JP4613794B2 - 電子写真用トナー及び電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
少なくともポリエステル系樹脂粒子と着色微粒子とを水系媒体中で凝集、熱融着させてなる電子写真用トナーにおいて、該着色微粒子が着色剤と架橋ポリエステル樹脂を有し、該着色剤が油溶性染料又は金属キレート染料であることを特徴とする電子写真用トナー。
前記着色微粒子が、架橋ポリエステル樹脂に着色剤を含有した微粒子であることを特徴とする前記1に記載の電子写真用トナー。
前記着色微粒子の体積基準メディアン径が、10〜300nmであることを特徴とする前記1〜2の何れか1項に記載の電子写真用トナー。
前記着色微粒子に占める着色剤の量が、10〜70質量%であることを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載の電子写真用トナー。
少なくともポリエステル系樹脂粒子と着色微粒子とを水系媒体中で凝集、熱融着させてなる電子写真用トナーの製造方法において、該着色微粒子が着色剤と架橋ポリエステル樹脂を有し、該着色剤が油溶性染料又は金属キレート染料であることを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
前記着色微粒子が、架橋ポリエステル樹脂に着色剤を含有した微粒子であることを特徴とする前記5に記載の電子写真用トナーの製造方法。
7.
前記着色微粒子の体積基準メディアン径が、10〜300nmであることを特徴とする前記5〜6の何れか1項に記載の電子写真用トナーの製造方法。
8.
前記着色微粒子に占める着色剤の量が、10〜70質量%であることを特徴とする前記5〜7の何れか1項に記載の電子写真用トナーの製造方法。
本発明のトナーは、ポリエステル系樹脂粒子と着色微粒子を水系媒体中で凝集、熱融着して作製したものである。
本発明に用いる着色微粒子は、架橋ポリエステル樹脂と着色剤とを有機溶剤中に溶解或いは分散し、水中で乳化分散後、有機溶剤を除去することにより得ることができる。
架橋ポリエステル樹脂としては、ポリエステル系樹脂で3価以上の多価カルボン酸及び多価アルコールを少なくとも含有した架橋ポリエステル樹脂から選択される。
本発明で用いる着色剤としては、公知の染料や顔料を用いることができるが、これらの中では染料が好ましく、特に油溶性染料やキレート染料をより好ましく用いることができる。
油溶性染料としては、トルエンに対する溶解度が0.01g/100ml以上であるものが使用できる。染料の溶解度の測定方法は、室温(25℃)にて、トルエン100mlに染料を加えて撹拌し、24時間放置後に濾過を行う。次いでこの溶液中に含有される染料の質量をトルエンを溜去し求める。また、水に対する溶解度も全く同様に測定することができる。
イエロー染料としてはC.I.ソルベントイエロー2(2.4)、同3(3.6)、同5(5.7)、同7(1.6)、同8(2.0)、同16(7.1)、同17(1.0)、同24(0.4)、同30(3.0)、同31(2.0)、同35(5.0)、同44(0.01)、同88(0.8)、同89(5.0)、同98(2.0)、同102(0.7)、同103(1.3)、同104(0.11)、同105(0.18)、同111(0.23)、同114(0.09)、同162(40.0)、C.I.ディスパースイエロー160(0.02)があり、マゼンタ染料としては、C.I.ソルベントレッド3(0.7)、同14(0.03)、同17(1.0)、同18(0.8)、同22(3.0)、同23(1.4)、同51(1.4)、同53(0.1)、同87(0.2)、同127(0.3)、同128(1.2)、同131(0.2)、同145(0.2)、同146(1.1)、同149(0.19)、同150(0.07)、同151(0.2)、同152(0.89)、同153(0.8)、同154(0.2)、同155(0.05)、同156(0.5)、同157(0.6)、同158(0.9)、同176(0.05)、同179(0.37)、C.I.ソルベントオレンジ63(0.02)、同68(0.70)、同71(0.11)、同72(4.9)、同78(0.33)等があり、シアン染料としてはC.I.ソルベントブルー4(0.5)、同8(0.1)、同19(0.1)、同21(0.1)、同22(2.0)、同50(1.0)、同55(5.0)、同63(0.6)、同78(0.12)、同82(0.4)、同83(1.8)、同84(2.8)、同85(0.2)、同86(0.9)、同90(0.45)、同91(1.0)、同92(0.02)、同93(0.1)、同94(0.12)、同95(4.7)、同97(12.5)、同104(50)等がある。尚、上記に於いて( )内はトルエンに対する溶解度を示す。また、これらの染料は水に対して1質量%以下の溶解度であった。これら染料の添加量は樹脂に対して1〜10質量%である。
キレート染料は、金属イオンに色素が2座以上で配位している化合物で、色素以外の配位子を有してもよい。本発明において、配位子とは金属イオンに配位可能な原子団をいい、電荷を有しても有していなくてもよい。
