JP2004109909A - 静電荷像乾式トナー組成物、静電潜像現像用現像剤及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トナー流動性、帯電性、現像性、転写性、クリーニング性、定着性を同時に、且つ長期に渡り満足でき、画像の表面光沢性、折り曲げ耐性に対して優れる画像を得ることができる静電荷像乾式トナー組成物及びそれを用いた静電潜像現像剤を提供すること。
【解決手段】結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有する静電荷像乾式トナー組成物であって、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されていることを特徴とする静電荷像乾式トナー組成物及びそれを用いた静電潜像現像剤により課題は解決される。
【選択図】 なし
【解決手段】結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有する静電荷像乾式トナー組成物であって、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されていることを特徴とする静電荷像乾式トナー組成物及びそれを用いた静電潜像現像剤により課題は解決される。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法において、静電潜像の現像のために使用する静電荷像乾式トナー組成物、静電潜像現像用現像剤及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法は、潜像担持体(感光体)上に形成された静電潜像を着色剤を含むトナーで現像し、得られたトナー像を転写体上へ転写し、これを熱ロール等で定着することにより画像が得られ、他方、その潜像担持体は再び静電潜像を形成するためにクリーニングされるものである。このような電子写真法等に使用される乾式現像剤は、結着樹脂に着色剤等を配合したトナーを単独で用いる一成分現像剤と、そのトナーにキャリヤを混合した二成分現像剤とに大別される。
【0003】
1980年代の後半から、電子写真の市場はデジタル化をキーワードとして小型化、高機能要求が強く、特にフルカラー画質に関しては高級印刷、銀塩写真に近い高画質品位が望まれている。
高画質を達成する手段としてデジタル化処理が不可欠であり、このような画質に関するデジタル化の効能として、複雑な画像処理が高速で行える事が挙げられている。この事により、文字と写真画像を分離して制御することが可能となり、両品質の再現性がアナログ技術に比べ大きく改善されている。特に写真画像に関しては階調補正と色補正が可能になった点が大きく、階調特性、精細度、鮮鋭度、色再現、粒状性の点でアナログに比べ有利である。しかし、一方、画像出力としては光学系で作成された潜像を忠実に作像する必要があり、トナーとしては益々小粒径化が進み忠実再現を狙った活動が加速されている。しかし、単にトナーの小粒径化だけでは、安定的に高画質を得る事は困難であり、現像、転写、定着特性における基礎特性の改善が更に重要となっている。
【0004】
特にカラー画像では3色もしくは4色のカラートナーを重ね合わせ画像を形成している。それゆえにこれら何れかのトナーが現像、転写、定着の観点で初期と異なる特性、あるいは他色と異なる性能を示すと色再現の低下、あるいは粒状性悪化、色むら等の画質劣化を引き起こす事となる。安定した高品質の画像を初期同様に経時においても維持するためには各トナーの特性を如何に安定制御を行うかが重要である。
【0005】
また、一般に、離型剤成分は、定着時の低温オフセットを防止する目的でポリオレフィン系ワックスを内添する。これとあわせて定着ローラに微量のシリコーンオイルを均一に塗布して、高温オフセット性の向上を図っている。その結果、出力された転写材にシリコーンオイルが付着し、これを取り扱う際にべたつきの不快感がある。それ故、シリコーンオイルの塗布は好ましくない。
これを解決するために、トナー中に大量の離型剤成分を内包させたオイルレス定着用のトナーが提案された(例えば、特許文献1参照。)。しかし、このトナーは、多量の離型剤を内包するため、剥離性はある程度改善されたが、結着樹脂と離型剤が相溶し、定着時に離型剤が均一で安定に染み出させることができず、剥離の安定性は得にくい。また、結着樹脂の凝集力が結着樹脂の重量分子量やガラス転移温度に依存するため、トナー定着時における曳糸性、凝集性を直接的に制御することは難しい。さらに、離型剤の遊離成分が帯電阻害の原因となることもある。
【0006】
これらの問題を解決する方法として、結着樹脂の剛直性を高分子量成分の添加によって改善する方法や(例えば、特許文献2又は3参照。)、結着樹脂に化学架橋を導入して剛直性を補填し、トナーの定着温度における曳糸性を減少させ、オイルレス定着における剥離性を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献4又は5参照。)。
しかし、結着樹脂に架橋剤成分を単に添加しても、トナーの粘性、即ち溶融時の凝集力は大きくなり、結着樹脂自体の剛直性が増加して、オイルレス定着時の剥離における温度依存性やトナー載り量の依存性はある程度改善できるものの、定着画像の表面光沢性を同時に得ることは困難であった(例えば、特許文献6又は7参照。)。さらに、定着画像の折り曲げ耐性も乏しくなる。また、架橋剤の分子量を大きくしただけでも、絡み合い点間分子量は確かに大きくなり、定着像自体の可撓性は若干向上するが、弾性と粘性の適切なバランスを得ることは難しく、結果としてオイルレス定着における剥離の温度依存性や、トナー載り量の依存性と定着像表面の光沢性を両立させることは困難である(例えば、特許文献8参照。)。さらに、ある程度の画像光沢を発現させながら、画像光沢の色間差を抑制することも困難である。特に、省エネルギータイプの定着装置やプリント速度の速いタイプの複写機やプリンターに用いた場合、満足な定着画像を得ることができなかった。
また、トナー中に高分子微粒子や無機微粒子を添加し、定着時の高温オフセット性を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献9参照。)。しかし、単にトナー中に無機微粒子を添加しただけでは、無機微粒子のフィラー効果により定着に際してトナー結着樹脂の溶融時におけるタフネスは上昇し、高温オフセットの防止や剥離性の改善には効果を発現する。しかし、同時に溶融トナーの流動性が低下し、低温オフセット性、定着画像の光沢性を損なうことがあり、さらに、定着画像の折り曲げ耐性を低下させることもある。さらにまた、無機微粒子の添加量によっては、単にトナー溶融時の粘性だけを増加させ、剥離性の改善にはつながらない場合があった。
【0007】
粒径の異なる無機微粒子2種をトナーに内添することにより、良好な定着特性、表面光沢性が得られる方法が提案されている(例えば、特許文献10参照。)。しかし、無機微粒子を内添させただけでは、分散性が不十分であり、無機微粒子の効果を十分に発揮できていない。
また、疎水性処理された内添微粒子を用いることにより、高湿度下での帯電量を向上させることができ、さらにはかぶり等が発生し難くなることが公知であるが、これまでの提案されている方法での疎水化処理は不均一であり、その効果は不十分である。
ところで、トナーは現像される静電潜像の極性に応じて、正又は負の電荷を有する必要がある。トナーに電荷を保有せしめるためには、トナーの成分である樹脂の摩擦帯電性を利用することも出来るが、この方法ではトナーの帯電が安定しないので、濃度の立ち上がりが遅く、カブリ易い。そこで、所望の摩擦帯電性をトナーに付与するため、またトナーの帯電をより向上安定化せしめるために帯電制御剤を添加することが行われている。
今日、当該技術分野で知られている帯電制御剤としては、負摩擦帯電性帯電制御剤として、モノアゾ染料の金属錯塩,ヒドロキシカルボン酸,ジカルボン酸,芳香族ジオール等の金属錯塩,酸成分を含む樹脂等が知られている。また、正摩擦帯電性帯電制御剤として、ニグロシン染料,アジン染料,トリフェニルメタン系染顔料,4級アンモニウム塩,4級アンモニウム塩を側鎖に有するポリマー等が知られている。
しかしながら、帯電制御剤によっては、画像濃度とカブリのバランスがとりにくい、高湿環境で十分な画像濃度を得にくい、樹脂への分散性が悪い、保存安定性,定着性,耐オフセット性に悪影響を与える等の欠点を有し、樹脂への分散性、保存安定性などの改善の方法が提案されているが、まだ改善が不十分である(例えば、特許文献11又は12参照。)。
【0008】
一方、特にトナーは現像器内で攪拌され、トナー表面の微細構造変化が容易に起こり、転写性を大きく変えることが報告されている(例えば、特許文献13参照。)。
近年では省スペースの観点から装置の小型化、環境保護の観点から廃棄トナーを少なくする、潜像担持体の寿命を延命化する等の目的から、クリーニングシステムを省略して、転写後の感光ドラム上に残留するトナーを同感光ドラム上に接触するブラシで分散し、その分散されたトナーを現像器で現像と同時回収するクリーナ−レスシステムが提案されている(例えば、特許文献14参照。)。
一般的には、このように現像と同時に残留トナーを回収すると、回収されたトナーとその他のトナーとの帯電特性が異なり、回収されたトナーが現像されずに現像器内に蓄積する等の不具合を生じるため、更に転写効率を上げ、回収するトナー量を最小限に制御する事が必要となる。
また、流動性、帯電性、及び転写性を向上させるために、トナー形状を球形に近づけることが提案されている(例えば、特許文献15参照。)。
しかしながら、トナーを球形化することにより、以下のような不具合を生じやすくなる。現像器には現像剤搬送量を一定に制御するために搬送量制御板が設けられており、そしてマグロールと搬送量制御板との間隔を変えることにより現像剤搬送量を制御している。しかし球形トナーを用いると現像剤としての流動性が上がり、また同時に固め嵩密度が高くなる。その結果として搬送規制部位にて現像剤だまりが起こり、搬送量が不安定になるという現象が起こる。マグロール上の表面粗さを制御するとともに制御板とマグロールの間隔を狭くする事により搬送量の改善は可能であるが現像剤だまりによるパッキング性は益々強くなり、それに応じてトナーに加わる応力も強くなる。このことによりトナー表面の微細構造変化、特に外添剤の埋没あるいは剥がれ等が容易に起こり、現像、転写性を初期と大きく変えてしまう問題を生じる不具合が確認されている。
これらを改善するために球形トナーと非球形トナーをそれぞれ組み合わせパッキング性を抑制し、高画質を達成できることが報告されている(例えば、特許文献16参照。)。
しかし、これらはパッキング性抑制に関しては効果的ではあるが、非球形トナーが転写残として残りやすく、高転写効率を達成することは出来ない。また現像同時回収を行う場合は転写残である非球形トナーを回収するため、非球形トナーの割合が増え、益々転写効率を低下させる問題を引き起こす。
また球形トナーの現像性、転写性、クリーニング性の向上を図るために、平均粒径5mμ以上20mμ未満の粒子と平均粒径20mμ以上40mμ以下の粒子のそれぞれ粒径が異なる二種類の無機微粒子を併用し、特定量添加することが開示されている(例えば、特許文献17参照。)。
これらは初期的には高い現像性、転写性、クリーニング性を得ることができるが、いずれにおいても経時においてトナーに加わる力を軽減することができないことから、外添剤の埋没あるいは剥がれ等が容易に起こり、現像、転写性を初期と大きく変えてしまうものである。
一方、このようなストレスに対して、トナーへの外添剤埋没を抑制するために、大粒径の無機微粒子を用いることが有効であることが開示されている(例えば、特許文献18〜20参照。)。
しかし、いずれも無機微粒子は比重が大きいために外添剤粒子を大きくすると現像器内攪拌ストレスにより、外添剤の剥がれ等を避けられないものとなってしまう。また無機微粒子は完全な球形形状を呈していないため、トナー表面上に付着させた場合、外添剤の穂立ちを一定に制御することは困難である。この事により、スペーサーとして機能するミクロな表面凸形状にバラツキが起こり、選択的に凸部分にストレスが加わることから、外添剤の埋没あるいは剥がれ等は更に加速されるため充分ではない。
また、有効にスペーサー機能を発現させるために、50〜200nmの有機微粒子をトナーに添加する技術が開示されている(例えば、特許文献21参照。)。
球形有機微粒子を用いることにより、初期的には有効にスペーサー機能を発現させることが可能である。ただし有機微粒子は経時ストレスに対して埋没、剥がれは少ないものの、有機微粒子自身が変形するために高いスペーサー機能を安定的に発現することは困難である。また有機微粒子をトナー表面に多くつける、あるいは大粒径の有機微粒子を用いることにより、スペーサー効果を得ることも考えられるが、その際は有機微粒子の特性が大きく反映されてしまう。即ち、無機微粒子添加トナーの流動性阻害及び熱凝集悪化等の粉体特性への影響、及び有機微粒子そのもの自身が帯電付与能力を有しており、帯電の観点での制御自由度が低くなってしまうという帯電、現像への影響が発生する。
また最近では、カラー化、特にオンデンマンド印刷の要求が高く、高速枚数複写対応のため転写ベルトに多色像を形成し、一度にその多色像を像固定材料に転写し、定着する手法が報告されている(例えば、特許文献22参照。)。
感光体から転写ベルトに転写する工程を一次転写、転写ベルトから転写体へ転写する工程を二次転写とすると二度の転写を繰り返すことになり、益々転写効率向上技術が重要となってくる。特に二次転写の場合は多色像を一度に転写すること、また転写体(例えば用紙の場合、その厚み、表面性等)が種々変わることから、その影響を低減するために帯電、現像、転写性を極めて高く制御する必要がある。
また消費電力、スペースの削減、及び高画質画像を得るために、カラー各色を中間転写体へ転写し、転写体へ転写と同時に定着する技術が開示されている(例えば、特許文献23又は24参照。)。
ここで重要な点は転写ベルトが転写機能と定着機能の両方の機能を兼ね備える必要がある。即ち一次転写部分では冷却された状態で転写性を向上し、二次転写同時定着部分では瞬時に熱を伝える必要があることから、ベルト材質は耐熱性の高い薄層ベルトが使用されることとなる。ここでトナーに求められる機能としては転写効率を極めて高いものに制御すること及び定着時に強い圧力を加えることが出来ないことから低圧力定着に順応するトナーの提供が求められる。またベルト表面は転写機能も有する事から定着時のトナー汚染、外添剤等によるキズを極力少なくすることが重要である。
一方、キャリヤの体積固有抵抗を制御して高画質、特にハーフトーン、黒ベタ、文字を忠実に再現する方法が提案されている(例えば、特許文献25〜27参照。)。
これらの方法ではいずれもキャリヤ被覆層の種類や被覆量により抵抗調整を行っており、初期的には狙いの体積固有抵抗が得られ高画質が発現するものの、現像器中のストレスにおいてキャリヤ被覆層の剥がれ等が発生し、体積固有抵抗が大きく変化する。従って、高画質を長期にわたり発現することは困難である。
また一方、キャリヤ被覆層中にカーボンブラックを添加して体積固有抵抗を調整する方法が提案されている(例えば、特許文献28参照。)。
本手法により、被覆層の剥がれによる体積固有抵抗の変化は抑えられるものの、トナーに添加されている外添剤又はトナー構成成分がキャリヤに付着し、キャリヤの体積固有抵抗を変化させてしまい、上述のキャリヤ同様長期にわたり高画質を発現することは困難であった。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−61239号公報
【特許文献2】
特開平4−69666号公報
【特許文献3】
特開平9−258481号公報
【特許文献4】
特開昭59−218460号公報
【特許文献5】
特開昭59−218459号公報
【特許文献6】
特開昭59−218460号公報
【特許文献7】
特開昭59−218459号公報
【特許文献8】
特開昭59−218460号公報
【特許文献9】
特開平4−69664号公報
【特許文献10】
特開2002−82473号公報
【特許文献11】
特開平9−152746号公報
【特許文献12】
特開2001−109200号公報
【特許文献13】
特開平10−312089号公報
【特許文献14】
特開平5−94113号公報
【特許文献15】
特開昭62−184469号公報
【特許文献16】
特開平6−308759号公報
【特許文献17】
特開平3−100661号公報
【特許文献18】
特開平7−28276号公報
【特許文献19】
特開平9−319134号公報
【特許文献20】
特開平10−312089号公報
【特許文献21】
特開平6−266152号公報
【特許文献22】
特開平8−115007号公報
【特許文献23】
特開平10−213977号公報
【特許文献24】
特開平8−44220号公報
【特許文献25】
特開昭56−125751号公報
【特許文献26】
特開昭62−267766号公報
【特許文献27】
特公平7−120086号公報
【特許文献28】
特開平4−40471号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の上記のような実情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、トナー流動性、帯電性、現像性、転写性、クリーニング性、定着性を同時に、且つ長期に渡り満足でき、画像の表面光沢性、折り曲げ耐性に対して優れる画像を得ることができるとともに、潜像担持体摩耗を促進させるブレードクリーニング工程を有さず、現像と同時に転写残トナーを回収する、あるいは静電ブラシを用い潜像担持体上の残留トナーを回収する不具合を改善した静電潜像現像用トナー、その製造方法、それを用いた静電潜像現像剤を提供することにある。本発明の他の目的は高画質要求に対応する現像、転写、定着が可能な画像形成方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、トナーに特定の無機化合物微粉末を用いることにより、上記の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
<1>結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有する静電荷像乾式トナー組成物であって、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されていることを特徴とする静電荷像乾式トナー組成物である。
【0012】
<2>前記体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末のうち、1種の体積平均一次粒径が5nm以上30nm未満であり、他の1種の体積平均一次粒径が30nm以上70nm未満であることを特徴とする<1>に記載の静電荷像乾式トナー組成物である。
【0013】
<3>前記帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末の表面は、帯電制御剤により0.5〜5nmの厚みで被覆されていることを特徴とする<1>又は<2>に記載の静電荷像乾式トナー組成物である。
【0014】
<4>前記帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末は、無機化合物微粉末表面がアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はポリシロキサンによって被覆されていると共に前記被覆に帯電制御剤が付着していることを特徴とする<1>乃至<3>のいずれか1つに記載の静電荷像乾式トナー組成物である。
【0015】
<5>前記体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末のうち、少なくとも1種が比重1.2〜1.9、体積平均一次粒径80〜300nmの球形シリカであることを特徴とする<1>乃至<4>のいずれか1つに記載の静電荷像乾式トナー組成物である。
【0016】
<6>前記トナー粒子の形状係数SF1(ML2/A)が、100〜140の形状を有するトナー組成物であることを特徴とする<1>乃至<5>のいずれか1つに記載の静電荷像乾式トナー組成物である。
【0017】
<7>キャリヤとトナー組成物とを含有する静電潜像現像用現像剤であって、前記キャリヤが、芯材表面に、マトリックス樹脂中に導電材料が分散含有された樹脂被覆層を有するキャリヤであり、且つ、前記トナー組成物は、結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有し、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されているトナー組成物であることを特徴とする静電潜像現像用現像剤である。
【0018】
<8>前記帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末の表面は、帯電制御剤により0.5〜5nmの厚みで被覆されていることを特徴とする<7>に記載の静電潜像現像用現像剤である。
【0019】
<9>前記帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末は、無機化合物微粉末表面がアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はポリシロキサンによって被覆されていると共に前記被覆に帯電制御剤が付着していることを特徴とする<7>又は<8>に記載の静電潜像現像用現像剤である。
【0020】
<10>前記体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末のうち、1種の体積平均一次粒径が5nm以上30nm未満であり、他の1種の体積平均一次粒径が30nm以上70nm未満であることを特徴とする<7>乃至<9>のいずれか1つに記載の静電潜像現像用現像剤である。
【0021】
<11>前記トナー粒子の形状係数SF1(ML2/A)が、100〜140の形状を有するトナー組成物であることを特徴とする<7>乃至<10>のいずれか1つに記載の静電潜像現像用現像剤である。
【0022】
<12>潜像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体上を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段と、転写されたトナー像を記録材上に定着する定着手段とを有する画像形成装置を用いて画像を形成するカラー画像形成方法であって、前記トナー組成物は、結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有し、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されているトナー組成物であり、前記転写手段は、各色トナーを潜像担持体にそれぞれ現像し、転写ベルトあるいは転写ドラムに転写したのちに、各色トナーを一度に記録材へ転写することを特徴とするカラー画像形成方法である。
【0023】
<13>潜像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体上を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段と、転写後に潜像担持体上に残留したトナーを除くクリーニング手段と、転写されたトナー像を記録材上に定着する定着手段とを有する画像形成装置を用いて画像を形成する画像形成方法であって、前記トナー組成物は、結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有し、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されており、かつ、前記トナー粒子はSF1(ML2/A)が100〜140の形状を有してなるトナー組成物であり、前記クリーニング手段は、潜像担持体をブレードで摺擦することなしに静電ブラシを用いて潜像担持体上の残留トナーを回収することを特徴とする画像形成方法である。
【0024】
