JP4735308B2 - 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法、静電荷像現像剤ならびに画像形成方法 - Google Patents
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Description
(1)コア−シェル構造を有するトナーであり、コア部がガラス転移点20℃以上39℃以下、シェル部がガラス転移点50℃以上100℃以下であり、コア部に体積平均粒径0.1μm以上1.0μm以下、比重1.0以上2.5以下の無機粒子を含み、かつ、コア部とシェル部の間に炭化水素化合物を含む中間層を有し、該中間層の厚みは0.1μm以上0.4μm以下である静電荷像現像用トナーである。
本発明のトナーは、混練粉砕法、重合法、ヘテロ凝集法等のいずれの方法で製造してもよいが、一般に乳化重合等により製造された樹脂粒子のイオン性界面活性剤による分散液を用い、これに反対極性のイオン性界面活性剤に分散した着色剤分散液、無機粒子分散液、非極性な炭化水素化合物の粒子分散液を混合して、ヘテロ凝集を生じさせ、トナー径に相当する凝集粒子を形成し、その後樹脂のガラス転移温度以上に加熱することにより凝集粒子を融合・合一し、洗浄、乾燥してトナーを得る方法で、トナー形状は不定形から球形まで適宜製造することができる。また、本発明のトナーでは、適宜、離型剤粒子分散液を添加することもできる。
本発明に用いるトナーには、コア部に粒径0.1〜0.5μm、比重1.0〜2.0の無機粒子を含む。2種類のガラス転移点をもった前記コア−シェル型トナーに、比較的小粒径で、比重も小さめの無機粒子をトナーのコア部に内添加することで、定着時にこれらの無機粒子が画像表面上に存在しやすくなり、トナー樹脂成分のうちコア部の低ガラス転移点成分が表面に存在する確率を低くさせることができる。これにより、前記のような通常のコア−シェル型トナーよりも、低ガラス転移点のコア樹脂成分を画像表面上に存在することを抑制でき、低温定着時のドキュメントオフセット性を保つことがより良好となる。したがって、より高速や、低エネルギーでの定着や定着画像のハーフトーンなど従来よりも低温定着とドキュメントオフセット性の両立にストレスな条件においても、その両立が可能となる。この無機粒子は、湿式で添加することができる。添加する無機粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべてのものを使用することができ、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散して使用することが好ましい。得られた無機粒子分散液中の無機粒子の中心径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700、堀場製作所製)で測定する。無機粒子の中心径は0.1〜1.0μm、好ましくは0.1〜0.5μmの範囲が適当である。0.1μm未満では、粒子径が小さすぎて定着時に画像表面に存在させることが難しい。また1.0μmを超えるとコア部への内部添加が難しく、トナー表面への露出などが起こる場合がある。無機粒子の比重は1.0〜2.5 、好ましくは1.5〜2.5の範囲が適当である。1.0未満では無機粒子分散液にすることが困難になったり、トナー内部添加時にトナー表面への露出などを起こしたりする。また、3.0を超えると、比重の増加により定着時に画像表面に存在することが難しくなる。以下に、無機粒子の比重測定の方法を示す。
また、本発明のトナーは、コア部とシェル部の間に炭化水素化合物を含む中間層を有する。この中間層は、非極性なためコアとシェルの両樹脂と混じることなく間の遮断層として存在する。そのため、高温高湿な環境下で現像器内でのストレス負荷を受けても、コア部とシェル部の樹脂間での相溶を防ぐことが可能となり、低温定着性とドキュメントオフセット性の各機能を発揮しやすくなる。また、低ガラス転移点樹脂と高ガラス転移点樹脂の機能分離がはっきりとしているため、これらが相溶することによる異種樹脂成分の偏在を抑制でき、均一な平滑性により光沢むらのない画質をえることができる。
本発明のコア用およびシェル用樹脂粒子に使用される重合体は特に制限されないが、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類などの単量体などの重合体またはこれらを2種以上組み合せて得られる共重合体、又はそれらの混合物、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を挙げることができる。
