JPH10282719A - イエロートナー及びその製造方法 - Google Patents

イエロートナー及びその製造方法

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JPH10282719A
JPH10282719A JP9175697A JP9175697A JPH10282719A JP H10282719 A JPH10282719 A JP H10282719A JP 9175697 A JP9175697 A JP 9175697A JP 9175697 A JP9175697 A JP 9175697A JP H10282719 A JPH10282719 A JP H10282719A
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toner
image
yellow
colorant
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Tatsuhiko Chiba
建彦 千葉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光沢度の低い画像上で極めて鮮明な色彩が得
られるイエロートナーを提供することにある。 【解決手段】 少なくとも黄色着色剤を含有するトナー
において、トナー中における該着色剤が個数平均径0.
01〜0.70μmの一次粒径を有するC.I.Pig
ment Yellow 17であり、該トナーの重量
平均径が3〜9μmであり、且つ、該イエロートナーの
光沢度が50以下の単色定着画像において、その色相角
*及び明度L*が 85≦h*(Y)≦100、 80≦L*(Y)≦110 を示すことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
印刷法などにおいて形成される静電荷像を現像するイエ
ロートナー及びその製造方法に関する。さらに詳しく
は、少なくとも黄色着色剤を含有する単量体組成物を重
合して得られたイエロートナー及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、デジタルフルカラー複写機やプリ
ンターが実用化され、解像力・階調性はもとより色ムラ
のない色再現性に優れた高画質画像が得られるようにな
ってきた。
【0003】デジタルフルカラー複写機においては、色
画像原稿をB(ブルー)・G(グリーン)・R(レッ
ド)の各色フィルターで色分解した後、オリジナル画像
に対応した20μm〜70μmのドット径からなる潜像
をY(イエロー)・M(マゼンタ)・C(シアン)・B
(ブラック)の各色現像剤を用い減色混合作用を利用し
て現像するが、白黒複写機と較べ多量の現像剤を感光体
から転写材に転写させる必要があることや、将来の更な
る高画質化に対応すべく、より微小ドットに対応した現
像剤の微小粒径化の要求が予想される。
【0004】しかし高画質化の要求に伴いトナー粒径を
小さくすると、フルカラー画像の解像力や鮮映度は確か
に満足のいく方向となるが、微粒子化に伴って様々な影
響があることが分かってきた。
【0005】加えて、トナー粒径を小さくするとそれだ
け着色剤の偏在により、帯電特性が影響を受けやすくな
るという問題が生じてくる。
【0006】したがって、従来以上にカラートナー各色
の分散が良好でバランスのとれた色相及び分光反射特性
と十分な彩度を有するトナーが要求される。
【0007】また、トナー粒径を小さくすると、光が更
に散乱されやすくなるために画像の色度・明度や濃度等
が変化し、従来の技術とは異なる色構成が必要となって
くるという問題も生じてくる。
【0008】これは近年のプリンターの普及に伴うあら
たなユーザー指向、すなわち写真製版印刷等の他の光沢
のない印刷物と同様な画像を好むという傾向に合わせた
画像を得たとき顕著に現れる。
【0009】すなわち従来の技術では、定着したトナー
は光に対して乱反射して色再現を妨げることが無いよ
う、トナー粒子の形が判別できないようにほぼ完全溶融
に近い状態になることが必要であり、数種のトナー層の
重ね合わせがなされているカラー画像では、上部トナー
層が下部トナー層を妨げない透明性を有する必要があっ
た。
【0010】そしてこの考えに基づき特開昭59−26
757号公報、特開昭63−70271号公報、特開平
1−230072号公報、特開平2−293860号公
報、特開平6−11898号公報等で示されるように各
イエロー/マゼンタ/シアン/ブラックその他の構成が
各種提案されてきた。
【0011】しかし、写真製版印刷等の他の印刷物との
間に光沢の差がない画像を得ようとすると、どうしても
紙の光沢度に近い値に定着する必要が生じ、トナー粒子
の完全溶融の無い状況となるため微粒子トナーの散乱光
の影響が顕著になり、上記発明の色空間構成では不充分
になってきた。
【0012】更にこのようなトナー粒子の完全溶融が生
じない状態であるようにトナーの樹脂設計を行なうと、
トランスペアレンシーフィルム上においてもトナー粒子
が完全溶融できなくなるために透過光が散乱し、色再現
領域が小さくなってしまうことが分かってきた。
【0013】さらに色相角も変化してしまうため、目的
の色彩を得られなくなってくることも分かってきた。
【0014】特にイエローについては色相角の変化に対
する人間の感度が著しいため、透過光の色角変化は好ま
れない。
【0015】またプリンター市場においては、黒文字が
混在した画像が出力される機械が多々存在するが、従来
の技術では黒文字とカラー画像との間にトナーのり量の
差があるため光沢度の差が生じ、結果として光沢度の高
いカラー画像が「浮き出る」ように見えてしまう。
【0016】さらに画像表面の光が散乱し画像濃度が低
下するため、対策としてトナーの着色力をアップする
と、カブリが目立つようになることが分かってきた。
【0017】すなわち、定着時にトナー飛散した部分は
熱量が相対的に充分与えられるため、画像の光沢度が高
くなり、結果として飛散部分の画像濃度が高くなる。そ
してこのためにカブリが目立つようになる。
【0018】以上述べてきたように光沢のない印刷物を
得るために必要な様々な課題に対して全て満足し得るカ