M(Dye)n(A)m
一般式(1)において、Mは金属イオンを表し、Dyeは金属と配位結合可能な色素を表す。Aは色素以外の配位子を表し、nは1、2、3、mは0、1、2、3を表す。mが0のときnは2又は3を表し、その場合、Dyeは同種であっても異なっていてもよい。Mで表される金属イオンとしては、周期律表の第1〜8族に属する金属、例えば、Al、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti、Pt、Pd、Zr及びZnのイオンが挙げられる。色調、各種耐久性からNi、Cu、Cr、Co、Zn、Feのイオンが特に好ましい。特に好ましくは特開平9−277693号公報、特開平10−20559号公報、特開平10−30061号公報に示されるようなキレート染料である。
着色微粒子の粒径は、体積基準メディアン径で10〜300nmが好ましく、20〜100nmがより好ましい。
着色微粒子中の着色剤含有量は、架橋ポリエステル樹脂に対して10〜70質量%が好ましく、15〜55質量%がより好ましい。この範囲とすることで高濃度のトナー画像が得られ好ましい。
本発明のトナーの製造方法は、少なくとも1種の2価以上のカルボン酸(以下、「多価カルボン酸」ともいう。)及び少なくとも1種の2価以上のアルコール(以下、「多価アルコール」ともいう。)を含有する重合性組成物を、長鎖の炭化水素基及び酸性基を有する化合物よりなる界面活性剤(以下、「酸性基含有界面活性剤」ともいう。)が含有された水系媒体中に油滴を形成させ、当該油滴において多価カルボン酸と多価アルコールとを重縮合させる重合工程を経て得られたポリエステル樹脂粒子と、着色剤と架橋ポリエステル樹脂とを有する着色微粒子とを水系媒体中で凝集、熱融着させてトナー粒子を得る凝集工程とを有する。
(1)多価カルボン酸及び多価アルコールを混合して重合性組成物を調製し、当該重合性組成物を酸性基含有界面活性剤が含有された水系媒体中に分散させる油滴形成工程、
(2)得られる重合性組成物の水系分散液を重合処理することにより、ポリエステル樹脂粒子の分散液を調製する重合工程、
(3)得られるポリエステル樹脂粒子、着色微粒子、及び必要に応じてワックス粒子や荷電制御剤粒子などのトナー構成成分の粒子を水系媒体中で凝集して熱融着させてトナー粒子を得る凝集工程、
(4)得られるトナー粒子を水系媒体中より固液分離し、当該トナー粒子から界面活性剤などを洗浄除去する固液分離・洗浄工程、
(5)洗浄処理されたトナー粒子の乾燥工程
から構成された方法が挙げられ、
(6)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する外添剤添加工程
を加えてもよい。
多価カルボン酸及び多価アルコールが含有されてなる重合性組成物が、臨界ミセル濃度以下の濃度の酸性基含有界面活性剤が溶解された水系媒体中に添加され、機械的エネルギーを利用して分散されて油滴が形成される。
重合工程では、油滴形成工程で水系媒体中に分散された油滴において、多価カルボン酸と多価アルコールとが重縮合されてポリエステル樹脂粒子が得られる。
凝集工程では、上記(2)の重合工程により得られるポリエステル樹脂粒子の分散液と着色微粒子、必要に応じてワックス粒子、荷電制御剤粒子、その他トナー構成成分の粒子の分散液とを混合して凝集用分散液を調製し、ポリエステル樹脂粒子及び着色微粒子などを水系媒体中で凝集、熱融着させ、トナー粒子の分散液を形成させる。
この固液分離・洗浄工程では、上記の凝集工程で得られたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や凝集剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここに、固液分離・洗浄方法としては、遠心分離法、ヌッチェなどを使用して行う減圧固液分離法、フィルタープレスなどを使用して行う固液分離・洗浄法などがあり、特に限定されるものではない。
この乾燥工程では、洗浄処理されたトナー粒子に乾燥処理が施される。この乾燥工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができる。乾燥処理されたトナー粒子の水分量は、1.0質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5質量%以下とされる。
この外添剤添加工程は、乾燥処理されたトナー粒子に、流動性、帯電性の改良及びクリーニング性の向上などの目的で外添剤を添加する工程である。外添剤を添加するために使用される装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシエルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を挙げることができる。