<14>潜像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体上を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段と、転写後に潜像担持体上に残留したトナーを除くクリーニング手段と、転写されたトナー像を記録材上に定着する定着手段とを有する画像形成装置を用いて画像を形成する画像形成方法であって、前記トナー組成物は、結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有し、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されており、かつ、前記トナー粒子はSF1(ML2/A)が100〜140の形状を有してなるトナー組成物であり、前記クリーニング手段は、潜像担持体をブレードで摺擦することなしに現像装置を用い潜像担持体上の残留トナーを回収することを特徴とする画像形成方法である。
【0025】
<15>潜像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体上を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を中間転写体に転写し、前記トナー像を記録材に転写すると同時に定着する転写定着手段とを有する画像形成装置を用いて画像を形成するカラー画像形成方法であって、前記トナー組成物は、結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有し、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されているトナー組成物であり、前記転写定着手段は、各色トナーを潜像担持体にそれぞれ現像し、中間転写体に転写したのちに、各色を一度に記録材へ転写と同時に定着することを特徴とするカラー画像形成方法である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の静電荷像乾式トナー組成物について説明する。なお、本発明の静電荷像乾式トナー組成物を単にトナーと称することがある。
トナーは内添微粒子として、帯電制御剤で表面を均一に被覆された無機化合物微粉末を含むことが必要である。
【0027】
無機化合物微粉末を帯電制御剤で処理することにより、無機化合物微粉末の樹脂への相溶性が改善し、定着特性や表面光沢性を向上させることが可能となり、また無機化合物微粉末(特にシリカ)の、過剰な帯電上昇は抑制でき、帯電レベルを低く制御するなど帯電特性の改善が可能となる。つまり、無機化合物微粉末がトナーに摩擦帯電性を付与することをできるだけ排除し、トナーの摩擦帯電性を低下させるような悪影響を与えることなく、トナーの環境依存性、定着性などを改善することができる。帯電制御剤の無機化合物微粉末表面への均一な被覆は、これら作用を有効に引き出すことができる。内添微粒子は、その体積平均一次粒径が0.005〜0.2μmであることが好ましく、0.005〜0.1μmであることがより好ましく、0.005〜0.07μmであることがさらに好ましい。特に無機化合物微粉末として酸化ケイ素を用いるときに効果が最大限に発揮される。
【0028】
そして、本発明においては、外添剤として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されていることが好ましい。体積平均一次粒径が小さい方の外添剤は粒子径が5以上30nm未満、平均粒子径の大きい方の外添剤は体積平均一次粒径が30以上70nm未満の範囲が好ましい。この範囲に設定した外添構成により、使用初期における小粒径トナー(体積平均粒径8μm以下)の流動性、帯電性、転写性がバランスよく制御できる。平均粒子径の小さい方の外添剤の添加量はトナー100質量部に対して0.3〜3質量部であることが好ましく、0.5〜1.5質量部であることがより好ましい。0.3質量部未満では十分な流動性が得られず、3質量部より大きいとトナー帯電維持性が低下する。平均粒子径の大きい方の外添剤の添加量はトナー100質量部に対して0.3〜4質量部であることが好ましく、0.5〜1.8質量部であることがより好ましい。0.3質量部未満では十分な転写性が得られず、4質量部より大きいとトナー流動性の悪化、帯電維持性への悪化が避けられない。
【0029】
現像・転写は、現像剤の均一な搬送性、転写時の電流等にも影響されるが、基本的にはトナー粒子を担持する担体の束縛力からトナー粒子を引き離し、対象体(潜像担持体または転写材)に付着させる工程であるので、静電引力およびトナー粒子と帯電付与部材あるいはトナー粒子と潜像担持体の付着力のバランスに左右される。このバランスの制御は非常に困難であるが、この工程は、直接画質に影響する上、効率を向上させると、信頼性の向上およびクリーニングレス等による省力化などが見込まれるので、上記工程においてはより高い現像・転写性が要求される。現像・転写は、F静電引力>F付着力の際に起こる。したがって、現像・転写の効率を向上させるには、静電引力を上げる(現像・転写力を強める)か、または付着力を下げる方向に制御すればよいが、現像・転写力を強める場合、例えば転写電場を高くすれば逆極トナーが発生する等、2次障害を起こしやすい。したがって、付着力を下げる方が有効である。
【0030】
付着力としてはファンデルワールス力(Van der Waals 力:非静電的付着力)およびトナー粒子の持つ電荷による鏡像力があげられるが、両者の間には1オーダー近いレベル差があり、ほとんどファンデルワールス力で議論されるものと解釈できる。球状粒子間のファンデルワールス力Fは、下記の式で表される。
【0031】
F=H・r1 ・r2 /6(r1 +r2 )・a2
【0032】
(H:定数、r1 、r2 :接触する粒子の半径、a:粒子間距離)
付着力の低減のため、トナー粒子に比べrが非常に小さい微粉末をトナー粒子および潜像担持体表面または帯電付与部材表面の間に介在させることにより、各々に距離aを持たせ、さらに接触面積(接触点数)を減少させる手法が有効であり、その効果を安定に持続する手段として本発明における比重1.2〜1.9、体積平均一次粒径80〜300nm単分散球形シリカを用いることが有効であることを更に見出した。比重としては1.9以下に制御することでトナーからの剥がれ、また1.2以上に制御することで凝集分散を抑制できるものである。また単分散且つ球形であることからトナー表面に均一に分散し、安定したスペーサー効果が得ることができる。単分散の定義としては凝集体を含め平均粒径に対する標準偏差で議論することができ、標準偏差としてD50×0.22以下であることが望ましい。球形の定義としてはWadellの球形度で議論ができ球形化度が0.6以上、好ましくは0.8以上であることが望ましい。またシリカに限定する理由として屈折率が1.5前後であり、粒径を大きくしても光散乱による透明度の低下、特にOHP上への画像採取時のPE値等に影響を及ぼさないことが上げられる。
【0033】
一般的なフュームドシリカは比重2.2であり、粒径的にも最大50nmが製造上から限界である。また凝集体として粒径を上げることは出来るが均一分散、安定したスペーサー効果が得られない。一方、他の代表的な無機微粒子としては酸化チタン(比重4.2、屈折率2.6)、アルミナ(比重4.0、屈折率1.8)、酸化亜鉛(比重5.6、屈折率2.0)を上げることができるがいずれも比重が高く、スペーサー効果を有効に発現する粒径80nmより大きくするとトナーからの剥がれが起こりやすくなり、剥がれた粒子が帯電付与部材、あるいは潜像担持体等へ移行しやすくなり帯電低下あるいは画質欠陥を引き起こす。またその屈折率も高いため大粒径無機物を用いることはカラー画像作成にはあまり適さない。
【0034】
本発明において外添剤はトナー粒子に添加し、混合されるが、混合は、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサーやレディゲミキサー等の公知の混合機によって行うことができる。
【0035】
また、この際必要に応じて種々の添加剤を添加しても良い。これらの添加剤としては、他の流動化剤やポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等のクリーニング助剤もしくは転写助剤等があげられる。比重1.2〜1.9、体積平均一次粒径80〜300nmの単分散球形シリカの添加量はトナー100質量部に対して0.5〜5質量部であることが好ましく、1〜3質量部であることがより好ましい。0.5未満では十分な転写性向上が得られず、5質量%より大きいとトナー流動性の悪化、帯電性への悪化が避けられない。
【0036】
また、トナーへの外添方法として、2種類以上の無機酸化物微粉末と比重1.2〜1.9、体積平均一次粒径80〜300nmの単分散球形シリカを同時に添加混合してもよい。
【0037】
また添加方法を種々検討したところ、比重1.2〜1.9、体積平均一次粒径80〜300nmの単分散球形シリカを先ず混合し、それより弱いシアで他の無機酸化物微粉末を添加することにより、本発明の効果を高く得る事ができた。
また、外添混合後に篩分プロセスを通しても一向にかまわない。
【0038】
また、球形トナーを用いた場合、必然的に現像器内の搬送規制部位でパッキング性が上がり、それに伴いトナー表面だけでなくキャリヤにも強い力が加わる事になる。そこでキャリヤの樹脂被覆層に導電材料を分散含有することにより、樹脂被覆層の剥がれが発生しても、体積固有抵抗を大きく変化させることなく、結果として長期にわたる高画質の発現を可能とすることができることを見出した。
【0039】
また、ブレードクリーニング方式が高い性能安定性を有することから一般的に使用されているが、本発明のトナーを用いることにより、静電ブラシを用いて潜像担持体上の残留トナーを回収することが可能となり、潜像担持体の摩耗Lifeを大きく伸ばすことが可能となる。
【0040】
また、本発明のトナーを用いることによりクリーニングシステムを潜像担持体上に設けることなく、残留トナーを再度現像器中に回収した場合も特異的なトナーが選択的に蓄積することがなく安定した現像、転写、定着性能を得ることが可能となる。
【0041】
更には、本発明のトナーを用いることにより、各色を潜像担持体にそれぞれ現像し、中間転写体に転写したのちに、各色を一度に記録材へ転写と同時に定着することにより、高画質画像を得ることができる。また特にOHP上への画像採取時のPE値等に影響を及ぼさないことが同時に確認されている。
【0042】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明に係る帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末の製造法について述べる。
本発明に係る帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末は、例えば酸化ケイ素微粉末とアルコキシシラン又はポリシロキサンを混合し、酸化ケイ素微粉末の粒子表面をアルコキシシラン又はポリシロキサンによって被覆し、次いで、アルコキシシラン又はポリシロキサンによって被覆された酸化ケイ素微粉末と帯電制御剤を混合することによって得ることができる。
無機化合物微粉末のアルコキシシラン又はポリシロキサンによる被覆は、無機化合物微粉末とアルコキシシラン又はポリシロキサンとを機械的に混合攪拌したり、無機化合物微粉末にアルコキシシラン又はポリシロキサンを噴霧しながら機械的に混合攪拌すればよい。添加したアルコキシシラン又はポリシロキサンは、ほぼ全量が無機化合物微粉末の粒子表面に被覆される。
【0043】
なお、被覆されたアルコキシシランは、その1部が被覆工程を経ることによって生成する、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物として被覆されていてもよい。この場合においてもその後の帯電制御剤の付着に影響することはない。
【0044】
無機化合物微粉末とアルコキシシラン又はポリシロキサンとの混合攪拌や前記帯電制御剤と粒子表面にアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はポリシロキサンが被覆されている無機化合物微粉末との混合攪拌をするための機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、殊に、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール形混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることができる。本発明の実施にあたっては、ホイール型混練機がより効果的に使用できる。上記ホイール型混練機としては、具体的に、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラーであり、より好ましくはエッジランナーである。上記ボール型混練機としては、具体的に、振動ミル等がある。上記ブレード型混練機としては、具体的に、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウタミキサー等がある。上記ロール型混練機としては、具体的に、エクストルーダー等がある。
【0045】
混合撹拌時における条件は、無機化合物微粉末の粒子表面にアルコキシシラン又はポリシロキサンができるだけ均一に被覆されるように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5〜120分、好ましくは10〜90分の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0046】
アルコキシシラン又はポリシロキサンの添加量は、無機化合物微粉末100質量部に対して0.15〜45質量部が好ましい。0.15質量部未満の場合には、目的とする帯電制御剤で均一に表面を被覆した無機化合物微粉末を得られるだけの帯電制御剤を付着させることが困難である。0.15〜45質量部の添加量により、無機化合物微粉末100質量部に対して帯電制御剤を3〜30質量部付着させることができるので、45質量部を超えて必要以上に添加する意味がない。
【0047】
次いで、アルコキシシラン又はポリシロキサンを被覆した酸化ケイ素微粉末に帯電制御剤を添加し、混合攪拌して、アルコキシシラン被覆又はポリシロキサン被覆に帯電制御剤を付着させる。必要により更に、乾燥乃至加熱処理を行ってもよい。
帯電制御剤は、少量ずつを時間をかけながら、殊に5〜60分間程度をかけて添加するのが好ましい。
【0048】
混合攪拌時における条件は、帯電制御剤が均一に付着するように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5〜120分、好ましくは10〜90分の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0049】
帯電制御剤の添加量は、無機化合物微粉末100質量部に対して3〜30質量部である。好ましくは3〜15質量部である。帯電制御剤の添加量が上記範囲外の場合には、目的とする帯電制御剤で均一に表面を被覆した無機化合物微粉末が得られない。
【0050】
乾燥乃至加熱工程における加熱温度は、通常40〜150℃が好ましく、より好ましくは60〜120℃である。処理時間は10分〜12時間が好ましく、30分〜3時間がより好ましい。
【0051】
無機化合物微粉末の被覆に用いられたアルコキシシランは、これらの工程を経ることにより、最終的にはアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物となって被覆されている。
【0052】
内添微粒子としては、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属酸化物やセラミック粒子など、またその他公知のものが挙げられる。これらの中でも、結着樹脂との屈折率差が小さい、シリカ微粒子、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウムを主体としたものであることが好ましく、シリカ系微粒子であることが特に好ましい。これらを単独、または2種以上併用することも可能であるが、その場合に、結着樹脂との屈折率差が大きい微粒子を大量に用いると画像の発色性が損なわれることがあることから、シリカ微粒子、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウムの合計が、内添微粒子の総量の70%以上であることが好ましい。
また必要に応じて疎水化処理を施したものを使用することができる。
【0053】
疎水化処理に使用することができる疎水化剤としては、例えば、メチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のアルキルクロロシラン類、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のアルキルメトキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等があげられる。
【0054】
これらの内添に用いる無機化合物微粒子は、予め超音波分散機などを用いてイオン界面活性剤の存在下で分散処理して使用される。なお、コロイダルシリカを用いる場合にはこの分散処理を必ずしも必要としない。
【0055】
無機化合物微粉末を被覆する帯電制御剤としては従来公知のものが使用でき、例えば、正帯電制御剤としてニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム基及び/又はアミノ基を含有する樹脂等が、負帯電制御剤としてトリメチルエタン系染料、サリチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等の重金属含有酸性染料、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、カルボキシル基及び/又はスルホニル基を含有する樹脂、等がある。
【0056】
また本発明の比重1.3〜1.9、体積平均一次粒径80〜300nm単分散球形シリカは湿式法であるゾルゲル法により得ることができる。比重は湿式法、且つ焼成することなしに作成するため、蒸気相酸化法に比べ低く制御することができる。また疎水化処理工程での疎水化処理剤種、あるいは処理量を制御することにより更に調整することが可能である。粒径はゾルゲル法の加水分解、縮重合工程のアルコキシシラン、アンモニア、アルコール、水の重量比、反応温度、攪拌速度、供給速度により自由に制御できる。単分散、球形形状も本手法にて作成することにより達成可能となる。具体的にはテトラメトキシシランを水、アルコールの存在下、アンモニア水を触媒として温度をかけながら滴下、攪拌を行う。次に反応により作成されたシリカゾル懸濁液を遠心分離を行い湿潤シリカゲルとアルコール、アンモニア水に分離する。湿潤シリカゲルに溶剤を加え再度シリカゾルの状態にし、疎水化処理剤を加え、シリカ表面の疎水化を行う。疎水化剤としては一般的なシラン化合物を用いることができる。次にこの疎水化処理シリカゾルから溶媒を除去、乾燥、シーブすることにより狙いの単分散シリカを得ることができる。またこの様に得られたシリカを再度処理を行っても構わない。上記シラン化合物は、水溶性であるものが使用できる。このようなシラン化合物としては、化学構造式RaSiX4−a (式中、aは0〜3の整数であり、Rは水素原子、アルキル基及びアルケニル基等の有機基を表し、Xは塩素原子、メトキシ基及びエトキシ基等の加水分解性基を表す。)で表される化合物を使用することができ、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することも可能である。
【0057】
具体的にはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O―(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N―ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert―ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、βー(3,4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γークロロプロピルトリメトキシシランを代表的なものとして例示することができる。本発明における処理剤は、特に好ましくは、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等である。
【0058】
本発明のトナーとしては、体積平均粒径2〜8μmのトナーを用いることができる。
【0059】
トナー粒子の平均形状係数SF1(ML2/A)が100〜140のものを用いることにより高い現像、転写性、及び高画質の画像を得ることができる。
本発明に用いられるトナーは、上記の形状係数と粒径を満足する範囲のものであれば特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。また本発明の無機酸化微粉末の内添方法もトナーの製造方法に応じ、特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。
【0060】
本発明のトナーにおいて、トナー内部に添加される内添微粒子は、トナー製造時に他の原材料と共に添加してもよいが、あらかじめ何らかの処理が行われていてもよい。例えば、水やメタノールなどの樹脂を溶解させない溶媒中に、攪拌や超音波などの分散手段により微粒子を分散させた後、ニーダー等の加熱混練可能な混練機中で80℃から180℃程度で加熱溶融された樹脂に、前記分散体を添加しながら混練し、微粒子を水相から油相(この場合は樹脂相)に転移させ、水分を除去乾燥していく方法(フラッシング法)によってあらかじめ樹脂への分散処理がなされたものであってもよい。また、THFやトルエンなどの樹脂を溶解させる溶媒中に樹脂を溶解させ、攪拌や超音波などの分散手段により微粒子を分散させた後、溶剤を乾燥除去していく方法などによって樹脂への分散処理がなされたものであってもよい。微粒子を分散させる際に、界面活性剤類や塩類などを添加してもよい。なお微粒子に限らず、添加される原料はあらかじめ同様の処理がなされたものであってもよい。
【0061】
トナーの製造は、例えば、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が使用できる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。特に、球状トナーを得る事が容易な湿式製法トナーが好ましく用いられ、さらに、分布がシャープなトナー粒子を得ることができる点で乳化重合凝集法によるトナー粒子が好ましく用いられる。これらのトナー粒子を用いることにより、効果を効率的に発揮できる。
【0062】
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα―メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレンーアクリル酸アルキル共重合体、スチレンーメタクリル酸アルキル共重合体、スチレンーアクリロニトリル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、スチレンー無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等をあげることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等をあげることができる。
【0063】
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
【0064】
離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
【0065】
また、本発明のトナーには、必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。本発明におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナーおよび磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
【0066】
一方、キャリヤは、芯材表面に、マトリックス樹脂中に導電材料が分散含有された樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリヤが好ましく使用される。
マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、スチレンーアクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。また、導電材料としては、金、銀、銅といった金属、また酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料の含有量は、マトリックス樹脂100質量部に対し1〜50質量部であることが好ましく、3〜20質量部であることがより好ましい。
