JP3240355B2 - 静電荷像現像用カラートナー - Google Patents

静電荷像現像用カラートナー

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JP3240355B2
JP3240355B2 JP24240191A JP24240191A JP3240355B2 JP 3240355 B2 JP3240355 B2 JP 3240355B2 JP 24240191 A JP24240191 A JP 24240191A JP 24240191 A JP24240191 A JP 24240191A JP 3240355 B2 JP3240355 B2 JP 3240355B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式によるフ
ルカラー画像形成に用いられる静電荷像現像用カラート
ナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的にフルカラー画像を形成す
る方法を説明する。感光体ドラムの感光体を一次帯電器
によって均一に帯電し、原稿のマゼンタ画像信号にて変
調されたレーザー光により画像露光を行ない、感光ドラ
ム上に静電潜像を形成し、マゼンタトナーを保有するマ
ゼンタ現像器により該静電潜像の現像を行ない、マゼン
タトナー画像を形成する。次に搬送されてきた転写材に
転写帯電器によって前記の感光ドラムに現像されたマゼ
ンタトナー画像を転写する。
【0003】一方、前記の静電潜像の現像を行なった後
の感光体ドラムは、除電用帯電器により除電し、クリー
ニング手段によってクリーニングを行なった後、再び一
次帯電器によって帯電し、同様にシアントナー画像の形
成及び前記のマゼンタトナー画像を転写した転写材への
シアントナー画像の転写を行ない、さらにイエロー色、
ブラック色と順次同様に行なって、4色のトナー画像を
転写材に転写する。該4色のトナー画像を有する転写材
を定着ローラにより熱及び圧力の作用で定着することに
よりフルカラー画像を形成する。
【0004】該カラーの画像形成方法に使用されるトナ
ーは、これに熱を印加した際の溶融性及び混色性が良い
ことが必要であり、軟化点が低く、且つ溶融粘度の低い
シャープメルト性の高いトナーを使用することが好まし
い。
【0005】即ち、斯かるシャープメルトトナーを使用
することにより、複写物の色再現範囲を広め、原稿像に
忠実なカラーコピーを得ることができる。
【0006】しかしながらこのようなシャープメルト性
の高いカラートナーは、定着ローラーとの親和性が高
く、定着時に定着ローラーにオフセットし易い傾向にあ
る。
【0007】特にカラー画像形成装置における定着装置
の場合、転写材上にマゼンタ,シアン,イエロー,ブラ
ックと複数層のトナー層が形成されるため、特にオフセ
ットが発生しやすい傾向にある。
【0008】ここで従来においては、定着ローラからの
トナーの離型性を向上させるため、定着ローラにシリコ
ーンオイルの如き離型剤を塗布することが行なわれてい
る。しかしながらこのような画像形成方法においては、
以下のような不具合が生じていた。
【0009】すなわちオイル等の離型剤をローラーに塗
付する現行の定着システムにおいては、本体の構成が複
雑になることはもちろんのことこのオイル塗付が定着ロ
ーラーの短寿命化を促進するという弊害がつきまとう。
【0010】さらに近年多様な複写のニーズに伴ない、
フィルム状の樹脂等を通紙する事が広く行なわれ始めて
いるが、一般にはオーバーヘッドプロジェクター用フィ
ルム別名トランスペアレンシーフィルムが良く知られて
いるが、かかる定着方法においては、オイル塗付による
ベタベタ感が避けられず、得られた画像の品質に大きな
問題が残されていた。
【0011】こうした問題に対してオイル塗付を必要と
しない、定着システムの確立とそれを達成するための新
規トナーの開発にかかる期待は大なるものであった。
【0012】上記の課題に対してワックス等の離型剤を
含有したトナーや懸濁重合法トナーが提案されている
(特公昭36−10231号公報)。この懸濁重合法に
おいては重合性単量体および着色剤(更に必要に応じて
重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤その他の添加剤)を均
一に溶解または分散せしめて単量体組成物とした後、こ
の単量体組成物を分散安定剤を含有する連続相(例えば
水相)中に適当な撹拌機を用いて分散し同時に重合反応
を行なわせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得るもの
である。
【0013】この懸濁重合法では、水という極性の大な
る分散媒中で単量体組成物の液滴を生成せしめるため、
単量体組成物に含まれる極性基を有する成分は水相との
界面である表層部に存在し易く、非極性の成分は表層部
に存在しないという、いわゆる擬似カプセル構造をと
る。この製法上の特徴を活用し、他の粉砕法では使用で
