JP4385906B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、いわゆる電子写真方式を採用して画像形成を行う、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
近年、磁性キャリア粒子とその磁性キャリア粒子に静電的に吸着されるトナー粒子とを含む、いわゆる二成分現像剤を用いて、静電潜像が形成された像担持体表面にトナー像を形成し、形成したトナー像を最終的に所定の記録媒体上に転写および定着することにより記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成することが行われている。この二成分現像剤を用いたトナー像の形成にあたっては、二成分現像剤を保持する現像装置を使用してトナー像の形成が行われる。二成分現像剤を保持する現像装置内には、キャリア粒子とトナー粒子とを撹拌することでトナー粒子を摩擦帯電させ、トナー粒子をキャリア粒子に静電的に吸着させる撹拌室が設けられている(例えば特許文献1等参照)。
ところで、二成分現像剤を保持する現像装置内において、トナー粒子の帯電が不十分であると、形成した画像に‘かぶり’が発生しやすくなる。また、トナー粒子の帯電分布が広すぎると、分布における端に位置するトナー粒子は帯電不足であったり過帯電であることから、形成した画像に‘かぶり’や画像濃度の低下といった画質欠陥が生じる。このため、トナー粒子の帯電分布の広がりを抑えつつ帯電量を増加させる無機微粒子が表面に外添されたトナー粒子を用いることが行われている(例えば特許文献2参照)。
このような無機微粒子が表面に外添されたトナー粒子によって、像担持体表面にトナー像の形成を行うと、トナー像形成時に、トナー粒子とともに無機微粒子までもがトナー粒子の表面に外添された状態で像担持体表面に移行してしまう。
ここで、粒径が大きな無機微粒子が外添されたトナー粒子を用いるほど、トナー粒子の、帯電分布の広がりが抑えられ帯電量も増加することが知られている。
特開平11−119529号公報 特開平07−028276号公報
しかしながら、トナー粒子の帯電特性を向上させる無機微粒子は真比重が大きく、このため、現像剤に、トナー粒子の粒径に対して一定以上の大粒径の無機微粒子を添加すると、無機微粒子の、トナー粒子からの離脱が生じやすくなる。撹拌室における撹拌作用によってこの離脱が生じると、トナー粒子の帯電分布が広がるばかりか、その帯電分布の中心値の値は低いものとなり、形成した画像に画質欠陥が生じる。また、大粒径の無機微粒子とはいってもトナー粒子よりは遙かに小さく、像担持体上でこのような無機微粒子の離脱が生じると、その無機微粒子の小ささにより像担持体からの除去は非常に困難となる。像担持体表面に無機微粒子が残ったまま画像形成を行うと、形成した画像の画質は低下し、残留した無機微粒子を少しでも除去するためクリーニング機構として高価なものを設けると、画像形成装置のコストアップにつながってしまう。
本発明は上記問題点を解決し、画質欠陥の発生を低コストで抑えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を解決する本発明の画像形成装置は、所定の像担持体に形成された静電潜像を、磁性キャリア粒子とその磁性キャリア粒子に静電的に吸着されるトナー粒子とを含む現像剤を内部に保持した現像装置を用いてその現像剤中のトナー粒子で現像してその像担持体上にトナー像を形成し、そのトナー像を最終的に所定の記録媒体上に転写および定着することによりその記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
上記現像装置が、
上記現像剤を撹拌し上記トナー粒子を摩擦帯電させ、そのトナー粒子を上記磁性キャリア粒子に静電的に吸着させる撹拌室と、
上記撹拌室において撹拌された現像剤が送り込まれ、送り込まれた現像剤を所定の搬送方向に搬送する搬送室と、
上記搬送室内の現像剤を表面に担持して上記像担持体に対向した現像領域に搬送する現像剤担持体とを備え、
5000個以上のトナー粒子の帯電分布をチャージスペクトログラフ法で測定し、1mm2当たりのトナー粒子が100個以上500個以下となる地点までの原点からの距離を最大値と定義した場合、上記像担持体上に形成されたトナー像におけるトナー粒子の帯電分布のその最大値をStとし、上記搬送室に送り込まれた直後のトナー粒子の帯電分布のその最大値をAtとし、上記現像剤担持体に担持されたトナー粒子の帯電分布のその最大値をPtとしたとき、
|8mm|<|St|≦|15mm| 式1
|8mm|<|At| 式2
0.9<|St|/|Pt|<1.1 式3
上記式1、式2、および式3を同時に満足することを特徴とする。
多数のトナー粒子の集まりを帯電させるとどうしても帯電分布が生じ、その帯電分布の中心値を正確に規定することは極めて困難であり、仮に規定したとしても、画質欠陥を引き起こすトナー粒子は帯電分布における端に位置するトナー粒子であり意味があまりない。そのため、本発明の画像形成装置では、摩擦帯電させることでトナー粒子の帯電量が上がると、トナー粒子の帯電分布は広くなる傾向にあること着目し、チャージスペクトログラフ法を用いて得られる、トナー粒子の帯電分布の最大値を規定している。ここで、上記式2によって上記搬送室の上記延在方向一端におけるトナー粒子の帯電分布が規定されており、上記|At|の値が|8mm|を超えていると、トナー粒子は十分に帯電していることになり、大粒径の無機微粒子を添加してまでも上記撹拌室における摩擦帯電を高めることが不要になる。この結果、無機微粒子の、トナー粒子からの離脱が問題にならなくなる。また、上記式1によって規定した範囲に抑えることで、トナー粒子の帯電状態に起因する画質欠陥の発生が最終的に抑えられる。すなわち、上記|St|の値が15mmを超えていると、帯電不足のトナー粒子や過帯電であるトナー粒子が存在する可能性が高くなり、形成した画像に‘かぶり’や画像濃度の低下といった画質欠陥が生じやすい。さらに、転写時に白抜けが生じたり、転写効率の悪化から画像ムラ等が生じたりする。また、上記|St|の値が8mm以下であると、トナー粒子は帯電不足である可能性が高く、形成した画像に‘かぶり’が生じやすい。さらに、上記式3は、トナー粒子の、上記現像剤担持体から上記像担持体への移行の程度を規定するものであり、上記式3によって規定した範囲に抑えることで、安定した現像性が保証される。このように、本発明によれば、トナー粒子の帯電状態に起因する画質欠陥の発生を抑える条件を規定することで、大粒径の無機微粒子の添加が不要になり、高価なクリーニング装置を必要としない低コストな画像形成装置を提供することができる。
ここで、本発明の画像形成装置において、上記像担持体上に、少なくともシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの複数色それぞれに対応する画像信号に基づいて、これら各色のトナー粒子それぞれからなるのトナー像を形成し、これら各色のトナー像を最終的に所定の記録媒体上に転写および定着することによりその記録媒体上に画像を形成するものであって、
上記現像装置が、上記像担持体に形成された静電潜像を、上記複数色のトナー粒子のうちの少なくとも一色のトナー粒子で現像するものであってもよい。
また、本発明の画像形成装置において、上記トナー粒子は、球状係数を
SF=(πL2/4A)×100
ただし、上記式中のLはトナー粒子の最大直径(μm)であり、Aはトナー粒子の投影面積(μm2)である。
で表したとき、そのSFの値が135以下のものであることが好ましい。
上記現像装置に保持されたトナー粒子のうち真球に近い形状のものほど、上記像担持体との接触面積が小さく良好な転写性を有するが、真球が潰れたりゆがんだりした形状のものは像担持体との接触面積が大きく転写性に劣る。このため、本発明の画像形成装置では、上記トナー粒子の形状をSFというパラメータを用いて規定している。上記SFの値が135より大きいと、真球が潰れたりゆがんだ形状のトナー粒子ということになり、トナーの転写効率が低下し、均一な画質の画像が得にくくなる。
ところで、現像装置には、上記現像剤担持体に対向して搬送量規制部材を設け、現像剤担持体とその搬送量規制部材との間隔を調整することによって、現像剤の搬送量を制御するものが知られている。このように十分に球形化されたトナー粒子を含む現像剤は、流動性が高まり、また同時に固め嵩密度も高まる。その結果、搬送量規制部位にて現像剤だまりが起こり、搬送量が不安定になるといった現象が生ずることがある。この現象に対して、現像剤担持体の表面粗さを制御したり、搬送量規制部材と現像剤担時体の間隔を狭くすることにより搬送量を安定させることが考えられるが、こうすると、現像剤だまりによるパッキング性はさらに強いものとなり、更にはトナー粒子に加わる応力も強くなってしまう。このため、トナー粒子表面の微細構造変化、特に大粒径の無機微粒子を添加した場合にはその無機微粒子の、トナー粒子表面からの離脱などが容易に起こりやすくなり、経時での現像性や転写性が損なわれてしまう。しかしながら、本発明の画像形成装置によれば、大粒径の無機微粒子を添加することが不要であるため、このように十分に球形化されたトナー粒子を用いることができる。
また、本発明の画像形成装置において、上記トナー粒子は、平均粒径を、粒度分布を基にして分割された粒度範囲に対して体積に関し小径側から累積分布を描いて累積50%となる体積平均粒径Dで表したとき、その体積平均粒径Dの値が2μm以上9μm以下の範囲内に入るものであることも好ましい。
さらに、本発明の画像形成装置において、上記トナー粒子は、表面に平均粒子径が10nm以上100nm以下の無機微粒子が少なくとも1種以上外添されたものであることも好ましい。
本発明の画像形成装置においては、100nmを超える大粒径の無機微粒子を添加する必要はないが、平均粒子径が10nm以上100nm以下の無機微粒子が添加されることで、トナー粒子の帯電特性がより良好なものになる。添加する無機微粒子の平均粒径が、10nmを下回るとトナー粒子の帯電特性の向上は望めず、反対に100nmを超えると、無機微粒子の、トナー粒子からの離脱が生じやすくなる。