ラートナーが無いのが現状である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き欠点を解決し、光沢度の低い画像上で極めて鮮明
な色彩が得られるイエロートナー及びその製造方法を提
供するものである。
【0020】すなわち本発明の目的は、少なくとも黄色
着色剤を含有する重合性単量体系を重合して得られるイ
エロートナーにおいて、低光沢度においてのバランスの
取れた色相及び優れたトランスペアレンシー透過性を有
するトナー及びその製造方法を提供するものである。
【0021】本発明の別の目的は、黒文字混在の画像に
おいても画像に違和感のない均一な画質を有するフルカ
ラー画像に用いるイエロートナー及びその製造方法を提
供するものである。
【0022】本発明の別の目的は、帯電性に優れたイエ
ロートナー及びその製造方法を提供するものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも黄
色着色剤を含有するトナーにおいて、トナー中における
該着色剤が個数平均径0.01〜0.70μmの一次粒
径を有する下記に示す化合物(I)であり、
【0024】
【化2】
【0025】該トナーの重量平均径が3〜9μmであ
り、且つ、該イエロートナーの光沢度が50以下の単色
定着画像において、その色相角h*及び明度L*が 85≦h*(Y)≦100、80≦L*(Y)≦110 を示すことを特徴とするイエロートナーに関する。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の特徴の一つは、個数平均
径0.01〜0.70μmの一次粒径を有する特定の顔
料を用いることである。
【0027】本発明者らは、表面が完全には溶融してい
ないトランスペアレンシー画像の透過光においてその色
相角が最も変化しない条件を検討した結果、ある特定の
一次粒径を有する着色剤を選択することによってある程
度抑えることが可能なことを見い出した。
【0028】従来、このような観点で例えば特開平4−
342265号公報にはキナクリドン顔料の一次粒子径
が、階調性を出す等の目的のための例として特開平4−
204547号公報にはカーボンブラックが記載されて
いる。しかし、本発明のような表面が完全には溶融して
いないトランスペアレンシー画像に単純に応用した場
合、従来に比べ抑えられるものの特にイエロー透過光に
おいて色相角・色域が変化してしまう。
【0029】すなわち、本発明においては、上記の観点
より一次粒径の制御に加え、顔料そのものの透明性が必
須であり、本発明者らは鋭意検討の結果、C.I.Pi
g.Y17の構造式を有する下記化合物(I)が粒径の
制御等を含め優れていることを見い出し本発明に至っ
た。
【0030】
【化3】
【0031】本発明において上記化合物(I)の一次粒
径は0.01〜0.70μm、好ましくは0.01〜
0.40μmであることが良く、より好ましくは粒径個
数分布の変動係数にして60%以下であることが好まし
い。
【0032】化合物(I)の一次粒径が0.01μm未
満であると、その耐光性が極端に低下するだけでなく、
製造時のハンドリング性や帯電性に悪影響を及ぼす。
【0033】また、化合物(I)の一次粒径が0.70
μm、粒径個数分布の変動係数が60%をそれぞれ超え
ると、着色剤の凝集が製造時に生じやすくなり、トラン
スペアレンシー画像の透過光の色相角・色域が紙上のも
のと変化してしまう。また、透過画像も暗くなってしま
う。
【0034】なお、本発明における着色剤の粒径は以下
の方法で具体的に測定される。
【0035】まず常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー
を十分分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬
化させ得られた硬化物を四三酸化ルテニウム、必要によ
り四三酸化オスミウムを併用し染色を施した後、ダイヤ
モンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプル
を切り出し、透過電子顕微鏡(TEM)を用いてトナー
の断層形態を測定した。
【0036】そして得られたトナー断面像を100個無
作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェー
スを介してニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に
導入し、分散された着色剤内の最小構成単位に分割画像
処理し、解析を行い粒度分布として得た値を着色剤の一
次粒径とした。
【0037】本発明の特徴の一つは、色相角及び明度が
決められた範囲に入るような顔料を用いてイエロートナ
ーとすることである。
【0038】本発明者らは上記のような光沢度の低い、
光散乱の大きい画像での色再現性を各種検討した結果、
紙上でのイエロートナーの明度を一定の範囲として且つ
色相の若干の赤味移行によって赤系統の再現性をアップ
することで、紙上の画像とトランスペアレンシー上での
透過画像との間に差違のない対応ができることを見い出
し本発明に至った。
【0039】すなわち直接の原因は不明であるが、微粒
子トナーの光散乱に由来する人間の色感の変化は、特に
各色の明度L*と(黄−マゼンタ)色差に対して特に感
度が高いため、色感の変化に対応するにはこの領域の色
再現範囲を重視する構成にすればよいことになる。
【0040】このため本発明においては、特開昭63−
70271号公報等の提案よりもイエローを赤側に色調
を移行し、制御するという思想に基づいて提案した。
【0041】なお画像は従来より光沢度の低い画像とな
るため、従来並みの画像濃度を得るために、イエロー着
色剤はトナー中の樹脂分100重量部に対して、1〜1
5重量部含有されていることが好ましく、3〜12重量
部含有されていることがより好ましい。
【0042】本発明における色相角h*の測定方法は、
写真製版等の転写材に近づけるという意味で下記に示す
条件で測定した。
【0043】すなわち光沢度3〜15の範囲にある80
g/m2紙を転写材として用い、単色各トナーのトナー
のり量が0.5〜0.6mg/cm2になるよう調整し
て画像を出し、反射光を環受光方式の分光測色機(X−
lite製:X−lite938、視野角2°)で測定
した。
【0044】本発明の場合、上記の化合物(I)を含む
