JP5612938B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

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本発明は、電子写真用トナー及びその製造方法に関する。
電子写真用トナーの分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応したトナーの開発が要求されている。
高画質化及び高速化に対応するために、トナーにも様々な性能が要求され、その要求を満たすために、コアシェル型のトナーが提案されている。
例えば、特許文献1には、帯電性、低温定着性、クリーニング性の改善を目的として、結着樹脂として結晶性ポリエステル樹脂及び無定形高分子を少なくとも含み、連続したマトリックスからなり、前記結晶性ポリエステル樹脂を含むコア層と、前記コア層を完全に被覆し、前記無定形高分子を含むシェル層と、を含む、特定の形状である静電荷像現像用トナーが開示されている。
特許文献2には、帯電性の改善とトナー表面に着色剤を露出させないことを目的として、ポリエステル樹脂からなる結着樹脂と、エステルワックスからなる離型剤と、着色剤とを含むコア層と、コア層の表面を被覆するシェル層とを備え、体積平均粒径が3μm〜8μmであり、トナーの最表面から200nm以内の領域に存在する着色剤の割合が10%以下である静電荷像現像用トナーが開示されている。
特許文献3には、低温定着性、ドキュメントオフセット性、高温高湿下での光沢むらの改善を目的として、コア−シェル構造を有し、コア部がガラス転移点20〜40℃、シェル部がガラス転移点50〜100℃であり、コア部に粒径0.1〜0.5μm、比重1.0〜2.0の無機粒子を含み、かつ、コア部とシェル部の間に非極性の炭化水素化合物を含む中間層を有し、その中間層の厚みは0.1〜0.9μmであることを特徴とする静電荷像現像用トナーが開示されている。
特開2005−215298号公報 特開2007−57764号公報 特開2007−212871号公報
特許文献1や2に挙げられるように、着色剤、離型剤、結晶性樹脂等をコアに含有し、これらを表面に露出させないようにシェル層を設けることで、ある程度の帯電性を向上させることは出来るが、未だ不十分である。また、コアをシェル層で完全に被覆するためにシェル層を厚くすると、該トナーを用いて印刷することによって得られた印刷物の画像濃度が低下するという問題もあった。
本発明は、帯電性及び画像濃度に優れる電子写真用トナー及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、トナーの帯電性及び画像濃度に影響する要因は、トナーを構成する着色剤、樹脂及び離型剤のトナー中の存在位置にあると考えて検討を行った。その結果、トナーのコア部にポリエステル樹脂、着色剤及び離型剤を含有し、その外側にポリエステル樹脂と着色剤を含有する中間部を設け、更に外側のシェル部にポリエステル樹脂を含有させることにより、トナーの帯電性及び画像濃度が向上することを見出した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕及び〔2〕を提供する。
〔1〕ポリエステル樹脂(a)、着色剤、及び離型剤を含有するコア部、ポリエステル樹脂(b)及び着色剤を含有する中間部、並びにポリエステル樹脂(c)を含有するシェル部からなる電子写真用トナーであって、該トナー中の着色剤の90〜100重量%がコア部及び中間部に含まれ、離型剤の90〜100重量%がコア部に含まれる、電子写真用トナー。
〔2〕下記工程(1)〜(3)を含む、〔1〕に記載の電子写真用トナーの製造方法。
工程(1):ポリエステル樹脂(a)を含む樹脂粒子(A1)と着色剤と離型剤粒子とを、又はポリエステル樹脂(a)及び着色剤を含む樹脂粒子(A2)と離型剤粒子とを水性媒体中で凝集し、コア粒子を得る工程
工程(2):コア粒子に、ポリエステル樹脂(b)を含む樹脂粒子(B1)と着色剤とを、又はポリエステル樹脂(b)及び着色剤を含む樹脂粒子(B2)を付着させて、コアシェル粒子(1)を得る工程
工程(3):コアシェル粒子(1)に、ポリエステル樹脂(c)を含む樹脂粒子(C)を付着させて、ポリエステル樹脂(a)、着色剤、及び離型剤を含有するコア部、ポリエステル樹脂(b)及び着色剤を含有する中間部、並びにポリエステル樹脂(c)を含有するシェル部からなるコアシェル粒子(2)を得る工程
本発明によれば、帯電性及び画像濃度に優れる電子写真用トナー及びその製造方法を提供することができる。
本発明の電子写真用トナーは、ポリエステル樹脂(a)、着色剤、及び離型剤を含有するコア部、ポリエステル樹脂(b)及び着色剤を含有する中間部、並びにポリエステル樹脂(c)を含有するシェル部からなる電子写真用トナーであって、該トナー中の着色剤の90〜100重量%がコア部及び中間部に含まれ、離型剤の90〜100重量%がコア部に含まれる。
本発明の電子写真用トナーが、帯電性及び画像濃度に優れる理由は定かではないが、次のように考えられる。
本発明の電子写真用トナーは、ポリエステル樹脂(a)、着色剤、及び離型剤を含有するコア部と、そのコア部を覆うポリエステル樹脂(b)及び着色剤を含有する中間部と、更にその外側に形成されるポリエステル樹脂(c)を含有するシェル部とからなる。ここで、トナー中の着色剤の90〜100重量%がコア部及び中間部に含まれ、離型剤の90〜100重量%がコア部に含まれる。すなわち、コア部及び中間部は着色剤を含むのに対し、シェル部は実質的に着色剤を含まない。また、コア部は離型剤を含むのに対し、中間部及びシェル部は実質的に離型剤を含まない。
本発明の電子写真用トナーは、このような構成を有しているため、トナーの帯電性に影響を与える離型剤及び着色剤のトナー表面への露出が抑制され、帯電性が向上すると考えられる。特に、離型剤を含むコア部が、実質的に離型剤を含まない中間部及びシェル部に覆われていることから、高温高湿度での帯電性が大きく向上すると考えられる。更に、本発明の電子写真用トナーは、中間部にも着色剤を含有しているため、印刷後に該トナーによって得られた着色層が均一に発色し、印刷後の画像の発色性が高まり、画像濃度が向上すると考えられる。
コア部と中間部との重量比(コア部/中間部)は、トナーの帯電性及び画像濃度を向上させる観点から、好ましくは90/10〜60/40、より好ましくは85/15〜65/35、更に好ましくは80/20〜70/30である。
コア部及び中間部との合計とシェル部の重量比(コア部+中間部/シェル部)は、トナーの画像濃度及び帯電性を向上させる観点から、好ましくは80/20〜55/45、より好ましくは77/23〜60/40、更に好ましくは75/25〜65/35である。
本発明の電子写真用トナーは、トナーの画像濃度を向上させる観点から、コア部及び中間部に、トナー中の着色剤の90〜100重量%が含まれる。当該コア部及び中間部の着色剤の含有量は、好ましくはトナー中の着色剤の92〜100重量%、より好ましくは95〜100重量%、更に好ましくは実質的に100重量%である。
コア部及び中間部に含有される着色剤の重量比(コア部/中間部)は、トナーの画像濃度を向上させる観点から、好ましくは90/10〜50/50、より好ましくは85/15〜60/40、更に好ましくは80/20〜70/30である。
本発明の電子写真用トナーは、トナーの帯電性を向上させる観点から、コア部に、トナー中の離型剤の90重量%以上を含有する。当該離型剤の含有量は、好ましくは92〜100重量%、より好ましくは95〜100重量%、更に好ましくは実質的に100重量%である。
以下、本発明に用いられる各成分及び工程等について説明する。
[コア部]
コア部は、ポリエステル樹脂(a)、着色剤、及び離型剤を含有する。
(ポリエステル樹脂(a))
以下、コア部に含有されるポリエステル樹脂(a)について説明するが、後述するポリエステル樹脂(b)及び(c)についても好適範囲は同じである。
本発明において、ポリエステル樹脂(a)は、トナーの定着性を向上させる観点から、架橋ポリエステル樹脂であることが好ましい。
また、ポリエステル樹脂(a)は、トナーの帯電性を向上させる観点から、非晶質ポリエステルであることが好ましい。非晶質ポリエステルとは、軟化点と示差走査熱量計(DSC)による吸熱の最大ピーク温度との比、(軟化点(℃))/(吸熱の最大ピーク温度(℃))で定義される結晶性指数が、1.4を超える、あるいは0.6未満のポリエステルである。
ポリエステル樹脂(a)の結晶性指数は、トナーの低温定着性の観点から、好ましくは0.6未満又は1.4を超え4以下、より好ましくは0.6未満又は1.5以上4以下、更に好ましくは0.6未満又は1.5以上3以下、更に好ましくは0.6未満又は1.5以上2以下である。当該結晶性指数は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により適宜決定することができる。
ポリエステル樹脂(a)は、乳化性の観点から、分子末端に酸基を有することが好ましい。該酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルフィン酸等が挙げられる。これらの中でも、樹脂の分散性とトナーの保存安定性との両立の観点から、カルボキシル基が好ましい。
