JP7351166B2 - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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一方、画像形成装置に適用される静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)には、中間転写体からの高転写率の獲得及びクリーニングの補助を目的として大径のシリカ粒子が添加されることがあった。上記の画像形成装置の具体的な構成として、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤を収容し前記静電荷像現像剤により前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段、基材と球状粒子を含む弾性層とを備える中間転写体と、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する転写手段、及び中間転写体の表面に接触し、前記中間転写体の表面を清掃するクリーニングブレードを有する清掃手段を備える画像形成装置(以下、「特定画像形成装置」とも称す)が知られている。
しかしながら、特定画像形成装置において、大径のシリカ粒子を用いると、個数粒度分布が広い傾向にあるため、特定の条件下において、画像欠陥が発生することがあった。具体的には、個数粒度分布が大径側に大きい側に広い場合、低温低湿(例えば、10℃/15%RH)下かつ高密度画像(例えば、30%ハーフトーン画像)で長期間、画像を出力させた場合、トナーの入れ替わりの頻度が高いため、トナーは外添剤の埋没が少なく、また、常に新しいトナーが供給される。その結果、中間転写体からのトナーの転写効率は高くなるものの、清掃手段におけるクリーニングブレードと中間転写体の表面との接触部(「クリーニングニップ」ともいう。)に到達するトナーが減少することで摩擦係数が上昇し、クリーニングブレードが摩耗し、清掃不良が生じることがある。
像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナー粒子と、個数平均粒子径が110nm以上130nm以下、大径側個数粒度分布指標(上側GSDp)が1.080未満であり、平均円形度が0.94以上0.98以下であり、且つ、円形度が0.92以上の割合が80個数%以上であるシリカ粒子とを含有する静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、基材と球状粒子を含む弾性層とを備える中間転写体と、前記像保持体の表面に形成された前記トナー画像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写体の表面に転写された前記トナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する転写手段と、前記中間転写体の表面に接触し、前記中間転写体の表面を清掃するクリーニングブレードを有する清掃手段と、を備える画像形成装置。
<2>
前記シリカ粒子は、前記大径側個数粒度分布指標(上側GSDp)が1.075未満である、<1>に記載の画像形成装置。
<3>
前記シリカ粒子は、小径側個数粒度分布指標(下側GSDp)が1.080未満である、<1>又は<2>に記載の画像形成装置。
<4>
前記シリカ粒子は、前記平均円形度が0.95以上0.97以下である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の画像形成装置。
<5>
前記シリカ粒子は、前記円形度が0.92以上の割合が85個数%以上である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の画像形成装置。
<6>
前記静電荷像現像用トナーは、個数平均粒子径が5nm以上50nm以下の無機酸化物粒子をさらに含む、<1>~<5>のいずれか1つに記載の画像形成装置。
<7>
前記トナー粒子は、結着樹脂として、スチレンアクリル樹脂を含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の画像形成装置。
<8>
前記トナー粒子は、結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含む、<1>~<7>のいずれか1つに記載の画像形成装置。
<9>
前記球状粒子の含有量が、前記弾性層の全質量に対して1質量%以上40質量%以下である<1>~<8>のいずれか1つに記載の画像形成装置。
<10>
前記弾性層の厚みが100μm以上2000μm以下である<1>~<9>のいずれか1つに記載の画像形成装置。
<11>
前記弾性層のJIS A硬度が20以上50以下である<1>~<10>のいずれか1つに記載の画像形成装置。
<12>
前記球状粒子の個数平均粒子径が1000nm以上5000nm以下である<1>~<11>のいずれか1つに記載の画像形成装置。
<13>
トナー粒子と、個数平均粒子径が110nm以上130nm以下、大径側個数粒度分布指標(上側GSDp)が1.080未満であり、平均円形度が0.94以上0.98以下であり、且つ、円形度が0.92以上の割合が80個数%以上であるシリカ粒子とを含有する静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、基材と球状粒子を含む弾性層とを備える中間転写体と、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する転写手段と、前記中間転写体の表面に接触し、前記中間転写体の表面を清掃するクリーニングブレードを有する清掃手段と、を備える画像形成装置に着脱する、プロセスカートリッジ。
特定画像形成装置において、静電荷像現像用トナーにおける外添剤として、個数平均粒子径が110nm以上130nm以下であり、且つ、大径側個数粒度分布指標(上側GSDp)が1.080以上であるシリカ粒子のみを含む場合に比べて、中間転写体からの高い転写効率を維持しつつクリーニングブレードの摩耗を抑制する画像形成装置が提供される。
<2>に係る発明によれば、
大径側個数粒度分布指標(上側GSDp)が1.075以上である場合に比べて、中間転写体からの高い転写効率を維持しつつクリーニングブレードの摩耗を抑制する画像形成装置が提供される。
<3>に係る発明によれば、
小径側個数粒度分布指標(下側GSDp)が1.080以上である場合に比べて、中間転写体からの高い転写効率を維持しつつクリーニングブレードの摩耗を抑制する画像形成装置が提供される。
<4>に係る発明によれば、
平均円形度が0.95未満又は0.97超えである場合に比べて、中間転写体からの高い転写効率を維持しつつクリーニングブレードの摩耗を抑制する画像形成装置が提供される。
<5>に係る発明によれば、
円形度が0.92以上の割合が85個数%未満である場合に比べて、中間転写体からの高い転写効率を維持しつつクリーニングブレードの摩耗を抑制する画像形成装置が提供される。
<9>に係る発明によれば、
