JP2002169323A - トナー - Google Patents

トナー

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JP2002169323A
JP2002169323A JP2000366078A JP2000366078A JP2002169323A JP 2002169323 A JP2002169323 A JP 2002169323A JP 2000366078 A JP2000366078 A JP 2000366078A JP 2000366078 A JP2000366078 A JP 2000366078A JP 2002169323 A JP2002169323 A JP 2002169323A
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fine particles
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JP2000366078A
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English (en)
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Kazunori Shigemori
和法 重森
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久印字を行っても、フィルミングや灰色斑
点の発生がないトナー、及び該トナーの製造方法を提供
する。 【解決手段】 球形度が1〜1.3である実質的に球形
の着色粒子と、平均粒径が0.05〜1μm、球形度が
1〜1.3の球形の有機微粒子と、平均粒径が0.03
〜1μm、球形度が1〜1.3の球形のシリカ微粒子
(A)とを混合させた後、目開きが53μm以上の篩を
2度通過させることよって、トナー中に存在する45μ
m以上の凝集体量がトナー重量に対して0.005重量
%以下であるトナーを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法等によって形成される静電潜像を現像するための
トナー、及び該トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真装置や静電記録装置
等の画像形成装置において形成される静電潜像は、先
ず、トナーにより現像され、次いで、形成されたトナー
像は、必要に応じて紙等の転写材上に転写された後、加
熱、加圧、溶剤蒸気など種々の方式により定着される。
トナーとしては、一般に、結着樹脂成分となる熱可塑性
樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、離型剤等を溶融混合し
て均一に分散させて組成物とした後、該組成物を粉砕、
分級することにより着色粒子を得る粉砕法による粉砕ト
ナー、あるいは結着樹脂原料である重合性単量体中に着
色剤、帯電制御剤、離型剤等を溶解あるいは分散させ、
重合開始剤を添加後、重合温度に加温し、重合後、濾
過、洗浄、脱水、乾燥することにより着色粒子を得る重
合トナーとが一般的に使用されている。こうした方法に
より、ある程度優れた特性を有するトナーを製造するこ
とはできるが、より高画質であること、高温高湿や低温
低湿などの劣悪な環境下でも安定した画質を与えること
など画質の向上に関する要請は高まる一方である。
【0003】こうした要請に、結着樹脂の設計や、帯電
制御剤や離型剤などの機能性成分を含有させることで対
応する提案がされているほか、得られた着色粒子に、有
機又は無機の微粒子に代表される外添剤を添加して、ト
ナーの画質向上を図る提案もある。また、得られる画像
に欠陥を発生させる原因としてトナーの製造中に発生あ
るいは混入するトナーの粗粒子や外添剤として添加した
微粒子の凝集体等を取り除く目的で、外添剤を添加した
後のトナーを篩に通す方法が提案されている。
【0004】例えば、特開平9−304968号公報
は、重量平均粒子径が3〜15μmの着色粒子と、外添
剤と混合した後、目開きが重量平均粒子径に対して2〜
35倍である綾織りの網の篩で処理することを特徴とす
るトナーの製造方法が開示されている。特開2000−
75540号公報には、トナー粒子と、平均一次粒径が
50nm以下の無機微粒子と含有するトナーにおいて、
トナー粒子と該無機微粒子を混合した後に超音波を照射
し、該無機微粒子の53μm以上の凝集体量がトナー重
量に対し0.01重量%未満であることを特徴とするト
ナー及び該トナーの製造方法が開示されている。また、
特開平01−202761号公報には、100メッシュ
の篩を通した後、更に150〜200メッシュの篩を通
過し得る寸法に形成されるトナーが提示されている。
【0005】しかしながら、本発明者らの検討結果によ
ると、特開平9−304968号公報の製造方法及びそ
れにより得られるトナーでは、篩の目開きの規定が幅広
く、使用する篩の目開きが小さいと処理時間が大幅に伸
び、しかも目開きの小さな篩はそれに使用される針金が
細くなるために切れ易く、生産性が著しく低下し、逆に
目開きが大きな篩を使用すると灰色斑点の発生を抑えら
れない。特開2000−75540号公報で得られるト
ナーでは、灰色斑点の発生を抑える効果が不十分であ
り、かつ上述したように使用する篩の目開きが小さいた
めに、生産性が著しく低下する。また、特開平01−2
02761号公報で得られるトナーでも、耐久時の灰色
斑点の発生を抑制することは困難であることが分かっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、着色
粒子に、流動性、帯電均一性及び耐久印字性能の付与の
ために有機微粒子およびシリカ微粒子を添加してもフィ
ルミング及び灰色斑点の発生がないトナー、また、該ト
ナーを製造するに当り、生産性を低下させることのない
製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意研究した結果、特定の着色粒子と、
特定の有機微粒子及びシリカ微粒子(A)とを含有する
トナーにおいて、トナー中に存在する45μm以上の凝
集体量がトナー重量に対して特定量以下であるトナーを
用いることによって、上記目的を達成できることを見い
だし、この知見によって、本発明を完成するに到った。
かくして本発明によれば、着色粒子と、平均粒径が0.
