JP5444701B2 - トナー、並びに、該トナーを用いたフルカラー画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
<1> トナー母体表面の最表層として形成され、樹脂微粒子Aからなる層と、該層の内部側に形成された樹脂微粒子Bとを備えることを特徴とするトナーである。
<2> 樹脂微粒子Bが架橋された樹脂であり、該樹脂微粒子Bが粒子の形態で存在する前記<1>に記載のトナーである。
<3> 100℃における粘度が100mPa・s以下のワックスを離型剤として含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> トナー母体のBET比表面積が0.5m2/g〜4.0m2/gである前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> 少なくとも結着樹脂を含むトナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散してトナー材料の溶解液乃至分散液を作製する工程Aと、前記トナー材料の溶解液乃至分散液を樹脂微粒子Bが膨潤可能な有機溶媒の含まれる水系媒体中に添加して乳化乃至分散させて乳化液乃至分散液を作製する工程Bと、前記乳化液乃至分散液から有機溶媒を除去する工程Cとを含み、前記工程B及び前記工程Cのいずれかにおいて、水系媒体中に樹脂微粒子Bを添加するトナーの製造方法により製造された前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> トナー材料は、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂とを含む前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> 電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像が形成された電子写真感光体上にトナーを含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録材上に転写する二次転写工程と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録材上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した後の電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを含み、前記現像工程において用いられたトナーが前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするフルカラー画像形成方法である。
<8> 二次転写工程において、トナー像の記録材への転写の線速度は300mm/sec〜1,000mm/secであり、二次転写手段のニップ部での転写時間は0.5msec〜20msecである前記<7>に記載のフルカラー画像形成方法である。
<9> タンデム方式の電子写真画像形成プロセスを採用した前記<7>から<8>のいずれかに記載のフルカラー画像形成方法である。
<10> 電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーによりトナー像とする現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して又は介さずに記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録材上に定着させる定着手段と、前記転写手段によりトナー像を中間転写体及び記録材上のいずれかに転写した後の電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置における各手段のうち、少なくとも前記電子写真感光体、及び請求項1から6のいずれかに記載のトナーを備えた前記現像手段を、一体に支持して前記画像形成装置本体に着脱自在としたことを特徴とするプロセスカートリッジである。
<11> 帯電手段、転写手段、及びクリーニング手段から選択される少なくとも1つの手段をさらに含む前記<10>に記載のプロセスカートリッジである。
前記トナーは、少なくとも、樹脂微粒子Aからなる層と、樹脂微粒子Bとを備えてなり、さらに必要に応じて、例えば、離型剤などを含む。例えば、図1Cに示すように、トナー(1)は、トナー粒子本体(2)と、トナー粒子本体(2)の表面側に形成された樹脂微粒子B(3)と、トナー最表面に形成された樹脂微粒子Aからなる被膜(4)とを備える。
前記樹脂微粒子Aからなる層は、トナー母体表面の最表層として形成された層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。トナー最表面に樹脂微粒子Aからなる層を設けることにより、後述する樹脂微粒子Bの分散層の隙間を埋めることができる。また、極性の高い樹脂微粒子Aを用いて帯電性の機能を持たせることが好ましい。流動化剤を付着させる前のトナー母体のBET比表面積を低くすることができ、もって帯電性向上効果が発揮できる。
前記樹脂微粒子Aとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、成膜性及び強度の観点から、架橋されていないことが好ましい。また、前記樹脂微粒子Aとしては、分子量がある程度高い樹脂(Mw10万〜100万)が好ましく、成膜性の観点から、粒子径が小さい樹脂粒子(5nm〜50nm)が好ましく、帯電機能の観点から、極性がある程度高いアニオン性乃至カチオン性の官能基を有することが好ましい。また、前記樹脂微粒子Aを熱によって融解して成膜して層を形成することができる(前記樹脂微粒子Aとしては、ガラス転移点が50℃〜120℃の樹脂が好ましい)。
前記樹脂微粒子Bは、前記樹脂微粒子Aからなる層よりも内部側に形成されたものあれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。樹脂微粒子Bを設けることにより、トナー表面を保護することができる。樹脂微粒子は、硬いだけでなく、定着性(転写媒体との接着性)及び離型性を同時に満足する必要がある。そのためには、加熱時にトナー表面にトナー内部の結着樹脂及び離型剤が融解して、染み出すことが必要である。
したがって、樹脂微粒子Bは、微粒子同士が融合した連続層を形成するのではなく、樹脂微粒子Bが粒子の形態をとどめた分散層を形成する必要がある。
ここで、仮に、樹脂微粒子Bの分散層がトナー最表面に形成されていると、表面凹凸により表面積が著しく大きくなる。また、トナー外表面に付着させる流動化剤が凹部(溝)に入り込んで機能しなくなったり、機械的ストレスによって、樹脂微粒子Bの分散層が形態変化し、連続層になって定着性能が低下することがある。
樹脂微粒子Aの極性は、樹脂微粒子Bの極性よりも高いことが好ましい。樹脂微粒子の極性は、極性官能基の量、樹脂組成などで調節できる。極性の判断基準としては、例えば、有機溶媒として酢酸エチル、樹脂微粒子の含まれる水を用意し、両者を混合し、静置相分離させたときに水側に樹脂微粒子が留まり、完全に分離するものが極性が高いと判断することができる。また、樹脂微粒子が酢酸エチル側に進入して白濁層が増加したり、3層に分離したりするのを観察することによって、樹脂微粒子の極性を判断することができる。
前記離型剤(ワックス)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、樹脂微粒子Bの分散層を加熱溶融時に容易に通過して、染み出すことができるもの、即ち、結着樹脂とは相溶せず、溶融粘度が低い(100℃での粘度が100mPa・s以下)ものが好ましい。また、トナー内部で微分散していることが好ましい。
しかし、本発明のトナーは、樹脂微粒子Bの粒子径が比較的大きく、トナー粒子本体に埋没しにくい。樹脂微粒子Bが、スチレン重合体、アクリル酸エステル重合体、及びメタクリル酸エステル重合体のいずれかを含む架橋樹脂の微粒子であることが好ましい。このような樹脂微粒子Bは、架橋されていて比較的硬いため、現像器内での機械的ストレスによってトナー粒子表面で変形することなく、スペーサ効果も保つため外添剤の埋没も防止し、上述の付着力維持にはさらに適している。
<<トナー表面の樹脂微粒子の透過型電子顕微鏡による観察及び評価方法>>
トナーの表面の構造は以下の方法で特定可能である。
透過型電子顕微鏡による観察及び評価を以下のように実施した。