球状粒子の含有量が、弾性層の全質量に対して1質量%未満又は40質量%超えである場合に比べ、中間転写体からの高い転写効率を維持しつつクリーニングブレードの摩耗を抑制する画像形成装置が提供される。
<10>に係る発明によれば、
弾性層の厚みが100μm未満又は2000μm超えである場合に比べ、中間転写体からの高い転写効率を維持しつつクリーニングブレードの摩耗を抑制する画像形成装置が提供される。
<11>に係る発明によれば、
弾性層のJIS A硬度が20未満又は50超えである場合に比べ、中間転写体からの高い転写効率を維持しつつクリーニングブレードの摩耗を抑制する画像形成装置が提供される。
<12>に係る発明によれば、
球状粒子の個数平均粒子径が1000nm未満又は5000nm超えである場合に比べ、中間転写体からの高い転写効率を維持しつつクリーニングブレードの摩耗を抑制する画像形成装置が提供される。
<13>に係る発明によれば、
静電荷像現像用トナーにおける外添剤として、個数平均粒子径が110nm以上130nm以下であり、且つ、大径側個数粒度分布指標(上側GSDp)が1.080以上であるシリカ粒子のみを含む場合に比べて、中間転写体からの高い転写効率を維持しつつクリーニングブレードの摩耗を抑制するプロセスカートリッジが提供される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤を収容し前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、基材と球状粒子を含む弾性層とを備える中間転写体と、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する転写手段と、前記中間転写体の表面に接触し、前記中間転写体の表面を清掃するクリーニングブレードを有する清掃手段と、を備える画像形成装置である。
以下、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーを、「トナー」とも称す。
以下、上記特性を有する本実施形態に係るシリカ粒子を、「第一シリカ粒子」とも称す。
その理由は定かではないが、以下のように推測される。
本実施形態に係る画像形成装置は、上記構成を有する第一シリカ粒子をトナー粒子に外添したトナーを収容する。第一シリカ粒子は、平均円形度が0.98以下であり、個数平均粒子径が130nm以下であり、且つ、大径側個数粒度分布指標(上側GSDp)が1.080未満である。つまり、第一シリカ粒子は、適度な粒子径を有し、且つ、大径及び真球の粒子が少ないシリカ粒子である。また、第一シリカ粒子は、個数平均粒子径が110nm以上であり、平均円形度が0.94以上であり、且つ、円形度が0.92以上の割合が80個数%以上のシリカ粒子である。つまり、第一シリカ粒子は、適度な粒子径を有し、且つ、小径及び異形の粒子の少ないシリカ粒子である。
上記のような適度な粒子径と適度な形状を有する第一シリカ粒子を用いることで、第一シリカ粒子がトナー粒子間で適度に流動し、かつトナー粒子に埋没することが抑制され、その結果、本実施形態に用いられるトナーでは、第一シリカ粒子が外添剤として適度に機能しているものと考えられる。
本実施形態に用いられる転写手段は、中間転写体と、前記像保持体の表面に形成された静電荷像現像用トナー画像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写体の表面に転写された静電荷像現像用トナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する。
そして、中間転写体は、基材と球状粒子を含む弾性層とを備える。また、中間転写体としては、ベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用されるが、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
次に、本実施形態に用いられる中間転写体について、中間転写体が中間転写ベルトである場合を一例にとって、詳細に説明する。
本実施形態では、図1に示すように中間転写ベルト15は無端状に形成されてなる。転写手段中において中間転写ベルト15は、複数のロール(図1ではロール131、132)に張力が掛かった状態で架け渡されて、中間転写ベルトユニット150を形成している。
弾性層は、球状粒子を含む。弾性層は、球状粒子を含むことにより弾性層の表面に凹凸が形成される。弾性層の表面に凹凸が形成されることで、トナーの離型性が確保されるため、高い転写効率が維持される。また、弾性層は、弾性を有する材料(弾性材料)を含んで構成され、好ましくはゴム材料を含む。また、弾性層には導電性を付与する観点で導電剤が含有されてもよく、さらにその他周知の添加剤を含んで構成されてもよい。
球状粒子の含有量は、中間転写体からの高い転写効率を維持する観点から、前記弾性層の全質量に対して1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、5質量%以上35質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態で用いる球状粒子とは、曲面で囲まれている粒子であり、真球のみならず、真球でない擬似球状粒子も球状粒子に含まれる。本実施形態の球状粒子は、一つの方向から光を当て2次元平面に投影した場合に投影面の形状が円形、楕円形あるいは玉子形となる。トナーの離型性を確保する観点から、球状粒子は真球に近いものが望ましい。また、粒子表面には、粒子の粒子径の1/10以下の微小な凹凸があっても構わない
球状粒子の形状係数SF1としては、100以上110以下であることが好ましく、100以上105以下であることがより好ましい。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLは球状粒子の絶対最大長、Aは球状粒子の投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
無機粒子としては、例えばシリカ、ジルコニウム、等が挙げられる。
樹脂粒子としては、例えばフッ素樹脂粒子、アクリル樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
球状粒子の個数平均粒子径は、トナーの離型性が確保する観点から、1000nm以上5000nm以下であることが好ましく、1500nm以上4500nm以下であることがより好ましい。
弾性層に用いられる弾性材料としては、例えば、ウレタンゴム、エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム(EPDM)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン-ブタジエン共重合ゴム(SBR)、塩素化ポリイソプレンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、水素添加ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム材料、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリプロピレン等の樹脂等が挙げられ、これらを1種類又は2種類以上混合してなる材料が挙げられる。
