JP4225203B2 - 静電潜像現像用トナー、静電潜像現像用現像剤、及び、それを用いた画像形成方法 - Google Patents

静電潜像現像用トナー、静電潜像現像用現像剤、及び、それを用いた画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法において、静電潜像の現像のために使用される静電潜像現像用トナー、静電潜像現像用現像剤、及び、それを用いた画像形成方法に関する。
電子写真法は、潜像担持体(感光体)上に形成された静電潜像を着色剤を含むトナーで現像し、得られたトナー像を転写体上へ転写し、これを熱ロール等で定着することにより画像が得られ、他方、その潜像担持体は再び静電潜像を形成するためにクリーニングされるものである。このような電子写真方法等に使用される乾式現像剤は、結着樹脂に着色剤等を配合したトナーを単独で用いる一成分現像剤と、そのトナーにキャリヤを混合した二成分現像剤とに大別される。一成分現像剤としては、磁性粉を用い、磁気力により潜像担持体(感光体)に搬送し、現像する磁性一成分と、磁性粉を用いず帯電ロール等の帯電付与により潜像担持体に搬送し、現像する非磁性一成分とに分類することができる。
1980年代の後半から、電子写真の市場はデジタル化をキーワードとして小型化、高機能要求が強く、特にフルカラー画質に関しては高級印刷、銀塩写真に近い高画質品位が望まれている。
高画質を達成する手段としてデジタル化処理が不可欠であり、このような画質に関するデジタル化の効能として、複雑な画像処理が高速で行える事が挙げられている。この事により、文字と写真画像を分離して制御することが可能となり、両品質の再現性がアナログ技術に比べ大きく改善されている。特に写真画像に関しては階調補正と色補正が可能になった点が大きく、階調特性、精細度、鮮鋭度、色再現、粒状性の点でアナログに比べ有利である。しかし、一方、画像出力としては光学系で作製された潜像を忠実に作像する必要があり、トナーとしてはますます小粒径化が進み忠実再現を狙った活動が加速されている。しかし、単にトナーの小粒径化だけでは、安定的に高画質を得る事は困難であり、現像、転写、定着特性における基礎特性の改善が更に重要となっている。
特にカラー画像では3色4色のカラートナーを重ね合わせ画像を形成している。それゆえにこれら何れかのトナーが現像、転写、定着の観点で初期と異なる特性、あるいは他色と異なる性能を示すと色再現の低下、あるいは粒状性悪化、色むら等の画質劣化を引き起こす事となる。安定した高品質の画像を初期同様に経時においても維持するためには各トナーの特性を如何に安定制御を行うかが重要である。
乾式現像剤は、一成分現像剤と二成分現像剤のいずれの場合も、複写するに際しては、感光体等に形成された静電潜像をこれらの現像剤で現像し、感光体上のトナーを転写した後、感光体上に残留するトナーをクリーニングするものである。したがって、乾式現像剤は、複写工程、特に現像工程あるいはクリーニング工程において、種々の条件を満たしていることが必要となる。即ち、トナーは現像の際にも、凝集体としてではなく粒子個々で現像に供せられるものであり、このためには、トナーが十分な流動性を持つと共に流動性あるいは電気的性質が、経時的あるいは環境(温度、湿度)によって変化しないことが必要となる。また、トナー表面から流動性付与剤が脱離することで流動性付与剤自身からトナーに電荷を付与させる機能が損なわれることにより帯電量変動を生ずるといった問題もある。また、二成分現像剤では、キャリヤ表面にトナーが固着する現象、いわゆるトナーフィルミングを生じないようにする必要がある。高画質目的でトナーやキャリヤの更なる微粒子化技術が進歩したため、若干の温湿度変化に対応して帯電量変動が生じたり、トナー表面からの流動性付与剤の脱離による不均一な混合性が生じることで混合性の低下やトナー塊等を生じ易くなってきている。
しかしながら、従来提案されている添加剤において、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機化合物は、流動性を著しく向上させるものの、帯電には大きな影響を与えてしまう。例えば、一般的に使用されているシリカ系微粉末の場合、負極性が強く、特に、低温低湿下において負帯電性トナーの帯電性を過度に増大させ、一方、高温高湿下においては水分を取り込んで帯電性を減少させるため、両者の帯電性に大きな差を生ぜしめてしまうという問題があった。その結果、濃度再現不良、背景カブリの原因となることがあった。またチタニア系微粉末の場合、帯電の環境による差は小さいものの、シリカに比べ負極性が小さいため、負帯電性トナーに十分な帯電量を与えることができない。また、無機微粉末の分散性もトナー特性に大きな影響を与え、そして分散性が不均一な場合、流動性、耐ケーキング性に所望の特性が得られなかったり、クリーニングが不十分になって、感光体上にトナー固着などが発生し、黒点状の画像欠陥の生じる原因となることがあった。
これらの点を改善する目的で、無機微粉末を表面処理したもの、例えば、シリカ微粒子の表面を疎水化処理したもの等が種々提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。しかしながら、これらの無機微粉末を用いるだけでは必ずしも十分な効果が得られない。また、トナー粒子の負帯電性を緩和する方法としては、アミノ変性シリコーンオイルで表面処理されたシリカ微粒子を外添させる方法(例えば、特許文献4参照。)、及び、アミノシラン及び/又はアミノ変性シリコーンオイルで表面処理されたシリカ微粒子を外添させる方法(例えば、特許文献5参照。)が知られている。しかし、これらのアミノ化合物による処理では、負帯電性トナーの過剰な帯電上昇は抑制できるものの、シリカ微粉末自身の持つ環境依存性を充分に改善することはできない。すなわち、低温低湿下で長時間使用後のシリカ微粉末の過剰な負帯電性を若干抑制することはできるが、高温高湿下での長時間使用においても同様な電荷の中和が起こるため、相変わらず環境依存性は改善されない。また、処理剤にシリコーンオイルを用いた場合、その粘度が高いために処理時にシリカの凝集がおこり、粉体流動性が悪化するという欠点がある。
また、トナーの摩擦帯電性、保存安定性および流動性を向上する方法として、トナー粒子の外殻ポリマーとは異なった摩擦帯電性を有する、例えば、アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル等のアミノ基と二重結合を有する単量体を成分とするポリマーで被覆処理したシリカ微粒子を、トナー粒子に外添する方法が知られている(例えば、特許文献6参照。)。しかしながら、この方法は、摩擦帯電性を付与することを目的とするものであって、前述したアミノ化合物と同様に、環境依存性を十分に改善することはできない。
さらに、疎水化度80%以上の疎水性シリカ微粒子を、第4級アンモニウム塩系化合物もしくは官能基として第4級アンモニウム塩を有する重合体で処理することによって得られた表面処理シリカ微粒子をトナー粒子に外添する方法(例えば、特許文献7参照。)や、(1)疎水化度80%以上のシリカ微粒子を両性界面活性剤で処理した粒子と、(2)疎水化度80%以上のシリカ微粒子を第4級アンモニウム塩または第4級アンモニウム基を有する重合体で処理した粒子と、の2種のシリカ微粒子をトナー粒子に外添する方法(例えば、特許文献8参照。)、炭化水素界面活性剤と、フッ素変性4級アンモニウム塩又はフッ素変性アルキルベタインと、で処理されたシリカ微粒子をトナー粒子に外添する方法(例えば、特許文献9参照。)も公知となっているが、これら記載の処理方法では、シリカ粒子表面処理は不均一であり、環境依存性の改善は不十分である。
そのほか、荷電制御剤をトナー表面ヘコーティングしたり(例えば、特許文献10、11参照。)、メカノケミカルによりトナー表面へ荷電制御剤を強固に固着させるといった手段が開示されている(例えば、特許文献12、13参照。)。しかしながら、これらの手段で得られるトナーは初期的には安定した帯電特性を有するものの、二成分現像剤の構成では、長期に渡る連続複写の過程でトナー表面に付着又は固着している荷電制御剤自体あるいは荷電制御剤の一部がキャリヤ表面へ移行してしまい、最終的にはキャリヤからの帯電付与能力が低下しトナーの帯電量が著しく低下することでトナー飛散や複写機本体への部材汚染等といった弊害を生ずる可能性が高い。また、荷電制御剤自体あるいは荷電制御剤の一部が直接感光体や帯電部材などに移行し、同様に複写機本体への部材汚染が起こる可能性もある。さらに、表面の荷電制御剤が何らかの衝撃により欠落し、感光体上に残った場合には、感光体上の微小な傷や、転写しきれない残留トナー等の核が存在したりすると、この核部に荷電制御剤がトラップされ易くなり、クリーニングブレードからのトナーすり抜けや、トナーフィルミングの発生といった弊害を生ずる恐れもある。
トナー表面に外添された無機微粒子の脱離を抑制する手段としては、無機微粒子をメカノケミカル反応(機械的衝撃)によりトナー表面に固着させる手段が開示されているが(例えば、特許文献12、13参照。)、この場合においては確かに無機微粒子が固着されるものの、期待する流動性を得られず、現像剤の混合性が低下するため安定な帯電特性を得ることは難しい。荷電制御剤をトナー表面ヘコーティングしたり(例えば、特許文献10、11参照。)、メカノケミカルによりトナー表面へ荷電制御剤を強固の固着させるといった手段が開示されている(例えば、特許文献12、13参照。)。しかしながら、これらの手段で得られるトナーは初期的には安定した帯電特性を有するものの、二成分現像剤の構成では、長期に渡る連続複写の過程でトナー表面に付着又は固着している荷電制御剤がキャリヤ表面へ移行してしまい、最終的にはキャリヤからの帯電付与能力が低下し、トナーの帯電量が著しく低下することでトナー飛散や複写機本体への部材汚染等といった弊害を生ずる可能性が高い。また、表面の荷電制御剤が何らかの衝撃により欠落し、感光体上に残った場合には、感光体上の微小な傷や、転写しきれない残留トナー等の核が存在したりすると、この核部に荷電制御剤がトラップされ易くなり、クリーニングブレードからのトナーすり抜けや、トナーフィルミングの発生といった弊害を生ずる恐れもある。
また、トナー表面からの外添剤の欠落を抑制する他の公知手段としては、平均一次粒径が10〜90nmのアナターゼ型チタニアを疎水化剤および荷電制御剤によって表面処理する例が開示されている(例えば、特許文献14参照。)。この公報においては、針状結晶まで結晶成長していない略円盤状または略円柱状のチタニア粒子を用いることでトナー表面から離脱しにくく、チタニア表面に荷電制御剤を処理させることでトナー表面での帯電特性を安定にさせる効果が示されているが、実施例で示される実質上の平均一次粒径が50nm以下の微粒子であり、アナターゼ型の結晶系においてはその形状が略円盤状や略円柱状と球形粒子に近い形であることから、トナー表面とチタニア粒子との接触面積も少なく、トナー表面の微小な凹凸部や、隙間に充分トラップされにくいため、上記公報に示される現像剤規制部材近傍での負荷により、離脱する可能性があるものと推察される。また、荷電制御剤で処理された無機微粒子の平均一次長軸径を規定することにより分散性やトナー表面からの離脱を抑制する手段が開示されているが(例えば、特許文献15参照。)、本提案の実施例を見ると、荷電制御剤で処理した無機微粒子を単独で外添しているため、トナーへの埋まりこみが顕著に起こってしまい、長期帯電安定性を得ることは困難である。
さらに、荷電制御樹脂により表面処理を施した無機微粒子を外添したトナーの開示がされているが(例えば、特許文献16参照。)、前記特許文献15と同様に、そのような荷電制御剤の被覆方法では荷電制御剤の被覆が不均一であり、荷電制御樹脂で被覆した無機微粉末を用いる効果は十分に発揮されない。また荷電制御剤や荷電制御樹脂で被覆処理を施した場合、従来外添剤に比べ若干凝集しやすくなるため、トナー表面での分散性に劣り、特に小径トナー(<10μm)に対して、流動化付与や帯電付与を長期安定に与えることは難しい。