ポリエステル樹脂(a)の酸価は、樹脂の水性媒体中における乳化性の観点から、好ましくは6〜35mgKOH/g、より好ましくは10〜35mgKOH/g、更に好ましくは15〜35mgKOH/gである。
ポリエステル樹脂(a)のガラス転移点は、トナーの耐久性、低温定着性及び保存安定性の観点から、好ましくは55〜75℃、より好ましくは55〜70℃、更に好ましくは58〜68℃である。
ポリエステル樹脂(a)の軟化点は、トナーの耐久性、低温定着性及び保存安定性の観点から、好ましくは70〜165℃、より好ましくは70〜140℃、更に好ましくは90〜140℃、更に好ましくは100〜130℃である。
なお、ポリエステル樹脂(a)を2種以上混合して使用する場合は、そのガラス転移点及び軟化点は、各々2種以上のポリエステル樹脂(a)の混合物として、実施例記載の方法によって得られたガラス転移点及び軟化点をいう。
ポリエステル樹脂(a)は、トナーの低温定着性、耐オフセット性及び耐久性の観点から、軟化点が異なる2種類のポリエステルを含有することが好ましい。軟化点が異なる2種類のポリエステルをそれぞれポリエステル(a−1)及び(a−2)とした場合、一方のポリエステル(a−1)の軟化点は70℃以上115℃未満が好ましく、他方のポリエステル(a−2)の軟化点は115℃以上165℃以下が好ましい。ポリエステル(a−1)とポリエステル(a−2)との重量比((a−1)/(a−2))は、好ましくは10/90〜90/10、より好ましくは50/50〜90/10である。
ポリエステル樹脂(a)は、酸成分とアルコール成分とを、重縮合反応させることにより得られる。当該重縮合反応は、好ましくは触媒存在下、180〜250℃で行われることが好ましい。
酸成分としては、ジカルボン酸、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、3価以上の多価カルボン酸が挙げられ、カルボン酸には、酸無水物及びアルキル(炭素数1〜3)エステル等も含まれる。これらの中でも、トナーの保存安定性及び帯電性の観点から、ジカルボン酸が好ましい。
ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられ、これらの中でもテレフタル酸が好ましい。
炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸としては、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸としては、トリメリット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等が挙げられ、これらの中でも耐オフセット性の観点から、トリメリット酸が好ましい。
これらの酸成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリエステル樹脂(a)は、トナーの耐高温オフセット性の観点から、3価以上の多価カルボン酸並びにその酸無水物又はそのアルキルエステル、好ましくはトリメリット酸又はその無水物を含有する酸成分を用いて得られたポリエステル樹脂(a)を少なくとも1種使用することが好ましい。
アルコール成分としては、主鎖炭素数2〜12の脂肪族ジオール、芳香族ジオール、ビスフェノールAの水素添加物、3価以上の多価アルコール等が挙げられ、これらの中でも、非晶質のポリエステルを得る観点から、芳香族ジオールが好ましく、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド付加物(平均付加モル数1〜16)がより好ましい。
主鎖炭素数2〜12の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等が挙げられる。
3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
これらのアルコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
触媒としては、縮重合反応の効率の観点から、錫化合物、チタン化合物等が好ましく、錫化合物がより好ましい。錫化合物としては、ジオクチル酸錫、ジブチル錫オキサイド等が挙げられる。チタン化合物としては、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等が挙げられる。
触媒の使用量に制限はないが、酸成分とアルコール成分との総量100重量部に対して、好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.1〜0.6重量部である。
縮重合反応は、反応容器に、酸成分及びアルコール成分を入れ、180〜250℃で5〜15時間維持して行うことが好ましく、更にその後、触媒を加え180〜250℃で1〜5時間維持して反応を進行させ、5.0〜20kPaに減圧して1〜10時間維持して行うことがより好ましい。
なお、本発明では、その効果を損なわない範囲で、ポリエステル樹脂(a)を変性したものを用いることができる。ポリエステル樹脂を変性する方法としては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法により、フェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化する方法や、ポリエステルユニットを含む2種以上の樹脂ユニットを有する複合樹脂とする方法等が挙げられる。なお、後述するポリエステル樹脂(b)及び(c)についても同様である。
(着色剤)
着色剤としては、顔料及び染料が用いられ、トナーの画像濃度の観点から、顔料が好ましい。
顔料としては、カーボンブラック、無機系複合酸化物、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、ベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、銅フタロシアニン、フタロシアニングリーン等が挙げられ、これらの中でも、銅フタロシアニンが好ましい。
染料としては、アクリジン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系等が挙げられる。
これらの着色剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(離型剤)
離型剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス等が挙げられる。これらの離型剤は、単独で又は2種以上を併用することができる。
コア部に含まれる離型剤の含有量は、トナーの離型性及び帯電性の観点から、コア部100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜15重量部である。
[中間部]
中間部は、ポリエステル樹脂(b)及び着色剤を含有する。
中間部に含有されるポリエステル樹脂(b)の物性、及び製造方法は、上述のコア部のポリエステル樹脂(a)と同様である。
ポリエステル樹脂(b)の酸成分としては、ジカルボン酸及び3価以上の多価カルボン酸が好ましく、これらの中でもテレフタル酸及びトリメリット酸が好ましい。
アルコール成分としては、芳香族ジオールが好ましく、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド付加物(平均付加モル数1〜16)がより好ましい。
ポリエステル樹脂(b)は、ポリエステル樹脂(a)と、同一であっても異なっていてもよい。ただし、ポリエステル樹脂(b)は、トナーの定着性を向上する観点から、ポリエステル樹脂(a)と同一のアルコール成分又は酸成分を含有することが好ましく、ポリエステル樹脂(a)と同一のアルコール成分及び酸成分の両方を含有することがより好ましく、ポリエステル樹脂(a)と同一のアルコール成分及び酸成分からなることが更に好ましい。特に、ポリエステル樹脂(a)とポリエステル樹脂(b)とが同一の樹脂であることがより好ましい。
また、ポリエステル樹脂(b)は、トナーの定着性を向上させる観点から、架橋ポリエステル樹脂であることが好ましい。
中間部に含有される着色剤は、コア部に含有される着色剤と同一でも異なっていてもよいが、トナーの画像濃度を向上する観点から、同一であることが好ましい。
なお、中間部には、トナーの帯電性を向上させる観点から、実質的に離型剤を含有しないことが好ましい。
[シェル部]
シェル部は、ポリエステル樹脂(c)を含有する。
シェル部に含有されるポリエステル樹脂(c)の物性、及び製造方法は、上述のポリエステル樹脂(a)及び(b)と基本的に同様である。
ポリエステル樹脂(c)の酸成分としては、ジカルボン酸及び3価以上の多価カルボン酸が好ましく、これらの中でもテレフタル酸及びトリメリット酸が好ましい。
アルコール成分としては、芳香族ジオールが好ましく、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド付加物(平均付加モル数1〜16)がより好ましい。
ポリエステル樹脂(c)は、ポリエステル樹脂(a)と、同一であっても異なっていてもよい。ただし、ポリエステル樹脂(c)は、トナーの定着性を向上する観点から、ポリエステル樹脂(a)と同一のアルコール成分又は酸成分を含有することが好ましく、ポリエステル樹脂(a)と同一のアルコール成分及び同一の酸成分の両方を含有することがより好ましく、ポリエステル樹脂(a)と同一のアルコール成分及び酸成分からなることが更に好ましい。特に、ポリエステル樹脂(a)とポリエステル樹脂(c)が、同一の樹脂であることが更に好ましい。