1〜1μmの有機微粒子と、平均粒径が0.1〜1μm
のシリカ微粒子とを含有するトナーにおいて、トナー中
に存在する45μm以上の凝集体量がトナー重量に対し
て0.005重量%以下であるトナーが提供される。ま
た、本発明によれば、着色粒子と、平均粒径が0.05
〜1μmの有機微粒子と、平均粒径が0.03〜1μm
のシリカ微粒子とを混合させた後、目開きが53〜25
0μmの篩を少なくとも2度通過させるトナーの製造方
法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明のトナーは、着色粒子と、有機微粒子及びシリカ
微粒子(A)を含有してなる。
【0009】本発明に使用される着色粒子は着色剤及び
結着樹脂を含有してなり、例えば、 結着樹脂成分となる熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電
制御剤、離型剤等を溶融混合して均一に分散させて組成
物とした後、該組成物を粉砕、分級することにより着色
粒子を得る粉砕法、結着樹脂原料である重合性単量体
中に着色剤、帯電制御剤、離型剤等を溶解あるいは分散
させ、重合開始剤を添加後、分散安定剤を含有する水系
分散媒体中に懸濁させ、所定温度まで加温して重合を開
始し、重合終了後に濾過、洗浄、脱水、乾燥することに
より着色粒子を得る懸濁重合法、乳化重合や懸濁重合
により得た結着樹脂の粒子と、着色剤並びに帯電制御剤
を含有してなる粒子とを、結着樹脂のガラス転移温度よ
り高い温度で攪拌して会合させた粒子を、濾過、乾燥す
ることにより着色粒子を得る会合法、親水性基含有樹
脂を結着樹脂とし、それに着色剤等を添加して有機溶媒
に溶解させた後、該樹脂を中和して転相、その後乾燥す
ることにより着色粒子を得る転相乳化法等により製造す
ることができるが、ドット再現性の良好な画質を与える
トナーを得る観点から、懸濁重合法により得られたトナ
ーを使用することが好ましい。また、着色粒子は異なる
重合体を組み合わせて得られるカプセル構造(以下、コ
アシェル構造ということがある。)にすることもでき
る。
【0010】着色粒子の球形度は、特に限定されない
が、通常1〜1.3である。球形度が大きいと転写性が
低下することがある。また、着色粒子の粒径は、通常、
体積平均粒径(dv)が3〜12μm、好ましくは4〜
10μmであり、体積平均粒径と個数平均粒径(dn)
の比(dv/dn)が1〜1.3の範囲のものであるの
が望ましい。本発明において球形度は、粒子の絶対最大
長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質投影面積
(Sr)で割った値(Sc/Sr)である。
【0011】結着樹脂の具体例としては、従来からトナ
ーに広く用いられている樹脂類、例えば、ポリスチレ
ン、ポリp−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等の
スチレンおよびその置換体の重合体;スチレン−p−ク
ロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合
体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビ
ニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル
共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチ
レン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル
酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共
重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチ
レン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−ク
ロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共
重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、ス
チレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン
−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル
共重合体等のスチレン共重合体;ポリメチルメタクリレ
ート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポ
リアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ
アクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、
フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳
香族系石油樹脂等が挙げられ、これらは単独あるいは混
合して使用できる。
【0012】結着樹脂を製造するために用いられる好ま
しい重合性単量体として、モノビニル単量体を使用する
ことができる。具体的にはスチレン、ビニルトルエン、
α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;アクリル
酸、メタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、ア
クリル酸イソボニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メ
タクリル酸イソボニル、アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル酸
またはメタクリル酸の誘導体;エチレン、プロピレン、
ブチレン等のモノオレフィン単量体;酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエー
テル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;ビニ
ルメチルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニ
ルケトン;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、
N−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル化合物;等のモ
ノビニル系単量体が挙げられる。モノビニル単量体は、
単独で用いてもよいし、複数の単量体を組み合わせて用
いてもよい。これらモノビニル系単量体のうち、スチレ
ン系単量体や、スチレン系単量体とアクリル酸もしくは
メタクリル酸の誘導体との併用などが好適に用いられ
る。
【0013】結着樹脂を製造するにあたり、架橋性単量
体や架橋性重合体などの架橋性化合物を重合性単量体と
共に用いることはホットオフセット改善に有効である。
架橋性単量体は、2以上の重合可能な炭素−炭素不飽和
二重結合を有する単量体である。具体的には、ジビニル
ベンゼン、ジビニルナフタレン、およびこれらの誘導体
等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等
のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジ
ビニルアニリン、ジビニルエーテル等の2個のビニル基
を有するその他のジビニル化合物;ペンタエリスリトー
ルトリアリルエーテルやトリメチロールプロパントリア
クリレート等の3個以上のビニル基を有する化合物等を
挙げることができる。等のその他のジビニル化合物;3
個以上のビニル基を有する化合物等を挙げることができ
る。架橋性重合体は、重合体中に2個以上のビニル基を
有する重合体のことであり、具体的には、分子内に2個
以上の水酸基を有するポリマー(水酸基含有ポリエチレ
ン、水酸基含有ポリプロピレン、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等)と、アクリル酸やメ
タクリル酸等のエチレン性不飽和カルボン酸とのエステ
ル等を挙げることができる。これらの架橋性単量体およ
び架橋性重合体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上
組み合わせて用いることができる。使用量は、重合性単
量体100重量部当たり、通常10重量部以下、好まし
くは、0.1〜2重量部である。こうした重合性単量体
や架橋性化合物が重合して結着樹脂となる。
【0014】結着樹脂を製造するために用いる重合開始
剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の
過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、
2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸
塩、2,2’−アゾビス−2−メチル−N−1,1’−
ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルプロ
ピオアミド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニ
トリル)等のアゾ化合物;メチルエチルパーオキシド、
ジ−t−ブチルパーオキシド、アセチルパーオキシド、
ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベン
ゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート、t−ブチルパーブチルネオデカノエ
ート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエー
ト、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパ
ーオキシピバレート、ジ−イソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレー
ト、1,1’,3,3’−テトラメチルブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ
イソブチレート等の過酸化物類などを例示することがで
きる。また、これら重合開始剤と還元剤とを組み合わせ
たレドックス開始剤を挙げることができる。
【0015】こうした中でも特に、使用される重合性単
量体に可溶な油溶性の重合開始剤を選択することが好ま
しく、必要に応じて水溶性の重合開始剤をこれと併用す
ることもできる。上記重合開始剤は、重合性単量体10
0重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは
0.3〜15重量部、更に好ましくは0.5〜10重量
部用いる。また、結着樹脂を製造するにあたり、更に分
子量調整剤などを添加することもできる。
【0016】着色粒子に含まれる着色剤としては、カー
ボンブラック、チタンホワイトの他、あらゆる顔料およ
び/または染料を用いることができる。黒色のカーボン
ブラックは、一次粒径が20〜40nmであるものを用
いる。20nmより小さいとカーボンブラックの分散が
得られず、かぶりの多いトナーになる。一方、40nm
より大きいと、多価芳香族炭化水素化合物の量が多くな
って、環境安全上の問題が起こることがある。
【0017】フルカラートナーを得る場合、通常、イエ
ロー着色剤、マゼンタ着色剤およびシアン着色剤を使用
する。イエロー着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環
系顔料等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピ
グメントイエロー3、12、13、14、15、17、
62、65、73、83、90、93、97、120、
138、155、180および181等が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環系顔料
等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメン
トレッド48、57、58、60、63、64、68、
81、83、87、88、89、90、112、11
4、122、123、144、146、149、16
3、170、184、185、187、202、20
6、207、209、251、C.I.ピグメントバイ
オレット19等が挙げられる。シアン着色剤としては、
銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキ
ノン化合物等が利用できる。具体的にはC.I.ピグメ
ントブルー2、3、6、15、15:1、15:2、1
5:3、15:4、16、17、および60等が挙げら
れる。こうした着色剤の使用量は、結着樹脂または重合
性単量体100重量部に対して1〜10重量部である。
【0018】トナーの性能を向上させるため、離型剤や
負帯電性の帯電制御剤などが添加できる。離型剤として
は、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロ
ピレン、低分子量ポリブチレンなどの低分子量ポリオレ
フィンワックス類や分子末端酸化低分子量ポリプロピレ
ン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量末端変性
ポリプロピレンおよびこれらと低分子量ポリエチレンの
ブロックポリマー、分子末端酸化低分子量ポリエチレ
ン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量ポリエチ
レンおよびこれらと低分子量ポリプロピレンのブロック
ポリマーなどの末端変性ポリオレフィンワックス類;キ
ャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなど
の植物系天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタ
リン、ペトロラクタムなどの石油系ワックスおよびその
変性ワックス;モンタン、セレシン、オゾケライト等の
鉱物系ワックス;フィッシャートロプシュワックスなど
の合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステ
ート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサミリステートなどの多官能エ
ステル化合物などが挙げれられる。これらは1種あるい
は2種以上を混合して使用することができる。
【0019】これらのうち、合成ワックス(特にフィッ