本発明の着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中での分散性の観点から選択される。例えば、黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等が挙げられる。黄色顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G 、ベンジジンイエローG 、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントイエローNCG 等が挙げられる。
離型剤としては公知のものを使用することができ、例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体等である。この誘導体には、酸化物、ビニルモノマーとの重合体、グラフト変性物が含まれる。この他にも、アルコール、脂肪酸、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス、酸アミド等が挙げられるが、これらに何ら限定されるものではない。
本実施の形態のトナーは、トナーのみからなる一成分現像剤やトナーとキャリアからなる二成分現像剤として使用されるが、帯電の維持性や安定性に優れる二成分現像剤が好ましい。キャリアとしては、樹脂で被膜されたキャリアであることが好ましく、窒素含有樹脂で被膜されたキャリアであることがさらに好ましい。
次に、本発明の画像形成方法について説明する。
粒径(「粒度」ともいう。)及び粒径分布測定(「粒度分布測定」ともいう。)について述べる。
式:下GSDp={(D84p)/(D16p)}0.5
トナーの形状係数SF1は、トナー粒子表面の凹凸の度合いを示す形状係数SFであり、以下の式により算出した。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
式中、MLはトナー粒子の最大長を示し、Aは粒子の投影面積を示す。形状係数SF1の測定は、まずスライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じて画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーについてSFを計算し、平均値を求めた。
融点及びトナーのガラス転移温度は、DSC(示差走査型熱量計)測定法により決定し、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークより求めた。
ルシャテリエ比重瓶を用いJIS−K−0061の5−2−1に準拠して比重を測定した。操作は次の通り行う。
(1)ルシャテリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整する。
(2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(3)試料を約100.000gを量り取り、その質量をWとする。
(4)量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除く。
(5)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(6)次式により比重を算出する。
(数2)
D=W/(L2 −L1 ) −−(1)
S=D/0.9982 −−−(2)
式中、Dは試料の密度(20°C)(g/cm3)、Sは試料の比重(20℃)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(20℃)(ml)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(20℃)(ml)、0.9982は20℃における水の密度(g/cm3)である。
スチレン(和光純薬製) 200重量部
n−ブチルアクリレート(和光純薬製) 200重量部
β−カルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製) 9重量部
1,10−デカンジオールジアクリレート(新中村化学製) 1.5重量部
ドデカンチオール(和光純薬製) 2.7重量部
以上を混合溶解し、これをアニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4重量部を含有するイオン交換水550重量分に溶解し、さらにフラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム6重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。次いで系内の窒素置換を十分に行った後、フラスコ内を攪拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これにより体積平均粒径196nm、ガラス転移点28.3℃のアニオン性の樹脂粒子分散液1を得た。
