JP2009098680A - 静電荷像現像用トナー、画像形成装置及びトナーカートリッジ - Google Patents

静電荷像現像用トナー、画像形成装置及びトナーカートリッジ Download PDF

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Masaya Ota
匡哉 太田
Shiho Sano
志穂 佐野
Takeshi Owada
毅 大和田
Masakazu Sugihara
正和 杉原
Terunori Senokuchi
輝紀 瀬ノ口
Shiro Yasutomi
史郎 安富
Hiromi Hirahara
裕美 平原
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Abstract


【課題】トナーの消費量を抑制し画質を改良でき、クリーニング不良が防止され、高速印刷機を使用した場合においても、長期使用時のかぶりの問題を改良し、画像安定性に優れたトナー、画像形成装置及びトナーカートリッジを提供すること。
【解決手段】下記(1)〜(4)全てを満足することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(1)体積中位径(Dv50)が4.5μm以上7.0μm以下である。
(2)平均円形度が0.93以上である。
(3)トナーの体積中位径(Dv50)と粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)の関係が、Dns≦−1.93Dv50+16.3 を満たす。
(4)個数変動係数が24.0%以下である。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真法、静電写真法等に用いられる静電荷像現像用トナー、画像形成装置及びトナーカートリッジに関する。
近年、電子写真複写機等の画像形成装置の用途は拡大しており、画像品質への市場の要望は一段と高い水準を求めるものになってきている。特に、事務用の書類等においても、入力における写像技術、潜像形成技術の発展に加え、出力時においても、文字の象形の種類はより豊富に、より微細化されており、またプレゼンテーションソフトウェアの普及と発達により、印刷画像に欠陥や不鮮明さの少ない、極めて高画質な潜像の再現性が求められている。特に、画像形成装置を構成する潜像担持体上の静電潜像が100μm以下(凡そ300dpi以上)の線画像の場合に用いる現像剤としては、従来の粒径の大きなトナーでは、細線再現性が一般に悪く、線画像の鮮明さがいまだに充分とはいえないものとなっている。
特に、デジタル画像信号を使用している電子写真プリンターの如き画像形成装置では、潜像は一定単位のドット単位が集まって形成されており、ベタ部、ハーフトーン部及びライト部はドット密度をかえることによって表現されている。ところが、ドット単位に忠実にトナーが配置されず、ドット単位の位置と実際に定置されたトナーの位置との不整合が生じると、デジタル潜像の黒部と白部のドット密度の比に対応するトナー画像の階調性が得られないという問題点がある。更に、画質を向上させるために、ドットサイズを小さくして解像度を向上させる場合には、微小ドットから形成される潜像に忠実な現象が更に困難になり、解像度の高い階調性の悪い、シャープネスに欠けた画像になる傾向が否めない。
そこで、現像剤の粒度分布を規制して、微小ドットの再現性をよくし画質の向上を意図したものが提案されている。特許文献1では、平均粒径が6〜8μmであるトナーが提案され、粒径を細かくすることで微小ドットの潜像を再現性よく形成しようとすることが試みられた。また、特許文献2では、重量平均粒径4〜8μmのトナーであって、更に5μm以下の粒径を有するトナー母粒子が17〜60個数%含有されるトナー母粒子が開示されている。また、特許文献3には、粒径が5μm以下の粒径を有する磁性トナー母粒子が17〜60個数%含有される磁性トナーが開示されている。特許文献4には、トナーの粒度分布において、2.0〜4.0μmの粒径のトナー母粒子の含有率が15〜40個数%であるトナー母粒子が開示されている。更に、特許文献5には5μm以下の粒子が約15〜65個数%であるトナーが記載されている。更に、特許文献6及び特許文献7にも同様のトナーが開示されている。更に、特許文献8には5μm以下の粒径を有するトナー母粒子が17〜60個数%含有され、8〜12.7μmの粒径を有するトナー母粒子が1〜30個数%含有され、16μm以上の粒径を有するトナー母粒子が2.0体積%以下含有され、体積平均粒径が4〜10μmであり、5μm以下のトナーにおいて特定の粒度分布を有するトナーが記載されている。更に、特許文献9には、50%体積粒径が2〜8μmのトナー粒子において、粒径が「0.7×50%個数粒径」以下のトナー粒子の個数が10個数%以下であることが記載されている。
しかし、これらのトナーは何れも3.56μm以下の粒子の個数%が、本発明の(4)における右辺の上限を越えて多量に含むものであり、その意味するところは、粒径と微粉の相対的な関係において、所定の粒径を有するトナーに対して微粉の割合が比較的多量に残存するトナーであるということである。このようなトナーでは、依然微粉の割合が多い
ため、特に非磁性一成分現像法のように摩擦の一瞬で帯電するような、帯電立ち上がりの早いトナーが求められる現像方法では、十分に帯電しない粒子が発生するため、現像ローラーからのトナー落ちやトナー吹き出し、現像ローラー2周目以降に1周目の印字履歴を拾って選択的に画像濃度が上下する残像(ゴースト)、ドラムクリーニング不良や、現像ローラー上でのトナーの層形成不良によるプリント画像の汚染が発生する等の課題が残っていた。
特開平2−284158号公報 特開平5−119530号公報 特開平1−221755号公報 特開平6−289648号公報 特開2001−134005号公報 特開平11−174731号公報 特開2001−175024号公報 特開平2−000877号公報 特開2004−045948号公報
近年は画像品質への市場の要望と供に、高寿命化・高速印刷が求められている。しかし、これら要求特性も従来のトナーでは十分満たされるものではなかった。従来のトナーのように微粉が多いと、連続印字とともに微粉が部材を汚染してトナーへの帯電付与能力等が低下し画像が乱れ、また高速印刷機に導入した場合は、トナー飛散が目立つという課題もあった。
また、高画像印刷を提供するためには、トナーの粒径分布がシャープである必要がある。粗粒が含有されている場合にはトナーの帯電量分布がブロードとなり、「選択現像」という現象が生じるためである。「選択現像」とは、トナーの帯電量分布がブロードである場合において、コピー時に現像に必要な帯電量を有するトナーのみが現像され、消費されてゆく現象である。従って、コピー初期は良好な画像が得られるが、コピーを続けるうちに徐々に濃度が低下したり、トナーの粒径が大きくなりガサツイた画像となったりする。この様な現象を選択現像性に劣ったものであるという。更に、帯電量の低い粗粉は保証寿命枚数を著しく低下させる傾向にある。特許文献10では、個数変動係数が24.2%と粗粉が多いトナーが開示されている。このようなトナーは、高解像度の画像を安定して提供するのに適していない。また特許文献11には粒度分布がシャープであることを示すものではない。
特開2003−255567 WO2004−088431
更に、高画質印刷を提供するためにはトナーの転写特性に注目する必要がある。転写特性が高いトナーとは、感光体に潜像されたトナー粒子が中間転写ドラム或いは紙、または中間転写ドラムから紙への転写効率が高いトナーをいう。特許文献12〜14では製造工程からみて、平均円形度が高くない粉砕トナーが開示されており、高画質印刷を提供するには不十分である。
特開平7−98521 特開2006−91175 特開2006−119616
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は特定粒径以下の微粉の存在割合に起因する画像白地部の汚れ、残像(ゴースト)、カスレ(ベタ追従性)等を抑制しつつ、画質を改良でき、クリーニング性も良好で、高速印刷機を使用した場合においても、長期使用時の汚れ等の問題を改良し、かつ画像安定性に優れたトナーを提供することにある。
また本発明は、「選択現像」を防止して高解像度の画像を安定して形成することができるトナーを提供することにある。更には、係るトナーを使用した画像形成装置、及び、トナーカートリッジを提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、トナー粒径に関し特定の関係式を満たした場合に上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記(1)〜(4)全てを満足することを特徴とする静電荷像現像用トナー、に存する。
(1)体積中位径(Dv50)が4.5μm以上7.0μm以下である。
(2)平均円形度が0.93以上である。
(3)体積中位径(Dv50)と粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)の関係が、 Dns≦−1.93Dv50+16.3 を満足する。
(4)個数変動係数が24.0%以下である。
また、下記(1)〜(4)全てを満足するトナーを用いることを特徴とする画像形成装置に存し、
(1)体積中位径(Dv50)が4.5μm以上7.0μm以下である。
(2)平均円形度が0.93以上である。
(3)体積中位径(Dv50)と粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)の関係が、 Dns≦−1.93Dv50+16.3 を満足する。
(4)個数変動係数が24.0%以下である。
さらに、下記(1)〜(4)全てを満足するトナーを用いることを特徴とするトナーカートリッジに存する。
(1)体積中位径(Dv50)が4.5μm以上7.0μm以下である。
(2)平均円形度が0.93以上である。
(3)体積中位径(Dv50)と粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)の関係が、 Dns≦−1.93Dv50+16.3 を満足する。
(4)個数変動係数が24.0%以下である。
本発明によれば、画像白地部の汚れ、残像(ゴースト)、カスレ(ベタ追従性)等の発生を抑制し、クリーニング性も良好で、長期使用時においても上記問題が発生しにくく、画像安定性に優れたトナーを供給することができる。また、近年開発がなされてきた高速印刷方法による画像形成時においても、トナーの粒径分布が狭く、トナー粒径を小さくしても微粉が少ないため、トナー粉末の充填率、即ち嵩密度が向上する。これに伴い、トナー母粒子同士の間隙に介在する空気含有率が低減することとなるため、この空気による断熱効果が減少するため、熱伝導が向上し、加熱による定着性が向上することとなると推測される。
また、「選択現像」を防ぐことができ、長期印刷においても安定して高解像度の画像を提供することが可能となる。また、転写特性にも優れており、機内汚染を防ぐことが可能となる。
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、任意に変形して実施することができる。
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と略記する場合がある。)は、以下の(1)〜(4)の全てを満足する。
(1)体積中位径(Dv50)が4.5μm以上7.0μm以下である。
(2)平均円形度が0.93以上である。
(3)体積中位径(Dv50)と粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)の関係が、 Dns≦−1.93Dv50+16.3 を満足する。
(4)個数変動係数が24.0%以下である。
(1)について
トナーの体積中位径(Dv50)は、実施例に記載の方法で測定され、そのように測定されたものとして定義される。本発明のトナーは、トナー母粒子の表面に外添剤を固着又は付着させたものである場合は、それを測定試料として測定する。また後述する平均円形度、粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)、及び、個数変動係数についても同様に、トナー母粒子の表面に外添剤を固着又は付着させたものである場合は、それを測定試料として測定する。
本発明のトナーのDv50は4.5μm以上7.0μm以下である。この範囲であれば、高画質の画像を十分に提供することができる。高画質の画像を与えるには、6.8μm以下であるとより顕著に効果を発揮する。また、微粉の発生量を低減させるという観点から5.0μm以上であることが好ましく、5.3μm以上であることが更に好ましい。
(2)について
トナーの平均円形度は、実施例に記載の方法で測定され、そのように測定されたものとして定義される。本発明のトナーの平均円形度は0.93以上であり、0.94以上であることが好ましい。一般的に円形度が高いとするトナーは転写効率がよい。円形度の高い球形トナーはトナー相互又は種々の部材とのひっかかりが少ないため帯電ローラでの機械的シェアが小さく、表面の形状変化が軽微である。また、トナー母体自体の流動性が高いため、外添された無機粉体の量が変化しても流動性が大きく変化しにくい。このように球形トナーはトナーの劣化が少ない形状因子を持っている。さらに、感光ドラムからの離型性に優れるため転写効率が優れており、画像濃度を十分に確保することができるとともに転写残トナーを少なくすることができる。このような理由から、高速印刷機に使用されるトナーとしては円形度の高いトナーを使用することが望ましいのである。
しかしながら、平均円形度が高いトナーは、E−SPARTアナライザーで計測した弱帯電トナー率WST[%]が増加する傾向にあり、トナー飛散が悪化することがある。更に転写残トナーをクリーニングブレードでかき取る際に当該クリーニングブレードをすり抜け安く、画像を汚す原因となる。高速印刷する場合には、当該作用効果はより顕著になる。従って、本発明のトナーの平均円形度は0.98以下が好ましく、より好ましくは0.96以下である。
更に、粒径が小さく、且つ、円形度が高いトナーにおいては、クリーニングブレードでのかき取りが困難であり、トナーがクリーニングブレードを抜け易いため、特に円形度に応じて粒子径分布を制御することが大切である。
(3)について
トナーの粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)は、実施例に記載の方法で測定され、そのように測定されたものとして定義される。そして本発明のトナーは、トナーの体積中位径(Dv50)と粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)の関係が、Dns≦−1.93Dv50+16.3を満たす

この関係式が意図するところは、トナーの体積中位径(Dv)が小さくなるに連れて微粉が多くなることを示しており、Dvが7μm以下4.5μmまでの領域においてはDvの値が粒径2.00μm以上3.56μm以下の領域に近づくことからDnsの値が比例関数的に増加する。かかる2.00μm以上3.56μm以下の領域は、コールターカウンター社製マルチサイザーIIIの規定のチャンネルで表現される領域である。
そして、粒径2.00μm以上3.56μm以下の範囲に含まれる粒子は、本発明においてはトナー粒子の体積中位径4.5〜7.0μmの領域において特段除かれるべき粒径域であり、その根拠は実験結果に従う。上記粒径分布の条件(3)を満たした本発明のトナーは、高画質が得られる上、高速印刷機を使用した場合においても、汚れが少なく、残像(ゴースト)及びカスレ(ベタ追従性)を抑制し、クリーニング性に優れている。また、粒径分布がシャープであることにより帯電量分布が非常にシャープであるので、帯電量の小さい粒子が画像白地部の汚れを引き起こしたり、飛散して装置内を汚したりせず、また、帯電量の大きい粒子が現像されないまま層規制ブレードやローラー等の部材に付着してスジやかすれ等の画像欠陥を引き起こすことがない。
すなわち、上記関係式を境にして微粉量が画像に影響を与える。Dnsの値が右辺を超える場合には、微粉が画像に欠陥を生じさせる。例えば、図4に示すように、微粉がクリーニングブレードに堆積して、画像欠陥として残像、カスレ、汚れ等が生じる。
画像形成装置は特有の帯電量を有する粒子を転写するように設計されているために、まず静電現像の際にはかかる特有の帯電量を有する粒子が優先してOPCに転写される。特有の帯電量を超える粒子に関しては、部材等に付着して汚染したり流動性の悪化を招く。一方で特有の帯電量に満たない粒子に関しては、カートリッジ内に堆積して部材等を汚染する。
ここでトナーの帯電量は、トナー組成が同じ場合にはトナーの粒子径と相関があり、一般に粒子径が小さいほど単位重量当たりの帯電量は高くなり、大きいほど単位重量当たりの帯電量が小さくなる。すなわち、粒子径が小さいトナーが多く存在すると帯電量が高くなりすぎるために部材等への付着、トナーの流動性の悪化を招くのである。本発明はこのトナーを3.56μm以下のもの規定した。尚、この3.56μmは測定装置のチャンネルに規定されている値である。また一方で測定装置の測定限界の理由から下限値を2.00μmとした。
また、Dv50とDnsの関係が、歩留まりよく生産するという観点から、Dns≧−1.93Dv50+13.5 を満たすことが好ましい。