また、流動性、帯電性、及び転写性を向上させるために、トナー形状を球形に近づけることが提案されている(例えば、特許文献17参照。)。しかしながら、トナーを球形化することにより、以下のような不具合を生じやすくなる。即ち、現像器には現像剤搬送量を一定に制御するために搬送量制御板が設けられており、そしてマグロールと搬送量制御板との間隔を振ることにより制御可能となる。しかし球形トナーを用いると現像剤としての流動性が上がり、また同時に固め嵩密度が高くなる。その結果として搬送規制部位にて現像剤だまりが起こり、搬送量が不安定になるという現象が起こる。マグロール上の表面粗さを制御するとともに制御板とマグロールの間隔を狭くする事により搬送量の改善は可能であるが現像剤だまりによるパッキング性はさらに強くなり、それに応じてトナーに加わる応力も強くなる。このことによりトナー表面の微細構造変化、特に外添剤の埋没あるいは剥がれ等が容易に起こり、現像、転写性を初期と大きく変えてしまう問題を生じる不具合が確認されている。
これらを改善するために球形トナーと非球形トナーをそれぞれ組み合わせ、パッキング性を抑制し、高画質を達成できることが報告されている(例えば、特許文献18参照。)。しかし、これらはパッキング性抑制に関しては効果的ではあるが、非球形トナーが転写残として残りやすく、高転写効率を達成することは出来ない。また現像同時回収を行う場合は転写残である非球形トナーを回収するため、非球形トナーの割合が増え、益々転写効率を低下させる問題を引き起こす。
一方、キャリヤの体積固有抵抗を制御して高画質、特にハーフトーン、黒ベタ、文字を忠実に再現する方法が提案されている(例えば、特許文献19〜21参照。)。これらの方法ではいずれもキャリヤ被覆層の種類や被覆量により抵抗調整を行っており、初期的には狙いの体積固有抵抗が得られ高画質が発現するものの、現像器中のストレスにおいてキャリヤ被覆層の剥がれ等が発生し、体積固有抵抗が大きく変化する。従って、高画質を長期にわたり発現することは困難である。
また、キャリヤ被覆層中にカーボンブラックを添加して体積固有抵抗を調整する方法が提案されているが(例えば、特許文献22参照。)、この方法によれば、被覆層の剥がれによる体積固有抵抗の変化は抑えられるものの、トナーに添加されている外添剤又はトナー構成成分がキャリヤに付着し、キャリヤの体積固有抵抗を変化させてしまい、上述のキャリヤ同様長期にわたり高画質を発現することは困難であった。
特開昭46−5782号公報 特開昭48−47345号公報 特開昭48−47346号公報 特開昭64−73354号公報 特開平1−237561号公報 特開昭64−6964号公報 特開平5−100471号公報 特開平9−166884号公報 特開平9−152738号公報 特開昭64−72168号公報 特開平2−308262号公報 特開平2−61649号公報 特開平2−77756号公報 特開平9−43892号公報 特開2002−82475公報 特開2002−148846号公報 特開昭62−184469号公報 特開平6−308759公報 特開昭56−125751号公報 特開昭62−267766号公報 特公平7−120086号公報 特開平4−40471号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。即ち、本発明の目的は、トナー流動性、帯電性、現像性、転写性、クリーニング性、定着性を同時に、且つ長期にわたり満足できる静電潜像現像用トナー、及び、静電潜像現像剤を提供することにある。また、本発明の他の目的は、高画質要求に対応する現像、転写、定着が可能な画像形成方法を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、トナーに特定の外添剤を外添することにより、上記の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の静電潜像現像用トナーは、
(1)少なくとも、結着樹脂、着色剤、及び、離型剤を含むトナー粒子と、外添剤と、を含む静電潜像現像用トナーであって、該外添剤が、少なくとも体積平均粒径が5nm〜21nm酸化チタン又は酸化ケイ素からなる小径粒子、及び、体積平均粒径が100nm以上トナー粒子径以下の大径粒子からなり、該大径粒子が荷電制御剤にて表面処理されていることを特徴とする静電潜像現像用トナーである。
(2)前記小径粒子をトナー粒子100質量部に対して0.2〜3質量部、前記大径粒子をトナー粒子100質量部に対して0.3〜4質量部含有することを特徴とする(1)に記載の静電潜像現像用トナー。
)前記大径粒子の粒度分布が、該大径粒子の体積平均粒径をd50としたときに、0.3×d50〜3×d50の範囲内にある粒子の割合が60質量%以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の静電潜像現像用トナーである。
)前記荷電制御剤が、分子内に4級アンモニウム塩構造を有する化合物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーである。
)前記大径粒子が、アルコキシシラン及びアルコキシシランから生成されるオルガノシラン化合物の少なくとも1種、又は、ポリシロキサンにより被覆されており、且つ、前記荷電制御剤にて表面処理されていることを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載の静電潜像現像用トナー。
)前記荷電制御剤による表面処理量が、前記大径粒子質量に対して0.1〜10質量%であることを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーである。
)平均形状係数SF1が100〜140の範囲であることを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーである。
なお、前記大径粒子は、トナー粒子100質量部に対して0.1〜3.0質量部を添加することが好ましい。
また、本発明の静電潜像現像用現像剤は、
)キャリヤとトナーとを含む静電潜像現像用現像剤において、該キャリヤが芯材上に導電材料が分散含有された樹脂被覆層を有し、且つ、該トナーが(1)〜()のいずれかに記載の静電潜像現像用トナーであることを特徴とする静電潜像現像用現像剤である。
また、本発明の画像形成方法は、
)少なくとも、静電潜像担持体を一様に帯電させる帯電工程、該静電潜像担持体表面に露光して静電潜像を形成する静電潜像形成工程、該静電潜像を、トナーを含む現像剤を用いてトナー画像とする現像工程、形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程、転写後に静電潜像担持体表面に残留した該トナーを回収するクリーニング工程、及び転写された該トナー画像を被記録体に定着する定着工程を有する画像形成方法において、該現像剤が、()に記載の静電潜像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法である。
本発明によれば、トナー流動性、帯電性、現像性、転写性、クリーニング性、定着性を同時に、且つ長期にわたり満足できる静電潜像現像用トナー、及び、静電潜像現像剤を提供することができる。また、高画質要求に対応する現像、転写、定着が可能な画像形成方法を提供することができる。
〔静電潜像現像用トナー〕
本発明の静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある)は、少なくとも、結着樹脂、着色剤、及び、離型剤を含むトナー粒子と、外添剤と、を含む静電潜像現像用トナーであって、該外添剤が、少なくとも体積平均粒径が5nm〜30nmの小径粒子、及び、体積平均粒径が100nm以上トナー粒子径以下の大径粒子からなり、該大径粒子が荷電制御剤にて表面処理されていることを特徴とする。
まず、本発明の静電潜像現像用トナーの構成成分について順次説明する。
(外添剤)
本発明に用いられる外添剤は、少なくとも体積平均粒径が5nm〜21nm酸化チタン又は酸化ケイ素からなる小径粒子、及び、体積平均粒径が100nm以上トナー粒子径以下の大径粒子からなり、該大径粒子が荷電制御剤にて表面処理されていることを特徴とする。
このような小径粒子及び大径粒子を組み合わせてトナー粒子の外添剤として用いることで、体積平均粒径5nm〜21nm酸化チタン又は酸化ケイ素からなる小径粒子が、トナーの流動性とある程度の帯電能力とをトナーに付与するとともに、荷電制御剤にて表面処理された大径粒子の働きによって帯電性が安定し、長期にわたりトナー流動性、帯電性、現像性、転写性、クリーニング性、定着性を同時に満たすことができるものと考えられる。これは、接触帯電が接触表面近傍の性質に大きく影響する為、帯電の環境安定性に優れる荷電制御剤により被覆された大径粒子が、実質的に荷電制御剤粒子そのものと同様の働きを有するとともに、荷電制御剤が、トナーとキヤリアとの接触帯電における電荷のやり取りを仲介する触媒的な役割を果たす為と考えられる。その上、大径粒子は、ある程度粒子径が大きめである為、現像機内攪拌等で機械的ストレスを受けてもトナー内部に埋め込まれるといった懸念がなく、そのため、トナー表面に固定化されることなく比較的自由に動くことができる。したがって、上記効果を十分に発揮することができるものと考えられる。また、荷電制御剤を直接外添した場合と異なり、荷電制御剤で表面を被覆した大径粒子を用いた場合には、該大径粒子の表面に存在する荷電制御剤は少量でも効果を発現することができ、さらに、該大径粒子は荷電制御剤より硬度が高いことから、大径粒子から荷電制御剤が取れにくいといった利点を奏する。
−大径粒子−
本発明に用いられる大径粒子は、その体積平均粒径が100nm以上トナー粒子径以下であることを要し、より好ましくは0.2〜4μmの範囲のものである。体積平均粒径が100nmより小さいとトナー内部への埋まりこみが回避困難な為、帯電安定性の効果が小さく、他方、トナー径より大きいと、帯電の効果を発揮させる為の添加量が過大に必要になるが、大径粒子はトナー樹脂が溶融した場合に受像材料とのインタラクションが小さい為に、添加量を増大させることによりトナー定着強度が低下する懸念がある。
なお、ここでいうトナー粒子径とは、トナー粒子の体積平均粒径のことを指し、例えば、コールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で測定することができる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。また、コールターマルチサイザー、SLAD1100(島津製作所社製レーザー回折式粒径測定装置)等により測定することもできる。
また、本発明においては、大径粒子の粒度分布はある程度の範囲に制御されていることが望ましい。具体的には、大径粒子の体積平均粒径をd50としたときに、体積基準の粒度分布が0.3×d50〜3×d50の範囲内にある粒子の割合が60質量%以上であることが好ましく、0.5〜1.5の範囲にある粒子の割合が60質量%上であることがより好ましい。0.3×d50〜3×d50の範囲内にある粒子の割合が60質量%未満である場合、例えば、0.3×d50未満の粒子の割合が多い場合には、これら小径の粒子が感光体に付着するようになり、画像ディフェクトが発生し、また、トナーの帯電性が不安定となる。一方、3×d50以上の粒子の割合が多い場合には、感光体を磨耗させて感光体寿命を短縮させるようになる。