本発明のトナーを、市販の四酸化ルテニウム5%水溶液を用いて、蒸気染色を行った。染色後、エポキシ樹脂中に包埋し、ミクロトーム(Ultracut−E)を用いてダイヤモンドナイフで切片化した。切片の厚さは、エポキシ樹脂の干渉色を用いて、100nm前後に調整した。さらに、切片は、銅のグリッドメッシュに載せ、市販の四酸化ルテニウム5%水溶液を用いて、蒸気染色を行った。透過型電子顕微鏡(日本電子製 JEM−2100F)を用いて観察を行い、切片におけるトナー断面の画像を記録した。約20のトナー断面を観察することによって、樹脂微粒子A及び樹脂微粒子Bによって形成されたトナー表面部分(トナー断面の輪郭部分)を観察し、樹脂微粒子A及び樹脂微粒子Bの存在状態を評価した。
まず、トナー粒子の状態で染色してから、切片を作製することにより、トナー表面から染色材料が染み込み、撮影するトナー粒子の最表面部分に存在する樹脂微粒子Aで構成される被膜が、より明確なコントラストの差として得られる。例えば、樹脂微粒子Aで構成された被膜成分と、その被膜より内部の有機成分とが異なる場合、被膜を構成する樹脂微粒子Aとトナー内部の樹脂とを見分けることができる。
次に、切片化した後の染色によって、樹脂微粒子Bが明瞭なコントラストとして得られる。樹脂微粒子Bはトナー内部を構成する有機成分よりも、弱く染色される。これは、樹脂微粒子Bの中への染色材料の染み込みが、密度の差などが有るために、トナー内部の有機成分よりも弱いためと考えられる。
このように、染色の強弱によって、ルテニウム原子の量が異なるため、強く染色される部分は、これらの原子が多く存在し、電子線が透過せずに、観察像上では黒くなり、弱く染色される部分は、電子腺が透過されやすく、観察像上では白くなる。
本発明のトナーの観察例を図1A及び図1Bに示す。図1Aがトナー全体の像を示す図であり、図1Bはトナー表面付近に相当する一部分を拡大した像を示す図である。図1Bより、トナーの最表面は、一様に染色された厚さ約20nm〜30nm程度の樹脂微粒子Aの被膜で覆われていることが判る。また、矢印で示したように、樹脂微粒子Aの被膜の内部側に約40nm〜70nm程度の直径を持つ白いコントラストの円形状の形態が観察されている箇所があることが判る。これが樹脂微粒子Bに相当する。断面観察のため、樹脂微粒子の直径を含む面が切片に含まれていない粒子のサイズは、観察上、樹脂粒子の設計値よりも小さくなる。図1Aから、樹脂微粒子Bは、トナーの輪郭全体ではなく部分的に存在している。さらに図1Bから、表面に樹脂微粒子Aの被膜があり、そのすぐ内部側に樹脂微粒子Bが存在していることが判る。従って、この断面は、本願発明の要件を満たしていることが判る。
<重量平均粒径(Dw)、体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)>
トナーの重量平均粒径(Dw)、体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Multisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。具体的には、ガラス製100mLビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.5mL添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II本多電子社製)で10分間分散処理した。前記分散液を、前記マルチサイザーIIIを用いて、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2%に成るように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
トナーの平均円形度は、平均円形度SR=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%で定義される。フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」;シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program For FPIA Version00−10)を用いて解析を行った。具体的には、ガラス製100mLビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.1mL〜0.5mL添加し、各トナー0.1g〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。前記分散液を、前記FPIA−2100を用いて濃度を5,000個/μL〜15,000個/μLが得られるまでトナーの形状及び分布を測定した。本測定法は平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5,000個/μL〜15,000個/μLにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、すなわち添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様にトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分にぬらすことができないため、分散が不十分となる。またトナー添加量は粒径のより異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3μm〜7μmの場合、トナー量を0.1g〜0.5g添加することにより分散液濃度を5,000個/μL〜15,000個/μLにあわせることが可能となる。
ナノインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さは、Hysitron Inc.製のTribo Indenterを使用して測定する。詳細条件は、以下に示す通りである。
使用圧子:Berkovich(三角錐形)
最大押込み深さ:20nm
上記条件にて、トナー1粒子の表面から圧子を押込み、最大圧入時の圧痕の大きさから硬さH[GPa]を測定する。なお、実際の測定では、製品形態のトナー100粒子(1粒子については、測定箇所を変えてN=10にて測定し、平均値化。)について測定し、その平均値をナノインデンテーション法でのトナー1粒子の硬さとした。
マイクロインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さは、(株)フィッシャー・インストルメンツのフィッシャースコープ H100(微小硬さ試験システム)を使用して測定する。詳細条件は、以下に示す通りである。
使用圧子:ビッカース圧子
最大押込み深さ:2μm
最大押込み荷重:9.8mN
クリープ時間:5sec
負荷(除荷)時間:30sec
上記条件にて、トナー1粒子の表面からビッカース圧子を押込み、マルテンス硬度[N/mm2]を測定する。なお、実際の測定では、製品形態のトナー100粒子について測定し、その平均値をマイクロインデンテーション法でのトナー1粒子表面の硬さとした。
トナーのBET比表面積は、自動比表面積/細孔分布測定装置TriStar3000(島津製作所製)を用いて測定した。トナー1gを専用セルに入れ、TriStar用脱ガス専用ユニット、バキュプレップ061(島津製作所製)を用いて、前記専用セル内の脱気処理を行った。脱気処理は室温下で行い、少なくとも100mtorr以下の減圧条件下で20時間行った。脱気処理を行った専用セルは、TriStar3000を用いて自動でBET比表面積を得ることができる。なお、吸着ガスとしては窒素ガスを用いて行った。
<重量平均粒径>
キャリアの重量平均粒径Dwは、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)に基づいて算出されたものである。この場合の重量平均粒径Dwは、式(1)で表わされる。
Dw={1/Σ(nD3)}×{Σ(nD4)}・・・(1)
式(1)中、Dは、各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは、各チャネルに存在する粒子の総数を示す。なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を等分に分割するための長さを示すもので、本発明においては、2μmを採用した。また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子の粒径の下限値を採用した。