シャートロプシュワックス)、末端変性ポリオレフィン
ワックス類、石油系ワックス、多官能エステル化合物な
どが好ましい。多官能エステル化合物のなかでも示差走
査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時
の吸熱ピーク温度が30〜200℃、好ましくは40〜
160℃、更に好ましくは50〜120℃の範囲にある
ペンタエリスリトールエステルや、同吸熱ピーク温度が
50〜80℃の範囲にあるジペンタエリスリトールエス
テルなどの多価エステル化合物が、トナーとしての定着
−剥離性バランスの面で特に好ましく、その中でも、分
子量が1000以上であり、スチレン100重量部に対
し25℃で5重量部以上溶解し、酸価が10mg/KO
H以下のものは、定着温度低下に顕著な効果を示すので
更に好ましい。吸熱ピーク温度は、ASTM D341
8−82によって測定された値である。上記離型剤は、
結着樹脂または結着樹脂を得るために用いる重合性単量
体100重量部に対して、0.5〜50重量部、好まし
くは1〜20重量部を用いる。
【0020】帯電制御剤は、トナーの帯電性を向上させ
るために、着色粒子中に含有させることが好ましい。帯
電制御剤としては、各種の帯電制御剤を用いることがで
きる。帯電制御剤としては、例えば、ボントロンN01
(オリエント化学社製)、ニグロシンベースEX(オリ
エント化学社製)、スピロンブラックTRH(保土ケ谷
化学社製)、T−77(保土ケ谷化学社製)、ボントロ
ンS−34(オリエント化学社製)、ボントロンE−8
1(オリエント化学社製)、ボントロンE−84(オリ
エント化学社製)、ボントロンE−89(オリエント化
学社製)、ボントロンF−21(オリエント化学社
製)、COPY CHRGE NX(クラリアント社
製)、COPY CHRGE NEG (クラリアント
社製)、TNS−4−1(保土ケ谷化学社製)、TNS
−4−2(保土ケ谷化学社製)、LR−147(日本カ
ーリット社製)等の帯電制御剤、特開平11−1519
2号公報、特開平3−175456号公報、特開平3−
243954号公報などに記載の4級アンモニウム
(塩)基含有共重合体や特開平3−243954号公
報、特開平1−217464号公報、特開平3−158
58号公報などに記載のスルホン酸(塩)基含有共重合
体等の帯電制御剤(帯電制御樹脂)を用いることができ
る。帯電制御樹脂は、結着樹脂との相溶性が高く、無色
であり高速でのカラー連続印刷においても帯電性が安定
したトナーを得ることができる点で好ましい。帯電制御
剤は、結着樹脂または重合性単量体100重量部に対し
て、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜
7重量部の割合で用いられる。
【0021】着色粒子は磁性材料を含有していても良
い。この場合使われる材料としては、マグネタイト、γ
−酸化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライト等の酸化
鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれ
らの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシ
ウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、
カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、
タングステン、バナジウムのような金属との合金および
その混合物等があげられる。
【0022】重合法による製造は、通常、懸濁重合法、
乳化重合法、分散重合法などによって行われる。重合を
安定に行うために、反応液に分散安定剤を添加すること
ができる。分散安定剤としては、例えば、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウムなどの硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;リン酸カ
ルシウムなどのリン酸塩;酸化アルミニウム、酸化チタ
ン等の金属酸化物;などの金属化合物や、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の金属水
酸化物;ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼ
ラチン等水溶性高分子;アニオン性界面活性剤、ノニオ
ン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができ
る。これらのうち、金属化合物、特に難水溶性の金属水
酸化物のコロイドを含有する分散安定剤は、重合体粒子
の粒径分布を狭くすることができ、また分散剤の洗浄後
の残存性が少なく、画像の悪い影響が少ないので好適で
ある。
【0023】難水溶性金属水酸化物のコロイドを含有す
る分散安定剤は、その製法による制限はないが、水溶性
多価金属化合物の水溶液のpHを7以上に調整すること
によって得られる難水溶性の金属水酸化物のコロイド、
特に水溶性多価金属化合物と水酸化アルカリ金属塩との
水相中の反応により生成する難水溶性の金属水酸化物の
コロイドを用いることが好ましい。また、水溶性多価金
属塩と水酸化アルカリ金属塩の反応比率は水溶性多価金
属塩に対する水酸化アルカリ金属塩の化学当量比Aは
0.4≦A≦1.0の範囲である。
【0024】難水溶性金属化合物のコロイドは、個数粒
径分布D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.5
μm以下で、D90(個数粒径分布の90%累積値)が
1μm以下であることが好ましい。コロイドの粒径が大
きくなると重合の安定性が崩れ、またトナーの保存性が
低下する。
【0025】分散安定剤は、重合性単量体100重量部
に対して、通常、0.1〜20重量部の割合で使用す
る。この割合が低すぎると、重合体粒子の凝集物が生成
し易くなり、逆に、この割合が高すぎると、トナー粒径
の分布が広くなるので、分級によって、収率が低下す
る。
【0026】着色粒子は、粒子の内部(コア層)と外部
(シェル層)に異なる二つの重合体を組み合わせて得ら
れる構造、所謂コアシェル構造(カプセル構造ともい
う)の粒子とすることができる。コアシェル構造粒子で
は、内部(コア層)の低軟化点物質をそれより高い軟化
点を有する物質で内包化することにより、定着温度の低
温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができ
るので好ましい。コアシェル構造の着色粒子は粉砕法に
より得られたものでも、懸濁重合法や乳化重合法により
得られたものであっても良い。
【0027】コアシェル粒子の場合、コア粒子の体積平
均粒径は特に限定されないが、通常2〜10μm、好ま
しくは2〜9μm、より好ましくは3〜8μmである。
また、体積平均粒径(dv)/個数平均粒径(dp)も
特に限定されないが、通常1.7以下、好ましくは1.
5以下、より好ましくは1.3以下である。
【0028】コアシェル粒子のコア層とシェル層との重
量比率は特に限定されないが、通常80/20〜99.
9/0.1で使用される。シェル層の割合が上記割合よ
り小さいと保存性が悪くなり、逆に、上記割合より大き
いと低温で定着し難くなることがある。
【0029】コアシェル粒子のシェル層の平均厚みは、
通常0.001〜1μm、好ましくは0.003〜0.