なお、本発明において、微粒子の体積基準の粒度分布は以下のようにして測定された値をいうものとする。走査型電子顕微鏡にて粒子を観察し、5000倍の倍率で写真撮影する。次いで、画像解析装置を用い、撮影した写真について該粒子を2値化処理した後、ランダムに選んだ粒子約100個について円相当径より該粒度分布を求める。該粒度分布の測定に供される粒子は、一次粒子であるか二次粒子であるかを問わず、単位粒子として挙動しうる粒子である限り1個の粒子として取り扱うものとする。本発明において「体積平均粒径」とは、体積基準の粒度分布による累積が50%に達したときの粒子径を指す。
本発明に用いられる、荷電制御剤にて表面処理された大径粒子の素材たる被処理粒子(以下、単に「被処理粒子」と称することがある)は、その体積平均粒径が本発明の範囲内にあれば材料的に制限をうけるものでなく、樹脂粒子、無機粒子等の公知の材料粒子を用いることができる。
樹脂粒子としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等、各種の樹脂から適宜選択することができる。熱可塑性樹脂の例としては、具体的には、ポリオレフィン系樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン;ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品;フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリエステル;ポリカーボネート等が挙げられる。これら樹脂形成と共にジビニルベンゼン等の架橋成分を同時に用いて硬化樹脂粒子とすることができる。
また、熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂;アミノ樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂;エポキシ樹脂、等が挙げられる。
大径粒子は現像機ストレス化でも形状を堅持してトナー粒子中に埋没しない必要があり、比較的硬度を上げやすい熱硬化性樹脂粒子を用いることが好ましい。
無機粒子としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム等をあげることができるが、ある程度の負帯電性を得ることができるシリカが好ましい。
<荷電制御剤による表面処理>
本発明に係る被処理粒子は、荷電制御剤により表面処理されることを要する。被処理粒子の表面処理方法は、液相処理でも気相処理でもよく、特に制限されるものではない。例えば、液相処理としては、荷電制御剤が可溶な溶剤中に荷電制御剤、被処理粒子を投入して攪拌混合し、その後に溶媒を除去し、更に乾燥、粉砕することによって表面処理する方法が挙げられる。また、気相処理としては、荷電制御剤を溶かした溶媒を、浮遊させた粒子に噴霧して表面に吸着させて乾燥させるスプレードライ法、荷電制御剤と被処理粒子を混合後、機械的シェアストレスをかけて被処理粒子表面に荷電制御剤を延伸固着させるメカニカル法が挙げられる。しかし、液相処理、或いはスプレードライ法では、凝集粒子の発生が避けられず、また溶媒を多量に使用するため、環境を配慮するとメカニカル法が好ましい。
以下に、本発明において特に好ましい態様であるメカニカル法による表面処理方法について詳細に述べる。
メカニカル法とは、一般的には、ハイブリダイザーを用いる等の公知の方法を指すが、本発明においては、表面処理を均一に行う為に荷電制御剤を延伸固着させる前に、被処理粒子とアルコキシシラン又はポリシロキサンを混合し、被処理粒子の粒子表面をアルコキシシラン又はポリシロキサンによって被覆することが好ましい(前処理)。次いで、アルコキシシラン又はポリシロキサンによって被覆された被処理粒子と荷電制御剤を混合し、機械的シェアストレスをかけて被処理粒子表面に荷電制御剤を延伸固着することにより、本発明に係る大径粒子を得ることができる。このような方法を用いることで、被処理粒子の表面をより均一に荷電制御剤で処理することができる。
まず、本発明におけるメカニカル法の前処理である、被処理粒子をアルコキシシラン又はポリシロキサンにより被覆する方法としては、被処理粒子とアルコキシシラン又はポリシロキサンとを機械的に混合攪拌したり、被処理粒子にアルコキシシラン又はポリシロキサンを噴霧しながら機械的に混合攪拌すればよい。添加したアルコキシシラン又はポリシロキサンは、ほぼ全量が被処理粒子の表面に被覆される。
なお、被覆されたアルコキシシランは、その1部が荷電制御剤の全被覆工程を経ることによって該アルコキシシランから生成されるオルガノシラン化合物として被覆されていてもよい。この場合においてもその後の荷電制御剤の付着に影響することはない。
ここで、メカニカル法を用いる場合の被処理粒子としては、前記した被処理粒子の中でも、前処理が容易な無機酸化物微粉末を選択することが好ましい。
本発明において用いられる無機酸化物微粉末としては、SiO2、TiO2、Al23、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe23、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2n、Al23・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等を例示することができ、その他公知のものも使用できる。中でも、荷電制御剤で表面を被覆した無機酸化物微粉末としては低比重であり、トナーから比較的遊離しにくいSiO2が最も効果がでるので好ましい。
また、被処理粒子としては、必要に応じて疎水化処理を施したものを使用することもできる。
疎水化処理に使用することができる疎水化剤としては、例えば、メチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のアルキルクロロシラン類、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のアルキルメトキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等があげられる。
被処理粒子とアルコキシシラン又はポリシロキサンとの混合攪拌をするための機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、中でも、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール形混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることが好ましい。特に、本発明の実施にあたっては、ホイール型混練機を使用することがより効果的である。このようなホイール型混練機としては、具体的に、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラーであり、より好ましくはエッジランナーである。上記ボール型混練機としては、具体的には振動ミル等がある。上記ブレード型混練機としては、具体的には、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウタミキサー等がある。上記ロール型混練機としては、具体的には、エクストルーダー等がある。
混合撹拌時における条件は、被処理粒子の表面にアルコキシシラン又はポリシロキサンができるだけ均一に被覆されるように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5〜120分、好ましくは10〜90分の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
アルコキシシラン又はポリシロキサンの添加量は、後述の荷電制御剤で表面を均一に被覆するといった観点から、被処理粒子100質量部に対して0.15〜45質量部であることが好ましく、0.20〜0.30質量部であることがより好ましい。また、この範囲の添加量において、被処理粒子100質量部に対して荷電制御剤を3〜30質量部付着させることができるので、この範囲を超えて必要以上に添加することはない。
次いで、アルコキシシラン又はポリシロキサンを被覆した被処理粒子に荷電制御剤を添加し、混合攪拌して、アルコキシシラン又はポリシロキサンを被覆した被処理粒子に荷電制御剤を付着させる。また、必要により、乾燥乃至加熱処理を行ってもよい。
なお、このような混合撹拌をするための機器としては、前記被処理粒子とアルコキシシラン又はポリシロキサンとの混合攪拌で挙げた装置をそのまま使用することができる。
荷電制御剤としては従来公知のものが使用でき、例えば、正荷電制御剤としては、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム基及び/又はアミノ基を含有する樹脂等が挙げられ、また、負荷電制御剤としては、トリメチルエタン系染料、サリチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等の重金属含有酸性染料、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、カルボキシル基及び/又はスルホニル基を含有する樹脂等が挙げられる。これらは処理する被処理粒子の帯電特性に応じて使い分けることが好ましいが、本発明においては、分子内に4級アンモニウム塩構造を有する化合物、例えば、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム基を含有する樹脂、等を用いることが特に好ましい。詳細なメカニズムは不明だが、同じアンモニウム塩でもプロトンを有する場合には、水の影響を受けやすく、窒素部分の帯電制御能力を低下させるのは明らかである。
荷電制御剤の添加・混合撹拌は、少量ずつ時間をかけながら行うことが好ましく、特に5〜60分間程度をかけて添加・混合撹拌するのが好ましい。
混合攪拌時における条件は、荷電制御剤が均一に付着するように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5〜120分、好ましくは10〜90分の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
以上、代表的な表面処理方法であるメカニカル法を例にあげて説明したが、本発明においては、前記例示したその他の方法においても、同様の荷電制御剤等を用いることができる。
また、本発明に係る大径粒子は、該大径粒子質量に対する荷電制御剤の表面処理量が、0.1〜10質量%の範囲内であることが好ましく、0.2〜1.5質量%の範囲内であることがより好ましい。0.1質量%より少ないと、被処理粒子表面の被覆が不十分であり、十分に荷電制御剤処理の効果が発揮されない。また、10質量%より多い場合には、現像器内のストレスなどにより荷電制御剤のはがれや削れが生じ、現像剤の初期特性を長期安定的に維持することは困難となる。また、荷電制御剤のはがれや削れは、機内汚染の原因となる。
大径粒子の表面処理量を上記範囲とするためには、荷電制御剤を、被処理粒子100質量部に対して3〜30質量部添加することが好ましく、3〜15質量部添加することがより好ましい。荷電制御剤の添加量が上記範囲内において、目的とする荷電制御剤の表面処理量が得られ、また、被処理粒子の表面を均一に被覆することができる。
乾燥乃至加熱工程における加熱温度は、通常40〜150℃が好ましく、より好ましくは60〜120℃である。処理時間は10分〜12時間が好ましく、30分〜3時間がより好ましい。
なお、被処理粒子の被覆に用いられたアルコキシシランは、これらの工程を経ることにより、最終的にはアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物となって被覆されてもよい。
大径粒子の添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.3〜4質量部であることが好ましく、0.5〜1.8質量部であることがより好ましい。0.3質量部未満では高温高湿下に保管して用いると形成される画像の濃度ムラが避けられず、かつ十分な帯電環境安定性が得られない場合がある。4質量部より大きいと、トナー流動性の悪化、定着性の悪化が懸念される。