【0067】
キャリヤの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが磁気ブラシ法を用い体積固有抵抗を調整するためには磁性材料であることが好ましい。
芯材の平均粒子径は、一般的には10〜500μmであり、好ましくは30〜100μmである。
【0068】
キャリヤの芯材の表面に樹脂被覆層を形成する方法としては、キャリヤ芯材を、マトリックス樹脂、導電材料及び溶剤を含む被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリヤ芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリヤ芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリヤ芯材と被覆層形成溶液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
【0069】
樹脂被覆層形成用溶液中に使用する溶剤は、該マトリックス樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が使用できる。
また、樹脂被覆層の平均膜厚は、通常0.1〜10μmであるが、本発明においては経時にわたり安定したキャリヤの体積固有抵抗を発現させるため0.5〜3μmの範囲であることが好ましい。
【0070】
上記のように形成されるキャリヤの体積固有抵抗は、高画質を達成するために、通常の現像コントラスト電位の上下限に相当する103 〜104 V/cmの範囲において、106 〜1014Ωcmであることが好ましい。キャリヤの体積固有抵抗が106 Ωcm未満であると細線の再現性が悪く、また電荷の注入による背景部へのトナーかぶりが発生しやすくなる。また、キャリヤの体積固有抵抗が1014Ωcmより大きいと黒ベタ、ハーフトーンの再現が悪くなる。また感光体へ移行するキャリヤの量が増え、感光体を傷つけやすい。また静電ブラシはカーボンブラック、金属酸化物等の導電フィラーを含有させた樹脂あるいは表面に被覆した繊維状の物質が使用できるが、それに限定されるものではない。
【0071】
<画像形成装置>
本発明の画像形成方法においては、画像形成を行う画像形成装置として、潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、を含む画像形成装置が使用される。特に前記潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段、とを複数備えるもの、すなわちタンデム型の画像形成装置が好ましく用いられる。
特に、本発明の画像形成方法において、フルカラー画像を作成する場合には、用紙汎用性、高画質の観点から、各色のカラートナー画像を、被転写体としての中間転写ベルトまたは中間転写ドラム表面に一旦転写して積層させた後、該積層されたカラートナー画像を一度に紙等の記録媒体表面に転写することが好ましい。
【0072】
以下に、本発明において用いられる画像形成装置について、その一例を挙げて説明する。
図1は、本発明において用いられる画像形成装置の一例を示す概略断面図である。この画像形成装置においては、図1に示すように、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンそしてブラックの各色の画像を形成する4つの現像ユニット40Y,40M,40C,40Kが、所定の間隔をおいて並列的に(タンデム状に)配置されている。ここで、各現像ユニット40Y,40M,40C,40Kは、収容されている現像剤中のトナーの色を除き基本的に同様に構成されているので、以下、イエローの現像ユニット40Yを代表させて説明する。
【0073】
イエローの現像ユニット40Yは、像担持体としての感光体ドラム(潜像担持体)1Yを備えており、この感光体ドラム1Yは、当該図1が描かれた紙面に垂直な方向に軸線を有し、図示の矢印A方向に沿って図示しない駆動手段によって所定のプロセススピードで回転駆動されるようになっている。感光体ドラム1Yとしては、例えば、赤外領域に感度を持つ有機感光体が用いられる。
なお、所定の条件により自動で、あるいは、手動で、プロセススピードの切り替えが可能であってもよい。本発明の画像形成方法は、このようにプロセススピードの切り替えが途中で行われるような装置であっても、高画質な画像形成と現像剤の維持性とを実現し得るものである。ここで、「所定の条件により自動」としては、例えば、写真画像等高精細な画像部分を含む画像情報が入力された場合に、高画質な画像を得るため、自動で通常モードから低速モードに切換える場合が挙げられる。
【0074】
図1における感光体ドラム1Yの上部には、ロール帯電方式の帯電器(帯電手段)20Yが設けられており、帯電器20Yには、不図示の電源により所定の電圧が印加され、感光体ドラム1Yの表面が所定の電位に帯電される(帯電器20M,20C,20Kおよび感光体ドラム1M,1C,1Kにおいても同様。)。
【0075】
感光体ドラム1Yの周囲には、帯電器20Yよりも当該感光体ドラム1Yの回転方向下流側に、当該感光体ドラム1Yの表面に画像露光を施して静電潜像を形成する潜像形成手段3Yが配置されている。なお、ここでは潜像形成手段3Yとして、スペースの関係上、小型化が可能なLEDアレイを用いているが、これに限定されるものではなく、他のレーザービーム等による潜像形成手段を用いても勿論問題無い。
【0076】
また、感光体ドラム1Yの周囲には、潜像形成手段3Yよりも当該感光体ドラム1Yの回転方向下流側に、イエロー色の現像器4Yが配置されており、感光体ドラム1Y表面に形成された静電潜像を、イエロー色のトナーによって顕像化され、感光体ドラム1Y表面にトナー画像を形成する構成になっている。
【0077】
図1における感光体ドラム1Yの下方には、感光体ドラム1Y表面に形成されたトナー画像を一次転写する中間転写ベルト15が、4つの感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの下方に渡るように配置されており、この中間転写ベルト15は、一次転写ロール5Yによって感光体ドラム1Yの表面に押し付けられている。また、中間転写ベルト15は、駆動ロール11、支持ロール12およびバックアップロール13の3つのロールからなる駆動手段によって張架され、感光体ドラム1Yのプロセススピードと等しい移動速度で、矢印B方向に周動されるようになっている。そして、中間転写ベルト15表面には、上記のようにして一次転写されたイエローのトナー画像の他、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナー画像が順次一次転写され、積層される。
【0078】
また、感光体ドラム1Yの周囲には、一次転写ロール5Yよりも感光体ドラム1Yの回転方向(矢印A方向)下流側に、感光体ドラム1Yの表面に残留したトナーやリトランスファーしたトナーを清掃するためのクリーニングブレードからなるクリーニング手段6Yが配置されており、クリーニング手段6Yにおけるクリーニングブレードは、感光体ドラム1Yの表面にカウンター方向に当接するように取り付けられている。
【0079】
中間転写ベルト15を張架するバックアップロール13には、中間転写ベルト15を介して二次転写ロール14が圧接されており、中間転写ベルト15表面に一次転写され積層されたトナー画像を、バックアップロール13と二次転写ロール14とのニップ部に、図示しない用紙カセットから給紙される被転写体16表面に、静電的に転写するように構成されている。
【0080】
さらに、中間転写ベルト15の外周には、駆動ロール11の表面に略対応した位置に、中間転写ベルト用の清掃部材17が当該中間転写ベルト15の表面に接触するように配置されている。
【0081】
また、図1における中間転写ベルト15の駆動ロール11の下方には、被転写体16上に多重転写されたトナー画像を、熱及び圧力によって被転写体16表面に転写して、永久像とするための定着器18が配置されている。
【0082】
次に、上記のように構成されたイエロー、マゼンタ、シアンそしてブラックの各色の画像を形成する各現像ユニット40Y,40M,40C,40Kの動作について説明する。各現像ユニット40Y,40M,40C,40Kの動作は、それぞれ同様であるため、ここでは、イエローの現像ユニット40Yの動作を、その代表として説明する。
【0083】
イエローの現像ユニット40Yにおいて、感光体ドラム1Yは、矢印A方向に所定のプロセススピードで回転しており、感光体ドラム1Yの表面は、不図示の電源によって帯電器20Yに所定の電圧を印加することにより、帯電器20Yと感光体ドラム1Yとの間の微小間隙に生じる放電、又は電荷の注入によって、所定の電位にマイナス帯電される。その後、感光体ドラム1Yの表面には、潜像形成手段3Yによって画像露光が施され、画像情報に応じた静電潜像が形成される。続いて、感光体ドラム1Yの表面に形成された静電潜像は、現像器4Yによりマイナス帯電されたトナーが反転現像され、感光体ドラム1Y表面に可視像化され、トナー画像が形成される。その後、感光体ドラム1Y表面のトナー画像は、一次転写ロール5Yにより中間転写ベルト15表面に一次転写される。一次転写後、感光体ドラム1Yは、その表面に残留したトナー等がクリーニング手段6Yのクリーニングブレードにより掻き取られ、清掃され、次の画像形成工程に備える。
【0084】
以上の動作が各現像ユニット40Y,40M,40C,40Kで行われ、各感光体ドラム1Y,1M,1C,1K表面に可視像化されたトナー画像が、次々と中間転写ベルト15表面に多重転写されていく。フルカラーモード時は、イエロー、マゼンタ、シアンそしてブラックの順に各色のトナー画像が多重転写されるが、単色、二色、三色モード時のときも同様の順番で、必要な色のトナー画像のみが単独または多重転写されることになる。その後、中間転写ベルト15表面に単独または多重転写されたトナー画像は、二次転写ロール14により、図示しない用紙カセットから搬送されてきた被転写体16表面に二次転写され、続いて、定着器18において加熱・加圧されることにより定着される。二次転写後に中間転写ベルト15表面に残留したトナーは、中間転写ベルト15用のクリーニングブレードである清掃部材17により清掃される。
【0085】
本発明の画像形成方法に使用する画像形成装置において、各構成部材は、本発明に規定するものの他、特に制限はない。例えば、潜像担持体、中間転写ベルト(あるいは中間転写ドラム)、帯電器等の各構成要素は、公知の如何なるものをも採用することができる。
ただし、前記帯電手段としては、オゾン発生の低減による環境保全性等を高い次元で実現できる点で、ロール帯電方式の帯電器であることが好ましい。
【0086】
また、クリーニング手段6Yとしては、ブレードクリーニング方式のものが、性能安定性に優れることから、一般に好ましく使用されており、上記例においても採用している。球形に近いトナーのクリーニングを可能とするためにはブレードの物理特性制御および接触条件を最適化することが望まれるが、それとともに前記本発明に規定する現像剤、特に既述の単分散球形シリカ、研磨剤および滑剤とを組み合わせた外添剤を添加したトナーを含む現像剤を用いることにより、潜像担持体表面の残留トナーを安定的にクリーニングすることが可能となり、潜像担持体の耐摩耗性による寿命を大きく延ばすことができる。
【0087】
また、クリーニング手段は潜像担持体をブレードで摺擦することなしに静電ブラシを用いてもよい。また、ブレードクリーニング方式の性能安定性が高いことから一般的に使用されているが、本発明のトナーを用いることにより、静電ブラシを用い潜像担持体上の残留トナーを回収することが可能となり、潜像担持体の摩耗Life(寿命)を大きく伸ばすことが可能となる。
前記静電ブラシとしては、カーボンブラック、金属酸化物等の導電フィラーを含有させた樹脂からなる繊維状の物質、あるいは、前記導電性フィラーを表面に被覆した繊維状の物質を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0088】
さらに、前記クリーニング手段は潜像担持体をブレードで摺擦することなしに現像装置を用い潜像担持体上の残留トナーを回収してもよい。
このようにして残留トナーを再度現像器中に回収した場合も特異的なトナーが選択的に蓄積することがなく安定した現像、転写、定着性能を得ることが可能となった。
【0089】
以上、本発明の画像形成方法に使用する画像形成装置の一例の図面を用いて、本発明の画像形成方法について説明したが、本発明は、本発明の構成を具備する限り、他の任意的要素については、公知の知見により如何なる変更・修正をも為し得るものであり、制限されるものではない。
【0090】
本発明はさらに、潜像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体上を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を中間転写体に転写し、前記トナー像を記録材に転写すると同時に定着する転写定着手段とを有する画像形成装置を用いて画像を形成するカラー画像形成方法であって、前記トナー組成物は、結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有し、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されているトナー組成物であり、前記転写定着手段は、各色トナーを潜像担持体にそれぞれ現像し、中間転写体に転写したのちに、各色を一度に記録材へ転写と同時に定着することを特徴とする。
【0091】
すなわち、既述の本発明のトナー組成物を用いた場合には、前記転写定着手段を有する画像形成装置を用いて画像形成を行った場合でも、特にフルカラー画像において高画質な画像を得ることができる。
【0092】
本発明の画像形成方法において、転写工程における中間転写体は、未定着トナー像を保持した状態で所定のトナー像転写定着位置に搬送するものであり、具体的には、ベース層と表面層とから成る2層構造のものが用いられることが好ましい。ベース層としては、抵抗を低く制御するためにカーボンブラック、金属酸化物等の導電性フィラーを含有させた樹脂フィルムを用いることができる。表面層はトナーの離型性をあげるために表面エネルギーの低い材料を用いて作成されたフィルムを用いるのが好ましい。いずれの材料も耐熱フィルムであることが重要であり、PFA(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、シリコーン系等のフィルムを使用することができる。但し、これらに限定されるものではない。
【0093】
本発明の画像形成方法において、転写定着手段における転写定着では、少なくとも加熱により行われるが、加熱加圧して行われることが好ましい。具体的には、例えば、中間転写体上のトナー像を間に挟むように所定の記録媒体を重ね合わせて、重ね合わされた中間転写体、トナー像、及び記録媒体を間に挟んで加熱加圧する一対の加熱加圧部材を用いて行われることが好ましい。加熱加圧部材としては、鉄、ステンレス、銅、アルミニウム、等の金属ロール上にシリコーンゴムなどの耐熱弾性層を形成したロールに、ハロゲンランプ等の熱源を内包したものを用いることができる。なお、加熱加圧部材は、ロールに限定されるものではなく、中間転写体と記録媒体との間に浮きやずれを発生することなく均一に加圧できるものであればどのような構成のものでもよい。例えば、1つの加熱加圧ロールと1つの固定パッドを組み合せたもの、あるいは一組の固定パッドで構成してもよい。
【0094】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、トナー組成物、キャリヤの説明において、特に断りのない限り、「部」は全て「質量部」を意味する。
なお、トナー組成物、キャリヤ、及び静電潜像現像剤の製造において、各測定は以下の方法で行った。
【0095】
<無機化合物微粉末の被覆均一性測定>
(1) サンプル粒子を2液混合型のエポキシ液に分散し、1昼夜放置して固化させる。
(2) それからミクロトームで厚さ100nmの切片を作製する。
(3) その切片を銅メッシュ上にのせ、高分解能電子顕微鏡JEM−2010(日本電子株式会社製)にセットし、印加電圧200kVで50万倍で写真撮影する。
(4) そのネガを3倍〜10倍にひきのばしてプリントする。
(5) (1)〜(4)の手順によるプリントで、任意に粒子個数10個の断面の粒子表面を観察し、粒子全表面に対する表面被覆状態を評価する。
【0096】
被覆率=被覆長さ/粒子全表面長さ×100(%)
【0097】
<外添剤の比重測定>
ルシャテリエ比重瓶を用いJIS−K−0061の5−2−1に準拠して比重を測定した。操作は次の通り行う。
(1) ルシャテリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整する。
(2) 比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2°Cになったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(3) 試料を約100.000gを量り取り、その質量をWとする。
(4) 量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除く。
(5) 比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2°Cになったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(6) 次式により比重を算出する。
D=W/(L2 −L1 ) ・・・式1
S=D/0.9982 ・・・式2
式中、Dは試料の密度(20℃)(g/cm3)、Sは試料の比重(20℃)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(20℃)(ml)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(20℃)(ml)、0.9982は20°Cにおける水の密度(g/cm3)である。
【0098】
<外添剤の一次粒子径及びその標準偏差測定>
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA−910)を用いた。
【0099】
<球形度>
球形度はWadellの真の球形度を採用した。
球形度=(実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積)/(実際の粒子の表面積)
ここで、「実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積」は、平均粒径から計算により求め、「実際の粒子の表面積」は、島津粉体比表面積測定装置SS−100型を用いBET比表面積より代用させた。
【0100】
<抵抗測定>
図2に示されるように、測定試料53を厚みHとして下部電極54と上部電極52とで挟持し、上方より加圧しながらダイヤルゲージで厚みを測定し測定試料53の電気抵抗を高電圧抵抗計55で計測した。具体的には、特定酸化チタンの試料に成形機にて500kg/cm2の圧力を加えて測定ディスクを作成した。次いで、ディスクの表面をハケで清掃し、セル内の上部電極52と下部電極54との間に挟み込み、ダイヤルゲージで厚みを測定した。次に電圧を印加し、電流値を読み取ることにより、体積固有抵抗を求めた。
また、キャリヤの試料を100φの下部電極54に充填し、上部電極52をセットし、その上から3.43kgの荷重を加え、ダイヤルゲージで厚みを測定した。次に電圧を印加し、電流値を読み取ることにより、体積固有抵抗を求めた。
【0101】
<トナー形状係数SF1(ML2/A)>
本発明において、トナーの平均形状係数SF1(ML2/A)とは、下記式で計算された値を意味し、真球の場合ML2/A=100となる。
ML2/A=(最大長)2 ×π×100/(面積×4)
平均形状指数を求めるための具体的な手法として、トナー画像を光学顕微鏡から画像解析装置(LUZEX III、(株)ニレコ製)に取り込み、円相当径を測定して、最大長および面積から、個々の粒子について上記式のML2/Aの値を求める。
【0102】
<帯電量測定>
(1) 高温高湿及び低温低湿における帯電量は、高温高湿:30℃、90%RH、低温低湿:5℃、10%RHの各雰囲気下にトナー組生物、キャリヤの双方をそれぞれ24時間放置し、蓋付きガラスビンにトナー濃度が5質量%になるように、トナー組成物、キャリヤを採取し、それぞれの雰囲気下でターブラ攪拌を行い、攪拌された現像剤を25℃、55%RHの条件下で東芝社製TB200にて測定した。
(2) 実機評価試験における帯電量は、現像器中のマグスリーブ上の現像剤を採取し、上記と同様25℃、55%RHの条件下で東芝社製TB200にて測定した。
【0103】
<画像濃度(Solid Area Density)>
画像濃度は、X−Rite404A(X−Rite)を用いて測定した。
【0104】
[帯電制御剤被覆無機化合物微粉末(A)の調整]
酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、体積平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)3000質量部をエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入し、メチルトリエトキシシラン(商品名:TSL8123:東芝シリコーン株式会社製)50質量部を200質量部のエタノールで混合希釈して得られるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッジランナーを稼動させながら上記酸化ケイ素微粉末に添加し、混合攪拌を行った。
次に、1−ナフトール−4−硫酸のベンジルトリエチルアンモニウム塩200質量部を、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、混合攪拌を行い、メチルトリエトキシシラン被覆の上に1−ナフトール−4−硫酸のベンジルトリエチルアンモニウム塩を付着させた後、乾燥器を用いて105℃で60分間加熱処理を行い、帯電制御剤被覆酸化ケイ素微粉末(A)を得た。
体積平均一次粒径15nmであり、被覆状態を観察し、その結果被覆厚みが1.0〜2.0nmの範囲であり微粉末表面の100%が被覆されていた。
【0105】
[帯電制御剤被覆無機化合物微粉末(B)の調整]
酸化ケイ素微粉末R812(疎水性、粒子形状:不定形、体積平均一次粒径8nm、日本アエロジル社製)3000質量部をエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入し、メチルトリエトキシシラン(商品名:TSL8123:東芝シリコーン株式会社製)50質量部を200質量部のエタノールで混合希釈して得られるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッジランナーを稼動させながら上記酸化ケイ素微粉末に添加し、混合攪拌を行った。
次に、トリフェニルメタン系染料100質量部を、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、混合攪拌を行い、メチルトリエトキシシラン被覆の上にトリフェニルメタン系染料を付着させた後、乾燥を用いて105℃で60分間加熱処理を行い、帯電制御剤被覆酸化ケイ素微粉末(B)を得た。
体積平均一次粒径10nmであり、被覆状態を観察し、その結果被覆厚みが0.5〜1.5nmの範囲であり微粉末表面の100%が被覆されていた。
【0106】
[単分散球形シリカ(A)の調整]
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕により比重1.50、球形化度Ψ=0.70、体積平均一次粒径D50=100nm(標準偏差=40nm)の球形単分散シリカ(A)を得た。
【0107】
[単分散球形シリカ(B)の調整]
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕により比重1.30、球形化度Ψ=0.70、体積平均一次粒径D50=120nm(標準偏差=40nm)の球形単分散シリカ(B)を得た。
【0108】
<キャリヤの生成>
フェライト粒子(平均粒径:50μm) 100部