また、Dnsが6個数%以下であるトナーが、より高画質の画像を提供したり、画像形成装置を汚染し難いという点で好ましい。また、上記するDv50の好ましい粒径域、例えば、「Dv50が4.5μm以上」、及び、「Dnsが6個数%以下」なる条件は組み合わされて満たされていることが更に好ましい。この範囲であれば、生産上の見地から歩留まりを落とすことなく、高画質の画像を提供したり、画像形成装置を汚染し難いトナーを提供することができる。
(4)について
個数変動係数(%)は、実施例に記載の方法で測定され、そのように測定されたものとして定義される。
本発明のトナーの個数変動係数24.0%以下であり、好ましくは22%、より好ましくは20%以下であり、より更に好ましくは19%以下である。一般的に個数変動係数の値が高いと帯電量の分布がブロードになり、帯電不良から画像欠陥を招く。更にはトナー部材等への付着による汚染、飛散による汚染を誘発する。従って、個数変動係数は低いことが好ましいのである。一方で、工業的見地から、個数変動係数は0%以上が好ましく、
5%以上がより好ましい。
本発明のトナーは、上記(1)〜(4)全てを満足することが必須である。従来のトナーは(1)〜(4)何れをも満足するものではなかった。その理由として、微粉を極力少なくしようとすると((3)を満たす)、粗粉の発生を招き個数変動係数が大きくなる((4)を満たさない)。また、物理的衝撃によりトナーの円形化を図ろうとすると((2)を満たす)、微粉の発生を促進させる原因となったり((3)を満たさない)、熱的融着によりトナーの円形化を図ろうとすると((2)を満たす)、粒子同士の融着を招き粗粉の発生を招く((4)を満たさない)。
本発明のトナーは、高画質が得られる上、高速印刷機を使用した場合においても、汚れが少なく、残像(ゴースト)及びカスレ(ベタ追従性)を抑制し、クリーニング性に優れている。また、粒径分布がシャープであることにより帯電量分布が非常にシャープであるので、帯電量の小さい粒子が画像白地部の汚れを引き起こしたり、飛散して装置内を汚したりせず、また、帯電量の大きい粒子が現像されないまま層規制ブレードやローラー等の部材に付着してスジやかすれ等の画像欠陥を引き起こすことがない。
本発明のトナーは、従来のトナーと比較して帯電量分布が非常にシャープである。帯電量分布はトナーの粒度分布と相関があり、従来のトナーのようなブロードの粒度分布を有する場合、その帯電量分布もブロードになる。帯電量分布がブロードになると、そのトナー用装置の有する現像条件で制御できなくなる程の、帯電の低い粒子や帯電の高い粒子の割合が増加して、種々の画像欠陥の原因となる。例えば、帯電量の小さい粒子は、画像白地部の汚れを引き起こしたり、装置内に飛散したりして汚れの原因になり、また帯電量の大きい粒子は、現像されないまま現像槽中の層規制ブレードやローラー等の部材に蓄積し、融着によるスジやかすれ等の画像欠陥を引き起こす原因となる。
これは画像形成装置における現像プロセスの設計において、トナー帯電量の平均値に適合するようにその現像プロセス条件が設定されており、かかる平均値から帯電量が大きく外れているトナーは、かかる画像形成装置では飛散やスジ・かすれ等の画像欠陥を引き起こすこととなり、装置とのマッチングがよくないということになってしまう。一方で、本発明のように帯電量分布がシャープであれば、バイアス調整等で現像性のコントロールも可能になり、画像形成装置の部材を汚染することなく、鮮明な画像を与えることができるのである。
本発明のトナーの「帯電量分布」を示す数値の1つ「帯電量の標準偏差」は、1.0乃至2.0であることが好ましく、より好ましくは1.0乃至1.8であり、より更に好ましくは1.0乃至1.5である。上記上限値を超える場合は、層規制ブレードにトナーが付着して搬送され難くなり、付着したトナーが更に搬送されるトナーを塞き止めてしまい、画像形成装置内の部材を汚染してしまい好ましくない場合がある。また、上記下限値を下まわる場合は、工業上見地から好ましくない場合がある。下限値については、1.3以上であることが好ましい。
本発明のトナーは、帯電量分布がシャープであるため、帯電不良のトナーが原因で起こる画像形成装置内の汚染(トナー飛散)が非常に少ない。これは特に静電潜像担持体への現像プロセススピードが100mm/秒以上である高速タイプの画像形成装置においてその効果が顕著に発現される。
また、本発明のトナーは、帯電量分布がシャープであるため、現像性が非常によく、現像しないで蓄積していくトナー粒子が非常に少ない、これは、特にトナーの消費スピードが速い画像形成装置においてその効果が発揮されるものである。具体的に示すと、下記式(5)を満足する画像形成装置に用いるトナーであることが、本発明の上記効果を充分に
発揮させるために好ましいものであり、500枚以上であることがより好ましい。
(5) 現像剤を充填する現像機の保証寿命枚数(枚)×印字率≧400(枚)
式(5)において、「印字率」は、画像形成装置の性能である保証寿命枚数を決定するための印刷物において、印字部分面積の総和を印字媒体の全面積で除した値で表され、例えば、「5%」の印字%の「印字率」は「0.05」である。
更に、本発明のトナーは粒径の分布が非常にシャープであるため、潜像の再現性が非常によい。従って特に、静電潜像担持体への解像度が600dpi以上である画像形成装置に用いる時に、本発明の効果が充分に発揮される。
また、本発明の画像形成装置及びトナーカートリッジは、上記(1)〜(4)全てを満足するトナーを用いることを特徴とする。かかるトナーを用いることで、高解像度の画像を提供することができる。
<トナーの構成>
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤、ワックス、外添剤等を適宜選択して構成される。
本発明のトナーを構成する結着樹脂としては、トナーに用い得ることが知られているもののなかから適宜選択して用いればよい。例えば、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、飽和又は不飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−アクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体等を挙げることができる。これらの樹脂は単独で用いることも、いくつかを併用することもできる。
本発明のトナーを構成する着色剤としては、トナーに用い得ることが知られているもののなかから適宜選択して用いればよい。例えば、以下に示すイエロー顔料、マゼンタ顔料及びシアン顔料が挙げられ、黒色顔料としてはカーボンブラック又は以下に示すイエロー顔料/マゼンタ顔料/シアン顔料を混合して黒色に調色されたものが利用される。
このうち、黒色顔料としてカーボンブラックは、非常に微細な一次粒子の凝集体として存在し、顔料分散体として分散させたときに、再凝集による粒子の粗大化が発生しやすい。カーボンブラック粒子の再凝集の程度は、カーボンブラック中に含まれる不純物量(未分解有機物量の残留程度)の大小と相関が見られ、不純物が多いと分散後の再凝集による粗大化が激しい傾向を示した。そして、不純物量の定量的な評価として、以下の方法で測定されるカーボンブラックのトルエン抽出物の紫外線吸光度が0.05以下であるのが好ましく、0.03以下であるのが一層好ましい。一般に、チャンネル法のカーボンブラックは不純物が多い傾向を示すので、本発明におけるカーボンブラックとしては、ファーネス法で製造されたものが好ましい。
カーボンブラックの紫外線吸光度(λc)は、次の方法で求める。まずカーボンブラック3gをトルエン30mLに充分に分散、混合させて、続いてこの混合液をNo.5C濾紙を使用して濾過する。その後、濾液を吸光部が1cm角の石英セルに入れて市販の紫外線分光光度計を用いて波長336nmの吸光度を測定した値(λs)と、同じ方法でリファレンスとしてトルエンのみの吸光度を測定した値(λo)から、紫外線吸光度はλc=λs−λoで求める。市販の分光光度計としては、例えば島津製作所製紫外可視分光光度計(UV−3100PC)等がある。
イエロー顔料としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物等に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、150、155、168、180、194等が好適に用いられる。
マゼンタ顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキウ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、17.3、184、185、202、206、207、209、220、221、238、254、C.I.ピグメントバイオレット19等が好適に用いられる。中でもC.I.ピグメントレッド122、202、207、209、C.I.ピグメントバイオレット19で示されるキナクリドン系顔料が特に好ましい。キナクリドン系顔料の中でも、C.I.ピグメントレッド122で示される化合物であるのが、特に好ましい。
シアン顔料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等及び、C.I.ピグメントグリーン7、36等が特に好適に利用できる。
本発明のトナーには、離型性付与のためワックスを配合することが好ましい。ワックスとしては、離型性を有するものであればいかなるものも使用可能であり、特に限定はされない。具体的には、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス;パラフィンワックス;ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン;アルキル基を有するシリコーン;ステアリン酸等の高級脂肪酸;エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと長鎖脂肪酸により得られる多価アルコールのカルボン酸エステル、又は部分エステル;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;低分子量ポリエステル等が例示される。
これらのワックスの中で定着性を改善するためには、ワックスの融点は30℃以上が好ましく、40℃以上が更に好ましく、50℃以上が特に好ましい。また、100℃以下が好ましく、90℃以下が更に好ましく、80℃以下が特に好ましい。融点が低すぎると定着後にワックスが表面に露出しべたつきを生じやすく、融点が高すぎると低温での定着性が劣る。また更に、ワックスの化合物種としては、脂肪族カルボン酸と一価若しくは多価アルコールとから得られるエステル系ワックスが好ましく、エステル系ワックスの中でも炭素数が20〜100のものが好ましい。
上記ワックスは単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。また、トナーを定着する定着温度により、ワックス化合物の融点を適宜選択することができる。ワックスの使用量はトナー100重量部に対して、好ましくは4〜20重量部、特に好ましくは6〜18重量部、更に好ましくは8〜15重量部である。また、トナーの体積中位径(Dv50)が7μm以下の場合、即ち、トナーが小粒径である場合には、ワックスの使用量の増加に伴いワックスのトナー表面への露出が極端に激しくなりトナーの保存安定性が悪くなる。本発明のトナーは、上記範囲のようにワックスの使用量が多い場合であっても、従来のトナーと比較して上記トナー特性の悪化を招くことがない粒度分布がシャープな小粒径のトナ
ーである。
本発明のトナーは、流動性や現像性を制御する為にトナー母粒子表面に公知の外添剤が配合されたものであってもよい。外添剤としては、アルミナ、シリカ、チタニア、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、タルク、ハイドロタルサイト等の金属酸化物や水酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸金属塩、窒化チタン、窒化珪素等の窒化物、炭化チタン、炭化珪素等の炭化物、アクリル系樹脂やメラミン樹脂等の有機粒子等が挙げられ、複数組み合わせることが可能である。中でも、シリカ、チタニア、アルミナが好ましく、また、例えばシランカップリング剤やシリコーンオイル等で表面処理されたものがより好ましい。その平均一次粒子径は1〜500nmの範囲が好ましく、より好ましくは5〜100nmの範囲がよい。また、前記粒径範囲において小粒径のものと大粒径のものとを併用することも好ましい。外添剤の配合量の総量は、トナー母粒子100重量部に対して0.05〜10重量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。
<トナーの製造方法>
本発明のトナーの製造方法は特に限定されるものではない。すなわち、粉砕法や重合法によってトナーを製造することができる。粉砕法でトナーを製造する場合は、一般に微粉が発生し易いので分級工程が必要となる。ところが過度の分級操作により歩留まりが著しく低下するために、工業的見地からそのような操作は行わない。一方で、微粉を発生しにくいという観点から本発明のトナーは水系媒体中で粒子を形成させることが好ましい。
以下は水系媒体中で粒子を形成させる方法の中でも、微粉を発生しにくいという観点から水系媒体中で重合を行うことにより粒子を製造する方法、更には乳化重合凝集法による粒子の製造方法について説明する。
上記式(3)を満たすトナーを得るには、凝集工程において通常行う操作と比較して凝集の速度が高くない操作を採用するのがよい。前記凝集の速度が高くない操作としては、例えば、使用する分散液を予め冷やしておく、時間をかけて分散液等を添加する、凝集作用の大きくない電解質等を採用する、電解質を連続的或いは断続的に加える、昇温する速度を遅くする、凝集する時間を長くする、方法等がある。また、熟成工程においては凝集した粒子が再分散し難い操作を採用するのがよい。前記凝集した粒子が細分散し難い操作としては、例えば、攪拌する回転数を下げる、分散安定剤を連続的或いは断続的に加える、分散安定剤と水を予め混ぜておく、方法等がある。また、上記式(3)を満たすトナーは、最終的に得られたトナー或いはトナー母粒子を、分級等の操作によって、それらの体積中位径(Dv50)以下の粒子を除去する工程を経ずに得られることが好ましい。
水系媒体中でトナーを得る製造方法としては、懸濁重合法、乳化重合凝集法等の水系媒体中でラジカル重合を行う方法(以下、「重合法」と略記し、得られたトナーを「重合トナー」と略記する)や、溶融懸濁法に代表される化学粉砕法等が好適に使用できる。トナーを本発明の特定範囲の粒径にする方法としては特に限定はされない。例えば、重合トナーの製造工程において、懸濁重合法の場合は、重合性モノマー滴が生成される工程で高いせん断力を与えたり、分散安定剤等を増量させたりする方法等が挙げられる。
本発明の特定範囲の粒径を有するトナーを得る方法としては、上記した懸濁重合法、乳化重合凝集法等の重合法や、溶融懸濁法に代表される化学粉砕法等、何れの製造方法をも使用することができるが、「懸濁重合法」や「溶融懸濁法に代表される化学粉砕法」においては、何れも、トナーの粒子径より大きなサイズから小さなサイズへ調整させるため、平均粒子径を小さくしようとすると小粒子側の粒子径割合が増加する傾向にあり、分級工程等において過度の負担が強いられる。これに対して、乳化重合凝集法は、比較的粒子径分布がシャープで、かつ、トナーの粒子径より小さなサイズから大きなサイズへ調整させ
るため、分級工程等の工程を介さずとも整った粒子径分布をもつトナーが得られる。従って、以上の理由により、乳化重合凝集法により本発明のトナーに含有されるトナーを製造することが特に好ましい。
以下、その乳化重合凝集法により製造されるトナーについて更に詳細に説明する。乳化重合凝集法によりトナーを製造する場合、通常、重合工程、混合工程、凝集工程、熟成工程、洗浄・乾燥工程を有する。すなわち、一般的には乳化重合により得た重合体一次粒子を含む分散液に、着色剤、帯電制御剤、ワックス等の分散液を混合し、この分散液中の一次粒子を凝集させて芯粒子とし、必要に応じて樹脂微粒子等を固着又は付着させた後に融着させて得られた粒子を洗浄、乾燥することによりトナー母粒子が得られる。
乳化重合凝集法に用いられる重合体一次粒子を構成するバインダー樹脂は乳化重合法により重合可能な1種又は2種以上の重合性モノマーを適宜用いればよい。重合性モノマーとしては、例えば、「酸性基を有する重合性モノマー」(以下、単に「酸性モノマー」と称すことがある)、「塩基性基を有する重合性モノマー」(以下、単に「塩基性モノマー」等の「極性基を有する重合性モノマー」(以下、単に「極性モノマー」と称すことがある)と称することがある)と、「酸性基及び塩基性基の何れをも有さない重合性モノマー」(以下、「その他のモノマー」と称することがある)とを原料重合性モノマーとして使用することが好ましい。この際、各重合性モノマーは別々に加えても、予め複数の重合性モノマーを混合しておいて同時に添加してもよい。更に、重合性モノマー添加途中で重合性モノマー組成を変化させることも可能である。また、重合性モノマーはそのまま添加してもよいし、予め水や乳化剤等と混合、調製した乳化液として添加することもできる。
「酸性モノマー」としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸等のカルボキシル基を有する重合性モノマー、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する重合性モノマー、ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する重合性モノマー等が挙げられる。また、「塩基性モノマー」としては、アミノスチレン等のアミノ基を有する芳香族ビニル化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等の窒素含有複素環含有重合性モノマー等が挙げられる。