黄色顔料は一般に顔料粒子が小さくなるにつれて緑味が
増す傾向にあるため、通常では本発明の色相角を青側に
はずれてしまい成立できない。
【0045】しかし、本発明の場合特定の樹脂処理を顔
料に行うことによって、求める色相角を得ることに成功
した。
【0046】本発明における樹脂とは、従来公知のロジ
ン系、ポリエステル系、アミン系等の処理剤の中で若干
ながら結晶系を縦に伸張させる効果を有するものが良
く、特に本発明では特定のロジン系樹脂処理を結晶顔料
化の工程で用いることで達成している。
【0047】尚、本発明の顔料は樹脂処理をするため、
一般に水溶分や加熱減量が増加し帯電性を損なって行く
傾向にあるが、加熱減量にして1.5%以下であるよう
に調整することでトナー特性は変化しない。
【0048】また、樹脂処理をしていない化合物(I)
でも、補色となる着色剤を組み合わせることで本発明の
範囲に入るものであれば使用できる。しかし、着色剤混
合に伴う分散性の問題や透明性の低下を考えると必ずし
も好ましい方法ではなく、着色剤は単独で使用する方が
より好ましい。
【0049】本発明の特徴の一つは、トナー重量平均粒
径が3〜9μmのトナーを用いることである。
【0050】本発明の場合、光沢度が従来に比べ低い領
域である画像となるので、トナー粒径そのものの粒状性
・粒径がカブリとして目に認識されやすい傾向となって
いる。
【0051】このため特にトナーの重量平均粒径が9μ
mを超えると、紙上へのトナー飛散等の影響が顕著に現
れ、カブリとして認識されてしまう。トナー重量平均粒
径が3μm未満であると、画像としての着色力が低下す
るだけでなく、本発明の顔料がその中で安定に分散しづ
らくなるために帯電性が悪化し、結果としてカブリ抑制
が悪化してしまう。
【0052】本発明のもう一つの特徴は、各形状が真球
に近い平滑な形を有しているトナーを用いることであ
る。
【0053】本発明のようにトナー球状が真球に近い平
滑な形を有していると、通常トナー表面に固着・分散さ
れる流動性向上剤等がトナー表面の一部分に溜まること
なく均一に添加されるため、帯電分布がシャープになる
だけでなく、スリーブ・キャリア等の帯電支持部材から
感光体への移行も低電位現像が可能となるため、カブリ
が少なくなる。
【0054】そして、潜像上では最密充填となるため
に、ドットへの忠実性が増すという効果も得られる。
【0055】このため、「光沢度の低下=光の散乱によ
る画像濃度の低下」を補うために、トナー個々の着色力
を上げても従来以上のカブリとして観測されることはな
く、均質な画像を得ることができる。
【0056】本発明の好ましい形状係数としては、10
0≦SF1≦150、100≦SF2≦140であり、
より好ましくは100≦SF1≦140、100≦SF
2≦130で、SF1が150を超えると、転写率・現
像効率等が悪化し、画質が低下する。またSF2が14
0を超えると、トナー表面の凹凸が大きくなるため凸部
に流動性向上剤等が溜まり、帯電分布が不均一になるた
め感光体上へのカブリ抑制が悪化してくる。
【0057】本発明に用いられる形状係数を示すSF
1,SF2とは、日立製作所機FE−SEM(S−80
0)を用いトナー像を100個無作為にサンプリング
し、その画像常法はインターフェースを介してニコレ社
製画像解析装置(Luzex3)に導入し解析を行い、
下式より算出し得られた値を本発明においては形状係数
SF1,SF2と定義した。
【0058】
【数1】 [式中、MXLNGは画像上現像剤の絶対最大長を示
し、AREAは現像剤の投影面積を示す。]
【0059】
【数2】 [式中、PELIは画像上現像剤投影像の周辺長を示
し、AREAは現像剤の投影面積を示す。]
【0060】本発明の更なる特徴としては、重合性単量
体を媒体中直接重合してトナーを得ることである。
【0061】重合法は、例えば特公昭36−10231
号公報、特公昭43−10799号公報及び特公昭51
−14895号公報等に提案されているように、重合性
単量体・着色剤・重合開始剤、更に必要に応じて架橋剤
・荷電制御剤・その他添加剤を、均一に溶解または分散
せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物を分
散安定剤を含有する連続相(例えば水相)中に適当な撹
拌機を用いて分散し、同時に重合反応を行わせ、所望の
粒径を有するトナーを得る方法である。
【0062】一般の粉砕法で本発明の形状を得るには、
例えば特開昭63−279864号公報に示すように機
械的衝撃力によって球形化する等の工程が必要であり、
煩雑な操作及びコストが必要となる。
【0063】これに対して重合法では、得られる粒子の
形状は分散媒である水との表面張力によって決定される
ため一般的に球状になり、本発明の形状を容易に得るこ
とができるという特徴を有している。
【0064】加えて水系媒体中直接重合すると、着色剤
や帯電制御剤等は単量体へ均一に溶解した後トナーとな
るため、トナー表面においては粉砕法により均一な帯電
挙動を示すようになる。
【0065】以上のような理由により、重合開始剤を水
系媒体中直接重合して得られるトナーを用いることで、
より一層本発明の効果が得られる。
【0066】また粉砕法においては、コールターカウン
ターにより測定した粒度が9μm以下になるに従い、従
来では問題にならなかった使用原材料の均一分散性や効
率の高い粉砕性、更にはシャープな粒度分布にトナーを
分級することが極めて難しくなる傾向にあるが、重合法
はその点でも優れた特性を有し、更に従来の粉砕法では
使用することができなかった低軟化点物質を多量に使用
することができ、材料の選択幅が広がる等の特徴を有し
ていることからも好ましい。
【0067】さらに、先に述べたように本発明のトナー
は潜像上では最密充填となるためにドットへの忠実性が
増すという効果があるが、重合トナーの場合トナー表面
の均一な帯電挙動のために定着時での静電オフセットは
むしろ生じやすくなる傾向にある。
【0068】加えて、球形トナーは隣り合うトナー間の
接触が1点のみに限られるために、トナー間の界面を残
したまま定着され易い性質がある。そのため従来と比較
して光の乱反射が促進され易くなり、同一の光沢度でも
明度L*及びトナー透明性が低下しやすい傾向となる。
【0069】そこで本発明のトナーの場合、その定着性