ここで、上記像担持体の表面を帯電させ、帯電後のその像担持体表面に露光光を照射することによりその像担持体表面に静電潜像を形成するものであって、
電圧が印加されてその像担持体表面に接触した状態で回転することによりその像担持体表面を帯電させる帯電ロールを備えたものであってもよい。
本発明の画像形成装置によれば、大粒径の無機微粒子を添加する必要がないため、無機微粒子の離脱によって像担持体表面が汚染されることがなく、引いては、像担持体表面に接触する帯電ロール表面が汚染されることもない。したがって、上記帯電ロールを配備しても何ら不都合はなく、画像形成装置の小型化につながり好ましい。
また、本発明の画像形成装置において、上記撹拌室が、所定方向に回転する回転軸と、その回転軸を中心に、その回転軸の延在方向に所定間隔を保ちながらスパイラル状につながったスクリュー羽根と、そのスクリュー羽根の間隔部分に設けられ、その回転軸の径方向に突出するとともにその延在方向に向かって直線状に延びる平板羽根とを有する撹拌部材を備えたものであり、
上記撹拌部材が、上記平板羽根の、上記延在方向の長さをLA(mm)とし、上記所定間隔をLB(mm)とし、その平板羽根の、突出方向の長さをH(mm)とし、さらに、上記回転軸を含む上記スクリュー羽根の外径をφA(mm)とするとともに上記回転軸の外径をφB(mm)としたとき、
0.5≦LA/LB≦0.8 式A
0.4≦H/{(φA−φB)/2}≦1.0 式B
上記式Aおよび式Bを同時に満足するものである態様が好ましい。
この態様では、上記平板羽根を設けたことに留まらず、上記式Aおよび式Bによって、上記平板羽根の大きさを、上記スクリュー羽根との関係で規定している。これは、上記平板羽根を単に設けただけでは、撹拌効果の向上、すなわちトナー粒子の帯電量の増加を得ることができないからである。この態様によれば、上記撹拌部材によって上記撹拌室内の現像剤は撹拌されながら所定方向へ搬送される。この際、上記平板羽根は、現像剤の、所定方向への移動(流動性)を妨げる抵抗になるものの、平板羽根の大きさを調整することで、トナー粒子を現像剤中へ効果的にもぐり込ませることができる。すなわち、トナー粒子が現像剤中にもぐり込む際、トナー粒子には磁性キャリア粒子との摩擦が生じ、摩擦帯電が促進される。ここで、LA/LBの値が0.5未満であったり、あるいはH/{(φA−φB)/2}の値が0.4未満であると、平板羽根が現像剤に接触する面積が小さくなりすぎて、トナー粒子を現像剤中へもぐり込ませる働きが少なくなり、摩擦帯電の促進が期待できなくなる。その結果、上記式1を満足することができなくなる。一方、LA/LBの値が0.8を越えたり、H/{(φA−φB)/2}の値が1.0を越える(平板羽根の突出端が、上記スクリュー羽根の外周を越えて突出する)と、現像剤の流動性が低化し上記撹拌室内の現像剤量が増加するとともに上記搬送室内に送り込まれる現像剤量が減少する。上記搬送室内において現像剤の不足が生じると、上記現像剤担持体表面に必要な量のトナー粒子が供給されず、画質欠陥が生じてしまう。また、上記撹拌室内の現像剤量が増加すると、撹拌室内での現像剤の嵩が上がり、上記撹拌部材が現像剤中に埋没してしまう。こうなると、上記平板羽根は、上記撹拌部材よりも上の現像剤に接触しなくなり、上記撹拌部材よりも上のトナー粒子は帯電不足に陥り、上記式1を満足することができなくなる。
さらに、本発明の画像形成装置において、上記平板羽根は、上記スクリュー羽根の表面よりも表面粗さが粗い面を有するものであることが好ましい。
こうすることで、上記平板羽根のトナー保持力が高まり、トナー粒子を現像剤中へより効果的にもぐり込ませ、トナー粒子の摩擦帯電が促進される。その結果、上記Stの値が上記式1における中心値に近づく。
ここで、上記平板羽根の、上記回転軸の回転方向下流側の面が、トナー粒子を現像剤中へもぐり込ませる面になるため、この下流側の面の表面粗さを粗くすることがトナー保持力を高める上で効果的である。
また、本発明の画像形成装置において、上記磁性キャリア粒子は、コア部の表面が、そのコア部より、上記トナー粒子との摩擦によりそのトナー粒子を所定の極性へ帯電させる被帯電性に優れたコート剤によってコーティングされたものであって、
上記撹拌部材が、上記コート剤によってコーティングされたものであることも好ましく、例えば、上記平板羽根の全部又は一部が、上記コート剤によってコーティングされたものであってもよいし、上記スクリュー羽根の全部又は一部が、上記コート剤によってコーティングされたものであってもよいし、上記回転軸の全部又は一部が、上記コート剤によってコーティングされたものであるってもよいし、あるいは上記撹拌部材全体が、上記コート剤によってコーティングされたものであってもよい。
コーティングされた上記コート剤によってトナー粒子の摩擦帯電が促進され、上記Stの値が上記式1における中心値に近づく。
ここで、上記平板羽根の、上記回転軸の回転方向下流側の面がトナー粒子に接する面になるため、その下流側の面を上記コート剤によってコーティングしておくことがより好ましい。
本発明によれば、画質欠陥の発生を低コストで抑えた画像形成装置を提供することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の画像形成装置を模式的に示した図である。
本実施形態(第1実施形態)の画像形成装置1は、フルカラータンデム方式を採用した小型の画像形成装置であって、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色のトナーそれぞれに対応した、4つのトナー像形成ユニットを用いて、中間転写ベルトの送りに同期させて各トナー像形成ユニットでそれぞれの色のトナー像を形成し、それらトナー像を中間媒体としての中間転写ベルト上に重ね合わせ(1次転写)、中間転写ベルト上に重ね合わせたトナー像を記録媒体である用紙に転写(2次転写)し、定着するものである。
図1に示す画像形成装置1は、4つのトナー像形成ユニット10、4つの1次転写ロール20、3つの支持ロール31に支持されて時計回りの方向に循環移動する半導電性の中間転写ベルト30、2次転写を行う一括転写装置40、および未定着トナー像を用紙に定着させる定着装置50を備えている。
4つのトナー像形成ユニット10は、中間転写ベルト30の循環方向に並んで配置されており、各トナー像形成ユニット10には、反時計回りに回転する多層構造の感光体ドラム11が配備されている。各感光体ドラム11の表面は、中間転写ベルト30の表面に接している。1次転写ロール20は、中間転写ベルト30を挟んで感光体ドラム11と対向する位置に配備されており、感光体ドラム11と1次転写ロール20によって挟み込まれた領域が1次転写領域になる。
ここで、図1とともに図2を用いて、トナー像形成ユニット10について詳述する。
図2は、図1に示す画像形成装置が備える4つのトナー像形成ユニットのうちの一つのトナー像形成ユニットを拡大して示した図である。
図2には、トナー像形成ユニット10の他、中間転写ベルト30の一部や1次転写ロール20も示されている。図2に示すトナー像形成ユニット10は、感光体ドラム11の他、帯電ロール12、現像装置14、及びクリーニングブレード15も備えている。
帯電ロール12は、感光体ドラム11に接触して回転する外径14mmのものであり、画像形成装置の小型化に結びついている。また、この帯電ロール12は半導電性の単層構造であり、感光体ドラム11との接触部近傍の微小空隙で放電を発生させることにより感光体ドラム11を帯電させる。帯電ロール12の表面には、直流電圧に交番電圧が重畳された電圧波形の電力が供給される。なお、図1に示す画像形成装置には、この帯電ロール12の表面をクリーニングする機構は設けられておらず、コストダウンが図られている。
現像装置14は、感光体ドラム11の周囲の、1次転写領域の上流側に配備されている。なお、帯電ロール12は、その現像装置14よりもさらに上流側に配備されている。また、クリーニングブレード15は、感光体ドラム11の周囲の、1次転写領域の下流側に配備されている。図2に示す現像装置14は、トナー補給タンク141、トナー補給ノズル142、第1撹拌搬送室143、第2撹拌搬送室144、および現像ロール145を有する。トナー補給タンク141内には、補給用のトナー粒子が貯蓄されている。トナー補給ノズル142は、トナー補給タンク141と第1撹拌搬送室142を結ぶパイプ状のものであって、内部には搬送部材1421が配備されている。図2に示す搬送部材1421は、回動するスクリュー状の部材である。トナー補給タンク141のトナー粒子は、この搬送部材1421が回動することによって、トナー補給ノズル142を通って第1撹拌搬送室143に搬送される。トナー補給タンク141のからのトナー補給は適宜行われる。
ここで、図2とともに図3を用いて現像装置14について説明する。
図3は、図2に示す現像装置を示す図である。
