが好適である。
本発明のトナーは、ポリオレフィンワックスを含んでも良く、その量はトナー用バインダー樹脂100質量部に対して0〜10質量部である。具体例としては、前述のポリオレフィンワックスが挙げられる。
また本発明のトナーとしては、ポリエステル樹脂(AP)を含むトナー用バインダー樹脂と、上記の帯電調整剤、着色剤、表面処理剤、ワックスとを含むトナーも好ましく用いることが出来る。
これらの材料を含む本発明のトナーの製造方法としては、本発明のトナー用バインダー樹脂、着色剤、必要であればその他の添加剤を粉体混合機により充分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の混練機を用いて溶融、混練して各構成成分を充分に混合する。これを冷却後、粉砕、分級を行なって、通常8〜20μmの範囲の粒子を集め、粉体混合法により表面処理剤をまぶしてトナーを得る。
本発明により得られるトナーは種々の現像プロセス、例えばカスケード現像法、磁気ブラシ法、タツチダウン現像法等に用いることができるが、これに限定されるものではない。
また,本発明により得られるトナーは、オイルレス定着法以外の種々の定着方法にも用いることができる。具体的には、オイル塗布ヒートロール法、フラッシュ法、オーブン法、圧力定着法などに用いることができる。
更に、本発明のトナーは、ファーブラシ法、ブレード法等の種々のクリーニング方法に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
本発明におけるトナー用バインダー樹脂の分子量および分子量分布の測定は、GPCを用いて求めたものである。測定は、市販の単分散標準ポリスチレンを標準とし、以下の条件で行った。
検出器; SHODEX RI-71S型屈折率測定装置(昭和電工製)
溶剤; THF
カラム; KF-Gを1本、KF-807Lを3本、KF800Dを1本、直列に接続した。
(カラムは何れも昭和電工製)
流速; 1.0 ml/分
試料; 0.25質量%THF溶液
なお、測定の信憑性は上記の測定条件で行ったNBS706ポリスチレン試料(Mw=28
8,000, Mn=137,000, Mw/Mn=2.11)のMw/Mnが、2.11±0.10となることにより確認し得る。
また、本発明におけるガラス転移点(Tg)は、示差走査型熱量測定法(DSC)に従い、DSC−20(セイコー電子工業社製)によって測定した。試料約10mgを、予め200℃程度まで昇温し、5分間保持した後、即座に常温(25℃)まで降温する操作を行い、樹脂の熱履歴を統一させた後、−20℃から100℃まで10℃/分で昇温し、得られたカーブのベースラインと吸熱ピークの傾線の交点よりTgを求めた。
本発明において、THF不溶成分量とTHF可溶成分量は、以下のようにして求められる。約2.5gの樹脂と約47.5gのTHFを用いて約5質量%の溶液を調製する。(以下、上記溶液の濃度を以下”RC”と示す。) すなわち上記の混合物を25±3℃で12時間攪拌し、可溶成分を完全に溶解させる。次いで得られた溶液を16時間静置する。不溶部と上澄みとが分離した後、上澄み液を濃度分析のために分析する。(以下、上澄み液の濃度を”SC”と示す。この値は上澄み液5gを採取し、150℃で1時間乾燥してTHFを除去し、残った樹脂の質量の測定値から計算される。)
THF不溶成分とTHF可溶成分の値は、RC値とSC値とから下記の式によって求められる。
THF可溶成分比率 = (SC/RC) × 100 (%)
THF不溶成分比率 = [(RC−SC)/RC]×100 (%)
次に、該溶液から上澄み液をデカンテーションによって除き、残査をTHFで数回洗浄する。その残査を減圧下、40℃で乾燥してTHF不溶成分が得られる。