トルエン 14部
スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分比:90/10) 2部
カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調整し、次に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した
その後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリヤを得た。このキャリヤは、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
【0109】
[着色粒子A製造方法]
攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物を1.1モルと、ビスフェノールAトリメチレンオキサイド2モル付加物を1.8モルと、シクロヘキサンジメタノールを1.6モルと、エチレングリコールを0.70モルと、テレフタル酸を5.0モルとを投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、ジブチルスズオキサイドを0.035モル投入して、窒素ガス気流下約195℃で約6時間撹拌反応させ、さらに温度を約240℃に上げて約5.5時間撹拌反応させた後、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、減圧下で約0.2時間攪拌反応させて、淡黄色透明な非晶性線状ポリエステル樹脂Aを得た。ポリエステル樹脂Aは、DSC法によるTgが55℃、スチレン換算GPC法による、Mwが11800、Mnが4500、Mw/Mnが2.6、JIS K0070に従ってアセトン−トルエン混合溶液を用いて測定した酸価が16KOHmg/g、水酸基価が25KOHmg/g、粘弾性測定によるG’’が10000Paになる温度が約99℃であった。
ニーダー中でポリエステル樹脂70部を95℃で溶融させた後、あらかじめ蒸留水350部に帯電制御剤被覆酸化ケイ素微粉末(A)30部を分散処理した水分散体を徐々に加えながら、105℃で減圧しながら混練して水分を除去し、「帯電制御剤被覆酸化ケイ素微粉末(A)」分散樹脂を得た。内添微粒子分散樹脂は、ポリエステル樹脂が70質量%、「帯電制御剤被覆酸化ケイ素微粉末(A)」が30質量%からなる。
前記ポリエステル樹脂のみを405部と、あらかじめ44μの篩で篩分したカーボンブラック(R330:キャボット社製)4部と、内添微粒子分散樹脂を750部とを、BR型バンバリー型混練機(神戸製鋼社製)で、回転数120rpmで約8分間溶融混練した後、精製カルナバワックス(日星産業社)120部を加え、さらに約7分間溶融混練した。混練物を圧延ロールで厚さ1cm程度の板状に成形し、フィッツミル型粉砕機で数ミリ程度まで粗粉砕し、IDS型粉砕機で微粉砕を、エルボー型分級機で分級を順次行い、シリカ粒子「帯電制御剤被覆酸化ケイ素微粉末(A)」含有量15質量%、顔料含有量4.5%、体積平均粒径D50が6.6μmの黒色着色粒子Aを得た。
【0110】
[着色粒子B製造方法]
<樹脂分散液(1)の調整>
スチレン 370質量部
n−ブチルアクリレート 30質量部
アクリル酸 8質量部
ドデカンチオール 24質量部
四臭化炭素 4質量部
以上の成分を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6質量部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10質量部をイオン交換水550質量部に溶解したものにフラスコ中で乳化分散させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果平均粒径が155nmであり、Tg=59℃、重量平均分子量Mw=12000の樹脂粒子が分散された樹脂分散液(1)が得られた。
【0111】
<樹脂分散液(2)の調整>
スチレン 280質量部
n−ブチルアクリレート 120質量部
アクリル酸 8質量部
以上の成分を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6質量部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)12質量部をイオン交換水550質量部に溶解したものにフラスコ中で乳化分散させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム3質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果平均粒径が105nmであり、Tg=53℃、重量平均分子量Mw=550000の樹脂粒子が分散された樹脂分散液(2)が得られた。
【0112】
<着色分散液(1)の調整>
カーボンブラック 50質量部
(モーガルL:キャボット製)
ノニオン性界面活性剤 5質量部
(ノニポール400:三洋化成(株)製)
イオン交換水 200質量部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色分散剤(1)を調整した。
【0113】
<着色分散液(2)の調整>
Cyan顔料Pigment・Blue15:3 70質量部
ノニオン性界面活性剤 5質量部
(ノニポール400:三洋化成(株)製)
イオン交換水 200質量部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が250nmである着色剤(Cyan顔料)粒子が分散された着色分散剤(2)を調整した。
【0114】
<着色分散液(3)の調整>
Magenta顔料Pigment・Red122 70質量部
ノニオン性界面活性剤 5質量部
(ノニポール400:三洋化成(株)製)
イオン交換水 200質量部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が250nmである着色剤(Magenta顔料)粒子が分散された着色分散剤(3)を調整した。
【0115】
<着色分散液(4)の調整>
Yellow顔料Pigment・Yellow180 100質量部
ノニオン性界面活性剤 5質量部
(ノニポール400:三洋化成(株)製)
イオン交換水 200質量部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が250nmである着色剤(Yellow顔料)粒子が分散された着色分散剤(4)を調整した。
【0116】
<離型剤分散液(1)の調整>
パラフィンワックス 50質量部
(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃)
カチオン性界面活性剤 5質量部
(サニゾールB50:花王(株)製)
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液(1)を調整した。
【0117】
<凝集粒子の調整>
樹脂分散液(1) 120質量部
樹脂分散液(2) 80質量部
着色剤分散液 200質量部
あらかじめ蒸留水350部に帯電制御剤被覆酸化ケイ素微粉末(A)30部を分散処理した水分散体 6.5質量部
離型分散液(1) 40質量部
カチオン性界面活性剤 1.5質量部
(サニゾールB50:花王(株)製)
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら50℃まで加熱した。45℃で20分間保持した後、光学顕微鏡で確認したところ、平均粒径が約4.3μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更に上記分散液に、樹脂含有微粒子分散液として樹脂分散液(1)を緩やかに60質量部追加した。そして加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。光学顕微鏡にて観察したところ、平均粒径が約4.5μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
【0118】
<着色粒子Bの作成>
上記粒子分散液にアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)3質量部を追加した後、前記ステンレス鋼鉄フラスコ中を密閉し、磁力シールを用いて攪拌しながら105℃まで加熱し、4時間保持した。
そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で充分に洗浄した後、乾燥させることにより、静電荷像現像用着色粒子を得た。
【0119】
<着色粒子B(黒色)の作製>
着色剤分散液(1)を用いて上記手法にて形状係数SF1(ML2/A)が128.5、体積平均粒径D50=5.8μmのKuroトナーを得た。
【0120】
<着色粒子B(Cyan)の作製>
着色剤分散液(2)を用いて上記手法にて形状係数SF1(ML2/A)が130、体積平均粒径D50=5.6μmのCyanトナーを得た。
【0121】
<着色粒子B(Magenta)の作製>
着色剤分散液(3)を用いて上記手法にて形状係数SF1(ML2/A)が132.5、体積平均粒径D50=5.5μmのMagentaトナーを得た。
【0122】
<着色粒子B(Yellow)の作製>
着色剤分散液(4)を用いて上記手法にて形状係数SF1(ML2/A)が127、体積平均粒径D50=5.9μmのYellowトナーを得た。
【0123】
[着色粒子C製造方法]
着色粒子Bの製造において、帯電制御剤被覆無機化合物微粉末(A)の代わりに帯電制御剤被覆無機化合物微粉末(B)を用い、着色粒子C(黒色)トナーを得た。
【0124】
[着色粒子D製造方法]
着色粒子Aの製造において、帯電制御剤被覆無機化合物微粉末(A)の代わりに酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)を用い、着色粒子D(黒色)トナーを得た。
【0125】
[着色粒子E製造方法]
着色粒子Bの製造において、帯電制御剤被覆無機化合物微粉末(A)の代わりに未処理の酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)を用い、着色粒子E (黒色)トナーを得た。
【0126】
[着色粒子F製造方法]
着色粒子Aの製造において、帯電制御剤被覆無機化合物微粉末(A)の代わりに未処理の酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)を用い、着色粒子F (黒色)トナーを得た。
【0127】
〔実施例1〕
上記着色粒子Bの(黒色)、(Cyan)、(Magenta)、(Yellow)トナーのそれぞれ100部に酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、体積平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)1部、体積平均一次粒径40nmの疎水性シリカ(RX50、日本アエロジル社製)1.3部をヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。キャリヤ100部と上記トナー5部をV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより現像剤を得た。
【0128】
〔実施例2〕
上記着色粒子A(黒色)トナー100部に酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、体積平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)1部、体積平均一次粒径40nmの疎水性シリカ(RX50、日本アエロジル社製)1.4部をヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。キャリヤ100部と上記トナー5部をV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより現像剤を得た。
【0129】
〔実施例3〕
上記着色粒子C(黒色)トナー100部に酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、体積平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)0.7部、体積平均一次粒径50nmの疎水性酸化チタン(TAF−500S、富士チタン社製)1.5部をヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。キャリヤ100部と上記トナー5部をV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより現像剤を得た。
【0130】
〔実施例4〕
上記着色粒子B(黒色)トナー100部に単分散球形シリカ(A)2部ヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、体積平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)1部、体積平均一次粒径40nmの疎水性シリカ(RX50、日本アエロジル社製)1.4部加え、周速20m/sで5分間ブレンドを行い、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。キャリヤ100部と上記トナー5部をV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより現像剤を得た。
【0131】
〔比較例1〕
上記着色粒子D(黒色)トナー100部に酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、体積平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)0.7部、体積平均一次粒径40nmの疎水性シリカ(RX50、日本アエロジル社製)1.2部をヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。キャリヤ100部と上記トナー5部をV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより現像剤を得た。
【0132】
〔比較例2〕
実施例2において、着色粒子Eを用いる他は同様に作製して現像剤を得た。
【0133】
〔比較例3〕
実施例2において、着色粒子Fを用いる他は同様に作製して現像剤を得た。
【0134】
[評価]
−画像出力−
上記実施例及び比較例に記載の現像剤を用い、定着器を取り外したタンデムシステムの富士ゼロックス社製Docu Centre Color 400CP改造機の現像器にセットし未定着画像を出力した。現像トナー量は1平方cm当たり0.45mgになるように、適宜トナーを調製した。出力画像は50mm×50mmの大きさのベタ画像とした。用紙は、富士ゼロックスオフィスサプライ社製の商品名「P紙」を用いた。P紙は従来白黒複写機で数多く使用されているものである。以下に、各評価方法を示し、その結果を表1に示す。
【0135】
【表1】
【0136】
−定着画像評価方法−
各温度での定着画像の光沢度(以下、「グロス」と略す)を、村上色彩技術研究所(株)社製のグロスメーター「GM−26D」を用い、サンプルへの入射光角度を75度とする条件で測定した。最高のグロス値が30を超えたときを◎、超えないときを×とした。
【0137】
−帯電の環境安定性−
トナーとキャリアを温度25℃、湿度75%RHの高温高湿下と、温度15℃、湿度25%RHの低温低湿下で48時間以上放置した後、その条件下で、トナー2gとキャリア25gとを、容量60mlのガラス共栓ビン(柴田科学社)にいれ、ターブラーミキサーで10分間混合して得られた現像剤の帯電量をブローオフトライボ測定器(東芝社)でそれぞれ測定した。得られた高温高湿度下での帯電値と低温低湿度下での帯電値との比(高温高湿度下での帯電値/低温低湿度下での帯電値)が0.7以上のものを◎、0.5以上のものを○、0.5未満のものを×とした。
【0138】
−初期転写性評価方法−
前述の画像出力と同様の方法にて現像剤を準備し、シアン以外の現像器と感光体クリーニング用ブレードを取り外した富士ゼロックス社製Docu Centre Color400CP改造機の現像器にセットした。用紙は、富士ゼロックスオフィスサプライ社製のリサイクル紙、商品名「WR紙」を用いた。幅70mm、長さ10mmの黒ベタ画像を濃度設定が一番濃い条件でコピーし、感光体へ現像されたベタ画像が「WR紙」へ転写されたと同時に複写機の電源を切り、感光体上に残ったトナー量をメンディングテープで取り除き、トナーを付着させる前後でのテープ重量変化から未転写トナー量を測定した。また、「WR紙」に転写されたトナーをエアブローで飛ばし、ブロー前後の用紙の重量変化から転写されたトナー量を測定した。転写効率は、転写効率=(転写トナー量)/{(転写トナー量)+(未転写トナー量)}で算出される。1回の転写効率測定が終了したらクリーニング用ブレードを取り付け、感光体上の残トナーを除去してから、3回繰り返し測定した平均値を用いた。転写テスト環境は23℃、55%RHで行った。転写効率が、95%以上であるものを☆、90%以上であるものを◎、85%以上であるものを○、80%以上であるものを△、80%未満のものを×とした。
【0139】
−転写維持性−
前述の画像出力と同様の方法にて現像剤を準備し富士ゼロックス社製カラー複写機「A color935」の現像器にセットした。トナーを供給しながら、用紙面積の5%相当のトナー現像面積画像を1000枚出力後に、前述の方法と同様にして転写維持性を評価した。
【0140】
−剥離性−
Fuji Xerox社製Docu Centra Color500改造定着装置を用い、熱定着ロールの定着温度を120℃から240℃に変化させて、定着ロールへの巻きつきを調べた。全評価温度範囲で問題ない場合を○、温度によってわずかに巻きつき傾向があるがほぼ問題ない場合を△、剥離不可能温度が存在する場合を×とした。
【0141】
−耐オフセット性−
各温度での定着画像を用い、Fuji Xerox社製Docu Centra Color500改造定着装置を用い、加熱ロールへの剥離剤オイル供給を止めて、実質上加熱ロール表面に剥離剤オイルが存在しない状態でテストを行った。すなわち、加熱ロール表面温度を段階的に変化させ、各表面温度において上記トナー像を保持する転写紙を用いて未定着トナー像の定着を行った。この際、紙の余白部分に加熱ロールからのトナー汚れが生じるか否かの観察を行い、汚れが生じない温度領域を非オフセット温度領域とした。耐オフセット性は、オフセット温度が185℃以上を◎、175℃以上185℃未満を○、165℃以上175℃未満を△、165℃未満を×として評価した。
【0142】
−折り曲げ耐性−
定着像を二つに折り曲げ、再度引き延ばす時の画像欠損の有無をみた。
Fuji Xerox社製Docu Centra Color500改造定着装置を用いて定着画像を作成し、その後、定着画像に折り曲げストレスを加え、画像の欠損の度合いを目視で判断した。判断基準は以下の通りである。
定着画像に欠損は発生しない場合を○、折り目に極微量の欠損が認められたが、実用上問題のないレベルである場合を△、目視ではっきりと確認できる程度の画像欠損が発生する場合を×とした。
【0143】
本発明の、該内添微粒子として少なくとも帯電制御剤で表面を被覆した酸化ケイ素微粉末を含有し、該外添微粒子として少なくとも平均粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されていることを特徴とするトナーの現像剤は、実施例1〜4の結果のように剥離性、帯電環境性が良好であり、長期繰り返し使用においても転写性が良好であった。
しかし、本発明の範囲を超える比較例のトナーは特に帯電環境比、剥離性、転写維持性などに関して劣るものであった。したがって、トナー中に内添される微粒子と外添される微粒子とが特定の条件を満たす時、特に良好な帯電維持性が得られる。
【0144】
〔実施例5〕
実施例4において、システムのクリーニングブレードを除去し、カーボンブラックを分散せしめた導電フィラーを有する繊維樹脂からなる静電ブラシを付加し、帯電装置をロール帯電装置に変更して実施例4の黒トナーを用いての評価を行った。
その結果、初期は勿論2万枚コピー後も初期同様鮮明な画像を呈し、画像上の問題は発生しなかった。
【0145】
〔実施例6〕
実施例4において、システムのブレード及びブラシクリーニングを一切用いないで帯電器をスコロトロン帯電器に変更し、現像装置での回収を行なった。
その結果、初期は勿論2万枚コピー後も初期同様鮮明な画像を呈し、画像上の問題は発生しなかった。
【0146】
〔実施例7〕
実施例4において、転写ベルトの表面材質をPFAに変更し、裏面から加熱する装置を付与し、転写同時定着を試みた。
実施例4の4色のトナーを用いて4色作成し、色を組み合わせて検討したところ、写真画質に近い鮮明な高画質を得ることができた。
【0147】
【発明の効果】
本発明によれば、トナー流動性、帯電性、現像性、転写性、定着性を同時に、且つ長期に渡り満足でき、画像の表面光沢性、折り曲げ耐性に対して特に優れる画像を得る事ができる。さらに潜像担持体の摩耗を促進させるブレードクリーニング工程を有さず、現像と同時に転写残トナーを回収する、あるいは静電ブラシを用い潜像担持体上の残留トナーを回収する不具合を改善した静電荷像乾式トナー組成物、静電潜像現像用現像剤及び画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いられる画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】キャリアの体積固有抵抗値を測定する方法を説明するための概略説明図である。
【符号の説明】
1Y、1M、1C、1K 感光体ドラム(潜像担持体)
3Y、3M、3C、3K 潜像形成手段
4Y、4M、4C、4K 現像器
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール
6Y、6M、6C、6K クリーニング手段
11 駆動ロール
12 支持ロール
13 バックアップロール
14 二次転写ロール
15 中間転写ベルト
16 被転写体
17 清掃部材
18 定着器
20Y,20M,20C,20K 帯電器(帯電手段)
40Y,40M,40C,40K 現像ユニット
52 上部電極
53 測定試料
54 下部電極
55 高電圧抵抗計
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法において、静電潜像の現像のために使用する静電荷像乾式トナー組成物、静電潜像現像用現像剤及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法は、潜像担持体(感光体)上に形成された静電潜像を着色剤を含むトナーで現像し、得られたトナー像を転写体上へ転写し、これを熱ロール等で定着することにより画像が得られ、他方、その潜像担持体は再び静電潜像を形成するためにクリーニングされるものである。このような電子写真法等に使用される乾式現像剤は、結着樹脂に着色剤等を配合したトナーを単独で用いる一成分現像剤と、そのトナーにキャリヤを混合した二成分現像剤とに大別される。
【0003】
1980年代の後半から、電子写真の市場はデジタル化をキーワードとして小型化、高機能要求が強く、特にフルカラー画質に関しては高級印刷、銀塩写真に近い高画質品位が望まれている。
高画質を達成する手段としてデジタル化処理が不可欠であり、このような画質に関するデジタル化の効能として、複雑な画像処理が高速で行える事が挙げられている。この事により、文字と写真画像を分離して制御することが可能となり、両品質の再現性がアナログ技術に比べ大きく改善されている。特に写真画像に関しては階調補正と色補正が可能になった点が大きく、階調特性、精細度、鮮鋭度、色再現、粒状性の点でアナログに比べ有利である。しかし、一方、画像出力としては光学系で作成された潜像を忠実に作像する必要があり、トナーとしては益々小粒径化が進み忠実再現を狙った活動が加速されている。しかし、単にトナーの小粒径化だけでは、安定的に高画質を得る事は困難であり、現像、転写、定着特性における基礎特性の改善が更に重要となっている。
【0004】
特にカラー画像では3色もしくは4色のカラートナーを重ね合わせ画像を形成している。それゆえにこれら何れかのトナーが現像、転写、定着の観点で初期と異なる特性、あるいは他色と異なる性能を示すと色再現の低下、あるいは粒状性悪化、色むら等の画質劣化を引き起こす事となる。安定した高品質の画像を初期同様に経時においても維持するためには各トナーの特性を如何に安定制御を行うかが重要である。