・明度L*及びトナー透明性の低下を補うために、界面
間の接着剤としての低分子量樹脂成分の混在が好まし
く、各トナー中の樹脂分の分子量分布(Mn)におい
て、Mn<2000となる分子量を有する成分が樹脂分
全量に対し0.01質量%以上10質量%以下存在する
ことが好ましい。
【0070】Mn<2000となる分子量を有する成分
が樹脂分全量に対し0.01質量%未満であると、本発
明の効果が得られなくなり明度及び透明性が悪化する。
Mn<2000となる分子量を有する成分が樹脂分全量
に対し10質量%を超えると、トナーが可塑化されすぎ
るため耐久性及び低温定着性が悪化する。
【0071】また、本発明の顔料を重合法によって添加
する場合、本発明の化合物(I)は重合性単量体中で再
解砕されにくいため、単量体中に予め分散しておく前の
顔料の粒度として本発明の範囲に入っていることが好ま
しい。
【0072】具体的には最も分散状態が良好で、一次粒
径を良く再現するアルコール系有機溶媒中での粒度分布
が個数平均径にして0.01〜0.70μmであること
が必須で、化合物(I)の粒径が0.01μm未満であ
ると、嵩高くなり製造時のハンドリング性に悪影響を及
ぼす。
【0073】また、化合物(I)の粒径が0.70μm
を超えると、着色剤の凝集が製造時に生じ易くなり、ト
ランスペアレンシー画像の透過光の色相角・色域が紙上
のものと変化してしまう。また、透過画像も暗くなって
しまう。
【0074】尚、本発明におけるアルコール系有機溶媒
中での粒度分布は、具体的に下記の方法で測定した。
【0075】測定装置としてはコールターカウンターL
S型(コールター社製)を用い、エタノール中へ約濃度
20〜400ppmとなるように顔料添加溶液を調製
し、超音波洗浄機(iachi製 VS−150)で6
0秒分散後に測定して得た個数分布値を算出した。それ
から本発明に係る個数分布から求めた個数基準の長さ平
均粒径(D1)を求めた。
【0076】重合法による直接トナーを得る方法におい
ては、公知の単量体が好ましく用いられる。具体的には
スチレン,o(m−,p−)−メチルスチレン,m(p
−)−エチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)
アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メ
タ)アクリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,
(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデ
シル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリ
ル酸ベヘニル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル,(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メ
タ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アク
リル酸エステル系単量体;ブタジエン,イソプレン,シ
クロヘキセン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸
アミド等のエン系単量体が好ましく用いられる。これら
は、単独または一般的には出版物ポリマーハンドブック
第2版III−P139〜192(John Wile
y&Sons社製)に記載の理論ガラス温度(Tg)
が、40〜85℃を示すように単量体を適宜混合し用い
られる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合には、
トナーの保存安定性やトナーの耐久安定性の面から問題
が生じ、一方85℃を超える場合は定着点の上昇をもた
らし、特にフルカラートナーの場合においては各色トナ
ーの混色が不十分となり色再現性に乏しく、更にOHP
画像の透明性を著しく低下させ高画質の面から好ましく
ない。
【0077】重合した樹脂の分子量は、GPC(ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー)により測定され
る。具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーを
ソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20時間抽出
を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留
去せしめ、更に低軟化点物質は溶解するが樹脂は溶解し
得ない有機溶剤例えばクロロホルム等を加え十分洗浄を
行った後、THF(テトラヒドロフラン)に可溶した溶
液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルタ
ーでろ過したサンプルをウォーターズ社製150Cを用
い、カラム構成は昭和電工製A−801、802、80
3、804、805、806、807を連結し標準ポリ
スチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定し得る。
得られた樹脂成分の数平均分子量(Mn)は、5000
〜1,000,000であり、重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、2〜1
00を示す樹脂が本発明には好ましい。
【0078】本発明においては、樹脂中に低軟化点物質
を内包化せしめるため単量体成分の他に更に極性樹脂を
添加せしめても良い。本発明に用いられる極性樹脂とし
ては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体,マレ
イン酸共重合体,飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂
が好ましく用いられる。
【0079】本発明においては、離型作用を付与するた
め樹脂中に低軟化点物質を添加せしめてもよい。
【0080】本発明に用いられる低軟化点物質として
は、ASTM D3418−8に準拠し測定された主体