この図3には、下から順に、第1撹拌搬送室143、第2撹拌搬送室144、現像ロール145が示されている。第1撹拌搬送室143と第2撹拌搬送室144はいずれも、感光体ドラム11の回転軸11aと平行に延びる(図2の紙面に対しては垂直方向に延び、図3では紙面の左右方向に延びる)部屋である。第1撹拌搬送室143と第2撹拌搬送室144は延在方向両端部分を除いて仕切壁146で仕切られているが、図3に示すように両端はつながっている。これらの撹拌搬送室143,144には、現像剤が保持されている。現像剤は、磁性キャリア粒子とその磁性キャリア粒子に静電的に吸着されるトナー粒子とを含むものである。トナー粒子は、所定の帯電極性を有するものであり、磁性キャリア粒子は、コア部の表面が、コア部より、トナー粒子との摩擦によりトナー粒子を所定の極性へ帯電させるトナー粒子に対する被帯電性に優れたコート剤によってコーティングされたものである。現像剤についての詳しい説明は後述する。また、これらの撹拌搬送室143,144には、撹拌搬送室の延在方向に延びるスクリューオーガ147,148が配備されている。いずれの撹拌搬送室143,144に配備されたスクリューオーガ147,148も回転自在なものであって、各スクリューオーガ147,148が回転することによって、各撹拌室内では現像剤が撹拌される。第1撹拌搬送室143内では、第1撹拌搬送室143に配備されたスクリューオーガ147の回転によって、トナー粒子が摩擦帯電され磁性キャリア粒子に静電的に付着するとともにトナー粒子が付着した磁性キャリア粒子が第2撹拌搬送室144に送り込まれる。すなわち、図2に示すトナー補給タンク141からトナー補給ノズル142を通って第1撹拌搬送室143に設けられた投入口149から補給されたトナー粒子は、摩擦帯電されながら第1撹拌搬送室143を通過して第2撹拌搬送室144へと送り込まれる(図3中の右側に示された矢印参照)。この第1撹拌搬送室143に配備されたスクリューオーガ147については、詳しくは後述する。第2撹拌搬送室144内では、トナー粒子が付着した磁性キャリア粒子が第2撹拌搬送室144に配備されたスクリューオーガ148の回転によって図3の右から左に向けて搬送される。現像ロール145は、第2撹拌搬送室144に対向するとともに感光体ドラム11に対向して設けられた、図2に示す矢印方向に回転する現像スリーブ1451を有する。この現像スリーブ1451と第2撹拌搬送室144とが対向している領域が、第2撹拌搬送室144内にある現像剤を現像スリーブ1451へ供給する供給領域になり、現像スリーブ1451と感光体ドラム11とが対向している領域が現像領域になる。現像スリーブ1451の内側には、マグネットロール(不図示)が配備されている。このマグネットロールは回転する現像スリーブ1451に対して固定された状態に配備されており、トナー粒子が付着した磁性キャリア粒子(現像剤)を現像スリーブ1451に吸着させるためのピックアップ磁極や、現像剤を現像領域で穂立ちさせる磁極や、現像領域通過後の現像剤を現像スリーブ1451上から剥がすためのピックオフ磁極等を有する。また、現像スリーブ1451には、現像スリーブ1451上のトナー粒子に対して現像スリーブ1451側に向けて静電気力が作用するように電界を形成すべく、直流電圧に交流電圧を重畳させた電圧が印加されている。このような、内部にマグネットロールが配備された現像スリーブ1451を有する現像ロール145は、その表面に現像剤を担持して現像剤を現像領域に搬送するものであり、本発明にいう現像剤担持体の一例に相当する。なお、現像スリーブ1451に吸着されなかった現像剤や、現像領域通過後に現像スリーブ1451から剥がされた現像剤は、第2撹拌搬送室144に配備されたスクリューオーガ147の回転によって、第1撹拌搬送室143に戻される(図3中の左側に示された矢印参照)。
また、図2に示すクリーニングブレード15は、ウレタンゴムなどからなる板状のものであって、その先端が、感光体ドラム11の表面に当接している。
ここで、第1撹拌搬送室143に配備されたスクリューオーガ147について詳述する。
図4は、第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガの一部を示す図である。
図4に示すスクリューオーガ147は、回転軸1471と、スクリュー羽根1472と、平板羽根1473とを有する撹拌部材である。回転軸1471は、図3に示す第1撹拌搬送室143の延在方向に延びたものであって所定方向に回転する(図4中の矢印参照)。スクリュー羽根1472は、回転軸1471を中心に、その回転軸1471の延在方向に所定間隔を保ちながらスパイラル状につながった羽根である。また、スクリュー羽根1472とは別に設けられた平板羽根1473は、そのスクリュー羽根1472の間隔部分に設けられ、回転軸1471の径方向に突出するとともに回転軸1471の延在方向に向かって直線状に延びるものである。この平板羽根1473は、回転軸の延在方向に所定間隔ごとに設けられたものである。
図5は、図4に示すスクリューオーガのA−A’断面図であり、図6は、図4に示すスクリューオーガのB−B’断面図である。
図4に示すスクリューオーガ147では、回転軸1471の延在方向に見た1つの箇所(図5および図6それぞれを参照)に、平板羽根1473が2枚設けられており、これら2枚の平板羽根1473は、回転軸1471の周方向に180度ずれた位置からそれぞれ突出している。また、図5および図6それぞれに示す平板羽根1473は、所定間隔をおいて隣り合う平板羽根であって、互いに突出方向が回転軸1471の周方向に90度ずれている。
ここで、図4に示すように、平板羽根1473の、回転軸延在方向の長さをLA(mm)とし、スクリュー羽根1472の間隔(ピッチ)をLB(mm)とする。また、図6に示すように、平板羽根1473の、突出方向の長さをHとする。さらに、図5に示すように、回転軸1471を含むスクリュー羽根1472の外径をφA(mm)とし、回転軸1471の外径をφB(mm)としたとき、図4に示すスクリューオーガ147は、
0.5≦LA/LB≦0.8 式A
0.4≦H/{(φA−φB)/2}≦1.0 式B
上記式Aおよび式Bを同時に満足している。
図4に示すスクリューオーガ147よって第1撹拌搬送室143内の現像剤は撹拌されながら図3においては図の左から右へ搬送される。この際、平板羽根1473は、現像剤の移動(流動性)を妨げる抵抗になるものの、平板羽根の大きさを調整することで、トナー粒子を現像剤中へ効果的にもぐり込ませることができる。すなわち、トナー粒子が現像剤中にもぐり込む際、トナー粒子には磁性キャリア粒子との摩擦が生じ、摩擦帯電が促進される。ここで、LA/LBの値が0.5未満であったり、あるいはH/{(φA−φB)/2}の値が0.4未満であると、平板羽根1473が現像剤に接触する面積が小さくなりすぎて、トナー粒子を現像剤中へもぐり込ませる働きが少なくなり、摩擦帯電の促進が期待できなくなる。一方、LA/LBの値が0.8を越えたり、H/{(φA−φB)/2}の値が1.0を越える(平板羽根1473が、スクリュウー羽根1472の外周を越えて突出する)と、現像剤の流動性が低化し第1撹拌搬送室143内の現像剤量が増加するとともに第2撹拌搬送室144内に送り込まれる現像剤量が減少する。第2撹拌搬送室144内において現像剤の不足が生じると、現像スリーブ1451に必要な量のトナー粒子が供給されず、画質欠陥が生じてしまう。また、第1撹拌搬送室143内の現像剤量が増加すると第1撹拌搬送室143内での現像剤の嵩が上がり、図4に示すスクリューオーガ147が現像剤中に埋没してしまう。こうなると、平板羽根1473は、スクリューオーガ147よりも上の現像剤に接触しなくなり、スクリューオーガ147よりも上のトナー粒子は帯電不足に陥ってしまう。
なお、第2撹拌搬送室144に配備されたスクリューオーガ144は、図4に示すスクリューオーガ147から平板羽根1473を省略したものと同じ構成のものである。
続いて、図1に示す画像形成装置1における画像形成について説明しながら、この画像形成装置1の構成についてさらに詳述する。
感光体ドラム11の表面は、帯電ロール12によって一様に帯電される。帯電ロール12により一様に帯電した感光体ドラム11の表面にはレーザ光Lが照射され感光体ドラム11表面に静電潜像が形成される。現像装置14は、現像領域において、感光体ドラム11上の静電潜像を現像ロール145に担持したトナー粒子によって現像し、感光体ドラム11上にはトナー像が形成される。
1次転写ロール20には、トナー粒子の帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加されており、感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、1次転写領域において感光体ドラム表面から中間転写ベルト30の表面に移行する。各トナー像形成ユニット10で形成されたトナー像は、中間転写ベルト30の表面上で1つに重なり合ったトナー像となる。
また、一括転写装置40は、中間転写ベルト30の表面(トナー像担持面)側に圧接配置された二次転写ロール41と、中間転写ベルト30の裏面側に配置されたバックアップロール42を備えており、これら2つのロール41,42で中間転写ベルト30を挟みこんでいる。これら2つのロール41,42によって挟み込まれた領域が2次転写領域になる。
さらに、図1に示す画像形成装置1には、用紙トレイ60が配備されており、用紙トレイ60に収容された用紙Pは、フィードロール61によって用紙トレイ60から送り出され、所定のタイミングで2次転写領域へと送り込まれる。2次転写領域では、中間転写ベルト30上で1つに重なり合ったトナー像が、送り込まれてきた用紙P上に転写される。定着装置50は、加熱機構511を有する定着ロール51、および定着ロール51に対向するように設けられた圧力ロール52を備えている。互いに対向する定着ロール51と圧力ロール52との間には、2次転写領域を通過した用紙Pが搬送されてくる。用紙P上のトナー像を構成するトナーは、定着ロール51の加熱機構511により溶融され用紙Pに定着する。
また、一括転写装置40の下流側には、中間転写ベルト30上の残留トナーを除去するベルトクリーナ70が設けられている。このベルトクリーナ70は、ゴム性のブレード71を有する。このブレード71の先端は、中間転写ベルト30の表面に押し当てられており、中間転写ベルト30が循環移動すると、その表面に残留したトナーが剥がし取られる。
またさらに、1次転写領域において中間転写ベルト30に転写されず、感光体ドラム11に残留したトナー粒子は、クリーニングブレード15によって感光体ドラム11上から掻き落とされる。
ここで、5000個以上のトナー粒子の帯電分布をチャージスペクトログラフ法で測定し、1mm2当たりのトナー粒子が100個以上500個以下となる地点までの原点からの距離を最大値と定義した場合(以下、同じ)、感光体ドラム11上に形成された、画像濃度がX−Rite社製X−Rite936において1.2以上の値であるトナー像におけるトナー粒子の帯電分布の最大値をStとし、第2撹拌搬送室144の最上流部のトナー粒子、すなわち第2撹拌搬送室144に送り込まれた直後のトナー粒子の帯電分布の最大値をAtとし、現像ロール145に担持されたトナー粒子の帯電分布の最大値をPtとしたとき、
|8mm|<|St|≦|15mm| 式1