きない低融点のワックスを含有させることが可能であ
る。
【0014】重合法によるトナーは、この低融点のワッ
クスの内包化により、耐ブロッキング性と低温定着とい
う相反する性能を両立することが可能である。すなわ
ち、低融点ワックスが内包化されていることにより、耐
ブロッキング性能を低下させることなく、低温で溶融す
るワックスによりトナー中の熱伝導性が向上し、その結
果、低温定着が可能となる。またさらに好ましいことに
は、定着時に融解したワックスが離型剤としても働くた
め、定着ローラーにオイル等の離型剤を塗布することな
く、高温オフセットを防止することが可能となる。
【0015】しかしながら、ワックスを内包化した重合
トナーにおいても確かに定着時に有利な性能を発揮する
ものの、転写材にトランスペアレンシーフィルムを用い
た際、定着後の画像の透明性が若干落ちてしまう問題が
生じてしまった。
【0016】かかる定着後の画像透明性劣化を防止する
為にその含有されるワックスの量を減少させる事も考え
られるが、この方法ではトナーの離型性を減少させる事
になり逆に充分な離型効果が得られる様にある程度以上
のワックスを内包化しようとすると、どうしても上記の
現象が避けられなくなってしまう。
【0017】さらにトランスペアレンシーフィルム等を
作製する場合は、転写材上のトナーの光透過性が強く要
求され、そのため通常定着スピードをより遅くしてトナ
ーを充分溶融せしめることが一般に良くなされている
が、かかる場合には、転写材上のトナーが定着時により
顕著にオフセットしやすくなる傾向にある。それゆえ紙
上のトナー層を定着する場合以上にオフセットがきびし
くなり、より充分な離型効果を発揮できる様トナーに内
包化されるワックスの量も、どうしても多めに設計せざ
るを得なくなってくる。
【0018】さらにこうしたワックスを内包化したトナ
ーを用いて画像を形成する方法におけるトランスペアレ
ンシーシートの透明性ダウンは、ワックス自身の結晶化
に伴なう白濁であることが確認された。
【0019】さらに乾式現像方式を用いた電子写真カラ
ーまたはフルカラー画像において、転写材である透明フ
ィルム上にフルカラー画像を形成し、OHP装置にかけ
投影画像として用いた場合、フィルム上の画像では十分
な発色性を示しているにもかかわらず、投影画像は全体
にグレーの色調を示すものとなり、色調再現範囲が非常
に狭いものとなってしまうという現象が生じる。この現
象は平滑な透明フィルム上に形成されたトナーが定着時
の加熱によって十分流動されず粒状性を保有している為
に投影時に入射光が散乱され、スクリーン上に陰影を形
成するからである。特に画像濃度が低い中間調部分にお
いては、トナー粒子数の減少によりトナー中の染料また
は顔料による吸収が下り、この吸収レベルがトナー粒子
の散乱による黒吸収レベルと等しくなる為、再現される
べきカラー色調が灰色となってしまう。
【0020】普通紙の如き転写材上のトナー画像を目視
する場合は、定着画像に照射されている光の反射画像を
目視する為、トナー表面に多少粒状性が残っていても画
質への影響は少ない。しかし、OHPの如く透過光でト
ナー画像を観察またはスクリーンに投影する場合、トナ
ー粒子に起因する残留形状が明白であると光の散乱によ
り、透光性が悪化してしまう。したがって、トナーに求
められる性状として定着性が良く、定着時のトナー粒状
性を減少させ、さらには定着時のオフセット性が良好で
なくてはならない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
問題を解決し、オイル塗付することなしに定着し品質の
優れたフルカラー画像を入手できる静電荷像現像用カラ
ートナーを提供することにある。
【0022】本発明の目的は透明性に優れた品質の良い
フルカラーのトランスペアレンシーシート画像(トラペ
ン画像)を入手できる静電荷像現像用カラートナーを提
供することにある。
【0023】本発明の目的は、低温定着性に優れたカラ
ートナーを提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、結着
樹脂、着色剤、離型剤を少なくとも含有してなる静電荷
像現像用カラートナーにおいて、離型剤含有量に対し
0.01〜10wt%のアルキル化芳香族化合物を含有
してなることを最大の特徴とする。
【0025】さらに本発明は、該トナーが懸濁重合法に
より直接的に得られたものであることを特徴とする。
【0026】さらに本発明は、前記トナーにおいて該離
型剤が全トナー結着樹脂成分100重量部に対して2〜
50重量部含有してなることを特徴とする。
【0027】さらに本発明は、前記トナーの結着樹脂が
α,β−不飽和エチレン系単量体を主体としてかつ少な
くとも一種以上の極性基を有する樹脂を含有してなるこ
とを特徴とする。
【0028】以下に本発明について具体的に説明する。
【0029】本発明の特徴の一つは、静電荷像現像用カ
ラートナーにおいて、離型剤含有量に対して0.01〜
10wt%のアルキル化芳香族化合物を含有してなるこ
とにある。