Dp=(1/ΣN)×(ΣnD)・・・(2)
式(2)中、Nは、計測した全粒子数を示し、nは、各チャネルに存在する粒子の総数を示し、Dは、各チャネル(2μm)に保存する粒子の粒径の下限値を示す。
[1]粒径範囲:8μm〜100μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
本発明のトナーは、以下の工程により製造できる。
(1)少なくとも結着樹脂を含むトナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散してトナー材料の溶解液乃至分散液を作製する工程A
(2)前記トナー材料の溶解液乃至分散液を樹脂微粒子Bとが膨潤可能な有機溶媒の含まれる水系媒体中に添加して乳化乃至分散させて乳化液乃至分散液を作製する工程B
(3)前記乳化液乃至分散液から有機溶媒を除去する工程C
また、樹脂微粒子Bが膨潤可能な有機溶媒を水系媒体中に添加することによって、樹脂微粒子Bが添加されたときに、有機溶媒を水系媒体中で吸収、膨潤し、乳化したトナー粒子(油滴)への進入を容易とし、さらにトナー表面で樹脂微粒子Bの粒子形状を保ったまま結着樹脂と融合しやすくなる。
製造されたトナーの重量平均粒径は、1μm〜6μmであることが好ましい。
前記トナー材料の溶解液乃至分散液は、トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させて調製する。前記トナー材料としては、トナーを形成可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結着樹脂もしくは活性水素基含有化合物、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)と着色剤を含み、さらに必要に応じて、離型剤、帯電制御剤等のその他の成分を含んでいてもよい。トナー材料の溶解液乃至分散液は、トナー材料を有機溶媒に溶解乃至重合性単量体に分散させて調製することが好ましい。なお、有機溶媒は、トナーの造粒時ないし造粒後に除去することが好ましい。
前記有機溶媒としては、トナー材料を溶解乃至分散可能な溶媒であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーの造粒時乃至造粒後の除去の容易性の点で沸点が150℃未満のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。この中でも、エステル系溶剤が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。有機溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー材料100質量部に対し40質量部〜300質量部が好ましく、60質量部〜140質量部がより好ましく、80質量部〜120質量部が特に好ましい。なお、トナー材料の溶解液乃至分散液の調製は、有機溶媒中に、活性水素基含有化合物、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体、未変性ポリエステル樹脂、離型剤、着色剤、帯電制御剤、等のトナー材料を、溶解乃至分散させることにより行うことができる。また、トナー材料の中で、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)以外の成分は、後述する水系媒体の調製において、水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、トナー材料の溶解液乃至分散液を水系媒体に添加する際に、溶解液乃至分散液と共に水系媒体に添加してもよい。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられるが、これらの中でも、水が特に好ましい。前記水と混和可能な溶剤としては、水と混和可能であれば、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。また、低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
トナー材料の溶解液乃至分散液の水系媒体中への乳化乃至分散は、トナー材料の溶解液乃至分散液を水系媒体中で攪拌しながら分散させることが好ましい。分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の分散機などを用いて行うことができる。分散機としては、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機などが挙げられる。このトナーの製造方法においては、乳化ないし分散の際、活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、を伸長反応ないし架橋反応させると、接着性基材が生成する。樹脂微粒子Bは乳化中または乳化後に水系媒体に加えてもよい。高速せん断分散機にて分散させながら行うか乳化後低速攪拌に切り替えて添加するか適宜トナーへの樹脂微粒子Bの付着性、固定化状況を見ながら行われる。
前記結着樹脂としては、紙等の記録材に対し接着性を示し、活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、を水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマーを含むことが好ましい。結着樹脂の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3,000以上が好ましく、5,000〜1,000,000がより好ましく、7,000〜500,000が特に好ましい。何故なら、重量平均分子量が、3,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがあるからである。
測定条件
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50mL/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
(1)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物
(2)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(4)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(6)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(8)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物
(10)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をトルエンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物
水系媒体には界面活性剤、樹脂微粒子Aの他に以下の無機化合物分散剤や高分子系保護コロイドを併用することができる。難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、等が挙げられる。
乳化乃至分散により得られた乳化スラリーから、有機溶媒を除去する。有機溶媒の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、等が挙げられる。有機溶媒の除去が行われるとトナー粒子が形成される。形成されたトナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行い、さらにその後、所望により分級等を行う。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行う。なお、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
トナー本体表面に樹脂微粒子Bが付着固定化した構造を取るには、あらかじめ水系媒体中に樹脂微粒子Bを存在させておけばよい。もしくは、トナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散し、このトナー前駆体の溶解液乃至分散液を、界面活性剤と、必要であれば、樹脂微粒子Aとが含まれる水系媒体中で乳化乃至分散した後に有機溶媒を除去してトナーを製造する際に、有機溶媒を除去前または除去している途中、終了後に水系媒体中へ樹脂微粒子Bを添加してもよい。