【0005】
また、一般に、離型剤成分は、定着時の低温オフセットを防止する目的でポリオレフィン系ワックスを内添する。これとあわせて定着ローラに微量のシリコーンオイルを均一に塗布して、高温オフセット性の向上を図っている。その結果、出力された転写材にシリコーンオイルが付着し、これを取り扱う際にべたつきの不快感がある。それ故、シリコーンオイルの塗布は好ましくない。
これを解決するために、トナー中に大量の離型剤成分を内包させたオイルレス定着用のトナーが提案された(例えば、特許文献1参照。)。しかし、このトナーは、多量の離型剤を内包するため、剥離性はある程度改善されたが、結着樹脂と離型剤が相溶し、定着時に離型剤が均一で安定に染み出させることができず、剥離の安定性は得にくい。また、結着樹脂の凝集力が結着樹脂の重量分子量やガラス転移温度に依存するため、トナー定着時における曳糸性、凝集性を直接的に制御することは難しい。さらに、離型剤の遊離成分が帯電阻害の原因となることもある。
【0006】
これらの問題を解決する方法として、結着樹脂の剛直性を高分子量成分の添加によって改善する方法や(例えば、特許文献2又は3参照。)、結着樹脂に化学架橋を導入して剛直性を補填し、トナーの定着温度における曳糸性を減少させ、オイルレス定着における剥離性を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献4又は5参照。)。
しかし、結着樹脂に架橋剤成分を単に添加しても、トナーの粘性、即ち溶融時の凝集力は大きくなり、結着樹脂自体の剛直性が増加して、オイルレス定着時の剥離における温度依存性やトナー載り量の依存性はある程度改善できるものの、定着画像の表面光沢性を同時に得ることは困難であった(例えば、特許文献6又は7参照。)。さらに、定着画像の折り曲げ耐性も乏しくなる。また、架橋剤の分子量を大きくしただけでも、絡み合い点間分子量は確かに大きくなり、定着像自体の可撓性は若干向上するが、弾性と粘性の適切なバランスを得ることは難しく、結果としてオイルレス定着における剥離の温度依存性や、トナー載り量の依存性と定着像表面の光沢性を両立させることは困難である(例えば、特許文献8参照。)。さらに、ある程度の画像光沢を発現させながら、画像光沢の色間差を抑制することも困難である。特に、省エネルギータイプの定着装置やプリント速度の速いタイプの複写機やプリンターに用いた場合、満足な定着画像を得ることができなかった。
また、トナー中に高分子微粒子や無機微粒子を添加し、定着時の高温オフセット性を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献9参照。)。しかし、単にトナー中に無機微粒子を添加しただけでは、無機微粒子のフィラー効果により定着に際してトナー結着樹脂の溶融時におけるタフネスは上昇し、高温オフセットの防止や剥離性の改善には効果を発現する。しかし、同時に溶融トナーの流動性が低下し、低温オフセット性、定着画像の光沢性を損なうことがあり、さらに、定着画像の折り曲げ耐性を低下させることもある。さらにまた、無機微粒子の添加量によっては、単にトナー溶融時の粘性だけを増加させ、剥離性の改善にはつながらない場合があった。
【0007】
粒径の異なる無機微粒子2種をトナーに内添することにより、良好な定着特性、表面光沢性が得られる方法が提案されている(例えば、特許文献10参照。)。しかし、無機微粒子を内添させただけでは、分散性が不十分であり、無機微粒子の効果を十分に発揮できていない。
また、疎水性処理された内添微粒子を用いることにより、高湿度下での帯電量を向上させることができ、さらにはかぶり等が発生し難くなることが公知であるが、これまでの提案されている方法での疎水化処理は不均一であり、その効果は不十分である。
ところで、トナーは現像される静電潜像の極性に応じて、正又は負の電荷を有する必要がある。トナーに電荷を保有せしめるためには、トナーの成分である樹脂の摩擦帯電性を利用することも出来るが、この方法ではトナーの帯電が安定しないので、濃度の立ち上がりが遅く、カブリ易い。そこで、所望の摩擦帯電性をトナーに付与するため、またトナーの帯電をより向上安定化せしめるために帯電制御剤を添加することが行われている。
今日、当該技術分野で知られている帯電制御剤としては、負摩擦帯電性帯電制御剤として、モノアゾ染料の金属錯塩,ヒドロキシカルボン酸,ジカルボン酸,芳香族ジオール等の金属錯塩,酸成分を含む樹脂等が知られている。また、正摩擦帯電性帯電制御剤として、ニグロシン染料,アジン染料,トリフェニルメタン系染顔料,4級アンモニウム塩,4級アンモニウム塩を側鎖に有するポリマー等が知られている。
しかしながら、帯電制御剤によっては、画像濃度とカブリのバランスがとりにくい、高湿環境で十分な画像濃度を得にくい、樹脂への分散性が悪い、保存安定性,定着性,耐オフセット性に悪影響を与える等の欠点を有し、樹脂への分散性、保存安定性などの改善の方法が提案されているが、まだ改善が不十分である(例えば、特許文献11又は12参照。)。
【0008】
一方、特にトナーは現像器内で攪拌され、トナー表面の微細構造変化が容易に起こり、転写性を大きく変えることが報告されている(例えば、特許文献13参照。)。
近年では省スペースの観点から装置の小型化、環境保護の観点から廃棄トナーを少なくする、潜像担持体の寿命を延命化する等の目的から、クリーニングシステムを省略して、転写後の感光ドラム上に残留するトナーを同感光ドラム上に接触するブラシで分散し、その分散されたトナーを現像器で現像と同時回収するクリーナ−レスシステムが提案されている(例えば、特許文献14参照。)。
一般的には、このように現像と同時に残留トナーを回収すると、回収されたトナーとその他のトナーとの帯電特性が異なり、回収されたトナーが現像されずに現像器内に蓄積する等の不具合を生じるため、更に転写効率を上げ、回収するトナー量を最小限に制御する事が必要となる。
また、流動性、帯電性、及び転写性を向上させるために、トナー形状を球形に近づけることが提案されている(例えば、特許文献15参照。)。
しかしながら、トナーを球形化することにより、以下のような不具合を生じやすくなる。現像器には現像剤搬送量を一定に制御するために搬送量制御板が設けられており、そしてマグロールと搬送量制御板との間隔を変えることにより現像剤搬送量を制御している。しかし球形トナーを用いると現像剤としての流動性が上がり、また同時に固め嵩密度が高くなる。その結果として搬送規制部位にて現像剤だまりが起こり、搬送量が不安定になるという現象が起こる。マグロール上の表面粗さを制御するとともに制御板とマグロールの間隔を狭くする事により搬送量の改善は可能であるが現像剤だまりによるパッキング性は益々強くなり、それに応じてトナーに加わる応力も強くなる。このことによりトナー表面の微細構造変化、特に外添剤の埋没あるいは剥がれ等が容易に起こり、現像、転写性を初期と大きく変えてしまう問題を生じる不具合が確認されている。
これらを改善するために球形トナーと非球形トナーをそれぞれ組み合わせパッキング性を抑制し、高画質を達成できることが報告されている(例えば、特許文献16参照。)。
しかし、これらはパッキング性抑制に関しては効果的ではあるが、非球形トナーが転写残として残りやすく、高転写効率を達成することは出来ない。また現像同時回収を行う場合は転写残である非球形トナーを回収するため、非球形トナーの割合が増え、益々転写効率を低下させる問題を引き起こす。
また球形トナーの現像性、転写性、クリーニング性の向上を図るために、平均粒径5mμ以上20mμ未満の粒子と平均粒径20mμ以上40mμ以下の粒子のそれぞれ粒径が異なる二種類の無機微粒子を併用し、特定量添加することが開示されている(例えば、特許文献17参照。)。
これらは初期的には高い現像性、転写性、クリーニング性を得ることができるが、いずれにおいても経時においてトナーに加わる力を軽減することができないことから、外添剤の埋没あるいは剥がれ等が容易に起こり、現像、転写性を初期と大きく変えてしまうものである。
一方、このようなストレスに対して、トナーへの外添剤埋没を抑制するために、大粒径の無機微粒子を用いることが有効であることが開示されている(例えば、特許文献18〜20参照。)。
しかし、いずれも無機微粒子は比重が大きいために外添剤粒子を大きくすると現像器内攪拌ストレスにより、外添剤の剥がれ等を避けられないものとなってしまう。また無機微粒子は完全な球形形状を呈していないため、トナー表面上に付着させた場合、外添剤の穂立ちを一定に制御することは困難である。この事により、スペーサーとして機能するミクロな表面凸形状にバラツキが起こり、選択的に凸部分にストレスが加わることから、外添剤の埋没あるいは剥がれ等は更に加速されるため充分ではない。
また、有効にスペーサー機能を発現させるために、50〜200nmの有機微粒子をトナーに添加する技術が開示されている(例えば、特許文献21参照。)。
球形有機微粒子を用いることにより、初期的には有効にスペーサー機能を発現させることが可能である。ただし有機微粒子は経時ストレスに対して埋没、剥がれは少ないものの、有機微粒子自身が変形するために高いスペーサー機能を安定的に発現することは困難である。また有機微粒子をトナー表面に多くつける、あるいは大粒径の有機微粒子を用いることにより、スペーサー効果を得ることも考えられるが、その際は有機微粒子の特性が大きく反映されてしまう。即ち、無機微粒子添加トナーの流動性阻害及び熱凝集悪化等の粉体特性への影響、及び有機微粒子そのもの自身が帯電付与能力を有しており、帯電の観点での制御自由度が低くなってしまうという帯電、現像への影響が発生する。
また最近では、カラー化、特にオンデンマンド印刷の要求が高く、高速枚数複写対応のため転写ベルトに多色像を形成し、一度にその多色像を像固定材料に転写し、定着する手法が報告されている(例えば、特許文献22参照。)。
感光体から転写ベルトに転写する工程を一次転写、転写ベルトから転写体へ転写する工程を二次転写とすると二度の転写を繰り返すことになり、益々転写効率向上技術が重要となってくる。特に二次転写の場合は多色像を一度に転写すること、また転写体(例えば用紙の場合、その厚み、表面性等)が種々変わることから、その影響を低減するために帯電、現像、転写性を極めて高く制御する必要がある。
また消費電力、スペースの削減、及び高画質画像を得るために、カラー各色を中間転写体へ転写し、転写体へ転写と同時に定着する技術が開示されている(例えば、特許文献23又は24参照。)。
ここで重要な点は転写ベルトが転写機能と定着機能の両方の機能を兼ね備える必要がある。即ち一次転写部分では冷却された状態で転写性を向上し、二次転写同時定着部分では瞬時に熱を伝える必要があることから、ベルト材質は耐熱性の高い薄層ベルトが使用されることとなる。ここでトナーに求められる機能としては転写効率を極めて高いものに制御すること及び定着時に強い圧力を加えることが出来ないことから低圧力定着に順応するトナーの提供が求められる。またベルト表面は転写機能も有する事から定着時のトナー汚染、外添剤等によるキズを極力少なくすることが重要である。
一方、キャリヤの体積固有抵抗を制御して高画質、特にハーフトーン、黒ベタ、文字を忠実に再現する方法が提案されている(例えば、特許文献25〜27参照。)。
これらの方法ではいずれもキャリヤ被覆層の種類や被覆量により抵抗調整を行っており、初期的には狙いの体積固有抵抗が得られ高画質が発現するものの、現像器中のストレスにおいてキャリヤ被覆層の剥がれ等が発生し、体積固有抵抗が大きく変化する。従って、高画質を長期にわたり発現することは困難である。
また一方、キャリヤ被覆層中にカーボンブラックを添加して体積固有抵抗を調整する方法が提案されている(例えば、特許文献28参照。)。
本手法により、被覆層の剥がれによる体積固有抵抗の変化は抑えられるものの、トナーに添加されている外添剤又はトナー構成成分がキャリヤに付着し、キャリヤの体積固有抵抗を変化させてしまい、上述のキャリヤ同様長期にわたり高画質を発現することは困難であった。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−61239号公報
【特許文献2】
特開平4−69666号公報
【特許文献3】
特開平9−258481号公報
【特許文献4】
特開昭59−218460号公報
【特許文献5】
特開昭59−218459号公報
【特許文献6】
特開昭59−218460号公報
【特許文献7】
特開昭59−218459号公報
【特許文献8】
特開昭59−218460号公報
【特許文献9】
特開平4−69664号公報
【特許文献10】
特開2002−82473号公報
【特許文献11】
特開平9−152746号公報
【特許文献12】
特開2001−109200号公報
【特許文献13】
特開平10−312089号公報
【特許文献14】
特開平5−94113号公報
【特許文献15】
特開昭62−184469号公報
【特許文献16】
特開平6−308759号公報
【特許文献17】
特開平3−100661号公報
【特許文献18】
特開平7−28276号公報
【特許文献19】
特開平9−319134号公報
【特許文献20】
特開平10−312089号公報
【特許文献21】
特開平6−266152号公報
【特許文献22】
特開平8−115007号公報
【特許文献23】
特開平10−213977号公報
【特許文献24】
特開平8−44220号公報
【特許文献25】
特開昭56−125751号公報
【特許文献26】
特開昭62−267766号公報
【特許文献27】
特公平7−120086号公報
【特許文献28】
特開平4−40471号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の上記のような実情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、トナー流動性、帯電性、現像性、転写性、クリーニング性、定着性を同時に、且つ長期に渡り満足でき、画像の表面光沢性、折り曲げ耐性に対して優れる画像を得ることができるとともに、潜像担持体摩耗を促進させるブレードクリーニング工程を有さず、現像と同時に転写残トナーを回収する、あるいは静電ブラシを用い潜像担持体上の残留トナーを回収する不具合を改善した静電潜像現像用トナー、その製造方法、それを用いた静電潜像現像剤を提供することにある。本発明の他の目的は高画質要求に対応する現像、転写、定着が可能な画像形成方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、トナーに特定の無機化合物微粉末を用いることにより、上記の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
<1>結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有する静電荷像乾式トナー組成物であって、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されていることを特徴とする静電荷像乾式トナー組成物である。
【0012】
<2>前記体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末のうち、1種の体積平均一次粒径が5nm以上30nm未満であり、他の1種の体積平均一次粒径が30nm以上70nm未満であることを特徴とする<1>に記載の静電荷像乾式トナー組成物である。
【0013】
<3>前記帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末の表面は、帯電制御剤により0.5〜5nmの厚みで被覆されていることを特徴とする<1>又は<2>に記載の静電荷像乾式トナー組成物である。
【0014】
<4>前記帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末は、無機化合物微粉末表面がアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はポリシロキサンによって被覆されていると共に前記被覆に帯電制御剤が付着していることを特徴とする<1>乃至<3>のいずれか1つに記載の静電荷像乾式トナー組成物である。
【0015】
<5>前記体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末のうち、少なくとも1種が比重1.2〜1.9、体積平均一次粒径80〜300nmの球形シリカであることを特徴とする<1>乃至<4>のいずれか1つに記載の静電荷像乾式トナー組成物である。
【0016】
<6>前記トナー粒子の形状係数SF1(ML2/A)が、100〜140の形状を有するトナー組成物であることを特徴とする<1>乃至<5>のいずれか1つに記載の静電荷像乾式トナー組成物である。
【0017】
<7>キャリヤとトナー組成物とを含有する静電潜像現像用現像剤であって、前記キャリヤが、芯材表面に、マトリックス樹脂中に導電材料が分散含有された樹脂被覆層を有するキャリヤであり、且つ、前記トナー組成物は、結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有し、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されているトナー組成物であることを特徴とする静電潜像現像用現像剤である。
【0018】
<8>前記帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末の表面は、帯電制御剤により0.5〜5nmの厚みで被覆されていることを特徴とする<7>に記載の静電潜像現像用現像剤である。
【0019】
<9>前記帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末は、無機化合物微粉末表面がアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はポリシロキサンによって被覆されていると共に前記被覆に帯電制御剤が付着していることを特徴とする<7>又は<8>に記載の静電潜像現像用現像剤である。
【0020】
<10>前記体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末のうち、1種の体積平均一次粒径が5nm以上30nm未満であり、他の1種の体積平均一次粒径が30nm以上70nm未満であることを特徴とする<7>乃至<9>のいずれか1つに記載の静電潜像現像用現像剤である。
【0021】
<11>前記トナー粒子の形状係数SF1(ML2/A)が、100〜140の形状を有するトナー組成物であることを特徴とする<7>乃至<10>のいずれか1つに記載の静電潜像現像用現像剤である。
【0022】
<12>潜像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体上を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段と、転写されたトナー像を記録材上に定着する定着手段とを有する画像形成装置を用いて画像を形成するカラー画像形成方法であって、前記トナー組成物は、結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有し、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されているトナー組成物であり、前記転写手段は、各色トナーを潜像担持体にそれぞれ現像し、転写ベルトあるいは転写ドラムに転写したのちに、各色トナーを一度に記録材へ転写することを特徴とするカラー画像形成方法である。
【0023】
<13>潜像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体上を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段と、転写後に潜像担持体上に残留したトナーを除くクリーニング手段と、転写されたトナー像を記録材上に定着する定着手段とを有する画像形成装置を用いて画像を形成する画像形成方法であって、前記トナー組成物は、結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有し、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されており、かつ、前記トナー粒子はSF1(ML2/A)が100〜140の形状を有してなるトナー組成物であり、前記クリーニング手段は、潜像担持体をブレードで摺擦することなしに静電ブラシを用いて潜像担持体上の残留トナーを回収することを特徴とする画像形成方法である。
【0024】
<14>潜像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体上を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段と、転写後に潜像担持体上に残留したトナーを除くクリーニング手段と、転写されたトナー像を記録材上に定着する定着手段とを有する画像形成装置を用いて画像を形成する画像形成方法であって、前記トナー組成物は、結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有し、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されており、かつ、前記トナー粒子はSF1(ML2/A)が100〜140の形状を有してなるトナー組成物であり、前記クリーニング手段は、潜像担持体をブレードで摺擦することなしに現像装置を用い潜像担持体上の残留トナーを回収することを特徴とする画像形成方法である。
【0025】
<15>潜像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体上を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を中間転写体に転写し、前記トナー像を記録材に転写すると同時に定着する転写定着手段とを有する画像形成装置を用いて画像を形成するカラー画像形成方法であって、前記トナー組成物は、結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有し、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されているトナー組成物であり、前記転写定着手段は、各色トナーを潜像担持体にそれぞれ現像し、中間転写体に転写したのちに、各色を一度に記録材へ転写と同時に定着することを特徴とするカラー画像形成方法である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の静電荷像乾式トナー組成物について説明する。なお、本発明の静電荷像乾式トナー組成物を単にトナーと称することがある。
トナーは内添微粒子として、帯電制御剤で表面を均一に被覆された無機化合物微粉末を含むことが必要である。
【0027】
無機化合物微粉末を帯電制御剤で処理することにより、無機化合物微粉末の樹脂への相溶性が改善し、定着特性や表面光沢性を向上させることが可能となり、また無機化合物微粉末(特にシリカ)の、過剰な帯電上昇は抑制でき、帯電レベルを低く制御するなど帯電特性の改善が可能となる。つまり、無機化合物微粉末がトナーに摩擦帯電性を付与することをできるだけ排除し、トナーの摩擦帯電性を低下させるような悪影響を与えることなく、トナーの環境依存性、定着性などを改善することができる。帯電制御剤の無機化合物微粉末表面への均一な被覆は、これら作用を有効に引き出すことができる。内添微粒子は、その体積平均一次粒径が0.005〜0.2μmであることが好ましく、0.005〜0.1μmであることがより好ましく、0.005〜0.07μmであることがさらに好ましい。特に無機化合物微粉末として酸化ケイ素を用いるときに効果が最大限に発揮される。
【0028】
そして、本発明においては、外添剤として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されていることが好ましい。体積平均一次粒径が小さい方の外添剤は粒子径が5以上30nm未満、平均粒子径の大きい方の外添剤は体積平均一次粒径が30以上70nm未満の範囲が好ましい。この範囲に設定した外添構成により、使用初期における小粒径トナー(体積平均粒径8μm以下)の流動性、帯電性、転写性がバランスよく制御できる。平均粒子径の小さい方の外添剤の添加量はトナー100質量部に対して0.3〜3質量部であることが好ましく、0.5〜1.5質量部であることがより好ましい。0.3質量部未満では十分な流動性が得られず、3質量部より大きいとトナー帯電維持性が低下する。平均粒子径の大きい方の外添剤の添加量はトナー100質量部に対して0.3〜4質量部であることが好ましく、0.5〜1.8質量部であることがより好ましい。0.3質量部未満では十分な転写性が得られず、4質量部より大きいとトナー流動性の悪化、帯電維持性への悪化が避けられない。