−小径粒子−
本発明において、外添剤として用いる小径粒子の体積平均粒径は5nm〜21nmの範囲のものであり、好ましくは10nm〜20nmである。体積平均粒径が5nmより小さいと流動性改善効果が小さく、30nmより大きいとトナー同士が互いに接触した点の表面接線方向のすべりに対してあたかも摩擦抵抗が大きくなるように働く為に結局トナー流動性が改善し難い。
本発明に用いられる小径粒子の材料としては、その体積平均粒径が5nm〜21nmの範囲内であって、酸化チタン又は酸化ケイ素からなる無機粒子等を用いることができる。
小径粒子の添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.2〜3質量部であることが好ましく、0.5〜1.5質量部であることがより好ましい。0.2質量部未満では十分な流動性が得られない場合があり、3質量部より大きいとトナー帯電維持性が低下するおそれがある。
以上のようにして得られた本発明に係る外添剤(大径粒子及び小径粒子)はトナー粒子に添加され、混合されるが、その混合方法としては、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサーやレディゲミキサー等の公知の混合機によって行うことができる。
さらに、本発明の静電潜像現像用トナーには、必要に応じてその他の種々の添加剤を添加しても良い。これらの添加剤としては、他の流動化剤やポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等のクリーニング助剤もしくは転写助剤等が挙げられる。
前記外添剤(大径粒子および小径粒子を含む)並びにその他の添加剤をトナー粒子へ外添する際は、これらを同時に添加混合してよいし、段階的に添加混合してもよい。また、外添混合後に篩分プロセスを通しても一向にかまわない。
(トナー粒子)
本発明に用いられるトナー粒子は、結着樹脂、着色剤、及び、離型剤を含むことを特徴とする。また、必要に応じて、荷電制御剤を添加してもよい。
<結着樹脂>
本発明に用いられる結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレンーアクリル酸アルキル共重合体、スチレンーメタクリル酸アルキル共重合体、スチレンーアクリロニトリル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、スチレンー無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
<着色剤>
本発明に用いられる着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
<離型剤>
本発明に用いられる離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
<荷電制御剤>
必要に応じて添加される荷電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの荷電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。
(静電潜像現像用トナーの製造)
本発明のトナーの製造方法は、後述するトナーの好ましい平均形状係数及び好ましい粒子径の範囲を満足するものであれば、特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。
まず、以下に挙げる方法を用いて、結着樹脂、着色剤、及び、離型剤等を含むトナー粒子を作製する。例えば、結着樹脂、着色剤、及び離型剤、さらに必要に応じて荷電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、及び離型剤、必要に応じて荷電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体、着色剤、及び離型剤、必要に応じて荷電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂、着色剤、及び離型剤、必要に応じて荷電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が使用できる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。
次に、前記外添剤を外添する。外添剤の外添方法としては、前記したように、上記で得られたトナー粒子に外添剤を添加し、例えば、V型ブレンダーやヘンシェルミキサーやレディゲミキサー等の公知の混合機によって混合する方法が挙げられる。
本発明の静電潜像現像用トナーとしては、その平均形状係数SF1が100〜140の範囲のものを用いることが、高い現像、転写性、及び高画質の画像が得られるといった観点から好ましい。
なお、上記平均形状係数SF1は、下記式(1)により求められる。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(1)
上式において、MLはトナーの最大長、Aはトナーの投影面積を表し、真球の場合SF1=100となる。上記形状係数を求めるための具体的な手法としては、トナー画像を光学顕微鏡から画像解析装置(LUZEX III:(株)ニレコ製)に取り込み、円相当径を測定して、最大長および面積から、個々の粒子について上記式のSF1の値を求めることにより行った。
また、本発明のトナーの粒子径は、2〜8μm程度のものが好ましく、3〜7程度のものがより好ましい。
また、本発明におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナーおよび磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
〔静電潜像現像用現像剤〕
本発明の静電潜像現像用現像剤(以下、単に「現像剤」と称する場合がある)は、芯材上に導電材料が分散含有された樹脂被覆層を有するキャリヤと、前記した静電潜像現像用トナーとを含むことを特徴とする。ここで、本発明の現像剤は、トナーとして前記静電潜像現像用トナーを用いることで、前記トナーの特性に起因して、トナー流動性、帯電性、現像性、転写性、クリーニング性、定着性を同時に、且つ長期にわたり満足できるものになりうる。
(キャリヤ)
本発明に用いられるキャリヤとは、芯材上に、導電材料が分散含有された樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリヤである。前記トナー粒子として球形トナーを用いた場合、必然的に現像器内の搬送規制部位でパッキング性が上がり、それに伴いトナー表面だけでなくキャリヤにも強い力が加わる事になる。そこでキャリヤの樹脂被覆層に導電材料を分散含有することにより、樹脂被覆層の剥がれが発生しても、キャリヤの体積固有抵抗を大きく変化させることなく、結果として長期にわたる高画質の維持を可能とすることができる。
キャリヤの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが磁気ブラシ法を用い体積固有抵抗を調整するためには磁性材料であることが好ましい。
芯材の平均粒子径は、一般的には10〜500μmであり、好ましくは30〜100μmである。
樹脂被覆層に用いられるマトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、スチレンーアクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属、また酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料の含有量は、マトリックス樹脂100質量部に対し1〜50質量部であることが好ましく、3〜20質量部であることがより好ましい。
キャリヤの芯材の表面に樹脂被覆層を形成する方法としては、キャリヤ芯材を、マトリックス樹脂、導電材料及び溶剤を含む被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリヤ芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリヤ芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリヤ芯材と被覆層形成溶液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
被覆層形成用溶液中に使用する溶剤は、該マトリックス樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が使用できる。
また、樹脂被覆層の平均膜厚は、通常0.1〜10μmであるが、本発明においては経時にわたり安定したキャリヤの体積固有抵抗を発現させるため0.5〜3μmの範囲であることが好ましい。
上記のように作製されるキャリヤの体積固有抵抗は、高画質を達成するために、通常の現像コントラスト電位の上下限に相当する103〜104V/cmの範囲において、106〜1014Ωcmであることが好ましい。キャリヤの体積固有抵抗が106Ωcm未満であると細線の再現性が悪く、また電荷の注入による背景部へのトナーかぶりが発生しやすくなる。また、キャリヤの体積固有抵抗が1014Ωcmより大きいと黒ベタ、ハーフトーンの再現が悪くなる。また感光体へ移行するキャリヤの量が増え、感光体を傷つけやすい。
本発明の現像剤に含まれるトナーとキャリアとの含有比率は、2:98〜15:85の範囲にあることが好ましく、3:97〜10:90の範囲にあることがより好ましい。
〔画像形成方法〕
本発明の画像形成方法は、少なくとも、静電潜像担持体を一様に帯電させる帯電工程、該静電潜像担持体表面に露光して静電潜像を形成する静電潜像形成工程、該静電潜像を、前記現像剤を用いてトナー画像とする現像工程、形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程、転写後に静電潜像担持体表面に残留した該トナーを回収するクリーニング工程、及び転写された該トナー画像を被記録体に定着する定着工程を有することを特徴とする。ここで、本発明の画像形成方法は、現像剤として前記静電潜像現像用現像剤を用いることで、その現像剤(トナー)の持つ特性により、高画質要求に対応する現像、転写、定着を可能とするものである。
以下、本発明に係る静電潜像担持体、及び、本発明の画像形成方法の各工程について詳細に説明する。
(静電潜像担持体)
本発明に用いられる静電潜像担持体(以下、「感光体」と呼ぶことがある)は、少なくとも静電潜像が形成される機能を有する。該感光体は、導電性支持体表面に電荷発生物質の蒸着膜等を形成した単層型電子写真感光体であってもよいが、本発明では、導電性支持体表面に電荷発生層及び電荷輸送層等を形成した、機能分離型の積層型電子写真感光体を好適に用いることができる。更に、上記感光体の表面層が、電荷輸送性を有し、シロキサン結合を有する架橋樹脂を含む感光体が、摩耗し難く長寿命を達成できるためより好適である。
なお、この場合、表面保護層が表面層となる場合、電荷輸送層または電荷発生層が表面層となる場合、及び単層型感光層が表面層となる場合がある。
前記電荷輸送性を有し、シロキサン結合を有する架橋樹脂は、透明性、耐絶縁破壊性、光安定性等の点で特に好ましいものである。
シロキサン結合を有する架橋樹脂は、シロキサン、ジメチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、その他必要な成分等を3次元的に架橋した樹脂であるが、本発明においては、光機能性化合物から誘導される有機基F、可とう性有機サブユニットD、及び加水分解性基を有する置換けい素基Aを含む化合物を含むシロキサン結合を有する架橋樹脂が、前記の特徴に加え、耐摩耗性、電荷輸送性等の点で特に優れており、好ましいものである。