<<<樹脂微粒子A及びB>>>
前記樹脂微粒子A及びBに用いられる樹脂としては、水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができる。前記樹脂微粒子A及びBに用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂微粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されるのが好ましい。なお、ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであり、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、などが挙げられる。特に、樹脂微粒子Bは架橋体を作製するために2官能以上の架橋性モノマー、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタアクリレートなどを一部共重合することが好ましい。
(1)ビニル樹脂の場合、ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法から選択されるいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子A(B)の水性分散液を製造する方法。
(2)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子A(B)の水性分散液を製造する方法。
(4)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子A(B)を得た後、適当な分散剤の存在下、水中に分散させる方法。
(6)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子A(B)を析出させ、次に溶剤を除去して樹脂微粒子を得た後、樹脂微粒子A(B)を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法。
(8)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
前記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤が好ましい。前記フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
前記結着樹脂は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ポリエステル系樹脂、シリコーン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等、公知の結着樹脂を用いることができるが、定着時にシャープメルトし、画像表面を平滑化できる点で、低分子量化しても十分な可とう性を有しているポリエステル系樹脂が好ましく、ポリエステル系樹脂にさらに他の樹脂を組み合わせて用いてもよい。
また、前記結着樹脂は、樹脂微粒子Bと非相溶であることが重要であり、ポリエステル系樹脂は、特に、樹脂微粒子Bがスチレン重合体、アクリル酸エステル重合体、又はメタクリル酸エステル重合体を含む架橋樹脂の微粒子である場合ほとんど相溶性がない。トナー材料の溶解液乃至分散液を樹脂微粒子Bが膨潤可能な有機溶媒の含まれる水系媒体中に添加して乳化させる乳化工程において、乳化前又は乳化後に樹脂微粒子Bが添加されたときに、トナー材料の液滴に有機溶媒や重合性単量体が含まれているため、樹脂微粒子Bは液滴表面に付着した後に溶解してしまう場合がある。トナーを構成する樹脂成分がポリエステル樹脂であり、樹脂微粒子Bがスチレン重合体、アクリル酸エステル重合体、又はメタクリル酸エステル重合体を含む架橋樹脂の微粒子である場合、結着樹脂及び樹脂微粒子Bの相溶性が悪いため、樹脂微粒子Bはトナー材料の液滴と相溶せずに付着した状態で存在する。したがって、液滴表面からある程度進入し、有機溶媒が除去されたり、重合が進行した後に、トナー表面に付着固定化されるといった望ましい形態を実現することができる。
A−(OH)m・・・(1)
[式中、Aは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。mは2〜4の整数を表す。]
下記一般式(2)で表される1種若しくは2種以上のポリカルボン酸とをポリエステル化したものである。
B−(COOH)n・・・(2)
[式中、Bは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。nは2〜4の整数を表す。]
本発明のトナー材料中に活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂が含まれることにより、得られるトナーの機械的強度が高まり、樹脂微粒子Bや外添剤の埋没を抑制することができる。活性水素基含有化合物がカチオン性の極性を有す場合には、樹脂微粒子Bを静電的に引き寄せることもできる。また、トナーの加熱定着時の流動性を調節でき定着温度幅を広げることもできる。なお、活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂は、結着樹脂前駆体であるともいえる。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば、特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が好ましい。なお、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のもの、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。また、脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。また、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、脂環式ジオールに対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物としたもの等が挙げられる。また、ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。また、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ビスフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物としたもの等が挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレングリコールとの混合物がより好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。また、脂環式ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、芳香族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4'−ジイソシアネート、4,4'−ジイソシアナト−3,3'−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイソシアネート等が挙げられる。また、芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。また、イソシアヌレート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。これらは、1種単独でも使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、離型剤、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、融点が50℃〜120℃の低融点の離型剤が好ましい。低融点の離型剤は、前記樹脂と分散されることにより、離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これによりオイルレス(定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布しない)でもホットオフセット性が良好である。