JP2004053717A - クリーニング装置、画像形成装置、および現像剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】クリーニング用ブレードの位置による塞き止め用粉体の偏在に起因する不具合を、塞き止め用粉体の凝集を防止、および/または、前記偏在を緩和することで、解消し得るクリーニング装置、及びそれを用いた画像形成装置、並びに、それに用いるに適した現像剤を提供する。
【解決手段】残留トナーが付着したクリーニング対象物20の表面に、クリーニング用ブレード102のエッジを当接し、これによりクリーニング対象物20表面の残留トナーを除去するクリーニング装置であって、クリーニング対象物20の表面に、前記残留トナーを塞き止め可能な塞き止め用粉体110と、これとは逆極性に帯電され、且つこれより粒径の大きな第二の粉体とを供給する粉体供給手段を具備し、供給された塞き止め用粉体110をクリーニング用ブレード102のエッジに堆積保持させるクリーニング装置及びそれを用いた画像形成装置、並びに、それに用いるに適した現像剤。
【選択図】 図2
【解決手段】残留トナーが付着したクリーニング対象物20の表面に、クリーニング用ブレード102のエッジを当接し、これによりクリーニング対象物20表面の残留トナーを除去するクリーニング装置であって、クリーニング対象物20の表面に、前記残留トナーを塞き止め可能な塞き止め用粉体110と、これとは逆極性に帯電され、且つこれより粒径の大きな第二の粉体とを供給する粉体供給手段を具備し、供給された塞き止め用粉体110をクリーニング用ブレード102のエッジに堆積保持させるクリーニング装置及びそれを用いた画像形成装置、並びに、それに用いるに適した現像剤。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式などの画像形成装置で用いられるクリーニング装置、およびそれを用いた画像形成装置、並びに、それに用いるに適した現像剤に関し、特に、ブレードクリーニング方式で球形の残留トナーを清掃する上で有効なクリーニング装置、およびそれを用いた画像形成装置、並びに、それに用いるに適した現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式や静電記録方式等を採用する画像形成装置にあっては、現像用トナーとして所謂球形トナーを用い、緻密で均一な可視像を得ようとする提案がなされている(例えば特開平8−254873号公報)。そして、この種の画像形成装置においては、感光体ドラムや中間転写ベルト等の像担持体上の残留トナーを清掃するために通常クリーニング装置が設けられており、この種のクリーニング装置としては、例えばクリーニング対象物である像担持体表面にクリーニング用ブレードエッジを当接させ、このブレードにて像担持体上の残留トナーを掻き取るようにした所謂ブレードクリーニング方式が採用されることが多い。ところが、この種のクリーニング装置にあっては、クリーニング用ブレードにて球形トナーを確実に掻き取ることが難しく、クリーニング不良が起こり易いという技術的課題がある。
【0003】
このような技術的課題を解決する方法として、例えば、特開平10−214013号公報に記載された先行技術(先行技術1)がある。当該先行技術1は、像担持体に対するクリーニング用ブレードの当接圧を増大させ、ブレードによるトナーの塞き止め効果を確保するようにしたものである。
【0004】
しかしながら、先行技術1にあっては、クリーニング用ブレードの当接圧が増大するために、ブレードのみならず、ブレードが当接する感光体ドラムや中間転写ベルト等の像担持体の摩耗が更に悪化する懸念がある。
また、上記技術的課題を解決する他の方法として、特開2002−6710に記載された先行技術(先行技術2)がある。当該先行技術2は、クリーニング用ブレードのエッジに、トナー以外の塞き止め用粉体を堆積保持させたものである。
【0005】
この塞き止め用粉体は、トナーの外添剤として供給されるので、特に同一画像が連続した場合など画像部には多く供給されるが非画像部には供給されない。具体的には、プロセス方向に対して垂直な方向で、例えば両端の余白のように画像が無い部分と、中央の画像部とが、前者は非画像部、後者は画像部を構成する。このように画像部と非画像部とが混在する同一画像を大量に連続して複写した場合に、画像部では大量の塞き止め用粉体が供給され凝集し、クリーニング用ブレードや像担持体に傷を付けたり、摩耗が悪化したりする懸念があり、逆に非画像部では塞き止め用粉体が供給されずクリーニング性が低下する懸念がある。なお、前記塞き止め用粉体は、独立した状態では傷摩耗にほとんど影響を与えず、良好にクリーニング性向上に寄与するが、これが凝集物になると上記のような問題を惹き起こす場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、同一画像が連続した場合など画像部と非画像部とで、クリーニング用ブレードの位置による塞き止め用粉体の偏在に起因する不具合を、塞き止め用粉体の凝集を防止することで、および/または、前記偏在そのものを緩和することで、解消し得るクリーニング装置、およびそれを用いた画像形成装置、並びに、それに用いるに適した現像剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明のクリーニング装置は、残留トナーが付着したクリーニング対象物の表面に、クリーニング用ブレードのエッジを当接し、該クリーニング用ブレードにて前記クリーニング対象物表面の残留トナーを除去するクリーニング装置であって、
前記クリーニング対象物の表面に、前記残留トナーを塞き止め可能な塞き止め用粉体と、該塞き止め用粉体とは逆極性に帯電され、且つこれより粒径の大きな第二の粉体とを供給する粉体供給手段を具備し、供給された前記塞き止め用粉体を前記クリーニング用ブレードのエッジに堆積保持させることを特徴とする。
【0008】
本発明のクリーニング装置によれば、まず、前記塞き止め用粉体を、前記クリーニング用ブレードのエッジに堆積保持させることで、潜像担持体や中間転写体等の前記クリーニング対象物の表面の残留トナーを前記クリーニング用ブレードにより有効に除去することができる。このとき前記塞き止め用粉体が凝集した状態で、前記クリーニング用ブレードのエッジに大量に堆積保持されると、前記クリーニング対象物の表面や前記クリーニング用ブレードのエッジを傷付けたり、摩耗させたりしてしまうが、本発明によれば、該塞き止め用粉体とは逆極性に帯電され、且つこれより粒径の大きな第二の粉体をも供給しているため、該第二の粉体に前記塞き止め用粉体が静電気的に吸着し、前記塞き止め用粉体の凝集を防止することができ、傷や摩耗の懸念を解消することができる。
本発明のクリーニング装置は、前記残留トナーが球形トナーである場合に特に有効である。
【0009】
本発明のクリーニング装置においては、前記粉体供給手段が、静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段を兼ねることとすれば、効率的に前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体を前記クリーニング対象物の表面に供給することができる。また、前記現像手段において前記塞き止め用粉体は前記トナーに付着した状態で保持されるが、前記塞き止め用粉体が脱落した場合にも、これが前記第二の粉体に静電気的に吸着され、その凝集を防止することができる。さらに、前記塞き止め用粉体を吸着した前記第二の粉体は、静電気的に略中性もしくは逆極性に帯電しているため、前記クリーニング対象物の表面における、トナーが供給されない非画像部にも供給され、結果的に非画像部が連続した箇所においても前記クリーニング用ブレードに塞き止め用粉体を供給でき、前記クリーニング用ブレードの長手方向全体にわたってクリーニング性を確保しながら、前記クリーニング対象物やクリーニング用ブレードの傷、摩耗を防ぐことができ、結果、より長寿命なクリーニング装置を提供することができる。
【0010】
前記塞き止め用粉体としては、その比重が1.3〜1.9の範囲で、その体積平均粒径が80〜300nmの範囲の単分散シリカであることが好ましい。
前記第二の粉体としては、その体積平均粒径が0.5〜10μmの範囲であることが好ましく、前記塞き止め用粉体より柔らかいものであることが好ましく、特に樹脂凝集物であることが好ましい。また、前記第二の粉体には、少なくとも潤滑剤を含むことが好ましい。
【0011】
また、本発明の画像形成装置は、以下の2つの態様がある。
(1)潜像担持体と、該潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、前記潜像担持体表面に形成されたトナー像を被記録材に転写する転写手段と、前記潜像担持体表面に残留する残留トナーを除去するクリーニング手段と、を含む画像形成装置であって、
前記潜像担持体をクリーニング対象物とし、
前記クリーニング手段が、上記本発明のクリーニング装置であることを特徴とする態様。
【0012】
(2)潜像担持体と、該潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、前記潜像担持体表面に形成されたトナー像を中間転写体に転写する一次転写手段と、該中間転写体表面に転写されたトナー像を被記録材に転写する二次転写手段と、前記中間転写体表面に残留する残留トナーを除去するクリーニング手段と、を含む画像形成装置であって、
前記中間転写体をクリーニング対象物とし、
前記クリーニング手段が、上記本発明のクリーニング装置であることを特徴とする態様。
【0013】
本発明の画像形成装置によれば、まず、前記塞き止め用粉体を、前記クリーニング用ブレードのエッジに堆積保持させることで、前記潜像担持体や前記中間転写体等のクリーニング対象物の表面の残留トナーを前記クリーニング用ブレードにより有効に除去することができる。このとき前記塞き止め用粉体が前記クリーニング用ブレードのエッジに大量に堆積保持されて凝集してしまうと、前記潜像担持体や前記中間転写体の表面、あるいは前記クリーニング用ブレードのエッジを傷付けたり、摩耗させたりしてしまうが、本発明によれば、該塞き止め用粉体とは逆極性に帯電され、且つこれより粒径の大きな第二の粉体をも供給しているため、該第二の粉体に前記塞き止め用粉体が静電気的に吸着し、前記塞き止め用粉体の凝集を防止することができ、傷や摩耗の懸念を解消することができる。
【0014】
本発明の画像形成装置においては、前記現像手段が、トナーと共に、前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体を前記潜像担持体表面に供給する機能を有し、前記粉体供給手段を兼ねることが好ましい。
【0015】
前記現像手段が前記粉体供給手段を兼ねることとすれば、効率的に前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体を前記潜像担持体や前記中間転写体の表面に供給することができるとともに、別途前記粉体供給手段を設ける必要がなく、装置構成の簡略化、小型化並びに低コスト化を実現することができる。また、前記現像手段において前記塞き止め用粉体は前記トナーに付着した状態で保持されるが、前記塞き止め用粉体が脱落した場合にも、これが前記第二の粉体に静電気的に吸着され、その凝集を防止することができる。さらに、前記塞き止め用粉体を吸着した前記第二の粉体は、静電気的に略中性もしくは逆極性に帯電しているため、前記潜像担持体や前記中間転写体の表面における、トナーが供給されない非画像部にも供給され、結果的に非画像部が連続した箇所においても前記クリーニング用ブレードに塞き止め用粉体を供給でき、前記クリーニング用ブレードの長手方向全体にわたってクリーニング性を確保しながら、前記潜像担持体や前記中間転写体、並びにクリーニング用ブレードの傷、摩耗を防ぐことができ、結果、画像形成装置におけるクリーニング装置について、より長寿命化を図ることができる。
【0016】
さらに、本発明の現像剤は、少なくとも、体積平均粒径が2〜10μmの範囲内の球形トナーと、体積平均粒径が80〜300nmの範囲内の塞き止め用粉体と、該塞き止め用粉体とは逆極性に帯電され、且つ体積平均粒径が0.5〜10μmの範囲内の第二の粉体と、からなることを特徴とする。
【0017】
本発明の現像剤を、クリーニング用ブレード方式のクリーニング装置を具備する画像形成装置に適用すると、前記塞き止め用粉体が前記球形トナーに付着した状態で現像により潜像担持体や中間転写体等のクリーニング対象物の表面に供給され、前記塞き止め用粉体の粒径が適切であるため、これが前記クリーニング用ブレードのエッジに堆積保持され、転写後も残留する前記球形トナーを前記クリーニング用ブレードにより有効に除去することができる。このとき前記塞き止め用粉体が前記クリーニング用ブレードのエッジに大量に堆積保持されて凝集してしまうと、前記潜像担持体や前記中間転写体の表面、あるいは前記クリーニング用ブレードのエッジを傷付けたり、摩耗させたりしてしまうが、本発明の現像剤には、該塞き止め用粉体とは逆極性に帯電され、且つこれよりも粒径が適切に大きい第二の粉体が含まれているため、現像器内で前記トナーから前記塞き止め用粉体が脱落した場合にも、これが前記第二の粉体に静電気的に吸着し、その凝集を防止することができ、傷や摩耗の懸念を解消することができる。
【0018】
また、前記塞き止め用粉体を吸着した前記第二の粉体は、静電気的に略中性もしくは逆極性に帯電しているため、前記潜像担持体や前記中間転写体の表面における、トナーが供給されない非画像部にも供給され、結果的に非画像部が連続した箇所においても前記クリーニング用ブレードに塞き止め用粉体を供給でき、前記クリーニング用ブレードの長手方向全体にわたってクリーニング性を確保しながら、前記潜像担持体や前記中間転写体、並びにクリーニング用ブレードの傷、摩耗を防ぐことができ、結果、クリーニング装置について、より長寿命化を図ることができる。
【0019】
前記塞き止め用粉体としては、その比重が1.3〜1.9の範囲であることが好ましく、特に単分散シリカであることが好ましい。
前記第二の粉体としては、不定形で、且つ前記塞き止め用粉体より柔らかいものであることが好ましく、特に樹脂凝集物であることが好ましい。また、前記第二の粉体には、少なくとも潤滑剤を含むことが好ましい。
本発明の現像剤は、さらに、キャリアが混合されることで、二成分系の現像剤として用いることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、好ましい実施形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の一例であるクリーニング装置が組み込まれた、中間転写型画像形成装置(本例ではカラー電子写真複写機)の概略構成を示す。本実施形態では、中間転写体としての中間転写ベルト20がクリーニング対象物である。
【0021】
符号11は例えば矢印方向Aに回転する感光体ドラム(潜像担持体)、12は感光体ドラム11を予め帯電するコロトロン等の帯電器、13は各色成分画像情報に基づいて感光体ドラム11上に各色成分に対応した静電潜像を書き込むレーザ走査装置(ROS)などの画像書込装置(潜像形成手段:なお、本例では同装置からのビームに符号を付す。)、14はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(BK)の各色に対応した現像器141〜144が回転ホルダ145に搭載された回転型(ロータリー型)現像装置(現像手段)であり、感光体ドラム11に形成された静電潜像を現像器141〜144のいずれかで現像して各色成分トナー像Tを形成するようになっている。なお、感光体ドラム11表面の残留トナーは、図示外のドラムクリーナにて除去されるようになっている。
【0022】
また、符号20は感光体ドラム11の表面に当接されるように配置された中間転写ベルト(中間転写体)であり、複数(本実施形態では例えば4つ)のロール21〜24に張架されて矢印方向Bへ回動するようになっている。さらに、中間転写ベルト20の感光体ドラム11に対向する部位(一次転写位置)において、中間転写ベルト20の裏面側には、抵抗値が106〜108Ωに調整された発泡ウレタンゴム製の一次転写ロール(一次転写手段)15が配設されており、この一次転写ロール15にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体ドラム11上のトナー像Tが中間転写ベルト20に静電吸引されるようになっている。
【0023】
ここで、本実施形態で用いられる中間転写ベルト20のロール21〜24について述べると、符号21は一次転写ロール15による一次転写位置の下流側近傍に設けられる駆動ロール、22は中間転写ベルト20に所定の張力を付与するテンションロール、23は後述する二次転写装置30の一要素である対向ロール(バックアップロール)、24は一次転写位置の上流側に設けられて駆動ロール21との間で中間転写ベルト20の姿勢を保つ従動ロールである。また、本実施形態で用いられる中間転写ベルト20としては、ポリイミド、ポリカーボネート等の単層ベルトであり、例えば厚さ0.1mmに形成されている。さらに、中間転写ベルト20の端部且つ非画像領域には、反射型の基準マーク25が一枚貼られており、対向して設けられる発光、受光検知センサ26が基準マーク25を検知することによって、全ての作像プロセスのタイミングが規定されている。
【0024】
さらにまた、用紙(被記録材)41の搬送経路に面した中間転写ベルト20の二次転写位置には二次転写装置(二次転写手段)30が配設されており、本実施形態では、中間転写ベルト20のトナー像担持面側に圧接配置される二次転写ロール31と、中間転写ベルト20の裏面側に配置されて二次転写ロール31の対向電極をなす対向ロール(バックアップロール)23とを備えている。本実施形態において、上記バックアップロール23は、絶縁性ロールを半導電性の薄層フィルムで被覆して形成されている。この薄層フィルムは厚さ10μm〜200μmに形成され、その表面抵抗率が107〜1011Ω/□(□:単位面積)に調整されている。さらに、バックアップロール23には中間転写ベルト20との当接位置から円周方向へ20〜40mmの距離をおいて給電ロール32が当接しており、給電ロール32にはトナーと同極性の電圧が適宜印加されるようになっている。
【0025】
一方、上記二次転写ロール31は接地された導電性ロールであり、その表面電位を常に接地位置と等電位に保つため、その体積抵抗率は107Ω・cm以下の抵抗であることが望ましい。そして、この二次転写ロール31の周面にはロールクリーナ33が配設されており、このロールクリーナ33は、二次転写ロール31に常時当接するポリウレタンゴム製のクリーニング用ブレード33aを具備し、二次転写ロール31に付着したトナーを除去するようになっている。
【0026】
また、本実施形態において、記録材搬送系は、記録材トレイ43からフィードロール42にて用紙41を所定の搬送経路へ向けて搬送し、搬送経路中の所定の搬送ロール44にて用紙41を搬送すると共に、レジストレーションロール(レジストロール)45で用紙41を一旦位置決め停止させた後に所定のタイミングで二次転写位置へと搬送し、二次転写後の用紙41を定着装置50へと搬送し、排出ロール46にて図示外の排出トレイへと排出するようになっている。