ポリエステル樹脂(c)は、トナーの耐久性及び帯電性を向上する観点から、ポリエステル樹脂(c)の全量に対して、非晶質ポリエステルを50〜100重量%含有することが好ましい。非晶質ポリエステルとは、前述の通り、結晶性指数が、1.4を超える、あるいは0.6未満のポリエステルである。
また、シェル部には、トナーの帯電性、耐久性及び耐熱保存性を向上させる観点から、実質的に離型剤を含有しないことが好ましい。
更に、シェル部には、実質的に着色剤を含有しないことが好ましく、着色剤を含有する場合にも、中間部より少ない量であることが好ましい。
実質的に離型剤及び着色剤のいずれも含有しないことがより好ましい。
[電子写真用トナーの製造方法]
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、下記工程(1)〜(3)を含むことが好ましい。
工程(1):ポリエステル樹脂(a)を含む樹脂粒子(A1)と着色剤と離型剤粒子とを、又はポリエステル樹脂(a)及び着色剤を含む樹脂粒子(A2)と離型剤粒子とを水性媒体中で凝集し、コア粒子を得る工程
工程(2):コア粒子に、ポリエステル樹脂(b)を含む樹脂粒子(B1)と着色剤とを、又はポリエステル樹脂(b)及び着色剤を含む樹脂粒子(B2)を付着させて、コアシェル粒子(1)を得る工程
工程(3):コアシェル粒子(1)に、ポリエステル樹脂(c)を含む樹脂粒子(C)を付着させて、ポリエステル樹脂(a)、着色剤、及び離型剤を含有するコア部、ポリエステル樹脂(b)及び着色剤を含有する中間部、並びにポリエステル樹脂(c)を含有するシェル部からなるコアシェル粒子(2)を得る工程
[工程(1)]
工程(1)は、ポリエステル樹脂(a)を含む樹脂粒子(A1)と着色剤と離型剤粒子とを、又はポリエステル樹脂(a)及び着色剤を含む樹脂粒子(A2)と離型剤粒子とを水性媒体中で凝集し、コア粒子を得る工程である。
本工程においては、まず、ポリエステル樹脂(a)を含む樹脂粒子(A1)と着色剤と離型剤粒子とを、又はポリエステル樹脂(a)及び着色剤を含む樹脂粒子(A2)と離型剤粒子とを水性媒体中で混合して、混合分散液を得る。以下、樹脂粒子(A1)及び樹脂粒子(A2)を総称して、樹脂粒子(A)という。
なお、着色剤は、樹脂粒子とは独立した粒子として混合してもよく、樹脂粒子に含まれていてもよいが、凝集時に粗大粒子の発生を抑制する観点から、樹脂粒子に含まれていることが好ましい。すなわち、ポリエステル樹脂(a)及び着色剤を含む樹脂粒子(A2)と離型剤粒子とを水性媒体中で混合して、混合分散液を得ることが好ましい。
また、本工程において、樹脂粒子(A)以外の樹脂粒子を混合してもよい。樹脂粒子(A)以外の樹脂粒子としては、非晶質ポリエステルを含む樹脂粒子が好ましく、後述の樹脂粒子(B)と同様の樹脂粒子がより好ましい。
混合の順に制限はなく、いずれかを順に添加してもよいし、同時に添加してもよい。
樹脂粒子(A)の含有量は、混合分散液中、好ましくは10〜40重量部、より好ましくは20〜30重量部である。水性媒体の含有量は、混合分散液中、好ましくは60〜90重量部、より好ましくは70〜80重量部である。
また、着色剤の含有量は、画像濃度の観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは3〜15重量部である。離型剤粒子の含有量は、トナーの離型性及び帯電性の観点から、樹脂と着色剤との合計100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは2〜15重量部である。
混合温度は、凝集制御の観点から、好ましくは0〜40℃である。
[ポリエステル樹脂(a)を含む樹脂粒子(A)]
樹脂粒子(A)は、ポリエステル樹脂(a)を含有する。樹脂粒子(A)中のポリエステル樹脂(a)の含有量は、トナーの低温定着性を向上させ、ホットオフセットを防ぐ観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂に対して、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%、更に好ましくは80〜100重量%である。
樹脂粒子(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエステル樹脂(a)以外の樹脂、例えば、スチレンアクリル共重合体、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等の樹脂を含有してもよい。
また、樹脂粒子(A)は、凝集時に粗大粒子の発生を抑制する観点から、着色剤を含有する着色剤を含む樹脂粒子(A2)であることが好ましい。
樹脂粒子(A)が着色剤を含む樹脂粒子(A2)である場合、着色剤の含有量は、トナーの画像濃度の観点から、樹脂粒子(A2)を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは5〜10重量部である。
樹脂粒子(A)には、離型剤、帯電制御剤を含有させてもよい。また、必要に応じて、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤等の添加剤等を含有させてもよい。
(樹脂粒子(A)の製造)
樹脂粒子(A)は、ポリエステル樹脂(a)を含む樹脂及び前記の任意成分を水性媒体中に分散させ、樹脂粒子(A)を含有する分散液として得る方法によって製造することが好ましい。
分散液を得る方法としては、樹脂等を水性媒体に添加し、分散機等によって分散処理を行う方法、樹脂等に水性媒体を徐々に添加して転相乳化させる方法等が挙げられ、小粒径の樹脂粒子を得る観点及びトナー作製時の凝集制御を向上する観点から、転相乳化による方法が好ましい。以下、転相乳化による方法について述べる。
まず、ポリエステル樹脂(a)を含む樹脂、アルカリ水溶液、及び前記の任意成分を溶融して混合し、樹脂混合物を得る。
ポリエステル樹脂(a)を含む樹脂が、複数の樹脂からなる場合には、予め、ポリエステル樹脂(a)とその他の樹脂を混合したものを用いてもよいが、前記アルカリ水溶液及び任意成分を添加する際に同時に添加し、溶融して混合することによって得てもよい。例えば、小粒径の樹脂粒子を得る観点から、ポリエステル樹脂(a)、アルカリ水溶液、及び前記の任意成分を溶融して混合し、樹脂混合物を得る方法が好ましい。
また、混合の際には、樹脂の乳化安定性の観点から、界面活性剤を添加することが好ましい。
アルカリ水溶液中のアルカリとしては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物等やアンモニア等が挙げられるが、樹脂の分散性を向上する観点から、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。また、アルカリ水溶液中のアルカリの濃度は、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは1〜25重量%、更に好ましくは1.5〜20重量%である。アルカリは、ポリエステル樹脂(a)の分子鎖末端の酸基の中和に用いられるため、アルカリにより樹脂の分散性が向上するものと考えられる。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等が挙げられ、なかでも非イオン性界面活性剤が好ましく、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤を併用することがより好ましく、樹脂を十分に乳化させる観点から、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤とを併用することが更に好ましい。
非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤とを併用する場合、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との重量比(非イオン性界面活性剤/アニオン性界面活性剤)は、樹脂を十分に乳化させる観点から、好ましくは0.3〜10、より好ましくは0.5〜5である。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類あるいはポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリエチレングルコールモノラウレート、ポリチレングリコ−ルモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、オキシエチレン/オキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられ、これらの中でも、樹脂の乳化安定性の観点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられ、これらの中でも、樹脂の乳化安定性の観点から、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸ナトリウムが好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、より好ましくは15重量部以下、更に好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.5〜10重量部である。