弾性層には、導電性を付与する観点で導電剤が含有されてもよい。
導電剤としては、導電性(例えば体積抵抗率107Ω・cm未満、以下同様である)もしくは半導電性(例えば体積抵抗率107Ω・cm以上1013Ω・cm以下、以下同様である)の粒子が挙げられる。
なお、導電剤としては、1次粒径が10μm未満の粒子がよく、1次粒径が1μm以下の粒子がより好ましい。
カーボンブラック等の導電剤の平均一次粒子径は、次の方法により測定される。まず、測定対象となる中間転写ベルトから、ミクロトームにより切断して、100nmの厚さの測定サンプルを採取し、本測定サンプルをTEM(透過型電子顕微鏡)により観察する。そして、導電剤の粒子50個の各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として、その平均値を平均一次粒子径とする。
導電剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
導電剤以外のその他の添加剤としては、例えば、導電剤(カーボンブラック等)の分散性を向上するための分散剤、機械強度などの各種機能を付与するための各種充填剤、触媒、製膜品質向上のためのレベリング剤、離型性を向上させるための離型性材料(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂粒子)等が挙げられる。
中間転写体の弾性層の厚さ(平均厚さ)は、100μm以上2000μm以下が好ましく、より好ましくは150μm以上1500μm以下であり、さらに好ましくは200μm以上1000μm以下である。
弾性層の厚さが上記範囲であることで、トナー画像の像保持体から記録媒体表面への転写効率が高め易くなる。
なお、ベルトの軸方向とは、中間転写ベルトが複数のロールに張力がかかった状態で掛け渡された際に、該ロールの軸方向となる方向を指す。
中間転写体は、弾性層の内周表面側に基層を有する積層構造である。
基層は、例えば、樹脂材料を含んで構成されることがよい。また、導電性を付与する観点で導電剤が含有されてもよく、さらにその他周知の添加剤を含んで構成されてもよい。
基層は、その弾性率が2000MPa以上6000MPa以下であることが好ましく、より好ましくは3000MPa以上6000MPa以下である。
内周表面を構成する基層の弾性率が上記範囲であることで、複数のロールに架け渡されて回転駆動される際のベルトの伸びに伴う張力変化が抑制され易く、中間転写ベルトとしての駆動伝達性に優れる。
基層に用いられる樹脂材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、フッ化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。基層には、それぞれ樹脂材料を1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
ポリイミド樹脂としては、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重合体であるポリアミド酸(ポリアミック酸)のイミド化物が挙げられる。ポリイミド樹脂として具体的には、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との等モル量を溶媒中で重合反応させてポリアミド酸の溶液として得て、そのポリアミド酸をイミド化して得られたものが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂は、トリカルボン酸とジアミン化合物とからの縮合物であるポリアミド-ポリアミック酸樹脂を脱水閉環反応させたポリアミドイミド樹脂が挙げられる。
具体的には、ポリアミドイミド樹脂としては、
(1)トリカルボン酸無水物とジアミンとの等モル量を有機極性溶媒中、脱水触媒存在下、高温で重縮合及びイミド化反応(脱水閉環反応)をさせる方法
(2)無水トリカルボン酸モノクロリドとジアミンとの等モル量を有機極性溶媒中、低温で重縮合及びイミド化反応をさせる方法
(3)トリカルボン酸無水物とジイソシアネートとを有機極性溶媒中、高温で重縮合及びイミド化反応させる方法
等によって得られるポリアミドイミド樹脂が挙げられる。
なお、塗布液には、ポリイミド樹脂の前駆体であるイミド化反応前のポリアミド-ポリアミック酸樹脂を含ませ、塗布後、ポリアミド-ポリアミック酸樹脂をイミド化反応して、ポリアミドイミド樹脂を形成する。
芳香族ジアミン化合物としては、例えば、3,3’-ジアミノベンゾフエノン、P-フエニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフエニル、4,4’-ジアミノジフエニルアミド、4,4’-ジアミノジフエニルメタン、4,4’-ジアミノジフエニルエーテル、ビス[4-{3-(4-アミノフエノキシ)ベンゾイル}フェニル]エーテル、4,4’-ビス(3-アミノフエノキシ)ビフェニル、ビス[4-(3-アミノフエノキシ)フェニル]スルホン2,2’-ビス[4-(3-アミノフエノキシ)フェニル]プロパン等が挙げられる。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、3,3’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、ビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、ビフェニル-3,3’-ジイソシアネート、ビフェニル-3,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジエチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-ジエチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、2,2’-ジメトキシビフェニル-4,4’-ジイソシアネート等が挙げられる。
ジイソシアネート化合物としては、ブロック剤でイソシアナト基を安定化したものも挙げられる。ブロック剤としてはアルコール、フェノール、オキシム等があるが、特に制限はない。
また、基層には導電剤や、導電剤以外のその他の添加剤を添加してもよい。導電剤及びその他の添加剤としては、前記弾性層の項において説明した導電剤及びその他の添加剤が挙げられる。
導電剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
中間転写ベルトの基層の厚さ(平均厚さ)は、10μm以上1000μm以下が好ましく、より好ましくは30μm以上600μm以下であり、さらに好ましくは50μm以上400μm以下である。
弾性層の内周表面を構成する基層の厚さが上記範囲であることで、複数のロールに架け渡されて回転駆動される際のベルトの伸びに伴う張力変化が抑制され易く、中間転写ベルトとしての駆動伝達性に優れる。