【0027】
さらに、本実施形態では、中間転写ベルト20の従動ロール24に対向する部位にクリーニングユニット(本例ではベルトクリーナ)100が配設されている。このクリーニングユニット100は、特に図1および図2に示すように、ハウジング101に図示外のブラケットを介してクリーニング用ブレード102を取付け、このブレード102のエッジを中間転写ベルト20表面に当接させ、中間転写ベルト20のブレード102の当接部位よりも上流側には導電性ブラシ103を摺擦回転自在に配設すると共に、この導電性ブラシ103には清掃用ロール104を摺擦回転自在に配設し、さらに、この清掃用ロール104にはスクレーパ105を接触配置するようにしたものである。なお、本発明にいう「クリーニング装置」とは、本実施形態においてはこのクリーニングユニット100と、粉体供給手段を兼ねる現像器141〜144と、で構成される。
【0028】
そして、上記導電性ブラシ103および清掃用ロール104には夫々所定のバイアス電圧を印加するバイアス電源106,107が接続されている。本例では、各バイアス電源106,107の各バイアス電圧をVb,Vdとすれば、少なくともVd>Vb>0の関係が成立するようになっている。例えば、Vd=700V,Vb=400Vの如くである。一方、従動ロール24は接地されており、導電性ブラシ103の対向電極として作用するようになっている。
【0029】
さらに、本実施形態では、クリーニングユニット100のブレード102のエッジ部分には、塞き止め用粉体および第二の粉体(図中の110)が堆積保持されるようになっている。前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体は、何らかの粉体供給手段により中間転写ベルト20表面に供給されブレード102のエッジ部分に堆積保持される。
【0030】
本発明において、前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体を供給する粉体供給手段は、独立して、中間転写ベルト20表面に直接供給する構成であってもよいし、現像器141〜144に収容される現像剤中に外添剤として含ませておき、各色成分トナー像Tを形成する際に、トナーを介して同時に供給する構成、すなわち、現像手段である現像器141〜144が粉体供給手段を兼ねる構成でも構わない。供給方式の簡単化を図るという観点からすれば、後者の方式が好ましい。
【0031】
現像手段とは独立した粉体供給手段とする場合には、中間転写ベルト20表面に静電的に付着させる構成でも構わないし、中間転写ベルト20表面に重力により保持させる構成でも構わない。本例においては、現像手段である現像器141〜144が粉体供給手段を兼ねる構成としている。
【0032】
次に、本例で現像器141〜144に収容する現像剤の構成について説明する。当該現像剤は、本発明に必須の構成である前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体を含み、また、現像剤であることからトナーも含む。さらに、二成分系の現像剤として用いるには、キャリアが含まれる。以下に説明する現像剤の好ましい範囲のものが、本発明の現像剤である。
【0033】
<塞き止め用粉体>
本発明において、塞き止め用粉体は、トナー以外で残留トナーを塞き止めることが可能な機能を有するものであれば足り、特に制限はない。本発明は球形トナーが残留トナーとなった場合において特に有効であることから、特に球形トナーを塞き止めることが可能な機能を有するものであることが好ましい。
ここで球形トナーとは、トナーの形状係数(ML2/A)が100〜125のトナーを指す。トナーの形状係数(ML2/A)は下記式で表されるものである。
【0034】
【数1】
【0035】
トナーの形状係数は、トナーの投影面積Aと、それに外接する円の面積ML2、具体的には、(トナー径の絶対最大長)2×(π/4)との比で表されるものであり、真球の場合100となり、形状が崩れるにつれ増加する。形状係数はトナー粒子複数個(例えば100個)に対して計算され、その平均値を代表値とする。
【0036】
本発明において、塞き止め用粉体は、トナーの形状係数(ML2/A)が125を超えるトナーをも清掃対象とし得ることは勿論であるが、本発明は、形状係数(ML2/A)が100〜125の球形トナーを使用する際に特に有効であることに変わりはない。
【0037】
かかる塞き止め用粉体の代表例として、比重1.3〜1.9、体積平均粒径80〜300nm単分散シリカが挙げられる。この塞き止め用粉体としてのシリカの供給方式については、既述の如く、単独で供給するようにしても差し支えないが、通常トナーの外添剤として使用され、トナーを介してクリーニング対象物としての中間転写ベルト20表面に供給されるようにすることが好ましい。
【0038】
本件出願人は、先に、この種のシリカが現像・転写効率の向上に寄与するものであることについて開示しているが(例えば、特許公開2001−066820号公報)、この種のシリカがさらに球形トナーのクリーニング性に寄与することをも見出している。
【0039】
以下に、この種のシリカが現像・転写効率の向上に寄与する点について、補足しておく。
現像・転写工程は、現像剤の均一な搬送性、転写時の電流等にも影響されるが、基本的にはトナー粒子を担持する像担持体の束縛力からトナー粒子を引き離し、転移対象物(中間転写体などの像担持体や被記録材)に付着させる工程であるので、静電引力、および、トナー粒子と帯電付与部材あるいは像担持体との付着力、のバランスに左右される。
【0040】
このバランスの制御は非常に困難であるが、この工程は、直接画質に影響する上、効率を向上させると、信頼性の向上およびクリーニング装置に対する負荷の軽減などが見込まれるので、上記工程においてはより高い現像・転写性が要求される。現像・転写工程は、静電引力>付着力の際に起こる。従って、現像・転写効率を向上させるには、静電引力を上げる(現像・転写力を強める)か、または付着力を下げる方向に制御すればよいが、現像・転写力を強める場合、例えば転写電場を高くすれば逆極性トナーが発生する等、二次障害を起こし易いため、付着力を下げる方が有効である。そして、付着力としてはファンデルワールス力(Van der Waals力:非静電的付着力)およびトナー粒子の持つ電荷による鏡像力が挙げられるが、両者の間には1オーダー近いレベル差があり、ほとんどファンデルワールス力で議論されるものと解釈できる。
【0041】
ここで、球状粒子間のファンデルワールス力Fは、下記の式で表される。
F=H・r1・r2/6(r1+r2)・a2
但し、H:定数、r1、r2:接触する粒子の半径、a:粒子間距離である。
【0042】
このとき、付着力の低減のため、トナー粒子に比べrが非常に小さい微粉末(径=a)を、トナー粒子と像担持体表面または帯電付与部材表面との間に介在させることにより、各々の間に距離aを持たせ、さらに接触面積(接触点数)を減少させる手法が有効であり、その効果を安定的に持続させるには、比重1.3〜1.9、体積平均粒径80〜300nm単分散シリカ、特に球形のシリカを用いることが有効である。
【0043】
より具体的に述べると、比重としては1.9以下に制御することでトナーからの剥がれを抑制することができ、また、1.3以上に制御することで凝集分散を抑制することができる。また、前記単分散シリカの体積平均粒径が80nm未満であると、非静電的付着力低減に有効に働かなくなり易い。特に、現像装置内のストレスにより、着色粒子に埋没し易くなり、現像転写向上効果が著しく低減し易い。一方、300nmを超えると、着色粒子から離脱し易くなり、非静電的付着力低減に有効に働かないと同時に接触部材に移行し易くなり、帯電阻害、画質欠陥等の二次障害を引き起こし易くなる。このため、本発明において、単分散シリカの体積平均粒径は、80〜300nmの範囲内が好ましく、より好ましくは100〜200nmである。
【0044】
さらに、単分散であることが好ましい理由は、トナー表面に均一に分散し、安定したスペーサー効果を得ることができる。同様の理由から、球形であることがより好ましい。
単分散の定義としては、凝集体を含め平均粒径に対する標準偏差で議論することができ、標準偏差としてD50×0.22以下であることが望ましい。球形の定義としては、Wadellの球形度で議論ができ、球形化度が0.6以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましい。
【0045】
また、シリカが好ましい理由としては、OHPへの画像採取時に問題となる光散乱による透明度低下に対して屈折率が1.5前後であり、粒径を大きくしても光散乱による透明度の低下に影響を及ぼさないことが挙げられる。
以上のような単分散シリカ、特に球形の単分散シリカは、例えば湿式法であるゾルゲル法により得ることができる。ゾルゲル法によれば、比重は、湿式法で、且つ焼成することなしに作製するため、蒸気相酸化法に比べ低く制御することができる。また、疎水化処理工程での疎水化処理剤種、あるいは、処理量を制御することにより、さらに調整することが可能である。粒径は、ゾルゲル法の加水分解、縮重合工程のアルコキシシラン、アンモニア、アルコール、水の質量比、反応温度、攪拌速度、供給速度により自由に制御できる。単分散で、球形の形状とすることも本手法にて作製することにより、容易に達成可能となる。
【0046】
具体的には、以下の通りである。まず、テトラメトキシシランを水、アルコールの存在下、アンモニア水を触媒として温度をかけながら滴下、攪拌を行う。次に反応により作製されたシリカゾル懸濁液を、遠心分離を行い湿潤シリカゲルとアルコール、アンモニア水とに分離を行う。湿潤シリカゲルに溶剤を加え再度シリカゾルの状態にし、疎水化処理剤を加え、シリカ表面の疎水化を行う。疎水化剤としては一般的なシラン化合物を用いることができる。
【0047】
次にこの疎水化処理シリカゾルから溶媒を除去、乾燥、シーブすることにより、狙いの単分散シリカを得ることができる。また、この様に、得られたシリカを再度処理を行っても構わない。
【0048】
上記シラン化合物は、水溶性であるものが使用できる。このようなシラン化合物としては、化学構造式RaSiX(4−a)(式中、aは0〜3の整数であり、Rは水素原子、アルキル基およびアルケニル基等の有機基を表し、Xは塩素原子、メトキシ基およびエトキシ基等の加水分解性基を表す。)で表される化合物を使用することができ、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することも可能である。具体的にはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デジルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランを代表的なものとして例示することができる。本例における処理剤は、特に好ましくは、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デジルトリメトキシシラン等である。
【0049】
前記粉体供給手段が現像手段を兼ねる場合には、以上説明した塞き止め用粉体に、後述する第二の粉体およびトナーを混合したものを現像剤として用いるが、このときの塞き止め用粉体の添加量としては、トナーに対して外添量で、0.5〜5質量%の範囲とすることが好ましく、1〜3質量%の範囲とすることがより好ましく、1〜2質量%の範囲とすることがさらに好ましい。塞き止め粉体の添加量が少なすぎると、その機能の一つである転写率向上の機能を果たさず、多すぎると、帯電量が低下してしまうため、上記範囲内とすることが好ましい。
現像手段とは独立した粉体供給手段とする場合については、後述する。
【0050】
<第二の粉体>
本発明において、第二の粉体としては、前記塞き止め用粉体とは逆極性に帯電され、且つこれより粒径の大きなものであれば足り、特に制限はない。両者が混合されたとき、前記塞き止め用粉体が正に帯電する場合には負に、負に帯電する場合には正に、それぞれ帯電するものを第二の粉体とすればよいが、通常は、前記塞き止め用粉体が負に、第二の粉体が正に、それぞれ帯電するものが選択される。
【0051】
かかる第二の粉体の粒径としては、少なくとも前記塞き止め用粉体より大きいことが要求される。当該第二の粉体の粒径が前記塞き止め用粉体より小さいと、該第二の粉体が前記塞き止め用粉体の仲立ちとなり、却って凝集の手助けをしてしまうが、前記塞き止め用粉体より大きい場合初めて、吸着(第二の粉体の周囲に塞き止め用粉体が付着)することで凝集を回避することができる。当該第二の粉体の具体的な体積平均粒子径としては、0.5〜10μmの範囲であることが好ましく、0.7〜5μmの範囲であることがより好ましく、1〜3μmの範囲であることがさらに好ましい。体積平均粒子径が0.5μm未満の場合、現像器内等で粒子が飛散しやすく、画像形成装置内の汚染を引き起こす場合がある。一方、体積平均粒子径が10μmを超えると、クリーニング用ブレードのエッジへの供給が十分に行われにくく、効果が得られ難い傾向がある。
【0052】
第二の粉体の硬度としては、理想的には、現像器内では軟らか過ぎて破壊されることがなく、一方、クリーニング用ブレードのエッジでは、破壊されても問題無く、むしろ破壊されて塞き止め用粉体のみとなった方がより好ましいが、少なくとも前記塞き止め用粉体より柔らかいものであることが好ましい。
【0053】
第二の粉体としては、以下に示すもの(以下、「特定の凝集粒子」と称する。)が、前記塞き止め用粉体とは逆極性に帯電し、これよりも粒径が大きく、塞き止め粉体より柔らかく、しかもクリーニング用ブレードのエッジで破壊されたあと、それぞれ潤滑効果や塞き止め効果を発揮し、特に好ましい。
【0054】
本発明において、第二の粉体として好ましい特定の凝集粒子は、i)樹脂微粒子単独からなるか、ii)潤滑剤微粒子単独からなるか、またはiii)樹脂微粒子および潤滑剤微粒子からなるか、の3つの態様がある。以下、i)から順に説明する。
【0055】
i)樹脂微粒子単独
特定の凝集粒子のうち、i)樹脂微粒子単独からなるものは、その樹脂成分として、例えば、一般にトナーにおける結着樹脂の成分として用いられているものをそのまま用いることができるが、特に制限されない。
【0056】
具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルフォン酸ナトリウム等のエチレン性不飽和酸単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類;等の単量体などの単独重合体、それらの単量体を2種以上組み合せた共重合体、またはそれらの混合物、さらには、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、または、それらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を挙げることができる。
【0057】
これらの樹脂成分を用いて、機械的な既存の樹脂粉砕法、または水、有機溶剤等の液状媒体中における既存の乳化法もしくは分散法を用いて、所望の樹脂微粒子を調製することができる。例えば、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法等の不均一分散系における重合法により、特定の凝集粒子としての樹脂微粒子を分散させた樹脂微粒子分散液を容易に得ることができる。また、予め溶液重合法や塊状重合法等で均一に重合した樹脂微粒子の重合体を、その重合体が溶解しない溶媒中へ安定剤とともに添加して機械的に混合分散する方法など、任意の方法により、特定の凝集粒子としての樹脂微粒子を分散させた樹脂微粒子分散液を得ることができる。
【0058】
例えば、樹脂微粒子を得るのにビニル系単量体を用いる場合、イオン性界面活性剤などを用い、好ましくはイオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤を併用して乳化重合法やシード重合法により、樹脂微粒子分散液を作製することができる。その他の樹脂の場合、油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、樹脂をそれらの溶剤に溶解してイオン性の界面活性剤やポリアクリル酸等の高分子電解質とともに、ホモジナイザーなどの分散機で水中に微粒子として分散させ、その後、加熱または減圧して溶剤を蒸発させることにより、樹脂微粒子分散液を得ることができる。
【0059】
ここで用いる界面活性剤は、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤、および、種々のグラフトポリマー等を挙げることができ、特に制限されない。
【0060】
ii)潤滑剤微粒子単独
特定の凝集粒子のうち、ii)潤滑剤微粒子単独からなるものにおいて、用いる潤滑剤は、クリーニング用ブレードとクリーニング対象物との間のすべりを促進し、その摩擦低減のために用いられるものである。
【0061】
潤滑剤の例として、グラファイト、二硫化モリブデン、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどを挙げることができる。さらに、一般的にトナーの離型剤として用いられるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;シリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのごとき動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系、石油系のワックス;およびそれらの変性物などを挙げることができる。
これらの潤滑剤成分を用いて、上記i)樹脂微粒子の項で示した方法と同様に、既存の機械的粉砕法、液状媒体中での乳化法または分散法を用いることにより、潤滑剤微粒子または潤滑剤微粒子分散液を調製することができる。
【0062】
iii)樹脂微粒子および潤滑剤微粒子
特定の凝集粒子のうち、iii)樹脂微粒子および潤滑剤微粒子からなるものは、上記i)樹脂微粒子単独の項、および、ii)潤滑剤微粒子単独の項において、それぞれ説明した両方の微粒子を含んでなる。具体的な調製方法としては、それぞれ単独で調製したものを混合してやればよい。
【0063】
以上、第二の粉体として好ましい特定の凝集粒子の3つの態様を挙げたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、さらに凝集粒子でなくても、前記塞き止め用粉体と逆極性に帯電し、粒径が大きいものであれば問題なく使用することができ、前記塞き止め用粉体より柔らかいもの(現像機内では壊れない)ものであればより一層好ましい。
【0064】
現像手段とは独立した粉体供給手段とする場合には、以上説明した塞き止め用粉体と第二の粉体とを混合して用いるが、その混合割合としては、一概に規定されず、双方の材質、形状、粒径、帯電量等により適宜設定してやればよい。一般的には、質量比で大略(塞き止め用粉体):(第二の粉体)=1.5:1〜4:1の範囲から選択され、2:1〜3:1の範囲から選択することが好ましい。
【0065】