|8mm|<|At| 式2
0.9<|St|/|Pt|<1.1 式3
図1における画像形成装置1では、上記式1、式2、および式3を同時に満足している。
なお、1mm2当たりたトナー粒子の個数は、レーザ顕微鏡(株式会社キーエンス製:VK8500)を用いて測定した。
ここでは、摩擦帯電させることでトナー粒子の帯電量が上がると、トナー粒子の帯電分布は広くなる傾向にあること着目し、上記式2によって第2撹拌搬送室144に送り込まれた直後のトナー粒子の帯電分布を規定している。図1における画像形成装置1では、第1撹拌搬送室143に、図4に示す平板羽根1473を備えたスクリューオーガ147を配備したことで、第1撹拌搬送室143内の現像剤中にトナー粒子をもぐり込ませる効果、特には投入口149から補給されたトナー粒子をもぐり込ませる効果が高まり、摩擦帯電が促進され、第2撹拌搬送室144に送り込まれた直後のトナー粒子は、|At|の値が8mmを超えるまでに帯電される。図1における画像形成装置1によれば、現像装置14の投入口149から補給されたばかりのトナー粒子の帯電分布の最大値をFtとすると、
|At|=|Ft|×2.9 式4
上記式4の関係が成立する。上記式4中の「2.9」の係数は、図4に示すスクリューオーガ147によってトナー粒子をどれほど均一に帯電させることができるかを表す係数である。
|At|の値が|8mm|以下であると、トナー粒子は帯電不足である可能性が高く、トナー像形成時に、像担時体上の非画像部にトナー粒子が飛翔し、非画像部がカブルといった画像欠陥が生じやすい。このため、大粒径の無機微粒子を添加して、第1撹拌搬送室における摩擦帯電を高めることが必要になるが、大粒径の無機微粒子を添加すると、その添加した無機微粒子の、トナー粒子からの離脱が問題になる。しかしながら、|At|の値が|8mm|を超えていると、トナー粒子は十分に帯電していることになり、大粒径の無機微粒子を添加してまでも上記撹拌室における摩擦帯電を高めることが不要になる。この結果、無機微粒子の、トナー粒子からの離脱が問題にならなくなる。また、上記式1によって規定した範囲に抑えることで、トナー粒子の帯電状態に起因する画質欠陥の発生が最終的に抑えられる。すなわち、上記|St|の値が15mmを超えていると、帯電不足のトナー粒子や過帯電であるトナー粒子が存在する可能性が高くなり、形成した画像に‘かぶり’や画像濃度の低下といった画質欠陥が生じやすい。さらに、転写時に白抜けが生じたり、転写効率の悪化から画像ムラ等が生じたりする。一方、上記|St|の値が8mm以下であると、トナー粒子は帯電不足である可能性が高く、形成した画像に‘かぶり’が生じやすい。さらに、上記式3は、トナー粒子の、現像ロール145から感光体ドラム11への移行の程度を規定するものであり、上記式3によって規定した範囲に抑えることで、安定した現像性が保証される。なお、|St|の値は、10〜14(mm)の範囲が好ましく、11〜13(mm)の範囲がより好ましい。
次に、現像剤について詳述する。この現像剤は、上述のごとく、コア部の表面がトナー粒子に対する被帯電性に優れたコート剤によってコーティングされた磁性キャリア粒子とその磁性キャリア粒子に静電的に吸着されるトナー粒子とを含むものである。
トナー粒子は、主に着色剤と結着樹脂からなる着色粒子と外添剤により構成されたものである。結着樹脂としては、公知の樹脂が使用できる。例えば、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体及び共重合体を使用することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等も挙げられる。
着色剤としては公知の樹脂が使用できる。例えば、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等が代表的なものとして例示することができる。
また、図1に示す画像形成装置1では、耐オフセット性をより良好なものにするために、着色粒子に離型剤を添加したものを使用している。離型剤としては公知の樹脂が使用できる。例えば、低分子量ポリプロピレンや低分子量ポリエチレンなどの炭化水素系ワックス、マイクロクリスタリンワックス、シリコーン樹脂、ロジン類、エステル系ワックス、ライスワックス、カルナバワックス、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、キャンデリラワックスなどのワックス等を代表的なものとして例示することができる。離型剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜15重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。添加量が1重量部より少ないと、効果が発揮されないことがあり、反対に添加量が15重量部より多いと、極端に流動性が悪化すると共に帯電分布が非常に広くなることがある。
さらに、図1に示す画像形成装置1では、着色粒子に帯電制御剤を添加したものを使用している。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができる。例えば、フッ素系界面活性剤、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸金属錯化合物、マレイン酸を単量体成分として含む共重合体のごとき高分子酸、4級アンモニウム塩、ニグロシン等のアジン系染料、カーボンブラック、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤等を代表的なものとして例示することができる。特に湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で、水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。
なお、着色粒子は、磁性材料を内包する磁性粒子であってもよいし、磁性材料を含有しない非磁性粒子であってもよい。着色粒子が磁性粒子の場合、結着樹脂中に分散される磁性粉末としては、公知の磁性体、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の金属及びこれらの合金、Fe3 O4 、γ−Fe2 O3 、コバルト添加酸化鉄等の金属酸化物、Mn・Znフェライト、Ni・Znフェライト等の各種フェライト、マグネタイト、ヘマタイト等が使用でき、更にそれらの表面をシランカップリング剤、チタネートカップリング剤等の表面処理剤で処理したもの、あるいはポリマーコーティングしたもの等を使用することもできる。
着色粒子の外添剤、すなわちトナー粒子を構成する外添剤としては、少なくとも一種類以上の平均粒子径が10nm以上100nm以下の比較的小粒径の無機微粒子を使用することができ、10nm以上80nm以下であることが好ましく、10nm以上50nm以下であることがより好ましい。本発明の画像形成装置においては、100nmを超える大粒径の無機微粒子を添加する必要はないが、平均粒子径が10nm以上100nm以下の無機微粒子が添加されることで、トナー粒子がより良好に帯電される。添加する無機微粒子の平均粒径が、10nmを下回るとトナー粒子の帯電特性の向上は望めず、反対に100nmを超えると、無機微粒子の、トナー粒子からの離脱が生じやすくなる。
小粒径の無機微粒子としては、公知のものを用いることができ、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、メタチタン酸TiO(OH)2、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属酸化物粒子や、アルミナ等のセラミック粒子、等が挙げられる。特に、着色粒子にメタチタン酸TiO(OH)2粒子を外添させると、透明性に影響を与えず、良好な帯電性、環境安定性、流動性、耐ケーキング性、安定した負帯電性、安定した画質維持性が得られる。メタチタン酸は一般的には、以下に示すイルメナイト鉱石を用いた硫酸法(湿式)により製造することができる。
FeTiO2+2H2SO4→FeSO4+TiOSO4+2H2
TiOSO4+2H2O→TiO(OH)2+H2So4
さらに、TiO(OH)2状態、好ましくはTiO(OH)2の水分散状態中でシラン化合物を加え、OH基の一部もしくは全部を処理し、これをろ過、洗浄、乾燥、粉砕することにより、従来の結晶性酸化チタン(上記硫酸法により得られたTiO(OH)2を焼成したもの)に比べ、真比重の小さい特定チタン酸化物を得ることができる。即ち、上記のように溶液中で反応を行うと、TiO(OH)2がその加水分解時にシラン化合物で処理される。その結果、TiO(OH)2から生じる特定チタン酸化物が一次粒子の状態でシラン化合物で表面処理されることとなる。これにより凝集のない一次粒子状態の特定チタン酸化物を得ることが可能となる。
また、目的に応じてこれら無機微粒子の表面には公知の表面処理を施してもよく、例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤などのカップリング剤、シリコーンオイルなどが挙げられる。これらの中でも、シラン系カップリング剤とシリコーンオイルを好ましく用いることができる。シラン系カップリング剤としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤などいずれのタイプも使用することができ、その具体例としては、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3.4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどや、それらの一部の水素原子をフッ素原子に変えた、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシルトリエトキシシラン、3−ヘプタフルオロイソプロポキシプロピルトリエトキシシランなどのフッ素系シラン化合物、水素原子の一部をアミノ基で置換したアミノ系シラン化合物などが挙げられる。また、シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、環状ジメチルシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどが挙げられる。これらの疎水化剤は1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機微粒子の着色粒子表面への付着状態は、単に機械的な付着であってもよいし、表面にゆるく固着されていてもよい。また、着色粒子の全表面を被覆していても、一部を被覆していてもよい。無機微粒子の添加量は、着色粒子100重量部に対して、0.1〜3.0重量部が好ましく、0.2〜2.0重量部がより好ましい。添加量が0.1重量部より少ないと、トナーの流動性が十分に得られない場合があり、また熱保管によるブロッキング抑制が不十分となりやすい。一方、添加量が3.0重量部より多いと、過剰被覆状態となり、過剰無機微粒子が接触部材に移行し、二次障害を引き起こす場合がある。また、外添混合後に篩分プロセスを通しても構わない。