これら極性モノマーは、単独で用いても複数を混合して用いてもよく、また、対イオンを伴って塩として存在していてもよい。中でも、酸性モノマーを用いるのが好ましく、より好ましくは、(メタ)アクリル酸であるのがよい。重合体一次粒子としてのバインダー樹脂を構成する全重合性モノマー100質量%中に占める極性モノマーの合計量の割合は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上である。上限は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは2質量%以下であることが望ましい。上記範囲である場合、得られる重合体一次粒子の分散安定性が向上し、凝集工程において粒子形状や粒子径の調整を行いやすくなる。
「その他のモノマー」としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−n−ノニルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、アクリル酸アミド等が挙げられる。重合性モノマーは、単独で用いてもよく、また複数を組み合わせて用いてもよ
い。
本発明においては、上述した重合性モノマー等を組み合わせて用いる中でも、好ましい実施態様として酸性モノマーとその他のモノマーを組み合わせて用いるのがよい。より好適には、酸性モノマーとして(メタ)アクリル酸を用い、その他のモノマーとしてスチレン類、(メタ)アクリル酸エステル類の中から選択される重合性モノマーを用いるのがよく、更に好適には酸性モノマーとして(メタ)アクリル酸を用い、その他のモノマーとしてスチレンと(メタ)アクリル酸エステル類との組み合わせを用いるのがよく、特に好適には酸性モノマーとして(メタ)アクリル酸を用い、その他のモノマーとしてスチレンとアクリル酸n−ブチルとの組み合わせで用いるのがよい。
更に、重合体一次粒子を構成するバインダー樹脂として架橋樹脂を用いることも好ましい。その場合、上述の重合性モノマーと共用される架橋剤としてラジカル重合性を有する多官能性モノマーが用いられる。多官能性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられる。また、架橋剤として反応性基をペンダントグループに有する重合性モノマー、例えばグリシジルメタクリレート、メチロールアクリルアミド、アクロレイン等を用いることも可能である。中でもラジカル重合性の2官能性モノマーが好ましく、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレートが特に好ましい。
これら多官能性モノマー等の架橋剤は、単独で用いても複数を混合して用いてもよい。重合体一次粒子を構成するバインダー樹脂として架橋樹脂を用いる場合は、樹脂を構成する全重合性モノマー中に占める多官能性モノマー等の架橋剤の配合率は、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、更に好ましくは0.3質量%以上であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下であることが望ましい。
乳化重合に用いる乳化剤としては公知のものが使用できるが、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の中から選ばれる1種又は2種以上の乳化剤を併用して用いることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイルショ糖等が挙げられる。
乳化剤の使用量は、通常、重合性単量体100重量部に対して1〜10重量部とされ、また、これらの乳化剤に、例えば、部分又は完全ケン化ポリビニルアルコール等のポリビ
ニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体類等の1種又は2種以上を保護コロイドとして併用することができる。
重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸カリウム等の過硫酸塩類;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の有機過酸化物類;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物類;レドックス系開始剤等が用いられる。それらは1種又は2種以上が、通常、重合性単量体100重量部に対して0.1〜3重量部程度の量で用いられる。中でも、開始剤としては少なくとも一部又は全部が過酸化水素又は有機過酸化物類であるのが好ましい。
前記重合開始剤は、何れも重合性モノマー添加前、添加と同時、添加後の何れの時期に重合系に添加してもよく、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせてもよい。
乳化重合に際しては、必要に応じて公知の連鎖移動剤を使用することもできるが、その様な連鎖移動剤の具体的な例としては、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタン等が挙げられる。連鎖移動剤は単独又は2種類以上の併用でもよく、全重合性モノマーに対して通常5質量%以下の範囲で用いられる。また、反応系には、更に、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤等を適宜配合することができる。
乳化重合は、上記の重合性モノマーを重合開始剤の存在下で重合するが、重合温度は、通常50〜120℃、好ましくは60〜100℃、更に好ましくは70〜90℃である。
乳化重合により得られた重合体一次粒子の体積平均径(Mv)は、通常0.02μm以上、好ましくは0.05μm以上、更に好ましくは0.1μm以上であり、通常3μm以下、好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下であることが望ましい。粒径が前記範囲未満では、凝集速度の制御が困難となる場合があり、前記範囲超過では、凝集して得られるトナーの粒径が大きくなりやすく、目的とする粒径のトナーを得ることが困難となる場合がある。
本発明における重合体一次粒子としてのバインダー樹脂のDSC法によるTgは、好ましくは40〜80℃であり、より好ましくは55〜65℃である。この範囲内であれば、保存性がよく、加えて凝集性も損なわれない。Tgが高すぎる場合は、凝集性が悪く、凝集剤を過度に添加したり、凝集温度を過度に高くしたりしなくてはならず、その結果微粉が発生しやすくなる場合がある。ここで、バインダー樹脂のTgが他の成分に基づく熱量変化、例えばポリラクトンやワックスの融解ピークと重なるために明確に判断できない場合には、このような他の成分を除いた状態でトナーを作成した際のTgを意味するものとする。
本発明において、重合体一次粒子を構成するバインダー樹脂の酸価は、JISK−0070の方法によって測定した値として、好ましくは3〜50mgKOH/g、より好ましくは5〜30mgKOH/gであるのがよい。
本発明において使用する「重合体一次粒子の分散液」中の重合体一次粒子の固形分濃度は、その下限値は14質量%以上であることが好ましく、21質量%以上であることが更に好ましく、一方、その上限値は30質量%以下が好ましく、25質量%以下であることがより好ましい。上記範囲内であるとき、凝集工程において経験則的に重合体一次粒子の凝集速度を調整しやすく、結果として芯粒子の粒子径、粒子形状、粒径分布を任意の範囲に調整することが容易となる。
本発明においては、乳化重合により得た重合体一次粒子を含む分散液に、着色剤、帯電制御剤、ワックス等の分散液を混合し、この分散液中の一次粒子を凝集させて芯粒子とし、樹脂微粒子等を固着又は付着させた後に融着させて得られた粒子を洗浄、乾燥することによりトナー母粒子が得ることが好ましい。
樹脂微粒子は、上記重合体一次粒子と同様の方法で製造してもよく、その構成は特に限定されないが、樹脂微粒子としてのバインダー樹脂を構成する全重合性モノマー100質量%中に占める極性モノマーの合計量の割合は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上である。上限は、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下であることが望ましい。上記範囲である場合、得られる樹脂微粒子の分散安定性が向上し、凝集工程において粒子形状や粒子径の調整を行いやすくなる。
また、樹脂微粒子としてのバインダー樹脂を構成する全重合性モノマー100質量%中に占める極性モノマーの合計量の割合が、重合体一次粒子としてのバインダー樹脂を構成する全重合性モノマー100質量%中に占める極性モノマーの合計量の割合よりも小さい方が、凝集工程において粒子形状や粒子径の調整を行いやすくなり、微粉の発生が抑制でき、帯電特性に優れたものとなる点で好ましい。
また、樹脂微粒子としてのバインダー樹脂のTgが、重合体一次粒子としてのバインダー樹脂のTgよりも高い方が、保存安定性等の点から好ましい。
着色剤としては、通常用いられる着色剤であればよく、特に限定はされない。例えば、前述した顔料、ファーネスブラックやランプブラック等のカーボンブラック、磁性着色剤等が挙げられる。前記着色剤の含有割合は、得られるトナーが現像により可視像を形成するのに十分な量であればよく、例えば、トナー中に1〜25重量部の範囲が好ましく、更に好ましくは1〜15重量部、特に好ましくは3〜12重量部である。
前記着色剤は磁性を有していてもよく、磁性着色剤としては、プリンター、複写機等の使用環境温度である0〜60℃付近においてフェリ磁性又はフェロ磁性を示す強磁性物質、具体的には、例えば、マグネタイト(Fe)、マグヘマタイト(γ−Fe)、マグネタイトとマグヘマタイトの中間物や混合物、MFe3−x、式中、Mは、Mg、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Cd等のスピネルフェライト、BaO・6Fe、SrO・6Fe等の6方晶フェライト、YFe12、SmFe12等のガーネット型酸化物、CrO等のルチル型酸化物、及び、Cr、Mn、Fe、Co、Ni等の金属又はそれらの強磁性合金等のうち0〜60℃付近において磁性を示すものが挙げられ、中でも、マグネタイト、マグヘマタイト、又はマグネタイトとマグヘマタイトの中間体が好ましい
非磁性トナーとしての特性を持たせつつ、飛散防止や帯電制御等の観点で含有する場合は、トナー中の前記磁性粉の含有量は、0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜8質量%、より好ましくは1〜5質量%である。また、磁性トナーとして使用する場合は、トナー中の前記磁性粉の含有量は、通常15質量%以上、好ましくは20質量%以上であり、通常70質量%以下、好ましくは60質量%以下であることが望ましい。磁性粉の含有量が前記範囲未満であると、磁性トナーとして必要な磁力が得られない場合があり、前記範囲超過では、定着性不良の原因となる場合がある。
乳化重合凝集法における着色剤の配合方法としては、通常、重合体一次粒子分散液と着色剤分散液とを混合して混合分散液とした後、これを凝集させて粒子凝集体とする。着色剤は、乳化剤の存在下で水中にサンドミル、ビーズミル等の機械的手段により乳化させた
状態で用いるのが好ましい。この際、着色剤分散液は、水100重量部に対して、着色剤を10〜30重量部、乳化剤を1〜15重量部加えるのがよい。なお、分散液中の着色剤の粒径を分散途中でモニターしながら行い、最終的にその体積平均径(Mv)を0.01〜3μmとするのがよく、より好適には0.05〜0.5μmの範囲に制御するのがよい。乳化凝集時における着色剤分散液の配合は、凝集後のでき上がりのトナー母粒子中に2〜10質量%となるように計算して用いられる。
ワックスは重合体一次粒子に含有させても、樹脂微粒子に含有させてもよい。ただし、通常はワックスの使用量の増加に伴い凝集制御が悪化して粒子径分布がブロードになる傾向にある。
そのため、乳化重合凝集法におけるワックスの配合方法としては、予め水中に体積平均径(Mv)0.01〜2.0μm、より好ましくは0.01〜0.5μmに乳化分散したワックス分散液を乳化重合時に添加するか、又は凝集工程で添加することが好ましい。トナー中に好適な分散粒径でワックスを分散させるためには、乳化重合時にワックスをシードとして添加することが好ましい。シードとして添加することにより、ワックスが内包された重合体一次粒子が得られるので、ワックスがトナー表面に多量に存在することがなく、トナーの帯電性や耐熱性の悪化を抑制することができる。重合体一次粒子に占めるワックス含有量は、好ましくは4〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%、特に好ましくは7〜15質量%となるよう計算して用いられる。
また、樹脂微粒子中にワックスを含有させてもよく、その場合も重合体一次粒子を得る場合と同様に、乳化重合時にワックスをシードとして添加することが好ましい。樹脂微粒子全体中に占めるワックスの含有割合は、重合体一次粒子全体中に占めるワックスの含有量割合よりも小さい方が好ましい。一般に、樹脂微粒子中にワックスを含有せしめる場合は、定着性は向上するが、その反面微粉の発生量が多くなる傾向にある。その理由は、定着性については、熱を受けた際にワックスのトナー表面への移動速度が速くなるため向上するが、ワックスを樹脂微粒子中に含有させることにより樹脂微粒子の粒度分布が広くなるため凝集制御が難しくなり、その結果、微粉の増加を招くためと考えられる。
本発明に用いられるトナーには、帯電量、帯電安定性付与のため、帯電制御剤を配合してもよい。帯電制御剤としては、従来公知の化合物が使用される。例えば、ヒドロキシカルボン酸の金属錯体、アゾ化合物の金属錯体、ナフトール系化合物、ナフトール系化合物の金属化合物、ニグロシン系染料、第4級アンモニウム塩及びこれらの混合物が挙げられる。帯電制御剤の配合量は樹脂100重量部に対し、0.1〜5重量部の範囲が好ましい。
乳化重合凝集法においてトナー中に帯電制御剤を含有させる場合は、乳化重合時に重合性モノマー等とともに帯電制御剤を配合するか、重合体一次粒子及び着色剤等とともに凝集工程で配合するか、重合体一次粒子及び着色剤等を凝集させてほぼトナーとして適当な粒径となった後に配合する等の方法によって配合することができる。これらのうち、帯電制御剤を、乳化剤を用いて水中で乳化分散させ、体積平均径(Mv)0.01μm〜3
μmの乳化分散液として使用することが好ましい。乳化凝集時における帯電制御剤分散液の配合は、凝集後のでき上がりのトナー母粒子中に0.1〜5質量%となるように計算して用いられる。
上記の分散液中の、重合体一次粒子、樹脂微粒子、着色剤粒子、ワックス粒子、帯電制御剤粒子等の体積平均径(Mv)は、実施例に記載の方法でナノトラックを用いて測定し、その測定値として定義される。
乳化重合凝集法における凝集工程においては、上述の、重合体一次粒子、樹脂微粒子、着色剤粒子、必要に応じて帯電制御剤、ワックス等の配合成分は、同時に又は逐次に混合するが、予めそれぞれの成分の分散液、即ち、重合体一次粒子分散液、樹脂微粒子分散液、着色剤粒子分散液、帯電制御剤分散液、ワックス微粒子分散液を作製しておくことが組成の均一性及び粒径の均一性の観点で好ましい。
また、これら異なる種類の分散液を混合する際、各分散液中に含まれる成分の凝集速度が異なるため、凝集を均一に行うために、連続的又は断続的に、ある程度時間をかけて添加して混合することが好ましい。添加に要する好適な時間は、混合する分散液の量や固形濃度等に応じて変化するため、適宜調整して行うことが好ましい。例えば、重合体一次粒子分散液に着色剤粒子分散液を混合する場合には、3分間以上かけて添加するのが好ましい。また、芯粒子に対して樹脂微粒子分散液を混合する際も、3分間以上かけて添加することが好ましい。
前記の凝集処理は通常攪拌槽内で、加熱する方法、電解質を加える方法、系内の乳化剤の濃度を低減する方法、これらを組み合わせる方法等がある。一次粒子を攪拌下に凝集してほぼトナーの大きさに近い粒子凝集体を得ようとする場合、粒子同士の凝集力と攪拌による剪断力とのバランスから粒子凝集体の粒径が制御されるが、上記方法によって凝集力を大きくすることができる。
電解質を添加して凝集を行う場合の電解質としては、有機塩、無機塩の何れでもよいが、具体的には、NaCl、KCl、LiCl、NaSO、KSO、LiSO、CHCOONa、CSONa等の1価の金属カチオンを有する無機塩;MgCl、CaCl、MgSO、CaSO、ZnSO等の2価の金属カチオンを有する無機塩;Al(SO、Fe(SO等の3価の金属カチオンを有する無機塩等が挙げられる。これらのうち、2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩を用いる場合、凝集速度が速くなり生産性の点で好ましいが、一方で芯粒子に取り込まれない重合体一次粒子等の量が増加するため、結果として所望のトナー粒径に至らない微粉が発生しやすくなる。従って、凝集作用のそれほど強くない1価の金属カチオンを有する無機塩を用いることが、上記微粉の発生量を抑えられる点で好ましい。