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子は、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として使用する。この無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記流動性向上剤とは、表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止する剤のことであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。シリカ、酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが好ましい。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナーに添加される剤のことであり、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等が挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
本発明のトナーは、水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、例えば、通常の乳化重合もしくは樹脂分散体の製法によりラテックスを合成し、別途、着色剤、離型剤等を水系媒体中分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることにより得られる。
また前述の凝集工程において、樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液を予め凝集し、第一の凝集粒子形成後、樹脂微粒子Bの分散液を添加し、さらに、樹脂微粒子Aの分散液を添加して粒子表面にシェル層を形成することも可能である。
凝集粒子の形成方法としては、特に限定されるものではなく、従来静電荷像現像トナーの乳化重合凝集法において用いられている公知の凝集法、例えば、昇温、pH変化、塩添加等によってエマルジョンの安定性を低減化させてディスパーザー等で撹拌する方法等が用いられる。更に、凝集処理後、粒子表面からの着色剤の滲出を抑える等の目的で、熱処理を施す等により粒子表面を架橋せしめてもよい。なお、用いた界面活性剤等は、必要に応じて、水洗浄、酸洗浄、或いはアルカリ洗浄等によって除去してもよい。
なお、本発明のトナーを製造する製造方法には、必要に応じて、この種のトナーに用いられる帯電制御剤を用いてもよく、その場合、帯電制御剤は、前記単量体粒子エマルジョンの製造開始時、あるいは重合開始時、又は、前記樹脂粒子の凝集開始時等に、水性分散液等としてもよい。帯電制御剤の添加量は、単量体又は重合体100質量部に対して、1質量〜25質量部であることが好ましく、5質量部〜15質量部であることがより好ましい。
本発明のトナーは、結着樹脂又は結着樹脂前駆体と着色剤とを主成分としたトナー材料を有機溶媒中に溶解乃至分散させて形成した溶解物乃至分散物を、必要であれば樹脂微粒子Aを含む水系媒体中で乳化乃至分散させて乳化液乃至分散液を調製し、造粒し、乳化乃至分散したトナー材料を含むトナー前駆体に樹脂微粒子Bを付着させることにより得られる。好ましくは、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含むトナー材料の溶解液乃至分散液を、水系媒体中に乳化乃至分散させ、水系媒体中で活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させた接着性基材を含むトナー前駆体粒子を生成させて、樹脂微粒子Bを付着させる。
前記懸濁重合法は、先に述べたポリマー懸濁法における結着樹脂の他に油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤等を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で乳化法によって乳化分散し、その後重合反応を行ない粒子化する方法であるが、樹脂微粒子Bを同様にトナー表面に付着させることができる。
本発明のフルカラー画像形成方法は、電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像が形成された電子写真感光体上にトナーを含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録材上に転写する二次転写工程と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録材上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した後の電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを含む。そして、現像工程において用いられたトナーが、上述の本発明のトナーである。このフルカラー画像形成方法においては、二次転写工程におけるトナー像の記録材への転写の線速度、所謂印字速度が300mm/sec〜1,000mm/secであり、二次転写手段のニップ部での転写時間が0.5msec〜20msecであることが好ましい。
本発明のフルカラー画像形成方法において用いられる帯電装置としては、例えば図2及び図3に示した接触式の帯電装置を用いることができる。
図2に接触式帯電装置の一種であるローラ式帯電装置(500)の一例の概略構成を示した。被帯電体である像担持体としての感光体(505)は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体(505)に接触させた帯電部材である帯電ローラ(501)は芯金(502)とこの芯金(502)の外周に同心一体にローラ上に形成した導電ゴム層(503)を基本構成とし、芯金の両端を不図示の軸受け部材などで回転自由に保持させるとともに、不図示の加圧手段によって感光ドラムに所定の加圧力で押圧させており、本図の場合はこの帯電ローラ(501)は感光体(505)の回転駆動に従動して回転する。帯電ローラ(501)は、直径9mmの芯金上に100,000Ω・cm程度の中抵抗の導電ゴム層(503)を被膜して直径16mmに形成されている。帯電ローラ(501)の芯金(502)と図示の電源(504)とは電気的に接続されており、電源(504)により帯電ローラ(501)に対して所定のバイアスが印加される。これにより感光体(505)の周面が所定の極性、電位に一様に帯電処理される。
本発明で使われる帯電装置の形状としてはローラ式帯電装置の他にも、磁気ブラシ式帯電装置、ファーブラシ式帯電装置など、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシ式帯電装置を用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。また、ファーブラシ式帯電装置を用いる場合、例えばファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属、および金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで帯電装置とする。
本例では該ファーブラシローラ(511)による感光体(515)の接触帯電は直接注入帯電が支配的となって行なわれ、回転感光体表面はファーブラシローラ(511)に対する印加帯電電圧とほぼ等しい電位に帯電される。
本発明で使われる帯電部材の形状としてはファーブラシローラ(511)の他にも、帯電ローラ、ファーブラシなど、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。帯電ローラを用いる場合、芯金上に100,000Ω・cm程度の中抵抗ゴム層を被膜して用いるのが一般的である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。
図3は、磁気ブラシ式帯電装置の例の概略構成を示した図でもある。被帯電体、像担持体としての感光体(515)は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体(515)に対して、磁気ブラシによって構成されるブラシローラ(511)が、ブラシ部(513)の弾性に抗して所定の押圧力をもって所定のニップ幅で接触させてある。