前記粉体供給手段が現像手段を兼ねる場合には、以上説明した塞き止め用粉体および第二の粉体に、トナーを混合したものを現像剤として用いるが、このときの第二の粉体の混合割合は、トナーに対して外添量で、0.1〜2質量%の範囲とすることが好ましく、0.2〜1質量%の範囲とすることがより好ましい。第二の粉体の添加量が少なすぎると、遊離した塞き止め用粉体を十分吸着できない場合があり、多すぎると、帯電量が低下してしまうため、上記範囲内とすることが好ましい。
【0066】
<トナー>
本発明において使用可能なトナーには、特に制限はないが、本発明は、その目的から球形のトナーに適用することがより効果的である。球形トナーとは、トナーの形状係数(ML2/A)が100〜125のトナーを指す。トナーの形状係数(ML2/A)としては、さらに100〜120の範囲内とすることが好ましい。トナーの形状係数(ML2/A)が大きすぎると、トナー流動性の悪化、初期からの転写性に影響を及ぼす場合がある。
【0067】
前記トナーの体積平均粒径としては、2〜10μmの範囲内であることが好ましく、5〜8μmの範囲内であることがより好ましい。前記トナーの体積平均粒径が小さすぎると、帯電性が不十分になり易く、現像性が低下する場合があり、一方大きすぎると、画像の解像性が低下する場合があるため、それぞれ好ましくない。
【0068】
前記トナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。トナーの製造は、例えば、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が使用できる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。
【0069】
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα―メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
【0070】
また、前記トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
【0071】
また、前記トナーには、必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。本例におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナーおよび磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
【0072】
前記トナーには、外添剤として、前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体と共に、小粒径の無機化合物を併用することができる、小粒径の無機化合物としては、公知のものを用いることができ、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム等が挙げられる。また、目的に応じてこれら無機微粒子の表面には公知の表面処理を施してもよい。特にその中でもメタチタン酸TiO(OH)2は透明性に影響を与えず、良好な帯電性、環境安定性、流動性、耐ケーキング性、安定した負帯電性、安定した画質維持性に優れた現像剤を提供することができる。前記小粒径の無機化合物は、体積平均粒径が80nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましい。
【0073】
メタチタン酸は一般的には、以下に示すイルメナイト鉱石を用いた硫酸法(湿式)により製造することができる。
FeTiO2+2H2SO4→
FeSO4+TiOSO4+2H2OTiOSO4+2H2O→
TiO(OH)2+H2SO4
【0074】
TiO(OH)2状態、好ましくはTiO(OH)2の水分散状態中でシラン化合物を加え、OH基の一部、若しくは全部を処理し、これをろ過、洗浄、乾燥、粉砕することにより、上記方法により得られたTiO(OH)2を焼成することにより得られる従来の結晶性酸化チタンに比べ、比重の小さい特定酸化チタンを得ることができる。即ち、上記のように溶液中で反応を行うと、TiO(OH)2がその加水分解時にシラン化合物で処理される。その結果、TiO(OH)2から生じる酸化チタンが、一次粒子の状態で、シラン化合物で表面処理されることとなる。これにより凝集のない一次粒子状態の特定酸化チタンを得ることが可能となる。
【0075】
本例において、前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体は、トナーの粒子に添加し、混合されるが、混合は、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサーやレディゲミキサー等の公知の混合機によって行うことができる。また、この際必要に応じて種々の添加剤を添加してもよい。添加可能な添加剤としては、他の流動化剤やポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等のクリーニング助剤もしくは転写助剤等が挙げられる。
【0076】
本例において、メタチタン酸の疎水化処理化合物、あるいは無機化合物のトナー粒子表面への付着状態は、単に機械的な付着であってもよいし、表面にゆるく固着されていてもよい。また、トナー粒子の全表面を被覆していても、一部を被覆していてもよい。また、添加量はトナー100質量部に対して0.3〜3質量部であることが好ましく、0.5〜2質量部であることがより好ましい。また、外添混合後に篩分プロセスを通しても一向に構わない。
【0077】
<キャリア>
本発明において使用される現像剤を二成分系の現像剤として用いるには、さらにキャリアが含まれる。なお、一成分系の現像剤として用いる場合には、キャリアは必須でない。本発明に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば、芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアや、マトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアを挙げることができる。
【0078】
本発明においては、芯材表面に、マトリックス樹脂中に導電材料が分散含有された樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアが好ましい。
かかるマトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
また、当該マトリックス樹脂中に分散含有させる導電材料としては、金、銀、銅といった金属、また酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料の含有量は、マトリックス樹脂100質量部に対し1〜50質量部であることが好ましく、3〜20質量部であることがより好ましい。
【0080】
キャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、磁気ブラシ法を用い体積固有抵抗を調整するためには磁性材料であることが好ましい。芯材の体積平均粒子径は、一般的には10〜500μmであり、好ましくは30〜100μmである。
【0081】
キャリアの芯材の表面に樹脂被覆層を形成する方法としては、芯材を、マトリックス樹脂、導電材料および溶剤を含む被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材の表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中で芯材と被覆層形成用溶液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。被覆層形成用溶液中に使用する溶剤は、前記マトリックス樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が使用できる。また、樹脂被覆層の平均膜厚は、通常0.1〜10μmであるが、本発明においては経時にわたり安定したキャリアの体積固有抵抗を実現させるため0.5〜3μmの範囲であることが好ましい。
【0082】
上記のように形成されるキャリアの体積固有抵抗は、高画質を達成するために、通常の現像コントラスト電位の上下限に相当する103〜104V/cmの範囲において、106〜1014Ω/cmであることが好ましい。キャリアの体積固有抵抗が106Ωcm未満であると、細線の再現性が悪く、また、電荷注入による背景部へのトナーかぶりが発生しやすくなる。また、キャリアの体積固有抵抗が1014Ωcmより大きいと、黒ベタ、ハーフトーンの再現が悪くなる。また、潜像担持体へ移行するキャリアの量が増え、潜像担持体を傷付けやすい。また、静電ブラシはカーボンブラック、金属酸化物等の導電フィラーを含有させた樹脂あるいは表面に被覆した繊維状の物質が使用できるが、それに限定されるものではない。
【0083】
前記トナーと上記キャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、好ましくは3:100〜20:100程度の範囲である。
【0084】
次に、本実施形態に係る画像形成装置の作動、特にはクリーニング装置の作動について説明する。
感光体ドラム11の矢線A方向への回転に伴いその表面には周知の電子写真プロセスによって画情報に応じた静電潜像が形成される。すなわち、プリント開始となると、感光体ドラム11は帯電器12によって所定の暗電位まで帯電された後、画像書き込み装置から発せられた光ビーム13によって画像信号に応じた露光がなされる。
【0085】
単色画像を形成する場合は、中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像Tを直ちに用紙41に二次転写するのであるが、複数色のトナー像を重ね合わせたカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム11上でのトナー像の形成並びにこのトナー像の一次転写の工程が色数分だけ繰り返される。例えば4色のトナー像を重ね合わせたフルカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム11上には順次イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像Tが形成され、これらトナー像Tは順次中間転写ベルト20に一次転写される。一方、中間転写ベルト20は最初に一次転写されたイエローのトナー像Tを保持したまま感光体ドラム11と同一周期で回動し、中間転写ベルト20上には順次マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像Tがイエローのトナー像Tに重ねて転写される。
【0086】
このようにして中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像Tは、中間転写ベルト20の回動に伴って用紙41の搬送経路に面した二次転写位置へと搬送される。上記二次転写位置では導電性の二次転写ロール31が中間転写ベルト20に接しており、フィードロール42によって所定のタイミングで記録材トレイ43から搬出された用紙41は、この二次転写ロール31と中間転写ベルト20との間に挟み込まれる。また、二次転写位置における中間転写ベルト20の裏面側には上記二次転写ロール31の対向電極をなすバックアップロール23が配設されており、二次転写ロール31およびバックアップロール23間に、トナーを用紙41に引き寄せる電圧を印加すると、中間転写ベルト20に担持されたトナー像Tは上記二次転写位置において用紙41に静電転写される。そして、トナー像Tを保持した用紙41は定着装置50に送り込まれてトナー像の定着処理がなされる。
【0087】
一方、トナー像の二次転写が終了した中間転写ベルト20については、クリーニングユニット100のクリーニング用ブレード102によって残留トナーが除去される。このような動作工程において、上記二次転写ロール31およびクリーニングユニット100は中間転写ベルト20と接離自在に配設されており、カラー画像が形成される場合には、最終色のトナー像が中間転写ベルト20に一次転写されるまで、これらの部材は中間転写ベルト20から離間している。
【0088】
特に、本実施形態では、形状係数が100〜125の球形トナーにて静電潜像が可視像化され、この現像像が中間転写ベルト20を介して用紙41に静電転写される。このとき、球形トナーの外添剤として、前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体が用いられるが、前記塞き止め用粉体は、一次転写時、二次転写時ともに転写助剤として作用するため、現像像の転写効率が向上する。このため、二次転写後における中間転写ベルト20表面の残留トナーは非常に少なくなり、中間転写ベルト20を清掃するクリーニングユニット100の負荷は軽減される。
【0089】
ここで、クリーニングユニット100の作動について詳述すると、以下の通りである。すなわち、中間転写ベルト20表面の残留トナーは、特に図2に示すように、先ず導電性ブラシ103部分を通過する。このとき、導電性ブラシ103にはバイアス電圧Vbが印加されているため、導電性ブラシ103と対向電極としての従動ロール24との間にはバイアス電圧Vbによる静電界が形成される。このため、導電性ブラシ103で掻き取られた残留トナー(本例では負極性トナー)は導電性ブラシ103側に静電付着する。
【0090】
この導電性ブラシ103に静電付着した残留トナーは、清掃用ロール104との摺擦部位に達すると、清掃用ロール104と導電性ブラシ103との間の電位差(Vd−Vb)に基づく静電界に基づいて導電性ブラシ103に付着しているトナーは清掃用ロール104側へ静電吸引されて転移し、導電性ブラシ103から除去される。そして、清掃用ロール104側に転移したトナーはスクレーパ105にて機械的に掻き取られ、ハウジング101内に回収される。一方、導電性ブラシ103にはトナーから分離した塞き止め用粉体が一部残存しており、導電性ブラシ103の摺擦部にて中間転写ベルト20上に再び戻される。このように、中間転写ベルト20表面に戻された塞き止め用粉体は、ブレード102エッジに到達し、このブレード102エッジに堆積保持され、塞き止め用粉体による粉体ダム110が形成される。
【0091】
一方、導電性ブラシ103で掻き取られなかったトナーは、ブレード102部分へと向かう。このとき、ブレード102のエッジ部分には塞き止め用粉体による粉体ダム110が形成されているため、トナー(球形トナー)がブレード102エッジの下側へ潜り込むことはなく、トナーはブレード102エッジの粉体ダム110にて確実に塞き止められ、確実に掻き取られる。なお、本実施形態では、導電性ブラシ103の電気抵抗が2logΩcm以上4logΩcm以下である条件下で、導電性ブラシ103へのバイアス電圧Vbは+100V以上+700V以下であることが好ましい。
【0092】
さらに、既述の如く、本実施形態では、球形トナーの外添剤として、前記塞き止め用粉体とともに前記第二の粉体が用いられることがポイントとなる。したがって、現像器141〜144のそれぞれには、各色のトナーと共に前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体が混在している。現像器141〜144内においては、前記塞き止め用粉体がトナーに付着した状態で存在するが、もしトナーから遊離した場合でも、逆極性に帯電する前記第二の粉体が静電気的に吸着するため、前記塞き止め用粉体の凝集を防ぐことができる。また、前記塞き止め用粉体を吸着した前記第二の粉体は、静電気的に略中性もしくは逆に帯電するため、感光体ドラム11に形成された静電潜像の現像時に非画像部にも移行し、結果的に非画像部が連続した場合(場所)でもブレード102に前記塞き止め用粉体を供給でき、クリーニング性を確保しながら、潜像担持体としての感光体ドラム11、中間転写ベルト20、およびブレード102の傷、摩耗を防ぐことができる。したがって、本実施形態によれば、クリーニング装置のより長寿命化を図ることができる。また、前記第二の粉体として適切な硬度のものを用いれば、ブレード102のエッジで破壊され、前記塞き止め用粉体によるクリーニング特性に影響を与えない。
【0093】
以上、本発明のクリーニング装置並びに画像形成装置について、好ましい実施形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、当業者は、従来公知の知見により各構成要素を置き換えることができる。
【0094】
また、上記実施形態では、前記現像手段が前記粉体供給手段を兼ねる構成を例に挙げて説明したが、本発明においては、現像手段とは独立した粉体供給手段とする構成においても、前記塞き止め用粉体の凝集(特に粉体供給手段における)を防止することができるという、本発明の効果の1つが奏される。この場合の粉体供給手段としては、クリーニング対象物の移動方向におけるクリーニング用ブレードの上流に配置され、前記塞き止め用粉体および第二の粉体が前記クリーニング対象物に供給される。供給方法としては、ブラシやロールにより物理的に付着ないし載置する方式、静電的に付着させる方式、落下させる方式、これらを組み合わせた方式等のいずれの方式でも構わない。
【0095】
さらに、上記実施形態では、中間転写体である中間転写ベルト20をクリーニング対象物とする態様を例に挙げて説明したが、潜像担持体である感光体ドラム11をクリーニング対象物としてもよいし、両者共クリーニング対象物としてもよい。装置構成もかかる構成に限定されるものではなく、中間転写体がドラム状である場合における潜像担持体および/または中間転写体、中間転写体を有しないもの(単色、カラーの双方を含む)における潜像担持体、潜像担持体がベルト状である場合における潜像担持体および/または中間転写体等をクリーニング対象物とすることができる。これらの場合も、上記実施形態において説明した構成に準じて、本発明を適用することができる。
【0096】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<トナーの調製>
予め、次の方法で樹脂微粒子分散体A−1および樹脂微粒子分散体A−2、離型剤微粒子分散体B−1、顔料分散体C−1を調製し、以下のトナー粒子X−1の調製に用いた。
【0097】
(樹脂微粒子分散液A−1)
下記成分を混合した溶液を用意した。
・スチレン: 370質量部
・n−ブチルアクリレート: 30質量部
・アクリル酸: 6質量部
・ドデカンチオール: 24質量部
・四臭化炭素: 4質量部
【0098】
この溶液434gと、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6g、およびアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR)10gをイオン交換水550gに溶解した溶液をフラスコ中に入れて分散、乳化し、10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入した。その後、フラスコ内を窒素で充分に置換してから攪拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、樹脂微粒子分散液A−1を得た。