前記電解質の使用量は、電解質の種類、目的とする粒径等によって異なるが、混合分散液の固形成分100重量部に対して、通常0.05〜25重量部、好ましくは0.1〜15重量部、更に好ましくは0.1〜10重量部である。使用量が前記範囲未満の場合は、凝集反応の進行が遅くなり凝集反応後も1μm以下の微粉が残ったり、得られた粒子凝集体の平均粒径が目的の粒径に達しない等の問題を生じる場合があり、前記範囲超過の場合は、急速な凝集となりやすく粒径の制御が困難となり、得られた芯粒子中に粗粉や不定形のものが含まれる等の問題を生じる場合がある。
また、電解質の添加方法は、一度に加えずに、断続的又は連続的にある程度の時間をかけて添加することが好ましい。この添加時間は使用量等に応じて変化するが、0.5分間以上かけて添加することがより好ましい。通常、電解質を加えると、その途端に急な凝集が始まるため、凝集に取り残される重合体一次粒子、着色剤粒子、又はその凝集物等が多く残存する傾向にある。そしてこれらが微粉の発生元の一つと考えられる。上記操作によれば、急な凝集をせずに均一な凝集を行うことができるため、微粉の発生を防ぐことができる。
また、電解質を加えて凝集を行う場合の凝集工程の最終温度は、20〜70℃が好ましく、30〜60℃が更に好ましい。ここで、凝集工程前の温度を制御することも本発明の特定範囲の粒径に制御する方法の一つである。凝集工程に加える着色剤の中には、上記電
解質のように凝集を誘発させるものがあり、電解質を加えずとも凝集することがある。そこで、着色剤分散液の混合時に予め、重合体1次粒子分散液の温度を冷やしておくことで、上記凝集を防ぐことができる。この凝集が微粉を発生させる原因となる。本発明では、重合体1次粒子を予め、好ましくは0〜15℃、より好ましくは0〜12℃、より更に好ましくは2〜10℃の範囲に冷やしておくのがよい。尚、この方法は電解質を加えて凝集を行う場合にのみに効果があるものではなく、pHの制御やアルコール等の極性有機溶媒を加えて凝集法行う方法等の電解質を加えずに凝集を行う方法にも用いられ、特に凝集方法に限定されるものではない。
加熱によって凝集を行う場合の凝集工程の最終温度は、通常、重合体一次粒子の(Tg−20℃)〜Tgの温度範囲であり、(Tg−10℃)〜(Tg−5℃)の範囲であることが好ましい。
また、微粉の発生を防ぐために急な凝集を防ぐ方法とてしては、脱塩水等を加える方法がある。脱塩水等を添加する方法は、電解質を添加する方法に比べて凝集作用がそれほど強くないため、生産効率上積極的に採用される方法ではなく、寧ろ、その後の濾過工程等で多量の濾液が得られてしまうため好ましくない場合がある。ところが、本発明のように微妙な凝集制御が求められる場合には、非常に効果的である。また、本発明においては、上記加熱する方法や電解質を加える方法等と組み合わせて採用することが好ましい。このとき、電解質を加えた後に脱塩水を添加する方法が凝集を制御しやすいという点で特に好ましい。
凝集に要する時間は装置形状や処理スケールにより最適化されるが、トナー母粒子の粒径を目的とする粒径に到達するためには、凝集工程を終了させる操作時の温度、例えば、乳化剤の添加、pH制御等により芯粒子の成長を止める操作時の温度(以下、凝集最終温度と称す。)より8℃低い温度から凝集最終温度までの時間を30分以上とすることが好ましく、1時間以上とすることが更に好ましい。上記時間を長くすることで残存する重合体一次粒子、着色剤粒子、又はその凝集物等が取り残されることなく、目的とする芯粒子に取り込まれたり、それら同士が凝集したりして目的の芯粒子になる。
本発明においては、芯粒子の表面に、必要に応じて樹脂微粒子を被覆(付着又は固着)してトナー母粒子を形成することができる。樹脂微粒子の体積平均径(Mv)は、好ましくは0.02μm〜3μm、より好ましくは0.05μm〜1.5μmである。一般に上記樹脂微粒子の使用は所定のトナー粒径に至らない微粉の発生を助長させる。従って、従来の樹脂微粒子で被覆したトナーは所定のトナー粒径に満たない微粉量が多くなる。
本発明において、ワックスの配合量を多くした場合、高温定着性は向上するもののワックスがトナー表面に露出しやすくなるため帯電性や耐熱性が悪化する場合があるが、芯粒子の表面を、ワックスを含有しない樹脂微粒子で被覆することにより性能の悪化を防止できる。
しかしながら、高温定着性を向上させる目的で樹脂微粒子にもワックスを含有させる場合は、一旦芯粒子の表面に付着した樹脂微粒子が剥がれ落ちやすい。この理由は、上述した前記樹脂微粒子の粒径分布が広くなるため、付着力の弱い大粒径の樹脂微粒子が存在するためである。そこで、その剥がれ落ちを少なくするために、樹脂微粒子が表面に付着した粒子が分散している液中に、分散安定剤と水を予め混ぜておいた水溶液を添加しながら昇温することが好ましい。
従来の方法である「乳化剤の添加後に昇温を開始する工程」を採用した場合、すなわち、凝集力を急激に下げた後に熟成工程を行った場合は、その凝集力の急激な低下のため一
度付着した樹脂微粒子が離脱しやすくなる場合がある。従って、凝集力をそれほど落とすことなく、かつ、粒子の径成長を抑えつつ、樹脂微粒子を付着後、融着することが好ましい。
乳化重合凝集法においては、凝集で得られた粒子凝集体の安定性を増すために、分散安定剤として、乳化剤やpH調整剤を添加して粒子同士の凝集力を低下させトナー母粒子の成長を止めた後に、凝集した粒子間の融着を起こす熟成工程を加えることが好ましい。
乳化剤を配合する場合の配合量は限定されないが、混合分散液の固形成分100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、更に好ましくは3重量部以上であり、また、好ましくは20重量部以下、より好ましくは15重量部以下、更に好ましくは10重量部以下である。凝集工程以降、熟成工程の完了前の間に乳化剤を添加するか、凝集液のpH値を上げることにより、凝集工程で凝集した粒子凝集体同士の凝集等を抑制することができ、熟成工程後のトナー中に粗大粒子が生じることを抑制できる。
ここで、本発明の小粒径トナーにおいて粒度分布がシャープであることを意味する特定範囲の粒径に制御する方法として、乳化剤やpH調整剤を添加する工程の前に攪拌回転数を低下させる、即ち、攪拌による剪断力を下げる方法が挙げられる。この方法は凝集作用が弱い系、例えば乳化剤やpH調整剤を一度に添加して急激に安定(分散)な系へ移行させた場合に採用することが好ましい。上述したように、仮に分散安定剤と水を予め混ぜておいた水溶液を添加しながら昇温する方法を採用した場合に、攪拌回転数を低下させると系が凝集へ傾き過ぎるため、粒子径の肥大を招く場合がある。
一例として上記の方法により本発明の特定の粒径分布のトナーを得ることができるが、更に述べると、この回転数を落とす程度によって、微粉粒子の含有量を調節することができる。例えば、攪拌回転数を250rpmから150rpmに低下させると、公知のトナーより粒度分布がシャープな小粒径のトナーを与えることができ、本発明の特定の粒径分布のトナーを得ることができる。ただし、この値は当然、
(イ)攪拌容器の直径(所謂一般的な円筒形として)と攪拌羽根の最大径(及びその相対的な比)
(ロ)攪拌容器の高さ
(ハ)攪拌羽根先端の周速
(ニ)攪拌羽根の形状
(ホ)攪拌容器内の羽根の位置
等の条件によって異なってくる。特段(ハ)については、1.0〜2.5m/秒が好ましく、1.2〜2.3m/秒がより好ましく、1.5〜2.2m/秒が特に好ましい。上記の範囲内であれば、剥がれ落ちもせず、肥大もしない好適な剪断速度を粒子に対して与えるからである。
熟成工程の温度は、好ましくは重合体一次粒子としてのバインダー樹脂のTg以上、より好ましくは前記Tgより5℃高い温度以上であり、また、好ましくは前記Tgより80℃高い温度以下、より好ましくは前記Tgより50℃高い温度以下である。また、熟成工程に要する時間は、目的とするトナーの形状により異なるが、重合体一次粒子を構成する重合体のガラス転移温度以上に到達した後、通常0.1〜5時間、好ましくは1〜3時間保持することが望ましい。
このような加熱処理により、凝集体における重合体一次粒子同士の融着一体化がなされ、凝集体としてのトナー母粒子形状も球形に近いものとなる。熟成工程前の粒子凝集体は、重合体一次粒子の静電的又は物理的凝集による集合体であると考えられるが、熟成工程
後は、粒子凝集体を構成する重合体一次粒子は互いに融着しており、トナー母粒子の形状も球状に近いものとすることが可能となる。この様な熟成工程によれば、熟成工程の温度及び時間等を制御することにより、重合体一次粒子が凝集した形状である葡萄型、融着が進んだジャガイモ型、更に融着が進んだ球状等、目的に応じて様々な形状のトナーを製造することができる。
上記の各工程を経ることにより得た粒子凝集体は、公知の方法に従って固/液分離し、粒子凝集体を回収し、次いで、これを必要に応じて洗浄した後、乾燥することにより目的とするトナー母粒子を得ることができる。
また、前記の乳化重合凝集法により得られた粒子の表面に、例えば、スプレードライ法、in−situ法、又は液中粒子被覆法等の方法によって、更に、重合体を主成分とする外層を、好ましくは0.01〜0.5μmの厚みで形成させることによって、カプセル化されたトナー母粒子とすることもできる。
また、乳化重合凝集法トナーにおいては、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100を用いて測定した平均円形度が好ましくは0.90以上、より好ましくは0.92以上、更に好ましくは0.94以上である。球形に近いほど粒子内での帯電量の局在化が起こりにくく、現像性が均一になる傾向にあると考えられるが、完全な球状トナーを作ることはクリーニング性を悪化させるため前記平均円形度は好ましくは0.98以下、より好ましくは0.97以下である。
また、トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す場合がある)におけるピーク分子量のうち少なくとも1つが、好ましくは3万以上、より好ましくは4万以上、更に好ましくは5万以上であり、好ましくは20万以下、より好ましくは15万以下、更に好ましくは10万以下であることが望ましい。ピーク分子量が何れも前記範囲より低い場合は、非磁性一成分現像方式における機械的耐久性が悪化する場合があり、ピーク分子量が何れも前記範囲より高い場合は、低温定着性や定着強度が悪化する場合がある。
乳化重合凝集法トナーの帯電性は、正帯電であっても負帯電であってもよいが、負帯電性トナーとして用いることが好ましい。トナーの帯電性の制御は、帯電制御剤の選択及び含有量、外添剤の選択及び配合量等によって調整することができる。
上記式(3)を満たすトナーを得るには、凝集工程において通常行う操作と比較して凝集の速度が高くない操作を採用するのがよい。前記凝集の速度が高くない操作としては、例えば、使用する分散液を予め冷やしておく、時間をかけて分散液等を添加する、凝集作用の大きくない電解質等を採用する、電解質を連続的或いは断続的に加える、昇温する速度を遅くする、凝集する時間を長くする、方法等がある。また、熟成工程においては凝集した粒子が再分散し難い操作を採用するのがよい。前記凝集した粒子が細分散し難い操作としては、例えば、攪拌する回転数を下げる、分散安定剤を連続的或いは断続的に加える、分散安定剤と水を予め混ぜておく、方法等がある。また、上記式(3)を満たすトナーは、最終的に得られたトナー或いはトナー母粒子を、分級等の操作によって、それらの体積中位径(Dv50)以下の粒子を除去する工程を経ずに得られることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナーを磁力により静電潜像部に搬送するためのキャリアを共存させた磁性二成分現像剤用、又は、磁性粉をトナー中に含有させた磁性一成分現像剤用、又は、現像剤に磁性粉を用いない非磁性一成分現像剤用の何れに用いてもよいが、本発明の効果を顕著に発現するためには、特に非磁性一成分現像方式用の現像剤として用いるのが好ましい。
前記磁性二成分現像剤として用いる場合には、トナーと混合して現像剤を形成するキャリアとしては、公知の鉄粉系、フェライト系、マグネタイト系キャリア等の磁性物質又
は、それらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性樹脂キャリアを用いることができる。キャリアの被覆樹脂としては、一般的に知られているスチレン系樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等が利用できるが、これらに限定されるものではない。キャリアの平均粒径は、特に制限はないが10〜200μmの平均粒径を有するものが好ましい。これらのキャリアは、トナー1重量部に対して5〜100重量部使用する事が好ましい。
図面により、本発明の画像形成方法を更に詳細に説明する。図1は、本発明のトナーを用いた画像形成方法の遂行に用いることのできる非磁性一成分トナーを使用した現像装置の一例を示す説明図である。図1において、トナーホッパー7に内蔵されている本発明のトナー6は、撹拌羽根5によりローラー状のスポンジローラー(トナー補給補助部材)4に強制的に寄せられ、トナーはスポンジローラー4に供給される。そして、スポンジローラー4に取り込まれたトナーは、スポンジローラー4が矢印方向に回転することにより、トナー搬送部材2に運ばれ、摩擦され、静電的又は物理的に吸着し、トナー搬送部材2が矢印方向に強く回転し、スチール性の弾性ブレード(トナー層厚規制部材)3により均一なトナー薄層が形成されるとともに摩擦帯電する。その後、トナー搬送部材2と接触している静電潜像担持体1の表面に運ばれ、潜像が現像される。静電潜像は例えば有機感光体に500VのDC帯電をした後、露光して得られる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下の例で「部」とあるのは「重量部」を意味する
<体積平均径(Mv)の測定方法と定義>
1μm未満の体積平均径(Mv)を有する粒子の体積平均径(Mv)は、日機装株式会社製、型式:Microtrac Nanotrac 150(以下、「ナノトラック」と略記する)を用いて、ナノトラックの取り扱い説明書に従い、同社解析ソフトMicrotrac Particle Analyzer Ver10.1.2.-019EEを用い、電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水を分散媒に
用い、それぞれ、下記の条件で又は下記の条件を入力し、取り扱い説明書に記載された方法で測定した。
ワックス分散液及び重合体一次粒子分散液については、
・溶媒屈折率:1.333
・測定時間 :100秒
・測定回数 :1回
・粒子屈折率:1.59
・透過性 :透過
・形状 :真球形
・密度 :1.04
顔料プレミックス液及び着色剤分散液については、
・溶媒屈折率:1.333
・測定時間 :100秒
・測定回数 :1回
・粒子屈折率:1.59
・透過性 :吸収
・形状 :非球形
・密度 :1.00
<体積中位径(Dv50)の測定方法と定義>
外添工程を経て、最終的に得られたトナーの測定前処理として次の様にした。内径47mm、高さ51mmの円筒形のポリエチレン(PE)製ビーカーに、スパチュラーを用いてトナーを0.100g、スポイトを用いて20質量%DBS水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS−20A)を0.15g添加した。この際、ビーカーの縁等にトナーが飛び散らない様にビーカーの底部にのみトナー及び20%DBS水溶液を入れた。次に、スパチュラーを用いてトナーと20%DBS水溶液がペースト状になるまで3分間攪拌した。この際もビーカーの縁等にトナーが飛び散らない様にした。
続いて、分散媒アイソトンIIを30g添加し、スパチュラーを用いて2分間攪拌し全体を目視で均一な溶液とした。次に、長さ31mm直径6mmのフッ素樹脂コート回転子をビーカーの中に入れて、スターラーを用いて400rpmで20分間分散させた。この際、3分間に1回の割合でスパチュラーを用いて気液界面とビーカーの縁に目視で観察される巨視的な粒をビーカー内部に落とし込み均一な分散液となるようにした。続いて、これを目開き63μmのメッシュで濾過し、得られたろ液を「トナー分散液」とした。
なお、トナー母粒子の製造工程中の粒径の測定については、凝集中のスラリーを63μmのメッシュで濾過したろ液を「スラリー液」とした。
粒子の体積中位径(Dv50)はベックマンコールター社製マルチサイザーIII(アパ ーチャー径100μm)(以下、「マルチサイザー」と略記する)を用い、分散媒には同社製アイソトンIIを用い、上述の「トナー分散液」又は「スラリー液」を、分散質濃度0.03質量%になるように希釈して、マルチサイザーIII解析ソフトで、KD値は118
.5として測定した。測定粒子径範囲は2.00から64.00μmまでとし、この範囲を対数目盛で等間隔となるように256分割に離散化し、それらの体積基準での統計値をもとに算出したものを体積中位径(Dv50)とした。
<粒径2.00μm以上、3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)の測定方法と定義>
外添工程を経たトナーの測定前処理として次の様にした。内径47mm、高さ51mmの円筒形のポリエチレン(PE)製ビーカーに、スパチュラーを用いてトナーを0.100g、スポイトを用いて20質量%DBS水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS−20A)を0.15g添加した。この際、ビーカーの縁等にトナーが飛び散らない様にビーカーの底部にのみトナー及び20%DBS水溶液を入れた。次に、スパチュラーを用いてトナーと20%DBS水溶液がペースト状になるまで3分間攪拌した。この際もビーカーの縁等にトナーが飛び散らない様にした。