なお、上記Aは−Si(R1(3-a)aで示され、R1は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基を表し、Qは加水分解性基を表す。aは1〜3の整数を表す。
光機能性化合物から誘導される有機基Fは、正孔輸送能を有する基、または電子輸送能を有する基であることが好ましく、特に、電子輸送能を有する基として具体的には、キノン系化合物、フルオレノン系化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物などから誘導される有機基が挙げられる。正孔輸送能を有する基として具体的には、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物や、およびキノン系化合物、フルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物など光キャリア輸送特性を有する構造が挙げられる。
加水分解性基を有する置換けい素基Aは、−Si(R1(3-a)aで表される加水分解性基を有する置換けい素基を表すが、この置換けい素基は、Si基により、互いに架橋反応を起こして、3次元的なSi−O−Si結合、すなわち無機ガラス質ネットワークを形成するためのものである。さらに、可とう性有機サブユニットDとは、光電特性を付与するためのFを、3次元的な無機ガラス質ネットワークに直接結合で結びつけるためのものである。また、堅さの反面、脆さも有する無機ガラス質ネットワークに適度な可とう性を付与し、膜としての強度を向上させるという働きもある。具体的には、nを1から15の整数とした場合の−Cn2n−、−Cn(2n-2)−、−Cn(2n-4)−で表わされる2価の炭化水素基、−COO−、−S−、−O−、−CH2−C64−、−N=CH−、−(C64)−(C64)−、及びこれらの組み合わせや、置換基を導入したものなどが使用される。
前記F、D、及びAを含む化合物の中で、Fが一般式(I)で表わされる化合物は、特に優れた正孔輸送性と機械的特性を示すため好ましく用いられる。
Figure 0004225203
一般式(I)中、Ar1〜Ar4は、それぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を表し、Ar5は、置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を表す。但し、Ar1〜Ar5のうち1〜4個は、F、D、及びAを含む化合物中の−D−Aで表される結合基と結合可能な結合手を有する。kは0または1を表す。
前記F、D、及びAを含む光機能性有機けい素化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
表面層形成に際しては、硬化膜の機械的強度をさらに向上させる目的で、前記F、D、及びAを含む化合物と結合可能な基を有する化合物の少なくとも1種を添加することが好ましい。
上記F、D、及びAを含む化合物と結合可能な基とは、該F、D、及びAを含む化合物を加水分解した際に生じるシラノール基と結合可能な基を意味し、具体的には、−Si(R1(3-a)aで示される基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ハロゲンなどを意味する。これらのうち、−Si(R1(3-a)aで示される加水分解性基、エポキシ基、イソシアネート基を有する化合物が、より強い機械的強度を有するため好ましい。
さらに、F、D、及びAを含む化合物と結合可能な基を有する化合物としては、これらの基を分子内に2つ以上持つものが、硬化膜の架橋構造を3次元的にし、膜により強い機械的強度を与えるため好ましい。これらのうち、最も好ましい化合物例として一般式(II)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004225203
一般式(II)中、A’は−Si(R1(3-a)aで表される加水分解性基を有する置換けい素基、Bは枝分かれを含んでも良いn価の炭化水素基、n価のフェニル基、−NH−、−O−Si−から選ばれる基の少なくとも1つ、あるいはこれらの組み合わせから構成される。aは1〜3の整数、nは2以上の整数を表す。
一般式(II)で示される化合物は、−Si(R1(3-a)aで表される加水分解性基を有する置換けい素基A’を2個以上有している化合物である。A’に含まれるSi基の部分が、前記F、D、及びAを含む化合物あるいは化合物(II)自身と反応し、Si−O−Si結合となって3次元的な架橋硬化膜を形成していく。F、D、及びAを含む化合物も同様のSi基を有しているので、それのみで硬化膜を形成することも可能であるが、化合物(II)は2個以上のA’を有しているので硬化膜の架橋構造が3次元的になり、より強い機械的強度を有するようになると考えられる。また、F、D、及びAを含む化合物におけるD部分と同様、架橋硬化膜に適度な可とう性を与える役割もある。
前記F、D及びAからなる光機能性有機けい素化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。また、膜の成膜性、可とう性を調整するなどの目的から、他のカップリング剤、フッ素化合物などを混合して用いてもよい。このような化合物として、各種シランカップリング剤、および市販のシリコーン系ハードコート剤を用いることができる。
また、表面保護層として架橋膜を形成する場合は、有機金属化合物、あるいは硬化型マトリックスを添加することが好ましい。
これらのコーティング液の調製は、無溶媒で行うか、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等が使用できるが、好ましくは沸点が100℃以下のものであり、任意に混合しての使用もできる。溶剤量は任意に設定できるが、少なすぎると前記F、D、及びAを含む化合物が析出しやすくなるため、前記F、D、及びAを含む化合物1重量部に対し0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部で使用される。
コーティング液調製においては、前記F、D、及びAを含む化合物と、必要に応じてその他の化合物と、を固体触媒に接触させて反応させるが、反応温度および時間は原料の種類によっても異なり、通常は0〜100℃で行われ、0〜70℃で行うことがより好ましく、10〜35℃の温度で行うことが特に好ましい。反応時間に特に制限はないが、反応時間が長くなるとゲル化を生じ易くなるため、10分から100時間の範囲で行うことが好ましい。
前記F、D、及びAからなる化合物と結合可能な基を有するポリマーを添加する場合、固体触媒と上記ポリマーとが同時に存在すると著しくゲル化を促進し、コーティングが困難となる場合があるため、固体触媒を除去した後に添加することが好ましい。このような固体触媒は、触媒成分が前記F、D、及びAを含む化合物溶液、その他の化合物、溶媒等のいずれにも不溶であるものであれば、特に限定されない。
加水分解縮合させる際の水の添加量は、特に限定されないが、生成物の保存安定性やさらに重合に供する際のゲル化抑制に影響するため、好ましくは、前記F、D、及びAを含む化合物の加水分解性基をすべて加水分解するに必要な理論量に対して30〜500%、さらに50〜300%の範囲の割合で使用することが好ましい。水の量が500%よりも多い場合、生成物の保存安定性が悪くなったり、析出しやすくなる。一方、水の量が30%より少ない場合、未反応物が増大してコーティング液塗布時、硬化時に相分離を起こしたり、塗膜の強度低下を起こしやすい。
さらに硬化触媒として、塩酸、酢酸、リン酸、硫酸などのプロトン酸等を加え硬化させる。硬化温度は、任意に設定できるが、所望の強度を得るためには60℃以上、より好ましくは80℃以上に設定される。硬化時間は、必要に応じて任意に設定できるが、10分〜5時間が好ましい。また、硬化反応を行ったのち、高湿度状態に保ち、特性の安定化を図ることも有効である。さらに、用途によっては、ヘキサメチルジシラザンや、トリメチルクロロシランなどを用いて表面処理を行い、疎水化することもできる。
塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
本発明に用いられる感光体において、前記表面保護層を設けた場合、その下層に形成される感光層は、従来から公知のあらゆる感光体の感光層を採用することができ、電荷発生層と電荷輸送層とを積層した積層型の感光体でもよいし、電荷発生材料を含有する単層型感光体でもよいが、感度、耐久性等の観点から、積層型の感光体が好ましい。
積層型の感光層における電荷発生層は、少なくとも電荷発生材料及び結着樹脂から形成される。
電荷発生材料は、ビスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料、ジブロモアントアントロンなどの縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フラトシアニン顔料等既知のもの全て使用することができるが、特に金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましい。その中でも、特定の結晶を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、チタニルフタロシアニンが特に好ましい。また、結着樹脂は、広範な絶縁性樹脂の中から選択することができる。
電荷発生層の厚みは、一般的には0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2.0μmである。また、電荷発生層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
本発明に用いられる感光体における電荷輸送層としては、公知の技術によって形成されたものを使用できる。それらの電荷輸送層は、電荷輸送材料と結着樹脂とを含有して形成されるか、あるいは高分子電荷輸送材を含有して形成される。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物;トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物;が挙げられる。これらの電荷輸送材料は、単独または2種以上混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。
電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂等を挙げることができる。
電荷輸送層の厚みは5〜50μmの範囲が好ましく、10〜30μmの範囲がより好ましい。塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
前記導電性支持体としては、一般にアルミニウムがドラム状、シート状、プレート状等、適宜の形状のものとして使用されるが、これらに限定されるものではない。
なお、本発明に用いられる感光体において、表面保護層を設けない場合には、導電性支持体表面に形成された感光層の最表面層が、本発明に用いられる感光体の表面層となる。そして感光層としては、積層型および単層型の2通りがある。
積層型の感光層の場合、電荷輸送層が表面であれば電荷輸送層が、電荷発生層が表面であれば電荷発生層が表面層となる。この場合、最表面層に、前記電荷輸送層あるいは電荷発生層の構成に代えて、前記、表面層として説明した層の構成が採用され、他の層は、前記説明した構成がそのまま採用される。