5μm、より好ましくは0.005〜0.2μmであ
る。厚みが大きくなると定着性が低下し、小さくなると
保存性が低下する恐れがある。なお、コアシェル構造の
着色粒子を形成するコア粒子はすべての表面がシェル層
で覆われている必要はなく、コア粒子の表面の一部がシ
ェル層で覆われているだけでもよい。コアシェル粒子の
コア粒子径およびシェル層の厚みは、電子顕微鏡により
観察できる場合は、その観察写真から無作為に選択した
粒子の大きさおよびシェル厚みを直接測ることにより得
ることができ、電子顕微鏡でコアとシェルとを観察する
ことが困難な場合は、コア粒子の粒径およびトナー製造
時に用いたシェルを形成する単量体の量から算定するこ
とができる。
【0030】コアシェル粒子を製造する方法としては、
スプレイドライ法、界面反応法、in situ重合
法、相分離法などの方法を採用することができる。特に
insitu重合法や相分離法が、製造効率の点から好
ましい。
【0031】in situ重合法によるカプセルトナ
ーの製造法を以下に説明する。分散安定剤を含有する水
系分散媒体中で、少なくとも重合性単量体(コア用重合
性単量体)、着色剤、および本発明に係わる上述した離
型剤を含有する重合性単量体組成物(コア用単量体組成
物)を懸濁させ、重合開始剤を用いて重合することによ
り、コア粒子を製造し、更に、シェルを形成するための
重合性単量体(シェル用単量体)と重合開始剤を添加
し、重合することでカプセルトナーを得ることができ
る。コア粒子は、上述した懸濁重合法により得られるト
ナーと同じ要領で得ることができる。
【0032】コア用単量体として、上述した重合性単量
体と同じものを例示することができる。なかでも、ガラ
ス転移温度が、通常60℃以下、好ましくは40〜60
℃の重合体を形成しうるものがコア用単量体として好適
である。ガラス転移温度が高すぎると定着温度が高くな
り、逆にガラス転移温度が低すぎると、保存性が低下す
る。通常、コア用単量体は1種または2種以上を組み合
わせて使用することが多い。
【0033】カプセルトナーの場合、コア粒子の体積平
均粒径は、通常2〜10μm、好ましくは2〜9μm、
より好ましくは3〜8μmが好ましい。また、体積平均
粒径(dv)/個数平均粒径(dp)は、通常1.7以
下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下
である。こうした粒径や粒径分布を持つトナーは、上述
した懸濁重合によって得ることができる。
【0034】得られたコア粒子に、シェル用単量体を添
加し、再び重合することでカプセルトナーのシェル層が
形成される。シェル形成の具体的な方法としては、前記
コア粒子を得るために行った重合反応の反応系にシェル
用単量体を添加して継続的に重合する方法、または別の
反応系で得たコア粒子を仕込み、これにシェル用単量体
を添加して段階的に重合する方法などを挙げることがで
きる。シェル成分用単量体は反応系中に一括して添加す
る、またはプランジャポンプなどのポンプを使用して連
続的もしくは断続的に添加することができる。
【0035】シェル用単量体は、コア粒子を構成する重
合体のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有す
る重合体を与えるものであるのが望ましい。シェル用単
量体を構成する単量体として、スチレン、アクリロニト
リル、メチルメタクリレートなどのガラス転移温度が8
0℃を超える重合体を形成する単量体をそれぞれ単独
で、あるいは2種以上組み合わせて使用することができ
る。ここでガラス転移温度は、上述の方法と同様にして
算出された値である。
【0036】シェル用単量体からなる重合体のガラス転
移温度が少なくともコア粒子用単量体からなる重合体の
ガラス転移温度よりも高くなるように設定する必要があ
る。シェル用単量体により得られる重合体のガラス転移
温度は、重合トナーの保存安定性を向上させるために、
通常50〜130℃、好ましくは60〜120℃、より
好ましくは80〜110℃である。コア粒子用単量体か
らなる重合体とシェル用単量体からなる重合体との間の
ガラス転移温度の差は、通常10℃以上、好ましくは2
0℃以上、より好ましくは30℃以上である。
【0037】シェル用単量体を添加する際に、水溶性の
ラジカル開始剤を添加することがカプセルトナーを得や
すくするために好ましい。シェル用単量体の添加の際に
水溶性ラジカル開始剤を添加すると、シェル用単量体が
移行したコア粒子の外表面近傍に水溶性ラジカル開始剤
が進入し、コア粒子表面に重合体(シェル)を形成しや
すくなるからであると考えられる。
【0038】水溶性ラジカル開始剤としては、過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−
アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビ
ス−2−メチル−N−1,1’−ビス(ヒドロキシメチ
ル)−2−ヒドロキシエチルプロピオアミド等のアゾ系
開始剤;クメンパーオキシド等の油溶性開始剤とレドッ
クス触媒の組合せ;などを挙げることができる。水溶性
ラジカル開始剤の量は、水系媒体基準で、通常、0.0
01〜1重量%である。
【0039】コア用単量体およびシェル用単量体は、通
常80/20〜99.9/0.1(重量比)で使用され
る。シェル用単量体の割合が過小であると保存性改善効
果が小さく、逆に、過大であると定着温度の低減の改善
効果が小さくなる。
【0040】外添剤は、有機微粒子及びシリカ微粒子
(A)を含有する。有機微粒子は、その体積平均粒径が
0.05〜1μm、好ましくは0.1〜0.8μmであ
る。球形度は特に限定されないが、通常1〜1.3、好
ましくは1〜1.2の球形のものである。体積平均粒径
が小さすぎるとフィルミングの発生が防止できない場合
があり、逆に大きすぎると流動性が低下する場合があ
る。球形度が大きすぎると流動性が低下する場合があ
る。
【0041】有機微粒子のガラス転移温度は特に限定さ
れないが、粒子同士のブロッキングを抑制するという点
から、微粒子を構成する化合物のガラス転移温度は、通
常60〜250℃、好ましくは80〜200℃である。
有機微粒子を構成する化合物として、アクリル酸エステ
ル重合体、メタクリル酸エステル重合体、スチレン−ア
クリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エ
ステル共重合体、ウレタン重合体、ポリアミド重合体、
塩化ビニル重合体、塩化ビニリデン重合体、セルロース
等が挙げられ、これらの中でも、メタクリル酸エステル
重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体が好
ましい。具体的には、メタクリル酸メチル重合体、スチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体が挙げられ、これら
の中でも、コアがスチレン重合体でシェルがメタクリル
酸エステル共重合体で形成されたコアシェル型粒子が好
ましい。
【0042】有機微粒子の添加量は特に限定されない
が、着色粒子100重量部に対して、通常0.05〜1
重量部、好ましくは0.1〜0.5重量部である。この
量が少ないとフィルミングが起こり易く、逆に多くなる
と流動性が悪くなりカスレ易くなることがある。
【0043】シリカ微粒子(A)は、その体積平均粒径
が0.03〜1μm、好ましくは0.05〜0.5μm
である。球形度は特に限定されないが、通常1〜1.