続いて、分散媒アイソトンIIを30g添加し、スパチュラーを用いて2分間攪拌し、全体を目視で均一な溶液とした。次に、長さ31mm直径6mmのフッ素樹脂コート回転子をビーカーの中に入れて、スターラーを用いて400rpmで20分間分散させた。この際、3分間に1回の割合でスパチュラーを用いて気液界面とビーカーの縁に目視で観察される巨視的な粒をビーカー内部に落とし込み、均一な分散液となるようにした。続いて、これを目開き63μmのメッシュで濾過し、得られたろ液をトナー分散液とした。
粒径2.00μm以上、3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)は、マルチサイザー(アパーチャー径100μm)を用い、分散媒には同社製アイソトンIIを用い、上述の「トナー分散液」又は「スラリー液」を、分散質濃度0.03質量%になるように希釈
して、マルチサイザーIII解析ソフトで、KD値は118.5として測定した。
下限の粒径2.00μmは本測定装置マルチサイザーの検出限界であり、上限の粒径3.56μmは本測定装置マルチサイザーにおけるチャンネルの規定値である。本発明では、この粒径2.00μm以上、3.56μm以下の領域を微粉領域と認定した。
測定粒子径範囲は、2.00から64.00μmまでとし、この範囲を対数目盛で等間隔となるように256分割に離散化し、それらの個数基準での統計値をもとに、2.00から3.56μmまでの粒径成分の割合を個数基準で算出して「Dns」とした。
<平均円形度の測定方法と定義>
本発明における「平均円形度」は、以下のように測定し、以下のように定義する。すなわち、トナー母粒子を分散媒(アイソトンII、ベックマンコールター社製)に、5720〜7140個/μLの範囲になるように分散させ、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社(旧東亜医用電子社)製、FPIA2100)を用いて、以下の装置条件にて測定を行い、その値を「平均円形度」と定義する。本発明においては、同様の測定を3回行い、3個の「平均円形度」の相加平均値を、「平均円形度」として採用する。
・モード :HPF
・HPF分析量 :0.35μL
・HPF検出個数:2000〜2500個
以下は、上記装置で測定され、上記装置内で自動的に計算されて表示されるものであるが、「円形度」は下記式で定義される。
[円形度]=[粒子投影面積と同じ面積の円の周長]/[粒子投影像の周長]
そして、HPF検出個数である2000〜2500個を測定し、この個々の粒子の円形度の算術平均(相加平均)が「平均円形度」として装置に表示される。
<個数変動係数の測定方法と定義>
個数変動係数とは、個数基準の粒子分布の標準偏差×100/個数平均粒径 で表される。本発明の粒度分布等については、以下の通り測定した。
粒子の個数変動係数はベックマンコールター社製マルチサイザーIII(アパーチャー径
100μm)(以下、「マルチサイザー」と略記する)を用い、分散媒には同社製アイソトンIIを用い、上述の「トナー分散液」又は「スラリー液」を、分散質濃度0.03質量%になるように希釈して、マルチサイザーIII解析ソフトで(V3.51)、KD値は1
18.5として測定した。測定粒子径範囲は2.00から64.00μmまでとし、この範囲を対数目盛で等間隔となるように256分割に離散化し、それらの個数基準での統計値をもとに算出したものを個数変動係数とした。
<電気伝導度の測定方法>
電気伝導度の測定は、導電率計(横河電機社製のパーソナルSCメータモデルSC72と検出器SC72SN−11)を用いて、取扱説明書通り常法に従って行った。
<融点ピーク温度、融解ピーク半値幅、結晶化温度、結晶化ピーク半値幅の測定方法>
セイコーインスツルメンツ社製、型式:SSC5200を用い、同社の取り扱い説明書に記載された方法で、10℃から110℃まで、10℃/分の速度で昇温させた際の吸熱曲線より、融点ピーク温度、融解ピーク半値幅を測定し、続いて、110℃から10℃まで10℃/分の速度で降温させた際の発熱曲線より、結晶化温度、結晶化ピーク半値幅を測定した。
<固形分濃度の測定方法>
ケット科学研究所社製 固形分濃度測定機INFRARED MOISTURE DETERMINATION BALANCE 型式FD−100を用い、固形分を含んだ試料1.00gを天秤上に精秤し、ヒーター温度300℃、加熱時間90分の条件で固形分濃度を測定した。
<帯電量分布(帯電量の標準偏差)の測定方法>
トナー0.8g/キャリア(パウダーテック社製フェライトキャリア:F150)19.2gをガラス製のサンプル瓶に入れ、レシプロシェーカーNR−1(タイテック株式会社製)を用い250rpmで30分間撹拌した。撹拌したトナー/キャリア混合物をE−Spart帯電量分布測定装置(ホソカワミクロン社製)を用いて帯電量分布測定を行った。得られたデータから個々の粒子についてその帯電量を粒子直径で除した値(−16.197C/μm〜+16.197C/μmの範囲を0.2551C/μm毎に128分割に離散化)を求め、3000個の粒子測定結果の標準偏差を求めて、帯電量の標準偏差とした。
<実写評価の方法>
実写評価1
トナー80gを非磁性一成分(有機感光体使用)で、ローラー帯電、ゴム現像ローラー接触現像方式、現像速度164mm/秒、タンデム方式、ベルト搬送方式、直接転写方式、ブレードドラムクリーニング方式で、5%印字率での保証寿命枚数30000枚の、600dpiマシンのカートリッジに装填し、1%印字率のチャートを50枚連続印字した。
実写評価2
トナー200gを非磁性一成分(有機感光体使用)で、ローラー帯電、ゴム現像ローラー接触現像方式、現像速度100mm/秒、タンデム方式、ベルト搬送方式、直接転写方式、ブレードドラムクリーニング方式で、5%印字率での保証寿命枚数8000枚の、600dpiマシンのカートリッジに装填し、5%印字率のチャートをトナー切れの表示が出るまで連続印字した。
<汚れ>
実写評価1で、50枚印字後の画像の汚れを目視観察し、下記の基準で判定した。
◎:全く汚れなし
○:微少に汚れあるが使用可能なレベル
△:部分的にうっすらと汚れている
×:部分的あるいは全体的にはっきり汚れが確認できる。
<残像(ゴースト)>
実写評価2で、ベタ画像を印字し、先端部分の画像濃度と、そこから現像ローラー2周分後に印字された部分の画像濃度をそれぞれX−rite 938(X−Rite社製)で測定し、2周分後の画像濃度の先端部分に対する比(%)を求めた。
◎:全く問題なし(98%以上)
○:微少に画像濃度差あるが使用可能なレベル(95%以上98%未満)
△:やや画像濃度に差あると認知できるレベル(85%以上95%未満)
×:画像濃度にはっきりと差があるレベル(85%未満)
<かすれ(ベタ追従性)>
実写評価2で、ベタ画像を印字し、先端部分の画像濃度と、後端部分の画像濃度をそれぞれX−rite 938(X−Rite社製)で測定し後端部の画像濃度の先端部に対する比(%)を求めた。
◎:全く問題なし(80%以上)
○:微少に後端が薄いが使用可能なレベル(70%以上80%未満)
×:後端がかなり薄いレベル(70%未満)
<クリーニング性>
実写評価2で、8000枚印字後の画像の汚れを目視観察し、ドラムクリーニング不良による画像の汚れがないかどうか確認した。
○:汚れなし
△:部分的にうっすらと汚れている
×:部分的あるいは全体的にはっきり汚れが確認できる。
実施例1
<ワックス・長鎖重合性単量体分散液A1の調製>
パラフィンワックス(日本精鑞社製HNP−9、表面張力23.5mN/m、熱特性:融点ピーク温度82℃、融解熱量220J/g、融解ピーク半値幅8.2℃、結晶化温度66℃、結晶化ピーク半値幅13.0℃)27部(540g)、ステアリルアクリレート(東京化成社製)2.8部、20質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20A)(以下、「20%DBS水溶液」と略記する)1.9部、脱塩水68.3部を90℃に加熱して、ホモミキサー(特殊機化工業社製 マー
クII fモデル)を用い10分間攪拌した。
次いでこの分散液を90℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて25MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで粒子径を測定し体積平均径(Mv)が250nmになるまで分散して、ワックス・長鎖重合性単量体分散液A1(エマルション固形分濃度=30.2質量%)を作製した。
<重合体一次粒子分散液A1の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器(内容積21L、内径250mm、高さ420mm)に、上記ワックス・長鎖重合性単量体分散液A1 35.6部(712.12g)、脱塩水259部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
その後、上記液の攪拌を続けたまま、そこへ下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物を5時間かけて添加した。この混合物を滴下開始した時間を「重合開始」とし、下記の「開始剤水溶液」を重合開始30分後から4.5時間かけて添加し、更に重合開始5時間後から、下記の「追加開始剤水溶液」を2時間かけて添加し、更に攪拌を続けたまま内温90℃のまま1時間保持した。
[重合性モノマー類等]
スチレン 76.8部 (1535.0g)
アクリル酸ブチル 23.2部
アクリル酸 1.5部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.7部
トリクロロブロモメタン 1.0部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.1部
[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 15.5部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液A1を得た。ナノトラックを用いて測定した体積平均径(Mv)は280nmであり、固形分濃度は21.1質量%であった。
<重合体一次粒子分散液A2の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器(内容積21L、内径250mm、高さ420mm)に、20質量%DBS水溶液1.0部、脱塩水312部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温し、攪拌しながら8質量%過酸化水素水溶液3.2部、8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液3.2部を一括添加した。これらを一括添加した時から5分後の時点を「重合開始」とする。
下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物を、重合開始から5時間かけて、また、下記の「開始剤水溶液」を重合開始から6時間かけて添加し、その後、更に攪拌しながら内温90℃のまま1時間保持した。
[重合性モノマー類等]
スチレン 92.5部 (1850.0g)
アクリル酸ブチル 7.5部
アクリル酸 0.5部
トリクロロブロモメタン 0.5部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.5部
脱塩水 66.0部
[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 18.9部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 18.9部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液A2を得た。ナノトラックを用いて測定した体積平均径(Mv)は290nmであり、固形分濃度は19.0質量%であった。
<着色剤分散液Aの調製>
攪拌機(プロペラ翼)を備えた内容積300Lの容器に、トルエン抽出液の紫外線吸光度が0.02であり、真密度が1.8g/cmのファーネス法で製造されたカーボンブラック(三菱化学社製、三菱カーボンブラックMA100S)20部(40kg)、20%DBS水溶液1部、非イオン界面活性剤(花王社製、エマルゲン120)4部、電気伝導度が2μS/cmのイオン交換水75部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。ナノトラックで測定した顔料プレミックス後の分散液中カーボンブラックの体積平均径(Mv)は90μmであった。
上記顔料プレミックス液を原料スラリーとして湿式ビーズミルに供給し、ワンパス分散を行った。なお、ステータの内径はφ75mm、セパレータの径がφ60mm、セパレー
タとディスク間の間隔は15mmとし、分散用のメディアとして直径が100μmのジルコニアビーズ(真密度6.0g/cm)を用いた。ステータの有効内容積は0.5Lであり、メデイアの充填容積は0.35Lとしたので、メディア充填率は70質量%である。ロータの回転速度を一定(ロータ先端の周速が11m/秒)として、供給口より前記顔料プレミックス液を無脈動定量ポンプにより供給速度50L/hrで連続的に供給し、排出口より連続的に排出する事により黒色の着色剤分散体Aを得た。着色剤分散体Aをナノトラックで測定した体積平均径(Mv)は150nmであり、固形分濃度は24.2質量%であった。
<トナー母粒子Aの製造>
下記の各成分を用いて、以下の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程を実施することによりトナー母粒子Aを製造した。
重合体一次粒子分散液A1 固形分として95部 (固形分として998.2g)
重合体一次粒子分散液A2 固形分として5部
着色剤分散液A 着色剤固形分として6部
20%DBS水溶液 コア材凝集工程では、固形分として0.2部
20%DBS水溶液 円形化工程では、固形分として6部
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12L、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液A1と20%DBS水溶液を仕込み、内温7℃で5分間均一に混合した。続いて内温7℃で、250rpmで攪拌を続けながら硫酸第一鉄の5質量%水溶液をFeSO・7HOとして0.52部を5分かけて添加してから、着色剤分散液Aを5分かけて添加し、内温7℃で均一に混合し、更に同一の条件のまま、0.5質量%硫酸アルミニウム水溶液を8分かけて滴下した(樹脂固形分に対しての固形分が0.10部)。その後、回転数250rpmのまま内温を54.0℃に昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し5.32μmまで成長させた。
○シェル被覆工程
その後、内温54.0℃、回転数250rpmのまま、重合体一次粒子分散液A2を3分かけて添加してそのまま60分保持した。
○円形化工程
続いて、回転数を150rpm(攪拌羽根先端の周速1.56m/秒、凝集工程回転数に対して40%減の攪拌速度)に落としてから、20%DBS水溶液(固形分として6部)を10分かけて添加し、その後30分かけて81℃に昇温して、平均円形度が0.943になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続けた。その後20分かけて30℃まで冷却し、スラリーを得た。
○洗浄工程
得られたスラリーを抜き出し、5種C(東洋濾紙株式会社製 No5C)のろ紙を用いてアスピレーターにより吸引ろ過をした。ろ紙上に残ったケーキを、攪拌機(プロペラ翼)を備えた内容積10Lのステンレス容器に移し、電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水8kgを加え50rpmで攪拌する事により均一に分散させ、その後30分間攪拌したままとした。
その後、再度5種C(東洋濾紙株式会社製 No5C)の濾紙を用いてアスピレーターにより吸引ろ過をし、再度ろ紙上に残った固形物を、攪拌機(プロペラ翼)を備え電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水8kgの入った内容積10Lの容器に移し、50rp
mで攪拌する事により均一に分散させ30分間攪拌したままとした。この工程を5回繰り返したところ、ろ液の電気伝導度は2μS/cmとなった。
○乾燥工程
ここで得られた固形物をステンレス製バットに高さ20mmとなる様に敷き詰め、40℃に設定された送風乾燥機内で48時間乾燥することにより、トナー母粒子Aを得た。
<トナーAの製造>
○外添工程
得られたトナー母粒子A250gに、外添剤としてクラリアント社製H2000シリカ1.55gとテイカ社製SMT150IBチタニア微粉末0.62gを混ぜて、サンプルミル(協立理工社製)で、6000rpmで1分間混合し、150メッシュで篩別してトナーAを得た。
○分析工程
ここで得られたトナーAのマルチサイザーを用いて測定した「体積中位径(Dv50)」は5.54μmであり、「粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)」は3.83%であり、平均円形度は0.943であり、個数変動係数は18.6%であった。
実施例2
<トナー母粒子Bの製造>