樹脂混合物を得る方法としては、ポリエステル樹脂(a)を含む樹脂、アルカリ水溶液、及び前記の任意成分、好ましくは界面活性剤を容器に入れ、撹拌器によって撹拌しながら、樹脂を溶融して均一に混合する方法が好ましい。
樹脂を溶融し混合する際の温度は、ポリエステル樹脂(a)のガラス転移点以上が好ましい。
次に、前記の樹脂混合物に水性媒体を添加して、転相し、樹脂粒子(A)を含有する分散液を得る。
水性媒体としては水を主成分とするものが好ましく、環境性の観点から、水性媒体中の水の含有量は、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上、更に好ましくは実質100重量%である。用いる水としては、脱イオン水又は蒸留水が好ましい。
水以外の成分としては、炭素数1〜5のアルキルアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のジアルキル(炭素数1〜3)ケトン;テトラヒドロフラン等の環状エーテル等の水に溶解する有機溶媒が用いられる。これらの中でも、トナーへの混入を防止する観点から、ポリエステルを溶解しない炭素数1〜5のアルキルアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールがより好ましい。
水性媒体を添加する際の温度は、小粒径で均質な樹脂粒子を得る観点から、ポリエステル樹脂(a)のガラス転移点以上が好ましい。
水性媒体の添加速度は、樹脂粒子を小粒径とする観点から、転相が終了するまでは、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部/分、より好ましくは0.1〜30重量部/分、更に好ましくは0.5〜10重量部/分、更に好ましくは0.5〜5重量部/分である。なお、転相終了後の水性媒体の添加速度には制限はない。
水性媒体の使用量は、後の凝集工程で均一な凝集粒子を得る観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは100〜2000重量部、より好ましくは150〜1500重量部、更に好ましくは150〜500重量部である。その固形分濃度は、得られる樹脂粒子分散液の安定性と取扱い容易性等の観点から、好ましくは7〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%、更に好ましくは20〜40重量%、更に好ましくは25〜35重量%である。なお、固形分とは、樹脂、界面活性剤等の不揮発性成分の総量である。
トナーの耐熱保存性及び定着性を向上する観点から、樹脂粒子(A)に含まれるポリエステル樹脂(a)を架橋することが好ましく、オキサゾリン基を有する化合物により架橋することがより好ましい。
オキサゾリン基を有する化合物としては、分子内にオキサゾリン基を複数含有するものを使用することができるが、オキサゾリン基を含有するポリマーが好ましい。その重量平均分子量は、ポリエステル樹脂との反応性の観点から、好ましくは500〜2,000,000、より好ましくは1,000〜1,000,000である。
オキサゾリン基を含有するポリマーの市販品としては、日本触媒社製のエポクロスWSシリーズ(水溶性タイプ、主鎖アクリル)、Kシリーズ(エマルションタイプ、主鎖スチレン/アクリル)等が挙げられる。
前記オキサゾリン基を有する化合物の含有量あるいは添加量は、樹脂との架橋反応性及び生産性の観点から、樹脂分散液中、樹脂100重量部に対して、固形分として好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部である。
オキサゾリン基を有する化合物が添加され、かつ所定温度で混合することにより、樹脂分散液に分散している樹脂粒子の一部が架橋される。この時の温度は、好ましくは60〜100℃、より好ましくは70〜98℃である。オキサゾリン基を有する化合物による樹脂の架橋の存在は、架橋によって生成するアミド基により確認することができる。
このようにして、得られた樹脂粒子(A)を含有する分散液中の樹脂粒子(A)の体積中位粒径は、高画像のトナーを得る観点から、好ましくは0.02〜2μm、より好ましくは0.02〜1.5μm、更に好ましくは0.05〜1μm、更に好ましくは0.05〜0.5μmである。ここで、体積中位粒径とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径である。
また、樹脂粒子の粒度分布の変動係数(CV値)(%)は、高画像のトナーを得る観点から、好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下、更に好ましくは30%以下、更に好ましくは28%以下である。なお、CV値は、下記式で表される値であり、具体的には実施例記載の方法で求められる。
CV値(%)=[粒度分布の標準偏差(μm)/体積中位粒径(μm)]×100
離型剤粒子は、凝集性の観点から、上述の界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤を使用する場合の含有量は、凝集性及び得られるトナーの帯電性の観点から、離型剤100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。
離型剤粒子の体積中位粒径は、得られるトナーの帯電性及びホットオフセットを防ぐ観点から、好ましくは0.1〜1μm、より好ましくは0.1〜0.7μm、更に好ましくは0.1〜0.5μmである。
離型剤粒子のCV値は、得られるトナーの帯電性の観点から、好ましくは15〜50%、より好ましくは15〜40%、更に好ましくは15〜35%である。
(コア凝集粒子の製造)
次に、混合分散液中の粒子、すなわちポリエステル樹脂(a)を含む樹脂粒子(A1)と着色剤と離型剤粒子とを、又はポリエステル樹脂(a)及び着色剤を含む樹脂粒子(A2)と離型剤粒子とを水性媒体中で凝集して、コア凝集粒子の分散液(以下、「コア凝集粒子分散液」ともいう)を得る。
ここで、ポリエステル樹脂(a)及び着色剤を含む樹脂粒子(A2)と離型剤粒子とを水性媒体中で凝集することが、凝集時に粗大粒子の発生を抑制する観点から、好ましい。
本工程において、凝集を効率的に行うために凝集剤を添加することが好ましい。
凝集剤としては、第四級塩のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン等の有機系凝集剤;無機金属塩、無機アンモニウム塩、2価以上の金属錯体等の無機系凝集剤が挙げられる。
無機金属塩としては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等の金属塩、及びポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム等の無機金属塩重合体が挙げられる。無機アンモニウム塩としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等が挙げられ、硫酸アンモニウムがより好ましい。
凝集剤の使用量は、トナーの帯電性の観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは50重量部以下、より好ましくは40重量部以下、更に好ましくは30重量部以下である。また、樹脂粒子の凝集性の観点から、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは1重量部以上、より好ましくは3重量部以上、更に好ましくは5重量部以上である。以上の点を考慮して、1価の塩の使用量は、樹脂粒子(A)を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは3〜40重量部、更に好ましくは5〜30重量部である。
凝集の方法としては、混合分散液の入った容器に、凝集剤を好ましくは水溶液として滴下する。凝集剤は一時に添加してもよいし、断続的あるいは連続的に添加してもよいが、添加時及び添加終了後には、十分な撹拌を行うことが好ましい。凝集制御及びトナー製造時間短縮の観点から、凝集剤の滴下時間は1〜120分が好ましい。また、滴下温度は凝集制御の観点から0〜40℃が好ましい。
得られたコア凝集粒子の体積中位粒径は、トナーを用いて得られる画像を高画質化する観点から、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜9μm、更に好ましくは3〜6μmである。また、CV値は、好ましくは30%以下、より好ましくは28%以下、更に好ましくは25%以下である。
[工程(2)]
工程(2)は、コア粒子に、ポリエステル樹脂(b)を含む樹脂粒子(B1)と着色剤とを、又はポリエステル樹脂(b)及び着色剤を含む樹脂粒子(B2)を付着させて、コアシェル粒子(1)を得る工程である。以下、樹脂粒子(B1)及び樹脂粒子(B2)を総称して、樹脂粒子(B)という。