3、好ましくは1〜1.2の球形のものである。体積平
均粒径が小さすぎるとフィルミングの発生が防止できな
い場合があり、逆に大きすぎると流動性が低下する場合
がある。球形度が大きすぎると流動性が低下する場合が
ある。
【0044】シリカ微粒子(A)は、メタノール法とい
う方法で測定される疎水化度が通常30〜90%、好ま
しくは40〜80%である。疎水化度が小さいと環境に
よる影響が大きく、特に高温高湿条件下でカブリが発生
し易くなることがある。
【0045】シリカ微粒子(A)の添加量は特に限定さ
れないが、着色粒子100重量部に対して、通常0.0
5〜1重量部、好ましくは0.1〜0.5重量部用い
る。添加量が少ないと研磨効果が小さくなり、フィルミ
ングの発生を押さえられなくなり、逆に多いと流動性が
悪くなり、カスレが発生し易くなることがある。
【0046】本発明のトナーには、上述した有機微粒子
及びシリカ微粒子(A)の他に、シリカ微粒子(A)以
外の無機微粒子を外添剤として含有することができる。
その場合、無機微粒子は、体積平均粒径が5〜40n
m、好ましくは10〜30nmの、シリカ又は酸化チタ
ンが好ましい。体積平均粒径が小さすぎると低温低湿時
にチャージアップして印字濃度が低下することがあり、
逆に大きすぎると高温高湿時に帯電量が低下してカブリ
が多くなることがある。
【0047】無機微粒子は、メタノール法という方法で
測定される疎水化度が通常30〜90%、好ましくは4
0〜80%である。疎水化度が小さいと環境による影響
が大きく、特に高温高湿条件下でカブリが発生し易くな
ることがある。
【0048】無機微粒子の添加量は特に限定されない
が、着色粒子100重量部に対して、通常0.05〜1
重量部、好ましくは0.1〜0.5重量部用いる。添加
量が少ないと研磨効果が小さくなり、フィルミングの発
生を抑えられなくなり、逆に多いと流動性が悪くなり、
カスレが発生し易くなる。
【0049】本発明のトナーは、着色粒子と、有機微粒
子及びシリカ微粒子(A)とを混合させた後、トナー中
に存在する45μm以上の凝集体量がトナー重量に対し
て0.005重量%以下、好ましくは0.003重量%
以下である。凝集体量が多いと、灰色斑点の発生が多く
なる。
【0050】本発明のトナーは、その製法によって特に
限定されないが、好適には着色粒子と、平均粒径が0.