続いて、トナー粒子の製造方法について説明する。まず、トナー粒子を構成する着色粒子は、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、着色粒子を得る乳化重合凝集法によって製造される。ただし、着色粒子の製造方法は、この乳化重合凝集法に限らず、公知のいかなる方法によっても製造できる。例えば、結着樹脂、着色剤、離型剤、および帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂、着色剤、離型剤、帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が挙げられる。また、上記方法で得られた着色粒子をコアにして、更に凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。
次に、得られた着色粒子に、外添剤を添加し、トナー粒子とする方法について説明する。着色粒子に外添剤を添加するための製造方法としては、公知のいかなる方法によっても製造できる。例えば、着色粒子に外添剤を添加したものを混合することによって得られるが、例えば、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等の公知の混合機によって混合することができる。
こうして製造されたトナー粒子は、球形状トナー粒子となる。この「球形状」とは、完全な真球及び真球に近い形状を有するものの両方を意味する。なお、球形状トナー粒子は乳化重合凝集法によって得ることができるが、ほぼ球形のトナー粒子が得られるのであれば、その製造方法は特に限定されない。このような球形状トナー粒子は、下記式Bで表される形状指数(SF)によって定量的に表現され、この値が100である場合は真球を意味し、100に近いほど、その形状が真球に近いことを意味する。
SF=(πL2/4A)×100 式5
ただし、式5中のLはトナー粒子の最大直径(μm)であり、Aはトナー粒子の投影面積(μm2)である。
ここでは、この形状指数(SF)が135以下であることが好ましく、125以下がより好ましい。この形状指数(SF)が135を超える場合は、球形状トナー粒子の、感光体ドラム11表面に対する付着力が大きくなり、転写効率が低下する場合がある。したがってこのような場合には、画像を形成するために利用されることなく廃棄されるトナーが増加し、経済的にも、環境上も好ましくない。なお、形状係数(SF)の値は、得られたトナー粒子100個の各々について、画像解析装置(株式会社ネクサス製:NEXUS)を用いて、その投影像の最大長さ(トナー粒子の最大直径)L(μm)及びトナー粒子の投影面積A(μm2)を計測し、これらの値を式6に代入して得られた個々の値を平均して求めたものである。
ところで、図2にでは図示省略したが、現像装置14には、現像ロール145に対向して搬送量規制部材が設けられており、この搬送量規制部材と現像ロール145との間隔を調整することによって、現像剤の搬送量が制御される。十分に球形化されたトナー粒子を含む現像剤は、流動性が高まり、また同時に固め嵩密度も高まる。その結果、搬送量規制部位にて現像剤だまりが起こり、搬送量が不安定になるといった現象が生ずることがある。この現象に対して、現像ロール145の表面粗さを制御したり、搬送量規制部材と現像ロール145との間隔を狭くすることにより搬送量を安定させることが考えられるが、こうすると、現像剤だまりによるパッキング性はさらに強いものとなり、更にはトナー粒子に加わる応力も強くなってしまう。このため、トナー粒子表面の微細構造変化、特に大粒径の無機微粒子を添加した場合にはその無機微粒子の、トナー粒子表面からの離脱などが容易に起こりやすくなり、経時での現像性や転写性を損なってしまう。しかしながら、図1に示す画像形成装置1によれば、大粒径の無機微粒子を添加することが不要であるため、このように十分に球形化されたトナー粒子を用いることができる。
また、図1に示す画像形成装置1において用いられるトナー粒子は、平均粒径を、粒度分布を基にして分割された粒度範囲に対して体積に関し小径側から累積分布を描いて累積50%となる体積平均粒径Dで表したとき、その体積平均粒径Dの値が、2μm以上9μm以下の範囲内に入るものであり、5μm以上8μm以下の範囲内に入るものであることが好ましい。体積平均粒径Dが2μm未満の場合は、所望の帯電分布を得ることができないためトナー粒子が現像装置から飛散しやすくなり画像形成装置内の汚染等を発生させたり、トナー粒子が磁性キャリア粒子へ付着しやすくなるためトナーの帯電性を低下させてしまう場合がある。一方、体積平均粒径Dが9μmを超えた場合にも、所望の帯電布を得ることができず、画質の低下を招きやすくなる等の不具合が発生する。
なお、本発明においては、離型剤や帯電制御剤が無添加のトナー粒子であってもよい。
磁性キャリア粒子を構成するコア粒子としては、フェライト、マグネタイト、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属粉等の公知のものが使用できる。この中でも、キャリア表面へのトナー汚染や現像装置内で受けるストレスによるキャリアコート剥がれを抑制するために、比較的低比重であるフェライトを用いることが好ましい。
フェライトとしては、Li、Mg、Ca、Mn、Ni、Cu、Znから選ばれた1種以上の元素の酸化物とFe23をと主成分として造粒、焼結して形成された磁性粒子が所望する磁化率を得やすい点で好ましく、さらにはLi、Mg、Mnから選ばれた1種以上の元素の酸化物とFe23をと主成分として造粒、焼結して形成された磁性粒子が所望する磁化率と所望する電気抵抗を両立して得やすい点でより好ましい。
フェライト粒子の製造方法は公知の手段を用いることができる。例えば、粉砕されたフェライト組成物を、バインダー、水、分散剤、有機溶剤などと混合し、スプレードライ法や流動造粒法を用いて粒子を作成し、ロータリーキルンや回分式焼却炉により焼成したのち、篩分により分級して粒子径分布を制御して、キャリアコア材料とする方法が挙げられる。また、焼成段階において、酸素分圧を制御するか、あるいは焼成後に粒子表面の酸化、還元処理を追加するなどして、コア材料の電気抵抗を制御することも可能である。
コア粒子は、その表面が、コア粒子より、トナー粒子との摩擦によりトナー粒子を所定の極性へ帯電させるトナー粒子に対する被帯電性に優れたコート剤によってコーティングされたものである。コート剤としては、ポリオレフィン系樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン;ポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂又はその変性品;フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;アミノ樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂;エポキシ樹脂、等が挙げられる。また、キャリア表面のトナー汚染による抵抗変化を極小化するために、マトリクス樹脂の一部または全体に臨界表面張力(γc)で30dyn/cm以下の樹脂を用いることが好適である。臨界表面張力で30dyn/cm以下の樹脂としては、ポリフッ化ビニル(γc=28dyn/cm)、ポリフッ化ビニリデン(γc=25dyn/cm)、ポリトリフルオロエチレン(γc=22dyn/cm)、ポリテトラフルオロエチレン(γc=18dyn/cm)、ポリヘキサフルオロプロピレン(γc=16dyn/cm)、等があり、その他のものとしてフッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ素化単量体のターポリマーのようなフルオロターポリマー等の臨界表面張力35dyn/cm以下の樹脂が使用できる。特に、臨界表面張力で30dyn/cm以下を示すフッ素を含む樹脂、重合体及び又はシリコーン樹脂を含有するのがより好ましい。
また、コート剤とともにコア粒子上に導電性微粒子を外添してもよい。ここでの導電性微粒子としては、金、銀、銅のような金属や;カーボンブラック;更に酸化チタン、酸化亜鉛のような半導電性酸化物;酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズやカーボンブラック、金属で覆ったもの等が挙げられる。特に、製造安定性、コスト、導電性の良さ等の観点からカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの種類としては特に限定されるものではなく、公知のものが使用でき、好ましくは製造安定性のよいDBP(ジブチルフタレート)吸油量が50〜300ml/gの範囲のカーボンブラックが好ましい。さらにカーボンブラックの平均粒径は0.1μm以下が好ましく、より良い分散性を獲得するためには一次粒子径が50nm以下であることが好ましい。さらに、帯電制御や被膜強度制御等を目的とし、コート剤、導電性微粒子に加えて架橋性有機粒子、磁性微粒子などを含有させてもよい。