本発明に用いられる重合性組成物に含有される多価カルボン酸は、2価以上のカルボン酸であって、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸などのジカルボン酸類;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類;トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの酸無水物、或いは酸塩化物などの3価以上のカルボン酸類などを挙げることができる。
本発明に用いられる重合性組成物に含有される多価アルコールは、2価以上のアルコールであって、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール、1,7−ヘプタングリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ピナコール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールAなどのジオール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどの3価以上の多価脂肪族アルコール類;上記3価以上の多価脂肪族アルコール類のアルキレンオキサイド付加物などを挙げることができる。
本発明に用いられる重合性組成物は、有機溶剤などの種々の油溶性の成分を含有するものであってもよい。このような有機溶剤としては、例えばトルエン、酢酸エチルなど、沸点が低く、且つ、水への溶解性が低いものを挙げることができる。
本発明に用いられる酸性基含有界面活性剤は、長鎖の炭化水素基よりなる疎水性基と酸性基よりなる親水基とを有する化合物である。
ワックス粒子を構成するワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような炭化水素系ワックス類、カルナウバワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、クエン酸ベヘニルなどのエステルワックス類などが挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
凝集剤としては特に限定されるものではないが、金属の塩から選択されるものが好適に使用される。
水に対して無限溶解する有機溶剤としては、形成されるポリエステル樹脂を溶解させないものが選択され、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、アセトンなどが挙げられるが、炭素数が3以下のメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールのアルコールが好ましく、特に、2−プロパノールが好ましい。
荷電制御剤粒子を構成する荷電制御剤としては種々の公知のもので、且つ水系媒体中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩或いはその金属錯体などが挙げられる。
外添剤としては特に限定されるものではなく、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤などを使用することができる。無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナなどの無機酸化物粒子の使用が好ましく、更に、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤などによって疎水化処理されていることが好ましい。
疎水化度={a/(a+50)}×100
この外添剤の添加量は、トナー中に0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%であることが好ましい。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
ポリエステル樹脂粒子と着色微粒子とを水系媒体中で凝集・熱融着させて作製するトナーでは、反応装置内の流れを層流とし、内部の温度分布を均一化することができる撹拌翼及び撹拌槽を使用して、凝集工程での温度、回転数、時間を制御することにより、所定の形状係数及び均一性の高い形状分布を有するものとすることができる。均一性の高い形状分布を有するトナーを得ることができる理由は、層流を形成させた場で凝集工程を行うと、凝集及び融着が進行している凝集粒子に強いストレスが加わらず、且つ流れが加速された層流においては撹拌槽内の温度分布が均一である結果、凝集粒子の形状分布が均一になるからであると推定される。更に、加熱、撹拌による形状制御工程を行うことで、凝集粒子は徐々に球形化し、得られるトナー粒子の形状を任意に制御できる。
(ポリエステル樹脂粒子1の調製)
アゼライン酸32gと、1,10−デカンジオール28gを95℃に加熱した溶液を、2gのドデシルベンゼンスルフォン酸を溶解した240gの水に添加し、超音波分散機にて分散して油滴を形成した。
ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン22g、ネオペンチルグリコール1.2g、テレフタル酸10g及びイソフタル酸0.6gを95℃に加熱した溶液を、3gのドデシルベンゼンスルフォン酸を溶解した240gの水に添加し、超音波分散機にて分散して油滴を形成した。
ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン22g、ネオペンチルグリコール1.2g、テレフタル酸9.5g及びイソフタル酸0.5g、トリメリット酸0.5gを95℃に加熱した溶液を、3gのドデシルベンゼンスルフォン酸を溶解した240gの水に添加し、超音波分散機にて分散して油滴を形成した。
(架橋ポリエステル樹脂溶液1の調製)
多価カルボン酸として無水トリメリット酸52部、2価カルボン酸としてテレフタル酸156部、イソフタル酸58部、芳香族ジオールとしてポリオキシエチレン(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン120部、脂肪族ジオールとしてエチレングリコール140部、重合触媒としてテトラブチルチタネートを全モノマー量に対し0.3質量%、セパラブルフラスコに仕込み、該フラスコ上部に温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取り付け電熱マントルヒーター中で、常圧窒素気流下にて220℃で7時間反応させた後、順次減圧し、1.33×103Paで2時間反応を続行し、酸価8.9、水酸基価29、ピークトップ分子量8700、Mw/Mn4.0、Tg65℃の「縮重合体樹脂1」を得た。この「縮重合体樹脂1」200部を酢酸エチル200部に溶解、混合し、「架橋ポリエステル樹脂樹脂溶液1」を調製した。
多価カルボン酸として無水ピロメリット酸59部、2価カルボン酸としてテレフタル酸156部、イソフタル酸58部、芳香族ジオールとしてポリオキシエチレン(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン120部、脂肪族ジオールとしてエチレングリコール140部、重合触媒としてテトラブチルチタネートを全モノマー量に対し0.3質量%、セパラブルフレスコに仕込み、該フラスコ上部に温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取り付け電熱マントルヒーター中で、常圧窒素気流下にて220℃で7時間反応させた後、順次減圧し、1.33×103Paで2時間反応を続行し、酸価8.9、水酸基価29、ピークトップ分子量8700、Mw/Mn4.0、Tg65℃の「縮重合体樹脂2」を得た。この「縮重合体樹脂2」200部を酢酸エチル200部に溶解、混合し、「架橋ポリエステル樹脂溶液2」を調製した。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物450部、イソフタル酸107部、テレフタル酸108部を常圧下、200℃で3時間重縮合させて、酸価3、水酸基価25、ピークトップ分子量46000、Mw/Mn4.0、Tg60℃の「縮重合体樹脂3」を得た。この「縮重合体樹脂3」200部を酢酸エチル200部に溶解、混合し、「非架橋ポリエステル樹脂溶液3」を調製した。
(着色微粒子分散液D−1の調製)
「架橋ポリエステル樹脂溶液1」90g、「C.I.ソルベントブルー94」54g、酢酸エチル360gをセパラブルフラスコに入れ、撹拌して完全溶解して溶解液を調製した。
「着色微粒子分散液D−1」の調製で用いた「架橋ポリエステル樹脂溶液1」を、「架橋ポリエステル樹脂溶液2」に変更した以外は同様にして着色微粒子の分散液を得た。この着色微粒子の分散液を「着色微粒子分散液D−2」とする。この着色微粒子の体積基準メディアン径は53nmであった。
「着色微粒子分散液D−1」の調製で用いた「C.I.ソルベントブルー94」を、「金属キレート染料(A−1)」に変更した以外は同様にして着色微粒子の分散液を調製した。この着色微粒子の分散液を「着色微粒子分散液D−3」とする。この着色微粒子の体積基準メディアン径は55nmであった。
「着色微粒子分散液D−1」の調製で用いた「C.I.ソルベントブルー94」を、「C.I.ソルベントイエロー16」に変更した以外は同様にして着色微粒子の分散液を調製した。この着色微粒子の分散液を「着色微粒子分散液D−4」とする。この着色微粒子の体積基準メディアン径は60nmであった。
「着色微粒子分散液D−1」の調製で用いた「架橋ポリエステル樹脂溶液1」90gを168g、「C.I.ソルベントブルー94」54gを15gに変更した以外は同様にして着色微粒子の分散液を調製した。この着色微粒子の分散液を「着色微粒子分散液D−5」とする。この着色微粒子の体積基準メディアン径は85nmであった。
「着色微粒子分散液D−1」の調製で用いた「架橋ポリエステル樹脂溶液1」90gを168g、「C.I.ソルベントブルー94」54gを5gに変更した以外は同様にして着色微粒子の分散液を調製した。この着色微粒子の分散液を「着色微粒子分散液D−6」とする。この着色微粒子の体積基準メディアン径は83nmであった。