【0099】
樹脂微粒子分散液A−1で得られたラテックスは、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で樹脂微粒子の体積平均粒子径(D50)を測定したところ155nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移点を測定したところ59℃であり、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として質量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ13000であった。
【0100】
(樹脂微粒子分散液A−2)
下記成分を混合した溶液を用意した。
・スチレン: 280質量部
・n−ブチルアクリレート: 120質量部
・アクリル酸: 8質量部
【0101】
上記溶液408gと、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6g、およびアニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR)12gをイオン交換水550gに溶解した溶液とをフラスコ中に入れて分散、乳化し、10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム3gを溶解したイオン交換水50gを投入した。その後、フラスコ内を窒素で充分に置換してから攪拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続して、樹脂微粒子分散液A−2を得た。
【0102】
得られた樹脂微粒子分散液A−2中のラテックスを、樹脂微粒子分散液1と同様に、諸特性を測定した。樹脂微粒子の体積平均粒子径が105nmであり、ガラス転移点が53℃であり、質量平均分子量が55万であった。
【0103】
(離型剤微粒子分散液B−1)
下記成分をホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーに移して分散処理を行い、離型剤微粒子の体積平均粒子径(D50)が550nmの離型剤微粒子分散液B−1を得た。
【0104】
・パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP0190、融点85℃): 50質量部
・カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50): 5質量部
・イオン交換水: 200質量部
【0105】
(顔料分散液C−1)
下記成分をホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)で10分間分散し、さらに超音波ホモジナイザーで分散し、体積平均粒子径(D50)150nmの青色顔料分散液C−1を得た。
【0106】
・フタロシアニン顔料(BASF社製、PB−FAST BLUE): 50質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR): 5質量部
・イオン交換水: 200質量部
【0107】
(トナー粒子X−1の調製)
下記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に入れてホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、フラスコ内の内容物を攪拌しながら加熱用オイルバスで50℃まで加熱し、その温度で30分間保持した後、さらに加熱用オイルバスの温度を55℃まで上げてその温度で1時間保持して凝集トナー粒子X−1の粒子径およびその粒子径分布を調整した。
【0108】
・樹脂微粒子分散液A−1: 120質量部
・樹脂微粒子分散液A−2: 80質量部
・離型剤分散液B−1: 40質量部
・顔料分散液C−1: 11.3質量部
・カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50): 0.5質量部
【0109】
この場合、トナー粒子X−1の体積平均粒子径(D50)をコールターカウンター(日科機社製、TAII)を用いて測定したところ、5.0μmであり、体積平均粒子径分布(GSDv)は1.21であった。ここで、体積平均粒子径(D50)および体積平均粒子径分布(GSDv)とは、測定される粒度分布を分割された粒度範囲(チャネル)に対して、小粒子径から累積分布を描き、体積累積16%となる粒径を体積D16、体積累積50%となる粒径を体積D50、体積累積84%となる粒径を体積D84とし、この体積累積50%を体積平均粒子径D50、(D84/D16)1/2より求められる値を体積平均粒子径分布GSDvとした。
【0110】
この凝集トナー粒子分散液にアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR)3gを添加し、粒子の凝集を止め、凝集トナー粒子を安定化した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら93℃まで加熱し、5時間保持して凝集トナー粒子を融合させて、その形状および形状分布を調整した。この場合、融合トナー粒子の体積平均粒子径(D50)をコールターカウンター(日科機社製、TAII)を用いて測定したところ、5.0μmであり、体積平均粒度分布係数(GSDv)は1.21であった。
【0111】
この融合トナー粒子を冷却した後、ろ過し、pH10のイオン交換水で充分洗浄し、さらにpH6.5のイオン交換水で充分洗浄後、凍結乾燥機で乾燥してトナー粒子X−1を得た。トナー粒子の体積平均粒子径(D50)をコールターカウンター(日科機社製、TAII)を用いて測定したところ、5.0μmであり、体積平均粒度分布係数(GSDv)は1.21であった。
【0112】
また、電子顕微鏡でトナー粒子X−1の表面状態を観察した。トナー粒子X−1表面に樹脂微粒子が融着した連続層が確認された。また、透過型電子顕微鏡でトナー粒子X−1断面を観察すると、表層への顔料の露出はほとんど認められなかった。さらに、ルーゼックス画像解析装置(ニレコ社製、LUZEXIII)を用い、100個のトナーの周囲長(ML)および投影面積(A)を測定し、形状係数(ML2/A)を計算し、その平均値を求めたところ、115であった。
【0113】
<単分散シリカ(塞き止め用粉体)の調製>
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕により真比重1.50、球形化度=0.85、体積平均粒径=135nm(標準偏差=29nm)の塞き止め用粉体としての単分散シリカS−1を得た。
【0114】
<第二の粉体の調製>
第二の粉体は、樹脂粒子のみからなるもの(第二の粉体S−1)と、樹脂粒子および潤滑剤微粒子からなるもの(第二の粉体S−2)の2種類を調製した。
【0115】
(第二の粉体S−1)
前記<トナーの調製>において調製された樹脂微粒子分散液A−1を200質量部、カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50)0.5質量部と共に丸型ステンレス製フラスコ中に入れてホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。その後、フラスコ内の内容物を攪拌しながら加熱用オイルバスで35℃まで加熱し、その温度で30分間保持した後、さらに加熱用オイルバスの温度を40℃まで上げてその温度で1時間保持して、凝集粒子の粒子径およびその粒子径分布を調整した。
【0116】
この凝集粒子分散液にアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR)3gを添加し、粒子の凝集を止め、凝集粒子を安定化した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら60℃まで加熱し、30分保持した後、冷却し、粒子G−1を得た。この粒子G−1の体積平均粒子径(D50)を、コールターカウンターを用いて測定したところ、3.5μmであり、体積平均粒度分布係数(GSDv)は1.23であった。
【0117】
この粒子G−1をろ過し、pH6.5のイオン交換水で充分洗浄後、凍結乾燥機で乾燥し、第二の粉体S−1を得た。この第二の粉体S−1の体積平均粒子径(D50)を測定したところ、3.5μmであり、体積平均粒度分布係数(GSDv)は1.23であった。さらに、この第二の粉体S−1の形状係数(ML2/A)の平均値を求めたところ、145であった。
【0118】
(第二の粉体S−2)
下記成分をホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーに移して分散処理を行い、潤滑剤微粒子の体積平均粒子径(D50)が400nmの潤滑剤微粒子分散液D−1を得た。
【0119】
・ステアリン酸亜鉛: 50質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR): 5質量部
・イオン交換水: 200質量部
【0120】
前記<トナーの調製>において調製された樹脂微粒子分散液A−1を200質量部と、上記潤滑剤微粒子分散液D−1を450質量部とを、カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50)0.5質量部と共に丸型ステンレス製フラスコ中に入れてホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。その後、フラスコ内の内容物を攪拌しながら加熱用オイルバスで35℃まで加熱し、その温度で30分間保持した後、さらに加熱用オイルバスの温度を40℃まで上げてその温度で1時間保持して、凝集粒子の粒子径およびその粒子径分布を調整した。
【0121】
この凝集粒子分散液にアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR)3gを添加し、粒子の凝集を止め、凝集粒子を安定化した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら60℃まで加熱し、30分保持した後、冷却し、粒子G−1を得た。この粒子G−1の体積平均粒子径(D50)をコールターカウンターを用いて測定したところ、3.1μmであり、体積平均粒度分布係数(GSDv)は1.30であった。
【0122】
また、得られた粒子G−1の表面状態を電子顕微鏡で観察した。用いた樹脂微粒子分散液A−1中の樹脂微粒子と潤滑剤微粒子分散液D−1中の潤滑剤微粒子の一次粒子界面がそれぞれ観察されたが、トナー粒子X−1で観察された様な樹脂の連続層は観察されなかった。
【0123】
この粒子G−1をろ過し、pH6.5のイオン交換水で充分洗浄後、凍結乾燥機で乾燥し、第二の粉体S−2を得た。この第二の粉体S−2の体積平均粒子径(D50)を測定したところ、3.1μmであり、体積平均粒度分布係数(GSDv)は1.30であった。さらに、この第二の粉体S−2の形状係数(ML2/A)の平均値を求めたところ、140であった。
【0124】
<比較例1>
(現像剤Z−1の調製)
上記得られたトナー粒子100gに対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)を0.43g、メタチタン酸を1.0g、上記得られた単分散シリカY−1を1.5g、それぞれ添加しサンプルミルで混合して、外添トナーを得た。そして、ポリメチルメタクリレート(総研化学社製)を1質量%コートした体積平均粒径50μmのフェライトキャリアに対し、トナー濃度が5質量%になるように上記外添トナーを秤量し、ボールミルで5分間攪拌・混合して現像剤Z−1を調製した。
【0125】
(評価試験)
得られた現像剤Z−1を用いて、以下のクリーニング性および耐傷性評価試験を行った。
前記実施形態において説明した画像形成装置のクリーニングユニット100を、感光体ドラム11の表面に当接させて感光体ドラム11の表面をクリーニングする装置とした物を用いて、評価を行った。クリーニングユニット100は、一次転写ロール15の、感光体ドラム11回転方向(矢印A方向)下流に配置した。画像形成装置としては、富士ゼロックス社製DC1250を改造した物を用いた。
【0126】
また、クリーニング用ブレード102は低温低湿環境下において高硬度となり、反発弾性も低くなることに伴って、塞き止め用粉体の凝集物による感光体ドラム11、ブレード102の傷、摩耗が発生し易くなるため、低温低湿環境下(10℃、15%RH)で評価を行った。
【0127】
前記得られた現像剤Z−1を、上記画像形成装置の現像器143に投入し、被記録材として富士ゼロックス製Jコート紙を用いて、単色(ブルー)で、面積率10%の同一画像を10000枚出力した。すると、感光体ドラム11の非画像部(画像形成される部分が通過しない部分。以下同様。)、および、画像部(画像形成される部分が連続して通過する部分。以下同様。)の双方の表面に傷が確認され、これがプリント出力画像の画質にも影響を与えていた。また、ブレード102においても同様に、非画像部・画像部共に傷が確認され、クリーニング性については、プリント時は問題なかったが、ストレス条件の未転写トナーをクリーニングすることができなかった。
【0128】
<実施例1>
(現像剤Z−2の調製)
比較例1の(現像剤Z−1の調製)において、外添トナーを調製する際に、さらに前記得られた第二の粉体S−1を0.6g添加したこと以外は、比較例1の(現像剤Z−1の調製)と同様にして現像剤Z−2を調製した。
【0129】
(評価試験)
得られた現像剤Z−2を用い、比較例1と同様にして、クリーニング性および耐傷性評価試験を行った。すると、10000枚出力では、感光体ドラム11およびブレード102のいずれの箇所においても傷は認められなかった。さらに出力を続け合計20000枚出力すると、感光体ドラム11の画像部でやや傷が発生したが、プリント出力画像の画質には影響を与えなかった。また、ブレード102においても同様に、20000枚出力で非画像部・画像部共に傷が確認され、クリーニング性については、プリント時は問題なかったが、ストレス条件の未転写トナーをクリーニングすることができなかった。
【0130】
<実施例2>
(現像剤Z−3の調製)
比較例1の(現像剤Z−1の調製)において、外添トナーを調製する際に、さらに前記得られた第二の粉体S−2を0.6g添加したこと以外は、比較例1の(現像剤Z−1の調製)と同様にして現像剤Z−3を調製した。
【0131】
(評価試験)
得られた現像剤Z−3を用い、比較例1と同様にして、クリーニング性および耐傷性評価試験を行った。すると、10000枚出力は勿論、20000枚出力、さらには30000枚出力でも、感光体ドラム11およびブレード102のいずれの箇所においても傷は認められず、プリント出力画像の画質、およびクリーニング性共に良好であった。
【0132】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のクリーニング装置によれば、まず、前記塞き止め用粉体を、前記クリーニング用ブレードのエッジに堆積保持させることで、潜像担持体や中間転写体等の前記クリーニング対象物の表面の残留トナーを前記クリーニング用ブレードにより有効に除去することができる。このとき該第二の粉体により前記塞き止め用粉体の凝集が抑制されるため、前記クリーニング対象物の表面や前記クリーニング用ブレードのエッジを傷付けたり、摩耗させたりする懸念を解消することができる。
【0133】
本発明のクリーニング装置において、前記粉体供給手段が、静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段を兼ねる場合には、前記現像手段において前記塞き止め用粉体は前記トナーに付着した状態で保持されるが、前記塞き止め用粉体が脱落した場合にも、これが前記第二の粉体に静電気的に吸着され、その凝集を防止することができる。さらに、前記塞き止め用粉体を吸着した前記第二の粉体は、静電気的に略中性もしくは逆極性に帯電しているため、前記クリーニング対象物の表面における、トナーが供給されない非画像部にも供給され、結果的に非画像部が連続した箇所においても前記クリーニング用ブレードに塞き止め用粉体を供給でき、前記クリーニング用ブレードの長手方向全体にわたってクリーニング性を確保しながら、前記クリーニング対象物やクリーニング用ブレードの傷、摩耗を防ぐことができ、結果、より長寿命なクリーニング装置を提供することができる。
【0134】
本発明の画像形成装置によれば、上記本発明のクリーニング装置由来の優れた作用効果を発現する画像形成装置を提供することができる。そして、本発明の現像剤によれば、ブレードクリーニング方式のクリーニング手段を有する画像形成装置に適用することで、優れたクリーニング性、傷防止性を実現でき、装置の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクリーニング装置を具備する本発明の画像形成装置の概略構成図である。
【図2】図1の画像形成装置におけるクリーニング装置周辺を拡大して示す概略構成図である。
【符号の説明】
11 感光体ドラム(潜像担持体)
12 帯電器
13 光ビーム(潜像形成手段)
15 一次転写ロール(一次転写手段)
20 中間転写ベルト(中間転写体)
30 二次転写装置(二次転写手段)
41 用紙(被記録材)
50 定着装置
100 クリーニングユニット(クリーニング装置)
102 クリーニング用ブレード
110 粉体ダム
141〜144 現像器(現像手段、粉体供給手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式などの画像形成装置で用いられるクリーニング装置、およびそれを用いた画像形成装置、並びに、それに用いるに適した現像剤に関し、特に、ブレードクリーニング方式で球形の残留トナーを清掃する上で有効なクリーニング装置、およびそれを用いた画像形成装置、並びに、それに用いるに適した現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式や静電記録方式等を採用する画像形成装置にあっては、現像用トナーとして所謂球形トナーを用い、緻密で均一な可視像を得ようとする提案がなされている(例えば特開平8−254873号公報)。そして、この種の画像形成装置においては、感光体ドラムや中間転写ベルト等の像担持体上の残留トナーを清掃するために通常クリーニング装置が設けられており、この種のクリーニング装置としては、例えばクリーニング対象物である像担持体表面にクリーニング用ブレードエッジを当接させ、このブレードにて像担持体上の残留トナーを掻き取るようにした所謂ブレードクリーニング方式が採用されることが多い。ところが、この種のクリーニング装置にあっては、クリーニング用ブレードにて球形トナーを確実に掻き取ることが難しく、クリーニング不良が起こり易いという技術的課題がある。
【0003】
このような技術的課題を解決する方法として、例えば、特開平10−214013号公報に記載された先行技術(先行技術1)がある。当該先行技術1は、像担持体に対するクリーニング用ブレードの当接圧を増大させ、ブレードによるトナーの塞き止め効果を確保するようにしたものである。