05〜1μmの有機微粒子と、平均粒径が0.03〜1
μmのシリカ微粒子(A)とを混合させた後、目開きが
53〜250μmの篩を少なくとも2度通過させて製造
する。
【0051】着色粒子と、外添剤である有機微粒子及び
シリカ微粒子(A)とは、ヘンシェルミキサー等の高速
攪拌機で混合する。その際、有機微粒子及びシリカ微粒
子(A)は、ヘンシェルミキサー等で予め解砕しておく
ことが好ましく、それらはそれぞれ単独で行っても良
く、混合した後に行っても良い。
【0052】篩の目開きは、好ましくは74〜177μ
m、更に好ましくは88〜125μmである。目開きが
53μmより小さいと篩を通過するのに時間がかかり、
生産性が著しく低下し、逆に250μmより大きいと灰
色斑点の発生を抑えることができなくなる。2度以上通
過させる篩の目開きは、先に目開きの大きいものを使用
し、次にそれより小さいものを使用しても、その逆に目
開きの小さいものを先に大きいものを後に使用しても、
また、目開きの同じ物を使用しても良い。
【0053】篩を通過させる方法は、特に限定されない
が、篩に機械的に縦あるいは横に振動を与える方法、ま
たは篩に超音波の振動を与える方法、あるいはブロワー
等で吸引して風力を利用する方法等がある。単位時間当
たりに篩を通過させるトナー量(処理量)に関しては特
に制限されないが、生産性を考慮して、振動を与える方
法では0.2〜3t/m・hr、好ましくは0.5〜
2t/m・hrであり、風力を利用する方法では1〜
10t/m・hr、好ましくは2〜5t/m・hr
である。
【0054】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて、本発
明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施
例のみに限定されるものではない。なお、部および%
は、特に断りのない限り重量基準である。本実施例で
は、以下の方法で評価した。
【0055】[評価方法] (体積平均粒径と粒径分布)着色粒子の体積平均粒径
(dv)及び粒径分布即ち体積平均粒径と個数平均粒径
(dp)との比(dv/dp)は、マルチサイザー(ベ
ックマン・コールター社製)により測定した。このマル
チサイザーによる測定は、アパーチャー径:100μ
m、媒体:イソトンII、濃度10%、測定粒子個数:
100000個の条件で行った。 (個数平均粒径)シリカ、有機微粒子の個数平均粒径
は、各粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、その写真を画像
処理解析装置ルーゼックスIID〔(株)ニレコ製〕に
より、フレーム面積に対する粒子の面積率:最大2%、
トータル処理粒子数:100個の条件で円相当径を算出
し、その平均値を求めた。
【0056】(球形度)粒子の絶対最大長を直径とした
円の面積(Sc)を粒子の実質投影面積(Sr)で割っ
た値の球形度(Sc/Sr)は、各粒子の電子顕微鏡写
真を撮影し、その写真を画像処理解析装置ルーゼックス
IID〔(株)ニレコ製〕により、フレーム面積に対す
る粒子の面積率:最大2%、トータル処理粒子数:10
0個の条件で測定し、計算した100個についての平均
値である。
【0057】(疎水化度)メタノール法による疎水化度
は次に示す測定方法に従って求める。処理された無機微
粒子0.2gを500mlのビーカーに秤取り、純水5
0mlを加え、マグネティックスターラーで攪拌しなが
ら、液面下へメタノールを加えていく。液面上に試料が
認められなくなった点を終点とし、次式により疎水化度
を算出する。 疎水化度(%)=(X/(50+X))×100 X;メタノール使用量(ml)
【0058】(凝集体量)トナー1000gを秤量し、
ステンレス製325メッシュ篩にトナーを徐々に供給し
て、篩の裏側よりトナーを吸引した。篩上に残った凝集
物をメタノールで洗浄した後、篩ごと乾燥し、秤量し
た。予め測定しておいた篩の重量を引いて、45μm以
上の凝集体重量(Wg)とし、以下の式から凝集体量を
換算した。45μm以上の凝集体量(Wt%)=(W/
1000)×1000
【0059】(カブリ)市販の非磁性一成分現像方式の
プリンター(20枚機)にコピー用紙をセットして、こ
のプリンターの現像装置に評価する現像剤を入れ、温度
23℃及び湿度50%の(N/N)環境、温度35℃及
び湿度80%の(H/H)環境の各環境下で一昼夜放置
後、5%印字濃度で連続印字を行い、印刷初期後(10
枚印字時)と3万枚印字後に、印字を途中で停止させ、
現像後の感光体上の非画像部のトナーを粘着テープ(住
友スリーエム社製スコッチメンディングテープ810−
3−18)に付着させた。それを印字用紙に貼り付け、
その白色度(B)を白色度計(日本電色製)で測定し
た。同様に、粘着テープだけを印字用紙に貼り付け、そ
の白色度(A)を測定した。カブリ値は、カブリ(%)
=(A−B)の計算式で算出した。この値の小さい方
が、カブリが少ないことを示す。
【0060】(フィルミング)市販の現像とクリーニン
グを同時に行う非磁性一成分現像方式のプリンター(2
0枚機)に、評価するトナーを入れ、温度23℃及び湿
度50%(N/N)環境下でー昼夜放置後、5%印字濃
度で連続印字を行い、500枚毎にハーフトーンの印字
をさせて、白くぼけたフィルミングの発生する枚数をカ
ウントした。最終印字枚数は3万枚である。表中に数字
の記載のないものは、3万枚連続印字してもフィルミン
グが発生しなかったことを示す。
【0061】(灰色斑点)市販の非磁性一成分現像方式
のプリンター(20枚機)にコピー用紙をセットして、
このプリンターの現像装置に評価する現像剤を入れ、温
度23℃及び湿度50%の(N/N)の環境下、5%印
字濃度で、1枚毎、連続に印字を行い、印刷初期〜3万
枚印字までに、印字途中で白地に発生する灰色斑点の有
無を確認し、発生印字枚数を調べた。
【0062】(生産性)外添処理したトナーを10gを
秤量し、各目開きの篩に乗せ、その篩を粉体測定機(細
川ミクロン社製;商品名「パウダーテスター」)を用い
て、振動強度目盛4の条件で、振動させ、篩上にトナー
が無くなる時間を測定した。篩を通過させる回数が2度
の場合は、その数値を2倍した数値を処理にかかる時間
とした。実施例1の目開き105μmの篩を2度通過さ
せた時の処理時間を基準として、それに対する処理時間
の比(目開き105μmの篩を2度通過させた時の処理
時間を100とした)で表した。
【0063】(参考例1)窒素置換した攪拌機付きの反
応容器に、スチレン100部、スチレンスルホン酸ナト
リウム2.5部、塩化ナトリウム1.5部、イオン交換
水4000部を添加して混合した後、80℃に昇温す