樹脂粒子分散液1の調整において、スチレン210重量部、n−ブチルアクリレート190重量部としたこと以外は樹脂粒子分散液1の調整と同様にして樹脂粒子分散液2を得た。体積平均粒径195nm、ガラス転移点32.1℃であった。
樹脂粒子分散液1の調整において、スチレン230重量部、n−ブチルアクリレート170重量部としたこと以外は樹脂粒子分散液1の調整と同様にして樹脂粒子分散液3を得た。体積平均粒径199nm、ガラス転移点35.5℃であった。
樹脂粒子分散液1の調整において、スチレン250重量部、n−ブチルアクリレート150重量部としたこと以外は樹脂粒子分散液1の調整と同様にして樹脂粒子分散液4を得た。体積平均粒径200nm、ガラス転移点38.9℃であった。
樹脂粒子分散液1の調整において、スチレン315重量部、n−ブチルアクリレート75重量部としたこと以外は樹脂粒子分散液1の調整と同様にして樹脂粒子分散液5を得た。体積平均粒径201nm、ガラス転移点54.2℃であった。
樹脂粒子分散液1の調整において、スチレン330重量部、n−ブチルアクリレート70重量部、β−カルボキシエチルアクリレート9.5質量部としたこと以外は樹脂粒子分散液1の調整と同様にして樹脂粒子分散液6を得た。体積平均粒径198nm、ガラス転移点58.7℃、であった。
樹脂粒子分散液1の調整において、スチレン360重量部、n−ブチルアクリレート40重量部としたこと以外は樹脂粒子分散液1の調整と同様にして樹脂粒子分散液7を得た。体積平均粒径202nm、ガラス転移点62.4℃であった。
樹脂粒子分散液1の調整において、スチレン375重量部、n−ブチルアクリレート25重量部としたこと以外は樹脂粒子分散液1の調整と同様にして樹脂粒子分散液8を得た。体積平均粒径199nm、ガラス転移点68.2℃であった。
樹脂粒子分散液1の調整において、スチレン394重量部、n−ブチルアクリレート6重量部としたこと以外は樹脂粒子分散液1の調整と同様にして樹脂粒子分散液9を得た。体積平均粒径200nm、ガラス転移点96.3℃であった。
樹脂粒子分散液1の調整において、スチレン400重量部、n−ブチルアクリレートを含有せずとしたこと以外は樹脂粒子分散液1の調整と同様にして樹脂粒子分散液10を得た。体積平均粒径200nm、ガラス転移点106.1℃であった。
シリカゾル(比重1.6) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 5重量部
イオン交換水 200重量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス750)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて、中心径0.4μmのシリカ粒子を含有する無機粒子分散液1を得た。
シリカゾル(比重3.0) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 5重量部
イオン交換水 200重量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス750)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて、中心径0.4μmの粒子を含有する無機粒子分散液1を得た。
シリカゾル(比重1.8) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 5重量部
イオン交換水 200重量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス750)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて、中心径1.1μmのシリカ粒子を含有する無機粒子分散液3を得た。
シリカゾル(比重2.5) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 5重量部
イオン交換水 200重量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス750)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて、中心径0.6μmのシリカ粒子を含有する無機粒子分散液4を得た。
シリカゾル(比重0.5) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 5重量部