本発明のフルカラー画像形成方法において使用される現像装置としては、例えば図4に示した現像装置を用いることができる。
本発明において感光体の潜像を現像するに際しては、交互電界を印加することが好ましい。図4に示した現像器(600)において、現像時、現像スリーブ(601)には、電源(602)により現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。背景部電位と画像部電位は、前記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。これによって現像部(603)に向きが交互に変化する交互電界が形成される。この交互電界中で現像剤のトナーとキャリアが激しく振動し、トナー(605)が現像スリーブ(601)およびキャリアへの静電的拘束力を振り切って感光体(604)に飛翔し、感光体の潜像に対応して付着する。なお、トナー(605)は、上述の本発明のトナーである。
本発明のフルカラー画像形成方法において使用される定着装置としては、例えば、図5に示した定着装置を用いることができる。図5に示す定着装置は、誘導加熱手段(760)の電磁誘導により加熱される加熱ローラ(710)と、加熱ローラ(710)と平行に配置された定着ローラ(720)(対向回転体)と、加熱ローラ(710)と定着ローラ(720)とに張り渡され、加熱ローラ(710)により加熱されるとともに少なくともこれらの何れかのローラの回転により矢印A方向に回転する無端帯状の定着ベルト(耐熱性ベルト、トナー加熱媒体)(730)と、定着ベルト(730)を介して定着ローラ(720)に圧接されるとともに定着ベルト(730)に対して順方向に回転する加圧ローラ(740)(加圧回転体)とから構成されている。
定着ローラ(720)(対向回転体)は、例えばステンレススチール等の金属製の芯金(722)と、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状または発泡状にして芯金(722)を被覆した弾性部材(721)とからなる。そして、加圧ローラ(740)からの押圧力でこの加圧ローラ(740)と定着ローラ(720)との間に所定幅の接触部を形成するために、定着ローラ(720)の外径を20mm〜40mm程度として、加熱ローラ(710)の外径より大きくしている。弾性部材(721)は、その肉厚を4mm〜6mm程度としている。この構成により、加熱ローラ(710)の熱容量は定着ローラ(720)の熱容量より小さくなるので、加熱ローラ(710)が急激に加熱されてウォームアップ時間が短縮される。
・基体(731):ポリイミド(PI)樹脂などの樹脂層
・発熱層(732):Ni,Ag,SUS等の導電材料層
・中間層(733):均一定着のための弾性層
・離型層(734):離型効果とオイルレス化のための弗素樹脂材料等の樹脂層
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーによりトナー像とする現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して又は介さずに記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録材上に定着させる定着手段と、前記転写手段によりトナー像を中間転写体及び記録材上のいずれかに転写した後の電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置における各手段のうち、少なくとも電子写真感光体、及び現像手段を、一体に支持して画像形成装置本体に着脱自在としたものである。そして、現像手段は、上述の本発明のトナーを備えている。現像手段及び帯電手段としては、前記現像手段及び前記帯電手段としては、上述の現像装置及び帯電装置が好適に使用できる。
本発明のフルカラー画像形成方法において使用されるフルカラー画像形成装置としては、例えば図8、図9に示したタンデム方式の画像形成装置(100)を用いることができる。図8において、画像形成装置(100)は電子写真方式によるカラー画像形成を行なうための画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)、画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)、給紙部(140)から主に構成されている。画像信号を元に、画像処理部(図示せず)で画像処理を行い、画像形成用の黒(Bk),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各色信号に変換し、画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)に送信する。画像書込部(120Bk,120C,120M,120Y)は、例えば、レーザ光源、回転多面鏡等の偏向器、走査結像光学系及びミラー群(いずれも図示せず)からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部(130Bk,130C,130M,130Y)に各色信号に応じた画像書込を行なう。
評価に用いたトナーの具体的な作製例について説明する。本発明で用いるトナーは、これらの例に限定されるものではない。
<未変性ポリエステル(低分子量ポリエステル)の合成>
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、該反応液を10mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が5,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃であった。
水1,000質量部、及びカーボンブラック(「Printex35」;デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)540質量部、及び前記未変性ポリエステル1,200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチMB1を調製した。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10mHg〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
ビーカー内に前記未変性ポリエステル100質量部、酢酸エチル130質量部を、攪拌し溶解させた。次いで、カルナウバワックス100℃の溶融粘度40(mPa・s)(分子量=1,800、酸価=2.5、針入度=1.5mm(40℃))10質量部、及び前記マスターバッチ10質量部を仕込み、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製し、前記プレポリマーを40質量部添加し、攪拌した後、トナー材料の溶解液乃至分散液を調製した。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)16部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、極性付与剤(極性付与モノマー)としてスチレンスルホン酸モノマーを30部添加した後に1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体の極性樹脂変性体)の水性分散液[樹脂微粒子分散液A1]を得た。[樹脂微粒子分散液A1]の体積平均粒径(堀場製作所製 LA−920で測定)で測定した。
A1と同様に、以下の表1に示される極性付与モノマー及び架橋剤モノマーを用いて樹脂微粒子A2〜A5を合成した。なお、樹脂微粒子A4の合成には極性付与モノマーのほかに架橋剤モノマーを同時に添加した。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10部、スチレン138部、メタクリル酸メチル138部、ジビニルベンゼン3部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度65℃まで昇温し10時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸メチル)の水性分散液[樹脂微粒子分散液B1]を得た。[樹脂微粒子分散液B1]を堀場製作所製 LA−920で体積平均粒径を測定した。得られた樹脂微粒子分散液B1にはメチルエチルケトンを30部添加し、樹脂微粒子B1を膨潤させ、あらかじめ樹脂微粒子B1をトナー内部に取り込ませやすくした。