「トナー母粒子Aの製造」の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び「円形化工程」を下記の様に変更したこと以外は全て実施例1の「トナー母粒子Aの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Bを得た。
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12L、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液A1と20%DBS水溶液を仕込み、内温7℃で5分間均一に混合した。続いて内温7℃に保持し、250rpmで攪拌を続けながら、第一硫酸鉄の5質量%水溶液をFeSO・7HOとして0.52部を5分かけて添加し、その後、着色剤分散液Aを5分かけて添加し、内温7℃で均一に混合し、更に同一の条件のまま0.5質量%硫酸アルミニウム水溶液を8分かけて滴下した(樹脂固形分に対しての固形分が0.10部)。その後、回転数250rpmのまま内温を55.0℃に昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し5.86μmまで成長させた。
○シェル被覆工程
その後、内温55.0℃、回転数250rpmのまま、重合体一次粒子分散液A2を3分かけて添加してそのまま60分保持した。
○円形化工程
続いて回転数を150rpm(攪拌羽根先端の周速1.56m/秒、凝集工程回転数に対して40%減の攪拌速度)に落としてから、20%DBS水溶液(固形分として6部)を10分かけて添加し、その後30分かけて84℃に昇温して、平均円形度が0.942になるまで加熱及び攪拌を続けた。その後20分かけて30℃まで冷却しスラリーを得た。
<トナーBの製造>
その後、外添剤としてH2000シリカの量を1.41gに変更し、SMT150IBチタニア微粉末の量を0.56gに変更した以外は、「トナーAの製造」と同じ外添工程の操作によりトナーBを得た。
○分析工程
ここで得られたトナーBのマルチサイザーを用いて測定した体積中位径(Dv50)は5.97μmであり、「粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)」は2.53%であり、平均円形度は0.943であり、個数変動係数は18.4%であった。
実施例3
<トナー母粒子Cの製造>
「トナー母粒子Aの製造」の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び「円形化工程」を下記の様に変更したこと以外は全て実施例1の「トナー母粒子Aの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Cを得た。
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12L、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液A1と20%DBS水溶液を仕込み、内温7℃で5分間均一に混合した。続いて内温7℃に保持し、250rpmで攪拌を続けながら第一硫酸鉄の5質量%水溶液をFeSO4・7HOとして0.52部を5分かけて添加してから、着色剤分散液Aを5分かけて添加し、内温7℃で均一に混合し、更に同一の条件のまま0.5質量%硫酸アルミニウム水溶液を8分かけて滴下した(樹脂固形分に対しての固形分が0.10部)。その後、回転数250rpmのまま内温を57.0℃に昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し6.72μmまで成長させた。
○シェル被覆工程
その後、内温57.0℃、回転数250rpmのまま、重合体一次粒子分散液A2を3分かけて添加してそのまま60分保持した。
○円形化工程
続いて、回転数を150rpm(攪拌羽根先端の周速1.56m/秒、凝集工程回転数に対して40%減の攪拌速度)に落としてから、20%DBS水溶液(固形分として6部)を10分かけて添加し、その後30分かけて87℃に昇温して平均円形度が0.941になるまで加熱及び攪拌を続けた。その後20分かけて30℃まで冷却しスラリーを得た。
<トナーCの製造>
その後、外添剤としてH2000シリカの量を1.25gに変更し、SMT150IBチタニア微粉末の量を0.50gに変更した以外は、「トナーAの製造」と同じ外添工程の操作によりトナーCを得た。
○分析工程
ここで得られたトナーCのマルチサイザーを用いて測定した体積中位径(Dv50)は6.75μmであり、「粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)」は1.83%であり、平均円形度は0.942であり、個数変動係数は18.7%であった。
実施例4
<トナー母粒子Dの製造>
「トナー母粒子Aの製造」の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び「円形化工程」を下記の様に変更したこと以外は全て実施例1の「トナー母粒子Aの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Dを得た。
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12L、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液A1と20%DBS水溶液を仕込み、内温7℃で5分間均一に混合した。続いて内温21℃に保持し、250rpmで攪拌を続けながら第一硫酸鉄の5質量%水溶液をFeSO・7HOとして0.52部を5分かけて添加してから、着色剤分散液Aを5分かけて添加し、内温7℃で均一に混合し、更に同一の条件のまま0.5質量%硫酸アルミニウム水溶液を8分かけて滴下した(樹脂固形分に対しての固形分が0.10部)。その後、回転数250rpmのまま内温を54.0℃に昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し5.34μmまで成長させた。
○シェル被覆工程
その後、内温54.0℃、回転数250rpmのまま、重合体一次粒子分散液A2を3分かけて添加してそのまま60分保持した。
○円形化工程
続いて回転数を220rpm(攪拌羽根先端の周速2.28m/秒、凝集工程回転数に対して12%減の攪拌速度)に落としてから、20%DBS水溶液(固形分として6部)を10分かけて添加し、その後30分かけて81℃に昇温して、平均円形度が0.942になるまで加熱及び攪拌を続けた。その後、20分かけて30℃まで冷却しスラリーを得た。
<トナーDの製造>
その後、実施例1における「トナーAの製造」と同じ外添工程の操作によりトナーDを得た。
○分析工程
ここで得られたトナーDのマルチサイザーを用いて測定した体積中位径(Dv50)は5.48μmであり、「粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)」は4.51%であり、平均円形度は0.943であり、個数変動係数は20.4%であった。
実施例5
<トナー母粒子Eの製造>
「トナー母粒子Aの製造」の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び「円形化工程」を下記の様に変更したこと以外は全て実施例1の「トナー母粒子Aの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Eを得た。
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12L、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液A1と20%DBS水溶液を仕込み、内温7℃で5分間均一に混合した。続いて内温
21℃に保持し、250rpmで攪拌を続けながら第一硫酸鉄の5質量%水溶液をFeSO・7HOとして0.52部を5分かけて添加してから、着色剤分散液Aを5分かけて添加し、内温7℃で均一に混合し、更に同一の条件のまま0.5質量%硫酸アルミニウム水溶液を8分かけて滴下した(樹脂固形分に対しての固形分が0.10部)。その後、回転数250rpmのまま内温を55.0℃に昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し5.86μmまで成長させた。
○シェル被覆工程
その後、内温55.0℃、回転数250rpmのまま、重合体一次粒子分散液A2を3分かけて添加してそのまま60分保持した。
○円形化工程
続いて、回転数を220rpm(攪拌羽根先端の周速2.28m/秒、凝集工程回転数に対して12%減の攪拌速度)に落としてから、20%DBS水溶液(固形分として6部)を10分かけて添加し、その後30分かけて84℃に昇温して平均円形度が0.941になるまで加熱及び攪拌を続けた。その後20分かけて30℃まで冷却しスラリーを得た。
<トナーEの製造>
その後、外添剤としてH2000シリカの量を1.41gに変更し、SMT150IBチタニア微粉末の量を0.56gに変更した以外は、「トナーAの製造」と同じ外添工程の操作によりトナーEを得た。
○分析工程
ここで得られた現像用トナーEのマルチサイザーを用いて測定した体積中位径(Dv50)は5.93μmであり、「粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)」は3.62%であり、平均円形度は0.942であり、個数変動係数は20.1%であった。
実施例6
<トナー母粒子Fの製造>
「トナー母粒子Aの製造」の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び「円形化工程」を下記の様に変更したこと以外は全て実施例1の「トナー母粒子Aの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Fを得た。
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12L、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液A1と20%DBS水溶液を仕込み、内温7℃で5分間均一に混合した。続いて内温21℃に保持し、250rpmで攪拌を続けながら第一硫酸鉄の5質量%水溶液をFeSO・7HOとして0.52部を5分かけて添加してから、着色剤分散液Aを5分かけて添加し、内温7℃で均一に混合し、更に同一の条件のまま0.5質量%硫酸アルミニウム水溶液を8分かけて滴下した(樹脂固形分に対しての固形分が0.10部)。その後、回転数250rpmのまま内温を57.0℃に昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し6.76μmまで成長させた。
○シェル被覆工程
その後、内温57.0℃、回転数250rpmのまま、重合体一次粒子分散液A2を3分かけて添加してそのまま60分保持した。
○円形化工程
続いて、回転数を220rpm(攪拌羽根先端の周速2.28m/秒、凝集工程回転数に対して12%減の攪拌速度)に落としてから、20%DBS水溶液(固形分として6部)を10分かけて添加し、その後30分かけて87℃に昇温して平均円形度が0.941になるまで加熱及び攪拌を続けた。その後20分かけて30℃まで冷却しスラリーを得た。
<トナーFの製造>
その後、外添剤としてH2000シリカの量を1.25gに変更し、SMT150IBチタニア微粉末の量を0.50gに変更した以外は、「トナーAの製造」と同じ外添工程の操作によりトナーFを得た。
○分析工程
ここで得られたトナーFのマルチサイザーを用いて測定した体積中位径(Dv50)は6.77μmであり、「粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)」は2.48%であり、平均円形度は0.942であり、個数変動係数は21.1%であった。
比較例1
<トナー母粒子Gの製造>
「トナー母粒子Aの製造」の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び「円形化工程」を下記の様に変更したこと以外は全て実施例1の「トナー母粒子Aの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Gを得た。
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12L、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液A1と20%DBS水溶液を仕込み、内温7℃で5分間均一に混合した。続いて内温21℃に保持し、250rpmで攪拌を続けながら第一硫酸鉄の5質量%水溶液をFeSO・7HOとして0.52部を5分で一括添加してから、着色剤分散液Aを5分で一括添加し、内温7℃で均一に混合し、更に同一の条件のまま0.5質量%硫酸アルミニウム水溶液を8秒で一括添加した(樹脂固形分に対しての固形分が0.10部)。その後、回転数250rpmのまま内温を57.0℃に昇温し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し6.85μmまで成長させた。
○シェル被覆工程
その後、内温57.0℃、回転数250rpmのまま、重合体一次粒子分散液A2を3分で一括添加してそのまま60分保持した。
○円形化工程
続いて、回転数を250rpm(攪拌羽根先端の周速2.59m/秒、凝集工程回転数と同じ攪拌速度)のまま、20%DBS水溶液(固形分として6部)を10分かけて添加し、その後30分かけて87℃に昇温して平均円形度が0.942になるまで加熱及び攪拌を続けた。その後20分かけて30℃まで冷却し、スラリーを得た。
<トナーGの製造>
その後、外添剤としてH2000シリカの量を1.25gに変更し、SMT150IBチタニア微粉末の量を0.50gに変更した以外は、「トナーAの製造」と同じ外添工程
の操作によりトナーGを得た。
○分析工程
ここで得られた現像用トナーGのマルチサイザーを用いて測定した体積中位径(Dv50)は6.79μmであり、「粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)」は4.52%であり、平均円形度は0.943であり、個数変動係数は24.5%であった。
上記表1の結果から明らかなように、本発明における式(1)を満たすトナーA〜Fは、実施例1〜6に示した製造方法によって実際に製造された。そして、式(1)を満たすトナーA〜Fは全て、帯電量の標準偏差が充分小さく、帯電量分布がシャープであった。また、実写評価においても、全く汚れが見られないか、微少な汚れはあるが使用可能なレベルであった(実施例3及び実施例6)。
一方、式(1)を満たさないトナーGは、帯電量の標準偏差が大きく、帯電量分布がシャープでなかった。また、実写評価においても、全体的にはっきり汚れが確認できた(比較例1)。
実施例7
<ワックス・長鎖重合性単量体分散液H1の調製>
パラフィンワックス(日本精鑞社製HNP−9、表面張力23.5mN/m、熱特性:融点ピーク温度82℃、融解ピーク半値幅8.2℃、結晶化温度66℃、結晶化ピーク半値幅13.0℃)27部(540g)、ステアリルアクリレート(東京化成社製)2.8部、20%DBS水溶液1.9部、脱塩水68.3部を90℃に加熱して、ホモミキサー(特殊機化工業社製 マークII fモデル)を用い10分間攪拌した。
次いでこの分散液を90℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて25MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで粒子径を測定し体積平均径(Mv)が250nmになるまで分散して、ワックス・長鎖重合性単量体分散液H1(エマルション固形分濃度=30.2質量%)を作製した。
<重合体一次粒子分散液H1の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器(内容積21L、内径250mm、高さ420mm)に、上記ワックス・長鎖重合性単量体分散液H1 35.6部(712.12g)、脱塩水259部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
その後、上記液の攪拌を続けたまま、そこへ下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤
水溶液」との混合物を5時間かけて添加した。この混合物を滴下開始した時間を「重合開始」とし、下記の「開始剤水溶液」を重合開始30分後から4.5時間かけて添加し、更に重合開始5時間後から、下記の「追加開始剤水溶液」を2時間かけて添加し、更に攪拌を続けたまま内温90℃のまま1時間保持した。
[重合性モノマー類等]
スチレン 76.8部 (1535.0g)
アクリル酸ブチル 23.2部
アクリル酸 1.5部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.7部
トリクロロブロモメタン 1.0部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.1部
[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 15.5部 8質量%L(+)−アスコルビ
ン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液H1を得た。ナノトラックを用いて測定した体積平均径(Mv)は265nmであり、固形分濃度は22.3質量%であった。