なお、着色剤は、樹脂粒子とは独立した粒子としてコア粒子に付着させてもよく、樹脂粒子に含まれていてもよいが、トナーの画像濃度を向上させ、凝集時に粗大粒子の発生を抑制する観点から、樹脂粒子に含まれていることが好ましい。すなわち、ポリエステル樹脂(b)及び着色剤を含む樹脂粒子(B2)を付着させて、二層構造のコアシェル粒子(1)を得ることが好ましい。
本工程においては、まず、ポリエステル樹脂(b)を含む樹脂粒子(B)の分散液(以下、「樹脂粒子(B)分散液」ともいう)を調製した後、工程(1)で得られたコア凝集粒子分散液に、樹脂粒子(B)分散液を添加して、コア凝集粒子に樹脂粒子(B)を付着させ、コアシェル粒子(1)を得ることが好ましい。
また、樹脂粒子(B)は、トナーの画像濃度を向上させ、凝集時に粗大粒子の発生を抑制する観点から、着色剤を含む樹脂粒子(B2)であることが好ましい。
樹脂粒子(B)は、前記樹脂粒子(A)と同様の方法で得ることが出来る。
樹脂粒子(B)が着色剤を含む樹脂粒子(B2)である場合、着色剤の含有量は、トナーの画像濃度の観点から、樹脂粒子(B)を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは5〜10重量部である。
なお、コア凝集粒子に着色剤及び樹脂粒子(B)をより均一に付着させる観点から、樹脂粒子(B)分散液を添加する前に、コア凝集粒子分散液に水性媒体を添加して希釈することが好ましい。
樹脂粒子(B)分散液を添加する際、コア凝集粒子に樹脂粒子(B)を効率的に付着させるために、前記凝集剤を用いてもよい。
樹脂粒子(B)分散液を添加する際の添加方法としては、凝集剤と樹脂粒子(B)分散液とを同時に添加する方法、凝集剤と樹脂粒子(B)分散液とを交互に添加する方法、コア凝集粒子分散液の温度を徐々に上げながら、樹脂粒子(B)分散液を添加する方法が好ましい。このような方法によれば、凝集剤濃度低下によるコア凝集粒子及び樹脂粒子(B)の凝集性の低下を防ぐことができる。これらの中でも、トナーの生産性及び製造簡便性の観点から、コア凝集粒子分散液の温度を徐々に上げながら、樹脂粒子(B)分散液を添加することが好ましい。
本工程における系内の温度は、トナーを用いて得られる画像を高画質化する観点から、ポリエステル樹脂(b)のガラス転移点より5℃以上低いことがより好ましい。当該温度範囲でコアシェル凝集粒子の製造を行うことで、粗大粒子の発生を抑制、シャープな粒度分布のトナーが得られるため、画質が良好となるものと考えられる。
樹脂粒子(B)のコア凝集粒子分散液への添加量は、トナーの帯電性及び保存安定性を向上する観点から、樹脂粒子(B)と樹脂粒子(A)との重量比(樹脂粒子(B)/樹脂粒子(A))が、好ましくは0.3〜1.5、より好ましくは0.3〜1.0、更に好ましくは0.35〜0.75となる量が好ましい。
樹脂粒子(B)分散液は、一定の時間をかけて連続的に添加してもよく、一度に添加してもよく、複数回に分割して添加してもよいが、樹脂粒子(B)がコア凝集粒子に選択的に凝集しやすくする観点から、一定の時間をかけて連続的に添加するか、複数回に分割して添加することが好ましく、中でも、選択的な凝集を促進する観点及び製造の効率化の観点から一定の時間を掛けて連続的に添加することがより好ましい。連続的に添加する場合の添加時間は、均一なコアシェル凝集粒子を得る観点及び製造時間短縮の観点から、好ましくは1〜10時間、より好ましくは3〜8時間である。
工程(2)で得られるコアシェル粒子(1)の体積中位粒径は、トナーの高画質化の観点から、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜10μm、更に好ましくは3〜9μm、更に好ましくは4〜6μmである。
[工程(3)]
工程(3)は、コアシェル粒子(1)に、ポリエステル樹脂(c)を含む樹脂粒子(C)を付着させて、ポリエステル樹脂(a)、着色剤、及び離型剤を含有するコア部、ポリエステル樹脂(b)及び着色剤を含有する中間部、並びにポリエステル樹脂(c)を含有するシェル部からなるコアシェル粒子(2)を得る工程である。
樹脂粒子(C)は、前記樹脂粒子(A)と同様の方法で得ることができる。また、樹脂粒子(C)は、実質的に着色剤及び離型剤を含まないことが好ましい。
工程(3)において、コアシェル粒子(1)にポリエステル樹脂(c)を含む樹脂粒子(C)を付着させる方法としては、前記工程(2)のコア凝集粒子にポリエステル樹脂(b)を含む樹脂粒子(B)を付着させる方法と同様の方法によって行うことが好ましい。
樹脂粒子(C)の全量を添加し終えたところで凝集を停止する。不必要な凝集を防止する点から、凝集停止剤を添加して凝集を停止することが好ましい。
凝集停止剤としては、界面活性剤が好ましく、アニオン性界面活性剤がより好ましい。アニオン性界面活性剤としては、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。凝集停止剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
凝集停止剤の添加量は、凝集停止性及びトナーへの凝集停止剤の残留を低減する観点から、系中の樹脂の総量100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.1〜8重量部である。凝集停止剤は、いかなる形態で添加してもよいが、生産性の観点から、水溶液で添加することが好ましい。
工程(3)で得られるコアシェル凝集粒子(2)の体積中位粒径は、トナーの高画質化の観点から、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜10μm、更に好ましくは3〜9μm、更に好ましくは4〜6μmである。
[合一工程]
工程(3)で得られたコアシェル粒子(2)は、主として物理的にお互いに付着している状態であるため、加熱して樹脂粒子等を融着して合一させ、合一粒子を得る。
本工程における系内の温度は、融着を促進する観点及びトナーの保存安定性の観点から、ポリエステル樹脂(c)のガラス転移点温度以上の温度であることが好ましい。
また、トナーの帯電性の観点から、離型剤の融点より低い温度で保持することが好ましく、5℃以上低い温度で保持することがより好ましく、10℃以上低い温度で保持することが更に好ましい。
以上の点より、本工程においる保持温度は、粒子融着性の観点から、好ましくは58〜69℃、より好ましくは59〜67℃、更に好ましくは60〜64℃である。
本工程における保持時間は、粒子融着性、保存安定性、帯電性及びトナー生産性の観点から、好ましくは1〜24時間、より好ましくは1〜18時間、更に好ましくは2〜12時間である。
本工程においては、生成する合一粒子の円形度をモニタリングすることによって、融着の進行を確認することが好ましい。円形度のモニタリングは実施例に記載の方法によって行う。円形度が0.955以上になったところで冷却し、融着を停止する。最終的に得られる合一粒子の円形度は、得られるトナーの帯電性及びクリーニング性の観点から、好ましくは0.955〜0.980、より好ましくは0.958〜0.980、更に好ましくは0.960〜0.975である。
本工程で得られる合一粒子の体積中位粒径は、トナーの高画質化の観点から、好ましくは2〜10μm、より好ましくは2〜8μm、より好ましくは2〜7μm、更に好ましくは3〜8μm、更に好ましくは4〜6μmである。
[後処理工程]
本発明においては、合一工程の後に後処理工程を行ってもよく、合一粒子を単離することによってトナー粒子を得ることが好ましい。
合一工程で得られた合一粒子は、水性媒体中に存在するため、まず、固液分離を行うことが好ましい。固液分離には、吸引濾過法等が好ましく用いられる。
固液分離後に洗浄を行うことが好ましい。トナーとして十分な帯電特性及び信頼性を確保する目的から、トナー表面の金属イオンを除去するため酸で洗浄を行うことが好ましい。また、添加した非イオン性界面活性剤も除去することが好ましいため、非イオン性界面活性剤の曇点以下で水性溶液により洗浄することが好ましい。洗浄は複数回行うことが好ましい。
次に乾燥を行うことが好ましい。乾燥時の温度は、合一粒子自体の温度が離型剤の融点より5℃以上低くなるように設定することが好ましい。乾燥方法としては、振動型流動乾燥法、スプレードライ法、冷凍乾燥法、フラッシュジェット法等が好ましい。乾燥後の水分含量は、トナーの飛散量の低減及び帯電性の観点から、好ましくは1.5重量%以下、より好ましくは1.0重量%以下である。
<電子写真用トナー>
(トナー)
乾燥等を行うことによって得られた粒子を本発明のトナーとしてそのまま用いることもできるが、後述のように表面処理したものを電子写真用トナーとして用いることが好ましい。
得られたトナーの軟化点は、トナーの低温定着性と耐ホットオフセット性の観点から、好ましくは60〜140℃、より好ましくは65〜130℃、更に好ましくは70〜120℃である。また、ガラス転移点は、低温定着性、耐久性及び保存安定性の観点から、好ましくは30〜80℃、より好ましくは40〜70℃である。
トナーの円形度は、トナーの保存安定性、帯電性及びクリーニング性の観点から、好ましくは0.955〜0.980、より好ましくは0.958〜0.980、更に好ましくは0.960〜0.975である。トナー粒子の円形度は後述の方法で測定することができる。なお、トナーの円形度は、投影面積と等しい円の周囲長/投影像の周囲長の比で求められる値であり、粒子が球形であるほど円形度が1に近い値となる値である。