【0004】
しかしながら、先行技術1にあっては、クリーニング用ブレードの当接圧が増大するために、ブレードのみならず、ブレードが当接する感光体ドラムや中間転写ベルト等の像担持体の摩耗が更に悪化する懸念がある。
また、上記技術的課題を解決する他の方法として、特開2002−6710に記載された先行技術(先行技術2)がある。当該先行技術2は、クリーニング用ブレードのエッジに、トナー以外の塞き止め用粉体を堆積保持させたものである。
【0005】
この塞き止め用粉体は、トナーの外添剤として供給されるので、特に同一画像が連続した場合など画像部には多く供給されるが非画像部には供給されない。具体的には、プロセス方向に対して垂直な方向で、例えば両端の余白のように画像が無い部分と、中央の画像部とが、前者は非画像部、後者は画像部を構成する。このように画像部と非画像部とが混在する同一画像を大量に連続して複写した場合に、画像部では大量の塞き止め用粉体が供給され凝集し、クリーニング用ブレードや像担持体に傷を付けたり、摩耗が悪化したりする懸念があり、逆に非画像部では塞き止め用粉体が供給されずクリーニング性が低下する懸念がある。なお、前記塞き止め用粉体は、独立した状態では傷摩耗にほとんど影響を与えず、良好にクリーニング性向上に寄与するが、これが凝集物になると上記のような問題を惹き起こす場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、同一画像が連続した場合など画像部と非画像部とで、クリーニング用ブレードの位置による塞き止め用粉体の偏在に起因する不具合を、塞き止め用粉体の凝集を防止することで、および/または、前記偏在そのものを緩和することで、解消し得るクリーニング装置、およびそれを用いた画像形成装置、並びに、それに用いるに適した現像剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明のクリーニング装置は、残留トナーが付着したクリーニング対象物の表面に、クリーニング用ブレードのエッジを当接し、該クリーニング用ブレードにて前記クリーニング対象物表面の残留トナーを除去するクリーニング装置であって、
前記クリーニング対象物の表面に、前記残留トナーを塞き止め可能な塞き止め用粉体と、該塞き止め用粉体とは逆極性に帯電され、且つこれより粒径の大きな第二の粉体とを供給する粉体供給手段を具備し、供給された前記塞き止め用粉体を前記クリーニング用ブレードのエッジに堆積保持させることを特徴とする。
【0008】
本発明のクリーニング装置によれば、まず、前記塞き止め用粉体を、前記クリーニング用ブレードのエッジに堆積保持させることで、潜像担持体や中間転写体等の前記クリーニング対象物の表面の残留トナーを前記クリーニング用ブレードにより有効に除去することができる。このとき前記塞き止め用粉体が凝集した状態で、前記クリーニング用ブレードのエッジに大量に堆積保持されると、前記クリーニング対象物の表面や前記クリーニング用ブレードのエッジを傷付けたり、摩耗させたりしてしまうが、本発明によれば、該塞き止め用粉体とは逆極性に帯電され、且つこれより粒径の大きな第二の粉体をも供給しているため、該第二の粉体に前記塞き止め用粉体が静電気的に吸着し、前記塞き止め用粉体の凝集を防止することができ、傷や摩耗の懸念を解消することができる。
本発明のクリーニング装置は、前記残留トナーが球形トナーである場合に特に有効である。
【0009】
本発明のクリーニング装置においては、前記粉体供給手段が、静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段を兼ねることとすれば、効率的に前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体を前記クリーニング対象物の表面に供給することができる。また、前記現像手段において前記塞き止め用粉体は前記トナーに付着した状態で保持されるが、前記塞き止め用粉体が脱落した場合にも、これが前記第二の粉体に静電気的に吸着され、その凝集を防止することができる。さらに、前記塞き止め用粉体を吸着した前記第二の粉体は、静電気的に略中性もしくは逆極性に帯電しているため、前記クリーニング対象物の表面における、トナーが供給されない非画像部にも供給され、結果的に非画像部が連続した箇所においても前記クリーニング用ブレードに塞き止め用粉体を供給でき、前記クリーニング用ブレードの長手方向全体にわたってクリーニング性を確保しながら、前記クリーニング対象物やクリーニング用ブレードの傷、摩耗を防ぐことができ、結果、より長寿命なクリーニング装置を提供することができる。
【0010】
前記塞き止め用粉体としては、その比重が1.3〜1.9の範囲で、その体積平均粒径が80〜300nmの範囲の単分散シリカであることが好ましい。
前記第二の粉体としては、その体積平均粒径が0.5〜10μmの範囲であることが好ましく、前記塞き止め用粉体より柔らかいものであることが好ましく、特に樹脂凝集物であることが好ましい。また、前記第二の粉体には、少なくとも潤滑剤を含むことが好ましい。
【0011】
また、本発明の画像形成装置は、以下の2つの態様がある。
(1)潜像担持体と、該潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、前記潜像担持体表面に形成されたトナー像を被記録材に転写する転写手段と、前記潜像担持体表面に残留する残留トナーを除去するクリーニング手段と、を含む画像形成装置であって、
前記潜像担持体をクリーニング対象物とし、
前記クリーニング手段が、上記本発明のクリーニング装置であることを特徴とする態様。
【0012】
(2)潜像担持体と、該潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、前記潜像担持体表面に形成されたトナー像を中間転写体に転写する一次転写手段と、該中間転写体表面に転写されたトナー像を被記録材に転写する二次転写手段と、前記中間転写体表面に残留する残留トナーを除去するクリーニング手段と、を含む画像形成装置であって、
前記中間転写体をクリーニング対象物とし、
前記クリーニング手段が、上記本発明のクリーニング装置であることを特徴とする態様。
【0013】
本発明の画像形成装置によれば、まず、前記塞き止め用粉体を、前記クリーニング用ブレードのエッジに堆積保持させることで、前記潜像担持体や前記中間転写体等のクリーニング対象物の表面の残留トナーを前記クリーニング用ブレードにより有効に除去することができる。このとき前記塞き止め用粉体が前記クリーニング用ブレードのエッジに大量に堆積保持されて凝集してしまうと、前記潜像担持体や前記中間転写体の表面、あるいは前記クリーニング用ブレードのエッジを傷付けたり、摩耗させたりしてしまうが、本発明によれば、該塞き止め用粉体とは逆極性に帯電され、且つこれより粒径の大きな第二の粉体をも供給しているため、該第二の粉体に前記塞き止め用粉体が静電気的に吸着し、前記塞き止め用粉体の凝集を防止することができ、傷や摩耗の懸念を解消することができる。
【0014】
本発明の画像形成装置においては、前記現像手段が、トナーと共に、前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体を前記潜像担持体表面に供給する機能を有し、前記粉体供給手段を兼ねることが好ましい。
【0015】
前記現像手段が前記粉体供給手段を兼ねることとすれば、効率的に前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体を前記潜像担持体や前記中間転写体の表面に供給することができるとともに、別途前記粉体供給手段を設ける必要がなく、装置構成の簡略化、小型化並びに低コスト化を実現することができる。また、前記現像手段において前記塞き止め用粉体は前記トナーに付着した状態で保持されるが、前記塞き止め用粉体が脱落した場合にも、これが前記第二の粉体に静電気的に吸着され、その凝集を防止することができる。さらに、前記塞き止め用粉体を吸着した前記第二の粉体は、静電気的に略中性もしくは逆極性に帯電しているため、前記潜像担持体や前記中間転写体の表面における、トナーが供給されない非画像部にも供給され、結果的に非画像部が連続した箇所においても前記クリーニング用ブレードに塞き止め用粉体を供給でき、前記クリーニング用ブレードの長手方向全体にわたってクリーニング性を確保しながら、前記潜像担持体や前記中間転写体、並びにクリーニング用ブレードの傷、摩耗を防ぐことができ、結果、画像形成装置におけるクリーニング装置について、より長寿命化を図ることができる。
【0016】
さらに、本発明の現像剤は、少なくとも、体積平均粒径が2〜10μmの範囲内の球形トナーと、体積平均粒径が80〜300nmの範囲内の塞き止め用粉体と、該塞き止め用粉体とは逆極性に帯電され、且つ体積平均粒径が0.5〜10μmの範囲内の第二の粉体と、からなることを特徴とする。
【0017】
本発明の現像剤を、クリーニング用ブレード方式のクリーニング装置を具備する画像形成装置に適用すると、前記塞き止め用粉体が前記球形トナーに付着した状態で現像により潜像担持体や中間転写体等のクリーニング対象物の表面に供給され、前記塞き止め用粉体の粒径が適切であるため、これが前記クリーニング用ブレードのエッジに堆積保持され、転写後も残留する前記球形トナーを前記クリーニング用ブレードにより有効に除去することができる。このとき前記塞き止め用粉体が前記クリーニング用ブレードのエッジに大量に堆積保持されて凝集してしまうと、前記潜像担持体や前記中間転写体の表面、あるいは前記クリーニング用ブレードのエッジを傷付けたり、摩耗させたりしてしまうが、本発明の現像剤には、該塞き止め用粉体とは逆極性に帯電され、且つこれよりも粒径が適切に大きい第二の粉体が含まれているため、現像器内で前記トナーから前記塞き止め用粉体が脱落した場合にも、これが前記第二の粉体に静電気的に吸着し、その凝集を防止することができ、傷や摩耗の懸念を解消することができる。
【0018】
また、前記塞き止め用粉体を吸着した前記第二の粉体は、静電気的に略中性もしくは逆極性に帯電しているため、前記潜像担持体や前記中間転写体の表面における、トナーが供給されない非画像部にも供給され、結果的に非画像部が連続した箇所においても前記クリーニング用ブレードに塞き止め用粉体を供給でき、前記クリーニング用ブレードの長手方向全体にわたってクリーニング性を確保しながら、前記潜像担持体や前記中間転写体、並びにクリーニング用ブレードの傷、摩耗を防ぐことができ、結果、クリーニング装置について、より長寿命化を図ることができる。
【0019】
前記塞き止め用粉体としては、その比重が1.3〜1.9の範囲であることが好ましく、特に単分散シリカであることが好ましい。
前記第二の粉体としては、不定形で、且つ前記塞き止め用粉体より柔らかいものであることが好ましく、特に樹脂凝集物であることが好ましい。また、前記第二の粉体には、少なくとも潤滑剤を含むことが好ましい。
本発明の現像剤は、さらに、キャリアが混合されることで、二成分系の現像剤として用いることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、好ましい実施形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の一例であるクリーニング装置が組み込まれた、中間転写型画像形成装置(本例ではカラー電子写真複写機)の概略構成を示す。本実施形態では、中間転写体としての中間転写ベルト20がクリーニング対象物である。
【0021】
符号11は例えば矢印方向Aに回転する感光体ドラム(潜像担持体)、12は感光体ドラム11を予め帯電するコロトロン等の帯電器、13は各色成分画像情報に基づいて感光体ドラム11上に各色成分に対応した静電潜像を書き込むレーザ走査装置(ROS)などの画像書込装置(潜像形成手段:なお、本例では同装置からのビームに符号を付す。)、14はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(BK)の各色に対応した現像器141〜144が回転ホルダ145に搭載された回転型(ロータリー型)現像装置(現像手段)であり、感光体ドラム11に形成された静電潜像を現像器141〜144のいずれかで現像して各色成分トナー像Tを形成するようになっている。なお、感光体ドラム11表面の残留トナーは、図示外のドラムクリーナにて除去されるようになっている。
【0022】
また、符号20は感光体ドラム11の表面に当接されるように配置された中間転写ベルト(中間転写体)であり、複数(本実施形態では例えば4つ)のロール21〜24に張架されて矢印方向Bへ回動するようになっている。さらに、中間転写ベルト20の感光体ドラム11に対向する部位(一次転写位置)において、中間転写ベルト20の裏面側には、抵抗値が106〜108Ωに調整された発泡ウレタンゴム製の一次転写ロール(一次転写手段)15が配設されており、この一次転写ロール15にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体ドラム11上のトナー像Tが中間転写ベルト20に静電吸引されるようになっている。
【0023】
ここで、本実施形態で用いられる中間転写ベルト20のロール21〜24について述べると、符号21は一次転写ロール15による一次転写位置の下流側近傍に設けられる駆動ロール、22は中間転写ベルト20に所定の張力を付与するテンションロール、23は後述する二次転写装置30の一要素である対向ロール(バックアップロール)、24は一次転写位置の上流側に設けられて駆動ロール21との間で中間転写ベルト20の姿勢を保つ従動ロールである。また、本実施形態で用いられる中間転写ベルト20としては、ポリイミド、ポリカーボネート等の単層ベルトであり、例えば厚さ0.1mmに形成されている。さらに、中間転写ベルト20の端部且つ非画像領域には、反射型の基準マーク25が一枚貼られており、対向して設けられる発光、受光検知センサ26が基準マーク25を検知することによって、全ての作像プロセスのタイミングが規定されている。
【0024】
さらにまた、用紙(被記録材)41の搬送経路に面した中間転写ベルト20の二次転写位置には二次転写装置(二次転写手段)30が配設されており、本実施形態では、中間転写ベルト20のトナー像担持面側に圧接配置される二次転写ロール31と、中間転写ベルト20の裏面側に配置されて二次転写ロール31の対向電極をなす対向ロール(バックアップロール)23とを備えている。本実施形態において、上記バックアップロール23は、絶縁性ロールを半導電性の薄層フィルムで被覆して形成されている。この薄層フィルムは厚さ10μm〜200μmに形成され、その表面抵抗率が107〜1011Ω/□(□:単位面積)に調整されている。さらに、バックアップロール23には中間転写ベルト20との当接位置から円周方向へ20〜40mmの距離をおいて給電ロール32が当接しており、給電ロール32にはトナーと同極性の電圧が適宜印加されるようになっている。
【0025】
一方、上記二次転写ロール31は接地された導電性ロールであり、その表面電位を常に接地位置と等電位に保つため、その体積抵抗率は107Ω・cm以下の抵抗であることが望ましい。そして、この二次転写ロール31の周面にはロールクリーナ33が配設されており、このロールクリーナ33は、二次転写ロール31に常時当接するポリウレタンゴム製のクリーニング用ブレード33aを具備し、二次転写ロール31に付着したトナーを除去するようになっている。
【0026】
また、本実施形態において、記録材搬送系は、記録材トレイ43からフィードロール42にて用紙41を所定の搬送経路へ向けて搬送し、搬送経路中の所定の搬送ロール44にて用紙41を搬送すると共に、レジストレーションロール(レジストロール)45で用紙41を一旦位置決め停止させた後に所定のタイミングで二次転写位置へと搬送し、二次転写後の用紙41を定着装置50へと搬送し、排出ロール46にて図示外の排出トレイへと排出するようになっている。
【0027】
さらに、本実施形態では、中間転写ベルト20の従動ロール24に対向する部位にクリーニングユニット(本例ではベルトクリーナ)100が配設されている。このクリーニングユニット100は、特に図1および図2に示すように、ハウジング101に図示外のブラケットを介してクリーニング用ブレード102を取付け、このブレード102のエッジを中間転写ベルト20表面に当接させ、中間転写ベルト20のブレード102の当接部位よりも上流側には導電性ブラシ103を摺擦回転自在に配設すると共に、この導電性ブラシ103には清掃用ロール104を摺擦回転自在に配設し、さらに、この清掃用ロール104にはスクレーパ105を接触配置するようにしたものである。なお、本発明にいう「クリーニング装置」とは、本実施形態においてはこのクリーニングユニット100と、粉体供給手段を兼ねる現像器141〜144と、で構成される。
【0028】
そして、上記導電性ブラシ103および清掃用ロール104には夫々所定のバイアス電圧を印加するバイアス電源106,107が接続されている。本例では、各バイアス電源106,107の各バイアス電圧をVb,Vdとすれば、少なくともVd>Vb>0の関係が成立するようになっている。例えば、Vd=700V,Vb=400Vの如くである。一方、従動ロール24は接地されており、導電性ブラシ103の対向電極として作用するようになっている。
【0029】
さらに、本実施形態では、クリーニングユニット100のブレード102のエッジ部分には、塞き止め用粉体および第二の粉体(図中の110)が堆積保持されるようになっている。前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体は、何らかの粉体供給手段により中間転写ベルト20表面に供給されブレード102のエッジ部分に堆積保持される。
【0030】
本発明において、前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体を供給する粉体供給手段は、独立して、中間転写ベルト20表面に直接供給する構成であってもよいし、現像器141〜144に収容される現像剤中に外添剤として含ませておき、各色成分トナー像Tを形成する際に、トナーを介して同時に供給する構成、すなわち、現像手段である現像器141〜144が粉体供給手段を兼ねる構成でも構わない。供給方式の簡単化を図るという観点からすれば、後者の方式が好ましい。
【0031】
現像手段とは独立した粉体供給手段とする場合には、中間転写ベルト20表面に静電的に付着させる構成でも構わないし、中間転写ベルト20表面に重力により保持させる構成でも構わない。本例においては、現像手段である現像器141〜144が粉体供給手段を兼ねる構成としている。
【0032】
次に、本例で現像器141〜144に収容する現像剤の構成について説明する。当該現像剤は、本発明に必須の構成である前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体を含み、また、現像剤であることからトナーも含む。さらに、二成分系の現像剤として用いるには、キャリアが含まれる。以下に説明する現像剤の好ましい範囲のものが、本発明の現像剤である。
【0033】