【0030】本発明者の鋭意検討の結果、離型剤含有量
に対して0.01〜10wt%のアルキル化芳香族化合
物を含有せしめることにより、トラペン画像の透明性を
損うことなしにトナーの定着性、耐オフセット性を改善
できる、すなわちオイル塗付することなしに定着が可能
となることを見出した。
【0031】前記した通り、トラペン画像の透明性の劣
化は、離型剤(ワックス)の結晶化によるものであり、
トラペン画像の透明性は、ワックスの結晶成長を抑制す
れば良いことになる。
【0032】すなわち、アルキル化芳香族化合物をトナ
ー中に含有せしめるとワックスの結晶成長を著しく減少
させ、トラペン画像の透明性は良化する。
【0033】アルキル化芳香族化合物の含有量は、離型
剤含有量に対し、0.01〜10wt%が好ましく、
0.01wt%未満の場合、ワックスの結晶成長を阻害
するのに不十分であり、トラペン画像の透明性は向上し
ない。一方、アルキル化芳香族化合物の含有量が離型剤
含有量に対し10wt%を超える場合、懸濁重合法トナ
ーでは、その造粒性が劣化し粒度分布がブロードとな
り、トナーのカプセル構造が不十分となり、耐ブロッキ
ング性、現像性が劣化する。また粉砕法トナーにおいて
も、10wt%を超えると現像性が劣化する。
【0034】本発明に用いるアルキル化芳香族化合物と
は、塩素化パラフィンとナフタリンとの縮合物を意味す
る。
【0035】本発明のトナーの製造にあたっては、熱ロ
ール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機によっ
て構成材料を良く混練した後、機械的な粉砕、分級によ
って得る方法、或は、結着樹脂溶液中に着色剤等の構成
材料を分散した後、噴霧乾燥することにより得る方法、
又は、結着樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混合し
た後、この乳化懸濁液を重合させることによりトナーを
得る重合トナー製造方法等それぞれの方法が応用できる
が、より好ましくは、ワックス成分をより多く内包でき
る重合法トナーが好ましい。
【0036】以下に本発明で用いるトナーの重合トナー
に関して詳細に説明する。
【0037】本発明で用いられる重合トナーは以下の如
き方法にて得られる。
【0038】即ち、重合性単量体中に離型剤・着色剤・
荷電制御剤等の添加剤を加え、離型剤が溶解、又は融解
するまで加温しホモジナイザー・超音波分散機等によっ
て均一に溶解又は分散せしめた単量体系を、分散安定剤
を含有する単量体系と同温の水相中に通常の撹拌機又は
ホモミキサー・ホモジナイザー等により分散せしめる。
好ましくは単量体液滴が所定のトナー粒子のサイズ、一
般に30μm以下の粒径を有するように撹拌速度・時間
を調整し、その後は分散安定剤の作用により、粒子状態
が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を
行えば良い。重合温度は離型剤の析出温度以下の温度に
設定して重合開始剤を添加し、重合を行う。反応終了
後、生成したトナー粒子を洗浄・濾過により回収し、乾
燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100重
量部にたいして水300〜3000重量部を分散媒とし
て使用するのが好ましい。
【0039】上記重合トナーに使用できる重合性α,β
−不飽和エチレン系単量体としては、スチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン等のス
チレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アク
リル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アク
リル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロ
ピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ス
テアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等
のメタクリル酸エステル類その他アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、アクリルアミド等の単量体が挙げら
れる。
【0040】これらの単量体は単独、又は混合して使用
し得る。上述の単量体の中でも、スチレン又はスチレン
誘導体を単独で、又は他の単量体と混合して使用するこ
とがトナーの現像特性、及び耐久性の点から好ましい。
【0041】本発明において用いられる分散媒は、いず
れ適当な安定化剤、例えばポリビニルアルコール、ゼラ
チン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセ
ルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デン