「着色微粒子分散液D−1」の調製で用いた「架橋ポリエステル樹脂溶液1」90gを30g、「C.I.ソルベントブルー94」54gを84gに変更した以外は同様にして着色微粒子の分散液を調製した。この着色微粒子の分散液を「着色微粒子分散液D−7」とする。この着色微粒子の体積基準メディアン径は52nmであった。
「着色微粒子分散液D−1」の調製で用いた「架橋ポリエステル樹脂溶液1」を、「架橋ポリエステル樹脂溶液3」に変更した以外は同様にして着色微粒子の分散液を調製した。この着色微粒子の分散液を「着色微粒子分散液D−8」とする。この着色微粒子の体積基準メディアン径は42nmであった。
「着色微粒子分散液D−8」の調製で用いた「C.I.ソルベントブルー94」を、「金属キレート染料(A−1)」に変更した以外は同様にして着色微粒子の分散液を調製した。この着色微粒子の分散液を「着色微粒分散液D−9」とする。この着色微粒子の体積基準メディアン径はは53nmであった。
「着色微粒子分散液D−1」の調製で用いた「ドデシル硫酸ナトリウム」27gを4gに変更した以外は同様にして着色微粒子の分散液を調製した。この着色微粒子の分散液を「着色微粒子分散液D−10」とする。この着色微粒子の体積基準メディアン径は420nmであった。
n−ドデシル硫酸ナトリウム90gと純水1リットルを入れ撹拌溶解した。この溶液に、「C.I.ピグメントブルー15−3」120gを徐々に加え、1時間よく撹拌した後に、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散し着色微粒子の分散液を調製した。この着色微粒子の分散液を「着色微粒子分散液D−11」とする。この着色微粒子の体積基準メディアン径は120nmであった。
「着色微粒子分散液D−1」の調製で用いた「架橋ポリエステル樹脂溶液1」を、「スチレン/ブチルアクリレート=80/20(質量%)樹脂」(重量平均分子量20000)45gに変更した以外は同様にして着色微粒子のを調製した。この着色微粒子を「着色微粒子D−12」とする。この着色微粒子の体積基準メディアン径は50nmであった。
〈ワックス分散液1の調製〉
アニオン系界面活性剤のドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム1.0gをイオン交換水30mlに撹拌溶解した。この溶液を90℃に加熱し、撹拌しながら、ワックスとしてカルナウバワックス(精製カルナウバワックス1号)7gを90℃に加熱して溶解させたものを徐々に添加し、次いで、機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて90℃にて7時間分散処理し、次いで30℃に冷却し、ワックスの分散液を調製した。これを「ワックス分散液1」とする。ワックス分散液中のワックスの数平均粒子径は95nmであった。
アニオン系界面活性剤のドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム1.0gをイオン交換水30mlに撹拌溶解した。この溶液を90℃に加熱し、撹拌しながら、ワックスとしてペンタエリスリトールベヘン酸エステル7gを90℃に加熱して溶解させたものを徐々に添加し、次いで、機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて90℃にて7時間分散処理し、次いで30℃に冷却し、「ワックス分散液2」を調製した。ワックス分散液中のワックスの数平均粒子径は96nmであった。
アニオン系界面活性剤のドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム1.0gをイオン交換水30mlに撹拌溶解した。この溶液を90℃に加熱し、撹拌しながら、ワックスとしてフィッシャートロプシュワックス7gを90℃に加熱して溶解させたものを徐々に添加し、次いで、機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて90℃にて7時間分散処理し、次いで30℃に冷却し、「ワックス分散液3」を調製した。ワックス分散液中の数平均粒子径は91nmであった。
(トナー粒子1の作製)
前述の「ポリエステル樹脂粒子1」の分散液1400g、イオン交換水2000g及び「着色微粒子分散液D−1」165g「ワックス分散液1」125gを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を付けた5リットルの四つ口フラスコに入れ撹拌する。30℃に調整した後、この溶液に5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72gに溶解した水溶液を撹拌下、30℃にて10分間で添加した。その後、3分間放置した後に、昇温を開始し、液温度90℃まで6分で昇温した(昇温速度=10℃/分)。その状態で粒径を「コールターカウンターTA−III」(ベックマン・コールター社製)にて測定し、体積基準におけるメディアン粒径(D50)が6.5μmになった時点で塩化ナトリウム115gをイオン交換水700gに溶解した水溶液を添加し粒子成長を停止させ、更に継続して液温度90℃±2℃にて、6時間加熱撹拌し、熱融着させた。その後、6℃/minの条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加し、pHを2.0に調整し、撹拌を停止した。生成したトナー粒子を固液分離し、イオン交換水による洗浄を4回繰り返し(イオン交換水の量を15リットルとした)、その後、40℃の温風で乾燥し、トナー粒子を得た。これを「トナー粒子1」とする。