B1と同様に、以下の表2に示される界面活性剤、架橋剤、及び極性付与モノマーを用いて樹脂微粒子B2〜B5を合成した。なお、B4の合成には架橋剤モノマーを使用せず、またB5の合成には極性付与モノマーを併用して使用した。
<水系媒体相の調製>
水660質量部、前記微粒子分散液A1:25質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%の水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業製)25質量部、及び酢酸エチル60質量部を混合撹拌し、乳白色の液体(水相)を得た。さらに、固形分20%に調整した樹脂微粒子分散液B1を50質量部加えた。樹脂微粒子B1は凝集したが、水系媒体相をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8,000rpmで攪拌すると該凝集体がほぐれ、分散できることを光学顕微鏡によって確認した。したがって、この後行われるトナー材料の乳化工程においても樹脂微粒子B1は分散してトナー材料成分の液滴に付着することが期待できた。このように樹脂微粒子B1は、初期はある程度不安定で凝集を生じるがせん断によって再分散できる。
前記水系媒体相150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の溶解液乃至分散液100質量部を添加し、10分間混合して乳化液乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
脱気用配管、攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、前記乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間減圧下、脱溶剤し脱溶剤スラリーとした。その後分散液を70℃で10時間加熱してトナー表面に存在する樹脂微粒子Aの層を融着、トナーを平滑化した。
前記脱溶剤スラリー全量を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合、再分散(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を3回行った。得られた濾過ケーキを順風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、約5μmのトナー母体粒子を得た。
得られたトナー母体粒子を100質量部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体を0.8部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナーを得た。
実施例1同様に、以下の表4に示される樹脂微粒子A、Bの組み合わせでトナーを製造した。樹脂微粒子A、Bの使用量は実施例1と同量である。ただし、実施例8、9では、表3に示すワックスB又はワックスCを、トナー材料相の調製時、カルナバワックス(ワックスA)の代わりに同量用いた。ここで、ワックスAはカルバナワックスを示し、ワックスBはパラフィンワックスを示し、ワックスCはポリエチレンワックスを示す。
また、実施例10はトナー母体作製時に脱溶剤スラリーの加熱を行わなかった。表4にはトナー表面を断面のTEMで観察した結果とトナー母体のBET比表面積の値も示した。
<BET比表面積の測定方法>
トナーのBET比表面積は、自動比表面積/細孔分布測定装置TriStar3000(島津製作所製)を用いて測定した。トナー1gを専用セルに入れ、TriStar用脱ガス専用ユニット、バキュプレップ061(島津製作所製)を用いて、前記専用セル内の脱気処理を行った。脱気処理は室温下で行い、少なくとも100mtorr以下の減圧条件下で20時間行った。脱気処理を行った専用セルは、TriStar3000を用いて自動でBET比表面積を得ることができる。なお、吸着ガスとしては窒素ガスを用いて行った。
得られたトナーの特性を表4に示す。
次に、トナーの実機評価に用いたキャリアの具体的な作製例について説明する。本発明で用いるキャリアは、これらの例に限定されるものではない。
<<キャリア>>
アクリル樹脂溶液(固形分50wt%) 21.0部
グアナミン溶液(固形分70wt%) 6.4部
アルミナ粒子[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)] 7.6部
シリコーン樹脂溶液 65.0部
[固形分23wt%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
アミノシラン 1.0部
[固形分100wt%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
トルエン 60部
ブチルセロソルブ 60部
前記キャリア原料をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコーン樹脂の被覆膜形成溶液を得た。芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2O3)48.0:平均粒径;25μm]に前記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し、乾燥し、被覆フェライト粉を得た。得られた被覆フェライト粉を電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、キャリアを得た。結着樹脂膜厚測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって膜厚とした。こうして、重量平均粒径35μmのキャリアAを得た。
前記トナーと前記キャリアAを用い、キャリア100質量部に対しトナー7質量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し帯電させて2成分系現像剤を作製した。
<<転写効率(%)>>
富士ゼロックス社製のDocuColor 8000 Digital Pressを改造して、線速及び転写時間を調整可能にチューニングした評価機を用い、各現像剤について、A4サイズ、トナー付着量0.6mg/cm2のベタパターンをテスト画像として出力するランニング試験を行った。テスト画像10万枚、100万枚出力後、一次転写における転写効率を下記式(3)により、二次転写における転写効率を下記式(4)により、それぞれ求めた。なお、評価基準は下記のとおりである。
一次転写効率(%)=(中間転写体上に転写されたトナー量/電子写真感光体上に現像されたトナー量)×100・・・(3)
二次転写効率(%)=(中間転写体上に転写されたトナー量−中間転写体上の転写残トナー量/中間転写体上に転写されたトナー量)×100・・・(4)
表5中の転写初期の欄と転写劣化の欄に、一次転写効率と二次転写効率の結果を示す。
評価基準は、
◎・・・90%以上
○・・・85%以上90%未満
△・・・80%以上85%未満
×・・・80%未満
とした。
リコー製フルカラー複合機Imagio NeoC600Proの定着部を改造し、温度及び線速を調整可能にした定着装置を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(株式会社リコー製のタイプ6000<70W>及び複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、0.85±0.1mg/cm2のトナー付着量で定着評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
評価基準は、
◎:120℃未満
○:140℃未満120℃以上
△:160℃未満140℃以上
×:160℃以上
とした。
<<<ホットオフセット発生温度>>>
リコー製フルカラー複合機Imagio NeoC600Proの定着部を改造し、温度及び線速を調整可能にした定着装置を用いて、前記普通紙にベタ画像で0.85±0.3mg/cm2のトナーが現像されるように調整した。得られた画像を加熱ローラの温度を変えて定着し、ホットオフセットの発生する定着温度(オフセット発生温度)を測定した。
評価基準は、
◎:210℃以上
○:210℃未満190℃以上
△:190℃未満170℃以上
×:170℃未満