極大ピーク値が50〜180℃を示す化合物が好まし
い。極大ピーク値が50℃未満であると低軟化点物質の
自己凝集力が弱くなり、結果として耐高温オフセット性
が弱くなり特にフルカラートナーには好ましくない。一
方、極大ピーク値が180℃を超えると、現状のところ
軟化点物質の結晶性・分散性が劣化するため定着性・透
明性の面から好ましくない。
【0081】本発明の極大ピーク値の温度の測定には、
例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用いる。装置
検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱
量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サン
プルはアルミニウム製パンを用い対照用には空パンをセ
ットし、昇温速度10℃/min.で測定を行う。
【0082】具体的にはパラフィンワックス,ポリオレ
フィンワックス,フィッシャートロピッシュワックス,
アミドワックス,エステルワックス,高級脂肪酸及びこ
れらのグラフト/ブロック化合物等が利用できる。
【0083】本発明に用いられる荷電制御剤としては、
公知のものが利用できるが、無色でトナーの帯電スピー
ドが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制
御剤が好ましい。更に本発明において直接重合法を用い
る場合には、重合阻害性が無く水系への可溶化物の無い
荷電制御剤が特に好ましい。具体的化合物としては、ネ
ガ系としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の
金属化合物,スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分
子型化合物,ホウ素化合物,尿素化合物,ケイ素化合
物,カリークスアレーン等が利用でき、ポジ系として四
級アンモニウム塩,該四級アンモニウム塩を側鎖に有す
る高分子型化合物,グアニジン化合物,イミダゾール化
合物等が好ましく用いられる。該荷電制御剤は樹脂10
0重量部に対し0.5〜10重量部が好ましい。しかし
ながら、本発明において荷電制御剤の添加は必須ではな
く、二成分現像方法を用いた場合においては、キャリヤ
ーとの摩擦帯電を利用し、非磁性一成分ブレードコーテ
ィング現像方法を用いた場合においてもブレード部材や
スリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用することでト
ナー中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0084】本発明に直接重合法を利用する場合には、
重合開始剤として例えば、2,2’−アゾビス−(2,
4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサ
ン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−
メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス
イソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始
剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペル
オキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、ク
メンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイル
ペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系
重合開始剤が用いられる。該重合開始剤の添加量は、目
的とする重合度により変化するが一般的には単量体に対
し0.5〜20重量%添加され用いられる。重合開始剤
の種類は、重合法により若干異なるが、十時間半減期温
度を参考に、単独又は混合し利用される。
【0085】重合度を制御するため公知の架橋剤,連鎖
移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能で
ある。
【0086】本発明のトナー製造方法は、水性媒体中で
の重合法を利用するので、用いる分散剤としては、無機
化合物として、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウ
ム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウ
ム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグ
ネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウ
ム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シ
リカ,アルミナ,磁性体,フェライト等が挙げられる。
有機化合物として、ポリビニルアルコール,ゼラチン,
メチルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロー
ス,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースの
ナトリウム塩,デンプン等を水相に分散させて使用でき
る。これら分散剤は、重合性単量体100重量部に対し
て0.2〜2.0重量部を使用することが好ましい。
【0087】これら分散剤は、市販のものをそのまま用
いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得
るために、分散媒中にて高速撹拌下にて該無機化合物を
生成させることもできる。例えば、リン酸三カルシウム
の場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液
と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合法に
好ましい分散剤を得ることができる。
【0088】また、これら分散剤の微細化の為に、0.