イオン交換水 200重量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス750)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて、中心径0.3μmのシリカ粒子を含有する無機粒子分散液5を得た。
シリカゾル(比重1.9) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 5重量部
イオン交換水 200重量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス750)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて、中心径0.1μmのシリカ粒子を含有する無機粒子分散液6を得た。
シリカゾル(比重2.2) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 5重量部
イオン交換水 200重量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス750)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて、中心径1.0μmのシリカ粒子を含有する無機粒子分散液7を得た。
パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP0190 、融点85℃) 50重量部
カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50) 5重量部
イオン交換水 200重量部
前記成分を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、中心径200nmの粒子を含有する非極性炭化水素化合物分散液1を得た。
パラフィンワックス 50重量部
(日本精蝋社製、パラフィンワックスHNP−9、融点75℃)
カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50) 5重量部
イオン交換水 200重量部
前記成分を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、中心径180nmの粒子を含有する非極性炭化水素化合物分散液2を得た。
フタロシアニン顔料(大日精化社製、PVFASTBLUE) 90重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 10重量部
イオン交換水 240重量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス750)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて着色剤粒子分散液1を調製した。着色剤分散液1における着色剤の数平均粒径は150nmであった。
カーボンブラック(CABOT社製、R330) 90重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 10重量部
イオン交換水 240重量部
以上を混合し、着色剤分散液1と同様の条件にて着色剤粒子分散液2を調製した。着色剤分散液2における着色剤の数平均粒径は155nmであった。
C.I.PigmentYellow 74:(クラリアント製) 90重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 10重量部
イオン交換水 240重量部
以上を混合し、着色剤分散液1と同様の条件にて着色剤粒子分散液3を調製した。着色剤分散液3における着色剤の数平均粒径は260nmであった。
C.I.PigmentRed 122:(クラリアント製) 90重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 10重量部
イオン交換水 240重量部
以上を混合し、着色剤分散液1と同様の条件にて着色剤粒子分散液4を調製した。着色剤分散液4における着色剤の数平均粒径は220nmであった。
(離型剤分散液の調製)
下記組成のものを混合し、97℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)にて分散した。その後、ゴーリンホモジナイザー(盟和商事製)で分散処理し、105℃、550kg/cm2の条件で20回処理することで、体積平均粒径190nmの離型剤分散液を得た。
アニオン性界面活性剤ネオゲンSC(第一工業製薬製) 5重量部
イオン交換水 200重量部
以上を95℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、中心径215nm、 固形分量19.5%%のワックス分散液を得た。