プン、リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、ベントナイト等を水相に分散させて使用できる。こ
の安定化剤は、重合性単量体100部に対して、0.2
〜20重量部を使用することが好ましい。
【0042】又、これら安定化剤の微細な分散の為に、
0.001〜0.1重量部の界面活性剤を使用してもよ
い。これは上記分散安定化剤の所期の作用を促進する為
のものであり、その具体例としては、ドデシルベンゼン
硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタ
デシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレ
イン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン
酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
【0043】単量体系には、添加剤として極性基を有す
る重合体・共重合体を添加して重合することがより好ま
しい。更に、本発明においては、極性基を有する重合体
・共重合体又は環化ゴムを添加した単量体系を、該極性
重合体と逆荷電性の分散剤を分散せしめた水相中に懸濁
させ重合することが好ましい。即ち、単量体系中に含ま
れるカチオン性、又はアニオン性重合体・共重合体、又
は環化ゴムは水相中に分散している逆荷電性のアニオン
性、又はカチオン性分散剤と重合進行中のトナーとなる
粒子表面で静電気的に引き合い、粒子表面を分散剤が覆
うことにより粒子同士の合一を防ぎ安定化せしめると共
に、重合時に添加した極性重合体がトナーとなる粒子表
層部に集まる為、一種の殻のような形態となり、得られ
た粒子はカプセル構造をとる。比較的高分子量の極性重
合体・共重合体又は環化ゴムを用い、トナー粒子にブロ
ッキング性、現像耐摩耗性の優れた性質を付与する一方
で、内部では比較的低分子量で定着特性向上に寄与する
ように重合を行うことにより、定着性とブロッキング性
という相反する要求を満足するトナーを得ることができ
る。本発明に使用できる極性重合体・共重合体及び逆荷
電性分散剤を以下に例示する。 (1)カチオン性重合体としては、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルな
どの含窒素単量体の重合体もしくはスチレン・不飽和カ
ルボン酸エステル等との共重合体が挙げられる。 (2)アニオン性重合体としては、アクリロニトリル等
のニトリル系単量体、塩化ビニル等の含ハロゲン系単量
体、アクリル酸・メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、
その他不飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸無水物、ニトロ
系単量体等の重合体もしくはスチレン系単量体等との共
重合体、又ポリエステル樹脂等が挙げられる。又、これ
ら極性重合体のかわりに環化ゴムを使用しても良い。 (3)アニオン性分散剤としては、シリカ微粉末が好ま
しく用いられ、特に、BET比表面積が200m2 /g
以上のコロイダルシリカが適している。 (4)カチオン性分散剤としては、アミノアルキル変性
コロイダルシリカ(好ましくは、BET比表面積が20
0m2 /g以上)等の親水性正帯電性シリカ微粉末、水
酸化アルミニウム、リン酸カルシウム等が挙げられる。
【0044】このような分散剤は、重合性単量体100
重量部に対して、0.2〜20重量部を使用することが
好ましい。更に好ましくは、0.3〜15重量部であ
る。
【0045】本発明においては、トナーの帯電性を制御
する目的でトナー材料中に荷電制御剤を添加しておくこ
とが望ましい。これらの荷電制御剤としては、公知のも
ののうち、重合阻害性・水相移行性の殆ど無いものが用
いられ、例えば正荷電制御剤としてニグロシン系染料、
トリフェニルメタン系染料、四級アンモニウム塩、アミ
ン系及びポリアミン系化合物等が挙げられ、負荷電制御
剤としては、含金属サリチル酸系化合物、含金属モノア
ゾ染料系化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチ
レン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。又カラー
トナーの色調を損わない様、無色又は淡色の荷電制御剤
を用いることがより好ましい。
【0046】本発明で用いられる着色剤としては、公知
のものが使用でき、例えば、カーボンブラック、鉄黒の
他、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクト
レッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシ
ックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.