「トナー粒子1」の調製で用いた「着色微粒子分散液D−1」を、「着色微粒子分散液D−2〜4」に変えた以外は同様にして「トナー粒子2〜4」を作製した。
前述の「ポリエステル樹脂粒子1」の分散液1100g、イオン交換水2000g及び「着色微粒子分散液D−5」595g、「ワックス分散液1」100gを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を付けた5リットルの四つ口フラスコに入れ撹拌する。30℃に調整した後、この溶液に5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72gに溶解した水溶液を撹拌下、30℃にて10分間で添加した。その後、3分間放置した後に、昇温を開始し、液温度90℃まで6分で昇温した(昇温速度=10℃/分)。その状態で粒径を「コールターカウンターTA−III」(ベックマン・コールター社製)にて測定し、体積基準におけるメディアン粒径(D50)が6.5μmになった時点で塩化ナトリウム115gをイオン交換水700gに溶解した水溶液を添加し粒子成長を停止させ、更に継続して液温度90℃±2℃にて、6時間加熱撹拌し、熱融着させた。その後、6℃/minの条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加し、pHを2.0に調整し、撹拌を停止した。生成したトナー粒子を固液分離し、イオン交換水による洗浄を4回繰り返し(イオン交換水の量を15リットルとした)、その後、40℃の温風で乾燥し、トナー粒子を得た。これを「トナー粒子6」とする。
「トナー粒子5」の調製で用いた「着色微粒子分散液D−5」を、「着色微粒子分散液D−6」に変えた以外は同様にして「トナー粒子6」を作製した。
前述の「ポリエステル樹脂粒子1」の分散液1185g、イオン交換水2000g及び「着色微粒子分散液D−7」105g、「ワックス分散液1」130gを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を付けた5リットルの四つ口フラスコに入れ撹拌する。30℃に調整した後、この溶液に5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72gに溶解した水溶液を撹拌下、30℃にて10分間で添加した。その後、3分間放置した後に、昇温を開始し、液温度90℃まで6分で昇温した(昇温速度=10℃/分)。その状態で粒径を「コールターカウンターTA−III」(ベックマン・コールター社製)にて測定し、体積基準におけるメディアン粒径(D50)が6.5μmになった時点で塩化ナトリウム115gをイオン交換水700gに溶解した水溶液を添加し粒子成長を停止させ、更に継続して液温度90℃±2℃にて、6時間加熱撹拌し、融着させた。その後、6℃/minの条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加し、pHを2.0に調整し、撹拌を停止した。生成したトナー粒子を固液分離し、イオン交換水による洗浄を4回繰り返し(イオン交換水の量を15リットルとした)、その後、40℃の温風で乾燥し、トナー粒子を得た。これを「トナー粒子7」とする。
「トナー粒子1」の作製で用いた「着色微粒子分散液D−1」を、「着色微粒子分散液D−8〜12」に変えた以外は同様にして「トナー粒子8〜12」を作製した。
「トナー粒子1」の作製で用いた「ポリエステル樹脂粒子1」の分散液を、「ポリエステル樹脂粒子2、3」の分散液に変えた以外は同様にして「トナー粒子13、14」を作製した。
「トナー粒子1」の作製で用いた「ワックス分散液1」を、「ワックス分散液2、3」に変えた以外は同様にして「トナー粒子15、16」を作製した。
次いで、上記で作製した「トナー粒子1〜16」の各々に、疎水性シリカ(体積基準メディアン径=12nm、疎水化度=68)1質量%と疎水性酸化チタン(体積基準メディアン径=20nm、疎水化度=63)1質量%を添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)を用いて混合した。その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去し「トナー1〜16」を調製した。
上記で作製した「トナー1〜16」の各々に、シリコーン樹脂を被覆した体積基準におけるメディアン粒径(D50)60μmのフェライトキャリアを、該トナーの濃度が6質量%になるよう混合し「現像剤1〜16」を調製した。