001〜0.1重量部の界面活性剤を併用してもよい。
具体的には市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界
面活性剤が利用でき、例えば、ドデシルベンゼン硫酸ナ
トリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル
硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸
ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリ
ウム,オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
【0089】本発明のトナー製造方法に直接重合方法を
用いる場合においては、以下の如き製造方法によって具
体的にトナーを製造することが可能である。
【0090】即ち、重合性単量体中に低軟化点物質から
なる離型剤,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の
添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によっ
て均一に溶解又は分散せしめた単量体系を、分散安定剤
を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモミキサー,
ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量
体液滴が所望の現像剤粒子のサイズを有するように撹拌
速度,時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の
作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防
止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以
上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行
うのが良い。また、重合反応後半に昇温しても良く、更
に、現像剤定着時の臭いの原因等となる未反応の重合性
単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、
反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了
後、生成した現像剤粒子を洗浄・濾過により回収し、乾
燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100重
量部に対して水300〜3000重量部を分散媒として
使用するのが好ましい。
【0091】各種トナー特性付与を目的とした添加剤と
しては、トナー中に、あるいはトナーに添加した時の耐
久性の点から、トナー粒子の体積平均径1/10以下の
粒径であることが好ましい。この添加剤の粒径とは、電
子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたそ
の平均粒径を意味する。これら特性付与を目的とした添
加剤としては、例えば、以下のようなものが用いられ
る。
【0092】1)流動性付与剤:金属酸化物(酸化ケイ
素,酸化アルミニウム,酸化チタンなど)・カーボンブ
ラック・フッ化カーボンなど。それぞれ、疎水化処理を
行ったものが、より好ましい。
【0093】2)研磨剤:金属酸化物(チタン酸ストロ
ンチウム,酸化セリウム,酸化アルミニウム,酸化マグ
ネシウム,酸化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素な
ど)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシ
ウム,硫酸バリウム,炭酸カルシウム)など。
【0094】3)滑剤:フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニ
リデン,ポリテトラフルオロエチレンなど)・脂肪酸金
属塩(ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムな
ど)など。
【0095】4)荷電制御性粒子:金属酸化物(酸化
錫,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化ケイ素,酸化アルミニ
ウムなど)・カーボンブラックなど。
【0096】これら添加剤は、トナー粒子100重量部
に対し、0.1〜10重量部が用いられ、好ましくは、
0.1〜5重量部が用いられる。これら添加剤は、単独
で用いても、また、複数併用しても良い。
【0097】次に、本発明で用いたそれぞれの測定方法
について述べる。
【0098】(1)粒度分布の測定 ここで粒度分布については、種々の方法によって測定で
きるが、本発明においてはコールターカウンタを用いて
測定を実施した。
【0099】即ち測定装置としては、コールターカウン
タTA−IIあるいはコールターマルチサイザーII
(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナト
リウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。例
えば、ISOTON−II(コールター社製)が使用で
きる。
【0100】測定方法としては、前記電解水溶液100
〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくは
アルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、
更に測定試料を2〜20mg加える。
【0101】試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で
約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、ア
パーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、ト
ナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出
した。
【0102】それから本発明に係る体積分布から求めた
重量基準の重量平均粒径(D 4)(各チャンネルの代表
値をチャンネル毎の代表値とする)、個数分布から求め
た個数基準の長さ平均粒径(D1)を求めた。
【0103】(2)ワックスの融点の測定 ワックスの融点の測定は、DSC−7(パーキンエルマ
ー製)を用いて昇温速度10℃/分で行い、1回目の昇
温時のDSCカーブにおいて、最大の吸熱を示すピーク
の頂点の温度を、ワックスの融点とする。
【0104】(3)低光沢画像の色彩評価方法 トナー7重量部に対し、アクリル樹脂コーティングされ
たフェライトキャリア93重量部を混合し、現像剤とす
る。
【0105】得られた現像剤を用いて、定着温度を可変
とし、上下ローラー材質をフッ素系とし、定着オイル塗
布機構を省くよう改造したキヤノン製フルカラー複写機
CLC500改造機にて、潜像を転写材上に転写し、画
像を得た。
【0106】このとき定着条件は転写材として光沢度4
の秤量99g/m2紙を用い、トナーのり量0.5〜
0.7mg/cm2の単色ベタ画像を得て、該画像を光
沢度10〜15になるよう定着温度を調整した。
【0107】また各色の濃度条件は、コダック社製のグ
レースケールとカラーパッチを原稿とし、フルカラーコ
ピー画像でグレースケールがなるべく忠実に再現できる
ようう調整し、イエロー(Y)単色コピーの最高濃度が
1.1以上となるように濃度調節した。
【0108】そして上記状態のキヤノン製フルカラー複
写機CLC500改造機で、イエロー(Y)・シアン
(C)の重ね合わせ画像であるグリーン(G)について
光沢度15〜20の定着条件で出し、このとき各色の最
高濃度で重なり合った部分をコダック社製のカラーパッ
チとの色調差で評価した。
【0109】評価については5段階で行い、画像の明度
*、彩度C*、色相角h*についてCMC(1:1)の
色度差式を導入し、比較例1の値を100としたとき
【0110】
【数3】 ΔE>110=× 100<ΔE≦110=△× 90<ΔE≦100=△ 70<ΔE≦ 90=○△ ΔE≦ 70=○ (ΔE:色度差) と評価した。
【0111】CMCの式とはJournal of t
he Society of Dyers and C
olourists,100 128(1984)に提
案されている色度式で明度L*、彩度C*、色相角h*
視感の補正を加えて評価するものであり、下記式で示さ
れる。 ΔE=[(ΔL*/ISL)2+(ΔC*/cSc)2
(ΔH*/SH)21/2 (ISL:明度ΔL*に対する補正係数、cSc:彩度
ΔC*に対する補正係数、SH:色相角ΔH*に対する補
正係数)
【0112】またその非画像部の反射率より、白紙を測
定したときの反射率を差し引いたものをカブリ反射率と
しカブリ濃度として評価した。ここで反射率の測定には
TC−6DS(東京電色製)を用いた。
【0113】(4)トランスペアレンシー透過画像評価
方法 トランスペアレンシー画像の透過率は以下の如く評価す
る。
【0114】市販のフルカラー複写機(CLC500;
キヤノン社製)改造機を使用して、トランスペアレンシ
ーシート上(CG3300:3M製)に温度23度/湿
度65%RHの環境下で、現像コントラスト320Vに
て現像転写し、階調を有する未定着トナー画像を得た。
得られたものを、定着ローラーの表面がフッ素系樹脂で
ある外部定着器(オイル塗布機能なし;ローラー径40
φ)にて、定着温度180度、プロセススピード30m
m/secで、定着画像を得た。
【0115】得られた定着画像の画像濃度0.4〜0.
6の箇所の透過率を測定した。
【0116】透過率の測定は、島津自己分光光度計UV
2200(島津製作所社製)を使用し測定した。そし
て、トランスペアレンシーシート単独の透過率を100
%とし、600nmでの最大吸収波長における透過率を
測定した。
【0117】なお、下記の基準で評価した。 ○: 透過率が80%以上 ○△:透過率が65%以上80%未満 △ :透過率が50%以上65%未満 × :透過率が50%未満
【0118】また、透過光の色空間測定については、得
られた画像をオーバーヘッドプロジェクター(OHP:
3M社製 9550)にて透過画像とし、白色壁面に投
影した画像を分光放射輝度計(フォトリサーチ社製 P
R650)にて測定した。
【0119】そしてその白色壁面に投影した画像の色相
角h*(OHP)と先の紙上におけるベタ部の色相角h*
(紙)との角度差Δh*を、下記に示すように定義し5
段階評価で示した。
【0120】
【数4】 Δh*>30=× 20<Δh*≦30=△× 10<Δh*≦20=△ 5<Δh*≦10=○△ Δh*≦ 5=○ (Δh*:色度差) と評価した。
【0121】
【実施例】以下実施例に基づいて、本発明を具体的に説
明する。尚、以下の配合における部数は特に記載がない
限り重量部である。
【0122】(着色剤の製造例1〜3)C.I.Pi
g.Y17顔料の製造工程において、顔料化する直前の
溶液に水性ロジンを0.2mol%添加し、その後塩化
カルシウムを0.5mol%添加することで顔料を沈降
させた。
【0123】そしてこの沈降物を濾過し、乾燥・粉砕・
分級してロジン処理顔料1を得た。エタノール中での顔
料粒径は0.04μm、加熱減量は0.2%であった。
【0124】また、この時粉砕・分級条件の調整により
ロジン処理顔料2及び3を得た。
【0125】(着色剤の製造例4)着色剤の製造例1の
中で水性レジンを添加しない他は、着色剤の製造例1と
同様に処理し顔料4を得た。
【0126】(着色剤の製造例5)着色剤の製造例1の
中で、水性レジンの替わりに水酸化アルミニウムを添加
し、顔料を吸着成長、その後沈降させ、アルミニウム処
理顔料5を得た。
【0127】表1に各顔料の物性を示す。
【0128】
【表1】
【0129】<実施例1>0.1MのNa3PO4水溶液
と1MのCa Cl2水溶液を用意する。高速撹拌装置T
K式ホモミキサーを備えた2リットル用四つ口フラスコ
中に、イオン交換水710部と0.1M−Na3PO4
溶液450部を添加し、回転数を12000rpmに調
整し、65℃に加温せしめた。ここに1MのCa Cl2
水溶液68部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散剤C