(凝集工程)
イオン交換水 500重量部
樹脂粒子分散液1 175重量部
着色剤分散液1 35重量部
無機粒子分散液1 10重量部
凝集剤〔浅田化学社製、ポリ塩化アルミニウム〕 0.5重量部
以上の混合成分を丸型ステンレス製フラスコ中で、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)で混合分散した。その後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら凝集温度を30℃まで加熱した。その後32℃で1.5時間保持した。
上記調製した凝集粒子を含む分散液に、炭化水素化合物分散液1を40重量部と樹脂粒子分散液1を25重量部を混合し緩やかに添加し、加熱用オイルバスの温度を上げて34℃で1時間保持した。
上記調製した凝集粒子を含む分散液に、樹脂粒子分散液5を25重量部緩やかに添加し、加熱用オイルバスの温度を上げて35℃で1時間保持した。
次に、1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液をpHが6.0になるように添加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら85℃まで緩やかに加熱し、その後96℃まで加熱し1mol/リットルの硝酸水溶液をpH5.0になるまで加え、5時間保持した。その後、冷却、ろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることによりトナー粒子1を作製した。粒径は5.3μm、コアシェル層間の中間層の厚さは0.3μmで、シェル平均膜厚は0.4μmであった。
凝集工程にて樹脂粒子分散液1の代わりに樹脂粒子分散液2を用い、着色剤分散液1の代わりに着色剤分散液2を用い、付着工程1にて樹脂粒子分散液1の代わりに樹脂粒子分散液2を用い、付着工程2にて樹脂粒子分散液5の代わりに樹脂粒子分散液6を用いた。付着工程2で樹脂粒子分散液を添加した際の加熱温度を36℃と変更した以外はトナー1の製造と同様にしてトナー2を得た。粒径は5.4μm、コアシェル層間の中間層の厚さは0.4μmで、シェル平均膜厚は0.50μmであった。
凝集工程にて樹脂粒子分散液1の代わりに樹脂粒子分散液3を155重量部用い、付着工程2で樹脂粒子分散液5の代わりに樹脂粒子分散液7を45重量部用いた。付着工程2で樹脂粒子分散液7を添加した際の加熱温度を37℃と変更した以外はトナー1の製造と同様にしてトナー3を得た。粒径は、6.3μm、コアシェル層間の中間層の厚さは0.3μmで、シェル平均膜厚は0.74μmであった。
凝集工程にて樹脂粒子分散液1の代わりに樹脂粒子分散液4を160重量部用い、着色剤分散液1の代わりに着色剤分散液2を用い、32℃で凝集させ、付着工程1にて炭化水素化合物分散液1を45重量部に変更して用い、付着工程2で樹脂粒子分散液1の代わりに樹脂粒子分散液8を40重量部用い、付着工程2で樹脂粒子分散液8を添加した際の加熱温度を37℃と変更した以外はトナー1の製造と同様にしてトナー4を得た。粒径は6.5μm、コアシェル層間の中間層の厚みは0.4μmで、シェル平均膜厚は0.6μmであった。
付着工程1にて炭化水素化合物分散液1を炭化水素化合物分散液2に変更し、さらにその添加量を30重量部に変更して用い、付着工程で樹脂粒子分散液5を添加した際の加熱温度を37℃と変更した以外はトナー1の製造と同様にしてトナー5を得た。粒径は5.9μm、コアシェル層間の中間層の厚みは0.2μmで、シェル平均膜厚は0.7μmであった。
凝集工程にて樹脂粒子分散液1の代わりに樹脂粒子分散液4を160重量部用い、着色剤分散液1の代わりに着色剤分散液3を用い、32℃で凝集させ、付着工程1にて炭化水素化合物分散液1を50重量部に変更して用い、付着工程2で樹脂粒子分散液1の代わりに樹脂粒子分散液9を40重量部用い、付着工程2で樹脂粒子分散液9を添加した際の加熱温度を37℃と変更した以外はトナー1の製造と同様にしてトナー6を得た。粒径は6.6μm、コアシェル層間の中間層の厚みは0.4μmで、シェル平均膜厚は0.45μmであった。
凝集工程にて樹脂粒子分散液1を160重量部用い、着色剤分散液1の代わりに着色剤分散液3を用い、無機粒子分散液1の代わりに、無機粒子分散液4を用い、32℃で凝集させ、付着工程1にて炭化水素化合物分散液1を45重量部に変更して用い、付着工程2で樹脂粒子分散液5を40重量部用い、付着工程2で樹脂粒子分散液5を添加した際の加熱温度を37℃と変更した以外はトナー1の製造と同様にしてトナー7を得た。粒径は5.8μm、コアシェル層間の中間層の厚みは0.3μmで、シェル平均膜厚は0.4μmであった。