トナーの体積中位粒径は、トナーの高画質化と生産性の観点から、好ましくは1〜10μm、より好ましくは2〜8μm、更に好ましくは3〜7μm、更に好ましくは4〜6μmである。
トナーのCV値は、高画質化と生産性の観点から、好ましくは30%以下、より好ましくは27%以下、更に好ましくは25%以下、更に好ましくは22%以下である。
(外添剤)
本発明の電子写真用トナーは、前記トナー粒子をトナーとしてそのまま用いることもできるが、流動化剤等を外添剤としてトナー粒子表面に添加処理したものをトナーとして使用することが好ましい。外添剤としては、疎水性シリカ、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、カーボンブラック等の無機微粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、シリコーン樹脂等のポリマー微粒子等、任意の微粒子が挙げられ、これらの中でも、ポリマー微粒子及び疎水性シリカが好ましく、疎水性シリカがより好ましい。
外添剤を用いてトナー粒子の表面処理を行う場合、外添剤の添加量は、外添剤による処理前のトナー粒子100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部、より好ましくは2〜8重量部、更に好ましくは3〜6重量部である。
本発明により得られる電子写真用トナーは、一成分系現像剤として、又はキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
以下に実施例等により、本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例等においては、各性状値は次の方法により測定、評価した。
[ポリエステルの酸価]
JIS K0070に従って測定した。ただし、測定溶媒をアセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))とした。
[ポリエステルの軟化点及びガラス転移点]
(1)軟化点
フローテスター((株)島津製作所製、商品名:CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのブランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
(2)ガラス転移点
示差走査熱量計(Parkin Elmer社製、商品名:Pyris 6 DSC)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度50℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で測定した。軟化点より20℃以上低い温度でピークが観測される場合にはそのピークの温度を、また軟化点より20℃以上低い温度でピークが観測されずに段差が観測されるときは該段差部分の曲線の最大傾斜を示す接線と該段差の高温側のベースラインの延長線との交点の温度を、ガラス転移点とした。
[樹脂粒子、離型剤粒子の体積中位粒径(D50)及び粒度分布]
(1)測定装置:レーザー回折型粒径測定機((株)堀場製作所製、商品名:LA−920)
(2)測定条件:測定用セルに蒸留水を加え、吸光度を適正範囲になる温度で体積中位粒径(D50)を測定した。また、CV値は下記の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積中位粒径(D50))×100
[樹脂粒子分散液の固形分濃度]
赤外線水分計((株)ケツト科学研究所製、商品名:FD−230)を用いて、樹脂粒子分散液5gを乾燥温度150℃、測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)にて、水分%を測定した。固形分濃度は下記の式に従って算出した。
固形分濃度(重量%)=100−M
M:水分(%)=[(W−W0)/W]×100
W:測定前の試料重量(初期試料重量)
0:測定後の試料重量(絶対乾燥重量)
[凝集粒子、コアシェル凝集粒子の体積中位粒径(D50)及び粒度分布]
凝集粒子、コアシェル凝集粒子の体積中位粒径は以下の通り測定した。
・測定機:コールターマルチサイザーIII(商品名、ベックマンコールター社製)
・アパチャー径:50μm
・解析ソフト:マルチサイザーIIIバージョン3.51(商品名、ベックマンコールター社製)
・電解液:アイソトンII(商品名、ベックマンコールター社製)
・測定条件:凝集粒子、コアシェル凝集粒子を含有する試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求めた。
また、粒度分布としてCV値(%)は下記の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積中位粒径(D50))×100
[トナー(粒子)の体積中位粒径(D50)及び粒度分布]
トナー(粒子)の体積中位粒径は以下の通り測定した。
測定機、アパチャー径、解析ソフト、電解液は、凝集粒子、コアシェル凝集粒子の体積中位粒径と同様のものを用いた。
・分散液:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製、商品名:エマルゲン109P、HLB:13.6)を前記電解液に溶解させ、濃度5重量%の分散液を得た。
・分散条件:前記分散液5mLにトナー測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、更に、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を作製した。
・測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求めた。
また、CV値(%)は下記の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積中位粒径(D50))×100
[画像濃度]
上質紙(富士ゼロックス(株)製、J紙A4サイズ)に市販のプリンタ((株)沖データ製、商品名:ML5400)を用いて、トナーの紙上の付着量が0.42〜0.48mg/cm2となるベタ画像を出力し、印刷物を得た。
印刷物の下に上質紙(沖データ社製、エクセレントホワイト紙A4サイズ)を30枚敷き、各印刷物のテープ貼付前及び剥離後の定着画像部分の反射画像濃度を、測色計(商品名:SpectroEye,Gretag−Macbeth社製、光射条件;標準光源D50、観察視野2°、濃度基準DINNB、絶対白基準)を用いて測定した。反射画像濃度の値が大きいほど、画像濃度に優れる。
[トナーの常温常湿度下での帯電量(NN帯電量)]
気温25℃、相対湿度50%にてトナー2.1gとシリコーンフェライトキャリア(関東電化工業社製、平均粒子径:40μm)27.9gとを50ccの円筒形ポリプロピレン製ボトル((株)ニッコー製)に入れ、縦横に10回ずつ振り、その後、ボールミルを用いて混合時間が1時間における帯電量を、q/mメーター(EPPING社製)を用いて測定した。該帯電量を「常温常湿度下での帯電量(NN帯電量)」とした。帯電量の絶対値が高いほど、帯電性が良好である。
なお測定機器、設定等は下記の通りである。
測定機器:EPPING社製 q/m−meter
設定:メッシュ サイズ:635メッシュ(目開き:24μm、ステンレス製)
ソフトブロー、ブロー圧(600V)
吸引時間:90秒
帯電量(μC/g)=90秒後の総電気量(μC)/吸引されたトナー量(g)
[トナーの高温高湿度での帯電量(HH帯電量)及び帯電量保持率]
常温常湿度下での帯電性評価を行った後の前記トナーを気温30℃、相対湿度85%(高温高湿度環境)に置き、12時間保持した。その後、高温高湿度環境から気温25℃、相対湿度50%に置き、1分間ボールミルで撹拌した後に常温常湿度下での帯電性評価と同様の方法で、帯電量を測定した。該帯電量を「高温高湿度下での帯電量(HH帯電量)」とした。帯電量の絶対値が高いほど、帯電性が良好である。
前記帯電量の値を用いて、下記式にしたがって帯電量の保持率を算出し、帯電量保持率とした。値が大きいほど帯電量保持率は良好である。
帯電量保持率[%]=(高温高湿度環境下での帯電量/常温常湿環境下での帯電量)×100
製造例1
(ポリエステル樹脂(P)の製造)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン8320g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン80g、テレフタル酸1592g及びジブチル錫オキサイド32gを四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、常圧(101.3kPa)、230℃で5時間撹拌し、さらに減圧(8.3kPa)し、2時間撹拌を続けた。反応混合物を常圧に戻し、210℃に冷却し、フマル酸1672g、ハイドロキノン8gを加え、5時間撹拌した後に、さらに減圧下で撹拌を続けて、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が110℃に達したところで冷却し、ポリエステル樹脂(P)を得た。ポリエステル樹脂(P)の軟化点は110℃、ガラス転移点は66℃、酸価は24.4mgKOH/g、結晶性指数は1.5であった。