3(PO42を含む分散媒系を調製した。
【0130】一方、分散質系は、 スチレン単量体 165部 n−ブチルアクリレート単量体 35部 着色剤(Y1) 7部 飽和ポリエステル 10部 (テレフタール酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA 酸価15,ピーク分子量;6000) サリチル酸金属化合物 2部 エステルワックス(極大ピーク値64.4℃) 20部 上記混合物をアトライターを用いて3時間分散させた
後、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4’−
ジメチルバレロニトリル)2部を添加し分散物を分散媒
体中に投入し回転数を維持しつつ15分間造粒した。そ
の後高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を変え5
0回転で撹拌しつつ内温を60℃で4時間、その後80
℃に昇温させ4時間重合を計8時間継続させた。重合終
了後スラリーを冷却し、奇塩酸を添加し分散剤を除去せ
しめた。
【0131】更に洗浄し乾燥を行うことで、コールター
カウンターで測定したイエロートナーの重量平均径は
6.7μmで、疎水化処理酸化チタンを2%外添し、流
動性に優れたトナーを得、このトナー7部に対し、アク
リル樹脂コーティングされたフェライトキャリア93部
を混合し現像剤とし、キヤノン製フルカラー複写機CL
C500改造機にて光沢15の画像及びトランスペアレ
ンシー画像を得て、その評価を行った。
【0132】すると紙上の画像とトランスペアレンシー
透過画像との間に色相角の変化はほとんどなく、OHP
透明性にも優れたものであった。
【0133】また、顔料をC.I.Pig.B15:3
6部に変更した他は同様の方法でシアントナーを製造
し、上記イエロートナーと共に二次色であるグリーンの
再現性も確認したところ、鮮明なグリーン画像が得られ
た。
【0134】<比較例1>実施例1の処方の中で、着色
剤をY1からC.I.Pig.Y83 7部に変更した
他は全て実施例1と同様にして、イエロートナーを製造
した。
【0135】<比較例2>実施例1の処方の中で、着色
剤をY1からY3 7部に変更した他は全て実施例1と
同様にして、イエロートナーを製造した。
【0136】<比較例3>実施例1の処方の中で、着色
剤をY1からY5に変更した他は全て実施例1と同様に
して、イエロートナーを製造した。
【0137】<実施例2及び3>実施例1の処方の中
で、着色剤をY1からY4 各7部に変更した他は全て
実施例1と同様にして、イエロートナーを製造した。
【0138】<実施例4>プロポキシ化ビスフェノール
とフマル酸、トリメリット酸を縮合して得られたポリエ
ステル樹脂(Mn=2500,Mw=21000,Tg
=59℃,酸価=9)100部に対して Y1 5部 サリチル酸金属化合物 2部 エステルワックス(極大ピーク値69.4℃) 2部 を加えて溶融・混練・粉砕・分級しイエロー粒子を得
た。該イエロー粒子の重量平均径は6.7μmで個数変
動係数が38%であり、SF−1が165、SF−2が
155であった。
【0139】<比較例4>実施例4の処方の中で、分級
条件を変更した他は全て実施例4と同様の操作を行いイ
エロー粒子を得た。該イエロー粒子の重量平均径は1
1.5μmで個数変動係数が38%であり、SF−1が
145、SF−2が156であった。
【0140】下記に各トナーの特性とその評価を示す。
【0141】
【表2】
【0142】
【発明の効果】本発明によれば、光沢度の低い画像上で
鮮明な色彩が得られ、かつバランスの取れた色相及び優
れたトランスペアレンシー透過性を有している画像を得
ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも黄色着色剤を含有するトナー
    において、 トナー中における該着色剤が個数平均径0.01〜0.
    70μmの一次粒径を有する下記に示す化合物(I)で
    あり、 【化1】 該トナーの重量平均径が3〜9μmであり、且つ、 該イエロートナーの光沢度が50以下の単色定着画像に
    おいて、その色相角h*及び明度L*が 85≦h*(Y)≦100、 80≦L*(Y)≦110 を示すことを特徴とするイエロートナー。
  2. 【請求項2】 該着色剤が樹脂処理された顔料であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のイエロートナー。
  3. 【請求項3】 該着色剤の個数平均径が0.01〜0.
    40μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載
    のイエロートナー。
  4. 【請求項4】 該トナーが少なくとも該着色剤を含有し
    た重合性単量体系を重合し、直接トナー粒子として得た
    ものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載のイエロートナー。
  5. 【請求項5】 該イエロートナーの形状係数SF1及び
    SF2が、それぞれ 100≦SF1≦150 100≦SF2≦140 であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記
    載のイエロートナー。
  6. 【請求項6】 少なくとも黄色着色剤を含有する重合性
    単量体系を重合して直接トナー粒子として得られるイエ
    ロートナーの製造方法において、 アルコール系有機溶媒中での粒度分布が個数平均径にし
    て0.01〜0.70μmである着色剤を、重合性単量
    体中に含有せしめた後重合することを特徴とするイエロ
    ートナーの製造方法。
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JP2007094351A (ja) * 2005-09-05 2007-04-12 Ricoh Co Ltd 画像形成用イエロートナー及びそれを用いた静電潜像現像用現像剤

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