<シリコーンワックス分散液H2の調製>
アルキル変性シリコーンワックス(熱特性:融点ピーク温度77℃、融解熱量97J/g、融解ピーク半値幅10.9℃、結晶化温度61℃、結晶化ピーク半値幅17.0℃)27部(540g)、20%DBS水溶液1.9部、脱塩水71.1部を3Lのステンレス容器に入れ90℃に加熱してホモミキサー(特殊機化工業社製 マークII fモデル)で10分間攪拌した。次いでこの分散液を99℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて45MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで測定しながら体積平均径(Mv)が240nmになるまで分散してシリコーンワックス分散液H2(エマルション固形分濃度=27.3%)を作製した。
<重合体一次粒子分散液H2の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器(内容積21L、内径250mm、高さ420mm)に、シリコーンワックス分散液H2を23.3部(466g)、20%DBS水溶液1.0部、脱塩水324部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温し、攪拌しながら8%過酸化水素水溶液3.2部、8%L(+)−アスコルビン酸水溶液3.2部を一括添加した。これらを一括添加した時から5分後の時点を「重合開始」とする。
下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物を、重合開始から5時間かけて、また、下記の「開始剤水溶液」を重合開始から6時間かけて添加し、その後、更に攪拌しながら内温90℃のまま1時間保持した。
[重合性モノマー類等]
スチレン 92.5部 (1850.0g)
アクリル酸ブチル 7.5部
アクリル酸 1.5部
トリクロロブロモメタン 0.6部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.0部
[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 18.9部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 18.9部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液H2を得た。ナノトラックを用いて測定した体積平均径(Mv)は290nmであり、固形分濃度は19.0質量%であった。
<着色剤分散液Hの調製>
攪拌機(プロペラ翼)を備えた内容積300Lの容器に、トルエン抽出液の紫外線吸光度が0.02であり、真密度が1.8g/cmのファーネス法で製造されたカーボンブラック(三菱化学社製、三菱カーボンブラックMA100S)20部(40kg)、20%DBS水溶液1部、非イオン界面活性剤(花王社製、エマルゲン120)4部、電気伝導度が2μS/cmのイオン交換水75部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。ナノトラックで測定した顔料プレミックス後の分散液中カーボンブラックの体積平均径(Mv)は90μmであった。
上記顔料プレミックス液を原料スラリーとして湿式ビーズミルに供給し、ワンパス分散を行った。なお、ステータの内径は75mmφ、セパレータの径が60mmφ、セパレータとディスク間の間隔は15mmとし、分散用のメディアとして直径が100μmのジルコニアビーズ(真密度6.0g/cm)を用いた。ステータの有効内容積は0.5Lであり、メデイアの充填容積は0.35Lとしたので、メディア充填率は70質量%である。ロータの回転速度を一定(ロータ先端の周速が11m/秒)として、供給口より前記顔料プレミックス液を無脈動定量ポンプにより供給速度50L/hrで連続的に供給し、排出口より連続的に排出する事により黒色の着色剤分散体Hを得た。着色剤分散体Hをナノトラックで測定した体積平均径(Mv)は150nmであり、固形分濃度は24.2質量%であった。
<トナー母粒子Hの製造>
下記の各成分を用いて、以下の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程を実施することによりトナー母粒子Hを製造した。
重合体一次粒子分散液H1 固形分として90部 (固形分として958.9g)
重合体一次粒子分散液H2 固形分として10部
着色剤分散液H 着色剤固形分として4.4部
20%DBS水溶液 コア材凝集工程では、固形分として0.15部
20%DBS水溶液 円形化工程では、固形分として6部
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12L、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液H1と20%DBS水溶液を仕込み、内温10℃で10分間均一に混合した。続いて内温10℃で
、280rpmで攪拌させて、硫酸カリウムの5質量%水溶液を、KSOとして0.12部を1分かけて連続添加してから、着色剤分散液Hを5分かけて連続添加し、内温10℃で均一に混合した。
その後、脱塩水100部を30分かけて連続添加してから、回転数280rpmのまま内温を48.0℃に67分かけて昇温(0.5℃/分)した。次いで、30分毎に1℃昇温した後(0.03℃/分)、54.0℃で保持し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し5.15μmまで成長させた。
この時の攪拌条件は以下の通りである。
(イ)攪拌容器の直径(所謂一般的な円筒形として): 208mm
(ロ)攪拌容器の高さ: 355mm
(ハ)攪拌羽根先端の周速:280rpm、すなわち2.78m/秒。
(ニ)攪拌羽根の形状:ダブルヘリカル翼(直径190mm、高さ270mm、幅20mm)
(ホ)攪拌容器内の羽根の位置: 容器の底から5mm上に配置。
○シェル被覆工程
その後、内温54.0℃、回転数280rpmのまま、重合体一次粒子分散液H2を6分かけて連続添加してそのまま60分保持した。このとき、粒子のDv50が5.34μmであった。
○円形化工程
続いて、20%DBS水溶液(固形分として6部)と水0.04部の混合水溶液を30分かけて添加しながら83℃に昇温し、その後、30分毎に1℃昇温させ88℃まで昇温して、3.5時間かけて平均円形度が0.939になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続けた。その後、10分かけて20℃まで冷却し、スラリーを得た。このとき、粒子のDv50は5.33μm、平均円形度0.937であった。
○洗浄工程
得られたスラリーを抜き出し、5種C(東洋濾紙株式会社製 No5C)のろ紙を用いてアスピレーターにより吸引ろ過をした。ろ紙上に残ったケーキを、攪拌機(プロペラ翼)を備えた内容積10Lのステンレス容器に移し、電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水8kgを加え50rpmで攪拌する事により均一に分散させ、その後30分間攪拌したままとした。
その後、再度5種C(東洋濾紙株式会社製 No5C)の濾紙を用いてアスピレーターにより吸引ろ過をし、再度ろ紙上に残った固形物を、攪拌機(プロペラ翼)を備え電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水8kgの入った内容積10Lの容器に移し、50rpmで攪拌する事により均一に分散させ30分間攪拌したままとした。この工程を5回繰り返したところ、ろ液の電気伝導度は2μS/cmとなった。
○乾燥工程
ここで得られた固形物をステンレス製バットに高さ20mmとなる様に敷き詰め、40℃に設定された送風乾燥機内で48時間乾燥することにより、トナー母粒子Hを得た。
<トナーHの製造>
○外添工程
得られたトナー母粒子H500gに、外添剤としてクラリアント社製H30TDシリカ8.75gを混ぜて、9Lヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で、3000rp
mで30分間混合した後、丸尾カルシウム株式会社製HAP−05NPリン酸カルシウム1.4gを混ぜて、3000rpmで10分間混合し、200メッシュで篩別してトナーHを得た。
○分析工程
ここで得られたトナーHのマルチサイザーを用いて測定した「体積中位径(Dv50)」は5.26μmであり、「粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)」は5.87%であり、平均円形度は0.948であり、個数変動係数は18.0%であった。
実施例8
<トナー母粒子Iの製造>
「トナー母粒子Hの製造」の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び「円形化工程」を下記の様に変更したこと以外は全て実施例7の「トナー母粒子Hの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Iを得た。
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12L、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液H1と20%DBS水溶液を仕込み、内温10℃で5分間均一に混合した。続いて内温10℃で、280rpmで攪拌させて硫酸カリウムの5質量%水溶液0.12部を1分かけて連続添加してから、着色剤分散液Hを5分かけて連続添加し、内温10℃で均一に混合した。その後、脱塩水100部を26分かけて連続添加してから、回転数280rpmのまま内温を52.0℃に64分かけて昇温し(0.5℃/分)した。次いで30分かけて1℃昇温した後(0.03℃/分)、110分間保持し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し5.93μmまで成長させた。この時の攪拌条件は実施例7と同じとした。
○シェル被覆工程
その後、内温53.0℃、回転数280rpmのまま、重合体一次粒子分散液H2を6分かけて連続添加してそのまま90分保持した。このとき、粒子のDv50は6.23μmであった。
○円形化工程
続いて、20%DBS水溶液(固形分として6部)と水0.04部の混合水溶液を30分かけて添加しながら85℃に昇温し、その後、130分かけて92℃まで昇温して、平均円形度が0.943になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続けた。その後、10分かけて20℃まで冷却し、スラリーを得た。このとき、粒子のDv50は6.17μm、平均円形度0.945であった。洗浄・乾燥・外添工程は実施例7と同様の方法で行った。
○外添工程
得られたトナー母粒子I500gに、外添剤としてクラリアント社製H30TDシリカ7.5gを混ぜて、9Lヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で3000rpmで30分間混合した後、丸尾カルシウム株式会社製HAP−05NPリン酸カルシウム1.2gを混ぜて、3000rpmで10分間混合し、200メッシュで篩別してトナーIを得た。
○分析工程
ここで得られたトナーIのマルチサイザーを用いて測定した「体積中位径(Dv50)
」は6.16μmであり、「粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)」は2.79%であり、平均円形度は0.946であり、個数変動係数は19.2%であった。
実施例9
<トナー母粒子Jの製造>
「トナー母粒子Hの製造」の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び「円形化工程」を下記の様に変更したこと以外は全て実施例7の「トナー母粒子Hの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Jを得た。
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12L、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液H1と20%DBS水溶液を仕込み、内温10℃で10分間均一に混合した。続いて内温10℃で、280rpmで攪拌させて硫酸カリウムの5質量%水溶液0.12部を1分かけて連続添加してから、着色剤分散液Hを5分かけて連続添加し、内温10℃で均一に混合した。その後、脱塩水0.5部の26分かけて連続添加してから、回転数280rpmのまま内温を52.0℃に64分かけて昇温(0.5℃/分)した。次いで、30分かけて1℃昇温した後(0.03℃/分)、130分間保持し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し6.60μmまで成長させた。この時の攪拌条件は実施例7と同じとした。
○シェル被覆工程
その後、内温53.0℃、回転数280rpmのまま、重合体一次粒子分散液H2を6分かけて連続添加してそのまま60分保持した。このとき、粒子のDv50が6.93μmであった。
○円形化工程
続いて、20%DBS水溶液(固形分として6部)と水0.04部の混合水溶液を30分かけて添加しながら90℃に昇温し、その後、60分かけて97℃まで昇温して、平均円形度が0.945になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続けた。その後、10分かけて20℃まで冷却し、スラリーを得た。このとき、粒子のDv50は6.93μm、平均円形度0.945であった。洗浄・乾燥工程は実施例7と同様の方法で行った。
○外添工程
得られたトナー母粒子J500gに、外添剤としてクラリアント社製H30TDシリカ6.25gを混ぜて、9Lヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で、3000rpmで30分間混合した後、丸尾カルシウム株式会社製HAP−05NPリン酸カルシウム1.0gを混ぜて、3000rpmで10分間混合し、200メッシュで篩別してトナーJを得た。
○分析工程
ここで得られたトナーJのマルチサイザーを用いて測定した「体積中位径(Dv50)」は6.97μmであり、「粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)」は1.85%であり、平均円形度は0.946であり、個数変動係数は19.5%であった。
比較例2
<トナー母粒子Oの製造>
「トナー母粒子Hの製造」の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び「円形化工程」を下記の様に変更したこと以外は全て実施例7の「トナー母粒子Hの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Oを得た。
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12L、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液H1と20%DBS水溶液を仕込み、内温10℃で10分間均一に混合した。続いて内温10℃で、280rpmで攪拌させて硫酸カリウムの5質量%水溶液0.12部を1分かけて連続添加してから、着色剤分散液Hを5分かけて連続添加し、内温10℃で均一に混合した。その後、脱塩水100部を30分かけて連続添加してから、回転数280rpmのまま内温を34.0℃に40分かけて昇温した(0.6℃/分)。次いで20分間保持し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し3.81μmまで成長させた。
○シェル被覆工程
その後、内温34.0℃、回転数280rpmのまま、重合体一次粒子分散液H2を6分かけて添加してそのまま90分保持した。
○円形化工程
続いて、回転数を280rpm(凝集工程回転数と同じ攪拌速度)のまま、20%DBS水溶液(固形分として6部)を10分かけて添加し、その後30分かけて76℃に昇温して平均円形度が0.962になるまで加熱及び攪拌を続けた。その後10分かけて20℃まで冷却し、スラリーを得た。
<トナーKの製造>
その後、実施例7のトナー母粒子Hを100部に、上記トナー母粒子Oを1部混合して、このトナー母粒子混合物K500gに、外添剤としてクラリアント社製H30TDシリカ8.75gを混ぜて、9Lヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で、3000rpmで30分間混合した後、丸尾カルシウム株式会社製HAP−05NPリン酸カルシウム1.4gを混ぜて、3000rpmで10分間混合し、200メッシュで篩別してトナーKを得た。
○分析工程
ここで得られたトナーKのマルチサイザーを用いて測定した「体積中位径(Dv50)」は5.31μmであり、「粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)」は7.22%であり、平均円形度は0.949であり、個数変動係数は19.2%であった。
比較例3
<トナー母粒子Lの製造>
「トナー母粒子Hの製造」の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び「円形化工程」を下記の様に変更したこと以外は全て実施例7の「トナー母粒子Hの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Lを得た。