中間転写ベルトは、弾性層と基層とを接着層を介して形成してもよい。接着層に用いられる接着剤としては、特に限定されず公知のものが用いられ、例えばシランカップリング剤、シリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤等が挙げられる。
ここで、転写手段に用いられる中間転写ベルトを製造する方法について説明する。なお、中間転写ベルトを製造する方法は、特に限定されるものではないが、例えば以下の各工程を有する製造方法が挙げられる。
基層を形成するための塗布液、つまり前述の樹脂材料や導電剤等が溶媒中に溶解又は分散された基層形成用塗布液を準備する。
・(基層形成工程)
円筒状の金型の外周面上に、基層形成用塗布液を塗布する。塗布方法は公知の方法を適用し得る。塗布液が塗布された金型を、回転させながら乾燥(さらに必要であれば加熱)して、基層を固化させる。
前述の弾性材料(CR、NBR、EPDM、ECOなど)に対し、球状粒子を加え、必要により導電剤(電子導電剤やイオン導電剤等)などの添加剤を混入分散させた後、これを加圧式ニーダー等の混練機で混練させ、さらに加硫剤や加硫促進剤等を加えて、弾性層形成用組成物を準備する。
・(弾性層形成工程)
準備した弾性層形成用組成物を、基層が形成された金型上に押出加工する。その後、基層上に弾性層形成用組成物を覆い被せた状態で、予め定めた条件(例えば170℃で1時間)にて加硫させる。
・(脱型工程)
その後、固化された中間転写ベルトを金型から取外して(脱型)、中間転写ベルトが得られる。
また、弾性層を形成する前に、基層上に接着剤を塗布して接着層を形成してもよい。
次いで、本実施形態に係る画像形成装置におけるその他の構成(転写手段に用いられる中間転写ベルト及び現像手段に収容される現像剤以外の構成)について説明する。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置の一例の構成を示した概略構成図である。
なお、上記の各色成分トナーの少なくとも1つとして、既述の特定粉砕トナーが用いられる。本実施形態では、各色成分トナーの全てが既述の特定粉砕トナーであることが好ましい。
本実施形態に係る画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
本実施形態に係る画像形成装置は、清掃手段を備える。本実施形態に用いられる清掃手段は、中間転写体の表面に接触し、前記中間転写体の表面を清掃するクリーニングブレードを有する。
クリーニングブレードの中間転写体に対する押し付け圧Nは、0.6gf/mm2以上6.0gf/mm2以下に設定されることが好ましい。
上記角度θとは、クリーニングブレードの先端と中間転写体との接触部における接線とクリーニングブレードの非変形部とでなす角の角度を指す。
清掃手段は、クリーニングブレードとこれを支持する支持部材以外にも公知の部材を含んでいてもよい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、トナーを少なくとも含む。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、トナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤であってもよい。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子と、個数平均粒子径が110nm以上130nm以下であり、大径側個数粒度分布指標(上側GSDp)が1.080未満であり、平均円形度が0.94以上0.98以下であり、且つ、円形度が0.92以上の割合が80個数%以上であるシリカ粒子と、を含む。本実施形態に係るトナーは、必要に応じて、無機酸化物粒子と、潤滑剤粒子と、無機酸化物粒子及び潤滑剤粒子以外の外添剤と、をさらに含んで構成される。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、スチレンアクリル樹脂が好適である。
スチレンアクリル樹脂は、スチレン系単量体(スチレン骨格を有する単量体)と(メタ)アクリル系単量体((メタ)アクリロイル基を有する単量体、好ましくは(メタ)アクリオイルオキシ基を有する単量体)とを少なくとも共重合した共重合体である。スチレンアクリル樹脂は、例えば、スチレン類の単量体と前述の(メタ)アクリル酸エステル類の単量体との共重合体を含む。なお、スチレンアクリル樹脂におけるアクリル樹脂部分は、アクリル系単量体及びメタクリル系単量体のいずれか、又は、それを重合してなる部分構造である。また、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれをも含む表現である。
これらの中で、スチレン系単量体としては、反応し易さ、反応の制御の容易さ、さらに入手性の点で、スチレンが好ましい。
なお、(メタ)アクリル系単量体のうち、これらの(メタ)アクリルエステルの中でも、トナーの定着性を高める観点から、炭素数2以上14以下(好ましくは炭素数2以上10以下、より好ましくは3以上8以下)のアルキル基を持つ(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。中でも、(メタ)アクリル酸n-ブチルが好ましく、アクリル酸n-ブチルが特に好ましい。
2官能の架橋剤としては、例えば,ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジ(メタ)アクリレート化合物(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、デカンジオールジアクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等)、ポリエステル型ジ(メタ)アクリレート、メタクリル酸2-([1’-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル等が挙げられる。
3官能以上の架橋剤としては、トリ(メタ)アクリレート化合物(例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等)、テトラ(メタ)アクリレート化合物(例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート等)、2,2-ビス(4-メタクリロキシ、ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート等が挙げられる。
中でも、架橋性単量体としては、トナーの定着性を高める観点から、2官能以上の(メタ)アクリレート化合物が好ましく、2官能(メタ)アクリレート化合物がより好ましく、炭素数6~20のアルキレン基を有する2官能(メタ)アクリレート化合物がさらに好ましく、炭素数6~20の直鎖アルキレン基を有する2官能(メタ)アクリレート化合物が特に好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知の非晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と共に、結晶性ポリエステル樹脂を併用してもよい。但し、結晶性ポリエステル樹脂は、全結着樹脂に対して、含有量が2質量%以上40質量%以下(好ましくは2質量%以上20質量%以下)の範囲で用いることがよい。