<塞き止め用粉体>
本発明において、塞き止め用粉体は、トナー以外で残留トナーを塞き止めることが可能な機能を有するものであれば足り、特に制限はない。本発明は球形トナーが残留トナーとなった場合において特に有効であることから、特に球形トナーを塞き止めることが可能な機能を有するものであることが好ましい。
ここで球形トナーとは、トナーの形状係数(ML2/A)が100〜125のトナーを指す。トナーの形状係数(ML2/A)は下記式で表されるものである。
【0034】
【数1】
【0035】
トナーの形状係数は、トナーの投影面積Aと、それに外接する円の面積ML2、具体的には、(トナー径の絶対最大長)2×(π/4)との比で表されるものであり、真球の場合100となり、形状が崩れるにつれ増加する。形状係数はトナー粒子複数個(例えば100個)に対して計算され、その平均値を代表値とする。
【0036】
本発明において、塞き止め用粉体は、トナーの形状係数(ML2/A)が125を超えるトナーをも清掃対象とし得ることは勿論であるが、本発明は、形状係数(ML2/A)が100〜125の球形トナーを使用する際に特に有効であることに変わりはない。
【0037】
かかる塞き止め用粉体の代表例として、比重1.3〜1.9、体積平均粒径80〜300nm単分散シリカが挙げられる。この塞き止め用粉体としてのシリカの供給方式については、既述の如く、単独で供給するようにしても差し支えないが、通常トナーの外添剤として使用され、トナーを介してクリーニング対象物としての中間転写ベルト20表面に供給されるようにすることが好ましい。
【0038】
本件出願人は、先に、この種のシリカが現像・転写効率の向上に寄与するものであることについて開示しているが(例えば、特許公開2001−066820号公報)、この種のシリカがさらに球形トナーのクリーニング性に寄与することをも見出している。
【0039】
以下に、この種のシリカが現像・転写効率の向上に寄与する点について、補足しておく。
現像・転写工程は、現像剤の均一な搬送性、転写時の電流等にも影響されるが、基本的にはトナー粒子を担持する像担持体の束縛力からトナー粒子を引き離し、転移対象物(中間転写体などの像担持体や被記録材)に付着させる工程であるので、静電引力、および、トナー粒子と帯電付与部材あるいは像担持体との付着力、のバランスに左右される。
【0040】
このバランスの制御は非常に困難であるが、この工程は、直接画質に影響する上、効率を向上させると、信頼性の向上およびクリーニング装置に対する負荷の軽減などが見込まれるので、上記工程においてはより高い現像・転写性が要求される。現像・転写工程は、静電引力>付着力の際に起こる。従って、現像・転写効率を向上させるには、静電引力を上げる(現像・転写力を強める)か、または付着力を下げる方向に制御すればよいが、現像・転写力を強める場合、例えば転写電場を高くすれば逆極性トナーが発生する等、二次障害を起こし易いため、付着力を下げる方が有効である。そして、付着力としてはファンデルワールス力(Van der Waals力:非静電的付着力)およびトナー粒子の持つ電荷による鏡像力が挙げられるが、両者の間には1オーダー近いレベル差があり、ほとんどファンデルワールス力で議論されるものと解釈できる。
【0041】
ここで、球状粒子間のファンデルワールス力Fは、下記の式で表される。
F=H・r1・r2/6(r1+r2)・a2
但し、H:定数、r1、r2:接触する粒子の半径、a:粒子間距離である。
【0042】
このとき、付着力の低減のため、トナー粒子に比べrが非常に小さい微粉末(径=a)を、トナー粒子と像担持体表面または帯電付与部材表面との間に介在させることにより、各々の間に距離aを持たせ、さらに接触面積(接触点数)を減少させる手法が有効であり、その効果を安定的に持続させるには、比重1.3〜1.9、体積平均粒径80〜300nm単分散シリカ、特に球形のシリカを用いることが有効である。
【0043】
より具体的に述べると、比重としては1.9以下に制御することでトナーからの剥がれを抑制することができ、また、1.3以上に制御することで凝集分散を抑制することができる。また、前記単分散シリカの体積平均粒径が80nm未満であると、非静電的付着力低減に有効に働かなくなり易い。特に、現像装置内のストレスにより、着色粒子に埋没し易くなり、現像転写向上効果が著しく低減し易い。一方、300nmを超えると、着色粒子から離脱し易くなり、非静電的付着力低減に有効に働かないと同時に接触部材に移行し易くなり、帯電阻害、画質欠陥等の二次障害を引き起こし易くなる。このため、本発明において、単分散シリカの体積平均粒径は、80〜300nmの範囲内が好ましく、より好ましくは100〜200nmである。
【0044】
さらに、単分散であることが好ましい理由は、トナー表面に均一に分散し、安定したスペーサー効果を得ることができる。同様の理由から、球形であることがより好ましい。
単分散の定義としては、凝集体を含め平均粒径に対する標準偏差で議論することができ、標準偏差としてD50×0.22以下であることが望ましい。球形の定義としては、Wadellの球形度で議論ができ、球形化度が0.6以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましい。
【0045】
また、シリカが好ましい理由としては、OHPへの画像採取時に問題となる光散乱による透明度低下に対して屈折率が1.5前後であり、粒径を大きくしても光散乱による透明度の低下に影響を及ぼさないことが挙げられる。
以上のような単分散シリカ、特に球形の単分散シリカは、例えば湿式法であるゾルゲル法により得ることができる。ゾルゲル法によれば、比重は、湿式法で、且つ焼成することなしに作製するため、蒸気相酸化法に比べ低く制御することができる。また、疎水化処理工程での疎水化処理剤種、あるいは、処理量を制御することにより、さらに調整することが可能である。粒径は、ゾルゲル法の加水分解、縮重合工程のアルコキシシラン、アンモニア、アルコール、水の質量比、反応温度、攪拌速度、供給速度により自由に制御できる。単分散で、球形の形状とすることも本手法にて作製することにより、容易に達成可能となる。
【0046】
具体的には、以下の通りである。まず、テトラメトキシシランを水、アルコールの存在下、アンモニア水を触媒として温度をかけながら滴下、攪拌を行う。次に反応により作製されたシリカゾル懸濁液を、遠心分離を行い湿潤シリカゲルとアルコール、アンモニア水とに分離を行う。湿潤シリカゲルに溶剤を加え再度シリカゾルの状態にし、疎水化処理剤を加え、シリカ表面の疎水化を行う。疎水化剤としては一般的なシラン化合物を用いることができる。
【0047】
次にこの疎水化処理シリカゾルから溶媒を除去、乾燥、シーブすることにより、狙いの単分散シリカを得ることができる。また、この様に、得られたシリカを再度処理を行っても構わない。
【0048】
上記シラン化合物は、水溶性であるものが使用できる。このようなシラン化合物としては、化学構造式RaSiX(4−a)(式中、aは0〜3の整数であり、Rは水素原子、アルキル基およびアルケニル基等の有機基を表し、Xは塩素原子、メトキシ基およびエトキシ基等の加水分解性基を表す。)で表される化合物を使用することができ、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することも可能である。具体的にはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デジルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランを代表的なものとして例示することができる。本例における処理剤は、特に好ましくは、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デジルトリメトキシシラン等である。
【0049】
前記粉体供給手段が現像手段を兼ねる場合には、以上説明した塞き止め用粉体に、後述する第二の粉体およびトナーを混合したものを現像剤として用いるが、このときの塞き止め用粉体の添加量としては、トナーに対して外添量で、0.5〜5質量%の範囲とすることが好ましく、1〜3質量%の範囲とすることがより好ましく、1〜2質量%の範囲とすることがさらに好ましい。塞き止め粉体の添加量が少なすぎると、その機能の一つである転写率向上の機能を果たさず、多すぎると、帯電量が低下してしまうため、上記範囲内とすることが好ましい。
現像手段とは独立した粉体供給手段とする場合については、後述する。
【0050】
<第二の粉体>
本発明において、第二の粉体としては、前記塞き止め用粉体とは逆極性に帯電され、且つこれより粒径の大きなものであれば足り、特に制限はない。両者が混合されたとき、前記塞き止め用粉体が正に帯電する場合には負に、負に帯電する場合には正に、それぞれ帯電するものを第二の粉体とすればよいが、通常は、前記塞き止め用粉体が負に、第二の粉体が正に、それぞれ帯電するものが選択される。
【0051】
かかる第二の粉体の粒径としては、少なくとも前記塞き止め用粉体より大きいことが要求される。当該第二の粉体の粒径が前記塞き止め用粉体より小さいと、該第二の粉体が前記塞き止め用粉体の仲立ちとなり、却って凝集の手助けをしてしまうが、前記塞き止め用粉体より大きい場合初めて、吸着(第二の粉体の周囲に塞き止め用粉体が付着)することで凝集を回避することができる。当該第二の粉体の具体的な体積平均粒子径としては、0.5〜10μmの範囲であることが好ましく、0.7〜5μmの範囲であることがより好ましく、1〜3μmの範囲であることがさらに好ましい。体積平均粒子径が0.5μm未満の場合、現像器内等で粒子が飛散しやすく、画像形成装置内の汚染を引き起こす場合がある。一方、体積平均粒子径が10μmを超えると、クリーニング用ブレードのエッジへの供給が十分に行われにくく、効果が得られ難い傾向がある。
【0052】
第二の粉体の硬度としては、理想的には、現像器内では軟らか過ぎて破壊されることがなく、一方、クリーニング用ブレードのエッジでは、破壊されても問題無く、むしろ破壊されて塞き止め用粉体のみとなった方がより好ましいが、少なくとも前記塞き止め用粉体より柔らかいものであることが好ましい。
【0053】
第二の粉体としては、以下に示すもの(以下、「特定の凝集粒子」と称する。)が、前記塞き止め用粉体とは逆極性に帯電し、これよりも粒径が大きく、塞き止め粉体より柔らかく、しかもクリーニング用ブレードのエッジで破壊されたあと、それぞれ潤滑効果や塞き止め効果を発揮し、特に好ましい。
【0054】
本発明において、第二の粉体として好ましい特定の凝集粒子は、i)樹脂微粒子単独からなるか、ii)潤滑剤微粒子単独からなるか、またはiii)樹脂微粒子および潤滑剤微粒子からなるか、の3つの態様がある。以下、i)から順に説明する。
【0055】
i)樹脂微粒子単独
特定の凝集粒子のうち、i)樹脂微粒子単独からなるものは、その樹脂成分として、例えば、一般にトナーにおける結着樹脂の成分として用いられているものをそのまま用いることができるが、特に制限されない。
【0056】
具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルフォン酸ナトリウム等のエチレン性不飽和酸単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類;等の単量体などの単独重合体、それらの単量体を2種以上組み合せた共重合体、またはそれらの混合物、さらには、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、または、それらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を挙げることができる。
【0057】
これらの樹脂成分を用いて、機械的な既存の樹脂粉砕法、または水、有機溶剤等の液状媒体中における既存の乳化法もしくは分散法を用いて、所望の樹脂微粒子を調製することができる。例えば、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法等の不均一分散系における重合法により、特定の凝集粒子としての樹脂微粒子を分散させた樹脂微粒子分散液を容易に得ることができる。また、予め溶液重合法や塊状重合法等で均一に重合した樹脂微粒子の重合体を、その重合体が溶解しない溶媒中へ安定剤とともに添加して機械的に混合分散する方法など、任意の方法により、特定の凝集粒子としての樹脂微粒子を分散させた樹脂微粒子分散液を得ることができる。
【0058】
例えば、樹脂微粒子を得るのにビニル系単量体を用いる場合、イオン性界面活性剤などを用い、好ましくはイオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤を併用して乳化重合法やシード重合法により、樹脂微粒子分散液を作製することができる。その他の樹脂の場合、油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、樹脂をそれらの溶剤に溶解してイオン性の界面活性剤やポリアクリル酸等の高分子電解質とともに、ホモジナイザーなどの分散機で水中に微粒子として分散させ、その後、加熱または減圧して溶剤を蒸発させることにより、樹脂微粒子分散液を得ることができる。
【0059】
ここで用いる界面活性剤は、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤、および、種々のグラフトポリマー等を挙げることができ、特に制限されない。
【0060】
ii)潤滑剤微粒子単独
特定の凝集粒子のうち、ii)潤滑剤微粒子単独からなるものにおいて、用いる潤滑剤は、クリーニング用ブレードとクリーニング対象物との間のすべりを促進し、その摩擦低減のために用いられるものである。
【0061】
潤滑剤の例として、グラファイト、二硫化モリブデン、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどを挙げることができる。さらに、一般的にトナーの離型剤として用いられるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;シリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのごとき動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系、石油系のワックス;およびそれらの変性物などを挙げることができる。
これらの潤滑剤成分を用いて、上記i)樹脂微粒子の項で示した方法と同様に、既存の機械的粉砕法、液状媒体中での乳化法または分散法を用いることにより、潤滑剤微粒子または潤滑剤微粒子分散液を調製することができる。
【0062】
iii)樹脂微粒子および潤滑剤微粒子
特定の凝集粒子のうち、iii)樹脂微粒子および潤滑剤微粒子からなるものは、上記i)樹脂微粒子単独の項、および、ii)潤滑剤微粒子単独の項において、それぞれ説明した両方の微粒子を含んでなる。具体的な調製方法としては、それぞれ単独で調製したものを混合してやればよい。
【0063】
以上、第二の粉体として好ましい特定の凝集粒子の3つの態様を挙げたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、さらに凝集粒子でなくても、前記塞き止め用粉体と逆極性に帯電し、粒径が大きいものであれば問題なく使用することができ、前記塞き止め用粉体より柔らかいもの(現像機内では壊れない)ものであればより一層好ましい。
【0064】
現像手段とは独立した粉体供給手段とする場合には、以上説明した塞き止め用粉体と第二の粉体とを混合して用いるが、その混合割合としては、一概に規定されず、双方の材質、形状、粒径、帯電量等により適宜設定してやればよい。一般的には、質量比で大略(塞き止め用粉体):(第二の粉体)=1.5:1〜4:1の範囲から選択され、2:1〜3:1の範囲から選択することが好ましい。
【0065】
前記粉体供給手段が現像手段を兼ねる場合には、以上説明した塞き止め用粉体および第二の粉体に、トナーを混合したものを現像剤として用いるが、このときの第二の粉体の混合割合は、トナーに対して外添量で、0.1〜2質量%の範囲とすることが好ましく、0.2〜1質量%の範囲とすることがより好ましい。第二の粉体の添加量が少なすぎると、遊離した塞き止め用粉体を十分吸着できない場合があり、多すぎると、帯電量が低下してしまうため、上記範囲内とすることが好ましい。
【0066】
<トナー>
本発明において使用可能なトナーには、特に制限はないが、本発明は、その目的から球形のトナーに適用することがより効果的である。球形トナーとは、トナーの形状係数(ML2/A)が100〜125のトナーを指す。トナーの形状係数(ML2/A)としては、さらに100〜120の範囲内とすることが好ましい。トナーの形状係数(ML2/A)が大きすぎると、トナー流動性の悪化、初期からの転写性に影響を及ぼす場合がある。
【0067】
前記トナーの体積平均粒径としては、2〜10μmの範囲内であることが好ましく、5〜8μmの範囲内であることがより好ましい。前記トナーの体積平均粒径が小さすぎると、帯電性が不十分になり易く、現像性が低下する場合があり、一方大きすぎると、画像の解像性が低下する場合があるため、それぞれ好ましくない。
【0068】
前記トナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。トナーの製造は、例えば、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が使用できる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。
【0069】
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα―メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
【0070】
また、前記トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
【0071】
また、前記トナーには、必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。本例におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナーおよび磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
【0072】
前記トナーには、外添剤として、前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体と共に、小粒径の無機化合物を併用することができる、小粒径の無機化合物としては、公知のものを用いることができ、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム等が挙げられる。また、目的に応じてこれら無機微粒子の表面には公知の表面処理を施してもよい。特にその中でもメタチタン酸TiO(OH)2は透明性に影響を与えず、良好な帯電性、環境安定性、流動性、耐ケーキング性、安定した負帯電性、安定した画質維持性に優れた現像剤を提供することができる。前記小粒径の無機化合物は、体積平均粒径が80nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましい。