一方、単層型感光層の場合には、当該感光層自体が前記表面層の構成を為す層となる。但し、当該単層型感光層中には、電荷発生材料を添加することが必要となる。電荷発生材料としては、前記説明した電荷発生層の場合と同様の材料を用いることができる。
(画像形成方法の各工程)
次に、本発明の画像形成方法における各工程について説明する。
本発明における帯電工程とは、静電潜像担持体の表面を、帯電手段により一様に帯電する工程である。前記帯電手段としては、コロトロン、スコロトロンなどの非接触方式の帯電器、及び、静電潜像担持体表面に接触させた導電性部材に電圧を印加することにより、静電潜像担持体表面を帯電させる接触方式の帯電器が挙げられ、いかなる方式の帯電器でもよい。しかし、オゾンの発生量が少なく、環境に優しく、かつ耐刷性に優れるという効果を発揮するという観点から、接触帯電方式の帯電器を用いることが好ましい。前記接触帯電方式の帯電器においては、導電性部材の形状はブラシ状、ブレード状、ピン電極状、ローラー状等の何れでもよいが、ローラー状部材が好ましい。本発明の画像形成方法は、帯電工程においてなんら特別の制限を受けるものではない。
前記静電潜像形成工程とは、レーザー光学系やLEDアレイなど露光手段で、表面が一様に帯電された静電潜像担持体に露光し、静電潜像を形成する工程である。本発明の画像形成方法は、露光方式においてなんら特別の制限を受けるものではない。
前記現像工程とは、静電潜像担持体表面に、少なくともトナーを含む現像剤層を表面に形成させた現像剤担持体を接触若しくは近接させて、前記静電潜像担持体表面の静電潜像にトナーの粒子を付着させ、静電潜像担持体表面にトナー画像を形成する工程である。現像方式は、既知の方式を用いて行うことができるが、本発明に用いられる二成分現像剤による現像方式としては、カスケード方式、磁気ブラシ方式などがある。本発明の画像形成方法においては、この現像工程において用いられる現像剤が、前記した本発明の静電潜像現像用現像剤であることは要するが、現像方式に関しては、特に制限を受けるものではない。
前記転写工程とは、静電潜像担持体表面に形成されたトナー画像を、被転写体に転写して転写画像を形成する工程である。フルカラー画像形成の場合は、中間転写体としての中間転写ドラムまたはベルトに各色トナーを1次転写したのち、紙等の被記録体に2次転写するのが好ましい。また、用紙汎用性、高画質の観点から、各色のカラートナー画像を中間転写体上に一旦転写した後、該各色のカラートナー画像を一度に被記録体に転写することが好ましい。
感光体からのトナー画像を紙あるいは中間転写体に転写する転写装置としては、コロトロンが利用できる。コロトロンは用紙を均一に帯電する手段としては有効であるが、被記録体である用紙に所定の電荷を与えるために、数kVという高圧を印加しなければならず、高圧電源を必要とする。また、コロナ放電によってオゾンが発生するため、ゴム部品や感光体の劣化を引き起こすので、弾性材料からなる導電性の転写ロールを静電潜像担持体に圧接して、用紙にトナー画像を転写する接触転写方式を用いることが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、転写装置に関し、特に制限を受けるものではない。
前記定着工程とは、被記録体表面に転写されたトナー画像を定着装置にて定着する工程である。定着装置としては、ヒートロールを用いる加熱定着装置が好ましく用いられる。加熱定着装置としては、例えば、円筒状芯金の内部に加熱用のヒータランプを備え、その外周面に耐熱性樹脂被膜層あるいは耐熱性ゴム被膜層により、いわゆる離型層を形成した定着ローラと、この定着ローラに対し圧接して配置され、円筒状芯金の外周面あるいはベルト状基材表面に耐熱弾性体層を形成した加圧ローラあるいは加圧ベルトと、で構成される。未定着トナー画像の定着プロセスは、定着ローラと加圧ローラあるいは加圧ベルト(これらを「定着部材」と称する)との間に未定着トナー画像が形成された被記録体を挿通させて、トナー中の結着樹脂、添加剤等の熱溶融による定着を行う。
前記定着ローラとしては、その表面がフッ素樹脂を含んでなり、且つ、前記定着工程が、オイルレス定着であることが好ましい。
すなわち、本発明においては前述のような効果に加えて、近年多くの画像形成装置の定着方法として採用されているオイルレス定着、すなわち、定着ローラ等の定着部材表面にシリコーンオイル等の離型性液体(離型剤)を実質的に供給せずに定着する方法においても、優れた離型性能を有する画像形成方法を提供することができる。
前記本発明に用いられるトナーは十分な定着ラチチュードを示すので、定着ローラ等の定着部材表面に塗布されるシリコーンオイル等の離型性液体は実質的になくて良い。ただし、高速印刷に対応する場合などにおいては、離型性を確実に確保するために、極わずかな離型性液体の供給も可能である。この場合の供給量は、たとえば、A4サイズ(210mm×297mm)の被記録体1枚当たり1μl以下で十分である。
本発明の画像形成方法においては、定着方式については特に制限を受けるものではない。
前記クリーニング工程とは、上記転写工程を経た後の静電潜像担持体表面に、転写残として残った残留トナーを除去する工程である。本工程では、ブレード、ブラシ、ロール等を静電潜像担持体表面に直接接触させ、静電潜像担持体表面に付着しているトナー、紙粉、ゴミなどを除去することができる。
最も一般的に採用されている方式として、ポリウレタン等のゴム製のブレードを静電潜像担持体に圧接させるブレードクリーニング方式が挙げられる。これに対し、内部に磁石を固定配置し、その外周に回転可能な円筒状の非磁性体のスリーブを設け、そのスリーブ表面に磁性キャリアを担持させてトナーを回収する磁気ブラシ方式や、半導電性の樹脂繊維や動物の毛をロール状に回転可能にし、トナーと反対極性のバイアスをそのロールに印加してトナーを除去する静電ブラシ方式でもよい。
ここで用いられる静電ブラシとしては、カーボンブラック、金属酸化物等の導電フィラーを含有させた樹脂、あるいは表面を導電性物質により被覆した繊維状の物質が使用することができるが、本発明はそれに限定されるものではない。
本発明の画像形成方法においてトナーリサイクルを行う場合には、ブレードクリーニング方式が好ましく用いられるが、前記何れの方法を用いてもよい。
本発明の画像形成方式の工程は前記したとおりであり、現像剤として前記本発明の静電潜像現像用現像剤を用いること以外においては特に制限はなく、汎用の画像形成方式を任意に適用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、トナー、キャリヤの説明において、特に断りのない限り、「部」は全て「質量部」を意味する。
まず、実施例、比較例において使用したトナー、キャリヤについて説明する。
(各測定方法)
<被処理粒子の荷電制御剤による表面被覆均一性測定>
(1)サンプル粒子を2液混合型のエポキシ液に分散し、1昼夜放置して固化させる。
(2)それからミクロトームで厚さ約100nmの切片を作製する。
(3)その切片を銅メッシュ上にのせ、高分解能電子顕微鏡JEM−2010(日本電子株式会社製)にセットし、印加電圧200kVで50万倍で写真撮影する。
(4)そのネガを3倍〜10倍にひきのばしてプリントする。
(5)上記(1)〜(4)の手順によるプリントで、任意に粒子個数10個の断面の粒子表面を観察し、粒子全表面に対する表面被覆状態を評価する。
被覆率=被覆長さ/粒子全表面長さ×100(%)
<外添剤の比重測定>
ルシャテリエ比重瓶を用いJIS−K−0061の5−2−1に準拠して比重を測定した。操作は次の通り行う。
(1)ルシャテリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整する。
(2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2°Cになったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(3)試料を約100.000gを量り取り、その質量をWとする。
(4)量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除く。
(5)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2°Cになったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(6)次式により比重を算出する。
D=W/(L2−L1)・・・式1
S=D/0.9982・・・式2
式中、Dは試料の密度(20°C)(g/cm3)、Sは試料の比重(20°C)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(20°C)(ml)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(20°C)(ml)、0.9982は20°Cにおける水の密度(g/cm3)を表す。
<外添剤の一次粒子径及びその標準偏差測定>
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA−910)を用いた。
<球形度>
球形度はWadellの真の球形度を採用した。
球形度=実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積(1)/実際の粒子の表面積(2)
(1);平均粒径から計算により求めた。
(2);島津粉体比表面積測定装置SS−100型を用いBET比表面積より代用させた。
<抵抗測定>
図1に示されるように、測定試料3を厚みHとして下部電極4と上部電極2とで挟持し、上方より加圧しながらダイヤルゲージで厚みを測定し測定試料3の電気抵抗を高電圧抵抗計5で計測した。具体的には、特定酸化チタンの試料に成形機にて500kg/cm2の圧力を加えて測定ディスクを作成した。次いで、ディスクの表面をハケで清掃し、セル内の上部電極2と下部電極4との間に挟み込み、ダイヤルゲージで厚みを測定した。次に電圧を印加し、電流値を読み取ることにより、体積固有抵抗を求めた。
また、キャリヤの試料を100φの下部電極4に充填し、上部電極2をセットし、その上から3.43kgの荷重を加え、ダイヤルゲージで厚みを測定した。次に電圧を印加し、電流値を読み取ることにより、体積固有抵抗を求めた。
<トナーの形状係数SF1>
本発明において、トナーの形状係数SF1とは、(前記のように個々のトナー粒子について下記式で計算される値の平均値を意味する。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上式において、MLはトナーの最大長、Aはトナーの投影面積を表し、真球の場合SF1=100となる。
上記形状係数を求めるための具体的な手法としては、トナー画像を光学顕微鏡から画像解析装置(LUZEX III:(株)ニレコ製)に取り込み、円相当径を測定して、最大長および面積から、個々の粒子について上記式のSF1の値を求めることにより行った。
<帯電量測定>
(1)高温高湿及び低温低湿における帯電量は、高温高湿:30℃、90%RH、低温低湿:5℃、10%RHの各雰囲気下にトナー組生物、キャリヤの双方をそれぞれ24時間放置し、蓋付きガラスビンにTC5%になるように、トナー組成物、キャリヤを採取し、それぞれの雰囲気下でターブラ攪拌を行い、攪拌された現像剤を25℃、55%RHの条件下で東芝社製TB200にて測定した。
(2)実機評価試験における帯電量は、現像器中のマグスリーブ上の現像剤を採取し、上記と同様25℃、55%RHの条件下で東芝社製TB200にて測定した。
<画像濃度(Solid Area Density)>
画像濃度は、X−Rite404A(X−Rite)を用いて測定した。
(大径粒子(A)〜(D)の調整方法)
<荷電制御剤処理大径粒子(A)の調整>