I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー
2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブル
ー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシ
ックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.
ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン
4、C.I.ベーシックグリーン6等の染料、黄鉛、カ
ドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブ
ルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエロー
G、パーマネントイエローNCG、タートラジンレー
キ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGT
R、ベンジジンオレンジG、カドミウムレツド、パーマ
ネントレッド4R、ウォッチングレッドカルシウム塩、
ブリリアントカーミン3B、ファストバイオレットB、
メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、ア
ルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、キナク
リドン、ローダミンB、フタロシアニンブルー、ファー
ストスカイブルー、ピグメントグリーンB、マラカイト
グリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等の顔
料がある。本発明において重合法を用いてトナーを得る
場合には、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意
を払う必要があり、好ましくは、表面改質、例えば、重
合阻害のない物質による疎水化処理を施しておいたほう
が良い。
【0047】本発明で用いられる離型剤としては、好ま
しくはパラフィン系ワックスが用いられ、これらの融点
は30〜150℃であるのが好ましく、より好ましくは
50〜100℃である。
【0048】尚融点は、DSCによる最大吸熱ピークの
温度とした。このような離型剤は、結着樹脂成分100
重量部に対して2〜50重量部(より好ましくは10〜
30重量部)使用するのが好ましい。
【0049】離型剤が結着樹脂成分100重量部に対し
て2重量部を下回るときには、その離型効果が期待され
ない。
【0050】また、50重量部を超える場合は、造粒時
の造粒性が劣化し、粒度分布がシャープとならない。ま
た得られたトナーのブロッキング性に劣るものとなる。
【0051】重合開始剤としては、いずれか適当な重合
開始剤、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−
カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ベンゾ
イルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、
ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロ
ペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシ
ド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤
が挙げられる。又、レドックス開始剤として先に挙げた
過酸化物と、ジメチルアニリン,メルカプタン類,第三
アミン類,鉄(II)塩,亜硫酸水素ナトリウム等の還
元剤とを組み合わせて用いても良い。これら重合開始剤
は所望の分子量を得るために好適に使用されるが、一般
には、重合性単量体の0.1〜10重量%の添加量で充
分である。
【0052】次に、本発明のカラートナーを用いたカラ
ー画像形成方法に関して説明する。
【0053】図1は本発明に係るフルカラー画像を形成
し得る電子写真装置の概略的断面図を示す。図面上、装
置本体100の右側(図1右側)から装置本体100の
略中央部に亘って設けられている転写材搬送系Iと、装
置本体100の略中央部に、前記転写材搬送系Iを構成
している転写ドラム8に近接して設けられている潜像形
成部IIと、前記潜像形成部IIと近接して配設されて