【0073】
メタチタン酸は一般的には、以下に示すイルメナイト鉱石を用いた硫酸法(湿式)により製造することができる。
FeTiO2+2H2SO4→
FeSO4+TiOSO4+2H2OTiOSO4+2H2O→
TiO(OH)2+H2SO4
【0074】
TiO(OH)2状態、好ましくはTiO(OH)2の水分散状態中でシラン化合物を加え、OH基の一部、若しくは全部を処理し、これをろ過、洗浄、乾燥、粉砕することにより、上記方法により得られたTiO(OH)2を焼成することにより得られる従来の結晶性酸化チタンに比べ、比重の小さい特定酸化チタンを得ることができる。即ち、上記のように溶液中で反応を行うと、TiO(OH)2がその加水分解時にシラン化合物で処理される。その結果、TiO(OH)2から生じる酸化チタンが、一次粒子の状態で、シラン化合物で表面処理されることとなる。これにより凝集のない一次粒子状態の特定酸化チタンを得ることが可能となる。
【0075】
本例において、前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体は、トナーの粒子に添加し、混合されるが、混合は、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサーやレディゲミキサー等の公知の混合機によって行うことができる。また、この際必要に応じて種々の添加剤を添加してもよい。添加可能な添加剤としては、他の流動化剤やポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等のクリーニング助剤もしくは転写助剤等が挙げられる。
【0076】
本例において、メタチタン酸の疎水化処理化合物、あるいは無機化合物のトナー粒子表面への付着状態は、単に機械的な付着であってもよいし、表面にゆるく固着されていてもよい。また、トナー粒子の全表面を被覆していても、一部を被覆していてもよい。また、添加量はトナー100質量部に対して0.3〜3質量部であることが好ましく、0.5〜2質量部であることがより好ましい。また、外添混合後に篩分プロセスを通しても一向に構わない。
【0077】
<キャリア>
本発明において使用される現像剤を二成分系の現像剤として用いるには、さらにキャリアが含まれる。なお、一成分系の現像剤として用いる場合には、キャリアは必須でない。本発明に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば、芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアや、マトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアを挙げることができる。
【0078】
本発明においては、芯材表面に、マトリックス樹脂中に導電材料が分散含有された樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアが好ましい。
かかるマトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
また、当該マトリックス樹脂中に分散含有させる導電材料としては、金、銀、銅といった金属、また酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料の含有量は、マトリックス樹脂100質量部に対し1〜50質量部であることが好ましく、3〜20質量部であることがより好ましい。
【0080】
キャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、磁気ブラシ法を用い体積固有抵抗を調整するためには磁性材料であることが好ましい。芯材の体積平均粒子径は、一般的には10〜500μmであり、好ましくは30〜100μmである。
【0081】
キャリアの芯材の表面に樹脂被覆層を形成する方法としては、芯材を、マトリックス樹脂、導電材料および溶剤を含む被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材の表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中で芯材と被覆層形成用溶液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。被覆層形成用溶液中に使用する溶剤は、前記マトリックス樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が使用できる。また、樹脂被覆層の平均膜厚は、通常0.1〜10μmであるが、本発明においては経時にわたり安定したキャリアの体積固有抵抗を実現させるため0.5〜3μmの範囲であることが好ましい。
【0082】
上記のように形成されるキャリアの体積固有抵抗は、高画質を達成するために、通常の現像コントラスト電位の上下限に相当する103〜104V/cmの範囲において、106〜1014Ω/cmであることが好ましい。キャリアの体積固有抵抗が106Ωcm未満であると、細線の再現性が悪く、また、電荷注入による背景部へのトナーかぶりが発生しやすくなる。また、キャリアの体積固有抵抗が1014Ωcmより大きいと、黒ベタ、ハーフトーンの再現が悪くなる。また、潜像担持体へ移行するキャリアの量が増え、潜像担持体を傷付けやすい。また、静電ブラシはカーボンブラック、金属酸化物等の導電フィラーを含有させた樹脂あるいは表面に被覆した繊維状の物質が使用できるが、それに限定されるものではない。
【0083】
前記トナーと上記キャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、好ましくは3:100〜20:100程度の範囲である。
【0084】
次に、本実施形態に係る画像形成装置の作動、特にはクリーニング装置の作動について説明する。
感光体ドラム11の矢線A方向への回転に伴いその表面には周知の電子写真プロセスによって画情報に応じた静電潜像が形成される。すなわち、プリント開始となると、感光体ドラム11は帯電器12によって所定の暗電位まで帯電された後、画像書き込み装置から発せられた光ビーム13によって画像信号に応じた露光がなされる。
【0085】
単色画像を形成する場合は、中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像Tを直ちに用紙41に二次転写するのであるが、複数色のトナー像を重ね合わせたカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム11上でのトナー像の形成並びにこのトナー像の一次転写の工程が色数分だけ繰り返される。例えば4色のトナー像を重ね合わせたフルカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム11上には順次イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像Tが形成され、これらトナー像Tは順次中間転写ベルト20に一次転写される。一方、中間転写ベルト20は最初に一次転写されたイエローのトナー像Tを保持したまま感光体ドラム11と同一周期で回動し、中間転写ベルト20上には順次マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像Tがイエローのトナー像Tに重ねて転写される。
【0086】
このようにして中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像Tは、中間転写ベルト20の回動に伴って用紙41の搬送経路に面した二次転写位置へと搬送される。上記二次転写位置では導電性の二次転写ロール31が中間転写ベルト20に接しており、フィードロール42によって所定のタイミングで記録材トレイ43から搬出された用紙41は、この二次転写ロール31と中間転写ベルト20との間に挟み込まれる。また、二次転写位置における中間転写ベルト20の裏面側には上記二次転写ロール31の対向電極をなすバックアップロール23が配設されており、二次転写ロール31およびバックアップロール23間に、トナーを用紙41に引き寄せる電圧を印加すると、中間転写ベルト20に担持されたトナー像Tは上記二次転写位置において用紙41に静電転写される。そして、トナー像Tを保持した用紙41は定着装置50に送り込まれてトナー像の定着処理がなされる。
【0087】
一方、トナー像の二次転写が終了した中間転写ベルト20については、クリーニングユニット100のクリーニング用ブレード102によって残留トナーが除去される。このような動作工程において、上記二次転写ロール31およびクリーニングユニット100は中間転写ベルト20と接離自在に配設されており、カラー画像が形成される場合には、最終色のトナー像が中間転写ベルト20に一次転写されるまで、これらの部材は中間転写ベルト20から離間している。
【0088】
特に、本実施形態では、形状係数が100〜125の球形トナーにて静電潜像が可視像化され、この現像像が中間転写ベルト20を介して用紙41に静電転写される。このとき、球形トナーの外添剤として、前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体が用いられるが、前記塞き止め用粉体は、一次転写時、二次転写時ともに転写助剤として作用するため、現像像の転写効率が向上する。このため、二次転写後における中間転写ベルト20表面の残留トナーは非常に少なくなり、中間転写ベルト20を清掃するクリーニングユニット100の負荷は軽減される。
【0089】
ここで、クリーニングユニット100の作動について詳述すると、以下の通りである。すなわち、中間転写ベルト20表面の残留トナーは、特に図2に示すように、先ず導電性ブラシ103部分を通過する。このとき、導電性ブラシ103にはバイアス電圧Vbが印加されているため、導電性ブラシ103と対向電極としての従動ロール24との間にはバイアス電圧Vbによる静電界が形成される。このため、導電性ブラシ103で掻き取られた残留トナー(本例では負極性トナー)は導電性ブラシ103側に静電付着する。
【0090】
この導電性ブラシ103に静電付着した残留トナーは、清掃用ロール104との摺擦部位に達すると、清掃用ロール104と導電性ブラシ103との間の電位差(Vd−Vb)に基づく静電界に基づいて導電性ブラシ103に付着しているトナーは清掃用ロール104側へ静電吸引されて転移し、導電性ブラシ103から除去される。そして、清掃用ロール104側に転移したトナーはスクレーパ105にて機械的に掻き取られ、ハウジング101内に回収される。一方、導電性ブラシ103にはトナーから分離した塞き止め用粉体が一部残存しており、導電性ブラシ103の摺擦部にて中間転写ベルト20上に再び戻される。このように、中間転写ベルト20表面に戻された塞き止め用粉体は、ブレード102エッジに到達し、このブレード102エッジに堆積保持され、塞き止め用粉体による粉体ダム110が形成される。
【0091】
一方、導電性ブラシ103で掻き取られなかったトナーは、ブレード102部分へと向かう。このとき、ブレード102のエッジ部分には塞き止め用粉体による粉体ダム110が形成されているため、トナー(球形トナー)がブレード102エッジの下側へ潜り込むことはなく、トナーはブレード102エッジの粉体ダム110にて確実に塞き止められ、確実に掻き取られる。なお、本実施形態では、導電性ブラシ103の電気抵抗が2logΩcm以上4logΩcm以下である条件下で、導電性ブラシ103へのバイアス電圧Vbは+100V以上+700V以下であることが好ましい。
【0092】
さらに、既述の如く、本実施形態では、球形トナーの外添剤として、前記塞き止め用粉体とともに前記第二の粉体が用いられることがポイントとなる。したがって、現像器141〜144のそれぞれには、各色のトナーと共に前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体が混在している。現像器141〜144内においては、前記塞き止め用粉体がトナーに付着した状態で存在するが、もしトナーから遊離した場合でも、逆極性に帯電する前記第二の粉体が静電気的に吸着するため、前記塞き止め用粉体の凝集を防ぐことができる。また、前記塞き止め用粉体を吸着した前記第二の粉体は、静電気的に略中性もしくは逆に帯電するため、感光体ドラム11に形成された静電潜像の現像時に非画像部にも移行し、結果的に非画像部が連続した場合(場所)でもブレード102に前記塞き止め用粉体を供給でき、クリーニング性を確保しながら、潜像担持体としての感光体ドラム11、中間転写ベルト20、およびブレード102の傷、摩耗を防ぐことができる。したがって、本実施形態によれば、クリーニング装置のより長寿命化を図ることができる。また、前記第二の粉体として適切な硬度のものを用いれば、ブレード102のエッジで破壊され、前記塞き止め用粉体によるクリーニング特性に影響を与えない。
【0093】
以上、本発明のクリーニング装置並びに画像形成装置について、好ましい実施形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、当業者は、従来公知の知見により各構成要素を置き換えることができる。
【0094】
また、上記実施形態では、前記現像手段が前記粉体供給手段を兼ねる構成を例に挙げて説明したが、本発明においては、現像手段とは独立した粉体供給手段とする構成においても、前記塞き止め用粉体の凝集(特に粉体供給手段における)を防止することができるという、本発明の効果の1つが奏される。この場合の粉体供給手段としては、クリーニング対象物の移動方向におけるクリーニング用ブレードの上流に配置され、前記塞き止め用粉体および第二の粉体が前記クリーニング対象物に供給される。供給方法としては、ブラシやロールにより物理的に付着ないし載置する方式、静電的に付着させる方式、落下させる方式、これらを組み合わせた方式等のいずれの方式でも構わない。
【0095】
さらに、上記実施形態では、中間転写体である中間転写ベルト20をクリーニング対象物とする態様を例に挙げて説明したが、潜像担持体である感光体ドラム11をクリーニング対象物としてもよいし、両者共クリーニング対象物としてもよい。装置構成もかかる構成に限定されるものではなく、中間転写体がドラム状である場合における潜像担持体および/または中間転写体、中間転写体を有しないもの(単色、カラーの双方を含む)における潜像担持体、潜像担持体がベルト状である場合における潜像担持体および/または中間転写体等をクリーニング対象物とすることができる。これらの場合も、上記実施形態において説明した構成に準じて、本発明を適用することができる。
【0096】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<トナーの調製>
予め、次の方法で樹脂微粒子分散体A−1および樹脂微粒子分散体A−2、離型剤微粒子分散体B−1、顔料分散体C−1を調製し、以下のトナー粒子X−1の調製に用いた。
【0097】
(樹脂微粒子分散液A−1)
下記成分を混合した溶液を用意した。
・スチレン: 370質量部
・n−ブチルアクリレート: 30質量部
・アクリル酸: 6質量部
・ドデカンチオール: 24質量部
・四臭化炭素: 4質量部
【0098】
この溶液434gと、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6g、およびアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR)10gをイオン交換水550gに溶解した溶液をフラスコ中に入れて分散、乳化し、10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入した。その後、フラスコ内を窒素で充分に置換してから攪拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、樹脂微粒子分散液A−1を得た。
【0099】
樹脂微粒子分散液A−1で得られたラテックスは、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で樹脂微粒子の体積平均粒子径(D50)を測定したところ155nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移点を測定したところ59℃であり、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として質量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ13000であった。
【0100】
(樹脂微粒子分散液A−2)
下記成分を混合した溶液を用意した。
・スチレン: 280質量部
・n−ブチルアクリレート: 120質量部
・アクリル酸: 8質量部
【0101】
上記溶液408gと、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6g、およびアニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR)12gをイオン交換水550gに溶解した溶液とをフラスコ中に入れて分散、乳化し、10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム3gを溶解したイオン交換水50gを投入した。その後、フラスコ内を窒素で充分に置換してから攪拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続して、樹脂微粒子分散液A−2を得た。
【0102】
得られた樹脂微粒子分散液A−2中のラテックスを、樹脂微粒子分散液1と同様に、諸特性を測定した。樹脂微粒子の体積平均粒子径が105nmであり、ガラス転移点が53℃であり、質量平均分子量が55万であった。
【0103】
(離型剤微粒子分散液B−1)
下記成分をホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーに移して分散処理を行い、離型剤微粒子の体積平均粒子径(D50)が550nmの離型剤微粒子分散液B−1を得た。
【0104】
・パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP0190、融点85℃): 50質量部
・カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50): 5質量部
・イオン交換水: 200質量部
【0105】
(顔料分散液C−1)
下記成分をホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)で10分間分散し、さらに超音波ホモジナイザーで分散し、体積平均粒子径(D50)150nmの青色顔料分散液C−1を得た。
【0106】
・フタロシアニン顔料(BASF社製、PB−FAST BLUE): 50質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR): 5質量部