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12L、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分
散液H1と20%DBS水溶液を仕込み、内温10℃で10分間均一に混合した。続いて内温10℃で、310rpmで攪拌させて、硫酸カリウムの5質量%水溶液をKSOとして0.12部を1分かけて連続添加してから、着色剤分散液Hを5分かけて連続添加し、内温10℃で均一に混合した。
その後、脱塩水100部を30分かけて連続添加してから、回転数310rpmのまま内温を48.0℃に67分かけて昇温(0.5℃/分)した。次いで30分毎に1℃昇温した後(0.03℃/分)、53.0℃で保持し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し5.08μmまで成長させた。
この時の攪拌条件は、以下の(ハ)以外は実施例7と同様にして行った。
(ハ)攪拌羽根先端の周速:310rpm、すなわち3.08m/秒。
○シェル被覆工程
その後、内温54.0℃、回転数310rpmのまま、重合体一次粒子分散液H2を6分かけて連続添加してそのまま60分保持した。このとき、粒子のDv50が5.19μmであった。
○円形化工程
続いて、20%DBS水溶液(固形分として6部)と水0.04部の混合水溶液を30分かけて添加しながら83℃に昇温し、その後、30分毎に1℃昇温させ90℃まで昇温して、2.5時間かけて平均円形度が0.939になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続けた。その後、10分かけて20℃まで冷却し、スラリーを得た。このとき、粒子のDv50は5.18μm、平均円形度0.940であった。洗浄・乾燥工程は実施例7と同様の方法で行った。
○外添工程
得られたトナー母粒子L500gに、外添剤としてクラリアント社製H30TDシリカ8.75gを混ぜて、9Lヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で、3000rpmで30分間混合した後、丸尾カルシウム株式会社製HAP−05NPリン酸カルシウム1.4gを混ぜて、3000rpmで10分間混合し、200メッシュで篩別してトナーLを得た。
○分析工程
ここで得られたトナーLのマルチサイザーを用いて測定した「体積中位径(Dv50)」は5.18μmであり、「粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)」は9.94%であり、平均円形度は0.940であり、個数変動係数は20.4%であった。
比較例4
<トナー母粒子Mの製造>
「トナー母粒子Hの製造」の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び「円形化工程」を下記の様に変更したこと以外は全て実施例7の「トナー母粒子Hの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Mを得た。
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12L、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液H1と20%DBS水溶液を仕込み、内温10℃で10分間均一に混合した。続いて
内温10℃で、310rpmで攪拌させて硫酸カリウムの5質量%水溶液をKSOとして0.12部を1分かけて連続添加してから、着色剤分散液Hを5分かけて連続添加し、内温10℃で均一に混合した。
その後、脱塩水100部を30分かけて連続添加してから、回転数310rpmのまま内温を52.0℃に56分かけて昇温(0.8℃/分)した。次いで、30分毎に1℃昇温した後(0.03℃/分)、54.0℃で保持し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し5.96μmまで成長させた。
この時の攪拌条件は、以下の(ハ)以外は実施例7と同様にして行った。
(ハ)攪拌羽根先端の周速:310rpm、すなわち3.08m/秒。
○シェル被覆工程
その後、内温54.0℃、回転数310rpmのまま、重合体一次粒子分散液H2を6分かけて連続添加してそのまま60分保持した。このとき、粒子のDv50が5.94μmであった。
○円形化工程
続いて、20%DBS水溶液(固形分として6部)と水0.04部の混合水溶液を30分かけて添加しながら88℃に昇温し、その後、30分毎に1℃昇温させ90℃まで昇温して、2時間かけて平均円形度が0.940になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続けた。その後、10分かけて20℃まで冷却し、スラリーを得た。このとき、粒子のDv50は5.88μm、平均円形度0.943であった。洗浄・乾燥工程は実施例7と同様の方法で行った。
○外添工程
得られたトナー母粒子M500gに、外添剤としてクラリアント社製H30TDシリカ7.5gを混ぜて、9Lヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で、3000rpmで30分間混合した後、丸尾カルシウム株式会社製HAP−05NPリン酸カルシウム1.2gを混ぜて、3000rpmで10分間混合し、200メッシュで篩別してトナーMを得た。
○分析工程
ここで得られたトナーMのマルチサイザーを用いて測定した「体積中位径(Dv50)」は5.92μmであり、「粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)」は5.22%であり、平均円形度は0.945であり、個数変動係数は21.2%であった。
比較例5
実施例9のトナー母粒子J100部に、トナー母粒子Oを3部混合して、このトナー母粒子混合物500gに、外添剤としてクラリアント社製H30TDシリカ6.25gを混ぜて、9Lヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で、3000rpmで30分間混合した後、丸尾カルシウム株式会社製HAP−05NPリン酸カルシウム1.0gを混ぜて、3000rpmで10分間混合し、200メッシュで篩別してトナーNを得た。
○分析工程
ここで得られたトナーNのマルチサイザーを用いて測定した「体積中位径(Dv50)」は6.88μmであり、「粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)」は9.08%であり、平均円形度は0.952であり、個数変動係数は25.6%であった。
比較例6
<トナー母粒子Pの製造>
「トナー母粒子Hの製造」の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」及び「円形化工程」を下記の様に変更したこと以外は全て実施例7の「トナー母粒子Hの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Pを得た。
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積12L、内径208mm、高さ355mm)に重合体一次粒子分散液H1と20%DBS水溶液を仕込み、内温10℃で10分間均一に混合した。続いて内温10℃で、310rpmで攪拌させて硫酸カリウムの5質量%水溶液をKSOとして0.12部を1分かけて連続添加してから、着色剤分散液Hを5分かけて連続添加し、内温10℃で均一に混合した。
その後、脱塩水100部を30分かけて連続添加してから、回転数310rpmのまま内温を52.0℃に45分かけて昇温(1.0℃/分)した。次いで、30分毎に1℃昇温した後(0.03℃/分)、54.0℃で保持し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定し5.20μmまで成長させた。
○シェル被覆工程
その後、内温54.0℃、回転数310rpmのまま、重合体一次粒子分散液H2を6分かけて連続添加してそのまま60分保持した。このとき、粒子のDv50が5.40μmであった。
○円形化工程
続いて、20%DBS水溶液(固形分として6部)と水0.04部の混合水溶液を30分かけて添加しながら88℃に昇温し、その後、30分毎に1℃昇温させ90℃まで昇温して、2時間かけて平均円形度が0.940になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続けた。その後、10分かけて20℃まで冷却し、スラリーを得た。このとき、粒子のDv50は5.88μm、平均円形度0.947であった。洗浄・乾燥工程は実施例7と同様の方法で行った。
○外添工程
得られたトナー母粒子P500gに、外添剤としてクラリアント社製H30TDシリカ7.5gを混ぜて、9Lヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で、3000rpmで30分間混合した後、丸尾カルシウム株式会社製HAP−05NPリン酸カルシウム1.2gを混ぜて、3000rpmで10分間混合し、200メッシュで篩別してトナーPを得た。
○分析工程
ここで得られたトナーPのマルチサイザーを用いて測定した「体積中位径(Dv50)」は5.40μmであり、「粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)」は4.55%であり、平均円形度は0.947であり、個数変動係数は24.2%であった。
実施例7〜9は何れも、残像(ゴースト)、カスレ(ベタ追従性)及びクリーニング性が全て良好であった。一方、比較例2〜6は何れも、残像(ゴースト)、カスレ(ベタ追従性)及びクリーニング性の全てに優れたものはなかった。
図2は比較例2、図3は実施例7のトナーのSEM写真である。両者を比較すると、図2(比較例2)は、図3(実施例7)と比べて、3.56μm以下の微粉が多く存在することが分かった。
図4は、比較例2のトナーの実写評価後、クリーニングブレード上のトナーの付着状況を表わすSEM写真である。このような微粉が多いトナーを長時間印字すると、図4に示すように、画像形成装置内のクリーニングブレード上に付着力が高い3.56μm以下の微粉が積極的に堆積して、嵩密度の高い堤防を形成してトナーの搬送を阻害していることが分かった。図4中の楕円で囲まれた部分が、3.56μm以下の微粉が堆積した上記堤防である。
図5は、本発明に用いた画像形成装置の図である。画像転写方式の中でも、タンデム方式は4サイクルと比較して色ズレが生じ易い。また、タンデム方式の直接転写方式では感光ドラムと紙との接触が起こるため、感光ドラム表面に微細な凹凸が生じ易く、かかる凹凸にトナーの微粉が嵌り易いために画像に影響を与え易い。このような画像形成装置、すなわち、タンデム方式のベルト搬送方式を採用した画像形成装置において、本発明は特に効果を発揮するのである。一方で直接転写方式では、転写する回数が1回で済むため、画像再現性に優れている。このような画像形成装置において、本発明は特に効果を発揮するのである。
本発明のトナーは、画像白地部の汚れ、残像(ゴースト)、カスレ(ベタ追従性)等の発生が少なく、クリーニング性も良好であり、また帯電量分布がシャープであるため画像安定性に優れており、粒径分布が狭く、トナー粒径を小さくしても微粉が少ないため嵩密度が向上し定着性が良いので、一般のプリンター、複写機等への利用はもちろんのこと、近年開発がなされてきた高解像度、高寿命、高速印刷による画像形成方法等にも広く利用されるものである。
本発明のトナーを用いた非磁性一成分トナー現像装置の一例を示す概略図である。 比較例2のトナーの1000倍のSEM写真である。 実施例7のトナーの1000倍のSEM写真である。 比較例2のトナーの実写評価後のクリーニングブレード上のトナーの付着状況を表わす1000倍のSEM写真である。 本発明のトナーを用いたタンデム方式、ベルト搬送方式、直接転写方式を採用する画像形成装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 静電潜像担持体
2 トナー搬送部材
3 弾性ブレード(トナー層厚規制部材)
4 スポンジローラー(トナー補給補助部材)
5 撹拌羽根
6 トナー
7 トナーホッパー
8 搬送ベルト
9 圧接ローラー
10 レーザー
11 トナーカートリッジ
12 定着ベルト
13 熱源

Claims (17)

  1. 下記(1)〜(4)全てを満足することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    (1)体積中位径(Dv50)が4.5μm以上7.0μm以下である。
    (2)平均円形度が0.93以上である。
    (3)体積中位径(Dv50)と粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)の関係が、 Dns≦−1.93Dv50+16.3 を満足する。
    (4)個数変動係数が24.0%以下である。
  2. トナーの体積中位径(Dv50)と粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)の関係が、 Dns≧−1.93Dv50+13.5 を満足することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. トナーの体積中位径(Dv50)が5.0μm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)が6個数%以下であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. トナーが水系媒体中で粒子を形成させて得られるものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. トナーが乳化重合凝集法により製造されたものであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. トナーが、芯粒子に樹脂微粒子を固着又は付着されたものであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 前記樹脂微粒子がワックスを含有していることを特徴とする請求項7に記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 芯粒子が少なくとも重合体一次粒子より構成されるものであって、樹脂微粒子としてのバインダー樹脂を構成する全重合性モノマー100質量%中に占める極性モノマーの合計量の割合が、芯粒子を構成する重合体一次粒子としてのバインダー樹脂を構成する全重合性モノマー100質量%中に占める極性モノマーの合計量の割合よりも小さいことを特徴とする請求項7または8に記載の静電荷像現像用トナー。
  10. ワックスが静電荷像現像用トナー100重量部に対して4〜20重量部含有されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 潜像担持体への現像プロセススピードが100mm/秒以上である画像形成装置に用いることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  12. 下記式(5)を満足する画像形成装置に用いることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
    (5) 現像剤を充填する現像機の保証寿命枚数(枚)×印字率≧400(枚)
  13. 潜像担持体への解像度が600dpi以上である画像形成装置に用いることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  14. トナーの体積中位径(Dv50)以下の粒子を除去する工程を経ずに得られたものであることを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  15. 帯電量の標準偏差が、1.0乃至2.0であることを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  16. 下記(1)〜(4)全てを満足するトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
    (1)体積中位径(Dv50)が4.5μm以上7.0μm以下である。
    (2)平均円形度が0.93以上である。
    (3)体積中位径(Dv50)と粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)の関係が、 Dns≦−1.93Dv50+16.3 を満足する。
    (4)個数変動係数が24.0%以下である。
  17. 下記(1)〜(4)全てを満足するトナーを用いることを特徴とするトナーカートリッジ。
    (1)体積中位径(Dv50)が4.5μm以上7.0μm以下である。
    (2)平均円形度が0.93以上である。
    (3)体積中位径(Dv50)と粒径2.00μm以上3.56μm以下のトナーの個数%(Dns)の関係が、 Dns≦−1.93Dv50+16.3 を満足する。
    (4)個数変動係数が24.0%以下である。
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