製造例2
(ポリエステル樹脂(Q)の製造)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン4176g、ポリオキシエチレン(2.0)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3881g、テレフタル酸2253g、ドデセニルコハク酸無水物322g、トリメリット酸無水物945g及びジブチル錫オキサイド15gを、四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、220℃で撹拌し、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が120℃に達したところで冷却し、ポリエステル樹脂(Q)を得た。ポリエステル樹脂(Q)の軟化点は121℃、ガラス転移点は65℃、酸価は21.0mgKOH/g、結晶性指数は1.6であった。
製造例3
(ポリエステル樹脂(R)の製造)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン6160g、フマル酸2125g及びジブチル錫オキサイド5gを四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で撹拌し、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が100℃に達したところで冷却し、ポリエステル樹脂(R)を得た。ポリエステル樹脂(R)の軟化点は101℃、ガラス転移温度は57℃、酸価は22.4mgKOH/g、結晶性指数は1.5であった。
製造例4
(樹脂粒子分散液Aの製造)
2リットル容のステンレスフラスコに、ポリエステル樹脂(P)390.0g、ポリエステル樹脂(Q)210.0g、銅フタロシアニン顔料(商品名:ECB−301、大日精化工業(株)製)45g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15重量%水溶液(アニオン性界面活性剤、商品名:ネオペレックスG−15、花王(株)製)20.0g、ポリオキシエチレン(26mol)オレイルエーテル(非イオン性界面活性剤、商品名:エマルゲン430、花王(株)製、HLB:16.2)6.0g、及び5重量%水酸化カリウム水溶液278.5gを入れ、撹拌しながら、95℃に昇温して溶融し、95℃で2時間混合して、樹脂混合物を得た。
次に、系の温度を95℃に保持し、撹拌しながら、1222gの脱イオン水を6g/分の速度で滴下し、乳化物を得た。得られた乳化物を冷却し、25℃で撹拌しながら、オキサゾリン基含有ポリマー水溶液(商品名:エポクロスWS−700、(株)日本触媒製、不揮発分25重量%、アクリル主鎖)28gを添加し、その後95℃に温度を上げ95℃で1時間保持した。次に、25℃に冷却し、得られた乳化物を200メッシュ(目開き105μm)の金網を通して、樹脂粒子分散液Aを得た。分散液Aの固形分濃度は31%であり、分散液A中の樹脂粒子の体積中位粒径(D50)は180nm、CV値は28%であった。
製造例5
(樹脂粒子分散液Bの製造)
2リットル容のステンレスフラスコに、ポリエステル樹脂(P)390.0g、ポリエステル樹脂(Q)210.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15重量%水溶液(商品名:ネオペレックスG−15、花王(株)製)20.0g、ポリオキシエチレン(26mol)オレイルエーテル(商品名:エマルゲン430、花王(株)製)6.0g、及び5重量%水酸化カリウム水溶液278.5gを入れ、撹拌しながら、95℃に昇温して溶融し、95℃で2時間混合して、樹脂混合物を得た。
次に、系の温度を95℃に保持し、撹拌しながら、1222gの脱イオン水を6g/分の速度で滴下し、乳化物を得た。次に、25℃に冷却し、得られた乳化物を200メッシュの金網を通して、樹脂粒子分散液Bを得た。分散液Bの固形分濃度は30%であり、分散液B中の樹脂粒子の体積中位粒径(D50)は141nm、CV値は24%であった。
製造例6
(樹脂粒子分散液Cの製造)
製造例5において、ポリエステル樹脂(P)390g及びポリエステル樹脂(Q)210gを、ポリエステル樹脂(P)600gに変更した以外は同様にして樹脂粒子分散液Cを得た。
製造例7
(樹脂粒子分散液Dの製造)
製造例5において、ポリエステル樹脂(P)390g及びポリエステル樹脂(Q)210gを、ポリエステル樹脂(R)600gに変更した以外は同様にして樹脂粒子分散液Dを得た。
製造例8
(樹脂粒子分散液Eの製造)
製造例4において、銅フタロシアニン顔料(商品名:ECB−301、大日精化工業(株)製)45gを、30gに変更した以外は同様にして、樹脂粒子分散液Eを得た。
製造例9
(樹脂粒子分散液Fの製造)
製造例4において、銅フタロシアニン顔料(商品名:ECB−301、大日精化工業(株)製)45gを、39gに変更した以外は同様にして、樹脂粒子分散液Fを得た。
製造例10
(樹脂粒子分散液Gの製造)
製造例4において、銅フタロシアニン顔料(商品名:ECB−301、大日精化工業(株)製)45gを、60gに変更した以外は同様にして、樹脂粒子分散液Gを得た。
製造例11
(離型剤粒子分散液の製造)
1リットル容のビーカーに、脱イオン水480g及びアルケニル(ヘキサデセニル基、オクタデセニル基の混合物)コハク酸ジカリウム水溶液(商品名:ラテムルASK、花王(株)製、有効濃度28重量%)4.29gを入れ、カルナウバロウワックス(加藤洋行社製、融点85℃、酸価5mgKOH/g)120gを分散させた。この分散液を90〜95℃に保持しながら、超音波ホモジナイザーUS−600T(商品名、日本精機製作所製)で30分間処理を行い、分散した。離型剤粒子の体積中位粒径(D50)は0.419μm、粒度分布の変動係数(CV値)は31%であった。脱イオン水を加え、固形分を20重量%に調整し、離型剤粒子分散液を得た。
実施例1
(電子写真用トナーの製造)
<工程(1):コアの形成>
樹脂粒子分散液A 188gと脱イオン水50gと離型剤粒子分散液42gを脱水管、撹拌機及び熱電対を装備した2リットル容4つ口フラスコに入れ、25℃で混合した。次に、25℃で撹拌しながら、この混合物に硫酸アンモニウム20.9gを脱イオン水220gに溶解させた水溶液を30分かけて滴下した。次いで、得られた混合液を55℃まで昇温し、55℃で保持し体積中位粒径が3.6μmのコア凝集粒子を含む分散液を得た。
<工程(2):中間部の形成>
続いて、工程(1)で得た分散液に対して、樹脂粒子分散液A 31gと脱イオン水8.1gの混合液を60分かけて滴下した。その後、同じ混合液を調製し、60分かけて滴下した。その結果、体積中位粒径が4.0μmのコアシェル凝集粒子(1)を含む分散液を得た。
<工程(3):シェル部の形成>
続いて、工程(2)で得た分散液に対して、樹脂粒子分散液B 24gと脱イオン水7.5gを混合した混合液を60分かけて滴下した。その後、同じ混合液を調製し、60分かけて滴下し、更に、同じ混合液を調製し、60分かけて滴下した。次に、樹脂粒子分散液A 28gと脱イオン水9.0gを混合した混合液と、硫酸アンモニウム1.5gを15gの脱イオン水に溶解させた水溶液を同時に60分かけて滴下し、その後、同じ混合液と水溶液を調製して、同時に60分かけて滴下した。その結果、体積中位粒径が5.0μmのコアシェル凝集粒子(2)を含む分散液を得た。
<合一工程及び後処理工程>
工程(3)で得た分散液に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(エマールE27C、商品名、花王社製、固形分:28重量%)11.6gと脱イオン水450gを混合した水溶液を添加した後、2時間かけて70℃まで昇温し、2時間保持し、体積中位粒径が5.0μmの合一粒子を得た。その後、25℃まで冷却した。
得られた合一粒子を、濾過し、乾燥し、洗浄して、トナー粒子を得た。このトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(RY50、日本アエロジル社製、個数平均粒径;0.04μm)2.5部、疎水性シリカ(キャボシールTS720、商品名、キャボット社製、個数平均粒径;0.012μm)1.0部、及びポリマー微粒子(ファインスフェアP2000、商品名、日本ペイント社製、個数平均粒径;0.5μm)0.8部をヘンシェルミキサーで外添処理し、150メッシュの篩いを通過し、電子写真用トナーを得た。
実施例2
実施例1においてシェル部の形成で使用した樹脂粒子分散液Bを樹脂粒子分散液Cへ変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例3
実施例1においてシェル部の形成で使用した樹脂粒子分散液Bを樹脂粒子分散液Dへ変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例4
実施例1において、コア部の形成からシェル部の形成までを次のように行った以外は同様にしてトナーを得た。
<工程(1):コア部の形成>