・イオン交換水: 200質量部
【0107】
(トナー粒子X−1の調製)
下記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に入れてホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、フラスコ内の内容物を攪拌しながら加熱用オイルバスで50℃まで加熱し、その温度で30分間保持した後、さらに加熱用オイルバスの温度を55℃まで上げてその温度で1時間保持して凝集トナー粒子X−1の粒子径およびその粒子径分布を調整した。
【0108】
・樹脂微粒子分散液A−1: 120質量部
・樹脂微粒子分散液A−2: 80質量部
・離型剤分散液B−1: 40質量部
・顔料分散液C−1: 11.3質量部
・カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50): 0.5質量部
【0109】
この場合、トナー粒子X−1の体積平均粒子径(D50)をコールターカウンター(日科機社製、TAII)を用いて測定したところ、5.0μmであり、体積平均粒子径分布(GSDv)は1.21であった。ここで、体積平均粒子径(D50)および体積平均粒子径分布(GSDv)とは、測定される粒度分布を分割された粒度範囲(チャネル)に対して、小粒子径から累積分布を描き、体積累積16%となる粒径を体積D16、体積累積50%となる粒径を体積D50、体積累積84%となる粒径を体積D84とし、この体積累積50%を体積平均粒子径D50、(D84/D16)1/2より求められる値を体積平均粒子径分布GSDvとした。
【0110】
この凝集トナー粒子分散液にアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR)3gを添加し、粒子の凝集を止め、凝集トナー粒子を安定化した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら93℃まで加熱し、5時間保持して凝集トナー粒子を融合させて、その形状および形状分布を調整した。この場合、融合トナー粒子の体積平均粒子径(D50)をコールターカウンター(日科機社製、TAII)を用いて測定したところ、5.0μmであり、体積平均粒度分布係数(GSDv)は1.21であった。
【0111】
この融合トナー粒子を冷却した後、ろ過し、pH10のイオン交換水で充分洗浄し、さらにpH6.5のイオン交換水で充分洗浄後、凍結乾燥機で乾燥してトナー粒子X−1を得た。トナー粒子の体積平均粒子径(D50)をコールターカウンター(日科機社製、TAII)を用いて測定したところ、5.0μmであり、体積平均粒度分布係数(GSDv)は1.21であった。
【0112】
また、電子顕微鏡でトナー粒子X−1の表面状態を観察した。トナー粒子X−1表面に樹脂微粒子が融着した連続層が確認された。また、透過型電子顕微鏡でトナー粒子X−1断面を観察すると、表層への顔料の露出はほとんど認められなかった。さらに、ルーゼックス画像解析装置(ニレコ社製、LUZEXIII)を用い、100個のトナーの周囲長(ML)および投影面積(A)を測定し、形状係数(ML2/A)を計算し、その平均値を求めたところ、115であった。
【0113】
<単分散シリカ(塞き止め用粉体)の調製>
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕により真比重1.50、球形化度=0.85、体積平均粒径=135nm(標準偏差=29nm)の塞き止め用粉体としての単分散シリカS−1を得た。
【0114】
<第二の粉体の調製>
第二の粉体は、樹脂粒子のみからなるもの(第二の粉体S−1)と、樹脂粒子および潤滑剤微粒子からなるもの(第二の粉体S−2)の2種類を調製した。
【0115】
(第二の粉体S−1)
前記<トナーの調製>において調製された樹脂微粒子分散液A−1を200質量部、カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50)0.5質量部と共に丸型ステンレス製フラスコ中に入れてホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。その後、フラスコ内の内容物を攪拌しながら加熱用オイルバスで35℃まで加熱し、その温度で30分間保持した後、さらに加熱用オイルバスの温度を40℃まで上げてその温度で1時間保持して、凝集粒子の粒子径およびその粒子径分布を調整した。
【0116】
この凝集粒子分散液にアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR)3gを添加し、粒子の凝集を止め、凝集粒子を安定化した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら60℃まで加熱し、30分保持した後、冷却し、粒子G−1を得た。この粒子G−1の体積平均粒子径(D50)を、コールターカウンターを用いて測定したところ、3.5μmであり、体積平均粒度分布係数(GSDv)は1.23であった。
【0117】
この粒子G−1をろ過し、pH6.5のイオン交換水で充分洗浄後、凍結乾燥機で乾燥し、第二の粉体S−1を得た。この第二の粉体S−1の体積平均粒子径(D50)を測定したところ、3.5μmであり、体積平均粒度分布係数(GSDv)は1.23であった。さらに、この第二の粉体S−1の形状係数(ML2/A)の平均値を求めたところ、145であった。
【0118】
(第二の粉体S−2)
下記成分をホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーに移して分散処理を行い、潤滑剤微粒子の体積平均粒子径(D50)が400nmの潤滑剤微粒子分散液D−1を得た。
【0119】
・ステアリン酸亜鉛: 50質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR): 5質量部
・イオン交換水: 200質量部
【0120】
前記<トナーの調製>において調製された樹脂微粒子分散液A−1を200質量部と、上記潤滑剤微粒子分散液D−1を450質量部とを、カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50)0.5質量部と共に丸型ステンレス製フラスコ中に入れてホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した。その後、フラスコ内の内容物を攪拌しながら加熱用オイルバスで35℃まで加熱し、その温度で30分間保持した後、さらに加熱用オイルバスの温度を40℃まで上げてその温度で1時間保持して、凝集粒子の粒子径およびその粒子径分布を調整した。
【0121】
この凝集粒子分散液にアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR)3gを添加し、粒子の凝集を止め、凝集粒子を安定化した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら60℃まで加熱し、30分保持した後、冷却し、粒子G−1を得た。この粒子G−1の体積平均粒子径(D50)をコールターカウンターを用いて測定したところ、3.1μmであり、体積平均粒度分布係数(GSDv)は1.30であった。
【0122】
また、得られた粒子G−1の表面状態を電子顕微鏡で観察した。用いた樹脂微粒子分散液A−1中の樹脂微粒子と潤滑剤微粒子分散液D−1中の潤滑剤微粒子の一次粒子界面がそれぞれ観察されたが、トナー粒子X−1で観察された様な樹脂の連続層は観察されなかった。
【0123】
この粒子G−1をろ過し、pH6.5のイオン交換水で充分洗浄後、凍結乾燥機で乾燥し、第二の粉体S−2を得た。この第二の粉体S−2の体積平均粒子径(D50)を測定したところ、3.1μmであり、体積平均粒度分布係数(GSDv)は1.30であった。さらに、この第二の粉体S−2の形状係数(ML2/A)の平均値を求めたところ、140であった。
【0124】
<比較例1>
(現像剤Z−1の調製)
上記得られたトナー粒子100gに対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)を0.43g、メタチタン酸を1.0g、上記得られた単分散シリカY−1を1.5g、それぞれ添加しサンプルミルで混合して、外添トナーを得た。そして、ポリメチルメタクリレート(総研化学社製)を1質量%コートした体積平均粒径50μmのフェライトキャリアに対し、トナー濃度が5質量%になるように上記外添トナーを秤量し、ボールミルで5分間攪拌・混合して現像剤Z−1を調製した。
【0125】
(評価試験)
得られた現像剤Z−1を用いて、以下のクリーニング性および耐傷性評価試験を行った。
前記実施形態において説明した画像形成装置のクリーニングユニット100を、感光体ドラム11の表面に当接させて感光体ドラム11の表面をクリーニングする装置とした物を用いて、評価を行った。クリーニングユニット100は、一次転写ロール15の、感光体ドラム11回転方向(矢印A方向)下流に配置した。画像形成装置としては、富士ゼロックス社製DC1250を改造した物を用いた。
【0126】
また、クリーニング用ブレード102は低温低湿環境下において高硬度となり、反発弾性も低くなることに伴って、塞き止め用粉体の凝集物による感光体ドラム11、ブレード102の傷、摩耗が発生し易くなるため、低温低湿環境下(10℃、15%RH)で評価を行った。
【0127】
前記得られた現像剤Z−1を、上記画像形成装置の現像器143に投入し、被記録材として富士ゼロックス製Jコート紙を用いて、単色(ブルー)で、面積率10%の同一画像を10000枚出力した。すると、感光体ドラム11の非画像部(画像形成される部分が通過しない部分。以下同様。)、および、画像部(画像形成される部分が連続して通過する部分。以下同様。)の双方の表面に傷が確認され、これがプリント出力画像の画質にも影響を与えていた。また、ブレード102においても同様に、非画像部・画像部共に傷が確認され、クリーニング性については、プリント時は問題なかったが、ストレス条件の未転写トナーをクリーニングすることができなかった。
【0128】
<実施例1>
(現像剤Z−2の調製)
比較例1の(現像剤Z−1の調製)において、外添トナーを調製する際に、さらに前記得られた第二の粉体S−1を0.6g添加したこと以外は、比較例1の(現像剤Z−1の調製)と同様にして現像剤Z−2を調製した。
【0129】
(評価試験)
得られた現像剤Z−2を用い、比較例1と同様にして、クリーニング性および耐傷性評価試験を行った。すると、10000枚出力では、感光体ドラム11およびブレード102のいずれの箇所においても傷は認められなかった。さらに出力を続け合計20000枚出力すると、感光体ドラム11の画像部でやや傷が発生したが、プリント出力画像の画質には影響を与えなかった。また、ブレード102においても同様に、20000枚出力で非画像部・画像部共に傷が確認され、クリーニング性については、プリント時は問題なかったが、ストレス条件の未転写トナーをクリーニングすることができなかった。
【0130】
<実施例2>
(現像剤Z−3の調製)
比較例1の(現像剤Z−1の調製)において、外添トナーを調製する際に、さらに前記得られた第二の粉体S−2を0.6g添加したこと以外は、比較例1の(現像剤Z−1の調製)と同様にして現像剤Z−3を調製した。
【0131】
(評価試験)
得られた現像剤Z−3を用い、比較例1と同様にして、クリーニング性および耐傷性評価試験を行った。すると、10000枚出力は勿論、20000枚出力、さらには30000枚出力でも、感光体ドラム11およびブレード102のいずれの箇所においても傷は認められず、プリント出力画像の画質、およびクリーニング性共に良好であった。
【0132】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のクリーニング装置によれば、まず、前記塞き止め用粉体を、前記クリーニング用ブレードのエッジに堆積保持させることで、潜像担持体や中間転写体等の前記クリーニング対象物の表面の残留トナーを前記クリーニング用ブレードにより有効に除去することができる。このとき該第二の粉体により前記塞き止め用粉体の凝集が抑制されるため、前記クリーニング対象物の表面や前記クリーニング用ブレードのエッジを傷付けたり、摩耗させたりする懸念を解消することができる。
【0133】
本発明のクリーニング装置において、前記粉体供給手段が、静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段を兼ねる場合には、前記現像手段において前記塞き止め用粉体は前記トナーに付着した状態で保持されるが、前記塞き止め用粉体が脱落した場合にも、これが前記第二の粉体に静電気的に吸着され、その凝集を防止することができる。さらに、前記塞き止め用粉体を吸着した前記第二の粉体は、静電気的に略中性もしくは逆極性に帯電しているため、前記クリーニング対象物の表面における、トナーが供給されない非画像部にも供給され、結果的に非画像部が連続した箇所においても前記クリーニング用ブレードに塞き止め用粉体を供給でき、前記クリーニング用ブレードの長手方向全体にわたってクリーニング性を確保しながら、前記クリーニング対象物やクリーニング用ブレードの傷、摩耗を防ぐことができ、結果、より長寿命なクリーニング装置を提供することができる。
【0134】
本発明の画像形成装置によれば、上記本発明のクリーニング装置由来の優れた作用効果を発現する画像形成装置を提供することができる。そして、本発明の現像剤によれば、ブレードクリーニング方式のクリーニング手段を有する画像形成装置に適用することで、優れたクリーニング性、傷防止性を実現でき、装置の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクリーニング装置を具備する本発明の画像形成装置の概略構成図である。
【図2】図1の画像形成装置におけるクリーニング装置周辺を拡大して示す概略構成図である。
【符号の説明】
11 感光体ドラム(潜像担持体)
12 帯電器
13 光ビーム(潜像形成手段)
15 一次転写ロール(一次転写手段)
20 中間転写ベルト(中間転写体)
30 二次転写装置(二次転写手段)
41 用紙(被記録材)
50 定着装置
100 クリーニングユニット(クリーニング装置)
102 クリーニング用ブレード
110 粉体ダム
141〜144 現像器(現像手段、粉体供給手段)
Claims (18)
- 残留トナーが付着したクリーニング対象物の表面に、クリーニング用ブレードのエッジを当接し、該クリーニング用ブレードにて前記クリーニング対象物表面の残留トナーを除去するクリーニング装置であって、
前記クリーニング対象物の表面に、前記残留トナーを塞き止め可能な塞き止め用粉体と、該塞き止め用粉体とは逆極性に帯電され、且つこれより粒径の大きな第二の粉体とを供給する粉体供給手段を具備し、供給された前記塞き止め用粉体を前記クリーニング用ブレードのエッジに堆積保持させることを特徴とするクリーニング装置。 - 前記残留トナーが、球形トナーであることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
- 前記粉体供給手段が、静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段を兼ねることを特徴とする請求項1または2に記載のクリーニング装置。
- 前記塞き止め用粉体が、比重が1.3〜1.9の範囲で、体積平均粒径が80〜300nmの範囲の単分散シリカであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のクリーニング装置。
- 前記第二の粉体の体積平均粒径が、0.5〜10μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載のクリーニング装置。
- 前記第二の粉体が、前記塞き止め用粉体より柔らかいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載のクリーニング装置。
- 前記第二の粉体が、樹脂凝集物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載のクリーニング装置。
- 前記第二の粉体が、少なくとも潤滑剤を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1に記載のクリーニング装置。
- 潜像担持体と、該潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、前記潜像担持体表面に形成されたトナー像を被記録材に転写する転写手段と、前記潜像担持体表面に残留する残留トナーを除去するクリーニング手段と、を含む画像形成装置であって、
前記潜像担持体をクリーニング対象物とし、
前記クリーニング手段が、請求項1〜8のいずれか1に記載のクリーニング装置であることを特徴とする画像形成装置。 - 潜像担持体と、該潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像担持体表面に形成された潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像手段と、前記潜像担持体表面に形成されたトナー像を中間転写体に転写する一次転写手段と、該中間転写体表面に転写されたトナー像を被記録材に転写する二次転写手段と、前記中間転写体表面に残留する残留トナーを除去するクリーニング手段と、を含む画像形成装置であって、
前記中間転写体をクリーニング対象物とし、
前記クリーニング手段が、請求項1〜8のいずれか1に記載のクリーニング装置であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記現像手段が、トナーと共に、前記塞き止め用粉体および前記第二の粉体を前記潜像担持体表面に供給する機能を有し、前記粉体供給手段を兼ねることを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。
- 少なくとも、体積平均粒径が2〜10μmの範囲内の球形トナーと、体積平均粒径が80〜300nmの範囲内の塞き止め用粉体と、該塞き止め用粉体とは逆極性に帯電され、且つ体積平均粒径が0.5〜10μmの範囲内の第二の粉体と、からなることを特徴とする現像剤。
- 前記塞き止め用粉体の比重が、1.3〜1.9の範囲であることを特徴とする請求項12に記載の現像剤。
- 前記塞き止め用粉体が、単分散シリカであることを特徴とする請求項12または13に記載の現像剤。
- 前記第二の粉体が、不定形で、且つ前記塞き止め用粉体より柔らかいことを特徴とする請求項12〜14のいずれか1に記載の現像剤。
- 前記第二の粉体が、樹脂凝集物であることを特徴とする請求項12〜15のいずれか1に記載の現像剤。
- 前記第二の粉体が、少なくとも潤滑剤を含むことを特徴とする請求項12〜16のいずれか1に記載の現像剤。
- さらに、キャリアが混合されてなる二成分系であることを特徴とする請求項12〜17のいずれか1に記載の現像剤。
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