コート剤や導電性微粒子等の被覆材料をコア粒子表面に形成する方法としては、代表的には、被覆層形成用原料溶液(溶剤中に、コート剤、樹脂微粒子、導電性微粉末を含む)を利用した各種コーティング手法があげられる。具体的には、例えば、コア粒子の粉末を被覆層形成用原料溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用原料溶液をコア粒子表面に噴霧するスプレー法、コア粒子を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用原料溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でコア粒子と被覆層形成用原料溶液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。被膜層形成用原料溶液に使用する溶剤は、コート剤を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類が使用できる。
続いて、本発明の画像形成装置の第2実施形態から第4実施形態までについて説明する。
第2実施形態から第4実施形態までのいずれの画像形成装置も、フルカラータンデム方式を採用した画像形成装置であって、その構成は図1に示す第1実施形態の画像形成装置の構成と同じである。第2実施形態から第4実施形態までの各実施形態の画像形成装置が第1実施形態の画像形成装置と異なるところは、現像装置の第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガである。以下、第1実施形態において説明した構成要素と同じ名前の構成要素にはこれまで用いた符号と同じ符号を用いて、第2実施形態から第4実施形態までの各実施形態における、第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガについて説明する。
図7は、第2実施形態における、第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガの一部を示す図である。
この図7に一部を示すスクリューオーガ147の回転軸1471は、図中の矢印方向に回転するものである。この第2実施形態のスクリューオーガ147も、第1実施形態のスクリューオーガ147と同じく平板羽根1473を備えており、その平板羽根1473の、回転軸1471の回転方向下流側の面1473aには粗面化加工が施されている。すなわち、図7に示す平板羽根1473の下流側面1473aには、回転軸1471の延在方向に延びる多数の切り込み溝vが形成されており、その下流側面1473aは、上流側面1473bやスクリュー羽根1472の表面よりも表面粗さが粗くなっている。
図8は、図7に示すスクリューオーガの変形例を示す図である。
この図8に示す平板羽根1473の下流側面1473aには粗面化加工の一つであるショットブラスト加工が施されており、その下流側面1473aは梨子地状になっている。
図7及び図8それぞれに示すスクリューオーガ147では、この下流側面1473aが、トナー粒子を現像剤中へもぐり込ませる面になるため、この面1473aの表面粗さを粗くすることで平板羽根1473のトナー保持力が高まり、トナー粒子を現像剤中へより効果的にもぐり込ませ、トナー粒子の摩擦帯電を促進させる。
図7に示すスクリューオーガ147を備えた第2実施形態における画像形成装置では、第2撹拌搬送室144に送り込まれた直後のトナー粒子の帯電分布の最大値をAtとし、現像装置14の投入口149から補給されたばかりのトナー粒子の帯電分布の最大値をFtとすると、
|At|=|Ft|×3.2 式6
上記式6の関係が成立するとともに、上記式1〜式3のいずれの関係も同時に成立する。なお、上記式6中の「3.2」の係数は、図7に示すスクリューオーガ147によってトナー粒子をどれほど均一に帯電させることができるかを表す係数である。
なお、平板羽根1473の両面1473a,1473bに粗面化加工を施してもよい。
続いて、第3実施形態の画像形成装置について説明する。この第3実施形態における第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガ147の形状は、図4に示す第1実施形態のスクリューオーガ147の形状と同じであるが、第3実施形態においては、平板羽根1473の下流側面1473aが、磁性キャリア粒子のコア部の表面をコーティングしているトナー粒子に対する被帯電性に優れたコート剤によって被覆されている。第1搬送撹拌室143内のトナー粒子は、回転軸1471が回転することで、平板羽根1473の、コート剤によって被覆された下流側面1473aと摺擦する。この摺擦の際に、その下流側面1473aに設けられたコート剤の被膜によってトナー粒子の摩擦帯電が促進される。
この第3実施形態における画像形成装置では、
|At|=|Ft|×3.3 式7
上記式7の関係が成立するとともに、上記式1〜式3のいずれの関係も同時に成立する。上記式7中の「3.3」の係数は、下流側面1473aがコート剤によって被覆されたスクリューオーガ147によってトナー粒子をどれほど均一に帯電させることができるかを表す係数である。
なお、平板羽根1473の両面1473a,1473bにコート剤をコーティングしてもよい。
次いで、第4実施形態の画像形成装置について説明する。この第4実施形態における第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガ147では、回転軸1471の外周面が、磁性キャリア粒子のコア部の表面をコーティングしているコート剤によって被覆されている。
この第4実施形態における画像形成装置では、
|At|=|Ft|×2.8 式8
上記式8の関係が成立するとともに、上記式1〜式3のいずれの関係も同時に成立する。上記式8中の「2.8」の係数は、回転軸1471の外周面がコート剤によって被覆されたスクリューオーガ147によってトナー粒子をどれほど均一に帯電させることができるかを表す係数であり、上記式7中の係数に比べて低い値になっている。これは、トナー粒子との摺擦の程度の違いに起因するものである。
なお、スクリュー羽根1472を、磁性キャリア粒子のコア部の表面をコーティングしているコート剤によって被覆してもよい。
以上、第1実施形態から第4実施形態までの画像形成装置について説明したが、これらの画像形成装置はいずれも、トナー流動性、帯電性、現像性、転写性、定着性を同時に、かつ長期にわたり満足でき、特にトナー流動性、帯電性、現像性、転写性を向上しうるある一定以上の大粒径の無機微粒子を外添剤として有さず、帯電ロール等に更なるクリーニング機構を設けなくとも、カブリのない、かつ鮮明な画像を安定して形成できる、環境に優しい小型で低コストの画像形成装置である。
なお、第1実施形態から第4実施形態までの画像形成装置はいずれも、フルカラータンデム方式を採用した画像形成装置であったが、本発明の画像形成装置は、他の形式を採用したものであってもよい。例えば4色より多い現像装置を備えた画像形成装置にも適用可能である。
また、感光体ドラム11の帯電方式は、帯電ロール12を用いた接触帯電方式に限定されず、非接触帯電方式であってもよい。
(実施例)
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
上述した第1実施形態の画像形成装置を用いて、モノクロ画像の60000枚の走行テストを行った。すなわち、図4に示す平板羽根を有するスクリューオーガが第1撹拌搬送室に配備された現像装置を備えた画像形成装置を用いた。ここで用いたスクリューオーガの各部位における寸法は、以下に示す通りである。
平板羽根の、回転軸延在方向の長さLA=10mm
スクリュー羽根の間隔(ピッチ)LB=20mm
平板羽根の、突出方向の長さH=7mm
回転軸を含むスクリュー羽根の外径φA=20mm
回転軸の外径φB=6mm
したがって、LA/LB=0.5となり上記式Aを満足するとともに、H/{(φA−φB)/2}=1.0となり上記式Bも満足する。
また、現像剤は、負極帯電性の2成分現像剤を用いた。この現像剤に含まれるK(黒)色のトナー粒子としては、体積平均粒径が6.4μm、形状係数値(SF)が132のほぼ球形の重合法湿式トナー粒子を用いた。さらに、このトナー粒子の外添剤としては、平均粒子径が40nmの無機微粒子を2種類と50nmの無機微粒子を1種類用いた。
第2撹拌搬送室に送り込まれた直後のトナー粒子の帯電分布の最大値At、現像ロールに担持されたトナー粒子の帯電分布の最大値Pt、K色のトナー像におけるトナー粒子の帯電分布の最大値St、およびSt/Ptは表1に示す通りであった。
Figure 0004385906
[かぶり評価方法]
走行テスト後における、プリント上の背景部の濃度、および感光体ドラム上表面をテープによりOHPシートに転写したときの濃度を目視により評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を下記表2に示す。
○:かぶりは確認されなかった。
×:背景部かぶりが発生した。
[ソリッド濃度およびムラ評価方法]
走行テスト後における、プリント上のソリッド部の濃度とムラ等の画質欠陥を目視により評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を下記表2に示す。
○:ソリッド部に濃度異常やムラが確認されなかった。
×:ソリッド部に濃度異常およびムラが確認された。
Figure 0004385906
(実施例2)
第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガを、各部位における寸法が以下に示す寸法のスクリューオーガに取り換えた以外は、実施例1と同様にしてモノクロ画像の60000枚の走行テストを行った。
平板羽根の、回転軸延在方向の長さLA=16mm
スクリュー羽根の間隔(ピッチ)LB=20mm
平板羽根の、突出方向の長さH=7mm
回転軸を含むスクリュー羽根の外径φA=20mm