樹脂粒子分散液F 188gと脱イオン水52gと離型剤粒子分散液36gを脱水管、撹拌機及び熱電対を装備した2リットル容4つ口フラスコに入れ、25℃で混合した。次に、25℃で撹拌しながら、この混合物に硫酸アンモニウム20.9gを脱イオン水220gに溶解させた水溶液を30分かけて滴下した。次いで、得られた混合液を55℃まで昇温し、55℃で保持し体積中位粒径が4.0μmのコア凝集粒子を含む分散液を得た。
<工程(2):中間部の形成>
続いて、工程(1)で得た分散液に対して、樹脂粒子分散液F 31gと脱イオン水8.5gの混合液を60分かけて滴下した。その後、同じ混合液を調製し、60分かけて滴下した。その結果、体積中位粒径が4.3μmのコアシェル凝集粒子(1)を含む分散液を得た。
<工程(3):シェル部の形成>
続いて、工程(2)で得た分散液に対して、樹脂粒子分散液B 24gと脱イオン水7.5gを混合した混合液を60分かけて滴下した。その後、同じ混合液を調製し、60分かけて滴下した。更に、同じ混合液を調製し、60分かけて滴下した。その結果、体積中位粒径が4.9μmのコアシェル凝集粒子(2)を含む分散液を得た。
比較例1
実施例1において、中間部の形成を行わず、コア部の形成及びシェル部の形成を次のように行った以外は同様にしてトナーを得た。
<工程(1):コア部の形成>
樹脂粒子分散液A 250gと脱イオン水66gと離型剤粒子分散液42gを脱水管、撹拌機及び熱電対を装備した2リットル容4つ口フラスコに入れ、25℃で混合した。次に、25℃で撹拌しながら、この混合物に硫酸アンモニウム20.9gを脱イオン水220gに溶解させた水溶液を30分かけて滴下した。次いで、得られた混合液を55℃まで昇温し、55℃で保持し体積中位粒径が4.0μmのコア凝集粒子を含む分散液を得た。
<工程(3):シェル部の形成>
続いて、樹脂粒子分散液B 24gと脱イオン水7.5gを混合した混合液を60分かけて滴下した。その後、同じ混合液を調製し、60分かけて滴下した。更に、同じ混合液を調製し、60分かけて滴下した。次に、樹脂粒子分散液A 28gと脱イオン水9.0gを混合した混合液と、硫酸アンモニウム1.5gを15gの脱イオン水に溶解させた水溶液を同時に60分かけて滴下した。その後、同じ混合液と水溶液を調製し、同時に60分かけて滴下した。その結果、体積中位粒径が5.0μmの凝集粒子を含む分散液を得た。
比較例2
実施例1において、コア部の形成からシェル部の形成までを次のように行った以外は同様にしてトナーを得た。
<工程(1):コア部の形成>
樹脂粒子分散液E 188gと脱イオン水55gと離型剤粒子分散液42gを脱水管、撹拌機及び熱電対を装備した2リットル容4つ口フラスコに入れ、25℃で混合した。次に、25℃で撹拌しながら、この混合物に硫酸アンモニウム20.9gを脱イオン水220gに溶解させた水溶液を30分かけて滴下した。次いで、得られた混合液を55℃まで昇温し、55℃で保持し体積中位粒径が3.6μmのコア凝集粒子を含む分散液を得た。
<工程(2):中間部の形成>
続いて、工程(1)で得た分散液に対して、樹脂粒子分散液E 31gと脱イオン水8.5gを混合した混合液を60分かけて滴下した。その後、同じ混合液を調製し、60分かけて滴下した。その結果、体積中位粒径が4.0μmの凝集粒子を含む分散液を得た。
<工程(3):シェル部の形成>
続いて、工程(1)で得た分散液に対して、樹脂粒子分散液E 25gと脱イオン水7.7gを混合した混合液を60分かけて滴下した。その後、同じ混合液を調製し、60分かけて滴下した。更に、同じ混合液を調製し、60分かけて滴下した。次に、樹脂粒子分散液A 25gと脱イオン水7.7gを混合した混合液と、硫酸アンモニウム1.5gを15gの脱イオン水に溶解させた水溶液を同時に60分かけて滴下した。その後、同じ混合液と水溶液を調製し、同時に60分かけて滴下した。その結果、体積中位粒径が5.0μmの凝集粒子を含む分散液を得た。
比較例3
実施例1において、コア部の形成からシェル部の形成までを次のように行った以外は同様にしてトナーを得た。
<工程(1):コア部の形成>
樹脂粒子分散液G 188gと脱イオン水44gと離型剤粒子分散液41gを脱水管、撹拌機及び熱電対を装備した2リットル容4つ口フラスコに入れ、25℃で混合した。次に、25℃で撹拌しながら、この混合物に硫酸アンモニウム20.9gを脱イオン水220gに溶解させた水溶液を30分かけて滴下した。次いで、得られた混合液を55℃まで昇温し、55℃で保持し体積中位粒径が3.6μmのコア凝集粒子を含む分散液を得た。
<工程(2):中間部の形成>
続いて、工程(1)で得た分散液に対して、樹脂粒子分散液B 31gと脱イオン水8.5gを混合した混合液を60分かけて滴下した。その後、同じ混合液を調製し、60分かけて滴下した。その結果、体積中位粒径が4.0μmの凝集粒子を含む分散液を得た。
<工程(3):シェル部の形成>
続いて、工程(2)で得た分散液に対して、樹脂粒子分散液B 24gと脱イオン水7.4gを混合した混合液を60分かけて滴下した。その後、同じ混合液を調製し、60分かけて滴下した。更に、同じ混合液を調製し、60分かけて滴下した。次に、樹脂粒子分散液B 24gと脱イオン水7.4gを混合した混合液と、硫酸アンモニウム1.5gを15gの脱イオン水に溶解させた水溶液を同時に60分かけて滴下した。その後、同じ混合液と水溶液を調製し、同時に60分かけて滴下した。その結果、体積中位粒径が5.0μmの凝集粒子を含む分散液を得た。
実施例1〜4及び比較例1〜3で得た電子写真用トナーについて、常温常湿度下での帯電量(NN帯電量)、高温高湿度下での帯電量(HH帯電量)、帯電量保持率、及び反射画像濃度を、上述の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 0005612938
表1から、比較例1〜3のトナーは画像濃度及び帯電性が不十分であるのに対し、実施例1〜4の電子写真用トナーはいずれも、画像濃度及び帯電性のすべてに優れることがわかる。
本発明の製造方法により得られる電子写真用トナーは、良好な画像濃度及び帯電性有するという特性を有するため、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に用いられる電子写真用トナーとして好適に使用できる。本発明の方法によれば、このような特性を有するトナーを効率的に製造することができる。

Claims (8)

  1. ポリエステル樹脂(a)、着色剤、及び離型剤を含有するコア部、ポリエステル樹脂(b)及び着色剤を含有する中間部、並びにポリエステル樹脂(c)を含有するシェル部からなる電子写真用トナーであって、コア部及び中間部の合計とシェル部との重量比(コア部+中間部/シェル部)が80/20〜55/45であり、該トナー中の着色剤の90〜100重量%がコア部及び中間部に含まれ、離型剤の90〜100重量%がコア部に含まれる、電子写真用トナーの製造方法であって、下記工程(1)〜(3)を含む、電子写真用トナーの製造方法。
    工程(1):ポリエステル樹脂(a)を含む樹脂粒子(A1)と着色剤と離型剤粒子とを、又はポリエステル樹脂(a)及び着色剤を含む樹脂粒子(A2)と離型剤粒子とを水性媒体中で凝集し、コア粒子を得る工程
    工程(2):コア粒子に、ポリエステル樹脂(b)を含む樹脂粒子(B1)と着色剤とを、又はポリエステル樹脂(b)及び着色剤を含む樹脂粒子(B2)を付着させて、コアシェル粒子(1)を得る工程
    工程(3):コアシェル粒子(1)に、ポリエステル樹脂(c)を含む樹脂粒子(C)を付着させて、ポリエステル樹脂(a)、着色剤、及び離型剤を含有するコア部、ポリエステル樹脂(b)及び着色剤を含有する中間部、並びにポリエステル樹脂(c)を含有するシェル部からなるコアシェル粒子(2)を得る工程
  2. 工程(1)において、ポリエステル樹脂(a)及び着色剤を含む樹脂粒子(A2)と離型剤粒子とを水性媒体中で凝集する、請求項1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  3. 工程(2)において、コア粒子に、ポリエステル樹脂(b)及び着色剤を含む樹脂粒子(B2)を付着させる、請求項1又は2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  4. コア部と中間部との重量比(コア部/中間部)が90/10〜60/40である、請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  5. コア部及び中間部に含有される着色剤の重量比(コア部/中間部)が90/10〜50/50である、請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  6. ポリエステル樹脂(c)が非晶質ポリエステルを50〜100重量%含有する、請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  7. ポリエステル樹脂(a)及びポリエステル樹脂(c)が同一の樹脂である、請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  8. ポリエステル樹脂(a)及びポリエステル樹脂(b)が架橋ポリエステル樹脂である、請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
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