【0029】
現像・転写は、現像剤の均一な搬送性、転写時の電流等にも影響されるが、基本的にはトナー粒子を担持する担体の束縛力からトナー粒子を引き離し、対象体(潜像担持体または転写材)に付着させる工程であるので、静電引力およびトナー粒子と帯電付与部材あるいはトナー粒子と潜像担持体の付着力のバランスに左右される。このバランスの制御は非常に困難であるが、この工程は、直接画質に影響する上、効率を向上させると、信頼性の向上およびクリーニングレス等による省力化などが見込まれるので、上記工程においてはより高い現像・転写性が要求される。現像・転写は、F静電引力>F付着力の際に起こる。したがって、現像・転写の効率を向上させるには、静電引力を上げる(現像・転写力を強める)か、または付着力を下げる方向に制御すればよいが、現像・転写力を強める場合、例えば転写電場を高くすれば逆極トナーが発生する等、2次障害を起こしやすい。したがって、付着力を下げる方が有効である。
【0030】
付着力としてはファンデルワールス力(Van der Waals 力:非静電的付着力)およびトナー粒子の持つ電荷による鏡像力があげられるが、両者の間には1オーダー近いレベル差があり、ほとんどファンデルワールス力で議論されるものと解釈できる。球状粒子間のファンデルワールス力Fは、下記の式で表される。
【0031】
F=H・r1 ・r2 /6(r1 +r2 )・a2
【0032】
(H:定数、r1 、r2 :接触する粒子の半径、a:粒子間距離)
付着力の低減のため、トナー粒子に比べrが非常に小さい微粉末をトナー粒子および潜像担持体表面または帯電付与部材表面の間に介在させることにより、各々に距離aを持たせ、さらに接触面積(接触点数)を減少させる手法が有効であり、その効果を安定に持続する手段として本発明における比重1.2〜1.9、体積平均一次粒径80〜300nm単分散球形シリカを用いることが有効であることを更に見出した。比重としては1.9以下に制御することでトナーからの剥がれ、また1.2以上に制御することで凝集分散を抑制できるものである。また単分散且つ球形であることからトナー表面に均一に分散し、安定したスペーサー効果が得ることができる。単分散の定義としては凝集体を含め平均粒径に対する標準偏差で議論することができ、標準偏差としてD50×0.22以下であることが望ましい。球形の定義としてはWadellの球形度で議論ができ球形化度が0.6以上、好ましくは0.8以上であることが望ましい。またシリカに限定する理由として屈折率が1.5前後であり、粒径を大きくしても光散乱による透明度の低下、特にOHP上への画像採取時のPE値等に影響を及ぼさないことが上げられる。
【0033】
一般的なフュームドシリカは比重2.2であり、粒径的にも最大50nmが製造上から限界である。また凝集体として粒径を上げることは出来るが均一分散、安定したスペーサー効果が得られない。一方、他の代表的な無機微粒子としては酸化チタン(比重4.2、屈折率2.6)、アルミナ(比重4.0、屈折率1.8)、酸化亜鉛(比重5.6、屈折率2.0)を上げることができるがいずれも比重が高く、スペーサー効果を有効に発現する粒径80nmより大きくするとトナーからの剥がれが起こりやすくなり、剥がれた粒子が帯電付与部材、あるいは潜像担持体等へ移行しやすくなり帯電低下あるいは画質欠陥を引き起こす。またその屈折率も高いため大粒径無機物を用いることはカラー画像作成にはあまり適さない。
【0034】
本発明において外添剤はトナー粒子に添加し、混合されるが、混合は、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサーやレディゲミキサー等の公知の混合機によって行うことができる。
【0035】
また、この際必要に応じて種々の添加剤を添加しても良い。これらの添加剤としては、他の流動化剤やポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等のクリーニング助剤もしくは転写助剤等があげられる。比重1.2〜1.9、体積平均一次粒径80〜300nmの単分散球形シリカの添加量はトナー100質量部に対して0.5〜5質量部であることが好ましく、1〜3質量部であることがより好ましい。0.5未満では十分な転写性向上が得られず、5質量%より大きいとトナー流動性の悪化、帯電性への悪化が避けられない。
【0036】
また、トナーへの外添方法として、2種類以上の無機酸化物微粉末と比重1.2〜1.9、体積平均一次粒径80〜300nmの単分散球形シリカを同時に添加混合してもよい。
【0037】
また添加方法を種々検討したところ、比重1.2〜1.9、体積平均一次粒径80〜300nmの単分散球形シリカを先ず混合し、それより弱いシアで他の無機酸化物微粉末を添加することにより、本発明の効果を高く得る事ができた。
また、外添混合後に篩分プロセスを通しても一向にかまわない。
【0038】
また、球形トナーを用いた場合、必然的に現像器内の搬送規制部位でパッキング性が上がり、それに伴いトナー表面だけでなくキャリヤにも強い力が加わる事になる。そこでキャリヤの樹脂被覆層に導電材料を分散含有することにより、樹脂被覆層の剥がれが発生しても、体積固有抵抗を大きく変化させることなく、結果として長期にわたる高画質の発現を可能とすることができることを見出した。
【0039】
また、ブレードクリーニング方式が高い性能安定性を有することから一般的に使用されているが、本発明のトナーを用いることにより、静電ブラシを用いて潜像担持体上の残留トナーを回収することが可能となり、潜像担持体の摩耗Lifeを大きく伸ばすことが可能となる。
【0040】
また、本発明のトナーを用いることによりクリーニングシステムを潜像担持体上に設けることなく、残留トナーを再度現像器中に回収した場合も特異的なトナーが選択的に蓄積することがなく安定した現像、転写、定着性能を得ることが可能となる。
【0041】
更には、本発明のトナーを用いることにより、各色を潜像担持体にそれぞれ現像し、中間転写体に転写したのちに、各色を一度に記録材へ転写と同時に定着することにより、高画質画像を得ることができる。また特にOHP上への画像採取時のPE値等に影響を及ぼさないことが同時に確認されている。
【0042】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明に係る帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末の製造法について述べる。
本発明に係る帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末は、例えば酸化ケイ素微粉末とアルコキシシラン又はポリシロキサンを混合し、酸化ケイ素微粉末の粒子表面をアルコキシシラン又はポリシロキサンによって被覆し、次いで、アルコキシシラン又はポリシロキサンによって被覆された酸化ケイ素微粉末と帯電制御剤を混合することによって得ることができる。
無機化合物微粉末のアルコキシシラン又はポリシロキサンによる被覆は、無機化合物微粉末とアルコキシシラン又はポリシロキサンとを機械的に混合攪拌したり、無機化合物微粉末にアルコキシシラン又はポリシロキサンを噴霧しながら機械的に混合攪拌すればよい。添加したアルコキシシラン又はポリシロキサンは、ほぼ全量が無機化合物微粉末の粒子表面に被覆される。
【0043】
なお、被覆されたアルコキシシランは、その1部が被覆工程を経ることによって生成する、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物として被覆されていてもよい。この場合においてもその後の帯電制御剤の付着に影響することはない。
【0044】
無機化合物微粉末とアルコキシシラン又はポリシロキサンとの混合攪拌や前記帯電制御剤と粒子表面にアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はポリシロキサンが被覆されている無機化合物微粉末との混合攪拌をするための機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、殊に、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール形混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることができる。本発明の実施にあたっては、ホイール型混練機がより効果的に使用できる。上記ホイール型混練機としては、具体的に、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラーであり、より好ましくはエッジランナーである。上記ボール型混練機としては、具体的に、振動ミル等がある。上記ブレード型混練機としては、具体的に、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウタミキサー等がある。上記ロール型混練機としては、具体的に、エクストルーダー等がある。
【0045】
混合撹拌時における条件は、無機化合物微粉末の粒子表面にアルコキシシラン又はポリシロキサンができるだけ均一に被覆されるように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5〜120分、好ましくは10〜90分の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0046】
アルコキシシラン又はポリシロキサンの添加量は、無機化合物微粉末100質量部に対して0.15〜45質量部が好ましい。0.15質量部未満の場合には、目的とする帯電制御剤で均一に表面を被覆した無機化合物微粉末を得られるだけの帯電制御剤を付着させることが困難である。0.15〜45質量部の添加量により、無機化合物微粉末100質量部に対して帯電制御剤を3〜30質量部付着させることができるので、45質量部を超えて必要以上に添加する意味がない。
【0047】
次いで、アルコキシシラン又はポリシロキサンを被覆した酸化ケイ素微粉末に帯電制御剤を添加し、混合攪拌して、アルコキシシラン被覆又はポリシロキサン被覆に帯電制御剤を付着させる。必要により更に、乾燥乃至加熱処理を行ってもよい。
帯電制御剤は、少量ずつを時間をかけながら、殊に5〜60分間程度をかけて添加するのが好ましい。
【0048】
混合攪拌時における条件は、帯電制御剤が均一に付着するように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5〜120分、好ましくは10〜90分の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0049】
帯電制御剤の添加量は、無機化合物微粉末100質量部に対して3〜30質量部である。好ましくは3〜15質量部である。帯電制御剤の添加量が上記範囲外の場合には、目的とする帯電制御剤で均一に表面を被覆した無機化合物微粉末が得られない。
【0050】
乾燥乃至加熱工程における加熱温度は、通常40〜150℃が好ましく、より好ましくは60〜120℃である。処理時間は10分〜12時間が好ましく、30分〜3時間がより好ましい。
【0051】
無機化合物微粉末の被覆に用いられたアルコキシシランは、これらの工程を経ることにより、最終的にはアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物となって被覆されている。
【0052】
内添微粒子としては、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属酸化物やセラミック粒子など、またその他公知のものが挙げられる。これらの中でも、結着樹脂との屈折率差が小さい、シリカ微粒子、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウムを主体としたものであることが好ましく、シリカ系微粒子であることが特に好ましい。これらを単独、または2種以上併用することも可能であるが、その場合に、結着樹脂との屈折率差が大きい微粒子を大量に用いると画像の発色性が損なわれることがあることから、シリカ微粒子、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウムの合計が、内添微粒子の総量の70%以上であることが好ましい。
また必要に応じて疎水化処理を施したものを使用することができる。
【0053】
疎水化処理に使用することができる疎水化剤としては、例えば、メチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のアルキルクロロシラン類、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のアルキルメトキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等があげられる。
【0054】
これらの内添に用いる無機化合物微粒子は、予め超音波分散機などを用いてイオン界面活性剤の存在下で分散処理して使用される。なお、コロイダルシリカを用いる場合にはこの分散処理を必ずしも必要としない。
【0055】
無機化合物微粉末を被覆する帯電制御剤としては従来公知のものが使用でき、例えば、正帯電制御剤としてニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム基及び/又はアミノ基を含有する樹脂等が、負帯電制御剤としてトリメチルエタン系染料、サリチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等の重金属含有酸性染料、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、カルボキシル基及び/又はスルホニル基を含有する樹脂、等がある。
【0056】
また本発明の比重1.3〜1.9、体積平均一次粒径80〜300nm単分散球形シリカは湿式法であるゾルゲル法により得ることができる。比重は湿式法、且つ焼成することなしに作成するため、蒸気相酸化法に比べ低く制御することができる。また疎水化処理工程での疎水化処理剤種、あるいは処理量を制御することにより更に調整することが可能である。粒径はゾルゲル法の加水分解、縮重合工程のアルコキシシラン、アンモニア、アルコール、水の重量比、反応温度、攪拌速度、供給速度により自由に制御できる。単分散、球形形状も本手法にて作成することにより達成可能となる。具体的にはテトラメトキシシランを水、アルコールの存在下、アンモニア水を触媒として温度をかけながら滴下、攪拌を行う。次に反応により作成されたシリカゾル懸濁液を遠心分離を行い湿潤シリカゲルとアルコール、アンモニア水に分離する。湿潤シリカゲルに溶剤を加え再度シリカゾルの状態にし、疎水化処理剤を加え、シリカ表面の疎水化を行う。疎水化剤としては一般的なシラン化合物を用いることができる。次にこの疎水化処理シリカゾルから溶媒を除去、乾燥、シーブすることにより狙いの単分散シリカを得ることができる。またこの様に得られたシリカを再度処理を行っても構わない。上記シラン化合物は、水溶性であるものが使用できる。このようなシラン化合物としては、化学構造式RaSiX4−a (式中、aは0〜3の整数であり、Rは水素原子、アルキル基及びアルケニル基等の有機基を表し、Xは塩素原子、メトキシ基及びエトキシ基等の加水分解性基を表す。)で表される化合物を使用することができ、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれのタイプを使用することも可能である。
【0057】
具体的にはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O―(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N―ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert―ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、βー(3,4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γークロロプロピルトリメトキシシランを代表的なものとして例示することができる。本発明における処理剤は、特に好ましくは、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等である。
【0058】
本発明のトナーとしては、体積平均粒径2〜8μmのトナーを用いることができる。
【0059】
トナー粒子の平均形状係数SF1(ML2/A)が100〜140のものを用いることにより高い現像、転写性、及び高画質の画像を得ることができる。
本発明に用いられるトナーは、上記の形状係数と粒径を満足する範囲のものであれば特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。また本発明の無機酸化微粉末の内添方法もトナーの製造方法に応じ、特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。
【0060】
本発明のトナーにおいて、トナー内部に添加される内添微粒子は、トナー製造時に他の原材料と共に添加してもよいが、あらかじめ何らかの処理が行われていてもよい。例えば、水やメタノールなどの樹脂を溶解させない溶媒中に、攪拌や超音波などの分散手段により微粒子を分散させた後、ニーダー等の加熱混練可能な混練機中で80℃から180℃程度で加熱溶融された樹脂に、前記分散体を添加しながら混練し、微粒子を水相から油相(この場合は樹脂相)に転移させ、水分を除去乾燥していく方法(フラッシング法)によってあらかじめ樹脂への分散処理がなされたものであってもよい。また、THFやトルエンなどの樹脂を溶解させる溶媒中に樹脂を溶解させ、攪拌や超音波などの分散手段により微粒子を分散させた後、溶剤を乾燥除去していく方法などによって樹脂への分散処理がなされたものであってもよい。微粒子を分散させる際に、界面活性剤類や塩類などを添加してもよい。なお微粒子に限らず、添加される原料はあらかじめ同様の処理がなされたものであってもよい。
【0061】
トナーの製造は、例えば、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が使用できる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。特に、球状トナーを得る事が容易な湿式製法トナーが好ましく用いられ、さらに、分布がシャープなトナー粒子を得ることができる点で乳化重合凝集法によるトナー粒子が好ましく用いられる。これらのトナー粒子を用いることにより、効果を効率的に発揮できる。
【0062】
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα―メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレンーアクリル酸アルキル共重合体、スチレンーメタクリル酸アルキル共重合体、スチレンーアクリロニトリル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、スチレンー無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等をあげることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等をあげることができる。
【0063】
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
【0064】
離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
【0065】
また、本発明のトナーには、必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。本発明におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナーおよび磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
【0066】
一方、キャリヤは、芯材表面に、マトリックス樹脂中に導電材料が分散含有された樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリヤが好ましく使用される。
マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、スチレンーアクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。また、導電材料としては、金、銀、銅といった金属、また酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料の含有量は、マトリックス樹脂100質量部に対し1〜50質量部であることが好ましく、3〜20質量部であることがより好ましい。
【0067】
キャリヤの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが磁気ブラシ法を用い体積固有抵抗を調整するためには磁性材料であることが好ましい。
芯材の平均粒子径は、一般的には10〜500μmであり、好ましくは30〜100μmである。
【0068】
キャリヤの芯材の表面に樹脂被覆層を形成する方法としては、キャリヤ芯材を、マトリックス樹脂、導電材料及び溶剤を含む被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリヤ芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリヤ芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリヤ芯材と被覆層形成溶液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
【0069】
樹脂被覆層形成用溶液中に使用する溶剤は、該マトリックス樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が使用できる。
また、樹脂被覆層の平均膜厚は、通常0.1〜10μmであるが、本発明においては経時にわたり安定したキャリヤの体積固有抵抗を発現させるため0.5〜3μmの範囲であることが好ましい。
【0070】
上記のように形成されるキャリヤの体積固有抵抗は、高画質を達成するために、通常の現像コントラスト電位の上下限に相当する103 〜104 V/cmの範囲において、106 〜1014Ωcmであることが好ましい。キャリヤの体積固有抵抗が106 Ωcm未満であると細線の再現性が悪く、また電荷の注入による背景部へのトナーかぶりが発生しやすくなる。また、キャリヤの体積固有抵抗が1014Ωcmより大きいと黒ベタ、ハーフトーンの再現が悪くなる。また感光体へ移行するキャリヤの量が増え、感光体を傷つけやすい。また静電ブラシはカーボンブラック、金属酸化物等の導電フィラーを含有させた樹脂あるいは表面に被覆した繊維状の物質が使用できるが、それに限定されるものではない。
【0071】
<画像形成装置>
本発明の画像形成方法においては、画像形成を行う画像形成装置として、潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、を含む画像形成装置が使用される。特に前記潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段、とを複数備えるもの、すなわちタンデム型の画像形成装置が好ましく用いられる。
特に、本発明の画像形成方法において、フルカラー画像を作成する場合には、用紙汎用性、高画質の観点から、各色のカラートナー画像を、被転写体としての中間転写ベルトまたは中間転写ドラム表面に一旦転写して積層させた後、該積層されたカラートナー画像を一度に紙等の記録媒体表面に転写することが好ましい。
【0072】
以下に、本発明において用いられる画像形成装置について、その一例を挙げて説明する。