評価機としては、電子写真方式を採用した市販の複合機「Sitios7165」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を用いた。
(着色剤逸脱)
トナー粒子の作製工程における着色剤の逸脱は、熱融着完了した液を、「遠心分離器H−900」(国産遠心器株式会社製)を用いて回転数2000rpmで2min間分離操作を実施し、得られた上澄み液の着色の程度を目視で評価した。
◎:上澄み液の着色が、見られず
○:上澄み液の着色が、やや有り
×:上澄み液の着色が、有り。
トナー粒子の作製工程における着色剤の分解は、トナー粒子作製前後で着色剤の分光吸収スペクトルを測定し評価した。分光吸収スペクトル測定は「330型自記分光光度計」(日立製作所製)で実施した。着色剤のトルエン溶解液の分光吸収スペクトルにおけるλmaxとトナーのトルエン溶解液の分光吸収スペクトルにおけるλmaxのずれを下記基準で比較し評価した。尚、顔料に関してはトルエンではなく2−ピロリジノンを使用した。
◎:5nm未満
○:5〜15nm未満
×:15nm以上。
画像評価装置としては、電子写真方式を採用した市販の複合機「Sitios7165」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を用いた。
トナー画像の透明性については、透過画像(OHP画像)を作製し、定着された画像について、「330型自記分光光度計」(日立製作所製)によりトナーが担持されていないOHPシートをリファレンスとして画像の可視分光透過率を測定し、イエロートナーでは650nmと450nmでの分光透過率の差、マゼンタトナーでは650nmと550nmでの分光透過率の差、シアントナーでは500nmと600nmでの分光透過率の差を求め、OHP画像の透過性を下記のようにランク評価した。この値が70%以上である場合、良好な透過性であると判断し得る。尚、トナー付着量は0.7±0.05(mg/cm2)の範囲で評価した。尚、透過画像(OHP画像)作製には、ポリエステルフィルム(厚さ75μm)を用いた。
◎:90%以上
○:70%〜90%未満
×:70%未満。
耐光性については、トナー画像濃度Ciを測定した後、ウェザーメーター「アトラスCi165」(東洋精機製作所製)を用いて、トナー画像にキセノン光(8万5千ルクス)を7日間照射した後、再び画像濃度Cfを測定し、キセノン光照射前後の画像濃度の差から色素残存率({(Ci−Cf)/Ci}×100%)を算出し評価した。尚、トナー画像作製には、上質紙(64g/m2)を用いた。
◎:色素残存率が90%以上で耐光性非常に良好
○:色素残存率が90%未満〜80%で耐光性良好
×:色素残存率が80%未満で耐光性不良。
画像濃度は、反射濃度計「X−Rite310TR」(X−Rite社製)を用いて測定した。尚、トナー画像作製には、上質紙(64g/m2)を用いた。
◎:画像濃度、1.5以上で非常に良好
○:画像濃度、1.3〜1.5未満で良好
×:画像濃度、1.3未満で不良。
2 撹拌槽
3 回転軸
4a、4b 撹拌翼
7 上部材料投入口
8 下部材料投入口
α 交差角
Claims (8)
- 少なくともポリエステル系樹脂粒子と着色微粒子とを水系媒体中で凝集、熱融着させてなる電子写真用トナーにおいて、該着色微粒子が着色剤と架橋ポリエステル樹脂を有し、該着色剤が油溶性染料又は金属キレート染料であることを特徴とする電子写真用トナー。
- 前記着色微粒子が、架橋ポリエステル樹脂に着色剤を含有した微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
- 前記着色微粒子の体積基準メディアン径が、10〜300nmであることを特徴とする請求項1〜2の何れか1項に記載の電子写真用トナー。
- 前記着色微粒子に占める着色剤の量が、10〜70質量%であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電子写真用トナー。
- 少なくともポリエステル系樹脂粒子と着色微粒子とを水系媒体中で凝集、熱融着させてなる電子写真用トナーの製造方法において、該着色微粒子が着色剤と架橋ポリエステル樹脂を有し、該着色剤が油溶性染料又は金属キレート染料であることを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
- 前記着色微粒子が、架橋ポリエステル樹脂に着色剤を含有した微粒子であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 前記着色微粒子の体積基準メディアン径が、10〜300nmであることを特徴とする請求項5〜6の何れか1項に記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 前記着色微粒子に占める着色剤の量が、10〜70質量%であることを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の電子写真用トナーの製造方法。
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