一方、樹脂の「非晶性」とは、半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒子径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒子径を体積粒子径D16v、個数粒子径D16p、累積50%となる粒子径を体積平均粒子径D50v、累積数平均粒子径D50p、累積84%となる粒子径を体積粒子径D84v、個数粒子径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA-3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
本実施形態に係るトナーは、個数平均粒子径が110nm以上130nm以下であり、大径側個数粒度分布指標(上側GSDp)が1.080未満であり、平均円形度が0.94以上0.98以下であり、且つ、円形度が0.92以上の割合が80個数%以上であるシリカ粒子(以下、「第一シリカ粒子」とも称す。)を含む。
(1)トナーをメタノールに分散させ、室温(23℃)にて撹拌後、超音波バスにて処理し、トナーから外添剤を分離する。続いて、遠心分離により、トナー粒子を沈降させ、外添剤が分散した分散液を回収する。その後、メタノールを留去し、外添剤を取り出す。
(2)体積平均粒子径100μmの樹脂粒子(ポリエステル、重量平均分子量Mw=50000)に、前記外添剤を分散させる。
(3)前記外添剤が分散された樹脂粒子を、エネルギー分散型X線分析装置(EDX装置)(堀場製作所製、EMAX Evolution X-Max80mm2)を取り付けた走査型電子顕微鏡(SEM)(日立ハイテクノロジーズ製、S-4800)を用いて観察し、倍率4万倍で画像を撮影する。この際、EDX分析によって、Siの存在に基づき、一視野内からシリカの一次粒子を300個以上特定する。SEMは、加速電圧15kV、エミッション電流20μA、WD15mmで観察し、EDX分析は、同条件で検出時間60分とする。
(4)得られた画像を、画像解析装置(LUZEXIII、(株)ニレコ製)に取り込み、画像解析により、各粒子の面積を求める。
(5)この測定された面積値から、シリカの粒子径を円相当径として求める。
(6)円相当径が80nm以上のシリカ粒子を100個選別する。
前記選別されたシリカ粒子について、円相当径の累積分布を小径側から描き、累積16%となる粒子径を個数粒子径D16p、累積50%となる粒子径を個数平均粒子径D50p、累積84%となる粒子径を個数粒子径D84pと定義する。そして、大径側個数粒度分布指標(上側GSDp)は、(D84p/D50p)1/2として、小径側個数粒度分布指標(下側GSDp)は、(D50p/D16p)1/2として算出される。
先述の第一シリカ粒子の個数平均粒子径の求め方において選別された100個について、各円形度を下記式(1)により算出する。得られた円形度の小径側から累積した頻度50%円形度を、第一シリカ粒子の平均円形度とする。
式(1):円形度=4π×(A/I2)
式(1)中、Iは画像上における一次粒子の周囲長を表し、Aは一次粒子の投影面積を表す。
また、平均円形度を求めた際の、100個の各円形度に占める、円形度0.92以上の個数割合を、第一シリカ粒子における円形度0.92以上のシリカ粒子の個数割合とする。
イオン交換水50mlに、試料となるシリカ粒子を0.2質量%入れ、マグネティックスターラーで撹拌しながらビュレットからメタノールを滴下していく。このとき、試料全量が溶液中に沈んだ終点におけるメタノール-イオン交換水混合溶液中のメタノール質量分率(%)(=メタノール添加量/(メタノール添加量+イオン交換水の量))を、疎水化度(%)として求める。
疎水化処理剤としては、例えば、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)を有する公知の有機珪素化合物が挙げられ、具体例には、アルコキシシラン化合物、シロキサン化合物、シラザン化合物等が挙げられる。上記の中でも、疎水化処理剤は、シロキサン化合物及びシラザン化合物の少なくとも一方を含むことが好ましい。疎水化処理剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
シラザン化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン等が挙げられる。上記の中でも、シラザン化合物は、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)を含むことが好ましい。シラザン化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
本実施形態に係るトナーは、第一シリカ粒子以外のその他の外添剤(以下、単に「その他の外添剤」とも称す。)をさらに含んでいてもよい。その他の外添剤としては、例えば、無機酸化物粒子が挙げられる。無機酸化物粒子としては、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。上記の中でも、無機酸化物粒子としては、TiO2、SiO2、つまり、チタニア粒子又はシリカ粒子(以下「第二のシリカ粒子」とも称す。)を含むことが好ましい。
(1)トナーをメタノールに分散させ、室温(23℃)にて撹拌後、超音波バスにて処理し、トナーから外添剤を分離する。続いて、遠心分離により、トナー粒子を沈降させ、外添剤が分散した分散液を回収する。その後、メタノールを留去し、外添剤を取り出す。
(2)体積平均粒子径100μmの樹脂粒子(ポリエステル、重量平均分子量Mw=50000)に、前記外添剤を分散させる。
(3)前記外添剤が分散された樹脂粒子を、エネルギー分散型X線分析装置(EDX装置)(堀場製作所製、EMAX Evolution X-Max80mm2)を取り付けた走査型電子顕微鏡(SEM)(日立ハイテクノロジーズ製、S-4800)を用いて観察し、倍率4万倍で画像を撮影する。この際、EDX分析によって、各無機酸化物粒子に含まれる原子(Si、Ti等)の存在に基づき、一視野内から無機酸化物粒子の一次粒子を300個以上特定する。SEMは、加速電圧15kV、エミッション電流20μA、WD15mmで観察し、EDX分析は、同条件で検出時間60分とする。
(4)得られた画像を、画像解析装置(LUZEXIII、(株)ニレコ製)に取り込み、画像解析により、各粒子の面積を求める。
(5)この測定された面積値から、各無機酸化物粒子の粒子径を円相当径として求める。