0.15μ球状シリカ1.5kgをエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入し、メチルトリエトキシシラン(商品名:TSL8123:東芝シリコーン株式会社製)15gを500mlのエタノールで混合希釈して得られるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッジランナーを稼動させながら上記シリカに添加し、混合攪拌を行った。
次に、4級アンモニウム塩化合物P51(オリエント化学社製)30gを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、混合攪拌を行い、P51を付着させた後、乾燥を用いて105℃で60分間加熱処理を行い、荷電制御剤処理大径粒子(A)を得た。
平均粒径0.16μであり、0.3×d50〜3×d50の範囲内は75質量%であった。被覆状態を観察し、その結果被覆厚みが0.05〜2.0nmの範囲であり微粉末表面の100%が被覆されていた。
<荷電制御剤処理大径粒子(B)の調整>
酸化チタン微粉末KV−200H(粒子形状:不定形、平均粒径0.5μm、チタン工業社製)3.0kgをエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入し、メチルトリエトキシシラン(商品名:TSL8123:東芝シリコーン株式会社製)80gを500mlのエタノールで混合希釈して得られるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッジランナーを稼動させながら上記酸化チタン微粉末に添加し、混合攪拌を行った。
次に、トリフェニルメタン系染料120gを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、混合攪拌を行い、メチルトリエトキシシラン被覆の上にトリフェニルメタン系染料を付着させた後、乾燥を用いて105℃で60分間加熱処理を行い、荷電制御剤処理大径粒子(B)を得た。
平均粒径0.5μmであり、0.3×d50〜3×d50の範囲内は63質量%であった。被覆状態を観察し、その結果被覆厚みが15〜20nmの範囲であり微粉末表面の100%が被覆されていた。
<荷電制御剤処理大径粒子(C)の調整>
酸化ケイ素微粉末S0−E5(粒子形状:球形、平均粒径1.3〜2.0μm、アドマファイン社製)の微粉を分級カットして得た1.5kgをエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入し、メチルトリエトキシシラン(商品名:TSL8123:東芝シリコーン株式会社製)30gを800mlのエタノールで混合希釈して得られるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッジランナーを稼動させながら上記酸化ケイ素微粉末に添加し、混合攪拌を行った。
次に、サリチル酸亜鉛誘導体90gを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、混合攪拌を行い、メチルトリエトキシシラン被覆の上にサリチル酸亜鉛誘導体を付着させた後、乾燥を用いて105℃で60分間加熱処理を行い、荷電制御剤処理大径粒子(C)を得た。
平均粒径2.5μmであり、0.3×d50〜3×d50の範囲内は70質量%であった。被覆状態を観察し、その結果被覆厚みが25〜35nmの範囲であり微粉末表面の100%が被覆されていた。
<荷電制御剤処理大径粒子(D)の調整>
0.08μ球状シリカ1.5kgをエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入し、メチルトリエトキシシラン(商品名:TSL8123:東芝シリコーン株式会社製)50gを800mlのエタノールで混合希釈して得られるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッジランナーを稼動させながら上記酸化ケイ素微粉末に添加し、混合攪拌を行った。
次に、サリチル酸亜鉛誘導体90gを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、混合攪拌を行い、メチルトリエトキシシラン被覆の上にサリチル酸亜鉛誘導体を付着させた後、乾燥を用いて105℃で60分間加熱処理を行い、荷電制御剤処理大径粒子(D)を得た。
平均粒径0.09μmであり、0.3×d50〜3×d50の範囲内は60質量%であった。被覆状態を観察し、その結果被覆厚みが10〜35nmの範囲であり微粉末表面の100%が被覆されていた。
(トナー粒子Aの製造方法)
下記組成の混合物をエクストルーダーで混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分散してd50=5.0μm、SF1=148.8の黒トナー粒子Aを得た。
・スチレン−n−ブチルアクリレート共重合樹脂 100部
(Tg=58℃、Mn=4000、Mw=25000)
・カーボンブラック(モーガルL:キャボット製) 3部
(トナー粒子Bの製造方法)
<樹脂分散液(1)の調整>
・スチレン 370g
・n−ブチルアクリレート 30g
・アクリル酸 8g
・ドデカンチオール 24g
・四臭化炭素 4g
以上の成分を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6g、及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10gをイオン交換水550gに溶解したものにフラスコ中で乳化分散させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果155nmであり、Tg=59℃、重量平均分子量Mw=12000の樹脂粒子が分散された樹脂分散液(1)が得られた。
<樹脂分散液(2)の調整>
・スチレン 280g
・n−ブチルアクリレート 120g
・アクリル酸 8g
以上の成分を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6g及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)12gをイオン交換水550gに溶解したものにフラスコ中で乳化分散させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム3gを溶解したイオン交換水50gを投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果105nmであり、Tg=53℃、重量平均分子量Mw=550000の樹脂粒子が分散された樹脂分散液(2)が得られた。
<着色剤分散液(1)の調整>
・カーボンブラック(モーガルL:キャボット製) 50g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5g
・イオン交換水 200g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散液(1)を調整した。
<着色剤分散液(2)の調整>
・Cyan顔料B15:3 70g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5g
・イオン交換水 200g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が250nmである着色剤(Cyan顔料)粒子が分散された着色剤分散液(2)を調整した。
<着色剤分散液(3)の調整>
・Magenta顔料R122 70g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5g
・イオン交換水 200g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が250nmである着色剤(Magenta顔料)粒子が分散された着色剤分散液(3)を調整した。
<着色剤分散液(4)の調整>
・Yellow顔料Y180 100g
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5g
・イオン交換水 200g
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が250nmである着色剤(Yellow顔料)粒子が分散された着色剤分散液(4)を調整した。
<離型剤分散液(1)の調整>
・パラフィンワックス 50g
(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃)
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製) 5g
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液(1)を調整した。
<凝集粒子の調整>
・樹脂分散液(1) 120g
・樹脂分散液(2) 80g
・着色剤分散液 200g
・離型剤分散液(1) 40g
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製) 1.5g
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら50℃まで加熱した。45℃で20分間保持した後、光学顕微鏡で確認したところ、平均粒径が約5.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更に上記分散液に、樹脂含有微粒子分散液として樹脂分散液(1)を緩やかに60g追加した。そして加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。光学顕微鏡にて観察したところ、平均粒径が約5.6μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
<トナー粒子Bの作製手法>
上記粒子分散液にアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)3gを追加した後、前記ステンレス鋼鉄フラスコ中を密閉し、磁力シールを用いて攪拌しながら105℃まで加熱し、4時間保持した。
そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で充分に洗浄した後、乾燥させることにより、静電潜像現像用のトナー粒子を得ることができる。以下、この手法に従って、それぞれ着色剤分散液(1)〜(4)を用いることにより、Kuro、Cyan、Magenta、Yellowの各色のトナーを得た。
<トナー粒子B(Kuro)の作製>
着色剤分散液(1)を用いて上記手法にて形状係数SF1=128.5、体積平均粒径d50=5.8μmのKuroトナー粒子を得た。
<トナー粒子B(Cyan)の作製>
着色剤分散液(2)を用いて上記手法にて形状係数SF1=130、体積平均粒径d50=5.6μmのCyanトナー粒子を得た。
<トナー粒子B(Magenta)の作製>
着色剤分散液(3)を用いて上記手法にて形状係数SF1=132.5、体積平均粒径d50=5.5μmのMagentaトナー粒子を得た。
<トナー粒子B(Yellow)の作製>
着色剤分散液(4)を用いて上記手法にて形状係数SF1=127、体積平均粒径d50=5.9μmのYellowトナー粒子を得た。
<キャリヤの作製>
・フェライト粒子(平均粒径:50μm) 100部
・トルエン 14部
・スチレン−メタクリレート共重合体(成分比:90/10) 2部
・カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調整し、次に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリヤを得た。このキャリヤは、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