また、本発明における酸価は、樹脂1gを中和するために必要な水酸化カリウムのmg数をいう。酸価の測定は、中和滴定法により求めた。試料5gをキシレン/ジメチルホルムアミド=1/1(質量比)の混合溶剤50ccに溶解させ、指示薬としてフェノールフタレイン/エタノール溶液を数滴加えた後、1/10規定 KOH水溶液で滴定を行った。試料溶液の色が無色から紫色に着色した点を終点とし、この際の滴定量と試料質量から酸価(KOHmg/g)を算出した。
また、本発明におけるOH価の測定は、下記の酸無水物による逆滴定により行った。樹脂2gに、別途調製したフタル化試薬(ピリジン500cc/フタル酸70g/イミダゾール10gの割合で調製)5ccを加え、溶解させた後、100℃で1時間静置させる。その後、該樹脂溶液に水1cc、THF70cc、フェノールフタレイン/エタノール溶液を数滴加え、0.4規定NaOH水溶液で滴定を行った。試料溶液の色が無色から紫色に着色した点を終点とし、この際の滴定量と試料質量からOH価(KOHmg/g)を算出した。
次に、以下に本発明で行ったトナーの評価方法を記載する。
1、定着性
市販の電子写真複写機を改造した複写機にて未定着画像を作成した後、この未定着画像を市販の複写機の定着部を改造した熱ローラー定着装置を用いて定着させた。熱ロールの定着速度は250 mm/secとし、熱ローラーの温度を5℃ずつ変化させてトナーの定着を行った。得られた定着画像を綿布により0.3kgの荷重をかけ、10回摩擦させ、この摩擦試験前後の画像濃度をマクベス式反射濃度計により測定した。各温度での画像濃度の変化率が80%以上となった最低の定着温度をもって最低定着温度とした。この値に基づき、下記の規定に従って定着性の評価を行った。
なお、ここに用いた熱ローラ定着装置はシリコーンオイル供給機構を有しないものである。即ち、オフセット防止液は使用しない。また、環境条件は、常温常圧(温度22℃,相対湿度55%)とした。
1 ; 最低定着温度 ≦ 170℃
2 ; 190℃ ≧ 最低定着温度 > 170℃
3 ; 最低定着温度 > 190℃
2、スメア性
定着性の評価に準じて、未定着画像を作成し、この未定着画像を熱ローラー定着装置にて定着させた。トナーの定着は、熱ロールの定着速度250 mm/sec、熱ローラーの温度170℃とし、行った。得られた定着画像のベタ黒部分(I.D.=1.35〜1.45;マクベス濃度計により測定)を、市販のコピー用紙にて、500gの荷重で3往復擦った。擦り試験後のコピー用紙の汚れ度合いを、コピー用紙の画像濃度(I.D.)をマクベス式反射濃度計により測定することで確認した。この値に基づき、下記の規定に従って、スメア性の評価を行った。なお、環境条件は常温常圧(温度22℃,相対湿度55%)とした。
1 ; 0.9 ≧ I.D. (汚れが少ない)
2 ; 1.2 ≧ I.D. > 0.9
3 ; I.D. > 0.12(汚れが多い)
3、耐オフセット性
耐オフセット性の評価は、上記最低定着温度の測定に準ずるが、上記複写機にて未定着画像を作成した後、トナー像を転写して上述の熱ローラー定着装置により定着処理を行い、次いで白紙の転写紙を同様の条件下で当該熱ローラ定着装置に送って転写紙上にトナー汚れが生ずるか否かを目視観察する操作を、前記熱ローラー定着装置の熱ローラーの設定温度を順次上昇させた状態で繰り返し、トナーによる汚れの生じた最低の設定温度をもってオフセット発生温度とした。熱ロールの定着速度250 mm/secとした。また、環境条件は、常温常圧(温度22℃,相対湿度55%)とした。 この値に基づき、下記の規定に従って耐オフセット性を評価した。
1 ; オフセット発生温度 ≧ 230℃
2 ; 230℃ > オフセット発生温度
4、現像耐久性
市販の複写機(東芝製、プレシオ5560)により連続して60,000枚にわたる実写テストを行った後、画像濃度、画質が劣化を確認し、下記の規定に従って現像耐久性を評価した。
1 : 劣化が確認されなかった
2 : 劣化が確認された
5、耐ブロッキング性