いる現像手段(即ち回転式現像装置III)とに大別さ
れる。前述した転写材搬送系Iは、前記装置本体100
の右側(図1右側)に形成されている開口部に対して着
脱自在な転写材供給用トレイ101及び102と、該ト
レイ101及び102の略直上部に配設された給紙用ロ
ーラ103及び104と、これら給紙用ローラ103及
び104に近接して配設され給紙ローラ106を備えた
給紙ガイド4A,4Bと、前記給紙ガイド4bと近接し
て設けられ、外周面近傍に回転方向上流側から下流側に
向って当接用ローラ7、グリッパ6、転写材分離用帯電
器12、分離爪14が配設されているとともに、内周側
に転写帯電器9、転写材分離用帯電器13が配設されて
いる。図1矢印方向に回転自在な転写ドラム8と、前記
分離爪14と近接して設けられている搬送ベルト手段1
5と、該搬送ベルト手段15の搬送方向終了端側に近接
して配設され装置本体100外へと延在する装置本体1
00に対して着脱自在な排出用トレイ17と近接してい
る定着器16とから成る。
【0054】前記潜像形成部IIは、外周面が前記転写
ドラム8の外周面と当接して配設されているとともに図
1矢印方向に回転自在な像担持体(即ち感光体ドラム
2)と、該感光体ドラム2の外周面近傍に該感光体ドラ
ム2の回転方向上流側から下流側に向って配設されてい
る除電用帯電器10、クリーニング手段11、一次帯電
器3及び前記感光体ドラム2の外周面上に静電潜像を形
成するためのレーザービームスキャナのごとき像露光手
段とポリゴンミラーのごとき像露光反射手段を具備して
いる。前記回転式現像装置IIIは、回転自在な筐体
(以下「回転体」という)4aと、該回転体4a中に夫
々搭載され前記感光体ドラム2の外周面と対向する位置
にて前記感光体ドラム2の外周面上に形成された静電潜
像を可視化(即ち現像)するように構成されているイエ
ロー現像器4Y、マゼンタ現像器4M、シアン現像器4
C及びブラック現像器4BKとを有している。
【0055】上述したごとき構成の画像形成装置全体の
シーケンスについて、フルカラーモードの場合を例とし
て説明する。前述した感光体ドラム2が図1矢印方向に
回転すると、該感光体ドラム2上の感光体は一次帯電器
3によって均等に帯電される。一次帯電器3による感光
体に対する均等な帯電が行われると、原稿(図示せず)
のイエロー画像信号にて変調されたレーザー光Eにより
画像露光が行われ、感光体ドラム2上に静電潜像が形成
され、回転体4aの回転によりあらかじめ現像位置に定
置されたイエロー現像器4Yによって前記静電潜像の現
像が行われる。
【0056】一方、給紙ガイド4A、給紙ローラ10
6、給紙ガイド4bを経由して搬送されてきた転写材
は、所定のタイミングにてグリッパ6により保持され、
当接用ローラ7と該当接用ローラ7と対向している電極
とによって静電的に転写ドラム8に巻き付けられる。転
写ドラム8は、感光体ドラム2と同期して図1矢印方向
に回転しており、イエロー現像器4Yで現像された顕画
像は、前記感光体ドラム2の外周面と前記転写ドラム8
の外周面とが当接している部位にて転写帯電器9によっ
て転写される。転写ドラム8はそのまま回転を継続し、
次の色(図1においてはマゼンタ)の転写に備える。
【0057】一方、感光体ドラム2は、前記除電用帯電
器10により除電され、クリーニング手段11によって
クリーニングされた後、再び一次帯電器3によって帯電
され、次のマゼンタ画像信号により前記のような像露光
を受ける。前記回転式現像装置は、感光体ドラム2上に
前記像露光によってマゼンタ画像信号による静電潜像が
形成される間に回転して、マゼンタ現像器4Mを前述し
た所定の現像位置に定置せしめ、所定のマゼンタ現像を
行う。引続いて、上述したごときプロセスをそれぞれシ
アン色およびブラック色に対しても実施し、4色分の転
写が終了すると、転写材上に形成された多色顕画像は各
帯電器12,13により除電され、前記グリッパ6によ
る転写材の把持が解除されると共に、該転写材は、分離
爪14によって転写ドラム8より分離され、搬送ベルト
15で定着器16に送られ、熱と圧力により定着され一
連のフルカラープリントシーケンスが終了し、所要のフ
ルカラープリント画像が形成される。
【0058】定着器16は、加熱定着ローラ161、及
び加圧ローラ162を具備している。加熱ローラ161
は、フッ素系樹脂の如き離型特性の優れた表層を有して
いることが好ましい。加圧ローラ162の表層は、加熱
ローラーと同じくフッ素系樹脂で形成されているかもし
くはシリコンゴム等で形成されていることが好ましい。