(6)円相当径が80nm未満の粒子を100個選別する。前記選別された粒子について、円相当径の累積分布を小径側から描き、累積50%となる粒子径を、無機酸化物粒子の個数平均粒子径とする。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機酸化物粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
キャリアは、特に限定されず、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリアおよび樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
(シリカ粒子分散液(1)の調製)
撹拌機、滴下ノズル、温度計を具備したガラス製反応容器にメタノール300部、10%アンモニア水70部を添加して混合し、アルカリ触媒溶液を得た。このアルカリ触媒溶液を30℃(滴下開始温度)に調整した後、撹拌しながら、テトラメトキシシラン185部と8%アンモニア水50部とを同時に滴下を行い、親水性のシリカ粒子分散液(固形分量12%)を得た。ここで、滴下時間は30分とした。その後、得られたシリカ粒子分散液をロータリーフィルターR-ファイン(寿工業社製)で固形分量40%まで濃縮した。この濃縮したものをシリカ粒子分散液(1)とした。
シリカ粒子分散液(1)の調製において、表1に従って、アルカリ触媒溶液の条件(メタノール量、アンモニア水の濃度及び量)、シリカ粒子の生成条件(アルカリ触媒溶液へのテトラメトキシシラン(TMOS)の量、アンモニア水の濃度及び総滴下量、TMOS及びアンモニア水の滴下時間及び滴下開始温度)を変更した以外は、シリカ粒子分散液(1)と同様にして、シリカ粒子分散液(2)~(8)及び(c1)~(c6)を調製した。
シリカ粒子分散液(1)を用いて、以下に示すようにして、シリカ粒子に対し超臨界二酸化炭素雰囲気下でシロキサン化合物による表面処理を行った。なお、表面処理には、二酸化炭素ボンベ、二酸化炭素ポンプ、エントレーナポンプ、撹拌機付きオートクレーブ(容量500ml)、圧力弁を具備した装置を用いた。
その後、ヒーターにより温度150℃、二酸化炭素ポンプにより圧力15MPaを維持し、オートクレーブ内で二酸化炭素の超臨界状態を維持させた状態で、上記シリカ粒子(未処理のシリカ粒子)100部に対して、予め疎水化処理剤としてヘキサメチルジシラザン(HMDS:有機合成薬品工業社製)20部に、シロキサン化合物として、粘度10000cStであるジメチルシリコーンオイル(DSO:商品名「KF-96(信越化学工業社製)」)0.3部を溶解した処理剤溶液をエントレーナポンプにてオートクレーブ内に注入した後、撹拌しながら、180℃で20分間反応させた。その後、再度超臨界二酸化炭素を流通させ、余剰の処理剤溶液を除去した。その後、撹拌を停止し、圧力弁を開けてオートクレーブ内の圧力を大気圧まで開放し温度を室温(25℃)まで下げた。
このように、溶媒除去工程、HMDS及びDSOによる表面処理を順次行い、表面処理シリカ粒子(S1)を得た。
表面処理シリカ粒子(S1)の調製と同様にして、表面処理シリカ粒子(S2)~(S10)及び(cS1)~(cS6)を得た。
特開2008-174430号公報の段落0051~0053と同様にして、表面処理シリカ粒子(cS7)を得た。また、特開2001-194824号公報の段落0019と同様にして、表面処理シリカ粒子(cS8)を得た。
(非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(A1)の調製)
・テレフタル酸:70部
・フマル酸:30部
・エチレングリコール:45部
・1,5-ペンタンジオール:46部
撹拌装置、窒素導入管、温度センサ、及び精留塔を備えたフラスコに、上記の材料を仕込み窒素ガス気流下、1時間を要して温度を220℃まで上げ、上記材料の合計100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら0.5時間を要して240℃まで温度を上げ、該温度で1時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。こうして、重量平均分子量9500、ガラス転移温度62℃のポリエステル樹脂を合成した。
・1,10-デカンジカルボン酸:98部
・イソフタル酸ジメチル-5-スルホン酸ナトリウム:24部
・1,9-ノナンジオール:100部
・ジブチル錫オキサイド(触媒):0.3部
加熱乾燥した三口フラスコに、上記の成分を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌及び還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂を得た。分子量測定(ポリスチレン換算)で、結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は9700であり、融解温度は78℃であった。
(スチレンアクリル樹脂粒子分散液(B1)の調製)
スチレン:200部
n-ブチルアクリレート:50部
アクリル酸:1部
β-カルボキシエチルアクリレート:3部
プロパンジオールジアクリレート:1部
2-ヒドロキシエチルアクリレート:0.5部
ドデカンチオール:1部
フラスコに、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製ダウファックス)4部をイオン交換水550部に溶解した溶液を入れ、そこに上記の原料を混合した混合液を入れて乳化した。乳化液を10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸アンモニウム6部を溶解したイオン交換水50部を投入した。次いで、系内の窒素置換を充分に行い、オイルバスで系内が75℃になるまで加熱し、30分間重合した。
スチレン:110部
n-ブチルアクリレート:50部
β-カルボキシエチルアクリレート:5部
1,10-デカンジオールジアクリレート:2.5部
ドデカンチオール:2部
上記の原料を混合した混合液を入れて乳化し、乳化液を上記フラスコに120分間添加し、そのまま4時間乳化重合を継続した。これにより、重量平均分子量32,000、ガラス転移温度53℃、体積平均粒径240nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。前記樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20%に調整して、スチレンアクリル樹脂粒子分散液(B1)とした。
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)製 HNP-9) :100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK) :1部
・イオン交換水 :350部
上記材料を混合して100℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径200nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液(固形分量20%)を得た。
・カーボンブラック(キャボット社製、Regal330): 50部