図1は、本発明において用いられる画像形成装置の一例を示す概略断面図である。この画像形成装置においては、図1に示すように、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンそしてブラックの各色の画像を形成する4つの現像ユニット40Y,40M,40C,40Kが、所定の間隔をおいて並列的に(タンデム状に)配置されている。ここで、各現像ユニット40Y,40M,40C,40Kは、収容されている現像剤中のトナーの色を除き基本的に同様に構成されているので、以下、イエローの現像ユニット40Yを代表させて説明する。
【0073】
イエローの現像ユニット40Yは、像担持体としての感光体ドラム(潜像担持体)1Yを備えており、この感光体ドラム1Yは、当該図1が描かれた紙面に垂直な方向に軸線を有し、図示の矢印A方向に沿って図示しない駆動手段によって所定のプロセススピードで回転駆動されるようになっている。感光体ドラム1Yとしては、例えば、赤外領域に感度を持つ有機感光体が用いられる。
なお、所定の条件により自動で、あるいは、手動で、プロセススピードの切り替えが可能であってもよい。本発明の画像形成方法は、このようにプロセススピードの切り替えが途中で行われるような装置であっても、高画質な画像形成と現像剤の維持性とを実現し得るものである。ここで、「所定の条件により自動」としては、例えば、写真画像等高精細な画像部分を含む画像情報が入力された場合に、高画質な画像を得るため、自動で通常モードから低速モードに切換える場合が挙げられる。
【0074】
図1における感光体ドラム1Yの上部には、ロール帯電方式の帯電器(帯電手段)20Yが設けられており、帯電器20Yには、不図示の電源により所定の電圧が印加され、感光体ドラム1Yの表面が所定の電位に帯電される(帯電器20M,20C,20Kおよび感光体ドラム1M,1C,1Kにおいても同様。)。
【0075】
感光体ドラム1Yの周囲には、帯電器20Yよりも当該感光体ドラム1Yの回転方向下流側に、当該感光体ドラム1Yの表面に画像露光を施して静電潜像を形成する潜像形成手段3Yが配置されている。なお、ここでは潜像形成手段3Yとして、スペースの関係上、小型化が可能なLEDアレイを用いているが、これに限定されるものではなく、他のレーザービーム等による潜像形成手段を用いても勿論問題無い。
【0076】
また、感光体ドラム1Yの周囲には、潜像形成手段3Yよりも当該感光体ドラム1Yの回転方向下流側に、イエロー色の現像器4Yが配置されており、感光体ドラム1Y表面に形成された静電潜像を、イエロー色のトナーによって顕像化され、感光体ドラム1Y表面にトナー画像を形成する構成になっている。
【0077】
図1における感光体ドラム1Yの下方には、感光体ドラム1Y表面に形成されたトナー画像を一次転写する中間転写ベルト15が、4つの感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの下方に渡るように配置されており、この中間転写ベルト15は、一次転写ロール5Yによって感光体ドラム1Yの表面に押し付けられている。また、中間転写ベルト15は、駆動ロール11、支持ロール12およびバックアップロール13の3つのロールからなる駆動手段によって張架され、感光体ドラム1Yのプロセススピードと等しい移動速度で、矢印B方向に周動されるようになっている。そして、中間転写ベルト15表面には、上記のようにして一次転写されたイエローのトナー画像の他、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナー画像が順次一次転写され、積層される。
【0078】
また、感光体ドラム1Yの周囲には、一次転写ロール5Yよりも感光体ドラム1Yの回転方向(矢印A方向)下流側に、感光体ドラム1Yの表面に残留したトナーやリトランスファーしたトナーを清掃するためのクリーニングブレードからなるクリーニング手段6Yが配置されており、クリーニング手段6Yにおけるクリーニングブレードは、感光体ドラム1Yの表面にカウンター方向に当接するように取り付けられている。
【0079】
中間転写ベルト15を張架するバックアップロール13には、中間転写ベルト15を介して二次転写ロール14が圧接されており、中間転写ベルト15表面に一次転写され積層されたトナー画像を、バックアップロール13と二次転写ロール14とのニップ部に、図示しない用紙カセットから給紙される被転写体16表面に、静電的に転写するように構成されている。
【0080】
さらに、中間転写ベルト15の外周には、駆動ロール11の表面に略対応した位置に、中間転写ベルト用の清掃部材17が当該中間転写ベルト15の表面に接触するように配置されている。
【0081】
また、図1における中間転写ベルト15の駆動ロール11の下方には、被転写体16上に多重転写されたトナー画像を、熱及び圧力によって被転写体16表面に転写して、永久像とするための定着器18が配置されている。
【0082】
次に、上記のように構成されたイエロー、マゼンタ、シアンそしてブラックの各色の画像を形成する各現像ユニット40Y,40M,40C,40Kの動作について説明する。各現像ユニット40Y,40M,40C,40Kの動作は、それぞれ同様であるため、ここでは、イエローの現像ユニット40Yの動作を、その代表として説明する。
【0083】
イエローの現像ユニット40Yにおいて、感光体ドラム1Yは、矢印A方向に所定のプロセススピードで回転しており、感光体ドラム1Yの表面は、不図示の電源によって帯電器20Yに所定の電圧を印加することにより、帯電器20Yと感光体ドラム1Yとの間の微小間隙に生じる放電、又は電荷の注入によって、所定の電位にマイナス帯電される。その後、感光体ドラム1Yの表面には、潜像形成手段3Yによって画像露光が施され、画像情報に応じた静電潜像が形成される。続いて、感光体ドラム1Yの表面に形成された静電潜像は、現像器4Yによりマイナス帯電されたトナーが反転現像され、感光体ドラム1Y表面に可視像化され、トナー画像が形成される。その後、感光体ドラム1Y表面のトナー画像は、一次転写ロール5Yにより中間転写ベルト15表面に一次転写される。一次転写後、感光体ドラム1Yは、その表面に残留したトナー等がクリーニング手段6Yのクリーニングブレードにより掻き取られ、清掃され、次の画像形成工程に備える。
【0084】
以上の動作が各現像ユニット40Y,40M,40C,40Kで行われ、各感光体ドラム1Y,1M,1C,1K表面に可視像化されたトナー画像が、次々と中間転写ベルト15表面に多重転写されていく。フルカラーモード時は、イエロー、マゼンタ、シアンそしてブラックの順に各色のトナー画像が多重転写されるが、単色、二色、三色モード時のときも同様の順番で、必要な色のトナー画像のみが単独または多重転写されることになる。その後、中間転写ベルト15表面に単独または多重転写されたトナー画像は、二次転写ロール14により、図示しない用紙カセットから搬送されてきた被転写体16表面に二次転写され、続いて、定着器18において加熱・加圧されることにより定着される。二次転写後に中間転写ベルト15表面に残留したトナーは、中間転写ベルト15用のクリーニングブレードである清掃部材17により清掃される。
【0085】
本発明の画像形成方法に使用する画像形成装置において、各構成部材は、本発明に規定するものの他、特に制限はない。例えば、潜像担持体、中間転写ベルト(あるいは中間転写ドラム)、帯電器等の各構成要素は、公知の如何なるものをも採用することができる。
ただし、前記帯電手段としては、オゾン発生の低減による環境保全性等を高い次元で実現できる点で、ロール帯電方式の帯電器であることが好ましい。
【0086】
また、クリーニング手段6Yとしては、ブレードクリーニング方式のものが、性能安定性に優れることから、一般に好ましく使用されており、上記例においても採用している。球形に近いトナーのクリーニングを可能とするためにはブレードの物理特性制御および接触条件を最適化することが望まれるが、それとともに前記本発明に規定する現像剤、特に既述の単分散球形シリカ、研磨剤および滑剤とを組み合わせた外添剤を添加したトナーを含む現像剤を用いることにより、潜像担持体表面の残留トナーを安定的にクリーニングすることが可能となり、潜像担持体の耐摩耗性による寿命を大きく延ばすことができる。
【0087】
また、クリーニング手段は潜像担持体をブレードで摺擦することなしに静電ブラシを用いてもよい。また、ブレードクリーニング方式の性能安定性が高いことから一般的に使用されているが、本発明のトナーを用いることにより、静電ブラシを用い潜像担持体上の残留トナーを回収することが可能となり、潜像担持体の摩耗Life(寿命)を大きく伸ばすことが可能となる。
前記静電ブラシとしては、カーボンブラック、金属酸化物等の導電フィラーを含有させた樹脂からなる繊維状の物質、あるいは、前記導電性フィラーを表面に被覆した繊維状の物質を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0088】
さらに、前記クリーニング手段は潜像担持体をブレードで摺擦することなしに現像装置を用い潜像担持体上の残留トナーを回収してもよい。
このようにして残留トナーを再度現像器中に回収した場合も特異的なトナーが選択的に蓄積することがなく安定した現像、転写、定着性能を得ることが可能となった。
【0089】
以上、本発明の画像形成方法に使用する画像形成装置の一例の図面を用いて、本発明の画像形成方法について説明したが、本発明は、本発明の構成を具備する限り、他の任意的要素については、公知の知見により如何なる変更・修正をも為し得るものであり、制限されるものではない。
【0090】
本発明はさらに、潜像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体上を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を中間転写体に転写し、前記トナー像を記録材に転写すると同時に定着する転写定着手段とを有する画像形成装置を用いて画像を形成するカラー画像形成方法であって、前記トナー組成物は、結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有し、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されているトナー組成物であり、前記転写定着手段は、各色トナーを潜像担持体にそれぞれ現像し、中間転写体に転写したのちに、各色を一度に記録材へ転写と同時に定着することを特徴とする。
【0091】
すなわち、既述の本発明のトナー組成物を用いた場合には、前記転写定着手段を有する画像形成装置を用いて画像形成を行った場合でも、特にフルカラー画像において高画質な画像を得ることができる。
【0092】
本発明の画像形成方法において、転写工程における中間転写体は、未定着トナー像を保持した状態で所定のトナー像転写定着位置に搬送するものであり、具体的には、ベース層と表面層とから成る2層構造のものが用いられることが好ましい。ベース層としては、抵抗を低く制御するためにカーボンブラック、金属酸化物等の導電性フィラーを含有させた樹脂フィルムを用いることができる。表面層はトナーの離型性をあげるために表面エネルギーの低い材料を用いて作成されたフィルムを用いるのが好ましい。いずれの材料も耐熱フィルムであることが重要であり、PFA(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、シリコーン系等のフィルムを使用することができる。但し、これらに限定されるものではない。
【0093】
本発明の画像形成方法において、転写定着手段における転写定着では、少なくとも加熱により行われるが、加熱加圧して行われることが好ましい。具体的には、例えば、中間転写体上のトナー像を間に挟むように所定の記録媒体を重ね合わせて、重ね合わされた中間転写体、トナー像、及び記録媒体を間に挟んで加熱加圧する一対の加熱加圧部材を用いて行われることが好ましい。加熱加圧部材としては、鉄、ステンレス、銅、アルミニウム、等の金属ロール上にシリコーンゴムなどの耐熱弾性層を形成したロールに、ハロゲンランプ等の熱源を内包したものを用いることができる。なお、加熱加圧部材は、ロールに限定されるものではなく、中間転写体と記録媒体との間に浮きやずれを発生することなく均一に加圧できるものであればどのような構成のものでもよい。例えば、1つの加熱加圧ロールと1つの固定パッドを組み合せたもの、あるいは一組の固定パッドで構成してもよい。
【0094】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、トナー組成物、キャリヤの説明において、特に断りのない限り、「部」は全て「質量部」を意味する。
なお、トナー組成物、キャリヤ、及び静電潜像現像剤の製造において、各測定は以下の方法で行った。
【0095】
<無機化合物微粉末の被覆均一性測定>
(1) サンプル粒子を2液混合型のエポキシ液に分散し、1昼夜放置して固化させる。
(2) それからミクロトームで厚さ100nmの切片を作製する。
(3) その切片を銅メッシュ上にのせ、高分解能電子顕微鏡JEM−2010(日本電子株式会社製)にセットし、印加電圧200kVで50万倍で写真撮影する。
(4) そのネガを3倍〜10倍にひきのばしてプリントする。
(5) (1)〜(4)の手順によるプリントで、任意に粒子個数10個の断面の粒子表面を観察し、粒子全表面に対する表面被覆状態を評価する。
【0096】
被覆率=被覆長さ/粒子全表面長さ×100(%)
【0097】
<外添剤の比重測定>
ルシャテリエ比重瓶を用いJIS−K−0061の5−2−1に準拠して比重を測定した。操作は次の通り行う。
(1) ルシャテリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整する。
(2) 比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2°Cになったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(3) 試料を約100.000gを量り取り、その質量をWとする。
(4) 量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除く。
(5) 比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2°Cになったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(6) 次式により比重を算出する。
D=W/(L2 −L1 ) ・・・式1
S=D/0.9982 ・・・式2
式中、Dは試料の密度(20℃)(g/cm3)、Sは試料の比重(20℃)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(20℃)(ml)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(20℃)(ml)、0.9982は20°Cにおける水の密度(g/cm3)である。
【0098】
<外添剤の一次粒子径及びその標準偏差測定>
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA−910)を用いた。
【0099】
<球形度>
球形度はWadellの真の球形度を採用した。
球形度=(実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積)/(実際の粒子の表面積)
ここで、「実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積」は、平均粒径から計算により求め、「実際の粒子の表面積」は、島津粉体比表面積測定装置SS−100型を用いBET比表面積より代用させた。
【0100】
<抵抗測定>
図2に示されるように、測定試料53を厚みHとして下部電極54と上部電極52とで挟持し、上方より加圧しながらダイヤルゲージで厚みを測定し測定試料53の電気抵抗を高電圧抵抗計55で計測した。具体的には、特定酸化チタンの試料に成形機にて500kg/cm2の圧力を加えて測定ディスクを作成した。次いで、ディスクの表面をハケで清掃し、セル内の上部電極52と下部電極54との間に挟み込み、ダイヤルゲージで厚みを測定した。次に電圧を印加し、電流値を読み取ることにより、体積固有抵抗を求めた。
また、キャリヤの試料を100φの下部電極54に充填し、上部電極52をセットし、その上から3.43kgの荷重を加え、ダイヤルゲージで厚みを測定した。次に電圧を印加し、電流値を読み取ることにより、体積固有抵抗を求めた。
【0101】
<トナー形状係数SF1(ML2/A)>
本発明において、トナーの平均形状係数SF1(ML2/A)とは、下記式で計算された値を意味し、真球の場合ML2/A=100となる。
ML2/A=(最大長)2 ×π×100/(面積×4)
平均形状指数を求めるための具体的な手法として、トナー画像を光学顕微鏡から画像解析装置(LUZEX III、(株)ニレコ製)に取り込み、円相当径を測定して、最大長および面積から、個々の粒子について上記式のML2/Aの値を求める。
【0102】
<帯電量測定>
(1) 高温高湿及び低温低湿における帯電量は、高温高湿:30℃、90%RH、低温低湿:5℃、10%RHの各雰囲気下にトナー組生物、キャリヤの双方をそれぞれ24時間放置し、蓋付きガラスビンにトナー濃度が5質量%になるように、トナー組成物、キャリヤを採取し、それぞれの雰囲気下でターブラ攪拌を行い、攪拌された現像剤を25℃、55%RHの条件下で東芝社製TB200にて測定した。
(2) 実機評価試験における帯電量は、現像器中のマグスリーブ上の現像剤を採取し、上記と同様25℃、55%RHの条件下で東芝社製TB200にて測定した。
【0103】
<画像濃度(Solid Area Density)>
画像濃度は、X−Rite404A(X−Rite)を用いて測定した。
【0104】
[帯電制御剤被覆無機化合物微粉末(A)の調整]
酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、体積平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)3000質量部をエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入し、メチルトリエトキシシラン(商品名:TSL8123:東芝シリコーン株式会社製)50質量部を200質量部のエタノールで混合希釈して得られるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッジランナーを稼動させながら上記酸化ケイ素微粉末に添加し、混合攪拌を行った。
次に、1−ナフトール−4−硫酸のベンジルトリエチルアンモニウム塩200質量部を、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、混合攪拌を行い、メチルトリエトキシシラン被覆の上に1−ナフトール−4−硫酸のベンジルトリエチルアンモニウム塩を付着させた後、乾燥器を用いて105℃で60分間加熱処理を行い、帯電制御剤被覆酸化ケイ素微粉末(A)を得た。
体積平均一次粒径15nmであり、被覆状態を観察し、その結果被覆厚みが1.0〜2.0nmの範囲であり微粉末表面の100%が被覆されていた。
【0105】
[帯電制御剤被覆無機化合物微粉末(B)の調整]
酸化ケイ素微粉末R812(疎水性、粒子形状:不定形、体積平均一次粒径8nm、日本アエロジル社製)3000質量部をエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入し、メチルトリエトキシシラン(商品名:TSL8123:東芝シリコーン株式会社製)50質量部を200質量部のエタノールで混合希釈して得られるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッジランナーを稼動させながら上記酸化ケイ素微粉末に添加し、混合攪拌を行った。
次に、トリフェニルメタン系染料100質量部を、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、混合攪拌を行い、メチルトリエトキシシラン被覆の上にトリフェニルメタン系染料を付着させた後、乾燥を用いて105℃で60分間加熱処理を行い、帯電制御剤被覆酸化ケイ素微粉末(B)を得た。
体積平均一次粒径10nmであり、被覆状態を観察し、その結果被覆厚みが0.5〜1.5nmの範囲であり微粉末表面の100%が被覆されていた。
【0106】
[単分散球形シリカ(A)の調整]
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕により比重1.50、球形化度Ψ=0.70、体積平均一次粒径D50=100nm(標準偏差=40nm)の球形単分散シリカ(A)を得た。
【0107】
[単分散球形シリカ(B)の調整]
ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕により比重1.30、球形化度Ψ=0.70、体積平均一次粒径D50=120nm(標準偏差=40nm)の球形単分散シリカ(B)を得た。
【0108】
<キャリヤの生成>
フェライト粒子(平均粒径:50μm) 100部
トルエン 14部
スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分比:90/10) 2部
カーボンブラック(R330:キャボット社製) 0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて、分散した被覆液を調整し、次に、この被覆液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した
その後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリヤを得た。このキャリヤは、1000V/cmの印加電界時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
【0109】
[着色粒子A製造方法]
攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物を1.1モルと、ビスフェノールAトリメチレンオキサイド2モル付加物を1.8モルと、シクロヘキサンジメタノールを1.6モルと、エチレングリコールを0.70モルと、テレフタル酸を5.0モルとを投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、ジブチルスズオキサイドを0.035モル投入して、窒素ガス気流下約195℃で約6時間撹拌反応させ、さらに温度を約240℃に上げて約5.5時間撹拌反応させた後、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、減圧下で約0.2時間攪拌反応させて、淡黄色透明な非晶性線状ポリエステル樹脂Aを得た。ポリエステル樹脂Aは、DSC法によるTgが55℃、スチレン換算GPC法による、Mwが11800、Mnが4500、Mw/Mnが2.6、JIS K0070に従ってアセトン−トルエン混合溶液を用いて測定した酸価が16KOHmg/g、水酸基価が25KOHmg/g、粘弾性測定によるG’’が10000Paになる温度が約99℃であった。
ニーダー中でポリエステル樹脂70部を95℃で溶融させた後、あらかじめ蒸留水350部に帯電制御剤被覆酸化ケイ素微粉末(A)30部を分散処理した水分散体を徐々に加えながら、105℃で減圧しながら混練して水分を除去し、「帯電制御剤被覆酸化ケイ素微粉末(A)」分散樹脂を得た。内添微粒子分散樹脂は、ポリエステル樹脂が70質量%、「帯電制御剤被覆酸化ケイ素微粉末(A)」が30質量%からなる。
前記ポリエステル樹脂のみを405部と、あらかじめ44μの篩で篩分したカーボンブラック(R330:キャボット社製)4部と、内添微粒子分散樹脂を750部とを、BR型バンバリー型混練機(神戸製鋼社製)で、回転数120rpmで約8分間溶融混練した後、精製カルナバワックス(日星産業社)120部を加え、さらに約7分間溶融混練した。混練物を圧延ロールで厚さ1cm程度の板状に成形し、フィッツミル型粉砕機で数ミリ程度まで粗粉砕し、IDS型粉砕機で微粉砕を、エルボー型分級機で分級を順次行い、シリカ粒子「帯電制御剤被覆酸化ケイ素微粉末(A)」含有量15質量%、顔料含有量4.5%、体積平均粒径D50が6.6μmの黒色着色粒子Aを得た。
【0110】
[着色粒子B製造方法]
<樹脂分散液(1)の調整>
スチレン 370質量部
n−ブチルアクリレート 30質量部