とした。
1 トナー
2 トナー粒子本体
3 樹脂微粒子B
4 樹脂微粒子Aからなる被膜
(図2の符号)
500 ローラ式帯電装置
501 帯電ローラ
502 芯金
503 導電ゴム層
504 電源
505 感光体
(図3の符号)
510 ブラシ式帯電装置
511 ブラシローラ(ファーブラシローラ又は磁気ブラシローラ)
512 芯金
513 ブラシ部
514 電源
515 感光体
(図4の符号)
600 現像装置
601 現像スリーブ
602 電源
603 現像部
604 感光体
605 トナー
(図5及び図6の符号)
700 定着装置
710 加熱ローラ
720 定着ローラ(対向回転体)
721 弾性部材
722 芯金
730 定着ベルト(耐熱性ベルト、トナー加熱媒体)
731 基体
732 発熱層
733 中間層
734 離型層
740 加圧ローラ(加圧回転体)
741 芯金
742 弾性部材
750 温度検知部材
760 誘導加熱手段
761 励磁コイル
762 コイルガイド板
763 励磁コイルコア
764 励磁コイルコア支持部材
770 記録媒体(記録材)
A ベルトの回転方向
N 定着ニップ部
W1 接触部位
T トナー像
(図7の符号)
800 プロセスカートリッジ
801 感光体
802 帯電手段
803 現像手段
804 トナー
805 現像ローラ
806 クリーニング手段
(図8の符号)
100 画像形成装置
120Bk 画像書込部(黒)
120C 画像書込部(シアン)
120M 画像書込部(マゼンダ)
120Y 画像書込部(イエロー)
130Bk 画像形成部(黒)
130C 画像形成部(シアン)
130M 画像形成部(マゼンダ)
130Y 画像形成部(イエロー)
140 給紙部
150 定着装置
160 レジストローラ対
170 2次転写ローラ
180 転写ベルト
200Bk 現像装置(黒)
200C 現像装置(シアン)
200M 現像装置(マゼンダ)
200Y 現像装置(イエロー)
210Bk 感光体(黒)
210C 感光体(シアン)
210M 感光体(マゼンダ)
210Y 感光体(イエロー)
215Bk 帯電装置(黒)
215C 帯電装置(シアン)
215M 帯電装置(マゼンダ)
215Y 帯電装置(イエロー)
220 中間転写ベルト
230Bk 1次転写装置(黒)
230C 1次転写装置(シアン)
230M 1次転写装置(マゼンダ)
230Y 1次転写装置(イエロー)
241 導電性ローラ
242 導電性ローラ
243 導電性ローラ
250Bk トナー移送管(黒)
250C トナー移送管(シアン)
250M トナー移送管(マゼンダ)
250Y トナー移送管(イエロー)
261 導電性ファーブラシ
262 導電性ファーブラシ
300Bk クリーニング装置(黒)
300C クリーニング装置(シアン)
300M クリーニング装置(マゼンダ)
300Y クリーニング装置(イエロー)
(図9の符号)
14 第1の支持ローラ
15 第2の支持ローラ
16 第3の支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
21 露光手段
22 2次転写手段
23 ローラ
24 2次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
10Y、10C、10M、10K 感光体
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 手差しトレイ
53 給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
58 分離ローラ
62 1次転写装置
100 画像形成装置
110 複写装置本体
120 タンデム画像形成装置
130 原稿台
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (11)
- トナー母体を含有し、
前記トナー母体が、トナー粒子本体と、前記トナー母体表面の最表層として形成され、樹脂微粒子Aからなる層と、前記トナー粒子本体の表面側に形成され、かつ前記樹脂微粒子Aからなる層の内部側に形成された樹脂微粒子Bとを備え、
前記樹脂微粒子Bが架橋された樹脂であり、
前記樹脂微粒子Aの極性が、前記樹脂微粒子Bの極性よりも高いこと特徴とするトナー。 - 樹脂微粒子Bが架橋された樹脂であり、該樹脂微粒子Bが粒子の形態で存在する請求項1に記載のトナー。
- 100℃における粘度が100mPa・s以下のワックスを離型剤として含有する請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
- トナー母体のBET比表面積が0.5m2/g〜4.0m2/gである請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
- 少なくとも結着樹脂を含むトナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散してトナー材料の溶解液乃至分散液を作製する工程Aと、樹脂微粒子Bを膨潤可能な有機溶媒が含まれかつ樹脂微粒子Aが含まれる水系媒体中に前記トナー材料の溶解液乃至分散液を添加して乳化乃至分散させて乳化液乃至分散液を作製する工程Bと、前記乳化液乃至分散液から有機溶媒を除去する工程Cとを含み、前記工程B及び前記工程Cのいずれかにおいて、水系媒体中に樹脂微粒子Bを添加するトナーの製造方法により製造された請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
- トナー材料は、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂とを含む請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
- 電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像が形成された電子写真感光体上にトナーを含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、前記中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録材上に転写する二次転写工程と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録材上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した後の電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを含み、前記現像工程において用いられたトナーが請求項1から6のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするフルカラー画像形成方法。
- 二次転写工程において、トナー像の記録材への転写の線速度は300mm/sec〜1,000mm/secであり、二次転写手段のニップ部での転写時間は0.5msec〜20msecである請求項7に記載のフルカラー画像形成方法。
- タンデム方式の電子写真画像形成プロセスを採用した請求項7から8のいずれかに記載のフルカラー画像形成方法。
- 電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーによりトナー像とする現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して又は介さずに記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録材上に定着させる定着手段と、前記転写手段によりトナー像を中間転写体及び記録材上のいずれかに転写した後の電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えた画像形成装置における各手段のうち、少なくとも前記電子写真感光体、及び請求項1から6のいずれかに記載のトナーを備えた前記現像手段を、一体に支持して前記画像形成装置本体に着脱自在としたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 帯電手段、転写手段、及びクリーニング手段から選択される少なくとも1つの手段をさらに含む請求項10に記載のプロセスカートリッジ。
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