〔実施例1〕
上記トナー粒子B(Kuro、Cyan、Magenta、Yellowのそれぞれ)100部に、平均粒子径7nmの疎水性酸化ケイ素(RX300、日本アエロジル社製)1部、荷電制御剤処理大径粒子(A)1.3部を、ヘンシェルミキサーを用いて周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。キャリヤ100部と上記トナー5部をV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより実施例1の現像剤を得た。
〔実施例2〕
上記トナー粒子B(Kuro)100部に、酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)1部、荷電制御剤処理大径粒子(B)1.4部を、ヘンシェルミキサーを用いて周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。キャリヤ100部と上記トナー5部をV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより実施例2の現像剤を得た。
〔実施例3〕
上記トナー粒子B(Kuro)100部に、平均粒子径7nmの疎水性酸化ケイ素(RX300、日本アエロジル社製)1部、荷電制御剤処理大径粒子(C)1.4部を、ヘンシェルミキサーを用いて周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。キャリヤ100部と上記トナー5部をV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより実施例3の現像剤を得た。
〔実施例4〕
上記トナー粒子B(Kuro)100部に、平均粒子径21nmの疎水性酸化チタン(T805、日本アエロジル社製)1部、荷電制御剤処理大径粒子(C)1.4部を、ヘンシェルミキサーを用いて周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。キャリヤ100部と上記トナー5部をV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより実施例4の現像剤を得た。
〔実施例5〕
上記トナー粒子A(Kuro)100部に、平均粒子径7nmの疎水性酸化ケイ素(RX300、日本アエロジル社製)1部、荷電制御剤処理大径粒子(A)1.3部を、ヘンシェルミキサーを用いて周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。キャリヤ100部と上記トナー5部をV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより実施例5の現像剤を得た。
〔比較例1〕
実施例1において、トナー粒子に外添させた荷電制御剤処理大径粒子(A)に代えて、4級アンモニウム塩化合物P51そのものを1.0質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の現像剤を得た。
〔比較例2〕
実施例1において、トナー粒子に外添させた荷電制御剤処理大径粒子(A)を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の現像剤を得た。
〔比較例3〕
実施例1において、平均粒子径7nmの疎水性酸化ケイ素(RX300、日本アエロジル社製)を用いなかった以外は、実施例1と同様にして比較例3の現像剤を得た。
〔比較例4〕
実施例1において、トナー粒子に外添させた荷電制御剤処理大径粒子(A)に代えて、0.25μ球状シリカ(粒子形状:球形)をシランカップリング処理した疎水化シリカを0.8質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例4の現像剤を得た。
〔比較例5〕
実施例1において、トナー粒子に外添させた粒径12nmのシリコーンオイル処理シリカに代えて、平均粒子径40nmの疎水性酸化ケイ素(RX50、日本アエロジル社製)1.0質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例5の現像剤を得た。
(環境依存性試験)
実施例1〜5及び比較例1〜5の現像剤をFuji Xerox社製Docu Centra Color500現像機に適用し、高温高湿(28℃、80RH%)と低温低湿(10℃、15RH%)にそれぞれ一昼夜放置した後、それぞれの環境下で30分間空回して現像剤の帯電評価を行った。帯電評価法はブローオフ法によって測定した。ブローオフ法とは、上部と下部に網目開き18μmの網を張った容量30mlの金属ゲージ内に試料を0.5g入れて3気圧の窒素ガス中で30秒ブローオフし、生じた電荷を電位計(ケイスレー社製、6517A)で測定し、次式で算出する方法である。結果は表1に示した。
帯電量=測定電荷値/〔(ブローオフ前ゲージ質量)−(ブローオフ後ゲージ質量)〕
−帯電評価基準−
○:良好
△:やや環境依存性がみられた
×:悪い
Figure 0004225203
<環境依存性評価結果>
表1から明らかなように、実施例1〜5の現像剤は、高温高湿及び低温低湿における帯電性が非常に良好であり、環境安定性も優れていた。一方、比較例2〜5の現像剤は、高温高湿において帯電量の減少が、低温低湿下では帯電量の増加が認められ、初期から環境依存性に問題があった。さらに、2万枚後は環境依存性が大きく(悪く)なった。また、比較例1の現像剤は初期においては、高温高湿及び低温低湿における帯電性が非常に良好であり、環境安定性にも優れていたが、高温高湿においては帯電量の減少が、低温低湿下では帯電量の増加が認められ、2万枚後は環境依存性に問題があった。
(帯電維持性及び画像維持性試験)
実施例1〜5及び比較例1〜5の現像剤を高温高湿(28℃、80RH%)と低温低湿(10℃、15RH%)にそれぞれ一昼夜放置した後、Fuji Xerox社製Docu Centre Color500改造機に適用し、それぞれの環境下で50,000枚画出しし、1枚目の画出しサンプルと、50,000枚画出しサンプルの画質評価と帯電性評価を行った。結果は表2に示した。
−画質評価基準−
◎:非常に良好
○:良好
△:やや悪い
×:悪い
Figure 0004225203
(帯電維持性及び画像維持性の評価結果)
表2から明らかなように、本発明の、特定の体積平均粒径を有する異なる2種以上の外添剤が添加され、そのうち大径粒子が、荷電制御剤で表面を処理され、且つ、特定の範囲の粒度分布を有する粒子であるトナーを用いた現像剤は、実施例1〜5の結果のように、長時間複写を続けた時も低温低湿下と高温高湿下で帯電特性の差は小さく、また帯電維持性が良好であり、長期繰り返し使用においても画質も良好であった。
一方、平均粒径の異なる2種以上の外添剤が添加されたものの大径粒子が荷電制御剤そのものである場合(比較例1)は、初期においては帯電、転写共に良好であったが、経時で帯電、転写性が不十分となった。また5万枚後の感光体を抜き出したところ、いずれも表面のところどころが白くなっていることが目視で観察された。
また、小径粒子のみ外添された場合(比較例2)、大径粒子のみ外添された場合(比較例3)、大径粒子が荷電制御剤で被覆されていない場合(比較例4)、及び、平均粒径の異なる2種以上の外添剤が添加されており、小径粒子の平均粒径が5〜30nmより外れる外添剤を添加したトナーを用いた場合(比較例5)については、初期から帯電性、転写性が不十分であったため実験を中止した。
また上記システムのクリーニングブレードを除去し、ブラシを付加し、帯電装置をロール帯電装置に変更して実施例1のトナー粒子B(Kuro)を検討した。
その結果、初期は勿論2万枚コピー後も初期同様鮮明な画像を呈し、画像上の問題は発生しなかった。
さらに上記システムにおいてブレード及びブラシクリーニングを一切用いないでスコロトロン帯電器を用いて実施例1のトナー粒子(Kuro)を検討した。
その結果、初期は勿論2万枚コピー後も初期同様鮮明な画像を呈し、画像上の問題は発生しなかった。
転写ベルトの表面材質をPFAに変更し、裏面から加熱する装置を付与し、転写同時定着を試みた。
実施例1の4色のトナーを用いて4色作成し、色を組み合わせて検討したところ、写真画質に近い鮮明な高画質を得ることができた。
キャリアの体積固有抵抗値を測定する方法を説明するための概略説明図である。
符号の説明
2 上部電極
3 測定試料
4 下部電極
5 高電圧抵抗計

Claims (9)

  1. 少なくとも、結着樹脂、着色剤、及び、離型剤を含むトナー粒子と、外添剤と、を含む静電潜像現像用トナーであって、該外添剤が、少なくとも体積平均粒径が5nm〜21nm酸化チタン又は酸化ケイ素からなる小径粒子、及び、体積平均粒径が100nm以上トナー粒子径以下の大径粒子からなり、該大径粒子が荷電制御剤にて表面処理されていることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  2. 前記小径粒子をトナー粒子100質量部に対して0.2〜3質量部、前記大径粒子をトナー粒子100質量部に対して0.3〜4質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 前記大径粒子の粒度分布が、該大径粒子の体積平均粒径をd50としたときに、0.3×d50〜3×d50の範囲内にある粒子の割合が60質量%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用トナー。
  4. 前記荷電制御剤が、分子内に4級アンモニウム塩構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナー。
  5. 前記大径粒子が、アルコキシシラン及びアルコキシシランから生成されるオルガノシラン化合物の少なくとも1種、又は、ポリシロキサンにより被覆されており、且つ、前記荷電制御剤にて表面処理されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナー。
  6. 前記荷電制御剤による表面処理量が、前記大径粒子質量に対して0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナー。
  7. 平均形状係数SF1が100〜140の範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナー。
  8. キャリヤとトナーとを含む静電潜像現像用現像剤において、該キャリヤが芯材上に導電材料が分散含有された樹脂被覆層を有し、且つ、該トナーが請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の静電潜像現像用トナーであることを特徴とする静電潜像現像用現像剤。
  9. 少なくとも、静電潜像担持体を一様に帯電させる帯電工程、該静電潜像担持体表面に露光して静電潜像を形成する静電潜像形成工程、該静電潜像を、トナーを含む現像剤を用いてトナー画像とする現像工程、形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程、転写後に静電潜像担持体表面に残留した該トナーを回収するクリーニング工程、及び転写された該トナー画像を被記録体に定着する定着工程を有する画像形成方法において、
    該現像剤が、請求項8に記載の静電潜像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
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