回転軸の外径φB=6mm
すなわち、実施例2では、実施例1における平板羽根よりも、回転軸延在方向の長さが6mm長い平板羽根を有するスクリューオーガを用いた。この実施例2では、LA/LB=0.8となり上記式Aを満足するとともに、上記式Bも満足する。
各帯電分布の最大値、及びSt/Ptの値を表1に示す。
また、上述した各方法によって、かぶり評価とソリッド濃度およびムラの評価とを行った。結果を表2に示す。
(実施例3)
第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガを、各部位における寸法が以下に示す寸法のスクリューオーガに取り換えた以外は、実施例1と同様にしてモノクロ画像の60000枚の走行テストを行った。
平板羽根の、回転軸延在方向の長さLA=10mm
スクリュー羽根の間隔(ピッチ)LB=20mm
平板羽根の、突出方向の長さH=2.8mm
回転軸を含むスクリュー羽根の外径φA=20mm
回転軸の外径φB=6mm
すなわち、実施例3では、実施例1における平板羽根よりも、突出方向の長さが4.2mm短い平板羽根を有するスクリューオーガを用いた。この実施例3では、上記式Aを満足するとともに、H/{(φA−φB)/2}=0.4となり上記式Bも満足する。
各帯電分布の最大値、及びSt/Ptの値を表1に示す。
また、上述した各方法によって、かぶり評価とソリッド濃度およびムラの評価とを行った。結果を表2に示す。
(実施例4)
第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガを、各部位における寸法が以下に示す寸法のスクリューオーガに取り換えた以外は、実施例1と同様にしてモノクロ画像の60000枚の走行テストを行った。
平板羽根の、回転軸延在方向の長さLA=16mm
スクリュー羽根の間隔(ピッチ)LB=20mm
平板羽根の、突出方向の長さH=2.8mm
回転軸を含むスクリュー羽根の外径φA=20mm
回転軸の外径φB=6mm
すなわち、実施例4では、実施例1における平板羽根よりも、回転軸延在方向の長さが6mm長く、突出方向の長さが4.2mm短い平板羽根を有するスクリューオーガを用いた。この実施例4では、LA/LB=0.8となり上記式Aを満足するとともに、H/{(φA−φB)/2}=0.4となり上記式Bも満足する。
各帯電分布の最大値、及びSt/Ptの値を表1に示す。
また、上述した各方法によって、かぶり評価とソリッド濃度およびムラの評価とを行った。結果を表2に示す。
(実施例5)
第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガを、平板羽根の、回転軸回転方向下流側の面にショットブラスト加工を施しその下流側面を梨子地状にしたスクリューオーガに取り換えた以外は、実施例1と同様にしてモノクロ画像の60000枚の走行テストを行った。
すなわち、この実施例5では、図8にその一部を示すスクリューオーガを用いた。
各帯電分布の最大値、及びSt/Ptの値を表1に示す。
また、上述した各方法によって、かぶり評価とソリッド濃度およびムラの評価とを行った。結果を表2に示す。
(実施例6)
第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガを、平板羽根の、回転軸回転方向下流側の面に粗面化加工を施し、その下流側面に、回転軸延在方向に延びる多数の切り込み溝を形成したスクリューオーガに取り換えた以外は、実施例1と同様にしてモノクロ画像の60000枚の走行テストを行った。
すなわち、この実施例6では、図7にその一部を示すスクリューオーガを用いた。
各帯電分布の最大値、及びSt/Ptの値を表1に示す。
また、上述した各方法によって、かぶり評価とソリッド濃度およびムラの評価とを行った。結果を表2に示す。
(実施例7)
第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガを、平板羽根の下流側の面が磁性キャリア粒子のコア部の表面をコーティングしているトナー粒子に対する被帯電性に優れたコート剤によって被覆されているスクリューオーガに取り換えた以外は、実施例1と同様にしてモノクロ画像の60000枚の走行テストを行った。
すなわち、この実施例7では、上述の第3実施形態の画像形成装置を用いた。
各帯電分布の最大値、及びSt/Ptの値を表1に示す。
また、上述した各方法によって、かぶり評価とソリッド濃度およびムラの評価とを行った。結果を表2に示す。
(実施例8)
第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガを、回転軸の外周面が、磁性キャリア粒子のコア部の表面をコーティングしているコート剤によって被覆されているスクリューオーガに取り換えた以外は、実施例1と同様にしてモノクロ画像の60000枚の走行テストを行った。
すなわち、この実施例8では、上述の第4実施形態の画像形成装置を用いた。
各帯電分布の最大値、及びSt/Ptの値を表1に示す。
また、上述した各方法によって、かぶり評価とソリッド濃度およびムラの評価とを行った。結果を表2に示す。
(比較例1)
第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガを、各部位における寸法が以下に示す寸法のスクリューオーガに取り換えた以外は、実施例1と同様にしてモノクロ画像の60000枚の走行テストを行った。
平板羽根の、回転軸延在方向の長さLA=8mm
スクリュー羽根の間隔(ピッチ)LB=20mm
平板羽根の、突出方向の長さH=3mm
回転軸を含むスクリュー羽根の外径φA=20mm
回転軸の外径φB=6mm
すなわち、比較例1では、実施例1における平板羽根よりも、回転軸延在方向の長さが2mm短く、突出方向の長さが4mm短い平板羽根を有するスクリューオーガを用いた。
この比較例1では、LA/LB=0.4となり上記式Aは満足せず、H/{(φA−φB)/2}=0.43となり上記式Bは満足する。
各帯電分布の最大値、及びSt/Ptの値を表1に示す。
また、上述した各方法によって、かぶり評価とソリッド濃度およびムラの評価とを行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガを、各部位における寸法が以下に示す寸法のスクリューオーガに取り換えた以外は、実施例1と同様にしてモノクロ画像の60000枚の走行テストを行った。
平板羽根の、回転軸延在方向の長さLA=18mm
スクリュー羽根の間隔(ピッチ)LB=20mm
平板羽根の、突出方向の長さH=3mm
回転軸を含むスクリュー羽根の外径φA=20mm
回転軸の外径φB=6mm
すなわち、比較例2では、実施例1における平板羽根よりも、回転軸延在方向の長さが8mm長く、突出方向の長さが4mm短い平板羽根を有するスクリューオーガを用いた。この比較例2では、LA/LB=0.9となり上記式Aは満足せず、H/{(φA−φB)/2}=0.43となり上記式Bは満足する。
各帯電分布の最大値、及びSt/Ptの値を表1に示す。
また、上述した各方法によって、かぶり評価とソリッド濃度およびムラの評価とを行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガを、各部位における寸法が以下に示す寸法のスクリューオーガに取り換えた以外は、実施例1と同様にしてモノクロ画像の60000枚の走行テストを行った。
平板羽根の、回転軸延在方向の長さLA=10mm
スクリュー羽根の間隔(ピッチ)LB=20mm
平板羽根の、突出方向の長さH=8mm
回転軸を含むスクリュー羽根の外径φA=20mm
回転軸の外径φB=6mm
すなわち、比較例3では、実施例1における平板羽根よりも、突出方向の長さが1mm長い平板羽根を有するスクリューオーガを用いた。この比較例3では、上記式Aは満足するが、H/{(φA−φB)/2}=1.14となり上記式Bは満足しない。
各帯電分布の最大値、及びSt/Ptの値を表1に示す。
また、上述した各方法によって、かぶり評価とソリッド濃度およびムラの評価とを行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガを、各部位における寸法が以下に示す寸法のスクリューオーガに取り換えた以外は、実施例1と同様にしてモノクロ画像の60000枚の走行テストを行った。
平板羽根の、回転軸延在方向の長さLA=10mm
スクリュー羽根の間隔(ピッチ)LB=20mm
平板羽根の、突出方向の長さH=2mm
回転軸を含むスクリュー羽根の外径φA=20mm
回転軸の外径φB=6mm
すなわち、比較例4では、実施例1における平板羽根よりも、突出方向の長さが5mm短い平板羽根を有するスクリューオーガを用いた。この比較例4では、上記式Aは満足するが、H/{(φA−φB)/2}=0.29となり上記式Bは満足しない。
各帯電分布の最大値、及びSt/Ptの値を表1に示す。
また、上述した各方法によって、かぶり評価とソリッド濃度およびムラの評価とを行った。結果を表2に示す。
(比較例5)
第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガを、各部位における寸法が以下に示す寸法のスクリューオーガに取り換えた以外は、実施例1と同様にしてモノクロ画像の60000枚の走行テストを行った。
平板羽根の、回転軸延在方向の長さLA=8mm
スクリュー羽根の間隔(ピッチ)LB=20mm
平板羽根の、突出方向の長さH=7mm
回転軸を含むスクリュー羽根の外径φA=20mm
回転軸の外径φB=6mm
すなわち、比較例5では、実施例1における平板羽根よりも、回転軸延在方向の長さが2mm短い平板羽根を有するスクリューオーガを用いた。この比較例5では、LA/LB=0.4となり上記式Aは満足せず、上記式Bは満足する。
各帯電分布の最大値、及びSt/Ptの値を表1に示す。。
また、上述した各方法によって、かぶり評価とソリッド濃度およびムラの評価とを行った。結果を表2に示す。
(比較例6)