・アニオン系界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬): 5部
・イオン交換水: 192.9部
上記成分を混合し、アルティマイザ(スギノマシン社製)により240MPaで10分処理し、クロ着色粒子分散液(固形分量:20%)を調製した。
・イオン交換水:200部
・非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(A1):150部
・結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(C1):10部
・クロ着色粒子分散液:15部
・離型剤粒子分散液:10部
・アニオン性界面活性剤(TaycaPower):2.8部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1Nの硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム(PAC、王子製紙(株)製:30%粉末品)2.0部をイオン交換水30部に溶解させたPAC水溶液を添加した。ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱し体積平均粒径が4.8μmとなるまで保持した。その後、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(A1)60部を追加し30分保持した。その後、体積平均粒径が5.2μmとなったところで、さらに非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(A1)60部を追加し30分保持した。続いて、10%のNTA(ニトリロ三酢酸)金属塩水溶液(キレスト70:キレスト株式会社製)を20部加えた後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、アニオン活性剤(TaycaPower):1.0部投入して撹拌を継続しながら85℃まで加熱し、5時間保持した。その後、20℃/分の速度で20℃まで冷却後濾過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、体積平均粒径6.0μmのトナー粒子(A1)を得た。
イオン交換水:400部
スチレンアクリル樹脂粒子分散液(B1):200部
クロ着色粒子分散液:40部
離型剤粒子分散液:12部
上記成分を、温度計、pH計、撹拌機を具備した反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、撹拌回転数150rpmにて、30分間保持した。ホモジナイザー(IKAジャパン(株)製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム(PAC、王子製紙(株)製:30%粉末品)2.1部をイオン交換水100部に溶解させたPAC水溶液を添加した。その後、50℃まで昇温し、コールターマルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径を5.0μmとした。その後樹脂粒子分散液(1)115部を追添加し、凝集粒子の表面に樹脂粒子を付着(シェル構造)させた。続いて、10%のNTA(ニトリロ三酢酸)金属塩水溶液(キレスト70:キレスト(株)製)を20部加えた後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、昇温速度を0.05℃/分にして91℃まで昇温し、91℃で3時間保持した後、得られたトナースラリーを85℃まで冷却し、1時間保持した。その後25℃まで冷却してマゼンタトナーを得た。これをさらにイオン交換水にて再分散し、ろ過することを繰り返して、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子(B1)を得た。
トナー粒子(1)100部と、第一シリカ粒子(S1)1.5部と、無機酸化物粒子である個数平均粒子径20nmのチタニア粒子(チタン工業社製)0.5部と、を混合し、サンプルミルを用いて回転速度13000rpmで30秒間混合した。目開き45μmの振動篩で篩分して、トナー(A1)を得た。
トナー粒子(B1)100部と、第一シリカ粒子(S1)1.5部と、無機酸化物粒子である個数平均粒子径20nmのチタニア粒子(テイカ社製)0.5部と、を混合し、サンプルミルを用いて回転速度13000rpmで30秒間混合した。目開き45μmの振動篩で篩分して、トナー(B1)を得た。
トナー粒子、第一シリカ粒子及び無機酸化物粒子の種類を、表2に示す仕様とした以外は、トナー(A1)と同様にして、各トナーを得た。
トナー粒子、第一シリカ粒子及び無機酸化物粒子の種類を、表2に示す仕様とした以外は、トナー(B1)と同様にして、各トナーを得た。
・個数平均粒子径20nmのシリカ粒子(日本アエロジル製)
・個数平均粒子径10nmのチタニア粒子(チタン工業社製)
・個数平均粒子径20nmのチタニア粒子(チタン工業社製)
・個数平均粒子径45nmのチタニア粒子(チタン工業社製)
各トナー10部と下記の樹脂被覆キャリア100部とをV型ブレンダーに入れ20分間撹拌し、次いで、目開き212μmの振動篩で篩分して現像剤を得た。
・Mn-Mg-Sr系フェライト粒子(平均粒径40μm):100部
・トルエン : 14部
・ポリメタクリル酸メチル : 2部
・カーボンブラック(VXC72:キャボット製) :0.12部
フェライト粒子を除く上記材料とガラスビーズ(直径1mm、トルエンと同量)とを混合し、関西ペイント社製サンドミルを用いて回転速度1200rpmで30分間撹拌し、分散液を得た。この分散液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、撹拌しながら減圧し乾燥させることにより、樹脂被覆キャリアを得た。
<中間転写ベルトT1の作製>
酸無水物として3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BDPA)と、ジアミンとしてp-フェニレンジアミン(PDA)と、を用い、BDPAとPDAとのモル比BDPA/PDAを9.5とし、N-メチルピロリドン溶媒中で60℃、4時間維持し、重合反応させてポリアミド酸溶液を作製した。
更に溶液中に所望の抵抗となる所定量の導電性カーボンブラックを均一に混合分散した。
無端ベルト状として得る為、該溶液を加熱できる金型にキャスティングし、乾燥させ該溶媒を除去、さらに徐々に昇温して400℃でイミド化反応させ無端ベルト状の中間転写ベルト基材を作製した。
この作製した中間転写ベルト基材の外周に、ニトリルゴムからなる厚さ500μmの弾性層を浸漬塗布法により形成した。弾性層には、個数平均粒子径が3000nmであるシリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)が弾性層の全質量に対して20質量%含まれていた。これにより、中間転写ベルトT1を得た。