る。昇温後、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−
(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕(商品
名;「VA−80」、和光純薬社製)の3%水溶液50
0部を添加して重合を開始した。途中、重合転化率を測
定しながら、転化率が30%に達した時点で、t−ドデ
シルメルカプタン0.1部を添加し、重合開始から7時
間後に転化率を測定すると98%であった。次に、メタ
クリル酸メチル400部を15分掛けて添加し、更に3
時間重合を続けた後に水冷して重合を停止させて、コア
シェル型の有機微粒子の水分散液を得た。この時、重合
転化率は97%、有機微粒子の個数平均粒子径は0.3
8μm、球形度は1.13であった。
【0064】(実施例1)スチレン83部、n−ブチル
アクリレート17部、カーボンブラック(商品名「#2
5B」、三菱化学社製;一次粒径40nm)6部、帯電
制御剤(商品名「スピロンブラックTRH」、保土ヶ谷
化学社製)0.5部、ジビニルベンゼン0.6部、t−
ドデシルメルカプタン1部、およびサゾールワックス
(商品名「パラフリント スプレー 30」、サゾール
社製)2部を室温下、ビーズミルで分散させ、均一混合
液を得た。前記混合液を攪拌しながら、重合開始剤t−
ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(商品名;
「パーブチルO」日本油脂社製)5部を添加し、液滴が
均一になるまで攪拌を継続した。
【0065】他方、イオン交換水250部に塩化マグネ
シウム(水溶性多価金属塩)9.5部を溶解した水溶液
に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム(水酸化ア
ルカリ金属)4.8部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々
に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の
金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。上記コロイ
ドに、上記重合性単量体組成物を投入しTKホモミキサ
ーを用いて12000rpmの回転数で高剪断攪拌し
て、重合性単量体混合物の液滴を造粒した。この造粒し
た重合性単量体混合物の水分散液を、攪拌翼を装着した
反応器に入れ、90℃で重合反応を開始させ、8時間重
合した後冷却し、重合体粒子の水分散液を得た。
【0066】上記により得た重合体粒子の水分散液を攪
拌しながら、硫酸を添加しpHを4以下にして酸洗浄を
行い、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水
500部を加えて再スラリー化し水洗浄を行った。その
後、再度、脱水と水洗浄を数回繰り返し行って、固形分
を濾過分離した後、乾燥機にて45℃で2昼夜乾燥を行
い、着色粒子を得た。着色粒子の体積平均粒径は7.8
μm、粒径分布の指標である体積平均粒径(dv)/個
数平均粒径(dp)は1.25、球形度は1.15であ
った。
【0067】得られた着色粒子100部と、参考例で
得、予めヘンシェルミキサーでした解砕平均粒径0.3
8μm、球形度1.13の有機微粒子0.6部と、ヘン
シェルミキサーでした平均粒径0.3μm、球形度1.
12、疎水化度60%のシリカ微粒子(A)(商品名
「KMPX100」、信越化学工業社製)0.9部及び
その他の無機微粒子として平均粒径7nm、疎水化度6
7%のシリカ微粒子(B)(商品名「RX300」、日
本アエロジル社製)0.3部とを、ヘンシェルミキサー
で10分間、回転数1400rpmで混合した後、目開
き105μmの風力分級機を通過させ、次いで目開き1
05μmの振動式篩を通過させて、トナーを得た。得ら
れたトナーについて、45μm以上の凝集物量の測定及
び印字評価を行った。結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】(実施例2〜3、比較例1〜4)外添剤、
使用する篩の目開き及び篩を通す回数を表1に示すよう
に変えた他は、実施例1と同様にして評価した。その結
果を表1に示す。
【0070】表1のトナーの評価結果から、以下のこと
がわかる。45μm以上の凝集物量が多い比較例1及び
2のトナーは、灰色斑点が発生し易い。外添剤に有機微
粒子を含有しない比較例3のトナーは、フィルミングが
発生し易い。外添剤にシリカ微粒子(A)を含有せず且
つ45μm以上の凝集物量が多い比較例4のトナーは、
フィルミング及び灰色斑点が発生し易い。これに対し
て、本発明の実施例1〜3のトナーは、印字枚数が増加
しても、フィルミング及び灰色斑点が発生し難いことが
わかる。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、着色粒子に、流動性、
帯電均一性及び耐久印字性能の付与のために有機微粒子
およびシリカ微粒子を添加してもフィルミング及び灰色
斑点の発生がないトナーが得られる。また、生産性を低
下させることのない該トナーの製造方法が提供される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色粒子と、平均粒径が0.05〜1μ
    mの有機微粒子と、平均粒径が0.03〜1μmの球形
    のシリカ微粒子(A)とを含有するトナーにおいて、ト
    ナー中に存在する45μm以上の凝集体量がトナー重量
    に対して0.005重量%以下であることを特徴とする
    トナー。
  2. 【請求項2】 着色粒子と、平均粒径が0.05〜1μ
    mの有機微粒子と、平均粒径が0.03〜1μmのシリ
    カ微粒子(A)とを混合させた後、目開きが53〜25
    0μmの篩を少なくとも2度通過させることを特徴とす
    るトナーの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005055498A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Ricoh Co Ltd トナー及びその製造方法、並びに、現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
WO2005093522A1 (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Zeon Corporation 静電荷像現像用トナー
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