【0059】以下実施例に基づいて、本発明を具体的に
説明する。
【0060】
【実施例】実施例1 イオン交換水1200重量部に親水性ポジシリカ0.4
重量部を投入して60℃に加温した後、ホモミキサーを
用いて7000rpmにて撹拌した。
【0061】 スチレン 165重量部 ブチルアクリレート 35重量部 パラフィンワックス(mp.70℃) 50重量部 アルキル化芳香族化合物 0.5重量部 (ワックスに対して1wt%) C.I.ピグメントイエロー17 10重量部 スチレン−メタクリル酸メチル共重合体 3重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 4重量部 を60℃に保温したハイラインミル(特殊機化工業
(株))でスチレン(一部)ワックス、アルキル化芳香
族化合物、着色剤を初期混合、分散し、その後他の組成
物を混合し、単量体混合物を得た。
【0062】さらに60℃に保持しながら開始剤ジメチ
ル2,2’−アゾビスイソブチレート12重量部を加え
て溶解し、単量体組成物を調製した。前記ホモミキサー
の容器中で調製した分散媒に上記単量体組成物を投入し
た。
【0063】60℃で窒素雰囲気下にてホモミキサー7
000rpm.で15分間撹拌し、単量体組成物を造粒
した。その後パドル撹拌翼で撹拌し70℃で10時間反
応させた。
【0064】重合反応終了後、冷却し、アルカリを加え
て、シリカを溶解し、濾過、水洗、乾燥することにより
9.2μmの重合トナーを得た。
【0065】得られたトナー100重量部に対して、B
ET法による比表面積が200m2/gである疎水性シ
リカ0.7重量部を外添した。
【0066】このトナー7重量部に対し、スチレン−メ
タクリル酸メチル共重合体で表面被覆したCu−Zn−
Fe系フェライトキャリア93重量部を混合し、現像剤
とした。
【0067】この現像剤を用いて市販のカラー複写機
(CLC−500キヤノン製)を用いて画出しした。
【0068】CLC−500の改造機で現像転写させた
だけの上記転写材上の未定着画像を外部定着機(定着ロ
ーラーは、フッ素系ソフトローラー、加圧ローラーは、
シリコン系ローラー)にてオイル塗付せずに定着させ
た。
【0069】その結果、得られた画像は、オフセットす
ることもなく、きれいなトランスペアレンシー画像であ
った。
【0070】実際にオーバーヘッドプロジェクターにて
投影してみたところ、透明性に優れた画像が得られ、本
発明のカラートナーの効果が示された。
【0071】実施例2〜3、比較例1〜3 実施例1同様、表1の処方で、実施例2〜3、比較例1
〜3の重合カラートナーを得た。
【0072】これを実施例1同様に定着性(耐オフセッ
ト性)及びトラペン透明性の評価をした。
【0073】
【表1】 比較例2については、造粒性が劣化したためトナーが得
られなかった。
【0074】
【発明の効果】オイル塗付することなしに定着し品質の
優れたフルカラー画像を得ることができ、特に透明性に
優れたフルカラーのトランスペアレンシーシートを入手
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フルカラー画像を形成し得る電子写真装置の概
略的断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 達哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 千葉 建彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 宮野 和幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくと
    も含有してなる静電荷像現像用カラートナーにおいて、
    離型剤含有量に対して、0.01〜10wt%のアルキ
    ル化芳香族化合物を含有してなることを特徴とする静電
    荷像現像用カラートナー。
  2. 【請求項2】 該カラートナーが懸濁重合法により直接
    的に得られたものであることを特徴とする請求項1に記
    載の静電荷像現像用カラートナー。
  3. 【請求項3】 該離型剤が全トナー結着樹脂成分100
    重量部に対して2〜50重量部含有してなることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用カラート
    ナー。
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