中間転写ベルトの表面(外周面)における弾性率を前述の方法で測定した結果、50MPaであった。
個数平均粒子径が3000nmであるシリコーン粒子に代えて、個数平均粒子径が4500nmであるシリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)を弾性層の全質量に対して10質量%含ませた以外は、中間転写ベルトT1の作製と同様にして、中間転写ベルトT2を得た。
弾性層にシリコーン粒子を含ませなかった以外は、中間転写ベルトT1の作製と同様にして、中間転写ベルトrT1を得た。
表3に従って、下記に示す画像形成装置を用意した。
上記の画像形成装置も用いて、高温高湿(28℃/85%RH)環境下で、Cyanベタ(濃度100%)の3cm×3cmパッチを並べた画像を出力し、二次転写工程中にハードストップを行い、二次転写前のトナー重量aと二次転写後の中間転写ベルト上の残トナー重量bを計測し、下式により転写効率を求めた。
式:転写効率η(%)=(a-b)/a×100
A:95%以上
B:90%超95%未満
C:90%以下
上記の画像形成装置も用いて、低温低湿(10℃/15%RH)環境下で、A4サイズの用紙(富士ゼロックス社製、C2r紙)に画像密度30%の画像を50000枚流した。そして、次の通り、クリーニングブレードの摩耗量を評価した。また、同時に上記の15000枚目の画像について、色スジの画質欠陥の発生状態を下記の基準で目視により評価した。なお、A評価は問題なし、B評価は実使用上は問題なし、C評価は許容範囲外とした。
ブレード先端の磨耗量は、キーエンス社製レーザ顕微鏡VK-9500にて断面プロファイルを観察し、磨耗部の断面積を計測した。
A:摩耗量が50μm2未満
B:摩耗量が50以下μm2以上200μm2以下
C:摩耗量が200μm2超え
A:色スジが確認されない
B:画像に色スジが僅かに確認されるが許容範囲
C:画像に色スジが確認され、許容し得ない
11 感光体
12 帯電器
13 レーザ露光器
14 現像器
15 中間転写ベルト
15A 弾性層
15B 基層
16 一次転写ロール
17 感光体クリーナ
20 二次転写部
22 二次転写ロール
25 背面ロール
26 給電ロール
31 駆動ロール
32 支持ロール
33 張力付与ロール
34 クリーニング背面ロール
35 中間転写ベルトクリーナ
40 制御部
42 基準センサ
43 画像濃度センサ
50 用紙収容部
51 給紙ロール
52 搬送ロール
53 搬送ガイド
55 搬送ベルト
56 定着入口ガイド
60 定着装置
100 画像形成装置
113 クリーニング用対向ロール
131、132 ロール
150 中間転写ベルトユニット
Claims (13)
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
トナー粒子と、個数平均粒子径が110nm以上130nm以下、大径側個数粒度分布指標(上側GSDp)が1.080未満であり、平均円形度が0.94以上0.98以下であり、且つ、円形度が0.92以上の割合が80個数%以上であるシリカ粒子とを含有する静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
基材と球状粒子を含む弾性層とを備える中間転写体と、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写体の表面に転写された前記トナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する転写手段と、
前記中間転写体の表面に接触し、前記中間転写体の表面を清掃するクリーニングブレードを有する清掃手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記シリカ粒子は、前記大径側個数粒度分布指標(上側GSDp)が1.075未満である、請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記シリカ粒子は、小径側個数粒度分布指標(下側GSDp)が1.080未満である、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記シリカ粒子は、前記平均円形度が0.95以上0.97以下である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記シリカ粒子は、前記円形度が0.92以上の割合が85個数%以上である、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記静電荷像現像用トナーは、個数平均粒子径が5nm以上50nm以下の無機酸化物粒子をさらに含む、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記トナー粒子は、結着樹脂として、スチレンアクリル樹脂を含む、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記トナー粒子は、結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含む、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記球状粒子の含有量が、前記弾性層の全質量に対して1質量%以上40質量%以下である請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記弾性層の厚みが100μm以上2000μm以下である請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記弾性層のJIS A硬度が20以上50以下である請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記球状粒子の個数平均粒子径が1000nm以上5000nm以下である請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- トナー粒子と、個数平均粒子径が110nm以上130nm以下、大径側個数粒度分布指標(上側GSDp)が1.080未満であり、平均円形度が0.94以上0.98以下であり、且つ、円形度が0.92以上の割合が80個数%以上であるシリカ粒子とを含有する静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
基材と球状粒子を含む弾性層とを備える中間転写体と、前記像保持体の表面に形成された前記トナー画像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写体の表面に転写された前記トナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する転写手段と、
前記中間転写体の表面に接触し、前記中間転写体の表面を清掃するクリーニングブレードを有する清掃手段と、
を備え、画像形成装置に着脱する、プロセスカートリッジ。
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