温度50℃、相対湿度55%の環境条件下に72時間放置した後、150メッシュのふるいにトナーを5gのせ、パウダーテスター(細川粉体工学研究所)の加減抵抗機の目盛りを3にして、5分間振動を与える。振動後のメッシュ上に残った重量を測定し、残存重量比を求めた。この値に基づき、下記の規定に従って耐ブロッキング性を評価した。
1 : 30%より小さい
2 : 30%より大きい
6、帯電安定性
トナーとキャリア(パウダーテック社;F150)をトナー濃度2%に調整し、混合した。この容器を30分攪拌し、トナーを帯電させ、ブローオフ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル社)にて帯電量を測定した。攪拌の条件として、(i)温度22℃、相対湿度55%の環境条件下と(ii)温度35℃、相対湿度80%の2条件で行い、それぞれについて帯電量を測定し、変化率を以下の式より求めた。
変化率 =〔(i)−(ii)〕/(i)x100
表記の値に基づき、下記の規定に従って帯電安定性を評価した。
1 : 5%より小さい
2 : 5%より大きい
ポリエステル樹脂(a-1)製造例
ポリエステル樹脂(a)の製造は以下の方法で行った。樹脂a-1について具体的に例示する。樹脂a-2は、モノマー組成を表1に示される配合比に変更した以外は樹脂a-1と同様の操作により得た。なお、得られた樹脂の酸価、OH価、TgおよびMnを表1に併せて示す。
5リットルの四つ口フラスコに還流冷却器、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び撹拌装置を取り付け、全アルコール成分のモル数100モル%に対して、フレーク状のリサイクルPET(重量平均分子量:75000)をPET中のエチレングリコールユニット単位で70mol%、ネオペンチルグリコール17mol%、トリエチレングリコール10mol%、トリメチロールプロパン3mol%、テレフタル酸21mol%およびテトラ(2‐エチルヘキシル)チタネート(松本製薬工業株式会社製;オルガチックスTA−30)0.6質量%を仕込み、フラスコ内に窒素を導入しながら240℃で解重合および脱水重縮合を行った。反応生成物の酸価が、所定の値に達したところでフラスコより抜き出し冷却、粉砕して樹脂(a-1)を得た。樹脂(a-1)の酸価は4KOHmg/g、OH価は49KOHmg/g、Tgは42℃、Mnは3100であった。
ポリエステル樹脂(b-1)〜(b-3)製造例
ポリエステル樹脂(b)の製造は以下の方法で行った。樹脂b-1について具体的に例示する。樹脂b-2およびb-3は、モノマー組成を、表1に示される配合比に変更した以外は樹脂b-1と同様の操作により得た。なお、得られた樹脂の酸価、OH価、TgおよびMnを表1に併せて示す。
5リットルの四つ口フラスコに還流冷却器、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び撹拌装置を取り付け、全アルコール成分のモル数100モル%に対して、フレーク状のリサイクルPET(重量平均分子量:75000)をPET中のエチレングリコールユニット単位で75mol%、ネオペンチルグリコール25mol%、イソフタル酸26mol%、安息香10mol%およびテトラ(2‐エチルヘキシル)チタネート(松本製薬工業株式会社製;オルガチックスTA−30)0.7質量%を仕込み、フラスコ内に窒素を導入しながら250℃で解重合および脱水重縮合を行った。反応生成物の酸価が、表1に示す値に達したところでフラスコより抜き出し冷却、粉砕して樹脂(b-1)を得た。

Figure 0004211931
ポリエステル樹脂(b-4)製造例