第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガを、各部位における寸法が以下に示す寸法のスクリューオーガに取り換えた以外は、実施例1と同様にしてモノクロ画像の60000枚の走行テストを行った。
平板羽根の、回転軸延在方向の長さLA=18mm
スクリュー羽根の間隔(ピッチ)LB=20mm
平板羽根の、突出方向の長さH=7mm
回転軸を含むスクリュー羽根の外径φA=20mm
回転軸の外径φB=6mm
すなわち、比較例6では、実施例1における平板羽根よりも、回転軸延在方向の長さが8mm長い平板羽根を有するスクリューオーガを用いた。この比較例6では、LA/LB=0.9となり上記式Aは満足せず、上記式Bは満足する。
各帯電分布の最大値、及びSt/Ptの値を表1に示す。
また、上述した各方法によって、かぶり評価とソリッド濃度およびムラの評価とを行った。結果を表2に示す。
(比較例7)
第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガを、各部位における寸法が以下に示す寸法のスクリューオーガに取り換えた以外は、実施例1と同様にしてモノクロ画像の60000枚の走行テストを行った。
平板羽根の、回転軸延在方向の長さLA=16mm
スクリュー羽根の間隔(ピッチ)LB=20mm
平板羽根の、突出方向の長さH=8mm
回転軸を含むスクリュー羽根の外径φA=20mm
回転軸の外径φB=6mm
すなわち、比較例7では、実施例1における平板羽根よりも、回転軸延在方向の長さが6mm長く、突出方向の長さが1mm長い平板羽根を有するスクリューオーガを用いた。この比較例7では、上記式AはLA/LB=0.8となり満足するが、H/{(φA−φB)/2}=1.14となり上記式Bは満足しない。
各帯電分布の最大値、及びSt/Ptの値を表1に示す。
また、上述した各方法によって、かぶり評価とソリッド濃度およびムラの評価とを行った。結果を表2に示す。
(比較例8)
第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガを、各部位における寸法が以下に示す寸法のスクリューオーガに取り換えた以外は、実施例1と同様にしてモノクロ画像の60000枚の走行テストを行った。
平板羽根の、回転軸延在方向の長さLA=16mm
スクリュー羽根の間隔(ピッチ)LB=20mm
平板羽根の、突出方向の長さH=2mm
回転軸を含むスクリュー羽根の外径φA=20mm
回転軸の外径φB=6mm
すなわち、比較例8では、実施例1における平板羽根よりも、回転軸延在方向の長さが6mm長く、突出方向の長さが5mm短い平板羽根を有するスクリューオーガを用いた。この比較例8では、LA/LB=0.8となり上記式Aは満足するが、H/{(φA−φB)/2}=0.29となり上記式Bは満足しない。
各帯電分布の最大値、及びSt/Ptの値を表1に示す。
また、上述した各方法によって、かぶり評価とソリッド濃度およびムラの評価とを行った。結果を表2に示す。
(比較例9)
第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガを、平板部材を省略したスクリューオーガに取り換えた以外は、実施例1と同様にしてモノクロ画像の60000枚の走行テストを行った。
すなわち、この比較例9では、第2撹拌搬送室に配備したスクリューオーガと同じ構成のスクリューオーガを第1撹拌搬送室にも配備した。
各帯電分布の最大値、及びSt/Ptの値を表1に示す。
また、上述した各方法によって、かぶり評価とソリッド濃度およびムラの評価とを行った。結果を表2に示す。
実施例においてはいずれも、上記式1から式3までを同時に満足し、さらに、第1撹拌搬送室に、上記式Aおよび式Bの双方を満足するスクリューオーガを配備したのに対し、比較例1〜8では、上記式1を満足しておらず、上記式Aおよび式Bのいずれか一方しか満足しないスクリューオーガを配備した。また、比較例9では、平板部材を省略したスクリューオーガを配備した。
比較例2と比較例6〜8においてはいずれも、トナー像におけるトナー粒子の帯電分布の最大値Stが15(mm)を越えており、かぶりやソリット部の濃度異常やムラが確認された。かぶりはトナー粒子の帯電不足に起因するものであり、ソリット部の濃度異常やムラはトナー粒子の過帯電に起因するものであることから、これらの比較例では、現像装置内におけるトナー粒子の帯電分布が広いことが予想される。また、比較例1と比較例3〜5までは、最大値Stが8mm以下と低く、ソリット部の濃度異常やムラは生じていないものの、かぶりが生じており、トナー粒子の帯電不足が予想される。さらに、比較例9では、最大値Stが極めて低く、かぶりやソリット部の濃度異常やムラが確認された。
一方、各実施例における最大値Stはいずれも、8(mm)より大きく15(mm)以下の範囲内にあり、各種評価結果はいずれも良好である。これらのことから、ある帯電分布をもって存在する帯電されたトナー粒子の集まりの中には、帯電不足のトナー粒子も過帯電のトナー粒子も不存在であったことがわかる。また、各比較例の結果と比較すると、最大値Stの値を8(mm)より大きく15(mm)以下の値にするには、第1撹拌搬送室に、上記式Aおよび式Bの双方を満足するスクリューオーガを配備すればよいこともわかる。さらに、実施例1と、実施例5〜実施例7を比較すると、平板羽根の下流側の面に、粗面化加工やコート剤を被覆することが、最大値Stの値を上記範囲の中心値に近づけるのに有効であることがわかる。
本発明の第1の実施形態の画像形成装置を模式的に示した図である。 図1に示す画像形成装置が備える4つのトナー像形成ユニットのうちの一つのトナー像形成ユニットを拡大して示した図である。 図2に示す現像装置を示す図である。 第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガの一部を示す図である。 図4に示すスクリューオーガのA−A’断面図である。 図4に示すスクリューオーガのB−B’断面図である。 第2実施形態における、第1撹拌搬送室に配備されたスクリューオーガの一部を示す図である。 図7に示すスクリューオーガの変形例を示す図である。
符号の説明
1…画像形成装置、10…トナー像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電ロール、14…現像装置、141…トナー補給タンク、142…トナー補給ノズル、143…第1撹拌搬送室、144…第2撹拌搬送室、145…現像ロール、1451…現像スリーブ、147,148…スクリューオーガ、1471…回転軸、1472…スクリュー羽根、1473…平板羽根、15…クリーニングブレード、20…1次転写ロール、30…中間転写ベルト、40…一括転写装置、50…定着装置、60…用紙トレイ、70…ベルトクリーナ

Claims (4)

  1. 所定の像担持体に形成された静電潜像を、磁性キャリア粒子と該磁性キャリア粒子に静電的に吸着されるトナー粒子とを含む現像剤を内部に保持した現像装置を用いて該現像剤中のトナー粒子で現像して該像担持体上にトナー像を形成し、該トナー像を最終的に所定の記録媒体上に転写および定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
    前記現像装置が、
    前記現像剤を撹拌し前記トナー粒子を摩擦帯電させ、該トナー粒子を前記磁性キャリア粒子に静電的に吸着させる撹拌室と、
    前記撹拌室において撹拌された現像剤が送り込まれ、送り込まれた現像剤を所定の搬送方向に搬送する搬送室と、
    上記搬送室内の現像剤を表面に担持して前記像担持体に対向した現像領域に搬送する現像剤担持体とを備え、
    前記撹拌室が、所定方向に回転する回転軸と、該回転軸を中心に、該回転軸の延在方向に所定間隔を保ちながらスパイラル状につながったスクリュー羽根と、該スクリュー羽根の間隔部分に設けられ、該回転軸の径方向に突出するとともに該延在方向に向かって直線状に延びる平板羽根とを有する撹拌部材を備えたものであり、
    前記撹拌部材が、前記平板羽根の、前記延在方向の長さをLA(mm)とし、前記所定間隔をLB(mm)とし、該平板羽根の、突出方向の長さをH(mm)とし、さらに、前記回転軸を含む前記スクリュー羽根の外径をφA(mm)とするとともに前記回転軸の外径をφB(mm)としたとき、
    0.5≦LA/LB≦0.8 式A
    0.4≦H/{(φA−φB)/2}≦1.0 式B
    前記式Aおよび式Bを同時に満足するものであって、さらに、
    前記磁性キャリア粒子は、コア部の表面が、該コア部より、前記トナー粒子との摩擦により該トナー粒子を所定の極性へ帯電させる被帯電性に優れたコート剤によってコーティングされたものであって、
    前記撹拌部材が、前記コート剤によってコーティングされたものであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記像担持体上に、少なくともシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの複数色それぞれに対応する画像信号に基づいて、これら各色のトナー粒子それぞれからなるトナー像を形成し、これら各色のトナー像を最終的に所定の記録媒体上に転写および定着することにより該記録媒体上に画像を形成するものであって、
    前記現像装置が、前記像担持体に形成された静電潜像を、前記複数色のトナー粒子のうちの少なくとも一色のトナー粒子で現像するものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記平板羽根は、前記スクリュー羽根の表面よりも表面粗さが粗い面を有するものであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記平板羽根は、前記回転軸の回転方向下流側の面が前記コート剤によってコーティングされたものであることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
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