凝集工程にて樹脂粒子分散液1を160重量部用い、着色剤分散液1の代わりに着色剤分散液4を用い、無機粒子分散液1の代わりに、無機粒子分散液6を用い、32℃で凝集させ、付着工程1にて炭化水素化合物分散液1を40重量部に変更して用い、付着工程2で樹脂粒子分散液5を40重量部用い、付着工程2で樹脂粒子分散液5を添加した際の加熱温度を37℃と変更した以外はトナー1の製造と同様にしてトナー8を得た。粒径は6.0μm、コアシェル層間の中間層の厚みは0.3μmで、シェル平均膜厚は0.4μmであった。
凝集工程にて樹脂粒子分散液1を160重量部用い、着色剤分散液1の代わりに着色剤分散液4を用い、無機粒子分散液1の代わりに、無機粒子分散液7を用い、32℃で凝集させ、付着工程1にて炭化水素化合物分散液1を30重量部に変更して用い、付着工程2で樹脂粒子分散液5を40重量部用い、付着工程2で樹脂粒子分散液5を添加した際の加熱温度を37℃と変更した以外はトナー1の製造と同様にしてトナー9を得た。粒径は5.8μm、コアシェル層間の中間層の厚みは0.4μmで、シェル平均膜厚は0.7μmであった。
無機粒子分散液1の代わりに、無機粒子分散液2を用いた以外はトナー1の製造と同様にしてトナー10を得た。粒径は5.3μm、コアシェル層間の中間層の厚みは0.4μmで、シェル平均膜厚は0.4μmであった。
無機粒子分散液1の代わりに、無機粒子分散液3を用いた以外はトナー1の製造と同様にしてトナー11を得た。粒径は5.3μm、コアシェル層間の中間層の厚みは0.3μmで、シェル平均膜厚は0.4μmであった。
無機粒子分散液1を添加しない以外はトナー1の製造と同様にしてトナー12を得た。粒径は5.3μm、コアシェル層間の中間層の厚みは0.3μmで、シェル平均膜厚は0.4μmであった。
凝集工程にて樹脂粒子分散液1の代わりに樹脂粒子分散液5を170重量部用い、凝集温度を55℃とし、付着工程1にて樹脂粒子分散液5の代わりに樹脂粒子分散液6を用い、炭化水素化合物分散液1を45重量部に変更して用い、付着工程2にて樹脂粒子分散液5の代わりに樹脂粒子分散液6を30重量部用い、加熱温度を59℃とした以外は、トナー1の製造と同様にしてトナー13を得た。粒径は5.3μm、コアシェル層間の中間層の厚みは0.4μmで、シェル平均膜厚は0.5μmであった。
凝集工程にて樹脂粒子分散液1の代わりに樹脂粒子分散液2を165重量部用い、炭化水素化合物分散液を45重量部に変更して用い、付着工程1にて樹脂粒子分散液5の代わりに樹脂粒子分散液4を用い、付着工程2にて樹脂粒子分散液5の代わりに樹脂粒子分散液4を35重量部用い、加熱温度を40℃とした以外は、トナー1の製造と同様にしてトナー14を得た。粒径は5.8μm、コアシェル層間の中間層の厚みは0.5μmで、シェル平均膜厚は0.6μmであった。
凝集工程にて樹脂粒子分散液1の代わりに樹脂粒子分散液5を155重量部用い、凝集温度を55℃し、付着工程1にて樹脂粒子分散液5の代わりに樹脂粒子分散液4を用い、炭化水素化合物分散液1を50重量部に変更して用い、付着工程2にて樹脂粒子分散液5の代わりに樹脂粒子分散液4を45重量部用い、加熱温度を55℃とした以外は、トナー1の製造と同様にしてトナー15を得た。粒径は5.9μm、コアシェル層間の中間層の厚みは0.5μmで、シェル平均膜厚は0.8μmであった。
付着工程1にて炭化水素化合物分散液1を用いない以外は、トナー1の製造と同様にしてトナー16を得た。粒径は5.4μm、シェル平均膜厚は0.45μmであった。
付着工程2にて非極性炭化水素化合物分散液1を5重量部に変更して用いた以外は、トナー1の製造と同様にしてトナー17を得た。粒径は5.9μm、コアシェル層間の中間層の厚みは0.05μmで、シェル平均膜厚は0.50μmであった。
凝集工程にて樹脂粒子分散液1の代わりに樹脂粒子分散液5を170重量部用い、無機粒子分散液1の代わりに、無機粒子分散液5を用い、凝集温度を55℃とし、付着工程1にて樹脂粒子分散液5の代わりに樹脂粒子分散液6を用い、炭化水素化合物分散液1を45重量部に変更して用い、付着工程2にて樹脂粒子分散液5の代わりに樹脂粒子分散液10を30重量部用い、加熱温度を59℃とした以外は、トナー1の製造と同様にしてトナー18を得た。粒径は6.0μm、コアシェル層間の中間層の厚みは0.5μmで、シェル平均膜厚は0.6μmであった。
トナー1〜18のそれぞれのトナー100重量部に対し、疎水性シリカ(キャボット製、TS720)を0.70重量部添加し、サンプルミルで混合して外添トナーを得た。ポリメチルメタアクリレート(綜研化学社製:Mw80000)を1重量%コートした体積平均粒径D50が50μmのフェライトキャリアに対して、トナー濃度が5重量%になるように前記外添トナーを秤量し、ボールミルで5分間攪拌、混合して現像剤を調整した。