ポリエステル樹脂(b-4)の製造は以下の方法で行った。5リットルの四つ口フラスコに還流冷却器、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び撹拌装置を取り付け、アクトコールKB300(三井武田ケミカル社製;ビスフェノールA・プロピレンオキサイド付加物)100mol%、イソフタル酸110mol%、安息香酸17mol%およびテトラ(2‐エチルヘキシル)チタネート(松本製薬工業株式会社製;オルガチックスTA−30)0.4質量%を仕込み、フラスコ内に窒素を導入しながら250℃で脱水重縮合を行った。反応生成物の酸価が、所定の値に達したところでフラスコより抜き出し冷却、粉砕して樹脂(b-4)を得た。樹脂(b-4)の酸価は31KOHmg/g、OH価は4KOHmg/g、Tgは58℃、Mnは2500であった。
以下に実施態様について実施例1を代表例として具体的に記述する。樹脂2〜8について、即ち実施例2〜5及び比較例1〜3についても実施例1と同様な操作を行って樹脂およびトナーを得て評価を行った。これらについて、樹脂aと樹脂bの配合比やトリレンジイソシアネート添加量、樹脂分析結果(THF不溶成分、酸価、OH価)、トナー性能評価結果を実施例1と併せて表2に示す。
(実施例1)
樹脂a−1を30質量%、樹脂b−1を70質量%およびトリレンジイソシアネートを2.5質量%とを、樹脂の総流量として10Kg/hの速度で、二軸押出混練機(栗本鉄工所製、KEX−40)へフィードし、175℃の温度、スクリュー回転数150rpmにて混練反応を行い、ウレタン変性ポリエステル樹脂1を得た。
このウレタン変性ポリエステル樹脂1を100質量%に対してカーボンブラック(MA−100・三菱化学社製)6質量%、帯電調整剤(TN-105;保土ヶ谷化学工業社製)1.5質量%、カルナバワックス(カルナバ1号;(株)加藤洋行輸入品)2.0質量%をヘンシェルミキサーにて分散混合した後、二軸押出混練機・PCM−30(池貝鉄工社製)にて120℃、150rpmで溶融混練し、塊状のトナー組成物を得た。このトナー組成物をハンマーミルにて粗粉砕した。さらに、ジェット粉砕機(日本ニューマチック社製IDS2型)にて微粉砕し、ついで気流分級して平均粒径9.0μmのトナー微粉末を得た。次いで、上記トナ−100質量%に対して、疎水性シリカ(R−972、アエロジル社製)を0.7質量%となる割合で外部から添加して、これをヘンシェルミキサーにより混合してトナ−を得た。このトナー粒子を用いて、定着性、耐オフセット性、現像耐久性を調べた。
Figure 0004211931
表2の結果から明らかなように、本発明により製造されたトナー用バインダー樹脂である樹脂1〜5を用いたトナーは、いずれも優れたトナー性能を示した。

Claims (3)

  1. 下記条件を満たすポリエステル樹脂(A)とサリチル酸の金属錯体化合物とを含むトナー。
    (ポリエステル樹脂(A)は、少なくとも多価カルボン酸由来の構造単位(A1)と多価アルコール由来の構造単位(A2)とを含み、
    酸価が10 KOHmg/g以下であり、
    OH価が10 KOHmg/g以下であり、
    テトラヒドロフラン不溶成分(A−I)0〜40質量%
    テトラヒドロフラン可溶成分(A−S)100〜60質量%であって、
    テトラヒドロフラン不溶成分(A−I)が、多価イソシアネート由来の構造単位(UI1)を含むもの、である。)
  2. 下記(式1)の構造単位(AN1)が1モル%以下であることを特徴とする請求項1記載のトナー。
    Figure 0004211931
  3. ポリエステル樹脂(A)が、
    OH価が20〜90KOHmg/gであるポリエステル樹脂(a)10〜60質量%と、
    数平均分子量が1000〜5000であり、ガラス転移点が51〜80℃であり、OH価が10KOHmg/g以下であり、酸価が10KOHmg/g以下であるポリエステル樹脂(b)40〜90質量%と、
    多価イソシアネートとから得られることを特徴とする請求項記載のトナー。
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