アクリル酸 8質量部
ドデカンチオール 24質量部
四臭化炭素 4質量部
以上の成分を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6質量部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10質量部をイオン交換水550質量部に溶解したものにフラスコ中で乳化分散させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果平均粒径が155nmであり、Tg=59℃、重量平均分子量Mw=12000の樹脂粒子が分散された樹脂分散液(1)が得られた。
【0111】
<樹脂分散液(2)の調整>
スチレン 280質量部
n−ブチルアクリレート 120質量部
アクリル酸 8質量部
以上の成分を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6質量部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)12質量部をイオン交換水550質量部に溶解したものにフラスコ中で乳化分散させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム3質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果平均粒径が105nmであり、Tg=53℃、重量平均分子量Mw=550000の樹脂粒子が分散された樹脂分散液(2)が得られた。
【0112】
<着色分散液(1)の調整>
カーボンブラック 50質量部
(モーガルL:キャボット製)
ノニオン性界面活性剤 5質量部
(ノニポール400:三洋化成(株)製)
イオン交換水 200質量部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色分散剤(1)を調整した。
【0113】
<着色分散液(2)の調整>
Cyan顔料Pigment・Blue15:3 70質量部
ノニオン性界面活性剤 5質量部
(ノニポール400:三洋化成(株)製)
イオン交換水 200質量部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が250nmである着色剤(Cyan顔料)粒子が分散された着色分散剤(2)を調整した。
【0114】
<着色分散液(3)の調整>
Magenta顔料Pigment・Red122 70質量部
ノニオン性界面活性剤 5質量部
(ノニポール400:三洋化成(株)製)
イオン交換水 200質量部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が250nmである着色剤(Magenta顔料)粒子が分散された着色分散剤(3)を調整した。
【0115】
<着色分散液(4)の調整>
Yellow顔料Pigment・Yellow180 100質量部
ノニオン性界面活性剤 5質量部
(ノニポール400:三洋化成(株)製)
イオン交換水 200質量部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、平均粒子径が250nmである着色剤(Yellow顔料)粒子が分散された着色分散剤(4)を調整した。
【0116】
<離型剤分散液(1)の調整>
パラフィンワックス 50質量部
(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃)
カチオン性界面活性剤 5質量部
(サニゾールB50:花王(株)製)
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液(1)を調整した。
【0117】
<凝集粒子の調整>
樹脂分散液(1) 120質量部
樹脂分散液(2) 80質量部
着色剤分散液 200質量部
あらかじめ蒸留水350部に帯電制御剤被覆酸化ケイ素微粉末(A)30部を分散処理した水分散体 6.5質量部
離型分散液(1) 40質量部
カチオン性界面活性剤 1.5質量部
(サニゾールB50:花王(株)製)
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら50℃まで加熱した。45℃で20分間保持した後、光学顕微鏡で確認したところ、平均粒径が約4.3μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更に上記分散液に、樹脂含有微粒子分散液として樹脂分散液(1)を緩やかに60質量部追加した。そして加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。光学顕微鏡にて観察したところ、平均粒径が約4.5μmである付着粒子が形成されていることが確認された。
【0118】
<着色粒子Bの作成>
上記粒子分散液にアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)3質量部を追加した後、前記ステンレス鋼鉄フラスコ中を密閉し、磁力シールを用いて攪拌しながら105℃まで加熱し、4時間保持した。
そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で充分に洗浄した後、乾燥させることにより、静電荷像現像用着色粒子を得た。
【0119】
<着色粒子B(黒色)の作製>
着色剤分散液(1)を用いて上記手法にて形状係数SF1(ML2/A)が128.5、体積平均粒径D50=5.8μmのKuroトナーを得た。
【0120】
<着色粒子B(Cyan)の作製>
着色剤分散液(2)を用いて上記手法にて形状係数SF1(ML2/A)が130、体積平均粒径D50=5.6μmのCyanトナーを得た。
【0121】
<着色粒子B(Magenta)の作製>
着色剤分散液(3)を用いて上記手法にて形状係数SF1(ML2/A)が132.5、体積平均粒径D50=5.5μmのMagentaトナーを得た。
【0122】
<着色粒子B(Yellow)の作製>
着色剤分散液(4)を用いて上記手法にて形状係数SF1(ML2/A)が127、体積平均粒径D50=5.9μmのYellowトナーを得た。
【0123】
[着色粒子C製造方法]
着色粒子Bの製造において、帯電制御剤被覆無機化合物微粉末(A)の代わりに帯電制御剤被覆無機化合物微粉末(B)を用い、着色粒子C(黒色)トナーを得た。
【0124】
[着色粒子D製造方法]
着色粒子Aの製造において、帯電制御剤被覆無機化合物微粉末(A)の代わりに酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)を用い、着色粒子D(黒色)トナーを得た。
【0125】
[着色粒子E製造方法]
着色粒子Bの製造において、帯電制御剤被覆無機化合物微粉末(A)の代わりに未処理の酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)を用い、着色粒子E (黒色)トナーを得た。
【0126】
[着色粒子F製造方法]
着色粒子Aの製造において、帯電制御剤被覆無機化合物微粉末(A)の代わりに未処理の酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)を用い、着色粒子F (黒色)トナーを得た。
【0127】
〔実施例1〕
上記着色粒子Bの(黒色)、(Cyan)、(Magenta)、(Yellow)トナーのそれぞれ100部に酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、体積平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)1部、体積平均一次粒径40nmの疎水性シリカ(RX50、日本アエロジル社製)1.3部をヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。キャリヤ100部と上記トナー5部をV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより現像剤を得た。
【0128】
〔実施例2〕
上記着色粒子A(黒色)トナー100部に酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、体積平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)1部、体積平均一次粒径40nmの疎水性シリカ(RX50、日本アエロジル社製)1.4部をヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。キャリヤ100部と上記トナー5部をV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより現像剤を得た。
【0129】
〔実施例3〕
上記着色粒子C(黒色)トナー100部に酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、体積平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)0.7部、体積平均一次粒径50nmの疎水性酸化チタン(TAF−500S、富士チタン社製)1.5部をヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。キャリヤ100部と上記トナー5部をV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより現像剤を得た。
【0130】
〔実施例4〕
上記着色粒子B(黒色)トナー100部に単分散球形シリカ(A)2部ヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、体積平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)1部、体積平均一次粒径40nmの疎水性シリカ(RX50、日本アエロジル社製)1.4部加え、周速20m/sで5分間ブレンドを行い、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。キャリヤ100部と上記トナー5部をV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより現像剤を得た。
【0131】
〔比較例1〕
上記着色粒子D(黒色)トナー100部に酸化ケイ素微粉末RX200(疎水性、粒子形状:不定形、体積平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製)0.7部、体積平均一次粒径40nmの疎水性シリカ(RX50、日本アエロジル社製)1.2部をヘンシェルミキサーを用い周速32m/sで10分間ブレンドをおこなった後、45μm網目のシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナーを得た。キャリヤ100部と上記トナー5部をV−ブレンダーを用い40rpmで20分間攪拌し、177μmの網目を有するシーブで篩うことにより現像剤を得た。
【0132】
〔比較例2〕
実施例2において、着色粒子Eを用いる他は同様に作製して現像剤を得た。
【0133】
〔比較例3〕
実施例2において、着色粒子Fを用いる他は同様に作製して現像剤を得た。
【0134】
[評価]
−画像出力−
上記実施例及び比較例に記載の現像剤を用い、定着器を取り外したタンデムシステムの富士ゼロックス社製Docu Centre Color 400CP改造機の現像器にセットし未定着画像を出力した。現像トナー量は1平方cm当たり0.45mgになるように、適宜トナーを調製した。出力画像は50mm×50mmの大きさのベタ画像とした。用紙は、富士ゼロックスオフィスサプライ社製の商品名「P紙」を用いた。P紙は従来白黒複写機で数多く使用されているものである。以下に、各評価方法を示し、その結果を表1に示す。
【0135】
【表1】
【0136】
−定着画像評価方法−
各温度での定着画像の光沢度(以下、「グロス」と略す)を、村上色彩技術研究所(株)社製のグロスメーター「GM−26D」を用い、サンプルへの入射光角度を75度とする条件で測定した。最高のグロス値が30を超えたときを◎、超えないときを×とした。
【0137】
−帯電の環境安定性−
トナーとキャリアを温度25℃、湿度75%RHの高温高湿下と、温度15℃、湿度25%RHの低温低湿下で48時間以上放置した後、その条件下で、トナー2gとキャリア25gとを、容量60mlのガラス共栓ビン(柴田科学社)にいれ、ターブラーミキサーで10分間混合して得られた現像剤の帯電量をブローオフトライボ測定器(東芝社)でそれぞれ測定した。得られた高温高湿度下での帯電値と低温低湿度下での帯電値との比(高温高湿度下での帯電値/低温低湿度下での帯電値)が0.7以上のものを◎、0.5以上のものを○、0.5未満のものを×とした。
【0138】
−初期転写性評価方法−
前述の画像出力と同様の方法にて現像剤を準備し、シアン以外の現像器と感光体クリーニング用ブレードを取り外した富士ゼロックス社製Docu Centre Color400CP改造機の現像器にセットした。用紙は、富士ゼロックスオフィスサプライ社製のリサイクル紙、商品名「WR紙」を用いた。幅70mm、長さ10mmの黒ベタ画像を濃度設定が一番濃い条件でコピーし、感光体へ現像されたベタ画像が「WR紙」へ転写されたと同時に複写機の電源を切り、感光体上に残ったトナー量をメンディングテープで取り除き、トナーを付着させる前後でのテープ重量変化から未転写トナー量を測定した。また、「WR紙」に転写されたトナーをエアブローで飛ばし、ブロー前後の用紙の重量変化から転写されたトナー量を測定した。転写効率は、転写効率=(転写トナー量)/{(転写トナー量)+(未転写トナー量)}で算出される。1回の転写効率測定が終了したらクリーニング用ブレードを取り付け、感光体上の残トナーを除去してから、3回繰り返し測定した平均値を用いた。転写テスト環境は23℃、55%RHで行った。転写効率が、95%以上であるものを☆、90%以上であるものを◎、85%以上であるものを○、80%以上であるものを△、80%未満のものを×とした。
【0139】
−転写維持性−
前述の画像出力と同様の方法にて現像剤を準備し富士ゼロックス社製カラー複写機「A color935」の現像器にセットした。トナーを供給しながら、用紙面積の5%相当のトナー現像面積画像を1000枚出力後に、前述の方法と同様にして転写維持性を評価した。
【0140】
−剥離性−
Fuji Xerox社製Docu Centra Color500改造定着装置を用い、熱定着ロールの定着温度を120℃から240℃に変化させて、定着ロールへの巻きつきを調べた。全評価温度範囲で問題ない場合を○、温度によってわずかに巻きつき傾向があるがほぼ問題ない場合を△、剥離不可能温度が存在する場合を×とした。
【0141】
−耐オフセット性−
各温度での定着画像を用い、Fuji Xerox社製Docu Centra Color500改造定着装置を用い、加熱ロールへの剥離剤オイル供給を止めて、実質上加熱ロール表面に剥離剤オイルが存在しない状態でテストを行った。すなわち、加熱ロール表面温度を段階的に変化させ、各表面温度において上記トナー像を保持する転写紙を用いて未定着トナー像の定着を行った。この際、紙の余白部分に加熱ロールからのトナー汚れが生じるか否かの観察を行い、汚れが生じない温度領域を非オフセット温度領域とした。耐オフセット性は、オフセット温度が185℃以上を◎、175℃以上185℃未満を○、165℃以上175℃未満を△、165℃未満を×として評価した。
【0142】
−折り曲げ耐性−
定着像を二つに折り曲げ、再度引き延ばす時の画像欠損の有無をみた。
Fuji Xerox社製Docu Centra Color500改造定着装置を用いて定着画像を作成し、その後、定着画像に折り曲げストレスを加え、画像の欠損の度合いを目視で判断した。判断基準は以下の通りである。
定着画像に欠損は発生しない場合を○、折り目に極微量の欠損が認められたが、実用上問題のないレベルである場合を△、目視ではっきりと確認できる程度の画像欠損が発生する場合を×とした。
【0143】
本発明の、該内添微粒子として少なくとも帯電制御剤で表面を被覆した酸化ケイ素微粉末を含有し、該外添微粒子として少なくとも平均粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されていることを特徴とするトナーの現像剤は、実施例1〜4の結果のように剥離性、帯電環境性が良好であり、長期繰り返し使用においても転写性が良好であった。
しかし、本発明の範囲を超える比較例のトナーは特に帯電環境比、剥離性、転写維持性などに関して劣るものであった。したがって、トナー中に内添される微粒子と外添される微粒子とが特定の条件を満たす時、特に良好な帯電維持性が得られる。
【0144】
〔実施例5〕
実施例4において、システムのクリーニングブレードを除去し、カーボンブラックを分散せしめた導電フィラーを有する繊維樹脂からなる静電ブラシを付加し、帯電装置をロール帯電装置に変更して実施例4の黒トナーを用いての評価を行った。
その結果、初期は勿論2万枚コピー後も初期同様鮮明な画像を呈し、画像上の問題は発生しなかった。
【0145】
〔実施例6〕
実施例4において、システムのブレード及びブラシクリーニングを一切用いないで帯電器をスコロトロン帯電器に変更し、現像装置での回収を行なった。
その結果、初期は勿論2万枚コピー後も初期同様鮮明な画像を呈し、画像上の問題は発生しなかった。
【0146】
〔実施例7〕
実施例4において、転写ベルトの表面材質をPFAに変更し、裏面から加熱する装置を付与し、転写同時定着を試みた。
実施例4の4色のトナーを用いて4色作成し、色を組み合わせて検討したところ、写真画質に近い鮮明な高画質を得ることができた。
【0147】
【発明の効果】
本発明によれば、トナー流動性、帯電性、現像性、転写性、定着性を同時に、且つ長期に渡り満足でき、画像の表面光沢性、折り曲げ耐性に対して特に優れる画像を得る事ができる。さらに潜像担持体の摩耗を促進させるブレードクリーニング工程を有さず、現像と同時に転写残トナーを回収する、あるいは静電ブラシを用い潜像担持体上の残留トナーを回収する不具合を改善した静電荷像乾式トナー組成物、静電潜像現像用現像剤及び画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いられる画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】キャリアの体積固有抵抗値を測定する方法を説明するための概略説明図である。
【符号の説明】
1Y、1M、1C、1K 感光体ドラム(潜像担持体)
3Y、3M、3C、3K 潜像形成手段
4Y、4M、4C、4K 現像器
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール
6Y、6M、6C、6K クリーニング手段
11 駆動ロール
12 支持ロール
13 バックアップロール
14 二次転写ロール
15 中間転写ベルト
16 被転写体
17 清掃部材
18 定着器
20Y,20M,20C,20K 帯電器(帯電手段)
40Y,40M,40C,40K 現像ユニット
52 上部電極
53 測定試料
54 下部電極
55 高電圧抵抗計
Claims (7)
- 結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有する静電荷像乾式トナー組成物であって、
前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されていることを特徴とする静電荷像乾式トナー組成物。 - 前記帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末の表面は、帯電制御剤により0.5〜5nmの厚みで被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像乾式トナー組成物。
- キャリヤとトナー組成物とを含有する静電潜像現像用現像剤であって、
前記キャリヤが、芯材表面に、マトリックス樹脂中に導電材料が分散含有された樹脂被覆層を有するキャリヤであり、
且つ、前記トナー組成物は、結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有し、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されているトナー組成物であることを特徴とする静電潜像現像用現像剤。 - 潜像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体上を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段と、転写されたトナー像を記録材上に定着する定着手段とを有する画像形成装置を用いて画像を形成するカラー画像形成方法であって、
前記トナー組成物は、結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有し、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されているトナー組成物であり、
前記転写手段は、各色トナーを潜像担持体にそれぞれ現像し、転写ベルトあるいは転写ドラムに転写したのちに、各色トナーを一度に記録材へ転写することを特徴とするカラー画像形成方法。 - 潜像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体上を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段と、転写後に潜像担持体上に残留したトナーを除くクリーニング手段と、転写されたトナー像を記録材上に定着する定着手段とを有する画像形成装置を用いて画像を形成する画像形成方法であって、
前記トナー組成物は、結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有し、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されており、かつ、前記トナー粒子はSF1(ML2/A)が100〜140の形状を有してなるトナー組成物であり、
前記クリーニング手段は、潜像担持体をブレードで摺擦することなしに静電ブラシを用いて潜像担持体上の残留トナーを回収することを特徴とする画像形成方法。 - 潜像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体上を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段と、転写後に潜像担持体上に残留したトナーを除くクリーニング手段と、転写されたトナー像を記録材上に定着する定着手段とを有する画像形成装置を用いて画像を形成する画像形成方法であって、
前記トナー組成物は、結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有し、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されており、かつ、前記トナー粒子はSF1(ML2/A)が100〜140の形状を有してなるトナー組成物であり、
前記クリーニング手段は、潜像担持体をブレードで摺擦することなしに現像装置を用い潜像担持体上の残留トナーを回収することを特徴とする画像形成方法。 - 潜像担持体を一様に帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体上を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、現像により形成されたトナー像を中間転写体に転写し、前記トナー像を記録材に転写すると同時に定着する転写定着手段とを有する画像形成装置を用いて画像を形成するカラー画像形成方法であって、
前記トナー組成物は、結着樹脂と着色剤と離型剤と内添微粒子とを成分とするトナー粒子と、外添微粒子と、を含有し、前記内添微粒子として帯電制御剤で表面を被覆された無機化合物微粉末を含有し、前記外添微粒子として少なくとも体積平均一次粒径の異なる2種以上の無機酸化物微粉末が添加されているトナー組成物であり、
前記転写定着手段は、各色トナーを潜像担持体にそれぞれ現像し、中間転写体に転写したのちに、各色を一度に記録材へ転写と同時に定着することを特徴とするカラー画像形成方法。
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