それぞれのトナー1〜18を8重量部とキャリア100重量部とを混合して現像剤を調整し、以下の手順で定着性能等の評価を行った。キャリアは樹脂被覆型のキャリアであり、アミノ基含有ビニルポリマーとフッ化アルキル基含有ビニルポリマーの混合体をフェライトコアに被覆したものである。調整された現像剤を、図1に示す定着器を取り外したなどの改造を加えた富士ゼロックス社製カラー複写機DocuCentre Color 400CPの現像器にセットし未定着画像を出力した。出力画像は40×40mmの大きさのソリッド画像(いわゆる、ベタ画像)で、画像トナー量は0.50mg/cm2となるよう調整した。用紙は富士ゼロックスオフィスサプライ社製の商品名「Jコート紙」を用いた。なお、出力する際の条件として、高温高湿(30℃/50%)環境下においてトナーを現像器内で1週間の空回しストレスを現像剤に与えた後に未定画像の出力を実施した。
定着はDocuColor 1250複写機から取り出した定着器を、定着器のロール温度を変更できるように改造し、定着ロールにはその表面材料をテフロン(登録商標)チューブに替えたものを使用した。定着器の用紙搬送速度は毎秒160mmとした。それぞれのトナー1〜7の未定着画像を定着器の温度を80℃から180℃まで5℃ずつ適宜変えて定着し定着画像を得た。なお、定着する際の条件として、通常(20℃/50%)環境下において実施した。120℃以下を許容範囲とした。
トナー1〜18の最低定着温度は、低温オフセットを起こさずに定着を開始する温度を用いた。画像抜けの評価は、得られた定着画像(定着温度110℃)に対して目視で実施した。評価基準は、画像抜けが全くみられないものを○、軽微な画像抜けがみられるものを△、著しい画像抜けがみられるものを×とした。許容範囲は△までとした。
電子写真用トナー1〜18を用いて形成された定着画像の画像同士を重ね合わせて80g/cm2の荷重下、60℃雰囲気に放置し、1日毎にこれらを引き剥がし、ドキュメントオフセットの有無を目視で確認して10日間にわたって評価した。なお、まったく力を加えずに剥離できたものと剥離させるのに力を加えても画像劣化のなかったものについては、上記条件下で継続して評価を10日間にわたって行った。また、評価は、軽微な画像劣化が出るまでの荷重下累積日数によって行った。8日以上を許容範囲とした。
実施例1〜9、比較例1〜9のトナーに対する性能評価を表1に示した。
Claims (4)
- コア−シェル構造を有するトナーであり、コア部がガラス転移点20℃以上39℃以下、シェル部がガラス転移点50℃以上100℃以下であり、コア部に体積平均粒径0.1μm以上1.0μm以下、比重1.0以上2.5以下の無機粒子を含み、かつ、コア部とシェル部の間に炭化水素化合物を含む中間層を有し、該中間層の厚みは0.1μm以上0.4μm以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- コア−シェル構造を有する静電荷像現像用トナーの製造方法であり、
粒径が1.0μm以下のコア部を構成する樹脂粒子を分散したコア用樹脂粒子分散液と、着色剤分散液と、無機粒子分散液と、離型剤分散液とを混合し、ガラス転移点20℃以上39℃以下のコア用樹脂粒子と着色剤と比重1.0以上2.5以下の無機粒子と離型剤とを含む第1の凝集粒子の分散液を調製する工程と、
前記第1の凝集粒子の分散液に、炭化水素化合物の分散液を添加して保持した後に、シェル部を構成する樹脂粒子分散液を添加し、凝集粒子と炭化水素化合物とシェル用樹脂粒子とを含む第2の凝集粒子の分散液を調製する工程と、
前記シェル用樹脂粒子を構成するシェル樹脂のガラス転移点以上の温度に加熱して前記第2の凝集粒子を融合・合一する工程と、を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - キャリアとトナーとを含有する静電荷現像剤であり、
前記キャリアが樹脂被覆層を有し、前記トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする静電荷像現像剤。 - 静電荷像担持体上に静電潜像を形成する工程と、現像剤担持体上の現像剤で前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程と、前記トナー画像を転写体上に転写する工程と、転写体上のトナー画像を被定着シート上に転写する工程と、前記トナー画像を熱定着する工程とを有する画像形成方法であり、
前記現像剤として、請求項3に記載の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
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